JP2018050723A - サポートカテーテルおよびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が高く、ガイドワイヤを支持する剛性を変化させることができるサポートカテーテルおよびその使用方法を提供する。
【解決手段】ガイドワイヤを収容して摺動可能に支持するサポートカテーテル10であって、管体である先端支持部51と、先端支持部51よりも近位側に設けられる管体であって切断可能な第1の切断部60および第2の切断部70と、第1の切断部60および第2の切断部70の近位側に連結される管体である第1の支持部61および第2の支持部71と、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71の少なくとも1つに設けられる線材である補強部40と、を有し、補強部40は、第1の切断部60および第2の切断部70と異なる位置に設けられる。
【選択図】図2
【解決手段】ガイドワイヤを収容して摺動可能に支持するサポートカテーテル10であって、管体である先端支持部51と、先端支持部51よりも近位側に設けられる管体であって切断可能な第1の切断部60および第2の切断部70と、第1の切断部60および第2の切断部70の近位側に連結される管体である第1の支持部61および第2の支持部71と、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71の少なくとも1つに設けられる線材である補強部40と、を有し、補強部40は、第1の切断部60および第2の切断部70と異なる位置に設けられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、生体管腔内へ挿入されてガイドワイヤを支持するためのサポートカテーテルおよびその使用方法に関する。
血管等の生体管腔の狭窄部の治療方法として、狭窄部を貫通可能なガイドワイヤを強固にバックアップするために、ガイドワイヤを支持するサポートカテーテルを用いる方法がある(例えば、特許文献1を参照)。サポートカテーテルは、ガイドワイヤを小さなクリアランスで挿入可能な内腔を備えている。このため、ガイドワイヤをサポートカテーテルに挿入すると、ガイドワイヤが撓み難くなる。これにより、サポートカテーテルによりガイドワイヤを支持しつつ、ガイドワイヤを狭窄部に突き当てることで、ガイドワイヤは、押し込み力が増加し、狭窄部を貫通できる。
ところで、サポートカテーテルは、高い押し込み力を得るために高い剛性が求められる。一方で、剛性の高いサポートカテーテルの先端が血管壁に当たると、血管壁が損傷する可能性がある。
このため、サポートカテーテルの硬さは、貫通対象である狭窄部の硬さに応じて変えることが好ましい。しかしながら、サポートカテーテルの硬さが適切かどうかは、実際に狭窄部へ使用してみなければわからないのが現状である。したがって、実際の手技では、硬さの異なる複数のサポートカテーテルを使用する可能性がある。しかしながら、経済的な観点から、一度の手技に複数のデバイスを使用することは望ましくない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、安全性が高く、ガイドワイヤを支持する剛性を変化させることができるサポートカテーテルおよびその使用方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するサポートカテーテルは、ガイドワイヤを収容して摺動可能に支持するサポートカテーテルであって、管体である先端支持部と、前記先端支持部よりも近位側に設けられる管体であって切断可能な少なくとも1つの切断部と、前記切断部の近位側に連結される管体である支持部と、前記先端支持部および支持部の少なくとも1つに設けられる線材である補強部と、を有し、前記補強部は、前記切断部と異なる位置に設けられ、または切断部を切断することで切断面よりも遠位側の部位とともに切断面から除かれる。
上記のように構成したサポートカテーテルは、先端支持部によりガイドワイヤを支持できるとともに、切断部で切断することで、切断部の近位側に連結される支持部によってガイドワイヤを支持できる。このため、本サポートカテーテルは、切断部で切断することで、ガイドワイヤを支持する部位の剛性を変化させることができる。また、切断部は、補強部が設けられないか、または切断後に切断面から補強部が除かれるため、切断後に切断面から補強部が露出しない。このため、生体組織の損傷を抑制でき、安全性が高い。
また、前記先端支持部および支持部は、剛性が異なってもよい。これにより、本サポートカテーテルは、切断部で切断することで、ガイドワイヤを支持する部位の剛性を効果的に変化させることができる。
前記支持部は、先端支持部よりも剛性が高くてもよい。これにより、本サポートカテーテルは、切断部を切断することで、ガイドワイヤを支持する支持部の剛性を高めることができる。このため、剛性の低い支持部から試すことで血管の損傷を抑制しつつ、最適な剛性とすることができる。
