JPWO2017104752A1 - 発根抑制麦芽の製造方法 - Google Patents

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Abstract

リン酸を含有する浸麦水に大麦を浸漬する工程を含む、麦芽の製造方法、及び当該製造方法により得られた麦芽を原料として用いる、飲食品(例えば、発酵飲料、麦芽使用飲料、ビールテイスト飲料、ウイスキー)の製造方法。本発明の製造方法により、発根が抑制された麦芽を効率よく製造することができることから、製麦の生産性(製麦の収率)を向上することができる。また、得られた麦芽を用いた飲食品はエグミが抑制されながらもコクが増強されるものであり、嗜好品として新たなテイストを提供できる。

Description

本発明は、麦芽の製造方法に関する。より詳しくは、大麦を浸漬して製造する麦芽の製造方法、及び該製造方法により得られる麦芽を用いる飲食品の製造方法に関する。
一般に、ビール製造では、製造するビール品質に適合するように、大麦の産地、品種、栽培条件等を制御し、麦芽を造り分ける。しかしながら、今以上に多様な味わいのビールを製造するために麦芽そのものの製造方法についても盛んに検討されている。
例えば、特許文献1には、オゾン水を用いて大麦を浸漬処理することで、大麦の吸水率を高めたり、吸水速度を速めることが可能となり、また、浸漬後の発芽工程においても、発芽速度や幼芽伸長速度を速めるなどの効果が得られることが開示されている。
特許文献2は、一次浸水時間を0.5〜1.5時間に、かつ、その後の一次断水時間を16〜19時間として、発芽温度を13〜20℃に、かつ、浸麦後の麦芽の浸麦度を40%以上と、各条件を厳密に規定することで、タンパク質分解率と細胞壁分解率を制御し、従来品とは異なるバランスでタンパク質分解率を抑えた麦芽が製造できることを報告している。
特開平5−328959号公報 特開2012−213373号公報
しかしながら、従来技術に依って麦芽を製造すると、発芽と共に発根も認められ、この根や幼芽には、それ自体にエグミ原因物質が含まれる。除根により麦芽の歩留りは低下するとともに、また除根工程で根を完全に除去するのは難しいことから、得られた麦芽を用いた飲食品は、嫌なエグミ等の香味がある点で満足できるものではなかった。これらのことから、除根せずに済む麦芽製麦技術が望まれている。
本発明の課題は、発根を抑制した発芽大麦(本発明ではこれを麦芽と呼ぶ)を効率よく製造する方法、及び該製造方法により得られる麦芽を用いる飲食品の製造方法を提供することにある。
本発明は、下記〔1〕〜〔11〕に関する。
〔1〕 リン酸を含有するpHが1.6〜2.3の浸麦水に大麦を浸漬する工程を含む、麦芽の製造方法。
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、飲食品の製造方法。
〔3〕 前記〔1〕記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、麦芽使用飲料の製造方法。
〔4〕 前記〔1〕記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
〔5〕 前記〔1〕記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、発酵飲料の製造方法。
〔6〕 麦芽中の発根を抑制するためのリン酸を含有する浸麦用液。
〔7〕 麦芽中の発根を抑制するためのリン酸を含有する浸麦水の使用。
〔8〕 リン酸を含有する浸麦水に原料大麦を浸漬することを特徴とする、麦芽の発根抑制方法。
〔9〕 原料大麦のリン酸含有浸麦水への浸漬処理物である、発根していない麦芽。
〔10〕 原料大麦のリン酸含有浸麦水への浸漬処理物である、発根が抑制された麦芽。
〔11〕 原料大麦のリン酸含有浸麦水への浸漬処理物である、発芽が抑制された麦芽。
本発明の麦芽の製造方法により、発根が抑制された麦芽を効率よく製造することができることから、除根工程を簡略化でき、製麦収率を格段に向上することができる。また、本発明の製造方法により発根が抑制された麦芽が得られるが、発根だけでなく幼芽の伸長も抑制されるため、この麦芽を用いると、得られる発酵飲料等の飲食品はエグミが抑制されるといった優れた香味を提供することができる。
また、本発明の製造方法により得られた発根が抑制された麦芽は、細胞壁を分解する酵素活性が高くなるために、例えば、発酵飲料製造時の原料液のβグルカン量が低下して、各種ろ過工程における濾過性が向上することで生産性が向上するとともに、Hazeの発生を抑制し製品の混濁が防止され、また、タンパク質を分解する酵素活性が低くなるために、得られる発酵飲料の泡持ちが向上し、かつ、コクが増加するといった優れた効果も奏するものである。
図1は、浸麦条件による幼芽伸長の推移を示す図である。 図2は、浸麦条件による細胞壁分解酵素量の違いを示す図である。 図3は、浸麦条件によるデンプン分解酵素量の違いを示す図である。 図4は、浸麦条件によるタンパク質分解酵素量の違いを示す図である。 図5は、浸麦条件による麦芽の細胞壁分解関連指標・タンパク分解関連指標・でんぷん分解関連指標ならびに麦汁のβグルカン量の違いを示す図である。 図6は、浸麦条件により得られたビールの官能評価の違いを示す図である。 図7は、pHとエグミ成分との関係を示す図である。
