明 細 書
録画装置
技術分野
[0001] 本発明は、着脱可能な記録媒体に動画ファイルを記録することができる、録画機能 付きテレビジョン装置などの録画装置に関する。
背景技術
[0002] 近年、例えば携帯電話機や PDA (Personal Digital Assistance:携帯情報端末)な どの携帯端末装置又は機器であって、 MPEG4等のフォーマットを有する高圧縮で 低ビットレートの動画ファイルを再生する機能を有するものが増えてきて 、る。このよう な再生機能に関しては、家庭で SD (Secure Digital)メモリカード等に記録した MPE G4等のフォーマットを有する動画ファイルを、携帯電話機や PDAを用いて屋外で楽 しむと 、つた使 、方が想定される。有限な容量の記録媒体を有効に活用するために 、最適な録画条件 (又はエンコード条件)に関するパラメータ値に基づいて録画を行 う録画条件設定装置が提案されている (例えば特許文献 1参照。 ) o
[0003] 特許文献 1 :特開 2002— 125185号公報。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 携帯電話機や PDA等の機器は録画及び再生機能を有して ヽるものや、再生機能 のみを有しているもの等様々であり、再生可能なファイルも機器によって異なる。動画 ファイルの例として、 MPEG4のファイルについて説明する。 MPEG4の規格では動 画ファイルの最大ビットレートやフレームレート、画素サイズ等の仕様が規定されてお り、携帯電話機や PDA等の機器で動画ファイルを再生可能であるかそれとも不可能 であるかは、これらの仕様に対応している力否かによって決まる。そのため、前記特 許文献 1の技術により録画した動画ファイルをユーザの携帯電話機や PDAで再生で きないケースがでてくる。また、前記特許文献 1では、録画条件設定情報を取り外し 可能な記録媒体に記録する。この情報は、携帯電話機や PDAにとつては無駄な情 報であり、また、間違って削除される場合もある。
[0005] 携帯電話機や PDAはその小型のサイズと携帯性とを特徴としている。 MPEG4等 のフォーマットを有する動画ファイルの再生機能を有するテレビジョン装置を用いて 屋内にてそれら動画ファイルを視聴する場合と比較して、携帯電話機や PDA等の機 器では、視聴する場所も様々なシチュエーションが想定され、小型という観点からし ても機器の画質調整や音質調整等の機能は簡略化されており、視聴スタイルは大き く異なる。
[0006] 現行の MPEG4等のフォーマットを有する動画ファイルの録画機能を有するテレビ ジョン装置等の機器は、それ自体で録画及び再生を行うことを中心的に考慮して録 画条件を設定することを前提としている。従って、そのような録画機能付きテレビジョ ン装置で録画した動画ファイルは、他の携帯端末装置による再生には適して 、な ヽ 可能性がある。
[0007] 本発明は以上の問題点を解決し、携帯端末装置上でユーザの意図した画質及び 音量で再生可能な動画ファイルを生成することができる録画装置を提供することにあ る。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明の第 1の態様に係る録画装置は、
所定のエンコード条件でエンコードされ、当該エンコード条件を有する第 1の動画フ アイルを記憶した記録媒体から、上記エンコード条件を抽出する抽出手段と、 上記抽出されたエンコード条件を記憶する第 1の記憶手段と、
上記第 1の記憶手段に記憶された上記エンコード条件に従って、記録すべき映像 信号及び音声信号をエンコードすることにより第 2の動画ファイルを生成するェンコ一 ド手段と、
上記生成された第 2の動画ファイルを上記記録媒体又は別の記録媒体に格納する 格納手段とを備えたことを特徴とする。
[0009] また、本発明の第 2の態様に係る録画装置は、
互 ヽに異なる複数のエンコード条件でそれぞれエンコードされた複数の第 1の動画 ファイルであって、当該各エンコード条件をそれぞれ有する複数の第 1の動画フアイ ルを記憶した少なくとも 1つの記録媒体から、上記各エンコード条件を抽出する抽出
手段と、
上記抽出された複数のエンコード条件を記憶する第 1の記憶手段と、
上記第 1の記憶手段に記憶された複数のエンコード条件のうちの 1つを選択し、上 記選択されたエンコード条件に従って、記録すべき映像信号及び音声信号をェンコ ードすることにより第 2の動画ファイルを生成するエンコード手段と、
上記生成された第 2の動画ファイルを上記少なくとも 1つの記録媒体又は別の記録 媒体に格納する格納手段とを備えたことを特徴とする。
[0010] 上記録画装置において、上記エンコード条件によりエンコードされた上記第 1及び 第 2の動画ファイルは所定の再生装置で再生されることを特徴とする。
[0011] 上記録画装置において、上記第 1の記憶手段は、ユーザによって入力されたェン コード条件をさらに記憶することを特徴とする。
[0012] 上記録画装置は、
動画ファイルを再生するときの互いに異なる複数の再生環境に応じて、上記映像信 号及び上記音声信号に対して所定の処理を実行するときの複数のパラメータをそれ ぞれ含む複数の再生環境情報を記憶した第 2の記憶手段と、