前記切断部は、視覚によって識別できる識別部を有してもよい。これにより、切断する位置を容易に識別でき、適切な位置を確実に切断できる。
上記目的を達成するサポートカテーテルの使用方法は、ガイドワイヤを前記サポートカテーテルの内腔に挿入し、当該サポートカテーテルで前記ガイドワイヤを支持するステップと、前記ガイドワイヤを前記サポートカテーテルから引き抜くステップと、前記サポートカテーテルを前記切断部で切断するステップと、前記サポートカテーテルの内腔に前記ガイドワイヤを挿入するステップと、を有する。上記のように構成したサポートカテーテルの使用方法は、ガイドワイヤをサポートカテーテルで支持してガイドワイヤを操作した後、切断部で切断し、ガイドワイヤを支持する部位の剛性を最適に変化させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。以下の説明において、カテーテルの手元側を「近位側」、生体内へ挿入される側を「遠位側」と称す。
本実施形態に係るサポートカテーテル10は、血管(生体管腔)内の狭窄部(閉塞部を含む)を貫通するガイドワイヤをバックアップするために支持するカテーテルである。
サポートカテーテル10は、オーバーザワイヤ型(Over the wire type)のカテーテルであり、図1、2に示すように、ルーメン21(内腔)を有する管状のカテーテル本体20と、カテーテル本体20の近位側に位置するハブ30とを備えている。
ハブ30は、手技の際に体外に位置し、手技者が手で把持して操作する部位である。ハブ30を把持して操作することで、サポートカテーテル10を軸心に沿って進退させたり、軸心を中心に回転させたりすることができる。また、ハブ30は、ルーメン21に連通する基端開口部31を有している。基端開口部31は、ルーメン21にガイドワイヤ等を挿入したり、抜去したりするための開口となる。
カテーテル本体20は、可撓性を有する長尺な管体である。カテーテル本体20は、ガイドワイヤを摺動可能に収容できる。カテーテル本体20は、そのほぼ中心部に、カテーテル本体20の全長にわたって、ルーメン21が設けられている。カテーテル本体20は、遠位側の端部に、ルーメン21が開放する先端開口部22を有している。カテーテル本体20は、挿入されるガイドワイヤとの間のクリアランスが小さい。このため、カテーテル本体20は、ガイドワイヤを撓まないように支持することができる。
カテーテル本体20は、内層23と、外層24と、補強部40とを有している。内層23は、ルーメン21を形成する内周面を備える。外層24は、内層23の外側に、内層23と同軸的に設けられる。補強部40は、内層23および外層24の間に位置する。補強部40は、カテーテル本体20の軸方向に、複数に分かれて配置される。
内層23の構成材料は、ルーメン21内でガイドワイヤを移動させやすいように、低摩擦な材料であることが好ましい。これにより、ガイドワイヤの通過性が良好となり、操作性が向上する。内層23を構成する低摩擦材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂材料が挙げられる。なお、内層23の材料は、低摩擦材料に限定されず、各種樹脂材料を適用できる。
外層24の構成材料は、可撓性を備えることが好ましく、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を用いることができる。
カテーテル本体20の軸方向の長さは、狭窄部の位置等によって適宜設定されるが、例えば80〜150mmである。外層24の外径は、挿入する血管の内径や位置等によって適宜設定されるが、例えば0.7〜1.5mmである。内層23の内径は、使用するガイドワイヤの外径によって適宜設定されるが、例えば0.5〜1.0mmである。第1内周面53と挿入されるガイドワイヤとの間のクリアランスは、適宜設定されるが、例えば0.05〜0.15mmである。
補強部40は、カテーテル本体20を補強する部位である。補強部40は、複数の補強線を有している。補強部40における複数の補強線の隙間には、外層24あるいは内層23の材料が入り込んでいる。補強部40は、例えば、補強線をらせん状や網状にしたものである。補強線の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、NiTi合金等の金属である。補強線は、例えば線材を平板状に潰し加工した平板である。補強線が平板であれば、カテーテル本体20の径方向の肉厚を薄くできる。なお、補強線は、平板状の線材に限定されず、例えば、丸線、楕円線でもよい。また、各補強線は、二本以上の補強線を束にされたものでもよい。
補強部40は、カテーテル本体20の軸方向に、複数(少なくとも2箇所)に分かれて配置される。補強部40は、遠位側から、第1の補強部41と、第2の補強部42と、第3の補強部43とを有する。