一般に、麦芽の製造においては、まず、原料の大麦からホコリやゴミをきれいに取り除き、浸麦槽で水分を含ませた後、適度に発芽させ、次いで、熱風により焙燥するといった一連の処理を行うことで、ビールテイスト飲料に必要な成分と独特の色、そして芳しい香りをもつ麦芽が得られるようになる。一方、ビール製造に用いられる麦芽は、麦芽中の成分を効率的に溶出させるように細胞壁分解が進んだものや、麦汁の発酵が効率的に進むために麦芽のタンパク質分解が進んだものが好まれる傾向にある。しかし最近ではタンパク分解が進み過ぎることで、麦芽可能性窒素やKI(コールバッハ:可溶性窒素/全窒素×100)が高くなりすぎることが問題点として指摘され、新たな対応が求められている。そこで、本発明者らが浸麦条件について検討したところ、通常用いられる水に代えて、リン酸を含有する酸の水溶液(浸麦水)に大麦を浸漬すると、大麦の呼吸が抑制されて細胞の成長が鈍化し、その後の発芽工程に供しても幼芽の伸長が遅くなり、発根が顕著に抑制されることが分かった。一方で、細胞内では細胞壁が分解されて中心部へ水分が十分に行き渡りながらも、タンパク質の分解がある程度抑えられることも判明した。このような現象が認められるのは、非解離のリン酸が細胞内に取り込まれると細胞内の液性に従って解離し、ATPを介したプロトン放出が生じることで細胞活性が抑制され、発根やタンパク質分解が抑制されるからであると推察される。これにより、かかる浸麦を行って得られた麦芽を用いた発酵飲料は、エグミが抑制されながらも、コクのある優れた香味を呈するものになる。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。なお、本明細書においては、発根の有無にかかわらず、酒造りに使えるポテンシャルを持つものを麦芽として扱う。
本発明の麦芽の製造方法においては、先ず、リン酸を含有する浸麦水(以降、単に、酸浸麦水と記載する)に大麦を浸漬して浸麦する。かかる浸麦のことを、酸性浸麦と記載することもある。なお、浸漬に供する大麦は、予めゴミ等を取り除いたり、選粒機などを用いて整粒を行っていてもよい。本発明で用いる大麦は、発芽力が均一で、しかも旺盛であるものが好ましいことから、高発芽率大麦を使用するのが好ましい。高発芽率大麦としては、発芽率が95%以上のものを用いるのが好ましく、98%以上がより好ましい。発芽率が95%未満の休眠中のものや、発芽率が95%未満に低下した古い大麦は使用しないのが好ましい。大麦は収穫した後、乾燥して水分含量が一般に13%程度で保管する。成熟期後の大麦は休眠期間に入っており、品種や年次による差はあるが、休眠が明けるのは一般的に収穫後90日から100日程度である。保管環境(温度・湿度)にもよるが、収穫後の保管期間が長くなり古い大麦となると、発芽率が低下していくため、好ましくは収穫後3年以内のもの、より好ましくは2年以内のもの、さらに好ましくは1年以内のもので休眠明けのものを使用するのが好ましい。本発明における発芽率の評価法は、ろ紙を2枚重ねたシャーレに大麦100粒を入れ、4.5ccの水を加えた後、20℃72時間後の発芽粒の割合を出し、これを3回反復し平均値を求めたものである。
本発明で用いられる酸浸麦水はリン酸を含有するものであれば特に限定はなく、例えば、リン酸を水で希釈して調製することができる。また、リン酸の塩が含有されてもよく、リン酸の塩としては、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどが例示される。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、本発明で用いられる酸浸麦水には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の酸(例えば、クエン酸等)を含有していてもよい。したがって、リン酸又はリン酸塩と、他の酸との組み合わせも本発明に含まれる。
酸浸麦水中のリン酸(HPO)の含有量としては、発根を抑制する観点から、7mM以上が好ましく、9mM以上がより好ましく、11mM以上が更に好ましく、13mM以上が更に好ましく、15mM以上が更に好ましく、17mM以上が更に好ましく、19mM以上が更に好ましく、21mM以上が更に好ましく、23mM以上が更に好ましく、24mM以上が更に好ましく、25mM以上が更に好ましく、26mM以上が更に好ましく、27mM以上が更に好ましく、28mM以上が更に好ましい。また、細胞成長を鈍化させる観点から、176mM以下が好ましく、125mM以下がより好ましく、100mM以下が更に好ましく、80mM以下が更に好ましく、70mM以下が更に好ましく、60mM以下が更に好ましく、50mM以下が更に好ましく、40mM以下が更に好ましく、38mM以下が更に好ましく、36mM以下が更に好ましく、35mM以下が更に好ましく、34mM以下が更に好ましく、33mM以下が更に好ましく、32mM以下が更に好ましい。なお、本明細書において、リン酸の含有量は、pH緩衝化ポストカラム電気伝導度検出法(島津製作所の有機酸分析システムProminence)に従って測定することができる。
酸浸麦水のpH(浸漬に供する初期pH)は、1.6以上、好ましくは1.7以上、更に好ましくは1.75以上、更に好ましくは1.80以上、更に好ましくは1.85以上、更に好ましくは1.90以上、更に好ましくは1.92以上、更に好ましくは1.94以上、更に好ましくは1.96以上であり、2.30以下、好ましくは2.25以下、更に好ましくは2.20以下、更に好ましくは2.08以下、更に好ましくは2.06以下、更に好ましくは2.04以下、更に好ましくは2.02以下、更に好ましくは2.00以下である。従って、初期のpH範囲として、1.6〜2.3であり、好ましくは1.7〜2.25、さらに好ましくは1.7〜2.20、より好ましくは1.7〜2.08、より好ましくは1.7〜2.06、より好ましくは1.7〜2.04、より好ましくは1.7〜2.02、より好ましくは1.7〜2.00である。また、浸麦中のpHについても、上記範囲内にコントロールすることが望ましく、浸麦中にpHが上昇しても、浸漬工程終了時は、pHが3.4以下であるのが好ましく、3.2以下がより好ましく、3.0以下であるのがさらに好ましい。尚、浸漬は、後述のように、一次浸漬、二次浸漬、三次浸漬のように、複数回の浸漬を行う場合があるが、その場合の酸浸麦水の初期pHと終了時pHは、各浸漬ごとの初期と終了時のpHを意味する。酸浸麦水のpHは、20℃での測定である。
