WO2003102284A1

WO2003102284A1 - Procede de tricotage de vetements tricotes a col devant et vetement tricote a col devant

Info

Publication number: WO2003102284A1
Application number: PCT/JP2003/006037
Authority: WO
Inventors: Manabu Yui
Original assignee: Shima Seiki Mfg., Ltd.
Priority date: 2002-05-31
Filing date: 2003-05-14
Publication date: 2003-12-11
Also published as: EP1510606A4; EP1510606A1; JP4291264B2; KR100937018B1; CN1656267A; US20050183465A1; US7168271B2; JPWO2003102284A1; CN100362155C; KR20050006177A; AU2003234920A1; EP1510606B1

Description

前衿を有するニットウエアの編成方法およぴ前衿を有するニットウエア技術分野

本発明は、前衿を有するニットウエアおよぴ前衿を有するニットウエアの編成方法に関する。特に本発明は、今までに無い前衿形状を有するニットウエアおよぴその編成方法を提供するものである。

従来の技術

一般に折り開きの大きな前衿、例えばィタリアンカラーなど大きく外側に開いた形状の前衿を有するニットウユアを形成する場合には、身頃部分とは別途に衿部分を編成しておいて、衿部分を身頃の衿ぐりに縫製作業によって接合するようにしている。

特に、前衿が大きく、前衿を立てた状態にしたときに左右の衿の先端部が重なり合うような前衿形状の場合には、横編機によって、大きな左右の前衿と後衿を身頃に連続させて編成していくことは非常に困難であり、通常は縫製作業により衿を身頃に接合している。

このように縫製手段により衿を身頃の衿ぐりに接合する場合には、編成作業の後に縫製作業という後処理が必要になることからニットウエアを完成させるまでの工程数が多くなるという問題がある。

また、前衿を従来にない形状、例えば、前衿の一部で前身頃の肩部分を形成し、前衿に肩ラインを形成して折り開きの前衿を有するような形状とするデザィンであって、編機上で編成完了後の衿ぐりに編成された衿を接合するための後処理を必要としないニットウエアは、今までは無かった。

発明の開示

本発明は以上の実情に鑑みて開発したものであって、縫製作業を行うことなく大きな前衿を有するニットウエアを編成できる編成方法を提供するとともに、フ了ッシヨン性に優れ、今までに無いデザィンの前衿形状を有する無縫製のニットウェアを提供することを目的とする。

縫製作業を行うことなく大きな前衿を有する二ットウエアを編成できるようにするため、本発明は、左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する少なくとも前後一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、前身頃の衿ぐりに左前衿と右前衿が形成され、これら前衿が前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるニットウエアの編成方法であって、衿ぐりの形成開始後の編成が以下のステップを含むことを特徴とするものである。

1 ) 前身頃を前衿ぐり形成部分から前右身頃と前左身頃とに分岐させて編成をし, 前右身頃およぴ前左身頃の前衿ぐり部分を引き返し編成により形成する第 1ステップ。

2 ) 前身頃の中央を境界とする左右の前衿ぐりの何れか一方の編目を他方の前衿ぐりに形成する前衿編成部の編成の妨げにならない空針に移動させた後、他方の前衿ぐりにおいて前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように前衿編成部を所定コース編成し、一方の前衿編成部の編成に使用する編針の領域内に位置する編目を伏せ目処理する第 2ステップ。

3 ) 前記第 2ステツプで編成の妨げにならない空針に移動させた編目を元の針に戻した後、前衿ぐりから前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように残るもう一方の前衿編成部を形成する第 3ステツプ。

以上のごとく本発明によれば、一方の前衿編成部を編成する際に、他方の前衿編成部を一方の前衿編成部の編成の妨げにならない針に移動させておいて、一方の前衿編成部を編成し、この編成した前衿編成部の最終コースにおける他方の前衿編成部を編成する際に使用する編針の領域内に位置する編目を伏せ目処理することにより、他方の前衿編成部をそのまま編成していくことができるので、縫製手段により衿を身頃の衿ぐりに接合する工程を必要とすることなく、編成のみでニットウエアを完成させることができるので、ニットウエアを完成させるまでの工程数が多くなることなく、製造費の低廉ィヒが図れる。

また、本宪明は、今までないデザインの大きな前衿を有するニットウエアを縫製作業することなく編成できるようにするための編成方法の発明であって、請求の第 1項に記載の前衿が形成されるニットウヱァの編成方法において、ニットウェァを構成する前身頃と後身頃とが継ぎ目の無レ、連続した筒状に編成され、以下の工程を含むことを特徴とするものである。

1 ) 前身頃を前衿ぐり形成部分から前右身頃と前左身頃との分岐させて編成し、前右身頃の前衿ぐり部分および前左身頃の前衿ぐり部分を肩袖ぐり端部まで形成するとともに、後身頃を編成する第 1ステップ。

2 ) 第 1ステップにより編成された前右身頃または前左身頃のどちらか一方の前衿ぐりの編目を他方の前衿ぐりに形成する前衿編成部の編成の妨げにならない空針に移動させ、他方の前衿ぐりに、前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように前衿編成部を編成するとともに、前衿編成部を所定コース編成する度に、当該前衿編成部を反対側の前衿編成部側に移動させて、移動により生じた袖ぐり側の空針に新たに編目を形成する編成を繰り返して前身頃の肩下がりによる肩ランィ部を形成し、前衿編成部への肩ライン部の形成完了後に、当該前衿編成部における少なくとも残る一方の前衿編成部の編成に使用する編針の領域内の編目を伏せ目処理する第 2ステップ。

