<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態における駐車支援装置100の構成を示すブロック図である。駐車支援装置100は、駐車支援用表示制御装置1、周辺撮影装置2、周辺検出装置3および表示装置4を備えて構成される。駐車支援用表示制御装置1は、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14を備える。
駐車支援用表示制御装置1は、車両に搭載されて使用される。周辺撮影装置2、周辺検出装置3および表示装置4は、駐車支援用表示制御装置1を搭載する車両(以下「自車両」という場合がある)に設けられる。本発明の他の実施の形態である駐車支援用表示制御方法は、本実施の形態の駐車支援用表示制御装置1によって実行される。
周辺撮影装置2は、カメラによって構成される。本実施の形態では、周辺撮影装置2は、自車両の進行方向の右側方、左側方および後方に設けられる。周辺撮影装置2は、自車両の周辺の画像、具体的には、自車両の進行方向の右側方、左側方および後方の画像を撮影する。以下の説明では、自車両の進行方向の右側方の画像を「右側方画像」といい、自車両の進行方向の左側方の画像を「左側方画像」といい、自車両の進行方向の後方の画像を「後方画像」という場合がある。
周辺撮影装置2は、自車両の進行方向に沿って順に、自車両の側方の画像(以下「車両側方画像」という場合がある)を撮影する。周辺撮影装置2は、駐車支援用表示制御装置1の画像合成部11に接続されている。周辺撮影装置2によって撮影された画像を表す画像情報は、画像合成部11に与えられる。
画像合成部11は、周辺撮影装置2から、車両側方画像などを表す画像情報を取得する。画像合成部11は、取得した画像情報に基づいて、車両側方画像を車両の進行方向に沿って繋ぎ合せた合成画像を生成する。
周辺検出装置3は、自車両の周辺の状況を検出する。具体的には、周辺検出装置3は、自車両の周辺に存在する物体を検出するとともに、自車両と物体との相対位置を検出する。自車両の周辺に存在する物体は、たとえば他の車両および地物である。周辺検出装置3は、たとえば、超音波センサ、画像処理センサ、ミリ波レーダおよびレーザレーダのうちの少なくとも1つによって構成される。画像処理センサは、カメラであってもよい。
周辺検出装置3は、駐車支援用表示制御装置1の駐車可能スペース判断部12に接続されている。周辺検出装置3は、検出した自車両の周辺の状況を表す検出情報を生成する。たとえば、周辺検出装置3は、検出した物体、および自車両と物体との相対位置を表す検出情報を生成する。周辺検出装置3は、生成した検出情報を駐車可能スペース判断部12に与える。
駐車可能スペース判断部12は、周辺検出装置3によって検出される自車両の周辺の状況、具体的には周辺検出装置3から与えられる検出情報に基づいて、自車両の周辺に駐車可能なスペースである駐車可能スペースが有るか否かを判断する。本実施の形態では、駐車可能スペース判断部12は、駐車可能スペースとして、駐車可能な区画が有るか否かを判断する。
制御部13は、駐車可能スペース判断部12によって駐車可能スペースが有ると判断された場合、駐車可能スペースの位置を示す駐車スペース表示オブジェクトを生成する。制御部13は、生成した駐車スペース表示オブジェクトを、画像合成部11によって生成された合成画像に重畳して、駐車スペース画像を生成する。本実施の形態では、駐車スペース画像は、少なくとも一部分が、立体的に視認可能な立体視画像である。
画像出力部14は、制御部13によって生成された駐車スペース画像、具体的には駐車スペース画像を表す画像情報を表示装置4に出力する。
表示装置4は、たとえば液晶ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなどによって構成される。表示装置4は、画像出力部14から与えられる画像情報が表す画像を表示画面に表示する。これによって、駐車支援用表示制御装置1の使用者、たとえば自車両の運転者に、各種の情報、たとえば駐車可能スペースを提示することができる。
本実施の形態では、表示装置4は、駐車スペース画像の立体視画像を立体的に表示可能に構成される。これによって、駐車支援用表示制御装置1の使用者、たとえば自車両の運転者に、立体視画像が立体的に視認可能な状態で駐車スペース画像を提示することができる。
以上のように本実施の形態によれば、周辺検出装置3によって検出される自車両の周辺の状況に基づいて、自車両の周辺に駐車可能スペースが有るか否かが、駐車可能スペース判断部12によって判断される。周辺撮影装置2によって自車両の進行方向に沿って順に撮影される車両側方画像を表す画像情報が画像合成部11によって取得され、取得された画像情報に基づいて、車両側方画像を自車両の進行方向に沿って繋ぎ合わせた合成画像が生成される。
駐車可能スペース判断部12によって駐車可能スペースが有ると判断された場合、制御部13によって、駐車スペース表示オブジェクトが、画像合成部11によって生成された合成画像に重畳されて、駐車スペース画像が生成される。制御部13によって生成された駐車スペース画像が、画像出力部14によって表示装置4に出力される。駐車スペース画像は、少なくとも一部分が、立体的に視認可能な立体視画像である。これによって、運転者にとって直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能なスペースを提示することができる。
以上に述べた本実施の形態では、周辺撮影装置2と周辺検出装置3とが別個に設けられているが、周辺撮影装置2が周辺検出装置3を兼ねていてもよい。
<第2の実施の形態>
図2は、本発明の第2の実施の形態における駐車支援装置200の構成を示すブロック図である。駐車支援装置200は、駐車支援用表示制御装置10、周辺撮影装置2、周辺検出装置3、表示装置4、車内LAN(Local Area Network)5および操作入力装置6を備えて構成される。駐車支援用表示制御装置10は、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13、画像出力部14および車内LANインタフェース15を備える。
駐車支援用表示制御装置10は、車両に搭載されて使用される。周辺撮影装置2、周辺検出装置3、表示装置4、車内LAN5および操作入力装置6は、駐車支援用表示制御装置10を搭載する自車両に設けられる。
本実施の形態の駐車支援装置200は、前述の図1に示す第1の実施の形態の駐車支援装置100と同一の構成を含んでいるので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。本発明の他の実施の形態である駐車支援用表示制御方法は、本実施の形態の駐車支援用表示制御装置10によって実行される。
車内LAN5は、たとえばCAN(Controller Area Network)によって構成される。車内LAN5は、駐車支援用表示制御装置10の車内LANインタフェース15に接続されている。車内LAN5は、自車両に関する種々の車両情報を車内LANインタフェース15に与える。
車両情報は、たとえば、自車両に設けられた種々のセンサによって検出したセンサ情報、自車両に設けられた表示灯および警告灯などの車両機器に関する情報、車両機器の状態を示す情報、車両の走行速度を表す車速情報、操舵角度を表す情報、ブレーキの状態を示す情報、ならびにシフトレバーの状態を示す情報などである。表示灯は、たとえばウインカーであり、車両機器に関する情報は、たとえばウインカーに関するウインカー情報である。
車内LANインタフェース15は、車内LAN5から与えられた車両情報を画像合成部11、駐車可能スペース判断部12および制御部13に与える。制御部13は、車内LAN5から与えられた車両情報から、車両の移動の奇跡を表す車両移動軌跡情報を求める。制御部13によって求められる車両移動軌跡情報は、駐車支援用表示制御装置10の各部で利用される。
操作入力装置6は、使用者によって操作される不図示の操作入力部を備える。操作入力部は、たとえば、操作スイッチおよび操作ボタンを含む。操作入力装置6は、使用者が、数字情報、文字情報および駐車支援用表示制御装置10への指示情報などの各種の情報を入力するときに用いられる。使用者によって操作入力部が操作されると、操作入力装置6は、使用者の入力操作に応じた操作情報を生成して、制御部13に与える。操作入力装置6は、使用者が何も操作していないときには、使用者が何も操作していないことを表す情報を含む操作情報を生成する。
