以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書における課題及び実施例は一例であり、本願の権利範囲を限定するものではない。特に、記載の表現が異なっていたとしても技術的に同等であれば、異なる表現であっても本願の技術を適用可能であり、権利範囲を限定するものではない。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における無線通信システム10の構成例を表す図である。
無線通信システム10は、基地局装置(以下、「基地局」と称する場合がある)100と端末装置(以下、「端末」と称する場合がある)200を備える。基地局100は、自局のサービス可能範囲に在圏する端末200と無線通信を行う無線通信装置である。基地局100は、端末200に対して通話サービスやWeb閲覧サービスなど様々なサービスを提供する。
端末200は、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ゲーム装置などである。端末200は、移動可能な無線通信装置である。
基地局100又は端末200には、特定部150を備える。特定部150は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す第1の情報と直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す第2の情報の少なくとも一方に基づいて、端末200の性能又は能力に応じて分類された端末200のカテゴリを特定する。
このように基地局100又は端末200は、第1の情報と第2の情報の少なくとも一方に基づいて端末200のカテゴリを特定することができる。
これにより、基地局100は非直交多元接続方式に対応していない端末200に非直交多元接続方式による無線通信を行うような事態を回避できる。同様に、基地局100は、直交多元接続方式に対応していない端末200に対して直交多元接続方式による無線通信を行うような事態を回避できる。
また、基地局100は、端末200が非直交多元接続方式に対応しているときは直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換えることもできる。同様に、基地局100は、端末200が直交多元接続方式に対応しているときは非直交多元接続方式から直交多元接続方式への切り換えを行うこともできる。
さらに、基地局100は、自局が非直交多元接続方式に対応していないときは、非直交多元接続方式に対応する基地局へ端末をハンドオーバさせることも可能である。同様に、基地局100は、自局が直交多元接続方式に対応していないときは、直交多元接続方式に対応する基地局へ端末をハンドオーバさせることも可能である。
さらに、基地局100は、非直交多元接続方式に対応する周波数帯域(又はセル、或いは周波数)を追加することもできる。同様に、基地局100は、直交多元接続方式に対応する周波数帯域を追加することもできる。基地局100と端末200は追加した周波数帯域と元から使用していた周波数帯域とを同時に使用することでキャリアアグリゲーションによる無線通信も可能となる。
従って、適切に無線通信を行うことができるようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信方法を提供することができる。
また、基地局100は、非直交多元接続方式に対応していない端末200に対して非直交多元接続方式により何度も設定を繰り返したり、直交多元接続方式に対応していない端末200に対して直交多元接続方式により何度も設定を繰り返したりする事態を回避できる。基地局100は、第1の情報と第2の情報の少なくとも一方に基づいてカテゴリを特定できるため、何度も設定を繰り返す事態もなくなり、結果的に、スループットの改善を図ることができる。
従って、スループットの改善を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信方法を提供することができる。
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。最初に本第2の実施の形態において用いられる用語の説明について説明する。
<用語の説明>
セルとは、例えば、1つの周波数を用いて構成されるサービスエリアである。この場合、周波数は1つであることから、セルと周波数は同じ意味で用いられる場合がある。また、セルとは、1つの無線基地局装置(以下、「基地局」と称する場合がある)によって形成されたサービスエリアであってもよいし、当該サービスエリアと基地局装置とを併せたものであってもよい。セルは、例えば、3GPPにおいて規定されたセルであってもよい。
1つの周波数は、例えば、特定の帯域幅を持つものであり、コンポーネントキャリア(以下、「CC」と称する場合がある)と同じ意味で用いられる場合がある。特定の帯域幅としては、例えば、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、20MHzなどがある。
周波数帯域についても、例えば、特定の帯域幅を持っている。従って、周波数帯域のことを、例えば、周波数と称する場合がある。
無線リソースは、例えば、サブキャリア(又は周波数)と時間を含む。或いは、無線リソースは、例えば、拡散コードと時間を含む。前者はOFDMAで用いられる場合があり、後者はCDMA(Code Division Multiple Access)で用いられる場合がある。
基地局は、例えば、1つ又は複数の周波数を用いて通信可能な無線通信装置である。よって、基地局は、複数のセルを構成することも可能であり、1つのセルを構成することも可能である。このため、基地局が1つのセルを構成する場合、セル、周波数、CC、及び基地局が同じ意味で用いられる場合がある。
キャリアアグリゲーション(以下、「CA」と称する場合がある)とは、例えば、複数の周波数を同時に用いて通信を行うことである。或いは、CAとは、例えば、複数のシステム帯域を同時に用いて通信を行うことである。或いは、CAとは、例えば、複数の周波数帯域を同時に用いて通信を行うことである。例えば、1つ1つの周波数がCCとなる。各CCは、同一の周波数帯に属してもよいし、異なる周波数帯に属してもよい。
非直交多元接続方式とは、例えば、送信電力に基づいて多重化を行う方式のことである。或いは、非直交多元接続方式とは、例えば、同一の無線リソースに対して複数のユーザ(又は端末装置(以下、「端末」と称する場合がある))に対する信号を割り当てて、各信号に対して異なる送信電力により送信する方式のことである。或いは、非直交多元接続方式とは、例えば、同一の無線リソースに対して複数のユーザ(又は端末)を多重化するときにユーザ同志の信号が直交しない(又は分離できない)方式のことである。非直交とは、例えば、各ユーザの信号を分離できない、という意味としてもよい。
他方、直交多元接続方式とは、例えば、1又は複数の無線リソース(例えばサブキャリア)に対して1つのユーザ(又は端末)に対する信号を割り当てて、複数のユーザに対する信号を送信する方式のことである。直交とは、例えば、各ユーザの信号を分離できる、という意味としてもよい。
なお、多元接続方式とは、例えば、複数の通信を同時に行う方式のことであり、1つの基地局と複数の端末との通信を同時に実施する方式である。基地局が異なるサブキャリア(又は異なる無線リソース)を割り当てることで複数の端末と同時に通信する方式が、例えば、OFDMAとなる。
Superposition coding(又は階層化変調、以下、「階層化変調」と称する場合がある)は、例えば、上位の変調の信号点のそれぞれに対して下位の変調の信号点が含まれる形式となっている変調方式のことである。上位の変調と下位の変調があることから、階層化変調と呼ばれる場合がある。或いは、階層化変調とは、例えば、個別にマッピングされた各信号を階層的に重畳する変調方式のことである。階層化変調では、上位の変調と下位の変調だけでなく、3次以上の変調方式によって階層的に変調が行われてもよい。階層化変調は、例えば、非直交多元接続方式を実現する1手法である。
端末カテゴリは、例えば、端末の能力(capability)又は性能(performance)に応じて分類された端末のカテゴリ(以下、「端末カテゴリ」と称する場合がある)のことである。3GPPでは、端末の能力又は性能を表す情報に基づいて、端末が「Category1」や「Category2」などと分類される。端末の能力又は性能を表す情報としては、例えば、使用可能な下り共有チャネル数、連続受信可能な否か、共有チャネル1回の伝送で伝送可能な最大ビット数などがある。
端末性能情報は、例えば、このような端末の能力又は性能を表す情報のことである。端末性能情報には、例えば、少なくとも非直交多元接続方式に対応するか否かの情報が含まれる。また、端末性能情報には、対応する変調方式、符号化方法、MIMOなどの空間多重方式、CAなどの複数の周波数を同時に用いた伝送方法の対応可否なども含まれてもよい。さらに、端末性能情報には、例えば、非直交多元接続方式で送信したり受信したりする場合の機能があるか否か、或いは端末性能が高いか低いかなども含まれても良い。或いは、端末性能情報には、例えば、干渉抑制する機能があるか否かや階層化変調された信号を復調できるか否かなども含まれても良い。或いは、端末性能情報としては、例えば、階層化変調が可能か否かや干渉抑制機能の能力の高さや精度を表すものが含まれても良い。
無線回線状態情報(又は無線状態情報)は、例えば、基地局と端末との間の無線回線の状態に関する情報である。無線回線状態情報の一つとして、例えば、無線回線品質情報がある。無線回線品質としては、例えば、パイロット受信電力、パイロット受信品質、RSRP(参照信号受信電力:Reference Signal Received Power)、RSRQ(参照信号受信品質:Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)がある。それ以外にも、無線回線品質情報として、CQI(Channel Quality Indicator)、SIR(Signal to Interference Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio)、CPICH RSCP(Common Pilot Channel Received Signal Code Power)、CPICH Ec/NO(Common Pilot Channel received Energy per chip divided by the power density)がある。無線回線品質情報は、例えば、測定された無線回線品質をそのまま用いてもよいし、離散的な数値(又は正規化値)や時間平均値、既に送信した数値の差分値などを用いてもよい。
<無線通信システム>
次に、本第2の実施の形態における無線通信システムの構成例について説明する。図2は無線通信システム10の構成例を表す図である。
無線通信システム10は、基地局装置(eNB(evolve Node B)、以下「基地局」と称する場合がある)100と端末装置(以下、「端末」と称する場合がある)200,200a,200bを備える。
基地局100は、例えば、自局にサービスエリアに在圏する端末200,200a,200bと無線通信を行う無線通信装置である。
端末200,200a,200bは、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ゲーム装置などの無線通信装置である。端末200,200a,200bは基地局100と無線通信を行い、通話サービスやWebページの閲覧サービスなど様々なサービスの提供を受けることができる。
基地局100と端末200,200a,200bとは双方向通信が可能である。すなわち、基地局100から端末200,200a,200bへの方向(以下、「下り方向」と称する場合がある)の通信と、端末200,200a,200bから基地局100への方向(以下、「上り方向」と称する場合がある)の通信が可能である。
基地局100は、端末200,200a,200bとの下り方向と上り方向の無線通信に関して、スケジューリングを行うことで、無線リソースの割り当てや、符号化方式と変調方式の決定などを行う。基地局100は、スケジューリングの結果を含む制御信号を各端末200,200a,200bへ送信する。基地局100と端末200,200a,200bは制御信号に含まれるスケジューリングの結果に従って無線通信を行う。
なお、図2に示す無線通信システム10では3つの端末200,200a,200bが1つの基地局100と無線通信を行っている例を表している。無線通信システム10においては1つの端末200でもよいし、2つの端末200,200aでもよいし、4つ以上の端末200,200a,・・・が基地局100と無線通信を行ってもよい。
また、端末200,200a,200bについてはいずれも同一の構成であることから、特に断らない限り端末200を代表して説明することにする。
<直交多元接続方式と非直交多元接続方式>
次に直交多元接続方式と非直交多元接続方式の例について説明する。図3は直交多元接続方式の例、図4と図5は非直交多元接続方式の例、図6は双方が含まれる場合の例をそれぞれ表している。
図3に示すように、直交多元接続方式(例えばOFDMA)では、UE1(例えば端末200a)とUE2(例えば端末200b)に対して異なる無線リソースが割り当てられ、同一の送信電力により送信が行われる。この場合、UE1に割り当てられた周波数には1又は複数のサブキャリアが含まれ、UE2に割り当てられた周波数にも1又は複数のサブキャリアが含まれる。各サブキャリアは直交しているため、UE1とUE2との間においては信号の送信と受信に関して干渉の発生を抑制することができる。
他方、図4に示すように、非直交多元接続方式では、UE2に割り当てられた周波数がUE1に割り当てられた周波数に含まれて、2つの周波数が重複している部分がある。この場合、例えば、UE2はUE1よりも基地局100からの距離が近いことから、送信電力がUE2の方がUE1よりも低くなっている。また、例えば、UE1はセル端に位置するなど基地局100からの距離がUE2よりも遠いことから、送信電力はUE1の方がUE2よりも高くなっている。UE2では、基地局100から送信された信号に対して、UE1宛の信号も受信するためUE1宛の信号が干渉となってしまう。そのため、UE2では、干渉を除去又は抑制する(以下、「干渉抑制」と称する場合がある)処理を行う。他方、UE1では、基地局100からの距離がUE2よりも遠いことから、UE2に対する信号の受信電力は限りなく小さくなり、UE2宛の信号を受信することなく自局宛の信号を受信できる。
なお、干渉抑制の方法については、例えば、トレーニング信号を用いる方法や、無線チャネルの推定を行い、干渉を含む受信信号をイコライズし(例えば、干渉により歪んだ信号を本来の信号に戻すこと)、所望信号を得る方法などがある。
3GPPなどでは、干渉抑制方法として、SIC(Successive Interference Cancellation)が検討されている。SICは、例えば、多重された信号に対して干渉信号を順次除去しながら所望の信号を再生する方法である。例えば、端末では以下のようにしてSICを行う。すなわち、3つの信号が多重されている場合、端末では、最初に第1の信号を抽出するために第2及び第3の信号、すなわち干渉信号を除去又は抑制して第1の信号を再生する。続いて、端末は第2の信号を抽出するために第3の信号、すなわち干渉信号を除去又は抑制して第2の信号を再生し、更に、第3の信号を再生するものである。2つの信号が多重されている場合でも、4つ以上の信号が多重されている場合も同様にして端末は処理を行う。このように、SICでは、例えば、複数の端末に対する信号が非直交多重された場合でも干渉抑制を行うことが可能となる。
図5も、非直交多元接続方式の例である。この例では、UE1とUE2に対して同じ周波数、UE3とUE4に対して同じ周波数が割り当てられる例を表している。
図6は、UE1とUE2に対しては非直交多元接続方式、UE3に対しては直交多元接続方式により周波数の割り当てが行われた例を表している。このように、ある周波数には非直交多元接続方式、他の周波数には直交多元接続方式が用いられて無線通信が行われてもよい。
<階層化変調>
次に、階層化変調について説明する。階層化変調は、例えば、非直交多元接続方式の実現方法の一手法である。図7は階層化変調における1次変調の例を表し、図8は階層化変調における2次変調の例を表し、図9は階層化変調の例を表している。
階層化変調では、例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、ある信号系列に対して1次変調(又は上位変調)として16QAM(Quadrature Amplifier Modulation)による変調が施される。この場合、図7に示すコンスタレーションにおいて16個ある信号点のいずれかの信号点として表されることになる。そして、1次変調が施された信号に対して2次変調(又は下位変調)としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)による変調が施される。この場合、階層化変調が施された信号は、図9に示す信号点のいずれかの信号点として表されることになる。
例えば、基地局100は、基地局100からの距離がUE1よりも近いUE2へ送信する信号に対して16QAMなどの1次変調、基地局100からの距離がUE2よりも遠く、セル端に位置するUE1へ送信する信号に対してQPSKなどの2次変調を施す。
QPSKの各信号点(例えば図8)は16QAMの各信号点(例えば図7)よりも、1つ1つの信号点の間隔が広くなっている。従って、QPSKは16QAMよりも1回の送信で送信できるデータ量は少ないものの、雑音や干渉に強い。よって、セル端に位置するUE1へ送信してもUE1においては十分良好な受信特性を得ることができる。他方、基地局100からの距離がUE1よりも近いUE2では無線品質が良好なことから、16QAMによる変調が行われても送信信号を再生でき、QPSKと比較して多くのデータを送信できる。
階層化変調が施された信号に対しては、例えば、最初に2次変調により復調(2次復調)を行い、その次に、1次変調により復調(1次復調)を行うことで、送信信号が復調される。
なお、階層化変調の順序は、例えば、最初に1次変調を行い、次に2次変調を行ってもよいし、その逆でもよい。復調についても、最初に2次変調による復調を行い、次に1次変調による復調を行ってもよいし、その逆でもよい。階層化変調の復調は、例えば、階層化変調の順番と同じでもよいし異なってもよい。ただし、階層化変調の順序が最初に1次変調、次に2次変調の場合、復調は最初に2次変調による復調を行った方が、最初に1次変調を行う場合よりも受信特性が良い場合がある。
<基地局と端末の各構成例>
次に基地局100と端末200の各構成例について説明する。基地局100と端末200の各構成例について以下の順番で説明する。
<1.基地局の構成例>
<1.1 直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
<1.2 非直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
<1.3 下り方向が直交多元接続方式、上り方向が非直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
<1.4 下り方向が非直交多元接続方式、上り方向が直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
<2.端末の構成例>
<2.1 直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
