WO2007037390A1

WO2007037390A1 - 使い捨て紙おむつ

Info

Publication number: WO2007037390A1
Application number: PCT/JP2006/319499
Authority: WO
Inventors: Hizuru Ono
Original assignee: Daio Paper Corporation
Priority date: 2005-09-30
Filing date: 2006-09-29
Publication date: 2007-04-05
Also published as: JPWO2007037390A1; JP5057465B2

Abstract

【課題】腰回りシャーリング部を柔らかくするとともに、前記腰回りシャーリング部に配設される弾性伸縮部材をしっかりと外装シートに固着する。【解決手段】前身頃Ｆ及び後身頃Ｂに上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材２４…、２５…群によって腰回りシャーリングが形成された使い捨て紙おむつ１において、前記腰回りシャーリングが形成された前身頃及び後身頃領域Ｋ１、Ｋ２においては、前記弾性伸縮部材２４…、２５…に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式とし、前記腰回りシャーリングＫ１．Ｋ２が形成された領域以外の部分Ｍは、外装シート２０に接着剤を全面塗布する全面接着方式とする。

Description

明細書

使い捨て紙おむつ

技術分野

[0001] 本発明は、前記前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材群によって腰回りシャーリングが形成された使い捨て紙おむつにおいて、装着者の肌に直接接触する腰回りシャーリング部を柔らかくするとともに、前記腰回りシャーリング部に配設される弾性伸縮部材を堅固に固着するようにした使、捨て紙おむつに関する。

背景技術

[0002] 従来より、巿場に提供されているパンツ型使い捨て紙おむっとして、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウェスト開口部及び左右一対のレッダ開口部が形成され、前記前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材によって腰回りシャーリングが形成された使、捨て紙おむつが知られて、る。前記外装シートは、 2枚の不織布シートの間に多数の弾性伸縮部材を配置することにより伸縮性が付与されて!ヽる。

[0003] 前記外装シートに弾性伸縮部材を固着するに当たり、従来はホットメルト接着剤を全面に塗布することにより接着されていた力ホットメルト接着剤は常温で固化するため、製品状態では外装バックシートが硬くなり手触り感ゃ装着感が悪いものになっていた。

[0004] このような問題に鑑み下記特許文献 1では、 2枚のシート間に弾性部材を挟み込みながらこれらを接着剤で接着するに当たり、該シートのパンツ中央に相当する領域よりもその両側の領域の接着強度の方を大きくした使い捨てパンツが開示されている。特許文献 1：特許第 2774441号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] 前記特許文献 1記載の発明によれば、確かに股間部の外装シート部分を柔らかくできることになる。し力しながら、本願発明者による検討によれば、股下部分にはその内面側に吸収性本体が配設されるため、外装シートの硬さはむしろ気にならず、装着者の肌と直接的に接触することになる腰回りシャーリング部分が硬くなる方が装着者に不快感を与えるとヽぅ知見を得た。

[0006] 一方で、腰回りシャーリング部分の外装シートに柔軟性を与えるため、接着剤の塗布量を低減すると、弾性伸縮部材の接着力不足により引込み (弾性伸縮部材の一部がシートに固定されず、内部に引き込まれる現象）が発生するようになると、う問題が新たに発生した。

[0007] そこで本発明の主たる課題は、装着者の肌に直接接触することになる腰回りシヤーリング部を柔ら力べするとともに、前記腰回りシャーリング部に配設される弾性伸縮部材を堅固に外装シートに固着するようにした使い捨て紙おむつを提供することにある課題を解決するための手段

[0008] 前記課題を解決するために請求項 1に係る本発明として、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりゥェスト開口部及び左右一対のレッダ開口部が形成され、前記前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材によって腰回りシャーリングが形成された使い捨て紙おむつにおいて、

前記腰回りシャーリングが形成された前身頃及び後身頃領域は、前記腰回り弾性伸縮部材に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式とし、前記腰回りシヤーリングが形成された領域以外の部分は、前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式としたことを特徴とする使い捨て紙おむつが提供される。

