JPWO2017051776A1 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2015年9月24日に、日本に出願された特願2015−186892号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
そこで、芳香環を有する抗菌剤を配合した液体洗浄剤組成物も提案されている(例えば、特許文献2〜4)。
[1](A)成分:下式(I)で表される化合物、及び下式(II)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むノニオン界面活性剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種と、(C)成分:フェノール構造を有する抗菌剤と、を含有する、液体洗浄剤組成物。
R1−C(=O)O−[(EO)s/(PO)t]−(EO)u−R2 ・・・(I)
R3−O−[(EO)v/(PO)w]−(EO)x−H ・・・(II)
(ただし、式中、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基である。R1は炭素数7〜22の炭化水素基であり、R2はメチル基又はエチル基であり、R3は炭素数7〜22の炭化水素基である。s、v、u、xはEOの平均繰り返し数であり、t、wはPOの平均繰り返し数である。sは6〜20の数であり、tは0〜6の数であり、uは0〜20の数である。vは8〜20の数であり、wは0〜6の数であり、xは0〜20の数である。)
[2]前記(A)成分と前記(B)成分との(A)/(B)比(質量比)が1以上である、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3]前記(B)成分と前記(C)成分との(B)/(C)比(質量比)が3以上である、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4]さらに、(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位のいずれか一方もしくは両方と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位のいずれか一方もしくは両方とを有する水溶性ポリマーを、0.1〜5質量%含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[5]さらに、(E)成分:ポリアルキレンオキシド鎖を含むアルキレンアミン構造単位を有するポリアルキレンアミンアルキレンオキシド系共重合体を、0.1〜5質量%含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[6]さらに、(F)成分:カチオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[7]前記(A)成分が、前記式(I)におけるR1が炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基であり、R2がメチル基であり、s=15であり、t=0である化合物を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[8]前記(A)成分の含有量が5〜80質量%である、[1]〜[7]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[9]前記(B)成分が、炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、及び炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[10]前記(B)成分の含有量が3〜40質量%である、[1]〜[9]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[11]前記(C)成分が、ジクロロヒドロキシジフェニルエーテル、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル及びベンジルクロロフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[12]前記(C)成分の含有量が0.01〜3質量%である、[1]〜[11]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
(A)成分は、下式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ともいう。)、及び下式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)ともいう。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むノニオン界面活性剤である。
R1−C(=O)O−[(EO)s/(PO)t]−(EO)u−R2 ・・・(I)
R3−O−[(EO)v/(PO)w]−(EO)x−H ・・・(II)
R1の炭化水素基の炭素数は、7〜22である。炭素数が下限値以上であれば、充分なドレープ維持効果が得られる。炭素数が上限値以下であれば、優れた液安定性が得られる。R1の炭化水素基の炭素数は、洗浄力向上の観点から、9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
R1としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。アルキル基又はアルケニル基としては、炭素数7〜22の1級又は2級の高級アルコール、炭素数8〜23の高級脂肪酸、炭素数8〜23の高級脂肪酸アミド等の原料に由来するアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
[(EO)s/(PO)t]におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とは、ランダム鎖を形成していてもよく、ブロック鎖を形成していてもよい。
R3の炭化水素基の炭素数は、7〜22である。炭素数が下限値以上であれば、充分なドレープ維持効果が得られる。炭素数が上限値以下であれば、優れた液安定性が得られる。R3の炭化水素基の炭素数は、洗浄力向上の観点から、10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。
