WO2004033610A1 - イネ由来ペルオキシダーゼの利用法 - Google Patents

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Definitions

  • the present invention prevents the transfer of a fiber dye from one dyed cloth to another cloth when washing and / or rinsing together a plurality of cloths including a cloth dyed in a washing liquid.
  • a dye transfer inhibiting method relates to a method for bleaching fiber dyes in a solution or dispersion.
  • the present invention also relates to a detergent composition or a bleaching composition containing rice-derived peroxidase.
  • BACKGROUND ART Peroxidase (E.C.1.1.1.1.1.7) is widely distributed in plant tissues, animal tissues, blood, etc., and some microorganisms also secrete the enzyme. Has been confirmed for some time.
  • the detergent composition or the bleaching composition of the present invention not only hydrogen peroxide itself, but also a hydrogen peroxide precursor, which acts on the hydrogen peroxide precursor for the purpose of efficiently generating hydrogen peroxide.
  • a bleach activator capable of generating hydrogen oxide, and At least one component of an enzyme system capable of generating hydrogen peroxide may be contained.
  • the detergent composition of the present invention or the bleaching composition may contain an activator for enhancing the bleaching activity of rice-derived peroxidase or a surfactant for enhancing the washing effect. Good.
  • the color difference (E) used here is not defined by the three attributes of hue, lightness, and saturation in the sensory colorimetric method by the International Commission on Illumination (CIE), but is defined to quantitatively display the sense of color. Indicates a numerical value. That is, L, which is the parameter of color difference (1E), a and b are measured using a color difference meter, and E can be calculated from Hunter's color difference equation (Equation 2) shown below.

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Abstract

本発明は高温での反応性並びに安定性に優れているイネ由来ペルオキシダーゼ、特に、イネモミガラ由来ペルオキシダーゼの利用方法を提供する。イネ由来ペルオキシダーゼを用いて洗液中の着色物質(染料など)の分解(脱色・漂白)する。より具体的には、染色布ともう1つの布を同一の洗液中で一緒に洗った場合、または、すすぐ場合の染色布からもう1つの布への繊維染料の移染を阻害する。また、溶液または分散液中の繊維染料を漂白する。本発明により洗濯又はすすぎにおいて優れた染料の移動防止が可能になり、溶液又は分散液中の繊維染料を漂白するより優れた方法、更には染料の移動防止、漂白用の組成物が提供される。

Description

イネ由来ペルォキシダーゼの利用法 技術分野 本発明は、 高温での反応性並びに安定性に優れているイネ由来ペルォキシダ ーゼ、 より具体的には、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼの利用方法に関す る。
より特定的に言うと、 本発明は、 イネ由来ペルォキシダーゼを用いた溶液中 の着色物質 (染料など) の分解 (脱色 ·漂白) 方法および組成物の提供に関す る。
すなわち、 本発明は、 洗液中で染色された布を含む複数の布を一緒に洗濯お よび/またはすすぐ場合において、 染色された一方の布から他の布への繊維染 料の移行を防止する方法(以下、染料移動阻止方法と呼ぶ) に関する。さらに、 本発明は、 溶液または分散液中の繊維染料を漂白する方法に関する。 また、 本 発明は、 イネ由来ペルォキシダーゼを含有する洗剤組成物もしくは漂白剤組成 物に関する。 背景技術 ペルォキシダ一ゼ (E . C . 1 . 1 1 . 1 . 7 ) は、 植物組織、 動物組織、 血液等に広く分布しており、 さらに、 いくつかの微生物も同酵素を分泌するこ とが以前より確認されている。 該酵素は、 過酸化水素による基質 (電子又は水 素供与体) の酸化触媒として作用する酵素である。 尚、 ペルォキシダーゼは、 補欠分子族並びに反応形式の違いによりいくつかのタイプに分類されるが、 ェ 業的には、 補欠分子族としてヘムを含んでいるヘム型ペルォキシダーゼの利用 が最もよく知られている。 次に上述のヘム型ペルォキシダ一ゼについて説明する。 ヘム型ペルォキシダ
—ゼは、 3価の鉄イオンを含むヘム蛋白質であり、 過酸化水素や有機過酸化物 の存在下で種々の化合物の酸化を蝕媒する酵素である。 その作用機作について は、 下のステップ 1〜ステップ 3のように、 過酸化物の存在下で種々の化合物 の酸化的な脱水素反応を触媒すると説明されている。
ステップ 1 :ペルォキシダーゼ + H 2 0 2→コンプレックス I
ステップ 2 :コンプレックス I + AH (還元型供与体)
—コンプレックス I I + A (酸化型供与体) ステップ 3 :コンプレックス I I + A H→ペルォキシダ一ゼ + A + 2 H 2 0 ヘム型ペルォキシダーゼの代表例としては、 例えば西洋ヮサビ由来ペルォキ シダーゼ、 大豆由来ペルォキシダーゼ、 コルプリヌス *シネレウス (Corpr imis c inerus) 由来ペルォキシダーゼ (例えば、 特公平 0 3— 1 9 4 9号公報参照) 等がよく知られている。
ペルォキシダ一ゼの産業上の利用については、 幅広い提案が既になされてい るが、その中には、各種有機化合物の分解プロセスに使用することも含まれる。 たとえば、 製紙用パルプの製造プロセスでの利用や繊維染料の漂白 ·分解を目 的とする利用等である。 尚、 上述の作用機作に基づき、 これらの公知の方法に おいては、 ペルォキシダ一ゼは、 通常過酸化水素または現場において過酸化水 素を発生しうる化合物や酵素系と一緒に使用される。
繊維染料の漂白 ·分解という観点から見た場合、 ペルォキシダーゼは、 染料 移動阻止剤および繊維染料の漂白剤としての利用が提案されている。 ここで、 "染料移動阻止" とは、 例えば特許掲載第 2 8 0 1 3 9 8号公報に記載された ような布の洗浄中に染色された布から他の布への繊維染料の移動阻止からなる プロセスであるが、 この染料移動の問題は、 染料が洗濯の間に滲出する暗色の 布と白色または淡色布を一緒に洗濯する場合に重要である。 さらに、 溶液また は分散液中の繊維染料に対するペルォキシダーゼの漂白作用に基づいて、 該酵 素が繊維工業からの排水処理に有効であると期待されている。 また、 ペルォキ シダ一ゼのこれら能力は、 過酸化水素と共に、 活性化剤と称される染料以外の 被酸化性基質、 と組み合わせると、 特に顕著になることも知られている。
残念ながら、 自然環境中における上記ペルォキシダーゼの活性レベルは、 比 較的非自然な洗浄や排水処理環境中で維持されないことがしばしばある。特に、 反応性 (反応速度)、 熱安定性、 P H安定性、 酸化安定性および基質特異性等の ペルォキシダーゼが有する種々の特性が、 該酵素の自然環境外での利用にとつ て必ずしも最適とは限らない。 実際に、 染料移動阻止および漂白に関して有効 なペルォキシダーゼとして、 西洋ヮサビ由来ペルォキシダーゼ、 大豆由来ペル ォキシダーゼ、 または、 コルプリヌス ·シネレウス由来ペルォキシダーゼのよ うな細菌 ·酵母 ·糸状菌のような微生物により産生されるペルォキシダーゼが 既に提案されているが、いずれも実用的な活性.レベルには達していない。特に、 繊維染料の移動が起り易いのは、 4 0 °C以上で洗浄を行った場合であるが、 こ の温度において優れた反応性と安定性を示すペルォキシダ一ゼは、 知られてい ない。
