JPWO2018092386A1 - カテーテルおよびカテーテルの製造方法 - Google Patents

カテーテルおよびカテーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

遠位側と近位側で硬度が異なる樹脂材料の接合強度を良好に維持でき、接合部の剥離を効果的に抑制できるカテーテルおよびカテーテルの製造方法を提供する。ガイディングカテーテル(20)の内腔に引き抜き可能に配置されて当該ガイディングカテーテル(20)とともに使用される内カテーテル(30)であって、遠位側に位置する樹脂製の遠位管状部(71)と、遠位管状部(71)よりも硬度が高い樹脂製であり、遠位側の端部が遠位管状部(71)の近位側の端部に結合された近位管状部(72)と、を有し、近位管状部(72)の遠位側の端部は、遠位側へ向かって外径が徐々に減少して遠位管状部(71)の径方向内側に位置するテーパ部(75)と、テーパ部(75)の近位側の部位から遠位側へ向かって突出して遠位管状部(71)の近位側端部の径方向外側を囲む被覆部(76)とを有し、遠位管状部(71)は、テーパ部(75)および被覆部(76)に挟まれる楔部(77)を有する。

Description

本発明は、カテーテルおよびカテーテルの製造方法に関する。
近年、手首の橈骨動脈からカテーテルを挿入するTRI(Trans−Radial Intervention)により、下肢動脈の治療を行う手技が行われている。このようなTRIを用いた手技は、患者の術後負担が小さいことから普及が進んでいるが、同様の手技を下肢動脈に応用しようとすると、生体管腔への挿入部位から病変部位までの距離が長いため、長尺なガイディングカテーテルを使用する必要がある。
橈骨動脈は、大腿動脈等と比較して細いため、ガイディングカテーテルの外径は必然的に細くなる。一方、ガイディングカテーテルに挿入される処置用カテーテルは、治療部位等の目的部位で十分な効果を発揮するために、より大きい外径のものが求められている。そのため、処置用カテーテルが挿入されるガイディングカテーテルは、より大きい内径のものが求められている。したがって、ガイディングカテーテルは、肉薄となり、剛性が不十分であるために、目的部位へ到達できない可能性が生じる。また、肉薄のガイディングカテーテルは、折れ曲がりやすいため、血管の屈曲部でキンクしやすい。
そこで、近年、ガイディングカテーテルの到達性を向上させるために、ガイディングカテーテルの内側に他のカテーテルを挿入したカテーテル組立体が使用されている。ガイディングカテーテルの内腔に内カテーテルを挿入し、内カテーテルの内腔にガイドワイヤを挿入することで、ガイディングカテーテルとガイドワイヤとの間の隙間を内カテーテルによって補填し、ガイディングカテーテルの耐キンク性および到達性を向上させることができる。
ところで、カテーテルの近位部は、目的の位置まで到達させるために、比較的硬い樹脂により形成される。そして、カテーテルの遠位部は、血管壁を傷つけずに目的の位置まで進めるように、柔らかい樹脂により形成される。例えば、特許文献1には、硬い樹脂の遠位側に、柔らかい樹脂を接合したカテーテルが記載されている。
米国特許第6197015号明細書
硬度差がある2つの管体を端面同士で融着する場合、樹脂の硬度差に伴う融点差の影響により、結合が安定せず、軸方向へ引っ張り荷重を作用させると、破断するまでの強度と破断伸びが安定しない。また、接合が不十分であると、接合部を折り曲げた際に、折れることもあり得る。カテーテルが生体内で破損すると、カテーテルを使用できなくなるとともに、異物が体内に残るおそれがあり、望ましくない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遠位側と近位側で硬度が異なる樹脂材料の接合強度を良好に維持でき、接合部の剥離を効果的に抑制できるカテーテルおよびカテーテルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るカテーテルは、ガイディングカテーテルの内腔に引き抜き可能に配置されて当該ガイディングカテーテルとともに使用されるカテーテルであって、遠位側に位置する樹脂材料からなる遠位管状部と、前記遠位管状部よりも硬度が高い樹脂製であり、遠位側の端部が前記遠位管状部の近位側の端部に結合された近位管状部と、を有し、前記近位管状部の遠位側の端部は、遠位側へ向かって外径が徐々に減少して前記遠位管状部の径方向内側に位置するテーパ部と、前記テーパ部の近位側の部位から遠位側へ向かって突出して前記遠位管状部の近位側の端部の径方向外側を囲む被覆部と、を有し、前記遠位管状部は、前記テーパ部および被覆部に挟まれる楔部を有する。
上記のように構成したカテーテルは、近位管状部にテーパ部および被覆部が形成されているため、遠位管状部と近位管状部の接触面積が大きくなる。このため、接合部の引張強度および破断伸びが向上し、接合強度が向上して安定する。このため、接合部の接合強度を良好に維持でき、接合部の剥離を効果的に抑制できる。また、硬度の低い遠位管状部の楔部を、硬度の高い被覆部が囲んでいるため、テーパ部の径方向外側に配置される硬度の低い楔部が、テーパ部から剥がれることを効果的に抑制できる。
前記楔部の近位側の端部である近位頂部から前記カテーテルの内周面までの距離は、前記近位頂部から前記カテーテルの外周面までの距離よりも大きくてもよい。これにより、硬度の低い遠位管状部を覆う硬度の高い被覆部の比率が、テーパ部に対して大きくなり過ぎず、遠位管状部と被覆部の間に引っ張り力が集中することを抑制できる。また、硬度の低い遠位管状部の内側に位置するテーパ部の比率が、被覆部に対して大きくなるため、テーパ部の径方向外側で遠位管状部をテーパ部に沿って滑らかに曲げることができる。このため、遠位管状部と近位管状部の間での剥離の発生を効果的に抑制できる。