R3としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。アルキル基又はアルケニル基としては、R1で挙げたものと同じものが挙げられる。
[(EO)v/(PO)w]におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とは、ランダム鎖を形成していてもよく、ブロック鎖を形成していてもよい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤である。このため、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルは、高濃度でゲル化等を生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤組成物中に配合されても、水への溶解性を高められると推測される。従って、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含む液体洗浄剤組成物が水に分散されると、洗浄液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度が速やかに均一となり、洗浄初期から任意の濃度で被洗物と接して高い洗浄力を発揮すると考えられる。
iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。
Yiは、(S)式で表される成分全体の中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
(A)成分は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。(A)成分を2種以上組み合わせることで、洗浄力が向上し、部屋干し臭発生の抑制効果が得られやすくなる。
(B)成分は、アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
(B1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチルエステル塩、エチルエステル塩もしくはプロピルエステル塩。
(B2)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。なかでも、直鎖アルキル基を有するものが好ましい。該直鎖アルキル基の炭素数は、8〜16が好ましく、10〜14がより好ましい。
(B3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(B4)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(B5)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(B7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基(又はアルケニル基)を有する、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(B8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基(又はアルケニル基)を有する、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(B10)長鎖モノアルキルリン酸塩、長鎖ジアルキルリン酸塩、又は長鎖セスキアルキルリン酸塩。
(B11)ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルリン酸塩、又はポリオキシエチレンセスキアルキルリン酸塩。
(B12)石鹸。平均炭素数が10〜20(好ましくは12〜18)の高級脂肪酸塩。
(B)成分は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、活性剤の総量とは、(A)成分、(B)成分及び(F)成分の合計量を意味する。
(C)成分は、フェノール構造を有する抗菌剤である。なお、フェノール構造とは、芳香族炭化水素核の水素原子の1以上がヒドロキシ基で置換された構造を意味する。
(C)成分は、洗濯後の衣類等の繊維製品に抗菌性を付与する成分である。フェノール構造をもつ抗菌剤は、液体洗浄剤組成物中においてアニオン界面活性剤と共存させても、アニオン界面活性剤による洗浄性を損なわずに抗菌性を発揮できる。
なお、−(Y)bは、ベンゼン環の水素原子のb個がYに置換されていることを意味する。−(Y)c、−(Z)d、−(OH)m及び−(OH)nについても同様である。
好ましい化合物(III)の具体例としては、例えば、モノクロロヒドロキシジフェニルエーテル(Xが酸素原子であり、aが1であり、Yが塩素原子であり、b又はcの一方が1で他方が0であり、dが0であり、mが0であり、nが0である化合物)、ジクロロヒドロキシジフェニルエーテル(Xが酸素原子であり、aが1であり、Yが塩素原子であり、bが1であり、cが1であり、dが0であり、mが0であり、nが0である化合物)、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(Xが酸素原子であり、aが1であり、Yが塩素原子であり、b又はcの一方が1で他方が2であり、dが0であり、mが0であり、nが0である化合物)、ベンジルクロロフェノール(Xがメチレン基であり、aが1であり、Yが塩素原子であり、bが0であり、cが1であり、dが0であり、mが0であり、nが0である化合物)が挙げられる。
(C)成分は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)/(C)比は、3〜300が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物には、(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位のいずれか一方もしくは両方と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位のいずれか一方もしくは両方とを有する水溶性ポリマーがさらに含有されていることが好ましい。
なお、「水溶性ポリマー」とは、10gのポリマーを、40℃の条件で、1000gの水に添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm、1リットルビーカー)で12時間撹拌(200rpm)したときに完全に溶解するものをいう。
