JPWO2019240218A1 - 免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物 - Google Patents

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Abstract

免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物を提供することを課題とする。乳酸菌の菌体外多糖を含む、免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物を提供する。乳酸菌の好ましい例は、Lactobacillus属細菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073 R-1である。

Description

本発明は、免疫チェックポイント阻害療法を促進するための、乳酸菌の培養物を含有する組成物に関する。
多くの腫瘍では免疫系からの攻撃を回避するために、免疫チェックポイント分子による免疫抑制機能を利用していることが分かっている。免疫チェックポイント阻害療法は、免疫チェックポイント分子による免疫抑制シグナルの伝達を阻害することでT細胞を含む免疫細胞の活性化抑制を解除し、患者の免疫活性を高めて抗腫瘍効果をあげる療法である。これまでに、免疫チェックポイント阻害薬として、PD-1(Programmed Death-1)阻害抗体薬やCTLA-4(CytotoxicT-lymphocyte-associatedantigen4)阻害抗体薬などが、特定の腫瘍に対して認可を受けている。
免疫チェックポイント阻害剤は他の有効成分と組み合わせて用いることも検討されている。例えば、特許文献1は、癌の処置のための1つ以上の抗癌抗体と特定の免疫アジュバンド化合物の組み合わせを開示するが、この組み合わせ組成物が、さらに免疫抑制機能を遮断する抗体と組み合わせて投与できることを記載している。また特許文献2は、免疫チェックポイント阻害剤と、組合せて、逐次的に、または別々に投与することにより、腫瘍の治療に使用される化合物として、直鎖状配列で9個のアミノ酸からなるペプチドを開示する。さらに特許文献3は、骨髄由来抑制細胞(MDSC)の非抑制細胞への分化によって改善または予防できる任意の病態の治療に使用するための、シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPa)とそのリガンドのうちの少なくとも1つとの間の相互作用を遮断する化合物(例えば、抗SIRPa抗体)が第二治療薬に併用されることを開示する。そして第2治療薬としては、化学療法剤、放射線療法、手術、免疫療法剤、抗生物質およびプロバイオティックスから成る群から選択できることが記載されている。
一方、乳酸菌は、その醗酵過程で種々の物質を産生するが、その一つが菌体外多糖(Exopolysaccharides; EPS)である。乳酸菌のEPSにはいくつかの生理活性、例えば、自己免疫疾患予防作用(特許文献4)、NK細胞活性化作用(特許文献5)、肺炎球菌感染予防作用(特許文献6)、疲労感の改善作用(特許文献7)、抗インフルエンザ薬による獲得免疫機能低下抑制作用(特許文献8)が知られている。
特開2012-211196号公報 特開2016-128399号公報 特表2017-538669号公報 特開2000-247895号公報 特開2005-194259号公報 国際公開WO2011/065300 国際公開WO2015/133638 国際公開WO2017/183595
免疫チェックポイント阻害療法は、患者本来の免疫を賦活させることで腫瘍を退縮させるため、従来の外科的切除や放射線治療と比較して患者の負担は少ない。この療法の効果を促進することができる組成物があれば、一層望ましい。
本発明者らは、大腸癌モデルマウスにLactobacillus属細菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073 R-1)による発酵により調製したヨーグルト、またはその乳酸菌から得た菌体外多糖を経口投与したところ、CTLA-4阻害療法、およびPD-1阻害療法の効果が増強し、腫瘍の増殖の抑制が認められた。また、対象には、より多くのCCR6陽性CD8+T細胞が認められた。このような知見に基づき、本発明を完成した。
本発明は、以下を提供する。
[1] 乳酸菌の菌体外多糖を含む、免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物。
[2] 免疫チェックポイント阻害療法が、CTLA-4(Cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen 4)阻害療法、またはPD-1(Programmed Death-1)阻害療法である、1に記載の組成物。
[3] 乳酸菌が、ラクトバチルス属に分類されるものである、1または2に記載の組成物。
[4] 乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスに分類されるものである、1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