3 ) 前記第 2ステップで編成に妨げにならない空針に移動させた編目を元の針に戻した後、残りの前衿ぐりから前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるようにもう一方の前衿編成部を編成するとともに、前衿編成部を所定コース編成する度に、当該前衿編成部を反対側の前衿編成部側に移動させて、移動により生じた袖ぐり側の空針に新たに編目を形成する編成を繰り返して前身頃の肩下がりによる肩ライン部を形成し、前衿編成部への肩ライン部の形成完了後に、前記第 2ステツプで伏せ目処理をしたのと同数の編目を前身頃中心側から伏せ目処理する第 3ステップ。

4 ) 後身頃の両端側にいくほどゥエール毎の編成コース数が少なくなるように引き返し編みを行って後身頃に肩ライン部を形成した後、左右の前衿編成部の肩ライン部と後身頃の肩ライン部を接合する第 4ステップ。

5 ) 後身頃と伏せ目処理がされていない前衿編成部に対し給糸して左右の前衿編成部と後衿編成部が連続する衿を編成する第 5ステップ。

6 ) 各針床に係止されている左右の前衿編成部と後衿編成部の編目を伏せ目処理する第 6 以上のごとく本発明によれば、前身頃と後身頃が無鏠製で筒状に編成される場合でありながら、肩ライン部を有するように前ネ今編成部の一部で前身頃の肩部分を形成しつつ、前衿を折り開きの大きい前衿を有する新規のデザィンとするフアツション性に優れたニットウエアを編成できる。

しかも、一方の前衿編成部を編成する際に、他方の前矜編成部を一方の前編成部の編成の妨げにならない針に移動させておいて、一方の前衿編成部を編成し、この編成した前衿編成部の最終コースにおける他方の前矜編成部を編成する際に使用する編針の領域内に位置する編目を伏せ目処理するとにより、他方の前衿編成部をそのまま編成していくことができる。

その結果、縫製手段により衿を身頃の衿ぐりに接合する工程を必要とすることなく、大きい折り開きの前衿とそれに連続する後衿を有するデザインであっても. 無縫製で身頃に衿を接合することができ、ニットウエアを完成させるまでの工程数が多くなることなく、製造費の低廉化が図れる。

また本発明は、前身頃と後身頃が無縫製で筒状に編成されるニットウエアにおいて、縫製作業を行うことなく大きな前衿および後衿を有するニットウエアを編成する編成方法の発明であって、請求の第 1項に記載の前衿が形成されるニットウェアの編成方法において、ニットウアを構成する前身頃と後身頃とが継ぎ目の無い連続した筒状に編成され、以下の工程を含むことを特徴とするものである <

1 ) 前身頃を前衿ぐり形成部分から前右身頃と前左身頃との分岐させて編成し、前右身頃の前衿ぐり部分および前左身頃の前衿ぐり部分を引き返し編成するとともに、左右前身頃と後身頃に引き返し編成により肩ライン部を形成し、前身頃と後身頃の肩ライン部を接合する第 1ステップ。

2 ) 第 1ステップにより編成された前右身頃または前左身頃のどちらか一方の衿ぐりの編目を他方の衿ぐりへの前衿編成部の編成の妨げにならない空針に移動させた後、他方の前衿ぐりに、前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように前衿編成部を所定コース編成した後、当該前衿編成部における少なくとも残る一方の前衿編成部の編成に使用する編針の領域内の編目を伏せ目処理する第 2ステップ。 3 ) 前記第 2ステップで編成に妨げにならない空針に移動させた編目を元の針に戻し、残る前衿ぐりから前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるようにもう一方の前衿編成部を所定コース編成した後、前記第 2ステツプで伏せ目処理したのと同数の編目を前身頃中心側から伏せ目処理する第 3ステップ。

4 ) 後身頃と伏せ目処理されていない前衿編成部に対し、その両端で給糸方向を反転させる C編みを行って左右の前衿編成部と後衿編成部が連続する衿を編成する第 4ステップ。 '

5 ) 各針床に係止されている左右の前衿編成部と後衿編成部の編目を伏せ目処理する第 5ステップ。

以上のごとく本発明によれば、前身頃と後身頃が無縫製で筒状に編成される場合でありながら、一方の前衿編成部を編成する際に、他方の前衿編成部を一方の前衿編成部の編成の妨げにならない針に移動させておいて、一方の前衿編成部を編成し、この編成した前衿編成部の最終コースにおける他方の前衿編成部を編成する際に使用する編針の領域内に位置する編目を伏せ目処理することにより、他方の前衿編成部をそのまま編成していくことができるので、縫製手段により衿を身頃の衿ぐりに接合する工程を必要とすることなく、編成のみでニットウエアを完成させることができるので、ニットウエアを完成させるまでの工程数が多くなることなく、製造費の低廉化が図れる。

また本発明は、今までに無い前衿を有するニットウエアの発明であって、前身頃と後身頃が無縫製で筒状に編成され、前身頃が、前衿ぐりを有する前身頃編成部と、前衿ぐりに接合される前衿編成部の一部により構成され、前衿編成部は、前身頃肩部分と後身頃と接合される肩ライン部と折り開きの前衿部とを備えており、後身頃の後衿ぐりに形成される後衿編成部と前衿編成部とが連続編成されるとともに、無縫製で前衿編成部と後衿編成部とが身頃に接合されている構成とした。

以上のごとく本発明により、肩ライン部を有するように前衿編成部の一部で前身頃の肩部分を形成しつつ、前衿を折り開きの大きい前衿を有する今までにない新規のデザィンとするファッション性に優れたニットウエアを提供できる。図面の簡単な説明