また、 造粒化等の洗剤組成物としての加工時、 並びに、 加工後の保存時にお いても、 優れた安定性を示すペルォキシダ一ゼは、 知られていない。
今日の遺伝子工学の進歩により、 タンパク質のアミノ酸配列中における特定 のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換させることが可能であり、 かつ、 比 較的容易になっている。 そして、 置換されるアミノ酸残基の位置、 置換された アミノ酸残基の化学的な性質や物理的な大きさ等に応じて、 元の酵素の性能を 様々な程度に変化させうるし、 場合によっては、 元の酵素を不活化させること すらある。ペルォキシダーゼについても、そのようなアプローチは可能であり、 たとえば、 特表平 9— 5 0 3 6 6 4号公報では、 洗浄環境中での効力を増加さ せたペルォキシダーゼを取得するという目的で、 コルプリヌス ·シネレウス由 来ペルォキシダ一ゼのアミノ酸配列を変化させて、 その性能を改善することが 試みられているが、 残念ながら、 十分な能力を獲得するには至っていない。 また、 ペルォキシダーゼを染料移動阻止や排水処理で利用するためには、 ぺ ルォキシダーゼ自体が低コストで製造される必要がある。 すなわち、 ペルォキ シダーゼが多量に含有されており、 入手し易く、 豊富に存在し、 かつ、 それ自 体が安価な材料からペルォキシダ一ゼを分離 ·精製 ·回収するか、細菌 ·酵母 · 力ビなどの微生物に該酵素を効率よく生産させることが必須である。
先に述べたように、 ペルォキシダ一ゼは植物 (組織) に広く存在しているの で、 その種類を問わず植物 (組織) からの抽出が考えられる。 その代表例とし て西洋ヮサビがよく知られているが、 西洋ヮサビは、 ペルォキシダーゼは多量 に含有されているものの、 入手し易く、 豊富に存在し、 かつ、 それ自体が安価 な材料とは言い難い。
また、 近年の遺伝子工学的な手法の進歩により、 細菌 ·酵母 ·糸状菌などの 微生物にペルォキシダーゼを効率よく生産させることが可能になっている。 そ の場合、該酵素生産時における宿主微生物の生育環境を厳密に制御することが、 高い生産効率の維持並びに遺伝子組換え生物の封じ込めという観点から必須で ある。 しかしながら、 生育環境を厳密に制御するためには、 高度に密閉され、 かつ、 殺菌が可能な専用の装置 ·機器やそれを格納するための専用施設が必要 となるため、 一般的には、 低コストで製造することは必ずしも容易ではない。 イネにもペルォキシダ一ゼが含まれており、 特にイネモミガラ中に比較的多 量のペルォキシダーゼが含まれていることが既に報告されている (日本作物学 会東海支部研究発表梗概 第 5 9巻,第 6頁)。 また、 その精製方法 (特公平 5 - 2 2 5 1 0号公報)、 並びに、植物成長促進剤としての利用方法(特公平 7— 9 1 1 6 9号公報) についての提案が既になされているが、 染料移動阻止や漂 白に関する利用についての報告はなされていない。 発明の開示 以上の状況に鑑み、 本発明の課題は、 従来のペルォキシダーゼにはないより 非自然な条件で活性の発現が可能なペルォキシダーゼを見出し、 これを利用す る方法を提供する事にある。
そして、 本発明の目的は、. 洗濯またはすすぎ過程における染料移動阻止、 並 びに、 溶液または分散液中の染料の漂白を伴なう繊維工業等での排水処理に対 する有効な活性レベルに優れ、 かつ、 安価なペルォキシダーゼの利用を提供す ることである。
イネモミガラは、 日本においては、 年間約 2 0 0万トン発生しており、 その 3割近くが焼却ないし廃棄されている (参考文献:バイオマス ·エネルギー · 環境 アイピ一シ一)。すなわち、 イネモミガラは、 ペルォキシダーゼが多量に 含有されており、 入手し易く、 豊富に存在し、 かつ、 それ自体が安価な材料で ある。
驚くべきことに、 本発明者らは、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼは、 先 に例示した西洋ヮサビ由来ペルォキシダ一ゼ、 大豆由来ペルォキシダーゼ、 お よび、 コルプリヌス ·シネレウス由来ペルォキシダーゼと比較して、 高温での 反応性並びに安定性に優れていることを見出し、 よって、 染料移動阻止および 漂白に関して有効な活性レベルを維持できるペルォキシダーゼであることを確 認し、 本発明を完成するに至った。 また、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼ は染色された布自体には何らの明らかな色分解を起こさないという重要な利点 も併せて有していた。
すなわち、 高温での反応性並びに安定性を示すイネモミガラ由来ペルォキシ ダーゼを利用することで、 室温から高温までの幅広い温度域での繊維染料の移 動阻止効果および漂白効果が期待できると共に、 造粒化等の洗剤組成物として の加工時、 並びに、 加工後の保存時においても、 優れた安定性を期待すること ができる。
即ち、 本発明は以下のとおりである。
[ 1 ] 洗液中で染色された布を含む複数の布を一緒に洗濯および Zまたはすす ぐ場合において、 染色された一方の布から他の布への繊維染料の移行を防止す る方法であって、 該洗液に過酸化水素の存在下でイネ由来ペルォキシダーゼを 作用させることを特徴とする方法。
[ 2 ] 溶液または分散液中の繊維染料を漂白する方法であって、前記溶液また は分散液に過酸化水素の存在下でィネ由来ペルォキシダーゼを作用させること を特徴とする方法。 [3] イネ由来ペルォキシダーゼが、 耐熱性のイネ由来ペルォキシダーゼであ ることを特徴とする [1] または [2] のいずれか 1項に記載の方法。
[4] イネ由来ペルォキシダーゼが、 イネモミガラ由来のペルォキシダーゼで あることを特徴とする [1] から [3] のいずれか 1項に記載の方法。
[5] 過酸化水素が、 過酸化水素前駆体、 過酸化水素前駆体に作用し過酸化水 素を発生しうる漂白活性化剤と過酸化水素前駆体との共存系、 および過酸化水 素を発生しうる酵素系のうちの少なくともどれか一つの手段により供給される ことを特徴とする請求の [1] から [4] のいずれか 1項に記載の方法。
[6] 過酸化水素前駆体が過ホウ酸塩または過炭酸塩である [5] に記載の方 法。
[7] 活性化剤の存在下において実施することを特徴とする [1] から [6] のいずれか 1項に記載の方法。
[8] 界面活性剤の存在下において実施することを特徴とする [1] から [7] のいずれか 1項に記載の方法。
[9]繊維染料が合成染料、天然染料又は天然同一性染料である [1]から [8] のいずれか 1項に記載の方法。
[10] イネ由来ペルォキ,シダーゼを含んでいる組成物。
[1 1] 洗剤組成物もしくは漂白剤組成物であることを特徴とする [10] に 記載の組成物。
[12] 過酸化水素、 一種類以上の過酸化水素前駆体、 および、 過酸化水素を 発生せしめることのできる一種類以上の酵素系のうちの少なくともどれか一つ を含んでいることを特徴とする [10] または [1 1] のいずれか一項に記載 の組成物。
[13] イネ由来ペルォキシダーゼ、 過酸化水素前駆体、 および、 過酸化水素 前駆体に作用し過酸化水素を発生しうる一種類以上の漂白活性化剤を含んでい ることを特徴とする組成物。
[14] 一種類以上の界面活性剤、 もしくは、 一種類以上の活性化剤を共に含 んでいることを特徴とする [1 0] から [13] のいずれかに一項に記載の組 成物。
本発明により、 洗濯またはすすぎ過程における染料移動阻止、 並びに、 溶液 または分散液中の繊維染料の漂白を伴なう繊維工業等での排水処理に関して、 反応性と安定性に優れ、 かつ、 安価なペルォキシダ一ゼが提供される。 図面の簡単な説明 図 1は、 種々ペルォキォキシダ一ゼの温度と反応速度の関係についての比較 結果を示す。 図中、 △: R H Pはイネモミガラ由来ペルォキシダーゼを、 口: H R Pは西洋ヮサビ由来ペルォキシダーゼを、 ◊ : C C Pはコルプリヌス *シ ネレウス由来ペルォキシダ一ゼを、 〇: S B Pは大豆由来ペルォキシダ一ゼを それぞれ示す。
図 2は、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによるオレンジ I Iの退色反応 における ¾性化剤 (p _ョ一ドフエノール) の添加効果を示す。 図中、 R H P はイネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼを示す。 Xは活性化剤の添加を、 △は活 性化剤の無添加をそれぞれ表す。 発明を実施するための最良の形態 以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、 洗液中で布を一緒に洗濯および Zまたはすすぐ場合において、 染 色した布から他の布への繊維染料の移行を防止する方法であって、 前記布を洗 '濯しおよび またはすすぐ洗液に、 イネ由来ペルォキシダーゼ、 並びに、 過酸 化水素、 または、 過酸化水素前駆体、 または、 過酸化水素前駆体に作用し過酸 化水素を発生しうる漂白活性化剤と過酸化水素前駆体との共存系、 または、 過 酸化水素を発生しうる酵素系、 を実質的に同時に存在させることを特徴とする 方法に関するものである。
また、 本発明は、 溶液または分散液中の繊維染料を漂白する方法であって、 前記溶液または分散液に、 イネ由来ペルォキシダーゼ、 並びに、 過酸化水素、 または、 過酸化水素前駆体、 または、 過酸化水素前駆体に作用し過酸化水素を 発生しうる漂白活性化剤と過酸化水素前駆体との共存系、 または、 過酸化水素 を発生しうる酵素系、 を実質的に同時に存在させることを特徴とする方法に関 するものである。
