WO2008075569A1 - 小型ロータリエンコーダ - Google Patents

Abstract

　 【課題】　接着剤等用いずに、基板を適正な位置へ容易に固定することが可能な小型ロータリエンコーダを提供する。 【解決手段】　エンコーダケース２の一部が板ばね状になるように前記エンコーダケース２に、スリット１０を設け、さらに、前記エンコーダケース２内周面に段部１１と爪部１２を設け、前記エンコーダケース２内周面と基板８に互いに組み合う凸部１３、凹部１４を設けることにより、前記基板８の挿入時に、前記スリット１０により前記エンコーダケース２が撓み、その内周へ前記基板８を挿入することができ、前記段部１１と前記爪部１２で前記基板８を挟み込んで、前記基板８を固定することができ、また、前記基板８の円周方向へのズレを抑制でき、容易に位置決めが可能となる。

Description

明 細 書

小型ロータリエンコーダ

技術分野

[0001] 本発明は、モータの回転数、回転方向を検出するための小型ロータリーエンコーダ に関する。

背景技術

[0002] 従来、モータの回転数、回転方向を検出する場合、 A相、 B相の 2相分の情報を得 るためのセンサを備えるエンコーダが用いられている。このようなエンコーダは、例え ば、図 4に示すように、回転可能な磁気ディスク 15と固定側の磁気センサ 16を備え、 磁気ディスク 15の回転に合わせて磁気センサ 16の出力電圧が変化するため、これ をコンパレータを介して、矩形波信号を得ている。

[0003] また、図 5に示すように、小型ロータリエンコーダとして、磁気式マイクロエンコーダ 1 7は、磁気ディスク 19、磁気センサ 22a、 22b、ハウジング 24から構成される。前記磁 気ディスク 19は、軸方向に着磁され、回転軸 18に第 1バックヨーク 20とともに設けら れている。前記磁気センサ 22a、 22bは、磁気ディスク 19の軸方向にギャップを介し て面対向に配置され、且つ、長手方向がフレキシブルプリント基板 21の帯状配線部 21 aと略平行になるようにフレキシブルプリント基板 21のセンサ取付部 21bに設けら れている。また、前記磁気センサ 22a、 22bの背面には、前記第 1バックヨーク 20と前 記磁気ディスク 19と共に磁気回路を形成する第 2バックヨーク 23が前記フレキシブル プリント基板 21を介して設けられている。前記ハウジング 24は、前記第 1バックヨーク 20と前記磁気ディスク 19と前記磁気センサ 22a、 22bと前記第 2バックヨーク 23とを 収容する。このとき前記ハウジング 24には、前記フレキシブルプリント基板 21の前記 帯状配線部 21 aを引き出す切欠部 24aが設けられ、前記フレキシブルプリント基板 2 1を前記ハウジング 24に嵌合させて固定して!/、る（特許文献 1 )。

特許文献 1 :国際公開公報 WO03/016829

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0004] 従来の小型ロータリエンコーダでは、 A相と B相の両方を検出するための磁気セン サ等の電子部品の配置としては、ハウジング内のスペースとの関係上、磁気ディスク の径方向に磁気センサを配置する配置方法が考えられる。し力、しながら、磁気ディス クの小径化に限界があること、また、磁気センサの配置スペースが磁気ディスクに対 し径方向に必要となることから、極小径のハウジング内に磁気ディスクと磁気センサと を配置するのは困難である。

[0005] また、磁気ディスクに対し、特許文献 1のように磁気センサを配置固定することにより 、ハウジングの小径化は可能となる力 S、磁気ディスクに対して磁気センサを所望の位 置に配置するため、ハウジングと基板を勘合 ·固定する必要がある。その方法として、 ノ、ウジング内径と基板をすきまばめとし、接着材を使用して固定する方法と、ハウジン グ内径と基板をしまりばめとして固定する方法などが考えられる。現実的には、外径 2 Omm程度の小型ロータリエンコーダでは、基板外周の寸法公差は ± O. lmm程度と 大きく、しまりばめの場合には、しめしろが大きくなり、嵌合できない場合がある。また 、すきまばめの場合にはクリアランスが大きくなり、磁気センサと磁気ディスクが所望 の位置に配置固定されない場合がある。さらに、すきまばめの場合、基板の固定には 接着剤等を使用する必要があるが、この場合、接着剤が硬化するまで基板を所望の 位置で保持していなければならず、そのための治具が必要であり、工程の増加も避 けられない。

[0006] したがって、本発明は、上記の問題点を解決し、ハウジング及び基板の寸法公差を 変更することなぐ容易に基板を所望の位置に配置固定することが可能で、接着工 程において、その硬化のための治具を必要としない小型ロータリエンコーダを提供す ることを目白勺とする。

課題を解決するための手段

[0007] 請求項 1記載の発明は、磁気ディスク、センサゃ遁倍 ICや出力ケーブルを配置し た基板、及びそれらを収容する円筒形状からなるエンコーダケースから構成される小 型ロータリエンコーダにおいて、前記エンコーダケースにスリットを設け、前記ェンコ ーダケース内周面に、その半径方向に突出した爪部と、前記基板の軸方向の位置 決めをする段部を設けるとともに、前記基板を前記段部と前記爪部で固定したことを 特徴とする小型ロータリエンコーダとしている。

[0008] 前記スリットを設けることにより、前記エンコーダケースに前記基板を揷入する時、前 記エンコーダケースが橈み、前記段部と前記爪部で前記基板を挟み込んで、前記基 板を固定することが可能となる。

[0009] また、請求項 2記載の発明では、前記エンコーダケース内周面と前記基板に互い に組み合う凹凸部を設けたことを特徴とする請求項 1記載の小型ロータリエンコーダ としている。

