WO2006057327A1 - 椅子型マッサージ機 - Google Patents

Abstract

　足裏と脹脛を保持する脚保持部のスムーズなスライド移動が安定して得られる椅子型マッサージ機を提供する。このマッサージ機は、脚保持部を座部に対してスライド自在に保持するためのスライド機構と、スライド機構の両側に配置され、脚保持部を座部に近づける方向に付勢力を提供する一対の付勢手段を有する。  

Description

明 細 書

椅子型マッサージ機

技術分野

[0001] 本発明は、着座姿勢にある使用者の脹脛および足裏を保持する脚保持部を備えた 椅子型マッサージ機に関するものである。

背景技術

[0002] 着座姿勢にある使用者の背中、腰部、脹脛、足裏等にマッサージを施す椅子型マ ッサージ機においては、使用者により高いマッサージ効果を提供するために種々の 工夫がなされている。例えば、 日本公開特許公報 2004-135928号は、使用者の体型 に応じて、脚保持部の長さ調節可能な椅子型マッサージ機について記載している。

[0003] このマッサージ機は、座部と、肘掛けと、背もたれ部と、足裏および脹脛を保持する 脚保持部と、脚保持部を座部に対してスライド自在に保持するため、入れ子式に伸 縮自在に形成される一対のスライド部材と、脚保持部を所望の位置に固定するロック 手段と、一対のスライド部材の間に配置され、脚保持部を座部に近づける方向に付 勢する付勢手段とを有し、肘掛けの前部上方に配置された操作器によってロック手 段が解除されると、付勢手段の付勢力によって脚保持部を座部側の初期位置に復 帰できるようにしている。

[0004] し力しながら、従来のマッサージ機の場合、使用者の脚部重量が脚保持部に左右 均等にかからなかったり、あるいは使用者がマッサージ機に乗り降りする際に、脚保 持部の一方の側に瞬間的に大きな負荷が力かったりすると、スライド部材に引っ掛か りを生じて脚保持部のスムーズな移動が得られないことがある。また、付勢手段が単 一のスプリングで形成されるような場合は、付勢手段によって脚保持部を座部側の初 期位置に戻す動作がスライド部材の引っ掛力りによってスムーズに得られないことが ある。

[0005] また、座部上の使用者が着座姿勢で脚保持部の位置を調節しても、使用者が背も たれを倒してリクライニング姿勢をとつた時に脚保持部の位置調整が再度必要になる ことがあるが、従来のマッサージ器の場合、リクライニング姿勢にある使用者が体を起 こして脚保持部の位置を再調整しなければならな力つた。これは、リクライニング姿勢 にある使用者にマッサージ機の操作面においてストレスを与えることになる。このよう に、従来の椅子型マッサージ機においては、その脚保持部の動作信頼性、および脚 保持部の位置調整の行い易さの観点力 依然として改善の余地がある。

発明の開示

[0006] したがって、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ ろは、座部に対する脚保持部のスムーズなスライド移動が安定して得られる椅子型マ ッサージ機を提供することにある。

[0007] すなわち、本発明の椅子型マッサージ機は、座部と、足裏および脹脛を保持する 脚保持部と、脚保持部と座部との間の距離が可変となるように、脚保持部を座部に対 してスライド自在に保持するスライド機構と、スライド機構の両側に配置され、脚保持 部を座部に近づける方向に付勢力を提供する一対の付勢手段とを含むことを特徴と する。

[0008] 本発明によれば、スライド機構の両側に一対の付勢手段を配置するので、脚保持 部の使用者の左脚の足裏と脹脛を保持する部位と、右脚の足裏と脹脛を保持する部 位とに等しく付勢力を提供することができ、引っ掛力りのない脚保持部のスムーズな 動作を得ることができる。また、単一の付勢手段を使用する場合に比べ、個々の付勢 手段を小型化でき (例えば、付勢手段がコイルパネの場合は、コイル径を小さくできる )ので、脚保持部をスリム形状にすることができる。