[0009] 上記請求項 1記載の本発明にお!/、ては、腰回りシャーリングが形成された前身頃及び後身頃領域は、前記腰回り弾性伸縮部材に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式とし、前記腰回りシャーリングが形成された領域以外の部分は、前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式を採用するようにした。 [0010] 腰回りシャーリング部分と、それ以外の部分とで異なる接着方式を採用することにより、使い捨て紙おむつのそれぞれの部分において柔軟性を調整しつつ固着するものであり、したがって、腰回りシャーリング部分では、接着剤の塗布位置を弾性伸縮部材に対応した部分に制限し、弾性伸縮部材間に接着剤が塗布されなヽようにした部分接着方式とすることによって、接着剤の使用量及び範囲が最小化されるため、腰回りシャーリング部分の外装シートを柔らかくできるとともに、少なくとも弾性伸縮部材部分には適正な接着剤量が塗布されることにより、しつ力りと外装シートに固着できるようになる。

[0011] 請求項 2に係る本発明として、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウェスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成され、前記前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材によって腰回りシャーリングが形成された使、捨て紙おむつにお、て、

前記腰回りシャーリングが形成された前身頃及び後身頃領域は、前記腰回り弾性伸縮部材に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式と、低目付けで前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式の併用方式とし、

前記腰回りシャーリングが形成された領域以外の部分は、高目付けで前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式としたことを特徴とする使い捨て紙おむつが提供される。

[0012] 上記請求項 2記載の本発明にお、ては、腰回りシャーリングが形成された前身頃及び後身頃領域にぉ、ては、前記腰回り弾性伸縮部材に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式と、低目付けで前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式の併用方式とするものである。

[0013] 腰回りシャーリング部分において、部分接着方式のみでは外装シートの切断部で、切り口の毛羽立ちや口開き等が発生し、これが問題となる場合は、前記部分接着方式で腰回り弾性伸縮部材をしつかりと外装シートに固着した上で、低目付けで少量の接着剤を全面塗布し、切り口の毛羽立ちや口開き等を防止し得る最低限の接着力を確保するようにする。なお、腰回りシャーリング部における部分接着と全面接着を合わせた単位面積当たりの接着剤使用量は、股下部分における全面接着の単位面積当たりの接着剤使用量よりも小さくするようにする。

[0014] 請求項 3に係る本発明として、前記部分接着方式は、前記腰回り弾性伸縮部材の周面に塗布された接着剤によって、前記外装シートに対する固着を行う接着方式とする請求項 1、 2 ヽずれかに記載の使ヽ捨て紙おむつが提供される。

[0015] 請求項 4に係る本発明として、前記部分接着方式は、前記腰回り弾性伸縮部材の配設位置に対応する外装シート部分に沿って筋状パターンで塗布された接着剤によつて、前記外装シートに対する固着を行う接着方式とする請求項 1、 2いずれかに記載の使、捨て紙おむつが提供される。

[0016] 上記請求項 3, 4記載の本発明は、前記部分接着方式の具体例を示したものである発明の効果

[0017] 以上詳説のとおり本発明によれば、装着者の肌に直接接触することになる腰回りシヤーリング部において、接着剤の使用量及び範囲が最小化されるため、シートの柔ら力さを保持できるとともに、前記腰回りシャーリング部に配設される弾性伸縮部材を堅固に外装シートに固着できるようになる。

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。

[0019] 図 1は本発明に係る使い捨て紙おむつ 1の製品状態外観図であり、図 2はその展開図である。

[0020] 図 1及び図 2に示されるように、本パンツ型使い捨て紙おむつ 1 (以下、単に紙おむつという。）は、不織布など力もなる透液性表面シート 11と、ポリエチレン等からなる防漏シート 12との間に、綿状パルプなどの吸収体 13を介在させた吸収性本体 10と、この吸収性本体 10の外面側に一体的設けられた外装シート 20とからなり、製品状態で前記外装シート 20の前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウェスト開口部及び左右一対のレッダ開口部が形成された構造のパンツ型紙おむつである (吸収性本体 10の構造）

先ず最初に、吸収性本体 10の構造の一例について図 2及び図 3に基づいて詳述する。

[0021] 吸収性本体 10は、前述したように、不織布など力もなる透液性表面シート 11と、ポリエチレン等力もなる防漏シート 12との間に、綿状パルプなどの吸収体 13を介在させた構造とされ、体液を吸収保持するものである。

[0022] 前記吸収体 13は、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴヮ付き感を与えな、寸法幅となっている。この吸収体 13は、形状保持と透液性表面シート 11を透過した体液の拡散性向上のためにクレープ紙 14によって囲繞されている。なお、前記吸収体 13としては、嵩を小さくできるエアレイド吸収体を用いるのが望まし、。

