WO2011030398A1

WO2011030398A1 - 燃費表示装置、燃費表示方法及び燃費表示プログラム

Info

Publication number: WO2011030398A1
Application number: PCT/JP2009/065673
Authority: WO
Inventors: 将太柏尾; 裕也白川; 昌義鈴木; 哲郎島村
Original assignee: パイオニア株式会社; パイオニアシステムテクノロジー株式会社
Priority date: 2009-09-08
Filing date: 2009-09-08
Publication date: 2011-03-17
Also published as: US20120191334A1; EP2477011A1; JPWO2011030398A1

Abstract

　燃費表示装置は、例えばナビゲーション装置などに適用され、過去平均燃費算出手段と、今回平均燃費算出手段と、平均燃費比較手段と、表示手段と、を備える。過去平均燃費手段は、燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める。今回平均燃費算出手段は、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める。平均燃費比較手段は、今回平均燃費と過去平均燃費との比較を行う。表示手段は、今回平均燃費と過去平均燃費との比較の総比較回数に対する、過去平均燃費よりも今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する。

Description

燃費表示装置、燃費表示方法及び燃費表示プログラム

　本発明は、燃費を表示する燃費表示装置に関する。

　近年、エコロジー及び燃費節減の観点から、燃費などの車両情報をドライバに伝達するための方法が考え出されている。例えば、特許文献１には、平均燃費に対する瞬間燃費の偏差を燃費情報として燃費メータに表示させる技術が記載されている。

特開２００７－２９８４９４号公報

　ところで、特許文献１に記載の技術では、燃費メータ上における表示を、中立位置に対する指針の揺動によって行っている。しかしながら、瞬間燃費は変動が激しく、それに伴い、指針の揺動も激しくなるため、ドライバは燃費を把握しづらいことに加え、瞬間的な燃費の評価しか知ることができない。このような理由から、特許文献１に記載の技術では、今回の運転全体についての燃費の評価をドライバは知ることができない。

　本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、今回の運転全体についての燃費の評価を知ることが可能な燃費表示装置を提供することを課題とする。

　請求項１に記載の発明は、車両の燃費の評価を表示する燃費表示装置であって、前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出手段と、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出手段と、前記今回平均燃費と前記過去平均燃費との比較を行う平均燃費比較手段と、前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。

　請求項４に記載の発明は、車両の燃費の評価を燃費表示装置によって表示する燃費表示方法であって、前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出工程と、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出工程と、前記過去平均燃費と前記今回平均燃費との比較を行う平均燃費比較工程と、前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示工程と、を備えることを特徴とする。

　請求項５に記載の発明は、車両の燃費の評価を表示する燃費表示装置によって実行される燃費表示プログラムであって、前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出手段、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出手段、前記過去平均燃費と前記今回平均燃費との比較を行う平均燃費比較手段、前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示手段、として前記燃費表示装置を機能させることを特徴とする。

ナビゲーション装置の装置構成を示す図である。本実施例に係る燃費評価方法を説明するための模式図である。過去平均燃費と今回平均燃費との比較結果の表示の一例である。本実施例に係る燃費評価方法を説明するための模式図である。本実施例に係る制御処理を示すフローチャートである。

　本発明の１つの観点では、車両の燃費の評価を表示する燃費表示装置は、前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出手段と、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出手段と、前記今回平均燃費と過去平均燃費との比較を行う平均燃費比較手段と、前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示手段と、を備える。

　上記の燃費表示装置は、例えばナビゲーション装置などに適用され、過去平均燃費算出手段と、今回平均燃費算出手段と、平均燃費比較手段と、表示手段と、を備える。過去平均燃費手段は、燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める。今回平均燃費算出手段は、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める。平均燃費比較手段は、今回平均燃費と過去平均燃費との比較を行う。表示手段は、今回平均燃費と過去平均燃費との比較の総比較回数に対する、過去平均燃費よりも今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する。これらの手段は、例えばナビゲーション装置のシステムコントローラによって実現される。このようにすることで、ドライバは、今回の運転全体における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を知ることができる。

　上記の燃費表示装置の他の一態様は、前記表示手段は、前記割合の表示の更新を所定時間毎に行う。これにより、ドライバは、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を所定時間毎に知ることができる。

