JPWO2020050162A1 - 有機el材料および有機elデバイス - Google Patents

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Abstract

高価なレアメタルを含まず、式:X1−(Y1)p−Z−(Y2)q−X2[式中、X1とX2は、独立して特定構造を有するドナー部位を示し、Y1とY2は、独立して二価芳香族炭化水素基または二価芳香族複素環基であるリンカー基を示し、Zはアクセプター部位を示し、pとqは、独立して0または1を示す。]で表される構造を有し、外部量子効率が比較的高く、且つホストマトリックスの選択や負荷電圧の調整により発光スペクトルの調整が可能な有機EL材料、および当該有機EL材料を含む発光層を有する有機ELデバイス。

Description

本発明は、高価なレアメタルを含まず、外部量子効率が比較的高く、且つホストマトリックスの選択や負荷電圧の調整により発光スペクトルの調整が可能な有機EL材料、および当該有機EL材料を含む発光層を有する有機ELデバイスに関するものである。
有機ELは、陽極と陰極から有機半導体層に注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子が失活する際に放出される光により発光する。第1世代の有機ELでは、電子と正孔が再結合する際に一重項励起状態(S)と三重項励起状態(T)の励起子が1:3の割合で形成され、三重項の励起子は失活して熱を放出し、光は一重項の励起子のみから取り出されるため、励起子生成効率(η)は25%にとどまり、素子に流した電流量に対する実際に素子から外へ取り出される光子数の割合である外部量子効率(ηEQE)は最大でも約5%にとどまっていた。
それに対して第2世代の有機ELでは、一重項励起状態(S)から三重項励起状態(T)への項間交差(ISC)により、原理的には75〜100%の励起子生成効率(η)を得ることができる(非特許文献1)。しかしかかる有機ELでは、項間交差(ISC)のためにIrやPtなどの高価なレアメタルの使用が不可欠であり、製造コストが高いとの欠点がある。
また、複数の三重項励起子から一重項励起子が生成する三重項−三重項消滅現象(TTA:Triplet−Triplet Annihilation)を利用して、理論的には40〜62.5%のエネルギーを発光に利用できる有機ELも開発された(非特許文献2)。しかしこの有機ELには、発光のために高電圧が必要であり、また、TTAを効率的に起こすためは高濃度の増感剤が必要であるとの欠点を有する。
有機ELの大きなブレークスルーとして、熱活性化遅延蛍光(TADF)の発見がある(非特許文献3)。TADFは、S準位とT準位とのエネルギーギャップ(ΔEST)の小さな分子を用いることにより、熱エネルギーにより、三重項励起子のT準位から一重項励起子のS準位への逆系間交差(RISC)遷移を活発に起こし、S準位から遅延蛍光として発光させるものである。しかし、TADFによる蛍光の発光ピーク幅は非常に広いので(非特許文献4)、照明には利用できても、特定波長の光を利用するディスプレイ用途には不向きである。
特許文献1、2にも、アクセプター部位とドナー部位を有し、ドナー部位に有機ケイ素基や有機ゲルマニウム基を有していてもよい遅延蛍光発光性化合物が開示されているが、この化合物は、「遅延発光の量が即時発光の量に対して5%以上」と定義されているように、遅延蛍光と即時発光の両方を含むことから、やはり蛍光の発光ピーク幅は広いと考えられる。
本発明者らも、主に熱活性化遅延蛍光(TADF)を発する有機EL材料を開発している(非特許文献5、6)。この有機EL材料は、80Kという低温では局所励起三重項状態(LE)に由来する燐光を発することができるが、室温では燐光をほとんど発することはできない。
以上の状況下、室温でも三重項励起状態に由来する燐光を発することができ且つレアメタルフリーの有機EL材料が求められている。例えば非特許文献7、8には、結晶状態で蛍光を有効に発揮できるレアメタルフリーの室温燐光を発する材料が開示されている。しかしこれら燐光材料は、結晶状態では燐光を有効に発することができる一方で、溶液状態での発光は不十分であるため、マトリックスに配合して有機ELデバイスの発光層に利用することは難しいと考えられる。
非特許文献9に開示の三重項発光材料は、レアメタルフリーでありマトリックス中での利用も可能ではあるが、外部量子効率(ηEX)は10−4以下とほぼ測定限界に近く、有機EL材料として実用的なものであるとはいえない。
特開2016−115940号公報 国際公開第2016/056559号