<2.2 非直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
<2.3 下り方向が非直交多元接続方式、上り方向が直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
<2.4 下り方向が直交多元接続方式、上り方向が非直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
<3.直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
<4.直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
<5.3と4のバリエーション>
<6.端末カテゴリ表>
<1.基地局の構成例>
基地局100の構成例について、図10から図29を用いて説明する。
<1.1 直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
図10から図17は直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例などを表す図である。図10に示すように、基地局100は、アンテナ101、受信部102、制御部103、及び送信部104を備える。受信部102は、受信無線部105、受信直交多元接続処理部106、端末カテゴリ情報抽出部107、無線回線品質情報抽出部108、制御信号抽出部109を含む。また、制御部103は、無線回線制御部(又は制御部、以下「無線回線制御部」と称する場合がある)110とシステム情報管理・記憶部(以下、「システム情報管理部」と称する場合がある)111を含む。さらに、送信部104は、制御信号作成部112、パイロット作成部113、システム情報作成部114、送信直交多元接続処理部115、及び送信無線部116を含む。
なお、アンテナ101、受信無線部105、受信直交多元接続処理部106、無線回線制御部110、送信直交多元接続処理部115、及び送信無線部116は、例えば、直交多元接続方式を用いて無線通信を行う第2の通信部となってもよい。
アンテナ101は、端末200から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号を受信無線部105へ出力する。また、アンテナ101は、送信無線部116から出力された無線信号を端末200へ送信する。
受信無線部105は、無線信号を増幅し、無線帯域の無線信号をベースバンド帯域の受信信号へ変換(ダウンコンバート)する。受信無線部105には、増幅回路や周波数変換回路、BPF(Band Pass Filter)などを備えてよい。受信無線部105は受信信号を受信直交多元接続処理部106へ出力する。
受信直交多元接続処理部106は、受信信号に対して、直交多元接続方式に対応した処理を行い、端末200から送信された送信信号を再生する。受信直交多元接続処理部106は、再生した送信信号を受信信号として出力する。
図13は受信直交多元接続処理部106の構成例を表す図である。受信直交多元接続処理部106は、ADC(Analog to Digital Converter)106a、直交復調部106b、及び復調部106を備える。
受信信号はADC106aによりアナログ信号からデジタル信号に変換され、直交復調部106bにより各端末200から送信された信号が復調される。これにより、例えば、各端末200から送信された信号が各々復調されて、多重化された信号が分離される。直交復調部106bは直交多元接続方式に対応した復調処理を行う。そして、復調後の信号は復号部106cにおいて誤り訂正復号化処理が施されて、端末200から送信された送信信号が再生される。
図14は直交多元接続方式がOFDMAの場合の受信直交多元接続処理部106の構成例を表す図である。受信直交多元接続処理部106は、ADC106d、S/P(Serial to Parallel)106e、CP(Cyclic)削除部106f、FFT(Fast Fourier Transform)106g、直交復調部106h、P/S(Parallel to Serial)106i、及び復号部106jを含む。
受信信号はADC106dによりアナログ信号からデジタル信号に変換され、S/P106eによりシリアル形式のデジタル信号からパラレル形式のデジタル信号へ変換される。これにより、受信信号がサブキャリア毎の時間領域の信号に分けられる。時間領域の信号は、CP削除部106fによりCPが除去され、FFT106gにより時間領域信号が周波数領域の信号に変換される。変換後の信号は、直交復調部106hにより、無線回線制御部110でスケジューリングされた変調方式に従って直交多元接続方式に対応した復調処理が施されて復調信号へ変換され、P/S106iによりパラレル形式の復調信号からシリアル形式の復調信号に変換される。シリアル形式の復調信号は、復号部106jにより、無線回線制御部110でスケジューリングされた符号化率で誤り訂正復号化処理が行われ、端末200から送信された送信信号が再生される。
図10に戻り、端末カテゴリ情報抽出部107は、受信直交多元接続処理部106から出力された受信信号を受け取り、受け取った受信信号から端末カテゴリ情報を抽出する。端末カテゴリ情報抽出部107は抽出した端末カテゴリ情報を無線回線制御部110へ出力する。
無線回線品質情報抽出部108は、受信直交多元接続処理部106から出力された受信信号を受け取り、受け取った受信信号から無線回線品質情報を抽出する。無線回線品質情報抽出部108は、抽出した無線回線品質情報を無線回線制御部110へ出力する。
制御信号抽出部109は、受信直交多元接続処理部106から出力された受信信号を受け取り、受け取った受信信号から制御信号を抽出する。制御信号抽出部109は抽出した制御信号を無線回線制御部110へ出力する。
無線回線制御部110は、ランダムアクセス制御やセル選択制御、スケジューリングなど種々の制御を行う。
図15は無線回線制御部110の構成例を表す図である。無線回線制御部110は、ランダムアクセス制御部110a、セル選択制御部110b、無線回線品質測定制御部110c、ハンドオーバ制御部110d、端末カテゴリ要求制御部110e、多元接続制御部110f、スケジューラ110gを含む。無線回線制御部110は、更に、無線チャネル設定制御部110h、第1の周波数帯域の無線回線設定制御部110i、第2の周波数帯域の無線回線設定制御部110jを含む。
ランダムアクセス制御部110aは、基地局100と端末200との間で無線回線を設定する際に行われるランダムアクセス手続きに関する制御を行う。セル選択制御部110bは、受信した無線回線品質情報に基づいてセルを選択するなど、セルの選択に関する制御を行う。無線回線品質測定制御部110cは、パイロット信号の生成をパイロット作成部113へ指示して端末200において無線回線品質を測定させたり、受信無線部105で受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定したりするなど、無線回線品質の測定に関する制御を行う。ハンドオーバ制御部110dは、端末200のハンドオーバ先となる基地局を決定したり、端末200との間でハンドオーバに関する制御信号の生成及び送信を制御信号作成部112へ指示したりするなど、ハンドオーバに関する制御を行う。
端末カテゴリ要求制御部110eは、端末200に対して端末カテゴリを送信するよう要求する制御信号の生成と送信を制御信号作成部112へ指示するなど、端末カテゴリの要求に関する制御を行う。
多元接続制御部110fは、例えば、端末カテゴリ情報抽出部107から端末カテゴリを受け取り、端末カテゴリに基づいて、端末200が非直交多元接続方式に対応しているのか否か、又は、端末200が直交多元接続方式に対応しているのか否か、或いは、端末200が双方の方式に対応しているのか否かなどを確認する。この場合、多元接続制御部110fは、メモリなどに記憶された端末のカテゴリ表(以下、「端末カテゴリ表」と称する場合がある)にアクセスし、端末カテゴリに対応する端末性能情報を読み出して確認するようにしてもよい。
端末性能情報には、例えば、端末200が直交多元接続方式に対応するのか否か、端末200が非直交多元接続方式に対応するのか否か、又は端末200が直交多元接続方式と非直交多元接続方式の双方に対応するのかの情報も含まれる。
又は、端末性能情報には、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報、又は双方の多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報が含まれてもよい。
なお、端末カテゴリ表は、例えば、端末200の性能情報と端末カテゴリが登録されたテーブルである。図74などに端末カテゴリ表の例を示しているがその詳細は後述する。基地局100と端末200は同一内容の端末カテゴリ表をメモリなどに保持している。
図15に戻り、スケジューラ110gは、無線回線品質情報や端末カテゴリなどに基づいて、端末200の選択や、通信に用いる無線リソース、変調方式と符号化率などを選択する。スケジューラ110gは選択した無線リソースなどを制御信号作成部112へ出力し、これらの情報を含む制御信号の作成を制御信号作成部112へ指示する。
無線チャネル設定制御部110hは、例えば、端末200に対する無線チャネルの設定に関する制御を行う。無線チャネル設定制御部110hは、例えば、無線チャネルを変更したり、削除したり、新たな無線チャネルを追加するなどの制御を行ってもよい。
第1の周波数帯域の無線回線設定制御部110iは、例えば、基地局100がCAを利用して端末200と無線通信を行う際に、第1の周波数帯域に関する無線回線の設定に関する制御を行う。第2の周波数帯域の無線回線設定制御部110jは、例えば、基地局100がCAを利用して端末200と無線通信を行う際に、第2の周波数帯域に関する無線回線の設定に関する制御を行う。例えば、第1の周波数帯域はプライマリセル、第2の周波数帯域はセカンダリセルとなる場合がある。
図10に戻り、システム情報管理部111は、例えば、基地局100が端末200との間でランダムアクセス手順を行う際に用いられるシステム情報を記憶する。システム情報としては、例えば、ランダムアクセス手順で用いられるランダムアクセスプリアンブルに関する情報などがある。システム情報管理部111は、無線回線制御部110の指示により、システム情報などを隣接基地局などへ送信する。
制御信号作成部112は、無線回線制御部110からの指示を受けて制御信号を生成し、生成した制御信号を送信直交多元接続処理部115へ出力する。
パイロット作成部113は、無線回線制御部110からの指示を受けてパイロット信号を生成し、生成したパイロット信号を送信直交多元接続処理部115へ出力する。
システム情報作成部114は、無線回線制御部110やシステム情報管理部111からの指示を受けて、システム情報管理部111から読み出したシステム情報を送信直交多元接続処理部115へ出力する。
送信直交多元接続処理部115は、送信データや制御信号、パイロット信号、システム情報に対して、直交多元接続処理に対応した処理を行ってベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号を出力する。
図11は送信直交多元接続処理部115の構成例を表す図である。送信直交多元接続処理部115は、符号化部115a、直交変調部115b、DAC(Digital to Analog Converter)115cを含む。
送信データや制御信号などは、符号化部115aにより、無線回線制御部110でスケジューリングされた符号化率で誤り訂正符号化処理が施される。誤り訂正符号化処理された送信データなどは、直交変調部115bにより、無線回線制御部110でスケジューリングされた変調方式に従って直交多元接続方式に対応した変調処理が施され、変調信号へと変換される。変調信号はDAC115cにおいてデジタル信号からアナログ信号へと変換される。変換後のアナログ信号はベースバンド信号としてDAC115cから出力される。
図12は直交多元接続方式がOFDMAの場合の送信直交多元接続処理部115の構成例を表す図である。送信直交多元接続処理部115は、符号化部115d、S/P115e、直交変調部115f、IFFT(Inverse FFT)115g、CP付加部115h、P/S115i、DAC115jを含む。
送信データや制御信号などは、符号化部115dにおいて誤り訂正符号化処理が施されて、S/P115eによりシリアル形式のデータなどパラレル形式のデータなどに変換されてサブキャリア毎のデータなどとなる。サブキャリア毎のデータなどは直交変調部115fにより直交変調が施されて変調信号に変換され、変調信号はIFFT115gにより周波数領域の信号から時間領域の信号へと変換される。時間領域に変換された信号はCP付加部115hでCPが付加され、P/S115iにおいてパラレル形式からシリアル形式の信号へと変換され、DAC115jにおいてデジタル信号からアナログ信号へと変換される。DAC115jは変換後のアナログ信号をベースバンド信号として出力する。
図10に戻り、送信無線部116は、送信直交多元接続処理部115から出力されたベースバンド信号を無線帯域の無線信号へ変換(アップコンバート)し、無線信号を増幅する。送信無線部116は、増幅回路、周波数変換回路、BPFなどを備えてもよい。送信無線部116は無線信号をアンテナ101へ出力する。
なお、直交多元接続方式を用いた受信動作や送信動作について説明したが、以降の説明においては断りのない限りこれらの動作は同一とし省略する場合がある。なお、基地局100から送信する制御信号にCRCを付加してもよい。
以上、図10を用いて直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例について説明した。なお、図10に示す直交多元接続方式に対応した基地局100は、端末200において端末カテゴリが特定される場合の構成例である。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。
図16は、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の基地局100の構成例を表す。基地局100は、更に、端末性能情報抽出部118と端末カテゴリ特定部119を備える。
端末性能情報抽出部118は、受信直交多元接続処理部106から出力された受信信号を受け取り、受け取った受信信号から端末性能情報を抽出する。端末性能情報抽出部118は抽出した端末性能情報を端末カテゴリ特定部119へ出力する。
端末カテゴリ特定部119は、端末性能情報に基づいて端末200のカテゴリを特定する。すなわち、端末カテゴリ特定部119は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報と、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報の少なくとも一方に基づいて端末200の端末カテゴリを特定する。例えば、端末カテゴリ特定部119はメモリに記憶された端末カテゴリ表にアクセスし、端末性能情報に対応する端末カテゴリを端末カテゴリ表から読み出すことで特定する。メモリは、例えば、端末カテゴリ特定部119内に備えられてもよいし、基地局100内に備えられてもよい。端末カテゴリ特定部119は、特定した端末カテゴリを無線回線制御部110へ出力する。端末カテゴリ特定部119は、例えば、第1の実施の形態における特定部150に対応し、端末200のカテゴリを特定する特定部となる。
なお、図16に示す基地局100は、端末200から送信された端末性能情報を受信し、端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定している。また、基地局100は端末200と直交多元接続方式により無線通信を行うことができる。従って、例えば、端末カテゴリ特定部119は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末200のカテゴリを特定してもよい。
図17は、図16に示す基地局100における無線回線制御部110の構成例を表す図である。無線回線制御部110は、更に、端末性能情報要求制御部110kを含む。
端末性能情報要求制御部110kは、端末200に対して端末性能情報の送信を要求する制御信号の生成を制御信号作成部112へ指示するなど、端末性能情報を要求することに関する制御を行う。
以上説明してきたように、基地局100は、端末200で特定された端末のカテゴリを端末200から受信することもでき(例えば図10)、また、端末200から送信された端末性能情報に基づいて端末200のカテゴリを特定することもできる(例えば図16)。例えば、基地局100は端末カテゴリを特定した後、非直交多元接続方式に対応した基地局へ端末200をハンドオーバさせることや、直交多元接続方式に対応したCCを追加するなどの処理を行うことも可能となる。このような処理の詳細は動作例で説明する。
<1.2 非直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
図18は非直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例を表す図である。図18は、端末200において端末カテゴリが特定される場合の基地局100の構成例を表している。
基地局100は、更に、受信非直交多元接続処理部121と送信非直交多元接続処理部123を備える。
なお、アンテナ101、受信無線部105、受信非直交多元接続処理部121、無線回線制御部110、送信非直交多元接続処理部123、及び送信無線部116は、例えば、非直交多元接続方式を用いて無線通信を行う第1の通信部であってもよい。
受信非直交多元接続処理部121は、受信無線部105から出力された受信信号に対して、非直交多元接続方式に対応した処理を施して、受信信号に含まれる多重化された信号を分離し、送信信号を再生する。受信非直交多元接続処理部121は再生した送信信号を受信信号として出力する。
また、送信非直交多元接続処理部123は、送信データや制御信号、パイロット信号、システム情報に対して非直交多元接続方式に対応した処理を施してベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号を出力する。
最初に送信非直交多元接続処理部123の詳細について説明し、次に、受信非直交多元接続処理部121の詳細について説明する。
図19は、送信非直交多元接続処理部123の構成例を表す図である。送信非直交多元接続処理部123は、符号化部123a、非直交変調部123b、DAC123cを含む。
符号化部123aは、送信データや制御信号、パイロット信号、システム情報などを入力し、これらのデータや信号などに対して、無線回線制御部110でスケジューリングされた符号化率などに従って誤り訂正符号化処理を施して、符号化データへ変換する。
非直交変調部123bは、符号化123aから出力された符号化データに対して非直交多元接続方式に対応した変調処理を施す。このような変調処理としては、例えば、階層化変調に関する処理(以下、「階層化変調処理」と称する場合がある)がある。以下では階層化変調処理を例にして説明する。以降の実施の形態においても同様に階層化変調処理の例について説明する。
図20は非直交変調部123bの構成例を表す図である。非直交変調部123bは第2層変調部(又は第2次変調部、以下「第2層変調部」と称する場合がある)123b1と第1層変調部(又は第1次変調部、以下「第1層変調部」と称する場合がある)123b2を含む。
