JP2020037662A - フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020037662A
JP2020037662A JP2018166188A JP2018166188A JP2020037662A JP 2020037662 A JP2020037662 A JP 2020037662A JP 2018166188 A JP2018166188 A JP 2018166188A JP 2018166188 A JP2018166188 A JP 2018166188A JP 2020037662 A JP2020037662 A JP 2020037662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
fluororesin film
particles
based polymer
tetrafluoroethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018166188A
Other languages
English (en)
Inventor
渉 笠井
Wataru Kasai
渉 笠井
細田 朋也
Tomoya Hosoda
朋也 細田
達也 寺田
Tatsuya Terada
達也 寺田
敦美 山邊
Atsumi Yamabe
敦美 山邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2018166188A priority Critical patent/JP2020037662A/ja
Publication of JP2020037662A publication Critical patent/JP2020037662A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

【課題】テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性(高線膨張係数、低紫外線吸収性等)が調整されたフッ素樹脂膜、かかるフッ素樹脂膜の製造に使用可能な分散液の製造方法、およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のフッ素樹脂膜は、融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーと、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種の特定原子を含有する、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子とを含むフッ素樹脂膜であり、エネルギー分散型X線分析により定量される前記フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する前記特定原子の量をAとし、他方の表面に存在する前記特定原子の量をBとしたとき、B/Aが0.6〜1.7である。【選択図】なし

Description

本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能を有する機能性化合物の粒子を含むフッ素樹脂膜、かかるフッ素樹脂膜の製造に使用可能な分散液の製造方法、およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法に関する。
近年、電子基板の軽量化、小型化、高密度化に伴い、電子基板の材料として、電気的特性(低誘電率等)に優れたフッ素樹脂が注目されている。
特許文献1〜3には、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層を有する電子基板が検討されているが、フッ素樹脂は、線膨張係数が大きいため、フッ素樹脂層はカールし易いという欠点や、紫外線吸収性に劣るため、UVレーザーで加工できないという欠点がある。
特許文献2には、フッ素樹脂層にガラス繊維を添加し、その線膨張係数を低減する提案がなされている。また、特許文献3には、フッ素樹脂層に紫外線吸収剤を添加し、そのUVレーザー加工性を向上させる提案がなされている。
特開2006−059865号公報 特開昭61−64448号公報 特表平4−503081号公報
しかし、表面エネルギーが低いフッ素樹脂は、他の材料との親和性に欠ける。このため、フッ素樹脂にフィラーを添加すると、フィラーの凝集や偏析が生じ易い。一見、フィラーがフッ素樹脂中に均一に分散しているようでも、フィラーの濃度に勾配(すなわち偏析)が生じている場合がある。これが原因で、フッ素樹脂層の膨張率や紫外線吸収性が不均一になる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、両表面に存在する機能性化合物に由来する特定原子の量の比率を所定の範囲に調整すれば、上記問題が改善されたフッ素樹脂膜が得られること、所定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と機能性化合物の粒子とを含む液状組成物を流路に加圧流通させると、上記フッ素樹脂膜を形成するのに適した分散液が得られることを見出した。
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性(高線膨張係数、低紫外線吸収性等)が調整されたフッ素樹脂膜、かかるフッ素樹脂膜の製造に使用可能な分散液の製造方法、およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーと、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種の特定原子を含有する、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子とを含むフッ素樹脂膜であり、エネルギー分散型X線分析により定量される前記フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する前記特定原子の量をAとし、他方の表面に存在する前記特定原子の量をBとしたとき、B/Aが0.6〜1.7である、フッ素樹脂膜。
<2>前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位からなるホモポリマー、またはテトラフルオロエチレンに基づく単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレンおよびフルオロアルキルエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーに基づく単位とを含むポリマーである、前記<1>のフッ素樹脂膜。
<3>前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ニトリル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、前記<1>または<2>のフッ素樹脂膜。
<4>前記機能性化合物が、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<3>のいずれかのフッ素樹脂膜。
<5>前記機能性化合物が、チタン酸カリウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、および熱硬化性ポリイミド樹脂の硬化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<3>のいずれかのフッ素樹脂膜。
<6>前記機能性化合物の粒子の平均粒径が、1〜10μmである、前記<1>〜<5>のいずれかのフッ素樹脂膜。
<7>融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粗大粒子と、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種の特定原子を含有する、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子と、溶媒とを含む液状組成物を流路に加圧流通させて、前記粗大粒子の平均粒径より小さい平均粒径の微小粒子に前記粗大粒子を粉砕し、前記微小粒子と前記機能性化合物の粒子とが前記溶媒に分散した分散液を得る、分散液の製造方法。
<8>前記流路の口径が、200μm以下である、前記<7>の製造方法。
<9>前記液状組成物が、フルオロポリオール、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、前記<7>または<8>の製造方法。
<10>前記溶媒が、非水性溶媒である、前記<7>〜<9>のいずれかの製造方法。
<11>前記微小粒子の平均粒径が、1μm以下である、前記<7>〜<10>のいずれかの製造方法。
<12>前記流路に加圧流通させた後の前記液状組成物を、再度、前記流路に加圧流通させる、前記<7>〜<11>のいずれかの製造方法。
<13>前記流路に加圧流通させた後の前記液状組成物を強制的に冷却する、前記<12>の製造方法。
<14>前記<7>〜<13>のいずれかの分散液の製造方法で得られた分散液を、基材の表面に付与して、液状被膜を形成し、前記液状被膜を加熱して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記機能性化合物の粒子とを含むフッ素樹脂膜を前記基材の表面に形成する、フッ素樹脂膜付基材の製造方法。
<15>前記基材が、金属箔である、前記<14>の製造方法。
