WO2004082327A1 - 骨伝導デバイス - Google Patents

Abstract

特に骨伝導電話機の受話器に採用したときに、骨伝導音だけでなく、空気振動音についても十分な音量を得ることができて明瞭に聴取することが可能な骨伝導デバイスを提供することを課題とするものであって、骨伝導デバイスユニットとそれを収容して振動部となるケースとから成り、骨伝導デバイスユニットを固定するケースの振動面の周縁部に沿って、コルゲーション等のコンプライアンス増大手段を配置したことを特徴とする。

Description

骨伝導デバィス 技術分野

明

本究明は骨伝導デバイス、 より詳細には、 音声信号を骨伝導音として伝 達するスピーカ又はマイクロホンであって、 電話機等に組み込んだ場合に 書

おいて、 頭部に圧着せずに使用しても、 音量感を損なわない骨伝導デバィ スに関するものである。 背景技術

例えば骨伝導スピーカは、 中心磁極 2 3を取り巻く ドーナツ型のボイス コイル 2 4と、 ヨーク 2 6周縁の周壁 2 7の内周面に沿って配置されるマ グネット 2 5と、 周壁 2 7の上面に取り付けられる振動板 2 8と、 振動板 2 8の上面に固定される振動ブロック 2 9とで構成される骨伝導スピーカ ユニット 2 1と、 これを収納するケース 2 2と力、ら成り、 骨伝導スピーカ ユニット 2 1は、 その振動プロック 2 9がケース 2 2内の天面に、 ネジ 3 0等を介して固定されることにより、 ケース 2 2内に設置される構造とな つている （図 4 )。

この構成の場合、 振動板 2 8の振動に伴い振動プロック 2 9を介して振 動板 2 8を固着しているケース振動面が振動するので、 このケース振動面 を耳の後ろゃ頰、 額等に当てることで、 その振動が骨伝導音として伝達さ れる。 従って、 耳が不自由な人や高齢者であっても、 音をはっきりと聞く ことが可能となる。

このような構成の骨伝導スピー力を電話機に組み込んで使用した場合に おいて、 骨伝導スピーカのケ一ス振動面を頭部から離すと、 ケース振動面 の振動が空気振動として伝達され、 通常の音と同様に、 鼓膜を通しての聴 取が可能となる。 従って、 健常者がこの骨伝導電話機を使用する場合は、 ケース振動面を頭部に圧着するという煩わしい方法を採らず、 耳元に受話 器を近づけて使用する方法を採る。 しかし、 そのような使用法によつた場 合は、 十分な空気振動が得られないために、 音量感が損なわれるという問 題がある。 発明の開示

従来の骨伝導スピーカには上述したような問題があつたので、本 明は、 そのような問題のない、 即ち、 特に骨伝導電話機の受話器に採用したとき に、 骨伝導音だけでなく、 空気振動音についても十分な音量を得ることが できて明瞭に聴取することが可能な骨伝導スピー力を提供することを課題 とする。

本宪明は、 骨伝導デバイスュ-ットとそれを収容して振動部となるケー スとから成り、 前記骨伝導デバイスュニットを固定する前記ケースの振動 面の周縁部に沿って、 コンプライアンス増大手段を配置したことを特徴と する骨伝導デバィス、 を以て上記課題を解決するものである。

通例、 前記コンプライアンス増大手段はコルゲーシヨンであり、 その場 合、 前記コルゲーシヨンが複数重に形成されることもある。

また、 前記コンプライアンス増大手段は、 前記振動面と異なる資材製の 弹性材を配置したものとすることもできる。

前記ケースの振動面の前記コンプライアンス増大手段の内側は球面状に 形成することがあり、 また、 前記ケースは電話機のケースとすることがで さる。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明に係る骨伝導デバイス (スピーカ) の実施例を示す縦 断面図である。 第 2図は、 本 明に係る骨伝導デバイス （スピーカ） の実 施例を示す要部拡大縦断面図である。 第 3図は、 本発明に係るコンプライ ァンス増大手段を設けた場合と設けない場合とにおける、 最低共振周波数 の違いを示すためのグラフである。 第 4図は、 従来の骨伝導スピーカの実 施例を示す縦断面図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の実施の形態を添付図面に依拠して説明する。 本発明に係る骨伝 導デバイスには骨伝導スピー力と骨伝導マイクロホンとが含まれるが、 両 者の構成は、 実質的に同じであるので、 以下は骨伝導スピーカについての み説明することとする。

図 1は、本発明に係る骨伝導スピー力の一実施例を示す縦断面図であり、 図 2は、 他の実施例の要部拡大縦断面図である。 本発明に係る骨伝導スピ 一力は、 骨伝導スピーカユニット 1と、 それを収容するケース 2とから成 る。

通例、 骨伝導スピーカュュット 1は、 中心磁極 3を取り巻く ドーナツ型 のボイスコイル 4と、 ヨーク 6周縁の周壁 7の内周面に沿って配置される マグネット 5と、 周壁 7の上面に取り付けられる振動板 8と、 振動板 8の 上面に固定される振動ブロック 9とで構成される。 骨伝導スピーカュ-ッ ト 1は、 その振動ブロック 9がケース 2内の天面に、 ネジ 1 0等を介して 固定されることにより、 ケース 2内に設置される。

