WO2007037397A1

WO2007037397A1 - 懸垂式昇降搬送台車における物品の授受方法並びに装置

Info

Publication number: WO2007037397A1
Application number: PCT/JP2006/319512
Authority: WO
Inventors: Mitsuhiro Ando; Susumu Maetaki
Original assignee: Asyst Technologies Japan, Inc.
Priority date: 2005-09-30
Filing date: 2006-09-29
Publication date: 2007-04-05
Also published as: TW200737392A; CN101278384A; KR20080072817A; JP2007096140A

Description

明細書

懸垂式昇降搬送台車における物品の授受方法並びに装置

技術分野

[0001] 本発明は、懸垂式昇降搬送台車（以下、 OHT(Overhead Hoist Transport)台車という）の工程内乃至工程間環状軌道に沿う所定個所に設置され、物品 (FOUP ( Front -Opening Unified Pod)等）に揷脱自在に収納される基板（ウェハ、液晶等）の各種処理（洗浄、 CVD (Chemical Vapor Deposition)ほ力）を行うステーシヨン（以下、処理ステーションという）の物品搬入'搬出ポートに載置されている搬出用物品と、この搬出用物品の上方に位置し、 OHT台車に把持されている前記処理ステーションへの搬入用物品との交換方法並びにその方法を実施するための装置に関するものである。なお、特に本発明においては収納箱 FOUP (Front— Opening Unified Pod)の搬送に好適である。

背景技術

[0002] 近年、クリーンルーム内の工程内乃至工程間環状軌道に沿って配置され、ウェハの各種表面処理 (薄膜形成、フォトリソグラフィー、洗浄、エッチング、検査等)を行う一連の処理ステーションで必要な処理を行うため OHT台車を用い、前記ウェハを収納した FOUPを OHT台車で搬送することが多、。

基板の処理工程は基板が収納される FOUPに取り付けられたタグで管理され、タグの内容も基板処理工程の進行に従い逐次更新される。基板処理の工程は FOUPに付されたタグの情報により特定され、以降の必要な処理はこのタグ情報に基づきコンピュータによって管理される。

[0003] この際、各処理ステーションは処理の種類の相違に応じて処理に要する時間が相違するため工程時間の調整が必要となり、 FOUPを一時待機させるためのストッカーが設けられている。

このストッカーは、多数の FOUP載置用棚と、所定の棚への FOUPの搬入或いは所定の棚力も FOUPを搬出するスタツカクレーンを備えている。

[0004] さて、前記ストッカー及び各種処理を行う処理ステーションは、 OHT台車の環状軌道に沿って配置される。

そして、この環状軌道は半導体製造装置の規模に応じて複数設けられる。各環状軌道は工程内環状軌道と工程間環状軌道の連係により構成される。 OHT台車はこれらの軌道において、安定した走行制御を受けるため常時一定方向に走行制御され、ウェハ等の基板を収納した FOUPを所定のストッカー乃至処理ステーションに搬送する。

なお、クリーンルーム内における FOUPの搬送手段として OHT台車が用いられる理由は、当該 OHT台車の走行路に沿って配置される各種処理を担う多数の処理ステーシヨン、或いは FOUPの一時待機用ストッカー等の諸設備を地上に配置する場合の設計の自由度が大きく確保できることや、安全上の問題による。

[0005] さて OHT台車は、前記工程内環状軌道又は工程間環状軌道を FOUPを把持しつつ走行し、当該 FOUPに揷脱自在に収納した多数枚 (例えば、 25枚)のウェハ等の基板に対して、プロセスの段階に応じた必要な処理 (薄膜形成、フォトリソグラフィー、洗浄、エッチング、検査等）のために所定のステーションにおける FOUP用搬入 '搬出ポートに対向する位置に停止する。

次いで、把持している FOUPを降下させ、前記所定のステーションの搬入'搬出ポ一トに載置する。

[0006] この処理ステーションの搬入 ·搬出ポートに載置された FOUPに収納されている基板は、ステーションに備えられているロボットにより 1枚ずつステーション内に導かれ、所定の処理を受ける。

この基板への処理に要する時間は処理の種類によって異なるが、相応の時間を要するため FOUPを搬送してきた OHT台車は FOUP載置後は別の搬送命令を実行するよう搬送システムコントローラ力指示され、システム全体の稼動効率の低下を防止している。

