WO2007144987A1 - 車両表示装置 - Google Patents

Description

明 細 書

車両表示装置

技術分野

[0001] この発明は、車室天井に設置されるディスプレイを電動で開閉制御する車両表示 装置に関する。

背景技術

[0002] 車室天井に設置されるディスプレイを電動で開閉制御する車両表示装置において 、ディスプレイは開いた状態で視認される。しかし、この使用状態にあるディスプレイ は車両が後進する場合に運転者の後方視界を妨げてしまう。

[0003] その対策として、運転ユーザーの後進操作の検知に応じてリアモニタを収容位置に 移動させた後、トランスミッションのギアがパーキングギアにシフトした場合に、リアモ ユタを使用位置に移動させるようにした車載モニタシステムがある（たとえば特許文献 1参照)。

[0004] 上記特許文献に力かる車載モニタシステムは、車両後進時にモニタを収容位置、 すなわち、リアモニタの表示面が天井面と近接して平行となるように閉じた位置に移 動するのであるから、運転者の後方視界を妨げない状態となる。しかし、それまで表 示画面を楽しんでいたユーザーにとっては継続した視認が妨げられてしまう。また、リ ァモニタが収容位置まで変位するのにはそれなりの時間を要してしまう。

[0005] 特許文献 1 :特開 2004— 90722号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 従来の車載モニタシステムは車両後進時に運転者の視界が確保されるものの、モ ユタが完全に閉じられるためユーザーが表示を継続して楽しめないとの課題があつ た。

[0007] この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、車両後進時の運転者の 後方視界が確保されるとともに、ユーザーも表示を継続して楽しむことを可能にした 車両表示装置を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段

[0008] この発明に係る車両表示装置は、ディスプレイが開いた視認角度位置にあるときに 、車両が後進態勢になったことを検知して前記ディスプレイがさらなる開き方向に規 定角度まで開動作するように制御する制御手段を備えたものである。

発明の効果

[0009] この発明によれば、車両後進時の運転者の後方視界が確保されるとともに、ユーザ 一も表示を継続して楽しむことを可能である。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]車室内におけるディスプレイおよび視認者の配置を説明した図である。

[図 2]ディスプレイユニットの外観斜視図である。

[図 3]ディスプレイおよび駆動機構部の正面図である。

[図 4]ディスプレイおよび駆動機構部の側面図である。

[図 5]ディスプレイユニットにおける信号系のブロック図である。

[図 6]ホームポジションにあるディスプレイの正面図である。

[図 7]最適な視認角度位置にあるディスプレイの正面図である。

[図 8]最適な視認角度位置力 後進適合の視認角度位置へ変位するディスプレイの 正面図である。

[図 9]後進適合の視認角度位置力 最適な視認角度位置へ変位するディスプレイの 正面図である。

符号の説明

[0011] 1 ディスプレイ、 la ホームポジション、 lb 退避角度位置 4 ルームミラー、 7 駆 動ギア、 8 伝達ギア、 9 センサーギア、 10 ディスプレイユニット、

11 モータ、 12 ディスプレイ角度センサ、 13 制御部。

発明を実施するための最良の形態

[0012] 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

[0013] 実施の形態 1.

図 1において、車室天井にディスプレイ 1が装備されている。ディスプレイ 1は使用さ れな 、ときには 1点鎖線で示したホームポジション laまで退避する。ホームポジション laにおいてディスプレイ 1は車室天井と平行になる閉じ位置まで変位している。一方 、使用状態ではディスプレイ 1は実線で示したように、シート 2に腰掛けた視認者が良 好に視認することができる視認角度位置まで開かれた状態に保持される。

[0014] 視認角度に開かれたディスプレイ 1の下端部は、前方のドライバーシート 3にいる運 転者がルームミラー 4により後方を確認する際に運転者の視界を一部遮って 、る。従 つて、運転者が後方視界を確保するには、ルームミラー 4の角度を調節する力 目の 位置を変える、或いは、ディスプレイ 1をホームポジションに変位させるなどしなけれ ばならなかった。

[0015] 本発明では、運転者が後方を確認する必要が生じた時に、ディスプレイ 1を退避さ せるのである力 その退避方向を従来のようにホームポジションに戻すのではなぐ視 認角度位置からさらに開き側に回動させて退避角度位置 lbまで変位させる点に特 徴がある。開き側に変位することでディスプレイ 1はその下端部が上方に移動し、寸 法 Δだけ視界が広がり運転者の後方視界が確保される。同時に、シート 2に腰掛け た視認者はそれまでの視認角度位置におけるディスプレイ 1の視認状態よりは若干 異なるものの十分に画像を楽しむことができる。