上記複数の再生環境情報のうちの 1つを選択する選択手段と、
上記選択された再生環境情報のパラメータに基づ!、て、上記映像信号及び上記音 声信号に対して所定の処理を実行して、処理後の映像信号及び音声信号を生成し
、上記生成された映像信号及び音声信号を上記記録すべき映像信号及び音声信号 として上記エンコード手段に供給する信号処理手段とをさらに備えたことを特徴とす る。
[0013] 上記録画装置において、上記第 2の記憶手段は、ユーザによって入力された再生 環境情報を記憶することを特徴とする。
[0014] 上記録画装置は、
ユーザ嗜好に応じて上記映像信号及び上記音声信号を所定の処理を実行すると きの複数のパラメータをそれぞれ含む複数のユーザ嗜好情報を記憶した第 3の記憶 手段と、
上記複数のユーザ嗜好情報のうちの 1つを選択する選択手段と、
上記選択されたユーザ嗜好情報のパラメータに基づいて、上記映像信号及び上記 音声信号に対して所定の処理を実行して、処理後の映像信号及び音声信号を生成 し、上記生成された映像信号及び音声信号を上記記録すべき映像信号及び音声信 号として上記エンコード手段に供給する信号処理手段とをさらに備えたことを特徴と する。
[0015] 上記録画装置において、上記第 3の記憶手段は、ユーザによって入力されたユー ザ嗜好情報を記憶することを特徴とする。
発明の効果
[0016] 従って、本発明に係る録画装置によれば、屋外において、着脱可能な記録媒体に 格納された動画ファイルを携帯電話機や PDAなどの携帯端末装置上で楽しむとい つた使い方を想定し、使用する機器の仕様に係る最高の性能を利用できるように再 生環境やユーザ嗜好に適合した動画ファイルを生成することができるので有用であ る。本発明によれば、小型のサイズ及び携帯性という携帯電話機や PDAなどの携帯 端末装置の特徴を最大限に活かして、再生する機器及び再生環境を録画時に絞り 込むことにより、携帯端末装置においてもユーザの意図した画質及び音量で再生可 能な動画ファイルを生成する、録画機能付きテレビジョン装置などの録画装置を提供 することができる。
図面の簡単な説明
[0017] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係るテレビジョン録画装置 1の構成を示すブロック 図である。
[図 2]図 1のテレビジョン録画装置 1によってメモリカード 3に記録された動画ファイル を再生する携帯端末装置 2の構成を示すブロック図である。
[図 3]図 1のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行されるェン コード条件情報登録処理を示すフローチャートである。
[図 4]図 1のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される録画 処理を示すフローチャートである。
[図 5]図 1のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行されるェン コード条件情報入力処理を示すフローチャートである。
[図 6]図 1のメモリカード 3に記録される動画ファイル 60のフォーマットを示す概略図で ある。
圆 7]本発明の第 2の実施形態に係るテレビジョン録画装置 1の構成を示すブロック 図である。
[図 8]図 7のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される録画 処理を示すフローチャートである。
圆 9]図 7の再生環境情報テーブル 32上に記録された再生環境情報のデータの一 例を示す概略図である。
圆 10]本発明の第 3の実施形態に係るテレビジョン録画装置 1の構成を示すブロック 図である。
[図 11]図 10のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される録 画処理を示すフローチャートである。
[図 12]図 10のユーザ嗜好情報テーブル 33上に記録されたユーザ嗜好情報のデー タの一例を示す概略図である。
符号の説明
1· ·· 'テレビジョン録画装置、
2· · •携帯端末装置、
3· · 'メモリカード、
11 · "アンテナ、
12· …チューナ、
13· …映像信号処理部、
14· …音声信号処理部、
15· …マイクロコンピュータ、
16· …書き換え可能型 ROM、
17, , 41"-ROM、
18, , 42- --RAM,
19· …入力装置、
20· ' ··入力プロンプト表示部、
21, 44···メモリカードインターフェース
21 Α, 44Α···メモリカードソケット、
31· ··エンコード条件情報テーブル、
32· ··再生環境情報テーブル、
33· ··ユーザ嗜好情報テーブル、
40· ••CPU,
43· ·.ハードディスクメモリ、
45· ··キーボード、
46· "ディスプレイ、
47· ••DZA変
48, 51…増幅器、
49· "スピーカ、
50· ··マイクロホン、
52· ••AZD変
53· ••CCD撮像素子、
54· • '撮像素子インターフェース、
55· "バス o
発明を実施するための最良の形態
[0019] 第 1の実施形態.