<16>エネルギー分散型X線分析により定量される前記フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する前記特定原子の量をAとし、他方の面に存在する前記特定原子の量をBとしたとき、B/Aが0.6〜1.7である、前記<14>または<15>に記載の製造方法。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性が調整されたフッ素樹脂膜が得られるとともに、かかるフッ素樹脂膜の製造に使用可能な分散液の製造方法、およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法が提供できる。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「粒子の平均粒径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「粒子のD90」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積90%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が90%となる点の粒子径である。
「ポリマーの溶融粘度」は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスターおよび2Φ−8Lのダイを用い、予め測定温度にて5分間加熱しておいたポリマーの試料(2g)を0.7MPaの荷重にて測定温度に保持して測定した値である。
「ポリマーの融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
ポリマーにおける「単位」は、重合反応によってモノマーから直接形成された原子団であってもよく、重合反応によって得られたポリマーを所定の方法で処理して、構造の一部が変換された原子団であってもよい。
本発明の分散液の製造方法は、融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のテトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)系ポリマーの粗大粒子と、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種の特定原子を含有する、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子(以下、「機能性粒子」とも記す。)と、溶媒とを混合して得られた液状組成物を流路に加圧流通させて(以下、「湿式ジェットミル法に供して」とも記す。)、粗大粒子の平均粒径より小さい平均粒径の微小粒子に、粗大粒子を粉砕し、微小粒子と機能性粒子とが前記溶媒に分散した分散液を得る方法であるとも言える。
かかる分散液は、微小粒子と機能性粒子とが均一に混合されており、分散安定性に優れる。この理由は、必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
すなわち、本発明における液状組成物は、湿式ジェットミル法に供すると、液状組成物中の成分同士が高度に接触するようになり、粗大粒子の微粒子化が効率的に進行する。また、このとき、機能性粒子に微小粒子が衝突し、TFE系ポリマーが付着した機能性粒子が得られると推定される。換言すれば、TFE系ポリマーの少なくとも一部が機能性粒子の表面にハイブリダイズした状態であると推定される。このため、微小粒子とTFE系ポリマーが保持された機能性粒子との親和性が高まり、これらが均一に混合される。
以下、本発明の分散液の製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるTFE系ポリマーは、TFEに基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含むポリマーである。TFE系ポリマーは、TFEのホモポリマーであってもよく、TFEとTFEと共重合可能な他のモノマー(以下、「コモノマー」とも記す。)とのコポリマーであってもよい。
TFE系ポリマーとしては、TFE単位からなるホモポリマー、またはTFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、「PAVE」とも記す。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)およびフルオロアルキルエチレン(以下、「FAE」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーに基づく単位とを含むポリマーが好ましい。
ここで、TFE単位からなるホモポリマーには、TFE単位以外の単位を極微量含むポリマーも包含される。かかるポリマーは、それに含まれる全単位に対してTFE単位が占める割合が、99.5モル%以上が好ましく、99.8モル%以上がより好ましく、99.9モル%以上がさらに好ましい。
例えば、本発明で得られる分散液により、高周波信号の伝送に用いられるプリント配線板の絶縁樹脂層(フッ素樹脂膜)を形成する場合、TFE系ポリマーは、比誘電率および誘電正接が特に低いため、プリント配線板の伝送特性が向上する。
中でも、TFE系ポリマーとしては、電気特性(比誘電率、誘電正接)および耐熱性の双方に優れている観点から、TFEとPAVEとのコポリマー(PFA)またはTFEとHFPとのコポリマー(FEP)が好ましく、PFAがより好ましい。
TFE系ポリマーは、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ニトリル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリマーが好ましい。TFE系ポリマーが上記官能基を有していれば、例えば、本発明で得られる分散液からプリント配線板の絶縁樹脂層を形成する場合に、絶縁樹脂層の金属配線(金属箔)に対する密着性が良好になる。なお、官能基は、プラズマ処理等によりTFE系ポリマーに導入してもよい。
かかる官能基は、TFE系ポリマーを構成する単位に含まれてもよく、ポリマーの主鎖の末端基に含まれてもよい。後者のポリマーとしては、官能基を、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として有するポリマーが挙げられる。
TFE系ポリマーは、官能基を有する単位とTFE単位とを含むポリマーが好ましい。この場合、TFE系ポリマーは、さらに他の単位を含むのが好ましい。
なお、例えば、本発明で得られる分散液からプリント配線板の絶縁樹脂層を形成する場合には、絶縁樹脂層と金属配線との密着性をより高める観点から、官能基としては、カルボニル基含有基が好ましい。
カルボニル基含有基としては、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、脂肪酸残基が挙げられ、カルボキシ基または酸無水物残基が好ましい。
カルボニル基含有基を有するモノマーとしては、酸無水物残基を有する環状モノマー、カルボキシ基を有するモノマー、ビニルエステルまたは(メタ)アクリレートが好ましく、酸無水物残基を有する環状モノマーがより好ましい。
かかる環状モノマーの具体例としては、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸;以下、「NAH」とも記す。)または無水マレイン酸が好ましい。
官能基を有する単位およびTFE単位以外の他の単位としては、HFPに基づく単位(以下、「HFP単位」とも記す。)、PAVEに基づく単位(以下、「PAVE単位」とも記す。)またはFAEに基づく単位(以下、「FAE単位」とも記す。)が好ましい。
PAVEとしては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」とも記す。)、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFFが挙げられ、PPVEが好ましい。
FAEとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFHが挙げられ、CH=CH(CFFまたはCH=CH(CFFが好ましい。
TFE系ポリマーとしては、官能基を有する単位と、TFE単位と、PAVE単位またはHFP単位とを含むポリマーが好ましい。かかるTFE系ポリマーの具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されたポリマーが挙げられる。
この場合、TFE系ポリマーに含まれる全単位に対して、TFE単位が占める割合は、90〜99モル%が好ましく、PAVE単位が占める割合は、0.5〜9.97モル%が好ましく、官能基を有する単位が占める割合は、0.01〜3モル%が好ましい。
TFE系ポリマーは、その融点が200℃以上である。融点が200℃未満のTFE系ポリマーは耐熱性が低い。このため、かかる低融点のTFE系ポリマーの粗大粒子を含有する液状組成物を湿式ジェットミル法に供すると、液状組成物が流路を流通する際の発熱等により、粗大粒子同士が溶融して融着する。この際、粗大粒子の融着物から機能性粒子が押し出され、偏析する場合もある。これに対して、融点が200℃以上のTFE系ポリマーであれば、上記不都合が生じず、また加熱されても高い硬度を維持するため、粗大粒子が良好に微粒子化され、所望の微小粒子が得られる。また、融点が380℃以下のTFE系ポリマーであれば、微小粒子のフィブリル化も生じ難い。
TFE系ポリマーの融点は、250℃以上が好ましく、300〜350℃がより好ましい。かかる融点のTFE系ポリマーであれば、粗大粒子の微粒子化を促進でき、微小粒子のフィブリル化も抑制し易い。
TFE系ポリマーの380℃における溶融粘度は、1×1010Pa・s以下であり、1×10〜1×10Pa・sが好ましく、1×10〜1×10Pa・sがより好ましい。かかる溶融粘度のTFE系ポリマーの粗大粒子であれば、フィブリル化することなく微小粒子に粉砕される。
TFE系ポリマーの粗大粒子は、TFE系ポリマー以外の成分を含んでもよいが、TFE系ポリマーを主成分とするのが好ましい。粗大粒子(微粒子化後の微小粒子においても実質同じ)中に含まれるにおけるTFE系ポリマーの量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