操作入力装置6の操作入力部は、操作スイッチおよび操作ボタンの代わりに、タッチパネル、または音声による操作入力が可能な音声入力装置によって構成されてもよい。
操作入力装置6の操作入力部がタッチパネルで構成される場合、タッチパネルは、表示装置4の表示画面上に設置され、使用者のタッチ操作とタッチ位置とを検出する。タッチパネルは、検出したタッチ操作とタッチ位置とに応じた操作情報を生成して、制御部13に与える。
操作入力装置6の操作入力部が音声入力装置で構成される場合、音声入力装置は、入力された音声を認識する。音声入力装置は、認識した音声に応じた操作情報を生成して、制御部13に与える。
制御部13は、画像重畳部として機能する。制御部13が画像重畳部として機能する場合、前述の第1の実施の形態における制御部13と同様の機能を有する。具体的には、制御部13は、駐車可能スペース判断部12によって駐車可能スペースが有ると判断された場合、駐車可能スペースの位置を示す駐車スペース表示オブジェクトを生成し、生成した駐車スペース表示オブジェクトを、画像合成部11によって生成された合成画像に重畳して、駐車スペース画像を生成する。
また制御部13は、操作入力装置6から与えられる操作情報に基づいて、駐車支援用表示制御装置10の全体を制御する。
図3は、本発明の第2の実施の形態における駐車支援用表示制御装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。駐車支援用表示制御装置10における画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14は、処理回路によって実現される。すなわち、駐車支援用表示制御装置10は、駐車可能スペース判断部12が、周辺検出装置3によって検出される車両の周辺の状況に基づいて、車両の周辺に駐車可能な駐車可能スペースが有るか否かを判断し、画像合成部11が、周辺撮影装置2によって車両の進行方向に沿って順に撮影される車両の側方の車両側方画像を表す画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて、車両側方画像を車両の進行方向に沿って繋ぎ合わせた合成画像を生成し、制御部13が、駐車可能スペース判断部12によって駐車可能スペースが有ると判断された場合、駐車可能スペースの位置を示す駐車スペース表示オブジェクトを、画像合成部11によって生成された合成画像に重畳して、駐車スペース画像を生成し、画像出力部14が、制御部13によって生成された駐車スペース画像を表示装置に出力するための処理回路を備える。
処理回路には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリ102に記憶されるプログラムを実行するプロセッサ(Central Processing Unit、Graphics Processing Unit、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)101が適用されてもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、たとえば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14の各部の機能は、それぞれ、複数の処理回路で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
処理回路がプロセッサを用いて構成されている場合、駐車支援用表示制御装置10における画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ102に記憶される。
処理回路は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、各部の機能を実現する。すなわち、駐車支援用表示制御装置10は、処理回路によって実行されるときに、周辺撮影装置2によって車両の進行方向に沿って順に撮影される車両の側方の車両側方画像を表す画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて、車両側方画像を車両の進行方向に沿って繋ぎ合わせた合成画像を生成するステップと、周辺検出装置3によって検出される車両の周辺の状況に基づいて、車両の周辺に駐車可能な駐車可能スペースが有るか否かを判断するステップと、駐車可能スペースが有ると判断された場合、駐車可能スペースの位置を示す駐車スペース表示オブジェクトを合成画像に重畳して駐車スペース画像を生成するステップと、生成された駐車スペース画像を表示装置4に出力するステップとが結果的に実行されることになるプログラムを記憶するためのメモリ102を備える。
また、これらのプログラムは、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14が行う処理の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
ここで、メモリ102は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、ならびに磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
以上のように、本実施の形態では、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14の各機能は、ハードウェアおよびソフトウェアなどのいずれか一方で実現される構成である。しかし、これらの構成に限られるものではなく、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13および画像出力部14の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェアなどで実現する構成であってもよい。たとえば、制御部13については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサとしての処理回路がメモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
以上のように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェアなど、またはこれらの組み合わせによって、前述の各機能を実現することができる。
図4〜図12は、立体視画像を含む駐車スペース画像を形成する方法を説明するための図である。本実施の形態では、駐車支援用表示制御装置10は、一旦、2次元画像を合成した後、合成した2次元画像を、それぞれの駐車車両画像に分割し、それぞれの画像が駐車車両位置に対応した奥行きのある立体視画像となるように、駐車スペース画像を生成する。具体的には、以下のようにして駐車スペース画像が生成される。
図4は、周辺撮影装置2の単眼カメラ21によって車両側方画像を撮影する様子を模式的に示す図である。周辺撮影装置2は、単眼カメラ21を含んで構成される。図4では、単眼カメラ21が、車両の進行方向に向かって左側の側面(以下「左側面」という場合がある)に設けられる場合を示す。以下の説明では、車両の左側面に設けられる単眼カメラ21を、「左側単眼カメラ21」という場合がある。
本実施の形態では、画像合成部11は、周辺撮影装置2の単眼カメラ21によって、予め定める距離D1だけ離れた2つの位置で撮影された2枚の画像Pic(t)、Pic(t+Δt)を用いて、立体視画像を作成する。
ここで、撮影対象は移動していないものとし、撮影が行われる2つの位置間の距離D1は、両位置での撮影時刻の差Δtが1秒以内程度となる比較的短いものとする。
たとえば、単眼カメラ21が車両の左側面に設けられる場合、単眼カメラ21は、時刻tにおいて、第1の位置で第1の画像Pic(t)を撮影する。単眼カメラ21は、時刻tからΔt後の時刻t+Δtにおいて、第1の位置から距離D1離れた第2の位置で第2の画像Pic(t+Δt)を撮影する。
