WO2006049043A1

WO2006049043A1 - 空気調和機

Info

Publication number: WO2006049043A1
Application number: PCT/JP2005/019593
Authority: WO
Inventors: Yasushi Jinno; Yasuaki Matsumoto; Ikuo Akamine; Akihiko Shimizu; Yoshiaki Uchida; Tsutomu Shimizu; Hisashi Hiratani; Satoshi Tokura
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-11-05
Filing date: 2005-10-25
Publication date: 2006-05-11
Also published as: JPWO2006049043A1; JP4014622B2; TWI351495B; MY143912A; TW200626845A

Abstract

　熱交換器と該熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出すファンとを本体に収容した室内ユニットを有する空気調和機であって、熱交換器の上流側の本体にフィルター網を取り付け、このフィルター網を清掃するフィルター装置を設けた。また、フィルター装置は、フィルター網に付着した塵埃をフィルター網から分離させる塵埃分離部材を有し、この塵埃分離部材をシートにより構成した。

Description

明細書

空気調和機

技術分野

[0001] 本発明は、室内ユニットの空気吸込口に設けられたエアフィルターを自動的に清掃する機能を備えた空気調和機に関するものである。

背景技術

[0002] 従来の空気調和機のフィルター装置は、熱交換器の前面に空気調和機の本体内部へ塵埃が侵入することを防ぐためのエアフィルターが設けられており、このエアフィルターは付着した塵埃を手で清掃できるように着脱自在に構成されている。こうした構成のフィルター装置は頻繁なメンテナンスが必要となるだけでなぐメンテナンスが行われるまでの間にはエアフィルターが徐々に目詰まりしていき、その結果、熱交換器を通過する風量が低下して空調能力が低下し、消費電力の増大につながることとなる。

[0003] このため、エアフィルターのメンテナンスの手間を低減する目的で、エアフィルターに付着した塵埃をブラシにて搔き落として清掃するフィルター装置や、エアフィルタ一に付着した塵埃をノズルで吸引して清掃するフィルター装置が提案されている（例えば、特許文献 1あるいは 2参照。）。

特許文献 1 :特開平 6— 74521号公報

特許文献 2：特開 2002— 340395号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力ながら、特許文献 1に記載のフィルター装置においては、ブラシで搔き落として清掃することから、ブラシに塵埃が絡みついたり、搔き落として集めた塵埃を処理しなくてはならず、メンテナンスの手間が大幅に軽減されるものではなかった。また、ェァーフィルターの清掃回数が重なるに連れて、ブラシに塵埃が絡み付いて清掃性能が低下するという問題もあった。

[0005] 一方、特許文献 2に記載のフィルター装置にあっては、ノズルの吸引力だけでは充分な清掃性能が得られないという問題があった。

[0006] 本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、塵埃の絡み付きを防止して高い清掃能力を維持することができるとともに、メンテナンスの手間も大幅に低減できるフィルター装置を備えた空気調和機を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0007] 上記目的を達成するため、本発明は、熱交換器と該熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出すファンとを本体に収容した室内ユニットを有する空気調和機であつて、熱交換器の上流側の前記本体に取り付けられたフィルタ一網と、該フィルタ一網を清掃するフィルター装置を備え、該フィルター装置は、フィルタ一網に付着した塵埃をフィルタ一網から分離させる塵埃分離部材としてシートを用いたことを特徴とする

[0008] シートにはゴムあるいは樹脂フィルムが用いられ、シートには複数の切れ目を設けるのが好ましい。切れ目の幅は、フィルタ一網の網目の幅より大きく設定される。また、切れ目により形成された隙間が重ならないように複数のシートを配置するのがさらに好ましい。

[0009] 塵埃分離部材として発泡材を用いることもでき、発泡材にシリコンを用いるのが好ましい。

[0010] さらに、本発明は、熱交換器と該熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出すファンとを本体に収容した室内ユニットを有する空気調和機であって、熱交換器の上流側の本体に取り付けられたフィルタ一網と、該フィルタ一網に対向する吸引口が形成されたベルトを有しフィルタ一網に付着した塵埃を吸引するための摺動自在の吸引ノズノレとを備え、フィルタ一網に付着した塵埃をフィルタ一網から分離させる塵埃分離部材を吸引口の横に設け、塵埃分離部材を発泡材で構成するとともに、その左右方向断面形状の前記ベルト側の長さを前記フィルター側の長さよりも長く設定したことを特徴とする。

[0011] 塵埃分離部材のフィルタ一網に接する側の面を凹凸に、少なくとも左右駆動側の側面を平滑にするのがよい。 [0012] また、発泡材の左右駆動側側面にシート材を設けてもよぐシート材に不織布ゃ榭脂フィルムを用いて発泡材に接合すればよい。さらに、シート材を左右駆動側断面において発泡材より短く設定するのが好ましい。

発明の効果

[0013] 本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。

塵埃分離部材としてシートを用いたので、高い清掃性能を発揮しながらも塵埃の絡み付きを防止して清掃性能を永続的に維持できるとともに、メンテナンスも不要となる

[0014] シートにゴムを用いると、シートが柔軟に変形してフィルタ一網の表面に密着するので、高い清掃性能を発揮することができる。また、シートに樹脂フィルムを用いると、吸引ノズノレを低コストで構成することが可能になり、磨耗に対しても高い耐久性を発揮すること力 Sできる。

[0015] さらに、シートに切れ目を複数設けると、高い清掃性能を発揮することができるとともに、曲がった部分での駆動が円滑に行なわれ、破損を防止して信頼性を高めることができる。特に、切れ目の幅をフィルタ一網の網目の幅より大きく設定すると、シート先端がフィルタ一網の網目に引つ力かることに起因するシートやフィルタ一網の破損を防止することができ、清掃時の音も低減することができる。