[0007] ところで、処理ステーションでの処理が終了した後の FOUPの扱いは、順次（1)〜（ 5)の通りである。

(1)処理ステーションが搬送システムコントローラに処理済みの FOUPの弓 I取り要求をする。 (2)システムコントローラは該処理ステーション近傍に待機する空の OHT台車に引取りの指令を出す。

(3)引取り命令を受けた OHT台車は該処理ステーションに到達後搬入'搬出ポートに載置された FOUPを把持し、システムコントローラより指示された搬送先まで搬送する。

(4)システムコントローラは、該処理ステーション力も処理済み FOUPの回収されたことを確認し、ストッカー等に保管されて、る新たな FOUPを該処理ステーションに運ぶよう軌道上に待機する別の空 OHT台車に指令する。

(5)搬送指令を受けた OHT台車はストッカー等に保管されている新たな FOUPを該処理ステーションまで搬送する。

従って、処理ステーションから処理済みの FOUPを引取る OHT台車と新たな FOU Pを供給する OHT台車は別になる。

一方、この処理ステーションへの FOUPの弓 I取りと供給が 1つの OHT台車で実行できれば、引取りと供給作業の簡便化と搬送時間の短縮ィ匕を図れることが期待できるしかし、従来技術でこれを実行すると、ストッカー等に保管されていた新たな FOUP を搬送してきた OHT台車が処理ステーションの搬入'搬出ポートに FOUPを降下載置させようとした時、該ポート上で今だ引取りの済まない処理済み FOUPに衝突し、事故になる。

[0008] 従って、所定の処理ステーションの FOUP搬入 ·搬出ポートに載置され、この処理ステーションでの処理を終えた基板を収納した FOUPと、 OHT台車に把持され、このステーションでの処理を行おうとしている基板を収納した FOUPとの交換は一つの OHT台車では実施できな!/、。

[0009] し力し、このような FOUPの交換を一つの OHT台車にて実行しょうとした技術として下記特許文献 1がある。

この特許文献 1は、所定の処理ステーションの FOUP搬入'搬出ポートに載置され、内部に保有している各基板の当該処理ステーションにおける処理が完了している F OUPと、当該所定の処理ステーションにてこれから処理を受けようとする基板を収納して、る FOUPの交換を行う技術を開示して、る。

具体的には、 FOUP把持用の一対のフィンガ機構を有する OHT台車を主体とした 5つの実施の形態が挙げられている。以下、これらの実施の形態について概要を述ベる。

[0010] 実施の形態 1 :

特許文献 1の図 3に示される通り、 OHT台車 1は、その走行方向に沿って FOUP把持用一対のフィンガ機構 18a、 18bを備える。また 2個のキャリア（FOUP) 20a、 20b を夫々個別に把持、開放制御できるように構成されて、る。

そして、処理装置 2には、キャリア搬入 ·搬出用ポート 8が備えられる。当該キャリア搬入 ·搬出用ポート 8上には、 OHT台車 1の走行方向に進退可能に移動可能であつて、キャリア内の基板を一枚ずつ所定の処理を行うロードポート 21に位置決めできる荷受テーブル 46が備えられる。

[0011] 以上の構成により、先ず、 OHT台車 1の走行路に沿って設置されているストッカー或いは他の処理装置から図 3における処理装置 2にて処理を予定している基板を収納したキャリア 20bをフィンガ機構 18bにより把持した状態で OHT搬送台車 1がキヤリァ搬入'搬出用ポート 8の上方位置に達する。

次に、昇降ベルト 16の繰出しに伴い、グリッパ機構 17が降下し、処理装置 2にて処理済みの基板を収納し、荷受テーブル 45上に載置されて、るキャリア 20aをフィンガ機構 18aにより把持する。

[0012] この状態で、グリッパ機構 17を若干上昇させ、荷受テーブル 46とキャリア 20aとの間に空隙を形成し、荷受テーブル 45を前記キャリア 20bの下方部に移勤させ、グリツパ機構を降下させ、キャリア 20bを荷受テーブル 45上に載置し、フィンガ機構 18bによるキャリア 20bの把持状態を解除する。

