JPWO2018179808A1 - 亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成させる、亜硝酸アルキルの製造方法において、反応温度が60℃〜100℃である、亜硝酸アルキルの製造方法を提供する。

Description

本開示は、亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置に関する。
亜硝酸アルキルを製造する方法として、一酸化窒素と酸素とアルカノールを反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1 、特許文献2)。
一酸化炭素と亜硝酸メチルから炭酸ジメチルを連続的に製造する方法においても、生成した一酸化窒素を酸素及びメタノールと反応させて亜硝酸メチルを再生する方法が知られている。このような方法では、硝酸を窒素源としてガスに同伴させて補給する技術が知られている(例えば、特許文献3)。
硝酸及びアルカノールを含有する水溶液を一酸化窒素ガスと接触させて亜硝酸アルキルを生成させる方法も知られている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
硝酸変換用反応器中で一酸化窒素と硝酸とアルコールを接触させて亜硝酸エステルを生成させる方法では、硝酸濃縮塔を用いて、硝酸変換用反応器の反応液を濃縮し、濃縮された反応液を硝酸変換用反応器に戻す技術が知られている。この技術では、硝酸変換用反応器中の硝酸濃度を向上することができる(例えば、特許文献6)。
特開平11−189570号公報 特開平6−298706号公報 特開平6−25104号公報 特許第4026521号公報 特許第4134777号公報 特許第6070695号公報
特許文献1及び特許文献2の製造方法においては、相当量の硝酸が副生するため、窒素成分のロスが大きくなる。このため、副生する硝酸を有効に再利用できる方法が求められている。また、特許文献1では、亜硝酸アルキル再生用反応塔の塔底液(硝酸を含有する)を抜き出して、これを該反応塔に冷却及び循環しながら亜硝酸アルキルを製造している。このため、硝酸と一酸化窒素とメタノールから亜硝酸メチルを効率よく生成させることは困難であった。
特許文献3の製造方法においては、硝酸の分解反応が効率的ではなく、また、適用できる温度範囲も限られるものであった。また、硝酸と一酸化窒素とメタノールから亜硝酸メチルを効率よく生成させることは困難であった。
特許文献4及び特許文献5の製造方法のように、一酸化窒素や一酸化炭素を用いて、硝酸を亜硝酸エステルに変換する方法を用いても、硝酸変換用反応器から排出される廃液中には相当量の硝酸が含まれている。このため、廃液中の硝酸濃度を低減することが困難であった。
特許文献6においては、硝酸濃縮塔を用いて、硝酸変換用反応器の反応液を濃縮し、濃縮された反応液を硝酸変換用反応器に戻している。これによって、硝酸変換用反応器中の硝酸濃度を向上させ、反応液中の硝酸の有効活用を図っている。
しかし、濃縮塔を使用する場合、濃縮塔の増設により設備費が必要となるうえ、濃縮するためのエネルギーも必要となる。一方で、濃縮塔を使用しない場合、硝酸を中和した後の廃液量が増加するため環境への負荷が大きくなる傾向にある。このような事情の中、濃縮塔を使用しなくても、廃液中の硝酸濃度を十分に低減できる技術を確立することが求められている。
そこで、本発明は、一つの側面において、硝酸を有効活用して亜硝酸アルキルを効率よく製造できる、工業的に好適な亜硝酸アルキルの製造方法を提供することを課題とする。本発明は、別の側面において、硝酸を有効活用して亜硝酸アルキルを効率よく製造できる、工業的に好適な亜硝酸アルキルの製造装置を提供することを課題とする。
本発明は、一つの側面において、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成させる、亜硝酸アルキルの製造方法において、反応温度が60℃〜100℃である、亜硝酸アルキルの製造方法を提供する。
上記製造方法によれば、硝酸、アルカノール及び一酸化窒素から亜硝酸アルキルを生成する反応が十分に進行する。このため、硝酸を有効活用して、亜硝酸アルキルを効率よく製造することができる。この製造方法は、硝酸が低濃度になるまで進行することから、硝酸濃縮塔を設けなくても、硝酸を有効活用することができる。したがって、上記製造方法は、工業的に好適な製造方法であるといえる。
上記アルカノールの濃度は、水溶液全体に対して50重量%〜80重量であってもよく、60重量%〜80重量%であってもよい。上述の製造方法は、水溶液とガスとを接触させて得られる反応液における硝酸濃度を1重量%以下に低減してもよい。アルカノールはメタノールを含んでもよい。水溶液中における硝酸の濃度は、水溶液全体に対して1重量%〜20重量%であってもよい。
