JPWO2020175691A1 - 導電性粒子、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

導電性粒子、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、かつ、導電性粒子同士の凝集の発生を効果的に抑制することができる導電性粒子を提供する。本発明に係る導電性粒子(1、11、21)は、基材粒子(2)と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部(3、12、22)とを備え、前記基材粒子が、前記基材粒子の内部に導電性金属を含有する。

Description

本発明は、基材粒子の表面上に導電部が配置されている導電性粒子に関する。また、本発明は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。また、導電性粒子として、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する導電性粒子が用いられることがある。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられている。上記異方性導電材料を用いる接続としては、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
上記導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、ニッケル層と、該ニッケル層上に形成されている金層とを備える導電性粒子が開示されている。上記金層の平均膜厚は300Å以下である。この導電性粒子では、上記金層は最外層である。また、この導電性粒子では、X線光電子分光分析による導電性粒子の表面におけるニッケル及び金の元素組成比(Ni/Au)が0.4以下である。
下記の特許文献2には、コア粒子と、Niめっき層と、貴金属めっき層と、防錆膜とを備える導電性粒子が開示されている。上記Niめっき層は、上記コア粒子を被覆している。上記貴金属めっき層は、上記Niめっき層の少なくとも一部を被覆している。上記貴金属めっき層は、Au及びPdのうち少なくともいずれかを含む。上記防錆膜は、上記Niめっき層及び上記貴金属めっき層のうち少なくともいずれかを被覆している。上記防錆膜は、有機化合物を含む。
特開2009−102731号公報 特開2013−20721号公報
近年、導電性粒子を含む導電材料では、プリント配線板等における配線及びコネクター等のファインピッチ化により、導電性粒子の小粒子径化が進行している。
小粒子径の導電性粒子を用いて電極間を接続して接続構造体を作製する際に、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くするために、導電性粒子における導電部の厚みを厚くすることがある。しかしながら、導電部の厚みを厚くすると、めっきにより導電部を形成する際に、導電性粒子同士が凝集することがある。導電性粒子同士の凝集が発生すると、横方向に隣接する電極間が接続されやすい傾向があり、横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を高めることが困難な場合がある。
また、導電性粒子同士の凝集を抑制するために、導電部の厚みを薄くすると、めっきにより導電部を形成する際に、導電性粒子同士の凝集を抑制することができるものの、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くすることが困難となる。従来の導電性粒子では、電極間の接続抵抗を低くすることと、導電性粒子同士の凝集の発生を抑制することとの双方を両立させることは困難である。
本発明の目的は、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、かつ、導電性粒子同士の凝集の発生を効果的に抑制することができる導電性粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備え、前記基材粒子が、前記基材粒子の内部に導電性金属を含有する、導電性粒子が提供される。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記基材粒子の空隙率が、10%以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性金属が、ニッケル、金、パラジウム、銀、又は銅を含む。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が、ニッケル、金、パラジウム、銀、又は銅を含む。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子の10%K値が、100N/mm以上25000N/mm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子の30%K値が、100N/mm以上15000N/mm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子の10%K値の、前記導電性粒子の30%K値に対する比が、1.5以上5以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子の粒子径が、0.1μm以上1000μm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子100体積%中、前記基材粒子に含まれる前記導電性金属の含有量が、0.1体積%以上30体積%以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子が、前記導電部の外表面に突起を有する。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子が、前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備える。
本発明の広い局面によれば、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料が提供される。
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料が、複数の前記導電性粒子を含み、前記基材粒子の外表面から中心に向かって、前記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R1としたときに、前記導電性粒子の全個数100%中、前記基材粒子の前記領域R1に前記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合が、50%以上である。
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料が、複数の前記導電性粒子を含み、前記基材粒子の中心から外表面に向かって、前記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R2としたときに、前記導電性粒子の全個数100%中、前記基材粒子の前記領域R2に前記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合が、5%以上である。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であり、前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備える。本発明に係る導電性粒子では、上記基材粒子が、上記基材粒子の内部に導電性金属を含有する。本発明に係る導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、かつ、導電性粒子同士の凝集の発生を効果的に抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、基材粒子において、導電性金属の存在の有無を確認する各領域を説明するための模式図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(導電性粒子)
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備える。本発明に係る導電性粒子では、上記基材粒子が、上記基材粒子の内部に導電性金属を含有する。
本発明に係る導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、かつ、導電性粒子同士の凝集の発生を効果的に抑制することができる。
小粒子径の導電性粒子を用いて電極間を接続して接続構造体を作製する際に、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くするために、導電性粒子における導電部の厚みを厚くすることがある。しかしながら、導電部の厚みを厚くすると、めっきによる導電部の形成の際に、導電性粒子同士が凝集することがある。導電性粒子同士の凝集が発生すると、横方向に隣接する電極間が接続されやすい傾向があり、横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を高めることが困難な場合がある。
また、導電性粒子同士の凝集を抑制するために、導電部の厚みを薄くすると、めっきによる導電部の形成の際に、導電性粒子同士の凝集を抑制することができるものの、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くすることが困難となる。従来の導電性粒子では、電極間の接続抵抗を低くすることと、導電性粒子同士の凝集の発生を抑制することとの双方を両立させることは困難である。
本発明者らは、特定の導電性粒子を用いることで、電極間の接続抵抗を低くすることと、導電性粒子同士の凝集の発生を抑制することとの双方を両立させることができることを見出した。本発明では、上下方向の電極間の接続時に導電性粒子が圧縮されることで、導電性粒子の表面(導電部)に導通経路が形成されるだけではなく、導電性粒子の内部(導電性金属)にも導通経路を形成させることができる。また、導電性粒子の内部の導電性金属は、完全な導通経路を形成しなくても、接続抵抗の低減に少なからず寄与する。結果として、導電部の厚みが比較的薄い場合でも、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くすることができる。また、導電部の厚みが比較的薄いので、導電性粒子同士の凝集の発生を抑制することができ、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を効果的に高めることができる。本発明では、上記の構成が備えられているので、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、かつ、導電性粒子同士の凝集の発生を効果的に抑制することができる。また、本発明では、基材粒子の表面だけではなく、基材粒子の内部にも導通経路(導電部)が形成され、導通経路(導電部)が基材粒子の内部に入り込むことができる。結果として、導電性粒子における導電部の密着性を効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生を効果的に抑制することができる。
本発明では、上記のような効果を得るために、特定の導電性粒子を用いることは大きく寄与する。