前記被覆部は、遠位側の端部に、径方向内側へ突出する突出部を有してもよい。これにより、突出部が遠位管状部に対して径方向内側へ向かって食い込む。このため、遠位管状部と近位管状部が強固に連結され、遠位管状部と近位管状部の間での剥離の発生をより効果的に抑制できる。
上記目的を達成する本発明に係るカテーテルの製造方法は、ガイディングカテーテルの内腔に引き抜き可能に配置されて当該ガイディングカテーテルとともに使用されるカテーテルの製造方法であって、樹脂製の第1の管体と、前記第1の管体よりも融点および硬度が高い樹脂製であり、外径が端部に向かって徐々に減少するテーパ部を備えた第2の管体を準備するステップと、前記第1の管体の端部の開口部に前記第2の管体のテーパ部を部分的に挿入するステップと、前記第1の管体および第2の管体を熱収縮チューブで覆うステップと、前記第1の管体および第2の管体とともに前記熱収縮チューブを加熱して収縮させ、前記第1の管体および第2の管体の一部を流動させて融着し、前記テーパ部の径方向外側に前記第1の管体からなる楔部を形成し、当該楔部の径方向外側に前記第2の管体からなる被覆部を形成するステップと、を有する。
上記のように構成したカテーテルの製造方法は、融点が低い第1の管体に融点が高い第2の管体のテーパ部を部分的に挿入する。このため、熱収縮チューブで覆って加熱することで、流動しやすい第1の管体の材料が、熱収縮チューブによって移動範囲を規制されつつ移動し、テーパ部を押圧して変形させる。これにより、第2の管体の一部が第1の管体の径方向外側を覆うように流動し、テーパ部の径方向外側に位置する楔部を覆う被覆部を形成できる。また、本製造方法は、融点差が大きく高い接合強度を得難い遠位管状部および近位管状部を、高い接合強度で、再現性を有しつつ安定して製造できる。
カテーテル組立体を示す平面図である。 実施形態に係る内カテーテルおよびガイディングカテーテルを示す平面図である。 カテーテル組立体の近位部を示す断面図である。 カテーテル組立体の遠位部を示す断面図である。 内カテーテルの接合部を示す断面図である。 内カテーテルの製造方法を説明するための平面図であり、(A)は第2の管体にテーパ部を形成した状態、(B)は第1の管体に第2の管体を接触させた状態、(C)は第1の管体と第2の管体の融着が完了した状態を示す。 内カテーテルの製造方法を説明するための断面図であり、(A)は第1の管体に第2の管体を接触させた状態、(B)は第1の管体と第2の管体を融着している途中の状態、(C)は融着が完了した状態を示す。 カテーテル組立体を橈骨動脈から挿入して下肢動脈へ到達させた状態を示す図である。 第1の変形例である内カテーテルの接合部を示す断面図である。 第2の変形例である内カテーテルの接合部を示す断面図である。 実施例の引張強度および破断伸びを示すグラフである。 実施例および比較例の引張強度および破断伸びを示すグラフである。 製造した内カテーテルを中心軸に沿って切断した断面を撮影した写真である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。以下の説明において、内カテーテルの手元側を「近位側」、生体内へ挿入される側を「遠位側」と称することとする。
本発明の実施形態に係る内カテーテル30(カテーテル)は、ガイディングカテーテル20と組み合わせて、カテーテル組立体10として使用される。カテーテル組立体10は、図1、2に示すように、カテーテル組立体10は、ガイディングカテーテル20の内腔に内カテーテル30を挿入した状態で、図8に示すように、経皮的に橈骨動脈V1に挿入される。そして、カテーテル組立体10は、下行大動脈V2(胸部大動脈および腹部大動脈)を通り、下肢動脈V3へ押し込まれる。カテーテル組立体10の遠位部が下肢動脈V3の目的部位に到達した後、内カテーテル30をガイディングカテーテル20から抜去する。これにより、ガイディングカテーテル20の内腔を利用して、バルーンカテーテルなどの処置用カテーテルや、造影剤、薬液、生理食塩水等の各種液体等を目的部位へ導入可能となる。内カテーテル30は、ガイディングカテーテル20とガイドワイヤ120との間の隙間を補填し、カテーテル組立体10の耐キンク性、押し込み性、操作性等を向上させるとともに、ガイディングカテーテル20の遠位端とガイドワイヤ120の間に段差が生じることを抑制して、血管の損傷を低減させる。
ガイディングカテーテル20は、管状のガイディングカテーテル本体40と、ガイディングカテーテル本体40の基端に固着されたガイディングカテーテルハブ50と、耐キンクプロテクタ60とを備えている。内カテーテル30は、ガイディングカテーテル本体40内に挿入可能な内カテーテル本体70と、内カテーテル本体70の基端に配置される内カテーテルハブ80とを備えている。
内カテーテル本体70をガイディングカテーテルハブ50の基端側へ挿入して、ガイディングカテーテルハブ50および内カテーテルハブ80を接触させて連結し、後述するロック機構により固定すると、図1に示すように、ガイディングカテーテル20および内カテーテル30が組み立てられた状態(組立状態)となる。なお、ロック機構は設けられなくてもよい。