上記製造方法は、60℃〜80℃の反応温度で亜硝酸アルキルを生成させる第1反応工程と、80℃〜100℃の反応温度で亜硝酸アルキルを生成させる第2反応工程とを有してもよい。第1反応工程におけるガス空塔速度が20mm/秒〜100mm/秒であり、第2反応工程におけるガス空塔速度が1mm/秒〜20mm/秒であってもよい。上記製造方法は、水溶液の流通方向に沿って2つ以上に区画された反応器を用いて前記亜硝酸アルキルを生成させてもよい。なお、「流通方向に沿って区画された」とは、反応器中の反応槽が直列に配設されていることを意味する。
反応器は、60℃〜80℃の温度範囲にある第1反応部と、第1反応部よりも下流側にあり、80℃〜100℃の温度範囲にある第2反応部と、を有してもよい。第1反応部におけるガス空塔速度が20mm/秒〜100mm/秒であり、第2反応部におけるガス空塔速度が1mm/秒〜20mm/秒であってもよい。第1反応部が反応器の最も上流側に位置し、第2反応部が反応器の最も下流側に位置してもよい。水溶液に対する、遷移金属を含む触媒の使用量が上記遷移金属に換算して0.1重量%未満であってもよい。第1反応部で第1反応工程を行うことが好ましく、第2反応部では第2反応工程を行うことが好ましい。
本発明は、別の側面において、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成させる反応器を備える亜硝酸アルキルの製造装置であって、反応器における反応温度が60℃〜100℃である亜硝酸アルキルの製造装置を提供する。
上記製造装置によれば、硝酸、アルカノール及び一酸化窒素から亜硝酸アルキルを生成する反応を十分に進行させることができる。このため、硝酸を有効活用して、亜硝酸アルキルを効率よく製造することができる。この製造装置は、反応器において硝酸が低濃度になるまで亜硝酸アルキルを生成できることから、硝酸濃縮塔を設けなくても、硝酸を有効活用することができる。したがって、上記製造装置は、工業的に好適な製造装置であるといえる。
反応器は、水溶液の流通方向に沿って区画された複数の反応部を有していてもよい。反応器は、第1反応部と、第1反応部よりも下流側に位置し、第1反応部よりも高い反応温度で前記亜硝酸アルキルを生成させる第2反応部とを有していてもよい。反応器では反応液における硝酸濃度を1重量%以下に低減してもよい。
本開示によれば、硝酸を有効活用して亜硝酸アルキルを効率よく製造できる、工業的に好適な亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置を提供することができる。この製造方法及び製造装置は、濃縮塔を使用しなくても、廃液中の硝酸濃度を十分に低減することができる。このため、設備費を低減することができる。
反応器の一例を示す概略図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本実施形態の亜硝酸アルキルの製造方法は、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成させる反応工程を有する。亜硝酸アルキルは、各種酸化プロセス(シュウ酸ジアルキル及び炭酸ジアルキル等の製造等)において有用な化合物である。
原料として用いられる硝酸及びアルカノールを含有する水溶液(以下、硝酸含有水溶液とも称する)において、硝酸濃度は特に制限されるものではなく、高濃度でも低濃度でもよい。工業的な効率を一層高くする観点から、硝酸濃度は当該水溶液全量に対して1重量%〜60重量%であってもよく、1重量%〜20重量%であってもよく、1〜10重量%であってもよい。
アルカノールの例としては、炭素数1〜3のアルカノール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール)が挙げられる。亜硝酸アルキルを工業的に好適に精製する観点から、アルカノールはメタノールを含むことが好ましく、メタノールのみからなることがより好ましい。但し、アルコールがメタノールのみからなる場合は、不可避的な不純物を含んでいてもよい。
アルカノールは水溶液に含有されている。アルカノールは水溶液に均一に溶解又は混合されていてもよい。アルカノールの濃度は特に制限されるものではなく、反応条件や装置に応じて適宜調整されてもよい。工業的な効率を一層高くする観点から、アルカノールの濃度は当該水溶液全量に対して50重量%以上であり、60重量%以上であり、65重量%以上であってもよい。水溶液におけるアルカノールの濃度は、5重量%〜90重量%であってもよく、50重量%〜90重量%であってもよく、50重量%〜85重量%であってもよく、50重量%〜80重量%であってもよく、60重量%〜80重量%であってもよく、60重量%〜75重量%であってもよい。