図5は、左側方画像を撮影する様子を模式的に示す図である。図5に示すように、自車両31は、駐車可能なスペースである駐車可能スペースのサーチを開始した時点の自車両31の位置(以下「駐車スペースサーチ開始位置」という場合がある)Tsから、駐車可能スペースを提示する時点の自車両31の位置(以下「駐車可能スペース提示位置」という場合がある)Teに向かって、進行方向32に沿って進行する。この自車両31が進行する間に、前述の図2に示す周辺撮影装置2は、前述の図4に示す単眼カメラ21によって、自車両31の側方の画像である車両側方画像、たとえば左側方画像P1,P2,…,Pn(nは自然数)を断続的または連続的に撮影する。単眼カメラ21は、たとえば自車両31の左側面に設けられる。周辺撮影装置2は、自車両31の進行方向32に向かって右側の右側面に設けられる単眼カメラ22を備えていてもよい。
周辺撮影装置2は、単眼カメラ21,22によって撮影された車両側方画像から、自車両31と、自車両31の側方の物体、たとえば駐車車両L1,L3,L4との距離Ylnを求め、記録する。図5(a)において、横軸は、自車両31からの距離Xを示し、縦軸は、自車両31の左側方の奥行Ylを示す。横軸の方向は、たとえば表示装置4の表示画面の横方向Xに相当する。自車両31からの距離Xは、具体的には、自車両31の進行方向32における駐車可能スペース提示位置Teからの距離である。
たとえば、周辺撮影装置2は、自車両31の左側方に3台の駐車車両、すなわち第1の駐車車両L1、第3の駐車車両L3および第4の駐車車両L4が存在する場合、自車両31と第1の駐車車両L1との距離Yl1、自車両31と第3の駐車車両L3との距離Yl3、および自車両31と第4の駐車車両L4との距離Yl4を求め、記録する。
周辺撮影装置2は、撮影した車両側方画像、たとえば左側方画像P1,P2,…,Pnを表す画像情報を生成する。周辺撮影装置2は、生成した画像情報とともに、記録した自車両31と自車両31の側方の物体との距離、たとえば自車両31と駐車車両L1,L3,L4との距離Yl1,Yl3,Yl4を駐車支援用表示制御装置10の画像合成部11に与える。
自車両31と自車両31の側方の物体との距離は、周辺検出装置3によって求められてもよい。この場合、周辺検出装置3は、たとえば、超音波センサによって、自車両3と自車両31の側方の物体との距離を求める。自車両31と自車両31の側方の物体との距離は、具体的には、自車両31が駐車可能スペースを探す駐車スペースサーチのときに走行してきた軌跡を表す走行軌跡と、自車両31の側方の物体との最短距離である。たとえば自車両31の側方の物体が駐車車両L1,L3,L4である場合、自車両31と各駐車車両L1,L3,L4との距離Yl1,Yl3,Yl4は、自車両31の駐車スペースサーチのときの走行軌跡と、各駐車車両L1,L3,L4の自車両31側の先端との距離である。
図6は、合成画像40の一例を示す図である。画像合成部11は、周辺撮影装置2から与えられた画像情報に基づいて、車両側方画像を自車両31の進行方向32に沿って繋ぎ合わせた合成画像40を生成する。画像合成部11は、生成した合成画像40を制御部13に与える。図6において、横軸は自車両31からの距離Xを示し、縦軸は高さZを示す。高さZは、具体的には、自車両31が走行する路面からの高さである。
図7は、車両単位画像の一例を示す図である。制御部13は、画像合成部11から与えられた合成画像40から、画像処理によって、駐車車両単位の画像(以下「車両単位画像」という場合がある)を切り取る。図7に示す例では、制御部13は、合成画像40を、a1,a3,a4,b1〜b4の7枚の画像(以下「分割画像」という場合がある)に分割し、第1〜第3の駐車車両L1,L3,L4をそれぞれ含む、3つの車両単位画像a1,a3,a4を切り取る。
制御部13は、周辺検出装置3による距離測定結果を用いて、各駐車車両L1,L3,L4の位置を推定して、車両単位画像a1,a3,a4を切り取ってもよい。
図8は、左目用描画プレーン41の一例を示す図であり、図9は、右目用描画プレーン42の一例を示す図である。制御部13は、立体視画像を作成するための描画プレーンとして、図8に示す左目用描画プレーン41と、図9に示す右目用描画プレーン42とを設ける。
図10は、分割画像の描画プレーンへの貼り付け方法を説明するための図である。図10(a)は、車両単位画像a1,a3,a4を含む分割画像a1,a3,a4,b1〜b4の一例を示す図である。図10(b)は、左目用描画プレーン41に分割画像a1,a3,a4,b1〜b4を貼り付けた状態の一例を示す図である。図10(c)は、右目用描画プレーン42に分割画像a1,a3,a4,b1〜b4を貼り付けた状態の一例を示す図である。
制御部13は、図6に示す駐車可能スペースSLの位置を表す駐車スペース表示オブジェクト51を生成し、生成した駐車スペース表示オブジェクト51を、合成画像40の対応する分割画像b2に重畳する。駐車スペース表示オブジェクト51は、たとえば図10に示すマークである。
制御部13は、駐車車両L1,L3,L4の距離に対応した奥行き位置であるY軸の位置に、それぞれの駐車車両L1,L3,L4が表示されるように両眼視差を計算して、分割画像a1,a3,a4,b1〜b4を左右の描画プレーン41,42のどの位置に貼り付けるかを計算する。
駐車車両L1,L3,L4の奥行が大きいほど、両眼視差が小さいので、左目用描画プレーン41における車両単位画像a1,a3,a4の貼り付け位置と、右目用描画プレーン42における車両単位画像a1,a3,a4の貼り付け位置との差異は小さくなる。
換言すれば、駐車車両L1,L3,L4の奥行が小さいほど、両眼視差が大きいので、左目用描画プレーン41における車両単位画像a1,a3,a4の貼り付け位置と、右目用描画プレーン42における車両単位画像a1,a3,a4の貼り付け位置との差異は大きくなる。
制御部13は、各描画プレーン41,42の計算した位置に分割画像a1,a3,a4,b1〜b4を貼り付ける。以下の説明では、左目用描画プレーン41に貼り付けられる左目用分割画像a1,a3,a4,b1〜b4を、参照符号a1−l,a3−l,a4−l,b1−l〜b4−lで表す。また右目用描画プレーン42に貼り付けられる右目用分割画像a1,a3,a4,b1〜b4を、参照符号a1−r,a3−r,a4−r,b1−r〜b4−rで表す。
ここで、第nの車両単位画像をan(nは自然数)とすると、第nの左目用車両単位画像an−lの位置と、第nの右目用車両単位画像an−rの位置とは、両眼視差を考慮したため、両描画プレーン41,42の同一位置とは限らない。したがって、制御部13は、画像間の欠損が起きないように、背景側の画面を拡大または縮小することによって補間を行う。
このようにして、左目用描画プレーン41に左目用分割画像a1−l,a3−l,a4−l,b1−l〜b4−lが貼り付けられた左目用画像43Lと、右目用描画プレーン42に右目用分割画像a1−r,a3−r,a4−r,b1−r〜b4−rが貼り付けられた右目用画像43Rとが生成される。
図11は、立体視画像の奥行の一例を示す図である。図12は、立体視画像を含む駐車スペース画像の一例を示す図である。図13は、立体視画像の奥行と駐車スペース画像における各立体視画像の位置との関係を示す図である。
前述のようにして制御部13によって生成された図10に示す左目用画像43Lおよび右目用画像43Rは、画像出力部14に与えられ、画像出力部14から表示装置4に出力される。これによって、図12に示すように、表示装置4の表示画面44に、奥行きのある立体視画像L1,L3,L4,51を含む駐車スペース画像45が表示され、自車両31の運転者によって観測される。
駐車スペース画像45に含まれる各立体視画像L1,L3,L4,51の奥行表示位置は、図11および図13に示すような位置関係になる。図11では、各分割画像a1,a3,a4,b1〜b4の奥行表示位置を、対応する参照符号a1,a3,a4,b1〜b4で示す。
図14および図15は、本発明の第2の実施の形態の駐車支援用表示制御装置10における表示制御処理に関する処理手順を示すフローチャートである。本実施の形態では、図14および図15に示す処理手順に従って、前述の図13に示す駐車スペース画像45を表示装置4に表示させる表示制御処理が行われる。
図14および図15に示すフローチャートの各処理は、駐車支援用表示制御装置10の画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13、画像出力部14および車内LANインタフェース15によって実行される。図14および図15に示すフローチャートの処理は、駐車支援用表示制御装置10の電源が投入されると開始され、図14のステップS1に移行する。
ステップS1において、車内LANインタフェース15は、車内LAN5から車両情報を取得する。車両情報を取得すると、ステップS2に移行する。