　上記の燃費表示装置の他の一態様は、前記燃費表示装置は、前記車両の経路誘導を行うナビゲーション装置と接続され、前記今回平均燃費算出手段は、前記ナビゲーション装置による前記車両の経路誘導の開始時刻を前記今回の運転開始時刻とし、前記表示手段は、前記ナビゲーション装置による前記車両の経路誘導の完了時刻に、前記割合を表示する。これにより、このようにすることで、ドライバは、今回の経路誘導時における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を知ることができる。

　本発明の他の観点では、車両の燃費の評価を燃費表示装置によって表示する燃費表示方法は、前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出工程と、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出工程と、前記過去平均燃費と前記今回平均燃費との比較を行う平均燃費比較工程と、前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示工程と、を備える。この方法によっても、ドライバは、今回の運転全体における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった割合を知ることができる。

　本発明の更なる他の観点では、車両の燃費の評価を表示する燃費表示装置によって実行される燃費表示プログラムは、前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出手段、今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出手段、前記過去平均燃費と前記今回平均燃費との比較を行う平均燃費比較手段、及び、前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示手段、として前記燃費表示装置を機能させる。このプログラムによっても、ドライバは、今回の運転全体における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった割合を知ることができる。

　以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。

　［ナビゲーション装置］
　まず、本発明の燃費表示装置が適用されたナビゲーション装置１の装置構成について説明する。図１は、車両に搭載されるナビゲーション装置１の装置構成を示す。

　図１に示すように、ナビゲーション装置１は、自立測位装置１０、ＧＰＳ受信器１８、システムコントローラ２０、ディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、通信装置３８、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０、及び、入力装置６０を備えて構成されている。

　自立測位装置１０は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３を含んで構成されている。加速度センサ１１は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ１２は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ１３は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。

　ＧＰＳ受信器１８は、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられるべき複数のＧＰＳ衛星からの測位用のデータ（ＧＰＳデータ）を含む下り回線データを搬送する電波１９を受信する部分である。

　システムコントローラ２０は、インタフェース２１、ＣＰＵ（Central Processing Unit）２２、ＲＯＭ（Read Only Memory）２３及びＲＡＭ（Random Access Memory）２４を含んでおり、ナビゲーション装置１全体の制御を行うように構成されている。具体的には、システムコントローラは、ドライバによって設定された目的地に応じて、地図データ上に目的地までの誘導経路を表示するとともに自車位置を表示することにより、車両の経路誘導を行う。また、システムコントローラ２０は、自立測位装置１０の各センサからの検出信号に基づいて、単位時間毎に、車両の加速度、速度及び走行距離といった走行状態を求め、これらの走行状態を時刻に対応させた走行履歴としてデータ記憶ユニット３６に記憶する。

　インタフェース２１は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３並びにＧＰＳ受信器１８とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルスの他、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、ＧＰＳ測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ２０に入力する。ＣＰＵ２２は、システムコントローラ２０全体を制御する。ＲＯＭ２３は、システムコントローラ２０を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。ＲＡＭ２４は、入力装置６０を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、ＣＰＵ２２に対してワーキングエリアを提供したりする。

　システムコントローラ２０、ＣＤ－ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ－ＲＯＭドライブなどのディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０、及び、入力装置６０は、バスライン３０を介して相互に接続されている。

　ディスクドライブ３１は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ又はＤＶＤといったディスク３３から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ３１は、ＣＤ－ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ－ＲＯＭドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、ＣＤ及びＤＶＤコンパチブルのドライブとしてもよい。

　データ記憶ユニット３６は、例えば、ＨＤＤなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。

　通信装置３８は、例えば、ＦＭチューナやビーコンレシーバなどにより構成され、ＶＩＣＳ（Vehicle Information Communication System）センターなどから配信される情報を取得する。

　表示ユニット４０は、システムコントローラ２０の制御の下、各種表示データをディスプレイ４４の表示画面上に表示する。例えば、表示データとして地図データを表示画面上に表示する場合には、システムコントローラ２０は、データ記憶ユニット３６より地図データを読み出し、表示ユニット４０は、システムコントローラ２０によってデータ記憶ユニット３６より読み出された地図データを表示画面上に表示する。表示ユニット４０は、バスライン３０を介してＣＰＵ２２から送られる制御データに基づいて表示ユニット４０全体の制御を行うグラフィックコントローラ４１と、ＶＲＡＭ（Video RAM）等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ４２と、グラフィックコントローラ４１から出力される画像データに基づいて、液晶、ＣＲＴ（Cathode Ray Tube）等のディスプレイ４４を表示制御する表示制御部４３と、ディスプレイ４４とを備えて構成されている。ディスプレイ４４は、例えば対角５～１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。