アルカノールの濃度が高い状態で、硝酸濃度が高い溶液と接触すると、硝酸アルキルが生成することが懸念される。本実施形態では、アルカノール及び硝酸の濃度を上述の範囲とすることによって、硝酸アルキルの生成を抑制することができる。アルカノールは、反応工程後の反応液から蒸留等により回収し、本実施形態の製造方法に再利用してもよい。
本実施形態で用いる一酸化窒素を含むガスは純粋な一酸化窒素ガスであってもよく、窒素等の不活性ガスで希釈された混合ガスであってもよい。このようなガスは反応系に供給される。混合ガスは、一酸化窒素を4体積%以上含有していることが好ましい。本開示における「体積%」は、標準状態(0℃、1atm)における体積比率である。混合ガスは、反応の進行を妨げないガス成分(一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール蒸気等)をさらに含んでいてもよい。
一酸化窒素を含むガスは、亜硝酸アルキルを効率よく生成させるために、ガス中に分子状酸素が存在することによって生成する窒素酸化物を含有していないことが好ましい。一酸化窒素を含むガスは、例えば、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、及び、分子状酸素を含有していないことが好ましい。なお、一酸化窒素は、硝酸1モルに対して1モル〜50モル、1.5モル〜20モル、又は2〜10モルの割合で用いてもよい。
一酸化窒素を含むガスのフィード量(供給量)は、反応器の容量1Lあたり、0.1NL/h〜500NL/hであってもよく、0.3NL/h〜300NL/hであってもよい。なお、反応器の形状、ガスにおける一酸化窒素の純度、反応温度、及び攪拌速度等に応じて、一酸化窒素を含むガスのフィード量を適宜調節してもよい。
反応工程では、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させる。これによって硝酸が一酸化窒素及びアルカノールと反応して、亜硝酸アルキルが生成する。効率よく水溶液中の硝酸濃度を低減する観点から、反応温度は0℃〜200℃であってもよく、20℃〜100℃であってもよく、60℃〜100℃であってもよい。反応温度が高くなり過ぎると、亜硝酸メチルがさらに反応して硝酸メチルが生成することがある。本実施形態では、上述のとおり、反応温度を高くしても、硝酸メチルの生成量を抑えることができる。
反応工程における圧力(反応圧力)は、大気圧〜20MPaGであってもよく、大気圧〜3MPaGであってもよく、0.2MPaG〜1MPaGであってもよい。本実施形態では、このように加圧下で反応を行ってもよい。反応工程で用いる硝酸及びアルカノールを含有する水溶液は、一酸化窒素を含むガス中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物を含有していないことが好ましい。
本実施形態において、水溶液中に遷移金属化合物を触媒として存在させてもよい。遷移金属化合物としては、周期表3〜11族金属の硝酸塩や酸化物等が挙げられる。具体的には、8族金属の硝酸塩としては、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルトが挙げられる。11族金属(1B金属)の硝酸塩としては、硝酸第二銅が挙げられる。その他の遷移金属化合物としては、マンガン、セリウム、ジルコニウム、コバルト、モリブデン及びバナジウムの酸化物等が挙げられる。触媒は、原料として用いる水溶液に対して、金属換算で20重量%以下であってもよく、10重量%以下であってもよく、0.1重量%〜10重量%であってもよい。
本実施形態では、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と、一酸化窒素を含むガスと接触させて亜硝酸アルキルを生成させることに十分な量の遷移金属を存在させることなく、亜硝酸アルキルを生成させることができる。亜硝酸アルキルを生成させるために十分な量とは、水溶液に対して金属換算で0.1重量%以上である。遷移金属化合物は活性炭、カーボンブラック、有機高分子、ゼオライト、メソポーラスシリケート、アルミナ、シリカ、粘土、珪藻土、及び軽石等の材料に担持されていてもよい。ただし、触媒を用いることは必須ではなく、水溶液中に触媒は含まれていなくてもよい。
亜硝酸アルキルを生成させることに十分な量の触媒を存在させることなく、亜硝酸アルキルを生成させることによって、材料費及び生成に必要な工程数を低減することができる。したがって、工業的に一層好適な亜硝酸アルキルの製造方法とすることができる。
