JPWO2019167774A1 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

電解コンデンサは、陽極体と、前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層と、を備えるコンデンサ素子を含む。前記陰極引出層は、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う導電性のカーボン層と、前記カーボン層の少なくとも一部を覆う銀ペースト層と、を備える。前記カーボン層は、炭素粒子と、銀とを含む。

Description

本発明は、固体電解質層を備える電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
電解コンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子を覆う外装体とを備える。コンデンサ素子は、陽極体と、陽極体上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された固体電解質層と、固体電解質層上に形成された陰極引出層とを備える。陰極引出層は、固体電解質層上に形成されたカーボン層と、カーボン層上に形成された銀ペースト層とを有する。
電解コンデンサでは、空気が外装体を透過して、電解コンデンサ内部に侵入することがある。電解コンデンサ内部に侵入した空気が固体電解質層に接触すると、固体電解質層に含まれる導電性高分子が劣化する。
特許文献1では、ピーク粒子径が150nm以下の第一銀粒子と、ピーク粒子径が500nm以上の第二銀粒子と、無機粒子と、樹脂材料とを含む銀ペースト層を設けることで、銀ペースト層とカーボン層との接触抵抗を下げつつ、固体電解質層の劣化を抑制することが提案されている。
国際公開第2012/017618号パンフレット
従来の陰極引出層では、カーボン層が緻密でないため、固体電解質層と空気との接触を十分に抑制することが難しい。固体電解質層が空気と接触すると、導電性高分子が劣化して、固体電解質層の抵抗が増加するため、電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)が上昇する。
本発明の一局面は、陽極体と、前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層と、を備えるコンデンサ素子を含み、前記陰極引出層は、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う導電性のカーボン層と、前記カーボン層の少なくとも一部を覆う銀ペースト層と、を備え、前記カーボン層は、炭素粒子と、銀とを含む、電解コンデンサに関する。
本発明の他の局面は、陽極体の少なくとも一部を覆うように誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆うように固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層の少なくとも一部にカーボンペーストを付着させて導電性のカーボン層を形成する工程と、前記カーボン層の少なくとも一部に銀ペースト層を形成する工程と、を有し、前記カーボンペーストは、炭素粒子と、銀粒子と、分散媒と、を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
固体電解質層を備える電解コンデンサのESRの上昇を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサを模式的に示す断面図である。
[電解コンデンサ]
本発明の上記局面に係る電解コンデンサは、陽極体と、陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層と、を備えるコンデンサ素子を含む。陰極引出層は、固体電解質層の少なくとも一部を覆う導電性のカーボン層と、カーボン層の少なくとも一部を覆う銀ペースト層と、を備える。カーボン層は、炭素粒子と、銀とを含む。
電解コンデンサでは、通常、コンデンサ素子が、樹脂製の外装体に覆われているが、空気(特に、酸素、もしくは酸素および水分)が、外装体を透過して、内部に侵入し易い。一方、コンデンサ素子において、固体電解質層の少なくとも一部は、陰極引出層を構成するカーボン層で覆われている。カーボン層は、炭素粒子が集合した状態であるため、膜質が緻密とは言えない。そのため、電解コンデンサ内に空気が侵入すると、カーボン層を透過する。空気が、固体電解質層に接触すると、固体電解質層に含まれる導電性高分子を劣化させる。このような導電性高分子の劣化は、高温および/または高湿度下では特に顕著になる。導電性高分子が劣化すると、固体電解質層の抵抗が増加するため、電解コンデンサのESRが上昇する。
