JPWO2020050178A1 - 分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

高温環境下または粒子の含有率が高い場合等においても、粒子の分散安定性に優れる分散液を提供する。本発明の分散液の製造方法は、380℃における溶融粘度が1×102〜1×1010Pa・sであるフルオロオレフィン系ポリマーの粗大粒子と、曇点が50℃超の分散剤と、液状分散媒とを含む粘度10000mPa・s以下の液状組成物を流路に加圧流通させて、前記粗大粒子の平均粒径より小さい平均粒径の微小粒子に、前記粗大粒子を粉砕し、前記フッ素系分散剤と前記液状分散媒に分散した前記微小粒子とを含む分散液を得る。

Description

本発明は、フルオロオレフィン系ポリマーの微小粒子が液状分散媒に分散した、分散液の製造方法に関する。
フルオロオレフィン系ポリマーの粒子が液状分散媒中に分散した分散液は、各種基材の表面に塗布すれば、その表面にフルオロオレフィン系ポリマーに基づく物性を付与できるため、コーティング剤として有用である。
かかる分散液の製造方法として、フルオロオレフィン系ポリマーの粒子が分散した分散液を湿式ジェットミル法に供する方法が知られている(特許文献1および2参照)。
特許文献1には、ヒドロキシ基を有するPFAの粒子が水に分散した分散液を、湿式ジェットミル法に供し、粒子を微粒子化する分散液の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、PTFEの粒子とカーボンナノチューブとが非水性分散媒に分散した分散液を湿式ジェットミル法に供し、フィブリル化されたPTFEにカーボンナノチューブが捕捉された複合体を得る方法が開示されている。
特開2008−260864号公報 国際公開第2017/022229号
フルオロオレフィン系ポリマーは、本質的に表面張力が低く他の材料との相互作用が低い。このため、フルオロオレフィン系ポリマーの粒子を含む液状組成物において、粒子の分散性は不安定である。かかる液状組成物は、各成分の含有比率等の内的因子のみならず、温度、外力等の外的因子によっても、その性状(粘度、色調、相状態等)が変化し易い。したがって、大きな外的因子を局所的に付与する湿式ジェットミル法に液状組成物を供すると、液状組成物中の各成分の変質、あるいは成分同士の間での相互作用の変化が生じる。
そのため、フルオロオレフィン系ポリマーの粒子や、フルオロオレフィン系ポリマー自体の変質さえも誘引し、所望の分散液が得られない場合がある。本発明者らは、高温環境下または粒子の含有率が高い場合等において、粒子の分散安定性に優れた分散液が得られないという課題を具体的に知見している。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の溶融粘度を有するフルオロオレフィン系ポリマーに分散剤を配合して、所定の粘度とした液状組成物を流路に加圧流通させると、高温環境下または粒子の含有率が高い場合等においても、粒子の分散安定性に優れる分散液が得られることを知見した。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]380℃における溶融粘度が1×10〜1×1010Pa・sであるフルオロオレフィン系ポリマーの粗大粒子と、曇点が50℃超の分散剤と、液状分散媒とを含む粘度10000mPa・s以下の液状組成物を流路に加圧流通させて、前記粗大粒子の平均粒径より小さい平均粒径の微小粒子に前記粗大粒子を粉砕し、前記分散剤と前記液状分散媒に分散した前記微小粒子とを含む分散液を得る、分散液の製造方法。
[2]前記フルオロオレフィン系ポリマーの溶融温度が200℃以上である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記分散剤がフッ素系分散剤である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記フッ素系分散剤がフルオロモノオール、フルオロポリオール、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、[3]に記載の製造方法。
[5]前記フッ素系分散剤のフッ素含有量が10〜50質量%である、[3]または[4]に記載の製造方法。
[6]前記分散剤がフルオロモノオールおよびフルオロポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、水酸基価が10〜100mgKOH/gである化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記分散剤がフルオロモノオールであり、前記液状分散媒が水性分散媒である、請求項[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記分散剤がフルオロポリオールであり、前記液状分散媒が非水性分散媒である、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[9]前記微小粒子の平均粒径が、1μm以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記粗大粒子の平均粒径が、1μm超10μm未満である、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]前記液状組成物が、前記粗大粒子100質量部に対して前記分散剤を1質量部以上含む[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]前記液状組成物が、前記粗大粒子を1〜50質量%含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]前記液状組成物を、前記流路に循環流通させる、[1]〜[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14]前記液状組成物を、流路の流量と循環時間との積を液状組成物の総量で除した値が10超となる条件にて、前記流路に循環流通させる、[1]〜[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15]前記微小粒子の平均粒径が0.5μm以下であり、前記微小粒子の体積基準累積90%径が2μm以下である、[1]〜[14]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、高温環境下または粒子の含有率が高い場合等においても、粒子の分散安定性に優れる分散液が得られる。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「粒子の平均粒径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「粒子のD90」は、上記D50と同様にして求められる、粒子の体積基準累積90%径である。
「ポリマーの溶融粘度」は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスターおよび2Φ−8Lのダイを用い、予め測定温度にて5分間加熱しておいたポリマーの試料(2g)を0.7MPaの荷重にて測定温度に保持して測定した値である。
「ポリマーの溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「液状組成物の粘度」は、B型粘度計を用いて、室温下(25℃)で回転数が30rpmの条件下で測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
ポリマーにおける「単位」は、重合反応によってモノマーから直接形成された原子団であってもよく、重合反応によって得られたポリマーを所定の方法で処理して、構造の一部が変換された原子団であってもよい。