カテーテル本体20は、遠位側から、先端部50と、先端支持部51と、第1の切断部60と、第1の支持部61と、第2の切断部70と、第2の支持部71と、基部80とを有している。先端部50、第1の切断部60および第2の切断部70は、補強部40が設けられていない。先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71は、外層24を構成する樹脂の材料が異なることで、剛性が異なる。先端支持部51に使用される外層24の材料よりも、第1の支持部61に使用される外層24の材料の方が、剛性が高い。また、第1の支持部61に使用される外層24の材料よりも、第2の支持部71に使用される外層24の方が、剛性の方が高い。このため、先端支持部51よりも第1の支持部61の曲げ剛性が高く、第1の支持部61よりも第2の支持部71の曲げ剛性が高い。
先端部50は、カテーテル本体20の最も遠位側に位置し、先端開口部22を有する。先端部50は、補強部40が設けられていない。先端部50は、サポートカテーテル10を血管内に挿入した際に、狭窄部や血管に突き当たる部位である。先端部50は、補強部40が設けられないことで、血管の損傷を抑制できる。先端部50の軸方向の長さは、適宜設定されるが、好ましくは1〜100mm、より好ましくは2〜30mm、さらに好ましくは2〜10mmである。先端部50が長すぎると、最先端部から先端支持部51までの距離が長くなり、先端部50でカテーテル本体20が撓みやすくなる。
先端支持部51は、先端部50の近位側に位置する。先端支持部51は、第1の補強部41が設けられる部位である。先端支持部51は、先端部50を狭窄部に押し付ける際に、ガイドワイヤが撓まないように支持する。なお、先端支持部51が硬すぎると、血管を損傷する可能性が高まる。したがって、先端支持部51は、柔らかい狭窄部を貫通するために適した曲げ剛性を有していることが好ましい。先端支持部51の軸方向の長さは、適切な剛性を付与できるように適宜設定されるが、好ましくは5〜50mm、より好ましくは10〜30mm、さらに好ましくは10〜20mmである。
第1の切断部60は、先端支持部51の近位側に位置する。第1の切断部60は、補強部40が設けられていない。第1の切断部60は、先端部50を突き当てた狭窄部の貫通が困難な場合に、切断される部位である。先端部50を突き当てた狭窄部の貫通が困難な場合とは、先端部50の近位側の先端支持部51の剛性が、狭窄部を貫通するために不十分である場合である。第1の切断部60は、補強部40が設けられていないため、切断が容易である。第1の切断部60は、切断された後に、狭窄部や血管に突き当たる部位となる。第1の切断部60は、補強部40が設けられないため、切断されても、血管の損傷を抑制できる。第1の切断部60の軸方向の長さは、適宜設定されるが、好ましくは1〜20mm、より好ましくは1〜10mm、さらに好ましくは2〜5mmである。第1の切断部60が長すぎると、第1の切断部60でカテーテル本体20が撓みやすくなり、サポートカテーテルとしての機能が低下する。第1の切断部60が短すぎると、適切な位置で切断することが困難となる。適切な位置で切断できない場合、適切な剛性を得られず、かつ補強部40が切断面に露出し、接触する生体組織を傷つけやすくなる。
第1の支持部61は、第1の切断部60の近位側に位置する。第1の支持部61は、第2の補強部42が設けられる部位である。第1の支持部61は、切断した第1の切断部60を狭窄部に押し付ける際に、ガイドワイヤが撓まないように支持する。なお、第1の支持部61が硬すぎると、血管を損傷する可能性が高まる。したがって、第1の支持部61は、先端支持部51よりも曲げ剛性が高く、かつ第2の支持部71よりも曲げ剛性が低い。このため、第1の支持部61は、先端支持部51の剛性では貫通できない狭窄部を貫通するために適した曲げ剛性を有する。ただし、第1の支持部61は、剛性が高すぎて血管が損傷することを抑制するために、第2の支持部71よりは剛性が低い。第1の支持部61の軸方向の長さは、適切な剛性を付与できるように適宜設定されるが、好ましくは5〜50mm、より好ましくは10〜30mm、さらに好ましくは10〜20mmである。
第2の切断部70は、第1の支持部61の近位側に位置する。第2の切断部70は、補強部40が設けられていない。第2の切断部70は、先端部50または第1の切断部60を突き当てた狭窄部の貫通が困難な場合に、切断される部位である。先端部50または第1の切断部60を突き当てた狭窄部の貫通が困難な場合とは、先端支持部51または第1の支持部61の剛性が、狭窄部を貫通するために不十分である場合である。第2の切断部70は、補強部40が設けられていないため、切断が容易である。第2の切断部70は、切断された後に、狭窄部や血管に突き当たる部位となる。第2の切断部70は、補強部40が設けられないため、切断されても、血管の損傷を抑制できる。第2の切断部70の軸方向の長さは、適宜設定されるが、好ましくは1〜20mm、より好ましくは1〜10mm、さらに好ましくは2〜5mmである。第2の切断部70が長すぎると、第2の切断部70でカテーテル本体20が撓みやすくなり、サポートカテーテルとしての機能が低下する。第2の切断部70が短すぎると、適切な位置で切断することが困難となる。適切な位置で切断できない場合、適切な剛性を得られず、かつ補強部40が切断面に露出し、接触する生体組織を傷つけやすくなる。