　音声出力ユニット５０は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ－ＲＯＭドライブ３１又はＤＶＤ－ＲＯＭ３２、若しくはＲＡＭ２４等からバスライン３０を介して送られる音声デジタルデータのＤ／Ａ（Digital to Analog）変換を行うＤ／Ａコンバータ５１と、Ｄ／Ａコンバータ５１から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器（ＡＭＰ）５２と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ５３とを備えて構成されている。

　入力装置６０は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置６０は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ４４の周囲に配置される。また、ディスプレイ４４がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ４４の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置６０として機能する。

　［燃費評価方法］
　次に、本実施例に係る燃費評価方法について図２、図３を用いて説明する。

　本実施例に係る燃費評価方法では、今回の運転開始前の平均燃費である過去平均燃費と、今回の運転時における一定時間毎の平均燃費である今回平均燃費とが求められる。そして、一定時間毎の今回平均燃費のそれぞれと過去平均燃費との比較が行われ、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった回数が当該比較の総比較回数に対する割合として求められる。なお、この制御は、システムコントローラ２０がプログラムを実行することにより実現される。以下、本実施例に係る燃費評価方法について、図２を用いて詳細に説明する。

　図２は、本実施例に係る燃費評価方法を説明するための模式図である。

　まず、過去平均燃費を求める方法について説明する。システムコントローラ２０は、今回の運転開始前の走行履歴に基づいて過去平均燃費を求める。ここで、過去平均燃費とは、図２で言うと、ナビゲーション装置１が車両に設置されて最初の電源投入時刻、即ち、ナビゲーション装置１の使用開始の際の電源投入時刻ｔａ０から前回の運転完了時刻ｔａ１までの平均燃費である。前回の運転完了時刻ｔａ１は、例えば、前回の運転の際における車両の経路誘導の完了時刻である。ここで、システムコントローラ２０は、過去平均燃費を道路種別毎に求める。例えば、システムコントローラ２０は、車両が有料道路を走行したときの過去平均燃費と、車両が一般道路を走行したときの過去平均燃費とを求める。以下では、車両が有料道路を走行したときの過去平均燃費を「有料道路過去平均燃費」と称することとし、車両が一般道路を走行したときの過去平均燃費を「一般道路過去平均燃費」と称することとする。なお、以下において、「一般道路過去平均燃費」と「有料道路過去平均燃費」とを区別しない場合には、単に「過去平均燃費」と称することとする。

　より詳細には、システムコントローラ２０は、走行履歴中の車両の位置と、当該位置に対応する地図データ中の道路データ内における有料道路か否かを示すフラグとを基に、当該走行履歴が、有料道路又は一般道路のうち、どちらの道路を車両が走行したときのものかを判定する。そして、システムコントローラ２０は、車両が有料道路を走行したときの走行履歴を基に、有料道路過去平均燃費を求め、車両が一般道路を走行したときの走行履歴を基に、一般道路過去平均燃費を求める。

　ここで、平均燃費を求める一般的な方法について詳しく説明する。

　平均燃費は燃費推定式を用いて求められる。平均燃費をＦＣＣ、燃料消費量をＦｃ、走行距離をＤｓとすると、燃費推定式は、以下の式（１）で示される。

　ここで、燃料消費量Ｆｃは、ｔを時間、単位時間当たりの燃料消費量をｆｃとすると、以下の式（２）で示される。

　具体的には、燃料消費量Ｆｃは、単位時間当たりの燃料消費量ｆｃを時間について足し合わせたものである。また、単位時間当たりの燃料消費量ｆｃは、単位時間当たりの速度をｖ、単位時間当たりの加速度をｄｖ／ｄｔとすると、以下の式（３）より求められる。ここで、ｈ、ｋ１、ｋ２、ｋ３はそれぞれ係数を示す。これらの係数は、予め適合値として求められ、ＲＯＭ２３などに記憶されている。

