JPWO2018230681A1 - 印刷用塗工紙および封筒用紙 - Google Patents

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Abstract

原紙の少なくとも片面に顔料塗工層を備え、当該顔料塗工層が、平均粒子径(D50)が0.80μm以下の炭酸カルシウムを含む、印刷用塗工紙。前記顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記炭酸カルシウムを40重量部以上含むことが好ましい。当該印刷用塗工紙は、優れた耐剥離性とインキ乾燥性とを備える。

Description

本発明は印刷用塗工紙および封筒用紙に関する。
近年、印刷分野では小ロット化および短納期化の傾向が強まっており、インキ乾燥性が重要な指標の一つとなっている。インキ乾燥性が劣ると、印刷後の印字物を重ねた際にインキが他方に転移する「裏移り」の問題が発生しやすい。そのため、印刷物と紙との密着を防止するために澱粉等のパウダーを使用したり、重ねた後に擦れが生じないように静置したりするなどの対策が取られている。特に両面印刷を行う場合は、上記「裏移り」が発生すると印刷画像が汚損されて印刷物の価値が著しく損なわれるため、片面印刷後の静置時間を長くとり、「裏移り」が発生しなくなるまでインキを乾燥させる必要がある。インキの乾燥性が劣るとこの静置時間が長くなるため作業効率が低下する。さらに、両面印刷においては反対面に印刷を施す際に、ロール等により既に印刷された面の印刷画像が擦られるため、インキの乾燥性が劣ると印刷画像が汚損されるおそれがある。この傾向は、光沢の低いマット調塗工紙においてより顕著である。マット調塗工紙は光沢塗工紙に比べて表面の凹凸が大きいので、紙の表面に乗ったインキが沈み込みやすく印刷濃度を上げるためにはインキを多めに転移させる必要があり乾燥性が低下するからである。よって、印刷速度の向上や両面印刷に対応するためインキが速やかに乾燥する性能が求められている。この要求に対応するために、カオリン等の扁平顔料を含む顔料塗工層を設ける技術が提案されている(特許文献1)。
ところで、印刷用紙の用途の一つに封筒用途がある。封筒は加工工程において、断裁、接着剤による糊付けの後、封筒の形に成形される。封筒は他人に見られたくない文書や偽造を防止したい文書の送付に使用されることが多いため、封筒には高い機密保持性能が求められる。封筒の機密性保持性能としては、内容物が透過して見えないことと、接着箇所からの開封が容易でないことが挙げられる。これまで、内容物が透過して見えない不透明性を持った封筒用紙に関しては、原紙に酸化チタンなどの光散乱性の高い顔料を使用し、さらに紙表面を着色することで不透明性を高める技術や(特許文献2)、封筒の内面に印刷を施すことで内容物の文字などを判別し難くする技術などが知られている。しかしながら、封筒の接着箇所における開封性に関する詳細な検討はあまりなされてこなかった。一般的に、剥離した形跡が残りにくい接着剤層内での剥離や、紙表面と接着剤間での剥離は、封筒を開封され中の文書を偽造されてしまう恐れがあることから好ましくないとされ、原紙層での紙層間剥離を伴う剥離が好ましいとされている。前述のインキ乾燥性に優れた印刷用塗工紙は、接着剤に対しても優れた吸収性を示すため、結果的に紙表面に保持される接着剤が少なくなり十分な接着強度が得られず接着剤層内の剥離が発生してしまう。よって、インキ乾燥性と封筒剥離性は両立することが困難であると考えられていた。
特開2017−48493号公報 特開2009―114573号公報 特開2013−256730号公報
紙パルプ技術協会誌、Vol.62(2008)No.6、p.694−699
発明者らは特許文献1に記載のインキ乾燥性に優れた印刷用塗工紙を封筒に適用して貼合部の剥離性を検討したところ、紙層間や接着剤層内での剥離ではなく、塗工層内部での剥離が生じていることを見出した。塗工層内部での剥離は偽造防止の観点から好ましくない。カオリンなどの扁平顔料の主面は酸性、側面は塩基性であり(非特許文献1)、一般に封筒用の接着剤は一般に酸性基を含む。したがって塗工層内部での剥離は扁平顔料の主面と接着剤の親和性が低いことと、扁平顔料の側面は塩基性であるので接着剤との親和性が高いが面積が小さく充分な接着面積が達成できないことに起因すると推察された。よって、本発明は、優れた封筒剥離性とインキ速乾性とを備える印刷用塗工紙を提供することを課題とする。
発明者らは、特定の微粒炭酸カルシウムを含む顔料塗工層を備える印刷用塗工紙が上記課題を解決することを見出した。すなわち、前記課題は以下の本発明によって解決される。
(1)原紙の少なくとも片面に、0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する炭酸カルシウムを含む顔料塗工層を備える、印刷用塗工紙。
(2)前記顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記炭酸カルシウムを40重量部以上含む、(1)に記載の印刷用塗工紙。