上記導電性粒子の10%K値(10%圧縮したときの圧縮弾性率)は、好ましくは100N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上であり、好ましくは25000N/mm以下、より好ましくは20000N/mm以下である。上記導電性粒子の10%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子の割れの発生をより一層効果的に抑制することができ、電極間の接続信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記導電性粒子の30%K値(30%圧縮したときの圧縮弾性率)は、好ましくは100N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上であり、好ましくは15000N/mm以下、より好ましくは10000N/mm以下である。上記導電性粒子の30%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子の割れの発生をより一層効果的に抑制することができ、電極間の接続信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記導電性粒子の10%K値の、上記導電性粒子の30%K値に対する比(導電性粒子の10%K値/導電性粒子の30%K値)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.55以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは4.5以下である。上記比(導電性粒子の10%K値/導電性粒子の30%K値)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子の割れの発生をより一層効果的に抑制することができ、電極間の接続信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記導電性粒子における上記10%K値及び上記30%K値は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で導電性粒子1個を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率(10%K値及び30%K値)を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機としては、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。上記導電性粒子における上記10%K値及び上記30%K値は、任意に選択された50個の導電性粒子の10%K値及び30%K値を算術平均することにより、算出することが好ましい。
10%K値及び30%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R 1/2
F:導電性粒子が10%又は30%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が10%又は30%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、導電性粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、導電性粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。また、上記比(導電性粒子の10%K値/導電性粒子の30%K値)は、導電性粒子の初期圧縮時の物性を定量的かつ一義的に表すことができる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは10μm以下である。上記導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電部を形成する際に凝集した導電性粒子が形成され難くなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電部が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記導電性粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、数平均粒子径であることが好ましい。上記導電性粒子の粒子径は、例えば、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各導電性粒子の粒子径の平均値を算出することや、粒度分布測定装置を用いて求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの導電性粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の導電性粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。粒度分布測定装置では、1個当たりの導電性粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記導電性粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて算出することが好ましい。
上記導電性粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。上記導電性粒子の粒子径の変動係数が、上記上限以下であると、電極間の導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:導電性粒子の粒子径の標準偏差
Dn:導電性粒子の粒子径の平均値
上記導電性粒子の形状は特に限定されない。上記導電性粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等であってもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図1に示す導電性粒子1は、基材粒子2と、導電部3とを有する。導電部3は、基材粒子2の表面上に配置されている。第1の実施形態では、導電部3は、基材粒子2の表面に接している。導電性粒子1は、基材粒子2の表面が導電部3により被覆された被覆粒子である。
導電性粒子1では、導電部3は、単層の導電層である。導電性粒子1では、基材粒子2は、基材粒子2の内部に導電性金属を含有する。上記導電性粒子では、上記導電部が上記基材粒子の表面の全体を覆っていてもよく、上記導電部が上記基材粒子の表面の一部を覆っていてもよい。上記導電性粒子では、上記導電部は、単層の導電層であってもよく、2層以上の層から構成される多層の導電層であってもよい。
導電性粒子1は、後述する導電性粒子11,21とは異なり、芯物質を有さない。導電性粒子1は表面に突起を有さない。導電性粒子1は球状である。導電部3は外表面に突起を有さない。このように、本発明に係る導電性粒子は導電性の表面に突起を有していなくてもよく、球状であってもよい。また、導電性粒子1は、後述する導電性粒子11,21とは異なり、絶縁性物質を有さない。但し、導電性粒子1は、導電部3の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子11は、基材粒子2と、導電部12と、複数の芯物質13と、複数の絶縁性物質14とを有する。導電部12は、基材粒子2の表面上に基材粒子2に接するように配置されている。
導電性粒子11では、導電部12は、単層の導電層である。導電性粒子11では、基材粒子2は、基材粒子2の内部に導電性金属を含有する。上記導電性粒子では、上記導電部が上記基材粒子の表面の全体を覆っていてもよく、上記導電部が上記基材粒子の表面の一部を覆っていてもよい。上記導電性粒子では、上記導電部は、単層の導電層であってもよく、2層以上の層から構成される多層の導電層であってもよい。
導電性粒子11は導電性の表面に、複数の突起11aを有する。導電部12は外表面に、複数の突起12aを有する。複数の芯物質13が、基材粒子2の表面上に配置されている。複数の芯物質13は、導電部12内に埋め込まれている。芯物質13は、突起11a,12aの内側に配置されている。導電部12は、複数の芯物質13を被覆している。複数の芯物質13により導電部12の外表面が***されており、突起11a,12aが形成されている。
導電性粒子11は、導電部12の外表面上に配置された絶縁性物質14を有する。導電部12の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質14により被覆されている。絶縁性物質14は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、本発明に係る導電性粒子は、導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。但し、本発明に係る導電性粒子は、絶縁性物質を必ずしも有していなくてもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21は、基材粒子2と、導電部22と、複数の芯物質13と、複数の絶縁性物質14とを有する。導電部22は全体で、基材粒子2側に第1の導電部22Aと、基材粒子2側とは反対側に第2の導電部22Bとを有する。
導電性粒子11と導電性粒子21とでは、導電部のみが異なっている。すなわち、導電性粒子11では、1層構造の導電部12が形成されているのに対し、導電性粒子21では、2層構造の第1の導電部22A及び第2の導電部22Bが形成されている。第1の導電部22Aと第2の導電部22Bとは別の導電部として形成されている。
第1の導電部22Aは、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電部22Bとの間に、第1の導電部22Aが配置されている。第1の導電部22Aは、基材粒子2に接している。第2の導電部22Bは、第1の導電部22Aに接している。従って、基材粒子2の表面上に第1の導電部22Aが配置されており、第1の導電部22Aの表面上に第2の導電部22Bが配置されている。導電性粒子21は導電性の表面に、複数の突起21aを有する。導電部22は外表面に複数の突起22aを有する。第1の導電部22Aは外表面に、複数の突起22Aaを有する。第2の導電部22Bは外表面に、複数の突起22Baを有する。
以下、導電性粒子の他の詳細について説明する。
(基材粒子)
上記基材粒子の材料は特に限定されない。上記基材粒子の材料は、有機材料であってもよく、無機材料であってもよい。上記有機材料のみより形成された基材粒子としては、樹脂粒子等が挙げられる。上記無機材料のみにより形成された基材粒子としては、金属を除く無機粒子等が挙げられる。上記有機材料と上記無機材料との双方により形成された基材粒子としては、有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。基材粒子の圧縮特性をより一層良好にする観点からは、上記基材粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましく、樹脂粒子であることがより好ましい。