図 1は本発明の第 1の実施形態に係るテレビジョン録画装置 1の構成を示すブロッ ク図である。本実施形態に係るテレビジョン録画装置 1は、 PDAや携帯電話機などの 携帯端末装置 2上で再生するための動画ファイルを生成してメモリカード 3に記録す ることができる。テレビジョン録画装置 1は、例えば、家庭用の録画機能付きテレビジ ヨン装置としての形態をとつてもよい。携帯端末装置 2は、動画ファイルの録画機能及 び再生機能を有し、それにより、所定のエンコード条件下で動画ファイルを生成して メモリカード 3に格納することと、上記エンコード条件下で生成された動画ファイルを 再生することとが可能である。
[0020] 本実施形態に係るテレビジョン録画装置 1は、所定のエンコード条件でエンコードさ
れ当該エンコード条件を有する第 1の動画ファイルを記憶したメモリカード 3からェン コード条件情報を抽出し、抽出されたエンコード条件情報を書き換え可能型 ROM1 6に記憶することを特徴とする。次いで、テレビジョン録画装置 1は、書き換え可能型 ROM 16に記憶されたエンコード条件情報に基づ!/、てエンコード条件を設定し、設 定されたエンコード条件に従って、記録すべき映像信号及び音声信号をエンコード することにより第 2の動画ファイルを生成し、生成された第 2の動画ファイルをメモリ力 ード 3に格納することを特徴とする。
[0021] テレビジョン録画装置 1のハードウェア構成を、図 1を参照して簡単に説明する。図 1において、チューナ 12は、アンテナ 11を介して受信されたテレビジョン放送信号を 復調し、復調されたテレビジョン放送信号カゝら映像信号を抽出して映像信号処理部 1 3に出力するとともに、音声信号を抽出して音声信号処理部 14に出力する。映像信 号処理部 13は、メモリカード 3に記録される動画ファイルのソースを生成するために、 チューナ 12からの映像信号に対して所定の前置処理を実行し、同様に、音声信号 処理部 14もまた、メモリカード 3に記録される動画ファイルのソースを生成するために 、チューナ 12からの音声信号に対して所定の前置処理を実行し、これら処理された 映像信号及び音声信号は、それぞれマイクロコンピュータ 15に入力される。
[0022] マイクロコンピュータ 15にはさらに、書き換え可能型 ROM16、 ROM17、 RAM18 、入力装置 19、及びメモリカードインターフェース 21が接続され、マイクロコンピュー タ 15はテレビジョン録画装置 1の全体の動作を制御する。テレビジョン録画装置 1の 制御用プログラムは ROM 17に保存され、マイクロコンピュータ 15はこの制御用プロ グラムを RAM 18上で実行する。書き換え可能型 ROM 16は、例えば EEPROMで あり、メモリカード 3に記録される動画ファイルを生成する際のエンコード条件情報 (詳 細後述)を含むエンコード条件情報テーブル 31を格納して保存する。マイクロコンビ ユータ 15は、エンコード条件情報テーブル 31に格納されたエンコード条件に従って 、映像信号処理部 13によって処理された映像信号と音声信号処理部 14によって処 理された音声信号とを RAM18上でエンコードすることにより、メモリカード 3に記録す べき動画ファイルを生成する。
[0023] テレビジョン録画装置 1は、入力装置 19を介してユーザによって操作される。処理
のために特定のユーザ入力が必要な場合には、マイクロコンピュータ 15は、入力装 置 19に接続された入力プロンプト表示部 20上に、ユーザの入力を促すためのプロン ブトを表示させる。メモリカードインターフェース 21は、メモリカード 3を装着するため のメモリカードソケット 21Aを備え、メモリカード 3へのデータの読み書きを行う。マイク 口コンピュータ 15は、メモリカード 3内の動画ファイルを再生する際には、当該動画フ アイルのデータをメモリカード 3から RAM18に転送して格納し、制御用プログラムに 従ってこのデータを処理し、また、メモリカード 3に動画ファイルを記録する際には、 R AM18上の動画ファイルのデータをメモリカード 3に転送して格納する。