以上の動作で、荷受テーブル 46上にあり、処理装置 2にて処理済みの基板を収納したキャリア 20aと、処理装置 2にて処理を予定して、る基板を収納したキャリア 20b とを交換させることができる。

[0013] 実施の形態 2 :

実施の形態 1の図 3に開示の荷受テーブル 46を省略し、特許文献 1の図 6に開示のように構成の簡素化を図って、る。

通常、 OHT台車の逆方向の走行は台車衝突の危険を著しく増大させ、しかも搬送効率を低下させるため、禁止するのが常識である。この実施の形態 2においては、特許文献 1の図 5の「B」の位置におけるフィンガ機構にて処理を予定している基板を収納したキャリア 20bを把持することが必要であり、異なる処理装置 2においてキャリアの把持と載置との交換作業は 1回毎にストッカーに戻る等の工程が加わり連続的に実施することはできない。

[0014] 実施の形態 3 :

特許文献 1の図 7に示されるように、実施の形態 1の構成において、「A」、「B」の位置にあるフィンガ機構 18a、 18bが夫々独立の昇降ベルト 15a、 16bにて独立に昇降制御を可能に構成されて、る。

このように構成することによって、装置としての自由度が高くなり、複数個の積載手段を他の積載手段の昇降に影響されないで、自在に動作させることができ、その結果、位置合せが容易となり、 OHT台車の搬送効率が向上する。

[0015] 実施の形態 4 :

特許文献 1の図 8に示されるように、前記実施の形態 2と基本構成を共通にし、前記実施の形態 3と同様「A」、「B」の位置にあるフィンガ機構 18a、 18bが夫々独立の昇降ベルト 16a、 16bにて独立に昇降制御を可能に構成されている。

[0016] 実施の形態 5 :

特許文献 1の図 10に示す構成により、 OHT台車 1にキャリア 18を格納している状況にお、てキャリアの位置を「A」の位置から「B」の位置に移動できる構成として！/、るこの構成の付カ卩によって、前記実施の形態 2, 4に開示の構成（実施の形態 1, 3に開示の OHT搬送台車 1の走行方向及びその反対方向に沿って移動自在の荷受テ一ブルを有しない構成）においてもー且、ストッカーに戻ることなぐ連続的に異なる処理装置 2にお、て処理済みの基板を収納したキャリア 20aと、処理を予定して、る基板を収納したキャリア 20bの交換を可能とする。

特許文献 1：特開 2005 - 22539 発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0017] 前記のように工程内環状軌道に沿って配置され、 FOUP内の基板に対して洗浄、

CVDほか多くの種類の中から特定される処理を施す各処理ステーションは、 FOUP 用搬入'搬出ポートを有している。

この FOUP用搬入 ·搬出ポートには、対応処理ステーションにおける処理を予定している基板を収納した FOUPが OHT台車によって搬入される。

次いで、 FOUP内に収納されている基板に一枚ずつ所定の処理を行い、全ての基板が所定の処理を完了し、 FOUP内に戻されると、当該 FOUPは OHT台車によつてストッカー乃至次の処理のために別の所定の処理ステーションに搬送される。

[0018] ところで、処理ステーションの FOUP用搬入 ·搬出ポートにおける OHT台車による

FOUPの搬入'搬出操作において、当該処理ステーションにて処理を受けようとする基板を収納した FOUPを把持した OHT台車は、この把持している FOUPを、当該処理ステーションに載置された処理済みの基板を収納した FOUPと直接交換することは困難である。

ついては、一つの処理ステーションの FOUP用搬入'搬出ポートにおいて、処理済の基板を収納する FOUPの搬出と、未処理の基板を収納する FOUPの搬入とは、夫々別個の OHT台車にて行う必要がある。

[0019] 従って、一つの処理ステーションにて全ての基板が所定の処理を終え、これらの基板を収納し、処理ステーションの FOUP用搬入'搬出ポート上に載置された FOUP は、工程内環状軌道を走行中であって、 FOUPを把持していない空 OHT台車によつて搬出される。

その後、当該処理ステーションにて処理を予定する基板を収納する FOUP力ェ程内環状軌道を走行中の別の OHT台車によって当該処理ステーションの FOUP用搬入 ·搬出ポートに搬入される。