[0016] 以下の例では、変速ギアがバック位置に入れられたことをトリガーとしてディスプレイ 1を変位させることとしている。また、変速ギアがノ ック位置力も解除されたことをトリガ 一としてディスプレイ 1を元の視認角度位置に戻すこととした。以下に詳述する。

[0017] 本発明に力かる車両表示装置の一例としてのディスプレイユニットの外観を図 2に 示す。ディスプレイユニット 10において、ディスプレイ 1は機器本体 5と回動軸ブラケッ ト 6を通じて結合されている。ディスプレイ 1は矩形板状をなし、その一端部が機器本 体 5と一体的な回転軸ブラケット 6に回動可能に支持されている。回転軸ブラケット 6 には歯車機構を主体としたディスプレイ 1の駆動機構が組み込まれて 、る。回転軸ブ ラケット 6の正面を示した図 3、側面を示した図 4も含めて参照しながら、ディスプレイ 1 の駆動機構を説明する。

[0018] 回転軸ブラケット 6には上力も順に、駆動ギア 7、伝達ギア 8、センサーギア 9がそれ ぞれ軸支されている。駆動ギア 7は伝達ギア 8と嚙み合うと共に、該駆動ギア 7の軸に はモータ 11の回転軸が連結されている。伝達ギア 8はセンサーギア 9と嚙み合うと共 に該伝達ギア 8の軸にはディスプレイ 1の一端部が固定されている。センサーギア 9の 軸にはディスプレイ 1の角度を検知するディスプレイ角度センサ 12が連結されて 、る 。モータ 11が駆動されることに伴う駆動ギア 7の回転により伝達ギア 8が回転してディ スプレイ 1が回動し、かつ、センサーギア 9が連動回転することによりディスプレイ 1の 角度が検出される。

[0019] ディスプレイユニット 10の電気系統を図 5にブロック図で示す。図 5において、デイス プレイユニット 10外からの信号入力により、ディスプレイ 1は開および閉の動作を行な う。以下では、ディスプレイ 1の変位の状態を図 6乃至図 9を適宜参照しながら説明す る。

[0020] 通常の動作として、ディスプレイユニット 10は外部力もディスプレイ開信号 15Sが入 力されると制御手段である制御部 13は開閉ァクチユエータ 14に開の指示信号を送 る。ディスプレイ開信号 15Sは例えばシート 2のユーザーなどがリモコンスィッチを操 作することにより送信される。開閉ァクチユエータ 14は駆動ギア 7、伝達ギア 8、セン サーギア 9などを駆動するモータ 11を含む。

[0021] ホームポジション laにディスプレイ 1が位置している（図 1、図 6)。開の指示信号を 受けた開閉ァクチユエータ 14の駆動により、ホームポジション laにあるディスプレイ 1

(図 1、図 6)は開動作を行う。制御部 13はディスプレイ角度センサ 12の出力に基づき 、ユーザーの視認に適する角度として予め定めてある規定の視認角度位置まで開い たと判断すると、この判断に基づき、開閉ァクチユエータ 14に開動作の停止信号を 送り開動作を停止させ、 目的とする角度にディスプレイ 1を固定する。こうしてディスプ レイ 1が最適な視認角度位置に固定されて、シート 2のユーザーが表示画面を視認 できる状態になる（図 1、図 7)。

[0022] ァクチユエータ 14が上記最適な視認角度位置に固定されているとき（図 1、図 7)、 ディスプレイユニット 10に外部力もディスプレイ閉信号 16Sが入力されると制御部 13 は開閉ァクチユエータ 14に閉指示信号を送る。閉指示信号を受けた開閉ァクチユエ ータ 14はモータ 11の駆動によりディスプレイ 1の閉動作を行う。

[0023] 制御部 13はディスプレイ角度センサ 12の出力に基づき、ディスプレイ 1がホームポ ジシヨン (収納状態）〖こ位置する規定の角度になったと判断すると、この判断に基づき

、開閉ァクチユエータ 14の閉動作を停止させる。これによりディスプレイ 1はホームポ ジシヨン laに復帰した（図 1、図 6)。

[0024] 以上が通常のディスプレイ 1の使用態様である。

[0025] 次に、ユーザーがディスプレイ 1を視認している状態のもとで、車両が後進する際の ディスプレイ 1の動作について説明する。この車両の変速機には変速ギアがバックに 入れられると信号を出力するバック検知センサ（図示せず）が設けられて 、る。このバ ック検知センサの出力は車両変速バック信号 17Sとしてディスプレイユニット 10の制 御部 13に入力されるようにしてある。