[0024] エンコード条件情報テーブル 31は、複数の異なる携帯端末装置 2に関連付けてェ ンコード条件情報をそれぞれ保持する。エンコード条件情報テーブル 31上の各ェン コード条件情報は、ある携帯端末装置 2によって再生可能な動画ファイルに係るパラ メータ値の組である。エンコード条件情報は、一例としては、動画ファイルを再生する 携帯電話機や PDAなどの携帯端末装置 2を特定する再生機器名と、その携帯端末 装置 2により再生可能な動画ファイルの最大ビットレート情報、フレームレート情報、 サンプリング画素数、音声ビットレート情報、及び音声サンプリング周波数情報とを含 む。本実施形態において、エンコード条件情報は、図 3を参照して後述するように、 携帯端末装置 2により録画を行ったときのエンコード条件情報であって、その録画に より生成された動画ファイルに含まれたエンコード条件情報力 取得される。
[0025] テレビジョン録画装置 1は、アンテナ 11及びチューナ 12に代えて、テレビジョン放 送信号を取得するための他のソース装置を備えて 、てもよ 、。テレビジョン録画装置 1はまた、処理のために必要なユーザ入力を促すために、入力プロンプト表示部 20 上にプロンプトを表示することに代えて、テレビジョン番組を表示するためのディスプ レイ装置(図示せず。)上にプロンプトを表示したり、又はスピーカ(図示せず。)を用 いて音声により指示を行ったりしてもよい。
[0026] 図 2は、図 1のテレビジョン録画装置 1によってメモリカード 3に記録された動画フアイ ルを再生する携帯端末装置 2の構成を示すブロック図である。図 2において、この携 帯端末装置 2はさらに、それ自体で動画ファイルを生成し (すなわち動画像の撮影及 び音声の録音を実行し)、メモリカード 3に記録できるようにも構成されている。携帯端
末装置 2は、(a)当該携帯端末装置 2全体の動作を制御する CPU40と、(b)制御用 プログラムが格納された ROM41と、(c)制御用プログラムの実行時に使用される RA M42と、(d)他の付カ卩的なデータを格納するハードディスクメモリ 43と、(e)メモリカー ド 3を装着するためのメモリカードソケット 44Aを有してメモリカード 3へのデータの読 み書きを行うメモリカードインターフェース 44と、(f)操作用のキーボード 45と、(g)動 画を表示するディスプレイ 46とを備え、これらの構成要素 40, 41, 42, 43, 44, 45 及び 46はバス 55によって互いに接続されている。携帯端末装置 2はさらに、 Ό/Α 変換器 47、増幅器 48、及びスピーカ 49を備え、 DZA変換器 47の入力側はバス 55 に接続され、その出力側は増幅器 48を介してスピーカ 49に接続されている。携帯端 末装置 2はさらに、マイクロホン 50、増幅器 51、及び AZD変 52を備え、 Α/Ό 変 52の入力側には増幅器 51を介してマイクロホン 50が接続され、その出力側 はバス 55に接続されている。携帯端末装置 2はさらに、 CCD撮像素子 54及び撮像 素子インターフェース 54を備え、撮像素子インターフェース 54の入力側には CCD撮 像素子 54が接続され、その出力側はバス 55に接続されている。
[0027] CPU40は、メモリカード 3から動画ファイルを読み出して映像信号と音声信号とを 復号化し、映像信号をディスプレイ 46に出力させ、音声信号を DZA変換器 47及び 増幅器 48を介してスピーカ 49から出力させる。 CPU40はまた、 CCD撮像素子 53に よって撮影された動画像を撮像素子インターフェース 54を介して映像信号として取 得し、マイクロホン 50によって取得された音声信号を増幅器 51及び AZD変 を介して取得し、取得された映像信号及び音声信号に基づ!ヽて所定の形式の動画 ファイルを生成して、メモリカード 3に記録する。
[0028] 図 3は、図 1のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される エンコード条件情報登録処理を示すフローチャートである。この処理において、テレ ビジョン録画装置 1は、録画機能を有する携帯端末装置 2が動画ファイルを生成した 際のエンコード条件を取得し、それにより、その携帯端末装置 2における再生に適し た動画ファイルを生成するためのエンコード条件情報を取得する。図 3において、ま ず、携帯端末装置 2で録画された動画ファイルを格納したメモリカード 3をユーザがメ モリカードソケット 21Aに挿入すると、マイクロコンピュータ 15はステップ S1において
このことを検出する。ステップ S2において、マイクロコンピュータ 15は、メモリカード 3 に格納された動画ファイルのデータを RAM 18に読み込み、動画ファイルのタグ情報 を検索する。