この結果、処理ステーションの FOUP用搬入'搬出ポートにおける FOUPの搬入、搬出にかなりの時間のロスを招き、 FOUPに収納される基板の処理効率を低下させる傾向があった。 [0020] このような問題点を解決することを主眼とする技術として前記特許文献 1がある。この特許文献 1に開示の技術は、所定の処理ステーションにおける FOUP用搬入' 搬出ポートに載置され、内部に収納されている基板が全数当該処理ステーションにて処理済の基板である FOUPの搬出と、当該ステーションにて処理を受けようとする基板を収納した FOUPの前記 FOUP用搬入'搬出ポートへの搬入を同時に行うことができることを特徴として！/、る。

[0021] これを実現するために、 OHT台車は、特許文献 1の図 3、図 6、図 7、図 8に示されるように、 OHT台車の進行方向に沿って 2個の FOUP把持用のクリッパ装置を備えた特殊仕様の OHT台車を使用して、る。

更に、ー且ストッカーに戻ることなく連続的に異なる処理を受ける処理ステーションに移行するためには、特許文献 1の図 3、図 7に開示され、 OHT台車 1の走行方向に移動自在の荷受テーブル 45を設けるか或いは図 10に示すような OHT搬送台車に把持された状態にて把持状態の FOUPを移動させる構成を必要とする。

[0022] 前記のように、特許文献 1に開示の技術は、所定の処理ステーションの FOUP用搬入'搬出ポート上に載置され、所定の処理を終えた基板を収納した FOUPと、所定の処理を受けようとしている基板を収納した FOUPとの交換作業を唯一台の OHT台車にて行うことができる。

しかし、このためには、前記したように汎用性の高い OHT«送台車は使用できず、 OHT搬送台車のコストが増し、併せて FOUPの移動に極めて複雑な機構を付加する必要がある。

[0023] そこで、本発明の目的は、 1台にて 1個の FOUPの昇降 ·搬送を担う汎用の OHT台車を用いて、工程内環状軌道に沿って配置され、 FOUP内に収納される基板に必要な処理を行う処理ステーションの FOUP用搬入 ·搬出ポートに載置され、当該処理ステーションにて処理済の基板を収納した FOUPと、当該 OHT台車に把持され、当該処理ステーションにて処理を受けようとする基板を収納した FOUPとを交換可能ならしめる方法並びにその方法を実施するための装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0024] 前記課題を解決するため、請求項 1に記載の発明によれば、以下の工程を有する懸垂式昇降搬送 (OHT)台車における物品の授受方法が提供される。所定のステーションへの搬入用物品を前記把持部で把持して降下させ、第 1、第 2 部位が上下方向に並ぶ懸垂式一時保管棚の第 1部位に載置する工程；

前記所定のステーションの物品搬入'搬出ポートに載置されている搬出用物品を前記把持部で把持して上昇させ、前記懸垂式一時保管棚の第 2部位に載置する工程; 前記懸垂式一時保管棚の第 1部位に載置されている搬入用物品を、前記把持部で把持して降下させ、前記物品搬入 ·搬出ポートに載置する工程；

前記懸垂式一時保管棚の第 2部位に載置されている搬出用物品を前記把持部で把持して上昇させる工程。

[0025] この請求項 1に係る発明によれば、工程内環状軌道に沿って所定の方向に走行制御を受ける OHT台車に把持され、所定の処理ステーションにおける処理を受けようとしている物品と、前記所定の処理ステーションにおける物品搬出 ·搬入ポート上に載置され、所定の処理ステーションにおける処理を既に完了した物品との交換を、懸垂式一時保管棚機能を併用させることで前記 OHT台車一台だけの昇降制御のみによつて実施でさる。

従って、所定の処理ステーションにおける物品搬入'搬出ポートへの物品搬入用 O HT台車と、当該物品搬入'搬出ポートからの物品搬出用 OHT台車と、を共通にすることができる。また、 OHT台車は一台にて一個の物品を把持し、昇降'搬送する汎用のものでよい。さらに、特別仕様の OHT台車を製作する必要がない。ゆえに処理ステーションにおける物品搬入'搬出ポート上への未処理物品の搬入及び処理済の物品搬出を効率よく行うことができる。