粗大粒子のD50は、流路の口径未満が好ましく、1μm超10μm未満がより好ましく、2μm超8μm未満がさらに好ましく、3μm超6μm未満が特に好ましい。かかるD50の粗大粒子を含有する液状組成物であれば、目詰まりすることなく流路を円滑に流通させ、目的とする粒径の微小粒子が得られる。
粗大粒子のD90は、流路の口径未満が好ましく、15μm以下がより好ましく、13μm以下がさらに好ましく、11μm以下が特に好ましい。粗大粒子のD90が上記範囲であれば、流路がより目詰まりし難くなる。
このような粗大粒子の製造方法としては、特に限定されず、国際公開第2016/017801号の[0065]〜[0069]に記載の方法を採用できる。なお、粗大粒子は、市販されている所望の粒子を用いてもよい。
本発明における機能性化合物は、TFE系ポリマーに基づくフッ素樹脂膜の特性を調整する機能を有する。
ここで、TFE系ポリマーは、線膨張係数が大きいため、TFE系ポリマーのみを含有するフッ素樹脂膜はカールし易い。また、TFE系ポリマーは、紫外線吸収性に劣るため、TFE系ポリマーのみを含有するフッ素樹脂膜はUVレーザーで加工できない。
したがって、フッ素樹脂膜のTFE系ポリマーに基づく調整すべき特性としては、好ましくは紫外線吸収性または線膨張係数である。
機能性化合物が含有する特定原子は、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種である。これらの原子の中から選択される特定原子を含有する機能性化合物を用いれば、フッ素樹脂膜の紫外線吸収性および線膨張係数を調整し易い。
特に、改善すべき特性がフッ素樹脂膜の紫外線吸収性である場合、機能性化合物としては、バンドギャップが3〜3.5eVの化合物が好ましく、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。かかる機能性化合物を用いれば、フッ素樹脂膜の紫外線吸収性を充分に高められる。
一方、改善すべき特性がフッ素樹脂膜の線膨張係数である場合、機能性化合物としては、TFE系ポリマーの線膨張係数より充分に低い線膨張係数を有する化合物が好ましく、チタン酸カリウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、および熱硬化性ポリイミド樹脂の硬化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。かかる機能性化合物を用いれば、フッ素樹脂膜の線膨張係数を充分に低下させ得る。
なお、硬化性ポリイミド樹脂の硬化物を用いれば、例えば、本発明で得られる分散液からプリント配線板の絶縁樹脂層(フッ素樹脂膜)を形成する場合に、絶縁樹脂層の金属配線(金属箔)に対する密着性も良好になる。
また、改善すべき特性がフッ素樹脂膜の熱伝導性である場合、機能性化合物としては、TFE系ポリマーの熱伝導率より充分に高い熱伝導率を有する化合物が好ましく、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、および炭酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。かかる機能性化合物を用いれば、フッ素樹脂膜の熱伝導率を充分に向上させうる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、芳香族多価カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの縮重合で得られる全芳香族ポリイミド等の芳香族ポリイミドが挙げられる。
芳香族多価カルボン酸二無水物としては、特開2012−145676号公報の[0055]に記載された化合物等が挙げられる。なお、非芳香族系の多価カルボン酸二無水物であるエチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物も、芳香族系多価カルボン酸二無水物と遜色なく使用できる。
芳香族ジアミンとしては、特開2012−145676号公報の[0057]に記載された化合物が挙げられる。
フッ素樹脂膜のTFE系ポリマーに基づく調整すべき他の特性としては、導電性が挙げられる。
フッ素樹脂膜の導電性を調整する場合には、機能性化合物として、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素材料、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素含有インジウムスズ酸化物(FTO)等の導電性酸化物材料、銀、銅等の金属材料が好適に使用される。
本発明における溶媒は、TFE系ポリマーの粒子(粗大粒子および微小粒子)および機能性粒子を分散させる分散媒である。この溶媒は、25℃で液状の不活性かつTFE系ポリマーと反応しない化合物である。具体的には、溶媒は、分散液中に含まれる溶媒の以外の成分の沸点よりも低沸点であり、加熱等によって揮発し除去できる化合物が好ましい。
かかる溶媒としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジオキサン等)、エステル(乳酸エチル、酢酸エチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等)、グリコールエーテル(エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)が挙げられる。溶媒は、これらの化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、含窒素化合物、含硫黄化合物、エーテル、エステル、ケトン、グリコールエーテル等の非水性溶媒が好ましい。非水性溶媒を用いれば、液状組成物の粘度を所望の範囲に調整し易くなる。
溶媒は、20℃における比熱が比較的低い有機溶媒が好ましい。かかる溶媒を用いれば、湿式ジェットミル法に供した際に、液状組成物の放熱効果が高まり、微粒子化により得られた微小粒子同士の融着を防止できる。また、微小粒子の異形状化やフィブリル化を阻止できる。なお、比熱の具体的な値は、3J/(g・K)以下が好ましく、2.8J/(g・K)以下がより好ましく、1.8〜2.5J/(g・K)がさらに好ましい。
また、溶媒の沸点は、80〜275℃が好ましく、125〜250℃がより好ましい。
以上のような条件を満足する溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃)、ジメチルアセトアミド(沸点:165℃)、シクロヘキサノン(沸点:155℃)、N,N−ジメチルホルムアミド、(沸点:153℃)、メチルエチルケトン(比熱:2.1J/(g・K)、沸点:80℃)が挙げられる。
本発明における液状組成物は、TFE系ポリマーの微小粒子の表面に化学的および/または物理的に吸着して、微小粒子を溶媒に安定的に分散させる機能を有する化合物(分散剤)を含むのが好ましい。
分散剤を含む液状組成物を湿式ジェットミル法に供すると、液状組成物中の成分同士が高度に接触するようになり、粗大粒子の微粒子化が効率的に進行する。また、このとき、粗大粒子の微粒子化により得られた微小粒子の表面と分散剤との相互作用も高まる。その結果、この分散剤の作用により微小粒子と機能性粒子とがより高度に相互作用して、得られる分散液の分散安定性が向上し易い。
分散剤は、フッ素原子を含有する疎水部位と親水部位とを有する化合物(以下、「フッ素系分散剤」とも記す。)が好ましく、フルオロポリオール、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましく、フルオロポリオールがさらに好ましい。
また、フッ素系分散剤は、ポリマー状であり、ノニオン性のポリマー状化合物が好ましい。
これらのフッ素系分散剤は、TFE系ポリマーおよび溶媒の双方との親和性に優れる。特に、TFE系ポリマーの380℃における溶融粘度が上記範囲にあるか、TFE系ポリマーが上記官能基を有すれば、フッ素系分散剤との親和性がさらに向上する。
なお、フルオロポリオールとは、TFE系ポリマーと異なり、水酸基とフッ素原子とを有するポリマー状ポリオールである。また、ポリマー状ポリオールは、水酸基の一部が化学修飾され、変性されてもよい。
フルオロポリオールとしては、エチレン性不飽和モノマーに由来する炭素鎖からなる主鎖と、この主鎖から分岐する側鎖として、含フッ素炭化水素基と水酸基とを有するポリマー状ポリオールが挙げられる。ここで、含フッ素炭化水素基は、複数(2または3)の1価含フッ素炭化水素基が結合した3級炭素原子を有する基が好ましい。
フルオロポリオールは、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロアルケニル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「含フッ素(メタ)アクリレート」とも記す。)に基づく単位と、ポリオキシアルキレンモノオール基を有する(メタ)アクリレート(以下、「含水酸基(メタ)アクリレート」とも記す。)に基づく単位とを含むコポリマーが好ましい。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびアクリレートのα位の水素原子が他の原子または原子団で置換されたアクリレート誘導体の総称である。
含フッ素(メタ)アクリレートは、式(f):CH=CRC(O)O−X−Zで表される化合物が好ましい。
は、水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
は、アルキレン基、オキシアルキレン基またはアルキレンアミド基を示す。
は、ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルケニル基を示す。
一方、含水酸基(メタ)アクリレートは、式(d):CH=CRC(O)O−Xd1−Xd2−OHで表される化合物が好ましい。
は、水素原子またはメチル基を示す。
d1は、アルキレン基を示す。
d2は、オキシアルキレン基を示す。