ステップS2において、制御部13は、操作入力装置6から操作情報を取得する。操作情報を取得すると、ステップS3に移行する。
ステップS3において、制御部13は、駐車スペースサーチ開始条件を満たすか否かを判断する。ここで、駐車スペースサーチ開始条件は、自車両31の速度(以下「車速」という場合がある)が予め定める速度未満になること、たとえば10km/h未満になること、または使用者からの駐車スペース検出命令が入力されることである。駐車スペースサーチ開始条件を満たすと判断された場合は、ステップS4に移行し、駐車スペースサーチ開始条件を満たさないと判断された場合は、ステップS1に戻る。
ステップS4において、画像合成部11は、周辺撮影装置2から画像情報を取得する。本実施の形態では、画像合成部11は、前述の車両側方画像、たとえば前述の図5(b)に示す左側方画像P1,P2,…,Pnを表す画像情報を取得する。画像情報を取得すると、ステップS5に移行する。
ステップS5において、駐車可能スペース判断部12は、周辺検出装置3から車両周辺情報を取得する。車両周辺情報は、たとえば自車両と、他の車両もしくは地物などの障害物との相対位置または距離である。車両周辺情報を取得すると、ステップS6に移行する。
ステップS6において、駐車可能スペース判断部12は、駐車可能スペース検出処理を行う。駐車可能スペース検出処理では、駐車可能スペース判断部12は、ステップS5で取得した車両周辺情報を用いて、駐車可能スペースの有無を判断する。
本実施の形態では、駐車可能スペース判断部12は、駐車可能スペース検出処理において、駐車可能スペースを求め、その位置に自車両が駐車するための経路が存在する場合に、駐車可能であると判断する。
このとき、駐車可能スペース判断部12は、車内LANインタフェース15から与えられる車両情報から自車両の走行経路を求め、周辺撮影装置2で撮影された画像、および周辺検出装置3で検出された検出情報の、時間属性および位置属性とする。駐車可能スペース判断部12は、これらを用いて、求めた駐車可能スペースの位置に自車両が駐車するための経路が存在するか否かを判断する。駐車可能スペース検出処理が終了した後は、ステップS7に移行する。
ステップS7において、制御部13は、操作入力装置6から操作情報を取得する。操作情報を取得すると、ステップS8に移行する。
ステップS8において、車内LANインタフェース15は、車内LAN5から車両情報を取得する。車両情報を取得すると、図15のステップS9に移行する。
図15のステップS9において、制御部13は、駐車スペースサーチ終了条件を満たすか否かを判断する。ここで、駐車スペースサーチ終了条件は、車速が予め定める速度以上、たとえば10km/h以上になること、または使用者からの駐車スペースサーチ終了命令が入力されることである。駐車スペースサーチ終了条件を満たすと判断された場合は、全ての処理手順を終了し、駐車スペースサーチ終了条件を満たさないと判断された場合は、ステップS10に移行する。
ステップS10において、制御部13は、駐車可能スペース表示条件を満たすか否かを判断する。ここで、駐車可能スペース表示条件は、駐車可能スペースが発見された場合、自車両が停車した場合、使用者から駐車スペース表示命令が入力された場合のうちのいずれかの場合を満たすことである。駐車可能スペース表示条件を満たすと判断された場合は、ステップS11に移行する。駐車可能スペース表示条件を満たさないと判断された場合は、ステップS15に移行する。
ステップS11において、画像合成部11は、合成画像、たとえば前述の図6に示す合成画像40を生成する。合成画像を生成すると、ステップS12に移行する。
ステップS12において、制御部13は、駐車スペース表示オブジェクト、たとえば前述の図10に示す駐車スペース表示オブジェクト51を生成する。駐車スペース表示オブジェクトを生成すると、ステップS13に移行する。
ステップS13において、制御部13は、ステップS12で生成された駐車スペース表示オブジェクトを、ステップS11で生成された合成画像に重畳して、駐車スペース画像、たとえば図12に示す駐車スペース画像45を生成する。駐車スペース画像を生成すると、ステップS14に移行する。
ステップS14において、画像出力部14は、ステップS14で生成された駐車スペース画像を表示装置4に出力する。駐車スペース画像を表示装置4に出力した後は、図14のステップS4に戻る。
ステップS15において、制御部13は、ステップS14で生成された駐車スペース画像を消去する。駐車スペース画像を消去した後は、図14のステップS4に戻る。
以上の本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、周辺検出装置3によって検出される自車両31の周辺の状況に基づいて、自車両31の周辺に駐車可能スペースが有るか否かが、駐車可能スペース判断部12によって判断される。周辺撮影装置2によって自車両31の進行方向32に沿って順に撮影される車両側方画像を表す画像情報が画像合成部11によって取得され、取得された画像情報に基づいて、車両側方画像を自車両31の進行方向32に沿って繋ぎ合わせた合成画像40が生成される。
駐車可能スペース判断部12によって駐車可能スペースが有ると判断された場合、制御部13によって、駐車スペース表示オブジェクト51が、画像合成部11によって生成された合成画像40に重畳されて、駐車スペース画像45が生成される。制御部13によって生成された駐車スペース画像45が、画像出力部14によって表示装置4に出力される。駐車スペース画像は、少なくとも一部分が、立体的に視認可能な立体視画像である。これによって、運転者にとって直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能なスペースを提示することができる。
また本実施の形態では、図12に示すように、駐車スペース画像45は、自車両31以外の他の車両L1,L3,L4が駐車される駐車車両領域を含み、駐車車両領域は、立体視画像によって表される。これによって。運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
また本実施の形態では、図12に示すように、駐車可能スペースは、立体視画像、具体的には立体視画像である駐車スペース表示オブジェクト51によって表される。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
本実施の形態では、前述の図7に示すように、合成画像40から駐車車両毎に車両単位画像a1,a3,a4が切り取られるが、車両単位画像の切り取り方法は、これに限定されない。図16および図17は、車両単位画像の切り取り方法を説明するための図である。図16は、図7に示す本発明の第2の実施形態において切り取られる車両単位画像a1を示す図である。図17は、車両単位画像の他の例を示す図である。
制御部13は、図17に示すように、第1の駐車車両L1の駐車車両部分a1−1と、駐車車両以外の部分a1−2とを分割し、駐車車両部分a1−1のみを、自車両31と第1の駐車車両L1との距離Yl1に対応する奥行で表示し、駐車車両以外の部分a1−2は、駐車車両部分a1−1よりも更に奥行があるように表示するように駐車スペース画像を生成してもよい。
また本実施の形態では、前述の図11に示すように、駐車車両の背景となる、駐車車両を含まない分割画像b1〜b4を、異なる距離で表示するようにしたが、これに限定されない。図18は、駐車車両の背景の位置の他の例を示す図である。たとえば図18に示すように、背景となる、駐車車両を含まない分割画像b1〜b4は、自車両31からの距離、すなわち奥行距離d0が同一になるように表示されてもよい。
また本実施の形態では、周辺撮影装置2は、単眼カメラ21,22を含んで構成されるが、これに限定されない。図19は、両眼カメラ装置60の構成を簡略化して示す図である。周辺撮影装置2は、単眼カメラ21,22に代えて、図19に示す両眼カメラ装置60を含んで構成されてもよい。
両眼カメラ装置60は、2つのカメラ、すなわち第1カメラ61および第2カメラ62を備える。第1カメラ61と第2カメラ62とは、予め定める距離D2だけ離隔して設けられる。
両眼カメラ装置60は、第1カメラ61によって左画像が撮影され、第2カメラ62によって右画像が撮影されるように設けられる。たとえば、両眼カメラ装置60が自車両31の左側面に設けられる場合、両眼カメラ装置60は、第1カメラ61が自車両31の進行方向32の後方側に配置され、第2カメラ62が自車両31の進行方向32の前方側に配置されるように設けられる。