[0026] シート 2のユーザーが図 1、図 7に示す最適な視認角度位置にあるディスプレイ 1を 見ているとき、運転者が車両の後進のために変速ギアをバックに入れると、上記バッ ク検知センサから制御部 13に車両変速バック信号 17Sが出力される。車両変速バッ ク信号 17Sを入力した制御部 13は開閉ァクチユエータ 14へ開指示信号を送る。これ により、ディスプレイ 1は現状の最適な視認角度位置力 さらに開く方向に開動作を 行う。

[0027] 制御部 13はディスプレイ角度センサ 12からの出力に基づき、予め定めた規定の角 度ディスプレイ 1が開いたと判断すると、開閉ァクチユエータ 14に対して開動作の停 止を指示し、 目的とする規定の角度である退避角度位置 lbにディスプレイ 1を固定 する。この規定の角度はディスプレイ 1が邪魔にならず運転者が後方視界を確保でき る最低限の角度であり、運転者により身長等に合わせて個別に登録することが可能 である。

[0028] この退避角度位置 lbにあるディスプレイ 1は閉じ方向ではなぐ開方向に開いてい る状態のため、後席であるシート 2で視認して 、たユーザーはべストな位置ではな ヽ 1S ディスプレイの表示を楽しむことが可能である。この点は、従来技術のようにホー ムポジション laまで変位させるのと相違する。また、変位量も従来技術におけるよりも 小さ!/、ぶんだけ所要時間も短！、。

[0029] 運転者は車両後進の動作が終わり、次に車両を前進させるために変速ギアをバッ ク位置力 解除する。この解除とともに上記バック検知センサの出力がオフとなる。同 時に上記バック検知センサは車両変速ギアバック解除信号 18Sをディスプレイュ-ッ ト 10の制御部 13に出力する。或いは、車両変速ギアバック信号 17Sがオン力もオフ に切り変わることを以つて、車両変速ギアノ ック解除信号 18Sとすることもできる。制 御部 13は車両変速ギアバック解除信号 18Sが入力されると、開閉ァクチユエータ 14 に閉指示信号を送り、これにより、ディスプレイ 1は閉動作を行う。

[0030] 制御部 13はディスプレイ角度センサ 12の出力によりディスプレイ 1が規定の角度変 位したと判断すると、この判断に基づき開閉ァクチユエータ 14に閉動作の停止を指 示する。視認にべストな視認角度位置にディスプレイ 1を復帰させる。この復帰後の 状態を図 9に示す。

[0031] 以上説明した例では変速ギアのバック信号およびバック解除信号を外部力 入力 することでディスプレイ 1の開閉動作を行った力 この外部からの入力信号としてカー •ナビゲーシヨンの内部信号であるナビ車両後進信号およびナビ車両前進信号を利 用することもできる。これらの信号をディスプレイユニット 10に入力することでも同様に ディスプレイ 1の開閉動作を行うことが可能である。或いは、運転者の手元に同様の 信号を発信する装置を配置しその装置に設けたスィッチ操作によりディスプレイ 1の 開閉動作を行うようにすることもできる。

[0032] 以上により、運転者は後方の確認ができ、後席のユーザーは車両後進時でもディ スプレイ表示を楽しむことが可能となる。また、ディスプレイ 1は揺動範囲が小さいの で迅速な変位が可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 車室天井に設置されたディスプレイを電動で開閉制御を行う制御手段をもつディス プレイ開閉装置において、

ディスプレイが開いた視認角度位置にあるときに、車両が後進態勢になったことを 検知して前記ディスプレイがさらなる開き方向に規定角度まで開動作するように制御 する制御手段を備えたことを特徴とする車両表示装置。

[2] 前記車両が後進態勢になったことは、変速ギアがバック位置に入れられることで検 知することを特徴とする請求項 1記載の車両表示装置。

[3] 前記制御手段は前記ディスプレイが前記規定角度で停止した状態のもとで、車両 が後進態勢力 解除されたことを検知して前記ディスプレイを前記視認角度位置に 復帰させるように制御することを特徴とする請求項 1又は 2記載の車両表示装置。

[4] 前記車両が後進態勢力 解除されたことは、変速ギアがバック位置力 解除された ことで検知することを特徴とする請求項 3記載の車両表示装置。