WO2004050006A1

WO2004050006A1 - 灸治療具

Info

Publication number: WO2004050006A1
Application number: PCT/JP2003/015545
Authority: WO
Inventors: Hideyuki Ishiguro
Original assignee: Ishiguro, Mikiyasu
Priority date: 2002-12-04
Filing date: 2003-12-04
Publication date: 2004-06-17
Also published as: AU2003289185A1; TW200412924A; JPWO2004050006A1

Abstract

使用者が任意に熱さを調節することができると共に、台座を再利用することができる灸治療具を提供する。灸治療具１は、台座２、針金３、及びもぐさ塊４とからなる。針金３のもぐさ装着部３ｃには表面に凹凸が設けられている。もぐさ塊４に点火して灸治療を行う際には、もぐさ装着部３ｃの表面に設けられた凹凸によって、もぐさ塊４を任意の位置に止めることができるため、温熱効果の調節を自由に行うことができる。また、また、針金３のもぐさ装着部３ｃと連結部３ｂとの境界には屈曲部３ｄが設けられているため、もぐさ塊４が最も使用者の皮膚に接近した場合であっても連結部３ｂの高さに止まるため、使用者が熱すぎると感じたりやけどをしたりすることがない。また、灸治療が終了しても、台座２と針金３は燃えないため、この台座２と針金３とを再利用することができる。

Description

明細書

灸治療具

技術分野

本発明は、灸治療の内の間接灸に用いられ、点火したもぐさの熱を人体のつぼに間接的に作用させる治療具に関する。

背景技術

灸治療具は東洋医学の治療法に用いられるものである。灸治療とは、もぐさなどを皮膚の上に置き、これに火を付けて徐々に燃焼させ、その熱によつて人体に温熱刺激を与え、血液の循環をよくしたり、皮膚に軽いやけどを起こさせて行う治療である。このような処置を行うことで、処置箇所に異質蛋白体を作り、白血球や赤血球を増加させたり、その他の血液像に変化を起こさせることによって病気の治療を行う。

灸治療には、釙を人体のつぼに刺した状態で針に付けたもぐさに点火して治療するものや、もぐさを皮膚の上に直接置いて点火する直接灸、もぐさと皮膚の間にポール紙等の台座を介在させて点火する間接灸等がある。

この中で、針を用いた方法は釙を人体のつぼに刺す必要があるため専門の治療院でなければ治療を行うことが難しい。また、直接灸は、もぐさを直接皮膚の上に置いて点火するため、被治療者にやけどをさせないようにするために注意が必要である。一方、間接灸は、もぐさと皮膚の間に台座が介在するため、直接灸よりはやけどの危険性が少ない。このため、一般家庭においては、針を用いた方法や直接灸による治療よりも間接灸による治療が多く望まれている。

従来の間接灸のための灸治療具 1 1としては、図 4に示すように、ボール紙を 1 5 mm程度の大きさに打ち抜いた台座 1 2の上に円柱状のもぐさ塊 1 3を固定したものが知られている（特公平 7— 3 8 8 7 2号参照）。このような従来の灸治療具 1 1は、もぐさ塊 1 3を直接皮膚に置かないため、やけどの危険性が少なくなつている。しかし、台座 1 2ともぐさ塊 1 3が密着しているため、もぐさ塊 1 3に点火し、その火が台座 1 2に近づいていくと、その熱が台座 1 2を介して皮膚に伝わるため、熱すぎたりやけどをしたりするおそれがある。このように、従来の灸治療具は、もぐさ塊 1 3の燃え方によって熱さが決まるため、使用者の好みの温度に調節することができなかつた。また、もぐさ塊 1 3が台座 1 2に接着されているため、もぐさ塊 1 3を燃やすと台座 1 2ごと捨てることになり、不経済であった。

本発明は、灸治療具の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、使用者が任意に熱さを調節することができる灸治療具を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、台座を再利用することができる灸治療具を提供することである。 ' 発明の開示