第2の支持部71は、第2の切断部70の近位側に位置する。第2の支持部71は、第3の補強部43が設けられる部位である。第2の支持部71は、切断した第2の切断部70を狭窄部に押し付ける際に、ガイドワイヤが撓まないように支持する。第2の支持部71は、先端支持部51および第1の支持部61よりも曲げ剛性が高い。このため、第2の支持部71は、先端支持部51や第1の支持部61の剛性では貫通できない狭窄部を貫通するために適した曲げ剛性を有する。第2の支持部71の軸方向の長さは、適切な剛性を付与できるように適宜設定されるが、好ましくは5〜50mm、より好ましくは10〜30mm、さらに好ましくは10〜20mmである。
基部80は、第2の支持部71とハブ30の間に位置する。本実施形態では、基部80は、第2の支持部71と連続し、第2の支持部71と同様の構成を有する。なお、基部80は、第2の支持部71と異なる構造を有してもよい。基部80は、補強部40を有するが、有さなくてもよい。
先端部50、第1の切断部60および第2の切断部70は、X線不透過材料(X線造影剤)を構成材料中に含んでもよい。X線不透過材料を含むことで、X線透視下で位置を確認できる。X線不透過材料は、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン等である。X線不透過材料を構成材料中に配合する比率は、例えば、30〜80wt%である。なお、カテーテル本体20の他の部位が、X線不透過材料を材料中に含んでもよい。
支持部(先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71)の剛性は、先端支持部51、第1の支持部61、第2の支持部71の順番で高くなる。本実施形態では、支持部の剛性は、外層24の樹脂を異ならせることで設定されている。なお、支持部の剛性は、構成材料、層の数、外径、軸方向の長さ、補強部40の有無、補強線の本数、補強線の形状、補強線の板厚、補強線の幅、補強線の外径、補強線のピッチ間距離等により設定可能である。したがって、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71は、外層24の樹脂材料が同じであってもよい。この場合、上述したいずれかの構成(例えば、補強線の板厚、幅、ピッチ間距離等)を変化させることで、支持部の剛性を変化させることができる。支持部の剛性は、支持するガイドワイヤおよびサポートカテーテル10を狭窄部に押し込む際の、サポートカテーテル10の撓み難さであり、曲げ剛性である。なお、支持部の剛性は、カテーテル本体20の近位側の部位の影響も受けるため、カテーテル本体20における軸方向の位置にも依存する。したがって、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71は、全く同じ構造であってもよい。
第1の切断部60および第2の切断部70の外周面には、切断可能な位置を視覚により認識可能とするための識別部25(図1の網掛け部を参照)が設けられる。識別部25は、例えば、周囲と異なる色や形状で表示される。識別部25は、第1の切断部60および第2の切断部70の外周面の全体に設けられてもよいが、一部に設けられてもよい。例えば、第1の切断部60および第2の切断部70の軸方向の中央部のみに識別部25が設けられることで、補強部40が切断面に露出することを確実に防ぐことができる。
カテーテル本体20は、少なくとも一部が湾曲していてもよい。カテーテル本体20が湾曲していると、回転させることで押し込む方向を選択可能となり、湾曲する血管での通過性が向上する。
次に、本実施形態に係るサポートカテーテル10の使用方法を、血管内の狭窄部Nにガイドワイヤ90(図3(A)を参照)を貫通させる場合を例として説明する。
まず、血管内へ経皮的にイントロデューサシース(図示せず)を挿入し、このイントロデューサシースを介して、ガイドワイヤ90を血管内へ挿入する。次に、ガイドワイヤ90を押し進め、狭窄部Nまで到達させる。
次に、体外に位置するガイドワイヤ90の基端部を、サポートカテーテル10の先端開口部22からルーメン21に挿入する。続いて、ガイドワイヤ90に沿って、サポートカテーテル10を遠位方向へ移動させ、イントロデューサシースを介して血管内に挿入する。この後、サポートカテーテル10を遠位方向へ押し進め、狭窄部Nの近くに到達させる。先端部50がX線不透過材料を含んでいれば、先端部50の位置をX線透視下で容易に確認できる。