[0016] また、シートに複数の隙間を設けると、隙間から吸引清掃の風を漏らして塵埃を引き付けて塵埃の落下を防止することができるので、シートによる塵埃の分離と吸引を併用することによる高い清掃性能を発揮することができる。また、曲がった部分でのシートの駆動が円滑に行なわれるので、破損を防止して信頼性を高めることができる。

[0017] 特に、隙間が重ならないように複数のシートを設けると、シートの隙間に位置する部分における清掃性能の低下を防止することができる。

[0018] また、発泡材を塵埃分離部材として用いると、塵埃の絡み付き防止に加えて、フィルター網に絡みついた塵埃も発泡材の変形により搔き出されて清掃されるので、より高い清掃性能を得ることができ、清掃時のフィルタ一網との摩擦音も低減する。さらに、発泡材にシリコンを用いると、清掃時のフィルタ一網との摩擦による発泡材の破損を防止して、高い信頼性を得ることができる。

[0019] さらに、発泡材の左右方向断面形状のベルト側の長さをフィルタ一網側の長さよりも長くすると、発泡材への塵埃の絡み付きを防止して高い清掃性能を永続的に維持すること力 sできるとともに、フィルタ一網から塵埃を良好に搔き出すことができる。また

、発泡材の屈曲性に対する耐久性を向上させることができるので、メンテナンスが不要になる。

[0020] 発泡材のフィルタ一網に接する側の面を凹凸に、少なくとも左右駆動側の側面を平滑にすると、フィルター網からの塵埃の搔き出し性と、発泡材の繰り返し屈曲に対する耐久性を向上させることができる。

[0021] また、塵埃分離部材を発泡材とその左右駆動側側面に設けたシート材で構成すると、左右駆動方向の繰り返し屈曲に対する耐久性を向上させることができる。さらに、シート材に不織布や樹脂フィルムを用いて発泡材と接合すると、左右駆動方向の繰り返し屈曲に対する耐久性と、変形時の変形のし易さを向上させることができる。

[0022] また、シート材を左右駆動側断面において発泡材より短く設定すると、フィルタ一網からの塵埃の搔き出レ性と、左右方向の繰り返し屈曲に対する耐久性と、変形時の変形のし易さを向上させることができる。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]図 1は本発明に力、かる空気調和機の室内ユニットの断面図である。

[図 2]図 2は本発明にかかる空気調和機のフィルター装置の全体構成を示す斜視図である。

[図 3A]図 3Aは本発明の実施の形態 1における吸引ノズルの斜視図である。

[図 3B]図 3Bは図 3Aの！ ¾A_Aに沿った断面図である。

[図 4]図 4は図 3Aの吸引ノズルの清掃動作を示す正面図である。

[図 5]図 5は図 3における B部の拡大図である。

[図 6A]図 6Aは毛ブラシを用いた吸引ノズノレの構造を示す斜視図である。

[図 6B]図 6Bは図 6 Aの,線 C Cに沿つた断面図である。

[図 7]図 7は毛ブラシを用いた吸引ノズノレの清掃動作を示す断面模式図である。

[図 8]図 8は図 3Aの吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。 [図 9A]図 9Aは本発明の実施の形態 2における吸引ノズルの斜視図である。

[図 9B]図 9Bは図 9Aの線 D— Dに沿った断面図である。

[図 10]図 10は図 9Aにおける E部の拡大図である。

[図 11A]図 11 Aは図 9Aの吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。

[図 11B]図 11Bは図 9Aの吸引ノズノレの清掃動作を示す別の断面模式図である。

[図 12]図 12は図 9Aの吸引ノズルの横断面簡略図である。

[図 13]図 13は図 9Aの吸引ノズルの清掃動作を示す模式図である。

園 14A]図 14Aは本発明の実施の形態 2の変形例を示しており、複数のシートブラシを配置した場合の斜視図である。

[図 14B]図 14Bは図 14Aのシートブラシの側面図である。

園 15A]図 15Aは本発明の実施の形態 2の別の変形例を示しており、複数のシートブラシを配置した場合の斜視図である。

[図 15B]図 15Bは図 15Aのシートブラシの側面図である。

[図 16A]図 16 Aは本発明の実施の形態 3における吸引ノズルの斜視図である。

[図 16B]図 16Bは図 16Aの線 F— Fに沿った断面図である。

園 17]図 17は図 16Aの吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。

[図 18A]図 18Aは図 16Aの吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。

[図 18B]図 18Bは図 16Aの吸引ノズノレの清掃動作を示す別の断面模式図である。園 19]図 19は本発明の実施の形態 3の変形例を示しており、特に吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。

[図 20A]図 20Aは本発明の実施の形態 4における吸引ノズルの斜視図である。

[図 20B]図 20Bは図 20Aの線 G— Gに沿った断面図である。

[図 21]図 21は図 20Aの吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。

園 22]本発明の実施の形態 4の変形例を示しており、特に吸引ノズノレの清掃動作を示す断面模式図である。

園 23]本発明の実施の形態 5における吸引ノズノレの清掃動作時の断面模式図である園 24]本発明の実施の形態 5の変形例を示しており、特に吸引ノズルの清掃動作を示す断面模式図である。