　つまり、システムコントローラ２０は、速度ｖ及び加速度ｄｖ／ｄｔを走行履歴より取得し、取得された速度ｖ及び加速度ｄｖ／ｄｔを式（３）に代入することにより、単位時間当たりの燃料消費量ｆｃを求める。システムコントローラ２０は、求められた単位時間当たりの燃料消費量ｆｃを時間について足し合わせることで燃料消費量Ｆｃを求め、求められた燃料消費量Ｆｃで走行距離Ｄｓを割ることにより平均燃費ＦＣＣを求める。

　例えば、過去平均燃費を求める場合には、まず、システムコントローラ２０は、ナビゲーション装置１の使用開始時刻ｔａ０から前回の運転完了時刻ｔａ１までの一定時間毎の速度及び加速度を走行履歴より取得し、それぞれ式（３）に代入することにより一定時間毎の燃料消費量を求める。そして、システムコントローラ２０は、式（２）に示したように、求められた一定時間毎の燃料消費量を累積することにより、時刻ｔａ０から時刻ｔａ１までの燃料消費量を求める。ここで、システムコントローラ２０は、時刻ｔａ０から時刻ｔａ１までの走行履歴を道路種別毎に分けて、車両が有料道路を走行したときの燃料消費量と、車両が一般道路を走行したときの燃料消費量とを求める。また、システムコントローラ２０は、道路種別毎に分けられた走行履歴を基に、車両が有料道路を走行したときの走行距離と、車両が一般道路を走行したときの走行距離とを求める。システムコントローラ２０は、車両が有料道路を走行したときの燃料消費量及び走行距離より有料道路過去平均燃費を求め、車両が一般道路を走行したときの燃料消費量及び走行距離より一般道路過去平均燃費を求める。

　次に、今回平均燃費の評価方法について具体的に説明する。

　システムコントローラ２０は、今回の運転開始時刻ｔｂ０より、一定時間毎の平均燃費である今回平均燃費を求める。ここで、今回の運転開始時刻ｔｂ０は、例えば、車両の経路誘導の開始時刻に設定される。図２におけるＰＦ１～ＰＦ２６が、時刻ｔｂ０から現在時刻ｔｐまでの間における一定時間毎の今回平均燃費をそれぞれ示している。

　ここで、図２の太線の矢印７１は時間の方向を示し、当該矢印７１には、時刻ｔｂ０から３０秒毎に目盛が付記されている。当該目盛から分かるように、今回平均燃費は１分３０秒毎の平均燃費である。例えば、時刻ｔｂ０を０分として、０分から１分３０秒後までの期間の平均燃費が今回平均燃費ＰＦ１であり、３０秒後から２分後までの期間の平均燃費が今回平均燃費ＰＦ２であり、１分後から２分３０秒後までの期間の平均燃費が今回平均燃費ＰＦ３である。つまり、今回の運転が開始された時刻ｔｂ０より１分３０秒が経過したときに始めて今回平均燃費ＰＦ１が求められ、今回平均燃費ＰＦ１が求められてから３０秒後に今回平均燃費ＰＦ２が求められ、今回平均燃費ＰＦ２が求められてから３０秒後に今回平均燃費ＰＦ３が求められる。以後、同様にして、１分３０秒毎の今回平均燃費ＰＦ４～ＰＦ２６が３０秒間隔で順番に求められる。

　システムコントローラ２０は、過去平均燃費を求めたのと同様にして、走行履歴に基づいて今回平均燃費を求める。例えば、システムコントローラ２０は、時刻ｔｂ０を０分として、０分から１分３０秒後までの期間の走行履歴に基づいて、より詳細には、当該走行履歴における加速度、速度、走行距離を上述の式（１）～（３）に代入することで、今回平均燃費ＰＦ１を求める。システムコントローラ２０は、３０秒後から２分後までの期間の走行履歴に基づいて今回平均燃費ＰＦ２を求め、１分後から２分３０秒後までの期間の走行履歴に基づいて今回平均燃費ＰＦ３を求める。その後も同様にして、システムコントローラ２０は、１分３０秒毎の走行履歴に基づいて、今回平均燃費ＰＦ４～ＰＦ２６を求める。