次に、ハブ30を操作して、サポートカテーテル10を遠位方向へ移動させる。これにより、サポートカテーテル10の先端部50が狭窄部Nに突き当たる。次に、図3(A)に示すように、サポートカテーテル10を遠位方向へ押し込みながら、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10から遠位方向へ突出させる。このとき、ガイドワイヤ90は、先端部50および先端支持部51に支持されている。これにより、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が狭窄部Nを貫通するようであれば、貫通させる。これにより、目的が達成される。狭窄部Nが硬く、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が撓んで狭窄部Nを貫通できない場合には、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10の押し込みを停止する。この場合、先端支持部51の剛性が不足していると考えられる。なお、先端支持部51の剛性が不足しているのであれば、先端支持部51の剛性が高すぎる場合と比較して、血管の損傷を抑制できる。通常、狭窄部Nの硬さは、実際にサポートカテーテル10を押し付けなければわからない。このため、始めに、剛性の低い先端支持部51によりガイドワイヤ90を支持して押し込むことが、安全性の観点から好ましい。
狭窄部Nが硬く、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が撓んで狭窄部Nを貫通できない場合には、ガイドワイヤ90を残して、サポートカテーテル10を血管から引き抜く。これにより、サポートカテーテル10は、体外に位置する。次に、サポートカテーテル10を狭窄部Nに押し付けた際の感覚等から、切断する部位を選択する。切断する部位は、図4(A)に示すように、第1の切断部60か、図4(B)に示すように、第2の切断部70である。ここでは、第1の切断部60で切断する場合を説明する。図4(A)に示すように、ハサミ、メス、ナイフ、または電熱線等の切断手段により、第1の切断部60を、その中心軸と交差する断面で切断する。このとき、第1の切断部60の外表面に識別部25が設けられているため、第1の切断部60の適切な位置を容易に切断できる。第1の切断部60は、補強部40が設けられないため、切断が容易である。また、切断面に、補強部40が露出しないため、生体組織の損傷を抑制できる。これにより、カテーテル本体20の最も遠位側に第1の切断部60が位置し、第1の切断部60の近位側に第1の支持部61が位置する。切断位置よりも遠位側の先端部50および第1の切断部60の一部は、破棄される。
次に、体外に位置するガイドワイヤ90の基端部を、サポートカテーテル10の第1の切断部60で開口するルーメン21に挿入する。続いて、ガイドワイヤ90に沿って、サポートカテーテル10を遠位方向へ移動させ、イントロデューサシースを介して血管内に挿入する。この後、サポートカテーテル10を遠位方向へ押し進め、狭窄部Nの近くに到達させる。第1の切断部60がX線不透過材料を含んでいれば、第1の切断部60の位置をX線透視下で容易に確認できる。
次に、ハブ30を操作して、サポートカテーテル10を遠位方向へ移動させる。これにより、サポートカテーテル10の第1の切断部60が狭窄部Nに突き当たる。次に、図3(B)に示すように、サポートカテーテル10を遠位方向へ押し込みながら、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10から遠位方向へ突出させる。このとき、ガイドワイヤ90は、第1の切断部60および第1の支持部61に支持されている。これにより、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が大きく撓まず、効果的に押し込み力を発生させることができれば、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が狭窄部Nを貫通する。この場合、ガイドワイヤ90を支持する第1の支持部61の剛性が、狭窄部Nを貫通するために適切であると考えられる。この後、サポートカテーテル10を血管から引き抜き、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10を狭窄部Nに貫通させる手技が完了する。この後、必要に応じて、例えばバルーンカテーテル等を用いた手技が行われる。
狭窄部Nが硬く、ガイドワイヤ90および第1の支持部61が撓んで狭窄部Nを貫通できない場合には、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10の押し込みを停止する。この場合、第1の支持部61の剛性が不足していると考えられる。この後、ガイドワイヤ90を残して、サポートカテーテル10を血管から引き抜く。これにより、サポートカテーテル10は、体外に位置する。次に、図4(B)に示すように、ハサミ、メス、ナイフ、または電熱線等の切断手段により、第2の切断部70を、その中心軸と交差する断面で切断する。このとき、第2の切断部70の外表面に識別部25が設けられているため、第2の切断部70の適切な位置を容易に切断できる。第2の切断部70は、補強部40が設けられないため、切断が容易である。また、切断面に、補強部40が露出しないため、生体組織の損傷を抑制できる。これにより、カテーテル本体20の最も遠位側に第2の切断部70が位置し、第2の切断部70の近位側に第2の支持部71が位置する。切断位置よりも遠位側の第1の切断部60、第1の支持部61および第2の切断部70の一部は、破棄される。