両眼カメラ装置60の第1カメラ61および第2カメラ62で同一時刻tに撮影される2つの画像、すなわち第1カメラ61で撮影される左画像PicL(t)と、第2カメラ62で撮影される右画像PicR(t)とのペアを用いて、立体視画像が生成される。
第1カメラ61と第2カメラ62との距離D2が、前述の図4に示す単眼カメラ21による2つの撮影位置間の距離D1と同一である場合、第1カメラ61によって撮影される左画像PicL(t)は、時刻tにおいて単眼カメラ21によって撮影される第1の画像Pic(t)と同一になる。また第2カメラ62によって撮影される右画像PicR(t)は、時刻t+Δtにおいて単眼カメラ21によって撮影される第2の画像Pic(t+Δt)と同一になる。
図20は、両眼カメラ装置60を用いて左側方画像を撮影する様子を模式的に示す図である。図20に示す例では、周辺撮影装置2は、両眼カメラ装置60によって個別に撮影した立体視画像用の左右ペア画像を、描画プレーン上で合成する。
具体的には、周辺撮影装置2は、自車両31が進行方向32に向かって進行する間に、前述の図19に示す両眼カメラ装置60を用いて、自車両31の側方の画像である車両側方画像、たとえば左側方画像を撮影する。両眼カメラ装置60は、第1カメラ61および第2カメラ62によって、各位置で、左画像PicL(t)として、左目用左側方画像Pl1,Pl2,…,Plnと、右画像PicR(t)として、右目用左側方画像Pr1,Pr2,…,Prnとを撮影する。ここで、nは自然数である。
左目用左側方画像Pl1,Pl2,…,Plnと、右目用左側方画像Pr1,Pr2,…,Prnとは、同一地点で撮影した左右1枚ずつの画像ペアであり、自車両31から駐車車両L1,L3,L4または障害物までの距離属性を持つ。自車両31と駐車車両L1,L3,L4または障害物との距離は、周辺検出装置3である超音波センサによって測定されてもよいし、両眼カメラ装置60によって撮影される画像から測距されてもよい。
図21は、左目用描画プレーン71の一例を示す図であり、図22は、右目用描画プレーン72の一例を示す図である。制御部13は、立体視画像を作成するための描画プレーンとして、図21に示す左目用描画プレーン71と、図22に示す右目用描画プレーン72とを設ける。ここでは、説明の都合上、左目用描画プレーン71の奥行と、右目用描画プレーン72の奥行とは、前述の図12に示すように同一の距離とする。
図23は、描画プレーンへの貼り付け方法を説明するための図である。制御部13は、両眼カメラ装置60によって撮影された図20に示す左目用左側方画像Pl1,Pl2,…,Plnおよび右目用左側方画像Pr1,Pr2,…,Prnに基づいて、図23(a)に示すように、撮影された駐車車両L1,L3,L4に対応する左右のペア画像と、左右の駐車スペース表示オブジェクトとを準備する。たとえば、左右のペア画像である左目用車両画像an−lおよび右目用車両画像an−rと、左右の駐車スペース表示オブジェクトである左目用表示オブジェクト51Lおよび右目用表示オブジェクト51Rとを準備する。
制御部13は、準備した左右のペア画像an−l,an−r、および左右の駐車スペース表示オブジェクト51L,51Rを、それぞれ対応する左右の描画プレーン71,72に貼り付ける。ここで、左右の画像ペアを貼り付ける左右の描画プレーン71,72上の位置は同じである。
このようにして、左目用描画プレーン71に左目用車両画像an−lおよび左目用表示オブジェクト51Lが貼り付けられた左目用画像73Lと、右目用描画プレーン72に右目用車両画像an−rおよび右目用表示オブジェクト51Lが貼り付けられた右目用画像73Rとが生成される。
図24は、立体視画像の奥行の他の例を示す図である。図25は、立体視画像を含む駐車スペース画像の他の例を示す図である。前述のようにして制御部13によって生成された図21に示す左目用画像73Lおよび右目用画像73Rは、画像出力部14に与えられ、画像出力部14から表示装置4に出力される。
図24に示すように、背景となる各部分は奥行距離d0が同一となるように表示される。駐車車両L1,L3,L4は、自車両31からの距離に応じた奥行で表示される。たとえば、第4の駐車車両L4は、自車両31からの距離Yl4に応じた奥行距離d4で表示される。
このようにすることによって、図25に示すように、表示装置4の表示画面74に、奥行きのある3つの立体視画像L1,L3,L4を含む駐車スペース画像75が表示され、自車両31の運転者によって観測される。
また制御部13は、前述の図4に示す単眼カメラ21、または図19に示す両眼カメラ装置60で撮影された画像から、3次元仮想空間に車両および駐車可能スペースを構築し、視点変換処理によって、立体視画像を生成するように構成されてもよい。この場合、車両側方画像は、単眼カメラ21または両眼カメラ装置60によって撮影され、画像合成部11を介して制御部13に与えられる。制御部13は、与えられた車両側方画像から、各車両の形状および位置を3次元的に計測する。
図26は、3次元仮想空間に車両をマッピングした状態を模式的に示す図である。制御部13は、前述のようにして計測した各車両の形状および位置に基づいて、各車両を図26に示すように3次元仮想空間にマッピングする。このとき、単眼カメラ21または両眼カメラ装置60で撮影できず、計測できなかった部分は、適当な車両モデルを当てはめて欠損情報を補ってもよい。
具体的には、3次元仮想空間に仮想視点Pver(x,y,z,θ,φ)を設け、その位置に仮想の両眼カメラ装置80を設置して、両眼カメラ装置80で撮影されたものとして、左目用画像81と右目用画像82とを生成する。この画像生成処理には、たとえば、公知の3次元画像処理が適用される。
このようにして制御部13によって生成される左目用画像81および右目用画像82は、画像出力部14に与えられ、画像出力部14から表示装置4に出力される。これによって、奥行きのある立体視画像を含む駐車スペース画像が表示装置4の表示画面に表示され、自車両31の運転者によって観測される。
また、奥行のある立体視画像を含む駐車スペース画像を表示する表示装置4は、立体視画像を表示可能な表示装置に限るものではなく、3次元表現が可能なヘッドアップディスプレイであってもよいし、他の方式による3次元画像表示装置であってもよい。
図27は、駐車可能スペースを検出する方法を説明するための図である。前述のように、周辺撮影装置2は、たとえば車両31の左側に設置された両眼カメラ装置60によって、立体視画像用に右目用画像L1−r,L3−r,L4−rと左目用画像L1−l,L3−l,L4−lとをペアで撮影する。制御部13は、たとえば、両眼カメラ装置60で撮影された画像L1−l,L1−r,L3−l,L3−r,L4−l,L4−rから、合成画像を生成する。制御部13は、生成した合成画像から、駐車可能スペースSL−l,Sl−rを検出する。
駐車可能スペースを検出するときには、たとえば、撮影と合わせて超音波センサで、左右の空きスペースを検出する。検出アルゴリズムおよび駐車可否判断には、公知の技術を用いることができる。
制御部13は、このようにして検出された駐車可能スペースSL−l,Sl−rを示す表示オブジェクトを合成画像に重畳した画像を表示装置4に表示させることによって運転者に提示する。たとえば、前述の図12に示すように、車両も駐車可能スペースも立体視画像として表示される。
図28は、駐車スペース画像の他の例を示す図である。駐車スペース画像は、図28(b)に示すように、車両側方画像L1,L3,L4が、表示装置4の表示画面上に対応する車両の進行方向に沿って、表示装置4の表示画面に向かって下側から上側に順に表示されるように構成されてもよい。
図28(b)に示す例では、図28(a)に示すように、第3の駐車車両L3は、第4の駐車車両L4よりも遠くに駐車されており、自車両31と第3の駐車車両L3との距離Yl3は、自車両31と第4の駐車車両L4との距離Yl4よりも大きくなっている(Yl3>Yl4)。したがって、図28(b)に示す駐車スペース画像90では、第3の駐車車両L3の立体角は、第4の駐車車両L4の立体角に比べて、やや狭くなっている。
図29〜図32は、駐車スペース画像の視点を模式的に示す図である。駐車スペース画像は、図29〜図32に示すように、表示エリアを視点変換して表示されてもよい。たとえば、駐車スペース画像は、図29に示すように、水平で前方からの視点Peye1から見た画像として表示されてもよい。また駐車スペース画像は、図30に示すように、水平でやや前方からの視点Peye2から見た画像として表示されてもよい。また駐車スペース画像は、図31に示すように、真上から俯瞰する視点Peye3から見た画像として表示されてもよい。また駐車スペース画像は、図32に示すように、斜め上からの視点Peye4から見た画像として表示されてもよい。