まず、ガイディングカテーテル20について説明する。ガイディングカテーテル20のガイディングカテーテル本体40は、図2〜4に示すように、可撓性を有する管状体で構成されており、そのほぼ中心部には、ガイディングカテーテル本体40の全長にわたって、ガイディングカテーテル内腔41が形成されている。
ガイディングカテーテル本体40は、ガイディングカテーテル内腔41内にて内表面を形成する内層42と、外表面を形成する外層43と、内層42および外層43の間に位置する補強層44と、外層43の先端側に設けられた柔軟性に富む先端チップ45と、を備えている。なお、内層42は先端チップ45まで延びていてもよい。
外層43の構成材料は、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を挙げることができる。
内層42の構成材料は、ガイディングカテーテル内腔41内に処置用カテーテルやガイドワイヤ等のデバイスを挿入する際に、少なくともこれらのデバイスと接する部分が低摩擦となるような材料で構成されていることが好ましい。これにより、ガイディングカテーテル本体40に対し挿入されたデバイスを、より小さい摺動抵抗で軸線方向へ移動させることができ、操作性が向上する。もちろん、内層42全体が低摩擦材料で構成されていてもよい。低摩擦材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂材料が挙げられる。
補強層44は、ガイディングカテーテル本体40を補強するためのものであり、複数の補強線からなる補強材を有している。補強層44における複数の補強線の隙間には、外層43あるいは内層42の材料が入り込む構成となっている。補強材としては、例えば、補強線をらせん状や網状にしたものが挙げられる。補強線は、ステンレス鋼、NiTi等の金属で構成されている。
このような補強層44を有することにより、ガイディングカテーテル本体40の壁厚を増大することなく、すなわちガイディングカテーテル本体40の内径を比較的大きくしつつ、十分な剛性と強度を確保することができる。その結果、比較的大きい外径の処置用カテーテルが挿入可能であり、かつ、押し込み性およびトルク伝達性に優れ、キンクや潰れが生じ難いガイディングカテーテル20が得られる。
先端チップ45は、外層43よりも柔軟に形成される。これにより、組立状態のカテーテル組立体10の体内への挿入時に、ガイディングカテーテル本体40の先端による血管の損傷を低減させることができる。
先端チップ45の構成材料は、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
ガイディングカテーテル本体40の外径は、例えば1.7〜2.6mm、好ましくは2.2mm〜2.5mm、より好ましくは2.3mm〜2.4mmである。外径が大きすぎると、ガイディングカテーテル本体40を動脈に挿通し、走行させる際の操作性が低下し、また、患者の負担が増大するおそれがある。
また、ガイディングカテーテル本体40の内径は、例えば1.5〜2.4mm、好ましくは2.0mm〜2.3mmより好ましくは2.15mm〜2.25mmである。内径が小さすぎると、それに応じてガイディングカテーテル本体40内に挿入可能な処置用カテーテル等も外径が小さいものとなり、挿入して用いる処置用デバイスの選択の幅が制限されてしまい、好ましくない。
ガイディングカテーテル本体40の長さは、橈骨動脈V1から挿入して下肢動脈V3へ到達できるように、1200mm以上であり、好ましくは1300mm〜1600mmであり、より好ましくは1500mmである。
ガイディングカテーテルハブ50は、ガイディングカテーテル本体40の基端に固着されている。ガイディングカテーテルハブ50は、ガイディングカテーテル内腔41と連通するガイディングカテーテルハブ内腔54を有している。ガイディングカテーテルハブ内腔54は、近位側のガイディングカテーテルハブ開口部55で開口している。ガイディングカテーテルハブ50の近位部の外周面には、雄ねじ部53が形成されている。雄ねじ部53は、内カテーテルハブ80に回転可能に設けられる後述の螺合部81に形成される雌ねじ部82と螺合可能である。雄ねじ部53および雌ねじ部82は、ガイディングカテーテルハブ50および内カテーテルハブ80を連結した状態を保持するロック機構を構成する。
ガイディングカテーテルハブ50の構成材料は、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)が挙げられる。
このようなガイディングカテーテルハブ50は、組立状態においてガイディングカテーテルハブ開口部55から内カテーテル30が挿入されているが、内カテーテル30を抜去した後には、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル類(例えば、バルーンカテーテルやステント留置用カテーテル)、内視鏡、超音波プローブ、温度センサー等の長尺物(線状体)を挿入または抜去したり、造影剤(X線造影剤)、薬液、生理食塩水等の各種液体を注入したりすることができる。
耐キンクプロテクタ60は、ガイディングカテーテル本体40およびガイディングカテーテルハブ50を連結している部分を覆うように取り付けられ、当該部位におけるガイディングカテーテル20のキンクを抑制する。