[5] 発酵乳である、1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
[6] 乳酸菌の菌体外多糖を含む、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物。
[7] 免疫チェックポイント阻害療法を促進するための非医療的方法であって、有効量の乳酸菌の菌体外多糖を含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、方法。
[8] 対象におけるCCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための非医療的方法であって、有効量の乳酸菌の菌体外多糖を含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、方法。
[9] 乳酸菌の菌体外多糖を用いる、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させる方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
また、本発明は、以下も提供する。
[10]乳酸菌の菌体外多糖、またはこれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象における免疫チェックポイント阻害療法を促進する方法。
[11]免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物の製造における、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[12]免疫チェックポイント阻害療法を促進する方法において使用するための、乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物。
[13]乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象における免疫チェックポイント阻害療法を促進する非治療的方法。
[14]免疫チェックポイント阻害療法を促進するための、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[15]乳酸菌の菌体外多糖、またはこれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象においてCCR6陽性CD8+T細胞を増加させる方法。
[16]CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物の製造における、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[17]CCR6陽性CD8+T細胞の増加方法において使用するための、乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物。
[18]乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象におけるCCR6陽性CD8+T細胞を増加させる非治療的方法。
[19]CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[20]乳酸菌の菌体外多糖と医薬として許容可能な添加物を配合する工程を含む、免疫チェックポイント阻害療法の促進用、またはCCR6陽性CD8+T細胞の増加用の組成物の製造方法。
本発明によれば、免疫チェックポイント阻害療法を効果的に促進できる。また本発明によれば、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させることができる。
CTLA-4阻害療法群の腫瘍体積(全個体のデータ)。黒実線:ヨーグルト投与マウス、灰点線:controlマウス。腫瘍体積最終測定時においてstudent-t検定を実施してp値を示した。 CTLA-4阻害療法群の腫瘍体積(ヨーグルト投与群、control群とも、腫瘍体積が下位半数のデータ)。黒実線:ヨーグルト投与マウス、灰点線:controlマウス。腫瘍体積最終測定時においてstudent-t検定を実施してp値を示した。 CD8+T細胞のCCR6陽性率。結果を平均±SEで示した。 PD-1阻害療法群の腫瘍体積。黒実線:ヨーグルト投与マウス、灰点線:controlマウス。 マウスの腫瘍体積(全個体のデータ)。黒実線:EPS投与マウス、灰点線:controlマウス。腫瘍体積最終測定時においてstudent-t検定を実施してp値を示した。 マウスの腫瘍体積(EPS投与群、control群とも、腫瘍体積が下位半数のデータ)。黒実線:EPS投与マウス、灰点線:controlマウス。腫瘍体積最終測定時においてstudent-t検定を実施してp値を示した。 TG40細胞のCCR6陽性率(%)。EPSを添加した系では、EPSを添加していないコントロールと比較してCCR6陽性率が有意に(P<0.001)増加した(Student-t検定)。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、乳酸菌の産生する菌体外多糖(EPS)を有効成分とする免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物に関する。