反応工程は、液相で反応が進行する。反応工程は、バッチ式であってもよいし、連続式であってもよい。この反応工程は、反応器において行うことができる。反応工程は、水溶液を攪拌しながら反応させることが好ましい。反応器としては、例えば、攪拌機を有する攪拌槽、気液混合反応槽、充填塔、棚段塔又は気泡塔等であってもよい。反応器の種類はこれらに限定されず、上述したもの以外の一般的に知られているものを用いてもよい。このような反応器を使用することによって、効率よく硝酸、アルカノール及び一酸化窒素を反応させることができる。
反応工程では、反応器に硝酸及びアルカノールを含有する水溶液を供給し、水溶液中に一酸化窒素を含むガスを流通させながら常圧又は加圧下で水溶液を攪拌してもよい。或いは、反応器に一酸化窒素ガスを圧入して加圧下で水溶液を攪拌してもよい。このとき、一酸化窒素ガス中に分子状酸素が存在することにより生成する窒素酸化物が一酸化窒素を含むガスに含まれず、反応系に供給されないことが好ましい。窒素酸化物は、反応器に供給する硝酸及びアルカノールを含有する水溶液にも含まれていないことが好ましい。
反応工程は、複数段階に分かれていてもよい。各工程の温度は、上述の反応工程の温度範囲内において任意に設定してもよい。効率よく水溶液中の硝酸濃度を低減する観点から、反応工程は、例えば、60℃〜80℃の反応温度で亜硝酸アルキルを生成する第1反応工程と、80℃〜100℃の反応温度で亜硝酸アルキルを生成する第2反応工程とを有していてもよい。第1反応工程の反応温度は65℃〜75℃であってもよい。第2反応工程の反応温度は85℃〜95℃であってもよい。
反応工程が複数段階に分かれているとき、反応器は必ずしも配管等で区画されている必要はなく、同一反応器中で上述の温度範囲の領域があればよい。第1反応工程及び第2反応工程の前後に、別の温度範囲の反応工程があってもよい。第1反応工程は最も上流の反応部で実施されることが好ましく、第2反応工程は最も下流の反応部で実施されることが好ましい。なお、反応工程が複数段階に分かれているとき、「上流」及び「下流」は、1段目の反応槽から最終段の反応槽に向かう流通方向を基準とする位置関係を示す。
反応器は、複数の反応部に区画されていてもよい。反応器は、配管によって複数の反応部(反応槽)に区画されていてもよく、内壁又は堰等によって複数に区画されていてもよい。反応器を区画することによって形成される反応部の数は、反応の制御と経済性の観点から、2〜5であってもよいし、2〜3であってもよい。反応器に形成される複数の反応部は、図1に示されるように、原料である水溶液又は反応液の流通方向に沿って直列に配設されていることが好ましい。なお、処理能力向上の観点から、並列に配設されていてもよく、直列に配設された反応器を並列に配設してもよい。配設の仕方は、製造の目的、製造量、設備等に応じて、適宜調節することもできる。
図1は、反応器の一例を示す概略図である。反応器10は、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と、一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成する。反応器10は、直列に並ぶように3つの反応槽を有する。これらの反応槽を、上流側から、反応槽A、反応槽B及び反応槽Cと称する。反応槽Aと反応槽Bは第1接続部8によって接続され、反応槽Bと反応槽Cは第2接続部9によって接続されている。
反応槽A、反応槽B及び反応槽Cは、それぞれ、ガス供給ノズル5とガス抜き出しノズル6とを備える。反応槽Aは、液供給ノズル4が接続されている。液供給ノズル4からは、硝酸及びアルカノールを含有する水溶液が連続的に供給される。反応槽Aに供給された水溶液は、ガス供給ノズル5から連続的に供給される一酸化窒素を含むガスと接触する。反応槽Aにおいて、硝酸、アルカノール及び一酸化窒素は反応して亜硝酸アルキルを生成する。このようにして、反応槽Aでは、亜硝酸アルキルと、未反応の硝酸、アルカノールを含む反応液Aと、ガスAが得られる。ガス抜き出しノズル6から抜き出されるガスAは、亜硝酸アルキル及びアルカノールを含んでいてもよい。反応液Aにおける硝酸濃度は、4重量%以下であってもよく、3重量%以下であってもよい。
反応液Aは、反応槽Aから第1接続部8を経由して反応槽Bに供給される。反応槽Bでは、反応液Aと、ガス供給ノズル5から供給される一酸化窒素を含むガスと、が接触し、亜硝酸アルキルがさらに生成する。これによって、反応槽Bでは、反応液Aよりも硝酸及びアルカノールの濃度が低い反応液Bと、ガスBが得られる。ガス抜き出しノズル6から抜き出されるガスBは、亜硝酸アルキル及びアルカノールを含んでいてもよい。反応液Bにおける硝酸濃度は、2重量%以下であってもよく、1重量%以下であってもよい。