[0026] 請求項 2に記載の OHT搬送台車における物品の授受方法は、前記物品が半導体基板を揷脱自在に収納する収納箱であり、

前記ステーションが前記懸垂式昇降搬送台車の環状軌道に沿う適所に配置され、前記収納箱内に収納されている半導体基板の表面処理設備であってもよい。

この請求項 2に係る発明によれば、引用先の請求項 1に係る発明の効果は元より、所定の処理ステーションにおける収納箱 (FOUP)用搬入'搬出ポート上に載置され、当該処理城テーシヨンにて処理済の基板を収納した収納箱が搬出されると、遅滞なくその後、当該処理ステーションにて処理を受けようとする基板を収納した FOUP が前記 FOUP用搬入 ·搬出ポート上に載置される。

従って、 FOUP内に収納されている基板に対して種々の処理 (薄膜形成、フォトリソグラフィー、洗浄、エッチング、検査等）を効率よく行うことができる。

[0027] 請求項 3に記載の発明によれば、

搬入 ·搬出用物品を把持する把持部を有する懸垂式昇降搬送台車と、前記懸垂式昇降搬送台車の走行路に沿う所定の個所に設置され、前記搬出用物品が載置される搬入'搬出ポートを有する少なくとも一つのステーションと、

上下方向に配置された第 1部位と第 2部位とを有し、前記各々のステーションの前記搬入'搬出ポートの上方に位置する一時保管棚、とを有し、

前記一時保管棚の第 1部位、第 2部位はそれぞれ第 1、第 2スライド板を有し、前記第 1、第 2スライド板は、

前記搬入用物品の保管 ·取出しを行う場合においてのみ、前記第 1スライド板は懸垂式昇降搬送台車に対して物品の授受を行うために進退し、

前記搬出用物品を保管 ·取出しを行う場合においてのみ、前記第 2スライド板は懸垂式昇降搬送台車に対して物品の授受を行うために進退し、

それ以外の場合には懸垂式昇降搬送台車の昇降動作を許容するように駆動制御される懸垂式昇降搬送台車における物品の授受装置が提供される。

この請求項 3に係る発明は、請求項 1に係る発明を実施するための装置に係り、発明の効果としては、前記請求項 1に係る発明の効果と均等であり、その説明の重複を避ける。

[0028] 請求項 4に記載の OHT搬送台車における物品の授受装置は、前記物品が半導体基板を揷脱自在に収納する収納箱 (FOUP)であり、

前記ステーションが前記懸垂式昇降搬送台車の環状軌道に沿う適所に配置され、前記収納箱内に収納されている半導体基板の処理設備である請求項 3に記載の懸垂式昇降搬送台車における物品の授受装置。

この請求項 4に係る発明によれば、引用先の請求項 3に係る発明の効果は元より、請求項 2と均等な効果を奏する。図面の簡単な説明

[0029] [図 1]本発明の適用システムを示す平面図である。

[図 2]本発明を実施するための要部構成図である。

[図 3]本発明に係る懸垂式棚の棚板の概念を示す構成図である。

[図 4]本発明の方法を説明するための懸垂式棚における FOUPの載置状況を示す模式図である。

符号の説明

[0030] 2 工程内環状軌道

5 処理ステーション

5a FOUP用搬入 ·搬出ポート

7 OHT台車

7d 昇降ベルト

7f フィンガ機構

9aゝ 9b FOUP

10 懸垂式棚装置

10b、 10c 棚部材

10bx、 lOcx固定板

10by、 10cyスライド板

20 OHBコントローラ

発明を実施するための最良の形態

[0031] 以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。

先ず、図面の概要を述べると、図 1は本発明の適用システムを示す平面図、図 2は本発明を実施するための要部構成図、図 3は本発明に係る懸垂式棚の棚板の概念を示す構成図、図 4は本発明の方法を説明するための懸垂式棚における FOUPの載置状況を示す模式図である。

[0032] 次に、本発明を適用するシステム全体の構成について図 1を参照して説明する図 1において、 1はべィで、連続した複数領域に併設される。各べィ 1には後述の O HT台車を走行案内する工程内環状軌道 2が敷設される。各工程内環状軌道 2は分岐軌道 3を介して工程間環状軌道 4によって連係を保たれる。 OHT搬送台車は所定の方向に規制されて上記軌道 2, 3, 4を走行できるように構成されている。