次に、本実施形態に係る内カテーテル30について説明する。内カテーテル30に設けられる内カテーテル本体70は、図2〜5に示すように、遠位側に位置する遠位管状部71と、遠位管状部71の近位側に位置する近位管状部72を備えている。内カテーテル本体70の中心部には、軸線に沿って先端から基端へ貫通する内カテーテル内腔74が形成されている。内カテーテル本体70の外径は、ガイディングカテーテル本体40の内径と略一致する。なお、内カテーテル本体70がガイディングカテーテル本体40内に挿入可能かつ引き抜き可能であれば、内カテーテル本体70の外径は、ガイディングカテーテル本体40の内径と一致しなくてもよい。そして、内カテーテル本体70がガイディングカテーテル本体40内に配置されることで、内カテーテル本体70の外表面が、ガイディングカテーテル本体40の内表面と隙間なく接し、若しくは、微小な隙間を介して隣接する。
組立状態において、遠位管状部71の遠位部は、ガイディングカテーテル本体40から遠位側へ突出している。したがって、遠位管状部71は、カテーテル組立体10を血管内で押し進める際に、最も遠位側に位置し、血管壁に接触しやすい。遠位管状部71は、近位管状部72よりもショアD硬度および曲げ剛性が低い。ショアD硬度は、ISO868に準じて測定されるデュロメータ試験による硬度である。遠位管状部71は、近位管状部72よりも柔軟であり、曲げ剛性が低いため、接触する血管壁が損傷することを抑制する。遠位管状部71の遠位側の端部の外周面は、接触する生体組織が損傷しないように、曲率を有して滑らかに形成されている。
近位管状部72は、遠位管状部71よりも曲げ剛性およびショアD硬度が高い。近位管状部72は、太く直線的な下行大動脈V2を通過でき、かつ遠位管状部71に押し込み力を伝達できるように、ある程度強直であることが好ましい。近位管状部72が柔らか過ぎると、下行大動脈V2のような太い血管の内部で近位管状部72が撓み、方向が定まらず、押し込み力を効果的に伝達できない。
硬度が大きく異なる遠位管状部71と近位管状部72は、隣接して融着されている。高い押し込み性を発揮する近位管状部72が、高い追従性を発揮する遠位管状部71に直接連結されていることで、近位管状部72は、長く直線的な下行大動脈V2の先に位置する蛇行した腸骨動脈等を移動する遠位管状部へ、押し込み力を効果的に伝達できる。
近位管状部72の遠位側の端部は、遠位側へ向かって外径が徐々に減少するテーパ部75と、テーパ部75の近位側から遠位側へ向かって突出する被覆部76とを有している。テーパ部75は遠位管状部71の近位側端部の径方向内側に位置している。被覆部76は、遠位管状部71の近位側端部の径方向外側を囲んでいる。遠位管状部71の近位側端部には、テーパ部75および被覆部76に挟まれて近位側へ突出する楔部77が形成されている。楔部77の近位側の端部である近位頂部78から内カテーテル30の内周面までの距離D1は、近位頂部78から内カテーテル30の外周面までの距離D2よりも大きい。なお、内カテーテル30の内周面までの距離D1は、近位頂部78から内カテーテル30の外周面までの距離D2以下とすることもできる。
近位管状部72は、遠位管状部71よりも高い融点を有している。融着可能な樹脂材料は、通常、近い構造を有しており、融点が高いほど硬度が高い。このため、硬度の高い近位管状部72の融点が硬度の低い遠位管状部71の融点よりも高くなるように、材料を設定することが容易である。融点差は、特に限定されないが、35℃以上であって50℃以下であることが好ましい。
融着可能な異なる樹脂材料の例は、例えば、ウレタンとポリエステル、ナイロンとポリエステルエラストマー、ナイロンとウレタン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン等が挙げられるが、これらに限定されない。また、融点および硬度が異なる融着可能な樹脂材料は、添加剤の種類によってグレードが異なる同種の樹脂材料であってもよい。また、樹脂材料の表面に表面処理を施すことによって、融点および硬度が異なる樹脂材料を融着可能とすることもできる。
遠位管状部71および近位管状部72が径方向に重なる領域である接合部73の軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば2.5〜10mm、好ましくは3〜8mm、より好ましくは3〜5mmである。接合部73の軸方向の長さが長すぎると、軸方向に対するテーパ部75の角度が鋭角となり過ぎ、接合面の剥離が生じやすくなる。また、接合部73の軸方向の長さが短すぎると、軸方向に対するテーパ部75の角度が直角に近づき、接合面の面積が少なくなって、剥離が生じやすくなる。
組立状態において、接合部73は、ガイディングカテーテル本体40の内部に位置する。接合部73がガイディングカテーテル本体40の内側に位置することで、遠位管状部71と近位管状部72の接合部73で内カテーテル本体70が過度に撓もうとしても、ガイディングカテーテル本体40によって撓みが抑制される。このため、カテーテル組立体10の過度な撓みが抑制され、血管内を良好に進めることができる。また、接合部73がガイディングカテーテル本体40の内側に位置することで、ガイディングカテーテル本体40の遠位部の内側に、遠位管状部71の近位部が位置する。このため、ガイディングカテーテル本体40の遠位部が、蛇行する動脈内を柔軟に湾曲して移動する遠位管状部71に導かれて、蛇行する動脈を円滑に通過できる。
遠位管状部71の遠位側端部から接合部73までの軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば100〜120mmである。組立状態において、ガイディングカテーテル本体40の遠位側端部から遠位管状部71の遠位側端部までの突出長さは、特に限定されないが、例えば10〜50mmである。