[0010] 前記エンコーダケース内周面と前記基板に凹凸部を設け、互いに組み合うことによ り、前記基板の位置決めが容易となる。

[0011] また、請求項 3記載の発明では、前記スリットは、鈎形状で複数箇所形成したことを 特徴とする請求項 1または 2記載の小型ロータリエンコーダとしている。

[0012] このとき、前記スリットを鈎形状で複数箇所形成したことにより、前記エンコーダケー スに前記基板を揷入する時に前記エンコーダケースを橈ませても十分な強度を確保 すること力 S可倉 となる。

発明の効果

[0013] 本発明では、円筒形状からなるエンコーダケース、磁気ディスク、センサゃ遁倍 IC や出力ケーブルを配置した基板から構成される小型ロータリエンコーダにお!/、て、前 記エンコーダケース内周面に、その半径方向に突出した爪部と、前記基板の軸方向 の位置決めをする段部を設けるとともに、前記エンコーダケースの一部力 前記爪部 を有した板ばね状になるよう前記エンコーダケースにスリットを設け、その板ばね状の 部分が橈むことで、爪部および基板を損傷することなぐその内周へ前記基板を揷入 することができ、前記段部と前記爪部で前記基板を挟み込んで、前記基板を固定す る事が可能となる。

[0014] また、前記エンコーダケース内周面と前記基板に互いに組み合う凹凸部を設けたこ とにより、前記基板の円周方向へのズレを抑制でき、容易に位置決めが可能となる。 発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、本発明の最良の形態に係る小型ロータリエンコーダ 1について、添付図面を 参照して説明する。 [0016] 図 1に示すように、本発明の最良の形態に係る小型ロータリエンコーダ 1は、円筒形 状からなるエンコーダケース 2、回転軸 3の一端に設けられた磁気ディスク 4、センサ 5 ゃ遁倍 IC6や出力ケーブル（図示せず）を接続する端子 7を配置した基板 8、キヤッ プ 9から構成される。

[0017] 次に、モータ側から見た本発明の小型ロータリエンコーダ 1の分解斜視図を図 2に 示す。これによると、モータに前記エンコーダケース 2を固定し、前記回転軸 3の一端 に前記磁気ディスク 4を固定し、前記基板 8、前記キャップ 9の順で前記エンコーダケ ース 2に揷入固定していく。

[0018] このとき、基板側から見た前記エンコーダケース 2と前記基板 8の斜視図を図 3に示 す。これによると、前記エンコーダケース 2には、その外周部に鈎形状のスリット 10を 4 箇所左右対称に形成すると、前記エンコーダケース 2の一部が板ばね状となる。また 、その内周面に、その半径方向に突出した爪部 12と前記基板の軸方向の位置決め をする段部 11を形成する。この時、前記爪部 12は、前記スリット 10によって前記ェン コーダケース 2が橈む箇所側（前記スリット 10によって板ばね状になった前記ェンコ ーダケース 2の一部）に配置される。

[0019] これにより、前記基板 8は、その揷入方向に対し、前記段部 11によって、ストッパー として止められ、前記爪部 12によって均一な力で挟み込まれることによって、接着剤 や治具を用いずに、前記エンコーダケース 2に所望の位置に容易に固定することが 可能となる。

[0020] さらに、前記エンコーダケース 2の内周面には、その半径方向に凸部 13を設ける。

このとき、前記基板 8において、前記凸部 13と互いに組み合うように、凹部 14を形成 する。これにより、円周方向へのズレを抑制し、前記エンコーダケース 2における適正 な位置での固定が、容易に可能となる。

[0021] 以上より、本発明のエンコーダケースでは、鈎形状のスリットを複数個所設け、ェン コーダケース内周面に、段部と爪部と凹凸部を設けることにより、基板を、接着剤等 用いずに、固定することが可能となり、且つ、基板を配置する位置決めを容易に可能 とする。

図面の簡単な説明 [図 1]本発明の小型ロータリエンコーダの断面図である。

[図 2]本発明の小型ロータリエンコーダの分解斜視図である。

園 3]本発明におけるエンコーダケースと基板の斜視図である。 園 4]従来のエンコーダの模式図である。

[図 5]従来の磁気式マイクロエンコーダにおける分解斜視図である。 符号の説明

1 小型ロータリエンコーダ

2 エンコーダケース

3, 18 回転軸

4, 15, 19 磁気ディスク

5 センサ

6 遊 feic

7 端子

8 基板

9 キャップ

10 スリット

11 段部

12 爪部

13 凸部

14 凹部

16, 22a, 22b 磁気センサ

17 磁気式マイクロエンコーダ

20 第 1バックヨーク

21 フレキシブルプリント基板

21a 帯状配線部

21b センサ取付部

23 第 2バックヨーク a 切欠部

Claims

請求の範囲

[1] 磁気ディスク、センサゃ遁倍 ICや出力ケーブルを配置した基板、及びそれらを収容 する円筒形状からなるエンコーダケースから構成される小型ロータリエンコーダにお いて、

前記エンコーダケースにスリットを設け、前記エンコーダケース内周面に、その半径 方向に突出した爪部と、前記基板の軸方向の位置決めをする段部を設けるとともに、 前記基板を前記段部と前記爪部で固定したことを特徴とする小型ロータリエンコーダ

[2] 前記エンコーダケース内周面と前記基板に互いに組み合う凹凸部を設けたことを 特徴とする請求項 1記載の小型ロータリエンコーダ。

[3] 前記スリットは、鈎形状で複数箇所形成したことを特徴とする請求項 1または 2記載 の小型ロータリエンコーダ。