JPWO2020178898A1 - X線発生装置、並びに、その診断装置及び診断方法 - Google Patents

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Abstract

X線管(120)は、真空外囲器(121)の内部に密閉された陰極(140)及び陽極(150)と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体(130)とを有する。第1の電流センサ(210)は、集イオン導体(130)と、真空外囲器(121)内の陽イオンを吸引する電位を供給するノード(Ng)との間に流れる第1の電流値(Ii)を測定する。第2の電流センサ(180)は、陽極(150)及び陰極(140)の間に流れる第2の電流値(Ie)を測定する。制御回路(190)は、第2の電流センサ(180)によって測定された第2の電流値(Ie)と、第1の電流センサ(210)によって測定された第1の電流値(Ii)との電流比(Ii/Ie)に基づいてX線管(120)の真空度に関する診断情報を生成する。

Description

本発明は、X線発生装置、並びに、その診断装置及び診断方法に関する。
X線発生装置は、分析装置や医療機器等に広く適用されている。一般的に、X線発生装置は、真空密閉構造のX線管内で、陰極から放出された電子を、陽極及び陰極間に印加された高電圧によって加速させて、陽極表面に形成されたターゲットに衝突させることで、X線を発生するように構成される。
経年劣化によって、X線管内の真空度が劣化、即ち、圧力が上昇すると、放電の発生によって交換が必要となる。従って、非破壊で真空度の劣化を検出して、寿命を予測するものとして、特開2006−100174号公報(特許文献1)及び特開2016−146288号公報(特許文献2)に記載の技術が提案されている。
特許文献1には、X線管の真空外囲器に電離真空計用のイオンゲージ球を内蔵した真空測定部を取り付けることによって、真空外囲器の内部の真空度を測定する構成が開示されている。
特許文献2には、陽極及び陰極間の電界をX線発生時とは反対方向として、X線管内のイオン化される気体分子を陽極に吸引したときに陽極及び陰極間に流れる測定電流に基づいて、当該測定電流と真空度との相関関係を利用して、X線管の真空度を測定する技術が開示されている。
特開2006−100174号公報 特開2016−146288号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、真空外囲器に真空測定部を取り付けることで、当該取り付け個所からの真空度の劣化、及び、新たな構造の追加によるコストアップが懸念される。一方で、特許文献2では、真空外囲器を含むX線管の構造を変更する必要は無いが、真空度測定時に、集束体及びフィラメント(電子源)の間に電圧を印加するため機構、並びに、陽極及び陰極間にX線発生時とは反対方向の電界を生じさせるため機構が新たに必要となる。
特許文献2は、電離真空計と同様の原理で、陰極から放出された電子が気体分子と衝突することで発生するイオン量に応じた電流を計測することで、気体分子を定量測定するものである。このため、測定電流は、X線管内に存在する気体分子量のみならず、放出電子量にも依存して変化する。一方で、特許文献2では、測定電流と真空度との予め求められた相関関係からX線管の寿命が予測されるので、装置の経年変化、電源電圧の変動、及び、X線管の個体差等によって、真空度測定の際に陰極から放出される電子量が、上記相関関係を求めた際の放出電子量と異なると、真空度の測定、即ち、X線管の寿命診断に誤差が生じることが懸念される。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、簡易な構成により高精度でX線管の劣化診断を実行することである。
本発明の第1の態様は、X線発生装置に関する。X線発生装置は、X線管と、第1及び第2の直流電源と、第1及び第2の電流センサと、制御回路とを備える。X線管は、真空外囲器の内部に密閉された陰極及び陽極と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体とを有する。陰極は、電子を放出する電子源を有する。陽極は、陰極と対向して配置されて、電子源から放出された電子が入射することによってX線を放射するように構成される。第1の直流電源は、電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧を印加する。第2の直流電源は、陰極及び陽極の間に陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧を印加する。第1の電流センサは、集イオン導体と、真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノードとの間に流れる第1の電流値を測定する。第2の電流センサは、陽極及び陰極の間に流れる第2の電流値を測定する。制御回路は、第1及び第2の直流電圧が印加された状態における、第2の電流センサによって測定された第2の電流値と、第1の電流センサによって測定された第1の電流値との電流比に基づいてX線管の真空度に関する診断情報を生成する。