[有効成分]
本発明の組成物は、有効成分として乳酸菌のEPSを含む。
乳酸菌とは、ブドウ糖を資化して対糖収率で50%以上の乳酸を生産する微生物の総称で、生理学的性質としてグラム陽性菌の球菌または桿菌で、運動性なし、胞子形成能なし、カタラーゼ陰性などの特徴を有しているものである。乳酸菌は古来、発酵乳等を介して世界各地で食されており、極めて安全性の高い微生物といえる。乳酸菌は、複数の属に分類される。本発明の組成物に含まれる乳酸菌のEPSは、好ましくはラクトバチルス(Lactobacillus)属に分類されるラクトバチルス属乳酸菌により産生されたものである。
ラクトバチルス属乳酸菌としては、例えば、ブルガリクス種、カゼイ種、アシドフィルス種、プランタラム種などが挙げられる。これらのラクトバチルス属乳酸菌の中でも、本発明では、ブルガリクス種に分類される乳酸菌(ブルガリクス菌とも称する)であることが好ましい。さらに、ラクトバチルス属乳酸菌の中でも、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)に分類されるものであることがより好ましい。特に好ましい態様においては、乳酸菌は、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1073 R−1菌(受託番号:FERM BP−10741)(「ブルガリクス菌R−1株」と称することがある。)である。
ブルガリクス菌R−1株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(IPOD,NITE)(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室)にブタペスト条約に基づき、国際寄託されている(寄託者:株式会社 明治、寄託日:2006年11月29日、受託番号:FERM BP−10741)。
本発明の組成物において有効成分として用いられるEPSは、乳酸菌(好ましくはラクトバチルス属に分類されるラクトバチルス属乳酸菌)により産生され、目的の効果を有する限り、特に限定されない。乳酸菌が産生するEPSは、構造的に、ホモ多糖であるものとヘテロ多糖であるもの(例えば、ガラクトースとグルコースから構成されるもの)に分類され、リン酸化や硫酸化などの修飾を受けている場合もあるが、いずれも本発明の組成物の有効成分として用いることができる。好ましい例の一つは、リン酸基を多く含む酸性EPSである。このようなEPSの例は、ブルガリクス菌R−1株が産生するEPSである(前掲特許文献6参照)。
本発明の組成物において含まれる乳酸菌のEPSは、乳酸菌発酵物として含まれていてもよい。乳酸菌発酵物には、乳酸菌による発酵物自体のほか、その処理物が含まれる。乳酸菌発酵物自体には、例えば発酵乳(具体的には、ヨーグルト等)が含まれる。処理物には、例えば、粗精製物、発酵物をろ過、遠心分離、または膜分離で除菌して得られた培養濾液や培養上清液、培養濾液・培養上清液を濃縮した濃縮物、濃縮物の乾燥物が含まれる。
乳酸菌のEPSの調製方法は、前掲特許文献6等を参照することができる。また、乳酸菌のEPSを乳酸菌発酵物として調製する場合は、EPSを産生する乳酸菌をスターターとして原料乳に添加し、発酵させ、EPSを発酵物中に産生させることで、EPSを含む発酵乳が製造できる。発酵の際の条件、例えば、原料乳、発酵温度、発酵時間は、用いる乳酸菌がEPSを産生することができれば特に制限されず、当業者であれば、適宜設定することができる。
[用途]
本発明の組成物は、免疫チェックポイント阻害療法を促進するために用いることができる。免疫チェックポイント阻害療法を促進するとは、免疫チェックポイント阻害療法と組み合わせて行われた場合に、免疫チェックポイント阻害療法による効果が早く得られるようにすること、免疫チェックポイント阻害療法による効果が高まるようにすること、免疫チェックポイント阻害療法の奏効率を高めること、より低用量の免疫チェックポイント阻害剤の投与で効果が得られるようにすること等をいう。免疫チェックポイント阻害療法による効果には、例えば、がん細胞を殺傷してがんを縮小させる(腫瘍体積を縮小する)、がんの成長を遅らせる(腫瘍体積の増加を抑制する)、がんを治癒させる、がんが転移・再発するのを防ぐ、転移しているかもしれないがん細胞を殺傷することが含まれる。
免疫チェックポイント分子は、免疫恒常性を保つために自己に対する免疫応答を抑制するとともに、過剰な免疫反応を抑制する分子群である。本来、T細胞を含む免疫細胞の過剰な活性化を抑制するとともに、自己を攻撃しないために存在しているが、発がん過程では、がん細胞が免疫系からの攻撃を回避し増殖するために利用される。現在、さまざまな免疫チェックポイント分子とそのリガンドが同定されている。