符号の説明

2 フィルター枠

4 フィルタ一網

6 吸引ノズル

8 ガイドレーノレ

10 吸引ダクト

12 吸引装置

14 排気ダクト

16 吸引ノズル本体

18 開口部

20 ベノレ卜

22, 22A, 22B 吸引？し

24 ベルトガイド

26, 26A シートブラシ

28 毛ブラシ

30 発泡シリコンブラシ

32 発泡材ブラシ

32a 発泡材ブラシのフィルタ一網側の面

32b, 32c 発泡材ブラシの側面

34 ブラシ

36 発泡材

38， 38A シー卜材

50 室内ユニット本体

52 熱交換器

54 ファン

56 フィルター装置

発明を実施するための最良の形態 [0025] 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図 1は本発明に力かる空気調和機の室内ユニットの断面図であり、室内ユニット本体 50の内部には、熱交換器 52と、熱交換器 52を通して室内空気を取り入れ、熱交換器 52で熱交換された空気を室内に吹き出すためのファン 54と、熱交換器 52の上流側に配設されたフィルター装置 56とが収容されており、本体 50の前面から上面に渡り形成された複数の吸込ロカファン 54の動作により空気が吸い込まれ、空気中に漂う塵埃は、吸込口と熱交換器 52との間に設けられたフィルター装置 56により取り除かれる。

[0026] 図 2は、本発明に力、かる空気調和機のフィルター装置 56の全体構成図である。

図 2に示されるように、熱交換器 52を通過する空気の塵埃を除去するフィルター装置 56は、フィルター枠 2と、フィルタ枠 2に保持されたフィルタ一網 4と、フィルタ一網 4 の表面に沿って摺動自在の吸引ノズル 6とを備えてレ、る。

[0027] 吸引ノズル 6はフィルター枠 2の上下端に設置された一対のガイドレール 8により、フィルター網 4と一定の距離を保って円滑に左右に移動することができる。吸引ノズノレ 6 には吸引ダクト 10の一端が連結され、吸引ダクト 10の他端は吸引装置 12に連結される。吸引ダクト 10は吸引ノズル 6の移動に差し支えないように折り曲げ可能なダクトで形成される。さらに、吸引装置 12には排気ダクト 14が連結され、室外へ引き回される。フィルタ一網 4上に付着した塵埃は吸引ノズル 6より吸引され、さらに、吸引ダクト 10、吸引装置 12、排気ダクト 14を経由して室外へ排出される。

[0028] フィルター装置 56を一般家庭用の小型空気調和機に内蔵する場合、吸引装置の小型化 ·小出力化を図る必要があるため、小風量で強い吸引力を発揮できるようにしなければならず、吸引ノズル 6は吸引を一部分に絞って吸引力を強め、その位置を切り換えることでフィルタ一網 4の全面を清掃する吸引位置切り換え装置を用いている。

[0029] 実施の形態 1.

図 3A及び図 3Bは、本発明の実施の形態 1における吸引ノズル 6の構造を示しており、吸引ノズル本体 16にはフィルタ一網 4の全長に相当する長レ、スリット状の開口部 1 8を設け、さらに、この開口部 18に沿って駆動可能なベルト 20に吸引孔 22を設けることで開口部 18の一部分のみから吸引でき、かつ、ベルト 20を駆動して吸引する場所を変更することができる。また、ベルト 20は吸引ノズル本体 16に沿わせるため、溶着、接着等により吸引ノズノレ本体 16と一体的に形成されたベルトガイド 24によってガイドされており、ベルト 20のガイドを行なうとともに吸引孔 22以外の部分で吸引漏れが発生するのを抑制している。こうした構成により、小さい風量でも小さな吸引孔 22 により絞られるので、吸引孔 22を通過する空気の風速は増大し、小型の吸引装置でも強い吸引力を発揮することが可能となる。

[0030] さらに、ベノレト 20の表面には、フィルタ一網 4に付着した塵埃をフィルタ一網 4から分離させる塵埃分離部材の役割を果たすものとして薄いシートを用いたシートブラシ 26が吸引孔 22の横に固着されており、ベルト 20の駆動により吸引孔 22とともにシートブラシ 26の位置も変更できる。この構成であれば、吸引位置とシートブラシ位置の変更に必要な駆動装置はベルト 20の駆動装置だけで済むので構成が簡単であり、低コストで実現することができるとともに、吸引孔 22とシートブラシ 26の位置関係を常に維持することができる。

[0031] 図 4に示されるように、フィルタ一網 4の全面清掃は、吸引ノズル 6のベルト 20を駆動して吸引孔 22とブラシ 26の位置を変え、吸引ノズル 6をフィルタ一網 4に沿って左右に駆動することで吸引孔 22とブラシ 26を図中の矢印に示すような往復動作を繰り返して行われる。吸引孔 22とブラシ 26はフィルタ一網全長の略 1/4の長さに設定されており、図中矢印に示すような 4往復のスイープ動作によりフィルタ一網 4の全面を清掃する。

[0032] ところで、図 3Bに示されるシートブラシ 26の高さ hiはフィルタ一網 4との距離によつて設計される。フィルタ一網 4と吸引ノズル 6との距離は、フィルタ一網 4にたわみ（最大で lmm)などがあっても接触しないように吸引ノズノレ 6の軸方向中心で 1. 5mmに設計されている。したがって、フィルタ一網 4のたわみが吸引ノズル 6と反対方向に発生した場合、吸引ノズル 6とフィルタ一網 4は最大で 2. 5mm離れることになる。この状態でも、シートブラシ 26がフィルタ一網 4に充分接触できるように、 hiは 5. Ommに設定している。シートブラシ 26はベルト 20に接着剤等を用いて固着される力清掃の際はフィルタ一網 4をこすり続けるので強く接着する必要がある。そのため、本実施の形態においては、シートブラシ 26はシートを L字形状とし、ベルト 20と接着する部分面積を大きくすることで固着力を強くしている。この形状を用いると、 L字に曲げた部分がベルト 20側に倒れ込み易くなるため、ベルトガイド 24で支えて L字状態を保持させている。 L字形状としているのは接着の面積を稼ぐためなので、逆 T字形状や、それに類する他の形状であっても良い。