本発明の製造方法は、380℃における溶融粘度が1×10〜1×1010Pa・sであるフルオロオレフィン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粗大粒子と曇点が50℃超の分散剤と液状分散媒との混合物である粘度10000mPa・s以下の液状組成物を流路に加圧流通させて(以下、「湿式ジェットミル法に供して」とも記す。)、粗大粒子を平均粒径がより小さい微小粒子に粉砕するとともに、分散剤の作用により微小粒子が液状分散媒に分散した分散液を得る方法に関する。
本発明の製造方法により得られた分散液は、高温環境下または微小粒子の含有率が高い場合等においても、微小粒子の分散安定性に優れ、さらに他の材料との相溶性にも優れる。この理由は、必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
湿式ジェットミル法における粒子の粉砕は、粒子が流路壁に衝突するか粒子同士が流路中で衝突して発生すると考えられる。本発明者らは、この衝突に際する熱エネルギーが、流路中又は流路近傍で、Fポリマーの変質を誘引し、得られる分散液の物性(分散安定性、粘度等)を低下させやすい点を知見した。そして、湿式ジェットミル法に供する液状組成物の粘度と、それに含まれるFポリマーの溶融粘度と、それに含まれる分散剤の曇点とを調整すれば、Fポリマーの粒子の状態が高度に安定化され、かかる物性の低下を抑制されて、分散性に優れた分散液が得られる点を知見したのである。
本発明におけるFポリマーは、フルオロオレフィンに基づく単位を含むポリマーであり、ホモポリマーであってもよくコポリマーであってもよい。
Fポリマーとしては、テトラフルオロエチレンに基づく単位(以下、「TFE単位」ともいう)からなるホモポリマー、フッ化ビニリデン(VDF)に基づく単位を含むポリマー、またはTFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位(以下、「PAVE単位」とも記す。)、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位(以下、「HFP単位」ともいう)およびフルオロアルキルエチレンに基づく単位(以下、「FAE単位」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーに基づく単位とを含むコポリマーが好ましい。
ここで、TFE単位からなるホモポリマーは、TFE単位以外の単位を極微量含むポリマーも包含される。前記ポリマーは、ポリマーに含まれる全単位に対して、TFE単位が占める割合は、99.9モル%以上が好ましい。
例えば、本発明で得られる分散液により、高周波信号の伝送に用いられるプリント配線板の絶縁樹脂層を形成すれば、プリント配線板の伝送特性を向上できる。
Fポリマーとしては、電気特性(比誘電率、誘電正接)と耐熱性に優れている観点から、TFE単位とPAVE単位とのコポリマー(以下、「PFA」ともいう)またはTFE単位とHFP単位とのコポリマー(以下、「FEP」ともいう)が好ましく、PFAがより好ましい。
Fポリマーは、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ニトリル基およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するポリマーが好ましい。Fポリマーが上記官能基を有していれば、例えば、本発明で得られる分散液からプリント配線板の絶縁樹脂層を形成する場合に、絶縁樹脂層のプリント配線板の金属配線(金属箔)に対する密着性が良好になる。なお、官能基は、プラズマ処理等によりFポリマーに導入してもよい。
かかる官能基は、Fポリマーを構成する単位に含まれてもよく、ポリマーの主鎖の末端基に含まれてもよい。後者のポリマーとしては、官能基を、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として有するポリマーが挙げられる。
Fポリマーは、官能基を有する単位とTFE単位とを含むポリマーが好ましい。このポリマーは、さらに他の単位を含むのが好ましい。
本発明で得られる分散液からプリント配線板の絶縁樹脂層を形成する場合、プリント配線板において絶縁樹脂層と金属配線との密着性をより高める観点から、官能基としては、カルボニル基含有基が好ましい。
カルボニル基含有基としては、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、脂肪酸残基が挙げられ、カルボキシ基または酸無水物残基が好ましい。
カルボニル基含有基を有するモノマーは、酸無水物残基を有する環状モノマーまたはカルボキシ基を有するモノマーが好ましく、酸無水物残基を有する環状モノマーがより好ましく、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸;以下、「NAH」とも記す。)または無水マレイン酸が特に好ましい。
官能基を有する単位およびTFE単位以外の他の単位としては、HFP単位、PAVE単位またはFAE単位が好ましい。
PAVEとしては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」ともいう)、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFFが挙げられ、PPVEが好ましい。
FAEとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFHが挙げられ、CH=CH(CFFまたはCH=CH(CFFが好ましい。
Fポリマーとしては、官能基を有する単位と、TFE単位と、PAVE単位またはHFP単位とを含むポリマーが好ましい。かかるポリマーの具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されたポリマーが挙げられる。
この場合、Fポリマーに含まれる全単位に対して、TFE単位、PAVE単位、官能基を有する単位が占める割合は、この順に、90〜99モル%、0.5〜9.97モル%、0.01〜3モル%が好ましい。
本発明におけるFポリマーの380℃における溶融粘度は、1×10〜1×1010Pa・sであり、1×10〜1×10Pa・sであることが好ましく、1×10〜1×10Pa・sであることが特に好ましい。かかる溶融粘度のFポリマーの粗大粒子であれば、フィブリル化することなく微小粒子に粉砕される。
本発明における粗大粒子は、Fポリマー以外の成分を含んでもよいが、Fポリマーを主成分とするのが好ましい。粗大粒子(微粒子化後の微小粒子においても実質同じ)中に含まれるFポリマーの量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
Fポリマーの溶融温度は、200℃以上が好ましく、250〜380℃がより好ましく、300〜350℃がさらに好ましい。この場合、液状組成物を湿式ジェットミル法に供した際に、液状組成物が流路を流通する際の発熱等により、粗大粒子同士が溶融して融着することが阻止される。また、かかるFポリマーの粗大粒子であれば、加熱されても高い硬度を維持するため、良好に微粒子化され、所望の微小粒子が得られる。特に、溶融温度が380℃以下であれば、微小粒子のフィブリル化も生じ難い。したがって、Fポリマーの溶融温度が上記範囲であれば、粗大粒子の微粒子化を促進でき、微小粒子のフィブリル化を抑制し易い。
粗大粒子のD50は、流路の口径未満が好ましく、1μm超10μm未満がより好ましく、2μm超8μm未満が特に好ましく、3μm超6μm未満がさらに好ましい。粗大粒子のD50が上記範囲であれば、目詰まりすることなく流路を円滑に流通させ、目的とする粒径の微小粒子が得られる。
粗大粒子のD90は、流路の口径未満が好ましく、15μm以下がより好ましく、13μm以下が特に好ましく、11μm以下がさらに好ましい。粗大粒子のD90が上記範囲であれば、流路がより目詰まりし難くなる。
このような粗大粒子の製造方法としては、国際公開第2016/017801号の[0065]〜[0069]に記載の方法を採用できる。なお、粗大粒子は、市販されている所望の粒子を用いてもよい。