免疫チェックポイント分子の例としては、PD-1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、LAG-3/TCRを挙げることができるが、本発明の組成物は、いずれの免疫チェックポイント分子の阻害に関する療法においても、用いることができる。特に好ましい療法の例として、CTLA-4阻害剤を用いる療法と、およびPD-1阻害剤を用いる療法を挙げることができる。CTLA-4阻害剤の例は、イピリムマブ(ヤーボイ)、アベルマブ、アテゾリズマブであり、PD-1阻害剤の例は、ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、ペムブロリズマブである。本発明の組成物は、これらのいずれかが用いられるどの免疫チェックポイント阻害療法に関しても、用いることができる。
なお、免疫チェックポイント阻害療法は、奏効率の低さも大きな課題となっている。その主たる原因は、患者の免疫系が機能して実際にがん細胞が傷害されるまでにいくつものチェックポイント(ブレーキ)が存在することである。すなわち、1種類の免疫チェックポイント阻害薬でブレーキを1つ外すことができても、他のブレーキが存在するため十分な治療効果が認められないことが多い。本発明の組成物は、ある種の細胞傷害性T細胞(CCR6陽性CD8+T細胞)を増加させる作用をもつ。したがって、様々な免疫細胞が持つチェックポイントのうち、CTLA-4やPD-1などの細胞傷害性T細胞が持つブレーキを1つ外すだけで、その効果が大幅に増加し、治療効果が明確に認められたものと考えられる。このことから本発明の組成物は、免疫チェックポイント阻害療法の奏効率の低さを補うものとしても期待できる。
免疫チェックポイント阻害療法がおこなわれるがんの例は、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、尿路上皮がん、メルケル細胞がん等であるが、本発明の組成物は、これらのいずれに対する免疫チェックポイント阻害療法に関しても、用いることができる。
本発明者らの検討によると、本発明の組成物を投与することにより、対象の腫瘍中にはCCR6陽性CD8+T細胞の増加が見られ、腫瘍の増殖が抑制された。また、T細胞由来の培養細胞株TG40に、EPSを添加して培養したところ、EPSを添加していないコントロールと比較してCCR6陽性率が増加した。このことから、EPSが直接的にT細胞のCCR6陽性率を増やす可能性が示唆された。すなわち、本発明の組成物は、対象において異物となる細胞(がん細胞、ウイルス感染細胞等)を認識して殺傷するCCR6陽性CD8+T細胞の働きを助ける作用(例えば、当該T細胞の増加、異物への誘導促進等)を有することが分かった。したがって、本発明の組成物は、対象の体内において、CCR6陽性CD8+T細胞を増加するために用いることができ、また特に、対象の体内の腫瘍におけるCCR6陽性CD8+T細胞を増加するために用いることができる。なおCCR6陽性率というときは、特に記載した場合を除き、T細胞に占めるCCR6陽性細胞の割合をいう。CCR6陽性率は、(CD3+、CD8+、かつCCR6陽性の細胞数)/(CD3+、かつCD8+の細胞数)で求めることができ、またTG40を用いる実験系では(CCR6陽性細胞数)/(全TG40細胞)で求めることができる。
本発明の組成物は、免疫チェックポイント阻害療法が、がんの処置のための他の療法と一緒に行われる場合であっても、用いることができる。そのような他の療法には、手術(外科治療)、免疫チェックポイント阻害剤以外の薬物(例えば、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗がん性抗生物質、微小管阻害薬等)による療法、放射線治療、大量の化学療法や全身への放射線治療などからなる移植前処置の後の造血幹細胞移植、免疫チェックポイント阻害療法以外の免疫療法(例えば、サイトカイン療法、免疫賦活剤の投与、免疫細胞移植、等)、健康食品やサプリメントをはじめとした、がんの代替療法等がある。
[組成物]
(食品組成物等)
本発明の組成物は、食品組成物または医薬組成物とすることができる。食品および医薬品は、特に記載した場合を除き、ヒトのためのもののみならず、ヒト以外の動物のためのものを含む。食品は、特に記載した場合を除き、一般食品、機能性食品、栄養組成物を含み、また治療食(治療の目的を果たすもの。医師が食事箋を出し、それに従い栄養士等が作成した献立に基づいて調理されたもの。)、食事療法食、成分調整食、介護食、治療支援用食品を含む。食品は、特に記載した場合を除き、固形物のみならず、液状のもの、例えば飲料、ドリンク剤、流動食、およびスープを含む。機能性食品とは、生体に所定の機能性を付与できる食品をいい、例えば、特定保健用食品(条件付きトクホ[特定保健用食品]を含む)、機能性表示食品、栄養機能食品を含む保健機能食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント(例えば、錠剤、被覆錠、糖衣錠、カプセル、液剤等の各種の剤形のもの)、美容食品(例えば、ダイエット食品)等の、健康食品の全般を包含している。また、本発明において「機能性食品」とは、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康食品を包含している。