Forrest S.R.,Nature,1998,395,151 Kondakov D.Y.,J.Appl.Phys.,2009,106,124510 Adachi C.,Nature,2012,492,234 Pereira D.S.,Sci.Rep.,2017,7,6234 Masato Okazaki,Chem.Sci.,2017,8,2677 Przemyslaw Data,Angew.Chem.Int.Ed.,2016,55,5739 Bolton O.,Nat.Chem.,2011,3,205 An Z.,Nat.Mater.,2015,14,685 Hoger S.,Angew.Chem.Int.Ed.,2013,52,13449
本発明は、高価なレアメタルを含まず、外部量子効率が比較的高く、且つホストマトリックスの選択や負荷電圧の調整により発光スペクトルの調整が可能な有機EL材料、および当該有機EL材料を含む発光層を有する有機ELデバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造を有するドナー部位を有する有機EL材料を用いれば上記課題を解決できることを見出して、以下に示す構成の本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]〜[4]で示される構成の有機EL材料、および下記の[5]、[6]で示される構成の有機ELデバイスを提供する。
[1] 下記式(I)で表される構造を有し、
−(Y−Z−(Y−X ・・・ (I)
[式中、
とXは、独立してドナー部位を示し、
とYは、独立して二価芳香族炭化水素基または二価芳香族複素環基であるリンカー基を示し、
Zは、アクセプター部位を示し、
pとqは、独立して0または1を示す。]
上記ドナー部位は、下記式(II)で表される構造により上記リンカー基または上記アクセプター部位に結合していることを特徴とする有機EL材料。
Figure 2020050162
[式中、
Aは、Si、P、Ge、As、Se、Sn、またはPbを示し、
Arは、芳香族炭化水素基を示し、
Rは、C1−12アルキル基、芳香族炭化水素基またはヘテロ原子基を示し、
nは、Aの価数−2の整数を示し、nが2以上の場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよいが、
Rが2価のヘテロ原子基の場合は、AとRは2重結合で結合していてもよい。]
[2] 上記ドナー部位が下記式(III)で表されることを特徴とする上記[1]に記載の有機EL材料。
Figure 2020050162
[式中、A、R、およびnは上記と同義を示す。]
[3] 上記AがSi、SeまたはGeであり、nが2である上記[1]または[2]に記載の有機EL材料。
[4] 上記アクセプター部位が、ピリジン環、ピラジン環またはトリアジン環を含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載の有機EL材料。
[5] 2つの電極および上記2つの電極の間に存在する発光層を含み、
上記発光層が、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の有機EL材料、およびホストマトリックスを含むことを特徴とする有機ELデバイス。
[6] 上記ホストマトリックスが、シクロオレフィンポリマー、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド、またはトリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミンである上記[5]に記載の有機ELデバイス。
本発明に係る有機EL材料は、高価なレアメタルを含まないので、製造コストを低くできる。また、外部量子効率が比較的高いため、エネルギー効率を高くすることができ、本発明の有機EL材料を含む発光層を有する有機ELデバイスは、省エネルギーに寄与し得る。
更に、本発明の有機EL材料は、ホストマトリックスの選択や負荷電圧の調整により発光スペクトルの調整が可能であり、主に熱活性化遅延蛍光(TADF)を発する、主に室温燐光(RTP)を発する、TADFとRTPを両方発する、等と調整することが可能である。TADFとRTPを両方発する場合には、発光ピークの幅は広くなり、照明用途に有用である。TADFまたはRTPの一方を主に発する場合には、発光ピークの幅は狭くなり、且つ発光ピーク波長の調整が可能であることから、ディスプレイ用有機ELデバイスの材料として有用である。この様に本発明の有機EL材料および有機ELデバイスは、有機EL製品の更なる発展に寄与し得るものとして、産業上極めて有用である。