[0029] ここでタグ情報について説明する。例えば MPEG4準拠の携帯電話機や PDAで録 画された動画ファイルにおいては、その動画ファイルを録画した機器の名称、最大ビ ットレート、フレームレート、画素サイズといった情報力 タグ情報として記録されてい る。テレビジョン録画装置 1は、 RAM18上に読み込まれた動画ファイルのデータに おいてこのタグ情報を検索することにより、エンコード条件情報を抽出する。動画ファ ィルの具体的なファイル構造について図 6を用いて説明する。図 6は、図 1のメモリ力 ード 3に記録される動画ファイル 60のフォーマットを示す概略図である。動画ファイル 60は SOF (Start of File)から始まり、 EOF (End of File)で終わる。動画ファイル 60は 複数のタグとデータの組み合わせで構成される。例えば、タグ T1は機器の名称を表 すキーワードであり、実際の機器名称はデータ D1として記録されている。同様に、例 えば、タグ T2はフレームレートを表すキーワードであり、実際のフレームレートはデー タ D2として記録されて!、る。
[0030] 再び図 3を参照すると、ステップ S3において、マイクロコンピュータ 15は検索された タグ情報に基づいて、動画ファイルに含まれたエンコード条件情報を抽出する。次い で、ステップ S4において、ステップ S3で抽出されたエンコード条件情報のうちの再生 機器名が、書き換え可能型 ROM 16上のエンコード条件情報テーブル 31にすでに 登録されている力否かを判定する。登録されていない場合は、ステップ S7において、 ステップ S3で抽出されたエンコード条件情報をすベて、書き換え可能型 ROM16上 のエンコード条件情報テーブル 31に新規に保存する。すでに登録されて 、る場合は 、ステップ S5において、ステップ S3で抽出されたエンコード条件情報を、その再生機 器名に関連付けられたすでに登録されているエンコード条件情報と比較し、次いでス テツプ S6において、エンコード条件の各値が最大化されるようにエンコード条件情報 テーブル 31を更新する。従って、例えば、ある機器に関して、エンコード条件情報テ 一ブル 31に登録されているエンコード条件に係るパラメータ値よりも大きな値が抽出 された場合には、そのパラメータ値を更新するように書き換え可能型 ROM16に書き
込む。
[0031] マイクロコンピュータ 15は、互いに異なるエンコード条件でエンコードされた動画フ アイルをそれぞれ格納した複数のメモリカード 3につ 、てエンコード条件情報登録処 理を繰り返すことにより、複数の異なる携帯端末装置 2のためのエンコード条件情報 を取得することができる。
[0032] 図 4は、図 1のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される 録画処理を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ 15は、この録画処理に従 つて動画ファイルをメモリカード 3に記録する。図 4において、マイクロコンピュータ 15 は、ステップ S11において、アンテナ 11及びチューナ 12を介して受信されたテレビジ ヨン放送信号をソースとして新規に録画を開始する。次 、でステップ S 12にお 、て、 入力装置 19を介して入力されたユーザ入力に応答して、この録画処理によってメモ リカード 3に記録される動画ファイルを再生する予定の機器を選択して、ステップ S6 あるいはステップ S 7で書き換え可能型 ROM 16上のエンコード条件情報テーブル 3 1に保存されたエンコード条件情報のうちで、選択された機器に関連付けられたェン コード条件情報を呼び出す。ステップ S13において、マイクロコンピュータ 15は、呼 び出したエンコード条件情報に基づいてエンコード条件を設定し、この設定されたェ ンコード条件に従って、録画すべき映像信号及び音声信号を RAM18上でェンコ一 ドする。ステップ S14において、マイクロコンピュータ 15は、エンコードされた動画ファ ィルを、メモリカードインターフェース 21によりメモリカード 3に記録させ、処理を終了 する。このメモリカード 3は、図 3のステップ S1においてメモリカードスロット 21Aに揷 入されたメモリカード 3と同じものであっても、異なるものであってもよい。録画処理の 終了後、ユーザはメモリカード 3をテレビジョン録画装置 1のメモリカードスロット 21A 力も取りはずして携帯端末装置 2のメモリカードスロット 44Aに差し込み、携帯端末装 置 2において、メモリカード 3に記録された動画ファイルを再生する。