(対象)
本発明の組成物は、免疫チェックポイント阻害療法を行っている対象、免疫チェックポイント阻害療法を行う予定の対象に、摂取させる・投与するのに適している。
(投与経路)
本発明の組成物は、それを非経口的に、例えば経管的(胃瘻、腸瘻)に投与してもよいし、経鼻的に投与してもよいし、経口的に投与してもよいが、経口的に投与することが好ましい。
(有効成分の含有量・用量)
本発明の組成物における、乳酸菌のEPSの含有量は、目的の効果が発揮される量であればよい。組成物は、その被験体の年齢、体重、症状等の種々の要因を考慮して、その投与量または摂取量を適宜設定することができるが、一日量あたりの乳酸菌のEPSの量は、例えば0.1 mg以上とすることができ、0.6 mg以上とすることが好ましく、3 mg以上とすることがより好ましい。一日量あたりのEPSの量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、480 mg以下とすることができ、360 mg以下とすること好ましく、180 mg以下とすることがより好ましく、90 mg以下とすることが特に好ましい。
1投与または1食あたり、すなわち一回量あたりの乳酸菌のEPSの量は、例えば0.03 mg以上とすることができ、0.2 mg以上とすることが好ましく、1 mg以上とすることがより好ましい。一回量あたりのEPSの量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、160mg以下とすることができ、120 mg以下とすることが好ましく、60 mg以下とすることがより好ましく、30 mg以下とすることが特に好ましい。
本発明の組成物における、乳酸菌のEPSを発酵乳として用いる場合、発酵乳としての一日量は、例えば10 g以上とすることができ、30 g以上とすることが好ましく、60 g以上とすることがより好ましい。発酵乳としての一日量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、例えば1500 g以下とすることができ、1200 g以下とすることが好ましく、600 g以下とすることがより好ましい。
1投与または1食あたり、すなわち発酵乳としての一回量は、例えば3 g以上とすることができ、10 g以上とすることが好ましく、20 g以上とすることがより好ましい。発酵乳としての一回量の上限値は、下限値がいずれの場合であっても、例えば800 g以下とすることができ、400 g以下とすることが好ましく、200 g以下とすることがより好ましい。
組成物は、一日1回の投与・摂取としてもよいし、一日複数回、例えば食事毎の3回の投与としてもよい。組成物は、食経験豊富な乳酸菌のEPSを有効成分としている。そのため、本発明の組成物は、繰り返し、または長期間にわたって摂取してもよく、例えば1週間以上、好ましくは4週間以上、続けて投与・摂取することができる。
(他の成分、添加剤)
本発明の組成物は、食品または医薬品として許容可能な他の有効成分や栄養成分を含んでいてもよい。そのような成分の例は、アミノ酸類(例えば、リジン、アルギニン、グリシン、アラニン、グルタミン酸、ロイシン、イソロイシン、バリン)、糖質(グルコース、ショ糖、果糖、麦芽糖、トレハロース、エリスリトール、マルチトール、パラチノース、キシリトール、デキストリン)、電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビオチン、葉酸、パントテン酸およびニコチン酸類)、ミネラル(例えば、銅、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン)、抗生物質、食物繊維、タンパク質、脂質等である。
また組成物は、食品または医薬として許容される添加物をさらに含んでいてもよい。そのような添加物の例は、不活性担体(固体や液体担体)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤、乳化剤、安定剤、甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、天然物である。より具体的には、水、他の水性溶媒、製薬上で許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、水溶性デキストリン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、クエン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、リン酸、酢酸、果汁、野菜汁等である。
(剤型・形態)
本発明の医薬組成物は、経口投与に適した、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤等の固形製剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液体製剤、ジェル剤、エアロゾル剤等の任意の剤形にすることができる。