前記目的を達成するために、本発明の灸治療具は、人体の皮膚に貼着される台座と、前記台座の表面側に支持部材を介して固定されるもぐさ塊とを備えた灸治療具である。前記台座は、その表裏を貫通する貫通孔と、皮膚側に設けられた粘着部とを有している。前記支持部材は耐熱性の線材により形成され、前記台座に固定される固定部と、前記貫通孔の略軸心に沿って延設されるもぐさ装着部と、前記固定部と前記もぐさ装着部とを一連に連結する連結部とを有している。そして、前記もぐさ装着部は、その表面に前記もぐさ塊が刺された際にもぐさ塊に係合する凹凸が設けられていることを特徴とする。：

本発明の灸治療具は、前記線材のもぐさ装着部が前記台座の貫通孔の略軸心に沿って設けられているため、灸治療の際には前記もぐさ塊の燃焼による温熱を前記貫通孔を介して効率よくつぼに作用させることができる。また、前記線材のもぐさ装着部に凹凸が設けられているため、もぐさ塊を前記もぐさ装着部に刺したときは、前記凹凸によってもぐさ塊を任意の位置に止めることができる。従って、使用者がもぐさ塊に点火して灸治療を開始した際に、使用者が熱く感じたときはもぐさ塊を台座から離す方向に移動すればよく、温度が低いと感じたときはもぐさ塊を台座に近づける方向に移動すればよい。このように前記.もぐさ装着部においてもぐさ塊の位置を任意に変更することができるため、灸治療時に使用者が任意に熱さに調節することができる。

また、本発明の灸治療具においては、前記線材の連結部ともぐさ装着部との境界部に屈曲部が設けられ、前記屈曲部により前記もぐさ塊の前記連結部への移動が阻止されることが好ましい。前記線材をこのように形成することにより、点火されたもぐさ塊が前記台座に最も接近した場合であっても、前記屈曲部から前記連結部には移動しない。従って、前記連結部によってもぐさ塊と台座との距離が保たれるので、使用者が熱すぎると感じたりやけどをしたりすることがない。また、前記線材を屈曲するだけでよいので、別個にストッパー等の部材を設ける必要がないため、前記もぐさ塊の移動を阻止するための構成を簡易なものとすることができる。

また、前記線材は耐熱性を有しており、前記もぐさ塊と前記台座とは前記連結部によって離されているため、もぐさ塊を燃やしても前記台座及び線材は前記もぐさ塊の熱によって焼損することがない。従って、新たなもぐさ塊を前記もぐさ装着部に装着することにより、前記台座と前記線材を再度使用することができる。

また、本発明の灸治療具においては、前記線材の固定部は、前記台座の貫通孔の周囲を囲む形状であることが好ましい。もぐさ塊に点火されると、その熱は前記線材のもぐさ装着部及び連結部を介して前記固定部に伝達され、前記固定部から前記台座を介して皮膚に伝達する。前記固定部は、前記台座の貫通孔の周囲を囲んでいるため、前記固定部から伝達される熱は前記貫通孔の周囲に分散される。従って、前記線材に熱伝導率の低い素材を用いたときは、前記台座を介して皮膚に伝達される熱は弱いものとなり、前記貫通孔に集中してもぐさ塊の温熱を作用させることができる。これにより、つぼに集中的に温熱を作用させたい治療に好適なものとなる。逆に、前記線材に熱伝導率の高い素材を用いたときは、前記台座を介して皮膚に多くの熱が伝達されるため、つぼのみならずその周囲にももぐさ塊の温熱を作用させることができる。これにより、つぼ及びその周囲にもぐさ塊の温熱を作用させたい治療に好適なものとなる。図面の簡単な説明

図 1は本発明の灸治療具の実施形態の一例を示す説明図、図 2は本実施形態の灸治療具の説明的分解図、図 3 ( a ) 及び（b ) は本実施形態の灸治療具の使用状態を示す説明図、図 4は従来の灸治療具を示す説明図である。発明を実施するための最良の形態