本発明における分散剤は、Fポリマーの粒子の表面に相互作用して、微小粒子を液状分散媒に安定的に分散させる機能がある、曇点を有する化合物である。ここで、分散剤の曇点とは、温度上昇に伴う分子運動により、その作用が消失又は極端に低下する温度である。
分散剤のかかる機能は、界面活性作用による機能であるのが好ましい。すなわち、本発明における分散剤は、界面活性剤が好ましい。なお、この場合の曇点は、分散剤が液状組成物に使用する液状分散媒に溶解又はミセル形成できなくなり濁りが生じる温度である。
分散剤の曇点は、50℃超であり、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。分散剤の曇点は、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。曇点がかかる範囲にある分散剤を使用すれば、所望粘度の液状組成物を調製しやすいだけでなく、液状組成物を湿式ジェットミルに供した際の発熱によるFポリマーの変質を抑制しやすい。
本発明における分散剤は、フッ素系分散剤が好ましい。フッ素系分散剤は、Fポリマーの微小粒子の表面に化学的および/または物理的に吸着して、微小粒子を液状分散媒に安定的に分散させる機能を有する化合物である。
分散剤がフッ素系分散剤であれば、Fポリマーおよび液状分散媒の分子のいずれとも親和性が高まりやすく、湿式ジェットミル法における成分同士の相互作用が向上しやすく、粗大粒子の微粒子化が効率的に進行する。さらに、形成する微小粒子の表面とフッ素系分散剤との相互作用も高まりやすい。その結果、フッ素系分散剤の作用により微小粒子が液状分散媒により高度に分散した分散液が得られやすい。
フッ素系分散剤は、フッ素原子を含有する疎水部位と親水部位とを有する化合物(界面活性剤)が好ましく、フルオロモノオール、フルオロポリオール、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましい。
フッ素系分散剤のフッ素含有量は、10〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%が更に好ましい。上記範囲において、粒径が一層小さい微小粒子を含む、分散安定性に優れた分散液が得られやすい。
上記フッ素系分散剤としては、フッ素含有量が10〜50質量%である、前記1種の化合物が特に好ましい。
また、フッ素系分散剤の好適な態様としては、フルオロモノオールおよびフルオロポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられ、より好適な態様としては、フルオロモノオールおよびフルオロポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、水酸基価が10〜100mgKOH/gである化合物が挙げられ、更に好適な態様としては、前記1種の化合物であり、水酸基価が10〜100mgKOH/gである化合物が挙げられる。
フッ素系分散剤は、ポリマー状であってもよく、非ポリマー状であってもよい。フッ素系分散剤は、ノニオン性であるのが好ましい。
これらのフッ素系分散剤は、Fポリマーおよび液状分散媒の双方との親和性に優れる。水性分散媒の場合にはフッ素系分散剤はフルオロモノオールが好ましく、非水性分散媒の場合にはフッ素系分散剤はフルオロポリオールが好ましい。また、Fポリマーの溶融温度が上記範囲にあるか、Fポリマーが上記官能基を有すれば、フッ素系分散剤との親和性も更に向上する。
なお、フルオロモノオールは、Fポリマーとも液状分散媒とも異なり、1個の水酸基を有する非ポリマー状含フッ素化合物(界面活性剤)である。
なお、フルオロポリオールとは、Fポリマーとも液状分散媒とも異なり、2個以上の水酸基とフッ素原子とを有するポリマー状含フッ素化合物(界面活性剤)である。また、フルオロポリオールの水酸基の一部は、化学修飾され、変性されてもよい。
フルオロポリオールとしては、エチレン性不飽和モノマーに由来する炭素鎖からなる主鎖と、この主鎖から分岐する側鎖として、含フッ素炭化水素基と水酸基とを有するポリマー状ポリオールが挙げられる。ここで、含フッ素炭化水素基は、複数(2または3)の1価含フッ素炭化水素基が結合した3級炭素原子を有する基が好ましい。
フルオロモノオールは、フッ素含有量が10〜50質量%であり、水酸基価が40〜100mgKOH/gであることが好ましい。
フルオロモノオールは、下式(a)で表される化合物が好ましい。
式(a) R−(OQma−OH
式中の記号は、下記の意味を示す。
は、ポリフルオロアルキル基又はエーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキル基を示し、−CH(CFF、−CH(CFF、−CHCH(CFF、−CHCH(CFF、−CHCFOCFCFOCFCF、−CHCF(CF)CFOCFCFCF、−CHCF(CF)OCFCF(CF)OCF、又は−CHCFCHFO(CFOCFが好ましい。
は、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、エチレン基(−CHCH−)又はプロピレン基(−CHCH(CH)−)が好ましい。Qは、1種の基からなっていてもよく、2種以上の基からなっていてもてよい。2種以上の基からなっている場合、基の並び方は、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。
maは、4〜20の整数を示し、4〜10が好ましい。
フルオロモノオールの水酸基は、2級水酸基又は3級水酸基が好ましく、2級水酸基が特に好ましい。
フルオロモノオールの具体例としては、F(CFCH(OCHCHOCHCH(CH)OH、F(CFCH(OCHCH12OCHCH(CH)OH、F(CFCHCH(OCHCHOCHCH(CH)OH、F(CFCHCH(OCHCH12OCHCH(CH)OH、F(CFCHCH(OCHCHOCHCH(CH)OH、が挙げられる。
かかるフルオロモノオールは、市販品(アークロマ社製「Fluowet N083」、「Fluowet N050」等。)として入手できる。
フルオロポリオールは、フッ素含有量が10〜45質量%であり、水酸基価が10〜35mgKOH/gであることが好ましい。
フルオロポリオールは、後述する、式(f)で表される化合物及び式(d)で表されるモノマーのコポリマーが好ましい。
フルオロポリオールは、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロアルケニル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「含フッ素(メタ)アクリレート」とも記す。)に基づく単位と、ポリオキシアルキレンモノオール基を有する(メタ)アクリレート(以下、「含水酸基(メタ)アクリレート」とも記す。)に基づく単位とを含むコポリマーが好ましい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびアクリレートのα位の水素原子が他の原子または原子団で置換されたアクリレート誘導体の総称である。
含フッ素(メタ)アクリレートは、下記式(f)で表される化合物が好ましい。
式(f) CH=CRC(O)O−X−Z
式中の記号は、下記の意味を示す。
は、水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
は、アルキレン基、オキシアルキレン基またはアルキレンアミド基を示す。
は、ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルケニル基を示す。
一方、含水酸基(メタ)アクリレートは、下記式(d)で表される化合物が好ましい。
式(d) CH=CRC(O)O−Xd1−Xd2−OH
式中の記号は、下記の意味を示す。
は、水素原子またはメチル基を示す。
d1は、アルキレン基を示す。
d2は、オキシアルキレン基を示す。
含フッ素(メタ)アクリレートの具体例としては、CH=CHCOO(CH(CFF、CH=C(CH)COO(CH(CFF、CH=CHCOO(CH(CFF、CH=C(CH)COO(CH(CFF、CH=CHCOO(CHOCF(CF)(C(CF(CF)(=C(CF)、CH=CHCOO(CHOC(CF)(=C(CF(CF)(CF(CF)が挙げられる。