図33〜図36は、駐車スペース画像の視点の他の例を模式的に示す図である。駐車ペース画像は、図33〜図36に示すように、予め定める指定エリア、たとえば駐車可能スペースSLを視点変換して表示されてもよい。
この場合、制御部13は、駐車可能スペースを選択して、駐車可能スペースにのみ視点変換を行う。指定エリア以外のエリアは、元のままの視点で表示されてもよいし、指定エリアと同様に視点変換して表示されてもよい。また指定エリアのみ、指定エリア以外のエリアよりも広く表示されてもよい。また駐車可能スペースSLに、車両を立体視画像として表す仮想3次元表示オブジェクト51を表示してもよい。
たとえば、駐車スペース画像は、図33に示すように、指定エリアとして駐車可能スペースを選択して、駐車可能スペースのみ、水平で前方からの視点Peye1から見た画像として表示されてもよい。図33に示す例では、駐車可能スペースには、仮想3次元表示オブジェクト51と、車輪止め91とが表示される。
また駐車スペース画像は、図34に示すように、仮想3次元表示オブジェクト51と車輪止め91とを含む駐車可能スペースが、水平でやや前方からの視点Peye2から見た画像として表示されてもよい。また駐車スペース画像は、図35に示すように、仮想3次元表示オブジェクト51と車輪止め91とを含む駐車可能スペースが、真上から俯瞰する視点Peye3から見た画像として表示されてもよい。また駐車スペース画像は、図36に示すように、仮想3次元表示オブジェクト51と車輪止め91とを含む駐車可能スペースが、斜め上からの視点Peye4から見た画像として表示されてもよい。
以上のように駐車スペース画像は、周辺撮影装置2によって車両側方画像が撮影されたときの視点とは異なる視点から見た画像に変換されて表示されてもよい。特に、駐車スペース画像のうち、予め定める指定エリアは、周辺撮影装置2によって車両側方画像が撮影されたときの視点とは異なる視点から見た画像に変換されて表示されてもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
図37は、駐車スペース画像の他の例を示す図である。駐車スペース画像は、たとえば図37に示すように、車両が存在しない駐車可能スペースSLの領域E3が立体視画像で表示され、車両が存在する車両領域E1,E2が2次元画像で表示されてもよい。
これによって、画像処理量を削減することができる。この場合、実際の駐車車両の奥行は、図37(a)に示すようになっているが、車両領域E1,E2は2次元画像で表示される。したがって、2次元画像を立体視画像と組み合わせる場合は、図37(b)に示すように駐車車両L1,L3,L4の奥行距離Ylを、いずれかの駐車車両と自車両31との距離、たとえば、第4の駐車車両L4と自車両31との距離Yl4に統一する。
図38は、駐車スペース画像の他の例を示す図である。駐車スペース画像は、図38に示すように、自車両31の位置を示す立体表示オブジェクトを含んでもよい。立体表示オブジェクトが表示される自車両の位置は、実際の3次元空間の車両の位置と対応する。自車両の立体表示オブジェクト以外は、たとえば前述の図28(b)と同様に表示される。
図示は省略するが、駐車車両領域は、他の領域に比べて協調して表示されてもよい。具体的には、駐車車両領域は、車両L1,L3,L4をデフォルメして表示するデフォルメ表示オブジェクトで表示されてもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
図38に示す例では、左右の車両群は、運転者視点で撮影した自車両から撮影した複数の画像をつなぎ合わせた立体視画像を含む合成画像で表示される。第3の駐車車両L3は、第4の駐車車両L4よりも遠くに駐車されており、第3の駐車車両L3と自車両との距離Yl3は、第4の駐車車両L4と自車両との距離Yl4よりも大きくなっている(Yl3>Yl4)。したがって、図38に示す立体視画像では、第3の駐車車両L3の方が、第4の駐車車両L4に比べて、立体角がやや狭くなっている。
図39は、車両の左右に駐車可能スペースの候補がある場合の駐車スペース画像の一例を示す図である。自車両31の左右に駐車可能スペースの候補がある場合、周辺撮影装置2は、自車両31の左右に設置された単眼カメラ21または両眼カメラ装置60によって、左右両眼用の画像を撮影し、撮影した画像を表す画像情報を画像合成部11に与える。画像合成部11は、与えられた画像情報から合成画像261,262を生成する。駐車可能スペース判断部12は、左右の駐車可能スペースをサーチする。これによって、たとえば、左側駐車可能スペースSLおよび右側駐車可能スペースSRが検出される。
制御部13は、左右の合成画像261,262、すなわち左側合成画像261および右側合成画像262に、駐車可能スペースSL,SRを示す表示オブジェクトを重畳する。これによって、左右の駐車可能スペースSL,SRを含む駐車スペース画像140が生成される。このような駐車スペース画像140とすることによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。自車両31は、表示装置4の表示画面の予め定める基準線141、たとえば表示画面の中央線上に表示される。具体的には、自車両31は、自車両31の走行軌跡を表す線が表示画面の基準線141に一致するように表示される。
また図39に示す駐車スペース画像140は、自車両31と自車両31の進行方向32に向かって右側および左側に存在する車両または駐車区画との位置関係に応じて、表示装置4の表示画面における左側合成画像261および右側合成画像262の表示位置を変更するように生成されてもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。この場合、たとえば、各駐車車両の側方距離dl,drおよび進行方向距離Hl,Hrに応じて、表示装置4の表示画面における左側合成画像61および右側合成画像62の表示位置が変更される。
ここで、側方距離dl,drとは、自車両31の側方における自車両31と自車両31の側方の物体との距離である。側方距離dl,drは、具体的には、自車両31の駐車スペースサーチのときの走行軌跡33と、自車両31の側方の物体との最短距離である。たとえば自車両31の側方の物体が車両L1,L3,L4,R1,R2,R4である場合、側方距離dl,drは、自車両31の駐車スペースサーチのときの走行軌跡33と、各車両L1,L3,L4,R1,R2、R4の自車両31側の先端との距離である。側方距離dl,drは、前述の自車両31との距離Ylnに相当する。
また進行方向距離Hl,Hrとは、自車両31の進行方向における自車両31と自車両31の側方の物体との距離である。進行方向距離Hl,Hrは、具体的には、停車位置における自車両31の進行方向後方側の端部と、自車両31の側方の物体との最短距離である。たとえば自車両31の側方の物体が車両L1,L3,L4,R1,R2,R4である場合、進行方向距離Hl,Hrは、停車位置における自車両31の進行方向後方側の端部と、各車両L1,L3,L4,R1,R2,R4の自車両31側の側面部との距離である。進行方向距離Hl,Hrは、前述の自車両31からの距離Xに相当する。
図40〜図47は、車両の左右に駐車可能スペースの候補がある場合の駐車スペース画像の他の例を示す図である。図40に示すように、駐車スペース画像150は、自車両31の位置を示す自車両位置表示オブジェクト151を含んでもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
また図40では、表示装置4の表示画面のうち、予め定める第1の表示領域に相当する表示画面に向かって左側の領域に左側合成画像261が表示され、予め定める第2の表示領域に相当する表示画面に向かって右側の表域に右側合成画像262が表示されるように、駐車スペース画像150が生成される。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