次に、本発明の灸治療具の実施形態の一例について、図 1乃至図 3を参照して説明する。本実施形態の灸治療具 1は、図 1に示すように、台座 2、支持部材である針金（線材） 3、及びもぐさ塊 4とからなる。

台座 2は、ポール紙によって作られており、その表裏を貫通する貫通孔 5 によってドーナツ状となっている。また、台座 2は、人体の皮膚に貼着される側の^座片 2 aと、表面側の台座片 2 bとからなる。台座片 2 aの裏面側には、図 2に示すように粘着部 6が設けられ、その表面を剥離紙 7が覆っている。また、台座片 2 bの裏面側には、後述する針金 3の固定部 3 aが嵌合される溝 8が設けられている。

釙金 3はステンレススチール製であり、図 2に示すように、台座 2に固定される固定部 3 aと、固定部 3 aから斜め上方に延びる連結部 3 bと、連結部 3 bから屈曲して上方に延びるもぐさ装着部 3 cとを有している。また、連結部 3 bともぐさ装着部 3 cとの連結部分は屈曲された屈曲部 3 dとなつている。もぐさ装着部 3 cは、その表面に細かい溝を設けることにより表面に凹凸がつけられている。連結部 3 bは、針金 3が台座 2に固定されたときに、図 1に示すように、もぐさ装着部 3 cの軸線方向が貫通孔 5の略軸心に沿うように固定部 3 aから斜めに屈曲されている。

台座 2と針金 3とは、次のようにして組み立てられる。まず、台座片 2 b の溝 8に小さな孔をあけ、そこに針金 3のもぐさ装着部 3 c及び連結部 3 b を通す。そして、台座片 2 bの溝 8に固定部 3 aをはめ込む。この状態で、台座片 2 bの裏面と台座片 2 aの表面とを接着剤により張り合わせ、台座片 2 aと台座片 2 bとの間に針金 3の固定部 3 aを固定する。本実施形態においては、溝 8を設けることにより、台座片 2 a及び台座片 2 bにより針金 3 の固定部 3 aを挟んだ際にこれらの台座片が盛り上がらないようにしている。この溝 8は、台座片 2 a側に設けてもよく、両側の台座片に設けてもよい。尚、もぐさ塊 4は、原料となるもぐさを紙により巻いたものであり、一般に広く用いられているものを使用している。

次に、本実施形態の灸治療具 1の使用方法を、図 3 ( a ) 及ぴ（b ) を参照して説明する。まず、使用者は、台座 2の裏面に設けられた剥離紙 7を剥がし、粘着部 6を表面に露出させる。そして、台座 2の貫通孔 5が治療を行いたい箇所（つぼ）にくるように、台座 2を人体の皮膚（図示せず）に貼り付ける。そして、図 3 ( a ) や図 3 ( b ) に示すように、針金 3のもぐさ装着部 3 Cにもぐさ塊 4を突き刺して所望の位置に移動させる。針金 3のもぐさ装着部 3 cには、表面に凹凸が設けられているので、もぐさ塊 4はもぐさ装着部 3 cの任意の位置に止めることができる。

次に、もぐさ塊 4に点火をして灸治療を行う。もぐさ塊 4に点火されると、もぐさ塊 4は徐々に燃えていく。このもぐさ塊 4の燃焼による温熱は台座 2 の貫通孔 5を介して人体のつぼに作用する。本実施形態では、台座 2がポール紙により作られているので、台座 2の部分が断熱され、貫通孔 5の部分にもぐさ塊 4の温熱が集中するので、効率よくつぼを刺激することができる。この灸治療の際、使用者が熱いと感じたときは、図 3 ( a ) のようにもぐさ塊 4を皮膚から遠ざければよい。逆に、灸治療の際に使用者が熱さが足りないと感じたときは、図 3 ( b ) のようにもぐさ塊 4を皮膚に近づければよい。このように、本実施形態の灸治療具 1によれば、使用者がもぐさ塊 4の位置を任意に変えることができるので、灸治療の際の温熱効果の調節を容易に行うことができる。これにより、やけどの跡を付けることなく灸治療を行うことができる。また、もぐさ塊 4の温熱を柔らかくつぼに作用させることもできるため、もぐさの香りと煙の効果により、リラックス効果とァロマテラピ一効果を得ることもできる。