本発明の食品組成物は、固体、液体、混合物、懸濁液、粉末、顆粒、ペースト、ゼリー、ゲル、カプセル等の任意の形態に調製されたものであってよい。また、本発明に係る食品組成物は、乳製品、サプリメント、菓子、飲料、ドリンク剤、調味料、加工食品、惣菜、スープ等の任意の形態にすることができる。より具体的には、本発明の組成物は、乳飲料、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、アイスクリーム、タブレット、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、調製粉乳、流動食、病者用食品、栄養食品、冷凍食品、加工食品等の形態とすることができ、また飲料や食品に混合して摂取するための、顆粒、粉末、ペースト、濃厚液等の形態とすることができる。
(その他)
本発明の組成物の製造において、乳酸菌のEPSの配合の段階は、適宜選択することができる。乳酸菌のEPSの特性を著しく損なわない限り配合の段階は特に制限されない。例えば、製造の初期の段階に、原材料に混合して配合することができる。あるいは、本発明の組成物を発酵乳として実施する場合は、EPSを産生する乳酸菌をスターターとして原料乳に添加し、発酵させ、EPSを産生させることで、EPSを含む発酵乳が製造できる。
本発明の組成物には、免疫チェックポイント阻害療法の促進のために用いることができる旨を表示することができ、また特定の対象に対して摂取を薦める旨を表示することができる。表示は、直接的にまたは間接的にすることができ、直接的な表示の例は、製品自体、パッケージ、容器、ラベル、タグ等の有体物への記載であり、間接的な表示の例は、ウェブサイト、店頭、パンフレット、展示会、書籍、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、郵送物、電子メール、音声等の、場所または手段による、広告・宣伝活動を含む。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
<ヨーグルト、EPS(菌体外多糖体)の調製>
実施例1においては、脱脂粉乳培地に、乳酸菌スターターとして、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1およびStreptococcus thermophilusを添加して、脱脂粉乳培地を43℃の温度環境下、2.5時間発酵させて調製したヨーグルトを用いた。実施例2および3においては、10質量%脱脂粉乳培地でLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1を培養した培養物中のEPSを精製した。すなわち、37℃で18時間培養した上記の培養物に対し、終濃度10質量%になるようトリクロロ酢酸を加えて変性タンパク質を除去し、冷エタノールを加えて4℃で2時間静置してEPSを含む沈殿物を得た。これを、透析膜(分画分子量6〜8kDa)を用いてMilliQ水に対して透析し、核酸とタンパク質を酵素分解した後、再度エタノール沈殿を行って沈殿物を得た。これをMilliQ水に溶解し、再度透析を行った後に凍結乾燥を行ってEPSを精製した。
<実施例1>
BALB/cマウス、オス、7週齢(日本チャールスリバー)の計32匹を、controlマウス(n=16)とヨーグルト投与マウス(n=16)に群分けした。controlマウスには10%(w/v)脱脂粉乳を、ヨーグルト投与マウスにはヨーグルトを、それぞれ400 μL/匹強制経口投与した。経口投与は解剖前日まで毎日1回実施した。なお、400μLのヨーグルト中のEPS量は、HPLCによりコロナ荷電化粒子検出器で定量したところ28μgであった。
経口投与を開始した日に、マウス結腸癌由来細胞株であるcolon26単細胞懸濁液(PBSに懸濁)を調製し、マウス全匹の左側腹部皮下に6.0×105 cells/200 μLを26G注射針(テルモ)で移植した。さらに、各群(n=16)のマウスを治療方法によって更に2群に分け、一方をCTLA-4阻害療法群(n=8)、もう一方をPD-1阻害療法群(n=8)とした。CTLA-4阻害療法群には腫瘍移植10日後までに3回(150μg/匹/回)、PD-1阻害療法群には腫瘍移植18日後までに5回(240μg/匹/回)、各治療薬(抗マウスCTLA-4抗体あるいは抗マウスPD-1抗体)を腹腔投与した。
経過は、週3回、腫瘍体積を定規で測定して観察した。CTLA-4阻害療法群では腫瘍移植15日後に解剖して、腫瘍浸潤T細胞を解析して比較した。PD-1阻害療法群では腫瘍体積が2000mm3を超えた時点で人道的チェックポイントとして順次安楽殺した。
CTLA-4阻害療法群において、解剖日直近の両マウスの腫瘍体積を比較したところ有意な差は認められなかったが(図1A)、薬剤の治療効果が認められたと考えられる腫瘍体積が低値の半数同士を比較したところ、ヨーグルト投与マウスの方がcontrolマウスと比べて有意に腫瘍体積が小さかった(図1B)。