さらに、 本発明は、 イネ由来ペルォキシダ一ゼ、 並びに、 過酸化水素、 また は、 過酸化水素前駆体、 または、 過酸化水素前駆体に作用し過酸化水素を発生 しうる漂白活性化剤と過酸化水素前駆体との共存系、 または、 過酸化水素を発 生しうる酵素系、 を実質的に同時に含有している洗剤組成物もしくは漂白組成 物の提供に関するものである。
本発明におけるイネ由来ペルォキシダ一ゼは、 精製の程度により該酵素と共 に含まれる不純物の量や質が異なってくるが、 好ましくはその R Z値が 0 . 0 1以上、 より好ましくは 0 . 1以上、 さらに好ましくは 1 . 0以上のものを使 用すればよい。 尚、 ここでいう R Z値とは、 2 7 5 n mと 4 0 3 n mに於ける 吸光度の比である (A 2 7 5 n m/A 4 0 3 n m)。 この値は、 ペルォキシダ一 ゼ溶液中の蛋白質含量に対するヘム含量の比を表しており、 ペルォキシダ一ゼ の精製度の指標となる。
本発明における耐熱性のイネ由来ペルォキシダ一ゼとは、 同酵素を含有して いるイネモミガラから分離 ·精製 ·回収されるイネモミガラ由来ペルォキシダ —ゼを代表例として挙げることができるが、 耐熱性を有しているイネ由来ペル ォキシダーゼであれば、 その局在部等に関しては特に制限はない。 たとえば、 糠や茎葉部由来のイネ由来ペルォキシダ一ゼであっても、 耐熱性を有していれ ば、 本発明でいう耐熱性のイネ由来ペルォキシダーゼとする。 尚、 本発明にお いては、 5 0 °C以上で 3 0分間の熱処理後においても、 5 0 %以上の活性が保 持されていれば、 耐熱性を有していると判定するが、 後述の実施例のように、 9 0 °Cにて 3 0分間の熱処理後においても、 9 0 %以上の活性が保持されてい るような場合が最も好適な事例と言える。
本発明におけるイネ由来ペルォキシダーゼ、 特にイネモミガラ由来ペルォキ シダーゼは、 特公平 5— 2 2 5 1 0号公報記載の精製方法により、 イネモミガ ラより容易に入手することができる。 また、 フナコシ株式会社より、 試薬とし ても購入することができる。
さらに、 近年のイネゲノム解析の成果等により、 イネにおいても、 複数のぺ ルォキシダーゼ遺伝子の存在が報告されている (Chen ZHら ; Sheng Wu Hua Xue Yu Sheng Wu Wu L i Xue Bao (Shanghai) 2001 ; 33 (2) : 163-172) 0 すなわち、 今 日の遺伝子工学的な手法を利用すれば、 これらのイネ由来のペルォキシダーゼ をコ一ドする D N A配列と、 該ペルォキシダーゼをコードする D N A配列の発 現を目的とする機能を有する D N A配列を結合させた組換え D N A分子を構築 し、 続いて該組換え D N A分子で宿主細胞や宿主植物体を形質転換して、 イネ 由来ペルォキシダ一ゼを効率良く生産させることも可能である。 以上のような 技術的な背景を踏まえた場合、 形質転換された宿主細胞を培養し、 もしくは、 形質転換された宿主植物体を生育させて、 得られた培養物、 培養細胞、 もしく は植物体からペルォキシダーゼを分離 ·精製 ·回収することにより得られるィ ネ由来ペルォキシダーゼも、 本発明のイネ由来ペルォキシダーゼの範疇に含ま れるものとする。
本発明におけるイネ由来ペルォキシダーゼの形態についての制限は特にない が、 洗剤組成物や漂白剤組成物の成分として添加される場合を考慮すれば、 無 粉塵性顆粒や液体酵素製剤の形態であることが好ましい。 尚、 無粉塵性顆粒の 場合は、 米国特許第 4, 1 0 6, 9 9 1号公報および第 4, 6 6 1 , 4 5 2号 公報に記載のように作られ、 そして場合により当該技術で公知の方法により被 覆することができる。 また、 液体酵素製剤の場合は、 確立された方法にしたが つてポリオールた i:えばプロピレングリコール、 糖または糖アルコール、 乳酸 またはホウ酸等を加えることにより安定化させることができる。
本発明における洗液中で布を一緒に洗濯および/またはすすぐ場合、または、 溶液または分散液中の繊維染料を漂白する場合においては、 洗液や漂白液 1リ ットル当たり 0 . 0 0 l m gから 1 0 0 O m gのイネ由来ペルォキシダーゼを 添加すればよい。 さらに、 その温度は、 1 0 から 8 0 °Cの範囲、 好ましくは 20°Cから 70°Cの範囲、 より好ましくは 20°Cから 60°Cの範囲で実施すれ ばよい。 さらに、 洗液や漂白液の pHは、 一般的 pH、 洗濯および Zまたはす すぐ場合の一般的な PH、 すなわち pH 6. 5〜10. 5、 好ましくは 6. 5 〜9. 5、 より好ましくは 7. 5〜9. 5で実施すればよい。
本発明における洗濯またはすすぎ過程における染料移動阻止、 並びに、 溶液 または分散液中の繊維染料の漂白を行う場合においては、 イネ由来ペルォキシ ダーゼと過酸化水素が実質的に同時に存在していることが必須である。この際、 過酸化水素は洗濯および またはすすぐプロセスの初め又は途中で、 0. 00 l〜5mM、 好ましくは 0. 01〜 ImMの量で存在させればよい。
過酸化水素の供給に際しては、 過酸化水素自体が洗液、 溶液または分散液に 添加されてもよいし、 現場において過酸化水素を発生する過酸化水素前駆体と して供給されてもよい。
代表的な過酸化水素前駆体として、 過ホウ酸塩、 過炭酸塩、 ペルォキシカル ボン酸、 またはその塩等が挙げられる。 具体的には、 過ホウ酸ナトリウムや過 炭酸ナ卜リゥムが挙げられる。
また、 上述の過酸化水素前駆体に作用し過酸化水素を発生しうる漂白活性化 剤を過酸化水素前駆体と共存させてもよい。 その様な漂白活性化剤としては、 具体的には、 ノナノィルォキシベンゼンスルホナート ·ナトリウム塩、 ドデカ ノィルォキシベンゼンスルホナー卜 ·ナトリウム塩、 4—デカノィルォキシ安 息香酸、 テトラァセチルエチレンジァミン等が挙げられる。 共存させるべき漂 白活性化剤の量は、 洗濯および Zまたはすすぐプロセスの初め又は途中で、 約 l M〜10mM、 より好ましくは、 約 10 M〜lmMの間が適当である。 さらに、 過酸化水素供給源として、 現場において過酸化水素を発生させる過 酸化水素生成酵素系を選択してもよい。 好ましい過酸化水素生成酵素系は、 洗 剤組成物へ都合良く含まれる安価で容易に入手可能な基質 (過酸化水素前駆体) に作用するものである。 このような基質 (過酸化水素前駆体) の例としてはグ ルコースであり、 これはグルコースォキシダーゼを用いることにより過酸化水 素を供給することができる。 他の適当なォキシダーゼは尿酸ォキシダ一ゼ、 ガ ラク! ^一スォキシダーゼ、 アルコ一ルォキシダーゼ、 アミンォキシダーゼ、 ァ ミノ酸ォキシダーゼおよびコレステロールォキシダーゼである。
本発明における洗濯またはすすぎ過程における染料移動阻止、 並びに、 溶液 または分散液中の繊維染料の漂白を行う場合においては、 使用するイネ由来べ ルォキシダーゼの染料移動阻止および漂白効果を強化するために、 別の酸化性 基質を共存させてもよい。 これらの酸化性基質は、 一般に活性化剤と称され、 p—ョ一ドフエノ一ル、 Lーァスコルビン酸、 p —ァミノフエノール、 p—ァ ミノ安息香酸基質などが具体例として挙げられるが、 これらに限られたもので はない。 また、 共存させるべき酸化性基質の量は、 約 1 ^ Μ〜1 0 ιηΜ、 より好 ましくは、 約 1 0 M〜 I mMの間が適当である。
本発明における洗濯またはすすぎ過程における染料移動阻止、 並びに、 溶液 または分散液中の繊維染料の漂白を行う場合においては、陰イオン界面活性剤、 非イオン界面活性剤、 陽イオン界面活性剤、 両性界面活性剤ならびにこれら界 面活性剤の混合物が共存していてもよい。このような界面活性剤の例としては、 アルキルベンゼンスルホン酸塩(L A S :陰イオン界面活性剤)、 ひ一才レフィ ンスルホン酸塩(A O S:陰イオン界面活性剤)、 硫酸アルキルポリオキシェチ レン塩 (A E S :陰イオン界面活性剤) ドデシル硫酸ナトリウム (S D S :陰 イオン界面活性剤) ラウリン酸ナトリウムのような長鎖脂肪酸塩 (石鹼:陰ィ オン界面活性剤)、 B r i j 3 5 (非イオン界面活性剤)、 アルキルポリオキシ エチレンエーテル(非イオン界面活性剤)、アルキルトリメチルアンモニゥム塩 (陽イオン界面活性剤)、 ジアルキルジメチルアンモニゥム塩(陽イオン界面活 性剤)、 ジメチルアルキルアミンォキシド (両性界面活性剤) などが挙げられる が、 これらに限られたものではない。また、共存させるべき界面活性剤の量は、 特に制限はないが、各界面活性剤の臨界ミセル濃度(C M C )以上が好ましい。 本発明においてイネ由来ペルォキシダーゼにより染料移動阻止および漂白の 対象となる繊維染料については特に制限はなく、 上述の活性化剤との共存下も 含めて、 通常使用される繊維染料に対して効果を発揮する。 尚、 ここでいぅ繊 維染料とは、 天然染料はいうまでもなく、 合成的に作られるがただし構造およ び特性は天然染料と同じである天然同一性染料、 一般的なァゾ染料をはじめと して、 アントラキノン染料などその他の合成染料を挙げることができる。 さら に、 繊維と共有結合により結合する反応性染料に対しても有効である。
最後に、本発明は、イネ由来ペルォキシダ一ゼ含んでいる組成物に関する。 具体的には、 洗剤組成物もしくは漂白剤組成物に関する。 また、 過酸化水素、 または、 その供給を目的とする成分との共存が必須であるが、 そのために、 過 酸化水素前駆物質、 漂白活性化剤や過酸化水素生成酵素系を成分の一つとして 選択してもよい。 すなわち、 本発明は、 イネ由来ペルォキシダ一ゼ、 および、 過酸化水素、 過酸化水素の前駆体、 過酸化水素前駆体に作用し過酸化水素を発 生しうる漂白活性化剤と過酸化水素前駆体との共存系、 および、 過酸化水素を 発生せしめることのできる酵素系のうちの少なくともどれか一つを含んでいる ことを特徴とする洗剤組成物もしくは漂白剤組成物に関する。