本発明の有機EL材料とマトリックスとしてのシクロオレフィンポリマーを含むフィルムの分光学的解析結果を示すグラフである。 本発明の有機EL材料とマトリックスとしてのビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド(以下「DPEPO」と表す)を含むフィルムの分光学的解析結果を示すグラフである。 本発明の有機EL材料とマトリックスとしてのトリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミン(以下「TCTA」と表す)を含むフィルムの分光学的解析結果を示すグラフである。 本発明の有機EL材料を含む発光層を有する有機ELデバイスの電気化学挙動を示すグラフである。 本発明の有機EL材料を含むDPEPOフィルムとTCTAフィルムの光物理的解析を示す発光強度グラフとエネルギー図である。 本発明の他の有機EL材料とマトリックスとしてシクロオレフィンポリマーを含むフィルムの分光学的解析結果(スペクトル)を示すグラフである。
本発明に係る有機EL材料は、下記式(I)で表される構造を有する。
−(Y−Z−(Y−X ・・・ (I)
式(I)中、XとXは、独立してドナー部位を示す(すなわち、XとXは、同一であっても異なっていてもよい)。ドナー部位とは、アクセプター部位と比較して最高被占軌道準位が高いことからイオン化ポテンシャルが小さく、電子を放出して生じた正孔がキャリアとして伝導に寄与するものをいう。
上記ドナー部位は、上記式(II)で表される構造により上記リンカー基または上記アクセプター部位に結合している。以下、式(II)で表される構造を「構造(II)」と略記する場合がある。式(II)中、Aは、Si、P、Ge、As、Se、Sn、またはPbを示すが、中でもSi、Ge、SnもしくはPbの第14族元素、またはSeが好適であり、より好適にはSi、SeまたはGeであり、更に好適にはSiである。
式(II)中、Arは芳香族炭化水素基を示し、RはC1−12アルキル基、芳香族炭化水素基またはヘテロ原子基を示し、Rが1価の基の場合、その数であるnは、Aの価数−2の整数を示す。即ち、Aが、第14族元素であるSi、Ge、SnまたはPbの場合、nは2であり、第15族元素であるPまたはAsの場合、nは1または3であり、第16族元素であるSeの場合、nは0、2または4である。nが2以上の場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。また、Rが、OやS等の2価のヘテロ原子の基の場合、式(II)中のA−(R)nで表される基中のAとRは2重結合で結合していてもよい。
上記「C1−12アルキル基」とは、炭素数1以上、12以下の直鎖状または分枝鎖状の1価飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシルを挙げることができる。好ましくはC1−8アルキル基であり、より好ましくはC1−6アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
上記「芳香族炭化水素基」とは、1価芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニル、ナフチル、インデニル、ビフェニル、アントラセニル、フェナントレニルを挙げることができる。好ましくはC6−14芳香族炭化水素基であり、より好ましくはC6−12芳香族炭化水素基であり、更に好ましくはフェニルである。
上記「ヘテロ原子基」とは、ヘテロ原子からなる官能基を意味するが、ここでヘテロ原子としては、例えば、O、SやCl等のハロゲン原子等を挙げることができる。上記のように、ヘテロ原子がO、S等の2価の基の場合、式(II)中のAとヘテロ原子とは2重結合で結合してもよい。従って、P(−Rb)=O、P(−Rb)=S(式中、Rbは、式(II)中のRで表される1価の基を表す。)、Se=O、Se(=O)等の基も、式(II)中のA−(R)nで表される基に含まれる。
上記ドナー部位は、窒素を含む複素環や芳香族炭化水素基などの共役基が縮合していることが好ましく、例えば、2つのフェニル基が縮合しているドナー部位として、上記式(III)で表される構造を挙げることができる。
上記ドナー部位は、式(II)で表される基の他に、電子供与性基を有していてもよい。かかる電子供与性基としては、例えば、芳香族炭化水素基;−NH、−NHRおよび−NR のアミノ基;−OR;−PR ;および−SRからなる群より選択される1以上の基を挙げることができる。上記式中のRは、C1−12アルキル基または芳香族炭化水素基を示すが、Rは、構造(II)に含まれるRと同一であっても異なってもいてもよい。また、電子供与性基中に複数のRが存在する場合には、それらのRは同一であっても異なっていてもよい。