[0033] 5は処理ステーションで、工程内環状軌道 2に沿って配置される。処理ステーション 5は薄膜形成、フォトリソグラフィー、洗浄、エッチング、検査等の何れかの処理を、 F OUPに収納されたウェハ等の半導体基板に施す。また処理ステーション 5は、各べィ 1の敷設された工程内環状軌道 2に沿って、可能な限り処理の順番に適合させるように配置されている。また、夫々の処理ステーション 5は FOUP用搬入'搬出ポート 5a を備えている。この FOUP用搬入'搬出ポート 5aは、 OHT台車によって所定の処理を予定してヽる基板を収納した FOUPを搬入し、所定の処理を完了した基板を収納した FOUPの搬出を担う。

[0034] 6はストッカーで、工程内環状軌道 2における適所に配置される。ストッカー 6は全ての処理を完了済みの基板を収納した FOUPの保管、或いは、所定の処理を予定して、る基板を収納した FOUPの待機にて FOUPの保管を行う。またストッカー 6は F OUP用搬入ポート 6a、搬出ポート 6bを備えている。

7は OHT台車で、前記工程内環状軌道 2,分岐軌道 3及び工程間環状軌道 4を所定の方向への駆動機能と、把持状態の FOUPの昇降 ·把持機能を有している。 8はシステムコントローラで OHT搬送台車 7の走行ルートの指示や衝突防防止制御など OHT搬送台車の走行制御を司る。

[0035] さて、本願発明の要部構成を示す図 2,図 3を参照して実施の形態の具体例を説明する。図 2において、 9a、 9bは FOUPで、 FOUP9aは処理ステーション 5の FOU P用搬入 ·搬出ポート 5a上に載置されている。

そして、この FOUP9aの内部に収納されている当該処理ステーション 5における所定の処理がなされて!/、な、基板は、図示しな!、ロボットによって一枚ずつ処理され、全ての基板が所定の処理が終了し、次に予定して!/、るの所定の処理を行う別の処理ステーション 5或いはストッカー 6 (図 1参照）への搬送に対する待機状態にある。

[0036] 前記 OHT台車 7は、工程内環状軌道 2、分岐軌道 3,工程間環状軌道 4の何れか ( 図 2の状態は工程内環状軌道 2を表示)と係合する駆動'走行機構 7a、台車位置調整機構 7b、昇降機構 7c、昇降ベルト 7d、グリップ機構 7e及びフィンガ機構 7fから構成される。

なお、前記駆動 ·走行機構 7aは、特許文献 1に具体的に示されるように、非接触給電による電力を受け、リニアモータの原理で推進力を得、システムコントローラ 8 (図 1 を参照）による走行制御によって走行方向が規制される。

[0037] 前記 FOUP9bには、所定の処理ステーション 5にて処理を受ける予定の基板が収納されている。そして、この FOUP9bは、処理ステーション 5の FOUP用搬入'搬出ポート 5aに対応する位置にある。この際、 FOUP9bは OHT搬送台車 7のフィンガ機構 7fにて当該 FOUP9bのフランジ部が把持されることにより OHT台車に把持されている。

[0038] 10は懸垂式棚装置（以下、 OHB (Overhead Hoist Buffer)という）で、天井から下方に延びる柱状体 10aに対して上下 2段の棚部材 10b、 10cが設置されて、る。そして、この棚部材 10bは固定板 10bx及びスライド板 10byからなり、棚部材 10cは固定板 lOcx及びスライド板 10cyから構成される。

前記棚部材 10b, 10cは同一構成であり、棚部材 10bを例に詳細な構成について図 4を参照して説明する。図 4において、 10dはキネマティックピンである。このキネマティックピン 10dは、スライド板 10byの平面上に FOUP9a、 9bが正規に載置された際のみ、当該 FOUP9a、 9bの底面に形成されている孔に嵌合する。このキネマティックピン 10dと FOUP底面に形成された孔の正規の嵌合状態はスライド板 10byの表面に配置されて、るセンサ 10eにお!/、て検知する。

[0039] 10fはギアで、固定板 10bx側の適所に設置され、図示しない減速機付モータにて回転速度及び回転方向が OHBコントローラ 20 (図 1を参照）によって制御される。