酸浸麦水を入れる浸漬槽(浸麦槽)としては、公知のものが用いられるが、腐食を抑制する観点から、ステンレス製の水槽が好ましい。形状や大きさは当業者の技術常識に従って適宜調整することができる。また、温度調節機能付きの水槽であってもよい。かかる水槽に大麦が十分に被る位の酸浸麦水を加えて浸漬する。
浸麦条件としては、特に限定はなく、公知の条件を用いることができる。具体的には、浸漬工程後に、更に水切り(断水)工程を行うことができる。また、浸漬と水切り(断水)を交互に行ってもよく、例えば、一次浸漬、一次断水、二次浸漬、二次断水、三次浸漬、三次断水等と繰り返し行ってもよい。浸漬と断水を繰り返し行うことで、大麦中に十分に水分を含ませることができる。
浸漬時間は、大麦の種類や量、浸漬に用いる水の温度によって一概には設定されないが、例えば、浸漬と断水を交互に繰り返して二次浸麦まで行って(2回浸麦ともいう)浸麦する場合について説明する。一次浸漬時間としては、吸水の観点から、4時間以上が好ましく、6時間以上がより好ましく、8時間以上が更に好ましく、9時間以上が更に好ましく、10時間以上が更に好ましい。また、生産効率の観点から、32時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましく、28時間以下が更に好ましく、27時間以下が更に好ましく、26時間以下が更に好ましく、25時間以下が更に好ましく、24時間以下が更に好ましく、23時間以下が更に好ましく、22時間以下が更に好ましい。また、浸漬温度として、用いる酸浸麦水の温度は、井戸水使用の観点から、12℃以上が好ましく、13℃以上がより好ましく、14℃以上が更に好ましく、15℃以上が更に好ましく、16℃以上が更に好ましい。また、井戸水使用の観点から、22℃以下が好ましく、21℃以下がより好ましく、20℃以下が更に好ましく、19℃以下が更に好ましく、18℃以下が更に好ましい。なお、井戸水とは、天然水を指し、表流水ではなく地下水を汲み上げたもので、通常、塩素滅菌やミネラル調整などはしていない。
一次浸漬後の断水時間としては、麦内への水の拡散の観点から、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、10時間以上が更に好ましく、15時間以上が更に好ましい。また、生産性の観点から、24時間以下が好ましく、20時間以下がより好ましい。また、断水時の温度として、水切りした大麦を載置する環境下の温度は、特に設定されず、例えば、10〜25℃が例示され、断水後に発芽させる場合は20℃以下が好ましい。なお、ここでいう環境温度とは、麦層の表面温度を意味する。
二次浸漬は、大麦に既に吸水された水分量を参酌して行うことができ、浸漬時間は適宜設定することができる。例えば、1〜10時間程度、好ましくは1〜6時間である。また、浸漬温度は特に設定されず、一次浸漬と同じ温度であってもよく、前記温度範囲内が例示される。
二次断水は一次断水を参酌して行うことができ、温度と時間は適宜設定することができる。
また、三次以降の浸漬・断水については、それまでの吸水量を考慮し、一次の浸漬・断水を参酌して行うことができる。
このようにして得られた酸性浸麦中の水分含有量(浸麦度)としては、発芽の観点から、35%以上が好ましく、35.5%以上がより好ましく、36.0%以上が更に好ましく、36.5%以上が更に好ましく、37.0%以上が更に好ましい。また、発根抑制の観点から、42%以下が好ましく、41.5%以下がより好ましく、41.0%以下が更に好ましく、40.5%以下が更に好ましく、40.0%以下が更に好ましい。なお、ここでの浸麦度の単位である「%」とは「重量%」のことである。
次に、得られた酸性浸麦は当該分野で公知の方法に従って、発芽・焙燥を経ることで、本発明における麦芽が得られる。なお、本明細書において、かかる麦芽を酸性浸漬麦芽と記載することもある。発芽温度としては特に限定はなく、例えば15〜25℃が例示され、好ましくは18℃以上、より好ましくは19℃以上、更に好ましくは20℃以上であり、好ましくは23℃以下、より好ましくは21℃以下である。また、前記温度に3〜6日間保持すればよい。得られた酸性浸漬麦芽は、発根が抑制されたものであり除根工程を簡略化できる。
得られた麦芽は、酸性浸麦により発根が抑制されることから、例えば、浸麦液を水に変更する以外は同じ条件で浸麦度が35〜42重量%になるまで浸漬して発芽させた麦芽(以降、通常麦芽と記載する)と対比すると、本発明により得られる麦芽の発根量は、通常麦芽の発根量を100重量%とした場合、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、更に好ましくは8重量%以下、更に好ましくは6重量%以下、更に好ましくは5重量%以下、更に好ましくは4重量%以下、更に好ましくは3重量%以下に抑制されるという優れた効果を奏する。なお、本明細書において、発根量とは、100gの原料大麦から製麦された麦芽において、各粒の表面から突き出た根の総重量のことを意味する。
また、得られた酸性浸漬麦芽中のエグミ成分含有量は、例えば、酸浸麦水のpHが1.8〜2.0の場合に少なくなり、通常麦芽のエグミ成分含有量を100重量%とした場合、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは75重量%以下、更に好ましくは70重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、更に好ましくは55重量%以下である。なお、本明細書において、エグミ成分とは、ホルダチン配糖体のことであり、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