第2層変調部123b1は、符号化された送信データなど(以下、「符号化データ」と称する場合がある)に対して、QPSKなどの2次変調(又は第2層変調、以下「2次変調」と称する場合がある)に関する処理を施して2次変調信号に変換する。
第1層変調部123b2は、第2層変調部123b1から出力された2次変調信号に対して、16QAMなどの1次変調(又は第1層変調、以下「1次変調」と称する場合がある)に関する処理を施して1次変調信号に変換する。第1層変調部123b2は1次変調信号を出力する。
図21は非直交変調部123bの他の構成例を表す図である。図21に示すように、最初に第1層変調部123b2が符号化データなどに対して1次変調に関する処理を施し、次に、第2層変調部123b1が1次変調信号に対して2次変調に関する処理を施して、2次変調信号を出力するようにしてもよい。
非直交変調部123bにおける第1層変調部123b2と第2層変調部123b1の順番はどちらか先でもよい。
図19に戻り、非直交変調部123bは1次変調信号又は2次変調信号(以下、1次変調信号又は2次変調信号を「変調信号」と称する場合がある)をDAC123cへ出力する。DAC123cは変調信号をデジタル信号からアナログ信号に変換して、変換後のアナログ信号をベースバンド信号として出力する。
図22は、送信非直交多元接続処理部123の他の構成例を表す図である。送信非直交多元接続処理部123は、符号化部123d、S/P123e、非直交変調部123f、IFFT123g、CP付加部123h、P/S123i、DAC123jを含む。
送信データや制御信号、パイロット信号、システム情報などは、符号化部123dに入力されて符号化部123dにおいて誤り訂正符号化処理が施されて符号化データへと変換される。符号化データはS/P123eにおいてシリアル形式の符号化データからパラレル形式の符号化データへと変換されて、これにより、サブキャリア毎の符号化データへと変換される。サブキャリア毎の符号化データは、非直交変調部123fにおいて階層化変調の処理が施されて変調信号へと変換される。非直交変調部123fは、例えば、図20や図21に示す非直交変調部123bであってもよい。変調信号はIFFT123gにより周波数領域の信号から時間領域へと変換されて、CP付加部123hにおいて時間領域の信号に対してCPが付加される。CPが付加された信号はP/S123iにおいてパラレル形式の信号からシリアル形式の信号へ変換されて、DAC123jにおいてシリアル形式の時間領域の信号がデジタル信号からアナログ信号へと変換される。送信非直交多元接続処理部123は、DAC123jから出力されるアナログ信号をベースバンド信号として出力する。
図18に戻り、次に、受信非直交多元接続処理部121の詳細について説明する。図23は受信非直交多元接続処理部121の構成例を表す図である。受信非直交多元接続処理部121は、ADC121a、非直交復調部121b、及び復号部121cを含む。
ADC121aは、受信無線部105から出力されたベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
非直交復調部121bは、ADC121aから出力されたデジタル信号に対して、非直交多元接続方式に対応した復調処理を施す。このような復調処理としては、例えば、階層復調に関する処理(以下、「階層復調処理」と称する場合がある)がある。階層復調処理により、例えば、複数の端末200から送信された各信号を分離することができる。この場合、非直交復調部121bは、SICなどの干渉抑制に関する処理も行うことができる。
図24は非直交復調部121bの構成例を表す図である。図24に示す例は、非直交復調の例として階層化変調された信号に対する復調処理(以下では、「階層化復調処理」と称する場合がある)を行う例を表している。以降の実施の形態においても、階層化復調処理の例で説明する。
非直交復調部121bは第2層復調部(又は第2次復調部、以下「第2層復調部」と称する場合がある)121b1と第1層復調部(又は第1次復調部、以下「第1層復調部」と称する場合がある)121b2を含む。
第2層復調部121b1は、ADC121aから出力されたデジタル信号に対して、QPSKなどの2次復調(又は第2層復調、以下「2次復調」と称する場合がある)に関する処理を施して、デジタル信号に含まれる2次信号を復調し、これを2次復調信号として出力する。
第1層復調部121b2は、2次復調信号に対して、16QAMなどの1次復調(又は第1層復調、以下「1次復調」と称する場合がある)に関する処理を施して、デジタル信号に含まれる1次信号を復調し、これを1次復調信号として出力する。
例えば、第2層復調部121b1は、1次信号を干渉信号として干渉抑制に関する処理を行ってデジタル信号に含まれる2次信号を復調又は再生してもよい。また、例えば、第1層復調部121b2は2次信号を干渉信号として干渉抑制に関する処理を行ってデジタル信号に含まれる1次信号を復調又は再生してもよい。
図25は非直交復調部121bの他の構成例を表す図である。階層化変調と同様に、第1層復調部121b2において先に1次復調に関する処理が行われて、その後、第2層復調部121b1において2次復調に関する処理が行われてもよい。第1層復調部121b2と第2層復調部121b1の処理の順番はどちらが先でもよい。
非直交復調部121bは、ADC121aから出力されたデジタル信号に対して階層化復調処理を施して、2次復調信号と1次復調信号(以下、「復調信号」と称する場合がある)を出力する。この場合、例えば、1次復調信号は基地局100からの距離が近いUE2から送信された信号に対応する復調信号であり、2次復調信号は基地局100からの距離が遠いUE1から送信された信号に対応する復調信号でもよいし、その逆でもよい。
図23に戻り、復号部121cは、非直交復調部121bから出力された復調信号に対して、無線回線制御部110においてスケジューリングされた符号化率などに従って誤り訂正復号化処理を施して各端末200から送信された送信信号を再生する。復調部121cは、再生した送信信号を受信信号として出力する。この場合、再生された送信信号には、各端末200から送信されて基地局100において受信した受信データ、端末カテゴリ情報、無線回線品質情報、制御信号などが含まれてもよい。
図26は受信非直交多元接続処理部121の他の構成例を表す図である。受信非直交多元接続処理部121は、ADC121d、S/P121e、CP削除部121f、FFT121g、非直交復調部121h、P/S121i、復号部121jを含む。
受信無線部105から出力されたベースバンド信号はADC121dにおいてアナログ信号からデジタル信号に変換され、S/P121eにおいてシリアル形式のデジタル信号がパラレル形式のデジタル信号に変換される。パラレル形式のデジタル信号は、CP削除部121fにおいてCPが削除され、FFT121gにより時間領域の信号から周波数領域の信号へと変換される。周波数領域の信号は、非直交復調部121hにより階層化復調処理が施されて復調信号に変換される。非直交復調部121hは、例えば、図24や図25に示す非直交復調部121bでもよい。復調信号はP/S121iでパラレル形式からシリアル形式の信号に変換され、シリアル形式の信号は復号部121jにおいて誤り訂正復号化処理が施され、各端末200から送信された送信信号が再生される。受信非直交多元接続処理部121は、再生した送信信号を受信信号として出力する。
以上、送信非直交多元接続処理部123の構成例について図19から図21を例にして説明し、受信非直交多元接続処理部121の構成例について図23から図25を例にして説明した。例えば、送信非直交多元接続処理部123の非直交変調部123bについて、図20や図21に示すように、第2層変調部123b1又は第1層変調部123b2のいずれか一方をキャンセルすることで、直交多元接続方式に対応した変調処理を行うことも可能である。また、例えば、受信非直交多元接続処理部121の非直交復調部121bについても第1層復調部121b2又は第2層復調部121b1のいずれか一方をキャンセルすることで、直交多元接続方式に対応した復調処理を行うことも可能である。
このようなキャンセルにより、非直交多元接続方式に対応した基地局100について、例えば、直交多元接続方式に対応した処理を行うことも可能であり、非直交多元接続方式に対応した端末200だけではなく、直交多元接続方式に対応した端末200と通信も可能となり得る。
図27は無線回線制御部110の構成例を表す図である。無線回線制御部110は、更に、上り/下り送信電力制御部(以下、「送信電力制御部」と称する場合がある)110mを含む。
送信電力制御部110mは、各端末200(又は各ユーザ)との間で送信電力制御を行う。
送信電力制御部110mは、下り方向について、例えば以下のような送信電力制御を行う。すなわち、送信電力制御部110mは、パイロット作成部113に対してパイロット信号の作成と端末200への送信を指示する。無線回線品質情報抽出部108は、受信信号から下り送信電力制御情報を抽出する。下り送信電力制御情報は、例えば、端末200においてパイロット信号に基づいて測定された制御情報が含まれる。このような制御情報としては、例えば、端末200において目標となるSIRを得るために基地局100に対してどれだけ送信電力を上げるかを示す制御量がある。或いは、制御情報としては、例えば、端末200において過剰となったSIRに対して目標となるSIRを得るために基地局100に対してどれだけ送信電力を下げるのかを示す制御量がある。無線回線品質情報抽出部108は抽出した下り送信電力制御情報を無線回線制御部110へ出力する。送信電力制御部110mは、例えば、下り送信電力制御情報に含まれる制御量に基づいて端末200へ送信するデータなどの送信電力値を決定する。この送信電力値が、例えば、非直交多元接続方式において送信電力制御を行う場合の端末200に対する送信電力となる。送信電力制御部110mは、他の端末200aについての下り送信電力制御情報に基づいて送信電力値を決定する。これにより、例えば、図4に示すようにUEの位置に応じたUE毎の送信電力で無線信号が送信可能となる。送信電力制御部110mは、決定した各送信電力値を含む制御信号の作成を、制御信号作成部112へ指示してもよい。
また、送信電力制御部110mは、送信非直交多元接続処理部123の符号化部123a(例えば図19)に対して、ユーザ毎に異なる係数を含む指示信号を出力する。符号化部123aは、指示信号から係数を抽出し、各ユーザの符号化前又は符号化後のデータや信号に対して係数を乗算する。これにより、例えば、送信無線部116から出力される信号は図4に示すようにユーザ毎に異なる送信電力となる。或いは、送信電力制御部110mは非直交変調部123bへ指示信号を出力し、非直交変調部123bは変調前のデータや信号に対して指示信号に含まれる係数を乗算してユーザ毎に異なる送信電力となるようにしてもよい。或いは、送信電力制御部110mは送信無線部116(例えば図18)に指示信号を出力し、送信無線部116に含まれる増幅回路において各端末200宛の信号に対して異なる送信電力となるように係数を乗算するなどの処理が行われてもよい。或いは、図22に示す送信非直交多元接続処理部123の場合、送信電力制御部110mは、符号化部123d、S/P123e、非直交変調部123fなどに指示信号を出力し、符号化部123dなどにおいてユーザ毎に異なる係数を乗算するなどの処理を行ってもよい。
送信電力制御部110mは、上り方向について、例えば以下のような送信電力制御を行う。すなわち、送信電力制御部110mは、受信非直交多元接続処理部121から出力されたパイロット信号を受け取る。パイロット信号は、端末200から送信された信号である。送信電力制御部110mは、受け取ったパイロット信号に基づいて上り方向の送信電力制御情報を測定する。上り送信電力制御情報は、例えば、基地局100においてパイロット信号に基づいて測定された制御情報が含まれる。このような制御情報としては、例えば、基地局100において目標となるSIRを得るために端末200に対してどれだけ送信電力を上げるかを示す制御量がある。或いは、このような制御情報としては、例えば、基地局100において過剰となったSIRに対して目標となるSIRを得るために端末200に対してどれだけ送信電力を下げるのかを示す制御量がある。送信電力制御部110mは、例えば、上り送信電力制御情報に含まれる制御量に基づいて端末200からデータなどを送信するときの送信電力値を決定する。この上り方向の送信電力値が、例えば、非直交多元接続方式において送信電力制御を行う場合の端末200から送信されるデータなどの送信電力となる。送信電力制御部110mは、他の端末200aについての上り送信電力制御情報に基づいて送信電力値を決定する。これにより、例えば、図4に示すようにUEの位置に応じたUE毎の送信電力でUEは無線信号を送信することが可能となる。送信電力制御部110mは、決定した各送信電力値を含む制御信号の作成を、制御信号作成部112へ指示してもよい。
以上、非直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例について説明した。なお、図18に示す非直交多元接続方式に対応した基地局100は、端末200において端末カテゴリが特定される場合の構成例である。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。この場合、例えば、図16に示す基地局100において受信直交多元接続処理部106と送信直交多元接続処理部115を、受信非直交多元接続処理部121と送信非直交多元接続処理部123にそれぞれ代えることで、基地局100において端末カテゴリを特定することができる。
この場合、端末カテゴリ特定部119は、例えば、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末200のカテゴリを特定してもよい。
以上説明してきたように、非直交多元接続方式に対応した基地局100においても、端末200で特定された端末カテゴリを端末200から受信することもできる。また、非直交多元接続方式に対応した基地局100においても、端末200から送信された端末性能情報に基づいて、端末カテゴリを特定することもできる。基地局100は端末カテゴリに基づいて、非直交多元接続方式に対応した無線通信を端末200と行ったり、直交多元接続方式に対応した基地局へ端末200をハンドオーバさせたり、非直交多元接続方式に対応したCCを追加するなどの処理を行うことができる。このような処理の詳細は動作例で説明する。
更には、直交多元接続方式を用いた複数のCCを同時に用いた通信を実施中に、少なくとも1つのCCを非直交多元接続方式に対応したCCに変更する処理を行うことができる。また、非直交多元接続方式を用いた複数のCCを同時に用いた通信を実施中に、少なくとも1つのCCを直交多元接続方式に対応したCCに変更する処理を行うこともできる。このような変更対象となるCCは、例えば、プライマリセルであってもよいしセカンダリセルであってもよい。
更には、直交多元接続方式を用いた複数のCCを同時に用いた通信を実施中に少なくとも1つのCCを削除したり、非直交多元接続方式を用いた複数のCCを同時に用いた通信を実施中に少なくとも1つのCCを削除するなどの処理も行うことができる。更には、直交多元接続方式と非直交多元接続方式を用いた複数のCCを同時に用いた通信を実施中に少なくとも1つのCCを削除するなどの処理を行うこともできる。削除対象となるCCも、例えば、プライマリセルであってもよいし、セカンダリセルであってもよい。
<1.3 下り方向が直交多元接続方式、上り方向が非直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
図28は、下り方向が直交多元接続方式、上り方向が非直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例を表す図である。
基地局100は、更に、受信非直交多元接続処理部121と送信直交多元接続処理部115を備える。受信非直交多元接続処理部121は、例えば、非直交多元接続方式に対応した基地局(例えば図18)100における受信非直交多元接続処理部121である。また、送信直交多元接続処理部115は、例えば、送信直交多元接続方式に対応した基地局(例えば図10)100の送信直交多元接続処理部115である。
図28に示すように、基地局100は、下り方向について直交多元接続方式、上り方向について非直交多元接続方式により、端末200と無線通信を行うことができる。
なお、図28は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の基地局100の構成例を表している。例えば、図16に示す基地局100において、受信直交多元接続処理部106に代えて、受信非直交多元接続処理部121とすることで、基地局100において端末カテゴリを特定できる。
<1.4 下り方向が非直交多元接続方式、上り方向が直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
図29は、下り方向が非直交多元接続方式、上り方向が直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例を表す図である。
基地局100は、更に、受信直交多元接続処理部106と送信非直交多元接続処理部123を備える。受信直交多元接続処理部106は、例えば、直交多元接続方式に対応した基地局(例えば図10)100の受信直交多元接続処理部106である。また、送信非直交多元接続処理部123は、例えば、非直交多元接続方式に対応した基地局(例えば図18)100の送信非直交多元接続処理部123である。
図29に示すように、基地局100は、下り方向について非直交多元接続方式、上り方向について直交多元接続方式により、端末200と無線通信を行うことができる。
なお、図29は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の基地局100の構成例を表している。例えば、図16に示す基地局100において送信直交多元接続処理部115に代えて送信非直交多元接続処理部123をすることで、基地局100において端末カテゴリを特定することができる。
<2.端末の構成例>
端末200の構成例について図30から図45を用いて説明する。
<2.1 直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
図30は直交多元接続方式に対応した端末200の構成例を表す図である。端末200は、アンテナ201、受信部202、制御部203、送信部204を備える。受信部202は、受信無線部205、受信直交多元接続処理部206、システム情報抽出部207、制御信号抽出部208、パイロット抽出部209、無線回線品質測定・算出部(以下、「無線回線品質測定部」と称する場合がある)210を含む。また、制御部203は、端末性能情報記憶部212、端末カテゴリ特定部213、無線回線制御部(又は制御部、以下では「無線回線制御部」と称する場合がある)214、端末設定制御部215、システム情報記憶部216を含む。送信部204は、無線回線品質情報作成部217、制御信号作成部218、端末カテゴリ情報作成部219、パイロット作成部220、送信直交多元接続処理部221、及び送信無線部222を含む。
なお、アンテナ201、受信無線部205、受信直交多元接続処理部206、無線回線制御部214、送信直交多元接続処理部221、及び送信無線部222は、例えば、直交多元接続方式を用いて無線通信を行う第2の通信部であってもよい。
アンテナ201は、基地局100から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号を受信無線部205へ出力する。また、アンテナ201は、送信無線部222から出力された無線信号を基地局100へ送信する。