上述した構成は、 マグネット 5をボイスコイル 4の外側に配置した所謂 外磁型であるが、 逆にマグネット 5をボイスコイル 4の内側に配置する所 謂内磁型であっても差支えない。

ケース 2の振動面 1 1、 即ち、 振動ブロック 9を固定する面の周縁部に 沿って、 肉薄のコルゲーシヨン 1 2が形成される。 このコルゲーション 1 2は、 振動面 1 1のコンプライアンス （スティフネスの逆数） をある程度 大きくするためのもので、 図 1に示すものは一輪であり、 図 2に示すもの は二重輪であるが、 更に多重にしてもよい。 この肉薄のコルゲーシヨン 1 2を形成する代わりに、 その部分に、 振動面 1 1とは別体のゴム等の弹十生 材を配設することとしてもよい。

上記構成の骨伝導スピー力を受話器部分に採用した電話機を難聴者等が 使用する場合は、 受話器部分を頭部の耳又はその周辺部に圧着して使用す る。 その場合は、 頭部の質量に対し、 ケース 2及び振動板 8の質量は無視 できるので、 スピーカの低音限界を決める最低共振周波数 f 。は、 ボイス コィノレ 4、 マグネット 5、 及ぴヨーク 6等の振動系の実効質量 Mと、 振動 系の支持要素である振動板 8のコンプラィアンス Cにより決まる (数 1参 照)。

【数 1】

なお、 言うまでもなく、 振動板 8のコンプライアンス Cは、 振動板 8と 中心磁極 3との間のギャップ内の磁束の変化や、 骨伝導スピーカュニット 1の重量に負けずに上記ギヤップを保持し得る硬さを阻害しないように、 小さく抑えなければならない。 そのため、 振動板 8の十分な振幅が得られ ず、 f 。はある程度高いものとなる。

また上記電話機を健常者が頭部に圧着しないで使用する場合にも、 やは り受話器は手で持たれるため、 上記と同様のことがいえるが、 コルゲーシ ヨン 1 2によるコンプライアンス C _cがあるため、 それにより最低共振周 波数 f 。 cが低くなり （数 2参照）、 コルゲーシヨン 1 2の内側部は十分な 振幅が得られ、 音圧周波数特性の向上を図ることができるので、 音波が発 射されやすくなり、 聴取に十分な音量の確保が可能となる。

【数 2】

図 3は、 コルゲーシヨン 1 2を設けていない場合 (A) の最低共振周波 数 f 。と、 コルゲーシヨン 1 2を設けた場合 （B ) の最低共振周波数 F _{o c} を比較するための実測グラフで、 （A) の場合よりも、 本発明に係る （B ) の場合の方が低くなっていることが分かる。

携帯電話機用等のように小型軽量が求められるものについては、 ボイス コイル 4、 マグネット 5、 及びョ一ク 6等の実効質量 Mが小さいために基 本周波数が高くなりがちであるが、 そのような場合、 コルゲーシヨン 1 2 による付加コンプラィアンスは特に有効である。

なお、 ケース 2は、 スピー力自体のケースの場合だけでなく、 電話機の ケースの場合もあり得るが、 その場合でも、 コルゲーシヨン 1 2により振 動部をある程度独立させることができるので、 有利である。

上記いずれの実施形態の場合においても、 コルゲーシヨン 1 2又はこれ に代わる弾性材の内側の振動面 1 1を、 球面状にして若干膨出させること が好ましい（図 2参照)。 そのようにした場合は、振動面 1 1を頭部に当接 しゃすくなる。 産業上の利用の可能性

本発明は上述した通りであって、 本発明に係る骨伝導デバイス、 殊に骨 伝導スピー力を骨伝導電話機の受話器に採用したときは、 骨伝導音と空気 振動音のいずれの場合にも、 十分な音量を得ることができて聴取に支障を 来たさないという効果がある。 以上の骨伝導スピーカの構成は、 そのまま 骨伝導マイクロホンに適用することができる。

Claims

請求の範囲

1、 骨伝導デバイスュニットとそれを収容して振動部となるケースと から成り、 前記骨伝導デバイスュ-ットを固定する前記ケースの振動面の 周縁部に沿って、 コンプライァンス増大手段を配置したことを特徴とする 骨伝導デバイス。

2、 前記コンプライアンス増大手段がコルゲーシヨンである請求項 1 に記載の骨伝導デバイス。

3、 前記コルゲーションが複数重に形成される請求項 2に記載の骨伝 導デバイス。

4、 前記コンプライアンス増大手段が前記振動面と異なる資材製の弾 性材を配置したものである請求項 1に記載の骨伝導デバィス。

5、 前記ケースの振動面の前記コンプライアンス増大手段の内側が球 面状に形成される請求項 1乃至 4のいずれかに記載の骨伝導デバイス。

6、 前記ケースが電話機のケースである請求項 1に記載の骨伝導デバ イス。

7、 前記骨伝導デバイスが骨伝導スピーカと骨伝導マクロホンのいず れかである請求項 1乃至 6のいずれかに記載の骨伝導デバィス。