反応液Bは、反応槽Bから第2接続部9を経由して反応槽Cに供給される。反応槽Cでは、反応液Bと、ガス供給ノズル5から供給される一酸化窒素を含むガスと、が接触し、亜硝酸アルキルがさらに生成する。これによって、反応槽Cでは、反応液Bよりもアルカノール及び硝酸の濃度が低い反応液Cと、ガスCが得られる。ガス抜き出しノズル6から抜き出されるガスCは、亜硝酸アルキル及びアルカノールを含んでいてもよい。反応液Cにおける硝酸濃度は、1重量%以下であってもよく、0.5重量%以下であってもよい。反応液Cは、廃液として処理してもよい。
このように、反応器10を第1接続部8及び第2接続部9で区画して複数の反応部を設け、反応槽A,B,Cにおいて、第1反応工程,第2反応工程,第3反応工程を行ってもよい。これによって、原料である水溶液の硝酸濃度に応じて適切な反応条件を設定することが容易となる。したがって、十分に効率よく硝酸濃度を低減することができる。反応部及び反応工程の数は3つに限定されず、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
反応によって得られる亜硝酸アルキルは、ガスA、ガスB、ガスC及び反応液Cに含まれていてもよい。これらに含まれる亜硝酸アルキルは、蒸留塔等によって精製してもよいし、そのまま別のプロセスに用いてもよい。
直列に配設された複数の反応槽を有する反応器は、反応温度が60℃〜80℃である反応槽Aと、反応槽Aの下流側に反応温度が80℃〜100℃である反応槽Cとを有していてもよい。反応槽Aの反応温度は65℃〜75℃であってもよい。反応槽Cの反応温度は85℃〜95℃であってもよい。
反応器が、水溶液又は反応液の流通方向に沿って直列に配置される3つ以上の反応槽(反応部)を有する場合、最も上流側に位置する反応槽A(第1反応部)及び最も下流側に位置する反応槽C(第2反応部)以外の一つ又は複数の反応槽B(第3反応部)の反応温度は、反応槽Aの反応温度以上であり、反応槽Cの反応温度以下であることが好ましい。複数の反応槽(反応部)をこのように直列に並べることで、硝酸アルキル等の生成を十分に抑制することができる。したがって、硝酸を一層有効活用して亜硝酸アルキルを一層効率よく製造することができる。反応液Cにおける硝酸アルキル等の濃度は500重量ppm以下であってもよく、300重量ppm以下であってもよく、100重量ppm以下であってもよい。
硝酸濃度が1重量%以上の反応器(反応槽)においては反応温度を60℃〜80℃としてもよく、65〜75℃としてもよい。硝酸濃度が1重量%未満の反応器(反応槽)においては反応温度を80℃〜100℃としてもよく、85〜95℃としてもよい。これによって、一層効率的に硝酸から亜硝酸アルキルを製造することができる。
水溶液又は反応液の流通方向に沿って、反応器に複数の反応槽を直列に配置する場合、最も上流側の第1反応部(反応槽A)のガス空塔速度は20mm/秒〜100mm/秒であってもよいし、30mm/秒〜80mm/秒であってもよい。最も下流側の第2反応部(反応槽C)のガス空塔速度は、1mm/秒〜20mm/秒であってもよいし、5mm/秒〜15mm/秒であってもよい。
反応器に3つ以上の反応部が直列に配置される場合、最も上流側に配置される第1反応部(反応槽A)及び最も下流側に配置される第2反応部(反応槽C)以外の反応部(例えば反応槽B)のガス空塔速度は、第2反応部のガス空塔速度以上、且つ、第1反応部のガス空塔速度以下であってもよい。以上のようなガス空塔速度とすることで、硝酸を一層有効活用して亜硝酸アルキルを一層効率よく製造することができる。
硝酸濃度が1重量%以上の反応器(反応部)においては、ガス空塔速度を20mm/秒〜100mm/秒としてもよいし、30mm/秒〜80mm/秒としてもよい。硝酸濃度が1重量%未満の反応器(反応部)においてはガス空塔速度を1mm/秒〜20mm/秒としてもよいし、5mm/秒〜15mm/秒としてもよい。このようなガス空塔速度とすることで、一層効率的に亜硝酸アルキルを製造することができることがある。本開示におけるガス空塔速度とは、反応器(反応部)を管状としたときの、反応器(反応部)の断面に基づくガス速度を示す。なお、断面が一定ではない場合、その平均値でガス空塔速度を求めることができる。
反応器(反応部)における滞留時間は、反応条件及び反応器(反応部)の容積に応じて適宜変更してもよい。反応器の総滞留時間は、1時間〜20時間程度であってもよく、2時間〜10時間程度であってもよい。各反応部における反応液の滞留時間は、各反応部での反応温度と転化率にもよるが、収率と品質の観点から、下流側の反応部(第2反応部)の滞留時間を、上流側の反応部(第1反応部)の滞留時間よりも長く設定してもよい。
本開示には、以下の実施形態が含まれる。
(1)硝酸及びアルカノールを含有する水溶液を一酸化窒素ガスと接触させて亜硝酸アルキルを生成させることを特徴とする亜硝酸アルキルの製造方法において、反応温度が60℃〜100℃である、亜硝酸アルキルの製造方法。