この組成物中のィネ由来ペルォキシダーゼ量については、特に制限はないが、 好ましくは、 洗液、 溶液、 もしくは分散液 1リットル当たり 0 . O O l m gか ら 1 0 0 O m gのイネ由来ペルォキシダーゼを含有させればよい。
その形態についても、 目的に都合の良いように紛体または液体いずれかの形 態を選択すればよい。 具体的には、 上述のような無粉塵性顆粒や種々の安定剤 により安定化された液体酵素製剤を選択することができる。 特に、 紛体の場合 は、 該組成物中の全成分を混合した造粒物からなる組成物、 該組成物中の個別 成分単独の造粒物や任意の複数成分の混合造粒物を混合させた組成物であって もよい。 尚、 ここでいう任意の複数成分の混合造粒物とは、 一例を挙げれば、 イネ由来ペルォキシダーゼと過酸化水素前駆体に作用し過酸化水素を発生しう る漂白活性化剤を混合させた造粒物のことである。
この漂白剤組成物中のイネ由来ペルォキシダーゼ量については、 洗剤組成物 と同様に特に制限はない。 また、 その形態についても、 同様である。
本発明における洗剤組成物中もしくは漂白剤組成物中には、 過酸化水素自体 は言うまでもなく、 過酸化水素を効率よく発生させる目的で、 過酸化水素前駆 体、 過酸化水素前駆体に作用し過酸化水素を発生しうる漂白活性化剤、 および 過酸化水素を発生しうる酵素系のうちの少なくともどれか一つの成分が含まれ ていてもよい。 また、 本発明における洗剤組成物.中もしくは漂白剤組成物中に は、 イネ由来ペルォキシダーゼによる漂白活性を増強するための活性化剤や、 洗浄効果を増強するための界面活性剤を含んでいてもよい。
さらに、 洗剤組成物を目的とする場合には、 さらに当該技術での公知となつ ている他の洗剤成分、 たとえば、 ビルダー、 抗腐蝕剤、 金属イオン封鎖剤、 抗 一よごれ再付着剤、 芳香剤、 酵素安定剤等、 他の洗剤酵素 (たとえばプロテア ーゼ、 リパ一ゼまたはアミラーゼ) を含んでもよい。
本発明の洗剤組成物が添加された洗液もしくは漂白剤組成物が添加された漂 白液の pHは、 6. 5〜12であり、 好ましくは、 6. 5〜10. 5である。 次に、 本発明について、 以下の実施例に基づきさらに詳細に説明するが、 本 発明は以下の実施例に制限されるものではない。
[実施例 1 ] イネモミガラ由来ペルォキシダーゼの温度と反応速度 オレンジ I I ( I. Acid Orange 7:関東化学より購入:以下同じ) を基質 とした退色反応により、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼの温度と反応速度 の関係について検討した。 、 日立製紫外可視分光光度計 U— 2010のセル内 (光路 1 cm) に、 100 Mオレンジ I Iおよび 680 nMのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼを含 む 0. lM T r i s— HC 1緩衝溶液 (pH 9. 0) lmLを加え、 各温度で 10分間プレインキュペートした後、 予め同じ温度にてプレインキュペートし ておいた 1. 5 mM過酸化水素水を lmL注入して反応を開始し、 オレンジ I Iの最大吸収波長である 485 nmの経時的な吸光度の変化を測定した。 尚、 イネモミガラ由来ペルォキダーゼは、 フナコシ株式会社より販売されて いるイネモミガラ由来ペルォキダーゼ (商品番号 K03 10100 :純度 RZ >1. 2) を使用した。 また、 同酵素のモル吸光係数は、 西洋ヮサビと同じく 1. 02 X 105mo 1— 1 dm3 c m_1 (403 nm) とした。 また、 オレン ジ I Iは、 和光純薬製の試薬を再結晶法で精製し、 口紙分配クロマトグラムと uvスぺクトルで純度を確認して使用した。
このオレンジ I Iの退色曲線から、 反応速度式を解析した結果、 退色反応は いずれの場合も擬一次反応で進行することが明らかとなった。 そこで、 以下の 式 (1)
式 (1) : I n (C。ノ Ct) =kt
(ここで、 k t ( m i n— 1 ) は擬一次速度定数、 C。はオレンジ I Iの初濃 度、 C tは反応時間 t におけるオレンジ I Iの濃度である。) に示す擬一次反 応速度式からオレンジ I Iの退色反応における温度と速度定数 k tの関係を求 め、 その結果を以下の表一 1に示した。 表一 1
Figure imgf000015_0001
また、 次の比較例 1で示す西洋ヮサビ由来ペルォキシダーゼ、 コルプリヌ ス シネレウス (Corprinus cinerus:旧名 Ar thromyces ramosus) 由来ペルォ キシダ一ゼ、 大豆ペルォキシダ一ゼに関する同様の結果 (表一 2) の温度と速 度定数 k tの関係と、 本実施例におけるイネモミガラ由来ペルォキシダーゼの 温度と速度定数 ktの関係について、 図— 1のように比較を行った。
その結果、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼは、 他のペルォキシダーゼと 比較した場合、 高温での反応性並びに安定性に優れていることが判明した。
[比較例 1] 種々のペルォキシダーゼの温度と反応速度
オレンジ I Iを基質とした退色反応により、 西洋ヮサビ由来ペルォキシダ一 ゼ、 コルプリヌス シ不レウス (Corpr inus cinerus:旧名 Arthroinyces ramosus) 由来ペルォキシダーゼ、 大豆ペルォキシダ一ゼの温度と反応速度の関係につい て検討した。 '
使用するペルォキシダーゼとして西洋ヮサビ由来ペルォキシダーゼ、 コルプ リヌス シネレウス由来ペルォキシダーゼ、大豆ペルォキシダーゼを用いた以外 は、 実施例 1と同一の方法と条件にて測定を行い、 温度と速度定数 k tの関係 を求め、 その結果を以下の表一 2に示した。
尚、 西洋ヮサビ由来ペルォキシダーゼは和光純薬製の試薬 (R. Z. =2. 65)、 コルプリヌス ·シネレウス由来ペルォキシダーゼは S i gma社製の試 薬 (R. Z. =2. 32)、 および、 大豆ペルォキシダ一ゼは S i gma社製の 試薬 (R. Z. = 1. 1 1) を使用した。 また、 各酵素のモル吸光係数は、 1. 02 X 105mo 1 _1 dm3 c m_1 (403 nm) とした。
また、 本比較例並びに実施例 1の結果について、 図— 1のように比較を行つ た。 表一 2
Figure imgf000016_0001
[実施例 2] 9. _Q°Gにおける熱安定性の検討
オレンジ I Iを基質とした退色反応において、 90°Cにおけるイネモミガ ラ由来ペルォキシダーゼの熱安定性について検討した。
100 Mオレンジ I I、 および、 680 nMのイネモミガラ由来ペルォキ シダ一ゼを含む 0. 1M T r i s— HC 1緩衝溶液(pH9. 0) を 90でで
0分間から 1 50分間までプレインキュペートした。 続いて、 予め 80 に保 つておいた日立製紫外可視分光光度計 U— 2010のセル内 (光路 l cm) に 該プレインキュベート液 l m Lを加え、 予め 8 0 °Cにてプレインキュペートし ておいた 1 . 5 mM過酸化水素水を l m L注入して反応を開始し、 実施例 1と 同様に、 オレンジ I Iの退色曲線から、 プレインキュペート時間と速度定数 k tの関係を求め、 その結果を以下の表一 3に示した。
すなわち、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼが 9 0 °Cで高い耐熱性を示す ことが判明した。 表一 3
Figure imgf000017_0001
[比較例 2 ] 種々のペルォキシダーゼの 9 0 における熱安定性の検討 オレンジ I Iを基質とした退色反応により、 西洋ヮサビ由来ペルォキシダ一 ゼ、 大豆ペルォキシダーゼについて、 9 0 における熱安定性について検討し た。 また、 コルプリヌス シネレウス由来ペルォキシダ一ゼについては、 9 0 °C では酵素が急速に失活してしまい、 オレンジ I Iの退色反応が進行しなかった ので、 5 0 °Cにおける熱安定性について検討した。
使用するペルォキシダ一ゼとして、 比較例 1と同様にとして西洋ヮサビ由来 ペルォキシダーゼ、 コルプリヌス シネレウス由来ペルォキシダーゼ、大豆ペル ォキシダーゼを用いた以外は、 実施例 2と同一の方法と条件 (但し、 コルプリ ヌス シネレウス由来ペルォキシダーゼの場合のみ、プレインキュベートおよび 反応共に 5 O t}にて実施) にて測定を行い、 プレインキュペート時間と速度定 数 k tの関係を求め、 その結果を以下の表— 4に示した。 表一 4
Figure imgf000018_0001
[実施例 3] 活性化剤 (p—ョードフエノール) の添加効果
オレンジ I Iを基質とした退色反応において、 活性化剤 (p—ョードフエ ノール) 共存下でのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼの温度と反応速度の関 係について検討した。
日立製紫外可視分光光度計 U— 2010のセル内 (光路 1 cm) に、 100 Mオレンジ I I、 100 MP_ョ一ドフエノール、 および、 680 riMの イネモミガラ由来ペルォキシダーゼを含む 0.1 M T r i s— HC 1緩衝溶液