アルキレンテレフタレート単位は下式(IV)で表される単位である。
R21の低級アルキレン基の炭素数は、1〜4であり、2〜4が好ましい。
単位(d1)としては、単一種類のアルキレンテレフタレート単位を用いてもよく、複数種類のアルキレンテレフタレート単位を組み合わせて用いてもよい。
R22の低級アルキレン基の炭素数は、1〜4であり、2〜4が好ましい。
単位(d1)としては、単一種類のアルキレンイソフタレート単位を用いてもよく、複数種類のアルキレンイソフタレート単位を組み合わせて用いてもよい。
−(R23O)e− ・・・(VI)
ただし、R23は低級アルキレン基であり、eは1〜100の整数である。
式(VI)において、eが1の場合はオキシアルキレン単位であり、eが2以上の場合はポリオキシアルキレン単位である。eは、1〜80の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましい。
単位(d2)としては、オキシアルキレン単位のみであってもよく、ポリオキシアルキレン単位のみであってもよく、オキシアルキレン単位とポリオキシアルキレン単位の両方であってもよい。
また、式(VIII)中、A2及びB2はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基であり、R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数2〜4のアルキレン基である。hは、−CO−(C6H4)−COO−R14O−で表されるアルキレンイソフタレート単位の平均繰り返し数であり、0〜10である。iは、R13Oの平均繰り返し数であり、1〜100である。
R11及びR12は、炭素数2〜3のアルキレン基であることが好ましい。
fは、0.5〜5が好ましく、0.5〜2.5がより好ましい。
gは、1〜80が好ましく、1〜50がより好ましく、10〜50がさらに好ましく、20〜30が特に好ましい。
式(VII)におけるfとgとの比率は、1:5〜1:20が好ましく、1:8〜1:18がより好ましい。fとgとの比率が前記範囲であれば、ソイルリリース性能が十分に発揮されやすく、また水に対する溶解性が向上する。
R13及びR14は、炭素数2〜3のアルキレン基であることが好ましい。
hは、0.5〜5が好ましく、0.5〜2.5がより好ましい。
iは、1〜80が好ましく、1〜50がより好ましく、10〜50がさらに好ましく、20〜30が特に好ましい。
式(VIII)におけるhとiとの比率は、式(VII)におけるfとgとの比率と同様の理由から、1:5〜1:20が好ましく、1:8〜1:18がより好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)を較正曲線に用いて換算した値をいう。
(D)成分は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(E)成分:ポリアルキレンオキシド鎖を含むアルキレンアミン構造単位を有するポリアルキレンアミンアルキレンオキシド系共重合体がさらに含有されていることが好ましい。
本発明では、(D)成分と(E)成分とを併用することで、綿と化繊の混紡衣類への抗菌効果、部屋干し臭発生の抑制効果が特に高くなる。
NH2−R31−(NA3−R32)j−NH2 ・・・(IX)
ただし、式(IX)中、R31及びR32は、それぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基であり、A3は、水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖である。jは、NA3−R32の平均繰り返し数であり、1以上の数である。A3のすべてが水素原子となることはないものとする。
R31及びR32のアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。R31及びR32のアルキレン基の炭素数は、2〜4が好ましく、2が特に好ましい。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
ポリアルキレンイミン1分子が有する活性水素の数は、5〜30個が好ましく、7〜25個がより好ましく、10〜20個がさらに好ましい。
ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加する方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリアルキレンイミンに対して、100〜180℃でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させる方法等が挙げられる。
(E)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
市販品としては、例えば、BASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
(E)成分は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物には、(F)成分:カチオン界面活性剤がさらに含有されていることが好ましい。(F)成分が含有されていることで、部屋干し臭の発生を抑制する効果がより高くなる。また、(C)成分と(F)成分とを併用することで、綿と化繊の混紡衣類への抗菌効果、部屋干し臭発生の抑制効果が特に高くなる。
(F)成分としては、例えば、第4級アンモニウム塩を用いることができる。第4級アンモニウム塩としては、例えば、通常、衣料用洗剤に用いられている従来公知のものが挙げられる。なかでも、好ましい第4級アンモニウム塩としては、高い抗菌効果又は殺菌効果が得られやすいことから、後述する化合物(f1)、化合物(f2)、化合物(f3)が挙げられる。
化合物(f1)は、下式(f1)で表される化合物である。
化合物(f1−1)におけるR41〜R43は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、それぞれメチル基であることがより好ましい。なかでも、R41〜R43がいずれもメチル基であることが特に好ましい。
R44のアルキル基又はアルケニル基における炭素数は、8〜22であり、10〜22が好ましく、16〜18がより好ましい。また、R44は、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