図 1は本発明にかかるニットウエアの第 1実施形態であって、前衿を有するセ一タ一を前身頃側から見た正面図である。

図 2は本発明にかかるニットウエアの第 1実施形態であって、前衿を有するセ一ターを後身頃側から見た背面図である。

図 3は第 1実施形態のセーターを編成するための編成手順を示す編成工程図である。

図 4は本発明にかかる-ットウエアの第 2実施形態であって、前衿を有するセ一ターを前身頃側から見た正面図である。

図 5は本発明にかかるニットウエアの第 2実施形態であって、前衿を有するセ一ターを後身頃側から見た背面図である。

図 6は本発明にかかる-ットウエアの第 3実施形態であって、前衿を有するセ一ターを前身頃側から見た正面図である。

図 7は本発明にかかるニットウエアの第 3実施形態であって、前衿を有するセ一ターを後身頃側から見た背面図である。

図 8は第 3実施形態のセーターを編成するための編成手順を示す編成工程図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明にかかる前衿を有するニットウエアおょぴその編成方法についての実施形態を図面に基づいて説明する。

本実施形態は、左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する前後一対の針床を有し、後針床が左右にラッキング可能で、しかも、前後の針床間で編目の目移しが可能ないわゆる 2枚べッドの横編機を用いて-ットウエアを編成する。

2枚ベッドの横編機は、筒状のニットウエアを編成する場合、前後の各針床においてそれぞれ 1本おきの針を用いて編成を行うようにしており、例えば、前針床の奇数番目の針を主として前身頃や袖の前部などのニットウエアの前側部分の編地を編成するために用い、後針床の偶数番目の針を主として後身頃や袖の後部などのニットウェアの後側部分を編成するために用いる。

さらに、前後の針床は、一方の針床の編成用に用いられる針に対向する他方の針床の針を空針としており、この空針を目移しやリブ編み等をするために用いるようになっている。

これら空針を用いることにより、リンクス、ガーター、リブなどの表目と裏目が混在した組織柄を編成したり、袖や身頃の編目をコース方向に移動させて互いに接合することができるようになつている。

また、 2枚ベッドの横編機を用いる場合、前後針床の一方または両方の上位にトランスファージャックを列設したトランスファージャックべッドを設けて編地を編成するようにしてもよい。

なお、本実施形態では、 2枚ベッドの横編機を用いてニットウエアを編成するようにしているが、本発明は、上部前針床、下部前針床、上部後針床、そして下部後針床からなる 4枚べッドの横編機を用レ、て編成することもできる。

4枚ベッドの横編機を用いる場合には、例えば、下部前針床に前側部分を付属させ、下部後針床に後側部分を付属させるとともに、上部後針床を前側部分の編地を編成する際の空針として前側部分の編地の目移し等に用い、上部前針床を後側部分の編地を編成する際の空針として後側部分の編地の目移し等に用いる。本実施形態は、上記 2枚ベッドの横編機を用いて、ニットウエアを構成する身頃およぴ袖を継ぎ目の無い連続した筒状となるようにシームレスにニットウエアを編成する方法およびこの編成方法で編成される前衿を有するニットウエアを示す。

本宪明の第 1実施形態について、図 1から図 3に基づいて説明する。図 1は、本発明の編成方法で編成される前衿を有するニットウェアのセーター 1を前身頃側から見た図を示している。図 2は、図 1のセーター 1を後身頃側から見た図を示している。図 3は、セーター 1を編成していくための編成手順を示す編成工程図である。

本実施形態では、後身頃 2 b、右袖後部 1 3 b、左袖後部 3 bは、主として後針床上の奇数番目の針を使用して編成され、前身頃 2 a、右袖前部 1 3 a、左袖前部 3 aは、主として前針床上の偶数番目の針を使用して編成される。

本実施形態で編成されるセーター 1は折り開きの大きな前衿を有する衿付きで長袖タイプのセーターである。本実施形態のセーター 1は、図 3に示す編成工程図に示すように、前身頃 2 aにおける裾から肩における袖との接合部までの丈の長さ（コース数）と、後身頃 2 bにおける裾から肩における袖との接合部までの丈の長さ（コース数）とを一致させるように編成される。

さらに、セーター 1は、前身頃 2 a力衿ぐり 4を有する前身頃編成部 5と、衿ぐり 4に接合される前衿編成部 6の一部により構成されている。

前身頃編成部 5は、裾部から肩まで編成され、かつ、前衿ぐり 4 1が袖ぐりの肩付け根部（肩の袖ぐり側端部）において終わるように編成される。

前衿編成部 6は、前身頃肩部分 6 1と、後身頃 2 bが接合される肩ライン部 6 2と、前衿部 6 3とを有するように編成され、前衿部 6 3により大きな折り開きの前衿が構成される。

そして、前衿編成部 6の肩ライン部 6 2と後身頃 2 bの肩ライン部 2 1とが接合され、後身頃 2 bに前矜編成部 6と連続して編成される後衿編成部 7が形成される。

セーター 1における前身頃 2 aの前身頃編成部 5、後身頃 2 bおよぴ袖 3 , 1 3の編み組織は、説明の便宜上、平編みの無地とし、前矜編成部 6と後衿編成部 7はリブ編としているが、前身頃編成部 5、後身頃 2 bおよぴ袖 3， 1 3は、ジャガードゃリプ等の組織柄のものであってもよいし、前衿編成部 6と後矜編成部 7も他の組織柄としてもよい（第 2実施形態および第 3実施形態も同様）。セーター 1は、脇下部となる前身頃 2 aの各点 A， aは、左袖前部 3 aおよび右袖前部 1 3 aの各点 P， pと接合され、後身頃 2 bの各点 H， hは左袖後部 3 bおよび右袖後部 1 3 bの各点 S , sと接合される。