本発明の第2の態様は、真空外囲器の内部に密閉された、陽極及び電子源を有する陰極と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体とを有するX線管を備えたX線発生装置の診断装置に関する。診断装置は、電流センサと、制御回路とを備える。電流センサは、集イオン導体と、真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノードとの間に流れる第1の電流値を測定する。制御回路は、X線発生装置において、電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧が印加されるとともに、陰極及び陽極の間に陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧が印加された状態下において、X線管の陽極及び陰極の間に流れる第2の電流値の測定値をX線発生装置から取得するとともに、取得した当該第2の電流値と、電流センサによって測定された第1の電流値との電流比に基づいてX線管の真空度に関する診断情報を生成する。
本発明の第3の態様は、真空外囲器の内部に密閉された、陽極及び電子源を有する陰極と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体とを有するX線管を備えたX線発生装置の診断方法であって、電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧を印加するとともに、陰極及び陽極の間に陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧を印加するステップと、第1及び第2の直流電圧が印加された状態下での、集イオン導体と、真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノードとの間に流れる第1の電流値を測定するステップと、第1及び第2の直流電圧が印加された状態下での、X線管の陽極及び陰極の間に流れる第2の電流値を測定するステップと、測定された第2の電流値と、測定された第1の電流値との電流比に基づいてX線管の真空度に関する診断情報を生成するステップとを備える。
本発明によれば、簡易な構成により高精度でX線管の劣化診断を実行することができる。
比較例として示される一般的なX線発生装置の構成を説明するブロック図である。 本実施の形態に係るX線発生装置の構成を説明するブロック図である。 パッシェン曲線の一例を示す対数グラフである。 本実施の形態に係るX線発生装置100による真空度診断によるX線管の実測データを示す散布図である。 図4のグラフの一部領域の拡大図である。 本実施の形態に係るX線発生装置の診断モードにおける制御処理を説明するフローチャートである。 本実施の形態に係るX線発生装置の直流電源の制御処理を説明するフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、比較例として示される一般的なX線発生装置の構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、比較例のX線発生装置100♯は、筐体110と、X線管120と、直流電源160及び170とを備える。X線管120は、真空外囲器121によって密閉されることで、内部が真空に保持される。
X線管120は、真空外囲器121の内部に密閉された、陰極140及び陽極150を有する。陰極140の表面には、フィラメント145が取り付けられる。陽極150の表面には、フィラメント145と対向する位置に、ターゲット155が形成される。
フィラメント145には、直流電源160が接続される。直流電源160の出力電圧Vfは、一般的には、10(V)程度である。直流電源160によってフィラメント145に通電することにより、フィラメント145から、熱励起された電子5が放出される。即ち、直流電源160の出力電圧Vfによって、電子5の放出エネルギがフィラメント145へ供給される。
直流電源170の出力電圧Vdcは、一般的には、数十(kV)〜数百(kV)である。直流電源170によって、陰極140及び陽極150の間に高電圧が印加される。これにより、陰極140及び陽極150の間には、陽極150側が高電位となる電界が形成される。陽極150は、フィラメント145から放出された電子5が、当該電界によって加速されてターゲット155に衝突することで、X線を発生する。
X線は、真空外囲器121の開口部123に配置されたX線照射窓135を介して、X線管120の外部へ出力される。X線照射窓135は、気密性を有し、かつ、X線透過力が高い部材(例えば、フィルム状のベリリウム)を用いて形成される。X線照射窓135は、フランジ形状の固定部材130を介してX線管120(真空外囲器121)に固定される。固定部材130は、真空外囲器121の内部空間との接触領域を有し、かつ、真空外囲器121による密封性を維持して、X線照射窓135を真空外囲器121に固定保持するように構成される。さらに、固定部材130及び筐体110は、電気的に接続されている。
固定部材130には、X線の供給対象となる外部機器500が、ネジ止め等によって取り付けられる。外部機器500は、代表的には、分析機器又は医療機器である。通常、固定部材130に外部機器500が取付け固定されることにより、筐体110及び固定部材130は、外部機器500と共通のアースによって接地される。
X線管120は、絶縁油115が充填された筐体110の内部に格納される。絶縁油115は、高電圧が印加されるX線管120を筐体110から電気的に絶縁するとともに、X線管120の冷却機能も有している。