受信無線部205は、無線信号を増幅し、無線帯域の無線信号をベースバンド帯域の受信信号に変換(ダウンコンバート)する。受信無線部205は増幅回路や周波数変換回路、BPFなどを備えてもよい。受信無線部205はベースバンド帯域のベースバンド信号を受信直交多元接続処理部206へ出力する。
受信直交多元接続処理部206は、ベースバンド信号に対して、直交多元接続方式に対応した処理を施して、基地局100から送信された送信信号を再生する。受信直交多元接続処理部206は、再生した送信信号を受信信号として出力する。受信直交多元接続処理部206は、例えば、基地局100における受信直交多元接続処理部106と同様の構成であってもよく、図13や図14に示す構成例であってもよい。
システム情報抽出部207は、受信直交多元接続処理部206から出力された受信信号からシステム情報を抽出する。システム情報抽出部207は、抽出したシステム情報を無線回線制御部214、端末設定制御部215、システム情報記憶部216、パイロット作成部220などへ出力する。
制御信号抽出部208は、受信直交多元接続処理部206から出力された受信信号から制御信号を抽出する。制御信号としては、例えば、スケジューリング情報、無線回線品質測定要求、ランダムアクセス制御情報、端末カテゴリ要求などがなる。制御信号抽出部208は、抽出した制御信号を無線回線制御部214と無線回線品質測定部210へ出力する。
パイロット抽出部209は、受信直交多元接続処理部206から出力された受信信号からパイロット信号を抽出する。パイロット抽出部209は抽出したパイロット信号を無線回線品質測定部210へ出力する。また、パイロット抽出部209は無線回線品質測定部210からの指示に従ってパイロット信号を抽出してもよい。
無線回線品質測定部210は、パイロット信号に基づいて基地局100との間の無線回線の無線回線品質を測定する。無線回線品質測定部210は、測定した無線回線品質を無線回線制御部214と無線回線品質情報作成部217へ出力する。無線回線品質測定部210は、無線回線制御部214からの指示に従って、無線回線品質を測定し、測定した無線回線品質を無線回線制御部214と無線回線品質情報作成部217などに出力してもよい。
端末性能情報記憶部212は端末200の性能情報を記憶する。端末性能情報には、例えば、直交多元接続方式に対応する否か、又は、非直交多元接続方式に対応するのか否か、或いは、直交多元接続方式と非直交多元接続方式の双方に対応するのか否か、に関する情報も含まれる。また、端末性能情報としては、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報、又は双方の多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報が含まれてもよい。
なお、図30に示す端末200は直交多元接続方式に対応しているため、端末性能情報記憶部212には、直交多元接続方式に対応することを示す情報(又は直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報)が端末性能情報に含まれてもよい。
端末カテゴリ特定部213は、端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定する。すなわち、端末カテゴリ特定部213は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報と、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報の少なくとも一方に基づいて端末200の端末カテゴリを特定する。例えば、端末カテゴリ特定部213は端末性能情報記憶部212から読み出し、読み出した端末性能情報に対応する端末カテゴリを端末カテゴリ表から読み出して端末カテゴリを特定する。端末カテゴリ表は、基地局100と同一のものであって、端末カテゴリ特定部213内又は端末200内のメモリに記憶されてもよい。また、端末カテゴリ特定部213は、無線回線制御部214からの指示に従って端末カテゴリを特定してもよい。端末カテゴリ特定部213は、例えば、第1の実施の形態における特定部250に対応し、端末200のカテゴリを特定する特定部である。
なお、図30に示す端末200は直交多元接続方式に対応した端末であることから、端末カテゴリ特定部213は、例えば、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末200のカテゴリを特定する。
無線回線制御部214は、端末200においてランダムアクセス制御やセル選択制御、無線回線品質測定制御など種々の制御を行う。
図31は無線回線制御部214の構成例を表す図である。無線回線制御部214は、ランダムアクセス制御部214a、セル選択制御部214b、無線回線測定制御部214c、ハンドオーバ制御部214d、端末カテゴリ制御部214e、多元接続制御部214f、無線チャネル設定制御部214gを含む。また、無線回線制御部214は、第1の周波数帯域の無線回線設定制御部214hと第2の周波数帯域の無線回線設定制御部214iを含む。
ランダムアクセス制御部214aは、端末200と基地局100との間で無線回線を設定する際に行われるランダムアクセス手続きに関する制御を行う。セル選択制御部214bは、例えば、無線回線品質測定部210において測定された無線回線品質などに基づいてセルを選択するなど、セル選択に関する制御を行う。無線回線品質測定制御部214cは、例えば、無線回線品質測定要求を制御信号抽出部208から受け取ると、無線回線品質測定部210に対して無線回線品質の測定を指示するなど、無線回線品質測定に関する制御を行う。ハンドオーバ制御部214dは、例えば、基地局100との間でハンドオーバに関する制御信号の作成を制御信号作成部218へ指示するなど、ハンドオーバに関する制御を行う。
端末カテゴリ制御部214eは、端末カテゴリに関する制御を行う。端末カテゴリ制御部214eは、例えば、以下の処理を行う。すなわち、端末カテゴリ制御部214eは、制御信号抽出部208から制御信号を受け取り、受け取った制御信号から端末カテゴリ要求を抽出すると、端末カテゴリ特定部213に対して端末カテゴリの特定を指示する。そして、端末カテゴリ制御部214eは、端末カテゴリ特定部213から端末カテゴリを受け取ると、端末カテゴリ情報作成部219へ端末カテゴリを出力し、端末カテゴリ情報作成部219に対して、端末カテゴリの作成を指示する。
多元接続制御部214fは、例えば、端末カテゴリ特定部213から端末カテゴリを受け取ると、端末カテゴリに基づいて、直交多元接続方式と非直交多元接続方式のうち少なくとも1つの多元接続方式を特定する。多元接続制御部214fは、特定した多元接続方式により処理が行われるよう各部206,221などを制御してもよい。図30の例では、端末200は直交多元接続方式に対応しているため、各部206,221において直交多元接続方式に対応した処理が行われることを確認してもよい。多元接続制御部214fは、多元接続方式を切り換えるなどの処理を行ってもよい。
無線チャネル設定制御部214gは、例えば、基地局100に対して無線チャネルの設定に関する制御を行う。無線チャネル設定制御部214gは、無線チャネルを変更したり、削除したり、新たな無線チャネルを追加するなどの制御を行ってもよい。
第1の周波数帯域の無線回線設定制御部214hは、例えば、基地局100との間でCAを利用して通信を行う際に、第1の周波数帯域に関する無線回線の設定に関する制御を行う。第2の周波数帯域の無線回線設定制御部214iは、例えば、基地局100との間でCAを利用して通信を行う際に、第2の周波数帯域に関する無線回線の設定に関する制御を行う。例えば、第1の周波数帯域がプライマリセル、第2の周波数帯域がセカンダリセルとなる場合がある。
図30に戻り、端末設定制御部215は、端末200の設定に関する制御を行う。例えば、端末設定制御部215は、無線回線制御部214からのスケジューリング結果に基づいて、受信無線部205、受信直交多元接続処理部206、送信直交多元接続処理部221、送信無線部222が受信処理や送信処理が行われるように指示又は制御する。
システム情報記憶部216は、システム情報抽出部207から出力されたシステム情報を記憶する。
無線回線品質情報作成部217は、無線回線制御部214からの指示に従って、無線回線品質測定部210から無線回線品質を受け取り、無線回線品質を含む無線回線品質情報を作成し、作成した無線回線品質情報を送信直交多元接続処理部221へ出力する。
制御信号作成部218は、無線回線制御部214からの指示に従って制御信号を作成し、作成した制御信号を送信直交多元接続処理部221へ出力する。制御信号としては、ランダムアクセスに関する制御信号やハンドオーバに関する制御信号などがある。
端末カテゴリ情報作成部219は、無線回線制御部214からの指示に従って、無線回線制御部214から受け取った端末カテゴリを含む端末カテゴリ情報を作成し、作成した端末カテゴリを送信直交多元接続処理部221へ出力する。
パイロット作成部220は、無線回線制御部214からの指示に従って、パイロット信号を作成し、作成したパイロット信号を送信直交多元接続処理部221へ出力する。
送信直交多元接続処理部221は、送信データや無線回線品質情報、制御信号、端末カテゴリ情報、パイロット信号に対して、直交多元接続方式に対応した処理を施して、ベースバンド信号に変換する。送信直交多元接続処理部221は、例えば、SC−FDMAやDFT−s−FDMAなどの処理が行われてもよい。送信直交多元接続処理部221は、例えば、基地局100における送信直交多元接続処理部115と同様の構成であってもよく、図11や図12に示す構成例であってもよい。
送信無線部222は、送信直交多元接続処理部221から出力されたベースバンド信号に対して、無線帯域の無線信号へ変換(アップコンバート)し、無線信号を増幅してアンテナ201へ出力する。送信無線部222は、周波数変換回路や増幅回路、BPFなどを備えてもよい。
以上、図30を用いて直交多元接続方式に対応した端末の構成例について説明した。なお、図30は端末200において端末カテゴリを特定する場合の構成例である。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。
図32は、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の端末200の構成例である。この場合、端末性能情報記憶部212には、例えば、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力に関する情報を含む端末性能情報が記憶される。端末200はこのような端末性能情報を基地局100へ送信することになる。
図32に示すように端末200は、更に、端末性能情報作成部223を備える。
端末性能情報作成部223は、無線回線制御部214からの指示に従って、無線回線制御部214から出力された端末性能情報を送信直交多元接続処理部221へ出力する。
図33は無線回線制御部214の構成例を表す図である。無線回線制御部214は、更に、端末性能情報制御部214kを含む。
端末性能情報制御部214kは、端末性能情報に関する制御を行う。例えば、端末性能情報制御部214kは、制御信号抽出部208から制御信号を受け取り、制御信号から性能情報要求を抽出すると、端末性能情報記憶部212にアクセスして、端末性能情報を読み出す。端末性能情報制御部214kは、読み出した端末性能情報を基地局100へ送信するよう端末性能情報作成部223へ指示し、読み出した端末性能情報を端末性能情報作成部223へ出力する。これにより、例えば、端末200が直交多元接続方式に対応するのか否かなどを含む端末性能情報を端末200が基地局100へ送信することができる。
以上説明してきたように、直交多元接続方式に対応した端末200は、特定した端末カテゴリを基地局100へ送信することもでき(例えば図30)、また、直交多元接続方式に対応することを示す端末性能情報を基地局100へ送信することもできる(例えば図32)。端末200は、基地局100の指示に従って、直交多元接続方式に対応した基地局100へのハンドオーバや直交多元接続方式に対応したCCを追加するなどの処理を行うことができる。このような処理の詳細は動作例で説明する。
<2.2 非直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
図34は非直交多元接続方式に対応した端末200の構成例を表す図である。また、図34は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の端末200の構成例を表している。
端末200は、更に、受信非直交多元接続処理部225と送信非直交多元接続処理部226を備える。
なお、アンテナ201、受信無線部205、受信非直交多元接続処理部225、無線回線制御部214、送信非直交多元接続処理部226、及び送信無線部222は、例えば、非直交多元接続方式を用いて無線通信を行う第1の通信部となってもよい。
受信非直交多元接続処理部225は、受信無線部205から出力されたベースバンド信号に対して、非直交多元接続方式に対応した処理を施して、基地局100から送信された送信信号を再生する。受信非直交多元接続処理部225は再生した送信信号を受信信号として出力する。
また、送信非直交多元接続処理部226は、送信データや無線回線品質情報、制御信号、端末カテゴリ情報、パイロット信号などに対して、非直交多元接続方式に対応した処理を施してベースバンド信号に変換する。送信非直交多元接続処理部226はベースバンド信号を出力する。
なお、図34に示す端末200は非直交多元接続方式に対応しているため、端末性能情報記憶部212には、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報を含む端末性能情報が記憶されてもよい。また、端末カテゴリ特定部213は、例えば、非直交多元接続方式に関する端末の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。
次に、送信非直交多元接続処理部226と受信非直交多元接続処理部225の詳細について説明する。送信非直交多元接続処理部226の詳細について説明し、次に受信非直交多元接続処理部225の詳細について説明する。
図35は送信非直交多元接続処理部226の構成例を表している。送信非直交多元接続処理部226の構成例は、基地局100における送信非直交多元接続処理部123の構成例と同様である(例えば図19)。送信非直交多元接続処理部226は、符号化部226a、非直交変調部226b、及びDAC226cを含む。
図36と図37は非直交変調部226bの構成例を表す図である。非直交変調部226bについても、基地局100における非直交変調部123bと同様に(例えば図20と図21)、第2層変調部226b1と第1層変調部226b2を含む。非直交変調部226bにおいても、図36に示すように、第2層変調部226b1に対する処理が行われ、その後、第1層変調部226b2に対する処理が行われてもよい。また、図37に示すように、第1層変調部226b2に対する処理が行われ、その後、第2層変調部226b1に対する処理が行われてもよい。非直交変調部226bは、第2層変調部226b1又は第1層変調部226b2から出力された変調信号をDAC226cへ出力する。
図38は送信非直交多元接続処理部226の他の構成例を表す図である。送信非直交多元接続処理部226は、符号化部226d、S/P226e、非直交変調部226f、DFT226g、CP付加部226h、P/S226i、及びDAC226jを含む。送信データや無線回線品質情報などは、符号化部226dにより誤り訂正符号化処理が施され、S/P226eによりサブキャリア毎の信号などに変換し、非直交変調部226fにより階層化変調の処理が施される。非直交変調部226fは、例えば、図36や図37に示す構成例でもよい。非直交変調部226fから出力された変調信号は、DFT226gにおいて、DFT(Discrete Fourier Transfer:離散フーリエ変換)処理が施され、変調後の信号が周波数領域の信号に変換される。変換後の信号はCP付加部226hによりCPが付加され、P/S226iによりパラレル形式からシリアル形式に変換された後、DAC226jによりデジタル信号からアナログ信号へと変換される。送信非直交多元接続処理部226はアナログ信号をベースバンド信号として送信無線部222へ出力する。
図39は受信非直交多元接続処理部225の構成例を表す図である。受信非直交多元接続処理部225の構成例は、基地局100における受信非直交多元接続処理部121の構成例と同様である(例えば図23)。受信非直交多元接続処理部225は、ADC225a、非直交復調部225b、及び復号部225cを含む。
図40と図41は非直交復調部225bの構成例を表す図である。非直交復調部225bについても、基地局100における非直交復調部121bと同様に(例えば図24と図25)、第2層復調部225b1と第1層復調部225b2を含む。非直交復調部225bにおいても、図40に示すように、第2層復調部225b1に対する処理が行われ、その後、第1層復調部225b2に対する処理が行われてもよい。また、図41に示すように、第1層復調部225b2に対する処理が行われ、その後、第2層復調部225b1に対する処理が行われてもよい。非直交復調部225bは、第2層変調部226b1又は第1層変調部226b2から出力された復調信号を復号部225cへ出力する。
図42は受信非直交多元接続処理部225の他の構成例を表す図である。受信非直交多元接続処理部225は、ADC225d、S/P225e、CP削除部225f、FFT225g、非直交復調部225h、P/S225i、及び復号部225jを含む。
受信無線部205から出力されたベースバンド帯域の受信信号はADC225dによりアナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタル信号はS/P225eによりシリアル形式からパラレル形式のデジタル信号に変換され、サブキャリア毎のデジタル信号となる。パラレル形式のデジタル信号は、CP削除部225fによりCPが除去され、FFT225gにより時間領域の信号から周波数領域の信号に変換される。周波数領域の信号は非直交復調部225hにより階層復調処理が施されて復調信号に変換される。非直交復調部225hは、例えば、図40や図41に示す非直交復調部225bでもよい。復調信号はP/S225iによりパラレル形式からシリアル形式の信号に変換され、復号部225jにより誤り訂正復号化処理が施されて、基地局100から送信された送信信号を再生する。受信非直交多元接続処理部225は、再生した送信信号を受信信号として出力する。
図43は無線回線制御部214の構成例を表す図である。無線回線制御部214は、更に、上り/下り送信電力制御部(以下、「送信電力制御部」と称する場合がある)214mを含む。
送信電力制御部214mは、基地局100との間で送信電力制御を行う。送信電力制御部214mは、例えば、上述したようにパイロット信号に基づいて下り送信電力制御情報を取得する。このため、送信電力制御部214mは、無線回線品質測定部210に対して、下り送信電力制御情報の取得を指示する。無線回線品質測定部210は当該指示に従って、下り送信電力制御情報を取得する。送信電力制御部214mは無線回線品質情報作成部217に対して下り送信電力制御情報の作成を指示する。これにより、下り送信電力制御情報が基地局100へ送信される。また、送信電力制御部214mはパイロット信号の作成をパイロット作成部220へ指示する。これにより、基地局100では端末200から送信されたパイロット信号に基づいて上り送信電力制御情報の取得や、上り方向の無線回線品質の測定を行うことが可能となる。