そして、アームホーノレ（袖ぐり） 2 2に沿って前身頃 2 aと左袖前部 3 aおよぴ右袖前部 1 3 aが接合され、後身頃 2 bと左袖後部 3 bおよぴ右袖後部 1 3 b が接合される。

前身頃 2 aを構成する前身頃編成部 5は、前衿ぐり 4 1が形成され始める点 B b以降にかけて後身頃 2 bと異なる形状をしており、図 3に示すように、前左身頃 5 1と前右身頃 5 2とに分岐して編成される。

さらに、衿ぐり 4の形成が開始された後の身頃 2 a， 2 bおよぴネ由 3 . 1 3の編成は、前左身頃 5 1、左袖前部 3 a、左袖後部 3 b、後身頃 2 b、右袖後部 1 3 b、右袖前部 1 3 a、前右身頃 5 2の順またはその反対の順に編成しながら、アームホール 2 2に沿って、前左身頃 5 1に左袖前部 3 aを接合し、後身頃 2 b に左袖後部 3 bと右袖後部 1 3 bを接合し、前右身頃 5 2に右袖前部 1 3 aを接合していく。

なお、本実施形態において、身頃や袖の左右を表す用語、例えば、前右身頃 5 2や前左身頃 5 1などの右と左とは、セーター 1を着用した状態の着用者を基準にしている。

次に、図 3の編成工程図に基づいて第 1実施形態のセーター 1の編成手順について説明する。

図 3の編成工程図は、図の下方から上方に向けて順次編成していく編成工程を示している。

まず、身頃編成用と袖編成用にそれぞれ用意した給糸口（図示せず）から編糸を前身頃編成用の各針に供給した後、給糸口を反転させて後身頃編成用の各針へ編糸を供給する編成を繰り返して、筒状体の身頃の裾部と左右の袖の袖口にゴム編部 8 1， 8 2を編成する。

そして、脇下部（図 2の点 A， P , a , , S , H, s， h ) の手前まで、前身頃 2 a (前身頃編成部 5 ) と後身頃 2 bの編成と同時に、左袖 3と右袖 1 3の編成を筒径を広げながら行う。

脇下部で身頃 2と左袖 3およぴ右袖 1 3とを統合させて 1つの筒状体とし、前身頃編成部 5を前左身頃 5 1と前右身頃 5 2とに引き返し編成で分岐編成しながら、後身頃 2 bおよぴ左袖 3およぴ右袖 1 3も編成し、編成と同時に身頃 2と左袖 3およぴ右袖 1 3の接合を行っていく。

そして、前身頃編成部 5の前左身頃 5 1と前右身頃 5 2が点 C， cの位置まで編成されるとともに、後身頃 2 bが線 K一 kの位置まで編成されると、身頃 2と左袖 3および右袖 1 3の接合も完了する。

ここまでの編成で、前身頃編成部 5に引き返し編成により形成した前衿ぐり 4 1の形成が完了するとともに、前身頃編成部 5と後身頃 2 bが無縫製で筒状に連続編成され、袖 3 , 1 3の身頃 2への接合も完了した状態となり、前針床には前身頃編成部 5の前衿ぐり 4 1の編目が係止され、後針床には後身頃 2 bの編目が係止された状態となっている。

次に、前左身頃 5 1の前衿ぐり 4 1 (線 B— C) に左前衿編成部 6 Aを連続編成していく（線 D— E ) 。

このとき、前右身頃 5 2の前衿ぐり 4 1 (線 b— c ) の編目を、他方の前衿ぐり 4 1に形成する左前衿編成部 6 Aの編成の妨げにならない空針に移動させておく。本実施形態では、前右身頃 5 2の前衿ぐり 4 1 (線 b _ c ) の編目を、後身頃の編目を係止する後針床の偶数番目の針と対向する前針床の空針に目移ししておく。

なお、特許第 2 9 9 5 4 6 4号の特許公報に記載される預けおき装置を備える横編機を用いる場合には、前右身頃 5 2の前衿ぐり 4 1 (線 b _ c ) の編目を後針床上の後身頃の編目を係止する複合針のスライダーにホールディングしておくことができる。

前左身頃 5 1の前衿ぐり 4 1 (線 B— C) に左前衿編成部 6 Aを 1コース編成した後、後針床の空針に左前衿編成部 6 Aの編目を目移し、後針床を図 3で左方向に 2ピッチラッキングさせて左前衿編成部 6 Aの編目を前針床に目移し、右側 (袖付け側）に 1目掛け目をして 1コース編成した後、後針床の空針に左前衿編成部 6 Aの編目を目移し、左方向に 2ピッチラッキングさせて左前衿編成部 6 A の編目を前針床に目移しする動作を繰り返して、左前矜編成部 6 Aを線 F— Gまで編成する。

そして、左前衿編成部 6 Aを線 F— Jまで伏せ目処理を行い、左前衿編成部 6 Aの身頃中心側から、線 F— Jの編目を針床の針から外しておく。左前衿編成部 6 Aの線 F— Jの編目は、次に編成する右前衿編成部 6 Bの編成に支障がないようにするために、右前袷編成部 6 Bの最終コースの編目に重ならなレ、位置まで伏せ目処理をしておく。