直流電源160及び170の出力電圧Vf,VdcがX線管120に印加されることで、X線管120のX線照射窓135からX線が出力される。X線の照射量は、直流電源160及び170の出力電圧によって変化する。具体的には、直流電源160の出力電圧Vfによって、フィラメント145から放出される電子量が変化することで、X線照射量が変化する。陰極140又は陽極150と直流電源170との間に電流センサ180を配置することによって、当該電子量に依存する電流値Ie(以下、「エミッタ電流Ie」とも称する)を検出することができる。又、直流電源170の出力電圧Vdcを変化させて、電子5を加速する電界の強度を変化させることによっても、X線照射量を変化させることが可能である。
本実施の形態では、図1に示された比較例のX線発生装置100♯に対して、X線管120内部の真空度を非破壊で診断する機能を具備した構成を説明する。
図2は、本実施の形態に係るX線発生装置の構成を説明するブロック図である。
図2を参照して、本実施の形態に係るX線発生装置100は、図1に示した比較例のX線発生装置100♯と比較して、制御回路190と、電流センサ210とをさらに備える点で異なる。
電流センサ210は、固定部材130と、接地ノードNgとの間に電気的に接続される。尚、固定部材130及び筐体110が電気的に接続されているので、電流センサ210を筐体110と接続しても、電流センサ210を固定部材130及び接地ノードNgの間に電気的に接続することができる。以下に説明するように、電流センサ210は、診断モードにおいて、電流値Iiを検出する。
制御回路190は、CPU(Central Processing Unit)191と、メモリ192と、入出力(I/O)回路193と、電子回路194とを含む。CPU191、メモリ192及びI/O回路193は、バス195を経由して、相互に信号の授受が可能である。電子回路194は、所定の演算処理を専用のハードウェアによって実行するように構成される。電子回路194は、CPU191及びI/O回路193との間で信号の授受が可能である。
制御回路190は、モード入力、及び、電流センサ180,210による電流Ie,Iiの検出値を受けるとともに、診断モードでの真空度の診断結果を示す診断情報を出力する。制御回路190は、代表的には、マイクロコンピュータによって構成することができる。尚、以下では、制御回路190による診断モードでの処理について主に説明するが、図2に示された構成例は、診断モード専用のマイクロコンピュータの配置が必須であることを意味するものではない。例えば、比較例のX線発生装置100♯において、X線発生の制御のために配置されたマイクロコンピュータ(図示せず)に、ソフトウェアの追加等によって後述する診断モード機能を追加することで、制御回路190を構成することも可能である。従って、本実施の形態に係るX線発生装置100は、比較例のX線発生装置100♯に対して、ハードウェア上は、電流センサ210を追加配置するのみで実現可能である。
X線発生装置100は、X線を照射するためのX線発生モードと、診断モードとを有する。X線発生モード及び診断モードは、ユーザによるボタン操作等に応答した、制御回路190へのモード入力によって選択することができる。
X線発生モードにおけるX線発生装置100の動作は、図1のX線発生装置100♯と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。更に、X線発生装置100では、診断モードにおいても、陰極140に対する直流電源160の接続関係は、X線発生モードと同じである。同様に、陰極140及び陽極150の間にも、X線発生モードと同じ極性で、直流電源170の出力電圧Vdcが印加される。即ち、直流電源160は「第1の直流電源」の一実施例に対応し、出力電圧Vfは「第1の直流電圧」の一実施例に対応する。同様に、直流電源170は「第2の直流電源」の一実施例に対応し、出力電圧Vdcは「第2の直流電圧」の一実施例に対応する。
X線管120の部品から出る吸蔵ガスや電子衝突による熱によって発生するガス等によって、X線管120の内部空間に存在する気体分子7が増加することによって、X線管120の真空度が劣化する。気体分子7は、電子5が衝突することによってイオン化されると、陽イオン9に変化する。
固定部材130は、電流センサ210を含む経路200によって、接地電位GNDを供給する接地ノードNgと電気的に接続されるので、X線管120の内部空間に発生した陽イオン9は、固定部材130に吸引される。これにより、経路200には、真空外囲器121の内部に発生した陽イオン量に依存した電流値Ii(以下、「イオン電流Ii」とも称する)が生じる。電流センサ210によって、当該イオン電流Iiを測定することができる。同時に、電流センサ180では、X線発生時と同様に、フィラメント145からの電子放出量に依存するエミッタ電流Ieを測定することができる。エミッタ電流Ieの値は「第2の電流値」に対応し、電流センサ180は「第2の電流センサ」の一実施例に対応する。又、イオン電流Iiの値は「第1の電流値」に対応し、電流センサ210は「第1の電流センサ」又は「電流センサ」の一実施例に対応する。