[0033] 家庭用の小型空気調和機においては、フィルタ一網 4は天面および前面にあるため、図 2に示されるように、吸引ノズル 6はそれに沿って折れ曲がった形状となる。したがって、シートブラシ 26もベルト 20の駆動位置によっては折れ曲がった状態が存在するが、シートは非常に薄いので曲げ部は波状に変形して問題なく駆動できる。なお、図 3Aにおいては、シートブラシの曲げ部を波状には図示していなレ、。ベノレト 20とシートブラシ 26は引張り強度や磨耗に対する耐久性と同時に、曲げに対する柔軟性が求められるので、材質はゴムや樹脂フィルムを用いるのが好ましい。特に樹脂フィルムは PET (ポリエチレン'テレフタレート）や PEN (ポリエチレン 'ナフタレート）といった樹脂フィルムが強度、柔軟性、耐久性で非常に優れており、その機械的強度からベノレト 20を 75〜： 100ミクロン位まで薄くできるので、吸引ノズノレ 6自体も薄く構成でき収納性が向上する。その結果、室内ユニット本体の薄型化も可能になりデザイン性の面力も好ましい。また、コスト面でも材料費 ·加工費が極めて安価になる。

[0034] シートブラシ 26は、材質の特性からゴムを用いる場合は、厚さ 0. 5〜： 1. Omm程度を、樹脂フィルムを用いる場合は 50〜75ミクロン程度のものを用いている。

[0035] 図 5は、シートブラシ 26の一部（図 3Aにおける B部分）の拡大図で、接着加工前後の状態を示しており、図 5から明らかなように、非常に簡単にシートブラシ 26をベルト 20に固着することができる。特に、ベルト 20とシートブラシ 26の双方に樹脂フィルムを用いた場合は、溶着 (熱溶着や超音波溶着)できるので、接着剤による固着に比べ極めて強い固着を行なうことができる。

[0036] 以上のように構成されたフィルター装置 56の動作、作用を以下説明するが、ブラシに毛ブラシを用いた場合のブラシおよび塵埃の挙動をまず説明する。

[0037] 図 6A及び図 6Bは毛ブラシを用いた吸引ノズノレの構造図を示しており、ベルト 20の表面には、吸引孔 33の横に毛ブラシ 28が固着されている。この毛ブラシ 28はフィノレター網 4に付着した塵埃を引き剥がす作用を持つので、吸引力だけではフィルター網 4から引き剥がすことができずに清掃できなかった塵埃も吸引清掃できるようになる。毛ブラシ 28には起毛布を用いることが多い。毛ブラシ 28はベルト 20の駆動により吸引孔 22とともに位置が変化し、常に吸引孔 22の横に存在することで、毛ブラシ 28 で引き剥がされた塵埃は吸引孔 22から吸引される。

[0038] し力、しながら、毛ブラシ 28を用いた吸引ノズル 6においては、フィルタ一網 4の清掃回数が重なるにつれ、毛ブラシ 28に塵埃が絡み付いてフィルター装置の清掃性能が低下し、定期的に毛ブラシ 28のメンテナンスが必要となる。

[0039] 図 7は毛ブラシ 28を用いた吸引ノズル 6における清掃時の吸引ノズノレ断面模式図である。実線矢印は吸引の風を示しており、白抜き矢印は吸引ノズル 6の往動作時の進行方向を示している。毛ブラシ 28は吸引ノズル 6の往動作の清掃進行方向に対して吸引孔の後方に取りつけられている。白丸は乾いた塵埃などの吸引されやすい塵埃を、黒丸は油分や煙草のャニなどによってフィルタ一網 4に強く付着した吸引されにくい塵埃をそれぞれ示している。清掃時、吸引されやすい塵埃は毛ブラシ 28に触れる前に吸引されてしまうが、吸引されにくい塵埃は毛ブラシ 28によって搔き剥がされた後に吸引される。この際、図中にあるように、油分などを含んだ吸引されにくい塵埃が毛ブラシ 28の表面に多量に絡み付き、さらに清掃回数が重なるにつれて毛ブラシ 28の内部にも多くの塵埃が入り込んでしまうため、毛ブラシ 28は極めて汚れた状態となる。その結果、フィルター装置の清掃性能が低下するだけでなぐ毛ブラシ 28 に絡みつレ、た塵埃が大きく成長して脱落した際、それを吸弓 [することで吸弓 [孔が詰まる可能性も増大する。また、塵埃に雑菌が繁殖することもあるので、衛生上好ましくなレ、。

[0040] 本実施の形態にかかる吸引ノズル 6に用いたシートブラシ 26は、上述した毛ブラシ 28に固有の問題を解決するもので、塵埃の絡み付きの起きない吸引ノズル 6を実現するものである。