[0009] 上記マッサージ機は、リクライニング式背もたれと、座部の両側に設けられる肘掛け と、座部に対する脚保持部の位置を決定するためスライド機構をロックする位置決め 手段と、肘掛けの座面側に配置される位置決め手段の操作レバーとをさらに含むこと が好ましぐ特に、操作レバーを背もたれに向力う方向に操作する時、位置決め手段 によるスライド機構のロックが解除されるように、操作レバーの動作を位置決め手段に 伝達する運動伝達手段を含むことが好ましい。これにより、使用者は、脚保持部の位 置を調整するために、リクライニング姿勢力 体を起こす必要がなぐマッサージ機の 操作面で使用者にストレスが生じるのを防ぐことができる。

[0010] また、上記マッサージ機に、大腿部マッサージ用エアノッグと、エアバッグを膨張収 縮させるためのエアポンプとを設ける場合は、上記操作レバーをエアバッグと肘掛け の間に配置することが好ましぐ特に、エアバッグは、座部上の使用者の大腿部にマ ッサージを提供するマッサージ付与面と、このマッサージ付与面と反対側の表面に操 作レバーを揷通可能なレバーガイド部を有することが好ましい。この場合は、大腿部 にマッサージを提供できることにカ卩え、操作レバーがマッサージ中の使用者に触れて リラックス感が損なわれるのを防ぐことができる。さらに、エアバッグの位置ずれ防止に も効果がある。

[0011] 上記した脚保持部のスムーズなスライド移動を安定に実現するための特に好ましい 実施形態として、上記マッサージ機は、座部の前端部に連結されるベースフレームと 、脚保持部が搭載され、スライド機構によってベースフレームに可動に保持される可 動フレームとをさらに含み、スライド機構は、可動フレームの横方向の略中央に配置 される単一のスライダと、前記スライダをスライド自在に保持するためベースフレーム に固定されるスライダ保持部材とでなり、一対の付勢手段は、スライダの両側に配置 され、各一端が可動フレームに、各他端がベースフレームに接続される。

[0012] また、上記マッサージ機が座部の前端部に連結されるベースフレームと、脚保持部 が搭載され、スライド機構によってベースフレームに可動に保持される可動フレームと を有する場合、可動フレームが、長手方向に複数の穴を有し、スライド機構と略平行 に配置される位置決め部材を有し、ベースフレームが、位置決め部材の前記複数の 穴のいずれか一つに選択的に係止して可動フレームのスライド移動をロックするロッ ク手段を有することが好ましい。この場合は、位置決め部材とロック手段とにより脚保 持部の位置決めを安定して行なえる。

[0013] また、上記マッサージ機が座部の前端部に連結されるベースフレームと、脚保持部 が搭載され、スライド機構によってベースフレームに可動に保持される可動フレームと を有する場合、ベースフレームが、スライド機構と略平行に延出する一対のガイドバ 一を有し、可動フレーム力 スライド機構の軸周りに可動フレームの回動が生じた時、 前記ガイドバーと接触して回動を制限するストツバ手段を有することが好ましい。この 場合は、使用者が誤って脚保持部材の片側のみに大きな負荷を加えても、ガイドバ 一とストツバ手段との接触により可動フレームが大きく傾くのを防止できるので、椅子 型マッサージ機の安全性の向上を図れる。

[0014] さらに、上記したマッサージ機は、スライダとスライダ保持部材の少なくとも一方に配 置され、両者の間の摺動面に摩擦抵抗を提供する弾性体を含むことが好ましい。こ れにより、一対の付勢手段の付勢力により脚保持部が座部側に向力つて急激に移動 するのを防止でき、上記したガイドバーとストツバ手段の場合と同様に、椅子型マッサ ージ機の安全'性のさらなる向上を図れる。

[0015] 本発明のさらなる目的および効果は、以下の発明を実施するための最良の形態か らより明確に理解されるだろう。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1] (A)および (B)は、本発明の好ましい実施形態に力かる椅子型マッサージ機の 斜視図である。