次に、体外に位置するガイドワイヤ90の基端部を、サポートカテーテル10の第2の切断部70で開口するルーメン21に挿入する。続いて、ガイドワイヤ90に沿って、サポートカテーテル10を遠位方向へ移動させ、イントロデューサシースを介して血管内に挿入する。この後、サポートカテーテル10を遠位方向へ押し進め、狭窄部Nの近くに到達させる。第2の切断部70がX線不透過材料を含んでいれば、第2の切断部70の位置をX線透視下で容易に確認できる。
次に、ハブ30を操作して、サポートカテーテル10を遠位方向へ移動させる。これにより、サポートカテーテル10の第2の切断部70が狭窄部Nに突き当たる。次に、図5に示すように、サポートカテーテル10を遠位方向へ押し込みながら、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10から遠位方向へ突出させる。このとき、ガイドワイヤ90は、第2の切断部70および第2の支持部71に支持されている。これにより、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が大きく撓まず、効果的に押し込み力を発生させることができれば、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10が狭窄部Nを貫通する。この場合、ガイドワイヤ90を支持する第2の支持部71の剛性が、狭窄部Nを貫通するために適切であると考えられる。この後、サポートカテーテル10を血管から引き抜き、ガイドワイヤ90およびサポートカテーテル10を狭窄部Nに貫通させる手技が完了する。この後、必要に応じて、例えばバルーンカテーテル等を用いた手技が行われる。
以上のように、本実施形態に係るサポートカテーテル10は、ガイドワイヤ90を収容して摺動可能に支持するカテーテルであって、管体である先端支持部51と、先端支持部51よりも近位側に設けられる管体であって切断可能な第1の切断部60および第2の切断部70と、第1の切断部60および第2の切断部70の近位側に連結される管体である第1の支持部61および第2の支持部71と、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71の少なくとも1つに設けられる線材である補強部40と、を有し、補強部40は、第1の切断部60および第2の切断部70と異なる位置に設けられる。
上記のように構成したサポートカテーテル10は、先端支持部51によりガイドワイヤ90を支持できるとともに、第1の切断部60または第2の切断部70で切断することで、第1の切断部60または第2の切断部70の近位側に連結される第1の支持部61または第2の支持部71によってガイドワイヤ90を支持できる。このため、本サポートカテーテル10は、第1の切断部60または第2の切断部70で切断することで、ガイドワイヤ90を支持する部位の剛性を最適に変化させることができる。また、第1の切断部60および第2の切断部70は、補強部40が設けられないため、切断後に切断面から補強部40が露出しない。このため、生体組織の損傷を抑制でき、安全性が高い。
また、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71は、剛性が異なる。これにより、本サポートカテーテル10は、切断部で切断することで、ガイドワイヤ90を支持する部位の剛性を効果的に変化させることができる。
また、先端支持部51、第1の支持部61および第2の支持部71は、近位側ほど剛性が高い。これにより、本サポートカテーテル10は、遠位側の第1の切断部60から切断することで、ガイドワイヤ90を支持する支持部の剛性を徐々に高めることができる。このため、剛性の低い先端支持部51から試すことで血管の損傷を抑制しつつ、最適な剛性とすることができる。
また、第1の切断部60および第2の切断部70は、視覚によって識別できる識別部25を有する。これにより、切断する位置を容易に識別でき、適切な位置を確実に切断できる。
また、上記のサポートカテーテル10の使用方法は、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10の内腔に挿入し、当該サポートカテーテル10でガイドワイヤ90を支持するステップと、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10から引き抜くステップと、サポートカテーテル10を第1の切断部60または第2の切断部70で切断するステップと、サポートカテーテル10の内腔に前記ガイドワイヤ90を挿入するステップと、を有する。上記のように構成したサポートカテーテル10の使用方法は、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10で支持してガイドワイヤ90を操作した後、第1の切断部60または第2の切断部70で切断し、ガイドワイヤ90を支持する部位の剛性を最適に変化させることができる。