化合物(f1−2)のR41及びR42のアルキル基又はアルケニル基における炭素数は、それぞれ独立に8〜22であり、8〜12が好ましく、8〜10がより好ましい。また、R41及びR42は、それぞれ直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、それぞれ直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。なかでも、R41及びR42がいずれも直鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
R43及びR44は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、それぞれメチル基であることがより好ましい。なかでも、R43及びR44がいずれもメチル基であることが特に好ましい。
化合物(f2)は、下式(f2)で表される化合物である。
式(f2)のR46は、メチル基又はトリル基である。
前記式(f2)中、p+qは、10以上であり、10〜50が好ましい。p+qが10未満では、被洗物に付着している汚れの分散効果が小さく、被洗物からの汚れ除去効果が得られにくくなることがある。
QB −は、前記式(f1)におけるQA −と同様のものが挙げられる。
化合物(f3)は、下式(f3)で表される化合物である。
R49のアルキル基又はアルケニル基における炭素数は、8〜22であり、10〜18が好ましく、12〜14がより好ましい。R49は、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
R50は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、メチレン基であることが好ましい。
QC −は、前記式(f1)におけるQA −と同様のものが挙げられ、なかでもハロゲンイオンが好ましい。
(F)成分としては、化合物(f1)、化合物(f2)及び化合物(f3)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なかでも、(C)成分と併用した際に、より部屋干し臭の発生を抑制する効果が高くなることから、化合物(f1)がより好ましい。
なお、(C)/(F)比(質量比)とは、液体洗浄剤組成物に含まれる(F)成分の含有量(質量%)に対する、(C)成分の含有量(質量%)の割合を意味する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の点から、水を含有することが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A)〜(F)成分以外に、液体洗浄剤組成物に通常用いられる任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、例えば、酵素(プロテアーゼ等)、溶剤、ハイドロトロープ剤、キレート剤、殺菌剤、防腐剤、抗カビ剤、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、pH調整剤、アルカリ剤等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、溶剤を含有していてもよい。溶剤としては、従来、衣料用等の液体洗浄剤組成物に用いられている溶剤であればよく、例えば、炭素数2〜4の1価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、メトキシ基を有するアルコールが挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等が挙げられる。
これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、香料前駆体を含んでいてもよい。香料前駆体とは、それ自体は無臭又は無臭に近いものであるが、液体洗浄剤組成物中又は繊維上で酸化反応等をすることによって、香りを発生させる成分のことを意味する。
本発明の液体洗浄剤組成物が香料前駆体を含有することにより、洗濯処理・乾燥後の化繊衣類等から感じられる香りの強さ(香気強度)をより高められる。これにより、洗濯処理を施した後の化繊衣類等のさらっとした触感の実感効果をより高められ、着心地が向上しやすい。さらに、香料前駆体由来の香気が徐々に放出されることで、前記実感効果をより持続させられる。
香料前駆体としては、前記効果を有する限り特に限定されず、液体洗浄剤組成物に一般的に用いられているものを使用することができる。このような香料前駆体としては、例えば、硫黄を含有する香料前駆体(硫黄含有香料前駆体)等が挙げられる。
なお、本発明における液体洗浄剤組成物の25℃でのpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製の製品名「HM−30G」を使用)等により測定される値を示す。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、(D)成分や(E)成分、(F)成分を併用することで、抗菌性をさらに高めることができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A)〜(C)成分を含有し、(B)成分が、炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、及び炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A)〜(C)成分を含有し、(C)成分が、ジクロロヒドロキシジフェニルエーテル、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル及びベンジルクロロフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
[原料]
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
((A)成分)
A−1:MEE。ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加した化合物。式(I)において、R1が炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基であり、R2がメチル基であり、s=15であり、t=0である。ナロー率は33%であった。
<A−1の合成方法>
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al2O3・wH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土5g及び珪藻土5gとを添加して混合した後、触媒を濾別してA−1を得た。