式(I)中、Zはアクセプター部位を示す。アクセプター部位は、ドナー部位と比較して最低空軌道準位が低いことから電子親和力が高く、生じた電子がキャリアとして伝導に寄与するものをいう。
アクセプター部位は、共役基と電子求引性基を有する。電子求引性基としては、例えば、イミノ基(>C=N−)、シアノ基(−C≡N)、カルボニル基(>C=O)、N−オキシド基(−N=Oまたは−N−O)、スルホキシド基(−S=O)、スルホニル基(−S(=O)−)、ホスフィノ基(>P(=O)−)、ニトロ基、スルホン酸基、およびハロゲノ基からなる群より選択される1以上の基を挙げることができる。
電子求引性基は、アクセプター部位を構成する共役基の一部または全部を構成していてもよい。例えばイミノ基は、ピリジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プテリジニル、フェナントリジニル、アクリジニル、およびフェナジニルなど、共役基である芳香族複素環基の一部であってもよい。
アクセプター部位を構成する共役基としては、例えば、芳香族炭化水素基を挙げることができる。当該共役基は、上記芳香族複素環基と縮合していてもよいし、共役していてもよい。または、上記共役基は上記電子求引性基を有していてもよい。
式(I)中、YとYは、独立して二価芳香族炭化水素基または二価芳香族複素環基であるリンカー基を示す。すなわち、YとYは、同一であっても異なっていてもよい。
二価芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン、ナフチレン、インデニレン、ビフェニレン、アントラセニレン、フェナントレニレンを挙げることができ、好ましくはC6−14の二価芳香族炭化水素基であり、より好ましくはC6−12の二価芳香族炭化水素基である。二価芳香族複素環基としては、例えば、上記芳香族複素環基に対応する二価の基を挙げることができる。上記リンカー基は、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が縮合した二価の基であってもよいし、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が共役した二価の基であってもよい。
上記リンカー基は、電子供与性基または電子求引性基を有していてもよい。置換基として電子供与性基を有するリンカー基は、ドナー部位に含まれるか、またはドナー部位に準じた作用を奏することがある。電子求引性基を有するリンカー基は、アクセプター部位に含まれるか、またはアクセプター部位に準じた作用を奏することがある。但し、上記リンカー基は存在せず、上記ドナー部位と上記アクセプター部位は直接結合されていてもよい。
有機EL材料としては、例えば、下記式(IV)で表される構造を有するものを挙げることができる。
Figure 2020050162
[式中、
A、Rおよびnは前述したものと同義を示し、
Arは、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基を示し(但し、当該芳香族炭化水素基は、イミノ基(>C=N−)を含む芳香族複素環基を含んでいてもよい)、
Arは、芳香族炭化水素基を示す。]
本発明に係る有機EL材料は、対称性が高い化合物であると、合成し易いという利点があり、好ましい。対称性が高い化合物としては、XとXの構造が同一の化合物、YとYが存在しない化合物、YとYが同一の化合物等を挙げることができる。対称には、点対称、線対称、面対称などがある。
本発明の有機EL材料はπ電子共役系を多く含むため、当業者であれば、公知のカップリング反応により、個々のドナー部位、リンカー基、およびアクセプター部位を合成することができ、ドナー部位とリンカー基、リンカー基とアクセプター部位、ドナー部位とアクセプター部位をクロスカップリングさせることが可能である。また、複素環については、目的の複素環を含む市販の化合物を用いてもよいし、また、公知方法により複素環を形成してもよい。
本発明に係る有機EL材料は、ホストマトリックスに配合して発光層とすることができる。本発明に係る有機EL材料を含む発光層は、後記の実施例の通り、ホストマトリックスの種類、特にホストマトリックスの極性の調整、また、負荷電圧の調整により、
熱活性化遅延蛍光(TADF)と室温燐光(RTP)の両方を含み、発光ピーク幅が比較的広く、照明用途に適する白色光を発する発光層、または
熱活性化遅延蛍光(TADF)または室温燐光(RTP)の一方を主に含み、発光ピーク幅が比較的狭く、ディスプレイ用途に適した光を発する発光層とすることも可能である。発光ピーク波長も、ホストマトリックスの種類や負荷電圧により調整可能である。