上記のように、本実施形態では、コンデンサ素子において、固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層に含まれるカーボン層に、炭素粒子に加えて、銀を含有させる。カーボン層が銀を含むことで、カーボン層のガスバリア性が高まり、空気の透過が低減される。これは、炭素粒子間の隙間が銀で埋まることで、カーボン層が緻密になるためと考えられる。カーボン層における空気の透過が抑制されることで、固体電解質層への空気の接触が低減される。これにより導電性高分子の劣化が抑制され、固体電解質層の抵抗が大きくなることが抑制される。よって、電解コンデンサにおけるESRの上昇を抑制することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、電解コンデンサの構成についてより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの構造を概略的に示す断面図である。
図示例では、電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2と、コンデンサ素子2を封止する樹脂製の外装体3と、外装体3の外部にそれぞれ少なくともその一部が露出する陽極リード端子4および陰極リード端子5と、を備えている。外装体3は、ほぼ直方体の外形を有しており、電解コンデンサ1もほぼ直方体の外形を有している。
コンデンサ素子2は、陽極部を構成する陽極体6と、陽極体6を覆う誘電体層7と、誘電体層7を覆う陰極部8とを備える。
陽極体6は、陰極部8と対向する領域と、対向しない領域とを含む。陽極体6の陰極部8と対向しない領域のうち、陰極部8に隣接する部分には、陽極体6の表面を帯状に覆うように絶縁性の分離層13が形成され、陰極部8と陽極体6との接触が規制されている。陽極体6の陰極部8と対向しない領域のうち、他の一部は、陽極リード端子4と、溶接により電気的に接続されている。陰極リード端子5は、導電性接着剤により形成される接着層14を介して、陰極部8と電気的に接続されている。
陰極部8は、誘電体層7を覆う固体電解質層9と、固体電解質層9を覆う陰極引出層10とを備える。陰極引出層10は、カーボン層11および銀ペースト層12を有する。ここで、カーボン層11は、炭素粒子と銀とを含む。カーボン層11が銀を含むことで緻密になるため、空気が外装体3の内部に侵入しても、固体電解質層9の空気との接触を抑制することができる。よって、陰極部8の固体電解質層9に含まれる導電性高分子の劣化が抑制される。
以下に、電解コンデンサの構成についてより詳細に説明する。
(コンデンサ素子2)
コンデンサ素子2は、陽極部を構成する陽極体6と、誘電体層7と、固体電解質層9を含む陰極部8とを備える。陰極部8は、固体電解質層9と、固体電解質層9を覆う陰極引出層10とを備えている。
電解コンデンサは、少なくとも1つのコンデンサ素子2を有していればよく、コンデンサ素子2を1つ有していてもよいし、複数のコンデンサ素子を有していてもよい。電解コンデンサに含まれるコンデンサ素子の数は、用途に応じて決定すればよい。
(陽極体6)
陽極体6は、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物などを含むことができる。これらの材料は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンが好ましく使用される。表面が多孔質である陽極体6は、例えば、エッチングなどにより弁作用金属を含む基材(箔状または板状の基材など)の表面を粗面化することで得られる。また、陽極体6は、弁作用金属を含む粒子の成形体またはその焼結体でもよい。なお、焼結体は、多孔質構造を有する。すなわち、陽極体6が焼結体である場合、陽極体6の全体が多孔質となり得る。
(誘電体層7)
誘電体層7は、陽極体6の表面の弁作用金属を、化成処理などにより陽極酸化することで形成される。誘電体層7は、陽極体6の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。誘電体層7は、通常、陽極体6の表面に形成される。誘電体層7は、陽極体6の多孔質の表面に形成されるため、陽極体6の表面の孔や窪み(ピット)の内壁面に沿って形成される。
誘電体層7は弁作用金属の酸化物を含む。例えば、弁作用金属としてタンタルを用いた場合の誘電体層はTa25を含み、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合の誘電体層はAl23を含む。尚、誘電体層7はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。陽極体6の表面が多孔質である場合、誘電体層7は、陽極体6の表面(孔の内壁面を含む)に沿って形成される。
(陰極部8)
(固体電解質層9)