<A−1’の合成方法>
A−1’を以下の合成方法に準じて合成した。
1Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール(IPA)(一級試薬、関東化学株式会社製)525gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学株式会社製)150gを入れ、ディスパー撹拌翼により20℃で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を3000rpmで撹拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学株式会社製)75gを60分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するので、セパラブルフラスコを温浴で、反応温度を15〜25℃に制御した。硫酸を添加した後、20℃に保ちながら、さらに2時間撹拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、上記アルコキシル化触媒2.1gと、ラウリン酸メチル(パステルM12、ライオンケミカル株式会社製)462gと、ミリスチン酸メチル(パステルM14、ライオンケミカル株式会社製)166gとを入れ、撹拌した。撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、160℃に昇温し、0.1〜0.5MPaの条件で、エチレンオキシド(EO)1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して撹拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間撹拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(脂肪酸メチルエステルエトキシレート(MEE)、EO平均付加モル数=15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去したものをA−1’とした。
<LMAO合成方法>
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名、炭素数12及び14の天然アルコール)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、LMAOを得た。
<EOPOノニオンの合成方法>
P&G社製の「CO−1270」224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gと、を耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次いで、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、撹拌しつつ、エチレンオキシド(ガス状)352gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら、アルコール液中に徐々に加えて反応させた。次いで、プロピレンオキシド116gを導入してさらに反応させた。
次いで、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを留去した。次いで、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、EOPOノニオンを得た。
B−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)。下式(b1−1)で表され、R51が炭素数12〜14の直鎖アルキル基であり、k=1.0であり、Mがナトリウムである化合物。ただし、式(b1−1)中、EOは、エチレンオキシ基であり、kはEOの平均繰り返し数である。
R51−O−(EO)k−SO3M ・・・(b1−1)
<AESの合成方法>
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、撹拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析(分析計:Hewlett−Packard社製のGC−5890、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm。)により分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物は、得られたアルコールエトキシレートの総質量に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、撹拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりAESを得た。
B−3:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩(MES)、商品名「MIZULAN FL−80」、ライオンエコケミカルズ有限公司製。
B−4:石鹸、商品名「椰子脂肪酸」、日油株式会社製。
C−1:4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、商品名「Tinosan HP100」、BASF社製。
C−2:5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール、商品名「トリクロサン」、和光純薬工業株式会社製。
C−3:o−ベンジル−p−クロロフェノール、商品名「クロロフェン」、クラリアントジャパン株式会社製。
D−1:TexCare SRN−170C(商品名、クラリアントジャパン社製、重量平均分子量:2000〜3000、pH(20℃の5質量%水溶液):4、粘度(20℃):300mPa・s)。TexCare SRN−170Cは、商品名:TexCare SRN−100(クラリアントジャパン社製、重量平均分子量:2000〜3000)の70質量%水溶液である。
E−1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体(BASF社製、商品名「Sokalan HP20」)。ポリエチレンイミンが有する活性水素1モルあたりのエチレンオキシドの平均付加モル数は20モルである。
