JPWO2020066900A1 - コイルの装着構造、ステータ及びモータ - Google Patents

コイルの装着構造、ステータ及びモータ Download PDF

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Abstract

帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在方向に延在する柱状コアに装着させた装着構造であって、柱状コアは、電磁鋼板からなる複数のコアシートを柱状コアの延在方向と直交する積層方向に積層してなる積層体で構成され、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部には、バリが突出方向に突出形成される。コイルの第1〜第nターンの内周端縁には、外周側に凹む凹部が形成される。凹部は、柱状コアのバリにバリの突出方向から対向している。

Description

本発明は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在する柱状コアに装着させたコイルの装着構造に関する。
特許文献1には、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在する柱状コアに装着させた装着構造が開示されている。この装着構造では、コイルの第1〜第nターンの内周端縁の4つのコーナー部に外周側に凹む凹部を形成し、該凹部に柱状コアの角部を収容させることで、凹部を形成しない場合に比べ、柱状コアの各辺とコイルのストレート部との隙間を小さくし、コイル内側に収容できる柱状コアの体積を増大させている。
ところで、特許文献1のようなコイルの装着構造において、電磁鋼板からなる複数のコアシートを該柱状コアの延在方向と直交する方向に積層してなる積層体で柱状コアを構成した場合には、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部にプレス成形によるバリが突出形成される。かかる場合、コイルの第1〜第nターンの内周端縁における凹部非形成箇所を上記バリに当該バリの突出方向から対向させると、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの第1〜第nターンの内周端縁との間に、コイルが巻回されない空間、いわゆるデッドスペースが広く形成され、コイルの放熱効率の低下を招く虞がある。
特開2015−228476号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コイルの放熱効率を高めることにある。
上記の目的を達成するため、本開示の第1の技術は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在方向に延在する柱状コアに装着させた装着構造であって、柱状コアは、電磁鋼板からなる複数のコアシートを柱状コアの延在方向と直交する方向に積層してなる積層体で構成され、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部には、バリが突出方向に突出形成され、コイルの第1〜第nターンの内周端縁には、外周側に凹む凹部が形成され、凹部は、柱状コアのバリにバリの突出方向から対向している。
この構成によれば、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリの突出高さが高い場合でも、バリをコイルの凹部に収容できる。よって、凹部を設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリの突出方向に狭くし、コイルの放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリの突出方向に狭くできるので、コイルをバリの突出方向に小さくできる。
凹部は、バリの先端部を収容していてもよい。
この構成によれば、バリをコイルの凹部に収容しているので、凹部を設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリの突出方向に狭くし、コイルの放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリの突出方向に狭くできるので、コイルをバリの突出方向に小さくできる。
凹部は、コイルの第1〜第nターンの内周端縁を構成する平面視四角形状の4辺のうちの1辺、又は互いに対向する2辺の両端部に形成され、凹部が形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向には凹んでいないようにしてもよい。
この構成によれば、コイルの第1〜第nターンにおける凹部が形成されていない辺に沿って延びる部分には、凹部が形成されず、凹部を形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。よって、コイルの凹部が形成されていない辺に沿って延びる部分の幅を全体的に短く設定できる。したがって、コイルを小型化できる。
コイルは、板状部材と、板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、凹部は、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイルの凹部に角部を設けた場合に比べ、組立時にコイルの凹部の角部と柱状コアとの接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイルの絶縁皮膜の傷付きを抑制できる。
本開示の第2の技術は、断面四角形状のティース部が、ティース部の外周面を構成する1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータのステータの環状のヨーク部の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルをティース部に装着させたコイルの装着構造であって、コイルの第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転軸方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転軸方向の外側に凹み、かつモータ回転周方向の外側には凹んでいない凹部が形成されている。
この構成によれば、コイルのアール部が凹部に形成され、コイルの第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部が形成されない。よって、ティース部のモータ回転周方向の幅を、コイルのモータ回転周方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイルの内側空間の少なくともモータ回転軸方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部を設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイルの放熱効率を高め、ステータ内でのコイルの占積率を向上し、モータの効率を高めることができる。また、コイルの内側空間のモータ回転軸方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイルをモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータをモータ回転軸方向に小型化できる。
また、コイルの第1〜第nターンにおけるモータ回転軸方向に延びる部分には、凹部が形成されず、凹部を形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイルのモータ回転軸方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータをモータ回転周方向に小型化できる。
ティース部は、電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向に積層してなる積層体で構成され、ティース部のモータ回転軸方向の一方の端面の外周部には、バリが突出形成され、凹部は、ティース部のバリにバリの突出方向から対向していてもよい。
この構成によれば、ティース部のバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリの突出高さが高い場合でも、バリをコイルの凹部に収容できる。よって、凹部を設けない場合に比べ、ティース部のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、ティース部のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリの突出方向、すなわちモータ回転軸方向に狭くし、コイルの放熱効率を高め、ステータ内でのコイルの占積率を向上し、モータの効率を高めることができる。また、デッドスペースをモータ回転軸方向に狭くできる。したがって、コイルをモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータをモータ回転軸方向に小型化できる。
本開示の第3の技術は、断面四角形状のティース部が、ティース部の断面四角形状の外周面を構成する相対する2辺からなる1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータのステータの環状のヨーク部の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルをティース部に装着させたコイルの装着構造であって、コイルの第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転周方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転周方向の外側に凹み、かつモータ回転軸方向の外側には凹んでいない凹部が形成されている。
この構成によれば、コイルのアール部が凹部に形成され、コイルの第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部が形成されない。よって、ティース部のモータ回転軸方向の幅を、コイルのモータ回転軸方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイルの内側空間の少なくともモータ回転周方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部を設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイルの放熱効率を高め、ステータ内でのコイルの占積率を向上し、モータの効率を高めることができる。また、コイルの内側空間のモータ回転周方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイルをモータ回転周方向に小さくすることにより、モータをモータ回転周方向に小型化できる。