無極性のホストマトリックスとしては、例えば、シクロオレフィンポリマーを挙げることができ、また、極性のホストマトリックスとしては、例えば、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(以下「mCP」という)、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル(以下「CBP」という)、DPEPO、TCTAを挙げることができる。
本発明の有機EL材料を無極性のシクロオレフィンポリマーに配合した発光層は、熱活性化遅延蛍光(TADF)と室温燐光(RTP)の両方を含む光を発する傾向がある。また、極性のホストマトリックスを選択することにより、熱活性化遅延蛍光(TADF)と室温燐光(RTP)のいずれか一方を優勢にすることも可能である。
発光層における本発明に係る有機EL材料の配合割合は適宜調整されるが、例えば、0.1質量%以上、20質量%以下とすることができる。当該割合が0.1質量%以上であれば、発光層において本発明に係る有機EL材料の機能をより確実に発揮させることができる。
本発明に係る有機ELデバイスは、発光層に本発明に係る有機EL材料を含むことを特徴とするが、他は、一般的な有機ELデバイスと同様の構成とすることができる。例えば、透明な基板の上に、酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極をこの順に積層したものとすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1: 室温燐光有機EL材料の合成1
以下に示す反応式により示される反応により3,11−ビス(10,10−ジフェニルジベンゾ[b,e][1,4]アザシリン−5(10H)−イル)ジベンゾ[a,j]フェナジン(以下、「SiAz」という。)を合成した。
Figure 2020050162
具体的合成手順を以下に示す。
ジオキサンを凍結脱気により3回脱気した。
グローブボックス内で、10mL容二口反応管に、Pd[P(t−Bu)(2.6mg,5mol%)とヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS、40.1mg、0.24mmol)を加えて密閉した。グローブボックス外で、窒素気流下、ジブロモフェナジン(上記式S1で示される化合物、43.8mg、0.10mmol)、10,10−ジフェニル−5,10−ジヒドロジベンゾ[b,e][1,4]アザシリン(76.8mg、0.22mmol)、および上記脱気ジオキサン(1mL)を加え、24時間加熱還流した。
反応後、水(5mL)を加え、分液した後、ジクロロメタン(20mL)を使って水相から3回抽出した。有機相と抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。無水硫酸マグネシウムを濾別し、濾液を減圧濃縮した。
得られた残渣を、NHシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:n−ヘキサン/ジクロロメタン=9/1〜8/2)に付した後、n−ヘキサン/クロロホルムの二層溶媒を用いて再結晶することにより、目的化合物であるSiAzを得た(収量:71.5mg、収率:73%)。
融点: >400℃
Rf: 0.13 (n−ヘキサン/ジクロロメタン=8/2,NHシリカ)
H NMR(400MHz,CDCl):δ6.51(d,J=8.4Hz,4H),6.98(dd,J=6.8,7.2Hz,4H),7.17(ddd,J=2.0,7.6,8.8Hz,4H),7.40−7.48(m,12H),7.66(dd,J=2.0,6.8Hz,4H),7.69(dd,J=2.0,7.2Hz,8H),7.85(dd,J=1.6,8.8Hz,2H),7.97(d,J=1.6Hz,2H),8.13(d,J=9.6Hz,2H),8.20(d,J=9.6Hz,2H),9.92(d,J=8.8Hz,2H)
13C NMR(100MHz,CDCl):δ116.0,117.5,120.3,127.9,128.0,128.3,129.7,130.3,130.4,130.7,131.1,132.3,135.3,135.6,136.1,136.1,140.5,143.2,144.7,150.0
IR(ATR):ν3065,3001,1584,1566,1477,1458,1429,1352,1303,1246,1105,995,926,856,800cm−1
MS(FAB): m/z(relative intensity,%) 975(M,3),897([C6241Si、0.6)
HRMS(FAB): m/z calcd for C6846Si(M)974.3261、 found 974.3266