含フッ素(メタ)アクリレートの具体例としては、CH=CHCOO(CHOCF(CF)(C(CF(CF)(=C(CF)、CH=CHCOO(CHOC(CF)(=C(CF(CF)(CF(CF)、CH=C(CH)COO(CHNHCOOCH(CHOCHCH(CFF)、CH=C(CH)COO(CHNHCOOCH(CHOCHCH(CFF)、CH=C(CH)COO(CHNHCOOCH(CHOCH(CFF)、CH=C(CH)COO(CHNHCOOCH(CHOCH(CFF)、CH=C(CH)COO(CHNHCOOCH(CHOCH(CFF)、CH=C(CH)COO(CHNHCOOCH(CHOCH(CFF)が挙げられる。
含水酸基(メタ)アクリレートの具体例としては、CH=CHCOO(CH(OCHCH10OH、CH=CHCOO(CH(OCHCH10OH、CH=C(CH)COO(CH(OCHCH10OH、CH=C(CH)COO(CH(OCHCH10OH、CH=CHCOO(CH(OCHCH(CH))10OH、CH=C(CH)COO(CH(OCHCH(CH))10OHが挙げられる。
フルオロポリオールに含まれる全単位に対して、含フッ素(メタ)アクリレートに基づく単位が占める割合は、20〜60モル%が好ましく、20〜40モル%がより好ましい。
フルオロポリオールに含まれる全単位に対して、含水酸基(メタ)アクリレートに基づく単位が占める割合は、40〜80モル%が好ましく、60〜80モル%がより好ましい。
フルオロポリオールに含まれる含フッ素(メタ)アクリレートに基づく単位の量に対する含水酸基(メタ)アクリレートに基づく単位の量の比率は、1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。
フルオロポリオールは、含フッ素(メタ)アクリレートに基づく単位と含水酸基(メタ)アクリレートに基づく単位とのみを含んでもよく、さらに他の単位を含んでもよい。
フルオロポリオールのフッ素含有量は、10〜45質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
また、フルオロポリオールの重量平均分子量は、2000〜80000が好ましく、6000〜20000がより好ましい。
なお、フルオロシリコーンとしては、側鎖の一部にC−F結合を含むポリオルガノシロキサンが挙げられる。
また、フルオロポリエーテルとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの水素原子の一部がフッ素原子に置換された化合物が挙げられる。なお、フルオロポリエーテルには、前記化合物のモノオール体も包含される。
本発明における液状組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでよい。その他の成分は、液状組成物に溶解してもよく、溶解しなくてもよい。
その他の成分としは、樹脂(非硬化性樹脂、硬化性樹脂等)、チキソ性付与剤、消泡剤、無機フィラー、反応性アルコキシシラン、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、難燃剤が挙げられる。
非硬化性樹脂としては、熱溶融性樹脂、非溶融性樹脂が挙げられる。熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミドが挙げられる。非溶融性樹脂としては、熱硬化性ポリイミド樹脂以外の硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。
硬化性樹脂としては、反応性基を有するポリマー、反応性基を有するオリゴマー、低分子化合物、反応性基を有する低分子化合物が挙げられる。反応性基としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基が挙げられる。
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、多官能シアン酸エステル樹脂、多官能マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂が挙げられる。
中でも、プリント配線板の用途に有用である観点から、硬化性樹脂としては、熱硬化性ポリイミド、ポリイミド前駆体、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂またはポリフェニレンエーテル樹脂が好ましく、エポキシ樹脂またはポリフェニレンエーテル樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ化合物、フェノールとフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノールのグリシジルエーテル化物、アルコールのジグリシジルエーテル化物、トリグリシジルイソシアヌレートが挙げられる。
ビスマレイミド樹脂としては、特開平7−70315号公報に記載される、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂とビスマレイミド化合物とを併用した樹脂組成物(BTレジン)、国際公開第2013/008667号に記載の樹脂組成物、その背景技術に記載の樹脂組成物が挙げられる。
ポリアミック酸を形成するジアミン、多価カルボン酸二無水物としては、特許第5766125号公報の[0020]、特許第5766125号公報の[0019]、特開2012−145676号公報の[0055]、[0057]に記載の化合物が挙げられる。
中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等の芳香族ジアミンと、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸二無水物との組合せが好ましい。
熱溶融性の樹脂としては、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂、硬化性の樹脂の熱溶融性の硬化物が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、熱可塑性ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、ポリフェニレンエーテルが挙げられ、熱可塑性ポリイミド、液晶性ポリエステルまたはポリフェニレンエーテルが好ましい。
本発明における液状組成物の粘度は、各成分の種類および/または配合量、その他の成分の配合の有無、液状組成物の温度に応じて、所定の粘度に調整するのが好ましい。
所定の粘度は、10〜10000mPa・sが好ましく、10〜5000mPa・sがより好ましく、20〜1000mPa・sがさらに好ましい。
液状組成物の粘度を上記範囲に調整すれば、液状組成物を湿式ジェットミル法に供した際に、液状組成物中の成分同士を高度に接触させ、フィブリル化を防止しつつ、粗大粒子の微粒子化を促進できる。また、機能性粒子の表面には、多くのTFE系ポリマーが付着するので、微小粒子との親和性がより向上する。特に、液状組成物がフッ素系分散剤を含めば、上記効果がより向上する。
各成分を混合する処理(分散処理)としては、超音波処理、撹拌処理、振とう処理が挙げられる。液状組成物中に粗大粒子を充分に分散させ、凝集を抑制できる観点から、超音波処理、撹拌処理が好ましい。なお、上記処理の2種以上を併用してもよい。
処理における温度は、粗大粒子の分散を促進する観点から、35〜60℃が好ましい。
撹拌処理における撹拌速度は、100〜1000rpmが好ましい。かかる撹拌速度での撹拌処理により、液状組成物中へ粗大粒子を均一に分散させつつ、粗大粒子のフィリブル化を抑制し易い。
撹拌処理における液状組成物の流動形態としては、旋回流、上昇流、上下循環流、放射流のいずれであってもよい。ただし、液状組成物における沈降成分の再分散を促す観点から、流動形態としては、上昇流、上下循環流が好ましい。
なお、撹拌処理においては、撹拌槽中に邪魔板を設置して流動形態を制御してもよく、撹拌装置の設置位置および/または設置角度を調整して流動形態を偏心させてもよい。
液状組成物中に含まれる粗大粒子の量は、1〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
液状組成物中に含まれる機能性粒子の量は、粗大粒子100重量部に対して、0.5〜70質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
各成分の量を上記範囲とすれば、液状組成物の粘度を所望の範囲に調整し易い。また、最終的に得られる分散液中の微小粒子の平均粒径が最適化できるとともに、微小粒子の分散液中での分散安定性が向上する。
本発明における湿式ジェットミル法では、細径の流路(オリフィス)に液状組成物を加圧流通させる。このとき、液状組成物に対して高い剪断力が付与されるとともに、液状組成物中の各成分同士が高度に接触する。
例えば、粗大粒子は、互いの接触により微粒子化され、微小粒子が生成する。特に、液状組成物の粘度を上記範囲に調整すれば、粗大粒子にかかる剪断力を高くし、粗大粒子が円滑にかつ効率よく微粒子化し得る。また、TFE系ポリマーの粒子が機能性粒子高度に接触して、これらの相互作用(化学的および/または物理的な作用)により、TFE系ポリマーが機能性粒子の表面に付着する。その結果、微小粒子と機能性粒子とが均一に混合された分散液が得られる。
湿式ジェットミル法を実施可能な装置としては、常光社製のナノジェットパル、吉田工業株式会社製の超高圧湿式微粒化装置が挙げられる。
湿式ジェットミル法における加圧の圧力は、50〜200MPaが好ましく、100〜170MPaがより好ましい。かかる圧力で液状組成物を加圧することにより、粗大粒子の微粒子化をより促進できる。
流路の口径は、液状組成物の粘度とTFE系ポリマーの粗大粒子の粒径とに応じて適宜設定され、200μm以下が好ましく、180μm以下がより好ましく、50〜150μmがさらに好ましい。このような細径の流路に上記粘度の液状組成物を流通させれば、粗大粒子の微粒子化および微小粒子の安定分散性がより高まる。