陰極部8を構成する固体電解質層9は、導電性高分子を含むが、必要に応じて、さらに、ドーパントや添加剤などを含んでもよい。導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびこれらの誘導体などを用いることができる。固体電解質層9は、例えば、原料モノマーを誘電体層7上で化学重合および/または電解重合することにより、形成することができる。あるいは、導電性高分子が溶解した溶液、または、導電性高分子が分散した分散液を、誘電体層7に接触させることにより、形成することができる。固体電解質層9は、誘電体層7の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。
(陰極引出層10)
陰極部8を構成する陰極引出層10は、カーボン層11と、銀ペースト層12とを備える。陰極引出層10は、固体電解質層9の少なくとも一部を覆うように形成される。
(カーボン層11)
カーボン層11は、炭素粒子と、銀とを含んでおり、導電性を有する。カーボン層11は、必要に応じて、バインダ、および/または添加剤などを含むことができる。
炭素粒子としては、導電性の炭素粒子が好ましい。炭素粒子としては、例えば、黒鉛、グラフェン、カーボンブラック、ソフトカーボン、ハードカーボンなどが挙げられる。黒鉛としては、黒鉛型の結晶構造を有する炭素材料が用いられ、人造黒鉛および天然黒鉛のいずれであってもよい。炭素粒子としては、カーボンナノチューブ、炭素繊維などを用いてもよい。カーボンナノチューブ、炭素繊維などの繊維状の炭素材料は、適当な長さにカットされたもの(粉砕物なども含む)であってもよい。これらの炭素粒子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素粒子は、鱗片状粒子を含むことが好ましい。この場合、カーボン層11において炭素粒子を、層状に重なり合った状態で充填させ易くなるとともに、重なりあった状態の鱗片状粒子の隙間を銀により埋めることができる。そのため、緻密なカーボン層11が形成されるとともに、空気の侵入パスを長くすることができる。よって、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。鱗片状の形態であれば粒子を構成する炭素材料の種類は特に制限されないが、黒鉛、グラフェンなどは、鱗片状の形態をとり易く、鱗片状粒子の入手が容易である。
炭素粒子の平均アスペクト比は、例えば、1.5以上であり、2以上であることが好ましい。炭素粒子の平均アスペクト比がこのような範囲である場合、鱗片状粒子などの扁平な粒子が多く含まれることになる。そのため、カーボン層11において、炭素粒子を重ねた状態で充填させ易くなる。加えて、炭素粒子間の隙間を銀が埋めることにより、空気の侵入パスを長くすることができる。よって、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。
炭素粒子の平均アスペクト比は、カーボン層11の断面の電子顕微鏡写真から次のようにして求めることができる。まず、任意の複数個(例えば、10個)の炭素粒子を選択し、各炭素粒子について、最大径D1と、この最大径D1と直交する方向における最大径D2とを計測する。そして、D1をD2で除することにより、各粒子のアスペクト比を求め、さらに平均化することにより平均アスペクト比が算出される。
炭素粒子の平均粒子径は、例えば、0.05μm以上であり、0.1μm以上が好ましい。平均粒子径がこのような範囲である場合、カーボン層11内に炭素粒子を密に充填し易く、高い導電性を確保し易い。炭素粒子の平均粒子径は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。この場合、炭素粒子間の隙間を銀で埋め易くなるため、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。
炭素粒子の平均粒子径は、カーボン層11の断面の電子顕微鏡写真において、任意の複数個(例えば、10個)の炭素粒子を選択し、各炭素粒子の粒子径を計測し、平均化することにより求めることができる。電子顕微鏡写真において観察される炭素粒子の断面の面積と同じ面積を有する円の直径を、炭素粒子の粒子径とする。
カーボン層11は、主成分として炭素粒子を含む。カーボン層11中の炭素粒子の含有量は、例えば、60質量%より多く、70質量%以上が好ましい。炭素粒子の含有量がこのような範囲である場合、固体電解質層9と銀ペースト層12との間の高い密着性を確保することができる。また、カーボン層11中で炭素粒子を配列させ易くなるため、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。カーボン層11中の炭素粒子の含有量の上限は、銀などの他の成分の含有量に応じて決定でき、特に制限されないが、例えば、99質量%以下である。
カーボン層11に含まれる銀には、他の金属元素が含まれていてもよい。銀中の他の金属元素の含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