[図 2] (A)は、椅子型マッサージ機の脚保持部の部分断面斜視図であり、（B)は脚保 持部の端面図である。

[図 3] (A)および (B)は、脚保持部の動作を示す斜視図である。

[図 4] (A)および (B)は、脚保持部の動作を示す上面図である。

[図 5] (A)および (B)は、脚保持部のスライド機構の斜視図及び断面図である。

[図 6] (A)および (B)は、スライド機構の摺動面に配置される弾性体の断面図である。

[図 7] (A)および (B)は、脚保持部の位置決め手段を示す部分斜視図および断面図 である

[図 8]は、本実施形態の椅子型マッサージ機の上面図である。

[図 9]は、脚保持部の位置決め手段用操作レバーを示す部分斜視図である。

[図 10] (A)および (B)は、脚保持部の位置決め手段用操作レバーの他例を示す部 分斜視図である。

[図 11] (A)および (B)は、レバーガイド部を有する大腿部マッサージ用エアバッグの 概略斜視図および上面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、本発明の椅子型マッサージ機を好ましい実施形態に基づいて詳細に説明す る。 [0018] 図 1 (A)及び図 1 (B)に示すように、本実施形態の椅子型マッサージ機 1は、座部 2 と、座部に対して傾斜可能なリクライニング式背もたれ 3と、足裏と脹脛を保持する脚 保持部 4と、座部の両側に設けられる肘掛け 5とを有する。座部 2および背もたれ 3の 内部には使用者の腰部や背中にマッサージを施すマッサージ手段が配置される。尚 、本明細書において、座部 2中央力 脚保持部 4に向力 方向が前方向であり、背も たれ 3に向力う方向が後方向であり、一対の肘掛け 5に向力う方向が左右方向である

[0019] 脚保持部 4は、使用者の左右両脚の脹脛と足裏が収容されるように形成される一対 の凹部 7を有し、凹部 7内にはエアバッグ等のマッサージ手段（図示せず）が適所に 配置され、凹部 7の上部開口を介して脚保持部 4内に載置された使用者の足裏およ び脹脛にマッサージが施される。また、脚保持部 4は、図 1 (A)中の矢印で示されるよ うに、座部 2の前端部で左右方向の水平軸周りに回動自在に保持される。すなわち、 図 1 (A)に示すように、座部 2の上面に対して脚保持部 4が略垂直に配置される状態 (収納状態）と、図 1 (B)に示されるように、座部 2の上面と脚保持部 4が略水平に配 置される状態 (使用状態)との間で脚保持部 4を回動させることができる。脚保持部 4 は、使用者が手動で回動させても良いし、モーターや空気圧を利用した駆動装置を 設けて回動させても良い。

[0020] 図 2〜図 4に示すように、脚保持部 4は、スライド機構により座部に対してスライド自 在に保持される。すなわち、本実施形態のマッサージ機は、座部 2の前端部に左右 方向の水平軸周りに回動自在に保持されるベースフレーム 10と、脚保持部 4が搭載 され、スライド機構によってベースフレームに可動に保持される可動フレーム 20とを 有する。ベースフレーム 10および可動フレーム 20は、鋼やアルミ合金製のパイプ材 で形成されることが好ましぐ所望の剛性を得るために最適な骨格構造に設計される とともに、パイプ材の使用による軽量ィ匕を達成している。図中、番号 19は、座部 2の 前端部に回動自在に連結されるベースフレーム 10の連結部である。また、番号 28は 、使用者の足裏を保持する踏板であり、可動フレーム 20に固定される。番号 29は、 可動フレームに着脱自在に装着されるカバーである。