得られる微小粒子のD50は、1μm以下が好ましく、0.01〜1μmがより好ましく、0.05〜0.8μmがさらに好ましく、0.1〜0.6μmが特に好ましく、0.15〜0.4μmが最も好ましい。かかるD50の微小粒子は、流動性および分散性が良好となり、例えば、プリント配線板の絶縁樹脂層を形成した場合に、TFE系ポリマーの電気特性(低誘電率等)および耐熱性が最も発現し易い。
また、微小粒子のD90は、3μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好ましい。かかるD90の微小粒子は、流動性および分散性が良好となり、例えば、プリント配線板の絶縁樹脂層を形成した場合に、TFE系ポリマーの電気特性(低誘電率等)および耐熱性が最も発現し易い。
微小粒子の疎充填嵩密度は、0.08〜0.5g/mLがより好ましい。
微小粒子の密充填嵩密度は、0.1〜0.8g/mLがより好ましい。
一方、機能性粒子のD50は、1〜10μmがより好ましく、2〜8μmがさらに好ましく、3〜6μmが特に好ましい。かかるD50の機能性粒子を含有する液状組成物であれば、得られるフッ素樹脂膜において機能性粒子が均一に分布(分散)するようになり、フッ素樹脂膜の所望の特性に調整し易い。
なお、機能性粒子の硬度は、TFE系ポリマーの粗大粒子の硬度より高いため、液状組成物を湿式ジェットミル法に供しても、機能性粒子は微粒子化され難い。よって、機能性粒子のD50は、液状組成物および分散液中において実質的に変化がない。
湿式ジェットミル法に一旦供された液状組成物を、そのまま分散液として使用してもよく、湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物を、再度、湿式ジェットミル法に供して、分散液として使用してもよい。液状組成物を繰り返して湿式ジェットミル法に供すれば、所望のD50の微小粒子が得られ易い。
後者の場合、湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物を強制的に冷却するのが好ましい。冷却後の液状組成物を、再度、湿式ジェットミル法に供すれば、TFE系ポリマーの変質または劣化を防止するとともに、微小粒子のフィブリル化も生じ難い。かかる効果は、上記比熱の溶媒を用いれば、より顕著に発現する。
湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物の温度は、75℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。かかる温度であれば、TFE系ポリマーの変質または劣化による液状組成物の粘度の変化や、微小粒子の凝集が生じ難い。
湿式ジェットミル法に供された後の液状組成物の温度を下げるには、流路を規定するノズルを通過する前の液ホルダーの温度を下げる方法と、ノズル通過後の配管の温度を下げる方法とがあるが、双方の方法を採用するのが好ましい。
また、液状組成物を湿式ジェットミル法に繰り返し供する場合、その回数は、10〜70回が好ましく、20〜60回がより好ましく、30〜50回がさらに好ましい。回数が少な過ぎると、流路の口径、加圧の圧力等によっては、液状組成物を繰り返し湿式ジェットミル法に供する効果が充分に得られない場合がある。一方、回数を必要以上に多くしても、それに見合うだけの粗大粒子を微粒子化する効果、微小粒子と機能性粒子とを均一に混合する効果が得られない場合がある。
本発明で得られる分散液は、各種基材の表面に付与すれば、その表面にTFE系ポリマーを含む緻密かつ平滑な層を形成可能なコーティング剤等として使用できる。例えば、本発明で得られる分散液を用いれば、高周波信号の伝送に用いられるプリント配線板等に使用されるフッ素樹脂膜付基材を容易に製造できる。
すなわち、本発明のフッ素樹脂膜付基材の製造方法は、上記分散液を基材の表面に付与して、液状被膜を形成し、液状被膜を加熱して、液状被膜から溶媒を除去するとともにTFE系ポリマーの微小粒子(以下、「F樹脂粒子」とも記す。)を焼成し、TFE系ポリマーと機能性粒子とを含むフッ素樹脂膜を基材の表面に形成する方法とも言える。
上記分散液および液状被膜中では、TFE系ポリマーを担持した機能性粒子がF樹脂粒子と混合されている。このため、液状被膜から溶媒が除去された乾燥被膜中では、機能性粒子とF樹脂粒子とが均一に分布している。この状態で、TFE系ポリマーの粒子を焼成すると、得られる溶融物(以下、「マトリクス樹脂」とも記す。)中に機能性粒子が均一に分散したフッ素樹脂膜が形成される。
このようなフッ素樹脂膜は、機能性粒子の凝集や偏析が抑制された状態で形成されるため、機能性化合物によりTFE系ポリマーに基づく特性が良好に調整される。
フッ素樹脂膜中における機能性粒子の分散性の程度は、フッ素樹脂膜の両表面におけるエネルギー分散型X線分析により定量される、機能性粒子が含有する特定原子の量の差により規定できる。
本発明は、融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のTFE系ポリマーと、前記特定原子を含有する、TFE系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子とを含むフッ素樹脂膜であり、エネルギー分散型X線分析により定量される前記フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する前記特定原子の量をAとし、他方の表面に存在する前記特定原子の量をBとしたとき、B/Aが0.6〜1.7である、フッ素樹脂膜(以下、「F樹脂膜」とも記す。)を提供する。
F樹脂膜におけるB/Aは、0.7〜1.5が好ましく、0.8〜1.3がより好ましい。かかるB/AのF樹脂膜は、TFE系ポリマーの粒子の分散性の程度がより高く、上記効果をより顕著に発揮できる。
本発明のF樹脂膜は、自立膜であってもよく、他の基材表面に形成される膜であってもよい。
基材としては、金属箔、剥離シートが挙げられ、金属箔が好ましい。金属箔を用いれば、F樹脂膜付金属箔が得られ、さらに金属箔を金属配線に加工してプリント配線板が得られる。かかるプリント配線基板は、高周波信号の伝送に用いられる。なお、剥離シートを用いれば、F樹脂膜付剥離シートが得られ、F樹脂膜付剥離シートから剥離シートを除去して単体のF樹脂膜が得られる。
本発明におけるF樹脂膜付金属箔は、金属箔の片面のみにF樹脂膜を有してもよく、金属箔の両表面にF樹脂膜を有してもよい。
F樹脂膜付金属箔の反り率は、25%以下が好ましく、7%以下がより好ましい。この場合、フッ素樹脂膜付金属箔をプリント基板に加工する際のハンドリング性と、得られるプリント基板の伝送特性が優れる。
F樹脂膜付金属箔の寸法変化率は、±1%以下が好ましく、±0.2%以下がより好ましい。この場合、F樹脂膜付金属箔から得られるプリント基板を多層化しやすい。
本発明における金属箔の材質としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金が挙げられる。
金属箔としては、圧延銅箔、電解銅箔が挙げられる。金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜)、耐熱層が形成されていてもよい。
金属箔の表面の十点平均粗さは、0.2〜1.5μmが好ましい。この場合、F樹脂膜との接着性が良好となり、伝送特性に優れたプリント基板が得られ易い。
ここで、F樹脂膜の金属箔に対する接着力は、5kN/m以上が好ましく、7kN/m以上がより好ましく、10kN/m以上がさらに好ましく、13kN/m以上が特に好ましい。
金属箔の厚さは、F樹脂膜付金属箔の用途において機能が発揮できればよい。
金属箔の表面は、その全体がシランカップリング剤により処理されてもよく、一部のみがシランカップリング剤により処理されてもよい。シランカップリング剤としては、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、アクリロキシシラン、メタクリロキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシランが挙げられる。シランカップリング剤は、1種類を単独使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
F樹脂膜との密着性の観点からは、シランカップリング剤は、アミノシラン、アクリロキシシラン、メタクリロキシシランまたはエポキシシランが好ましい。
本発明におけるF樹脂膜は、その厚さが1〜50μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。かかる範囲の厚さであれば、プリント基板の伝送特性とF樹脂膜付金属箔の反り抑制とをバランスさせ易い。
F樹脂膜付金属箔が金属箔の両表面にF樹脂膜を有する場合、2つのF樹脂膜の組成および厚さは、F樹脂膜付金属箔の反りを抑制する観点から、同一が好ましい。
F樹脂膜の比誘電率は、2〜3.5が好ましく、2〜3がより好ましい。この場合、F樹脂膜の電気特性および接着性の双方が優れ、低誘電率が求められるプリント基板等にF樹脂膜付金属箔を好適に使用できる。
F樹脂膜の表面粗さは、F樹脂膜の厚さ未満であり、2.2〜8μmが好ましい。かかる範囲の表面粗さであれば、F樹脂膜の他の基板に対する接着性と加工性とをバランスさせ易い。
本発明においては、分散液を金属箔の表面に付与する。付与方法としては、金属箔の表面に分散液からなる安定した液状被膜(ウェット膜)が形成される方法であればよく、塗布法、液滴吐出法、浸漬法が挙げられ、塗布法が好ましい。塗布法を用いれば、簡単な設備で効率よく金属箔の表面に液状被膜を形成できる。
塗布法としては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法が挙げられる。
塗布法を用いる場合、上記分散液を金属箔の表面に塗布(塗工)して液状被膜を形成した後、液状被膜を加熱して、金属箔の表面にF樹脂膜を有するF樹脂膜付金属箔が製造できる。上記のように、F樹脂膜は、金属箔の少なくとも一方の表面に形成すればよい。金属箔の両表面にF樹脂膜を形成する場合、金属箔の一方の表面に分散液を塗布した後、他方の表面に分散液を塗布するのが好ましい。なお、加熱時には、両表面の分散液を一括して焼成してもよく、各表面の液状被膜毎に焼成してもよい。