[0041] 図 8は本実施の形態における清掃時の吸引ノズルの断面模式図で、フィルタ一網 4 を吸引清掃している途中の吸引ノズル 6とフィルタ一網 4の状態を断面にて見たものである。図 8における矢印や丸印等は、図 7と同様のものを示している。 [0042] 図 8は図 3Aにおける吸引孔 22の有る部分、すなわち A— A断面の状態を示したものである。吸引孔 22がシートブラシ 26に先行しているので、乾いた塵埃などは吸引力でフィルタ一網 4上から引き剥がされ、吸引除去される。油分などにより吸引力だけでは除去できない塵埃は、吸引孔 22の通過後にくるシートブラシ 26が柔軟に変形しながらフィルタ一網 4の表面に密着して、フィルタ一網 4表面をなでるようにして塵埃をフィルタ一網 4上から引き剥がしていく。引き剥がされた塵埃は間近にある吸引孔 2 2に吸引されることで清掃される。フィルタ一網 4表面をなでるように清掃することで、フィルタ一網 4に毛を嚙み込ませながら清掃してレ、く毛ブラシより抵抗が非常に小さくて済み、吸引ノズル 6を左右に駆動するモータも小出力 '小型で済み、さらに、モータの温度上昇など信頼性の面でも有利である。また、小型のモータが使えるということは室内ユニット本体のデザイン面でも自由度が広がるメリットがある。シートブラシ 26 は柔軟なので、フィルタ一網 4が変形したりたわんだりしても、それに応じてシートブラシ 26が変形してシートブラシ 26先端は隙間なくフィルタ一網 4に密着するので、塵埃を引き剥がす能力は高ぐ清掃性能は非常によい。一方で、その柔軟性ゆえ、塵埃をフィルタ一網 4の反対側（熱交換器側）に押し出してしまうこともない。シートブラシ 2 6の先端部には、シートブラシ 26によって強制的に引き剥がされた塵埃が溜まってくることもある力これもある程度溜まった時点で吸引されて除去される。シートブラシ 2 6は毛ブラシと違って、塵埃が絡み付く箇所もなぐまた、表面も平滑なので塵埃が付着しにくい。仮に表面に付着してもフィルタ一網 4とこすれているうちにすぐ離脱する。したがって、シートブラシ 26を用いることで、清掃性能を永続的に維持することができるとともに、ブラシの洗浄といったメンテナンスも不要である。

[0043] 実施の形態 2.

図 9A及び図 9Bは本発明の実施の形態 2におけるフィルター装置 56の吸引ノズノレの構造を示しており、本実施の形態は、シートブラシ 26Aに切れ目を複数設けた点において上述した実施の形態 1と相違している。

[0044] 図 9A及び図 9Bに示されるように、切れ目はシートブラシ 26Aの先端力根元（ベノレト 20側の面）まで入れ、形状は V字状にカットしたように入れることで切れ目の部分に隙間ができるようにしている。 [0045] 図 10は、シートブラシ 26Aの一部（（図 9Aにおける E部分）の拡大図で、接着加工前後の状態を示している。図 10に示されるように、シートブラシ 26Aに入れる切れ目の間隔は 2mm間隔とし、各切れ目の先端部分の寸法は lmmになるように V字に力ットしてレヽる。フィルタ一網 4は 40メッシュ（1インチに 40本のフィルター繊維）を用いているので、フィルタ一網 4の繊維間の距離は 0. 64mmであり、シートブラシ 26Aの先端を 0. 64mm以上にしておけばフィルタ一網 4の網目に入り込んで引つかかってシートブラシ 26Aが破損することを防止することができる。本実施の形態では、フィルター網 4の網目の間隔もバラツキがあるので、マージンもみて lmmに設定している。このように、シートブラシ 26Aの寸法（特に先端部分の寸法）は、フィルタ一網 4のメッシュ間隔より大きく設計するのが好ましい。フィルタ一網 4のメッシュが細かければシートブラシ 26Aの切れ目の間隔も小さくできる力シートブラシ 26Aに例えば 75〜10 0ミクロン厚さの樹脂フィルムを用いた場合、あまり細かくし過ぎるのは引張強度などの観点から好ましくない。

[0046] 以上のように構成されたフィルター装置 56の動作、作用を以下説明する。

シートブラシ 26Aは塵埃をフィルタ一網 4から引き剥がす役割を担っていることは実施の形態 1でも説明した。この塵埃を引き剥がす動作は、フィルタ一網 4上をシートブラシ 26Aがなでることでも効果がある力さらにシートブラシ 26Aが弾性力にて元の形状に戻ろうとする際に塵埃をはじく効果を利用すると、強い引き剥がし能力が得られる。

[0047] 図 11A及び図 11Bはその効果を模式図にて表現したものであり、図 11Aは清掃途中にシートブラシ 26Aがフィルタ一網 4に引きずられ、吸引ノズル 6の進行方向に対して後方向に大きく変形している状態である。この変形量は、大きな塵埃や、強くフィルター網 4にこびりついている塵埃がシートブラシ 26Aに接触した場合に大きくなる。また、シートブラシ 26Aの先端に塵埃が溜まり始めても大きくなる。この変形量が一定の値を超えると、もともとはベルト 20の表面に対して垂直であったシートブラシ 26Aは弾性力によって元に（垂直に）戻ろうとする。

[0048] 図 11Bがその状態であるが、この際の勢いで塵埃は吸引孔側にはじき飛ばされて吸引除去される。この時の力は強レ、ので大きレ、塵埃やこびりっレ、た塵埃でもはじき飛ばすことができる。シートブラシ 26Aに複数の切れ目を設けると、それによつてできた細かいシート片がそれぞれこの動作を頻繁に行なうので、切れ目を入れていない場合に比して塵埃を引き剥がす能力が大きく向上する。また、この効果は、物性上、特に PETや PENとレ、つた樹脂フィルムを用レ、た場合に顕著である。

[0049] また、シートブラシ 26Aに複数の切れ目を設けたことで、シートブラシ全体としての柔軟性が増す。その結果、フィルタ一網 4にたわみや凹凸などがあっても、その形状に応じてシートブラシ 26Aが接触し、隅々まで清掃することができる。

[0050] さらに、シートブラシ 26Aに複数の切れ目を設けると、清掃性能の向上に加えて駆動上のメリットもある。

[0051] 図 12は本実施の形態における吸引ノズノレの横断面簡略図で、図 9Aにおける吸引ノズノレ本体 16とベルト 20と吸引孔 22とシートブラシ 26Aのみを描いたものである。フィルター網 4の全面を清掃するためにベルト 20を駆動して吸引孔 22の位置を変化させることは先に説明したとおりである。本実施の形態においては、シートブラシ 26Aに複数の細かい切れ目を設けることで、吸引ノズル 6の曲げ部を通過する際は、切れ目によって細分化されたシートが重なって曲げ部を形成し、実施の形態 1のように波状に変形しないで済む。したがって、シートブラシ 26Aに無理な力が加わらないので劣化も起きず、耐久性'信頼性が向上する。特に、切れ目を V字状に入れることで、図 1 2の様にシートブラシ 26Aが重なった部分も少なくすることができるので、シートブラシ 26Aの劣化もより少なくなり好ましレ、。