また、本発明は、上記のサポートカテーテル10を用いた処置方法(治療方法)をも含む。当該処置方法は、ガイドワイヤ90をサポートカテーテル10の内腔に挿入した状態で、サポートカテーテル10を生体管腔内に配置するステップと、サポートカテーテル10を生体管腔内の狭窄部Nに押し付けるステップと、サポートカテーテル10を生体管腔内から引き抜くステップと、サポートカテーテル10を第1の切断部60または第2の切断部70で切断するステップと、サポートカテーテル10を生体管腔内に挿入するステップと、を有する。上記のように構成した処置方法は、サポートカテーテル10を狭窄部Nに押し付けた後、生体管腔内から引き抜いて、第1の切断部60または第2の切断部70で切断する。このため、本使用方法は、ガイドワイヤ90を支持する部位の剛性が望ましくない場合に、補強部40が設けられない第1の切断部60または第2の切断部70で切断することで、安全性を維持しつつ、ガイドワイヤ90を支持する部位の剛性を適切に変化させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、切断部(第1の切断部60および第2の切断部70)の数および支持部(第1の支持部61および第2の支持部71)の数は、本実施形態では2つであるが、1つ以上であれば限定されない。切断部の数および支持部の数が多いほど、ガイドワイヤ90を支持するために選択できる剛性が増加する。また、カテーテル本体20を構成する層の数や各層の構成材料、補強線の有無等は、カテーテル本体20の長手方向に沿って異なっていてもよい。したがって、本実施形態では、内層23および外層24が、先端部50、先端支持部51、第1の切断部60、第1の支持部61、第2の切断部70、第2の支持部71および基部80に共通して設けられるが、共通して設けられなくてもよい。したがって、例えば、図6に示す第1の変形例のように、先端部100、第1の切断部101および第2の切断部102は、1層のみで構成されてもよい。また、支持部の1つである先端支持部110が、補強部を有しなくてもよい。
また、図7(A)に示す第2の変形例のように、先端部120の外径が遠位側へ向かってテーパ状に減少してもよい。これにより、テーパ形状の先端部120を狭窄部Nに突き当てることで、先端部120で開口する先端開口部22が、血管内腔の中心(狭窄部Nの中心)に位置決めされる。これにより、先端開口部22からガイドワイヤ90を突出させると、ガイドワイヤ90を狭窄部Nの中心に押し当てることができる。また、第1の切断部121および第2の切断部122の外径が、軸方向の中央部で減少してもよい。これにより、図7(B)に示すように、第1の切断部121または第2の切断部122を切断すると、切断後のサポートカテーテルの遠位側端部の外径が遠位側に向かって減少する。これにより、上述した先端部120と同様に、第1の切断部121または第2の切断部122で開口するルーメン21を、狭窄部Nの中心に位置決めすることができる。このため、ルーメン21からガイドワイヤ90を突出させ、ガイドワイヤ90を狭窄部Nの中心に押し当てることができる。また、第1の切断部121および第2の切断部122の外周面に形成される溝(凹部)は、視覚で認識できる識別部としても機能する。このような識別部は、外周面に360度にわたって設けられる溝であるため、刃を導きやすく、切断も容易となる。
また、図8(A)に示す第3の変形例のように、補強部130は、第1の切断部140および第2の切断部150に設けられてもよい。補強部130の各々の線材は、第1の支持部141および第2の支持部151が設けられる範囲に位置する分断面Dで、カテーテルの軸方向に分断(切断)されている。例えば、第1の切断部140を切断した後、切断面よりも遠位側の部位を第1の支持部141から離す。これにより、図8(B)に示すように、切断された第1の切断部140とともに、分断面Dよりも遠位側に位置する補強部130Aが取り除かれる。このように、第1の切断部140に補強部130が設けられても、第1の支持部141に連結される第1の切断部140の切断面から、線材が露出しない。このため、第1の切断部140と接触する生体組織の損傷を抑制し、安全性を高めることができる。また、切断前の第1の切断部140は、補強部130により補強されているため、第1の切断部140が撓み難くなる。このため、ガイドワイヤ90を支持するサポートカテーテルとしての機能が向上する。なお、第1の切断部140を切断する際に、第1の切断部140の補強部130よりも内周面側の部位は刃が届かず切断が困難である。しかしながら、切断した部位から切断面が進展し、第1の切断部140の全体を切断できる。または、第1の切断部140の補強部130よりも内側(内周面側)に、切断を促すための切り込みが、360度にわたって、または部分的に設けられてもよい。また、補強部130の各々の線材は、第2の支持部151に位置する分断面Dで切断されているため、第2の切断部150を切断する場合も、同様の効果を有する。なお、第1の切断部140および第2の切断部150に位置する補強部は、引き抜きやすいように、例えば軸方向に直線的に延びる線材であってもよい。したがって、切断部に位置する補強部は、支持部に位置する補強部と異なる構造を有してもよい。