実施例2: 量子力学計算
Schrodinger Materials Science Suite(Version 2.5)を用い、上記実施例1で合成したSiAzの室温での安定立体配座を求めた。
その結果、SiAzは35の準安定立体配座を取り、この準安定立体配座は主に5グループに分類されることが分かった。
また、アクセプター部位(ジベンゾフェナジン部位)に対してドナー部位(アザシリン部位)が擬似アキシアルの位置にある立体配座(aq−aq立体配座)は、擬似エクアトリアルの位置にある立体配座(eq−eq立体配座)に比べて、励起一重項と励起三重項のエネルギー差(ΔEST)がより広く、励起三重項状態間(T−T)でのエネルギーギャップ(ΔETT)がより狭いことが分かった。よって、eq−eq立体配座においては、励起三重項状態(T)から励起一重項状態(S)への逆系間交差(RISC)遷移をより起こし易く、より熱活性化遅延蛍光(TADF)を生じさせ易いと考えられる。即ち、SiAzは、熱活性化遅延蛍光(TADF)を比較的生じさせ易い立体配座を取り得、また、逆系間交差よりも局所励起三重項状態(LE)と電荷移動励起三重項状態(CT)間の逆内部変換(RIC)を比較的生じさせ易い立体配座も取り得ることが示された。
実施例3: 励起状態ダイナミクス
固体状態での励起状態ダイナミクスを評価するために、上記実施例1で合成したSiAzを、以下に示すマトリックス(1)、(2)、(3)中に分散させて作製したフィルムを分光学的に解析した。具体的には、フィルムに波長400nmの励起光を照射してSiAzを励起させた後、発光強度の経時的変化(減衰)および発光のスペクトルを分光蛍光高度計により測定した。
(1)シクロオレフィンポリマーマトリックス
SiAzを、無極性樹脂であるシクロオレフィンポリマー(「Zeonex(R)」日本ゼオン社製)に、1質量%の割合で分散させて作製したフィルムを、80〜340Kの温度範囲と1ns〜79msの時間範囲で分光学的に解析した。結果を図1に示す。
図1(1)に示される通り、SiAzの発光強度はns領域とms領域で減衰し、μs領域では発光が認められなかった。300Kにおけるns領域での発光スペクトルはGaussian形であることから、電荷移動励起一重項状態(CT)に由来する発光であるといえる。
また、図1(2)に示される通り、SiAzのms領域での発光は、励起一重項状態と励起三重項状態に由来する発光が競合する複雑なものであることが分かる。低温領域での発光は、アクセプター部位とドナー部位の個々の燐光スペクトルから判断して、アクセプター部位に由来する局所励起三重項状態(LE)に由来するものであると考えられる。
240K以上におけるSiAzの発光には、CTに由来する熱活性化遅延蛍光(TADF)と三重項励起状態に由来する燐光が認められ、白色となることから、SiAzを配合したシクロオレフィンポリマーは照明のための有機EL材料になり得ることが示された。
(2)DPEPOマトリックス
極性マトリックスであるDPEPOを用い、DPEPO中にSiAzを10質量%の割合で分散させてフィルムを作製し、上記(1)の場合と同様に実験した。結果を図2に示す。
図2に示される結果の通り、マトリックスとして極性のDPEPOを用いた場合には、室温燐光(RTP)は認められなかった。その理由としては、ホスフィノオキシド部分によりDPEPOの極性が極めて高いため、図2(2)に示されるように深色化シフトが認められる通り、LEに対してCTが安定化されたことや、局所励起三重項状態(LE)と電荷移動励起一重項状態(CT)との間のエネルギーギャップが小さく、三重項励起子の三重項励起状態準位から一重項励起状態準位への逆系間交差(RISC)遷移が起こり易かったことが考えられる。
(3)TCTAマトリックス
シクロオレフィンポリマーの代わりに、DPEPOに比べて極性が比較的低いTCTAを用い、TCTAにSiAzを10質量%の割合で分散させてフィルムを作製し、上記(1)の場合と同様に実験した。結果を図3に示す。
図3(1)に示される結果の通り、SiAzの発光の減衰は、ns領域とμs領域とms領域の3領域で認められた。また、CT由来の発光とはスペクトルが微妙に異なっていることと、CTが経時的に低エネルギー側へシフトすることは考え難いこと、また、TCTAは極性のホストマトリックスではあるが、その極性はDPEPOほど高くはなく、CTが不安定化されることから、シクロオレフィンポリマーホストマトリックスと同様にΔESTが十分大きく三重項励起状態準位から一重項励起状態準位への逆系間交差(RISC)遷移が進行しにくくなることから、観察された高強度の発光は、励起三重項からの発光、即ちCTとLEからの室温燐光であると考えられる。