[0023] 前記吸収体 13の表面側 (肌当接面側）を覆う透液性表面シート 11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のォレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンゃキュブラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。透液性表面シート 11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタツチ性に優れたものとなる。前記透液性表面シート 11は、吸収体 13の側縁部を巻き込んで吸収体 13の裏面側まで延在して、る。

[0024] 前記吸収体 13の裏面側 (非肌当接面側）を覆う防漏シート 12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられる力近年はムレ防止の点力も透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水 '透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のォレフィン榭脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。

[0025] 一方、立体ギャザー BSを形成するギャザー不織布 15は、折返しによって二重シートとした不織布が用いられ、前記透液性表面シート 11によって巻き込まれた吸収体 1 3の側縁部をさらにその上側力も巻き込んで吸収体 13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、前記ギャザー不織布 15は、紙おむつの長手方向中間部では、立体ギャザー BS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体 13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、前記幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体 13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、前記立体ギャザー BSを形成する部分を吸収体 13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着して、る。

[0026] 前記二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布 15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材 16、 16…が配設されている。前記糸状弹性伸縮部材 16、 16· ··は、製品状態において弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザー BSを形成するためのものである。

[0027] 前記防漏シート 12は、前記二重シート状のギャザー不織布 15の内部まで進入し、立体ギャザー BSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。かかる防漏シート 12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸ィ匕亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフイルム化したものが好適に使用される。

[0028] 前記糸状弾性伸縮部材 16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、ォレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは 925dtex以下、テンションは 150〜350%として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもょ、。

[0029] 前述のギャザー不織布 15を構成する素材繊維も前記透液性表面シート 11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のォレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンゃキュブラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができる力特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよ、。さらに前記ギャザー不織布 15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性 (ドライ感）を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルク口ミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。

[0030] 前記吸収性本体 10と外装シート 20とは、図 3に示されるように、外装シート 20の上面側に吸収性本体 10がホットメルト等の接着剤によって接着され一体ィ匕される。そして、吸収性本体 10および外装シート 20が前後方向に折り重ねられ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されることにより、図 1に示されるパンツ型紙おむつ 1に組み立てられる。

[0031] (外装シート 20の構造）

次に外装シート 20の構造について、図 4及び図 5に基づいて詳述する。図 4は外装シート 20の展開図、図 5は図 4の V— V線矢視図である。

外装シート 20は、上層不織布 20A及び下層不織布 20Bが所定の方法により接着された 2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布 20Aと下層不織布 20Bとの間に各種弾性伸縮部材が接着され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するための凹状の脚回りカットライン 29により、全体として擬似砂時計形状を成して!/ヽる。

[0032] 本発明に係る外装シート 20においては、前記弾性伸縮部材として、図 4の展開形状に示されるように、ウェスト開口部回り 23に配置されたウェスト部弾性伸縮部材 24

, 24· ··と、前身頃 F及び後身頃 Bに、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置され、腰回りにシャーリングを形成するための複数の腰回り弾性伸縮部材群 25, 2 5…とを有する。

[0033] 前記ゥヱスト部弾性伸縮部材 24, 24· ··は、前身頃 Fと後身頃 Bとが接合された脇部接合縁 21の範囲の内、ウェスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数本の糸ゴム状弾性伸縮部材であり、身体のウェスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより紙おむつを身体に装着するためのものである。このウェスト部弾性伸縮部材 24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。

[0034] 前記腰回り弾性伸縮部材群 25, 25· ··は、脇部接合縁 21のウェスト開口縁 23を除く上部位置力下部位置まで、あるいは図示されるように、脇部接合縁 21よりも股下側に及ぶ範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配設された糸ゴム状弾性伸縮部材であり、前身頃 F及び後身頃 Bの腰回り部分に夫々、水平方向の伸縮力を与え腰回りシャーリングゾーン Kl、 Κ2を形成するためのものである。なお、前記ウェスト部弾性伸縮部材 24、 24· ··と腰回り弾性伸縮部材群 25、 25· ··との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃 F及び後身頃 Βに上下方向に間隔をおいて水平方向に配置された弾性伸縮部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウェスト部弾性伸縮部材 24として機能し、残りの弾性伸縮部材が腰回り弾性伸縮部材 25として機能してヽればよヽ。