またさらに、酵素量は大麦の品種や産地により一概には決定されないが、通常麦芽と比較すると、酸性浸漬麦芽はβ−グルカナーゼの含有量が多いものである。酸性浸漬麦芽中のβ−1,3グルカナーゼ含有量としては、通常麦芽の含有量を100%とした場合、好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上であり、上限は特に設定されない。また、β−1,4グルカナーゼ含有量としては、通常麦芽の含有量を100%とした場合、好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上であり、上限は特に設定されない。このようにβ−グルカナーゼの含有量が通常麦芽に比べて多いことから、酸性浸漬麦芽中の細胞壁が十分に分解されるため麦芽成分のより効率的な溶出に繋がると示唆される。また、分解された細胞壁(主に、βグルカン)はビールづくりにおいては厄介者で、麦汁やビールの粘性を上げるため濾過を困難にしたり、濁りの発生原因になることから、βグルカンの少ない酸性浸漬麦芽は理想的な麦芽と言える。酸性浸漬麦芽中のβグルカン含有量としては、5000ppm以下が好ましく、4000ppm以下がより好ましく、3000ppm以下が更に好ましく、2000ppm以下が更に好ましく、1800ppm以下が更に好ましく、1600ppm以下が更に好ましく、1400ppm以下が更に好ましく、1200ppm以下が更に好ましく、1000ppm以下が更に好ましい。本発明においては、酸浸麦水のpHが1.8〜2.2の場合に、β−グルカン含有量が少なくなり、より好ましい。なお、細胞壁の分解の程度を示す指標として、本願明細書において、「細胞壁分解率(Calcofluor modification)」又は「modification」を用いることもある。本発明により得られる浸麦の細胞壁分解率としては、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。本明細書において、β−グルカナーゼ及びβグルカンの含有量は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
酸性浸漬麦芽中のαアミラーゼ含有量は、幼芽伸長が抑えられることから、通常麦芽よりも低い傾向を示す。通常麦芽の含有量を100%とした場合、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下程度であり、下限は特に設定されない。一方、酸性浸漬麦芽中のβアミラーゼ含有量は、通常麦芽よりも高くなる傾向があり、通常麦芽の含有量を100%とした場合、好ましくは110%以上、より好ましくは120%以上であり、上限は特に設定されない。このようにαアミラーゼが少なくともβアミラーゼが十分あることで、デンプン分解に必要な酵素量は十分であり、麦芽のデンプン分解力を表すジアスターゼ力は、酸性浸漬麦芽は通常浸漬麦芽と同等あるいはそれ以上である。またαアミラーゼ含有量が低いことで、未分解のデキストリンがわずかに残ることがあり、これはビールのボディに寄与しビールの味わいにポジティブに働く(これは仮説であるが、この仮説が外れても権利範囲には影響がない)。酸性浸麦することで得られる麦芽に、デンプン分解酵素、特にβアミラーゼが多く含有されるため、麦汁の調製時に効率的な糖化が行なわれ、発酵の際に酵母がエタノールに変換する糖質は十分確保できる。本明細書において、アミラーゼ含有量は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
また、酸性浸漬麦芽中のエンドプロテアーゼ含有量は、幼芽伸長が抑えられることから、通常麦芽よりも低い傾向を示す。酸性浸漬麦芽中のエンドプロテアーゼ含有量は、通常麦芽の含有量を100%とした場合、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、下限は特に設定されない。エンドプロテアーゼ含有量が低いため、ビール醸造において中高分子のタンパク質が分解されずにある程度含まれていることから、出来たビールにはコクが感じられ、新たな香味を提供することができる(これは仮説であるが、この仮説が外れても権利範囲には影響がない)。また、タンパク分解が抑制されることから、泡持ちが良好なビールを提供することができる。本明細書において、エンドプロテアーゼ含有量は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明により得られた麦芽は、当該麦芽を含む原料から得られた麦汁に酵母を添加して発酵を行なわせ、必要に応じ濾過機などで酵母を取り除いて製造することで、発酵飲料を調製することができる。よって、本発明はまた、本発明の製造方法により得られる麦芽を用いることを特徴とする、発酵飲料の製造方法を提供する。なお、本明細書において「発酵飲料」とは、酵母等により発酵させた飲料を意味し、具体的には、例えば、後述のビールの他、ビールテイスト飲料、あるいはウイスキーなどが挙げられる。
麦汁は、前記麦芽に副原料などを加えた原料を、仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じて、例えば、βグルカナーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせた後、穀皮等を濾過により取り除き、ホップなどを加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除いて得ることができる。原料には、他の穀物、デンプン、及び糖類などの副原料も用いることができる。また、用いる麦芽としても、本発明の製造方法により得られた麦芽以外に、公知の麦芽を組み合わせて用いてもよく、その割合は適宜調整することができる。
次いで、前記で得られた麦汁に酵母を添加して発酵を行なわせ、必要に応じ濾過機などで酵母を取り除いて製造する。なお、貯蔵(貯酒)、濾過・容器詰め、必要により殺菌の工程を経ることができる。これらの糖化工程、ろ過工程、煮沸工程、固形分除去工程、発酵工程などにおける条件は、一般に知られている条件を用いればよい。
かくして得られた本発明の発酵飲料は、酸性浸麦を用いたものであることから、エグミに基づく後苦味が抑制され、また、タンパク質が分解されずにある程度含まれていることからコクが感じられ、新たな香味を提供することができる。