また、もぐさ装着部 3 cと連結部 3 bとの境界には屈曲部 3 dが設けられているため、もぐさ塊 4を皮膚側に最も接近させた場合であっても、もぐさ塊 4は連結部 3 bまでは移動しない。従って、もぐさ塊 4は使用者の皮膚に近づきすぎることがないので、使用者が熱すぎたりやけどをしたりするおそれがない。

そして、灸治療が終了したときは、もぐさ塊 4は燃え尽きるが、針金 3及び台座 2は燃えないため、再使用することが可能である。従って、続けて灸治療を行う場合でも、従来のように台座ごと張り替える必要がない。このように、本実施形態の灸治療具 1は、針金 3及び台座 2を再利用することができるので、経済性の面でも優れている。

本実施形態においては、針金 3の固定部 3 aは、台座 2の形状に沿って円形に形成されている。このため、もぐさ塊 4の燃焼熱が針金 3のもぐさ装着部 3 c及び連結部 3 bを介して固定部 3 aに伝達されても、台座 2の特定の箇所のみが熱くなることがない。従って、針金 3の素材として熱伝導率が髙いものを使用したときは、台座 2を介してつぼの周囲にも温熱効果を及ぼすことができる。逆に、針金 3の素材として熱伝導率が低いものを使用することにより、つぼの部分のみに温熱効果を及ぼすことができる。

このように、本実施形態の灸治療具 1によれば、針を刺すことなく誰でも気軽に灸治療を行うことができる。また、台座 2の裏面に粘着部 6が設けられているので身体の任意の部分に使用することができる。

尚、本実施形態の灸治療具 1の各部材の寸法は以下の通りである。台座 2 は、外形が約 2 5 mm、貫通孔 5は直径が約 1 5 mmである。台座片 2 a及び台座片 2 bの厚さは、それぞれ約 l mm程度である。針金 3の連結部 3 b は、台座 2の表面から約 1 0 mm程度立ち上げたところで屈曲されてもぐさ装着部 3 cに連結されている。もぐさ装着部 3 cの長さは約 6 0 mmである。上記実施形態においては、台座 2の外形と貫通孔 5とを円形にしているが、これに限らず、楕円形にしてもよく、四角形や星形等の多角形等、任意の形状とすることができる。また、台座 2や針金 3の寸法も上記寸法には限られず、治療の種類に合わせて適宜変更することができる。

また、上記実施形態では、台座 2の素材としてポール紙を用いているが、適度の断熱性と強度を有するものであれば、木や合成樹脂等の他の部材を使用してもよい。また、上記実施形態では、支持部材である線材にステンレススチール製の針金を用いているが、これに限らず、耐熱性を有する素材であれば他の素材を用いてもよい。

Claims

請求の範囲

1 . 人体の皮膚に貼着される台座と、前記台座の表面側に支持部材を介して固定されるもぐさ塊とを備えた灸治療具であって、

前記台座は、その表裏を貫通する貫通孔と、皮膚側に設けられた粘着部とを有し、

前記支持部材は耐熱性の線材により形成され、前記台座に固定される固定部と、前記貫通孔の略軸心に沿って延設されるもぐさ装着部と、前記固定部と前記もぐさ装着部とを一連に連結する連結部とを有し、

前記もぐさ装着部は、その表面に前記もぐさ塊が刺された際にもぐさ塊に係合する凹凸が設けられていることを特徴とする灸治療具。

2 . 前記線材の連結部ともぐさ装着部との境界部に屈曲部が設けられ、前記屈曲部により前記もぐさ塊の前記連結部への移動が阻止されることを特徴とする請求項 1に記載の灸治療具。

3 . 前記線材の固定部は、前記舍座の貫通孔の周囲を囲む形状であることを特徴とする請求項 1又は 2に記載の灸治療具。