[0052] また、本実施の形態では、先に説明したように、切れ目をシートブラシ 26Aの先端力根元（ベルト 20側の面）まで V字状にカットしたように入れ、隙間ができるようにしているが、これは吸引孔 22に対してシートブラシ 26Aの反対側にある塵埃を引き寄せることに役立つ。実施の形態 1では、吸引孔 22から吸引される風をシートブラシ 26 が妨害してしまい、吸引孔 22に対してシートブラシ 26の反対側にある塵埃には全く吸引力が作用しない。特に、フィルタ一網 4が垂直な場合、力にシートブラシ 26を乗り越えてしまった塵埃があった場合は、吸引力が働かないので落下して室内ュニット本体を汚すことになる。し力、しながら、シートブラシ 26Aに複数の切れ目を入れ、それぞれに隙間を設けると、その隙間から吸引の風が通過するので、シートブラシ 26A を乗り越えてしまった塵埃も吸引清掃することができる。

[0053] 図 13は本実施の形態における吸引ノズル 6の清掃時の模式図である力図中の白矢印は吸引の風であり、その大きさは風の強さを表している。図 13からシートブラシ 2 6Aの反対側に隙間を通して風が抜けてレ、くことが分かる。また図 13から、シートブラシ 26Aの切れ目の幅をフィルタ一網 4の網目の幅より大きくしていることで、フィルタ一網 4の網目に引つかからないようにしている様子も見て取れる。

[0054] なお、シートブラシ 26Aに複数の切れ目を入れて隙間を設け、図 4に示したような吸弓 Iノズル 6の往復動作を繰り返す清掃動作をした場合、隙間の部分はシートブラシ 26Aがフィルタ一網 4に接触しないので、その部分だけ清掃性能が低下してしまうことがある。

[0055] そこで、図 14A及び図 14Bに示されるように、吸引孔 22の横に隙間のある複数のシートブラシ 26Aを隙間が重ならないように設けると、吸引ノズル 6の往復動作によりシートブラシ 26Aがフィルタ一網 4の全面に接触する。この場合も吸引の風が隙間を通過するので、シートブラシ 26Aの反対側の塵埃も吸引清掃できる。

[0056] なお、図 14A及び図 14Bにおいては、二つのシートブラシ 26Aを吸引孔 22の片側に配置したが、図 15A及び図 15Bに示されるように、二つのシートブラシ 26Aを吸引孔 22の両側にそれぞれ配置してもよい。特に、後者の場合、吸引孔 22に吸引される風が二つのシートブラシ 26Aにガイドされ、吸引される風の拡散を二つのシートブラシ 26Aが防止する効果もあるので、フィルタ一網 4表面での吸引風速が高まり、清掃性能が向上する。

[0057] 実施の形態 3.

図 16A及び図 16Bは本発明の実施の形態 3にかかるフィルター装置 56の吸引ノズルの構造を示しており、本実施の形態は、シリコンをスポンジのように発泡させた発泡シリコンブラシ 30をベルト 20に固着した点において上述した実施の形態 1と相違している。

[0058] 図 16Bにおいて、発泡シリコンブラシ 30は幅 d2は 5mm、高さ h2は 5mmに設計してある。幅は清掃性能と駆動時の抵抗を勘案して決めてあり、シリコンの材質によつても異なってくる。高さは、実施の形態 1で説明したように、フィルタ一網 4と吸引ノズル 6の最大距離 2. 5mmでも充分接触できるように 5. Ommに設計されているが、発泡材の場合はフィルタ一網 4に押しつけられて若干圧縮された状態が定常状態となる。

[0059] 以上のように構成されたフィルター装置 56の動作、作用につき以下説明する。

図 17は本実施の形態における清掃時の吸引ノズノレ断面模式図で、フィルタ一網 4 を吸引清掃している途中の吸引ノズル 6とフィルタ一網 4の状態を断面にて見たものである。図中の実線矢印は吸引の風を示しており、白抜き矢印は吸引ノズル 6の往動作時の進行方向を示している。また、フィルタ一網 4上の丸印は付着した塵埃 (フィルター網 4により除去された塵埃）を示している。白丸は乾いた塵埃など吸引されやすい塵埃を、黒丸は油分を若干含むなどして吸引されにくい塵埃、黒三角は油分を多量に含むなどして非常に吸引されにくい塵埃を意味している。発泡シリコンブラシ 30 は吸引ノズル 6の往動作の清掃進行方向に対して吸引孔 22の後方に取りつけられている。