含水酸基(メタ)アクリレートの具体例としては、CH=CHCOO(CH(OCHCH10OH、CH=CHCOO(CH(OCHCH10OH、CH=C(CH)COO(CH(OCHCH10OH、CH=C(CH)COO(CH(OCHCH10OH、CH=CHCOO(CH(OCHCH(CH))10OH、CH=C(CH)COO(CH(OCHCH(CH))10OHが挙げられる。
フルオロポリオールに含まれる全単位に対して、含フッ素(メタ)アクリレートに基づく単位が占める割合は、20〜60モル%が好ましい。
フルオロポリオールに含まれる全単位に対して、含水酸基(メタ)アクリレートに基づく単位が占める割合は、40〜80モル%が好ましい。
フルオロポリオールに含まれる含フッ素(メタ)アクリレートに基づく単位の量に対する含水酸基(メタ)アクリレートに基づく単位の量の比率は、1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。
フルオロポリオールは、含フッ素(メタ)アクリレートに基づく単位と含水酸基(メタ)アクリレートに基づく単位とのみを含んでもよく、さらに他の単位を含んでもよい。
フルオロポリオールのフッ素含有量は、10〜45質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
フルオロポリオールは、ノニオン性であるのが好ましい。
また、フルオロポリオールの重量平均分子量は、2000〜80000が好ましく、6000〜20000がより好ましい。
フルオロシリコーンとしては、側鎖の一部にC−F結合を含むポリオルガノシロキサンが挙げられる。
フルオロポリエーテルとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの水素原子の一部がフッ素原子に置換された化合物が挙げられる。なお、フルオロポリエーテルには、前記化合物のモノオール体も包含される。
本発明における液状分散媒は、Fポリマーの粒子(粗大粒子および微小粒子)を分散させる分散媒である。この液状分散媒は、25℃で液状の不活性かつFポリマーと反応しない化合物である。具体的には、液状分散媒は、分散液中に含まれる液状分散媒の以外の成分の沸点よりも低沸点であり、加熱によって除去できる化合物が好ましい。
かかる液状分散媒としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジオキサン等)、エステル(乳酸エチル、酢酸エチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等)、グリコールエーテル(エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)が挙げられる。液状分散媒は、これらの化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状分散媒は、水性分散媒であってもよく、非水性分散媒であってもよく、液状組成物の粘度を所望の範囲に調整する観点からは、非水性分散媒が好ましい。
非水性分散媒は、含窒素化合物、含硫黄化合物、エーテル、エステル、ケトン、グリコールエーテル等が好ましい。この場合、液状分散媒は、20℃における比熱が比較的低い有機分散媒が好ましい。かかる液状分散媒を用いれば、湿式ジェットミル法に供した際に、液状組成物の放熱効果が高まり、微粒子化により得られた微小粒子同士の融着を防止できる。また、微小粒子の異形状化やフィブリル化を阻止できる。なお、比熱の具体的な値は、3J/(g・K)以下が好ましく、2.8J/(g・K)以下がより好ましく、1.8〜2.5J/(g・K)がさらに好ましい。
また、液状分散媒の沸点は、80〜275℃が好ましく、125〜250℃がより好ましい。
以上のような条件を満足する液状分散媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃)、ジメチルアセトアミド(沸点:165℃)、シクロヘキサノン(沸点:155℃)、N,N−ジメチルホルムアミド、(沸点:153℃)、メチルエチルケトン(比熱:2.1J/(g・K)、沸点:80℃)が挙げられる。
本発明における液状組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでよい。その他の成分は、液状組成物に溶解してもよく、溶解しなくてもよい。
その他の成分としては、樹脂(非硬化性樹脂、硬化性樹脂等)、チキソ性付与剤、消泡剤、無機フィラー、反応性アルコキシシラン、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、難燃剤が挙げられる。
非硬化性樹脂としては、熱溶融性樹脂、非溶融性樹脂が挙げられる。熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミドが挙げられる。非溶融性樹脂としては、硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。
硬化性樹脂としては、反応性基を有するポリマー、反応性基を有するオリゴマー、低分子化合物、反応性基を有する低分子化合物が挙げられる。反応性基としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基が挙げられる。
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、多官能シアン酸エステル樹脂、多官能マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂が挙げられる。
中でも、本発明で得られる分散液をプリント配線板の用途に使用する観点から、硬化性樹脂としては、熱硬化性ポリイミド、ポリイミド前駆体、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂またはポリフェニレンエーテル樹脂が好ましく、エポキシ樹脂またはポリフェニレンエーテル樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ化合物、フェノールとフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノールのグリシジルエーテル化物、アルコールのジグリシジルエーテル化物、トリグリシジルイソシアヌレートが挙げられる。
ビスマレイミド樹脂としては、特開平7−70315号公報に記載される、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂とビスマレイミド化合物とを併用した樹脂組成物(BTレジン)、国際公開第2013/008667号に記載の樹脂組成物、その背景技術に記載の樹脂組成物が挙げられる。
ポリアミック酸を形成するジアミン、多価カルボン酸二無水物としては、特許第5766125号公報の[0020]、特許第5766125号公報の[0019]、特開2012−145676号公報の[0055]、[0057]に記載の化合物が挙げられる。
中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等の芳香族ジアミンと、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸二無水物との組合せが好ましい。
熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂、硬化性の樹脂の熱溶融性の硬化物が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、熱可塑性ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、ポリフェニレンエーテルが挙げられ、熱可塑性ポリイミド、液晶性ポリエステルまたはポリフェニレンエーテルが好ましい。