[0035] 本使い捨ておむつ 1においては、前記外装シート 20に対して各種弾性伸縮部材を接着するにあたり、前記腰回りシャーリングゾーン Kl, Κ2においては、前記腰回り弹性伸縮部材 25に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式が採用され、前記腰回りシャーリングゾーン Kl, Κ2以外の股下部分 Μ (以下、中間ゾーン Μともいう。 ) においては、前記外装シート 20に接着剤を全面塗布する全面接着方式が採用される。なお、本形態例では、股下部分 Μに弾性伸縮部材が配置されていないが、例えば、脚周り弾性伸縮部材が股下部を横断するように配置される場合や、前身頃と後身頃とを接合する側縁部の一方側から股下側に延び、股下部を迂回して他方側の側縁に至る湾曲弾性伸縮部材が配置される場合も、この股下部分 Μについては全面接着方式が採用され、前記弾性伸縮部材が外装シートに固着される。

[0036] (外装シート 20の^ a立て要領）

外装シート 20の組立て要領について、図 6及び図 7に基づいて説明する。前記外装シート 20の製造に当たっては、 -ップローラ部 30の上側力も上層不織布 20Aが供給されるとともに、下側力も下層不織布 20Bが供給され、かつこれら上層不織布 20Aと下層不織布 20Bとの間から各種の弾性伸縮部材 (ウェスト部弾性伸縮部材 24、腰回り弾性伸縮部材 25)が供給され、前記上層不織布 20Aと下層不織布 20 Bとは、中間ゾーン Mにおいては全面接着され、腰回りシャーリングゾーン Kl、 Κ2においては後述する各種の形態例により部分接着されることにより組み立てられる。このように、紙おむつの中間ゾーン Μにおいては全面接着とし、紙おむつの腰回りシャ一リングゾーン Kl, Κ2においては部分接着とすることで、それぞれ接着力が異なるように接着剤の量を調整できるようにする。

[0037] 前記中間ゾーン Μにおいては、接着剤の目付け量を、具体的に 3〜20g/m²、好ましくは 5〜： L0g/m²として全面接着を行うのが望まし、。

[0038] 前記中間ゾーン Mにおける前記全面接着の方法は、前記上層不織布 20A、下層不織布 20Bの内の少なくとも一方側、図示例では上層側不織布 20Aの腰回りシヤーリング部以外のおむつ中間ゾーン Mに相当する領域に対して、ホットメルト接着剤をコーター 32によってカーテン塗布して、上層不織布 20Aと下層不織布 20Bとを接着する。なお、上記ホットメルト接着剤としては、例えば EVA系、粘着ゴム系（エラストマ一系）、ォレフィン系、ポリエステル ·ポリアミド系などの種類が存在する力特に指定しない。ただし、中間ゾーン Mに弾性伸縮部材が配置される場合は、弾性伸縮部材の伸縮性を維持しつつ接着強度を得る目的から、伸縮性に優れた前記粘着ゴム系（エラストマ一系）を使用するのが望まし、。

次に、腰回りシャーリングゾーン Kl, K2における前記部分接着の方法は、次の各種形態例に基づ、て行うことができる。

[0039] (部分接着方式の第 1形態例）

外装シート 20に弾性伸縮部材を固着する第 1の形態例について、図 6及び図 7に基づいて説明する。

[0040] 腰回りシャーリングゾーン Kl, K2においては、前記ウェスト部弾性伸縮部材 24, 2 4…及び腰回り弾性伸縮部材群 25, 25· ··が、該ウェスト部弾性伸縮部材 24, 24· ·· 及び弾性伸縮部材 25, 25· ··の周面に塗布された接着剤によって前記外装シート 20 に固着される部分接着となっている。

[0041] すなわち、前記腰回りシャーリングゾーン Kl、 Κ2においては、腰回り弾性伸縮部材 25, 25…については、周面塗布装置 31により弾性伸縮部材 25の周面にホットメルト接着剤が塗布された後、外装シート 20に導入されることによって固着される。

[0042] 前記弾性伸縮部材 24· ··、 25…への周面塗布は、例えば、図 8(A)に示されるように、 V字型の溝を有する部材 33aを用いて、溝の底部に接着剤を供給しながら弾性伸縮部材を溝に通すコームガン 33による塗布方法や、図 8(B)に示されるように、曲折する部材 34に弾性伸縮部材を絡ませながら通過させることにより接着剤を塗布する、オメガ塗布やシュアラップ塗布と呼ばれる塗布方法によって行うことができる。接着剤の塗布が偏り易ヽコームガン塗布よりも、オメガ塗布やシュアラップ塗布を用いる方が均一性の高、周面塗布が可能となる点で好ま、。