[0060] 図 17は図 16Aにおける吸引孔の有る部分、すなわち F— F断面の状態を示したものである。

[0061] 清掃の往動作においては吸引孔 22が発泡シリコンブラシ 30に先行しているので、乾いた塵埃（白丸）などは吸引力でフィルタ一網 4上から引き剥がされて吸引除去される。油分などにて吸引力だけでは除去できない吸引されにくい塵埃 (黒丸）は、吸引孔 22の通過後にくる発泡シリコンブラシ 30が柔軟に変形しながらフィルタ一網 4の表面に密着して、フィルタ一網 4表面をなでるようにして塵埃をフィルタ一網 4上から引き剥がしていく。引き剥がされた塵埃は間近にある吸引孔 22に吸引されることで清掃される。し力ながら、油分を多量に含むなどして非常に吸引されにくい塵埃 (黒三角）はそれでも除去されず、フィルタ一網 4上にこびりついている場合がある。こうした塵埃はスポンジのような柔らかい発泡材をブラシとして用いることで、図 17の拡大図に示すように発泡材が柔軟に変形しながらフィルタ一網 4の網目の間に入りこんで、こびりついた塵埃を包み込むように捕まえてフィルタ一網 4表面に搔き出すことができる。この効果は発泡材の表面にある細かい穴によるところが大きい。こうして、塵埃はフィルタ一網 4表面でこすられることで毛玉状に集められ、その毛玉がブラシの反対側に出てくる。この出てきた毛玉は、発泡材によってこすられることでフィルタ一網 4から剥がれやすくなつており、また、毛玉になったことで表面積が大きくなり吸引されやすい状態にもなつている。この挙動は毛ブラシを用いた時にもあるが、発泡材をブラシとして用いた場合の方が小さい毛玉になる傾向があり、毛ブラシのように毛玉が大きくなりすぎて吸引孔 22を詰まらせることもなレ、。これにより、図 18A及び図 18Bに示されるように、吸引ノズル 6の往動作の清掃で殆どの塵埃を吸引除去して、残った非常に吸引されにくい塵埃の毛玉を復動作の清掃で吸引除去することができ、あらゆる塵埃に対しても高い清掃性能を発揮することができる。フィルタ一網 4の垂直な部分であっても、往動作後の毛玉は小さレ、ので落下することなくフィルタ一網 4に保持されて復動作時に清掃される。

[0062] 図 19に示されるように、発泡シリコンブラシ 30の両側にそれぞれ一つの吸引孔 22 A、 22Bを設ければ、往動作ですベての塵埃を除去できて、より理想的である。

[0063] 発泡材には EPT (エチレンプロピレンゴム）のような材質を用いてもよいが、油分を含んだ塵埃でも表面に付着しないことや、磨耗に対する耐久性に優れている面からシリコンを用いるのが最も好ましい。発泡材の中でもシリコンは強度的に優れ、清掃時のフィルタ一網 4との摩擦による破損を防止することができる。また、発泡材は塵埃を包み込むように捕まえるので、毛ブラシのように塵埃をフィルタ一網 4の反対側（熱交換器側）に押出してしまうこともなレ、。さらに、発泡材は柔らかいので清掃時にフィルター網 4とこすれる音が殆どせず、清掃時の静音化を図ることができる。本実施の形態では発泡シリコンブラシ 30には清掃性能を比較評価した実験から、最も清掃性の良かった発泡率を 4倍にしたものを用いている。

[0064] 実施の形態 4.

図 20A及び図 20Bは本発明の実施の形態 4にかかるフィルター装置 56の吸引ノズルの構造を示しており、ベルト 20の表面には、吸引孔 22の横に断面が台形形状をしたスポンジや EPT (エチレンプロピレンゴム）のような発泡材より構成されるブラシ 32 が固着されており、ベルト 20の駆動により吸引孔 22とともにブラシ 32の位置も変更できるようにしている。

[0065] ここで、ブラシ 32のフィルタ一網 4と接触する側の幅 Wは、清掃性能と駆動時の抵抗を勘案して設定しており、また、ブラシ 32の高さ Hは、フィルタ一網 4のたわみ量も考慮し、ブラシ 32とフィルタ一網 4が十分に接触でき、若干圧縮された状態になるような高さに設定している。

[0066] ブラシ 32はベルト 20に接着剤などを用いて固着される力清掃の際はフィルター網 4との間で若干変形をしながらフィルタ一網 4を擦り続けるので、左右駆動の繰り返しによりブラシ 32の剥がれが発生しないように強固に接着する必要がある。そのため、本実施の形態においては、ブラシ 32の断面を台形形状とし、ベルト 20との接着面積を大きくすることで固着力を強くしている。

[0067] ここで、ブラシ 32の左右方向断面形状は、ベルト側の長さをフィルタ一網側の長さよりも長くした形状を満足できるものであればどのような形状でもよぐ台形形状以外に、例えば、台形と長方形を組み合わせた断面形状など、それに類する他の形状であってもよレヽ。

[0068] 図 21は本実施の形態における清掃時の吸引ノズノレ断面模式図で、フィルタ一網 4 を吸引清掃している途中の吸引ノズル 6とフィルタ一網 4の状態を断面にて見たものである。図中の矢印、丸印等は上述した実施の形態 3 (特に、図 17)と同じなので、その説明は省略する。また、吸引ノズル 6の動作、作用も実施の形態 3と同じである。

[0069] また、本実施の形態の発泡材ブラシの材質にシリコンを用いることにより、油分を含んだ塵埃でもブラシ表面に付着せずフィルタ一網 4から搔き出すことができ清掃性能を向上させることができるとともに、油分や周囲環境条件によるブラシの劣化を防止でき、かつ磨耗や亀裂に対する耐久性を向上させることができる。

[0070] また、本実施の形態の発泡材より構成されるブラシ 32を、図 22に示されるようにフィルター網 4に接する側の面 32aは凹凸に、左右駆動側の側面 32bと 32cは平滑にすることにより、特にフィルタ一網 4からの塵埃の搔き出レ性と、ブラシ 32の繰り返し屈曲に対する耐久性を向上させることができる。

[0071] つまり、ブラシ 32のフィルタ一網 4に接する面 32aの粗度を粗くすることにより、フィルター網 4に密着して剥がし難い油分を多く含む塵埃に対する搔き出し性能を向上させること力できる。また、ブラシ 32の少なくとも左右方向の側面 32bと 32cの粗度を平滑にすることにより、吸引ノズル 6の左右駆動繰り返しにおける屈曲耐久性を向上させること力 Sできる。

[0072] 実施の形態 5.