本発明における液状組成物の粘度は、各成分の種類および/または配合量、その他の成分の配合の有無、液状組成物の温度に応じて、10000mPa・s以下に調整できる。一方、粘度が10000mPa・s超の液状組成物を湿式ジェットミル法に供すると、微小粒子がフィブリル化し易い。本発明では、液状組成物の粘度を10000mPa・s以下に調整するので、液状組成物中の成分同士を高度に接触させ、フィブリル化を防止しつつ、粗大粒子の微粒子化を促進できる。また、微粒子化により得られた微小粒子は、その表面に多くの分散剤が付着(吸着)するので、液状分散媒に安定的に分散される。
液状組成物の粘度は、5000mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましい。液状組成物の粘度が上記上限値以下であれば、上記効果がより向上する。
液状組成物の粘度は、1mPa・s以上が好ましく、5mPa・s以上がより好ましく、10mPa・s以上が特に好ましく、20mPa・s以上が特に好ましい。液状組成物の粘度が上記下限値以上であれば、湿式ジェットミル法に供しても、液状組成物中の成分同士を高度に接触させ易く、生産性に優れる。このため、粗大粒子を充分に微粒子化でき、微小粒子の表面への分散剤の相互作用が高まり、微小粒子を液状分散媒に安定的に分散できる。
各成分を混合する処理(分散処理)としては、超音波処理、撹拌処理、振とう処理が挙げられる。液状組成物中に粗大粒子を充分に分散させ、凝集を抑制できる観点から、超音波処理または撹拌処理が好ましい。なお、上記処理の2種以上を併用してもよい。
処理における温度は、粗大粒子の分散を促進する観点から、35〜60℃が好ましい。
撹拌処理における撹拌速度は、100〜1000rpmが好ましい。かかる撹拌速度での撹拌処理により、液状組成物中へ粗大粒子を均一に分散させつつ、粗大粒子のフィブリル化を抑制し易い。
撹拌処理における液状組成物の流動形態としては、旋回流、上昇流、上下循環流、放射流のいずれであってもよい。ただし、液状組成物における沈降成分の再分散を促す観点から、流動形態としては、上昇流または上下循環流が好ましい。
なお、撹拌処理においては、撹拌槽中に邪魔板を設置して流動形態を制御してもよく、撹拌装置の設置位置および/または設置角度を調整して流動形態を偏心させてもよい。
液状組成物中に含まれる粗大粒子の量は、1〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
液状組成物中に含まれる分散剤の量は、粗大粒子100重量部に対して、1質量部以上が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、10〜40質量部がさらに好ましい。
各成分の量を上記範囲とすれば、液状組成物の粘度を所望の範囲に調整し易い。また、最終的に得られる分散液中の微小粒子の平均粒径が最適化できるとともに、微小粒子の分散液中での分散安定性が向上する。
湿式ジェットミル法では、細径の流路(オリフィス)に液状組成物を加圧流通させる。このとき、液状組成物に対して高い剪断力が付与されるとともに、液状組成物中の各成分同士が高度に接触するため、粗大粒子は互いの接触により微粒子化され、微小粒子が生成する。特に、本発明では、液状組成物の粘度が上記範囲に調整されているので、粗大粒子にかかる剪断力が高く、粗大粒子が円滑にかつ効率よく微粒子化される。また、微小粒子に分散剤が高度に接触して、これらの相互作用により、分散剤が微小粒子の表面に付着する。その結果、微小粒子が液状分散媒に安定的に分散した分散液が得られる。
湿式ジェットミル法を実施可能な装置としては、常光社製のナノジェットパル、吉田工業株式会社製の超高圧湿式微粒化装置が挙げられる。
湿式ジェットミル法における加圧の圧力は、50〜200MPaが好ましく、100〜170MPaがより好ましい。かかる圧力で液状組成物を加圧することにより、粗大粒子の微粒子化をより促進できる。
流路の口径は、液状組成物の粘度とFポリマーの粗大粒子の粒径とに応じて適宜設定され、200μm以下が好ましく、180μm以下がより好ましく、50〜150μmがさらに好ましい。このような細径の流路に上記粘度の液状組成物を流通させれば、粗大粒子の微粒子化および微小粒子の安定分散性がより高まる。
得られる微小粒子のD50は、1μm以下が好ましく、0.05〜0.8μmが好ましく、0.1〜0.6μmがさらに好ましく、0.15〜0.4μmが特に好ましい。かかるD50の微小粒子は、流動性および分散性が良好となり、例えば、プリント配線板の絶縁樹脂層を形成した場合に、Fポリマーの電気特性(低誘電率等)および耐熱性が最も発現し易い。
また、微小粒子のD90は、3μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好ましい。かかるD90の微小粒子は、流動性および分散性が良好となり、例えば、プリント配線板の絶縁樹脂層を形成した場合に、Fポリマーの電気特性(低誘電率等)および耐熱性が最も発現し易い。
得られる微小粒子のD50及びD90の具体的な態様としては、D50が0.5μm以下であり、D90が2μm以下である態様が挙げられる。
また、別の具体的な態様としては、D50が0.05〜1μmであり、D90が1.1〜3μmである態様が挙げられ、より好適な態様としては、D50が0.05〜0.5μmであり、D90が1.1〜2μmである態様が挙げられる。
微小粒子の疎充填嵩密度は、0.08〜0.5g/mLが好ましい。
微小粒子の密充填嵩密度は、0.1〜0.8g/mLが好ましい。
湿式ジェットミル法に一旦供された液状組成物を、そのまま分散液として使用してもよく、湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物を、再度、湿式ジェットミル法に供して、分散液として使用してもよい。つまり、液状組成物を流路に循環流通させてもよい。液状組成物を繰り返して湿式ジェットミル法に供すれば、所望のD50の微小粒子が得られ易い。
後者の場合、湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物を強制的に冷却するのが好ましい。冷却後の液状組成物を、再度、湿式ジェットミル法に供すれば、Fポリマーの変質または劣化を防止するとともに、微小粒子のフィブリル化も生じ難い。かかる効果は、上記比熱の液状分散媒を用いれば、より顕著に発現する。
湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物の温度は、75℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。かかる温度であれば、Fポリマーの変質または劣化による液状組成物の粘度の変化や、微小粒子の凝集が生じ難い。
湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物の温度を下げるには、流路を規定するノズルを通過する前の液ホルダーの温度を下げる方法と、ノズル通過後の配管の温度を下げる方法とがあるが、双方の方法を採用するのが好ましい。
液状組成物を湿式ジェットミル法に繰り返し供する場合、その回数は、特に限定されないが、10〜70回が好ましく、20〜60回がより好ましく、30〜50回がさらに好ましい。回数が少な過ぎると、流路の口径、加圧の圧力等によっては、液状組成物を繰り返し湿式ジェットミル法に供する効果が充分に得られない場合がある。一方、回数を必要以上に多くしても、それに見合うだけの粗大粒子を微粒子化する効果、微小粒子の安定分散性を向上する効果が得られない場合がある。
液状組成物を流路に循環流通させる際、液状組成物の総量、流路の流量、循環時間をこの順にV、v、tとした場合、v×t/Vの値(vとtの積をVで除した値。以下、「パス回数」ともいう)は、10超に調整するのが好ましい。パス回数は、12以上がより好ましく、20以上が特に好ましい。パス回数の上限は、分散液の生産性の観点から、100以下が好ましく、50以下がより好ましい。なお、液状組成物の総量は製造に供する液状組成物の総体積(単位:L)として、流路の流量は流路出口の流量(単位:L/hr)として、循環時間は製造装置の稼働時間(単位:hr)として、液状組成物の量、装置能力、製造時間から、それぞれ決定できる。