カーボン層11に含まれる銀の形状は特に制限されない。カーボン層11は炭素粒子と銀粒子とを含むカーボンペーストを用いて形成される。そのため、カーボン層11内において、銀は、銀粒子として含まれていてもよい。カーボンペーストの塗膜を加熱することで、カーボン層11が形成される場合には、銀粒子同士が凝集または融着することがある。このような場合には、カーボン層11は、凝集粒子、バルクなどの形状の銀を含む。カーボン層11中に、凝集していない粒子、凝集粒子、およびバルクなどのうち2つ以上の形状の銀が混在していてもよい。
カーボン層11に含まれる銀(凝集していない粒子、凝集粒子、およびバルクなどの様々な形状の銀を含む)の平均粒子径は、例えば、1nm以上であることが好ましい。銀の平均粒子径がこのような範囲である場合、炭素粒子間の隙間を銀により埋め易くなるため、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。固体電解質層9と銀ペースト層12との間の高い密着性を確保し易い観点からは、カーボン層11に含まれる銀の平均粒子径は、1000nm以下であることが好ましい。
カーボン層11に含まれる銀の平均粒子径は、カーボン層11の断面の電子顕微鏡写真において、任意の複数個(例えば、10個)の銀部分(粒子、凝集粒子、バルクなど)を選択し、各銀部分の粒子径を計測し、平均化することにより求めることができる。電子顕微鏡写真において観察される銀部分の断面の面積と同じ面積を有する円の直径を、銀部分の粒子径とする。
カーボン層11中の銀の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であってもよい。銀の含有量がこのような範囲である場合、炭素粒子間の隙間を銀により埋め易くなるため、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。炭素粒子を配列させ易いとともに、固体電解質層9と銀ペースト層12との間の高い密着性を確保し易い観点からは、カーボン層11中の銀の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
カーボン層11中の銀の含有量は、例えば、エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDX)を利用して求めることができる。
カーボン層11に含まれるバインダおよび添加剤としては、それぞれ、電解コンデンサのカーボン層に使用される公知の成分が特に制限なく使用できる。
カーボン層11の平均厚みは、例えば、0.01μm以上50μm以下である。平均厚みは、例えば、カーボン層11の断面の電子顕微鏡写真において、カーボン層11の複数箇所(例えば、10箇所)の厚みを計測し、平均化することにより求めることができる。
(銀ペースト層12)
銀ペースト層12は、例えば、銀粒子と、バインダとを含む。銀ペースト層12は、必要に応じて、添加剤などを含むことができる。添加剤としては、銀ペースト層に用いられる公知のものが挙げられる。
銀粒子には、他の金属元素が含まれていてもよい。銀粒子中の他の金属元素の含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
銀ペースト層12中の銀の含有量は、例えば、50質量%より多く、70質量%以上が好ましい。銀の含有量がこのような範囲である場合、銀ペースト層12の高い導電性が確保されるため、コンデンサ素子2からの集電性を高めることができる。
銀ペースト層12に含まれるバインダとしては、特に制限されないが、硬化性樹脂の硬化物が好ましい。硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
(外装体3)
外装体3は、コンデンサ素子2を覆うものである。通常、リード端子4,5の一部も外装体3に覆われている。外装体3は、コンデンサ素子2およびリード端子4,5の一部を樹脂材料で封止することにより形成される。
外装体3は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましく、熱可塑性樹脂もしくはそれを含む組成物を含んでもよい。硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂(組成物)については、後述で例示するものを用いることができる。
樹脂材料で形成された外装体3では、樹脂材料が劣化したり、機械的な衝撃により損傷したりし易く、外部の空気が外装体3を透過して外装体内に侵入し易い。本実施形態によれば、カーボン層11が銀を含むことで緻密になるため、カーボン層11のガスバリア性が高まり、樹脂材料で形成された外装体3を用いる場合でも、固体電解質層9の空気との接触を抑制(または低減)できる。
(リード端子4,5)
リード端子4,5の一端部は、コンデンサ素子2に電気的に接続され、他端部は外装体3の外部に引き出される。電解コンデンサ1において、リード端子4,5の一端部側は、コンデンサ素子2とともに外装体3により覆われている。リード端子4,5としては、電解コンデンサで使用されるリード端子が特に制限なく利用でき、例えば、リードフレームと呼ばれるものを用いてもよい。リード端子4,5の素材としては、例えば、銅などの金属またはその合金などが挙げられる。