上記有機材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ジビニルベンゼン重合体、並びにジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。上記ジビニルベンゼン共重合体等としては、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体及びジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記基材粒子の圧縮特性を好適な範囲に容易に制御できるので、上記基材粒子の材料は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記基材粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、ビニル化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリル化合物として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリレート化合物;α−オレフィン化合物として、ジイソブチレン、イソブチレン、リニアレン、エチレン、プロピレン等のオレフィン化合物;共役ジエン化合物として、イソプレン、ブタジエン等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、ビニル化合物として、ジビニルベンゼン、1,4−ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル単量体;(メタ)アクリル化合物として、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;アリル化合物として、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル;シラン化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランアルコキシド化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシシラン、ジメトキシエチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、エチルメチルジビニルシラン、メチルビニルジメトキシシラン、エチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、エチルビニルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性二重結合含有シランアルコキシド;デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン;片末端変性シリコーンオイル、両末端シリコーンオイル、側鎖型シリコーンオイル等の変性(反応性)シリコーンオイル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体等が挙げられる。
上記基材粒子は、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させることによって得ることができる。上記の重合方法としては特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合、重縮合(縮合重合、縮重合)、付加縮合、リビング重合、及びリビングラジカル重合等の公知の方法が挙げられる。また、他の重合方法としては、ラジカル重合開始剤の存在下での懸濁重合が挙げられる。
上記無機材料としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア、カーボンブラック、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ソーダ石灰ガラス及びアルミナシリケートガラス等が挙げられる。
上記基材粒子は、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。上記基材粒子は、コアシェル粒子であってもよい。上記基材粒子が有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子の材料である無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された基材粒子としては特に限定されないが、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる基材粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアは、有機コアであることが好ましい。上記シェルは、無機シェルであることが好ましい。上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機コアの材料としては、上述した有機材料等が挙げられる。
上記無機シェルの材料としては、上述した基材粒子の材料として挙げた無機物が挙げられる。上記無機シェルの材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
上記基材粒子のBET比表面積は、好ましくは8m/g以上、より好ましくは12m/g以上であり、好ましくは1200m/g以下、より好ましくは1000m/g以下である。上記BET比表面積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基材粒子の内部に導電性金属をより一層容易に含有させることができる。上記BET比表面積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記BET比表面積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記BET比表面積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記基材粒子のBET比表面積は、BET法に準拠して、窒素の吸着等温線から測定することができる。上記基材粒子のBET比表面積の測定装置としては、カンタクローム・インスツルメンツ社製「NOVA4200e」等が挙げられる。
上記基材粒子の全細孔容積は、好ましくは0.01cm/g以上、より好ましくは0.1cm/g以上であり、好ましくは3cm/g以下、より好ましくは1.5cm/g以下である。上記全細孔容積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基材粒子の内部に導電性金属をより一層容易に含有させることができる。上記全細孔容積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記全細孔容積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記全細孔容積が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記基材粒子の全細孔容積は、BJH法に準拠して、窒素の吸着等温線から測定することができる。上記基材粒子の全細孔容積の測定装置としては、カンタクローム・インスツルメンツ社製「NOVA4200e」等が挙げられる。
上記基材粒子の平均細孔径は、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下である。上記基材粒子の平均細孔径の下限は特に限定されない。上記基材粒子の平均細孔径は、1nm以上であってもよい。上記平均細孔径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基材粒子の内部に導電性金属をより一層容易に含有させることができる。上記平均細孔径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記平均細孔径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記平均細孔径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記基材粒子の平均細孔径は、BJH法に準拠して、窒素の吸着等温線から測定することができる。上記基材粒子の平均細孔径の測定装置としては、カンタクローム・インスツルメンツ社製「NOVA4200e」等が挙げられる。
上記基材粒子の空隙率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下である。上記空隙率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、基材粒子の内部に導電性金属をより一層容易に含有させることができる。上記空隙率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記空隙率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記空隙率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記基材粒子の空隙率は、水銀圧入法により印加した圧力に対して水銀の積算侵入量を測定することで算出することができる。上記基材粒子の空隙率の測定装置としては、カンタクローム・インスツルメンツ社製の水銀ポロシメーター「ポアーマスター60」等が挙げられる。
上記BET比表面積及び上記空隙率等の好ましい範囲を満足する基材粒子は、例えば、下記の工程を備える基材粒子の製造方法により得ることができる。重合性モノマーと、上記重合性モノマーとは反応しない有機溶剤とを混合し、重合性モノマー溶液を調整する工程。上記重合性モノマー溶液と、アニオン性分散安定剤とを極性溶媒に添加して乳化させて乳化液を得る工程。上記乳化液を数回に分けて添加し、種粒子にモノマーを吸収させて、モノマーが膨潤した種粒子を含む懸濁液を得る工程。上記重合性モノマーを重合させて基材粒子を得る工程。上記重合性モノマーとしては、単官能性モノマー、及び多官能性モノマー等が挙げられる。上記重合性モノマーとは反応しない有機溶剤は、重合系の媒体である水等の極性溶媒と相溶しないものであれば、特に限定されない。上記有機溶剤としては、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アリル、酢酸プロピル、クロロホルム、メチルシクロヘキサン、及びメチルエチルケトン等が挙げられる。上記有機溶剤の添加量は、上記重合性モノマー成分100重量部に対して、105重量部〜215重量部であることが好ましく、110重量部〜210重量部であることがより好ましい。上記有機溶剤の添加量が、上記の好ましい範囲であると、BET比表面積、及び空隙率等をより一層好適な範囲に制御することができ、粒子内部で緻密な細孔が得られやすくなる。
上記BET比表面積及び上記空隙率等の好ましい範囲を満足する基材粒子は、基材粒子の内部に比較的多くの空隙が存在するため、基材粒子の表面上に導電部を形成する際に、基材粒子の内部の微細な空隙に導電部が入り込み、基材粒子の内部に導電性金属を容易に含有させることができる。さらに、上記導電性粒子では、上下方向の電極間の接続時に導電性粒子が圧縮されることで、基材粒子の内部の導電性金属が互いに接触することで導通経路が形成されることが好ましい。上記導電性粒子では、導電性粒子の表面(導電部)に導通経路が形成されるだけではなく、導電性粒子の内部(導電性金属)にも導通経路が形成される。結果として、導電部の厚みが比較的薄い場合でも、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くすることができる。また、導電部の厚みが比較的薄いので、導電性粒子同士の凝集の発生を抑制することができ、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を効果的に高めることができる。また、上記導電性粒子では、基材粒子の表面上に導電部を形成する際に、基材粒子の内部の微細な空隙に導電部が入り込むので、導電性粒子における導電部の密着性を効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生を効果的に抑制することができる。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上である。上記基材粒子の粒子径は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、さらに好ましくは50μm以下、さらに一層好ましくは10μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性をより一層高めることができ、導電性粒子を介して接続された電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。さらに、基材粒子の表面に導電部を無電解めっきにより形成する際に、凝集した導電性粒子を形成され難くすることができる。上記基材粒子の粒子径が上記上限以下であると、導電性粒子が十分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができ、さらに電極間の間隔をより小さくすることができる。