またさらに、本発明により得られた麦芽は前記したような香味を提供するものであることから、当該麦芽を原料として用いて飲食品、例えば、前記した発酵飲料の他、麦芽使用飲料、ビールテイスト飲料等を提供することができる。よって、本発明はまた、本発明の製造方法により得られる麦芽を原料として用いることを特徴とする、飲食品の製造方法、麦芽使用飲料の製造方法、ビールテイスト飲料の製造方法を提供する。
本発明における飲食品としては、発酵飲料、麦芽使用飲料、ビールテイスト飲料の他、麦芽使用食品等を挙げることができる。なお、本明細書において「麦芽使用飲料」とは、原料として少なくとも麦芽を使用した飲料を意味し、具体的には、例えば、麦茶、粉末麦芽飲料が挙げられる。また、「ビールテイスト飲料とは」、ビール様の風味をもつ炭酸飲料であり、具体的には、例えば、ビール、発泡酒、その他雑酒、リキュール類、ノンアルコール飲料などが挙げられる。これらの飲食品は、原料として本発明により得られた麦芽を用いるのであれば特に限定はなく、公知の方法に従って製造することができる。
本発明はまた、リン酸を含有する酸浸麦水に大麦を浸漬することを特徴とする、麦芽の発根抑制方法を提供する。大麦を前記酸浸麦水に浸漬して得られた麦芽は、水に浸漬して得られた麦芽に比べて発根が抑制されるという優れた効果を奏する。なお、原料や浸漬条件などは、本発明の麦芽の製造方法の項に記載の通りである。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1(幼芽伸長)
国産の醸造用二条大麦としてサチホゴールデン(東部宇都宮産)の2014年cropを使用した(発芽率100%)。浸麦条件としては、以下のプログラム(20℃)で行った。
プログラム 一次浸水:20時間、一次断水:10時間、二次浸水:2時間
浸水を純水とした水準を「通常浸麦(比較例1)」、リン酸を用いてpH2.0の水溶液に浸水した水準を「酸性浸麦(実施例1)」とし、浸麦(浸漬、断水)、発芽を行った。なお、用いた水の温度は16.5℃であった。その際に、各段階における大麦を煮沸により穀皮を透明化して麦芽を観察しやすくしたものを100粒準備し、そこに0.5%ハイブルーAT(植物クチナシ色素+エタノール)を約40mL加えて約10分間煮沸した後、約30分間放冷し、ビーカー内に残った溶液を捨て2、3回水洗いした後、測定板上に広げて、各粒について幼芽の長さと穀粒の長さの比(幼芽長さ/穀粒長さ)を算出し、以下の表1に記載の基準に従って各分類に属する粒の個数を調べた後、下記式に基づいて平均幼芽伸長度を算出した。
平均幼芽伸長度={〔(a+b)×2〕+(c×3)+(d×5)+(e×7)+(f×10)}/800
結果を表2及び図1に示す。なお、浸麦度の測定は、最終の浸水工程終了から20時間経過後に行い、通常浸麦は40.8%、酸性浸麦は41.6%であった。また、発芽は20℃に維持し5日間行った。
表2及び図1より、酸性浸麦は通常浸麦に比べて、幼芽伸張が遅い。即ち、酸性浸麦は、通常浸麦に比べて、決まった発芽時間内で伸びる幼芽が短いので、そのぶん幼芽とともに生成されるエグミ成分が少ないものと考えられる。
試験例2(酵素量)
比較例1と実施例1の麦芽について、細胞壁分解酵素、デンプン分解酵素、及びタンパク質分解酵素の量をそれぞれ測定し、また、細胞壁分解関連指標・タンパク分解関連指標・でんぷん分解関連指標も算出した。なお、麦芽からの酵素抽出は以下の方法に従って行なった。
<酵素抽出法>
ShakeMaster(メディカルバイオサイエンス社製)で凍結粉砕した麦芽1gを、各種酵素活性測定に適した緩衝液2mLに懸濁し、氷水中で60分間抽出した後、超遠心処理(1000g×20分間)をして上清を酵素液とする。
細胞壁分解酵素については、次の通りに測定を行った。結果を図2に示す。
<β−1,3グルカナーゼ量の測定>
MaCleary and Shameer(1987)の方法1)に従い、アゾ染色したβ−1.3グルカンを基質とし、これに麦芽からの酵素抽出液を加えて30℃で10分反応させる。2%のTrizma Base Solutionを加えて反応を停止させ、未分解のβ1.3グルカンは遠心して沈殿させ、上清液を590nmで比色定量する(n=5)。
<β−1,4グルカナーゼ量の測定>
MaCleary and Shameer(1987)の方法1)に従い、青色色素を架橋させてアゾ染色したCM−Celluloseを基質とし、これに麦芽からの酵素抽出液を加えて40℃で10分反応させる。未分解の基質は沈殿剤(4%の酢酸ナトリウム、0.4%の酢酸亜鉛、80%のメチルセロソルブ)を加えて沈殿させ、上清液を590nmで比色定量する(n=5)。
デンプン分解酵素については、次の通りに測定を行った。結果を図3に示す。
<αアミラーゼ量の測定>
BIOCONの穀物αアミラーゼキットを用いる。ブロックp−ニトロフェニルマルトヘプタオサイド(BPNPG7)を基質とし、これに麦芽からの酵素抽出液を加えて40℃で20分間反応させる。Trizma baseで反応を停止し、生成されたp−ニトロフェニルマルトサッカライドをグルコアミラーゼ・α−グルコシダーゼで分解する。生成されたp−ニトロフェノールはフェノラート発色され、410nmの吸光度を測定する(n=5)。
<βアミラーゼ量の測定>
高レベルのα−グルコシダーゼの存在するBetamyl(p−ニトロフェニル マルトトリオース;PNP−β−G3)溶液に麦芽からの酵素抽出液を加えて40℃で100分間反応させ、Trizma baseを加えて反応停止・発色させて基質から解離されたp−ニトロフェノールの400nmの吸光度を測定する(n=5)。
タンパク質分解酵素については、次の通りに測定を行った。結果を図4に示す。
<エンドプロテアーゼ量の測定>
アゾ染色したカゼインを基質とし、これに麦芽からの酵素抽出液を加えて40℃で30分反応させる。TCA溶液で反応を止め、5分間静置後、遠心分離して未分解の基質を沈殿させ、上清液を366nmで比色定量する(n=5)。なお、酵素活性は吸光度を1.0上昇させる酵素反応液に添加した酵素液の酵素濃度を1U/mLと定義する。