又、図2の構成では、図1のように、固定部材130又は筐体110が、外部機器500等によって、電流センサ210を含まない経路によって接地されると、電流センサ210の両端が同電位となるため、電流センサ210によってイオン電流Iiを測定することができなくなる。従って、外部機器500を固定部材130から取り外して、固定部材130及び筐体110が、電流センサ210を含む経路200によって接地されるようにすることで、電流センサ210によってイオン電流Iiを検出することが可能となる。更に、外部機器500の取り外し後には、X線照射窓135に対してX線を遮蔽するための部材が装着される。
即ち、図2では、固定部材130が「集イオン導体」の一実施例に対応し、接地ノードNgは「陽イオンを吸引する電位を供給するノード」の一実施例に対応する。これにより、比較例のX線発生装置100♯に対して、新たな部材(ハードウェア)を追加することなく、真空度診断用の「集イオン導体」構成することが可能である。尚、陽イオン9を吸引可能な電位であれば、接地電位GND以外の当該電位を供給するノードと、固定部材130との間に、電流センサ210を電気的に接続することも可能である。
通常、密閉空間の真空度は、当該空間の内部圧力によって定量的に評価される。特に、X線発生装置では、X線管120の内部の真空度の劣化による放電の発生が劣化診断のポイントとなり、このようなレベルまでの真空度が劣化(圧力が上昇)する前に、真空度の劣化を非破壊で診断することが重要である。
図3には、放電特性を示すパッシェン曲線の一例が示される。図3の横軸には、圧力(Pa)が示され、縦軸には放電電圧(V)が示される。尚、図3は、縦軸及び横軸の両方が対数目盛であり、図中の格子1つ毎に圧力及び放電電圧は10倍になる。
公知のように、パッシェン曲線は、放電電圧と、真空度、電極間距離、及び、気体の種類毎の定数との関係を示すパッションの法則から求められる。後述するように、発明者らは、本実施の形態に係る真空度診断の検証のために、放電が実際に発生した劣化品を含めて、実際にX線管を対象とする測定実験を行った。図3には、測定実験の対象となったX線管の実際の内部ガスを分析することで得られた4種類の気体(ヘリウム、窒素、水蒸気、及び、大気)についてのパッシェン曲線301〜304が示される。
図3を参照して、パッシェン曲線301〜304から、気体の種類に依存して異なる電圧で放電が発生することが理解される。パッシェン曲線301〜303からは、圧力がPx(以下、「放電圧力Px」とも称する)以上の領域で放電が発生し、パッシェン曲線304からは、圧力がPy以上の領域で放電が発生することが理解される。従って、これらのX線管を対象とする真空度の診断では、放電圧力Pxよりも低圧側の範囲で、放電圧力Pxに対する余裕度を定量的に評価する情報が必要とされる。
図4には、本実施の形態に係るX線発生装置100による真空度診断によるX線管の実測データが示される。図4では、ガス分析のための開口した測定対象のX線管を真空チャンバー内に設置した状態として、真空チャンバー内の圧力を変化させて、上述のイオン電流Ii及びエミッタ電流Ieを測定した実験結果が示される。
図4の横軸には、測定されたエミッタ電流Ie及びイオン電流Iiの電流比(Ii/Ie)が対数軸で示される。一方で、縦軸には、真空チャンバー内の圧力P(Pa)の測定値が対数軸で示される。実験は、同一機種の複数のX線管を測定対象として実行され、図4中には、X線管ごとに、電流比(Ii/Ie)及び圧力Pの実測値の組み合わせが、異なる記号でプロットされる。
図4から、(Ii/Ie)が小さい領域では、同一圧力値に対する(Ii/Ie)の値が、X線管の個体毎にばらつくことが理解される。一方で、(Ii/Ie)が上昇していくと、個体差が解消されて、同一圧力値に対する(Ii/Ie)がほぼ同等となる領域300が存在することが理解される。当該領域300では、対数グラフ上での(Ii/Ie)の変化に対する、圧力Pの変化の傾きが略一定となっている。
以下では、X線管の個体差に依らず、(Ii/Ie)に対するPの特性が、対数グラフ上で略同一の直線上にプロットされる当該領域300を「診断領域300」とも称する。診断領域300では、X線管の個体差に依らず、(Ii/Ie)を用いて、X線管120の内部圧力を定量的に推定可能であることが理解される。又、当該診断領域300によってカバーされる圧力範囲の下限値Pminは、図3に示した、放電圧力Pxの1/104倍のオーダである。
従って、本実施の形態によれば、電流比(Ii/Ie)に基づいて、Px・(1/104)以上の圧力範囲において、放電圧力Pxに向けた圧力の上昇、即ち、真空度の劣化を非破壊で診断できることが理解される。
図5には、図4の散布図のうちの診断領域300の拡大図が示される。図5では、図4に示された、複数のX線管での測定データを同一記号でプロットされ、かつ、統計処理による回帰直線として得られた特性線310が併せて表記されている。即ち、診断領域300では、特性線310を示す下記の式(1)によって、電流比(Ii/Ie)のk乗に比例する圧力P(Pa)を推定することができる。
P=C・(Ii/Ie) …(1)
尚、式(1)中の定数C及びkは、X線管120の機種毎の固定値であり、同一機種のX線管では同一値として扱うことができる。従って、X線発生装置100に組み込まれる機種のX線管120について事前に測定実験を行うことで、定数C及びkは予め定めることが可能である。即ち、特性線310又は式(1)は、「予め定められた、電流比と真空外囲器121の内部の圧力との対応関係」の一実施例に相当する。特性線310又は式(1)を示す情報は、メモリ192に予め記憶される。