上記基材粒子の粒子径は、1μm以上3μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の粒子径が、1μm以上3μm以下の範囲内であると、基材粒子の表面に導電部を形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成され難くなる。
上記基材粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。上記基材粒子の粒子径は、任意の基材粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各基材粒子の粒子径の平均値を算出することや、粒度分布測定装置を用いて求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの基材粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の基材粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。粒度分布測定装置では、1個当たりの基材粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記基材粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて算出することが好ましい。導電性粒子において、上記基材粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
導電性粒子の含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率を25000倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の基材粒子を観察する。各導電性粒子における基材粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して基材粒子の粒子径とする。
(導電部及び導電性金属)
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備える。本発明に係る導電性粒子では、上記基材粒子が、上記基材粒子の内部に導電性金属を含有する。上記導電部は、金属を含むことが好ましい。上記導電部を構成する金属は特に限定されない。上記導電性金属は特に限定されない。上記導電部を構成する金属と上記導電性金属とは同一の金属であってもよく、異なる金属であってもよい。上記導電部に最も多く含まれる金属と上記導電性金属に最も多く含まれる金属とは、同一であることが好ましい。
上記導電部を構成する金属及び上記導電性金属としては、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記導電部を構成する金属及び上記導電性金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。上記導電部を構成する金属及び上記導電性金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くする観点からは、上記導電部は、ニッケル、金、パラジウム、銀、又は銅を含むことが好ましく、ニッケル、金又はパラジウムを含むことがより好ましい。
ニッケルを含む導電部100重量%中のニッケルの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは50重量%以上、より一層好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記ニッケルを含む導電部100重量%中のニッケルの含有量は、97重量%以上であってもよく、97.5重量%以上であってもよく、98重量%以上であってもよい。
なお、導電部の表面には、酸化により水酸基が存在することが多い。一般的に、ニッケルにより形成された導電部の表面には、酸化により水酸基が存在する。このような水酸基を有する導電部の表面(導電性粒子の表面)に、化学結合を介して、絶縁性物質を配置できる。
上記導電部は、1つの層により形成されていてもよい。上記導電部は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、上記導電部は、2層以上の積層構造を有していてもよい。上記導電部が複数の層により形成されている場合には、最外層を構成する金属は、金、ニッケル、パラジウム、銅又は錫と銀とを含む合金であることが好ましく、金であることがより好ましい。最外層を構成する金属がこれらの好ましい金属である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層を構成する金属が金である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記基材粒子の表面上に導電部を形成する方法は特に限定されない。上記導電部を形成する方法としては、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的な衝突による方法、メカノケミカル反応による方法、物理的蒸着又は物理的吸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。上記導電部を形成する方法は、無電解めっき、電気めっき又は物理的な衝突による方法であることが好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。また、上記物理的な衝突による方法としては、シーターコンポーザ(徳寿工作所社製)等が用いられる。
上記基材粒子の内部に導電性金属を含有させる方法は特に限定されない。上記基材粒子の内部に導電性金属を含有させる方法としては、多孔質粒子である基材粒子(基材粒子本体)を用いて無電解めっきする方法、及び多孔質粒子である基材粒子(基材粒子本体)を用いて電気めっきする方法等が挙げられる。多孔質粒子である基材粒子(基材粒子本体)は、基材粒子の内部に比較的多くの空隙が存在するため、基材粒子の表面上に導電部を形成する際に、基材粒子の内部の微細な空隙に導電部形成材料(めっき液等)を入り込ませることができる。基材粒子の内部に入り込んだ導電部形成材料から導電性金属を析出させることで、基材粒子の内部に導電性金属を容易に含有させることができる。多孔質粒子である基材粒子としては、上記BET比表面積及び上記空隙率等の好ましい範囲を満足する基材粒子等が挙げられる。
上記導電部の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下である。上記導電部の厚みは、導電部が多層である場合には導電部全体の厚みである。導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子を十分に変形させることができる。
上記導電部が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電部の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電部による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗を十分に低くすることができる。また、上記最外層を構成する金属が金である場合には、最外層の厚みが薄いほど、コストを低くすることができる。
上記導電部の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。上記導電部の厚みについては、任意の導電部の厚み5箇所の平均値を1個の導電性粒子の導電部の厚みとして算出することが好ましく、導電部全体の厚みの平均値を1個の導電性粒子の導電部の厚みとして算出することがより好ましい。上記導電部の厚みは、任意の導電性粒子10個について、各導電性粒子の導電部の厚みの平均値を算出することにより求めることが好ましい。
導電性粒子100体積%中、上記導電性金属の含有量は、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上であり、好ましくは70体積%以下、より好ましくは50体積%以下である。上記導電性金属の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記導電性金属の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記導電性金属の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。導電性粒子の圧縮特性をより一層良好にする観点からは、導電性粒子100体積%中における上記導電性金属の含有量は、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上であり、好ましくは50体積%以下、より好ましくは40体積%以下である。電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くする観点からは、導電性粒子100体積%中における上記導電性金属の含有量は、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上であり、好ましくは50体積%以下、より好ましくは40体積%以下である。導電性粒子100体積%中、上記導電性金属の含有量は、10体積%以上40体積%以下であることが特に好ましい。上記導電性金属の含有量が、10体積%以上40体積%以下の範囲内であると、導電性粒子の圧縮特性を良好にすることと、電極間の接続抵抗を低くすることとの双方をより高いレベルで両立させることができる。なお、上記導電性金属の含有量は、上記導電部を構成する金属と基材粒子の内部に含有された上記導電性金属との合計の含有量を意味する。基材粒子の内部に導電性金属が含有されているか否かは、後述する第1の割合及び第2の割合によって判断することが好ましい。
上記導電性金属の含有量は、以下のようにして算出できる。
導電性金属の含有量(体積%)=D×M/Dmetal×100
D:導電性粒子の比重
M:導電性粒子の金属化率
Dmetal:導電性金属の比重
なお、導電性粒子の金属化率はICP発光分析等を用いて算出することができ、導電性粒子の比重は真比重計等を用いて測定することができる。また、導電性金属の比重は金属固有の値を用いて算出することができる。なお、導電性粒子の金属化率とは、導電性粒子1gに含まれる導電性金属の含有量(g)を比で表したもの、すなわち、導電性粒子1gに含まれる導電性金属の含有量(g)/導電性粒子1gを指す。
上記導電性粒子100体積%中、上記基材粒子に含まれる上記導電性金属の含有量は、好ましくは0.1体積%以上、より好ましくは1体積%以上であり、好ましくは30体積%以下、より好ましくは20体積%以下である。上記導電性金属の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記導電性金属の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
導電性粒子の圧縮特性をより一層良好にする観点からは、上記導電性粒子100体積%中、上記導電部に含まれる上記導電性金属の含有量は、好ましくは0.1体積%以上、より好ましくは1体積%以上であり、好ましくは30体積%以下、より好ましくは20体積%以下である。電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くする観点からは、上記導電性粒子100体積%中、上記導電部に含まれる上記導電性金属の含有量は、好ましくは0.1体積%以上、より好ましくは1体積%以上であり、好ましくは30体積%以下、より好ましくは20体積%以下である。