　システムコントローラ２０は、このようにして求められた今回平均燃費のそれぞれと過去平均燃費との比較を行う。そして、システムコントローラ２０は、比較の結果、今回平均燃費の方が過去平均燃費よりも良かった回数（以下、「エコ指数基準点」と称する）をカウントする。図２に示す例では、今回平均燃費の方が過去平均燃費よりも良くなった場合を太線矢印７１上の白丸７２で示している。なお、今回の運転開始時刻ｔｂ０におけるエコ指数基準点は初期値「０」に設定される。

　例えば、システムコントローラ２０は、今回平均燃費ＰＦ１を求めると、今回平均燃費ＰＦ１と過去平均燃費との比較を行う。具体的には、今回平均燃費ＰＦ１に対応する走行履歴の期間において、車両は一般道路ＧＴ１を走行しているので、システムコントローラ２０は、今回平均燃費ＰＦ１と一般道路過去平均燃費との比較を行い、どちらの平均燃費の方が良いかを判定する。図２に示す例では、時刻ｔｂ０より１分３０秒経過時に対応する太線矢印７１上の位置に白丸７２が付されている。これは、今回平均燃費ＰＦ１と一般道路過去平均燃費との比較の結果、今回平均燃費ＰＦ１の方が一般道路過去平均燃費よりも良くなっていることを示す。従って、このとき、システムコントローラ２０は、エコ指数基準点に対し「＋１」カウントし、エコ指数基準点は「１」となる。

　同様にして、システムコントローラ２０は、時刻ｔｂ０から時刻ｔｂ１までの間、今回平均燃費ＰＦ２～ＰＦ８のそれぞれと過去平均燃費との比較を行う。このとき、車両は一般道路ＧＴ１を走行しているので、システムコントローラ２０は、今回平均燃費ＰＦ２～ＰＦ８のそれぞれと一般道路過去平均燃費との比較を行い、どちらの平均燃費の方が良いかを判定する。図２に示す太線矢印７１上の白丸７２の位置より分かるように、今回平均燃費ＰＦ１、ＰＦ２、ＰＦ３、ＰＦ４、ＰＦ６、ＰＦ８の６つが一般道路過去平均燃費と比較して良くなっている。従って、時刻ｔｂ１におけるエコ指数基準点は「６」と求められる。

　また、システムコントローラ２０は、今回平均燃費と過去平均燃費との比較が行われる度に、今回の運転開始時刻からの今回平均燃費と過去平均燃費との総比較回数に対するエコ指数基準点の割合をエコ指数として求める。つまり、エコ指数は、今回平均燃費と過去平均燃費との総比較回数に対する、今回平均燃費の方が過去平均燃費よりも良かった回数を割合として示すものである。ここで、システムコントローラ２０は、今回の運転開始時刻より所定時間（例えば５分）経過時に、エコ指数をディスプレイ４４に表示し、それから当該所定時間が経過する度に、エコ指数の表示の更新を行う。

　例えば、システムコントローラ２０は、時刻ｔｂ０から５分経過したとき、即ち、時刻ｔｂ１において、時刻ｔｂ０から時刻ｔｂ１までの間における総比較回数に対するエコ指数基準点の割合をエコ指数としてディスプレイ４４に表示する。時刻ｔｂ０から時刻ｔｂ１の間では、今回平均燃費ＰＦ１～ＰＦ８のそれぞれと一般道路過去平均燃費との比較が行われるので、総比較回数は「８」となる。また、時刻ｔｂ０から時刻ｔｂ１までのエコ指数基準点、即ち、図２でいうと白丸７２の数は「６」となっているので、時刻ｔｂ１におけるエコ指数は、６／８＝０．７５、即ち、７５％となる。

　図３は、エコ指数の表示の一例である。ナビゲーション装置１では、エコ指数は、地図情報や現在地を示す情報ととともにディスプレイ４４に表示される。例えば、図３において、三角印８５は、車両の現在位置を示しており、破線８６は、車両の誘導経路たるルートを示している。図３に示す例では、エコ指数はウインドウ８１に表示される。