(3)前記炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.50〜0.75μmである、(1)または(2)に記載の印刷用塗工紙。
(4)前記原紙のパルプ100重量部中に、化学パルプを90重量部以上含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
(5)紫外線を含まない条件で測定した白色度が85%以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
(6)白紙光沢度が40%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
(7)前記(1)〜(6)に記載の印刷用塗工紙を用いた封筒用紙。
(8)前記(7)に記載の封筒用紙から製造される封筒。
本発明により優れた封筒剥離性とインキ速乾性とを備える印刷用塗工紙を提供できる。
本発明の封筒の一態様を示す図
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「〜」はその端点を含む。すなわち「X〜Y」はXおよびYの値を含む。また、「XまたはY」はX、Yのいずれか一つ、あるいは双方を意味する。
1.印刷用塗工紙
印刷用塗工紙とは原紙の上に設けられた顔料塗工層を備える印刷用の紙である。顔料塗工層とは白色顔料を主成分とする層である。本発明の印刷用塗工紙は、顔料塗工層が0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する炭酸カルシウムを含有する。本発明の印刷用塗工紙は、用紙表面にオフセット印刷、グラビア印刷、オンデマンド印刷(レーザー方式、インクジェット方式、電子写真方式)、などの商業印刷を施すことができ、用途しては、封筒、書籍、雑誌、ポスター、カレンダーなどが挙げられるが、中でも封筒が好ましい。
(1)顔料塗工層
1)顔料
顔料塗工層は平均粒子径(D50)が0.80μm以下の炭酸カルシウム(以下、「第1の炭酸カルシウム」ともいう)を含む。D50は体積50%平均粒子径である。沈降法による顔料の粒度分布およびD50は、Malvern社製、マスターサイザー3000等により測定可能である。本発明ではこのような超微粒の炭酸カルシウムを用いることで、優れた封筒剥離性とインキ速乾性とを両立できる。この観点から、第1の炭酸カルシウムのD50の上限は0.75μm以下であることが好ましく、0.70μm以下であることがより好ましく、下限は0.50μm以上であることが好ましく、0.55μm以上であることがより好ましい。
顔料塗工層が原紙の両面に存在する場合は、一方の面の顔料塗工層が第1の炭酸カルシウムを含めばよいが、両面の顔料塗工層が第1の炭酸カルシウムを含むことが好ましい。また、顔料塗工層は一方の面に複数存在してもよいが、この場合、少なくとも最外顔料塗工層が第1の炭酸カルシウムを含むことが好ましい。
顔料塗工層を1層備える場合、第1の炭酸カルシウムの配合量の下限は、当該顔料塗工層中の顔料100重量部中、40重量部以上であることが好ましく、45重量部以上であることが好ましい。また、第1の炭酸カルシウムの配合量の上限は、当該顔料塗工層中の顔料100重量部中、70重量部以下であることが好ましく、60重量部以下であることがより好ましく、55重量部以下であることがさらに好ましい。一方の面に顔料塗工層を2層以上備える場合、少なくとも1層の顔料塗工層が前記量の第1の炭酸カルシウムを含むことが好ましく、最外顔料塗工層が前記量の第1の炭酸カルシウムを含むことがより好ましい。第1の炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムまたはパルプ製造工程の苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウム(苛性化軽質炭酸カルシウム、特許5274077号公報参照)であることが好ましい。
顔料塗工層中の第1の炭酸カルシウム以外の白色顔料として、当該分野で通常使用されている顔料を用いることができる。その例としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料が挙げられる。これらの顔料は複数種を組合せて使用してもよい。
第1の炭酸カルシウム以外の白色顔料として、D50が0.80μmを超える重質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウム(以下、「第2の炭酸カルシウム」ともいう)を用いることが好ましい。炭酸カルシウムは接着剤(バインダー)との結着性に優れかつ白色度を向上するので、インキ乾燥性と封筒剥離性を両立しさらに高い白色度および印刷適性を達成できる。顔料塗工層を1層備える場合、当該顔料塗工層中の顔料100重量部中、第1および第2の炭酸カルシウムの合計量は90重量部以上が好ましく、100重量部がより好ましい。一方の面に顔料塗工層を2層以上備える場合、少なくとも1層の顔料塗工層における第1および第2の炭酸カルシウムの合計量が前記範囲であることが好ましく、最外顔料塗工層における当該合計量が前記範囲であることがより好ましい。第2の炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムまたは苛性化軽質炭酸カルシウムであることが好ましい。