また、採取した腫瘍塊をメスで細切し、コラゲナーゼ(Roche)とDNase(Roche)を含むRPMI1640培地でインキュベート(37℃、1時間)して単細胞懸濁液とした。この細胞群を、蛍光標識した抗マウスCD3抗体、抗マウスCD8抗体、抗マウスCCR6抗体(いずれも日本BD)を含む抗体MIXで染色し、フローサイトメーター(FACS Verse、日本BD)を用いて腫瘍浸潤T細胞を解析した。
その結果、CCR6陽性CD8+T細胞がヨーグルト投与マウスで有意に増加していた(図1C)。このことから、ヨーグルト投与マウスでは、癌組織において細胞性免疫が活性化されて、腫瘍の増殖が抑制されることが確認された。
PD-1阻害療法群において、両マウスの腫瘍増殖の経過を観察したところ、ヨーグルト投与マウス群でのみ、薬剤投与期間中(〜腫瘍移植18日後)に腫瘍増殖が明らかに抑えられた個体が観察された(図1D)。
以上のことから、CTLA-4阻害療法あるいはPD-1阻害療法において、本発明のヨーグルトやそれに含まれるEPSを経口摂取することにより、治療の効果が増強されることが分かった。
<実施例2>
BALB/cマウス、オス、7週齢(日本チャールスリバー)の計24匹をcontrolマウス(n=12)とEPS投与マウス(n=12)に群分けした。controlマウスには蒸留水を、EPS投与マウスにはEPS水溶液(25μg/ml)をそれぞれ自由飲水させ(4-8mL/day程度の摂取をしていると認められた。)、解剖日まで継続した。
自由飲水開始当日にcolon26単細胞懸濁液(PBSに懸濁)を調製し、マウス全匹の左側腹部皮下に6.0×105cells/200μLを26G注射針(テルモ)で移植した。さらに、マウス全匹に対して、腫瘍移植10日後までに3回、抗マウスCTLA-4抗体を腹腔投与(150μg/匹/回)した。経過は、週3回腫瘍体積を測定して観察した。腫瘍移植15日後にマウス全匹を解剖した。
解剖日直近の両マウスの腫瘍体積を比較したところEPS投与群の方が有意に小さく(図2A)、さらに腫瘍体積が低値の半数同士の比較では、より有意に腫瘍の増殖抑制が見られた(図2B)。
以上のことから、CTLA-4阻害療法あるいはPD-1阻害療法において、本発明のヨーグルトやそれに含まれるEPSを経口摂取することにより、治療の効果が増強されることが分かった。
<実施例3>
培養細胞株TG40(マウスT細胞由来)に、EPS(150ug/ml)を添加し、6時間共培養した。培地はRPMIに10質量パーセント濃度のウシ胎児血清(FBS)を加えて調整し、5×106細胞数/mlでプレートに播種して37℃、5%CO2濃度を保った。
蛍光標識した抗マウスCCR6抗体で染色し、フローサイトメーター(FACS Verse、日本BD)を用いて解析した。
その結果、EPSを添加した系では、EPSを添加していないコントロールと比較してCCR6陽性率が有意に(P<0.001)増加した(Student-t検定)(図3)。この結果から、腫瘍内以外でもEPSが直接的にCCR6陽性CD8+T細胞を増やすことが示唆された。

Claims (9)

  1. 乳酸菌の菌体外多糖を含む、免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物。
  2. 免疫チェックポイント阻害療法が、CTLA-4(Cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen 4)阻害療法、またはPD-1(Programmed Death-1)阻害療法である、請求項1に記載の組成物。
  3. 乳酸菌が、ラクトバチルス属に分類されるものである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスに分類されるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 発酵乳である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 乳酸菌の菌体外多糖を含む、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物。
  7. 免疫チェックポイント阻害療法を促進するための非医療的方法であって、有効量の乳酸菌の菌体外多糖を含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、方法。
  8. 対象におけるCCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための非医療的方法であって、有効量の乳酸菌の菌体外多糖を含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、方法。
  9. 乳酸菌の菌体外多糖を用いる、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させる方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
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