内カテーテル本体70の外径は、ガイディングカテーテル本体40の内径と略一致する。内カテーテル本体70の外径は、例えば1.5mm〜2.4mm、好ましくは1.5mm〜2.2mm、より好ましくは2.0mm〜2.2mmである。
内カテーテル本体70の内径は、使用するガイドワイヤ120の外径と略一致またはある程度大きい。内カテーテル本体70の内径は、例えば0.9mm〜1.3mm、好ましくは1.0mm〜1.2mmである。
内カテーテル本体70の長さは、ガイディングカテーテル本体40よりも長く、かつ橈骨動脈V1から挿入して下肢動脈V3へ到達できるように、1200mm以上であり、好ましくは1400mm〜1700mmであり、より好ましくは1600mmである。
遠位管状部71および近位管状部72の構成材料は、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたものが挙げられる。また、カテーテル組立体10の体内への挿入はX線透視下でその位置を確認しつつ行われるため、遠位管状部71および近位管状部72(特に、遠位管状部71)の構成材料中には、X線不透過材料(X線造影剤)が配合されていることが好ましい。X線不透過材料としては、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン等が使用可能である。
内カテーテルハブ80は、図2、3に示すように、内カテーテル本体70の基端に固着されている。内カテーテルハブ80は、内カテーテル内腔74と連通する内カテーテルハブ内腔84を有している。内カテーテルハブ内腔84は、近位側の内カテーテルハブ開口部85で開口している。内カテーテルハブ80の外表面には、回転可能な螺合部81が設けられている。螺合部81の内周面には、ガイディングカテーテルハブ50の雄ねじ部53と螺合可能な雌ねじ部82が形成されている。内カテーテルハブ80の遠位には、ガイディングカテーテルハブ50のガイディングカテーテルハブ開口部55へ挿入可能な筒部86が形成されている。筒部86は、ガイディングカテーテルハブ開口部55へ挿入することで、ガイディングカテーテルハブ内腔54に密接する。
内カテーテルハブ80の構成材料は、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたものが挙げられる。
次に、内カテーテル本体70の製造方法の一例を説明する。初めに、図6(A)に示すように、遠位管状部71となる第1の管体90と、近位管状部72となる第2の管体100を準備する。第1の管体90は、第2の管体100よりも硬度が低く、融点が低い。次に、第2の管体100の内腔に芯金110を配置し、遠位側の端部を加熱した金型に挿入する。これにより、第2の管体100の端部が部分的に溶融し、テーパ部101が形成される。次に、芯金110をテーパ部101から引き出す。なお、芯金110は、第2の管体100から完全には引き出さない。なお、テーパ部101を形成する方法は、特に限定されず、例えば削り出したり、切り出したり、牽引して変形させたり、金型以外の方法で溶かしたりすることで形成してもよい。
次に、図6(B)、図7(A)に示すように、第2の管体100のテーパ部101の一部を、第1の管体90の内腔に挿入する。テーパ部101は、第1の管体90の内周面と芯金110の間に入り込む。これにより、第1の管体90の近位側の端部は、径方向外側へ押されて拡径する。この後、第1の管体90および第2の管体100を、熱収縮チューブ111で覆う。
次に、熱収縮チューブ111を加熱し、同時に第1の管体90の近位部と第2の管体100の遠位部を加熱する。これにより、第1の管体90および第2の管体100が軟化または溶融する。第1の管体90は、第2の管体100よりも融点が低いため、第2の管体100よりも流動しやすい。このため、図7(B)に示すように、テーパ部101に乗り上げて拡径していた第1の管体90の軟化または溶融した材料が、縮径する熱収縮チューブ111により押されて、第2の管体100のテーパ部101に沿って近位側へ移動する。なお、第1の管体90および第2の管体100は、芯金110が挿入されているため、内腔側へ変形することはできない。また、熱収縮チューブ111は、縮径時に早い段階で第2の管体100のテーパ部101の近位側に位置する均一径の外周面に密着する。このため、軟化または融解した第1の管体90は、テーパ部101を超えて第1の管体90と熱収縮チューブ111の間に入り込むことが制限される。縮径する熱収縮チューブ111により押された第1の管体90の材料は、軟化または溶融したテーパ部101を押圧する。これにより、テーパ部101が窪み、この窪んだ部位に第1の管体90の材料が入り込む。したがって、熱収縮チューブ111が完全に収縮すると、図6(C)、図7(C)に示すように、テーパ部101の近位側の部位に、遠位側へ突出する被覆部102が形成される。この後、加熱を停止し、第1の管体90および第2の管体100の温度が下がると、第1の管体90および第2の管体100が固化して融着される。これにより、図5に示すように、第2の管体100からなるテーパ部75の径方向外側に、第1の管体90からなる楔部77を形成し、当該楔部77の径方向外側に、第2の管体100からなる被覆部76を形成できる。この後、熱収縮チューブ111を取り除き、遠位管状部71および近位管状部72が融着された内カテーテル本体70が得られる。本製造方法によれば、テーパ部75および被覆部76を有する近位管状部72と、テーパ部75および被覆部76に挟まれる楔部77を有する遠位管状部71とが融着された内カテーテル本体70を、容易に製造できる。そして、被覆部76が形成されることで、遠位管状部71と近位管状部72の接合面積が大きくなり、接合強度が高くなる。また、本製造方法は、融点が低い第1の管体90に融点が高い第2の管体100のテーパ部101を部分的に挿入する。このため、熱収縮チューブ111で覆って加熱することで、流動しやすい第1の管体90の材料が、熱収縮チューブ111によって移動範囲を規制されつつ移動し、テーパ部101を押圧して変形させる。これにより、第2の管体100の一部が第1の管体90の径方向外側を覆うように流動し、楔部77を覆う被覆部76を形成できる。また、本製造方法は、融点差が大きいために高い接合強度を得難い遠位管状部71および近位管状部72を、高い接合強度で、再現性を有しつつ安定して製造できる。