　図３に示す例では、エコ指数はゲージ８１ａの長さで示される。ウインドウ８１において、「０％」、「５０％」、「１００％」とはそれぞれ、エコ指数が０％、５０％、１００％であることを示している。時刻ｔｂ１では、エコ指数が７５％と求められたので、エコ指数を示すゲージ８１ａは７５％の位置を指し示すこととなる。なお、図３に示されている「０％」、「５０％」、「１００％」といった数値は、本実施例を説明するための便宜上のものであり、このような数値が表示されるとする代わりに、例えば、おおよその割合が分かるシンボルが表示されるとしても良いのは言うまでもない。

　図２に戻り説明を続けると、システムコントローラ２０は、時刻ｔｂ１から時刻ｔｂ２までの間についても同様に、今回平均燃費ＰＦ９～ＰＦ１８のそれぞれについて、過去平均燃費との比較を行う。このとき、車両は有料道路ＰＴを走行しているので、システムコントローラ２０は、今回平均燃費ＰＦ９～ＰＦ１８のそれぞれと有料道路過去平均燃費との比較を行い、どちらの平均燃費の方が良いかを判定する。図２に示す太線矢印７１上の白丸７２の位置より分かるように、今回平均燃費ＰＦ１１、ＰＦ１２、ＰＦ１３、ＰＦ１４、ＰＦ１５、ＰＦ１６、ＰＦ１８の７つが有料道路過去平均燃費と比較して良くなっている。従って、時刻ｔｂ２における新たなエコ指数基準点は、時刻ｔｂ１におけるエコ指数基準点「６」に「７」を加えた「１３」となる。

　システムコントローラ２０は、時刻ｔｂ１から５分経過した時刻ｔｂ２において、エコ指数の表示の更新が行う。時刻ｔｂ２における総比較回数は、時刻ｔｂ０から時刻ｔｂ１までの比較回数「８」に対して、今回平均燃費ＰＦ１９～ＰＦ１８と有料道路過去平均燃費との比較回数「１０」を加えた「１８」となる。従って、時刻ｔｂ２におけるエコ指数は、１３／１８＝０．７２、即ち、７２％となる。そのため、図３に示したエコ指数を示すゲージ８１ａは７２％の位置を指し示すように更新される。

　システムコントローラ２０は、時刻ｔｂ２から現在時刻ｔｐまでの間についても同様に、今回平均燃費ＰＦ１９～ＰＦ２６のそれぞれについて、過去平均燃費との比較を行う。このとき、今回平均燃費ＰＦ１９～ＰＦ２２に対応する期間では、車両は有料道路ＰＴを走行し、今回平均燃費ＰＦ２３～ＰＦ２６に対応する期間では、車両は一般道路ＧＴ２を走行している。従って、システムコントローラ２０は、今回平均燃費ＰＦ１９～ＰＦ２２のそれぞれと有料道路過去平均燃費との比較を行い、今回平均燃費ＰＦ２３～ＰＦ２６のそれぞれと一般道路過去平均燃費との比較を行う。図２に示す太線矢印７１上の白丸７２の位置より分かるように、今回平均燃費ＰＦ１９～２２については、いずれも、有料道路過去平均燃費と比較して良くなっていないものの、今回平均燃費ＰＦ２３～ＰＦ２６については、今回平均燃費ＰＦ２３、ＰＦ２４、ＰＦ２５の３つが一般道路過去平均燃費と比較して良くなっている。従って、現在時刻ｔｐにおける新たなエコ指数基準点は、時刻ｔｂ２におけるエコ指数基準点「１３」に「３」を加えた「１６」となる。

　ここで、現在時刻ｔｐにおけるエコ指数を求めてみる。現在時刻ｔｐにおける総比較回数は、時刻ｔｂ０から時刻ｔｂ２までの比較回数「１８」に対して、今回平均燃費ＰＦ１９～ＰＦ２６のそれぞれと過去平均燃費との比較回数「８」を加えた値であるから「２６」となる。従って、現在時刻ｔｐにおけるエコ指数は、１６／２６＝０．６１、即ち、６１％となる。