図3(2)の通り、発光スペクトルピークの幅は比較的広いため、有機EL材料としては照明用の白色発光に使える可能性がある。しかし、高電圧負荷によりRISCを可能にし、室温燐光から熱活性化遅延蛍光(TADF)に変化させて発光スペクトルピーク幅を狭くして、ディスプレイ用に適するものとすることができる。
以上の実験結果により、SiAzは、ホストマトリックスの極性によりΔESTとΔETTを調整することができ、ひいては発光スペクトルを調整することが可能な有機EL材料であることが示された。
実施例4: 電気化学挙動
SiAzが有機ELデバイスの材料として有用であるか否か確認するために、SiAzの電気化学挙動を、サイクリックボルタンメトリーにて測定した。その結果、可逆なレドックス波が観測され、電気化学的に安定であることが示された。また、酸化還元電位から見積もったイオン化ポテンシャルは−5.74eV、電子親和力は−3.47eVであった。
実施例5: 有機ELデバイスの作製
上記実施例4で得られた値を参考に、有機ELデバイスを作製した。
具体的には、mCP、CBP、DPEPOまたはTCTAに、SiAzを10質量%の割合で分散配合した厚さ30nmのフィルムを作製した。
ITO電極とLiF/Al電極(LiF層厚さ:1nm,Al層厚さ:100nm)の間に、厚さ40nmのN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPB)層、厚さ10nmの4,4’−(ジフェニルメチレン)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)(TCBPA)層、上記の作製されたフィルム、および厚さ50nmの1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)層をこの順で積層して有機ELデバイスを作製した。上記の作製されたそれぞれの有機ELデバイスについて、印加電位(Potential)と電流密度(Current density)の関係、電流密度と外部量子収率(EQE)との関係、電流密度と輝度(Brightness)との関係、および発光のスペクトルを測定した。結果を図4に示す。
図4に示す通り、SiAzをmCPに配合した場合の外部量子収率(EQE)が1.5%と最も低かったが、従来、唯一知られているメタルフリー有機EL材料(Angew.Chem.Int.Ed.(2013))のEQEである10−4以下に比べれば格段に高いといえる。また、SiAzをCBPに配合した場合のEQEが最も高く、5.48%であったが、輝度が14510cd/mと比較的低かった。EQEと輝度の点からは、SiAzにとりDPEPOとTCTAがより好適なホストマトリックス材料であるといえる。
TCTAをホストマトリックス材料とするフィルムを用いた場合には、7V未満と9V超で2つの発光が認められた。この2つの電位依存性発光は、可逆性のものであったことから、デバイスの分解によるものではない。7V未満の場合のEQEは4.06%であったが、輝度は2000cd/mであり、9V超の場合のEQOは2%で輝度は20000cd/mであった。この様に、1つの有機ELデバイスで異なる発光プロセスが存在することが明らかとなった。
実施例6: 追加の光物理的解析
上記実施例3の(2)、(3)と同様の手順により、マトリックスとしてのDPEPO、TCTAのそれぞれにSiAzを10質量%の割合で分散配合したフィルム(SiAzをドーパントに用いたDPEPOフィルムおよびSiAzをドーパントに用いたTCTAフィルム)を作製し、それぞれのフィルムについて、上記実施例3と同様にして分光学的に解析を行った。また、それぞれのフィルムを用いて実施例5と同様にして有機ELデバイスを作製して発光のスペクトルを測定した。それらの結果を図5(1)、(3)、(4)に示す。
DPEPOフィルムの場合、室温(300K)では、図5(1)に示されるように、ns領域で即時蛍光のスペクトルが、ms領域で遅延蛍光のスペクトルが認められる。一方、80Kでは、図5(1)に示されるようにms領域で燐光のスペクトルが認められるが、即時蛍光も認められている。図5(2)は、DPEPOフィルムの熱活性化遅延蛍光(TADF)プロセスを示す。
一方、図5(3)に示されるように、TCTAフィルムは、熱活性化遅延蛍光(TADF)と室温燐光(RTP)との混合発光ではなく、第一励起三重項状態(T)と第二励起三重項状態(T)に由来する純粋な室温燐光のみを50msまでという長期間発する。第二励起三重項状態(T)である電荷移動励起三重項状態(CT)と第一励起三重項状態(T)である局所励起三重項状態(LE)が近く、基底状態(S)とTとの遷移のための振動子強度は、基底状態(S)とTとの遷移のための振動子強度よりも大きいことが理由と考えられる。TとTからの室温燐光(RTP)は低電圧のデバイスに適し、高電圧でのエレクトロルミネッセンスはTCTA内のCT発光(TADF:熱活性化遅延蛍光)に適合する(図5(4))。