また、コイルの第1〜第nターンにおけるモータ回転周方向に延びる部分には、凹部が形成されず、凹部を形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイルのモータ回転周方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータをモータ回転軸方向に小型化できる。
コイルは、板状部材と、板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、凹部は、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイルの凹部に角部を設けた場合に比べ、組立時にコイルの凹部の角部とティース部との接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイルの絶縁皮膜の傷付きを抑制できる。
本開示によれば、コイルの放熱効率を高めることができる。
実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータの平面図である。 実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータの側面図である。 図1Bの1C−1C線における断面図である。 実施形態1に係るコイルの斜視図である。 実施形態1に係るコイルを、モータ回転周方向一方から見た側面図である。 実施形態1に係るコイルをティース部に装着した斜視図である。 図4の4Q−4Q線におけるティース部のバリ周りの拡大断面図である。 図4の4Q−4Q線におけるティース部のダレ周りの拡大断面図である。 比較例のコイルの斜視図である。 比較例のコイルの斜視図である。 比較例のコイルのティース部のダレ周りの拡大断面図である。 実施形態2に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。 実施形態3に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1Aは、実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータ1の平面図である。図1Bは、実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータ1の側面図である。図1Cは、図1Bの1C−1C線における断面図である。ただし、いずれにおいても、カバーケース等は図示していない。モータ1は、カバーケース(図示せず)の内部に、シャフト2と、ロータ3と、ステータ4と、実施形態1に係る装着構造が適用されたコイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41と、バスバー51〜54と、を備えている。
なお、図1A及び図1Cでは、紙面に対して垂直な方向がモータ回転軸方向である。
ここで、「一体」あるいは「一体化」とは、複数の部品が、ボルト締め、又は、かしめ等の機械的に接続されているだけでなく、共有結合、イオン結合、金属結合などの材料結合によって、部品が電気的に接続された1つの物体の状態、又は部品全体が溶融などによって材料結合され電気的に接続された1つの物体の状態をいう。
シャフト2は、モータ回転軸方向に延びる中空部2aを内部に有しており、側面には複数の貫通孔2bが設けられている。中空部2aは、モータ1の内部を冷却するための冷媒Cの通路である。冷媒Cは、中空部2a内をモータ回転軸方向(シャフト2の長手方向)に沿って流れており、モータ1の内部で循環して流れている。中空部2aを流れる冷媒Cの一部は、複数の貫通孔2bから流れ出て、モータ1の中心側から外側、つまりロータ3からステータ4の方向にも流れ、ロータ3やステータ4を冷却する。
ロータ3は、シャフト2の外周に接して設けられており、ステータ4に対向してN極、S極がシャフト2の外周方向に沿って交互に配置された磁石31を含んでいる。なお、本実施形態では、ロータ3に用いられる磁石31としてネオジム磁石を使用しているが、その材料、形状、又は材質については、モータ1の出力等に応じて適宜変更しうる。
ステータ4は、ステータコア40を備える。ステータコア40は、実質的に円環状のヨーク部41を有している。ヨーク部41の内周面には、その先端部を除く部分が断面四角形状で延在する柱状コアとしての複数のティース部42が、その外周面を構成する1対の面をモータ回転軸方向に向けるとともに、残りの1対の面をモータ回転周方向に向けた状態で等間隔に突設されている。ティース部42の先端部は、モータ回転周方向両側に張り出している。隣接するティース部42の間には、スロット43が設けられている。ステータ4は、モータ回転軸方向から見て、ロータ3の外側に、ロータ3と一定の間隔を持って配置されている。
ステータコア40のティース部42は、ケイ素等を含有した電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向(ティース部42の延在方向と直交する方向)に積層してなる積層体で構成されている。ティース部42は、コアシートの積層後に打ち抜き加工して形成される。ティース部42のモータ回転軸方向一方の端面の外周部には、バリ42a(図5を参照)が打ち抜き加工により突出形成されている。一方、ティース部42のモータ回転軸方向他方の端面の外周部には、端面の外周側に向かってモータ回転軸方向一方(内側)に湾曲するダレ42b(図6を参照)が打ち抜き加工により形成されている。
なお、本実施形態において、ロータ3の磁極数は、ステータ4に対向するN極が5個、S極が5個の計10極であり、スロット43の数は12個である。しかし、特にこれに限定されるものではなく、その他の磁極数とスロット数との組合せについても適用できる。
ステータ4は12個のコイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41を有している。コイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41は、それぞれティース部42に装着されて、モータ回転軸方向から見て、それぞれスロット43内に配置されている。つまり、コイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41は、ティース部42に対して集中巻になっている。さらに、コイルU11、U22、U32、U41はバスバー51と、コイルV12、V21、V31、V42はバスバー52と、コイルW11、W22、W32、W41はバスバー53とそれぞれ一体化されて配置されている。
ここで、コイルを表わす符号UXY、VXY、WXYのうち、最初の文字はモータ1の各相(本実施形態の場合は、U相、V相、W相)を表わす。2番目の文字は同相内のコイルの配列順を表わす。3番目の文字はコイルの巻回方向を表わし、本実施形態では、1は時計回り方向、2は反時計回り方向である。したがって、コイルU11は、U相の配列順が1番目のコイルで、巻回方向が時計回り方向であることを表わす。コイルV42は、V相の配列順が4番目のコイルで、巻回方向が反時計回り方向であることを表わす。なお、時計回りとは、モータ1の中心から見て右回りをいい、「反時計回り」とはモータ1の中心から見て左回りをいう。
また、厳密には、コイルU11,U41はU相のコイルであり、コイルU22,U32はUバー相(U相コイルと発生する磁界の向きが逆)のコイルである。しかし、以降の説明では、特に断らない限り、U相のコイルと総称する。コイルV12〜V42及びコイルW11〜W41についても同様に、V相のコイル、W相のコイルとそれぞれ総称する。
[コイル構造]
図2は、実施形態1に係るコイル5の斜視図である。図3は、実施形態1に係るコイル5を、モータ回転周方向一方から見た側面図である。図4は、実施形態1に係るコイル5をティース部42に装着した斜視図である。図5は、図4の4Q−4Q線におけるティース部42のバリ42a周りの拡大断面図である。図6は、図4の4Q−4Q線におけるティース部42のダレ42b周りの拡大断面図である。図7は、比較例のコイル5の斜視図である。図8は、比較例のコイル5の斜視図であり、図9は、図8の8Q−8Q線における比較例のコイル5のティース部42のダレ42b周りの拡大断面図である。
また、図2〜図6に示す実施形態1に係るコイル5は、図1Cに示すモータ1のティース部42に装着されたコイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41に適用される。
コイル5は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなしている。コイル5は、巻回された導線5aと、導線5aの表面に設けられた絶縁皮膜5bと、コイル5の第1ターンから引き出された引出し部5c及び第10ターンから引き出された引出し部5dとを有している。
導線5aは、断面が四角形状の導電部材からなる線材である。導線5aは、螺旋状に単層で10ターン巻回されて上下方向に積層されたターン列をなしている。導線5aは、例えば、銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、真鍮、鉄、SUS(Steel Use Stainless)等によって形成されている。導線5aは、例えば、導線5aを半ターン分毎に板金から打ち抜いて溶接等により互いに接合することにより、製造することができる。
なお、以降の説明において、引出し部5cの先端から引出し部5dが設けられた位置の下方まで巻回された部分を第1ターンとし、以降の1周ずつ巻回された部分を順に第2〜第10ターンと数えることとする。各ターンの始点の取り方は任意に定めることができる。
コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の両端部には、モータ回転軸方向外側(外周側)に凹み、かつモータ回転周方向(凹部5eが形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向)外側には凹んでいない凹部5eが全体に亘って曲線状に形成されている。