制御回路190は、メモリ192に予め記憶された、特性線310又は式(1)を示す情報と、電流センサ180,210による測定値から算出された電流比(Ii/Ie)とを用いて、X線管120(真空外囲器121)の内部の圧力推定値を算出することができる。
例えば、このように算出される圧力推定値Pに対して、放電圧力Pxよりも低い閾値Pthを予め定めることで、P>Pxであるか否かを示す真空度の診断情報を示すことができる。尚、閾値Pthを複数段階に設定して、真空度の劣化度(圧力の上昇度)を複数レベルで示すように、真空度の診断情報を生成することも可能である。又は、定量的な真空度の診断情報として、圧力推定値Pと、閾値Pth又は放電圧力Pxとの圧力差を算出することも可能である。X線管120内での放電発生に直接関連する物理量である圧力に換算して、真空度劣化のイメージが容易な診断情報を提供することで、ユーザ利便性の向上を図ることができる。
又、特性線310に従って、上述した圧力の閾値Pthに対応させて、電流比(Ii/Ie)の閾値Jthを予め定めることができる。これにより、単一または複数段階の閾値Jthと、電流比(Ii/Ie)の測定値との比較に基づく、真空度の診断情報を生成することができる。或いは、定量的な真空度の診断情報として、電流比(Ii/Ie)の測定値と、閾値Jthとの差を算出することも可能である。
図6は、本実施の形態に係るX線発生装置の診断モードにおける制御処理を説明するフローチャートである。図6に係る制御処理は、例えば、制御回路190によって実行することができる。
図6を参照して、制御回路190は、ステップ510により、制御回路190へのモード入力により、診断モードがオンされているか否かを判定する。診断モードがオンされていると(ステップ510のYES判定時)、ステップ520以降の診断モードの処理が開始される。一方で、診断モードのオフ時、即ち、X線発生モードでは(ステップ510のNO判定時)、ステップ520以降の処理は起動されない。
制御回路190は、ステップ520では、固定部材130を「集イオン導体」として、直流電源160及び170を作動させる。これにより、図2で説明したように、直流電源160によるフィラメント145の通電によって放出された電子5が、直流電源170の出力電圧Vdcによる電界によって加速される。そして、電子5が気体分子7に衝突することによって発生した陽イオン9が、上記集イオン導体に吸引されることによって、イオン電流Iiが発生する。
制御回路190は、ステップ520の状態下で、ステップ530により電流センサ180の検出値からエミッタ電流Ieを測定し、ステップ540により、電流センサ210の検出値からイオン電流Iiを測定する。尚、ステップ530及びステップ540は、逆の順序で実行されてもよく、同時に実行されてもよい。
上述のように、集イオン導体となる固定部材130、又は、固定部材130と電気的に接続される筐体110が、電流センサ210を含まない経路によって接地されると、ステップ540において、イオン電流Iiの測定値が0となる。従って、ステップ540とともに、ステップ540でのイオン電流Iiの測定値を判定値εと比較するステップ541が更に実行される。
Ii<ε、すなわち、Ii=0と判定される場合には(ステップ541のYES判定時)、ステップ542により、筐体110及び固定部材130の状態の確認を促すメッセージ、具体的には、筐体110又は固定部材130(集イオン導体)が、電流センサ210以外の部材と電気的に接続されていないことの確認を促すメッセージを出力して、診断モードの処理を一旦終了することが好ましい。
一方で、制御回路190は、ステップ540によりイオン電流Iiが測定できた場合には(ステップ541のYES判定時)、ステップ550により、電流比(Ii/Ie)に基づく診断情報を生成する。診断情報は、上述のように、電流比(Ii/Ie)からの圧力推定値と閾値Pth(図5)との関係に基づく情報,又は、電流比(Ii/Ie)と閾値Jth(図5)との関係に基づく情報を用いることができる。
制御回路190は、ステップ560により、ステップ550で生成された診断情報を出力するとともに、ステップ570により、診断モードを正常終了する。ステップ560における出力態様は特に限定されない。例えば、診断情報は、特定の表示画面(図示せず)に視認可能な文字、数字、イラスト等を用いた態様で出力されてもよいし、発光ダイオード(LED)等のランプの点灯及び非点灯によって出力されてもよい。或いは、診断情報は、インターネット等を経由して、サービスセンタのサーバへ送信される態様で出力されてもよい。
このように本実施の形態に係るX線発生装置によれば、イオン電流Ii及びエミッタ電流Ieの電流比(Ii/Ie)に基づいて、真空度の劣化を診断することができる。ここで、X線管120の真空度は、X線管120の内部空間に存在する気体分子7の数に依存する。イオン電流Iiによって、特許文献2の測定電流と同様に、陽イオン9は、気体分子7が電子5と衝突することによって発生する陽イオン量を定量的に検出できるが、陽イオン量は、X線管120の内部空間に存在する気体分子7の数のみではなく、フィラメント145からの電子放出量にも左右される。
従って、フィラメント145からの電子放出量に依存するエミッタ電流Ieと、イオン電流Iiとの電流比(Ii/Ie)を用いることにより、X線管120の内部空間に存在する気体分子7の数、即ち、真空度を、イオン電流Ii単体による診断よりも高精度に診断することができる。