(芯物質)
上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に突起を有することが好ましい。上記導電性粒子は、導電性の表面に突起を有することが好ましい。上記突起は、複数であることが好ましい。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。導電部の表面に突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜を効果的に排除できる。このため、電極と導電部とがより一層確実に接触し、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、導電性粒子が絶縁性物質を備える場合に、又は導電性粒子がバインダー樹脂に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁性物質又はバインダー樹脂をより一層効果的に排除できる。このため、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。
上記芯物質が金属により形成されており、かつ上記芯物質が上記導電部内に存在する場合に、上記芯物質は、上記導電部の一部とみなす。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、さらに無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。また、上記突起を形成するために、上記芯物質を用いなくてもよい。
上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に導電部を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いずに、基材粒子に無電解めっきにより導電部を形成した後、導電部の表面上に突起状にめっきを析出させ、さらに無電解めっきにより導電部を形成する方法等を用いてもよい。
基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。付着させる芯物質の量を制御する観点からは、基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法は、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法であることが好ましい。
上記芯物質を構成する物質としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。酸化被膜をより一層効果的に排除する観点からは、上記芯物質は硬い方が好ましい。電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くする観点からは、上記芯物質は、金属であることが好ましい。
上記金属は特に限定されない。上記金属としては、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くする観点からは、上記金属は、ニッケル、銅、銀又は金であることが好ましい。上記金属は、上記導電部(導電層)を構成する金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の粒子径は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の粒子径が、上記下限以上及び上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができる。
上記芯物質の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、数平均粒子径であることがより好ましい。芯物質の粒子径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各芯物質の粒子径の平均値を算出することや、粒度分布測定装置を用いて求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの芯物質の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の芯物質の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。粒度分布測定装置では、1個当たりの芯物質の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記芯物質の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて算出することが好ましい。
上記導電性粒子1個当たりの上記突起の数は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記突起の数の上限は特に限定されない。上記突起の数の上限は導電性粒子の粒子径等を考慮して適宜選択できる。上記突起の数が、上記下限以上であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができる。
上記突起の数は、任意の導電性粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察して算出することができる。上記突起の数は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各導電性粒子における突起の数の平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記突起の高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記突起の高さが、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができる。
上記突起の高さは、任意の導電性粒子における突起を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察して算出することができる。上記突起の高さは、導電性粒子1個当たりのすべての突起の高さの平均値を1個の導電性粒子の突起の高さとして算出することが好ましい。上記突起の高さは、任意の導電性粒子50個について、各導電性粒子の突起の高さの平均値を算出することにより求めることが好ましい。
(絶縁性物質)
上記導電性粒子は、上記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備えることが好ましい。この場合には、上記導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡をより一層効果的に防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。さらに、導電部の外表面に突起を有する導電性粒子である場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性物質をより一層容易に排除できる。
電極間の圧着時に上記絶縁性物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁性物質は、絶縁性粒子であることが好ましい。
上記絶縁性物質の材料としては、上述した有機材料、上述した無機材料、及び上述した基材粒子の材料として挙げた無機物等が挙げられる。上記絶縁性物質の材料は、上述した有機材料であることが好ましい。
上記絶縁性物質の他の材料としては、ポリオレフィン化合物、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。上記絶縁性物質の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリオレフィン化合物としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリドデシル(メタ)アクリレート及びポリステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂の架橋物としては、ポリエチレングリコールメタクリレート、アルコキシ化トリメチロールプロパンメタクリレートやアルコキシ化ペンタエリスリトールメタクリレート等の導入が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。また、重合度の調整に、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、チオールや四塩化炭素等が挙げられる。
上記導電部の表面上に上記絶縁性物質を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性及び導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記導電部の表面上に上記絶縁性物質を配置する方法は、物理的方法であることが好ましい。
上記導電部の外表面、及び上記絶縁性物質の外表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。上記導電部の外表面と上記絶縁性物質の外表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。上記導電部の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミン等の高分子電解質を介して絶縁性物質の外表面の官能基と化学結合していても構わない。
上記絶縁性物質が絶縁性粒子である場合、上記絶縁性粒子の粒子径は、導電性粒子の粒子径及び導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁性粒子の粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm以上、さらに好ましくは300nm以上、特に好ましくは500nm以上であり、好ましくは4000nm以下、より好ましくは2000nm以下、さらに好ましくは1500nm以下、特に好ましくは1000nm以下である。絶縁性粒子の粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の導電性粒子における導電部同士が接触し難くなる。絶縁性粒子の粒子径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁性粒子を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁性粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、数平均粒子径であることが好ましい。絶縁性粒子の粒子径は、任意の絶縁性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各絶縁性粒子の粒子径の平均値を算出することや、粒度分布測定装置を用いて求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの絶縁性粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の絶縁性粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。粒度分布測定装置では、1個当たりの絶縁性粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記絶縁性粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて算出することが好ましい。上記導電性粒子において、上記絶縁性粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の絶縁性粒子を観察する。各導電性粒子における絶縁性粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して絶縁性粒子の粒子径とする。