[0033] 以上のように、録画機能及び再生機能を備えた携帯端末装置 2に対しては、当該 携帯端末装置 2により過去に録画された動画ファイルのエンコード条件と同一のェン コード条件でエンコードした動画ファイルを生成してメモリカード 3に記録することによ り、テレビジョン録画装置 1は当該携帯端末装置 2で再生可能な動画を生成すること
ができる。
[0034] 一方、携帯端末装置 2が再生専用の装置である場合、その機器自体では録画を行 うことができない。従って、携帯端末装置 2により再生可能な動画ファイルを生成する ためのエンコード条件(すなわち、最大ビットレートやフレームレート、画素サイズ等の 特徴)を取得しなければならないとき、前記図 2のフローチャートを用いて説明した方 法のように携帯端末装置 2で録画された動画ファイル力 エンコード条件情報を抽出 することはできない。このような場合に対処するために、図 5を用いて、ユーザ自身に エンコード条件情報を入力させることにより登録する処理を説明する。
[0035] 図 5は、図 1のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される エンコード条件情報入力処理を示すフローチャートである。図 5のステップ S21にお いて、まず、マイクロコンピュータ 15は、エンコード条件情報の登録を開始し、ステツ プ S22乃至 S27において、入力装置 19を用いて必要な情報を入力するように入力 プロンプト表示部 20を介してユーザに促す。マイクロコンピュータ 15は、ステップ S22 において、動画ファイルを再生する携帯端末装置 2の名称を入力させ、マイクロコン ピュータ 15はまた、ステップ S23において、その携帯端末装置 2により再生可能な動 画ファイルの最大ビットレート情報を入力させ、ステップ S 24において、その携帯端末 装置 2により再生可能な動画ファイルのフレームレート情報を入力させ、ステップ S25 において、その携帯端末装置 2により再生可能な動画ファイルのサンプリング画素数 を入力させ、ステップ S26において、その携帯端末装置 2により再生可能な動画ファ ィルの音声ビットレート情報を入力させ、ステップ S27において、その携帯端末装置 2 により再生可能な動画ファイルの音声サンプリング周波数情報を入力させる。マイク 口コンピュータ 15は、ステップ S28において、以上入力されたエンコード条件情報を 書き換え可能型 ROM16上のエンコード条件情報テーブル 31に保存する。
[0036] 以上のように、再生専用の携帯端末装置 2に対しては、ユーザが指定したェンコ一 ド条件と同一のエンコード条件でエンコードした動画ファイルを生成してメモリカード 3 に記録することにより、テレビジョン録画装置 1は当該携帯端末装置 2で再生可能な 動画を生成することができる。
[0037] 本実施形態のテレビジョン録画装置 1によれば、小型のサイズ及び携帯性と!、ぅ携
帯電話機や PDA等の携帯端末装置 2の特徴を最大限に活力しながら、そのような携 帯端末装置 2においてもユーザの意図した画質及び音量で再生可能な動画ファイル を生成することができる。
[0038] 第 2の実施形態.
図 7は、本発明の第 2の実施形態に係るテレビジョン録画装置 1の構成を示すプロ ック図である。第 2の実施形態において、第 1の実施形態の場合と同様の構成要素に ついては同じ参照番号を付与し、説明を省略する。
[0039] 第 2の実施形態において、第 1の実施形態との相違点は以下の通りであり、他の構 成は同様である。
(1)書き換え可能型 ROM16が、エンコード条件情報テーブル 31にカ卩えて、再生環 境情報テーブル 32を保存すること。
( 2)マイクロコンピュータ 15が、再生環境情報テーブル 32上の再生環境情報に基づ V、て、映像信号処理部 13及び音声信号処理部 14の処理動作を制御すること。