又、X線発生装置100では、直流電源160及び170と、陰極140及び陽極150との間の接続関係を、X線発生モードから変化させることなく、筐体110及び固定部材130を「集イオン導体」として作用させることができる。即ち、陰極140及び陽極150への印加電圧をX線発生モード及び診断モードの間で切り替える機構の配置が不要であるので、特許文献2よりも簡易な構成で真空度の診断を行うことができる。
更に、本実施の形態1に係るX線発生装置100では、直流電源170の出力電圧Vdcについては、X線発生モード及び診断モードの間に切り替えることが好ましい。
図7は、本実施の形態に係るX線発生装置100での直流電源170の制御処理を説明するフローチャートである。図7に示す制御処理は、制御回路190によって実行することができる。
図7を参照して、制御回路190は、ステップ610により、診断モードであるか否かを判断する。診断モードでない場合、即ち、X線発生モードである場合(ステップ610のNO判定時)には、ステップ630により、直流電源170の出力電圧Vdc=Vhに設定される。Vhは、比較例に係るX線発生装置100♯での出力電圧Vdcと同等であり、数十(kV)〜数百(kV)程度である。
一方で、制御回路190は、診断モードの場合(ステップ610のYES判定時)には、ステップ620により、直流電源170の出力電圧Vdc=Vmに設定する。Vmは、X線発生モードでのVhよりも低電圧であり、例えば、100(V)程度とすることができる。X線管120の内部での放電は、高電圧印加により発生し易くなるので、出力電圧Vdcを低下することにより、診断時の放電の発生を防止して、安定的に診断モードを実行することが可能となる。又、不要なX線の発生も抑制することができる。
図7に示した出力電圧Vdcの制御は、直流電源170を出力電圧の変更機能を有する電力変換器で構成することにより、制御回路190から直流電源170に対して、出力電圧Vdcの指令値を切り替える信号、又は、出力電圧Vdcの指令値を与えることで実現することが可能である。
尚、本実施の形態において、X線管120の内部構造は一例であり、電子を放出するフィラメントを有する陰極、及び、電子の照射によってX線を発生する陽極を有するものであれば、任意の構造のX線管に対して、エミッタ電流Ie及びイオン電流Iiの電流比の測定値に基づく本実施の形態による真空度の診断を適用することが可能である。
又、本実施の形態では、真空度の診断機能を内蔵したX線発生装置100の構成を説明したが、電流センサ210及び制御回路190を1ユニット化した「診断装置」を構成することも可能である。例えば、電流センサ210及び制御回路190を筐体内に一体的に格納した診断装置を、外部機器500が取り外された固定部材130、又は、固定部材と電気的に接続された筐体110に取り付けることによって、図2に示された経路200が固定部材130に対して形成されるように構成することが可能である。この際には、制御回路190は、診断モードにおいて、X線発生装置100の電流センサ180によるエミッタ電流Ieの測定値を取得して、診断装置側の電流センサ210によるイオン電流Iiの測定値との電流比(Ii/Ie)を算出して診断情報を生成することができる。
最後に、本実施の形態で開示したX線発生装置、並びに、その診断装置及び診断方法について総括する。
本開示の第1の態様は、X線発生装置(100)に関する。X線発生装置は、X線管(120)と、第1の直流電源(160)及び第2の直流電源(170)と、第1の電流センサ(210)及び第2の電流センサ(180)と、制御回路(190)とを備える。X線管は、真空外囲器(121)の内部に密閉された陰極(140)及び陽極(150)と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体(130)とを有する。陰極は、電子を放出する電子源(145)を有する。陽極は、陰極と対向して配置されて、電子源から放出された電子が入射することによってX線を放射するように構成される。第1の直流電源は、電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧(Vf)を印加する。第2の直流電源は、陰極及び陽極の間に陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧(Vdc)を印加する。第1の電流センサは、集イオン導体(130)と、真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノード(Ng)との間に流れる第1の電流値(Ii)を測定する。第2の電流センサは、陽極及び陰極の間に流れる第2の電流値(Ie)を測定する。制御回路は、第1及び第2の直流電圧が印加された状態における、第2の電流センサによって測定された第2の電流値と、第1の電流センサによって測定された第1の電流値との電流比(Ii/Ie)に基づいてX線管の真空度に関する診断情報を生成する。
上記第1の態様によれば、X線管(真空外囲器)の内部で気体分子が電子と衝突することによって生じる陽イオン量に依存する第1の電流値と、電子源からの放出電子量に依存する第2の電流値との電流比を用いることにより、X線管の内部空間に存在する気体分子の数、即ち、真空度を、第1の電流値単体による診断よりも高精度に診断する機能を、X線発生装置に具備することができる。