[0043] (部分接着方式の第 2形態例）

外装シート 20に弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··を固着する第 2の形態例について、図 9 に基づいて説明する。

第 2形態例においては、前記周面塗布装置 31に換えて、図 9に示されるように、所定の送り速度で供給される前記上層不織布 20A、下層不織布 20Bの内の少なくとも一方側、図示例では上層側不織布 20Aの裏面側に、スロットコートガンや複数の直進スプレーノズルを備えたカーテンスプレーなどの接着剤噴出ノズル 35が配設され、前記接着剤噴出ノズル 35から上層不織布 20Aに接着剤が塗布又は噴射され、前記弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··の配設位置に対応する筋状パターンが形成され、この筋状の接着剤塗布部分に弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··が導入されて固着される。

[0044] 本形態例で使用する接着剤の種類は、上記第 1形態例と同様の種類のものを使用できる。なお、前記接着剤の筋状パターンは、上層不織布 20A及び下層不織布 20 Bの両者に形成するようにしてもょ、。

以上詳述したように、外装シート 20においては、中間ゾーン Mでは接着剤が全面接着され、シャーリングゾーン Kl, K2では弾性伸縮部材に対応した部分に接着剤が部分接着されることによって、次のような効果が期待できる。

[0045] (1)前記シャーリングゾーン Kl, K2においては、前記部分接着により弾性伸縮部材と上層不織布 20A及び下層不織布 20Bとの接着強度は従来通り維持できる一方で、弾性伸縮部材間には接着剤が塗布されなヽため、柔らかヽ肌触り感を維持することが可能となる。 (2)前記弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··は、周面に塗布された接着剤又は筋状に塗布された接着剤によって外装シート 20に堅固に固着されるため、弾性伸縮部材 24· ··、 2 5…の引込み (外れ)を無くすことができる。また、弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··の間には接着剤が塗布されていないため、弾性伸縮部材の伸縮力をより効果的に発揮させることがでさる。

(3)接着剤を弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··の周面又は外装シート 20に筋状パターンで塗布することにより、接着剤の全量を節約することができ、製作コストを低減できる効果も期待できる。

(4)接着剤が外装不織布シート 20A、 20Bの間カゝら染み出して設備機器等へ付着するのを防止できるため、操業性が向上し製造管理負担が軽減されるようになる。

[0046] (腰回りシャーリングゾーン Kl、 Κ2の接着方式の他例）

上記第 1形態例または第 2形態例によって弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··が接着された腰回りシャーリングゾーン Kl, Κ2は、弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··の周囲に接着剤が存在し、弾性伸縮部材 24· ··、 25· ··の間は、上層不織布 20Αと下層不織布 20Βとの接着が成されておらず、カット部分で不織布の毛羽立ちや口開きの発生が問題となる場合がある。

このような不織布の毛羽立ちや口開き等を防止するには、腰回り弾性伸縮部材 25 …に対応した部分のみに接着剤を塗布する上記第 1形態例及び第 2形態例に係る部分接着方式と共に、低目付けで前記外装シート 20に接着剤を全面塗布する全面接着方式を併用するのが望ましい。この場合の全面接着方式は、低目付けで行い、切り口の毛羽立ちや口開き等を防止し得る最低限の接着力を確保するようにする。具体的には、 0. 3〜20g/m²、好ましくは 3〜： L0g/m²の目付けで接着剤を全面塗布するのが望ましぐかつ腰回りシャーリングゾーン Kl, K2における部分接着と全面接着を合わせた単位面積当たりの接着剤使用量は、前記中間ゾーン Mにおける全面接着の単位面積当たりの接着剤使用量よりも小さくなるようにする。

[0047] 〔他の形態例〕

(1)上記形態例では、前身頃 F及び後身頃 Bに配置された腰回り弾性伸縮部材 25, 2 5· ··は、吸収性本体 10上においても連続させて配置するようにした力図 10及び図 11に示されるように、吸収性本体 10を横切る弾性伸縮部材 25…を切断し、不連続としてもよい。弾性伸縮部材 25…を吸収性本体 10上で不連続とすることにより、吸収体 13の縮こまりを防止することができる。

弾性伸縮部材の不連続ィ匕は、例えば特開 2000— 26015号公報、特開 2002— 2 73808号公報に示されるように、各種弾性伸縮部材を外装シート 20に配置した後、エンボスカッターロールとアンビルロールとの間に外装シートを通過させ、前記ェンボスカッターロールによる加圧又は加熱により所定範囲内に存在する弾性伸縮部材を細力べ切断する方法によればよ、。