上記導電性粒子の粒子径の、上記絶縁性粒子の粒子径に対する比(導電性粒子の粒子径/絶縁性粒子の粒子径)は、好ましくは4以上、より好ましくは8以上であり、好ましくは200以下、より好ましくは100以下である。上記比(導電性粒子の粒子径/絶縁性粒子の粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性及び導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散されて用いられることが好ましく、バインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電材料は回路接続用導電材料であることが好ましい。上記導電材料では、上述した導電性粒子が用いられているので、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。上記導電材料では、上述した導電性粒子が用いられているので、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記導電材料は、複数の上記導電性粒子を含むことが好ましい。上記基材粒子の外表面から中心に向かって、上記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R1としたときに、上記導電性粒子の全個数100%中、上記基材粒子の上記領域R1に上記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合(以下、第1の割合と記載することがある)は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。上記第1の割合の上限は特に限定されない。上記第1の割合は100%以下であってもよい。上記第1の割合が、上記下限以上であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記第1の割合が、上記下限以上であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記第1の割合が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。上記第1の割合が0%を超えていると、基材粒子の内部に導電性金属が含有されていると判断することができる。上記領域R1は、図4において、基材粒子2の破線L1よりも外側の領域である。上記領域R1は、上記基材粒子の外表面部分である。上記領域R1は、上記基材粒子の中心部分とは異なる領域である。
上記基材粒子の中心から外表面に向かって、上記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R2としたときに、上記導電性粒子の全個数100%中、上記基材粒子の上記領域R2に上記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合(以下、第2の割合と記載することがある)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上である。上記第2の割合の上限は特に限定されない。上記第2の割合は100%以下であってもよい。上記第2の割合が、上記下限以上であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができ、導電性粒子同士の凝集の発生をより一層効果的に抑制することができる。また、上記第2の割合が、上記下限以上であると、電極間の絶縁信頼をより一層効果的に高めることができる。また、上記第2の割合が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子における導電部の密着性をより一層効果的に高めることができ、導電性粒子における導電部の剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。上記第2の割合が0%を超えていると、基材粒子の内部に導電性金属が含有されていると判断することができる。上記領域R2は、図4において、基材粒子2の破線L1よりも内側の領域である。上記領域R2は、上記基材粒子の中心部分である。上記領域R2は、上記基材粒子の外表面部分とは異なる領域である。
上記第1の割合及び上記第2の割合は、以下のようにして算出できる。
導電材料からろ過等により導電性粒子を回収する。回収した導電性粒子の含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、1個の導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型透過電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2010FEF」)を用いて、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)により、基材粒子の断面における導電性金属の有無を測定することで、基材粒子の粒子径方向における導電性金属の分布結果が得られる。上記第1の割合及び上記第2の割合は、任意に選択された20個の導電性粒子における導電性金属の分布結果から算出することができる。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ、特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、以下の方法等が挙げられる。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。
上記導電材料の25℃での粘度(η25)は、好ましくは30Pa・s以上、より好ましくは50Pa・s以上であり、好ましくは400Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記導電材料の25℃での粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(η25)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
上記粘度(η25)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定することができる。
本発明に係る導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性をより一層高めることができる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗をより一層効果的に低くすることができる。上記導電性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層高めることができる。
(接続構造体)
本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は上記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である。本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている。
上記接続構造体は、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に、上記導電性粒子又は上記導電材料を配置する工程と、熱圧着することにより導電接続する工程とを経て、得ることができる。上記導電性粒子が上記絶縁性物質を有する場合には、上記熱圧着時に、上記絶縁性物質が上記導電性粒子から脱離することが好ましい。
上記導電性粒子が単独で用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。即ち、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とが上記導電性粒子により接続される。上記接続構造体を得るために用いられる上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
図5に、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に正面断面図で示す。
図5に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子1を含む導電材料を硬化させることにより形成されている。なお、図5では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。導電性粒子1に代えて、導電性粒子11,21等の他の導電性粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記熱圧着の圧力は好ましくは40MPa以上、より好ましくは60MPa以上であり、好ましくは90MPa以下、より好ましくは70MPa以下である。上記熱圧着の加熱の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記熱圧着の圧力及び温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層高めることができる。また、上記導電性粒子が上記絶縁性粒子を有する場合には、導電接続時に導電性粒子の表面から絶縁性粒子が容易に脱離できる。
上記導電性粒子が上記絶縁性粒子を有する場合には、上記積層体を加熱及び加圧する際に、上記導電性粒子と、上記第1の電極及び上記第2の電極との間に存在している上記絶縁性粒子を排除することができる。例えば、上記加熱及び加圧の際には、上記導電性粒子と、上記第1の電極及び上記第2の電極との間に存在している上記絶縁性粒子が、上記導電性粒子の表面から容易に脱離する。なお、上記加熱及び加圧の際には、上記導電性粒子の表面から一部の上記絶縁性粒子が脱離して、上記導電部の表面が部分的に露出することがある。上記導電部の表面が露出した部分が、上記第1の電極及び上記第2の電極に接触することにより、上記導電性粒子を介して第1の電極と第2の電極とを電気的に接続することができる。
さらに、本発明に係る接続構造体では、上述した導電性粒子が用いられているので、上記加熱及び加圧の際には、導電性粒子が圧縮されることで、導電性粒子の表面(導電部)に導通経路が形成されるだけではなく、導電性粒子の内部の導電性金属が互いに接触することで導通経路が形成される。結果として、導電部の厚みが比較的薄い場合でも、上下方向の電極間の接続抵抗を十分に低くすることができる。また、導電部の厚みが比較的薄いので、導電性粒子同士の凝集の発生を抑制することができ、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)基材粒子の作製
種粒子として平均粒子径0.5μmのポリスチレン粒子を用意した。上記ポリスチレン粒子3.9重量部と、イオン交換水500重量部と、5重量%ポリビニルアルコール水溶液120重量部とを混合し、混合液を調製した。上記混合液を超音波により分散させた後、セパラブルフラスコに入れて、均一に撹拌した。
次に、ジビニルベンゼン(モノマー成分)150重量部と、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)(和光純薬工業社製「V−601」)2重量部と、過酸化ベンゾイル(日油社製「ナイパーBW」)2重量部とを混合した。さらに、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9重量部と、トルエン(溶媒)50重量部と、イオン交換水1100重量部とを添加し、乳化液を調製した。