加熱の際は、金属箔の表面に形成された液状被膜を溶媒の揮発温度で保持して、液状被膜を乾燥させた後、乾燥被膜を溶媒の揮発温度を上回る温度で保持して、TFE系ポリマーを焼成するのが好ましい。このようにして、TFE系ポリマーの粒子からマトリクス樹脂が形成される。
「溶媒の揮発温度」は、溶媒の沸点±50℃が好ましく、溶媒の沸点以上の温度がより好ましく、溶媒の沸点+50℃以下の温度がさらに好ましい。
また、乾燥時の温度は、通常、雰囲気温度を示す。
乾燥時に、溶媒は、保持後の膜形状が安定し、自立膜を維持できる程度まで揮発させればよい。具体的には、揮発させるべき溶媒の量は、分散液中に含まれる溶媒のうちの50質量%以上が好ましい。
乾燥は、一定温度にて1段階で行ってもよく、異なる温度にて2段階以上で行ってもよい。
乾燥の方法としては、オーブンを用いる方法、通風乾燥炉を用いる方法、赤外線等の熱線を照射する方法が挙げられる。
乾燥は、常圧下および減圧下のいずれの状態で行ってもよい。また、乾燥雰囲気は、酸化性ガス雰囲気(酸素ガス等。)、還元性ガス雰囲気(水素ガス等。)、不活性ガス雰囲気(ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、窒素ガス等。)のいずれであってもよい。
乾燥温度は、50〜280℃が好ましく、120〜260℃がより好ましい。乾燥時間は、0.1〜30分間が好ましく、0.5〜20分間がより好ましい。かかる条件で液状被膜を乾燥すれば、高い生産性を維持しつつ、金属箔へ粒子を好適に固定できる。
TFE系ポリマーの焼成は、300℃以上が好ましく、330〜380℃がより好ましく、350〜370℃がさらに好ましい。焼成時間は、30秒〜30分間が好ましく、1〜15分間がより好ましい。かかる条件で乾燥被膜を加熱すれば、TFE系ポリマーの融着が進行して、均質なマトリクス樹脂が形成されやすい。
得られたF樹脂膜付金属箔の膨張を制御したり、絶縁樹脂層の接着性をさらに改善したりするために、得られたF樹脂膜付金属箔の表面には、アニール処理、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、UVオゾン処理、エキシマ処理、ケミカルエッチング、シランカップリング処理等の表面処理をしてもよい。
アニール処理における、温度、圧力及び時間は、この順に、120〜180℃、0.005〜0.015MPa及び30〜120分間が好ましい。
プラズマ処理に用いるガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、希ガス(アルゴン等)、水素ガス、アンモニアガスが挙げられ、希ガスまたは窒素ガスが好ましい。プラズマ処理に用いるガスの具体例としては、アルゴンガス、水素ガスと窒素ガスの混合ガス、水素ガスと窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスが挙げられる。
プラズマ処理における雰囲気は、希ガスまたは窒素ガスの体積分率が70体積%以上の雰囲気が好ましく、100体積%の雰囲気がより好ましい。かかる雰囲気中でプラズマ処理を行うことにより、F樹脂膜の表面のRaを2μm以下に調整して、F樹脂膜の表面に微細凹凸を形成し易い。
F樹脂膜付金属箔には、F樹脂膜の表面に基板を積層してもよい。
基板としては、耐熱性樹脂フィルム、繊維強化樹脂板の前駆体であるプリプレグ、耐熱性樹脂フィルム層を有する積層体、プリプレグ層を有する積層体が挙げられる。
プリプレグは、強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)の基材(トウ、織布等)に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の基板である。
積層の方法としては、F樹脂膜付金属箔と基板とを熱プレスする方法が挙げられる。
基板がプリプレグの場合のプレス温度は、TFE系ポリマーの融点以下が好ましく、160〜220℃がさらに好ましい。
基板が耐熱性樹脂フィルムの場合のプレス温度は、310〜400℃が好ましい。
熱プレスは、基板、F樹脂膜、金属箔それぞれの界面への気泡混入の抑制と酸化による劣化も抑制との観点から、減圧雰囲気下で行うのが好ましく、20kPa以下の真空度で行うのがより好ましい。
また、熱プレスは、F樹脂膜が軟化した状態、すなわち一定程度の流動性、密着性がある状態において、減圧雰囲気が上記真空度に到達した後に昇温するのが好ましい。
熱プレスにおける圧力は、0.2〜10MPaが好ましい。
以上のようなF樹脂膜付金属箔やその積層体は、フレキシブル銅張積層板やリジッド銅張積層板として、プリント配線板の製造に使用できる。
例えば、F樹脂膜付金属箔の金属箔をエッチング等によって所定のパターンの金属配線に加工する方法や、F樹脂膜付金属箔を電解めっき法(セミアディティブ法(SAP法)、モディファイドセミアディティブ法(MSAP法)等)によって金属配線に加工する方法を使用すれば、F樹脂膜付金属箔からプリント配線板を製造できる。
プリント配線板の製造においては、金属配線(導体回路)を形成した後に、金属配線上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上にさらに金属配線を形成してもよい。層間絶縁膜は、例えば、上記分散液によって形成できる。
プリント配線板の製造においては、金属配線上にソルダーレジストを積層してもよい。ソルダーレジストは、例えば、上記分散液によって形成できる。
プリント配線板の製造においては、金属配線上にカバーレイフィルムを積層してもよい。
以上、本発明のフッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法について説明したが、本発明は、前述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本発明のフッ素樹脂膜は、前述した実施形態に構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。なお、本発明のフッ素樹脂膜は、上記特徴を有すれば、本発明の分散液の製造方法と異なる方法で得られた分散液を用いて形成してもよい。
また、本発明の分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法は、上記実施形態に構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
1−1.TFE系ポリマーの粗大粒子
(粗大粒子A)
国際公開第2016/017801号に記載の手順で得られる、TFEに基づく単位、NAHに基づく単位およびPPVEに基づく単位を、この順に98.0モル%、0.1モル%および1.9モル%含むポリマー(融点:300℃、380℃の溶融粘度:3×10Pa・s)のパウダー(D50:2.6μm、D90:7.1μm)
(粗大粒子B)
TFEに基づく単位およびPPVEに基づく単位を、この順に98.0モル%および2.0モル%含むポリマー(融点:305℃、380℃の溶融粘度:3×10Pa・s)のパウダー(D50:3.5μm、D90:9.2μm)
(粗大粒子C)
FEPディスパージョン120−JRB(三井デュポンフロロケミカル社製)の溶媒を除去して得られる、TFEに基づく単位およびHFPに基づく単位を、この順に88.0モル%および12.0モル%含むポリマー(融点:270℃、380℃の溶融粘度:2×10Pa・s)のパウダー(D50:0.4μm、D90:1.2μm)
(粗大粒子D)
PTFEパウダー(喜多村社製、KTL−500F)であって、TFEに基づく単位を100.0モル%含むポリマー(融点:327℃、380℃の溶融粘度:1×10Pa・s)のパウダー(D50:0.7μm、D90:1.0μm)
(粗大粒子E)
PTFEパウダー(喜多村社製、KTL−1N)であって、TFEに基づく単位を100.0モル%含むポリマー(融点:327℃、380℃の溶融粘度:1×1011Pa・s)のパウダー(D50:2.8μm、D90:4.2μm)
なお、それぞれのポリマーとパウダーの諸物性は、それぞれ次のようにして測定した。
<溶融粘度>
溶融粘度は、以下の条件で複素粘性率(単位:Pa・s)を測定した。
装置 :動的粘弾性測定装置(アントンパール社製、MCR302)
測定法 :パラレルプレート Φ25mm
測定温度 :380℃
剪断周波数:0.05Hz
<融点>
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC−7020)を用い、含フッ素ポリマーを10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、最大値に対応する温度(℃)を融点とした。
<パウダーのD50およびD90>
パウダーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用いて測定した。
1−2.機能性化合物の粒子
酸化チタン粒子A:酸化チタン粒子(テイカ社製、MT−05。D50:0.01μm)。
酸化チタン粒子B:酸化チタン粒子(堺化学社製、SA−1。D50:0.15μm)。
酸化ケイ素粒子A:真球状シリカ微粒子(アドマテックス社製、アドマナノYA010C。D50:0.01μm)。
酸化ケイ素粒子B:溶融シリカ(デンカ社製、SFP−30M。D50:0.6μm。)。
ポリイミド粒子:ポリイミドパウダー(宇部興産社製、UIP−S)から、ポリイミド樹脂の硬化物(D50:7μm)を調製した。
1−3.フッ素系分散剤
ノニオン性のフルオロポリオールである、CH=CHCOO(CHOCF(CF)(C(CF(CF)(=C(CF)とCH=CHCOOCHCHCHCH(OCHCHOHを1:1のモル比にて、重合させて得られるコポリマー(重量平均分子量:約10000)。
1−4.溶媒
2−メチル−N−ピロリドン(以下、「NMP」と記す。)。
2.液状組成物の調製
(液状組成物A)