以上、図34を用いて非直交多元接続方式に対応した端末200の構成例について説明した。なお、図34に示す非直交多元接続方式に対応した端末200は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の構成例を表している。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよく、そのような場合の端末200の構成例は、例えば、以下となる。
すなわち、図32に示す端末200の構成例において、受信直交多元接続処理部206を受信非直交多元接続処理部225に、送信直交多元接続処理部221を送信非直交多元接続処理部226にそれぞれ代える。これにより、非直交多元接続方式に対応した端末200においても、端末性能情報を基地局100へ送信して、基地局100において端末カテゴリの特定を行わせることが可能となる。この場合の端末性能情報としては、例えば、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報が含まれる。
以上説明してきたように、非直交多元接続方式に対応した端末200においても、端末カテゴリを特定して基地局100へ送信することができ(例えば図34)、或いは、端末性能情報を基地局100へ送信して基地局100において端末カテゴリを特定させることもできる(例えば図32)。非直交多元接続方式に対応した端末200においても、基地局100の指示に従って、非直交多元接続方式に対応した基地局100へのハンドオーバ処理や非直交多元接続方式に対応したCCを追加するなどの処理を行うことができる。このような処理の詳細は動作例で説明する。
<2.3 下り方向が非直交多元接続方式、上り方向が直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
図44は下り方向が非直交多元接続方式、上り方向が直交多元接続方式に対応した端末200の構成例を表す図である。
端末200は、更に、受信非直交多元接続処理部225と送信直交多元接続処理部221を備える。受信非直交多元接続処理部225は、例えば、非直交多元接続方式に対応した端末200(例えば図34)における受信非直交多元接続処理部225である。また、送信直交多元接続処理部221は、直交多元接続方式に対応した端末200(例えば図30)の送信直交多元接続処理部221である。
図44に示すように、端末200は下り方向について非直交多元接続方式、上り方向について直交多元接続方式により、基地局100と通信できる。
なお、図44は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の構成例を表している。例えば、図32に示す端末200の構成例において、受信直交多元接続処理部206に代えて、受信非直交多元接続処理部225とすることで、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の端末200の構成例となる。
<2.4 下り方向が直交多元接続方式、上り方向が非直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
図45は、下り方向が直交多元接続方式、上り方向が非直交多元接続法方式に対応した端末200の構成例を表す図である。
端末200は、更に、受信直交多元接続処理部206と送信非直交多元接続処理部226を備える。受信直交多元接続処理部206は、例えば、直交多元接続方式に対応した端末200(例えば図30)における受信直交多元接続処理部206である。また、送信非直交多元接続処理部226は、例えば、非直交多元接続方式に対応した端末200(例えば図34)における送信非直交多元接続処理部226である。
図45に示すように、端末200は下り方向について直交多元接続方式、上り方向について非直交多元接続方式により、基地局100と通信できる。
なお、図45は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の構成例を表している。例えば、図32に示す端末200の構成例において、送信直交多元接続処理部221に代えて、送信非直交多元接続処理部226とすることで、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の端末200の構成例となる。
<3.直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局の構成例>
次に、上り方向について直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応し、下り方向についても直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例について説明する。
図46はこのような基地局100の構成例を表す図である。基地局100は、更に、受信非直交及び直交多元接続処理部(以下、「受信多元接続処理部」と称する場合がある)130と送信非直交及び直交多元接続処理部(以下、「送信多元接続処理部」と称する場合がある)131を備える。
受信多元接続処理部130は、受信無線部105から出力されたベースバンド信号に対して、非直交多元接続方式と直交多元接続方式に対応した処理を施して、端末200から送信された送信信号を再生する。受信多元接続処理部130は、再生した送信信号を受信信号として出力する。
また、送信多元接続処理部131は、送信データや制御信号、パイロット信号、システム情報に対して非直交多元接続方式と直交多元接続方式に対応した処理を施してベースバンド信号に変換する。送信多元接続処理部131はベースバンド信号を出力する。
最初に送信多元接続処理部131の詳細について説明し、次に受信多元接続処理部130の詳細について説明する。
図47は送信多元接続処理部131の構成例を表す図である。送信多元接続処理部131は、符号化部131a、直交/非直交変調部131b、DAC131cを含む。
符号化部131aは、受信信号に対して、無線回線制御部110でスケジューリングした符号化率などに従って誤り訂正符号化処理を施して、符号化データへと変換する。
直交/非直交変調部131bは、符号化データに対して、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した変調処理を施し、変調データを出力する。非直交多元接続方式に対応した変調処理としては、例えば、階層化変調処理があり、以下では階層化変調処理を例にして説明する。以降の実施の形態においても同様である。
図48は直交/非直交変調部131bの構成例を表す図である。直交/非直交変調部131bは、直交/非直交制御部131b1、直交変調部131b2、及び非直交変調部131b3を含む。
直交/非直交制御部131b1は、多元接続制御情報に基づいて、送信データ(又は符号化データ)を直交変調部131b2又は非直交変調部131b3へ出力する。直交/非直交制御部131b1は、多元接続制御情報に直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、送信データを直交変調部131b2へ出力する。一方、直交/非直交制御部131b1は、多元接続情報に非直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、送信データを非直交変調部131b3へ出力する。直交変調部131b2では、QPSKや16QAMなど、無線回線制御部110でスケジューリングした結果に従って送信データを変調する。非直交変調部131b3は、例えば、図20や図21などに示すように、第1層変調部123b2と第2層変調部123b1により送信データに対して階層化変調を行う。直交変調部131b2と非直交変調部131b3は変調データをDAC131cへ出力する。
なお、多元接続制御情報は、例えば、無線回線制御部110の多元接続制御部110fにより生成され、直交/非直交制御部131b1に入力される。
図49から図52は直交/非直交変調部131bの他の構成例を表す図である。図49に示すように、直交/非直交変調部131bは、第1層変調部131b4、直交/非直交制御部131b5、及び第2層変調部131b6を含む。図49の例では、最初に第1層変調部131b4が送信データを変調する。次に、多元接続制御情報に直交多元接続方式を示す情報が含まれているときは直交/非直交制御部131b5が第1層変調部131b4から出力された1次変調データを第2層変調部131b6へ出力することなくDAC131cへ出力する。この場合、1次変調データが、直交多元接続方式に対応した変調データとなって直交/非直交変調部131bから出力される。一方、多元接続制御情報に非直交多元接続方式を示す情報が含まれているときは、第1層変調部131b4から出力された1次変調データを第2層変調部131b6へ出力する。
図50に示す直交/非直交変調部131bは、図49に示す直交/非直交変調部131bに対して第1層変調部131b4と第2層変調部131b6の順番を入れ替えた構成例である。
また、図51に示す直交/非直交変調部131bは、図49に示す直交/非直交変調部131bに対して、先に直交/非直交制御部131b5に送信データを入力させる例を示している。すなわち、直交/非直交多元制御部131b5は、多元接続制御情報に基づいて、送信データを第2層変調部131b6へ出力することなく、第1層変調部131b4へ出力するか、又は送信データを第2層変調部131b6へ出力する。前者は多元接続制御情報に直交多元接続方式に関する情報が含まれている場合で、後者は多元接続制御情報に非直交多元接続方式に関する情報が含まれている場合である。
さらに、図52に示す直交/非直交変調部131bは、図51に示す直交/非直交変調部131bに対して、第1層変調部131b4と第2層変調部131b6の順番を入れ替えた構成例を示している。
このように直交/非直交変調部131bでは、直交接続方式に対応した直交変調と、非直交接続方式に対応した非直交変調(例えば階層化変調)の2つの変調方式に対応しており、双方の多元接続方式に対応したものとなっている。
図48から図52に示すように、直交/非直交変調部131b1における、直交/非直交制御部131b5、第1層変調部131b4、及び第2層変調部131b6の接続の順番は問わない。
図53は、送信多元接続処理部131の他の構成例を表す図である。送信多元接続処理部131は、符号化部131d、S/P131e、直交/非直交変調部131f、IFFT131g、CP付加部131h、P/S131i、及びDAC131jを含む。
送信データや制御信号、パイロット信号、システム情報などは、符号化部131dに入力されて符号化部131dにおいて誤り訂正符号化処理が施されて符号化データへと変換される。符号化データはS/P131eにおいてシリアル形式の符号化データからパラレル形式の符号化データへと変換されて、これにより、サブキャリア毎の符号化データへと変換される。サブキャリア毎の符号化データは、直交/非直交変調部131fにおいて、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した変調処理が施される。直交/非直交変調部131fは、例えば、図47から図52に示す直交/非直交変調部131bであってもよい。直交/非直交変調部131fから出力された変調信号はIFFT131gにより周波数領域の信号から時間領域へと変換されて、CP付加部131hにおいて時間領域の信号に対してCPが付加される。CPが付加された信号はP/S131iにおいてパラレル形式の信号からシリアル形式の信号へ変換されて、DAC131jにおいてシリアル形式の信号がデジタル信号からアナログ信号へと変換される。送信多元接続処理部131は、DAC131jから出力されるアナログ信号をベースバンド信号として出力する。
図46に戻り、次に、受信多元接続処理部130の構成例について説明する。図54は受信多元接続処理部130の構成例を表す図である。受信多元接続処理部130は、ADC130a、直交/非直交復調部130b、及び復号部130cを含む。
ADC130aは、受信無線部105から出力されたベースバンド信号に対してアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
直交/非直交復調部130bは、デジタル信号に対して、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した復調処理を施し、復調データを出力する。非直交多元接続方式に対応した復調処理としては、例えば、階層化復調処理がある。以下では階層化復調処理を例にして説明する。以降の実施の形態においても同様である。
図55は直交/非直交復調部130bの構成例を表す図である。直交/非直交復調部130bは、直交/非直交制御部130b1、直交復調部130b2、及び非直交復調部130b3を含む。
直交/非直交制御部130b1は、多元接続制御情報に基づいて、デジタル信号を直交復調部130b2又は非直交復調部130b3へ出力する。直交/非直交制御部130b1は、多元接続制御情報に直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、受信信号を直交復調部130b2へ出力する。一方、直交/非直交制御部130b1は、多元接続情報に非直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、デジタル信号を非直交復調部130b3へ出力する。直交復調部130b2では、QPSKや16QAMなど、無線回線制御部110でスケジューリングした結果に従ってデジタル信号に対して復調処理を施す。非直交復調部130b3は、例えば、図24や図25などに示すように、第1層復調部121b2と第2層復調部121b1によりデジタル信号に対して階層化復調を施す。直交復調部130b2と非直交復調部130b3は変調データを復号部130cへ出力する。
なお、多元接続制御情報は、例えば、無線回線制御部110の多元接続制御部110fにより生成され、直交/非直交制御部130b1に入力される。
直交/非直交復調部130bに含まれる直交/非直交制御部130b1と直交復調部130b2、及び非直交復調部130b3は、直交/非直交変調部131b(例えば図48から図52)と同様に、その接続の順番は問わない。
このように直交/非直交復調部130bでは、直交接続方式に対応した直交復調と、非直交接続方式に対応した非直交復調(例えば階層化復調)の2つの復調方式に対応しており、いずれの多元接続方式においても復調処理を行うことができる。
図54に戻り、復号部130cは、直交/非直交復調部130bから出力された復調信号に対して、無線回線制御部110においてスケジューリングした符号化率などに従って誤り訂正復号化処理を施して受信信号に変換する。復号部130cは受信信号を出力する。
図56は、受信多元接続処理部130の他の構成例を表す図である。受信多元接続処理部130は、ADC130d、S/P130e、CP削除部130f、FFT130g、直交/非直交復調部130h、P/S130i、復号部130jを含む。
受信無線部105から出力されたベースバンド信号はADC130dにおいてアナログ信号からデジタル信号に変換され、S/P130eにおいてシリアル形式のデジタル信号がパラレル形式のデジタル信号に変換される。パラレル形式のデジタル信号は、CP削除部130fにおいてCPが削除され、FFT130gにより時間領域の信号から周波数領域の信号へと変換される。周波数領域の信号は、直交/非直交復調部130hにより、直交復調又は階層化復調が施されて、復調信号に変換される。直交/非直交復調部130hは、例えば、図55に示す直交/非直交復調部130bでもよい。復調信号は、P/S130iでパラレル形式からシリアル形式の信号に変換され、シリアル形式の信号は復号部130jにおいて誤り訂正復号化処理が施され、各端末200から送信された送信信号が再生される。受信多元接続処理部130は、再生した送信信号を受信信号として出力する。
図57は、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局100における無線回線制御部110の構成例を表す。図57に示す無線回線制御部110は、図15に示す無線回線制御部110(直交多元接続方式)と図27に示す無線回線制御部110(非直交多元接続方式)の各構成をマージしたものとなっている。
ただし、端末カテゴリ要求制御部110cは、端末200に対して、非直交多元接続方式に関する端末性能情報と直交多元接続方式に関する端末性能情報の少なくとも一方を要求してもよい。
以上、図46などを用いて直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局100の構成例について説明した。なお、図46は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の基地局100の構成例を表している。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。この場合、例えば、図16に示す基地局100において受信直交多元接続処理部106と送信直交多元接続処理部115を、受信多元接続処理部130と送信多元接続処理部131にそれぞれ代えることで、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の基地局100の構成例となる。
この場合、端末カテゴリ特定部119は、端末200から送信された端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定する。直交多元接続方式に対応する端末200からは、直交多元接続方式に関する端末性能情報が送信され、非直交多元接続方式に対応する端末200からは、非直交多元接続方式に関する端末性能情報が送信される。また、後述するように双方の接続方式に対応する端末200からは、双方の接続方式に対応することを示す端末性能情報が送信される。
従って、端末カテゴリ特定部119は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。また、端末カテゴリ特定部119は、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。さらに、端末カテゴリ特定部119は、直交多元接続方式と非直交多元接続方式の双方に対応していることに関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。
よって、端末カテゴリ特定部119は、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報と、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報の少なくとも一方に基づいて端末200の端末カテゴリを特定する。
<4.直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した端末の構成例>
次に、上り方向について直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応し、下り方向についても直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した端末200の構成例について説明する。
図58はこのような端末200の構成例を表す図である。端末200は、更に、受信非直交及び直交多元接続処理部(以下、「受信多元接続処理部」と称する場合がある)230と送信非直交及び直交多元接続処理部(以下、「送信多元接続処理部」と称する場合がある)231を備える。