なお、成形の途中で樹脂材料を切り替える二層押出成形により、テーパ部で異なる材料が融着した構造を形成することもできる。しかしながら、この場合、2つの材料の融点差が大きいことで、流動性の差が大きくなる。このため、安定した形状で成形することが困難であり、再現性が低い。さらに、樹脂材料を切り換える際に、2つの材料が融着される接合部の軸方向の長さが長くなる。したがって、本実施形態のように、2.5mm〜10mm程度の長さで接合部を形成することが困難である。
また、加熱した金型に異なる材料の管体を配置して融着することもできる。この場合、接合部の軸方向の長さを短くすることができる。しかしながら、加熱した金型の内部で、融点の異なる材料を同時に加熱すると、融点差が大きいことで、低融点の材料が流動し過ぎてテーパ部が長くなり過ぎ、接合強度が低下する。また、低融点の材料が流動し過ぎないように成形温度を下げると、高融点の材料が流動しなくなる。このため、低融点の材料が高融点の材料と密着せずに接合強度が低下し、接合部の剥離が生じやすくなる。また、金型を用いる場合には、金型に接合する管体を収容する必要があるため、管体の最遠位部から100mm程度の比較的離れた位置に接合部を形成することが困難である。
これに対し、本製造方法は、熱収縮チューブ111を利用するため、第1の管体90および第2の管体100の一部を部分的に加熱し、材料をある程度流動させつつ融着する。このため、本製造方法によれば、融点が大きく異なる遠位管状部71および近位管状部72を、2.5mm〜10mm程度の長さの接合部73を有して、再現性を有しつつ安定して接合できる。また、本製造方法によれば、最遠位部から100mm程度の比較的離れた位置に接合部73が設けられる構造であっても、熱収縮チューブ111を被せることで、容易に製造できる。
次に、本実施形態に係るカテーテル組立体10の使用方法を説明する。ここでは、カテーテル組立体10を橈骨動脈V1から挿入し、下肢動脈V3に位置する狭窄部を、バルーンカテーテルによって治療する方法を例として説明する。
まず、血管内へカテーテル組立体10を導入する前に、図1、3および4に示すように、ガイディングカテーテル20および内カテーテル30を組み立てる。組み立てる際には、ガイディングカテーテルハブ開口部55に内カテーテル30を内カテーテル本体70側から挿入し、筒部86がガイディングカテーテルハブ開口部55へ挿入されるまで、内カテーテル30を押し進める。筒部86がガイディングカテーテルハブ開口部55へ挿入された後、螺合部81を回転させると、図3に示すように、雌ねじ部82に雄ねじ部53が螺合して組立状態となる。これにより、カテーテル組立体10を血管内へ挿入する際に、ガイディングカテーテル20および内カテーテル30を一体的に操作できるため、操作が容易となるとともに、ガイディングカテーテル20および内カテーテル30が予期せずに外れることを抑制して安全性が向上する。
次に、術者は、公知の方法により橈骨動脈V1を穿刺し、ショートガイドワイヤを挿入する。その後、ショートガイドワイヤに沿って、シース131の内腔にダイレータを挿入したカテーテルイントロデューサー130を橈骨動脈V1の穿刺部位に挿入する。そして、カテーテルイントロデューサー130の先端を中枢側に所定量進めた後、ショートガイドワイヤ及びダイレータをカテーテルイントロデューサー130内から抜去する。これにより、術者は、シース131を介して、橈骨動脈V1内へカテーテル組立体10を導入することが可能となる。
次に、術者は、図8に示すように、内カテーテル内腔74および内カテーテルハブ内腔84にガイドワイヤ120を挿入した状態のカテーテル組立体10を、シース131を介して橈骨動脈V1内に導入する。次に、ガイドワイヤ120を先行させつつ、カテーテル組立体10を組立状態のまま、下行大動脈V2を通って下肢動脈V3まで押し進める。この際、カテーテル組立体10は、ガイディングカテーテル本体40の内側に内カテーテル本体70が配置されており、ガイドワイヤ120の外表面とガイディングカテーテル本体40の内表面との間の隙間に内カテーテル本体70が位置している。そして、内カテーテル30の遠位管状部71が、ガイディングカテーテル本体40よりも遠位側へ突出している。このため、ガイディングカテーテル本体40の遠位側の端部による血管の損傷を低減できるとともに、ガイディングカテーテル本体40の遠位側の端部が血管から抵抗を受けることによってめくれることを抑制できる。また、遠位管状部71の遠位側の端部の外周面が、曲率を有して滑らかであるため、血管に対して滑らかに接触し、血管の損傷を低減できる。
カテーテル組立体10は、下肢動脈V3へ到達するまでに、太く直線的な下行大動脈V2を通過する。このとき、近位管状部72が、ある程度の硬さを有するため、太い血管の内部で、進行方向を定めて押し進めることができる。