次に、前右身頃 5 2の前衿ぐり 4 1 (線 b— c ) に右前衿編成部 6 Bを連続編成していく（線 d— e ) 。

前右身頃 5 2の前衿ぐり 4 1 (線 b— c ) の編目を前針床の元の奇数番目の針に目移しし、前右身頃 5 2の前衿ぐり 4 1 (線 b— c ) に右前衿編成部 6 Bを 1 コース編成した後、後針床の空針に右前衿編成部 6 Bの編目を目移し、後針床を図 3で右方向に 2ピッチラッキングさせて右前衿編成部 6 Bの編目を前針床に目移し、左側（袖付け側）に 1目掛け目をして 1コース編成した後、後針床の空針に右前衿編成部 6 Bの編目を目移し、右方向に 2ピッチラッキングさせて右前衿編成部 6 Bの編目を前針床に目移しする動作を繰り返して、右前衿編成部 6 Bを線 f — gまで編成する。

そして、右前衿編成部 6 Bを線 f 一； jまで伏せ目処理を行い、右前衿編成部 6 Bの身頃中心側から、線 f _ jの編目を針床の針から外しておく。右前衿編成部 6 Bの線 f 一 jの編目は、左前衿編成部 6 Aでの伏せ目処理をした目数と同数の編目を伏せ目処理をしておく。

左前衿編成部 6 Aおよび右前衿編成部 6 Bの袖付け側端部に形成した掛け目により肩ライン部 6 2 (線 E— G , 線 e— g ) が形成される。

前記した左前拎編成部 6 Aおよぴ右前矜編成部 6 Bは 1目ずつ掛け目しながら同じ目数で所定コース数編成したが、前衿の形状を変更するために、身頃中心側の編目を増やすように編成してもよい。

次に、後身頃 2 bを線 K _ kの位置から肩ライン部 2 1の形成が完了する線 L — 1の位置まで編成する。肩ライン部 2 1 (線 K一 L，線 k一 1 ) は引き返し編成により肩下がりになるように編成する。後身頃 2 bの編成を行いながら、前針床に係止される左前衿編成部 6 Aおよぴ右前衿編成部 6 Bの肩ライン部 6 2の編目と後身頃 2 bの肩ライン部 2 1の編目を接合していく。

肩ライン部 6 2と肩ライン部 2 1の接合が完了すると、後針床には後身頃 2 b の後衿ぐり 4 2 (線 L— 1 ) の編目が係止され、前針床には、左前衿編成部 6 A (線 G _ J ) およぴ右前衿編成部 6 B (線 g— j ) の編目が係止された状態となる。

なお、肩ライン部 6 2と肩ライン部 2 1の接合は、後身頃 2 bの編成が完了した後に行うようにしてもよい。

続いて、右前衿編成部 6 B、後衿編成部 7、左前衿編成部 6 A、後衿編成部 7 右前矜編成部 6 Bの順を繰り返すように、 3つの編成部に対してそれぞれの編成部の境界となる両端で給糸口の進行方向を変えながら、同じ軌跡上を反転走行して編成する、いわゆる C編みと呼ばれる編成方法で編成していく。これにより、左前衿編成部 6 Aが線 G _ J位置から点 Mの位置まで、右前衿編成部 6 Bが線 g - j位置から点 mの位置まで、後衿編成部 7が線 N— nの位置から線 Q— qの位置まで連続して編成される。

このとき、左前衿編成部 6 A、右前衿編成部 6 Bは引き返し編成によりゥエール毎の編成コース数が身頃中心側で少なく両端側にいくほど編成コース数が多くなるように編成される。（線 J— M, 線 j— m) 。

なお、本実施形態では、後衿編成部 7の編成コース数が全域において一定になるように編成しているが、左前衿編成部 6 A、右前衿編成部 6 Bの引き返し編成に続レヽて、後衿編成部 7も両端側に行くほど編成コース数が少なく編成される引き返し編成を行うようにしてもよい。

そして、左前衿編成部 6 A、右前衿編成部 6 B、後矜編成部 7が所定コース編成された後、左前衿編成部 6 A、右前衿編成部 6 B、後衿編成部 7の上端部の編目（線 J一 M— Q— q— m— j ) を連続させて伏せ目処理をすることにより衿の編成が終了され、図 1及び図 2に示す前衿を有したセーター 1の編成が完了する。以上のように、第 1実施形態のニットウエアは、一方の左前衿編成部 6 Aを編成する際に、他方の右前衿編成部 6 Bを左前枵編成部 6 Aの編成の妨げにならない針に移動させておいて、左前衿編成部 6 Aを編成し、この編成した左前衿編成部 6 Aの最終コースを、他方の右前衿編成部 6 Bを編成する際の最終コースの編目と重ならない位置まで伏せ目処理を行うことにより、他方の右前衿編成部 6 B をそのまま編成していくことができる。

その結果、大きな前衿でも、縫製手段により衿を身頃の衿ぐりに接合する工程を必要とすることなく、編成のみでニットウエアを完成させることができるので、ニットウエアを完成させるまでの工程数が多くなることなく、製造費の低廉化が図れる。

しかも、第 1実施形態のニットウエアのデザインは、肩ライン部 6 2を有するように前衿編成部 6の一部で前身頃 2 aの肩部分を形成しつつ、前衿を折り開きの大きい前衿部 6 3を有する新規のデザインとすることができ、ファッション性に優れる。

しかも大きい折り開きの前衿とそれに連続する後衿を有するデザインであるにもかかわらず、無縫製で身頃に衿を接合することができる。

また、前記した第 1実施形態では、後身頃 2 bに後衿編成部 7を形成したが、図 4および図 5に示す第 2実施形態のように、後身頃 2 bに後衿編成部を形成しないようにしてもよい。