絶縁皮膜5bは、コイル5と外部の部材(図示せず)を絶縁するように、導線5aの引出し部5c,5dを除く表面全体に設けられている。例えば、図1A〜図1Cに示すモータ1において、絶縁皮膜5b及び図示しない絶縁部材、例えば樹脂、絶縁紙等によって、コイル5とステータコア40との間が絶縁されている。コイル5における隣接するターン間は絶縁皮膜5bによって絶縁されている。絶縁皮膜5bは、例えば、ポリイミド、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(Poly Ether Ether Ketone(PEEK))、アクリル、アミドイミド、エステルイミド、エナメル、耐熱樹脂等によって形成されている。絶縁皮膜5bの厚みは、数十μm程度、例えば、10μmから50μmの間である。
引出し部5c,5dはいずれも導線5aの一部である。引出し部5c,5dは、外部からの電流供給を受けるため、あるいは外部に電流を供給するために、コイル5の側面、言いかえると、導線5aのターン列と交差する平面から外側に延在している。外部の部材、例えば、図1A〜図1Cに示すバスバー51〜54のいずれかと接続するために、引出し部5c,5dにおいて、絶縁皮膜5bが除去されている。なお、絶縁皮膜5bは、引出し部5c,5dの全領域で除去されている必要はなく、例えば、バスバー51〜54との接続に必要な部分のみ絶縁皮膜5bが除去されていればよい。
図5に示すように、コイル5の第1〜第10ターンのモータ回転軸方向一方の辺に形成された1対の凹部5eは、ティース部42のバリ42aにバリ42aの突出方向(モータ回転軸方向外側)から対向し、バリ42aの先端部を収容している。また、図6に示すように、コイル5の第1〜第nターンのモータ回転軸方向他方の辺に形成された1対の凹部5eは、ティース部42のダレ42bにモータ回転軸方向外側から対向している。各凹部5eのモータ周方向外側端部に形成されるアール部の曲率半径R1は、ティース部42のダレ42bの曲率半径R2よりも大きくなっている。凹部5eに形成されるアール部の曲率半径R1は、コイル5の加工精度、加工作業のし易さ、樹脂の塗布による絶縁皮膜5bの形成作業のし易さ等に基づいて設定される。例えば、ティース部42のダレ42bの曲率半径R2が0.1mm程度の場合、凹部5eに形成されるアール部の曲率半径R1は、0.3mm以上に設定される。凹部5eに形成されるアール部の曲率半径R1は、コイル5の剛性を損なわないように、数mm以下に設定される。ティース部42のダレ42bの曲率半径R2は0.1mm程度に限定されない。
ここで、比較のためのコイル5の形状と、本実施形態に係るコイル5の形状との違いについて図面を用いて説明する。
図7〜図9に示すように、コイル5に凹部5eを設けない場合、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁のコーナー部を直角に形成することが難しく、コーナー部にアール部5fが形成される。したがって、ティース部42のモータ回転周方向の幅WTを、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺のアール部5f非形成部分の間隔D1に合わせて最大限広く設定すると、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向両端部、すなわちモータ回転周方向に対向する2辺のアール部5f形成部分で挟まれた空間が、ティース部42を配設できないデッドスペースDS(空気層)となる。これにより、コイル5の放熱効率が悪化するともに、ステータ4内でのコイル5の占積率が低下して、モータ1の効率が低くなる。
これに対し、本実施形態によれば、コイル5のアール部が凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺にアール部が形成されない。よって、ティース部42のモータ回転周方向の幅WTを、コイル5のモータ回転周方向に対向する2辺の間隔D1に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向両端部にデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことができる。これにより、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向両端部のデッドスペースを減らせるので、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
凹部5eを設けない場合には、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間隔D2をバリ42aの突出高さよりも長く設定する必要がある。これに対し、本実施形態によれば、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容しているので、凹部5eを設けない場合に比べ、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部5e非形成箇所との間隔D2(図5を参照)を短く設定できる。したがって、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向、すなわちモータ回転軸方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、デッドスペースをモータ回転軸方向に狭くできるので、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転軸方向に延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転軸方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
コイル5の凹部5eに角部を設けた場合に比べ、組立時にコイル5の凹部5eの角部とティース部42との接触によりコイル5表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイル5の絶縁皮膜5bの傷付きが抑制される。
以上のように、本実施形態のコイル5の装着構造は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイル5を、断面四角形状で延在方向に延在する柱状コアに装着させた装着構造であって、柱状コアは、電磁鋼板からなる複数のコアシートを柱状コアの延在方向と直交する積層方向に積層してなる積層体で構成され、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部には、バリ42aが突出方向に突出形成され、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁には、外周側に凹む凹部5eが形成され、凹部5eは、柱状コアのバリ42aにバリ42aの突出方向から対向している。
この構成によれば、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリ42aの突出高さが高い場合でも、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容できる。よって、凹部5eを設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くできるので、コイル5をバリ42aの突出方向に小さくできる。
凹部5eは、バリ42aの先端部を収容していてもよい。
この構成によれば、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容しているので、凹部を設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くできるので、コイル5をバリ42aの突出方向に小さくできる。
凹部5eは、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁を構成する平面視四角形状の4辺のうちの1辺、又は互いに対向する2辺の両端部に形成され、凹部5eが形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向には凹んでいないようにしてもよい。
この構成によれば、コイル5の第1〜第nターンにおける凹部5eが形成されていない辺に沿って延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。よって、コイルの凹部5eが形成されていない辺に沿って延びる部分の幅を全体的に短く設定できる。したがって、コイル5を小型化できる。
コイル5は、板状部材に相当する導線5aと、導線5aの表面に設けられた絶縁皮膜5bとを有し、凹部は、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイル5の凹部5eに角部を設けた場合に比べ、組立時にコイル5の凹部5eの角部と柱状コアとの接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイル5の絶縁皮膜5bの傷付きを抑制できる。
また、本実施形態のコイル5の装着構造は、断面四角形状のティース部42が、ティース部42の外周面を構成する1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータ1のステータ4の環状のヨーク部41の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイル5をティース部42に装着させたコイルの装着構造であって、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転軸方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転軸方向の外側に凹み、かつモータ回転周方向の外側には凹んでいない凹部5eが形成されている。
この構成によれば、コイル5のアール部5fが凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部5fが形成されない。よって、ティース部42のモータ回転周方向の幅を、コイル5のモータ回転周方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間の少なくともモータ回転軸方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイルの放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