本発明においては、所定の溶融粘度のFポリマーが選択され、液状組成物が分散剤を含み、さらに、その粘度が所定の範囲に調整されているため、かかる循環プロセスによって、Fポリマーの変質を抑制しつつ、効率よく、その粗大粒子を微小粒子に粉砕できる。かかる効果は、液状分散媒が水性分散媒であり、分散剤がフルオロモノオールである場合か、または液状分散媒が非水性分散媒であり、分散剤がフルオロポリオールである場合に、特に顕著に発現しやすい。
循環プロセスにより得られる分散液において、微小粒子のD50及びD90は、D50が1μm以下でありD90が2μm未満であることが好ましく、D50が0.50μm以下でありD90が2.0μm以下であることがより好ましい。この場合、通常、D50は0.05μm以上でありD90は1.1μm以上である。本発明によれば、かかる粒度分布の狭いFポリマーの微小粒子を含む分散液を効率よく容易に製造できる。
本発明で得られる分散液は、Fポリマーの微小粒子が液状分散媒中に分散した、高温環境下における分散安定性や他の材料との相溶性に優れた分散液である。本発明で得られた分散液は、各種基材の表面に塗布すれば、その表面にFポリマーを含む緻密かつ平滑な層を形成可能なコーティング剤等として使用である。
例えば、本発明で得られる分散液を用いれば、高周波信号の伝送に用いられるプリント配線板等に使用される、絶縁樹脂層を有する樹脂付金属箔を容易に製造できる。
つまり、本発明で得られた分散液を、金属箔の表面に塗布し、加熱すれば、金属箔の表面に絶縁樹脂層を有する樹脂付金属箔が製造できる。絶縁樹脂層は、金属箔の少なくとも一方の表面に形成すればよい。金属箔の両面に絶縁樹脂層を形成する場合、金属箔の一方の面に分散液を塗布した後、他方の面に分散液を塗布するのが好ましい。なお、加熱時には、両面の分散液を一括して焼成してもよく、各面の分散液毎に焼成してもよい。
金属箔の材質としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等が挙げられる。
金属箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜等)、耐熱層等が形成されていてもよい。
金属箔の表面の十点平均粗さは、0.01〜1.5μmが好ましい。
金属箔の厚さは、樹脂付金属箔の用途において機能が発揮できる厚さであればよい。
金属箔の表面はシランカップリング剤により処理されていてもよく、金属箔の表面の全体がシランカップリング剤により処理されていてもよく、金属箔の表面の一部がシランカップリング剤により処理されていてもよい。
樹脂付金属箔の反り率は、7%以下が特に好ましい。この場合、樹脂付金属箔の加工性と、加工品の物性(プリント基板の伝送特性等)が優れる。
樹脂付金属箔の寸法変化率は、±0.2%以下が特に好ましい。この場合、樹脂付金属箔をプリント基板に加工し、さらにそれを多層化しやすい。
絶縁樹脂層の表面の水接触角は、70〜100°が好ましい。この場合、絶縁樹脂層の接着性が優れ、加工品の物性(プリント基板の電気特性等)が優れる。
絶縁樹脂層の厚さは、1〜50μmが好ましい。この範囲において、樹脂付金属箔から得られるプリント基板の電気特性と反り率とをバランスさせやすい。樹脂付金属箔が金属箔の両面に絶縁樹脂層を有する場合、それぞれの絶縁樹脂層は、同じにすればよい。
絶縁樹脂層の比誘電率は、2.0〜3.5が好ましい。この場合、低誘電率が求められるプリント基板等に樹脂付金属箔を好適に使用できる。
絶縁樹脂層の表面のRaは、2.2〜8μmが好ましい。この範囲において、樹脂付金属箔の接着性と加工性とをバランスさせやすい。
塗布方法は、塗布後の金属箔の表面にパウダー分散液からなる安定したウェット膜が形成される方法であればよく、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法等が挙げられる。
分散液の塗布後の加熱は、低温領域にて加熱して、液状分散媒を留去するのが好ましい。低温領域の温度としては、80℃以上180℃未満が好ましい。この場合、金属箔と絶縁樹脂層の物性を損なわずに、接着性に優れた樹脂付金属箔を形成しやすい。
低温領域における加熱方法としては、オーブンを用いる方法、通風乾燥炉を用いる方法、赤外線等の熱線を照射する方法等が挙げられる。
低温領域における加熱雰囲気は、常圧下、減圧下のいずれの状態であってよい。また、低温領域における雰囲気は、酸化性ガス雰囲気(酸素ガス等。)、還元性ガス雰囲気(水素ガス等。)、不活性ガス雰囲気(ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、窒素ガス等。)のいずれであってもよい。
分散液の塗布後の加熱は、さらに、Fポリマーを焼成させる温度(高温領域)にて実施するのが好ましい。これにより、Fポリマーの微小粒子が密にパッキングして融着するため、表面性状の優れた絶縁樹脂層が形成されやすい。
高温領域における加熱方法としては、低温領域における加熱方法と同じ方法が挙げられる。絶縁樹脂層の表面の平滑性を高めるために、加熱板、加熱ロール等で加圧してもよい。加熱の方法としては、短時間で焼成でき、遠赤外線炉が比較的コンパクトである点から、遠赤外線を照射する方法が好ましい。加熱の方法は、赤外線加熱と熱風加熱とを組み合わせてもよい。
高温領域における加熱雰囲気は、低温領域におけるそれと同じ条件を採用できる。
高温領域の温度は、250℃〜400℃以下が好ましい。
高温領域に保持する時間は、30秒〜5分間が好ましい。
樹脂付金属箔の膨張を制御したり、絶縁樹脂層の接着性をさらに改善したりするために、絶縁樹脂層の表面には、アニール処理、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、UVオゾン処理、エキシマ処理、ケミカルエッチング、シランカップリング処理等の表面処理をしてもよい。
アニール処理における、温度、圧力および時間は、この順に、120〜180℃、0.005〜0.015MPaおよび30〜120分間が好ましい。
プラズマ処理におけるプラズマ照射装置としては、高周波誘導方式、容量結合型電極方式、コロナ放電電極−プラズマジェット方式、平行平板型、リモートプラズマ型、大気圧プラズマ型、ICP型高密度プラズマ型が挙げられる。
プラズマ処理に用いるガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、希ガス(アルゴン等)、水素ガス、アンモニアガスが挙げられ、希ガスまたは窒素ガスが好ましい。プラズマ処理に用いるガスの具体例としては、アルゴンガス、水素ガスと窒素ガスの混合ガス、水素ガスと窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスが挙げられる。
プラズマ処理における雰囲気は、希ガスまたは窒素ガスの体積分率が100体積%の雰囲気が好ましい。かかる雰囲気中でプラズマ処理を行うことにより、絶縁樹脂層の表面のRaを2μm以下に調整して、絶縁樹脂層の表面に微細凹凸を形成し易い。
樹脂付金属箔には、絶縁樹脂層の表面に基板を積層してもよい。
基板としては、耐熱性樹脂フィルム、繊維強化樹脂板の前駆体であるプリプレグ、耐熱性樹脂フィルム層を有する積層体、プリプレグ層を有する積層体が挙げられる。
プリプレグは、強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)の基材(トウ、織布等)に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の基板である。
積層の方法としては、樹脂付金属箔と基板とを熱プレスする方法が挙げられる。
基板がプリプレグの場合のプレス温度は、Fポリマーの溶融温度以下が好ましい。
基板が耐熱性樹脂フィルムの場合のプレス温度は、310〜400℃が好ましい。