第 2実施形態のセーター 1の編成方法は、図 3に示す第 1実施形態の編成工程において、左前衿編成部 6 Aの線 G— Fの位置までの編成後に、線 E— Gの肩ライン部 6 2を残して線 G— Fまで全て伏せ目処理を行い、また、右前衿編成部 6 Bの線 g— f の位置までの編成後に、線 e— gの肩ライン部 6 2を残して線 g— f まで全て伏せ目処理を行うように編成を変更し、後身頃 2 bの線 K一 kの位置から線 L _ 1の位置までの編成を行いながら肩ライン部 6 2と肩ライン部 2 1を接合し、後身頃 2 bの線 L _ 1の編目を伏せ目処理することによりニットウエアの編成が終了するようになつている。

第 2実施形態のニットウエアは、前身頃 2 aにのみ衿を形成したものであり、肩ライン部 6 2を有するように前衿編成部 6の一部で前身頃 2 aの肩部分を形成しつつ、前衿を折り開きの大きい前衿とする衿編成部 6 3を形成するようにしても、新規のデザインとすることができ、ファッション性に優れる。

なお、第 2実施形態のように、前身頃 2 aにのみ衿を形成するタイプのものでは、前身頃の前身頃編成部 5と前衿編成部 6のみを編成しておいて、後身頃と接合するようにしてもよい。

また、前記した第 1実施形態及び第 2実施形態では、前身頃 2 aの肩部分を前衿編成部 6で形成し、前衿編成部 6で肩ライン部 6 2を形成したが、図 6および図 7に示す第 3実施形態のように、前衿編成部 6 0により身頃の肩部分およぴ肩ライン部を形成することなく、前身頃編成部 5 0で肩部分おょぴ肩ライン部 5 3 を形成するようにしてもよい。

第 3実施形態で編成されるセーター 1 0も折り開きの大きな前衿を有する衿付きで長袖タイプのセーターである。本実施形態のセーター 1 0は、図 8の編成ェ程図に示すように、前身頃 2 aにおける裾から肩における袖との接合部までの丈の長さ（コース数）と、後身頃 2 bにおける裾から肩における袖との接合部までの丈の長さ（コース数）とを一致させるように編成される。さらに、セーター 1 0は、前身頃 2 a力前衿ぐり 4 1 aおよぴ肩ライン部 5 3を有する前身頃編成部 5 0のみで構成され、前衿ぐり 4 1 aは V字状に形成される。

前衿編成部 6 0は、前身頃編成部 5 0の前衿ぐり 4 1 aに接合される前衿部 6 3 aを有し、前衿部 6 3 aにより大きな折り開きの前衿が構成される。

そして、前身頃編成部 5 0の肩ライン部 5 3と後身頃 2 bの肩ライン部 2 1とが接合され、後身頃 2 bに前衿編成部 6 0と連続して編成される後衿編成部 7 0 が形成される。

セーター 1 0は、脇下部となる前身頃 2 aの各点 A， aは、左袖前部 3 aおよぴ右袖前部 1 3 aの各点 P， pと接合され、後身頃 2 bの各点 H， hは左袖後部 3 bおよぴ右袖後部 1 3 bの各点 S， sと接合される。

そして、アームホール 2 2に沿って前身頃 2 aと左袖前部 3 aおよぴ右袖前部 1 3 aが接合され、後身頃 2 bと左袖後部 3 bおよぴ右袖後部 1 3 bが接合される。

前身頃 2 aを構成する前身頃編成部 5 0は、前衿ぐり 4 1 aが形成され始める点 B， b以降にかけて後身頃 2 bと異なる形状をしており、図 8に示すように、前左身頃 5 0 1と前右身頃 5 0 2とに分岐して編成される。

なお、身頃 2 a， 2 bと左袖 3、右袖 1 3との接合は第 1実施形態と同じ編成方法なので省略する。

次に、図 8に基づいて第 3実施形態のセーター 1 0の編成工程について説明する。図 8の編成工程図も、図の下方から上方に向けて順次編成していく編成工程を示している。

第 3実施形態のセーター 1 0も、脇下部（図 2の点 A， P， a , , S， H, s , h ) の手前までの編成工程は第 1実施形態と同じなので省略する。

脇下部で身頃 2と左袖 3およぴ右袖 1 3とを統合させて 1つの筒状体とし、前身頃編成部 5 0を前左身頃 5 0 1と前右身頃 5 0 2とに引き返し編成で分岐編成しながら、後身頃 2 bおよぴ左袖 3および右袖 1 3も編成し、編成と同時に身頃 2と左袖 3およぴ右袖 1 3の接合を行っていく。

そして、前身頃編成部 5 0の前左身頃 5 0 1と前右身頃 5 0 2が点 C , cの位置まで編成されるとともに、後身頃 2 bが線 K一 kの位置まで編成されると、身頃 2と左袖 3およぴ右袖 1 3の接合も完了する。

そして、前身頃編成部 5 0の点 C , cの位置から点 G, gの位置までを引き返し編成するとともに、後身頃 2 bの点 K， kの位置から点 L， 1の位置までを引き返し編成をしながら、前身頃編成部 5 0に肩ライン部 5 3を形成し、後身頃 2 bに肩ライン部 2 1を形成する。さらに、前身頃編成部 5 0と後身頃 2 bを編成しながら、肩ライン部 5 3と肩ライン部 2 1を接合していく。