[電解コンデンサの製造方法]
上記の電解コンデンサは、陽極体の少なくとも一部を覆うように誘電体層を形成する工程と、誘電体層の少なくとも一部を覆うように固体電解質層を形成する工程と、固体電解質層の少なくとも一部に陰極引出層を形成する工程と、を有する製造方法により製造される。陰極引出層を形成する工程は、カーボン層を形成する工程と、カーボン層の少なくとも一部に銀ペースト層を形成する工程と、を有する。電解コンデンサの製造方法は、さらに、誘電体層の形成工程に先立って、陽極体を準備する工程を備えていてもよい。また、電解コンデンサの製造方法は、さらに、コンデンサ素子にリード端子を電気的に接続する工程と、コンデンサ素子およびリード端子の一部を外装体で覆う工程(封止工程)と、を備えることができる。
以下、各工程についてより詳細に説明する。
(陽極体6を準備する工程)
この工程では、陽極体6の種類に応じて、公知の方法により、陽極部を構成する陽極体6を形成する。
陽極体6は、例えば、弁作用金属を含む箔状または板状の基材の表面を粗面化することにより準備することができる。粗面化は、基材表面に凹凸を形成できればよく、例えば、基材表面をエッチング(例えば、電解エッチング)することにより行ってもよい。
また、上記の場合に限らず、弁作用金属の粉末を、所望の形状(例えば、ブロック状)に成形して成形体を得る。この成形体を焼結することで、多孔質構造の陽極体6を形成してもよい。
(誘電体層7を形成する工程)
この工程では、陽極体6上に誘電体層7を形成する。誘電体層7は、陽極体6を陽極酸化することにより形成される。陽極酸化は、公知の方法、例えば、化成処理などにより行うことができる。化成処理は、例えば、陽極体6を化成液中に浸漬することにより、陽極体6の表面に化成液を含浸させ、陽極体6をアノードとして、化成液中に浸漬したカソードとの間に電圧を印加することにより行うことができる。化成液としては、例えば、リン酸水溶液などを用いることが好ましい。
(固体電解質層9を形成する工程)
この工程では、誘電体層7上に固体電解質層9を形成する。例えば、誘電体層7が形成された陽極体6に、導電性高分子を含む処理液を付着させた後、乾燥させて固体電解質層9を形成する。処理液は、さらにドーパントなどの他の成分を含んでもよい。導電性高分子には、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が用いられる。ドーパントには、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)が用いられる。処理液は、例えば、導電性高分子の分散液または溶液である。分散媒(溶媒)としては、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。固体電解質層9は、導電性高分子の原料モノマーを、誘電体層7上で化学重合および/または電解重合させることにより形成してもよい。
(陰極引出層10を形成する工程)
この工程では、固体電解質層9上に、カーボン層11と銀ペースト層12とを順次積層することにより陰極引出層10を形成する。
(カーボン層11の形成工程)
本工程では、固体電解質層9の少なくとも一部にカーボンペーストを付着させてカーボン層11を形成する。固体電解質層9の少なくとも一部に形成されたカーボンペーストの塗膜をさらに加熱することによりカーボン層11を形成してもよい。
カーボンペーストは、炭素粒子と、銀粒子と、分散媒と、を含む。分散媒としては、水、有機媒体、またはこれらの混合物が使用される。カーボンペーストは、必要に応じて、バインダ、および/または添加剤などを含むことができる。
カーボンペーストに含まれる炭素粒子としては、カーボン層11について記載したものが挙げられる。炭素粒子は、鱗片状粒子を含むことが好ましい。炭素粒子の平均アスペクト比および平均粒子径は、それぞれ、カーボン層11について記載した範囲から選択できる。
なお、炭素粒子の平均アスペクト比および平均粒子径については、それぞれ、カーボンペーストに用いられる炭素粒子について測定されるものである。炭素粒子の平均アスペクト比は、炭素粒子の電子顕微鏡写真から求める以外は、カーボン層11に含まれる炭素粒子の平均アスペクト比の場合と同様にして算出できる。炭素粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて求められる体積基準の粒度分布における50%粒子径D50(つまり、メジアン径)である。
カーボンペースト中の固形分に占める炭素粒子の割合は、例えば、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。炭素粒子の含有量がこのような範囲である場合、固体電解質層9と銀ペースト層12との間の高い密着性を確保することができる。また、カーボン層11中で炭素粒子を配列させ易くなるため、カーボン層11における空気の透過抑制効果をさらに高めることができる。カーボンペースト中の炭素粒子の含有量の上限は、銀粒子などの他の成分の含有量に応じて決定でき、特に制限されないが、例えば、99質量%以下である。