本開示の第1の態様に係る実施形態では、制御回路(190)は、記憶部(192)を有する。記憶部には、予め定められた、X線管(120)における、電流比(Ii/Ie)と真空外囲器の内部の圧力との対応関係(310)を示す情報が格納される。診断情報は、第1及び第2の電流センサ(180,210)の測定値による電流比と対応関係とを用いて算出された圧力推定値を用いて生成される。
このような構成とすることにより、X線管内での放電発生に直接関連する物理量である圧力に換算して、真空度劣化のイメージが容易な診断情報を提供することで、ユーザ利便性の向上を図ることができる。
或いは、本開示の第1の態様に係る実施形態では、X線管(120)は、X線照射窓(135)と、固定部材(130)とをさらに有する。X線照射窓は、真空外囲器(121)の開口部に配置されて、気密性を有するとともにX線を透過する材料によって形成される。固定部材は、真空外囲器による密封性を維持して、X線照射窓を真空外囲器に固定保持する。集イオン導体は、固定部材によって構成される。
このような構成とすることにより、新たな部材(ハードウェア)を追加することなく、真空度診断用の「集イオン導体」構成することができる。
又、本開示の第1の態様に係る実施形態では、X線発生装置(100)の動作モードは、X線を出力する第1のモードと、診断情報の生成によって真空度に関する診断を行う第2のモードとを有する。第2のモードにおける第2の直流電圧(Vdc)は、第1のモードでの第2の直流電圧よりも低い電圧に制御される。
このような構成とすることにより、放電の発生を防止して、安定的に真空度の診断を実行することが可能となるとともに、不要なX線の発生を抑制することができる。
本発明の第2の態様は、X線管(120)を備えたX線発生装置(100)の診断装置に関する。X線管(120)は、真空外囲器(121)の内部に密閉された、陽極(150)及び電子源(145)を有する陰極(140)と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体(130)とを有する。診断装置は、電流センサ(210)と、制御回路(190)とを備える。電流センサは、集イオン導体(130)と、真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノード(Ng)との間に流れる第1の電流値(Ii)を測定する。制御回路(190)は、X線発生装置(100)において、電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧(Vf)が印加されるとともに、陰極及び陽極の間に陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧(Vdc)が印加された状態下において、X線管の陽極及び陰極の間に流れる第2の電流値(Ie)の測定値をX線発生装置から取得するとともに、取得した当該第2の電流値と、電流センサによって測定された第1の電流値との電流比(Ii/Ie)に基づいてX線管の真空度に関する診断情報を生成する。
上記第2の態様によれば、X線発生装置に取り付けられる診断装置によって、X線管(真空外囲器)の内部で気体分子が電子と衝突することによって生じる陽イオン量に依存する第1の電流値と、電子源からの放出電子量に依存する第2の電流値との電流比を用いることにより、X線管の内部空間に存在する気体分子の数、即ち、真空度を、第1の電流値単体による診断よりも高精度に診断することができる。
本発明の第3の態様は、X線管(120)を備えたX線発生装置(100)の診断方法に関する。X線管(120)は、真空外囲器(121)の内部に密閉された、陽極(150)及び電子源(145)を有する陰極(140)と、真空外囲器の内部空間と接触するように真空外囲器に取り付けられた集イオン導体(130)とを有する。診断方法は、電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧(Vf)を印加するとともに、陰極及び陽極の間に陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧(Vdc)を印加するステップ(520)と、第1及び第2の直流電圧が印加された状態下での、集イオン導体(130)と、真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノード(Ng)との間に流れる第1の電流値(Ii)を測定するステップ(540)と、第1及び第2の直流電圧が印加された状態下での、X線管の陽極及び陰極の間に流れる第2の電流値(Ie)を測定するステップ(530)と、測定された第2の電流値と、測定された第1の電流値との電流比に基づいてX線管の真空度に関する診断情報を生成するステップ(550)とを備える。
上記第3の態様によれば、X線発生装置において、X線管(真空外囲器)の内部で気体分子が電子と衝突することによって生じる陽イオン量に依存する第1の電流値と、電子源からの放出電子量に依存する第2の電流値との電流比を用いることにより、X線管の内部空間に存在する気体分子の数、即ち、真空度を、第1の電流値単体による診断よりも高精度に診断することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 電子、7 気体分子、9 陽イオン、100,100♯ X線発生装置、110 筐体、115 絶縁油、120 X線管、121 真空外囲器、123 開口部、130 固定部材、135 X線照射窓、140 陰極、145 フィラメント、150 陽極、155 ターゲット、160,170 直流電源、180 電流センサ(エミッタ電流)、190 制御回路、191 CPU、192 メモリ、193 I/O回路、194 電子回路、195 バス、200 経路、210 電流センサ(イオン電流)、300 診断領域、301〜304 パッシェン曲線、310 特性線(電流比−圧力)、500 外部機器、Ie エミッタ電流、Ii イオン電流、Jth,Pth 閾値、Ng 接地ノード、P 圧力、Px 放電圧力、Vdc,Vf 出力電圧(直流電源)。