セパラブルフラスコ中の上記混合液に、上記乳化液を数回に分けて添加し、12時間撹拌し、種粒子にモノマーを吸収させて、モノマーが膨潤した種粒子を含む懸濁液を得た。
その後、5重量%ポリビニルアルコール水溶液490重量部を添加し、加熱を開始して85℃で9時間反応させ、粒子径2.0μmの基材粒子を得た。
(2)導電性粒子の作製
得られた基材粒子を洗浄し、乾燥した後、パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液1000重量部に、基材粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子を取り出した。次いで、基材粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。次に、ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された基材粒子を含む懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.35mol/L、ジメチルアミンボラン1.38mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた懸濁液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液300重量部を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子の表面にニッケル−ボロン導電層が形成され、導電部を表面に有する導電性粒子を得た。
(3)導電材料(異方性導電ペースト)の作製
得られた導電性粒子7重量部と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂25重量部と、フルオレン型エポキシ樹脂4重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂30重量部と、SI−60L(三新化学工業社製)とを配合して、3分間脱泡及び攪拌することで、導電材料(異方性導電ペースト)を得た。
(4)接続構造体の作製
L/Sが10μm/10μmであるIZO電極パターン(第1の電極、電極表面の金属のビッカース硬度100Hv)が上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが10μm/10μmであるAu電極パターン(第2の電極、電極表面の金属のビッカース硬度50Hv)が下面に形成された半導体チップを用意した。上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が100℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、85MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を100℃で硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
基材粒子の作製の際に、溶媒の配合量を10重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例3)
基材粒子の作製の際に、溶媒の配合量を70重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例4)
導電性粒子の作製の際に、基材粒子の配合量を5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例5)
導電性粒子の作製の際に、基材粒子の配合量を2.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例6)
実施例1で得られた導電性粒子を用意した。また、10g/Lエチレンジアミン4酢酸ナトリウムと10g/Lクエン酸ナトリウムとを含む溶液500gに、シアン化金カリウム5gを添加して金めっき液を用意した。実施例1で得られた導電性粒子10重量部を、金めっき液500重量部に入れて、70℃で30分間浸漬させ、無電解金めっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子の表面にニッケル−ボロン−金導電層が形成され、導電部を表面に有する導電性粒子を得た。得られた導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例7)
実施例1で得られた導電性粒子10重量部を、蒸留水200重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。また、10g/Lエチレンジアミン、3.0g/L硫酸パラジウム、5.0g/Lギ酸ナトリウムを含むパラジウムめっき液を用意した。上記懸濁液を70℃に加熱した後、上記パラジウムめっき液700重量部を10分間で滴下することで、無電解パラジウムめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子の表面にニッケル−ボロン−パラジウム導電層が形成され、導電部を表面に有する導電性粒子を得た。得られた導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例8)
実施例1で得られた導電性粒子10重量部を、蒸留水200重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。また、10g/Lシアン化銀カリウム、80g/Lシアン化カリウム、5g/Lエチレンジアミン四酢酸、及び20g/L水酸化ナトリウムを含む混合液を、水酸化ナトリウムにてpH6に調整した銀めっき液を用意した。上記懸濁液を50℃に加熱した後、上記銀めっき液700重量部を30分間で滴下することで、無電解銀めっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子の表面にニッケル−ボロン−銀導電層が形成され、導電部を表面に有する導電性粒子を得た。得られた導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例9)
基材粒子の作製の際に、種粒子径を変更することにより、粒子径1.0μmの基材粒子を得た。得られた基材粒子を用いたこと、及び得られた基材粒子の仕込み量を5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例10)
基材粒子の作製の際に、種粒子径を変更することにより、粒子径2.5μmの基材粒子を得た。得られた基材粒子を用いたこと、及び得られた基材粒子の仕込み量を12.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例11)
基材粒子の作製の際に、種粒子径を変更することにより、粒子径3.0μmの基材粒子を得た。得られた基材粒子を用いたこと、及び得られた基材粒子の仕込み量を15重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例12)
基材粒子の作製の際に、種粒子径を変更することにより、粒子径5.0μmの基材粒子を得た。得られた基材粒子を用いたこと、及び得られた基材粒子の仕込み量を25重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例13)
基材粒子の作製の際に、種粒子径を変更することにより、粒子径10.0μmの基材粒子を得た。得られた基材粒子を用いたこと、及び得られた基材粒子の仕込み量を50重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例14)
(1)絶縁性粒子の作製
4つ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブを取り付けた1000mLセパラブルフラスコに、下記のモノマー組成物を入れた後、下記モノマー組成物の固形分が10重量%となるように蒸留水を入れ、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下60℃で24時間重合を行った。上記モノマー組成物は、メタクリル酸メチル360mmol、メタクリル酸グリシジル45mmol、パラスチリルジエチルホスフィン20mmol、ジメタクリル酸エチレングリコール13mmol、ポリビニルピロリドン0.5mmol、及び2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノ]プロパン}1mmolを含む。反応終了後、凍結乾燥して、パラスチリルジエチルホスフィンに由来するリン原子を表面に有する絶縁性粒子(粒子径360nm)を得た。
(2)絶縁性粒子付き導電性粒子の作製
上記(1)で得られた絶縁性粒子を超音波照射下で蒸留水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。実施例1で得られた導電性粒子10gを蒸留水500mLに分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液1gを添加し、室温で8時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターで濾過した後、さらにメタノールで洗浄、乾燥し、絶縁性粒子付き導電性粒子を得た。得られた絶縁性粒子付き導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例15)
導電性粒子の作製の際に、ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例16)
導電性粒子の作製の際に、触媒液量を200重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例17)
導電性粒子の作製の際に、触媒液量を500重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例18)
実施例15で得られた導電性粒子を用意した。実施例15で得られた導電性粒子を用いて、実施例14と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子を得た。得られた絶縁性粒子付き導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例1)
基材粒子の作製の際に、溶媒をトルエンからエタノールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例2)
導電性粒子の作製の際に、基材粒子の配合量を5重量部としたこと以外は、比較例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例3)
比較例2で得られた導電性粒子を用意した。比較例2で得られた導電性粒子を用いて、実施例14と同様にして、絶縁性粒子付き導電性粒子を得た。得られた絶縁性粒子付き導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例4)
導電性粒子の作製の際に、基材粒子の配合量を20重量部としたこと以外は、比較例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(評価)
(1)基材粒子及び導電性粒子の粒子径
得られた基材粒子及び導電性粒子について、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「Multisizer4」)を用いて、基材粒子及び導電性粒子の粒子径を算出した。具体的には、約100000個の基材粒子又は導電性粒子の粒子径を測定し、平均値を算出することにより求めた。
(2)基材粒子のBET比表面積