ガイディングカテーテル本体40の遠位側の端部が下肢動脈V3の狭窄部の近傍まで到達した後、カテーテル組立体10の押し込みを停止する。次に、螺合部81を回転させて、雄ねじ部53と雌ねじ部82の螺合を解除する(図3を参照)。この後、ガイディングカテーテル20およびガイドワイヤ120を血管内に残したまま、内カテーテル30をガイディングカテーテル20から抜去する。
内カテーテル30をガイディングカテーテル20から完全に引き抜いた後には、ガイディングカテーテル20の内腔を利用してバルーンカテーテルを狭窄部に挿入し、狭窄部を押し広げることができる。また、ガイディングカテーテル20を介して、バルーンカテーテル以外のカテーテル、内視鏡、超音波プローブ、温度センサー等の長尺物を挿入または抜去したり、造影剤(X線造影剤)、薬液、生理食塩水等の各種液体を注入したりすることができる。
この後、ガイディングカテーテル20をシース131から引き抜き、シース131を橈骨動脈V1から引き抜いて、シース131による穿刺部位を止血することで、手技が完了する。
上述した手技において、硬度および融点が異なる遠位管状部71と近位管状部72が融着された内カテーテル30は、湾曲を繰り返す。したがって、遠位管状部71と近位管状部72の接合部73には、剥離を生じさせようとする力が作用する。しかしながら、近位管状部72は、遠位側端部で遠位側へ向かって外径が徐々に減少して遠位管状部71の径方向内側に位置するテーパ部75と、テーパ部75の近位側の部位から遠位側へ向かって突出して遠位管状部71の近位側端部の径方向外側を囲む被覆部76とを有している。そして遠位管状部71は、テーパ部75および被覆部76に挟まれる楔部77を有している。内カテーテル30は、被覆部76および楔部77が形成されることで、テーパ部のみの場合と比較して、遠位管状部71と近位管状部72の接合面積が大きくなる。このため、内カテーテル30は、引張強度および破断伸びが向上し、接合強度が向上して安定する。したがって、内カテーテル30は、湾曲を繰り返しても、接合強度が高いため、遠位管状部71と近位管状部72の間での剥離の発生を抑制できる。また、硬度の低い遠位管状部71の楔部77を、硬度の高い被覆部76が囲んでいるため、テーパ部75の径方向外側に配置される硬度の低い楔部77が、テーパ部75から剥がれることを効果的に抑制できる。また、内カテーテル30は、ガイディングカテーテル20に抜き差しする際に、ガイディングカテーテル20の内壁面と擦れる。しかしながら、楔部77が被覆部76により覆われているため、テーパ部75を覆う楔部77が、摩擦によってテーパ部75から剥がれることを抑制できる。また、内カテーテル30は、結合部73にテーパ部75を有するため、軸方向に比較的短い範囲で、物性が軸方向に沿って徐々に変化する。このため、内カテーテル30が湾曲する際に、接合部73に作用する力が分散され、接合部73の剥離を抑制できる。
また、楔部77の近位側の端部である近位頂部78から内カテーテル30の内周面までの距離D1が、近位頂部78から内カテーテル30の外周面までの距離D2よりも大きい。これにより、柔軟な遠位管状部71を覆う被覆部76の比率が、テーパ部75に対して大きくなり過ぎず、遠位管状部71と被覆部76の間で剥離が生じることを抑制できる。すなわち、仮に、距離D2が距離D1以上であると、被覆部76が大きくなり、かつ被覆部76の内側に存在するテーパ部75が短くなる。テーパ部75が短くなると、テーパ部75の径方向外側に位置する硬度の低い楔部77は、変形しやすくなる。また、被覆部76は、大きくなることで、変形し難くなる。したがって、内カテーテル30が湾曲すると、変形し難い被覆部76と変形しやすい楔部77の境界に引っ張り力が集中し、被覆部76と楔部77の間で剥離が生じやすくなる。これに対し、距離D1が距離D2よりも大きいことで、硬度の高いテーパ部75の径方向外側で、硬度の低い楔部77が変形し過ぎずに適度に曲がる。このため、被覆部76と楔部77の境界に引っ張り力が集中することを抑制し、遠位管状部71と被覆部76の間で剥離が生じることを抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、また、ガイディングカテーテル本体40および内カテーテル本体70の少なくとも一方が、湾曲して構成されてもよい。
また、図9に示す第1の変形例のように、内カテーテル30は、遠位管状部141の内周面に、近位管状部142の内周面に対して径方向内側から被さる第2の被覆部143が形成されてもよい。なお、前述の実施形態と共通する機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。第2の被覆部143が形成されることで、接合面積がさらに増加する。これにより、内カテーテル140が湾曲する際に、遠位管状部141と近位管状部142の間の剥離を、より効果的に抑制できる。また、第2の被覆部143が形成されるため、内カテーテル140の内腔を通過するガイドワイヤやバルーンカテーテル等のデバイスと摩擦により、遠位管状部141と近位管状部142の間で剥離が生じることを抑制できる。
また、図10に示す第2の変形例のように、被覆部153は、遠位側の端部に、径方向内側へ突出する突出部154を有してもよい。これにより、突出部154が遠位管状部151に対して径方向内側へ食い込むとともに、接合面積がさらに増加する。このため、遠位管状部151と近位管状部152が強固に結合され、内カテーテル150が湾曲する際に、遠位管状部151と近位管状部152の間で剥離が生じることをより効果的に抑制できる。