F−1:塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、商品名「リポガード12−37W」、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製、(式(f1)中、R41〜R43がメチル基であり、R44が炭素数12の直鎖状アルキル基である化合物)。
F−2:塩化ジデシルジメチルアンモニウム、商品名「アーカード210」、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製。
F−3:塩化ココイルジメチルベンジルアンモニウム、商品名「リポカード CB−50」、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製。
水:精製水
エタノール:水混和性有機溶剤、商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
BC:ブチルカルビトール(水混和性有機溶剤)、商品名「ブチルカルビトール」、東京化成工業株式会社製。
MMB:3−メトキシ−3−メチルブタノール(水混和性有機溶剤)、商品名「ソルフィット」、クラレ株式会社製。
安息香酸ナトリウム:東亜合成株式会社製。
プロテアーゼ:コロナーゼ、商品名「Coronase 48L」、ノボザイムズ社製。
MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、商品名「モノエタノールアミン」、株式会社日本触媒製。
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)、商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学株式会社製。
乳酸ナトリウム:関東化学株式会社製、商品名「乳酸ナトリウム」。
香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
表1〜4に示す組成に従って各成分を混合して液体洗浄剤組成物を得た。
表1〜4に、各例の液体洗浄剤組成物の組成(配合成分、含有量(%))を示す。表1〜4中の空欄はその配合成分が配合されていないことを意味する。配合成分の含有量は純分換算量を示す。精製水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(%)が100%となるように加えられる残部を意味する。
なお、実施例6においてのみ、香料とC−1を実施例記載の質量比となるように事前に混合したプレミックスを調製し、それを液体洗浄剤組成物に配合した。他の例では、(C)成分は香料とプレミックスを形成させずに他の成分と混合した。
また、実施例中の配合量は有効成分量として記載している。
各例の液体洗浄剤組成物について、以下に示す評価方法により「洗浄力」、「酵素安定性」、「再汚染防止効果」、「液安定性」、「抗菌性」及び「部屋干し臭発生の抑制効果」の評価をそれぞれ行った。
洗浄力の評価には、各例における製造直後の液体洗浄剤組成物(製造直後品)を用いた。汚垢布として、タンパク汚れ布であるEMPA117(EMPA Testmaterialien社製、Polyester/cotton,65/35,soiled with blood/milk/ink)を5cm×5cm角に裁断したものを用いた。洗浄試験機として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗浄液として、水900mLに対して、液体洗浄剤組成物300μLを加え、30秒間撹拌して調製したものを用いた。
洗浄試験器に、洗浄液900mLと、汚垢布10枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比20倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。その後、二槽式洗濯機(三菱電機株式会社製:製品名CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。未汚れ布(ここで未汚れ布とは、汚れの付着していない、基準となる白布をいう)、未洗浄のEMPA117、及び洗浄後のEMPA117について、それぞれ反射率を色差計(日本電色株式会社製:製品名SE200型)で測定し、下式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚垢布のK/S−洗浄後の汚垢布のK/S)/(洗浄前の汚垢布のK/S−未汚れ布のK/S)×100
ただし、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)である(Rは、未洗浄布、洗浄前後のEMPA117の反射率(%)を示す)。
洗浄力の評価基準は、洗浄率(%)が55%以上のものを○(合格)、55%未満のものを×(不合格)とした。
<プロテアーゼ活性の測定>
ミルクカゼイン(Casein、Bovine Milk、Carbohydrate and Fatty Acid Free/Calbiochem(登録商標))を1N水酸化ナトリウム(1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1N)、関東化学社製)に溶解し、pHを10.5とし、0.05Mホウ酸(ホウ酸(特級)、関東化学社製)水溶液でミルクカゼインの濃度が0.6%になるよう希釈し、プロテアーゼ基質とした。
各例で得た液体洗浄剤組成物1gを、塩化カルシウム(塩化カルシウム(特級)、関東化学社製)3°DH硬水で25倍希釈した溶液をサンプル溶液とした。
サンプル溶液1gに、上記プロテアーゼ基質5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、37℃、30分間静置して酵素反応を進めた。その後、この溶液に酵素反応停止剤のTCA(トリクロロ酢酸(特級)、関東化学社製)の0.44M水溶液5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した。その後、この溶液を20℃、30分間静置して、析出する未反応基質を0.45μmフィルターで除去し、ろ液を回収した。
回収したろ液の波長275nmにおける吸光度(吸光度α)を、島津製作所社製紫外可視分光光度計UV−160を用いて測定した。吸光度αが大きいほど、ろ液中に存在するチロシン(プロテアーゼがプロテアーゼ基質を分解することにより産生)の量が多かったことを示す。