68.2質量部のNMPと、1.5質量部のフッ素系分散剤と、30質量部の粗大粒子Aと、0.3質量部の酸化チタン粒子Aとをポットに投入した後、ポット内にジルコニアボールを投入した。その後、150rpm×1時間の条件でポットをころがし、粗大粒子Aが分散した液状組成物Aを得た。
(液状組成物B〜M)
表1に示す組成とした以外は、液状組成物Aと同様にして、液状組成物B〜Eを調製した。なお、液状組成物A〜Mの粘度は、いずれも20〜1000mPa・sであった。
Figure 2020037662
3.紫外線吸収性の調整効果
3−1.分散液およびフッ素樹脂膜付銅箔の製造
(例1)
液状組成物Aを、以下の条件で湿式ジェットミル法に供し、粗大粒子を微粒子化して、微小粒子と機能性化合物の粒子とが分散した分散液を得た。
<湿式ジェットミルの条件>
装置 :JN100(常光社製)
ノズル(流路)径:100μm
加圧の圧力 :150MPa
パス回数 :10回
液ホルダー温度 :15℃
ノズル通過後温度:50℃
湿式ジェットミル法では、冷却ジャケットにチラーを通して液ホルダーを冷却し、液ホルダー内の液状組成物の温度(液ホルダー温度)を15℃とした。また、ノズル通過後も同様に、チラーを流したトレースを金属配管に巻くことで、ノズル通過後の液状組成物の温度(ノズル通過後温度)を50℃とした。
なお、これらの温度は、液ホルダーおよびノズル通過後の金属配管部に接触式熱電対を当てて測定した温度である。
次に、得られた分散液を銅箔にバーコーターで塗工して液状被膜を形成し、この液状被膜を120℃、350℃の順で加熱して、銅箔の表面にフッ素樹脂膜が形成されたフッ素樹脂膜付銅箔を得た。なお、得られたフッ素樹脂膜の厚さは10μmであった。
まず、フッ素樹脂膜付銅箔について、UVレーザー加工性を評価した。続いて、銅箔を塩化第2鉄水溶液でエッチングして、単体のフッ素樹脂膜を回収した。そして、フッ素樹脂膜について、凝集ブツ生成の程度、両表面に存在する特定原子の量の比率、およびめっき付着性を評価した。
(例2〜6、7(比較例))
表2に示す条件とした以外は、例1と同様にして、分散液およびフッ素樹脂膜付銅箔を得た。なお、例6における液ホルダー温度およびノズル通過後温度の上昇は、液ホルダーの冷却を省略した結果である。そして、フッ素樹脂膜付銅箔について、UVレーザー加工性を評価し、フッ素樹脂膜について、凝集ブツ生成の程度、両表面に存在する特定原子の量の比率、およびめっき付着性を評価した。
(例8(比較例))
酸化チタン粒子Aを含有しない液状組成物Fを例1と同様にして、湿式ジェットミル法に供した後、酸化チタン粒子Aを添加し、撹拌機で撹拌して、分散液を得た。
この分散液を用いて、例1と同様にして、フッ素樹脂膜付銅箔を得た。
そして、フッ素樹脂膜付銅箔について、UVレーザー加工性を評価し、フッ素樹脂膜について、凝集ブツ生成の程度、両表面に存在する特定原子の量の比率、およびめっき付着性を評価した。
3−2.測定および評価
測定および評価は、それぞれ次のようにして行った。
<特定素原子の量の比率(B/A)>
フッ素樹脂膜の各表面に対してEDS(エネルギー分散型X線分析)を行い、全元素について、その存在比率[atm%]を測定した。また、測定値からフッ素樹脂膜の他方の表面に存在する特定原子の量B[atm%]/フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する特定原子の量A[atm%]を算出した。
なお、酸化チタン粒子を用いた場合は、チタン原子を、酸化ケイ素粒子を用いた場合は、ケイ素原子を、ポリイミド樹脂の硬化物粒子を用いた場合は、窒素原子の量を測定した。
<微小粒子のD50およびD90>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用い、各分散液中に含まれる微小粒子の粒度分布を測定し、D50およびD90を算出した。
<凝集ブツ生成の程度>
フッ素樹脂膜の表面を、走査型電子顕微鏡で観察し、以下の基準に従って評価した。
○:Φ50μm以上の粒径のTFE系ポリマーの粒子が全く観察されない。
△:Φ50μm以上の粒径のTFE系ポリマーの粒子が少し観察される。
×:Φ50μm以上の粒径のTFE系ポリマーの粒子が多数観察される。
<UVレーザー加工性>
各フッ素樹脂膜付銅箔に、以下の条件でUVレーザーを銅箔側から照射し、孔開け加工した。
装置 :esi5330
孔径 :100μm
出力 :1.3W
周波数 :40kHz
繰り返しショット数:25回
その後、以下の基準に従って、UVレーザー加工性を評価した。
◎(最良):銅箔とフッ素樹脂膜との剥離がなく、照射面と反対面との孔径の差が5μm未満
○(良) :銅箔とフッ素樹脂膜との剥離がなく、照射面と反対面との孔径の差が5μm以上10μm未満
△(可) :銅箔とフッ素樹脂膜との剥離はないが、照射面と反対面との孔径の差が10μm以上
×(不可):銅箔とフッ素樹脂膜との剥離がある。
<めっき付着性>
UVレーザーにて孔開け加工した後、各フッ素樹脂膜付銅箔の孔の内壁に、以下の条件で銅めっきした。
メルプレート無電解銅めっき液(Meltex社)にて、1μmのめっきを付着後、硫酸銅メッキ槽に浸漬し、電解銅めっきを行った。なお、めっき厚みは、20μmとした。
その後、断面研磨により孔の内壁の断面を露出し、断面を顕微鏡にて観察して、以下の基準に従って評価した。
◎(最良):めっきが破断しておらず、孔全体で、めっき厚みが15μm以上である。
〇(良) :めっきが破断していないが、孔全体で、めっき厚みが15μm未満の部分が若干存在する。
△(可) :めっきが破断していないが、孔全体で、めっき厚みが15μm未満の部分が多数存在する。
×(不可):めっきが破断している。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2020037662
4.熱膨張係数の調整効果
4−1.分散液およびフッ素樹脂膜付銅箔の製造
(例9〜15)
表3に示す条件とした以外は、例1と同様にして、分散液およびフッ素樹脂膜付銅箔を得た。なお、例15における液ホルダー温度およびノズル通過後温度の上昇は、液ホルダーの冷却を省略した結果である。
そして、フッ素樹脂膜について、凝集ブツ生成の程度、両表面に存在する特定原子の量の比率、カール発生の程度、およびめっき付着性を評価した。
(例16(比較例)
酸化ケイ素粒子Aを含有しない液状組成物Gを例1と同様にして、湿式ジェットミル法に供した後、酸化ケイ素粒子Aを添加し、撹拌機で撹拌して、分散液を得た。
この分散液を用いて、例1と同様にして、フッ素樹脂膜付銅箔を得た。
そして、フッ素樹脂膜について、凝集ブツ生成の程度、両表面に存在する特定原子の量の比率、カール発生の程度、およびめっき付着性を評価した。
4−2.測定および評価
得られたフッ素樹脂膜付銅箔およびフッ素樹脂膜について、上記と同様にして、測定および評価を行った。また、カール発生の程度は、次のようにして評価した。
<カール発生の程度>
フッ素樹脂膜を10cm幅に切り出し、平坦な板の上に置いて、カール発生の程度を以下の基準に従って評価した。
◎(最良):板から浮いている部分がない。
○(良) :板から高さ1mm以内の浮きがある。
△(可) :板から高さ1mm超、5mm以内の浮きがある。
×(不可):板から5mm以上の浮きがある
得られた結果を表3に示す。
Figure 2020037662
なお、酸化チタン粒子に代えて、酸化セリウム粒子を使用しても同様の傾向を示す結果が得られる。また、酸化ケイ素粒子およびポリイミド樹脂の硬化物粒子に代えて、あるいはこれらの粒子の少なくとも1種とともに、チタン酸カリウム粒子、酸化マグネシウム粒子および酸化アルミニウム粒子のうちの少なくとも1種を使用しても同様の傾向を示す結果が得られる。
さらに、フッ素系分散剤として、フルオロポリオールに代えて、フルオロシリコーン又はフルオロポリエーテルを使用しても同様の傾向を示す結果が得られる。
本発明の製造方法により得られる分散液は、接着性、耐クラック性、UVレーザー加工性等に優れた、熱膨張係数が調整されたフルオロオレフィン系ポリマー層を容易に形成でき、プリント配線基板の製造に用いられる、樹脂付銅箔や金属積層板の製造に好適に使用できる。また、前記分散液は、フィルム、含浸物(プリプレグ等。)等に使用されるフッ素樹脂膜の製造に使用でき、離型性、電気特性、撥水撥油性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、滑り性、耐摩耗性等が要求される用途の成形品の製造にも使用できる。本発明のフッ素樹脂膜は、アンテナ部品、プリント基板、航空機用部品、自動車用部品、スポーツ用具、食品工業用品、塗料、化粧品等として有用であり、具体的には、電線被覆材(航空機用電線等。)、パワーモジュール絶縁層、電気絶縁性テープ、石油掘削用絶縁テープ、プリント基板用材料、電極バインダー(リチウム二次電池用、燃料電池用等。)、コピーロール、家具、自動車ダッシュボート、家電製品のカバー、摺動部材(荷重軸受、すべり軸、バルブ、ベアリング、歯車、カム、ベルトコンベア、食品搬送用ベルト等。)、工具(シャベル、やすり、きり、のこぎり等。)、ボイラー、ホッパー、パイプ、オーブン、焼き型、シュート、ダイス、便器、コンテナ被覆材として有用である。

Claims (16)

  1. 融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーと、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種の特定原子を含有する、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子とを含むフッ素樹脂膜であり、エネルギー分散型X線分析により定量される前記フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する前記特定原子の量をAとし、他方の表面に存在する前記特定原子の量をBとしたとき、B/Aが0.6〜1.7である、フッ素樹脂膜。