[0040] 本実施形態に係るテレビジョン録画装置 1によれば、(a)再生環境情報テーブル 32 により、動画ファイルを再生するときの互いに異なる複数の再生環境に応じて映像信 号及び音声信号に対して所定の処理を実行するときの複数のパラメータをそれぞれ 含む複数の再生環境情報を記憶し、(b)入力装置 19により、再生環境情報テーブル 32に記憶された複数の再生環境情報のうちの 1つを選択し、 (c)映像信号処理部 13 及び音声信号処理部 14により、選択された再生環境情報のパラメータに基づいて、 映像信号及び音声信号に対して所定の処理を実行して、処理後の映像信号及び音 声信号を生成し、生成された映像信号及び音声信号を、記録すべき映像信号及び 音声信号としてマイクロコンピュータ 15に供給することを特徴とする。
[0041] 本実施形態のテレビジョン録画装置 1では、再生環境情報テーブル 32を用いること により、「人ごみ」、「電車の中」、「昼間の屋外」、「夜の公園」などの動画ファイルを再 生する際の場所や環境の違いに応じて、色、明るさ、音量などのパラメータを予め最 適化させた動画ファイルを生成することができる。
[0042] 図 8は、図 7のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行される 録画処理を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが携帯端末装置 2を使用
する場所 (又は再生環境)に適した映像及び音声を含む動画ファイルを生成すること を目的とする。マイクロコンピュータ 15は、図 8のステップ S31において、アンテナ 11 及びチューナ 12を介して受信されたテレビジョン放送信号をソースとして、新規に録 画を開始する。次いでステップ S32において、マイクロコンピュータ 15は、入力装置 1 9を介したユーザ入力に基づ 、て、ユーザが携帯端末装置 2を使用する場所を選択 することにより 1つの再生環境情報を選択し、選択された再生環境情報を再生環境 情報テーブル 32から読み出す。
[0043] 図 9を参照して、実施例の再生環境情報テーブル 32について説明する。図 9は、 図 7の再生環境情報テーブル 32上に記録された再生環境情報のデータの一例を示 す概略図である。本明細書では、再生環境と、色、明るさ、音量などの映像及び音声 に係るパラメータとの組み合わせを再生環境情報と 、う。再生環境情報テーブル 32 では、再生環境 (すなわち動画ファイルを再生する場所)と画質及び音質のパラメ一 タとが連動している。例えば、再生環境として「人ごみ」を選択した場合、明るさ(ピク チヤ)を「 + 10」に設定し、黒レベルを「0」に設定し、色の濃さを「 + 5」に設定し、色あ いを「標準」に設定し、シャープネスを「一 5」に設定し、色温度を「中」に設定し、音量 を「 17」に設定し、低音を「 + 3」に設定し、高音を「 + 3」に設定する。再生環境として 、これに代えて「電車の中」又は「夜の公園」が選択されると、図 9に示すように選択結 果に連動して異なる画質及び音質のパラメータが設定される。これらの再生環境情 報は、書き換え可能型 ROM16に予め保持されていてもよぐ又は、ユーザが入力装 置 19を用 、て書き換え可能型 ROM 16に追カ卩したり編集したりしてもょ 、。図 9に示 した再生環境情報は単なる例示であり、再生環境としてさらに別の項目が使用されて もよぐまた、別のパラメータが使用されてもよい。
[0044] 再び図 8を参照すると、ステップ S33において、マイクロコンピュータ 15は、選択さ れた再生環境情報のパラメータに従って映像信号処理部 13と音声信号処理部 14の 設定を変更する。この設定変更により、チューナ 12から出力される標準的な映像や 標準的な音声が、再生環境を想定したユーザの好みにカスタマイズされることとなる 。以下、ステップ S34乃至 S36は、図 4のステップ S12乃至 S14と同様に実行される。 録画処理の終了後、ユーザはメモリカード 3をテレビジョン録画装置 1のメモリカードス
ロット 21Aから取りはずして携帯端末装置 2のメモリカードスロット 44Aに差し込み、携 帯端末装置 2において、メモリカード 3に記録された動画ファイルを再生する。
[0045] 本実施形態のテレビジョン録画装置 1によれば、小型のサイズ及び携帯性と!、ぅ携 帯電話機や PDAなどの携帯端末装置 2の特徴を最大限に活力しながら、再生する 機器及び再生環境に合わせた録画を行うことにより、携帯端末装置 2においてもユー ザの意図した画質及び音量で再生可能な動画ファイルを生成することができる。
[0046] 第 3の実施形態.