目的成分以外の吸収の影響を除くため、別途、各サンプル溶液1gに、酵素反応停止剤であるTCA5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、プロテアーゼ基質を5g添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、0.45μmフィルターで除去してろ液を回収した。その後、前記ろ液の波長275nmの吸光度(吸光度β)を、UV−160を用いて測定した。
製造後、35℃で4週間保存した液体洗浄剤組成物(35℃保存品)および4℃で4週間保存した液体洗浄剤組成物(4℃保存品)について上記プロテアーゼ活性の測定を行った。それらの測定結果から、下記式により、プロテアーゼ活性残存率(%)を求めた。
なお、下式に代入した各試料の275nmにおける吸光度の値は、気泡等の散乱光を吸光度から除外するため、同時に測定した600nmの吸光度値を除し用いた。
プロテアーゼ活性残存率=(35℃保存品の吸光度α−35℃保存品の吸光度β)/(4℃保存品の吸光度α−4℃保存品の吸光度β)×100
求めたプロテアーゼ活性残存率(%)から、プロテアーゼ活性の保存安定性を以下の評価基準で評価した。
◎:80%以上。
○:70%以上80%未満。
△:60%以上70%未満。
×:60%未満。
かかる評価結果を、酵素安定性(安定性)の欄にそれぞれ示す。評価基準は、残存率(%)が60%以上のものを合格、60%未満のものを不合格とした。
各例で作成した液体洗浄剤組成物を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程をこの順序で3回繰り返す洗濯処理を行った。
<洗浄工程>
被洗物として、下記の綿布、ポリエステル(PE)布、湿式人工汚染布及び肌シャツを用いた。
・綿布:再汚染判定布として綿メリヤス(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
・ポリエステル(PE)布:再汚染判定布としてポリエステルトロピカル(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
・湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%(質量比)の組成の汚れが付着した布)を20枚。
・肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したもの。
Terg−o−tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに液体洗浄剤組成物0.6gを加え、次いで、前記被洗物を入れた。その後、3°DH硬水を加えて浴比を20倍に調整し、120rpm、25℃で10分間洗浄した。
<すすぎ工程>
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。この操作(脱水、すすぎ)を2回繰り返した。2回目には、25℃の3°DH硬水900mLに、所定量の柔軟剤を添加してすすぎを行った。柔軟剤には、部屋干しソフラン(ライオン株式会社製)を用いた。
<乾燥工程>
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(綿布、PE布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
△Z=(洗濯処理前のZ値)−(洗濯処理後のZ値)
綿布、PE布のそれぞれの再汚染判定布における△Zについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、液体洗浄剤組成物による綿布、PE布への再汚染防止効果を以下の判定基準で評価した。
綿布における判定基準
◎:△Zが5未満。
○:△Zが5以上7未満。
△:△Zが7以上9未満。
×:△Zが9以上。
PE布における判定基準
◎:△Zが3未満。
○:△Zが3以上4未満。
△:△Zが4以上5未満。
×:△Zが5以上。
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に、液体洗浄剤組成物100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃(又は25℃)の恒温槽内に7日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、液体洗浄剤組成物の液安定性を評価した。この評価結果が◎、○であるものを合格とした。
評価基準
◎:ガラス瓶の底部に5℃でも沈殿物質が認められず、液の流動性がある。
○:ガラス瓶の底部に5℃では沈殿物質が認められず、一部にゲル化が認められるが、25℃で3時間静置するとゲル化した部分は見られず、液全体が流動するようになる。
△:ガラス瓶の底部に25℃では沈殿物質が認められるが、ガラス瓶を軽く振ると、その沈殿物質は消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に25℃でも沈殿物質が認められ、ガラス瓶を軽く振ってもその沈殿物質は消失しない、又は、液体洗浄剤の製造直後にゲル化もしくは白濁した。
(1)洗浄処理方法
全自動電気洗濯機(Haier社製、製品名「JW−Z23A」)に、約400gの被洗布を投入した[浴比(洗濯水量/被洗布総質量)30倍]。被洗布としては、5cm×5cmの大きさに切り分けた綿市販のテトロン(登録商標)/綿ブロード混紡品(ポリエステル50%/綿50%)(以下、テト綿という。)約30gと、綿肌シャツ(B.V.D.社製)とを合わせたものを用いた。
次に、前記全自動電気洗濯機に、各例の液体洗浄剤組成物をそれぞれ333ppm加え、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。その際、洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては一切調整せず、洗濯機の標準コース設定をそのまま使用した。
洗濯終了後、テト綿を取り出し、この取り出したテト綿を25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に放置して乾燥させた。乾燥後、該テト綿を試験布として抗菌性の評価に用いた。また、未処理布として、前記洗濯操作を施していないテト綿を用いた。
本評価に用いた器具、水等は、予めオートクレーブにより滅菌処理を施した。また、本評価では、菌として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用いた。