  2. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位からなるホモポリマー、またはテトラフルオロエチレンに基づく単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレンおよびフルオロアルキルエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーに基づく単位とを含むポリマーである、請求項1に記載のフッ素樹脂膜。
  3. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ニトリル基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項1または2に記載のフッ素樹脂膜。
  4. 前記機能性化合物が、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂膜。
  5. 前記機能性化合物が、チタン酸カリウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、および熱硬化性ポリイミド樹脂の硬化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂膜。
  6. 前記機能性化合物の粒子の平均粒径が、1〜10μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフッ素樹脂膜。
  7. 融点200℃以上かつ380℃における溶融粘度1×1010Pa・s以下のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粗大粒子と、チタン、ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、セリウムおよび窒素からなる群から選ばれる少なくとも1種の特定原子を含有する、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性を調整する機能性化合物の粒子と、溶媒とを含む液状組成物を流路に加圧流通させて、前記粗大粒子の平均粒径より小さい平均粒径の微小粒子に前記粗大粒子を粉砕し、前記微小粒子と前記機能性化合物の粒子とが前記溶媒に分散した分散液を得る、分散液の製造方法。
  8. 前記流路の口径が、200μm以下である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記液状組成物が、フルオロポリオール、フルオロシリコーンおよびフルオロポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 前記溶媒が、非水性溶媒である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記微小粒子の平均粒径が、1μm以下である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記流路に加圧流通させた後の前記液状組成物を、再度、前記流路に加圧流通させる、請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記流路に加圧流通させた後の前記液状組成物を強制的に冷却する、請求項12に記載の製造方法。
  14. 請求項7〜13のいずれか1項に記載の分散液の製造方法で得られた分散液を、基材の表面に付与して、液状被膜を形成し、前記液状被膜を加熱して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記機能性化合物の粒子とを含むフッ素樹脂膜を前記基材の表面に形成する、フッ素樹脂膜付基材の製造方法。
  15. 前記基材が、金属箔である、請求項14に記載の製造方法。
  16. エネルギー分散型X線分析により定量される前記フッ素樹脂膜の一方の表面に存在する前記特定原子の量をAとし、他方の面に存在する前記特定原子の量をBとしたとき、B/Aが0.6〜1.7である、請求項14または15に記載の製造方法。
JP2018166188A 2018-09-05 2018-09-05 フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法 Pending JP2020037662A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018166188A JP2020037662A (ja) 2018-09-05 2018-09-05 フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018166188A JP2020037662A (ja) 2018-09-05 2018-09-05 フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020037662A true JP2020037662A (ja) 2020-03-12

Family

ID=69737572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018166188A Pending JP2020037662A (ja) 2018-09-05 2018-09-05 フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020037662A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1028077A1 (fr) 2020-03-05 2021-09-14 Sumitomo Chemical Co Composition de résist et procédé de production de motif de résist
WO2021200630A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 Agc株式会社 多層フィルム、その製造方法、金属張積層体及びプリント配線基板の製造方法
WO2023054222A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 富士フイルム株式会社 組成物、硬化物、硬化物の製造方法、構造体、及び、デバイス
WO2023074765A1 (ja) * 2021-10-27 2023-05-04 ダイキン工業株式会社 組成物、回路基板、及び、組成物の製造方法
KR20240074818A (ko) 2021-10-13 2024-05-28 다이킨 고교 가부시키가이샤 조성물, 회로 기판, 및, 조성물의 제조 방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1028077A1 (fr) 2020-03-05 2021-09-14 Sumitomo Chemical Co Composition de résist et procédé de production de motif de résist
WO2021200630A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 Agc株式会社 多層フィルム、その製造方法、金属張積層体及びプリント配線基板の製造方法
CN115397672A (zh) * 2020-03-31 2022-11-25 Agc株式会社 多层膜、其制造方法、覆金属层叠体和印刷布线基板的制造方法
WO2023054222A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 富士フイルム株式会社 組成物、硬化物、硬化物の製造方法、構造体、及び、デバイス
KR20240074818A (ko) 2021-10-13 2024-05-28 다이킨 고교 가부시키가이샤 조성물, 회로 기판, 및, 조성물의 제조 방법
WO2023074765A1 (ja) * 2021-10-27 2023-05-04 ダイキン工業株式会社 組成物、回路基板、及び、組成物の製造方法
JP2023065334A (ja) * 2021-10-27 2023-05-12 ダイキン工業株式会社 組成物、回路基板、及び、組成物の製造方法
JP7307387B2 (ja) 2021-10-27 2023-07-12 ダイキン工業株式会社 組成物、回路基板、及び、組成物の製造方法
KR20240089096A (ko) 2021-10-27 2024-06-20 다이킨 고교 가부시키가이샤 조성물, 회로 기판, 및 조성물의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7115589B2 (ja) 液状組成物、並びに該液状組成物を使用した、フィルムおよび積層体の製造方法
JP2020037662A (ja) フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法
JP7247896B2 (ja) 分散液、金属積層板及びプリント基板の製造方法
JP6954293B2 (ja) 金属積層板およびその製造方法、ならびにプリント基板の製造方法
CN113227232B (zh) 粉末分散液、层叠体和印刷基板
TWI824049B (zh) 分散液
JP7363797B2 (ja) 分散液及び樹脂付金属箔の製造方法
CN112236302B (zh) 带树脂的金属箔的制造方法、带树脂的金属箔、层叠体及印刷基板
CN112203844B (zh) 带树脂的金属箔的制造方法及带树脂的金属箔
WO2019235439A1 (ja) 分散液、樹脂付金属箔の製造方法、及びプリント基板の製造方法
JP2020037661A (ja) フッ素樹脂膜、分散液の製造方法およびフッ素樹脂膜付基材の製造方法
JP2020070401A (ja) 分散液
JP7468520B2 (ja) 液状組成物
WO2020250919A1 (ja) 収容体の製造方法及び液状組成物
WO2020050178A1 (ja) 分散液の製造方法
JP2020083990A (ja) 複合体の製造方法及び複合体