2)接着剤
顔料塗工層はマトリックスとして接着剤(バインダー)を含む。接着剤は限定されず、公知の接着剤を使用できる。その例としては、スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等のラテックス;完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらの複数種を組合せて使用できる。
接着剤の量は、印刷適性、塗工適性の点から、全顔料塗工層中の顔料100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましく、8〜25重量部であることがより好ましい。接着剤の総量が25重量部を越える場合、顔料塗工液の粘度が高くなり塗工時に操業トラブルが生じ易い。さらに、インキの乾燥性が低下する傾向が見られる。一方、接着剤の総量が5重量部未満であると十分な表面強度を得にくくなる。
本発明の印刷用塗工紙は、全接着剤中10〜80重量%のエマルションの形態であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含むことが好ましく、15〜70重量%のラテックスを含むことが好ましい。顔料塗工層が2層以上の場合、原紙に最も近い層は全接着剤中10〜80重量%のラテックスを含むことが好ましく、原紙に遠い層は30〜60重量%のラテックスを含むことが好ましく、ラテックスとしてはスチレン・ブタジエン系ラテックスが好ましい。他の接着剤としては澱粉類を用いることが特に好ましく、その量は原紙に最も近い層では全接着剤中30〜90重量%であることが好ましく、原紙に遠い層では40〜70重量%であることが好ましい。ラテックスと比較して澱粉類は顔料塗工液の保水性を高めるため、原紙への塗工液の沈み込みが生じにくく、顔料塗工層で原紙を効果的に被覆することができる。言い換えれば、澱粉類を使用すると、顔料塗工層による原紙の被覆性が良好となる。その結果、印刷品質、特に印刷光沢度の向上と、インキ乾燥性の向上が期待できる。本発明においては、ラテックスと澱粉類の割合が、3:5〜5:7であることが好ましい。
3)他の添加剤
顔料塗工層は、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、着色用顔料等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を含んでいてもよい。本発明においては、前述の顔料より大きな粒子径を有する有機物粒子を用いることが好ましい。顔料塗工層が複数存在する場合は、当該有機物粒子を原紙から最も遠い最外塗工層に含有させることで、印刷後の紙同士の擦れによる紙面汚れが低減し、印刷適性を向上させることができる。有機物粒子としては蒸煮をしていない澱粉粒が好ましく、前述の顔料に対し0.5〜10重量%含有させることで、上記効果を得ることができる。有機物粒子の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定機で測定した平均粒子径(D50)が8〜25μmであることが好ましい。
4)塗工量
顔料塗工層の塗工量は、片面あたり固形分で2g/m以上が好ましく、5g/m以上がより好ましく、10g/m以上がさらに好ましい。塗工量が5g/m未満では、紙基材表面の凹凸を十分に覆うことができないため、印刷インキの受理性が著しく低下することがある。一方、顔料塗工層の塗工量は、50g/m以下が好ましく、40g/m以下がより好ましく、35g/m以下がさらに好ましい。顔料塗工層が複数存在する場合は、その合計の塗工量が前記範囲であればよいが、最内顔料塗工層の塗工量は2〜15g/m2が好ましく、より好ましくは4〜14g/m、さらに好ましくは5〜12g/mである。また、最外顔料塗工層の塗工量は6〜20g/mが好ましく、より好ましくは8〜15g/mである。インキ乾燥性には、最外塗工層の影響が大きいため、最外塗工層の塗工量が多いことが好ましい。
(2)原紙
1)パルプ
原紙には公知のパルプを使用できる。公知のパルプとしては、化学パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケモサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、古紙パルプなどが挙げられる。本発明においては、化学パルプを使用することが好ましい。化学パルプには、クラフトパルプ法により製造したものと、亜硫酸パルプ法により製造されたものがあり、本発明においてはその両方を使用することができるが、クラフト法により製造した化学パルプが生産コストの面から好適である。原料パルプに占める化学パルプの含有量は、白色度等の観点から、全パルプ中60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、95重量%以上が特に好ましい。