熱プレスは、基板、絶縁樹脂層、金属箔それぞれの界面への気泡混入の抑制と酸化による劣化も抑制との観点から、減圧雰囲気下で行うのが好ましく、20kPa以下の真空度で行うのがより好ましい。
また、熱プレスは、絶縁樹脂層が軟化した状態、すなわち一定程度の流動性、密着性がある状態において、減圧雰囲気が上記真空度に到達した後に昇温するのが好ましい。
熱プレスにおける圧力は、0.2〜10MPaが好ましい。
以上のような樹脂付金属箔やその積層体は、フレキシブル銅張積層板やリジッド銅張積層板として、プリント配線板の製造に使用できる。
例えば、樹脂付金属箔の金属箔をエッチング等によって所定のパターンの金属配線に加工する方法や、樹脂付金属箔を電解めっき法(セミアディティブ法(SAP法)、モディファイドセミアディティブ法(MSAP法)等)によって金属配線に加工する方法を使用すれば、樹脂付金属箔からプリント配線板を製造できる。
プリント配線板の製造においては、金属配線(導体回路)を形成した後に、金属配線上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上にさらに金属配線を形成してもよい。層間絶縁膜は、例えば、上記分散液によって形成できる。
プリント配線板の製造においては、金属配線上にソルダーレジストを積層してもよい。
プリント配線板の製造においては、金属配線上にカバーレイフィルムを積層してもよい。ソルダーレジスト及びカバーレイフィルムは、上記分散液によって、形成してもよい。
以上、本発明の分散液の製造方法について説明したが、本発明は、前述した実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、本発明の分散液の製造方法は、上記実施形態に構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
1−1.Fポリマーの粗大粒子
(粗大粒子A)
国際公開第2016/017801号に記載の手順で得られる、TFE単位、NAHに基づく単位およびPPVEに基づく単位を、この順に98.0モル%、0.1モル%および1.9モル%含むポリマー(溶融温度:300℃、380℃の溶融粘度:3×10Pa・s)のパウダー(D50:2.6μm、D90:7.1μm)。
(粗大粒子B)
TFE単位およびPPVEに基づく単位を、この順に98.0モル%および2.0モル%含むポリマー(溶融温度:305℃、380℃の溶融粘度:3×10Pa・s)のパウダー(D50:3.5μm、D90:9.2μm)。
(粗大粒子C)
FEPディスパージョン120−JRB(三井デュポンフロロケミカル社製)の液状分散媒を除去して得られる、TFE単位およびHFPに基づく単位を、この順に88.0モル%および12.0モル%含むポリマー(溶融温度:270℃、380℃の溶融粘度:2×10Pa・s)のパウダー(D50:0.4μm、D90:1.2μm)。
(粗大粒子D)
PTFEパウダー(喜多村社製、KTL−500F)であって、TFE単位を100.0モル%含むポリマー(溶融温度:327℃、380℃の溶融粘度:1×10Pa・s)のパウダー(D50:0.7μm、D90:1.0μm)。
(粗大粒子E)
PTFEパウダー(喜多村社製、KTL−1N)であって、TFE単位を100.0モル%含むポリマー(溶融温度:327℃、380℃の溶融粘度:1×1011Pa・s)のパウダー(D50:2.8μm、D90:4.2μm)。
なお、それぞれのポリマーとパウダーの諸物性は、それぞれ次のようにして測定した。
<溶融粘度>
溶融粘度は、以下の条件で複素粘性率(単位:Pa・s)を測定した。
装置 :動的粘弾性測定装置(アントンパール社製、MCR302)
測定法 :パラレルプレート Φ25mm
測定温度 :380℃
剪断周波数:0.05Hz
<溶融温度>
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC−7020)を用い、ポリマーを10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、最大値に対応する温度(℃)を溶融温度とした。
<パウダーのD50およびD90>
パウダーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用いて測定した。
1−2.分散剤
(フッ素系分散剤1)
ノニオン性のフルオロポリオールである、CH=CHCOO(CHOCF(CF)(C(CF(CF)(=C(CF)とCH=CHCOO(CH(OCHCH10OHを1:1のモル比にて、重合させて得られるコポリマー(重量平均分子量:約10000、曇点:62℃)。
(フッ素系分散剤2)
CH=C(CH)COO(CH(CFFのホモポリマー。
(フッ素系分散剤3)
ノニオン性のフルオロモノオールである、F(CFCH(OCHCHOCHCH(CH)OH、曇点:60℃)。
(非フッ素系分散剤1)
フッ素原子を含まない、水酸基とポリオキシエチレン基を有する分散剤(曇点:48℃)。
1−3.液状分散媒
N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」とも記す。)と、メチルエチルケトン(以下、「MEK」とも記す。)を用意した。
2.評価
2−1.Fポリマーの種類の違いによる効果の差異
(例1)
75質量部のNMPと、10質量部のフッ素系分散剤1と、15質量部の粗大粒子Aとをポットに投入した後、ポット内にジルコニアボールを投入した。その後、150rpm×1時間の条件でポットをころがし、粗大粒子Aが分散した、粘度200mPa・sの液状組成物Aを得た。
次いで、液状組成物Aを以下の条件で湿式ジェットミル法に供し、粗大粒子Aを微粒子化して、微小粒子が分散した、粘度300mPa・sの分散液を得た。
<湿式ジェットミルの条件>
装置 :JN100(常光社製)
ノズル(流路)径:100μm
加圧の圧力 :150MPa
パス回数 :30回
液ホルダー温度 :15℃
ノズル通過後温度:50℃
液状組成物の粘度:200mPa・s
湿式ジェットミル法では、冷却ジャケットにチラーを通して液ホルダーを冷却し、液ホルダー内の液状組成物の温度(液ホルダー温度)を15℃とした。また、ノズル通過後も同様に、チラーを流したトレースを金属配管に巻くことで、ノズル通過後の液状組成物の温度(ノズル通過後温度)を50℃とした。
なお、これらの温度は、液ホルダーおよびノズル通過後の金属配管部に接触式熱電対を当てて測定した温度である。
(例2〜7)
以下の表1に示す組成となるように、各成分を混合した以外は、例1と同様にして、液状組成物B〜Gを調製し、それぞれをジェットミル法に供して分散液を得た。なお、液状組成物B〜Gの粘度はいずれも20〜1000mPa・sであった。なお、例6においては、得られる分散液は約1500mPa・sまで増粘していた。
Figure 2020050178
<微小粒子のD50およびD90>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用い、各分散液中に含まれる微小粒子のD50およびD90を算出した。
<保管後の凝集>
各例で得られた分散液をポリ瓶に入れ、40℃で1か月静置した。
その後、ポリ瓶内の分散液に撹拌羽を入れ、500rpmで30分撹拌した。
撹拌後の分散液をA4サイズの基材に、#14番手のバーコーターで塗工して乾燥した。乾燥後の塗膜上に存在する500μm以上の凝集物を目視で計数し、以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
◎(最良):1個以下
○(良) :1個超、5個以下
△(可) :5個超、10個以下
×(不可):10個超
これらの評価結果を、表2に示す。
Figure 2020050178
2−2.液状組成物の粘度の違いによる効果の差異
(例8および9(比較例))
以下の表3に示す組成となるように、各成分を混合した以外は、例1と同様にして、液状組成物HおよびIを調製し、それぞれをジェットミル法に供して分散液を得た。
Figure 2020050178
各例で得られた分散液について、微小粒子のD50およびD90を求め、保管後の微小粒子の凝集を評価した。これらの結果を表4に示す。