　図４に示す表は、時刻ｔ０から現在時刻ｔｐまでの間における、今回平均燃費と過去平均燃費との比較回数、及び、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった回数を道路種別毎に記載してある。車両が一般道路ＧＴ１を走行したときの今回平均燃費ＰＦ１～ＰＦ８と過去平均燃費との比較回数は「８」であり、そのうち、過去平均燃費よりも今回平均燃費の方が良くなっている回数は「６」である。車両が有料道路ＰＴを走行したときの今回平均燃費ＰＦ９～ＰＦ２２と過去平均燃費との比較回数は「１４」であり、そのうち、過去平均燃費よりも今回平均燃費の方が良くなっている回数は「７」である。車両が一般道路ＧＴ２を走行したときの今回平均燃費ＰＦ２３～ＰＦ２６と過去平均燃費との比較回数は「４」であり、そのうち、過去平均燃費よりも今回平均燃費の方が良くなっている回数は「３」である。ここで、今回平均燃費と過去平均燃費との比較回数を全て合計したものが現在時刻ｔｐにおける総比較回数であり、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった回数を全て合計したものが現在時刻ｔｐにおけるエコ指数基準点となる。従って、以下の式（４）より、現在時刻ｔｐにおけるエコ指数を求めることができる。

　システムコントローラ２０は、経路誘導の完了時刻、即ち、車両が目的地に到着した時刻にも、当該完了時刻までのエコ指数を求めてディスプレイ４４に更新表示する。このようにすることで、今回の経路誘導時における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を知ることができる。また、エコ指数をディスプレイ４４に所定時間毎に更新表示することにより、ドライバは、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を所定時間毎に知ることができる。

　次に、上述の燃費評価方法に係る制御処理について、図５に示すフローチャートを用いて説明する。図５に示す燃費評価制御処理では、システムコントローラ２０は、一定時間（例えば１分３０秒）毎の今回平均燃費が求められる度に過去平均燃費との比較を行ってエコ指数を求める。また、システムコントローラ２０は、今回の運転開始時刻より所定時間（例えば５分）経過毎に、エコ指数を更新表示する。図５に示す燃費評価制御処理は、システムコントローラ２０によって繰り返し実行される。

　まず、ステップＳ１０１において、システムコントローラ２０は、経路誘導中か否かについて判定する。システムコントローラ２０は、経路誘導中であると判定した場合には（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ１０２の処理へ進み、経路誘導中でないと判定した場合には（ステップＳ１０１：Ｎｏ）、本制御処理をリターンする。

　ステップＳ１０２において、システムコントローラ２０は、直前に行われた燃費評価制御処理から３０秒経過したか否かについて判定する。システムコントローラ２０は、３０秒経過したと判定した場合には（ステップＳ１０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１０３の処理へ進み、今回平均燃費を新たに求め、当該今回平均燃費と過去平均燃費との比較を行う。一方、システムコントローラ２０は、直前に行われた燃費評価制御処理から３０秒経過していないと判定した場合には（ステップＳ１０２：Ｎｏ）、本制御処理をリターンする。

　ステップＳ１０３において、システムコントローラ２０は、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった場合には（ステップＳ１０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ１０４の処理へ進み、エコ指数基準点に「１」加えた後、ステップＳ１０５の処理へ進む。一方、システムコントローラ２０は、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良くなかった場合には（ステップＳ１０３：Ｎｏ）、ステップＳ１０５の処理へ進む。

　ステップＳ１０５において、システムコントローラ２０は、総比較回数に「１」加える。続くステップＳ１０６において、システムコントローラ２０は、エコ指数基準点を総比較回数で割ることによりエコ指数を求める。この後、システムコントローラ２０は、ステップＳ１０７の処理へ進む。

　ステップＳ１０７において、システムコントローラ２０は、直前の表示更新時刻から５分経過したか否かについて判定する。システムコントローラ２０は、５分経過していないと判定した場合には（ステップＳ１０７：Ｎｏ）、本制御処理をリターンする。一方、システムコントローラ２０は、直前の表示更新時刻から５分経過したと判定した場合には（ステップＳ１０７：Ｙｅｓ）、ステップＳ１０８の処理へ進み、ステップＳ１０６で求められたエコ指数をディスプレイ４４に表示することにより表示の更新を行う。この後、システムコントローラ２０は本制御処理をリターンする。

　以上に述べたように、本実施例に係るナビゲーション装置１では、今回の運転時において、一定時間毎の今回平均燃費と過去平均燃費との比較が行われ、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった回数が、総比較回数に対する割合としてディスプレイ４４に表示される。このようにすることで、ドライバは、今回の運転全体における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を知ることができる。