また、コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転軸方向に延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転軸方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
ティース部42は、電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向に積層してなる積層体で構成され、ティース部42のモータ回転軸方向の一方の端面の外周部には、バリ42aが突出形成され、凹部5eは、ティース部42のバリ42aにバリ42aの突出方向から対向していてもよい。
この構成によれば、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリ42aの突出高さが高い場合でも、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容できる。よって、凹部5eを設けない場合に比べ、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向、すなわちモータ1回転軸方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、デッドスペースをモータ回転軸方向に狭くできる。したがって、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
コイル5は、板状部材に相当する導線5aと、導線5aの表面に設けられた絶縁皮膜5bとを有し、凹部5eは、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイル5の凹部5eに角部を設けた場合に比べ、組立時にコイル5の凹部5eの角部とティース部42との接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイル5の絶縁皮膜5bの傷付きを抑制できる。
(実施形態2)
図10は、実施形態2に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。本実施形態では、凹部5eが、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺の両端部に形成され、モータ回転周方向外側に凹み、かつモータ回転軸方向外側には凹んでいない。その他のモータ1の構成は、実施形態1と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、コイル5のアール部が凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺にアール部が形成されない。よって、ティース部42のモータ回転軸方向の幅を、コイル5のモータ回転軸方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間のモータ回転周方向両端部にデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転周方向両端部のデッドスペースを減らせるので、コイル5をモータ回転周方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
また、コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転周方向に延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転周方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
以上のように、本実施形態のコイル5の装着構造は、断面四角形状のティース部42が、ティース部42の断面四角形状の外周面を構成する相対する2辺からなる1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータ1のステータ4の環状のヨーク部41の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイル5をティース部42に装着させたコイル5の装着構造であって、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転周方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転周方向の外側に凹み、かつモータ回転軸方向の外側には凹んでいない凹部5eが形成されている。
この構成によれば、コイル5のアール部5fが凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部f5が形成されない。よって、ティース部42のモータ回転軸方向の幅を、コイル5のモータ回転軸方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間の少なくともモータ回転周方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転周方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイル5をモータ回転周方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
また、コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転周方向に延びる部分には、凹部が形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転周方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
(実施形態3)
図11は、実施形態3に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。本実施形態では、凹部5eが、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の両端部とモータ回転周方向に対向する2辺の両端部に連続して形成され、モータ回転軸方向外側に向かってモータ回転周方向外側に傾斜する方向に凹んでいる。つまり、凹部5eは、モータ軸方向外側及びモータ回転周方向外側に凹んでいる。
その他のモータ1の構成は、実施形態1と同じであるので同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施形態1〜3では、凹部5e(コイル5の内周端縁における凹部5e対応箇所)を全体に亘って曲線状に形成したが、凹部5e(コイル5の内周端縁における凹部5e対応箇所)の一部にアール部を形成できれば、凹部5eの残りの一部を直線状に形成してもよい。
実施形態1では、コイル5の凹部5eがバリ42aの先端部だけを収容したが、バリ42a全体を収容するようにしてもよい。また、コイル5の凹部5eがバリ42aを収容しておらず、製造のばらつきによってバリ42aの突出高さがより高くなった場合にだけ、バリ42aがコイル5の凹部5eに収容されるようにしてもよい。
実施形態1では、凹部5eを、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転軸方向に対向する2辺の両端部に形成したが、2辺のうちのいずれか一方だけに形成してもよい。
実施形態2では、凹部5eを、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転周方向に対向する2辺の両端部に形成したが、2辺のうちのいずれか一方だけに形成してもよい。
実施形態1〜3では、コイル5のターン数(n)を10としたが、2以上であれば、10以外のターン数(整数)としてもよい。
実施形態1〜3では、コイル5の導線5aを、断面が四角形状の線材で構成したが、断面が台形又は菱形形状の線材で構成してもよい。
本開示に係るコイルの装着構造は、コイルの放熱効率を高めることができ、コイル装置、モータ、電力機器等に適用する上で有用である。
1 モータ
2 シャフト
2a 中空部
2b 貫通孔
3 ロータ
4 ステータ
5 コイル
5a 導線
5b 絶縁皮膜
5c 引き出し部
5d 引き出し部
5e 凹部
5f アール部
31 磁石
40 ステータコア
41 ヨーク部
42 ティース部
42a バリ
42b ダレ
43 スロット
51、52、53、54 バスバー
C 冷媒
U11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41 コイル
本発明は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在する柱状コアに装着させたコイルの装着構造に関する。
特許文献1には、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在する柱状コアに装着させた装着構造が開示されている。この装着構造では、コイルの第1〜第nターンの内周端縁の4つのコーナー部に外周側に凹む凹部を形成し、該凹部に柱状コアの角部を収容させることで、凹部を形成しない場合に比べ、柱状コアの各辺とコイルのストレート部との隙間を小さくし、コイル内側に収容できる柱状コアの体積を増大させている。
ところで、特許文献1のようなコイルの装着構造において、電磁鋼板からなる複数のコアシートを該柱状コアの延在方向と直交する方向に積層してなる積層体で柱状コアを構成した場合には、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部にプレス成形によるバリが突出形成される。かかる場合、コイルの第1〜第nターンの内周端縁における凹部非形成箇所を上記バリに当該バリの突出方向から対向させると、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの第1〜第nターンの内周端縁との間に、コイルが巻回されない空間、いわゆるデッドスペースが広く形成され、コイルの放熱効率の低下を招く虞がある。
特開2015−228476号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コイルの放熱効率を高めることにある。