銀粒子には、他の金属元素が含まれていてもよい。銀中の他の金属元素の含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
銀粒子の平均粒子径は、例えば、1000nm以下である。特に、平均粒子径が1000nm未満である銀粒子を用いると、銀粒子のナノサイズ効果により、カーボンペーストの塗膜を加熱する際の温度を低くしても、銀粒子を焼結して融着させることができ、高い導電性を有するカーボン層11を形成することができる。また、炭素粒子間の隙間を銀で埋めやすくなり、カーボン層11における空気の透過をさらに抑制することができる。なお、平均粒子径が1000nm未満の銀粒子を銀ナノ粒子と呼ぶことがある。銀粒子の平均粒子径は、100nm以下であることがさらに好ましい。銀粒子の平均粒子径がこのような範囲である場合、低温での銀粒子の焼結性を高めることができる。銀粒子の平均粒子径は、例えば、20nm以上であり、30nm以上であってもよい。
銀粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて求められる体積基準の粒度分布における50%粒子径D50(つまり、メジアン径)である。ただし、体積基準のD50が測定し難い場合には、動的光散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定される平均粒子径であってもよい。
カーボンペースト中の固形分に占める銀粒子の割合は、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であってもよい。銀粒子の含有量がこのような範囲である場合、カーボン層11において炭素粒子間の隙間を銀により埋め易くなる。カーボン層11中で炭素粒子を配列させ易く、また、固体電解質層9と銀ペースト層12との間の高い密着性を確保し易い観点からは、カーボンペースト中の固形分に占める銀粒子の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
カーボンペーストに含まれるバインダとしては、特に制限されず、カーボン層の作製に用いられる公知のバインダが挙げられる。バインダとしては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂など)、熱硬化性樹脂(ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂など)などの高分子バインダが好ましい。
添加剤としては、特に制限されず、カーボン層の作製に用いられる公知の添加剤が挙げられる。添加剤としては、例えば、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、塩基、および/または酸などが挙げられる。
カーボン層11は、カーボンペーストを固体電解質層9の少なくとも一部に付着させて塗膜を形成し、乾燥することにより形成してもよい。塗膜を形成した後にさらに加熱してもよい。加熱により、銀粒子同士が焼結されて融着され、凝集粒子、および/またはバルク状の銀が形成されることがある。
カーボンペーストを固体電解質層9に接触させればよく、例えば、固体電解質層9を備える陽極体6を、カーボンペースト中に浸漬させてもよく、カーボンペーストを、公知のコーターなどを用いて、固体電解質層9の表面に塗布してもよい。
カーボンペーストの塗膜を加熱する際の温度は、例えば、150℃以上300℃以下である。
(銀ペースト層12の形成工程)
本工程では、カーボン層11の少なくとも一部に銀ペースト層12を形成する。銀ペースト層12は、カーボン層11の少なくとも一部に銀ペーストを付着させることにより形成できる。銀ペーストは、銀粒子と、バインダと、分散媒と、必要に応じて添加剤とを含むことができる。銀粒子、バインダ、添加剤としては、銀ペースト層12についての説明を参照できる。分散媒としては、水、有機媒体、およびこれらの混合物などが挙げられる。
銀ペースト中の固形分に占める銀粒子およびバインダの含有量は、それぞれ、銀ペースト層12中の銀の含有量およびバインダの含有量について記載した範囲から選択すればよい。
銀ペースト層12は、カーボン層11の少なくとも一部に形成された銀ペーストの塗膜を、乾燥、および/または加熱することにより形成できる。例えば、バインダとして、熱硬化性樹脂を用いる場合には、銀ペーストの塗膜を加熱して、バインダを硬化させることにより銀ペースト層12が形成される。
(リード端子接続工程)
この工程では、コンデンサ素子2に、陽極リード端子4および陰極リード端子5を電気的に接続する。各リード端子の接続は、コンデンサ素子2を作製した後に行ってもよい。陰極リード端子4のコンデンサ素子2への接続は、コンデンサ素子2を作製した後に行われるが、陽極リード端子5の陽極体6への接続は、コンデンサ素子2を作製する工程の適当な段階で行ってもよい。例えば、焼結により多孔質構造の陽極体を形成する場合には、弁作用金属の粉末の中に、棒状体の陽極リード端子の長手方向の一端部を埋め込んだ状態で、所望の形状に成形された成形体を得る。そして、この成形体を焼結することで、陽極リード端子の一端部が埋め込まれた多孔質構造の陽極体を形成してもよい。