受信多元接続処理部230は、受信無線部205から出力されたベースバンド信号に対して、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に対応した処理を行い、基地局100から送信された送信信号を再生する。受信多元接続処理部230は、再生した送信信号を受信信号として出力する。
また、送信多元接続処理部231は、送信データや無線回線品質情報、制御信号、端末カテゴリ情報、パイロット信号などに対して非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に対応した処理を行ってベースバンド信号に変換する。送信多元接続処理部231はベースバンド信号を出力する。
なお、図58に示す端末200は双方の接続方式に対応している。よって、端末カテゴリ特定部213は、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末200の端末カテゴリを特定する。端末性能情報記憶部212には、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報を含む端末性能情報が記憶される。
次に、送信多元接続処理部231と受信多元接続処理部230の詳細について説明する。最初に送信多元接続処理部231の詳細について説明し、次に、受信多元接続処理部230の詳細について説明する。
図59は送信多元接続処理部231の構成例を表す図である。送信多元接続処理部231は、符号化部231a、直交/非直交変調部231b、DAC231cを含む。
符号化部231aは、送信データや無線回線品質情報などに対して、基地局100においてスケジューリングされて、端末設定制御部215から指示された符号化率などに従って誤り訂正符号化処理を施して、符号化データへと変換する。
直交/非直交変調部231bは、符号化データに対して、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した変調処理を施し、変調データを出力する。非直交多元接続方式に対応した変調処理としては、例えば、階層化変調処理がある。
図60は直交/非直交変調部231bの構成例を表す図である。直交/非直交変調部231bは、基地局100の直交/非直交変調部131bと同様の構成であり(例えば図48)、直交/非直交制御部231b1、直交変調部231b2、及び非直交変調部231b3を含む。直交/非直交制御部131b1は、多元接続制御情報に直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、符号化データを直交変調部231b2へ出力する。一方、直交/非直交制御部231b1は、多元接続情報に非直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、符号化データを非直交変調部231b3へ出力する。直交変調部231b2では、QPSKや16QAMなど、基地局100でスケジューリングした結果に従って送信データを変調する。非直交変調部231b3は、例えば、図20や図21などに示すように、第1層変調部123b2と第2層変調部123b1により送信データに対して階層化変調を行う。直交変調部231b2と非直交変調部231b3は変調データをDAC131cへ出力する。
なお、多元接続制御情報は、例えば、無線回線制御部214の多元接続制御部214f(例えば図69)により生成され、直交/非直交制御部231b1に入力される。
図61から図64は直交/非直交変調部231bの他の構成例を表す図である。図61から図64に示すように、基地局100における直交/非直交変調部131b(例えば図48から図52)と同様に、第1層変調部231b4、直交/非直交制御部231b5、及び第2層変調部231b6の接続の順番は問わない。
例えば図61に示すように、直交/非直交制御部231b5は、多元接続制御情報に従って、第1層変調部231b4から出力された1次変調データを第2層変調部231b6へ出力させたり、第2層変調部231b6を出力することなく、DAC231cへ出力させたりする。この場合、第1層変調部231b4と第2層変調部231b6の順番は入れ替えてもよい(例えば図62)。また、直交/非直交制御部231b5に送信データを入力させて、多元接続制御情報に従って、第2層変調部231b6又は第1層変調部231b4へ送信データを出力するようにしてもよい(例えば図63と図64)。
図65は、送信多元接続処理部231の他の構成例を表す図である。送信多元接続処理部231は、符号化部231d、S/P231e、直交/非直交変調部231f、DFT231g、CP付加部231h、P/S231i、及びDAC231jを含む。
送信データや無線回線品質情報、制御信号、端末カテゴリ情報、パイロット信号などは、符号化部231dに入力されて符号化部231dにおいて誤り訂正符号化処理が施されて符号化データへと変換される。符号化データはS/P231eにおいてシリアル形式の符号化データからパラレル形式の符号化データへと変換され、これにより、サブキャリア毎の符号化データへと変換される。サブキャリア毎の符号化データは、直交/非直交変調部231fにおいて、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した変調処理が施される。直交/非直交変調部231fは、例えば、図60から図64に示す直交/非直交変調部231bであってもよい。直交/非直交変調部231fから出力された変調信号はDFT231gにより周波数領域の信号と変換されて、更にCP付加部231hにおいてCPが付加される。CPが付加された信号はP/S231iにおいてパラレル形式の信号からシリアル形式の信号へ変換されて、DAC231jにおいてシリアル形式の信号がデジタル信号からアナログ信号へと変換される。送信多元接続処理部231は、DAC231jから出力されるアナログ信号をベースバンド信号として出力する。
図58に戻り、次に、受信多元接続処理部230の構成例について説明する。図66は受信多元接続処理部230の構成例を表す図である。受信多元接続処理部230は、ADC230a、直交/非直交復調部230b、及び復号部230cを含む。
ADC230aは、受信無線部205から出力されたベースバンド信号に対してアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
直交/非直交復調部230bは、デジタル信号に対して、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した復調処理を施し、復調データを出力する。非直交多元接続方式に対応した復調処理としては、例えば、階層化復調処理がある。
図67は直交/非直交復調部230bの構成例を表す図である。直交/非直交復調部230bは、直交/非直交制御部230b1、直交復調部230b2、及び非直交復調部230b3を含む。
直交/非直交復調部230bは、基地局100の直交/非直交復調部130bと同様の構成である。直交/非直交制御部231b1は、多元接続制御情報に直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、受信信号を直交復調部231b2へ出力する。一方、直交/非直交制御部231b1は、多元接続情報に非直交多元接続方式を示す情報が含まれているとき、受信信号を非直交復調部230b3へ出力する。直交復調部230b2では、QPSKや16QAMなど、基地局100でスケジューリングした結果に従って受信信号を復調する。非直交復調部230b3は、例えば、図24や図25などに示すように、第1層復調部121b2と第2層復調部121b1により受信信号に対して階層化復調を行う。直交復調部230b2と非直交復調部230b3は変調データを復号部230cへ出力する。
なお、多元接続制御情報は、例えば、無線回線制御部214の多元接続制御部214f(例えば図69)により生成され、直交/非直交制御部230b1に入力される。
直交/非直交復調部230bに含まれる直交/非直交制御部230b1と直交復調部230b2、及び非直交復調部230b3について、その接続の順番は問わない。
このように直交/非直交復調部230bでは、直交接続方式に対応した直交復調と、非直交接続方式に対応した非直交復調(例えば階層化復調)の2つの復調方式に対応しており、いずれの多元接続方式においても復調処理を行うことができる。
図68は、受信多元接続処理部230の他の構成例を表す。図68は受信多元接続処理部230の他の構成例を表す図である。受信多元接続処理部230は、ADC230d、S/P230e、CP削除部230f、FFT230g、直交/非直交復調部230h、P/S230i、復号部230jを含む。
無線受信部205から出力されたベースバンド信号は、ADC230d、S/P230e、CP削除部230f、FFT230gを経由して、CPが削除された周波数領域の信号へと変換される。当該信号は、直交/非直交復調部230hにより、直交復調又は階層化復調が施されて、復調信号に変換される。直交/非直交復調部230hは、例えば、図67に示す直交/非直交復調部230bでもよい。復調信号は、P/S230iと復号部230jを経由して受信信号として出力される。
図69は、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した端末200における無線回線制御部214の構成例を表す図である。図69に示す無線回線制御部214は、図31に示す無線回線制御部214(直交多元接続方式)と図43に示す無線回線制御部214(非直交多元接続方式)の各構成をマージしたものとなっている。
以上、図58などを用いて直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した端末200の構成例を説明した。なお、図58は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の端末200の構成例を表している。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。この場合の端末200の構成例は、例えば、以下のようになる。すなわち、図32に示す端末200において受信直交多元接続処理部206と送信直交多元接続処理部221を、受信多元接続処理部230と送信多元接続処理部231にそれぞれ代えることで、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の端末200の構成例を得る。
<5.3と4のバリエーション>
図70は基地局100、図71は端末200の構成例をそれぞれ表している。図70と図71に示すように、基地局100と端末200は、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応している。基地局100は、ある周波数(周波数1と周波数3)において直交多元接続方式に対応し、他の周波数(周波数2と周波数4)において非直交多元接続方式に対応し、周波数ごとに別々の構成となっている。
図70に示す基地局100の構成例において、端末カテゴリ情報抽出部107−1,107−2は、周波数ごとに別々の構成となっているが、1つの端末カテゴリ情報抽出部において処理を行うようにしてもよい。無線回線品質情報抽出部108−1,108−2、制御信号抽出部109−1,109−2、更に、制御信号作成部112−1,112−2、パイロット作成部113−1,113−2、システム情報作成部114−1,114−2についても同様である。
図71に示す端末200においても、例えば、システム情報抽出部207−1,207−2などについても1つのシステム情報抽出部によって処理が行われてもよい。他の構成も同様である。
なお、図70と図71の構成例は、上り方向において2つの周波数、下り方向において2つの周波数で別々の構成となっている例を表している。それ以外にも、上り方向と下り方向の各々について、3つ以上の周波数について、周波数ごとに別々の構成となっていてもよい。
また、図70と図71は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の構成例を表している。基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。この場合、基地局100に端末カテゴリ特定部119が含まれ、端末200では端末性能情報記憶部212から読み出された端末性能情報が基地局100へ送信されればよい。
<6.端末カテゴリ表>
図74から図76は端末カテゴリ表の例を表す図である。図74から図76に示すように、端末カテゴリ表には、右端に「Multiple Access」の項目が含まれる。「Multiple Access」には、例えば、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報と直交多元接続方式に関する端末装置の性能又は能力を表す情報の少なくとも一方の情報が含まれる。図74から図76の例では、「Multiple Access」には「Orthgonal」、「Non−Orthgonal」、「Orthogonal,Non−Orthogonal」の3種類の端末性能情報が登録可能となっている。
「Orthgonal」は、例えば、端末200が直交多元接続方式に対応していることを示す端末性能情報である。また、「Non−Orthogonal」は、例えば、端末200が非直交多元接続方式に対応していることを示す端末性能情報である。さらに、「Orthogonal,Non−Orthogonal」は、例えば、端末200が直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応していることを示す端末性能情報である。
例えば、図74の例で、「Category 1」は、端末200が直交多元接続方式に対していることを表しており、「Category5」は、端末200が非直交多元接続方式に対応していることを表している。また、図74の例で、「Category 9」は、端末200が直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応していることを表している。
図74の端末カテゴリ表を用いて、上述した端末200の構成例(図30,図32,図34,図44,図45,図58,図71など)について分類すると、図30と図32は直交多元接続方式に対応する端末200である。従って、これらの端末200は「Category 1」から「Category 4」までのいずれかとなる。
また、図34に示す端末200は非直交多元接続方式に対応しているため、「Category5」から「Category 8」までのいずれかとなる。
さらに、図58と図71に示す端末200は、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応しているため、「Category 9」から「Category 12」のいずれかとなる。
なお、図44と図45に示す端末200は、上り方向と下り方向で異なる多元接続方式となっている。この場合、かかる端末200は、「Category 1」から「Category 12」の何れかであってもよい。或いは、かかる端末200に対して、「Uplink Orthgonal,Downlink Non−Orthgonal」、「Uplink Non−Orthgonal,Downlink Orthgonal」などの端末性能情報が追加されてもよい。
なお、図74に示す端末カテゴリ表には、「Maximum number of DL−SCH transport block bits received within a TTI」から「Mutiple Access」までの端末性能情報が登録される。これらの端末性能情報は、例えば、下り方向の共有チャネル(DL−SCH(Downlink Shared Channel))で1回の送信で送信可能な最大ビット数や、使用可能な変調方式などを表している。
図75に示す端末カテゴリ表においても、図74と比較して登録される端末性能情報の種類が異なるものの、「Mutiple Access」の項目により、端末200が対応する多元接続方式の種類について登録が可能となっている。
なお、図75に示す端末カテゴリ表は、「Multiple Accee」を除く項目は、例えば、3GPP TS25.306V12.3.0などにおいてLTEの端末カテゴリとして規定されている。
図76に示す端末カテゴリ表は、左端にある「CA Bandwidth Class」によって端末200の性能や能力を特定でき、端末200の性能や能力についてクラス分けが可能となっている。「CA Bandwidth Class」は、例えば、端末200がCAを用いて無線通信を行う場合において対応可能な周波数帯域幅に応じて分類されたクラスである。例えば、1つの周波数帯域幅に含まれるリソースブロック数が100個で2つの周波数帯域幅まで対応する場合、端末200のクラスは「B」、2つの周波数帯域幅に含まれるリソースブロック数が200個で2つの周波数帯域幅まで対応する場合、クラスは「C」となる。
図74から図76に示す端末カテゴリ表は一例である。例えば、端末カテゴリ表において、端末200が対応可能な多元接続方式の種類を示す端末性能情報が登録され、その情報に応じて、端末200のカテゴリ(「category 1」や「A」など)が特定可能となっている。逆に、端末カテゴリ表によって、例えば、端末200のカテゴリに基づいて、端末200において対応可能な多元接続方式の種類が特定可能となっている。
なお、端末カテゴリ表には端末200において対応可能な多元接続方式の種類に代えて、例えば、非直交多元接続方式で通信する場合に用いられる端末200における機能の有無、又はその機能の性能が高いか低いかなどを示す端末性能情報としてもよい。例えば、同一基地局と同一の無線リソース又は当該無線リソースと隣接する無線リソースを端末200が使用し、通信中の他の端末200aからの通信の干渉を除去又は低減する機能を備えているか否かを示す端末性能情報であってもよい。或いは、例えば、端末200が階層化変調された信号を復調できるか否かを表す端末性能情報や階層化変調が可能か否かを表す端末性能情報などであってもよい。
<動作例>
次に動作例について説明する。動作例としては、最初に、端末200が非直交多元接続方式又は直交多元接続方式に対応していることを通知することについて実施例1から実施例3において説明する。
次に、直交多元接続方式と非直交多元接続方式の切り換えについて実施例4において説明する。これは、例えば、実施例1から実施例3などによって端末200からの通知を受けた基地局100が多元接続方式を切り換える例である。
次に、多元接続方式が異なる周波数又は基地局へハンドオーバを行う場合について実施例5において説明する。これは、例えば、実施例1から実施例3などによって端末200から通知を受けた基地局100が端末200を非直交多元接続方式に対応した基地局へハンドオーバさせる場合など例である。
次に、キャリアアグリゲーションの例について実施例6において説明する。これは、例えば、実施例1から実施例3などによって端末200から通知を受けた基地局100が直交多元接続方式に対応したCCや非直交多元接続方式に対応したCCを追加するなどの例である。
以下の順番で動作例を説明することにする。
<1.実施例1 直交多元接続方式に対応した基地局に対して、非直交多元接続方式に端末が対応することを通知>
<1.1 実施例1−1 端末で端末カテゴリを特定する場合>
<1.2 実施例1−2 基地局で端末カテゴリを特定する場合>
<1.3 実施例1の効果>