図 23は本発明の実施の形態 5にかかるフィルター装置 56の吸引ノズルの構造を示すものである。吸引ノズル 6自体の基本的な構造は実施の形態 4と同じなので、その説明は省略する。

[0073] 本実施の形態は、実施の形態 4と異なり、図 23に示されるようにブラシ 34を発泡材 36とその左右駆動側の側面に設けたシート材 38で構成している。

[0074] 吸引ノズル 6が左右に駆動されると、図 23に示されるようにブラシ 34はフィルタ一網 4に押し付けられ、フィルタ一網 4を擦りながら右方向あるいは左方向に変形する。このとき、ブラシ 34のベルト 20との接着面近傍には大きな応力が発生し、左右駆動の繰り返し屈曲により発泡材 36の根元近傍に亀裂が発生する可能性がある。

[0075] そこで、発泡材 36の側面にシート材 38を接合することにより、発泡材 36を補強し屈曲耐久性を向上させ亀裂の発生を防止することができる。

[0076] また、シート材 38に不織布を用いて発泡材 36と接合すると、ブラシ 34の変形のし易さが維持されるとともに、ブラシ 34の左右駆動方向の繰り返し屈曲に対する耐久性を向上させることができる。

[0077] また、シート材 38に樹脂フィルムを用いると、ブラシ 34とフィルタ一網 4との接触抵抗を低減し駆動トルクの増大を抑えることができるとともに、ブラシ 34の変形のし易さが維持され、ブラシ 34の左右駆動方向の繰り返し屈曲に対する耐久性を向上させること力 Sできる。

[0078] また、図 24に示されるように、シート材 38Aの長さを左右駆動側断面で発泡材 36よりも短く設定すると、ブラシ 34Aとフィルタ一網 4との接触抵抗を大きく低減し駆動トルクの増大をさらに抑えることができる。

[0079] 上述した実施の形態 1〜5のシートブラシ、発泡シリコンブラシ等は、吸引清掃方式を採用してレ、なレ、他のフィルター装置 (例えば、塵埃を搔き落とすだけのタイプの清掃装置）でも有用であり、実施の形態 1〜 5で説明したフィルター装置の形態に限定されるものでない。

産業上の利用可能性上述したように、本発明に力かる空気調和機のフィルター装置は、吸引ノズルを用レ、た吸引とブラシを併用してフィルタ一網の清掃を確実に行うことができるので、様々な形状のエアフィルターや、様々な設置条件下で使用されるエアフィルターに利用できる。したがって、空気調和機のエアフィルターだけでなく冷却ファンを有する機器などのエアフィルター（例えば安定化電源のエアフィルタ一等）や、換気扇などのエアフィルターを自動清掃するフィルター装置などにも適用できる。

Claims

請求の範囲

[1] 熱交換器と該熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出すファンとを本体に収容した室内ユニットを有する空気調和機であって、

前記熱交換器の上流側の前記本体に取り付けられたフィルタ一網と、該フィルター網を清掃するフィルター装置を備え、該フィルター装置は、前記フィルタ一網に付着した塵埃を前記フィルタ一網から分離させる塵埃分離部材としてシートを用いたことを特徴とする空気調和機。

[2] 前記シートにゴムを用いたことを特徴とする請求項 1に記載の空気調和機。

[3] 前記シートに樹脂フィルムを用いたことを特徴とする請求項 1に記載の空気調和機。

[4] 前記シートには複数の切れ目を設けたことを特徴とする請求項 1に記載の空気調和機。

[5] 前記シートの切れ目の幅は、前記フィルタ一網の網目の幅より大きくしたことを特徴とする請求項 4に記載の空気調和機。

[6] 前記切れ目により形成された隙間が重ならないように複数のシートを配置したことを特徴とする請求項 4に記載の空気調和機。

[7] 熱交換器と該熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出すファンとを本体に収容した室内ユニットを有する空気調和機であって、

前記熱交換器の上流側の前記本体に取り付けられたフィルタ一網と、該フィルター網を清掃するフィルター装置を備え、該フィルター装置は、前記フィルタ一網に付着した塵埃を前記フィルタ一網から分離させる塵埃分離部材として発泡材を用いたことを特徴とする空気調和機。

[8] 前記発泡材にシリコンを用いたことを特徴とする請求項 7に記載の空気調和機。

[9] 熱交換器と該熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出すファンとを本体に収容した室内ユニットを有する空気調和機であって、

前記熱交換器の上流側の前記本体に取り付けられたフィルタ一網と、該フィルター網に対向する吸引口が形成されたベルトを有し前記フィルタ一網に付着した塵埃を吸引するための摺動自在の吸引ノズルとを備え、前記フィルタ一網に付着した塵埃を前記フィルタ一網から分離させる塵埃分離部材を前記吸引口の横に設け、前記塵埃分離部材を発泡材で構成するとともに、その左右方向断面形状の前記ベルト側の長さを前記フィルター側の長さよりも長く設定したことを特徴とする空気調和機。前記発泡材にシリコンを用いたことを特徴とする請求項 9に記載の空気調和機。前記塵埃分離部材の前記フィルタ一網に接する側の面を凹凸に、少なくとも左右駆動側の側面を平滑にしたことを特徴とする請求項 9あるいは 10に記載の空気調和機前記発泡材の左右駆動側側面にシート材を設けたことを特徴とする請求項 9乃至 11 のレ、ずれか 1項に記載の空気調和機。

前記シート材に不織布を用いて前記発泡材に接合したことを特徴とする請求項 12に記載の空気調和機。

前記シート材に樹脂フィルムを用いたことを特徴とする請求項 12に記載の空気調和機。

前記シート材を左右駆動側断面において前記発泡材より短く設定したことを特徴とする請求項 12乃至 14のいずれ力 1項に記載の空気調和機。