10gはリニアギアで、スライド板 10byの底面部にぉ、て当該スライド板 10byの進退方向であって、前記ギア 10fと嚙合う位置に設けられている。

なお、固定板 10bxに対するスライド板 10byの案内機構の詳細は省略する力適宜の周知手段にお、て設けられる。

この構成によりスライド板 10by、 10cyは、図 2の点線部に見られるように、 OHB10 に収容された位置力 OHT台車 7側へ進退する。

[0040] 上記構成において、図 1の全体構成における一つのべィ 1に敷設された工程内環状軌道 3に沿って走行する OHT台車 7が、 FOUP9bを把持したまま基板の処理を予定している処理ステーション 5に到達し、かつ、図 2に示すように既に処理ステーシヨン 5の FOUP用搬入 ·搬出ポート 5aに当該処理ステーション 5において処理を完了した基板を収納した FOUP9aが載置されて、る場合にっ、て、前記 FOUP9aと FO UP9bとの配置交換動作を図 4をも参照して説明する。

[0041] 動作 1 : OHB10の棚部材 10bのスライド板 10byが図 2点線の位置まで延びる。

動作 2： OHT台車 7の昇降ベルト 7dが繰出され、 FOUP9bが前記棚部材 10b上のスライド板 10byに載置される。

動作 3：図 3に示されるキネマティックピン 10dが FOUP9bの底面と適正に係合することがセンサ 10eによって確認され、 OHT台車 7のフィンガ機構 7fが FOUP9bのフランジとの係合を解き、フィンガ機構 7fが若干上昇するように昇降ベルト 7dを卷取る。動作 4 :前記スライド板 10byが図 3に示されるギア 10fの駆動によって前記スライド板 10byを固定板 10bxと重なる方向にスライドさせる。このときの OHB10は図 4 (A) の状態となる。

[0042] 動作 5： OHT台車 7の昇降ベルト 7dが繰出され、フィンガ機構 7fが降下し、処理ステーシヨン 5の FOUP用搬入 ·搬出ポート 5a上に載置されている FOUP9aのフランジ部に至り、フィンガ機講 7fによって FOUP9aが把持される。

動作 6 :昇降ベルトが卷取られることにより、 FOUP9aは少なくとも FOUP9aの底面位置が棚部材 10cのスライド板 10cyの平面位置より上位になるまで上昇する。

動作 7：この状態で OHB10の棚部材 10cのスライド板 10cyが点線の位置まで延びる。

[0043] 動作 8 :図 3に示されるキネマティックピン 10dが FOUP9aの底面と適正に係合することがセンサ 10eによって確認されると、 OHT台車 7のフィンガ機構 7fが FOUP9aのフランジとの係合を解き、フィンガ機構 7fが若干上昇するように昇降ベルト 7dを卷取る。

動作 9 :前記スライド板 10byが図 3に示されるギア 10fの駆動によって前記スライド板 10byを固定板 10axと重なる方向にスライドさせる。このときの懸垂型棚装置 10は図 4 (B)の状態となる。 [0044] 動作 10：昇降ベルト 7dを卷取り、フィンガ機構 7fを最上位まで上昇させる。

動作 11： OHB10の棚部材 10bのスライド板 lObyが FOUP9bを載置した状態で点線の位置まで延ばす。

動作 12 : OHT搬送台車 7の昇降ベルト 7dが繰出され、フィンガ機構 7fが降下し、スライド板 lOby上に載置されている FOUP9aのフランジ部に至り、フィンガ機構 7fによって FOUP9aが把持される。

[0045] 動作 13 :昇降ベルト 7dを若干卷取り、 FOUP9aを上方に向けて寸動させ、 FOUP 9aとキネマティックピン 10dとの係合を解く。

動作 14 :前記スライド板 lObyが図 3に示されるギア 10fの駆動によって前記スライド板 lObyを固定板 10bxと重なる方向にスライドさせる。

動作 15 :昇降ベルト 7dを繰出し、 FOUP9aを降下し、当該 FOUP9aを処理ステーシヨン 5の FOUP用搬入 ·搬出ポート 5a上に載置する。このときの OHB10は図 4 (C) の状態となる。