上記の目的を達成するため、本開示の第1の技術は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在方向に延在する柱状コアに装着させた装着構造であって、柱状コアは、電磁鋼板からなる複数のコアシートを柱状コアの延在方向と直交する方向に積層してなる積層体で構成され、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部には、バリが突出方向に突出形成され、コイルの第1〜第nターンの内周端縁には、外周側に凹む凹部が形成され、凹部は、柱状コアのバリにバリの突出方向から対向している。
この構成によれば、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリの突出高さが高い場合でも、バリをコイルの凹部に収容できる。よって、凹部を設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリの突出方向に狭くし、コイルの放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリの突出方向に狭くできるので、コイルをバリの突出方向に小さくできる。
凹部は、バリの先端部を収容していてもよい。
この構成によれば、バリをコイルの凹部に収容しているので、凹部を設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリの突出方向に狭くし、コイルの放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリの突出方向に狭くできるので、コイルをバリの突出方向に小さくできる。
凹部は、コイルの第1〜第nターンの内周端縁を構成する平面視四角形状の4辺のうちの1辺、又は互いに対向する2辺の両端部に形成され、凹部が形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向には凹んでいないようにしてもよい。
この構成によれば、コイルの第1〜第nターンにおける凹部が形成されていない辺に沿って延びる部分には、凹部が形成されず、凹部を形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。よって、コイルの凹部が形成されていない辺に沿って延びる部分の幅を全体的に短く設定できる。したがって、コイルを小型化できる。
コイルは、板状部材と、板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、凹部は、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイルの凹部に角部を設けた場合に比べ、組立時にコイルの凹部の角部と柱状コアとの接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイルの絶縁皮膜の傷付きを抑制できる。
本開示の第2の技術は、断面四角形状のティース部が、ティース部の外周面を構成する1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータのステータの環状のヨーク部の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルをティース部に装着させたコイルの装着構造であって、コイルの第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転軸方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転軸方向の外側に凹み、かつモータ回転周方向の外側には凹んでいない凹部が形成されている。
この構成によれば、コイルのアール部が凹部に形成され、コイルの第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部が形成されない。よって、ティース部のモータ回転周方向の幅を、コイルのモータ回転周方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイルの内側空間の少なくともモータ回転軸方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部を設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイルの放熱効率を高め、ステータ内でのコイルの占積率を向上し、モータの効率を高めることができる。また、コイルの内側空間のモータ回転軸方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイルをモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータをモータ回転軸方向に小型化できる。
また、コイルの第1〜第nターンにおけるモータ回転軸方向に延びる部分には、凹部が形成されず、凹部を形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイルのモータ回転軸方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータをモータ回転周方向に小型化できる。
ティース部は、電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向に積層してなる積層体で構成され、ティース部のモータ回転軸方向の一方の端面の外周部には、バリが突出形成され、凹部は、ティース部のバリにバリの突出方向から対向していてもよい。
この構成によれば、ティース部のバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリの突出高さが高い場合でも、バリをコイルの凹部に収容できる。よって、凹部を設けない場合に比べ、ティース部のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、ティース部のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイルの内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリの突出方向、すなわちモータ回転軸方向に狭くし、コイルの放熱効率を高め、ステータ内でのコイルの占積率を向上し、モータの効率を高めることができる。また、デッドスペースをモータ回転軸方向に狭くできる。したがって、コイルをモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータをモータ回転軸方向に小型化できる。
本開示の第3の技術は、断面四角形状のティース部が、ティース部の断面四角形状の外周面を構成する相対する2辺からなる1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータのステータの環状のヨーク部の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルをティース部に装着させたコイルの装着構造であって、コイルの第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転周方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転周方向の外側に凹み、かつモータ回転軸方向の外側には凹んでいない凹部が形成されている。
この構成によれば、コイルのアール部が凹部に形成され、コイルの第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部が形成されない。よって、ティース部のモータ回転軸方向の幅を、コイルのモータ回転軸方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイルの内側空間の少なくともモータ回転周方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部を設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイルの放熱効率を高め、ステータ内でのコイルの占積率を向上し、モータの効率を高めることができる。また、コイルの内側空間のモータ回転周方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイルをモータ回転周方向に小さくすることにより、モータをモータ回転周方向に小型化できる。
また、コイルの第1〜第nターンにおけるモータ回転周方向に延びる部分には、凹部が形成されず、凹部を形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイルのモータ回転周方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータをモータ回転軸方向に小型化できる。
コイルは、板状部材と、板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、凹部は、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイルの凹部に角部を設けた場合に比べ、組立時にコイルの凹部の角部とティース部との接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイルの絶縁皮膜の傷付きを抑制できる。
本開示によれば、コイルの放熱効率を高めることができる。
実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータの平面図である。 実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータの側面図である。 図1Bの1C−1C線における断面図である。 実施形態1に係るコイルの斜視図である。 実施形態1に係るコイルを、モータ回転周方向一方から見た側面図である。 実施形態1に係るコイルをティース部に装着した斜視図である。 図4の4Q−4Q線におけるティース部のバリ周りの拡大断面図である。 図4の4Q−4Q線におけるティース部のダレ周りの拡大断面図である。 比較例のコイルの斜視図である。 比較例のコイルの斜視図である。 比較例のコイルのティース部のダレ周りの拡大断面図である。 実施形態2に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。 実施形態3に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1Aは、実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータ1の平面図である。図1Bは、実施形態1に係るコイルの装着構造が適用されたモータ1の側面図である。図1Cは、図1Bの1C−1C線における断面図である。ただし、いずれにおいても、カバーケース等は図示していない。モータ1は、カバーケース(図示せず)の内部に、シャフト2と、ロータ3と、ステータ4と、実施形態1に係る装着構造が適用されたコイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41と、バスバー51〜54と、を備えている。