[0021] スライド機構は、可動フレーム 20の左右方向の略中央に固定されるスライダ 21と、 ベースフレーム 10に固定され、スライダ 21をスライド自在に保持するスライダ保持部 材 11とで構成される。また、可動フレーム 20には、長手方向に複数の穴 23を有し、 スライダ 21と略平行に配置される位置決め部材 22が設けられ、ベースフレーム 10に は、位置決め部材 22の複数の穴 23のいずれか一つに選択的に係止して可動フレ ームの移動を制限するロック手段 40が設けられる。さらに、脚保持部 4が搭載された 可動フレーム 10を座部に近づける方向に付勢力を提供する付勢手段として、一対の コイルパネ 30がスライダ 21の両側に、且つスライダカも左右方向に等距離離れた位 置に配置され、それぞれの一端が可動フレーム 20に、多端がベースフレーム 10に 接続される。

[0022] 上記したように、可動フレーム 20はスライダ 21とスライダ保持部材 11とでなるスライ ダ機構によりベースフレーム 10に可動に保持される。スライダ 21は、図 5 (A)および 図 5 (B)に示すように、可動フレーム 20にネジ等の取付け具を用いて固定される固定 部 50と、スライダ保持部材 11の内表面に摺動接触するヘッド部 52と、断面形状にお V、てヘッド部よりも狭 、幅を有し、ヘッド部と固定部の間を連結するネック部 54とで構 成される。一方、ベースフレーム 10に固定されるスライダ保持部材 11は、断面 C字形 状を有し、開口部 60の隙間は、ヘッド部 52の幅より小さぐネック部 54の幅よりもわ ずかに大きい。したがって、図 5 (B)に示すように、スライダ 21のヘッド部 52をスライダ 保持部材 11の内部〖こフィットさせることにより、スライダ 21はスライダ保持部材 11の開 口部 60を介して抜け落ちることなぐヘッド部 52をスライダ保持部材 11に安定に摺 動接虫させることができる。

[0023] 図 5 (A)において、番号 56は、スライダ 21の長さ方向に所定間隔毎に配置される 弾性体である。このように弾性体 56を配置することで、一対の付勢手段 30の付勢力 によって脚保持部 4を搭載した可動フレーム 10が座部 2に向かって急激に移動する のを防ぐことができる。本実施形態においては、弾性体 56を硬度 50〜70のゴムを用 いて形成し、スライダ 21に設けられる隣接する弾性体 56の中心間距離は、スライダ 保持部材 11の長さより大きくならないように設定してある。これにより、スライダ 21に設 けた弾性体 56は常にスライダ保持部材 11の内表面と接触することになり、安定した 接触抵抗を得ることができる。 [0024] 弾性体 56を構成する材料や、スライダ保持部材 11の内表面と接触する部分の表 面形状は、所定の摩擦抵抗を提供できれば特に限定されないが、例えば、図 6 (A) に示すように、コーナー部を丸めて円弧状にすれば、スライダの移動時に引っ掛かり が生じ難いので好ましい。また、図 6 (B)に示すように凹凸を設ける場合は、凹部がグ リスだまりとして機能するので、スライダ 21の滑らかなスライド移動を長時間安定して 得ることができるとともに、弾性体 56の寿命の延長を図れる。尚、本実施形態におい て、弾性体 56はスライダ 21側に設けたが、所定の摩擦抵抗を得るために、スライダ 保持部材 11とスライダ 21の少なくとも一方に配置されればょ 、。

[0025] 次に、可動フレームの移動を制限するロック手段 40について説明する。本実施形 態のロック手段 40は、図 7 (A)および図 7 (B)に示すように、位置決め部材 22の穴 2 3の一つに挿入可能なロックピン 70と、ロックピン 70を穴 23内に突出可能に保持す るロックピン保持部材 72と、ロックピンの突出方向にばね付勢力を提供するコイルバ ネ 74とを有する。ロック手段 40は、図 8に示すように、肘掛け 5の座面 2側に配置され る操作レバー 80を操作することにより、後述する運動伝達機構を介して遠隔操作さ れる。運動伝達機構は、操作レバー 80の操作により、コイルパネ 74のパネ付勢力に 反してロックピン 70を穴 23から除去できるように構成される。すなわち、図 7 (B)に示 すように、操作レバー 80が操作されると、ロックピン 70に接続されるインナーワイヤ 7 5がロックピン保持部材 72の一端に係止されるアウターワイヤ 77に対して図の左方 向に引っ張られ、その結果、コイルパネ 74のパネ付勢力に逆らってロックピン 70が位 置決め部材 22の穴 23から除去される。これにより脚保持部 4のロック状態が解除され 、脚保持部 4を所望の長さにセットすることができる。