また、サポートカテーテル10が挿入される生体管腔は、血管に限定されず、例えば、脈管、尿管、胆管、卵管、肝管等であってもよい。
また、サポートカテーテルは、ラピッドエクスチェンジ型(Rapid exchange type)のカテーテルであってもよい。
また、カテーテル本体の先端開口部が設けられる遠位側の端面は、テーパ状に突出せずに平坦な平面であってもよい。
10 サポートカテーテル、
20 カテーテル本体、
21 ルーメン(内腔)、
22 先端開口部、
25 識別部、
40、130 補強部、
41 第1の補強部、
42 第2の補強部、
43 第3の補強部、
50、100、120 先端部、
51、110 先端支持部、
60、101、121、140 第1の切断部、
61、141 第1の支持部、
70、102、122、150 第2の切断部、
71、151 第2の支持部、
90 ガイドワイヤ、
N 狭窄部。
20 カテーテル本体、
21 ルーメン(内腔)、
22 先端開口部、
25 識別部、
40、130 補強部、
41 第1の補強部、
42 第2の補強部、
43 第3の補強部、
50、100、120 先端部、
51、110 先端支持部、
60、101、121、140 第1の切断部、
61、141 第1の支持部、
70、102、122、150 第2の切断部、
71、151 第2の支持部、
90 ガイドワイヤ、
N 狭窄部。
Claims (5)
- ガイドワイヤを収容して摺動可能に支持するサポートカテーテルであって、
管体である先端支持部と、
前記先端支持部よりも近位側に設けられる管体であって切断可能な少なくとも1つの切断部と、
前記切断部の近位側に連結される管体である支持部と、
前記先端支持部および支持部の少なくとも1つに設けられる線材である補強部と、を有し、
前記補強部は、前記切断部と異なる位置に設けられ、または切断部を切断することで切断面よりも遠位側の部位とともに切断面から除かれるサポートカテーテル。 - 前記先端支持部および支持部は、剛性が異なる請求項1に記載のサポートカテーテル。
- 前記支持部は、前記先端支持部よりも剛性が高い請求項2に記載のサポートカテーテル。
- 前記切断部は、視覚によって識別できる識別部を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のサポートカテーテル。
- 請求項1に記載のサポートカテーテルの使用方法であって、
ガイドワイヤを前記サポートカテーテルの内腔に挿入し、当該サポートカテーテルで前記ガイドワイヤを支持するステップと、
前記ガイドワイヤを前記サポートカテーテルから引き抜くステップと、
前記サポートカテーテルを前記切断部で切断するステップと、
前記サポートカテーテルの内腔に前記ガイドワイヤを挿入するステップと、を有するカテーテルの使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016187680A JP2018050723A (ja) | 2016-09-27 | 2016-09-27 | サポートカテーテルおよびその使用方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020174781A (ja) * | 2019-04-16 | 2020-10-29 | 朝日インテック株式会社 | カテーテル |
JP2021159778A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 平河ヒューテック株式会社 | カテーテルチューブ及びその製造方法 |
-
2016
- 2016-09-27 JP JP2016187680A patent/JP2018050723A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7384570B2 (ja) | 2019-04-16 | 2023-11-21 | 朝日インテック株式会社 | カテーテル |
JP2021159778A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 平河ヒューテック株式会社 | カテーテルチューブ及びその製造方法 |
JP2021159408A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 平河ヒューテック株式会社 | カテーテルチューブ及びその製造方法 |
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