なお、図1A及び図1Cでは、紙面に対して垂直な方向がモータ回転軸方向である。
ここで、「一体」あるいは「一体化」とは、複数の部品が、ボルト締め、又は、かしめ等の機械的に接続されているだけでなく、共有結合、イオン結合、金属結合などの材料結合によって、部品が電気的に接続された1つの物体の状態、又は部品全体が溶融などによって材料結合され電気的に接続された1つの物体の状態をいう。
シャフト2は、モータ回転軸方向に延びる中空部2aを内部に有しており、側面には複数の貫通孔2bが設けられている。中空部2aは、モータ1の内部を冷却するための冷媒Cの通路である。冷媒Cは、中空部2a内をモータ回転軸方向(シャフト2の長手方向)に沿って流れており、モータ1の内部で循環して流れている。中空部2aを流れる冷媒Cの一部は、複数の貫通孔2bから流れ出て、モータ1の中心側から外側、つまりロータ3からステータ4の方向にも流れ、ロータ3やステータ4を冷却する。
ロータ3は、シャフト2の外周に接して設けられており、ステータ4に対向してN極、S極がシャフト2の外周方向に沿って交互に配置された磁石31を含んでいる。なお、本実施形態では、ロータ3に用いられる磁石31としてネオジム磁石を使用しているが、その材料、形状、又は材質については、モータ1の出力等に応じて適宜変更しうる。
ステータ4は、ステータコア40を備える。ステータコア40は、実質的に円環状のヨーク部41を有している。ヨーク部41の内周面には、その先端部を除く部分が断面四角形状で延在する柱状コアとしての複数のティース部42が、その外周面を構成する1対の面をモータ回転軸方向に向けるとともに、残りの1対の面をモータ回転周方向に向けた状態で等間隔に突設されている。ティース部42の先端部は、モータ回転周方向両側に張り出している。隣接するティース部42の間には、スロット43が設けられている。ステータ4は、モータ回転軸方向から見て、ロータ3の外側に、ロータ3と一定の間隔を持って配置されている。
ステータコア40のティース部42は、ケイ素等を含有した電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向(ティース部42の延在方向と直交する方向)に積層してなる積層体で構成されている。ティース部42は、コアシートの積層後に打ち抜き加工して形成される。ティース部42のモータ回転軸方向一方の端面の外周部には、バリ42a(図5を参照)が打ち抜き加工により突出形成されている。一方、ティース部42のモータ回転軸方向他方の端面の外周部には、端面の外周側に向かってモータ回転軸方向一方(内側)に湾曲するダレ42b(図6を参照)が打ち抜き加工により形成されている。
なお、本実施形態において、ロータ3の磁極数は、ステータ4に対向するN極が5個、S極が5個の計10極であり、スロット43の数は12個である。しかし、特にこれに限定されるものではなく、その他の磁極数とスロット数との組合せについても適用できる。
ステータ4は12個のコイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41を有している。コイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41は、それぞれティース部42に装着されて、モータ回転軸方向から見て、それぞれスロット43内に配置されている。つまり、コイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41は、ティース部42に対して集中巻になっている。さらに、コイルU11、U22、U32、U41はバスバー51と、コイルV12、V21、V31、V42はバスバー52と、コイルW11、W22、W32、W41はバスバー53とそれぞれ一体化されて配置されている。
ここで、コイルを表わす符号UXY、VXY、WXYのうち、最初の文字はモータ1の各相(本実施形態の場合は、U相、V相、W相)を表わす。2番目の文字は同相内のコイルの配列順を表わす。3番目の文字はコイルの巻回方向を表わし、本実施形態では、1は時計回り方向、2は反時計回り方向である。したがって、コイルU11は、U相の配列順が1番目のコイルで、巻回方向が時計回り方向であることを表わす。コイルV42は、V相の配列順が4番目のコイルで、巻回方向が反時計回り方向であることを表わす。なお、時計回りとは、モータ1の中心から見て右回りをいい、「反時計回り」とはモータ1の中心から見て左回りをいう。
また、厳密には、コイルU11,U41はU相のコイルであり、コイルU22,U32はUバー相(U相コイルと発生する磁界の向きが逆)のコイルである。しかし、以降の説明では、特に断らない限り、U相のコイルと総称する。コイルV12〜V42及びコイルW11〜W41についても同様に、V相のコイル、W相のコイルとそれぞれ総称する。
[コイル構造]
図2は、実施形態1に係るコイル5の斜視図である。図3は、実施形態1に係るコイル5を、モータ回転周方向一方から見た側面図である。図4は、実施形態1に係るコイル5をティース部42に装着した斜視図である。図5は、図4の4Q−4Q線におけるティース部42のバリ42a周りの拡大断面図である。図6は、図4の4Q−4Q線におけるティース部42のダレ42b周りの拡大断面図である。図7は、比較例のコイル5の斜視図である。図8は、比較例のコイル5の斜視図であり、図9は、図8の8Q−8Q線における比較例のコイル5のティース部42のダレ42b周りの拡大断面図である。
また、図2〜図6に示す実施形態1に係るコイル5は、図1Cに示すモータ1のティース部42に装着されたコイルU11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41に適用される。
コイル5は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなしている。コイル5は、巻回された導線5aと、導線5aの表面に設けられた絶縁皮膜5bと、コイル5の第1ターンから引き出された引出し部5c及び第10ターンから引き出された引出し部5dとを有している。
導線5aは、断面が四角形状の導電部材からなる線材である。導線5aは、螺旋状に単層で10ターン巻回されて上下方向に積層されたターン列をなしている。導線5aは、例えば、銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、真鍮、鉄、SUS(Steel Use Stainless)等によって形成されている。導線5aは、例えば、導線5aを半ターン分毎に板金から打ち抜いて溶接等により互いに接合することにより、製造することができる。
なお、以降の説明において、引出し部5cの先端から引出し部5dが設けられた位置の下方まで巻回された部分を第1ターンとし、以降の1周ずつ巻回された部分を順に第2〜第10ターンと数えることとする。各ターンの始点の取り方は任意に定めることができる。
コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の両端部には、モータ回転軸方向外側(外周側)に凹み、かつモータ回転周方向(凹部5eが形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向)外側には凹んでいない凹部5eが全体に亘って曲線状に形成されている。
絶縁皮膜5bは、コイル5と外部の部材(図示せず)を絶縁するように、導線5aの引出し部5c,5dを除く表面全体に設けられている。例えば、図1A〜図1Cに示すモータ1において、絶縁皮膜5b及び図示しない絶縁部材、例えば樹脂、絶縁紙等によって、コイル5とステータコア40との間が絶縁されている。コイル5における隣接するターン間は絶縁皮膜5bによって絶縁されている。絶縁皮膜5bは、例えば、ポリイミド、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(Poly Ether Ether Ketone(PEEK))、アクリル、アミドイミド、エステルイミド、エナメル、耐熱樹脂等によって形成されている。絶縁皮膜5bの厚みは、数十μm程度、例えば、10μmから50μmの間である。
引出し部5c,5dはいずれも導線5aの一部である。引出し部5c,5dは、外部からの電流供給を受けるため、あるいは外部に電流を供給するために、コイル5の側面、言いかえると、導線5aのターン列と交差する平面から外側に延在している。外部の部材、例えば、図1A〜図1Cに示すバスバー51〜54のいずれかと接続するために、引出し部5c,5dにおいて、絶縁皮膜5bが除去されている。なお、絶縁皮膜5bは、引出し部5c,5dの全領域で除去されている必要はなく、例えば、バスバー51〜54との接続に必要な部分のみ絶縁皮膜5bが除去されていればよい。
図5に示すように、コイル5の第1〜第10ターンのモータ回転軸方向一方の辺に形成された1対の凹部5eは、ティース部42のバリ42aにバリ42aの突出方向(モータ回転軸方向外側)から対向し、バリ42aの先端部を収容している。また、図6に示すように、コイル5の第1〜第nターンのモータ回転軸方向他方の辺に形成された1対の凹部5eは、ティース部42のダレ42bにモータ回転軸方向外側から対向している。各凹部5eのモータ周方向外側端部に形成されるアール部の曲率半径R1は、ティース部42のダレ42bの曲率半径R2よりも大きくなっている。凹部5eに形成されるアール部の曲率半径R1は、コイル5の加工精度、加工作業のし易さ、樹脂の塗布による絶縁皮膜5bの形成作業のし易さ等に基づいて設定される。例えば、ティース部42のダレ42bの曲率半径R2が0.1mm程度の場合、凹部5eに形成されるアール部の曲率半径R1は、0.3mm以上に設定される。凹部5eに形成されるアール部の曲率半径R1は、コイル5の剛性を損なわないように、数mm以下に設定される。ティース部42のダレ42bの曲率半径R2は0.1mm程度に限定されない。
ここで、比較のためのコイル5の形状と、本実施形態に係るコイル5の形状との違いについて図面を用いて説明する。