アゾカゼイン基質溶液の調製:
アゾカゼイン(シグマA−2765)0.6gを50%尿酸溶液で溶解させ、ミリQ水50mLを添加して粒子がなくなるまで攪拌後、希釈した硫酸を用いてpHを8.5にadjustして容量を100mLにfill upする。
細胞壁分解関連指標・タンパク分解関連指標・でんぷん分解関連指標については、以下の通りである。結果を図5に示す。
<細胞壁分解関連指標(modification)>
求め方:麦芽を粘土板上に固定し、やすりで粒の半分に削る。その削った面にβグルカンと結合する蛍光試薬カルコフローを塗る。次に変性していない胚乳を染色する発色助剤ファストグリーンを塗り、UV光下及び白色光下で反応させて発色させる。白色光でグリーンに光る面積を分母に、UV光下で光らない面積を分子においた値がmodificationとなる。
<タンパク分解関連指標(KI)>
タンパク分解関連指標は、EBC(European Brewing Convention)の標準法に準拠した方法(Analytica−EBC 1987)により求める。
<でんぷん分解関連指標>
求め方:麦芽の酵素を40℃の蒸留水で抽出する。この麦芽酵素抽出液をもちいて標準デンプン溶液中のデンプンを加水分解し生成した還元糖の量をヨウ素液によって測定する。測定結果は、100gの麦芽から生成したマルトースに換算して求める。
図2〜5より、酸性浸漬麦芽は通常麦芽に比べて、細胞壁分解酵素は多くなり、その結果、細胞壁分解が進んで(図5のmodification比較グラフ参照)、麦汁のβグルカンが低下する(図5の麦汁中のβグルカン比較グラフ参照)。なお、麦汁中のβグルカン量は公知技術に従って測定(BCOJ(ビール酒造組合国際技術委員会)ビール分析法のBCOJ−1998<8.28>)したものである。また、デンプン分解酵素であるαアミラーゼは低下するがβアミラーゼは通常浸麦と同等以上となり、結果としてそれらの総合力であるジアスターゼ力はほぼ同じ程度となる(図5のDPの比較グラフ参照)。タンパク質分解酵素は低下する傾向になり、結果としてタンパク分解は抑えられる(図5のKIの比較グラフ参照)。これらのことから、酸性浸漬麦芽を用いた場合には、細胞壁分解酵素の増加により、麦汁中のβグルカン量が低下して濾過工程でのタイムロスやエキスロスが低減され、生産性が向上することが分かる。また、βグルカンが高い麦芽に対しては外部酵素(βグルカナーゼ)で対処してきたが、それが不要となりそのコストも削減できることに加え、製品の混濁の防止に貢献することも示唆される。一方で、αアミラーゼ量の低下は適度な未分解デキストリンを残存させることでビールのコクに寄与し、タンパク分解酵素の低下は適度な中高分子タンパクを残すことでビールのコクや泡持ちを向上させることに寄与することも予測される。
試験例3(発根量)
大麦として、国産の醸造用二条大麦としてスカイゴールデンの2013年crop(発芽率99%)を使用し、浸麦条件は試験例1と同様とした。浸水を純水(pH7)とした水準を「通常浸麦(比較例2)」、リン酸を用いて表3に示すpHの水溶液に浸水した水準を「酸性浸麦(実施例2)」とし、浸麦、発芽・焙煎を経て得られた麦芽をそれぞれ3バッチ調製した。得られた通常麦芽と酸性浸漬麦芽のバッチ毎に発根重量と試験例1と同様にして平均幼芽伸長度、収率を求め、平均値を算出した。また、エグミ成分、βグルカンの各含有量についても下記に従って測定し、酵素含有量については試験例2と同様にして測定した。結果を表3に示す。なお、浸麦度の測定は、発芽開始後20時間経過後に行い、測定値を表3に示す。また、発芽は20℃に維持し5日間行った。また、収率は大麦100gより得られた除根後の麦芽の重量 Xgから、X/100(%)として算出した。
<エグミ成分の測定>
(抽出法)
ShakeMaster(メディカルバイオサイエンス社製)で凍結粉砕した麦芽5.0gを65℃の温水40mLに懸濁して、65℃で1時間抽出する。その後、5000rpmで20分間遠心処理して上清10mLを(メタノールなどで活性化した)GL サイエンスのPLS−2固相カラムにアプライし、水で洗浄後20%エタノールで溶出されてくる画分を回収し、スピードバックで濃縮後、凍結乾燥し、水に溶解して下記条件のLCMSに供し、当該ピークの面積を求める。
(分析条件)
装置:島津製作所製 LCMS−2020
カラム:極性カラム(Develosil−C30−UG−5 φ2×150mm)
移動相:0.1%の蟻酸を含む水/アセニトニトリルのグラジエント
0−62.5分(2→10% アセトニトリル)
62.5−72.5分(10% アセトニトリル)
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
イオン化:ESI(+) 3.5kV 350℃
モニターイオン:m/z 438(+) エグミ成分1
m/z 357(+) エグミ成分2
m/z 372(+) エグミ成分3
<麦芽のβグルカンの測定>
MaCleary and Glennie−Hlomes(1985)3)及びMaCleary and Codd(1991)2)の方法に従い測定する。麦芽中には遊離の還元糖が多量に含まれるため、ShakeMaster(メディカルバイオサイエンス社製)で凍結粉砕した麦芽粉に50%エタノールを加え、沸騰水浴中で加熱した後、上清液を捨て、還元糖を除去する操作を数回繰り返し20mMリン酸Na緩衝液(pH6.5)とリケナーゼを加え、βグルカンをオリゴ糖に分解し、さらに、βグルコシダーゼを加えグルコースに分解し、590nmで比色定量した。
表3より、酸性浸漬麦芽は通常麦芽に比べて、発根が明らかに抑制されていること、βグルカンも明らかに低下していること、pH1.8〜2.0においてはエグミ成分も明らかに低下することが分かった。図7に表3をもとに「pH」と「エグミ成分量」の関係を示したが、エグミ成分の対通常浸麦値が100未満であれば、従来品よりもエグミが抑制されるといった優れた香味が達成されているものと解することができる。これを実現する「pH」の範囲は「1.62 〜 2.08」である。