Figure 2020050178
2−3.湿式ジェットミル法における他の条件の違いによる効果の差異
(例10〜12)
湿式ジェットミル法において加圧の圧力を、以下の表5に示すよう変更した以外は、例1と同様にして、分散液を得た。
(例13、14)
湿式ジェットミル法においてノズル径を、以下の表5に示すよう変更した以外は、例1と同様にして、分散液を得た。
(例15、16)
湿式ジェットミル法において液ホルダー温度およびノズル通過後温度を、以下の表5に示すよう変更した以外は、例1と同様にして、分散液を得た。なお、例15におけるノズル通過後温度の上昇は、液ホルダーの冷却を省略した結果である。一方、例16におけるノズル通過後温度の上昇は、湿式ジェットミル法において加圧の圧力を増大させ、かつ金属配管の冷却を省略した結果である。
(例17、18)
湿式ジェットミル法においてパス回数を、以下の表5に示すよう変更した以外は、上記例1と同様にして、分散液を得た。
各例で得られた分散液について、微小粒子のD50およびD90の測定、および保管後の微小粒子の凝集の評価を行った。
これらの結果を表5に示す。
Figure 2020050178
表5に示すように、湿式ジェットミル法における各種の条件を変更すると、分散液の粘度、微小粒子の粒径、微小粒子の凝集の程度が変化することが確認された。
2−4.分散剤の種類の違いによる効果の差異
(例19(比較例))
フッ素系分散剤1に代えて非フッ素系分散剤1を使用し、NMPに代えて水を使用した以外は、例1と同様にして分散液を得たが、その保管後の凝集状態は「×」であった。
(例20(比較例))
フッ素系分散剤を使用せず、10質量部のMEKを追加した以外は、例1と同様にして、分散液を得たが、その保管後の凝集状態は「×」であった。
(例21)
67質量部の水と3質量部のフッ素系分散剤3と30質量部の粗大粒子Aとをポットに投入した後、ポット内にジルコニアボールを投入した。その後、150rpm×1時間の条件でポットをころがし、粗大粒子Aが分散した、粘度15mPa・sの液状組成物Hを得た。
液状組成物Hを使用する以外は例1と同様にして湿式ジェットミル(パス回数30回)を行い、粗大粒子Aが微粒子化した微小粒子が分散した、粘度300mPa・sの分散液を得た。微小粒子のD50は0.3μmであり、D90は1.5μmであった。分散液の保管後の凝集状態は「◎」であった。
(例22)
液状組成物Hを、パス回数を10回とする以外は例1と同様の条件にて湿式ジェットミルに供して、粗大粒子Aが微粒子化した微小粒子が分散した、粘度200mPa・sの分散液を得た。微小粒子のD50は0.6μmであり、D90は2.3μmであった。分散液の保管後の凝集状態は「△」であった。
以上の例に示すように、所定曇点の分散剤を含む所定粘度の液状組成物を湿式ジェットミル法に供すれば、Fポリマーの微小粒子が安定分散した、分散液が得られる。
なお、分散剤として、フルオロポリオールに代えて、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルのうちの少なくとも一方を使用して液状組成物の粘度を所定の範囲に調整しても、上記各例と同様の傾向を示す結果が得られる。
本発明により得られる分散液は、接着性と耐クラック性に優れたFポリマー層を容易に形成でき、プリント配線板の製造に用いられる、樹脂付銅箔や金属積層板に好適である。また、前記分散液は、フィルム、含浸物(プリプレグ等。)等の成形品の製造に使用でき、離型性、電気特性、撥水撥油性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、滑り性、耐摩耗性等が要求される用途の成形品に好適である。前記分散液から得られる成形品は、アンテナ部品、プリント基板、航空機用部品、自動車用部品、スポーツ用具、食品工業用品、塗料、化粧品等として有用であり、具体的には、パワーモジュール絶縁層、電線被覆材(航空機用電線等。)、電気絶縁性テープ、石油掘削用絶縁テープ、プリント基板用材料、電極バインダー(リチウム二次電池用、燃料電池用等。)、コピーロール、家具、自動車ダッシュボート、家電製品のカバー、摺動部材(荷重軸受、すべり軸、バルブ、ベアリング、歯車、カム、ベルトコンベア、食品搬送用ベルト等。)、工具(シャベル、やすり、きり、のこぎり等。)、ボイラー、ホッパー、パイプ、オーブン、焼き型、シュート、ダイス、便器、コンテナ被覆材として有用である。
なお、2018年9月5日に出願された日本特許出願2018−166187号、2018年12月25日に出願された日本特許出願2018−240870号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (15)

  1. 380℃における溶融粘度が1×10〜1×1010Pa・sであるフルオロオレフィン系ポリマーの粗大粒子と、曇点が50℃超の分散剤と、液状分散媒とを含む粘度10000mPa・s以下の液状組成物を流路に加圧流通させて、前記粗大粒子の平均粒径より小さい平均粒径の微小粒子に前記粗大粒子を粉砕し、前記分散剤と前記液状分散媒に分散した前記微小粒子とを含む分散液を得る、分散液の製造方法。
  2. 前記フルオロオレフィン系ポリマーの溶融温度が200℃以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記分散剤がフッ素系分散剤である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記フッ素系分散剤がフルオロモノオール、フルオロポリオール、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記フッ素系分散剤のフッ素含有量が10〜50質量%である、請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 前記分散剤がフルオロモノオールおよびフルオロポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、水酸基価が10〜100mgKOH/gである化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記分散剤がフルオロモノオールであり、前記液状分散媒が水性分散媒である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記分散剤がフルオロポリオールであり、前記液状分散媒が非水性分散媒である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記微小粒子の平均粒径が、1μm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記粗大粒子の平均粒径が、1μm超10μm未満である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記液状組成物が、前記粗大粒子100質量部に対して前記分散剤を1質量部以上含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記液状組成物が、前記粗大粒子を1〜50質量%含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記液状組成物を、前記流路に循環流通させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記液状組成物を、流路の流量と循環時間との積を液状組成物の総量で除した値が10超となる条件にて、前記流路に循環流通させる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記微小粒子の平均粒径が0.5μm以下であり、前記微小粒子の体積基準累積90%径が2μm以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
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