[0046] 動作 16 :FOUP9aのフランジと、フィンガ機構 7f との係合を解き、 OHT搬送台車 7 を少なくともフィンガ機構 7fの最下部の位置が、スライド板 lOcy上に載置されている F OUP9aのフランジ最上部位置より上位となるまで上昇させる。

動作 17： OHB10の棚部材 10cのスライド板 lOcyが FOUP9aを載置した状態で点線の位置まで延ばす。

動作 18 :フィンガ機構 7fが降下し、スライド板 lOcy上に載置されている FOUP9a のフランジ部を把持し再度上昇する。

動作 19 :前記スライド板 lOcyが図 3に示されるギア 10fの駆動によって前記スライド板 lOcyを固定板 lOcxと重なる方向にスライドさせる。このときの OHB10は図 4 (D)の状態となる。

[0047] 前記各動作 1〜19は、 OHBコントローラ 20からの信号にて順次連続的に行われるため処理ステーション 5の FOUP用搬入'搬出ポート 5a上に載置され、内部に当該処理ステーション 5にて所定の処理を完了した基板を収納した FOUP9aと、これから処理ステーション 5にて処理を受けようとしている基板を収納した FOUP9bとの交換は効率よく迅速になされる。 [0048] 以上、本発明の好ましい実施形態について述べたが、本発明はこれらに限定されず様々な実施形態があり得る、例えば、図 2において OHB10は工程内環状軌道 2と直角方向で天井力も懸垂する柱状体 10aにより天井力も懸垂される構成になっている力 OHB10を工程内環状軌道 2と平行で且つ柱状体 10aの上方支持部を工程内環状軌道とし、 OHB10を工程内環状軌道 2の直下に設ける構成としても何ら問題はない。クリーンルームのスペース活用面からは場合によりこの工程内環状軌道直下に懸垂棚装置を設ける方が有利な場含もある。

また、 OHBコントローラ 20は図 1では複数の OHBを 1つの OHBコントローラで制御しているが、個々の OHBに個別に配置し、各 OHB毎に独立して制御を行っても良い。

[0049] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

本出願は、 2005年 9月 30日出願の日本特許出願 (特願 2005— 285718)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0050] 所定の処理ステーションにおける物品搬入 ·搬出ポートへの物品搬入用 OHT台車と、当該物品搬入'搬出ポートからの物品搬出用 OHT台車と、を共通にすることができる。また、 OHT台車は一台にて一個の物品を把持し、昇降'搬送する汎用のものでよいので、特別仕様の OHT台車を製作する必要がない。さら〖こ、処理ステーションにおける物品搬入'搬出ポート上への未処理物品の搬入及び処理済の物品搬出を効率よく行うことができる。

Claims

請求の範囲

[1] 懸垂式昇降搬送台車における物品の授受方法であって、

所定のステーションへの搬入用物品を前記把持部で把持して降下させ、第 1、第 2 部位が上下方向に並ぶ懸垂式一時保管棚の第 1部位に載置する工程と、

前記所定のステーションの物品搬入'搬出ポートに載置されている搬出用物品を前記把持部で把持して上昇させ、前記懸垂式一時保管棚の第 2部位に載置する工程と

前記懸垂式一時保管棚の第 1部位に載置されている搬入用物品を、前記把持部で把持して降下させ、前記物品搬入 ·搬出ポートに載置する工程と、

前記懸垂式一時保管棚の第 2部位に載置されている搬出用物品を前記把持部で把持して上昇させる工程とを有する物品の授受方法。

[2] 前記物品が半導体基板を揷脱自在に収納する収納箱であり、

前記ステーションが前記懸垂式昇降搬送台車の環状軌道に沿う適所に配置され、前記収納箱内に収納されている半導体基板の表面処理設備である請求項 1に記載の懸垂式昇降搬送台車における物品の授受方法。

[3] 搬入 ·搬出用物品を把持する把持部を有する懸垂式昇降搬送台車と、

前記懸垂式昇降搬送台車の走行路に沿う所定の個所に設置され、前記搬出用物品が載置される搬入'搬出ポートを有する少なくとも一つのステーションと、

それ以外の場合には懸垂式昇降搬送台車の昇降動作を許容するように駆動制御される懸垂式昇降搬送台車における物品の授受装置。前記物品が半導体基板を揷脱自在に収納する収納箱であり、