(pH9. 0) lmLを加え、 各温度で 10分間プレインキュペートした後、 予め同じ温度にてプレインキュペートしておいた 1. 5 mM過酸化水素水を 1 mL注入して反応を開始し、実施例 1と同様に、オレンジ I Iの退色曲線から、 温度と速度定数 ktの関係を求め、 その結果を以下の表— 5に示した。 また、 本結果と実施例 1の結果 (表— 1) より、 p—ョ一ドフエノールの添加効果に ついて比較した (図— 2)。
すなわち、 活性化剤 (=P—ョードフエノール) の添加により、 各温度で反 応速度が 1. 3〜1. 5倍増大することが判明した。 表一 5
Figure imgf000019_0001
[実施例 4 ] 各種色素の退色速度定数の比較
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる各種色素の退色反応について、 活 性化剤 (p—ョードフエノール) の共存下 ·非共存下で検討した。
日立製紫外可視分光光度計 U— 20 1 0のセル内 (光路 1 cm) に、 以下の 表一 4に示した各種色素 1 00 M、 および、 680 nMのイネモミガラ由来 ペルォキシダーゼを含む 0. 1 M T r i s— HC 1緩衝溶液 (pH 9. 0) 1 mLを加え、 2 O で 1 0分間プレインキュベ一トした後、 予め同じ温度にて プレインキュベートしておいた 1. 5 mM過酸化水素水を 1 mL注入して反応 を開始し、 実施例 1と同様に、 各種色素の退色曲線から、 速度定数 k tの関係 を求め、 その結果を以下の表— 6に示した。 尚、 p—.ョードフエノールを添加 した場合は、 1 0 0 Mとなるように 0. 1M T r i s— HC 1緩衝溶液(p H9. 0) に添加した。
実験の結果、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼの各種色素に対する退色効 果が確認され、 特に活性化剤の存在下で顕著であった。
表一 6
- p—ョードフエノール 反応温度 測定波長
添加なし (kt) 添加あり (kt) オレンジ I I 485. 0 nm 1. 52 2. 42 オレンジ I 48 1. 0 nm 1 2. 9 24. 3 オレンジ G 476. 0 nm 0. 060 3 0. 574 トロペオリン o 427. 8 nm 0. 0653 0. 2 ァリザリンイェロー R 3 72. 3 nm 0. 0434
ァリザリンレツド S 5 1 6. 0 nm 0. 39 5 70. 6 カルコン 6 35. 6 nm 34. 2 6 5。 5 [実施例 5 ] 各種活性化剤の添加効果の比較
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによるオレンジ I Iの退色反応について, 各種活性化剤の添加効果について検討した。
日立製紫外可視分光光度計 U— 20 10のセル内 (光路 l cm) に、 オレン ジ I I 1 0 0 M、 以下の表一 5に示した各種活性化剤 1 0 0 M、 および、 680 nMのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ、 を含む 0. 1M T r i s— HC 1緩衝溶液 (pH9. 0) ImLを加え、 20 °Cで 10分間プレインキュ ペートした後、 予め同じ温度にてプレインキュべ一卜しておいた 1. 5mM過 酸化水素水を ImL注入して反応を開始し、 実施例 1と同様に、 オレンジ I I の退色曲線から、 速度定数 k tの関係を求め、 その結果を以下の表一 7に示し た。
実験の結果、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによるオレンジ I Iの退色 反応における各種活性化剤の添加効果が確認された。 表一 7
Figure imgf000020_0001
[実施例 6] 活性化剤 (=P—ョ一ドフエノール) 濃度の検討
イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによるオレンジ I Iおよびオレンジ Gを 基質とした退色反応において、 活性化剤 (P—ョードフエノール) 濃度の影響 について検討した。
日立製紫外可視分光光度計 U— 2010のセル内 (光路 1 cm) に、 100 Mオレンジ I I (またはオレンジ G)、以下の表— 8に示す濃度の p—ョード フエノール、 および、 680 nMのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼを含む 0. 1 M T r i s -HC 1緩衝溶液 (pH9. 0) ImLを加え、 20でで 1 0分間プレインキュベ一トした後、 予め同じ温度にてプレインキュベ一トして おいた 1. 5 mM過酸化水素水を ImL注入して反応を開始し、 実施例 1と同 様に、 オレンジ I Iの退色曲線から、 p—ョードフエノ一ル濃度と速度定数 k tの関係を求め、 その結果を以下の表— 8に示した。 尚、 オレンジ I Iは、 4 85 nmの吸光度変化を、 オレンジ Gは、 476 n Mの吸光度変化をそれぞれ 測定した。
その結果、 種々の p—ョードフエノール濃度下でのィネモミガラ由来ペルォ キシダ一ゼによるオレンジ I I及びォレンジ Gの退色効果が確認された。 表一 8
Figure imgf000021_0001
[実施例 7 ] 界面活性剤添加の影響
イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによるオレンジ I Iを基質とした退色反 応において、 界面活性剤を添加した場合の影響について検討した。
日立製紫外可視分光光度計 U— 20 10のセル内 (光路 1 c m) に、 100 Mオレンジ I I、 以: Fの表一 9に示す界面活性剤、 および、 ϋ 0 nMのィ ネモミガラ由来ペルォキシダーゼを含む 0. 1M T r i s— H C I緩衝溶液
(pH 9. 0) ImLを加え、 20 または 60 で 10分間プレインキュべ ートした後、 予め同じ温度にてプレインキュベ一トしておいた 1. 5mM過酸 化水素水を ImL注入して反応を開始し、 実施例 1と同様に、 オレンジ I Iの 退色曲線から速度定数 k tを求め、 その結果を以下の表一 9に示した。 尚、 各 界面活性剤の添加量は、 反応時の濃度が臨界ミセル濃度 (CMC) の 1. 5倍 濃度となるように調製した。
その結果、 各種界面活性剤の存在下においても、 イネモミガラ由来ペルォキ シダ一ゼによるオレンジ I Iの退色効果が確認された。 表一 9
Figure imgf000022_0001
[実施例 8 ] モデル洗剤系での効果
モデル洗剤系でのイネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによるオレンジ I Iを 基質とした退色効果について検討した。
日立製紫外可視分光光度計 U— 20 10のセル内 (光路 l cm) に、 1 00 オレンジ I I、 以下に示す組成のモデル洗剤成分、 および、 680 nMの イネモミガラ由来ペルォキシダーゼを含む 0.1M T r i s— H C I緩衝溶液 (pH 9. 0) lmLを加え、 20° (:、 40 、 または 60 t:で 10分間プレ ィンキュベートした後、 予め同じ温度にてプレインキュベートしておいた 1. 5mM過酸化水素水を lmL注入して反応を開始し、 実施例 1と同様に、 ォレ ンジ I Iの退色曲線から速度定数 k tを求め、 その結果を以下の表— 10に示 した。
尚、 モデル洗剤における各成分 (終濃度) は以下のとおりである。
• ドデシル硫酸ナトリウム (SDS) ; 8. 6mM
•炭酸ナトリウム; 2. 8 M
•亜硫酸ナトリウム; 1. 8mM •メタケイ酸ナトリウム; 4. 1 M
• EDTA; 59 M
•カルボキシメチルセルロース; 0. 0001 %
すなわち、 モデル洗剤系での、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによるォ レンジ I Iの退色効果が、 各温度で確認された。 表一 10
Figure imgf000023_0001
[実施例 9] 試験布への移染防止効果 (1)
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布への移染防止効果について, 才レンジ I Iをモデル繊維染料とした系にて検討した。
衣生活研究会の実験用ナイロン白生地を容量比 1 : 1のメタノール—水混合 溶液中で水溶性成分を除去した後、 風乾し、 ついでベンゼンで油性成分を除去 し、 風乾した。 以後、 これを試験布 (白布、 以下同じ) として使用した。
試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、 最終の浴比が 1 : 50となるようにィ ネモミガラ由来ペルォキシダーゼ (360 nM) と過酸化水素 (790 M) を含む 5 OmMT r i s— HC 1緩衝溶液 (pH9. 0) 9. 5mLを加え、 20°Cにて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMオレンジ I I水溶液 を 0. 5mL加え、 20 で 30分間反応 ¾行つた。 反応後, 取り出した試験 布を風乾した。 続いて、 移染防止実験を行った後のオレンジ ΓΤの試験布への 着色の度合いを表すために、 ミノル夕製色彩色差計 CR— 300を用いて色差 (^E) を測定した。 '
尚、 ここでいう色差 ( E) とは、 国際照明委員会 (C I E) による感覚的 表色法の色相、 明度、 彩度の 3属性ではなく色の感覚を定量的に表示するため に定義している数値を示す。 すなわち、 色差 ( 1E) のパラメ一夕である L、 a、 bを色差計を用いて測定し, 以下に示す Hun t e rの色差式 (数 2 ) より Eを算出することができる。