(2)アルカノールの濃度が、水溶液全体に対して、50重量%〜80重量%である、上記(1)に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
(3)アルカノールがメタノールである、上記(1)又は(2)に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
(4)硝酸の濃度が、水溶液全体に対して、1重量%〜20重量%である、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
(5)直列に配設した2段以上の多段の反応槽を用いる、下記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
(6)多段の反応槽を用いたとき、1段目の反応槽においては、反応温度を60℃〜80℃とし、最終段の反応槽においては、反応温度を80℃〜100℃とする、上記(5)に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
(7)多段の反応槽を用いたとき、1段目の反応槽においては、ガス空塔速度を20mm/秒〜100mm/秒とし、最終段の反応槽においては、ガス空塔速度を1mm/秒〜20mm/秒とする、上記(5)又は(6)に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
(8)硝酸及びアルカノールを含有する水溶液を一酸化窒素ガスと接触させて亜硝酸アルキルを生成させることに十分な量の遷移金属を含まない、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
上記各実施形態の亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置によれば、例えば、一酸化窒素と酸素とアルカノールを出発物質とする亜硝酸アルキルの製造方法における副生硝酸等を有効活用して、亜硝酸アルキルを効率よく製造することができる。この製造方法及び製造装置は、濃縮塔を使用しなくても、最終的に得られる反応液中の硝酸濃度を十分に低減することができる。このため工業的なスケールでの亜硝酸エステルの製造に特に好適である。反応液中の硝酸濃度は例えば1.0重量%以下に低減することも可能である。別の幾つかの実施形態では、さらに硝酸濃度を低減するために濃縮塔を設けてもよい。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、反応器は、図1のような攪拌槽型のものに限定されない。例えば、反応器は、充填塔又はシーブトレイ等のトレイを備える多段塔形式であってもよい。反応が気液接触反応であるため、攪拌機能を有するものであることが好ましい。攪拌槽型反応器を用いる場合は、攪拌性、及びガスの分散性を向上する観点から、羽根形状の攪拌機と回転装置等を有する、気液接触効率の高い反応器を用いることが好ましい。反応器が多段塔形式である場合、反応器は気液接触効率の高い充填材を有することが好ましい。生成した亜硝酸アルキルは、ガスに同伴させて反応系外に導出して(必要に応じて洗浄等により精製して)、他の反応に利用してもよい。
本開示の製造方法及び製造装置は、アルカノールの沸点及び溶解度、並びに反応性に応じて、適宜条件を変更してもよい。上記反応条件等は、特に、硝酸及びメタノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸メチルを生成させる方法に好適に適用される。
実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、硝酸濃度はイオンクロマトグラフィー及び滴定により、その他はガスクロマトグラフィーによりそれぞれ分析した。
<実施例1>
攪拌機(パドル式攪拌羽根4枚付き)、ガス供給ノズル、ガス抜き出しノズル、液抜出しノズルを備えた1Lのオートクレーブを準備した。このような通気攪拌槽である反応槽に、硝酸及びメタノール(MeOH)を含む水溶液を800g入れた。この水溶液における硝酸濃度は2重量%、メタノール濃度は65重量%であった。反応槽を窒素ガスでパージした後、反応槽の内部を窒素ガスで0.3MPaGまで昇圧した。
次いで、攪拌下(1100rpm)、一酸化窒素ガスと窒素ガスの混合ガス(一酸化窒素の濃度:10体積%)を、ガス供給ノズルから1NL/hで供給しながら上記水溶液の温度を65℃まで昇温した。反応槽の圧力は、ガス抜き出しノズルからのガスの抜き出し量を調節することによって、0.3MPaGに維持した。水溶液の温度が65℃(反応温度)に到達した後、その反応条件で反応を5時間継続して行った後に、反応液中の硝酸濃度を測定した。その結果、硝酸濃度は0.6重量%であった。実験条件及び結果は表1のとおりである。