[0026] 図 9に、操作レバー 80を背もたれ 3に向力う方向（A1方向）に操作することにより、 インナーワイヤ 75を弓 Iつ張るための運動伝達機構につ!、て紹介する。操作レバー 8 0は上端にグリップ部 82を有し、下端は水平軸 L周りに回動自在に保持されるととも に、インナーワイヤ 75の他端が接続される。この状態で、座部 2上の使用者が手前（ A1方向）に操作レバー 80を引くとインナーワイヤ 75が引っ張られ、上記した機構に よりロックピン 70が位置決め部材 22の穴 23から除去される。操作レバーを離すと、ス プリング 84のパネ力により、操作レバー 80は A2方向に移動して定位置に復帰する。 これにより、ロックピン 70が位置決め部材 22の穴 23に挿入され、脚保持部 4のロック 状態が得られる。

[0027] あるいは、図 10 (A)に示すように、操作レバー 80を柔軟性のある紐材 86で代用し 、この紐材 86を引っ張ることで、図 9の場合と同様に、インナーワイヤ 75を引っ張るよ うにしても良い。この場合、紐材 86の先端には使用者が握りやすい形状、例えば、図 10 (B)に示すようなグリップ部材 88を設けることが操作性向上の観点力も好ましい。 このように、操作レバー 80を背もたれ 3に向力う方向（A1方向）に操作可能とすること で、背もたれ 3を傾斜させてリクライニング姿勢にある使用者は体の位置を変えること なくスライド機構のロックを解除して、脚保持部 4を座部 2に対して適切な位置に調整 することができる。

[0028] また、本実施形態の椅子型マッサージ機 1は、座部 2の肘掛け 5側に配置される大 腿部マッサージ用エアバッグ 6と、エアバッグを膨張収縮させるためのエアポンプ（図 示せず）とを有する。この場合、操作レバー 80は、エアバッグ 6と肘掛け 5の間に配置 される。これにより、操作レバー 80がマッサージ中の使用者の体に干渉するのを防止 でき、使用者はリラックスした状態でマッサージを受けることができる。また、大腿部マ ッサージ用エアバッグ 6のマッサージ付与面と反対側に操作レバー 80を揷通可能な レバーガイド部 90を設けることが特に好ましい。例えば、図 11 (A)および図 11 (B)に 示すように、エアバッグ 6が収納される布製のカバー 92の所定位置にレバーガイド部 90を縫合し、操作レバーとしての前記紐材 86を揷通できるようにすれば良い。これに より、紐材 86の操作がエアバッグ 6によって邪魔されることなぐ紐材の引っ張る方向 を背もたれ 3側に向けることができる。尚、レバーガイド部 90内に外力で変形しない 材料で形成された筒状部材（図示せず)を配置し、その筒状部材内に操作レバー 80 を揷通させてもよい。この場合は、エアバッグ 6の膨張時であっても、操作レバー 80 のスムーズな操作性が確保される。また、柔軟性を有する材料で操作レバー 80を形 成し、潤滑性を有する材料で筒状部材を形成する場合は、これらの間の良好な摺動 性により操作レバー 80の操作性をさらに高めることができる。