　なお、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃費表示装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。例えば、上述の実施例では、過去平均燃費は、道路種別毎に求められるとしているが、これに限られるものではなく、代わりに、道路種別に関係なく求められるとしても良いのは言うまでもない。この場合、今回平均燃費との比較では、道路種別に関係なく、同じ過去平均燃費との比較が行われることとなる。

　また、上述の実施例では、今回の運転開始時刻は、経路誘導開始時刻に設定され、今回の運転完了時刻は、経路誘導完了時刻に設定されるとしているが、これに限られるものではない。このようにする代わりに、今回の運転開始時刻は、今回の運転開始の際におけるナビゲーション装置１の電源投入時刻に設定され、今回の運転完了時刻は、今回の運転開始の際におけるナビゲーション装置１の電源切断時刻に設定されるとしてもよい。
また、上述の実施例では、今回平均燃費として一定時間毎の平均燃費を求めていたが、これに代えて、一定走行距離毎の平均燃費を求めてもよい。この場合、図２の太線の矢印７１は距離を示し、例えば１００ｍ毎に目盛が付記されるとすると、ＰＦ１～ＰＦ２６に示すように、３００ｍにおける平均燃費が１００ｍ毎に求められる。このようにして今回平均燃費を求めた場合、車両が停止している間（アイドリング中）の燃費は計算対象外となるので、ドライバは、車両の走行中を対象とした、今回の運転全体における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を知ることができる。
さらに、上述の実施例では、本発明の燃費表示装置がナビゲーション装置に適用されるとしているが、これに限られるものではない。このようにする代わりに、ナビゲーション装置とは異なる装置として燃費表示装置が車両に設けられるとしても良い。要は、ナビゲーション装置と燃費表示装置とが接続されてさえいれば、当該ナビゲーション装置による経路誘導の開始時刻に今回の運転開始時刻を設定し、当該ナビゲーション装置による経路誘導完了時刻に今回の運転完了時刻を設定することができる。なお、ここで、ナビゲーション装置と燃費表示装置とが接続されているとは、物理的に接続されているのには限られず、無線などにより互いに通信する場合をも含む。これによっても、ドライバは、今回の経路誘導時における、今回平均燃費が過去平均燃費よりも良かった区間の割合を知ることができる。

　本発明は、カーナビゲーション装置の分野に利用することができる。

　１　ナビゲーション装置
　１０　自立測位装置
　２０　システムコントローラ
　３０　バスライン
　４０　表示ユニット

Claims

　車両の燃費の評価を表示する燃費表示装置であって、
　前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出手段と、
　今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出手段と、
　前記今回平均燃費と前記過去平均燃費との比較を行う平均燃費比較手段と、
　前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする燃費表示装置。
　前記表示手段は、前記割合の表示の更新を所定時間毎に行うことを特徴とする請求項１に記載の燃費表示装置。
　前記燃費表示装置は、車両の経路誘導を行うナビゲーション装置と接続され、
　前記今回平均燃費算出手段は、前記ナビゲーション装置による前記車両の経路誘導の開始時刻を前記今回の運転開始時刻とし、
　前記表示手段は、前記ナビゲーション装置による前記車両の経路誘導の完了時刻に、前記割合を表示することを特徴とする請求項１又は２に記載の燃費表示装置。
　車両の燃費の評価を燃費表示装置によって表示する燃費表示方法であって、
　前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出工程と、
　今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出工程と、
　前記過去平均燃費と前記今回平均燃費との比較を行う平均燃費比較工程と、
　前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示工程と、を備えることを特徴とする燃費表示方法。
　車両の燃費の評価を表示する燃費表示装置によって実行される燃費表示プログラムであって、
　前記車両の走行履歴を基に、前記燃費表示装置の使用開始時刻から前回の運転完了時刻までの平均燃費を過去平均燃費として求める過去平均燃費算出手段、
　今回の運転開始時刻より一定時間毎又は一定走行距離毎の平均燃費を今回平均燃費として求める今回平均燃費算出手段、
　前記過去平均燃費と前記今回平均燃費との比較を行う平均燃費比較手段、
　前記比較の総比較回数に対する、前記過去平均燃費よりも前記今回平均燃費の方が良い回数の割合を表示する表示手段、として前記燃費表示装置を機能させることを特徴とする燃費表示プログラム。