得られた基材粒子について、カンタクローム・インスツルメンツ社製「NOVA4200e」を用いて、窒素の吸着等温線を測定した。測定結果から、BET法に準拠して、基材粒子の比表面積を算出した。
(3)基材粒子の全細孔容積
得られた基材粒子について、カンタクローム・インスツルメンツ「NOVA4200e」を用いて、窒素の吸着等温線を測定した。測定結果から、BJH法に準拠して、基材粒子の全細孔容積を算出した。
(4)基材粒子の平均細孔径
得られた基材粒子について、カンタクローム・インスツルメンツ「NOVA4200e」を用いて、窒素の吸着等温線を測定した。測定結果から、BJH法に準拠して、基材粒子の全細孔容積を算出した。
(5)基材粒子の空隙率
得られた基材粒子について、カンタクローム・インスツルメンツ社製の水銀ポロシメーター「ポアーマスター60」を用いて、水銀圧入法により印加した圧力に対して水銀の積算侵入量を測定した。測定結果から、基材粒子の空隙率を算出した。
(6)導電性粒子100体積%中の導電性金属の含有量
得られた導電性粒子について、導電性粒子100体積%中の導電性金属の含有量を以下のようにして算出した。
導電性粒子100体積%中の導電性金属の含有量(体積%)=D×M/Dmetal×100
D:導電性粒子の比重
M:導電性粒子の金属化率
Dmetal:導電性金属の比重
なお、導電性粒子の金属化率は、ICP発光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)を用いて算出した。導電性粒子の比重は、真比重計(島津製作所社製「アキュピック」)を用いて測定した。また、導電性金属の比重は金属固有の値を用いて算出した。
(7)導電性粒子100体積%中の基材粒子に含まれる導電性金属の含有量、及び、導電性粒子100体積%中の導電部に含まれる導電性金属の含有量
得られた導電性粒子について、導電性粒子100体積%中の導電部に含まれる導電性金属の含有量を以下のようにして算出した。
導電性粒子100体積%中の導電部に含まれる導電性金属の含有量(体積%)=D×M/Dmetal×100
:導電部の金属化率
Dmetal:導電性金属の比重
なお、導電部の金属化率Mとは、導電性粒子1gに含まれる導電部中の導電性金属の含有量(g)を比で表したもの、すなわち、導電性粒子1gに含まれる導電部中の導電性金属の含有量(g)/導電性粒子1gを指す。
なお、導電部の金属化率Mは以下の2つの関係式を用いて算出した。
A=[(r+t)−r]d/r (1)
A=M/(1−M) (2)
r:基材粒子の半径
t:導電部の厚み
:導電性金属の比重
:基材粒子の比重
:導電部の金属化率
次に、得られた導電性粒子について、導電性粒子100体積%中の基材粒子に含まれる導電性金属の含有量を以下のようにして算出した。
導電性粒子100体積%中の基材粒子に含まれる導電性金属の含有量(体積%)=導電性粒子100体積%中の導電性金属の含有量(体積%)−導電性粒子100体積%中の導電部に含まれる導電性金属の含有量(体積%)=D×M/Dmetal×100−D×M/Dmetal×100=D×(M−M)/Dmetal×100
D:導電性粒子の比重
M:導電性粒子の金属化率
:導電部の金属化率
Dmetal:導電性金属の比重
(8)導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合(第1の割合及び第2の割合)
得られた導電材料を用いて、上記基材粒子の外表面から中心に向かって、上記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R1としたときに、上記導電性粒子の全個数100%中、上記基材粒子の上記領域R1に上記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合(第1の割合)を、以下のようにして算出した。また、得られた導電材料を用いて、上記基材粒子の中心から外表面に向かって、上記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R2としたときに、上記導電性粒子の全個数100%中、上記基材粒子の上記領域R2に上記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合(第2の割合)を、以下のようにして算出した。
得られた導電材料をろ過することにより導電性粒子を回収した。回収した導電性粒子の含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、1個の導電性粒子の断面を切り出した。そして、電界放射型透過電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2010FEF」)を用いて、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)により、基材粒子の断面における導電性金属の有無を測定することで、基材粒子の粒子径方向における導電性金属の分布結果を得た。上記第1の割合及び上記第2の割合は、任意に選択された20個の導電性粒子における導電性金属の分布結果から算出した。
(9)導電性粒子の圧縮弾性率
得られた導電性粒子について、上記圧縮弾性率(10%K値及び30%K値)を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。測定結果から、10%K値及び30%K値を算出した。
(10)導電性粒子の凝集
得られた導電材料を観察し、導電性粒子の凝集が発生しているか否かを確認した。導電性粒子の凝集を下記の条件で判定した。
[導電性粒子の凝集の判定基準]
○:導電性粒子の凝集が発生していない
△:導電性粒子の凝集が僅かに発生している
×:導電性粒子の凝集が発生している
(11)導電性粒子における導電部の密着性
得られた導電性粒子1.0gと直径1mmのジルコニアビーズ50gとを100mLのマヨネーズビンに入れた。さらに、マヨネーズビンにトルエン10mLを加えた。撹拌機(スリーワンモーター)を用いて、マヨネーズビン内を300rpmで10分間撹拌した。撹拌後、導電性粒子とジルコニアビーズとを分別し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて導電性粒子を観察し、導電性粒子における導電部に剥がれが発生しているか否かを確認した。導電性粒子における導電部の密着性を下記の条件で判定した。
[導電性粒子における導電部の密着性の判定基準]
○:導電性粒子における導電部に剥がれが発生していない
×:導電性粒子における導電部に剥がれが発生している
(12)接続抵抗(上下の電極間)
得られた20個の接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続抵抗を下記の基準で判定した。
[接続抵抗の判定基準]
○○○:接続抵抗の平均値が1.5Ω以下
○○:接続抵抗の平均値が1.5Ωを超え2.0Ω以下
○:接続抵抗の平均値が2.0Ωを超え5.0Ω以下
△:接続抵抗の平均値が5.0Ωを超え10Ω以下
×:接続抵抗の平均値が10Ωを超える
(13)絶縁信頼性(横方向に隣り合う電極間)
上記(12)接続信頼性の評価で得られた20個の接続構造体において、隣接する電極間のリークの有無を、テスターで抵抗値を測定することにより評価した。絶縁信頼性を下記の基準で評価した。
[絶縁信頼性の判定基準]
○○○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が20個
○○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が18個以上20個未満
○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が15個以上18個未満
△:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が10個以上15個未満
×:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が10個未満
結果を下記の表1〜4に示す。
Figure 2020175691
Figure 2020175691
Figure 2020175691
Figure 2020175691
1…導電性粒子
2…基材粒子
3…導電部
11…導電性粒子
11a…突起
12…導電部
12a…突起
13…芯物質
14…絶縁性物質
21…導電性粒子
21a…突起
22…導電部
22a…突起
22A…第1の導電部
22Aa…突起
22B…第2の導電部
22Ba…突起
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部

Claims (15)

  1. 基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備え、
    前記基材粒子が、前記基材粒子の内部に導電性金属を含有する、導電性粒子。
  2. 前記基材粒子の空隙率が、10%以上である、請求項1に記載の導電性粒子。
  3. 前記導電性金属が、ニッケル、金、パラジウム、銀、又は銅を含む、請求項1又は2に記載の導電性粒子。
  4. 前記導電部が、ニッケル、金、パラジウム、銀、又は銅を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  5. 前記導電性粒子の10%K値が、100N/mm以上25000N/mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  6. 前記導電性粒子の30%K値が、100N/mm以上15000N/mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  7. 前記導電性粒子の10%K値の、前記導電性粒子の30%K値に対する比が、1.5以上5以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  8. 前記導電性粒子の粒子径が、0.1μm以上1000μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  9. 前記導電性粒子100体積%中、前記基材粒子に含まれる前記導電性金属の含有量が、0.1体積%以上30体積%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  10. 前記導電部の外表面に突起を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  11. 前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料。
  13. 複数の前記導電性粒子を含み、
    前記基材粒子の外表面から中心に向かって、前記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R1としたときに、前記導電性粒子の全個数100%中、前記基材粒子の前記領域R1に前記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合が、50%以上である、請求項12に記載の導電材料。
  14. 複数の前記導電性粒子を含み、
    前記基材粒子の中心から外表面に向かって、前記基材粒子の粒子径の1/2の距離の領域を領域R2としたときに、前記導電性粒子の全個数100%中、前記基材粒子の前記領域R2に前記導電性金属が存在する導電性粒子の個数の割合が、5%以上である、請求項12又は13に記載の導電材料。
  15. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であり、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。
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