また図40では、左側合成画像261および右側合成画像262が、自車両31の位置を支点として自車両31の進行方向32から、互いに反対方向に予め定める回転角度回転して表示されるように、駐車スペース画像150が生成される。具体的には、左側合成画像261および右側合成画像262が、自車両31の進行方向32と一致する表示画面の中央線152から、互いに反対方向に90°回転して表示されるように、駐車スペース画像150が生成される。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
また図41に示すように、駐車スペース画像160は、左側合成画像261が表示される第1の表示領域161と、右側合成画像262が表示される第2の表示領域162とに加えて、推奨スペースを示す第3の表示領域163を含んでもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
また図42に示すように、駐車スペース画像170は、自車両31の位置を示す自車両位置表示オブジェクト151を含んでもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。この場合、駐車スペース画像170は、図42に示すように、自車両位置表示オブジェクト151が表示される自車両表示領域171と、合成画像261,262が表示される合成画像表示領域172とに分割された構成であってもよい。
また図42に示すように、制御部13は、周辺撮影装置2によって撮影される自車両31の進行方向32の後方側の後方画像173を、左側合成画像261と右側合成画像262との間に挿入して、左側合成画像261と後方画像171と右側合成画像262とを繋ぎ合せるように、駐車スペース画像170を生成してもよい。これによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
また図43に示すように、制御部13は、駐車スペース画像180の一部分が、残余の部分とは異なる表示形態で表示されるように、駐車スペース画像180を生成してもよい。図43に示す例では、駐車スペース画像180の一部分、具体的には自車両31が表示される自車両表示領域182が、俯瞰画像として表示される。また自車両表示領域182以外の領域、たとえば合成画像261,262が表示される合成画像表示領域181,183は、2次元画像として表示されてもよい。
図44は、駐車スペース画像の他の例を示す図である。図44(b)において、横軸は横方向Xを示し、縦軸は奥行Yを示す。駐車スペース画像は、図44に示すように、俯瞰画像と合成されて表示されてもよい。図44に示す例では、駐車スペース画像は、図44(a)に示す自車両31の画像と、図44(c),(d)に示す俯瞰画像との合成として表示される。
図44に示す例では、俯瞰画像として合成または撮影された自車両31の画像と、運転者視点で撮影された立体視画像L4,R4とが並べて表示される。このとき、駐車エリアではない走行エリアを俯瞰画像とするが、俯瞰画像を表示する奥行平面の位置は、駐車可能スペースの奥の距離に合わせることが好ましい。
俯瞰画像は、図44に示すように、立体視画像でもよい。図44において、y1は、自車両31の左側方の左駐車可能スペース210の先端から第4の左側車両L4の先端までの距離、すなわち第4の左側車両L4が駐車される駐車領域212の周囲の領域211の幅を示す。y2は、自車両31の左側面から左駐車可能スペース210の先端までの距離を示す。
y3は、自車両31の右側面から自車両31の右側方の右駐車可能スペース215の先端までの距離を示す。y4は、右駐車可能スペース215の先端から第4の右側車両R4の先端までの距離、すなわち第4の右側車両R4が駐車される駐車領域217の周囲の領域216の幅を示す。
zrは、第4の右側車両R4の車高を示す。zlは、第4の左側車両L4の車高を示す。zaは、自車両31を表す自車両表示オブジェクトの車高を示す。xaは、自車両表示オブジェクトの車幅を示す。xwは、走行エリアの幅を示す。
図44では、y2を自車両31の左側面から左駐車可能スペース210の先端までの距離としたが、走行エリアの幅の2分の1(1/2)にしてもよいし、自車両31の中心から左駐車可能スペース210の先端までの距離としてもよい。y3についても同様である。
道路は、基本的には平面であるので、立体視画像である必要はないが、駐車スペース画像の少なくとも一部分を俯瞰画像として表示することによって、たとえば石などの障害物を立体的に表示することができる。
図45は、推奨する駐車可能スペースが存在する場合の駐車スペース画像の一例を示す図である。たとえば、図45に示すように、駐車エリアに駐車車両が7台存在し、2か所の駐車可能スペースPL1,PL2が存在する場合を想定する。
図45では、第2の駐車可能スペースPL2を推奨する場合の表示例を示す。図45(a)は、駐車エリア内の駐車状況を説明するための図であり、上方から見た俯瞰図に相当する。正面から見た表示を図45(c)に示し、立体表示の奥行表現を図45(b)に示す。図45に示す例では、推奨する駐車可能スペースPL2と、その両隣の駐車車両L6,L8とを立体視画像で表示し、それ以外を平面画像で表示する。すなわち、駐車可能スペースPL2およびその両隣の駐車車両L6,L8を含む領域Q2を、立体視画像で表示される立体視画像表示領域とし、立体視画像表示領域Q2以外の領域Q1,Q3を、平面画像で表示される平面画像表示領域とする。
図46は、駐車スペース画像の他の例を示す図である。図46(a)は、奥行表示の状況を説明するための図であり、図46(b)は、推奨する駐車可能スペースの表示例を示す図である。図46に示すように、推奨する駐車可能スペースPL2に、平面画像の代わりに、車両を示す表示オブジェクト220を追加して表示してもよい。表示オブジェクト220は、たとえば、立体視画像によって表される表示オブジェクトである。このように推奨される駐車可能スペースに、立体視画像によって表される表示オブジェクトを表示させることによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
図47は、駐車スペース画像の他の例を示す図である。図47(a)は、推奨する駐車可能スペースSL,SRの奥行を示す図であり、図47(b)は、推奨する駐車可能スペースの表示例を示す図である。図47に示すように、推奨する駐車スペースの存在する側の駐車エリアと、それ以外の駐車エリアとで表示態様を変えてもよい。図47に示す例の駐車スペース画像230では、右の駐車可能スペースSRを推奨して、表示装置4の表示画面の中央線233に関して、右側の駐車エリア232を立体視画像で表示し、左側の駐車エリア231を平面画像として表示している。平面画像の代わりに、表示オブジェクトを用いてもよい。
このように左側合成画像261および右側合成画像262のうち、推奨される駐車可能スペースが存在する側の合成画像、すなわち右側合成画像262と、残余の合成画像、すなわち左側合成画像261とが異なる表示形態で表示されるように、駐車スペース画像230を生成することによって、運転者に、より直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
特に、推奨される駐車可能スペースが存在する側の合成画像、すなわち右側合成画像262を記立体視画像によって表すことによって、運転者に、より一層、直観的に理解が可能な表示形態で駐車可能スペースを提示することができる。
<第3の実施の形態>
図48は、本発明の第3の実施の形態における駐車支援装置201の構成を示すブロック図である。駐車支援装置201は、駐車支援用表示制御装置10A、周辺撮影装置2、周辺検出装置3、表示装置4、車内LAN5、操作入力装置6および走行駆動装置7を備えて構成される。駐車支援用表示制御装置10Aは、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、制御部13、画像出力部14および自動駐車制御部16を備える。
駐車支援用表示制御装置10Aは、たとえば、車両などの移動体に搭載される。周辺撮影装置2、周辺検出装置3、表示装置4、車内LAN5、操作入力装置6および走行駆動装置7は、駐車支援用表示制御装置10Aを搭載する自車両に設けられる。
本実施の形態の駐車支援装置201は、前述の第1の実施の形態の駐車支援装置100および第2の実施の形態の駐車支援装置200と同一の構成を含んでいるので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。本発明の他の実施の形態である駐車支援用表示制御方法は、本実施の形態の駐車支援用表示制御装置10Aによって実行される。