Claims (6)

  1. X線発生装置であって、
    真空外囲器の内部に密閉された陰極及び陽極と、前記真空外囲器の内部空間と接触するように前記真空外囲器に取り付けられた集イオン導体とを有するX線管を備え、
    前記陰極は、電子を放出する電子源を有し、
    前記陽極は、前記陰極と対向して配置されて、前記電子源から放出された電子が入射することによってX線を放射するように構成され、
    前記X線発生装置は、
    前記電子源に前記電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧を印加する第1の直流電源と、
    前記陰極及び前記陽極の間に前記陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧を印加する第2の直流電源と、
    前記集イオン導体と、前記真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノードとの間に流れる第1の電流値を測定する第1の電流センサと、
    前記陽極及び前記陰極の間に流れる第2の電流値を測定する第2の電流センサと、
    前記第1及び第2の直流電圧が印加された状態における、前記第2の電流センサによって測定された前記第2の電流値と、前記第1の電流センサによって測定された前記第1の電流値との電流比に基づいて前記X線管の真空度に関する診断情報を生成する制御回路とを備える、X線発生装置。
  2. 前記制御回路は、
    予め定められた、前記X線管における、前記電流比と前記真空外囲器の内部の圧力との対応関係を示す情報を格納する記憶部を有し、
    前記診断情報は、前記第1及び第2の電流センサの測定値による前記電流比と前記対応関係とを用いて算出された圧力推定値を用いて生成される、請求項1記載のX線発生装置。
  3. 前記X線管は、
    前記真空外囲器の開口部に配置された、気密性を有するとともに前記X線を透過する材料によって形成されるX線照射窓と、
    前記真空外囲器による密封性を維持して、前記X線照射窓を前記真空外囲器に固定保持する固定部材とをさらに有し、
    前記集イオン導体は、前記固定部材によって構成される、請求項1記載のX線発生装置。
  4. 前記X線発生装置の動作モードは、前記X線を出力する第1のモードと、前記診断情報の生成によって前記真空度に関する診断を行う第2のモードとを有し、
    前記第2のモードにおける前記第2の直流電圧は、前記第1のモードでの前記第2の直流電圧よりも低い電圧に制御される、請求項1記載のX線発生装置。
  5. 真空外囲器の内部に密閉された、陽極及び電子源を有する陰極と、前記真空外囲器の内部空間と接触するように前記真空外囲器に取り付けられた集イオン導体とを有するX線管を備えたX線発生装置の診断装置であって、
    前記診断装置は、
    前記集イオン導体と、前記真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノードとの間に流れる第1の電流値を測定する電流センサと、
    前記X線発生装置において、前記電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧が印加されるとともに、前記陰極及び前記陽極の間に前記陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧が印加された状態下において、前記X線管の前記陽極及び前記陰極の間に流れる第2の電流値の測定値を前記X線発生装置から取得するとともに、取得した当該第2の電流値と、前記電流センサによって測定された前記第1の電流値との電流比に基づいて前記X線管の真空度に関する診断情報を生成する制御回路とを備える、診断装置。
  6. 真空外囲器の内部に密閉された、陽極及び電子源を有する陰極と、前記真空外囲器の内部空間と接触するように前記真空外囲器に取り付けられた集イオン導体とを有するX線管を備えたX線発生装置の診断方法であって、
    前記電子源に電子の放出エネルギとなる第1の直流電圧を印加するとともに、前記陰極及び前記陽極の間に前記陽極を高電位側とする電界を発生させるための第2の直流電圧を印加するステップと、
    前記第1及び第2の直流電圧が印加された状態下での、前記集イオン導体と、前記真空外囲器内の陽イオンを吸引する電位を供給するノードとの間に流れる第1の電流値を測定するステップと、
    前記第1及び第2の直流電圧が印加された状態下での、前記X線管の前記陽極及び前記陰極の間に流れる第2の電流値を測定するステップと、
    測定された前記第2の電流値と、測定された前記第1の電流値との電流比に基づいて前記X線管の真空度に関する診断情報を生成するステップとを備える、診断方法。
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