E=, i( L) 2+ {A a) 2+ {Ah) 2] 1/2
L = Ln-L, A a 8· n一 3· b
(式中、 L。、 a。、 b。は処理前の試験布の L、 a、 b値を示し、 Lw、 aw、 bwは処理後の試験布の L、 a、 b値を示す。)
また、 比較例として、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼを添加しない系で も同様の検討を行った。 さらに、 上記の系に界面活性剤として、 アルキルベン ゼンスルホネート (LAS :陰イオン界面活性剤)、 または、 ラウリン酸ナトリ ゥム (石けん) を終濃度がそれぞれ 7. 35mMまたは 10. ImMとなるよ うに添加した場合についても検討を行った。 以下の表一 1 1にそれぞれの試験 区の結果をまとめた。
下記に示すとおり、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼの添加により試験布 へのオレンジ I Iの移染が防止された。 また、 LAS、 または、 ラウリン酸ナ トリゥムの存在下でも移染防止効果が確認された。 表一 1 1
Figure imgf000024_0001
[実施例 10 ] 試験布への移染防止効果 ( 2 )
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布への移染防止効果に及ぼす pHの影響について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料とした系にて検討した。 関西衣生活研究会のナイロン布 (6ナイロン) を容量比 1 : 1のメタノール 一水混合溶液中で水溶性成分を除去した後、 風乾した。 ついでベンゼンで油性 成分を除去し、 風乾した後に、 試験布 (白布、 以下同じ) とした。 試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、 最終の浴比が 1 : 50となるようにィ ネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼ(360 nM)、 過酸化水素 (790 M)水 溶液 9. 5mL、 または、 過酸化水素 (790 zM) を含む 5 OmMT r i s 一 H C I緩衝溶液 (pH9. 0) 9. 5mL、 または、 過酸化水素 (790 M M) を含む C a rmo d y緩衝溶液 (pH 10. 0) 9. 5mL、 を加え、 2 0°Cにて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMオレンジ I I水溶液を 0. 5mL加え、 20でにて 30分間反応を行った。
反応後, 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( E) を測定 した結果、 以下の表— 12のようになった。 尚、 比較例として、 S D S、 また は、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼを添加しない系でも同様の検討を行つ た。
その結果、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼの添加により試験布へのォレ ンジ I Iの移染が防止された。 また、 pHの影響は見出されなかった。
2
Figure imgf000025_0001
[実施例 11] 試験布への移染防止効果 (3)
S D S共存下でのィネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによる試験布への移染 防止効果について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料とした系にて検討した。 実施例 9で調製した試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、 最終の浴比が 1 : 50となるようにイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ(360 nM)、 ドデシル 硫酸ナトリウム (S D S : 9. OmM)、 過酸化水素 (790 M) を含む 50 mMT r i s— HC 1緩衝溶液 (pH 9. 0) 9. 5mLを加え、 20°C、 ま たは、 60°Cにて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMオレンジ I I 水溶液を 0. 5mL加え、 20°C、 または、 60°Cにて 30分間反応を行った。 反応後, 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( 1E) を測定 した結果、 以下の表一 1 3のようになった。 尚、 比較例として、 SDS、 また は、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼを添加しない系でも同様の検討を行つ た。
その結果、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼの添加により試験布へのォレ ンジ I Iの移染が防止された。 また、 S D Sの共存下では、 移染防止の相乗効 果が確認された。 表一 1 3
Figure imgf000026_0001
[実施例 1 2] 試験布への移染防止効果 (4)
B r i j 35の共存下でのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布 への移染防止効果について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料とした系にて検討 した。
実施例 9で調製した試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、 最終の浴比が 1 : 50となるようにイネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼ(36 0 nM)、 B r i j 3 5 ( 9 5 M)、 過酸化水素 (7 9 0 M) を含む 5 OmMT r i s— HC 1 緩衝溶液 (pH9. 0) 9. 5mLを加え、 20=0、 または、 60°Cにて撹拌 を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMオレンジ I I水溶液を 0. 5mLカロ え、 20° (:、 または、 60 にて 30分間反応を行った。
反応後, 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( E) を測定 した結果、 以下の表一 14のようになった。 尚、 比較例として、 イネモミガラ 由来ペルォキシダーゼを添加しない系でも同様の検討を行った。
すなわち、 B r i j 35の共存下でのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼに よる試験布へのオレンジ I Iの移染防止効果が確認された。 表一 14
Figure imgf000027_0001
[実施例 1 3 ] 試験布への移染防止効果 ( 5 )
過炭酸ナトリウムの共存下でのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試 験布への移染防止効果について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料とした系にて 検討した。
実施例 10で調製した試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、最終の浴比が 1 : 50となるようにイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ(360 nM)、過炭酸ナ トリウム (105mM) または過酸化水素 (790 M) を含む 5 OmMT r i s— HC 1緩衝溶液 (pH9. 0) 9. 5mLを加え、 20°C、 または、 4 0 にて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMオレンジ I I水溶液を 0. 5mL加え、 20 、 または、 40 にて 30分間反応を行った。
反応後、 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( IE) を測定 した結果、 以下の表一 1 5のようになった。 尚、 比較例として、 イネモミガラ 由来ペルォキシダ^-ゼを添加しない系でも同様の検討を行った。
すなわち、 過炭酸ナトリゥムの共存下でのィネモミガラ由来ペルォキシダー ゼによる試験布へのオレンジ I Iの移染防止効果が確認された。 表一 1 5
Figure imgf000028_0001
[実施例 1 4 ] モデル洗剤系での移染防止効果 ( 1 )
モデル洗剤成分共存下でのイネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布 への移染防止効果について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料とした系にて検討 した。