試験例4(発酵飲料の特性)
浸麦条件は試験例1と同様として、浸水を井戸水とした水準を「通常浸麦(比較例3)」、リン酸を用いてpH2.0の水溶液に浸水した水準を「酸性浸麦(実施例3)」として麦芽を調製した。得られた麦芽30kgを適当な粒度に粉砕し、これを仕込槽に入れた後、120Lの温水を加えて約50℃のマッシュを作った。一部は100℃まで昇温して煮沸して残りのマッシュと合併して、糖化を60℃で行った。糖化が完了したマッシュを78℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し、濾過を行って濾液を得た。
得られた濾液の一部をとり、ホップを添加してから80分間煮沸を行って調整麦汁を得た。これら調整麦汁を同一条件下で、上面ビール酵母を添加して約20℃にて約10日間発酵を行って貯酒ビールを得た。
次いで、貯酒ビールを加熱処理することなく、ろ過して酵母を除去し、麦芽100%のオールモルトビールを製造した。得られたビールについて、下記評価を行った。結果を表4に示す。
<泡付着性の評価>
大瓶に瓶詰めしたビールを一気にメスシリンダー(2Lメスシリンダー :内径8.3±0.2cm、高さ約45cmのもの)に注ぎこみ、正確に30分後、メスシリンダーの壁に付着して残っている泡の量を泡の付着面積:T−SHVとして示す。
泡の量は、感光紙を用いてメスシリンダー全体に付着している泡の写真を撮り、写しとられた泡の部分を縁取りし、液面からの付着面積を面積測定器により求める。瓶詰めしたビールおよび測定にもちいる器具類はすべて前日から20℃に保ち、上記操作はすべて20℃恒温室で行う。1サンプルにつき5本測定を行い、最大値と最小値の値を除いて3本の平均値を表示する。泡の付着性(Schaumhaftvermogen)の単位はcm2であるが、特に明記しないで単位はT−SHVとする。
<永久混濁度の評価>
得られたビールのP−Haze(永久混濁度)を下記方法に従って測定する。ビールが劣化してくると、この値が高いほど濁りを生じやすい。
(測定方法)
試料ビールを入れて打栓した大瓶を20℃の恒温水槽に1時間保存する。その後、軽く振盪し、気泡の消えるのを待って混濁度を濁度計に入れて測定する。測定は容器を直角に回転して4方向から行い、その平均値を求める。容器5本を用いて、5本の平均値を求める。濁度計は、シグリスト社製 LabScatを用いた。
<βグルカン含有量>
得られたビールのβグルカン含有量は公知技術に従って測定(BCOJ−1998<8.28>)したものである。βグルカンが低いほどビールは混濁しにくい。
<未分解の高分子糖含有量>
得られたビールの未分解の高分子糖含有量を下記方法に従って測定する。
・脱気したビールを遠心処理する。
・20mLのエタノールを遠心管に分注し、これに試料5mLを加え、10分間機械振盪する。
・2500rpmで5分間遠心分離処理を行う。
・沈殿物を流さないようにデカンテーションで液層を除く
・沈殿物に10mLのリン酸緩衝液を加え、10分間機械振盪して溶解する
・溶液を2500rpmで5分間遠心分離処理を行う。
・ピペットマンで0.8mLの溶液と3.2mLのリン酸緩衝液をキュベットにとり、よく撹拌してから、578nmでリン酸緩衝液をブランクとして吸光度を測定する(Ez)。
・ピペットマンで200μLの0.02Nヨード液を加え、よく撹拌し、30秒後に578nmで吸光度を測定する(Eh)。
・4.0mLのリン酸緩衝液をキュベットにとり、200μLの0.02Nヨード液を加えよく撹拌してきあら578nmでの吸光度を測定する(Ej)。
・次式に従ってヨード値(ΔE)を測定する。
ΔE=(Eh−Ej−0.952×Ez)×5×4
Eh:試料の吸光度
Ej:ヨード液の吸光度
Ez:遠心上澄液の吸光度
0.952:容量変化のファクター
5:希釈ファクター
4:MEBAK換算ファクター
表4より、出来たビールは、泡持ちがよく(T−SHVが高い)、βグルカンが少ないため混濁安定性がよい(P−Hazeが低い)。また、未分解の糖が多い(ΔEが高い)ため、飲み応えのしっかりと感じられるビールであることが期待できる。
試験例5(発酵飲料の官能評価)
試験例4で得られたビールの香味を、官能試験によって評価した。具体的には、良く訓練された官能評価者24名が、「味わい」「ボディ」「嫌な苦み」の有無について、5点満点で評価した。「とても感じる」を5点、「感じる」を4点、「やや感じる」を3点、「わずかに感じる」を2点、「感じない」を1点として、評価点の平均点を算出し、有意差検定を行った。「味わい」「ボディ」は評点が高いほど好ましく、「嫌な苦み」については評点が低いほど好ましい。結果を図5に示す。なお、ここでいう「味わい」とは、多様な複雑味を指す。
図5より、酸性浸漬麦芽ビールは通常麦芽ビールに比べ、味わい・ボディの評点が有意に高くなり、エグミによる嫌な後味の評点は有意に低下した。
以下、本発明の製造方法により得られた麦芽を配合した飲食品の具体的組成を例示する。各配合例の右端の数値は各含有成分の質量%を意味する。
例1<低麦芽使用比率のビールテイスト発酵飲料>
21kgの本発明の麦芽と19kgの大麦を適当な粒度に粉砕し、仕込槽に入れ、100Lの温水を添加して混合し、50℃で60分間保持後、65℃で糖化処理を行い、糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し、濾過を行って濾液を得る。得られた濾液100Lに約80gのホップを添加して100℃で90分間煮沸する。その後、当該マッシュ中の沈殿物を除去した後、10℃まで冷却し、この冷却済み麦汁に、下面発酵酵母を接種し、14日間発酵を行い、発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去して、低麦芽使用比率のビールテイスト発酵飲料を得る。