2)填料
原紙には公知の填料を用いてよい。公知の填料としては、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱酸による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料が挙げられる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが不透明度向上のためにも好ましく使用される。填料として使用する炭酸カルシウムは前述の第1の炭酸カルシウムであってもよいし第2の炭酸カルシウムであってもよいが、軽質炭酸カルシウムがより好ましい。紙中填料率は特に制限されないが、1〜40重量%が好ましく、10〜35重量%がさらに好ましい。原紙の強度等を考慮すると、より好ましくは10〜20重量%である。
3)その他
公知の製紙用添加剤も使用できる。例えば、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、各種紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉などが挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。内添サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、ロジンサイズ剤などが挙げられる。更に、染料、顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
4)原紙の坪量
本発明の印刷用塗工紙の原紙の坪量は40〜160g/mが好ましく、45〜150g/mがより好ましく、50〜140g/mがさらに好ましい。
5)クリア塗工
本発明の印刷用塗工紙は、上述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工適性を向上させることができる。クリア塗工の量は、片面あたり固形分で0.1〜3.0g/mが好ましく、0.2〜2.0g/mがより好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.0g/mである。
本発明においてクリア塗工とは、例えば、2ロールポンドサイズプレス、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレス、カーテンコーター、スプレーコーターなどのコータ(塗工機)を使用して、澱粉、酸化澱粉、各種変性澱粉(自家変性、カチオン変性等)などの澱粉類、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を主成分とする塗布塗工液(表面処理液)を、原紙上に塗布塗工(サイズプレス)することをいう。クリア塗工液にサイズ剤を含有させて塗工することもできる。本発明においては澱粉を塗工することが好ましい。
2.製造方法
本発明の印刷用塗工紙は公知の方法で製造できるが、原紙上に、顔料と接着剤を含む顔料塗工液を塗工することにより製造することが好ましい。
(1)原紙の調製
本発明で用いられる原紙に使用される原料についてはすでに述べたとおりである。原紙は公知の抄紙方法で製造される。例えば、トップワイヤー等を含む長網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマ、丸網抄紙機、長網抄紙機と丸網抄紙機を併用した板紙抄紙機、ヤンキードライヤーマシン等を用いて行うことができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、中性またはアルカリ性が好ましい。抄紙速度も特に限定されない。本発明で用いられる原紙は、単層でも多層でもよいが、単層の原紙が好適に使用される。
(2)原紙の平滑化処理
得られた原紙に顔料塗工液を塗工する前に、各種カレンダー装置により原紙に平滑化処理を施すことが好ましい。かかるカレンダー装置としては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が適宜使用できる。カレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、カレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、カレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。本発明においては、マット調の風合いを維持したまま平滑性を付与する為に、原紙にカレンダー処理を施すことが好ましい。原紙にカレンダー処理を施すことで、原紙の平滑性が向上し、顔料塗工適性が向上する。
(3)顔料塗工液の調製