ここまでの編成で、前身頃編成部 5 0と後身頃 2 bに衿ぐり 4 0の形成が完了するとともに、前身頃編成部 5 0と後身頃 2 bが無縫製で筒状に連続編成され、袖 3， 1 3の身頃 2への接合も完了した状態となり、前針床には前身頃編成部 5 0の前衿ぐり 4 1 aの編目が係止され、後針床には後身頃 2 bの後衿ぐり 4 2 a の編目が係止された状態となっている。

次に、前左身頃 5 0 1の前衿ぐり 4 1 a (線 B - G) に左前衿編成部 6 0 Aを連続編成していく（線 D— E ) 。

このとき、前右身頃 5 0 2の前衿ぐり 4 1 a (線 b— g ) の編目を他方の前衿ぐり 4 1 aに形成する左前衿編成部 6 O Aの編成の妨げにならない空針に移動させておく。本実施形態では、前右身頃 5 0 2の前衿ぐり 4 1 a (線 b— c ) の編目を、後身頃の編目を係止する後針床の偶数番目の針と対向する前針床の空針に

S移ししてお <

なお、本実施形態においても、特許第 2 9 9 5 4 6 4号の特許公報に記載される預けおき装置を備える横編機を用いる場合には、前右身頃 5 0 2の前衿ぐり 4 1 a (線 b— c ) の編目を後針床上の後身頃の編目を係止する複合針のスライダ一にホールディングしておくことができる。

そして、前左身頃 5 0 1の前衿ぐり 4 1 a (線 B _ G) に、身頃中心側を増し目しながら、右側（肩側端部）のゥエール数を減らすように引き返し編成をしながら、左前柃編成部 6 O Aを点 Fの位置まで編成する。

そして、左前衿編成部 6 O Aを線 F— Jまで伏せ目処理を行い、左前衿編成部 6 O Aの身頃中心側から、線 F _ Jの編目を針床の針から外しておく。

左前衿編成部 6 0 Aの線 F— Jの編目は、次に編成する右前衿編成部 6 0 B の編成に支障がないように、右前衿編成部 6 O Bを所定コース編成したときの編目と重ならない位置まで伏せ目処理をしておく。

次に、前右身頃 5 0 2の前衿ぐり 4 1 a (線 b— g ) に右前衿編成部 6 0 Bを連続編成していく（線 d— e ) 。

前左身頃 5 0 2の前衿ぐり 4 1 a (線 b— g ) に、身頃中心側を増し目しながら、左側（肩側端部）のゥエール数を減らすように引き返し編成をしながら、左前衿編成部 6 0 Bを点 f の位置まで編成する。

そして、右前衿編成部 6 0 Bを線 f — jまで伏せ目処理を行い、右前衿編成部 6 0 Bの身頃中心側から、線 f 一 jの編目を針床の針から外しておく。

右前衿編成部 6 0 Bの線 f _ jの編目は、左前衿編成部 6 0 Aでの伏せ目処理をした目数と同じ目数を伏せ目処理をしておく。

そして、後針床には後身頃 2 bの後衿ぐり 4 2 a (線 L一 1 ) の編目が係止され、前針床には、左前衿編成部 6 O A (線 G— J ) および右前衿編成部 6 O B (線 g— j ) の編目が係止された状態となる。

続いて、右前衿編成部 6 0 B、後衿編成部 7 0、左前衿編成部 6 0 A、後衿編成部 7 0、右前衿編成部 6 0 Bの順を繰り返すように、 3つの編成部に対してそれぞれの編成部の境界となる両端で給糸口の進行方向を変えながら、同じ軌跡上を反転走行して編成する、いわゆる C編みと呼ばれる編成方法で編成していく。これにより、左前衿編成部 6 O Aが線 G— J位置から点 Mの位置まで、右前衿編成部 6 0 Bが線 g _ j位置から点 mの位置まで、後衿編成部 7 0が線 N— nの位置から線 Q— qの位置まで連続して編成される。

このとき、左前衿編成部 6 0 A、右前衿編成部 6 0 Bは引き返し編成によりゥエール毎の編成コース数が身頃中心側で少なく両端側にいくほど編成コース数が多くなるように編成される。（線 J— M, 線 j— m) 。

なお、本実施形態では、後矜編成部 7 0の編成コース数が全域において一定になるように編成しているが、左前衿編成部 6 0 A、右前衿編成部 6 0 Bの引き返し編成に続レ、て、後衿編成部 7 0も両端側に行くほど編成コース数が少なく編成される引き返し編成を行うようにしてもよい。

そして、左前衿編成部 6 0 A、右前衿編成部 6 0 B、後衿編成部 7 0が所定コース編成された後、左前衿編成部 6 0 A、右前衿編成部 6 0 B、後衿編成部 7 0の上端部の編目（線 J— M— Q— q— m— j ) を連続させて伏せ目処理をすることにより編成が終了され、図 6及ぴ図 7に示す前衿を有したセーター 1の編成が完了する。

以上のように、第 3実施形態のニットウエアも、縫製手段により衿を身頃の衿ぐりに接合する工程を必要とすることなく、編成のみでニットウエアを完成させることができるので、ニットウエアを完成させるまでの工程数が多くなることなく、製造費の低廉ィヒが図れる。

なお、本発明の編成方法によれば、各実施形態に示す前衿形状に限らず、折り開きの前衿であれば、どのようなタイプのものでも対応できる。

さらに、本発明は、セーターに限らずカーディガンにも適用できるし、袖の無いセーター、ベストなどにも適用できる。

Claims

請求の範囲

1 . 左右方向に延ぴ、かつ、前後方向に互いに対向する少なくとも前後一対の針床を有し、前後の針床の少なくとも一方が左右にラッキング可能で、前後の針床間で編目の目移しが可能な横編機を用いて、前身頃の衿ぐりに左前衿と右前衿が形成され、これら前衿が前身頃の中央を越えて他方の前矜側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるニットウエアの編成方法であって、衿ぐりの形成開始後の編成が以下のステップを含むことを特徴とする