<テーパ部の長さの選定>
内径が1.15mm、外径が2.10mmの第1の管体および第2の管体を準備した。第1の管体の構成材料は、融点が182℃のポリエステルエラストマーであった。第2の管体の構成材料は、融点が222℃のポリエステルエラストマーであった。次に、第2の管体に芯金を挿入し、第2の管体の端部を金型に突っ込んで、軸方向の長さが3mmのテーパ部を形成した。この後、テーパ部を第1の管体の内腔に挿入し、第1の管体および第2の管体を熱収縮チューブで覆って加熱し、実施例1の検体を作製した。
また、テーパ部の軸方向の長さを5mmとし、他の条件を実施例1と同様として、実施例2の検体を作製した。実施例1、2の条件を表1に示す。
次に実施例1および実施例2の検体の引張強度および破断伸びを、引っ張り試験機により測定した。結果を図11に示す。結果として、テーパ部の長さが5mmの実施例1の方が、テーパ部の長さが3mmの実施例2よりも、引張強度および破断伸びが大きく、高い融着強度(接合強度)が得られることが確認された。
<融着強度の検証>
テーパ部の軸方向の長さを5mmとして実施例3、4の検体を作製した。実施例3、4の検体の内径は1.15mm、外径は2.10mmであった。実施例3、4の第1の管体および第2の管体の構成材料は、表1に示す融点および硬度を有するポリエステルエラストマーであった。なお、ポリエステルエラストマーは、グレードが異なり融点が高いほど、硬度が高かった。
次に、第2の管体のテーパ部を第1の管体の内腔に挿入し、第1の管体および第2の管体を熱収縮チューブで覆って加熱し、実施例3、4の検体を作製した。また、テーパ部が設けられない点以外は、実施例3、4と同じ条件で、比較例1、2の検体を作製した。
この後、実施例3、4、比較例1、2の引張強度および破断伸びを、引っ張り試験機により測定した。結果を図12に示す。
結果として、同じ材料により構成される比較例1と実施例3を比較すると、テーパ部を有する実施例3の方が、引張強度および破断伸びが大きく、高い融着強度が得られることが確認された。
また、同じ材料により構成される比較例2と実施例4を比較すると、テーパ部を有する実施例4の方が、引張強度および破断伸びが大きく、高い融着強度が得られることが確認された。
実施例4の検体を中心軸に沿って切断し、断面を撮影した写真を図13に示す。図13に示すように、テーパ部の径方向外側に楔部が形成され、楔部の径方向外側に被覆部が形成されていることが確認された。
さらに、本出願は、2016年11月21日に出願された日本特許出願番号2016−226106号に基づいており、それらの開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
10 カテーテル組立体
20 ガイディングカテーテル
30、140、150 内カテーテル
70 内カテーテル本体
71、141、151 遠位管状部
72、142、152 近位管状部
73 結合部
75 テーパ部
76、143、153 被覆部
77 楔部
78 近位頂部
90 第1の管体
100 第2の管体
101 テーパ部
102 被覆部
111 熱収縮チューブ
154 突出部
D1 近位頂部から内周面の距離
D2 近位頂部から外周面の距離
V1 橈骨動脈
V2 下行大動脈
V3 下肢動脈

Claims (4)

  1. ガイディングカテーテルの内腔に引き抜き可能に配置されて当該ガイディングカテーテルとともに使用されるカテーテルであって、
    遠位側に位置する樹脂製の遠位管状部と、
    前記遠位管状部よりも硬度が高い樹脂製であり、遠位側の端部が前記遠位管状部の近位側の端部に結合された近位管状部と、を有し、
    前記近位管状部の遠位側の端部は、遠位側へ向かって外径が徐々に減少して前記遠位管状部の径方向内側に位置するテーパ部と、前記テーパ部の近位側の部位から遠位側へ向かって突出して前記遠位管状部の近位側の端部の径方向外側を囲む被覆部と、を有し、
    前記遠位管状部は、前記テーパ部および被覆部に挟まれる楔部を有するカテーテル。
  2. 前記楔部の近位側の端部である近位頂部から前記カテーテルの内周面までの距離は、前記近位頂部から前記カテーテルの外周面までの距離よりも大きい請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記被覆部は、遠位側の端部に、径方向内側へ突出する突出部を有する請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. ガイディングカテーテルの内腔に引き抜き可能に配置されて当該ガイディングカテーテルとともに使用されるカテーテルの製造方法であって、
    樹脂製の第1の管体と、前記第1の管体よりも融点および硬度が高い樹脂製であり、外径が端部に向かって徐々に減少するテーパ部を備えた第2の管体を準備するステップと、
    前記第1の管体の端部の開口部に前記第2の管体のテーパ部を部分的に挿入するステップと、
    前記第1の管体および第2の管体を熱収縮チューブで覆うステップと、
    前記第1の管体および第2の管体とともに前記熱収縮チューブを加熱して収縮させ、前記第1の管体および第2の管体の一部を流動させて融着し、前記テーパ部の径方向外側に前記第1の管体からなる楔部を形成し、当該楔部の径方向外側に前記第2の管体からなる被覆部を形成するステップと、を有するカテーテルの製造方法。
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