顔料塗工液は顔料、接着剤、および必要に応じて添加剤を水に分散または溶解することで調製できる。前述顔料塗工層を形成できるように各成分の配合は調整される。ブレード塗工を行う場合は、顔料塗工液の固形分濃度は40〜70重量%が好ましく、より好ましくは60〜70重量%である。顔料塗工液の粘度は室温にて60rpmで測定したB型粘度が500〜5000mPa・sの範囲であることが好ましい。また、ロールコーターで塗工を行う場合は、顔料塗工液の固形分は50〜70重量%が好ましく、より好ましくは60〜70重量%である。固形分重量が低すぎるとバックフロー等が起きてしまい、高すぎるとブレード負荷が大きくなりブレードの摩耗が進むなど、操業性に影響が出る。
(4)塗工方法
塗工方法は限定されず、ロールコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いることができる。塗工速度も特に限定されないが、ブレードコーターの場合は400〜1800m/分、ロールコーターの場合は400〜2000m/分が好ましい。本発明においては、顔料塗工層を1層ブレードコーターで塗工してもよく、ロールコーターで塗工した後にブレードコーターで塗工してもよいし、ブレードコーターで塗工した後にブレードコーターで塗工してもよいが、表面の平滑性を向上させることができるため、最外塗工層の塗工にブレードコーターを用いることが好ましい。
顔料塗工層は1層または複数層設けることができるが、本発明の印刷用塗工紙は印刷光沢度を上げるため、2層以上の顔料塗工層を設けることが好ましい。顔料塗工層を2層以上とすることで、繊維被覆性が向上し、平滑度も高くなる。前述のとおり、原紙の上にクリア塗工層を設け、その上に顔料塗工層を設けてもよい。
(5)その他の工程
湿潤状態の塗工層を乾燥させる方法は限定されず、例えば蒸気加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等を用いることができる。
本発明印刷用塗工紙は、以上のように製造した塗工紙を必要に応じて表面処理してもよいが、マット調の風合を得たい場合にはカレンダー処理を行わないことが望ましい。カレンダー処理を行う場合には、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が適宜使用できる。カレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、カレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、カレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。
3.紙質
(1)剥離指数
本発明の印刷用塗工紙は35〜55の剥離指数を有することが好ましい。剥離指数とは封筒における糊付け部の接着性の目安であり、この値が高いほど原紙層での剥離が起こりやすいこと、すなわち接着性に優れることを示す。この範囲の剥離指数を有する本発明の印刷用塗工紙は封筒用紙として好適である。剥離指数は以下の方法で得られる。
厚さ40μmのPETフィルムであって、中央部に幅5mm、長さ70mmの開口部を有するPETフィルムを準備する。
評価する紙サンプルを一組用意する。各サンプルの寸法は幅50mm、長さ100mmとする。
一方の紙サンプル(A)の上に、前記PETフィルムを重ね、開口部に厚さが約40μmとなるように均一に糊を塗布する。
その上に素早く、もう一方の紙サンプル(B)を重ね、4.17g/cmの荷重下で1分放置し、その後荷重を解放し4分経過した後、手で剥離を行う。
剥離した紙サンプル(A)における糊を塗布した箇所を目視にて観察し、糊層以外での剥離が確認できた場合は、SEM−EDSを用いて開口部の長さ方向に4mm間隔で12点観察(視野:長さ1.9mm×幅2.6mm)し、各点のC(炭素)、O(酸素)、Al(アルミニウム)、Si(シリカ)、Ca(カルシウム)の割合を測定し、各数値の上端2点、下端2点を除いた計8点のCの割合の平均値を剥離指数とする。一方、糊層での剥離が確認された場合は、剥離指数をゼロとする。剥離指数が大きい程、原紙層での剥離が生じやすいこと、すなわち封筒適性が良好であることを示す。一方剥離指数が低い程、塗工層での剥離が生じやすいこと、すなわち封筒適性が劣ることを示す。
(2)白色度
本発明の印刷用塗工紙は85%以上の白色度を有することが好ましい。本発明において白色度はJIS P8148に基づいて、紫外線を含まない条件にて測定される。
(3)白紙光沢度
白紙光沢度は白紙での光沢度合いを示す指標であり、本発明においてはJIS−P8142に従い測定される。優れたマット調を呈するために、白紙光沢度は40%以下が好ましく、35%以下がより好ましく、30%未満がさらに好ましい。白紙光沢度の下限は限定されないが、15%以上が好ましい。白紙光沢度が当該範囲であると、ぎらつきがなく印字が認識しやすくなり、かつ封筒としたときに滑りにくいという利点がある。
(4)坪量
本発明の印刷用塗工紙の坪量は60〜250g/mであることが好ましく、70〜210g/mであることがより好ましい。
(5)インキ乾燥性
本発明の印刷用塗工紙はインキ乾燥性に優れる。印刷用塗工紙のインキ乾燥性の優劣は、一般的に印刷後の印字物を重ねた際にインキが他方に転移する裏移りや印刷面の擦れ汚れなどを確認することで識別される。