[0029] ところで、上記のように、単一のスライダ 21とスライダ保持部材 11の使用により可動 フレーム 20をベースフレーム 10に対してスライド自在に保持する場合、脚保持部 4の 左右一方の側に負荷がかかると、可動フレーム 20全体がスライダ 21の長手軸 (スライ ド軸)周りに回動して脚保持部 4が傾く恐れがある。そこで、ベースフレーム 10は、一 対の付勢手段 30と略平行に延出する一対のガイドバー 15を有し、可動フレーム 20 は、スライダ 21の軸周りに可動フレームの回動が生じた時、ガイドバー 15に接触して 回動を制限するストツバ手段を有する。本実施形態では、ストツバ手段は一対のァー ム 25によって形成され、一対のアーム 25の間にガイドバー 15が配置される。一対の アーム 25間の距離はガイドバー 15の直径よりわずかに大きく設定され、通常はガイ ドバー 15とアーム 25が接触しな!、ようになって!/、る。

[0030] 尚、ガイドバー 15と、一対の付勢手段 30と、スライダ 21とスライダ保持部材 11とで 構成されるスライド機構の間の好ましい位置関係としては、図 4 (A)および図 4 (B)に 示すように、上方から見た図において、可動フレーム 20の横方向（左右方向）の略中 央にスライド機構が位置し、このスライド機構の両側に等距離で一対の付勢手段 30 が配置され、一対の付勢手段よりもさらに横方向の外側に一対のガイドバー 15が設 けられる。また、スライド機構とは個別に設けられる位置決め部材 22は、スライド機構 の左右どちらか一方の側で、付勢手段 30とスライド機構の間に配置される。

[0031] 上記した椅子型マッサージ機 1の使用方法の一例について以下に紹介する。使用 者は、図 1 (A)の収納状態にある椅子型マッサージ機の座部 2に着座し、脚保持部 4 を図 1 (B)に示す状態に回動させる。ついで、使用者の足および脹脛を脚保持部 4 の一対の凹部 7内にセットし、操作レバー 80を操作すると、ロックピン 70が位置決め 部材 22の穴 23から除去され、脚保持部 4の座部 2からの突出距離が調整可能にな る。この時、脚の保持状態が窮屈である場合は、図 3 (A)および図 4 (A)の矢印によ つて示されるように、使用者が付勢手段 30の付勢力に逆らって脚保持部 4を押すこと で、脚保持部 4の座部 2からの突出距離を増すことができ、適切な位置になったところ で操作レバー 80を離せば、ロックピン 70が位置決め部材 22の最適な穴 23に挿入さ れ、脚保持部 4の位置がロックされる。

[0032] 一方、使用者の足裏に脚保持部 4がフィットして 、な 、場合は、操作レバー 80を操 作してロック手段 40による位置決めを解除すると、図 3 (B)および図 4 (B)の矢印によ つて示されるように、付勢手段 30の付勢力によって脚保持部 4が座部 2側に向力つて 移動する。この時、上記した弾性体 56による摩擦抵抗の増加により、脚保持部 4はゆ つくりした速度で座部 2側に移動するので、脚保持部 4の位置調節を安全に行なうこ とがでさる。

[0033] また、使用者が背もたれ 3を倒してリクライニング姿勢になった状態で脚保持部 4の 位置を調節する場合でも、上記した肘掛け 5と大腿部マッサージ用エアバッグ 6との 間に配置された操作レバー 80の操作により、使用者は体を起こす必要がなぐリクラ イニング姿勢のままで、楽に脚保持部 4の位置調節を行なえる。個々の使用者に適し た状態に椅子型マッサージ機 1を設定した後、背もたれ 3および座部 2に配置したマ ッサージ手段、大腿部マッサージ用エアバッグ 6、脚保持部内に配置した足裏および 脹脛マッサージ手段等を用いて使用者にマッサージが施される。

産業上の利用可能性

[0034] 上記実施形態力 分力るように、本発明の椅子型マッサージ機は、脚保持部の略 中央に配置されるスライド機構と、その両側に配置される一対の付勢手段を必須構 成とすることにより、脚保持部のスライド移動、特に脚保持部の座部側の初期 (安静） 位置に向力 復帰動作を信頼性よく得ることができる。