反応槽のガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、10体積%であった。
<実施例2>
反応温度を75℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、10体積%であった。
<実施例3>
反応温度を85℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、10体積%であった。
<実施例4>
反応温度を95℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、10体積%であった。
<比較例1>
反応温度を50℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、10体積%であった。
<実施例5>
メタノール濃度を55重量%としたこと以外は、実施例1と同様に行った。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、9体積%であった。
<実施例6>
メタノール濃度を75重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、11体積%であった。
<実施例7>
メタノール濃度を45重量%とした以外は、実施例1と同様にした。実験条件、結果は表1のとおりである。ガス抜き出しノズルから抜き出されたガス中の亜硝酸メチルの濃度は、8体積%であった。
Figure 2018179808
<実施例8>
図1のように、攪拌機(パドル式攪拌羽根4枚付き)、液供給ノズル、ガス供給ノズル、ガス抜き出しノズル、昇温用温水ジャケット、オーバーフローによる液抜出しノズルを備えた3つの1Lのオートクレーブを直列に接続した。このように3つの通気攪拌槽を備える反応器を使用して、以下の手順で亜硝酸メチルを製造した。具体的には、3つの通気攪拌槽(反応槽A、反応槽B及び反応槽C)のそれぞれに、硝酸及びメタノールを含む水溶液を800g入れた。各水溶液における硝酸濃度は6重量%、メタノール濃度は65重量%であった。各反応槽を窒素ガスでパージした後、各反応槽の内部を窒素ガスで0.3MPaGまで昇圧した。これ以降、各反応槽の圧力は、ガス抜き出しノズルからのガスの抜き出し量を調節することによって、0.3MPaGに維持した。
次いで、攪拌下(1100rpm)、一酸化窒素ガスと窒素ガスの混合ガス(一酸化窒素の濃度:10体積%)を、各ガス供給ノズルから各反応槽に供給した。反応槽Aにおけるガス空塔速度が60mm/秒、反応槽Bにおけるガス空塔速度が15mm/秒、反応槽Cにおけるガス空塔速度が10mm/秒となるように、上記混合ガスを供給しながら、反応槽Aを70℃、反応槽Bを80℃、反応槽Cを90℃まで昇温した。以降、各反応槽をこれらの温度(反応温度)に維持した。
昇温後、反応槽Aの液供給ノズルから、硝酸及びメタノールを含む水溶液を500g/時間の速度で連続的に供給した。水溶液における硝酸濃度は6重量%、メタノール濃度は65重量%であった。反応槽Aにおける溶液が所定量以上になると、溶液は、反応槽Aから、第1接続部、反応槽B、第2接続部及び反応槽Cを順次通過して、反応槽Cの液排出ノズルから排出された。このようにして、反応槽A、反応槽B及び反応槽Cの液面を一定に維持しながら反応を継続して行った。
各反応槽内の反応が安定化した後、反応槽Cの液抜き出しノズルから排出された反応液(廃液)中の硝酸濃度及び硝酸メチルの濃度を測定した。その結果、硝酸濃度は0.1重量%であり、硝酸メチル濃度は10重量ppm以下であった。また、第1接続部及び第2接続部における溶液(反応液A及び反応液B)の硝酸濃度を測定した。その結果、第1接続部(反応液A)の硝酸濃度は2.2重量%であり、第2接続部(反応液B)の硝酸濃度は0.8重量%であった。このように、溶液中の硝酸濃度は段階的に低減されていることが確認された。
各反応槽のガス抜き出しノズルから抜き出されたガスを合流して得た合流ガス中の亜硝酸メチルの濃度は、9.6体積%であった。実験条件及び結果は表2のとおりである。
<実施例9>
反応槽A、反応槽B及び反応槽Cの反応温度を全て70℃としたこと以外は、実施例8と同様にした。結果は表2のとおりである。
<実施例10>
反応槽A、反応槽B及び反応槽Cの反応温度を全て90℃としたこと以外は、実施例8と同様にした。結果は表2のとおりである。
Figure 2018179808