(5−1)窒素吸着法(紙の全細孔容積)による評価
本発明においては、低圧条件下で測定できる窒素吸着法を用いて顔料塗工層の細孔構造を定評的に評価することで、本発明の印刷用塗工紙のインキ乾燥性を評価できる。顔料塗工層と溶剤吸収性との関係については、顔料塗工層中に存在する多数の微細な孔を毛細管の集合体として捉えた(1)式に示すLucas−Washburnの式が広く用いられている。ここで、Lは溶剤の浸透深さ、rは毛細管の平均半径、tは時間、γは溶剤の表面張力、θは毛細管壁と溶剤の接触角、ηは溶剤の粘度である。そして、顔料塗工層の細孔構造を平均半径rの円筒菅がn個並んだものと仮定すると、顔料塗工層へのインキ溶剤浸透量νは式(2)で表されるから、式(1)は式(3)のように変形できる。dは顔料塗工層の厚さ、Vは顔料塗工層の細孔容積、kはインキの粘度である。つまり、顔料塗工層中の細孔直径、細孔容積が大きいほど、また顔料塗工層厚さが小さいほど一定時間あたりの溶剤浸透量は多くなり、インキ乾燥性は向上すると考えられる。本発明においては、トライスター3000によって得られた細孔容積を、顔料塗工層の細孔容積とみなし、平均細孔直径を、顔料塗工層の平均細孔直径とみなす。
Figure 2018230681
本発明の印刷用塗工紙の細孔容積Vは、0.04cm/g超であることが好ましく、0.045cm/g以上であることがより好ましい。上限は0.09cm/g以下であることが好ましく、0.085cm/g以下であることがより好ましく、0.08cm/g以下であることがさらに好ましい。細孔容積Vが0.04cm/gより高い印刷用塗工紙はインキ乾燥性に優れる。
本発明の印刷用塗工紙の全細孔容積(cm/m)は、細孔容積V(cm/g)×塗工量c(g/m)により定義され、その値は0.55cm/m以上が好ましく、0.60cm/m以上がより好ましく、0.80cm/m以上がさらに好ましい。全細孔容積の上限は、1.00cm/m以下が好ましく、0.95cm/m以下がより好ましく、0.90cm/m以下がさらに好ましい。
本発明の印刷用塗工紙の平均細孔直径mは30nm以上が好ましい。平均細孔直径mの上限は60nm以下であることが好ましい。具体的に本発明において平均細孔直径は、窒素吸着法によって得られた脱着等温線より求められる。本願では、トライスター3000によって得られた平均細孔直径を、顔料塗工層の平均細孔直径とみなす。
4.用途
本発明の印刷用塗工紙は優れた耐剥離性とインキ速乾性とを兼ね備えるので、封筒用紙として有用である。封筒用紙とは折曲げおよび貼合せ加工を経ることによって封筒を形成する用紙をいう。図1に本発明の印刷用塗工紙を封筒用紙として用いて製造した封筒を示す。図中、1は封筒、10は封筒用紙、20は貼合部である。本発明の印刷用塗工紙(封筒用紙)は貼合部20において接着層ではなく主として原紙層において剥離が生じるので機密性が高い。さらに本発明の印刷用塗工紙(封筒用紙)は優れたインキ速乾性を備えるので、大量印刷への適合性も備える。
<評価方法>
(1)坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
(2)紙厚:JIS P 8118に準じて測定した。
(3)密度:JIS P 8118に準じて坪量と紙厚から求めた。
(4)PPSラフネス:ISO8791に準じて測定したPPS表面粗さ。ハードバッキングで測定した。
(5)ISO白色度:JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含む条件にて測定した。
(6)白色度:JIS P8148に基づき、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含まない条件にて測定した。
(7)白紙光沢度:JIS−P8142に基づいて測定した。
(8)封筒適正:剥離指数により評価した。
剥離指数は以下の手順にて測定した。
1)中央部に幅5mm、長さ70mmの開口部を有する厚さ40μmのPETフィルムを準備した。
2)評価する一組の紙サンプルを準備した。紙サンプルの寸法は、幅50mm、長さ100mmとした。
3)一方の紙サンプル(A)の上に1)のPETフィルムを重ね、開口部に厚さが40μmとなるように均一に糊(サイデン化学社製DBA163)を塗布した。
4)糊を塗布した後、その上に速やかにもう一方の紙サンプル(B)を重ね、4.17g/cmの荷重下で1分放置、その後荷重を解放し4分経過した後、手で剥離を行った。当該サンプル(A)について前述の方法に従い、剥離指数を求めた。
(9)インキ乾燥性
ローランド社製オフセット枚葉印刷機(4色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製NEX−M)を用い、印刷速度8000枚/hrでベタ部のインキ着肉濃度が墨2.00となるように印刷したあと、墨ベタ印刷部を印刷直後から10分ごとに指先で触り、インキ乾燥の速さの程度を官能評価した
A:良好
B:不良
(10)細孔容積
(i)サンプル調製と測定
窒素吸着法により、塗工紙の細孔容積、全細孔容積、平均細孔直径を求めた。