図7〜図9に示すように、コイル5に凹部5eを設けない場合、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁のコーナー部を直角に形成することが難しく、コーナー部にアール部5fが形成される。したがって、ティース部42のモータ回転周方向の幅WTを、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺のアール部5f非形成部分の間隔D1に合わせて最大限広く設定すると、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向両端部、すなわちモータ回転周方向に対向する2辺のアール部5f形成部分で挟まれた空間が、ティース部42を配設できないデッドスペースDS(空気層)となる。これにより、コイル5の放熱効率が悪化するともに、ステータ4内でのコイル5の占積率が低下して、モータ1の効率が低くなる。
これに対し、本実施形態によれば、コイル5のアール部が凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺にアール部が形成されない。よって、ティース部42のモータ回転周方向の幅WTを、コイル5のモータ回転周方向に対向する2辺の間隔D1に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向両端部にデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことができる。これにより、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向両端部のデッドスペースを減らせるので、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
凹部5eを設けない場合には、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間隔D2をバリ42aの突出高さよりも長く設定する必要がある。これに対し、本実施形態によれば、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容しているので、凹部5eを設けない場合に比べ、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部5e非形成箇所との間隔D2(図5を参照)を短く設定できる。したがって、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向、すなわちモータ回転軸方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、デッドスペースをモータ回転軸方向に狭くできるので、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転軸方向に延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転軸方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
コイル5の凹部5eに角部を設けた場合に比べ、組立時にコイル5の凹部5eの角部とティース部42との接触によりコイル5表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイル5の絶縁皮膜5bの傷付きが抑制される。
以上のように、本実施形態のコイル5の装着構造は、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイル5を、断面四角形状で延在方向に延在する柱状コアに装着させた装着構造であって、柱状コアは、電磁鋼板からなる複数のコアシートを柱状コアの延在方向と直交する積層方向に積層してなる積層体で構成され、柱状コアの積層方向一方の端面の外周部には、バリ42aが突出方向に突出形成され、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁には、外周側に凹む凹部5eが形成され、凹部5eは、柱状コアのバリ42aにバリ42aの突出方向から対向している。
この構成によれば、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリ42aの突出高さが高い場合でも、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容できる。よって、凹部5eを設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くできるので、コイル5をバリ42aの突出方向に小さくできる。
凹部5eは、バリ42aの先端部を収容していてもよい。
この構成によれば、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容しているので、凹部を設けない場合に比べ、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、柱状コアのバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高めることができる。また、デッドスペースをバリ42aの突出方向に狭くできるので、コイル5をバリ42aの突出方向に小さくできる。
凹部5eは、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁を構成する平面視四角形状の4辺のうちの1辺、又は互いに対向する2辺の両端部に形成され、凹部5eが形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向には凹んでいないようにしてもよい。
この構成によれば、コイル5の第1〜第nターンにおける凹部5eが形成されていない辺に沿って延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。よって、コイルの凹部5eが形成されていない辺に沿って延びる部分の幅を全体的に短く設定できる。したがって、コイル5を小型化できる。
コイル5は、板状部材に相当する導線5aと、導線5aの表面に設けられた絶縁皮膜5bとを有し、凹部は、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイル5の凹部5eに角部を設けた場合に比べ、組立時にコイル5の凹部5eの角部と柱状コアとの接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイル5の絶縁皮膜5bの傷付きを抑制できる。
また、本実施形態のコイル5の装着構造は、断面四角形状のティース部42が、ティース部42の外周面を構成する1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータ1のステータ4の環状のヨーク部41の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイル5をティース部42に装着させたコイルの装着構造であって、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転軸方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転軸方向の外側に凹み、かつモータ回転周方向の外側には凹んでいない凹部5eが形成されている。
この構成によれば、コイル5のアール部5fが凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部5fが形成されない。よって、ティース部42のモータ回転周方向の幅を、コイル5のモータ回転周方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間の少なくともモータ回転軸方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイルの放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転軸方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
また、コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転軸方向に延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転軸方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
ティース部42は、電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向に積層してなる積層体で構成され、ティース部42のモータ回転軸方向の一方の端面の外周部には、バリ42aが突出形成され、凹部5eは、ティース部42のバリ42aにバリ42aの突出方向から対向していてもよい。
この構成によれば、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域とコイルの内周端縁の凹部非形成箇所との間隔よりもバリ42aの突出高さが高い場合でも、バリ42aをコイル5の凹部5eに収容できる。よって、凹部5eを設けない場合に比べ、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁の凹部非形成箇所との間隔を短く設定できる。したがって、ティース部42のバリ形成面におけるバリ非形成領域と、コイル5の内周端縁との間に形成されるデッドスペースをバリ42aの突出方向、すなわちモータ1回転軸方向に狭くし、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、デッドスペースをモータ回転軸方向に狭くできる。したがって、コイル5をモータ回転軸方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
コイル5は、板状部材に相当する導線5aと、導線5aの表面に設けられた絶縁皮膜5bとを有し、凹部5eは、全体に亘って曲線状に形成されていてもよい。
この構成によれば、コイル5の凹部5eに角部を設けた場合に比べ、組立時にコイル5の凹部5eの角部とティース部42との接触によりコイル表面に大きい接触圧力がかかることがない。したがって、組立時におけるコイル5の絶縁皮膜5bの傷付きを抑制できる。
(実施形態2)