[0035] また、ガイドバーとストツバ手段とでなる構成を導入することで、脚保持部の回動動 作を規制して椅子型マッサージ機の安全性の向上を図れる。さらに、レバーガイド部 を有するエアバッグを採用する場合は、大腿部マッサージを提供できることに加え、 マッサージ動作中に位置調整用の操作レバーが使用者に干渉するのを防止して、 マッサージ効果や使用者のリラックス感の低下を防ぐことができる。このような効果が 備わることにより、椅子型マッサージ機の一層の普及が期待される。

Claims

請求の範囲

[1] 座部と、足裏および脹脛を保持する脚保持部と、前記脚保持部と前記座部との間 の距離が可変となるように、脚保持部を座部に対してスライド自在に保持するスライド 機構と、前記スライド機構の両側に配置され、前記脚保持部を前記座部に近づける 方向に付勢力を提供する一対の付勢手段とを含むことを特徴とする椅子型マッサ一 ジ機。

[2] リクライニング式背もたれと、上記座部の両側に設けられる肘掛けと、上記座部に対 する上記脚保持部の位置を決定するため上記スライド機構をロックする位置決め手 段と、前記肘掛けの座面側に配置される前記位置決め手段の操作レバーとをさらに 含むことを特徴とする請求項 1に記載の椅子型マッサージ機。

[3] 上記操作レバーを上記背もたれに向力う方向に操作する時、上記位置決め手段に よるスライド機構のロックが解除されるように、上記操作レバーの動作を上記位置決め 手段に伝達する運動伝達手段を含むことを特徴とする請求項 2に記載の椅子型マツ サージ機。

[4] 大腿部マッサージ用エアバッグと、エアバッグを膨張収縮させるためのエアポンプと をさらに含み、上記操作レバーは、前記エアバッグと上記肘掛けの間に配置されるこ とを特徴とする請求項 2に記載の椅子型マッサージ機。

[5] 上記エアバッグは、座部上の使用者の大腿部にマッサージを提供するマッサージ 付与面と、前記マッサージ付与面と反対側の表面に上記操作レバーを揷通可能なレ バーガイド部を有することを特徴とする請求項 4に記載の椅子型マッサージ機。

[6] 上記座部の前端部に連結されるベースフレームと、上記脚保持部が搭載され、上 記スライド機構によって前記ベースフレームに可動に保持される可動フレームとをさら に含み、上記スライド機構は、前記可動フレームの横方向の略中央に配置される単 一のスライダと、前記スライダをスライド自在に保持するため前記ベースフレームに固 定されるスライダ保持部材とでなり、上記一対の付勢手段は、スライダの両側に配置 され、各一端が可動フレームに、他端がベースフレームに接続されることを特徴とす る請求項 1に記載の椅子型マッサージ機。

[7] 上記座部の前端部に連結されるベースフレームと、上記脚保持部が搭載され、上 記スライド機構によって前記ベースフレームに可動に保持される可動フレームとをさら に含み、前記可動フレームは、長手方向に複数の穴を有し、上記スライド機構と略平 行に配置される位置決め部材を有し、前記ベースフレームは、位置決め部材の前記 複数の穴のいずれか一つに選択的に係止して可動フレームのスライド移動をロック するロック手段を有することを特徴とする請求項 1に記載の椅子型マッサージ機。

[8] 上記座部の前端部に連結されるベースフレームと、上記脚保持部が搭載され、上 記スライド機構によって前記ベースフレームに可動に保持される可動フレームとをさら に含み、前記ベースフレームは、上記スライド機構と略平行に延出する一対のガイド バーを有し、前記可動フレームは、上記スライド機構の軸周りに可動フレームの回動 が生じた時、前記ガイドバーと接触して回動を制限するストツバ手段を有することを特 徴とする請求項 1に記載の椅子型マッサージ機。

[9] 上記スライダと上記スライダ保持部材の少なくとも一方に配置され、両者の間の摺 動面に摩擦抵抗を提供する弾性体を含むことを特徴とする請求項 6に記載の椅子型 マッサージ機。