実施例 9で調製した試験布 0 . 2 gをバイアル瓶に入 l、 最終の浴比が 1 : 5 0となるようにイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ(3 6 0 n M)、過酸化水 素 (7 9 0 Μ) とモデル洗剤成分 (組成と終濃度は実施例 8と同じ) を混合 した水 9 . 5 m Lを加え、 2 0 にて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に I mMオレンジ I I水溶液を 0 . 5 m L加え、 2 0 °Cにて 3 0分間反応を行つ た。
反応後、 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 を測定 した結果、 以下の表— 1 6ようになった。 尚、 比較例として、 イネモミガラ由 来ペルォキシダ一ゼおよびモデル洗剤成分を添加しない系 (単純な水系) でも 同様の検討を行った。 - すなわち、 モデル洗剤成分共存下でのイネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼに よる試験布へのオレンジ I Iの移染防止効果が確認された。 表一 16
Figure imgf000029_0001
[実施例 1 5 ] モデル洗剤系での移染防止効果 ( 2 )
漂白活性化剤を含有するモデル洗剤成分共存下でのイネモミガラ由来ペルォ キシダーゼによる試験布への移染防止効果について、 オレンジ I Iをモデル繊 維染料とした系にて検討した。
実施例 10で調製した試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、最終の浴比が 1 : 50となるようにイネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼ(360 nM)、過炭酸ナ トリウム (105mM)、 モデル洗剤成分 (組成と終濃度は実施例 8と同じ)、 および、 漂白活性化剤 (ノナノィルォキシベンゼンスルホナート ·ナトリウム 塩、 または、 ドデカノィルォキシベンゼンスルホナート ·ナトリウム塩、 また は、 4ーデカノィルォキシ安息香酸;濃度は各 52mM) を混合した水 9. 5 m Lを加え、 20°Cにて撹拌を開始した。 つぎに、 バイアル瓶に ImMオレンジ I I水溶液を 0. 5mL加え、 20°Cにて 30分間反応を行った。
反応後、 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( 1E) を測定 した結果、 以下の表一 1 7ようになった。 すなわち、 漂白活性化剤共存下での イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布へのオレンジ I Iの移染防止 効果が確認された。 表一 17
Figure imgf000029_0002
[実施例 16 ] 試験布への移染防止効果 ( 6 ) イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布への移染防止効果について、 反応性染料シバクロンブルー F 3 G-A(C. I. Reactive Blue 2:Fluka Bioceika 社より購入) をモデル繊維染料とした系にて検討した。
(社) 日本油化学会指定の洗浄試験用綿布 (晒金巾 2023) を容量比 1 : 1のメタノール一水混合溶液中で水溶性成分を除去した後、 風乾し、 ついでべ ンゼンで油性成分を除去し、 風乾した。 以後、 これを試験布として使用した。 実施例 1 0で調製したナイロン試験布 0. 2 g、または、上記の綿試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、 最終の浴比が 1 : 50となるようにイネモミガラ由 来ペルォキシダーゼ (360 nM)、 p—ョードフエノール (52 M)、 過炭 酸ナトリウム (105 mM) または過酸化水素 ( 790 μ M) を含む 50 mM T r i s -HC 1緩衝溶液(pH9. 0) 9. 5mLを加え、 20°C、 または、 40°Cにて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMシバクロンブル一 F 3 G— A水溶液を 0. 5mL加え、 20X、 または、 40 にて 30分間反応 を行つた。
反応後、 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( E) を測定 した結果、 以下の表一 18および表一 1 9のようになった。
尚、 比較例として、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼを添加しない系、 過 炭酸ナトリウムを添加しない系、 5 OmMT r i s -HC 1緩衝溶液の変わり に水を用いた系でも同様の検討を行った。
表— 18 ナイロン試験布での結果
イネモミガラ由来 Tris
過酸化水素源 温度 色差 ( E) ペルォキシダ一ゼ 緩衝液
無添加 無添加 不使用 (水) 20°C 10. 31 無添加 無添加 使用 同上 10. 41 無添加 過灰 E¾ 使用 同上 2. 84
ナトリウム
添加 過酸化水素 使用 同上 1. 10 添加 過灰酸 使用 同上 1。 38
ナトリウム
無添加 無添加 不使用 (水) 40。C 17. 38 無添加 無添加 使用 同上 13. 79 添加 過酸化水素 使用 同上 4. 01 表一 1 9 綿試験布での結果
Figure imgf000031_0001
[実施例 1 7 ] 試験布への移染防止効果 ( 7 )
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる試験布への移染防止効果に及ぼす pHの影響について、 反応性染料シバクロンブルー F 3 G— Aをモデル繊維染 料とした系にて検討した。
実施例 1 0で調製したナイロン試験布 0. 2 g、 または、 実施例 1 6で調製 した綿試験布 0. 2 gをバイアル瓶に入れ、 最終の浴比が 1 : 50となるよう にイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ ( 3 6 0 ηΜ)、 ρ—ョードフエノール( 5 0 M)、 過酸化水素 (7 90 を含む C a rmo d y緩衝液 (pH 1 0.
0) 9. 5mLを加え、 20t、 または、 40 にて撹拌を開始した。 つぎに, バイアル瓶に ImMシバクロンブルー F 3 G— A水溶液を 0. 5mL加え、 2 0°Cまたは、 40 にて 30分間反応を行った。
反応後、 取り出した試験布を風乾し、 実施例 9と同様に色差 ( E) を測定 した結果、 以下の表一 20のようになった。
尚、 比較例として、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼを添加しない系でも 同様の検討を行った。 表一 2 0
Figure imgf000032_0001
[実施例 1 8 ] 染色布の色落作用 ( 1 )
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる染色布の色落作用について、 ォレ ンジ I Iをモデル繊維染料とし、 洗浄温度を 2 0°Cとした場合について、 検討 した。
衣生活研究会の実験用ナイロン布をオレンジ I I 2 % (対繊維重量)、酢酸 1 0 % (対繊維重量)、 無水硫酸ナトリウム 1 0 % (対繊維重量) を含み、 かつ、 浴比が 1 : 5 0の水溶液中に入れ、 該水溶液を室温から 1 5分間で 9 0°Cに昇 温した。 その後 1 5分間染色処理し、 水洗後風乾し、 染色布 (原布) とした。 バイアル瓶に過酸化水素 (終濃度で 7 5 0 ιιΜ), および、 以下の表一 2 1に 示す成分を含む水溶液 1 0. OmLを加え、 2 0°Cにて撹拌を開始した。 つぎ に、 染色布 0. 2 g (最終の浴比が 1 : 5 0) を入れ、 2 0 で攪拌を続けた。 3 0分後、 染色布を取り出し、 原布に対する色差 ( 1E) を実施例 9と同様に 測定した。 その結果を以下の表一 2 1にまとめた。
すなわち、 2 0 において、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼは、 染色布 対する色落ち作用を示さなかった。 表一 2
Figure imgf000033_0001
[実施例 1 9] 染色布の色落ち作用 (2)
イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによる染色布の色落作用について、 ォレ ンジ I Iをモデル繊維染料とし、 洗浄温度を 60 とした場合について、 検討 した。
バイアル瓶に過酸化水素(終濃度で 750 , Μ), および、 以下の表一 22に 示す成分を含む水溶液 10. OmLを加え、 60 にて撹拌を開始した。 つぎ に、 実施例 1 8で調製した染色布 0. 2 g (最終の浴比が 1 : 50) を入れ、 60 で攪拌を続けた。 30分後、 染色布を取り出し、 原布に対する色差 ( 1 E) を実施例 9と同様に測定した。 その結果を以下の表一 22にまとめた。 実験の結果、 60 では、 SDS及ぴ T r i s— HC 1緩衝剤による染色布に 対する色落ち作用が示されたが、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼを添加して も、 染色布に対する色落ち作用は増幅されなかった。 表一 22
Figure imgf000034_0001
[実施例 20] 染色布から白色布への移染防止作用 (1)
イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる染色布から白色布への移染防止作 用について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料とし、 洗浄温度を 20 とした場 合について検討した。
バイアル瓶にイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ (360 nM;)、 過炭酸ナト リウム (1 05 mM) または過酸化水素 ( 790 M) を含む 50 mMT r i s 一 HC 1緩衝溶液 (pH9. 0) 20. OmLを加え、 20 にて撹拌を開始し た。 つぎに、 実施例 18で調製した染色布 0. 2 g (最終の浴比が 1 : 50)、 並びに、 実施例 10で調製した試験布 (白布) 0. 2 gを入れ、 20Tで攪拌を 続けた。 30分後、 染色布および試験布を取り出し、 それぞれの原布に対する色 差 ( Ε) を実施例 9と同様に測定した。 尚、 比較例として、 イネモミガラ由来 ペルォキシダ一ゼを添加しない系、 過炭酸ナトリゥムを添加しない系、 5 OmM T r i s—HC 1緩衝溶液の変わりに水を用いた系でも同様の検討を行った。 その結果を以下の表— 23、 および、 表一 24にまとめた。 すなわち、 イネモ ミガラ由来ペルォキシダーゼによる染色布から白色布への移染防止作用が確認 された。 表一 23 染色布の変退色 (退色した色差)
Figure imgf000035_0001
表一 24 白布の変色 (着色した色差)
Figure imgf000035_0002
[実施例 2 1] 染色布から白色布への移染防止作用 (2)
漂白活性化剤の共存下において、 イネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる 染色布から白色布への移染防止作用について、 オレンジ I Iをモデル繊維染料 とし、 洗浄温度を 20°Cとした塲合について検討した。
バイアル瓶にイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ (360 nM)、 過炭酸ナト リウム (105mM)、 漂—白活性化剤 (ノナノィルォキシベンゼンスルホナート · ナトリウム塩、 または、 ドデカノィルォキシベンゼンスルホナ一ト ·ナトリウム 塩、 または、 4—デカノィルォキシ安息香酸;濃度は各 52mM) を含む 50m MT r i s— HC 1緩衝溶液 (pH9. 0) 20. OmLを加え、 20°Cにて撹 拌を開始した。つぎに、実施例 18で調製した染色布 0. 2 g (最終の浴比が 1 : 50)、 並びに、 実施例 1 0で調製した試験布 (白布) 0. 2 gを入れ、 20°C で攪拌を続けた。 30分後、 染色布および試験布を取り出し、 それぞれの原布に 対する色差 ( 1E) を実施例 9と同様に測定した。
その結果を以下の表一 25、 および、 表— 26にまとめた。 すなわち、 漂白活 性化剤の共存下におけるイネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる染色布から 白色布への移染防止作用が確認された。 表一 25 染色布の変退色 (退色した色差)
Figure imgf000036_0001
[実施例 22 ] 染色布から白色布への移染防止作用 ( 3 )
ィネモミガラ由来ペルォキシダーゼによる染色布から白色布への移染防止作 用について、 反応性染料シバクロンブル一 F 3 G— Aをモデル繊維染料とし、 洗浄温度を 20 °Cとした場合について検討した。
シパクロンブル一 F3 G— A (対繊維重量の 2%)、無水硫酸ナトリウム(6 0 g/L) を含む水溶液中に、 (社) 日本油化学会指定の洗浄試験用綿布 (晒 金巾 2023) を浴比が 1 : 30となるように入れ、 該水溶液を室温から 5分 間で 40°Cに昇温した。 25分間染色処理した後、 綿布を取り出し、 軽く脱液 した。 残った染色水溶液中に炭酸ナトリウムを 60 g/Lの濃度になるように 加え、 再度綿布を入れて、 20分で 75°Cから 80 に昇温後、 30分間染色 した。 綿布を再び取り出し、 水洗後風乾し、 染色布 (原布) とした。
バイアル瓶にイネモミガラ由来ペルォキシダーゼ ( 3 6 0 nM)、 p—ョ一 ドフエノール (52 M)、 過炭酸ナトリウム (1 0 5mM) または過酸化水素
(7 90 //M) を含む 5 OmMT r i s— HC 1緩衝溶液(pH9. 0) 3 0. OmLを加え、 2 0°Cにて撹拌を開始した。 つぎに、 調製した染色布 0. 2 g
(最終の浴比が 1 : 50).、 および、 実施例 1 0で調製したナイロン試験布 (白 布) 0. 2 g、 および、 実施例 1 6で調製した綿試験布 (白布) 0. 2 gを入 れ、 20°Cで攪拌を続けた。 3 0分後、 染色布および試験布を取り出し、 それ ぞれの原布に対する色差 を実施例 9と同様に測定した。 尚、 比較例と して、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼを添加しない系、 過炭酸ナトリウム を添加しない系、 5 0mMT r i s— H C 1緩衝溶液の変わりに水または C a rmo d y緩衝液 (pH 1 0. 0) を用いた系でも同様の検討を行った。
その結果を以下の表— 27、 表— 28、 および、 表— 2 9にまとめた。 すなわ ち、 反応性染料においても、 イネモミガラ由来ペルォキシダ一ゼによる染色布か ら白色布への移染防止作用が確認された。 表一 2 7 染色布の変退色 (退色した色差)
イネモミガラ由来
過炭酸水素源 緩衝液の種類 色差 ( E) ペルォキシダ一ゼ
無添加 無添加 不使用 (水) 2. 9 1 無添加 無添加 Carmody緩衝液 2. 9 5 添加 過酸化水素 Carmody緩衝液 2. 78 無添加 無添加 Tris緩衝液 3. 36 添加 過酸化水素 Tris緩衝液 3. 67
過炭酸
無添加 Tris緩衝液 2. 9 1
ナトリウム
過灰酸
添加 Tris緩衝液 2. 9 3
ナトリウム 表一 2 8 ナイロン白布の変色 (着色した色差)
Figure imgf000038_0001
表一 2 9 綿白布の変色 (着色した色差)
Figure imgf000038_0002
産業上の利用可能性 本発明に係るイネ由来ペルォキシダ一ゼ (より具体的にはイネモミガラ由来 ペルォキシダーゼ) は高温での反応性並びに安定性に優れている。 よって、 本 発明によりイネ由来ペルォキシダーゼを用いることにより、 洗液中で染色され た布を含む複数の布を一緒に洗濯および Zまたはすすぐ場合において、 染色さ れた一方の布から他の布への繊維染料の移行を防止する方法 (染料移動阻止方 法) が提供される。 また、 本発明によりイネ由来ペルォキシダーゼを用いて溶液または分散液中 の繊維染料を漂白する方法が提供きれる。
更に本発明によりイネ由来ペルォキシダ一ゼを用いた溶液中の着色物質 (染 料など) の分解 (脱色 ·漂白) 用組成物が提供される。

Claims

請求の範囲
1 . 洗液中で染色された布を含む複数の布を一緒に洗濯および またはすす ぐ場合において、 染色された一方の布から他の布への繊維染料の移行を防止す る方法であって、 該洗液に過酸化水素の存在下でイネ由来ペルォキシダーゼを 作用させることを特徴とする方法。
2 . 溶液または分散液中の繊維染料を漂白する方法であって、 前記溶液また は分散液に過酸化水素の.存在下でイネ由来ペルォキシダ一ゼを作用させること を特徴とする方法。
3 . イネ由来ペルォキシダーゼが、 耐熱性のイネ由来'ペルォキシダーゼであ ることを特徴とする請求の範囲第 1項または第 2項のいずれか 1項に記載の方 法。
4 . イネ由来ペルォキシダ一ゼが、 イネモミガラ由来のペルォキシダーゼで あることを特徴とする請求の範囲第 1項から第 3項のいずれか 1項に記載の方 法。
5 . 過酸化水素が、 過酸化水素前駆体、 過酸化水素前駆体に作用し過酸化水 素を発生しうる漂白活性化剤と過酸化水素前駆体との共存系、 および過酸化水 素を発生しうる酵素系のうちの少なくともどれか一つの手段により供給される ことを特徴とする請求の範囲第 1項から第 4項のいずれか 1項に記載の方法。
6 . 過酸化水素前駆体が過ホウ酸塩または過炭酸塩である請求の範囲第 5項 に記載の方法。
7 . 活性化剤の存在下において実施することを特徴とする請求の範囲第 1項 から第 6項のいずれか 1項に記載の方法。
8 . 界面活性剤の存在下において実施することを特徴とする請求の範囲第 1 項から第 7項のいずれか 1項に記載の方法。
9 . 繊維染料が合成染料、 天然染料又は天然同一性染料、 反応性染料である 請求の範囲第 1項から第 8項のいずれか 1項に記載の方法。
1 0 . イネ由来ペルォキシダーゼを含んでいる組成物。
1 1 . 洗剤組成物もしくは漂白剤組成物であることを特徴とする請求の範囲 第 1 0項に記載の組成物。
1 2 . 過酸化水素、 一種類以上の過酸化水素前駆体、 および、 過酸化水素を 発生せしめることのできる一種類以上の酵素系のうちの少なくともどれか一つ を含んでいる ζとを特徴とする請求の範囲第 1 0または第 1 1項のいずれか一 項に記載の組成物。
1 3 . イネ由来ペルォキシダーゼ、 過酸化水素前駆体、 および、 過酸化水素 前駆体に作用し過酸化水素を発生しうる一種類以上の漂白活性化剤を含んでい ることを特徴とする組成物。
1 4 . 一種類以上の界面活性剤、 もしくは、 一種類以上の活性化剤を共に含 んでいることを特徴とする請求の範囲第 1 0項から第 1 3項のいずれかに一項 に記載の組成物。
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