<2.実施例2 非直交多元接続方式に対応した基地局に対して、直交多元接続方式に端末が対応することを通知>
<2.1 実施例2の効果>
<3.実施例3 直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局に対して、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応すること、又はいずれか一方に対応することを通知する>
<3.1 実施例3の効果>
<4.実施例4 同一基地局において直交多元接続方式と非直交多元接続方式の切り換え>
<4.1 実施例4の効果>
<5.実施例5 多元接続方式が異なる周波数又は基地局にハンドオーバを行う場合>
<5.1 実施例5−1 同一基地局で多元接続方式が異なる周波数にハンドオーバする場合>
<5.2 実施例5−2 異なる基地局で、多元接続方式が異なる同一の周波数にハンドオーバする場合>
<5.3 実施例5−3 異なる基地局で、多元接続方式が異なり、かつ、異なる周波数へハンドオーバする場合>
<5.4 実施例5の効果>
<6.実施例6 キャリアアグリゲーション>
<6.1 実施例6−1 直交多元接続方式のCCに、同一基地局の非直交多元接続方式のCCを追加する>
<6.2 実施例6−2 非直交多元接続方式のCCに、同一の基地局の直交多元接続方式のCCを追加する>
<6.3 実施例6−3 直交多元接続方式のCCに、異なる基地局の直交多元接続方式のCCを追加する>
<6.4 実施例6の効果>
<1.実施例1 直交多元接続方式に対応した基地局に対して、非直交多元接続方式に端末が対応することを通知>
動作例として実施例1を説明する。実施例1では、直交多元接続方式に対応した基地局100に対して、非直交多元接続方式に端末200が対応することを通知する場合の例である。この場合、端末200で端末カテゴリを特定する場合と基地局100で端末カテゴリを特定する場合がある。実施例1について、以下2つに分けて説明する。
<1.1 実施例1−1 端末で端末カテゴリを特定する場合>
実施例1−1として、端末200で端末カテゴリを特定する場合の例について説明する。
実施例1−1においては、基地局100として、例えば、図10(上り方向も下り方向の直交多元接続方式)、図18(上り方向も下り方向も非直交多元接続方式)、図28(上り方向は非直交多元接続方式、下り方向は直交多元接続方式)、図29(上り方向は直交多元接続方式、下り方向は非直交多元接続方式)などの基地局100で動作してもよい。すなわち、直交多元接続方式に対応した基地局100は、例えば、上り方向と下り方向の一方が直交多元接続方式に対応していればよい。また、上り方向と下り方向が非直交多元接続方式に対応した基地局100(例えば図18)は、例えば、直交多元接続方式により端末200と無線通信を行うことができる場合がある。よって、実施例1−1においてはこのような基地局100も含めてもよい。本実施例1−1では、代表して図10に示す基地局100で説明する。
また、端末200については、例えば、図44(上り方向は直交多元接続方式、下り方向は非直交多元接続方式)、図45(上り方向は非直交多元接続方式、下り方向は直交多元接続方式)、又は図58(上り方向も下り方向も双方の方式)などの端末200で動作してもよい。例えば、代表して、図58に示す端末200で説明する。
図72は実施例1−1における動作例を表すシーケンス図である。端末200は、基地局(又はセル#1)100とランダムアクセス手順を実行することで、基地局100との間で無線回線を設定する(S10)。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、端末200は、直交多元接続方式を採用した隣接基地局(又は隣接セル)からの無線回線品質測定を用いて接続する基地局(又はセル)を選択する。この場合、端末200は基地局100のセルを選択する。端末200は選択したセルとの間でランダムアクセス手順を実行することで、セルを構成する基地局100と無線回線を設定する。
ランダムアクセス手順としては、例えば、LTEの衝突型ランダムアクセス手順(Contention based random access procedure)や、非衝突型ランダムアクセス手順(Non−contention based random access procedure)がある。また、ランダムアクセス手順としては、例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)のランダムアクセス手順でもよい。
なお、以下では、直交多元接続方式としてLTEを例にして説明する。また、ランダムアクセス手順もLTEを例にして説明する。ただし、本実施例1−1を含む他の実施例についてもLTEに限定されるのもではなく、他の通信方式や他のランダムアクセス手順でもよい。
本実施例1−1において、このランダムアクセス手順において、例えば、基地局100と端末200は直交多元接続方式を用いて無線回線を設定する。従って、基地局100と端末200は、無線回線設定後、直交多元接続方式を用いて無線信号を交換することになる。
次に、基地局100は、端末性能情報要求を端末200へ送信する(S11)。例えば、無線回線制御部110の端末カテゴリ要求制御部110eは端末カテゴリ要求を含む制御信号の生成を制御信号作成部112へ指示する。これにより、当該制御信号が端末200へ送信される。この制御信号は、例えば、端末のカテゴリを要求する端末カテゴリ要求でもよいし、端末200の性能情報を要求する端末性能情報要求であってもよい。
次に、端末200は、非直交多元接続の対応可否(すなわち、例えば非直交多元接続方式を用いて通信可能か否かなど)を用いた端末カテゴリを特定する(S12)。例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、制御信号抽出部208は基地局100から受信した制御信号から端末性能情報要求を抽出して無線回線制御部214へ出力する。無線回線制御部214の端末カテゴリ制御部214eは、端末性能情報要求を受け取ると、端末カテゴリ特定部213に端末カテゴリを特定するよう指示する。端末カテゴリ特定部213は、当該指示に従って、端末性能情報記憶部212から端末性能情報を読み出し、メモリに記憶された端末カテゴリ表にアクセスし、読み出した端末性能情報に対応する端末カテゴリを特定する。本実施例1−1では、端末カテゴリ特定部213は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。端末カテゴリ表が図74の場合、「Non−Orthgonal」に対応する端末カテゴリである「Category 5」から「Category 8」のいずれか(例えば、「Category 5」)が特定される。端末カテゴリ特定部213は特定した端末カテゴリを無線回線制御部214へ出力する。
次に、端末200は特定した端末カテゴリを基地局100へ送信する(S13)。例えば、端末カテゴリ制御部214eは、端末カテゴリ特定部213から端末カテゴリを受け取ると、端末カテゴリ情報作成部219へ端末カテゴリを出力し、端末カテゴリ情報の作成を指示する。これにより、端末カテゴリ情報作成部219から端末カテゴリが基地局100へ送信される。端末カテゴリ情報作成部219は、端末カテゴリ情報にCRCを付加してもよい。以降の実施例においても同様に付加してもよい。
次に、基地局100は端末カテゴリに基づいて非直交多元接続使用可否制御を行う(S14)。例えば、基地局100は、受信した端末カテゴリに基づいて端末200が非直交多元接続方式に対応していることを確認する。この場合、例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、多元接続制御部110fは端末カテゴリ情報抽出部107から端末カテゴリ情報を受け取ると、端末カテゴリ表に基づいて端末カテゴリから端末性能を確認する。上述の例では、多元接続制御部110fは、「Category 5」を受け取ると、端末カテゴリ表から「Non−Orthogonal」となっているため、端末200は非直交多元接続方式に対応していることを確認できる。使用可否制御は、例えば、多元接続制御部110fではなく端末カテゴリ要求制御部110eで行われても良い。以後の実施例においても同様である。
次に、基地局100は非直交多元接続使用通知を端末200へ送信する(S15)。例えば、多元接続制御部110fは端末200が非直交多元接続方式に対応することを確認すると、非直交多元接続使用通知を含む制御信号の生成を制御信号作成部112へ指示する。これにより、非直交多元接続使用通知が端末200へ送信される。
以上により、基地局100は端末カテゴリに基づいて端末200が非直交多元接続方式に対応するか否かを特定することができる。これにより、例えば、基地局100は、端末200に対して非直交多元接続方式への切り換えや、非直交多元接続方式に対応する基地局へのハンドオーバなどの対応も可能となる。さらに、基地局100は、非直交多元接続方式に対応したCCを追加するなどの処理を行うことができる。このような動作例は実施例4以降で説明する。
なお、図72のシーケンス例において、基地局100は端末性能情報要求(S11)を送信しなくてもよい。この場合、端末200は無線回線設定後に(S10)、端末カテゴリを特定して端末カテゴリを通知してもよい(S12,S13)。以降の実施例においても同様である。
図73は基地局100における動作例を表すフローチャートである。基地局100は、端末カテゴリ要求を端末200へ送信し(S20)、端末カテゴリを端末200から受信する(S21)。
次に、基地局100は端末カテゴリに基づいて端末性能を特定する(S22)。基地局100は、特定した端末性能に基づいて、端末200が非直交多元接続方式に対応しているか否かを判別する(S23)。
基地局100は、端末200が非直交多元接続方式に対応しているとき(S23でYES)、非直交多元接続方式使用通知を端末200へ送信する(S24)。一方、端末200が非直交多元接続方式に対応していないとき(S23でNO)、直交多元接続方式使用通知を端末200へ送信する(S25)。
図73のフローチャートにおいては、直交多元接続方式使用通知を送信しなくてもよい(S25)。例えば、無線回線設定(S10)により、互いに直交多元接続方式で接続されているからである。他の実施例においても同様に基地局100は当該通知を送信しなくてもよい。
上述した図73に示すフローチャートでは、基地局100は、非直交多元接続方式に対応しているか否かを示す端末性能に基づいて非直交多元接続方式の通知を行うか否かを判別した。例えば、図77から図79に示すように、それ以外の端末性能に基づいて非直交多元接続方式を通知するか否かを判別してもよい。
図77に示すフローチャートは、干渉除去の有無を示す端末性能に基づいて判別する動作例を表している。干渉除去は、例えば、端末200が非直交多元接続方式により通信を行う場合の機能の一つである。例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、多元接続制御部110fは、端末カテゴリに基づいて干渉除去の有無を端末カテゴリ表から確認し(S33)、干渉除去の機能が有れば(S33でYES)、非直交多元接続方式の使用通知を端末200へ送信する(S34)。この場合は、端末200に非直交多元接続方式に対応した干渉除去の機能があるものと基地局100が判別して、非直交多元接続方式の使用通知を送信している。一方、多元接続制御部110fは干渉機能が無ければ(S33でNO)、直交多元接続方式の使用通知を端末200へ送信する(S35)。この場合は、非直交多元接続方式に対応した干渉機能が端末200には無いと基地局100が判別し、直交多元接続方式の使用通知を送信している。
図78は、階層化変調への対応の有無を示す端末性能に基づいて判別を行う例である。例えば、以下のような処理が行われる。多元接続制御部110fは、端末カテゴリに基づいて階層化変調への対応の有無を端末カテゴリ表から確認し(S43)、階層化変調への対応を有していれば(S43でYES)、非直交多元接続方式の使用通知を送信する(S44)。この場合は、端末200に非直交多元接続方式に対応した階層化変調の機能が有るものと基地局100が判別し、非直交多元接続方式の使用通知を送信している。一方、多元接続制御部110fは、階層化変調への対応を有していなければ(S43でNO)、直交多元接続方式の使用通知を送信する(S45)。この場合は、端末200に非直交多元接続方式に対応した階層化変調の機能が無いものと基地局100が判別し、直交多元接続方式の使用通知を送信している。
なお、図77のS33と図78はS43の処理は端末カテゴリ制御部241eで行われても良く、また、S35とS45の処理はなくてもよい。
図79から図82は、実施例5と実施例6において行われる動作例を表すフローチャートである。詳細は実施例5と実施例6において説明するが、図79から図82を用いて簡単に説明する。
このうち、図79と図80は、非直交多元接続方式に対応した基地局100−1へハンドオーバさせる例と直交多元接続方式に対応した基地局100−2へハンドオーバさせる例をそれぞれ表している。
図79に示すように、基地局100は端末カテゴリ要求を端末200へ送信し(S50)、端末から端末カテゴリを受信すると(S51)、端末カテゴリに基づいて端末性能を特定する(S52)。基地局100は、特定した端末性能について、端末200が非直交多元接続方式に対応していれば(S53でYES)、非直交多元接続方式を用いた基地局100−1へ当該端末200をハンドオーバさせる(S54)。この場合は、基地局100は直交多元接続方式で無線回線を設定して端末200と無線通信を行うが、端末200から送信された端末カテゴリに基づいて端末200が非直交多元接続方式に対応していると判別した場合である。一方、基地局100は、特定した端末性能について、端末200が非直交多元接続方式に対応していなければ(S53)、とくにハンドオーバなどを行わせることはしない。この場合は、基地局100は、端末200が直交多元接続方式に対応していると判別し、直交多元接続方式を維持することになる。
図80は、基地局100が非直交多元接続方式に対応している場合において、特定した端末性能について直交多元接続方式に対応しているとき(S63でYES)、当該端末200へ直交多元接続方式に対応した基地局100−2へハンドオーバさせる(S64)。この場合は、基地局100は非直交多元接続方式で無線回線を設定して端末200と無線通信を行うが、端末200から送信された端末カテゴリに基づいて端末200が直交多元接続方式に対応していると判別した場合である。一方、基地局100は、特定した端末性能について、端末200が直交多元接続方式に対応していなければ(S63でNO)、基地局100ではとくにハンドオーバさせることはしない。この場合は、基地局100は、端末200が非直交多元接続方式に対応していると判別し、非直交多元接続方式を維持することになる。
図81と図82は非直交多元接続方式を用いた回線を追加したり、直交多元接続方式を用いた回線を追加したりするなどの例である。基地局100は、このような回線を追加することで、非直交多元接続方式に対応したCCを追加したり、直交多元接続方式に対応したCCを追加することでCAを行ったりすることができる。
図81に示すように、基地局100は、特定した端末性能について、非直交多元接続方式に対応しているとき(S73でYES)、非直交多元接続方式を用いた基地局100−2との無線回線を追加する処理を行う(S74)。一方、基地局100は、非直交多元接続方式に対応していないとき(S73でNO),直交多元接続方式を用いた基地局100又は100−1との無線回線を追加する処理を行う(S75)。
図82に示すように、基地局100は、特定した端末性能について、直交多元接続方式に対応しているとき(S79でYES)、直交多元接続方式を用いた基地局100−1との無線回線を追加する処理を行う(S80)。一方、基地局100は、直交多元接続方式に対応していないとき(S79でNO)、非直交多元接続方式を用いて基地局100又は100−2との無線回線を追加する処理を行う(S81)。
<1.2 実施例1−2 基地局で端末カテゴリを特定する場合>
次に実施例1−2について説明する。実施例1−2は基地局100で端末カテゴリを特定する場合の例について説明する。
実施例1−2では、基地局100として、例えば、図16(上り方向も下り方向の直交多元接続方式)で動作してもよい。また、例えば、図32(上り方向も下り方向の直交多元接続方式)の端末200において、受信直交多元接続処理部206を受信多元接続処理部230、送信直交多元接続処理部221を送信多元接続処理部231に代えた端末であってもよい。或いは、例えば、図32の端末200において、受信直交多元接続処理部206を受信非直交多元接続処理部225に代えるか、送信直交多元接続処理部221を送信非直交多元接続処理226に代えた端末200であってもよい。
図83は実施例1−2の動作例を表すフローチャートである。端末200は基地局100とランダムアクセス手続きを行って、直交多元接続方式により無線回線設定を行う(S10)。
次に、基地局100は、端末性能情報要求を端末200へ送信する(S11)。
端末200は、端末性能情報要求を受信すると、端末性能情報を基地局100へ送信する(S90)。例えば、無線回線制御部214の端末性能情報制御部214kは制御信号抽出部208から端末性能情報要求を受け取ると、端末性能情報記憶部212から端末性能情報を読み出し、端末性能情報作成部223に対して読み出した端末性能情報の生成を指示する。これにより、端末性能情報が端末性能情報作成部223から基地局100へ送信される。
基地局100は、端末性能情報を受信すると、非直交多元接続方式の対応可否に基づいて端末カテゴリを特定する(S91)。例えば、端末性能情報抽出部118は受信信号から端末性能情報を抽出し、端末カテゴリ特定部119は非直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。端末カテゴリ特定部119は、例えば、メモリに記憶された端末カテゴリ表(例えば図74)に基づいて、「Non−orthogonal」となっている「Category 4」から「Category 7」の中から特定してもよい。
次に、基地局100は、特定した端末カテゴリを端末200へ通知し(S13)、端末カテゴリに基づいた非直交多元接続使用可否制御を行う(S14)。例えば、多元接続制御部110fは端末200が非直交多元接続方式に対応しているか否かを確認する。
次に、基地局100は、非直交多元接続使用通知を端末200へ送信する(S15)。例えば、多元接続制御部110fは端末200が非直交多元接続方式に対応することを確認すると当該通知を端末200へ通知する。
図83において、S11とS13は無くても良い。このことは、実施例2以降においても同様である。
図84は基地局100における本実施例1−2の動作例を表すフローチャートである。基地局100は、端末性能要求を端末200へ送信し(S100)、端末性能を端末200から受信する(S101)。次に、基地局100は、非直交多元接続方式に対応しているか否かを判別し(S102)、端末200が非直交多元接続方式に対応しているとき(S102でYES)、非直交多元接続方式の使用通知を端末200へ送信する(S103)。一方、基地局100は、端末200が非直交多元接続方式に対応していないとき(S102でNO)、直交多元接続方式の使用通知を端末200へ送信する(S104)。
<1.3 実施例1の効果>