本開示の亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置によれば、濃縮塔を使用しなくても、廃液中の硝酸濃度を十分に低減することができる。そして、亜硝酸アルキルを効率よく製造できる、工業的に好適な亜硝酸アルキルの製造方法及び製造装置を提供することができる。亜硝酸アルキルは、各種酸化プロセス(シュウ酸ジアルキル、炭酸ジアルキル等の製造)において有用な化合物である。
A,B,C…反応槽、4…液供給ノズル、5…ガス供給ノズル、6…ガス抜出ノズル、7…液抜出ノズル、8…第1接続部、9…第2接続部、10…反応器、M:攪拌機。

Claims (17)

  1. 硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成させる、亜硝酸アルキルの製造方法において、
    反応温度が60℃〜100℃である、亜硝酸アルキルの製造方法。
  2. 前記アルカノールの濃度が、前記水溶液全体に対して50重量%〜80重量%である、請求項1に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  3. 前記アルカノールの濃度が、前記水溶液全体に対して60重量%以上である、請求項1又は2に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  4. 前記水溶液と前記ガスとを接触させて得られる反応液における硝酸濃度を1重量%以下に低減する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  5. 前記アルカノールはメタノールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  6. 前記水溶液中における前記硝酸の濃度が、前記水溶液全体に対して、1重量%〜20重量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  7. 60℃〜80℃の反応温度で前記亜硝酸アルキルを生成させる第1反応工程と、80℃〜100℃の反応温度で前記亜硝酸アルキルを生成させる第2反応工程とを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  8. 前記第1反応工程におけるガス空塔速度が20mm/秒〜100mm/秒であり、
    前記第2反応工程におけるガス空塔速度が1mm/秒〜20mm/秒である、請求項7に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  9. 前記水溶液の流通方向に沿って2つ以上に区画された反応器を用いて前記亜硝酸アルキルを生成させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  10. 前記反応器は、60℃〜80℃の温度範囲にある第1反応部と、前記第1反応部よりも下流側にあり、80℃〜100℃の温度範囲にある第2反応部と、を有する、請求項9に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  11. 前記第1反応部におけるガス空塔速度が20mm/秒〜100mm/秒であり、
    前記第2反応部におけるガス空塔速度が1mm/秒〜20mm/秒である、請求項10に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  12. 前記第1反応部が前記反応器の最も上流側に位置し、前記第2反応部が前記反応器の最も下流側に位置する、請求項10又は11に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  13. 前記水溶液に対する、遷移金属を含む触媒の使用量が前記遷移金属に換算して0.1重量%未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造方法。
  14. 硝酸及びアルカノールを含有する水溶液と一酸化窒素を含むガスとを接触させて亜硝酸アルキルを生成させる反応器を備える亜硝酸アルキルの製造装置であって、
    前記反応器における反応温度が60℃〜100℃である亜硝酸アルキルの製造装置。
  15. 前記反応器は、前記水溶液の流通方向に沿って区画された2つ以上の反応部を有する、請求項14に記載の亜硝酸アルキルの製造装置。
  16. 前記反応器は、第1反応部と、前記第1反応部よりも下流側に位置し、前記第1反応部よりも高い反応温度で前記亜硝酸アルキルを生成させる第2反応部とを有する、請求項14又は15に記載の亜硝酸アルキルの製造装置。
  17. 前記反応器では反応液における硝酸濃度を1重量%以下に低減する、請求項14〜16のいずれか一項に記載の亜硝酸アルキルの製造装置。
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