(サンプルの調製)
縦40cm×横15cmの紙サンプルを厚さ方向に均等になるよう2層に分割し、顔料塗工層と原紙層を含む積層体を得た。両面塗工紙の場合は当該積層体が2つ、片面塗工紙の場合は当該積層体が1つと主として原紙層からなる層が1つ得られる。顔料塗工層と原紙層を含む積層体をサンプルシートとして測定に使用した。両面塗工紙の場合はいずれか一方をサンプルシートとして測定に使用した。サンプルシートの坪量t(g/m)を測定した。1枚のサンプルシート中の任意の4点を選択し、短冊状に断裁した後、測定サンプルが絶乾重量1〜2g程度となるように測定セルに入れた。この時の絶乾重量をw(g)とした。真空状態、処理温度120℃で一晩前処理を行った。
(測定)
前記装置を用いて前記測定サンプルの顔料塗工層側から細孔容積および平均細孔直径を測定した。具体的には、脱着等温線よりBJH法を用いて前記測定サンプルの細孔容積および平均細孔直径を求め、4サンプルの平均値を取り、測定サンプルの細孔容積V’および平均細孔直径m’とした。細孔容積V’については単位塗工量当たりの値に換算して本発明の顔料塗工層の細孔容積Vとした。得られた平均細孔直径m’については、そのまま本発明の顔料塗工層の平均細孔直径mとした。測定サンプルの顔料塗工層重量は、顔料塗工層重量(g)=測定サンプルの絶乾重量w(g)×塗工量c(g/m)÷サンプルシートの坪量t(g/m)から算出した。塗工量c(g/m)は後述する測定方法により求めた。測定および解析には、株式会社島津製作所製トライスター3000を使用した。
(塗工量)
特許第5827187号に記載の方法に準じて、塗工量を測定した。具体的には以下の手順により測定した。
1)測定サンプル(紙)を5cm×5cmの大きさに切断し、温度23℃、相対湿度50%で調湿後重量xを測定した。
2)スチレンポリマー板上に顔料塗工層が接するように当該サンプルを置き、時計皿で挟みクリップで固定した。
3)120〜150℃の乾燥機に入れ、スチレンポリマーを溶融させ顔料塗工層と密着させ、放冷した後、温度23℃、相対湿度50%で約半日調湿して重量yを測定した。
4)前工程で得た測定サンプルを銅エチレンジアミン溶液に約3〜4時間浸漬した後、刷毛を用いて原紙層と顔料塗工層を慎重に剥離した。顔料塗工層に付着したパルプ繊維がなくなるまで、この工程を繰り返した。
5)顔料塗工層を水洗いし乾燥させ、温度23℃、相対湿度50%で約半日調湿後、重量zを測定した。
6)以下の式によって、塗工量を算出した。
塗工量c(g/m)=(x−A)×400
A=y−z
[実施例1]
化学パルプ100重量%を用い、紙中灰分が13.5重量%となるように軽質炭酸カルシウムを添加し、坪量97.9g/mの原紙を準備した。
顔料として第2の炭酸カルシウムである重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.88μm)55重量部および第1の炭酸カルシウムである微粒重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT100YF、D50=0.60μm)45重量部を用い、これに接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスを4重量部、酸化澱粉を6重量部、蛍光染料(カナジアジャパン社製、商品名:Canwhite TS 120 liq)を0.5重量部配合して、さらに水を加えて固形分濃度66重量%の顔料塗工液を得た。
前記原紙上に、当該顔料塗工液をブレードコーターで片面あたりの乾燥塗工量が15.0g/mとなるように両面塗工し、その後乾燥して印刷用塗工紙を得た。当該印刷用塗工紙について、前述の方法にて評価した。
[実施例2]
微粒重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT100YF)の代わりに、別の第1の炭酸カルシウムである微粒重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT100、50=0.66μm)を用い、かつ蛍光染料を用いなかった以外は、実施例1と同様にして顔料塗工液を調製し、これを上塗り用塗工液とした。
さらに、第2の炭酸カルシウムである重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.88μm)100重量部、接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスを7重量部、酸化澱粉を3重量部配合して、さらに水を加えて固形分濃度66重量%の下塗り顔料塗工液を得た。
前記原紙上に、下塗り顔料塗工液をブレードコーターで片面あたりの乾燥塗工量が6.5g/mとなるように両面塗工し乾燥した。次いで、当該原紙の上に、上塗り顔料塗工液をブレードコーターで片面あたりの乾燥塗工量が10.5g/mとなるように両面塗工し乾燥して印刷用塗工紙を得た。当該印刷用塗工紙について、前述の方法にて評価した。
[実施例3]