複数のコンデンサ素子の積層体を用いる場合には、陽極リード端子4は上記と同様に陽極体6に接続できる。陰極リード端子5は、上記と同様にコンデンサ素子に接続してもよく、陰極部8同士を電気的に接続させた複数のコンデンサ素子の積層体に、陰極リード端子5の一端部を接続してもよい。
(封止工程)
本工程では、コンデンサ素子2およびリード端子4,5の一部を外装体3で覆うことにより、コンデンサ素子2を外装体3で封止する。より具体的には、コンデンサ素子2とリード端子4,5とを電気的に接続した後、コンデンサ素子2およびリード端子4,5の一部を、樹脂外装体を構成する樹脂で覆うことにより封止することができる。
外装体3は、射出成形、インサート成形、圧縮成形などの成形技術を用いて形成することができる。外装体3は、例えば、所定の金型を用いて、硬化性樹脂組成物または熱可塑性樹脂(組成物)をコンデンサ素子2およびリード端子4,5の一端部を覆うように所定の箇所に充填して形成することができる。複数のコンデンサ素子の積層体を用いる場合には、積層体とリード端子の一部を覆うように樹脂外装体を形成すればよい。
硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂に加え、フィラー、硬化剤、重合開始剤、および/または触媒などを含んでもよい。硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ジアリルフタレート、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。硬化性樹脂組成物は、複数の硬化性樹脂を含んでもよい。
フィラーとしては、例えば、絶縁性の粒子(無機系、有機系)および/または繊維などが好ましい。フィラーを構成する絶縁性材料としては、例えば、シリカ、アルミナなどの絶縁性の化合物(酸化物など)、ガラス、鉱物材料(タルク、マイカ、クレーなど)などが挙げられる。樹脂外装体は、これらのフィラーを一種含んでもよく、二種以上組み合わせて含んでもよい。樹脂外装体中のフィラーの含有量は、例えば、10〜90質量%である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などを用いることができる。熱可塑性樹脂を含む組成物は、熱可塑性樹脂に加え、上記のフィラーなどを含んでもよい。
なお、カーボン層11の形成工程以外の工程については、上記に限らず、公知の方法を採用できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1〜3および参考例1〜2》
下記の要領で、図1に示す電解コンデンサ1を作製し、その特性を評価した。
(1)コンデンサ素子の作製
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施し、陽極体6を得た。陽極体6を濃度0.3質量%のリン酸溶液(液温70℃)に浸して70Vの直流電圧を20分間印加することにより、陽極体6の表面に酸化アルミニウム(Al2)を含む誘電体層7を形成した。その後、陽極体6の所定の箇所に絶縁性のレジストテープ(分離層13)を貼り付けた。
誘電体層7が形成された陽極体6を、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の水分散液(濃度2質量%)に浸漬した後、乾燥し、固体電解質層9を形成した。
固体電解質層9に、鱗片状の黒鉛粒子と銀ナノ粒子(平均粒子径:40nm)とを水に分散した分散液(カーボンペースト)を塗布した後、200℃で加熱することにより、固体電解質層の表面にカーボン層11を形成した。カーボンペースト中の固形分に占める、銀ナノ粒子の含有量は、既述の手順で測定したカーボン層11中の銀の含有量が表1に示す値となるように調節した。カーボンペースト中の固形分に占める黒鉛粒子の含有量は、それぞれ、92質量%(実施例1)、82質量%(実施例2)、70質量%(実施例3)、37質量%(参考例1)、および23質量%(参考例2)であった。なお、既述の手順で求められるカーボン層11中の黒鉛粒子の含有量は、カーボンペースト中の固形分に占める黒鉛粒子の含有量とほぼ同じであった。
次いで、カーボン層11の表面に、銀粒子とバインダ樹脂(エポキシ樹脂)とを含む銀ペーストを塗布した後、加熱してバインダ樹脂を硬化させ、銀ペースト層12を形成した。このようにして、カーボン層11と銀ペースト層12とで構成される陰極引出層10を形成した。
以上のようにして、コンデンサ素子2を得た。
(2)電解コンデンサの組み立て
コンデンサ素子2に、さらに、陽極リード端子4、陰極リード端子5、接着層14を配置し、フィラーとしてシリカ粒子を含む樹脂を用いて外装体3を形成することにより、電解コンデンサを作製した。
《比較例1》
