JPWO2021065552A5 - - Google Patents

Description

特許文献１は、Ｆｅ－Ｎｉ－Ｃｒ－Ｍｏ－Ｃ系焼結材料を開示している。この焼結部材におけるＮｉの含有量は、０．５質量％～２．０質量％である。

本開示に係る焼結部材は、
Ｆｅを主成分とする焼結部材であって、
Ｎｉ、Ｃｒ、Ｍｏ、及びＣを含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなる組成と、
マルテンサイト相と残留オーステナイト相との混相組織とを備え、
前記焼結部材に含まれる元素の合計含有量を１００質量％とするとき、前記焼結部材に占めるＮｉの含有量が２質量％超６質量％以下であり、
前記焼結部材の表面から所定の深さまでにおけるビッカース硬さの変動幅が１００ＨＶ以下である。

本開示に係る焼結部材の製造方法は、
鉄基合金粉末とＮｉ粉末とＣ粉末とを含む原料粉末を準備する工程と、
前記原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する工程と、
前記圧粉成形体を焼結する工程とを備え、
前記準備する工程における前記鉄基合金粉末は、Ｃｒ、及びＭｏを含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなる組成を有し、
前記原料粉末の全体を１００質量％とするとき、前記原料粉末に占める前記Ｎｉ粉末の含有量が２質量％超６質量％以下であり、
前記焼結する工程の冷却過程における冷却速度が１℃／ｓｅｃ以上である。

焼結部材１のビッカース硬さは、更に６２０ＨＶ以上が好ましく、特に６２５ＨＶ以上が好ましい。上記ビッカース硬さの変動幅は、更に７５ＨＶ以下が好ましく、特に５０ＨＶ以下が好ましい。焼結部材１のビッカース硬さは、詳しくは後述するように、焼結部材１の断面において、焼結部材１の表面から所定の深さまでの間で複数箇所測定したビッカース硬さの平均とする。焼結部材１のビッカース硬さの変動幅は、詳しくは後述するように、焼結部材１の断面において、表面から所定の深さまでの間で測定したビッカース硬さのうち最大値と最小値との差をいう。

〔見掛け密度の測定〕
各試料の焼結部材における見掛け密度（ｇ／ｃｍ ^３ ）をアルキメデス法で測定した。見掛け密度は、「（焼結部材の乾燥重量）／｛（焼結部材の乾燥重量）－（焼結部材の油浸材の水中重量）｝×水の密度」によって求めた。焼結部材の油浸材の水中重量は、油中に浸漬して含油させた焼結部材を水中に浸漬させた部材の重量である。Ｎ数は３個とした。３つの焼結部材の測定結果の平均を各試料の焼結部材における見掛け密度とした。その結果を表１に示す。

Claims (6)

1. Ｆｅを主成分とする焼結部材であって、
   Ｎｉ、Ｃｒ、Ｍｏ、及びＣを含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなる組成と、
   マルテンサイト相と残留オーステナイト相との混相組織とを備え、
   前記焼結部材に含まれる元素の合計含有量を１００質量％とするとき、前記焼結部材に占めるＮｉの含有量が２質量％超６質量％以下であり、
   前記焼結部材の表面から所定の深さまでにおけるビッカース硬さの変動幅が１００ＨＶ以下である、
   焼結部材。
2. 前記所定の深さが５．０ｍｍである、請求項１に記載の焼結部材。
3. Ｃｒの含有量が、２質量％以上４質量％以下であり、
   Ｍｏの含有量が、０．２質量％以上０．９質量％以下であり、
   Ｃの含有量が、０．２質量％以上１．０質量％以下である、請求項１又は請求項２に記載の焼結部材。
4. 前記焼結部材の任意の断面における前記残留オーステナイト相の面積割合が５％以上である、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の焼結部材。
5. 回転曲げ疲労試験において１０^７回繰り返し曲げ試験に耐える応力振幅が４２０ＭＰａ以上である、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の焼結部材。
6. 鉄基合金粉末とＮｉ粉末とＣ粉末とを含む原料粉末を準備する工程と、
   前記原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する工程と、
   前記圧粉成形体を焼結する工程とを備え、
   前記準備する工程における前記鉄基合金粉末は、Ｃｒ、及びＭｏを含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなる組成を有し、
   前記原料粉末の全体を１００質量％とするとき、前記原料粉末に占める前記Ｎｉ粉末の含有量が２質量％超６質量％以下であり、
   前記焼結する工程の冷却過程における冷却速度が１℃／ｓｅｃ以上である、
   焼結部材の製造方法。