図10は、実施形態2に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。本実施形態では、凹部5eが、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転周方向に対向する2辺の両端部に形成され、モータ回転周方向外側に凹み、かつモータ回転軸方向外側には凹んでいない。その他のモータ1の構成は、実施形態1と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、コイル5のアール部が凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺にアール部が形成されない。よって、ティース部42のモータ回転軸方向の幅を、コイル5のモータ回転軸方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間のモータ回転周方向両端部にデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転周方向両端部のデッドスペースを減らせるので、コイル5をモータ回転周方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
また、コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転周方向に延びる部分には、凹部5eが形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転周方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
以上のように、本実施形態のコイル5の装着構造は、断面四角形状のティース部42が、ティース部42の断面四角形状の外周面を構成する相対する2辺からなる1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータ1のステータ4の環状のヨーク部41の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイル5をティース部42に装着させたコイル5の装着構造であって、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転周方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、モータ回転周方向の外側に凹み、かつモータ回転軸方向の外側には凹んでいない凹部5eが形成されている。
この構成によれば、コイル5のアール部5fが凹部5eに形成され、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の少なくとも一端部にはアール部f5が形成されない。よって、ティース部42のモータ回転軸方向の幅を、コイル5のモータ回転軸方向に対向する2辺の間隔に合わせて最大限広く設定した場合でも、コイル5の内側空間の少なくともモータ回転周方向一端部にはデッドスペースを設けなくてよい。したがって、凹部5eを設けない場合に比べ、デッドスペースを減らすことにより、コイル5の放熱効率を高め、ステータ4内でのコイル5の占積率を向上し、モータ1の効率を高めることができる。また、コイル5の内側空間のモータ回転周方向端部のデッドスペースを減らせる。したがって、コイル5をモータ回転周方向に小さくすることにより、モータ1をモータ回転周方向に小型化できる。
また、コイル5の第1〜第nターンにおけるモータ回転周方向に延びる部分には、凹部が形成されず、凹部5eを形成した場合に比べて抵抗値が低くなる。したがって、コイル5のモータ回転周方向に延びる部分の幅を全体的に短く設定でき、モータ1をモータ回転軸方向に小型化できる。
(実施形態3)
図11は、実施形態3に係るコイルをティース部に装着したときのダレ周りの拡大断面図である。本実施形態では、凹部5eが、コイル5の第1〜第10ターンの内周端縁を構成する4辺のうち、モータ回転軸方向に対向する2辺の両端部とモータ回転周方向に対向する2辺の両端部に連続して形成され、モータ回転軸方向外側に向かってモータ回転周方向外側に傾斜する方向に凹んでいる。つまり、凹部5eは、モータ軸方向外側及びモータ回転周方向外側に凹んでいる。
その他のモータ1の構成は、実施形態1と同じであるので同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施形態1〜3では、凹部5e(コイル5の内周端縁における凹部5e対応箇所)を全体に亘って曲線状に形成したが、凹部5e(コイル5の内周端縁における凹部5e対応箇所)の一部にアール部を形成できれば、凹部5eの残りの一部を直線状に形成してもよい。
実施形態1では、コイル5の凹部5eがバリ42aの先端部だけを収容したが、バリ42a全体を収容するようにしてもよい。また、コイル5の凹部5eがバリ42aを収容しておらず、製造のばらつきによってバリ42aの突出高さがより高くなった場合にだけ、バリ42aがコイル5の凹部5eに収容されるようにしてもよい。
実施形態1では、凹部5eを、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転軸方向に対向する2辺の両端部に形成したが、2辺のうちのいずれか一方だけに形成してもよい。
実施形態2では、凹部5eを、コイル5の第1〜第nターンの内周端縁におけるモータ回転周方向に対向する2辺の両端部に形成したが、2辺のうちのいずれか一方だけに形成してもよい。
実施形態1〜3では、コイル5のターン数(n)を10としたが、2以上であれば、10以外のターン数(整数)としてもよい。
実施形態1〜3では、コイル5の導線5aを、断面が四角形状の線材で構成したが、断面が台形又は菱形形状の線材で構成してもよい。
本開示に係るコイルの装着構造は、コイルの放熱効率を高めることができ、コイル装置、モータ、電力機器等に適用する上で有用である。
1 モータ
2 シャフト
2a 中空部
2b 貫通孔
3 ロータ
4 ステータ
5 コイル
5a 導線
5b 絶縁皮膜
5c 引き出し部
5d 引き出し部
5e 凹部
5f アール部
31 磁石
40 ステータコア
41 ヨーク部
42 ティース部
42a バリ
42b ダレ
43 スロット
51、52、53、54 バスバー
C 冷媒
U11、U22、U32、U41、V12、V21、V31、V42、W11、W22、W32、W41 コイル

Claims (9)

  1. 帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを、断面四角形状で延在方向に延在する柱状コアに装着させた装着構造であって、
    前記柱状コアは、電磁鋼板からなる複数のコアシートを前記柱状コアの前記延在方向と直交する積層方向に積層してなる積層体で構成され、前記柱状コアの前記積層方向一方の端面の外周部には、バリが突出方向に突出形成され、
    前記コイルの前記第1〜第nターンの内周端縁には、外周側に凹む凹部が形成され、
    前記凹部は、前記柱状コアの前記バリに前記バリの前記突出方向から対向しているコイルの装着構造。
  2. 前記凹部は、前記バリの先端部を収容している請求項1に記載のコイルの装着構造。
  3. 前記凹部は、前記コイルの第1〜第nターンの内周端縁を構成する前記平面視四角形状の4辺のうちの1辺、又は互いに対向する2辺の両端部に形成され、前記凹部が形成された辺の凹部非形成部分が延びる方向には凹んでいない請求項1に記載のコイルの装着構造。
  4. 前記コイルは、前記板状部材と、前記板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、
    前記凹部は、全体に亘って曲線状に形成されている請求項1に記載のコイルの装着構造。
  5. ティース部及びヨーク部を具備するステータにおいて、
    前記ティース部に断面四角形状を含み、前記ティース部の外周面を構成する1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに前記1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータのステータの環状のヨーク部の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを前記ティース部に装着させたコイルの装着構造を含み、
    更に、前記コイルの装着構造には、前記コイルの前記第1〜第nターンの内周端縁における前記モータ回転軸方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、前記モータ回転軸方向の外側に凹み、かつ前記モータ回転周方向の外側には凹んでいない凹部が形成されている構成を含むステータ。
  6. 前記ティース部は、電磁鋼板からなる複数のコアシートを前記モータ回転軸方向に積層してなる積層体で構成され、前記ティース部の前記モータ回転軸方向の一方の端面の外周部には、バリが突出形成され、
    前記凹部は、前記ティース部の前記バリに前記バリの突出方向から対向している請求項5に記載のコイルの装着構造を含むステータ。
  7. シャフトと、ロータと、ティース部及びヨーク部を具備するステータと、を少なくとも含むモータにおいて、
    前記ティース部に断面四角形状を含み、
    断面四角形状のティース部が、前記ティース部の前記断面四角形状の外周面を構成し且つ前記外周面のうち相対する2辺からなる1対の一方の面をモータ回転軸方向に向けるとともに前記1対の他方の面をモータ回転周方向に向けた状態でモータのステータの環状のヨーク部の内周面に突設され、帯状に延びる板状部材を幅方向に屈曲させて平面視四角形状をなすように螺旋状に複数回巻回させた形状をなす第1〜第nターン(nは2以上の整数)からなるコイルを前記ティース部に装着させたコイルの装着構造を含み、
    更に、前記コイルの装着構造には、前記コイルの前記第1〜第nターンの内周端縁における前記モータ回転周方向に対向する2辺のうちの少なくとも一方の両端部には、前記モータ回転周方向の外側に凹み、かつ前記モータ回転軸方向の外側には凹んでいない凹部が形成されている構成を含むモータ。
  8. 前記コイルは、前記板状部材と、前記板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、
    前記凹部は、全体に亘って曲線状に形成されている請求項5に記載のステータ。
  9. 前記コイルは、前記板状部材と、前記板状部材の表面に設けられた絶縁皮膜とを有し、
    前記凹部は、全体に亘って曲線状に形成されている請求項7に記載のモータ。
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