上塗り塗工液に、微粒重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT100、50=0.66μm)に代えて別の第1の炭酸カルシウムである微粒重質炭酸カルシウム(イメリス社製、商品名:カービラックス、D50=0.65μm)を用い、下塗り顔料塗工液の乾燥塗工量を7.5g/m、上塗り顔料塗工液の乾燥塗工量を9.5g/mとした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗工紙を製造し、評価した。
[実施例4]
顔料として自製苛性化軽質炭酸カルシウム(D50=1.38μm)100重量部を用い、これに接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスを2.5重量部、酸化澱粉を21重量部配合して、さらに水を加えて固形分濃度50重量%の下塗り顔料塗工液を得た。
顔料として第1の炭酸カルシウムである自製微粒苛性化軽質炭酸カルシウム(D50=0.64μm)45重量部および第2の炭酸カルシウムである自製苛性化軽質炭酸カルシウム(D50=1.02μm)55重量部を用い、これに接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスを4重量部および酸化澱粉を6重量部配合して、さらに水を加えて固形分濃度66重量%の上塗り顔料塗工液を得た。前記原紙上に、下塗り顔料塗工液をゲートロールコーターで片面あたりの乾燥塗工量が4.5g/mとなるように両面塗工し乾燥した。次いで、当該原紙の上に、上塗り顔料塗工液をブレードコーターで片面あたりの乾燥塗工量が10.5g/mとなるように両面塗工し乾燥して印刷用塗工紙を得た。当該印刷用塗工紙について、前述の方法にて評価した。
[比較例1]
原紙として、化学パルプ90重量%、脱墨パルプ10重量%、紙中灰分が13.5重量%となるように軽質炭酸カルシウムを添加し、坪量97.9g/mの原紙を準備した。
顔料として第2の炭酸カルシウムである重質炭酸カルシウム(株式会社ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.88μm)を100重量部、接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスを7.6重量部、酸化澱粉を6重量部配合して、さらに水を加えて固形分濃度66重量%の顔料塗工液を得た。
前記原紙上に、当該顔料塗工液をブレードコーターで片面あたりの乾燥塗工量が15.0g/mとなるように両面塗工し、その後乾燥して印刷用塗工紙を得た。当該印刷用塗工紙について、前述の方法にて評価した。
[比較例2]
微粒重質炭酸カルシウムの代わりに2級クレー(イメリス社製、商品名:KCS、D50=4.05μm)を用い、接着剤の量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして顔料塗工液を調製し、印刷用塗工紙を製造して評価した。
[比較例3]
微粒重質炭酸カルシウムの代わりに2級クレー(イメリス社製、商品名:KCS、D50=4.05μm)を用いた以外は、実施例1と同等にして顔料塗工液を調製し、印刷用塗工紙を製造して評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2018230681
表1に示すとおり、本発明の印刷用塗工紙は、インキ速乾性および封筒適正に優れていることが明らかである。
1 封筒
10 封筒用紙
20 貼合部

Claims (8)

  1. 原紙の少なくとも片面に、0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する炭酸カルシウムを含む顔料塗工層を備える、印刷用塗工紙。
  2. 前記顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記炭酸カルシウムを40重量部以上含む、請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 前記炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.50〜0.75μmである、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 前記原紙のパルプ100重量部中に、化学パルプを90重量部以上含む、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  5. 紫外線を含まない条件で測定した白色度が85%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  6. 白紙光沢度が40%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  7. 請求項1〜6に記載の印刷用塗工紙を用いた封筒用紙。
  8. 請求項7に記載の封筒用紙から製造される封筒。
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