例2<ノンアルコールビールテイスト飲料>
適当な粒度に粉砕した本発明の麦芽20kgを仕込槽に入れ、これに120Lの温水を加え、約50℃のマッシュをつくる。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65〜72℃で60分間糖化を行い、糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し濾過を行い、濾液を得る。得られた濾液の一部を取り、温水を加え、その際、濾液と温水の混合割合は煮沸完了時のエキス分の総量が0.1重量%となるよう調整した後、製造スケールを100Lとし、ホップを約100g添加し、100℃で80分煮沸を行う。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却後、酸化防止剤、香料、酸味料、甘味料、必要に応じてカラメル色素等を各々適量に加えて約24時間貯蔵する。その間、炭酸ガスを適量添加した後、濾過・瓶詰・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程をへて、ノンアルコールビールテイスト飲料を得る。
例3<麦芽使用食品(水飴)>
もち米を6時間以上水に浸漬し、1時間ほど蒸す(または炊く)。蒸し上がったもち米を適度な温度まで冷ましたのち、もち米の1.5倍量の湯を入れる。一方で、もち米1合に対し50〜70gの本発明の麦芽を袋に入れて、もち米の1.2〜1.4倍の湯量の40℃温水を入れて揉み、白濁した液を先のもち米のはいった容器に入れ、袋に入れた麦芽といっしょに、40〜50℃の温度で8時間程度放置する。その後、液体を搾り取り、火にかけて、目的の濃度になるまで煮詰めて、飲用「麦芽水飴」あるいは保存用「麦芽水飴」とする。本発明の麦芽でつくった水飴は雑味や不快臭がなく、穏やかで落ち着いた甘さを呈する。
例4<麦芽使用飲料(麦芽飲料)>
粉砕した本発明の麦芽500gに温水2Lを加え、50℃で1〜2時間保持し、タンパク分解工程を経た後、65℃に昇温して糖化を行い、さらに75℃に昇温し、マイシェを得る。このマイシェを煮沸して濾過液を得、これに純粋ココア、スキムミルク、砂糖を適量混ぜて、麦芽飲料を調製する。本発明の麦芽でつくった麦芽飲料は栄養価が高く、コクがあり、さわやかな甘みを呈する。
本発明の製造方法により、発根が抑制された麦芽を効率よく製造することができることから、製麦の生産性(製麦の収率)を向上することができる。また、得られた麦芽を用いた発酵飲料はエグミが抑制されながらもコクが増強されるものであり、嗜好品として新たなテイストを提供できる。

Claims (21)

  1. リン酸を含有するpHが1.6〜2.3の浸麦水に大麦を浸漬する工程を含む、麦芽の製造方法。
  2. 浸漬工程後に、更に、水切りを行う断水工程を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 浸漬工程が最初の浸漬工程(一次浸漬)と断水工程を行った後に、更に、浸漬工程(二次浸漬)を含む、請求項2記載の製造方法。
  4. 一次浸漬時間が4〜32時間である、請求項3記載の製造方法。
  5. 断水時間が1〜24時間である、請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 二次浸漬時間が1〜6時間である、請求項3〜5いずれか記載の製造方法。
  7. 浸漬工程終了時のpHが3.4以下である、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
  8. 浸漬に供する大麦が、高発芽率大麦である、請求項1〜7いずれか記載の製造方法。
  9. 高発芽率大麦が、発芽率95%以上の大麦である、請求項8記載の製造方法。
  10. 得られる麦芽の浸麦度が35〜42重量%である、請求項1〜9いずれか記載の製造方法。
  11. 浸麦度が35〜42重量%になるまで浸麦させ、その場合の発根量が水に浸漬した場合の発根量に比べて40重量%以下である、請求項1〜10いずれか記載の製造方法。
  12. 請求項1〜11いずれか記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、飲食品の製造方法。
  13. 請求項1〜11いずれか記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、麦芽使用飲料の製造方法。
  14. 請求項1〜11いずれか記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  15. 請求項1〜11いずれか記載の製造方法により調製された麦芽を原料として用いる工程を含む、発酵飲料の製造方法。
  16. 麦芽中の発根を抑制するためのリン酸を含有する浸麦用液。
  17. 麦芽中の発根を抑制するためのリン酸を含有する浸麦水の使用。
  18. リン酸を含有する浸麦水に原料大麦を浸漬することを特徴とする、麦芽の発根抑制方法。
  19. 原料大麦のリン酸含有浸麦水への浸漬処理物である、発根していない麦芽。
  20. 原料大麦のリン酸含有浸麦水への浸漬処理物である、発根が抑制された麦芽。
  21. 原料大麦のリン酸含有浸麦水への浸漬処理物である、発芽が抑制された麦芽。
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J. INST. BREW., 1993, VOL. 99, PP. 85-89, JPN6016004838, ISSN: 0004394918 *
宮地秀夫,ビール醸造技術,初版,株式会社食品産業新聞社,1999, PP. 22-23, 157-160, JPN6016004842, ISSN: 0004195598 *

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