この場合は、前記腰回り弾性伸縮部材 25, 25· ··の切断領域については、腰回り弾性伸縮部材 25, 25· ··の周面に接着剤の塗布を行わず、外装シート 20側に全面接着となるように接着剤をパターン塗布するのがよい。接着剤の塗布制御は、図 12〖こ示されるように、おむつ中間ゾーン Mに相当する領域に対して、第 1コーター 32Aを配設するとともに、その両側に夫々、前記腰回り弾性伸縮部材 25, 25· ··の切断領域に対応する位置に第 2コーター 32B、 32Bを配設し、更に、腰回り弾性伸縮部材 25, 25· ··の周面に接着剤を塗布可能とするために周面塗布装置 31を配設する。そして、前記腰回り弾性伸縮部材 25, 25· ··の切断領域に対応する部位には第 2コーター 3 2B、 32Bにより部分的（間欠的）に全面接着となるように接着剤をパターン塗布し、前記周面塗布装置 31による周面塗布は、前記腰回り弾性伸縮部材 25, 25· ··の切断領域に対応する部位には接着剤を塗布せず、それ以外のシャーリング形成部に対応する部分に前記周面塗布装置 31により接着剤を塗布するように制御すればょヽ。

[0048] (2)上記形態例では、ウェスト部弾性伸縮部材 24…と、腰回り弾性伸縮部材 25…の両者を部分接着方式で外装シート 20に固着するようにしたが、前記ウェスト部弾性伸縮部材 24· · ·につ、ては全面接着方式により外装シート 20に固着するようにしてもよい。

図面の簡単な説明

[0049] [図 1]本発明に係る使い捨て紙おむつ 1の製品状態外観図である。

[図 2]その展開図である。

[図 3]使い捨て紙おむつ 1の分解図である。 [図 4]外装シート 20の展開図である。

[図 5]図 4の V—V線矢視図である。

[図 6]外装シート 20の組立て要領を示す模式図である。

[図 7]図 6の要部平面図（B— B線矢視)である。

[図 8]第 1形態例に係る接着剤の塗布要領例 (A)(B)を示す図である。

[図 9]第 2形態例に係る接着剤の塗布要領例を示す図である。

[図 10]他の形態例に係る使い捨て紙おむつ 1の製品状態外観図である。

[図 11]その外装シート展開図である。

[図 12]その場合の接着剤塗布要領を示す図である。

符号の説明

1…使い捨て紙おむつ、 10···吸収性本体、 11···透液性表面シート、 12···防漏シート、 13···吸収体、 14···クレープ紙、 15···ギャザー不織布、 16···糸状弾性伸縮部材、 20…外装シート、 20A…上層不織布、 20B…下層不織布、 21、 22···脇部接合縁、 23···ウェスト開口部回り、 24···ウェスト部弾性伸縮部材、 25···腰回り弾性伸縮部材、 29···脚回りカットライン、 30···-ップローラ、 31···コームガン、 32···コーター、 F…前身頃、 B…後身頃、 Kl、 Κ2…腰回りシャーリングゾーン、 Μ…中間ゾーン

Claims

請求の範囲

[1] 吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウェスト開口部及び左右一対のレッダ開口部が形成され、前記前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をお、て水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材によって腰回りシャーリングが形成された使い捨て紙おむつにおいて、

前記腰回りシャーリングが形成された前身頃及び後身頃領域は、前記腰回り弾性伸縮部材に対応した部分に接着剤を塗布する部分接着方式とし、前記腰回りシヤーリングが形成された領域以外の部分は、前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式としたことを特徴とする使!ヽ捨て紙おむつ。

[2] 吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウェスト開口部及び左右一対のレッダ開口部が形成され、前記前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をお、て水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材によって腰回りシャーリングが形成された使い捨て紙おむつにおいて、

前記腰回りシャーリングが形成された領域以外の部分は、高目付けで前記外装シートに接着剤を全面塗布する全面接着方式としたことを特徴とする使い捨て紙おむつ。

[3] 前記部分接着方式は、前記腰回り弾性伸縮部材の周面に塗布された接着剤によつて、前記外装シートに対する固着を行う接着方式とする請求項 1、 2いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。

[4] 前記部分接着方式は、前記腰回り弾性伸縮部材の配設位置に対応する外装シート部分に沿って筋状パターンで塗布された接着剤によって、前記外装シートに対する固着を行う接着方式とする請求項 1、 2いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。