室温燐光(RTP)が低電圧で観察され、高電圧では熱活性化遅延蛍光(TADF)が優勢である理由は、逆系間交差(RISC)遷移の性質による。多くの熱活性化遅延蛍光(TADF)活性分子におけるLEとCTは0.31eVのギャップでも共鳴状態にあるが、TCTA中でのSiAzのΔESTLE−CTギャップ)は0.39eVと大きい。よって、低電位ではCT−CT遷移は禁制であり、室温燐光(RTP)が発せられると考えられる(図5(5))。
高電圧においてTCTAをホストマトリックスとして用いたデバイスでは、電子と正孔が増加すると、エネルギーも増加し、ΔESTLE−CTギャップ)を超え、熱活性化遅延蛍光(TADF)が発せられる(図5(6))。
上記の実施例で作製した全てのデバイスを比較すると、ΔESTが約0.3eVと比較的小さな発光層を有するデバイス(ホストマトリックスがCBP、DPEPOおよびTCTAのもの)は、外部量子収率が約5%と高い一方で、ΔESTが約0.4eVと比較的大きな発光層を有するデバイス(ホストマトリックスがmCPのもの)は、外部量子収率が約2%と低かった。
実施例7 室温燐光有機EL材料の合成2
以下に示す反応式により示される反応を、上記実施例1と同様にして行って、下記式(V)で表される化合物S2を合成した。化合物S2は、上記式(I)で示され、式(I)中のドナー部位のX、Xは、上記式(III)で示され、式(III)中のAがSeの化合物である(nは0である)。
Figure 2020050162
化合物S2を、SiAzの代わりに用いた以外は実施例3と同様にして、シクロオレフィンポリマー(Zeonex(R))中に化合物S2を1質量%の割合で分散させたフィルムを作製した。このフィルムについて実施例3と同様にして、分光学的に解析したところ、燐光が認められ、化合物S2も有機EL材料として使用できることが示された。測定された燐光のスペクトルを図6に示す(発光寿命:86.9ms)。

Claims (6)

  1. 下記式(I)で表される構造を有し、
    −(Y−Z−(Y−X ・・・ (I)
    [式中、
    とXは、独立してドナー部位を示し、
    とYは、独立して二価芳香族炭化水素基または二価芳香族複素環基であるリンカー基を示し、
    Zは、アクセプター部位を示し、
    pとqは、独立して0または1を示す。]
    上記ドナー部位は、下記式(II)で表される構造により上記リンカー基または上記アクセプター部位に結合していることを特徴とする有機EL材料。
    Figure 2020050162

    [式中、
    Aは、Si、P、Ge、As、Se、Sn、またはPbを示し、
    Arは、芳香族炭化水素基を示し、
    Rは、C1−12アルキル基、芳香族炭化水素基またはヘテロ原子基を示し、
    nは、Aの価数−2の整数を示し、nが2以上の場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよいが、
    Rが2価のヘテロ原子基の場合は、AとRは2重結合で結合していてもよい。]
  2. 上記ドナー部位が下記式(III)で表されるものである請求項1に記載の有機EL材料。
    Figure 2020050162

    [式中、A、R、およびnは上記と同義を示す。]
  3. 上記Aが、Si、SeまたはGeであり、nが2である請求項1または請求項2に記載の有機EL材料。
  4. 上記アクセプター部位が、ピリジン環、ピラジン環、またはトリアジン環を含む請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の有機EL材料。
  5. 2つの電極および上記2つの電極の間に存在する発光層を含み、
    上記発光層が請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の有機EL材料、およびホストマトリックスを含むことを特徴とする有機ELデバイス。
  6. 上記ホストマトリックスが、シクロオレフィンポリマー、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド、またはトリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミンである請求項5に記載の有機ELデバイス。
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