自動駐車制御部16は、駐車可能スペース情報と駐車スペース選択情報により、走行駆動装置7を制御し、自動駐車を実行する。
走行駆動装置7は、車両のハンドル、ブレーキ、アクセルを制御して、車両の駆動を行う。
図49は、本発明の第3の実施の形態における駐車スペース画像290の一例を示す図である。本実施の形態では、駐車スペース画像290には、駐車可能スペースを選択するための表示オブジェクト291が含まれる。表示オブジェクト291は、「駐車スペースを選択してください」などの文字が表示される文字表示領域292と、左側駐車可能スペースSLを選択するためのボタン293と、右側駐車可能スペースSRを選択するためのボタン294とを含む。運転者は、表示オブジェクト291内のボタン293,294のいずれかを選択することによって、駐車可能スペースを選択する。
本実施の形態においても、駐車スペース画像290は、車両側方画像を含むので、前述の第1および第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上に述べた本実施の形態の駐車支援用表示制御装置は、車両に搭載可能なナビゲーション装置だけでなく、通信端末装置、およびサーバ装置などを適宜に組み合わせてシステムとして構築される駐車支援システムに適用することができる。通信端末装置は、たとえばサーバ装置と通信を行う機能を有するPND(Portable Navigation Device)および携帯通信装置である。携帯通信装置は、たとえば携帯電話機、スマートフォンおよびタブレット型端末装置である。
前述のようにナビゲーション装置と通信端末装置とサーバ装置とを適宜に組み合わせてシステムが構築される場合、本実施の形態の駐車支援用表示制御装置の各構成要素は、前記システムを構築する各装置に分散して配置されてもよいし、いずれかの装置に集中して配置されてもよい。
たとえば、駐車支援用表示制御装置に備えられる画像合成部、駐車可能スペース判断部および制御部は、サーバ装置に配置されてもよいし、携帯通信装置などの通信端末装置に配置されてもよい。
前述の駐車支援用表示制御装置に備えられる画像合成部、駐車可能スペース判断部および制御部がサーバ装置に配置される場合の駐車支援装置は、以下の第4の実施の形態に示す構成を有する。また、前述の画像合成部、駐車可能スペース判断部および制御部が携帯通信装置に配置される場合の駐車支援装置は、以下の第5の実施の形態に示す構成を有する。
<第4の実施の形態>
図50は、本発明の第4の実施の形態における駐車支援装置500の構成を示すブロック図である。本実施の形態の駐車支援装置500は、情報提供装置300とサーバ装置400とを備えて構成される。本実施の形態の駐車支援装置500は、前述の第1および第2の実施の形態の駐車支援装置100,200と同一の構成が含まれているので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
情報提供装置300は、車両に搭載される。情報提供装置300は、情報提供装置本体310、周辺撮影装置2、周辺検出装置3、表示装置4、車内LAN5および操作入力装置6を備えて構成される。
情報提供装置本体310は、画像出力部14、車内LANインタフェース15、車載側制御部311および車載側通信部312を備える。車載側制御部311は、たとえばCPU(Central Processing Unit)と、書き込み可能なRAMなどのメモリとによって構成される。メモリは、制御プログラムを記憶する。CPUが、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することによって、画像出力部14、車内LANインタフェース15および車載側通信部312を統括的に制御する。
サーバ装置400は、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、サーバ側通信部401およびサーバ側制御部402を備えて構成される。
サーバ側通信部401は、情報提供装置300と通信を行う。サーバ側通信部401は、情報提供装置300と通信を行う場合、たとえば、インターネットなどの通信網を介して、情報提供装置300と通信可能に構成される。
サーバ側制御部402は、たとえばCPUと、書き込み可能なRAMなどのメモリとによって構成される。メモリは、制御プログラムを記憶する。CPUが、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することによって、画像合成部11および駐車可能スペース判断部12およびサーバ側通信部401を統括的に制御する。
以上のように本実施の形態では、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12およびサーバ側制御部402は、サーバ装置400に配置される。このように配置される場合でも、前述の第1〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<第5の実施の形態>
図51は、本発明の第5の実施の形態における駐車支援装置510の構成を示すブロック図である。本実施の形態の駐車支援装置510は、情報提供装置300と携帯通信装置410とを備えて構成される。本実施の形態の駐車支援装置500は、前述の第4の実施の形態の駐車支援装置500と同一の構成が含まれているので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
携帯通信装置410は、たとえば携帯電話機、スマートフォンまたはタブレット型端末装置によって実現される。携帯通信装置410は、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12、携帯側通信部411および携帯側制御部412を備えて構成される。
携帯側通信部411は、情報提供装置300と通信を行う。携帯側通信部411は、情報提供装置300と通信を行う場合、たとえば、インターネットなどの通信網を介して、情報提供装置300と通信可能に構成される。また、携帯側通信部411は、情報提供装置300と通信を行う場合、たとえば、近距離無線通信規格であるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))または無線LANなどの無線によって、情報提供装置300と通信可能に構成されてもよい。また、携帯側通信部411は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルまたはLANケーブルなどの有線によって、情報提供装置300と通信可能に構成されてもよい。
携帯側制御部412は、たとえばCPUと、書き込み可能なRAMなどのメモリとによって構成される。メモリは、制御プログラムを記憶する。CPUが、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することによって、画像合成部11および駐車可能スペース判断部12および携帯側通信部411を統括的に制御する。
以上のように本実施の形態では、画像合成部11、駐車可能スペース判断部12および携帯側制御部412は、携帯通信装置410に配置される。このように配置される場合でも、前述の第1〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることが可能である。また、各実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
本発明の駐車支援用表示制御装置は、周辺検出装置によって検出される車両の周辺の状況に基づいて、車両の周辺に駐車可能な駐車可能スペースが有るか否かを判断する駐車可能スペース判断部と、周辺撮影装置によって車両の進行方向に沿って順に前記車両から側方へ向かって撮影される車両側方画像を表す画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて、車両側方画像を車両の進行方向に沿って繋ぎ合わせた合成画像を生成する画像合成部と、駐車可能スペース判断部によって駐車可能スペースが有ると判断された場合、駐車可能スペースの位置を示す駐車スペース表示オブジェクトを、画像合成部によって生成された合成画像に重畳して、駐車スペース画像を生成する制御部と、制御部によって生成された駐車スペース画像を表示装置に出力する画像出力部とを備え、駐車スペース画像は、少なくとも一部分が、立体的に視認可能な立体視画像であることを特徴とする。