JIS L1902に準じて培養を行った黄色ブドウ球菌を用い、ニュートリエント培地を20倍に希釈し、菌数が1±0.3×105個/mLとなるように、黄色ブドウ球菌母液を調製した。
前記試験布(5cm×5cm)の4箇所に、前記黄色ブドウ球菌母液0.1mLずつを接種し、37℃の恒温槽にて18時間培養して、試験布上で増殖又は静菌した。
その後、抽出液(JIS L1902に記載の洗い出し用生理食塩水)にて試験布から菌を抽出し、その抽出液を生理食塩水によって10倍に希釈した。得られた希釈液を10倍に希釈する操作をさらに4回繰り返し、100,000倍の希釈液を得た。なお、「洗い出し用生理食塩水」とは、精製水1,000mLと塩化ナトリウム8.5gとをフラスコに入れて充分に溶解させ、さらに非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(関東化学株式会社製、商品名「ポリソルベート80、Tween80」)2gを加えて溶解させた後、高圧蒸気殺菌(オートクレーブ処理)したものである。
次いで、SCDLP寒天培地(日本製薬株式会社製)上に、得られた100,000倍の希釈液から1mLを採取し、予めオートクレーブにより滅菌処理して48℃に保温したSCDLP寒天培地15mLをシャーレ上で混釈し、37℃の恒温槽内で1〜2日間培養した。培養後、コロニー数をカウントし、生菌数を求めた。
未処理布についても試験布と同様の操作を行って生菌数を測定し、これらの測定値を用いて抗菌活性値(A)を下記式より算出した。
抗菌活性値=log10(未処理布の生菌数/試験布の生菌数)
算出した抗菌活性値(A)と抗菌活性値(B)より、抗菌活性値の差{抗菌活性値(A)−抗菌活性値(B)}を求め、下記の評価基準により抗菌性の評価を行った。△、×を不合格とした。
評価基準
◎:抗菌活性値の差が2.5以上であった。
○:抗菌活性値の差が2.0以上〜2.5未満であった。
△:抗菌活性値の差が1.0以上〜2.0未満であった。
×:抗菌活性値の差が1.0未満であった。
混紡Tシャツ(綿60%、ポリエステル40%)に対し、市販合成洗剤トップ(ライオン株式会社製)を用いて、洗剤使用量を25g/水道水30Lとして洗濯処理(JW−Z23A型、ハイアール社製、水温20℃、10分間)を行った。
次いで、混紡Tシャツを20〜40代男性10人に12時間着用させた後、各例の液体洗浄剤組成物を用いて、洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比20倍)を行った。その際、液体洗浄剤組成物の洗濯機への投入量を10mL/水道水30Lとして洗濯処理を行った。なお、新品の綿100%の肌シャツ(BVD製)を、全自動洗濯機(パナソニック株式会社製、NA−F70SD1)のおまかせコースで5回洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水)したものを、浴比合わせの衣料として用いた。
前記混紡Tシャツの洗濯処理が終了した後、室温(約23℃)、相対湿度90%RHの室内に干して5時間乾燥(部屋干し)を行った。その後、6名の専門パネラーがそれぞれ5時間乾燥(部屋干し)後の混紡Tシャツの臭いを嗅ぐという官能評価を行った。該官能評価は、下記の評価基準に基づいて点数化することにより行った。具体的には、専門パネラーが、部屋干し後の混紡Tシャツのそれぞれの臭いを嗅ぎ、下記評価基準における6段階の臭気強度表示に従って評価した。そして、混紡Tシャツの平均点を算出し、この平均点を指標として、部屋干し臭発生の抑制効果について評価した。かかる平均点が3.0点以下のものを合格とした。
官能評価の評価基準(臭気強度表示)
0点:異臭が全くしない。
1点:異臭がやっと感知できる程度に感じられる。
2点:異臭が弱く感じられる。
3点:異臭がやや強く感じられる。
4点:異臭が強く感じられる。
5点:異臭が強烈に感じられる。
一方、(C)成分を含まない比較例1、2では、十分な抗菌性が得られなかった。
(B)成分を含まない比較例3では、十分な洗浄力が得られず、再汚染防止効果も低かった。
Claims (6)
- (A)成分:下式(I)で表される化合物、及び下式(II)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むノニオン界面活性剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種と、(C)成分:フェノール構造を有する抗菌剤と、を含有する、液体洗浄剤組成物。
R1−C(=O)O−[(EO)s/(PO)t]−(EO)u−R2 ・・・(I)
R3−O−[(EO)v/(PO)w]−(EO)x−H ・・・(II)
(ただし、式中、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基である。R1は炭素数7〜22の炭化水素基であり、R2はメチル基又はエチル基であり、R3は炭素数7〜22の炭化水素基である。s、v、u、xはEOの平均繰り返し数であり、t、wはPOの平均繰り返し数である。sは6〜20の数であり、tは0〜6の数であり、uは0〜20の数である。vは8〜20の数であり、wは0〜6の数であり、xは0〜20の数である。) - 前記(A)成分と前記(B)成分との(A)/(B)比(質量比)が1以上である、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記(B)成分と前記(C)成分との(B)/(C)比(質量比)が3以上である、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
- さらに、(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位のいずれか一方もしくは両方と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位のいずれか一方もしくは両方とを有する水溶性ポリマーを、0.1〜5質量%含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
- さらに、(E)成分:ポリアルキレンオキシド鎖を含むアルキレンアミン構造単位を有するポリアルキレンアミンアルキレンオキシド系共重合体を、0.1〜5質量%含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
- さらに、(F)成分:カチオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
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