銀ナノ粒子を用いずにカーボンペーストを調製したこと以外は、実施例1と同様に電解コンデンサを作製した。
上記で作製した実施例、参考例、および比較例の電解コンデンサについて、以下の評価を行った。
[評価]
20℃の環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を、初期のESR値(X0)(mΩ)として測定した。次に、電解コンデンサを、270℃で3分間加熱し、次いで、145℃で加熱を続けた。270℃での加熱開始から500時間後の電解コンデンサのESR値(X1)(mΩ)を、上記と同様の方法で測定した。そして、下記式よりESRの変化率を求めた。
ESRの変化率=X1/X0
評価結果を表1に示す。実施例1〜3は、A1〜A3であり、比較例1は、B1であり、参考例1および2は、C1およびC2である。
Figure 2019167774
本発明の上記局面に係る電解コンデンサは、高温雰囲気や高湿雰囲気に曝された場合でも、固体電解質層に含まれる導電性高分子の劣化が抑制され、ESRの上昇を抑制できる。よって、低いESRが求められる様々な用途に利用できる。
1:電解コンデンサ、2:コンデンサ素子、3:外装体、4:陽極リード端子、5:陰極リード端子、6:陽極体、7:誘電体層、8:陰極部、9:固体電解質層、10:陰極引出層、11:カーボン層、12:銀ペースト層、13:分離層、14:接着層
銀ペースト中の固形分に占める銀粒子およびバインダの含有量は、それぞれ、銀ペースト層12中の銀の含有量について記載した範囲となるように適切に設定すればよい。

Claims (14)

  1. 陽極体と、前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層と、を備えるコンデンサ素子を含み、
    前記陰極引出層は、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う導電性のカーボン層と、前記カーボン層の少なくとも一部を覆う銀ペースト層と、を備え、
    前記カーボン層は、炭素粒子と、銀とを含む、電解コンデンサ。
  2. 前記カーボン層中の前記銀の含有量は、1質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記カーボン層中の前記炭素粒子の含有量は、70質量%以上である、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記炭素粒子は、鱗片状粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記炭素粒子の平均アスペクト比は、1.5以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記炭素粒子の平均粒子径は、0.1μm以上5μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  7. 前記銀の平均粒子径は、1nm以上1000nm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  8. 陽極体の少なくとも一部を覆うように誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆うように固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層の少なくとも一部にカーボンペーストを付着させて導電性のカーボン層を形成する工程と、
    前記カーボン層の少なくとも一部に銀ペースト層を形成する工程と、を有し、
    前記カーボンペーストは、炭素粒子と、銀粒子と、分散媒と、を含む、
    電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記カーボンペースト中の固形分に占める前記炭素粒子の割合は、70質量%以上である、請求項8に記載の電解コンデンサの製造方法。
  10. 前記カーボンペースト中の固形分に占める前記銀粒子の割合は、30質量%以下である、請求項8または9に記載の電解コンデンサの製造方法。
  11. 前記銀粒子の平均粒子径は、1000nm未満である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記炭素粒子は、鱗片状粒子を含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  13. 前記炭素粒子の平均アスペクト比は、1.5以上である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  14. 前記炭素粒子の平均粒子径は、0.1μm以上5μm以下である、請求項8〜13のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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