1 ) 前身頃を前衿ぐり形成部分から前右身頃と前左身頃とに分岐させて編成をし、前右身頃および前左身頃の前衿ぐり部分を引き返し編成により形成する第 1ステップ、

2 ) 前身頃の中央を境界とする左右の前衿ぐりの何れか一方の編目を他方の前衿ぐりに形成する前衿編成部の編成の妨げにならない空針に移動させた後、他方の前衿ぐりにおいて前衿編成部を前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように所定コース編成し、一方の前衿編成部の編成に使用する編針の領域内に位置する編目を伏せ目処理する第 2ステップ、

2 . 請求の範囲第 1項に記載の前衿が形成されるニットウエアの編成方法であつて、ニットウエアを構成する前身頃と後身頃とが継ぎ目の無い連続した筒状に編成され、以下の工程を含むことを特徴とする

1 ) 前身頃を前衿ぐり形成部分から前右身頃と前左身頃との分岐させて編成し、前右身頃の前衿ぐり部分および前左身頃の前衿ぐり部分を肩袖ぐり端部まで形成するとともに、後身頃を編成する第 1ステップ、

2 )·第 1ステップにより編成された前右身頃または前左身頃のどちらか一方の前衿ぐりの編目を他方の前柃ぐりに形成する前衿編成部の編成の妨げにならない空針に移動させ、他方の前衿ぐりに、前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように前衿編成部を編成するとともに、前衿編成部を所定コース編成する度に、当該前衿編成部を反対側の前衿編成部側に移動させて、移動により生じた袖ぐり側の空針に新たに編目を形成する編成を繰り返して前身頃の肩下がりによる肩ランィ部を形成し、前衿編成部への肩ライン部の形成完了後に、当該前衿編成部における少なくとも残る一方の前衿編成部の編成に使用する編針の領域内の編目を伏せ目処理する第 2ステップ、

3 ) 前記第 2ステツプで編成に妨げにならない空針に移動させた編目を元の針に戻した後、残りの前衿ぐりから前身頃の中央を越えて他方の前矜側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるようにもう一方の前衿編成部を編成するとともに前衿編成部を所定コース編成する度に、当該前衿編成部を反対側の前衿編成部側に移動させて、移動により生じた袖ぐり側の空針に新たに編目を形成する編成を繰り返して前身頃の肩下がりによる肩ライン部を形成し、前衿編成部への肩ライン部の形成完了後に、前記第 2ステツプで伏せ目処理をしたのと同数の編目を前身頃中心側から伏せ目処理する第 3ステップ、

4 ) 後身頃の両端側にいくほどゥエール毎の編成コース数が少なくなるように引き返し編みを行って後身頃に肩ライン部を形成した後、左右の前矜編成部の肩ライン部と後身頃の肩ラィン部を接合する第 4ステップ、

5 ) 後身頃と伏せ目処理がされていない前矜編成部に対し給糸して左右の前衿編成部と後衿編成部が連続する衿を編成する第 5ステップ、

6 ) 各針床に係止されている左右の前衿編成部と後袴編成部の編目を伏せ目処理する第 6ステップ。

3 . 請求の範囲第 1項に記載の前衿が形成されるニットウエアの編成方法であつて、ニットウエアを構成する前身頃と後身頃とが継ぎ目の無い連続した筒状に編成され、以下の工程を含むことを特徴とする

1 ) 前身頃を前衿ぐり形成部分から前右身頃と前左身頃との分岐させて編成し、前右身頃の前衿ぐり部分および前左身頃の前衿ぐり部分を引き返し編成するとともに、左右前身頃と後身頃に引き返し編成により肩ライン部を形成し、前身頃と後身頃の肩ライン部を接合する第 1ステップ、

2 ) 第 1ステップにより編成された前右身頃または前左身頃のどちらか一方の衿ぐりの編目を他方の衿ぐりへの前衿編成部の編成の妨げにならない空針に移動させた後、他方の前衿ぐりに、前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるように前衿編成部を所定コース編成した後、当該前衿編成部における少なくとも残る一方の前衿編成部の編成に使用する編針の領域内の編目を伏せ目処理する第 2ステップ、

3 ) 前記第 2ステップで編成に妨げにならない空針に移動させた編目を元の針に戻し、残る前衿ぐりから前身頃の中央を越えて他方の前衿側にそれぞれ進入する形状の前衿が形成されるようにもう一方の前衿編成部を所定コース編成した後、前記第 2ステツプで伏せ目処理したのと同数の編目を前身頃中心側から伏せ目処理する第 3ステップ、

4 ) 後身頃と伏せ目処理されていない前衿編成部に対し、その両端で給糸方向を反転させる C編みを行つて左右の前衿編成部と後衿編成部が連続する衿を編成する第 4ステップ、

4 . 前身頃と後身頃が無縫製で筒状に編成され、前身頃が、前衿ぐりを有する前身頃編成部と、前衿ぐりに接合される前衿編成部の一部により構成され、前衿編成部は、前身頃肩部分と後身頃と接合される肩ライン部と折り開きの前衿部とを備えており、後身頃の後衿ぐりに形成される後衿編成部と前衿編成部とが連続編成されるとともに、無縫製で前矜編成部と後衿編成部とが身頃に接合されていることを特徴とする前衿を有する-ットウェア。