図 10は本発明の第 3の実施形態に係るテレビジョン録画装置 1の構成を示すプロ ック図である。第 3の実施形態において、第 1及び第 2の実施形態の場合と同様の構 成要素については、同じ参照番号を付与し、説明を省略する。
[0047] 第 3の実施形態において、第 2の実施形態との相違点は、書き換え可能型 ROM1 6がエンコード条件情報テーブル 31及び再生環境情報テーブル 32に加えてユーザ 嗜好情報テーブル 33を保存することであり、他の構成は同様である。
[0048] 本実施形態に係るテレビジョン録画装置 1によれば、(a)ユーザ嗜好情報テーブル 33により、ユーザ嗜好に応じて映像信号及び音声信号を所定の処理を実行するとき の複数のパラメータをそれぞれ含む複数のユーザ嗜好情報を記憶し、 (b)入力装置 19により、複数のユーザ嗜好情報のうちの 1つを選択し、(c)映像信号処理部 13及 び音声信号処理部 14により、選択されたユーザ嗜好情報のパラメータに基づ!/、て、 映像信号及び音声信号に対して所定の処理を実行して、処理後の映像信号及び音 声信号を生成し、生成された映像信号及び音声信号を、記録すべき映像信号及び 音声信号としてマイクロコンピュータ 15に供給することを特徴とする。
[0049] 本実施形態のテレビジョン録画装置 1では、ユーザ嗜好情報テーブル 33を用いる ことにより、「リラックス風」、「元気はつらつ風」、「セピア風」、「コンサート風」などのュ 一ザの嗜好の違いに応じて、色、明るさ、音量などのパラメータを予め最適化させた 動画ファイルを生成することができる。
[0050] 図 11は、図 10のテレビジョン録画装置 1のマイクロコンピュータ 15によって実行さ れる録画処理を示すフローチャートである。この処理は、ユーザ嗜好にカスタマイズし た映像及び音声で動画ファイルを生成することを目的とする。マイクロコンピュータ 15
は、図 11のステップ S41において、アンテナ 11及びチューナ 12を介して受信された テレビジョン放送信号をソースとして、新規に録画を開始する。次いでステップ S42に おいて、マイクロコンピュータ 15は、入力装置 19を介したユーザ入力に基づいて、ュ 一ザの気分に応じたユーザ嗜好情報を選択し、選択されたユーザ嗜好情報をユー ザ嗜好情報テーブル 33から読み出す。
[0051] 図 12を参照して、実施例のユーザ嗜好情報について説明する。図 12は、図 10の ユーザ嗜好情報テーブル 33上に記録されたユーザ嗜好情報のデータの一例を示 す概略図である。本明細書では、ユーザ嗜好と、色、明るさ、音量などの映像及び音 声に係るカスタマイズされたパラメータとの組み合わせをユーザ嗜好情報と 、う。ユー ザ嗜好情報テーブル 33では、ユーザ嗜好 (すなわち、ユーザが嗜好する感覚)と画 質及び音質のパラメータとが連動している。例えば、ユーザ嗜好として「リラックス風」 を選択した場合、明るさを「 + 10」に設定し、黒レベルを「0」に設定し、色の濃さを「 - 5Jに設定し、色合いを「淡」に設定し、シャープネスを「一 5」に設定し、色温度を「 中」に設定し、音量を「10」に設定し、低音を「一 3」に設定し、高音を「一 3」に設定す る。ユーザ嗜好として、これに代えて「元気はつらつ風」又は「コンサート風」が選択さ れると、図 12に示すように選択結果に連動して異なる画質及び音質のパラメータが 設定される。これらのユーザ嗜好情報は、書き換え可能型 ROM16に予め保持され ていてもよぐ又は、ユーザが入力装置 19を用いて書き換え可能型 ROM16に追カロ したり編集したりしてもよい。図 12に示した再生環境情報は単なる例示であり、ユー ザ嗜好としてさらに別の項目が使用されてもよぐまた、別のパラメータが使用されて ちょい。
[0052] 再び図 11を参照すると、ステップ S43において、マイクロコンピュータ 15は、選択さ れたユーザ嗜好情報のパラメータに従って映像信号処理部 17と音声信号処理部 18 の設定を変更する。この設定変更により、チューナ 12から出力される標準的な映像 や標準的な音声が、使用場所を想定したユーザの好みにカスタマイズされることとな る。以下、ステップ S44乃至 S46は、図 4のステップ S12乃至 S14と同様に実行され る。録画処理の終了後、ユーザはメモリカード 3をテレビジョン録画装置 1のメモリカー ドスロット 21A力も取りはずして携帯端末装置 2のメモリカードスロット 44Aに差し込み
、携帯端末装置 2において、メモリカード 3に記録された動画ファイルを再生する。
[0053] 本実施形態のテレビジョン録画装置 1によれば、小型のサイズ及び携帯性と!、ぅ携 帯電話機や PDAなどの携帯端末装置 2の特徴を最大限に活力しながら、再生する 機器、再生環境及びユーザ嗜好に合わせた録画を行うことにより、携帯端末装置 2に おいてもユーザの意図した画質及び音量で再生可能な動画ファイルを生成すること ができる。
産業上の利用可能性
[0054] 本発明に係る録画装置は、屋外にお!、て、着脱可能な記録媒体に格納された動 画ファイルを携帯電話機や PDAなどの携帯端末装置上で楽しむと ヽつた使 、方を 想定し、使用する機器の仕様に係る最高の性能を利用できるように再生環境やユー ザ嗜好に適合した動画ファイルを生成することができるので有用である。