このように実施例1においては、基地局100又は端末200は、端末200が非直交多元接続方式に対応するか否かを表す端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定するようにしている。これにより、例えば、基地局100は非直交多元接続方式に対応していない端末200へ非直交多元接続方式の使用通知を送信するなどの事態を防止し、端末200に対して誤って非直交多元接続方式により無線通信を行うこともなくなる。従って、基地局100は適切に多元接続方式を設定し、端末200と適切に無線通信を行うことが可能となる。また、基地局100は適切に多元接続方式を設定することで、誤った多元接続方式に何度も設定するような事態を防止することもでき、処理速度の向上を図ることも可能で、結果として、データの伝送速度(又はスループット)の改善を図ることもできる。
また、その際、実施例1−1のように端末200において端末カテゴリを特定してもよいし、実施例1−2のように基地局100において端末カテゴリを特定してもよい。端末カテゴリの特定に際して、端末性能情報には、端末200が非直交多元接続方式に対応しているのか否かの情報も含まれる。従って、端末カテゴリの特定によって、端末200が非直交多元接続方式に対応しているのか否かの判別も容易となる。
<2.実施例2 非直交多元接続方式に対応した基地局に対して、直交多元接続方式に端末が対応することを通知>
次に実施例2について説明する。実施例2は、非直交多元接続方式に対応した基地局100に対して、端末200が直交多元接続方式に対応することを通知する動作例である。
図72は実施例2における動作例を表すシーケンス図である。ただし、図72の各処理においては「非直交多元接続」に代えて「直交多元接続」とする。また、図72は端末200において端末カテゴリを特定する例である。
なお、この場合の基地局100の構成例は、例えば、図18(上り方向も下り方向も非直交多元接続方式)、図28(上り方向は非直交多元接続方式、下り方向は直交多元接続方式)、図29(上り方向は直交多元接続方式、下り方向は非直交多元接続方式)、図46(上り方向も下り方向も双方の方式)などの基地局100で動作してもよい。
また、端末200については、例えば、図44(上り方向は直交多元接続方式、下り方向は非直交多元接続方式)、図45(上り方向は非直交多元接続方式、下り方向は直交多元接続方式)、又は図58(上り方向も下り方向も双方の方式)などの端末200で動作してもよい。
図72に示すように、端末200は基地局100と無線回線を設定し(S10)、非直交多元接続方式により無線通信が行うことが可能となる。
次に、基地局100は端末性能情報を端末200へ要求し(S11)、端末200は直交多元接続方式の対応可否(すなわち、例えば直交多元接続方式を用いて通信が可能か否かなど)を用いて端末カテゴリを特定する(S12)。例えば、端末200の端末カテゴリ特定部213は、直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。端末カテゴリ表が図74の例では、端末カテゴリ特定部213は、「Orthogonal」となっている「Category 1」から「Category 4」のうちいずれを特定する。
次に、端末200は特定した端末カテゴリを基地局100へ送信し(S13)、基地局100は受信した端末カテゴリに基づいて直交多元接続使用可否制御を行う(S14)。例えば、基地局100の多元接続制御部110fは端末カテゴリに基づいて、端末200が直交多元接続方式に対応しているか否かを確認する。
次に、基地局100は、直交多元接続使用通知を端末200へ送信する(S15)。例えば、多元接続制御部110fは端末200が直交多元接続方式に対応していることを確認すると当該通知を端末200へ送信する。
図73は本実施例2における基地局100の動作例を表すフローチャートである。この場合も、各処理について「非直交多元接続」を「直交多元接続」に代え、「直交多元接続」を「非直交多元接続」に代えればよい。
基地局100は、端末カテゴリ要求を端末200へ送信し(S20)、端末200から端末カテゴリを受信すると(S21)、端末カテゴリに基づいて端末性能を特定する(S22)。そして、基地局100は、特定した端末性能に基づいて、端末200が直交多元接続方式に対応しているか否かを確認し(S23)、直交多元接続方式に対応しているとき(S23でYES)、直交多元接続方式の使用通知を端末200へ送信する(S24)。一方、基地局100は、端末200が直交多元接続方式に対応していないとき(S23でNO)、非直交多元接続方式の使用通知を端末200へ送信する(S25)。
実施例2についても、実施例1−1と同様に、直交多元接続方式に対応するか否かの可否を示す端末性能情報ではなく、非直交接続方式による干渉除去の有無(図77)や、階層化変調への対応(S78)に基づいて直交多元接続方式の使用通知を送信してもよい。また、直交多元接続方式を用いた基地局へのハンドオーバについては、図80により動作が行われてもよい。さらに、直交多元接続方式を用いたCCを追加することについては、図82により動作が行われてもよい。
上述した実施例2の処理は端末200において端末カテゴリを特定する例について説明したが、本実施例2においても実施例1−2と同様に、基地局100において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。この場合の動作例について、図83はシーケンス図、図84は基地局100における動作例を表すフローチャートをそれぞれ表している。この場合も、図83と図84において、「非直交多元接続」を「直交多元接続」に代え、「直交多元接続」を「非直交多元接続」に代えればよい。
図83の例で説明すると、端末200は端末性能情報として、直交多元接続方式に対応することを示す端末性能情報を基地局100へ送信する(S90)。例えば、端末200は端末性能情報として「Orthogonal」などを基地局100へ送信する。
基地局100では、直交多元接続方式の対応可否を用いた端末カテゴリを特定し(S91)、端末カテゴリを通知し(S13)、端末カテゴリに基づいた直交多元接続方式使用可否制御を行う(S14)。例えば、基地局100の端末カテゴリ特定部119は、端末性能情報抽出部118から直交多元接続方式の双方に対応することを示す端末性能情報(例えば「Orthogonal」)を受け取り、当該情報を用いて端末カテゴリ(「Cateogy 1」など)を特定する。また、例えば、多元接続制御部110fは、特定した端末カテゴリに基づいて端末200が直交多元接続方式に対応することを確認する。
そして、基地局100は、端末200が直交多元接続方式に対応することを確認すると直交多元接続使用通知を端末200へ送信する(S15)。
また、図84の例では、基地局100は、受信した端末性能情報に基づいて端末200が直交多元接続方式に対応するか否かを確認する(図84のS102)。基地局100は、直交多元接続方式に対応しているときはその旨を通知し(S103)、対応していないときは非直交多元接続方式の使用通知を送信する(S104)。
<2.1 実施例2の効果>
このように実施例2においては、基地局100又は端末200は、端末200が直交多元接続方式に対応するか否かを表す端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定するようにしている。これにより、例えば、基地局100は直交多元接続方式に対応していない端末200へ直交多元接続方式の使用通知を送信するなどの事態を防止し、端末200に対して誤って直交多元接続方式により無線通信を行うこともなくなる。従って、基地局100は適切に多元接続方式を設定し、端末200と適切に無線通信を行うことが可能となる。また、基地局100は適切に多元接続方式を設定することで、誤った多元接続方式に何度も設定するような事態を防止することもでき、処理速度の向上を図ることも可能で、結果として、データの伝送速度(又はスループット)の改善を図ることもできる。
また、その際、端末200において端末カテゴリを特定してもよいし、基地局100において端末カテゴリを特定してもよい。端末カテゴリの特定に際して、端末性能情報には、端末200が直交多元接続方式に対応しているのか否かの情報も含まれる。従って、端末カテゴリの特定によって、端末200が非直交多元接続方式に対応しているのか否かの判別も容易となる。
<3.実施例3 直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局に対して、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応すること、又はいずれか一方に対応することを通知する>
次に、実施例3について説明する。実施例3は、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式に対応した基地局100に対して、端末200が直交多元接続方式及び非直交多元接続方式の双方に対応すること、又はいずれか一方に対応することを通知する例である。
例えば、実施例3における基地局100の構成例は図46、端末200の構成例は図58となる。また、例えば、実施例3におけるシーケンス例は図72、基地局100におけるフローチャートは図73である。
図72を用いて実施例3の動作例について説明する。端末200は基地局100と無線回線の設定を行う(S10)。例えば、端末200は直交多元接続方式により無線回線の設定を行い、以後、直交多元接続方式により無線信号を交換する。
次に、基地局100は端末性能情報を端末200へ送信し、端末200は非直交多元接続の対応可否を用いて端末カテゴリを特定する(S12)。例えば、端末カテゴリ特定部213は、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力に関する情報に基づいて端末カテゴリを特定する。例えば、図74の例では、端末カテゴリ特定部213は、「Orthogonal,Non−Orthogonal」となっている「Category 9」から「Category 12」までのいずれかの端末カテゴリを特定する。
次に、端末200は特定した端末カテゴリを基地局100へ送信し(S13)、基地局100は端末カテゴリに基づいた非直交及び直交多元接続使用可否制御を行う(S14)。例えば、多元接続制御部110fは、端末カテゴリに基づいて、端末200が非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応していることを確認する。
そして、基地局100は、端末200に対して非直交多元接続方式及び直交多元接続方式の双方の使用通知を送信する(S15)。
図73は基地局100における動作例を表しているが、S23とS24においては「非直交多元接続」に代えて「非直交多元接続及び直交多元接続」とし、S25においては「直交多元接続方式」を「非直交多元接続方式」とすればよい。
基地局100では、端末カテゴリ要求を端末200へ送信し(S20)、端末200から端末カテゴリを受信する(S21)。基地局100は受信した端末カテゴリに基づいて端末性能を特定し、特定した端末性能に基づいて、非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応しているか否かを確認する(S23)。
基地局100は、端末200が双方の多元接続方式に対応しているときは(S23でYES)、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式の使用通知を送信する(S24)。一方、基地局100は、端末200が双方の多元接続方式に対応していないとき(S23でNO)、非直交多元接続方式の使用通知を送信する(S25)。
なお、図72と図73の例は端末カテゴリを端末200において特定する場合の動作例である。端末カテゴリを基地局100において特定する場合の動作例は、図83と図84に示される。図83及び図84においても、「非直交多元接続」に代えて「非直交多元接続及び直交多元接続」とし、図84のS104について、「直交多元接続」に代えて「非直交多元接続」とすればよい。
図83の例では、端末200は端末性能情報として、非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応することを示す情報を基地局100へ送信する(S90)。例えば、端末200は「Non−Orthogonal,Orthogonal」などを基地局100へ送信する。
基地局100では、このような非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方の対応可否(すなわち、直交多元接続方式及び非直交多元接続方式を用いて通信が可能か否かなど)を用いた端末カテゴリを特定する(S91)。例えば、端末カテゴリ特定部119は、非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に関する端末200の性能又は能力を表す情報に基づいて端末カテゴリを特定する。
次に、基地局100は、特定した端末カテゴリを端末200へ通知し(S13)、端末カテゴリに基づいた非直交多元接続方式及び直交多元接続方式使用可否制御を行う(S14)。例えば、多元接続制御部110fは、特定した端末カテゴリに基づいて、端末200が非直交多元接続方式及び直交多元接続方式に対応するか否かを確認する。
そして、基地局100は、端末200が双方の方式に対応することを確認すると、非直交多元接続及び直交多元接続方式使用通知を端末200へ送信する(S15)。
図84の例では、基地局100は、受信した端末性能情報に基づいて端末200が双方の方式に対応するか否かを確認(図84のS102)。基地局100は、端末200が双方の方式に対応していることを確認したときはその旨を通知し(S103)、対応していないときは直交多元接続方式の使用通知を送信する(S104)。
なお、基地局100が非直交多元接続方式と直交多元接続方式に対応している場合において、端末200が非直交多元接続方式に対応することを通知する例は、実施例1(例えば図72,図73,図83,図84)と同様に動作することができる。
また、基地局100が非直交多元接続方式と直交多元接続方式に対応している場合において、端末200が直交多元接続方式に対応することを通知する例は、実施例2と同様に動作することができる。
<3.1 実施例3の効果>
実施例3では、非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応した基地局100に対して、端末200が非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応することを通知する例である。これにより、例えば、基地局100は非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応していない端末200へ、双方の使用通知を送信するなどの事態を防止し、端末200に対して誤って多元接続方式により無線通信を行うこともなくなる。従って、基地局100は適切に多元接続方式を設定することが可能となり、端末200との間で適切に無線通信を行うことができる。また、基地局100は適切に多元接続方式を設定することで、誤った多元接続方式に何度も設定するような事態を防止することもでき、処理速度の向上を図ることも可能で、結果として、データの伝送速度(又はスループット)の改善を図ることもできる。
更に、端末カテゴリには端末性能情報として、端末200が非直交多元接続方式と直交多元接続方式の双方に対応しているのか否かの情報も含まれる。従って、端末カテゴリの特定によって、端末200が双方の多元接続方式に対応しているのか否かの判別も容易となる。
更に、直交多元接続方式を用いた通信トラフィックや負荷状態、非直交多元接続方式を用いた通信トラフィックや負荷状態に基づいて、多元接続方式の選択も可能となる。従って、スループットの改善を図ることも可能となる。
<4.実施例4 同一基地局において直交多元接続方式と非直交多元接続方式の切り換え>
次に、実施例4について説明する。実施例4は、同一の基地局100において直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換えたり、非直交多元接続方式から直交多元接続方式へ切り換えたりする例である。以下では、直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換える例について説明する。
例えば、実施例4の無線通信システム10の構成例を図85、基地局100の構成例を図46、端末200の構成例を図58にそれぞれ示す。
図85は、基地局100と無線通信を行っている端末200が直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換えている例を表している。この場合、基地局100と端末200は同一の周波数において多元接続方式を切り換えている。
図86は実施例4の動作例を表すシーケンス図である。端末200は、直交多元接続方式を用いた隣接基地局からの無線回線品質を測定し、測定した無線回線品質に基づいて基地局100を選択し、ランダムアクセス手続きなどにより基地局100との間で無線回線を設定する(S10)。
次に、基地局100は端末性能情報要求を端末200へ送信し(S11)、端末200は端末性能情報要求を受信すると、非直交多元接続の対応可否を用いた端末カテゴリを特定する(S12)。例えば、端末カテゴリ特定部213は、非直交多元接続方式に関する端末200の性能情報に基づいて端末カテゴリを特定する。
次に、端末200は特定した端末カテゴリを基地局100へ送信する(S13)。例えば、無線回線制御部214は端末カテゴリ特定部213から端末カテゴリを受け取り、端末カテゴリ情報作成部219に対して端末カテゴリの作成と基地局100への送信を指示する。
次に、基地局100は端末カテゴリに基づいて非直交多元接続使用可否制御を行う(S14)。例えば、多元接続制御部110fは、端末カテゴリ情報抽出部107から受け取った端末カテゴリに基づいて端末200が非直交多元接続方式に対応することを確認する。
次に、基地局100は、非直交多元接続使用通知を端末200へ送信する(S15)。例えば、多元接続制御部110fは、端末200が非直交多元接続方式に対応することを確認すると、多元接続使用通知を含む制御信号の生成を制御信号作成部112へ指示する。これにより、非直交多元接続使用通知が端末200へ送信される。
以降の処理では、基地局100は、非直交多元接続のための送信電力制御(S110からS115)と、無線回線品質の測定(S116からS120)を行う。この場合、送信電力制御の処理については、下り方向(S110からS112)と上り方向(S113からS115)がある。無線回線品質の測定についても、下り方向(S116からS118)と上り方向(S119からS120)がある。
すなわち、基地局100は、パイロット信号を送信する(S110)。例えば、パイロット作成部113は無線回線制御部110からの指示を受けてパイロット信号を作成して送信する。
端末200は、パイロット信号を受信すると、受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する(S111)。例えば、無線回線品質測定部210は、パイロット信号に対するSIRを測定し、目標となるSIRに対してどれだけ送信電力を上げればよいか又は下げればよいかを示す制御量を測定する。
次に、端末200は下り送信電力制御情報を基地局100へ送信する(S112)。例えば、無線回線品質情報作成部217は、無線回線制御部214から指示を受けて、無線回線品質測定部210から制御量を受け取り、当該制御量を含む下り送信電力制御情報を作成し、端末200へ向けて送信する。
また、端末200はパイロット信号を送信する(S113)。例えば、パイロット作成部220は無線回線制御部214からの指示を受けてパイロット信号を作成して送信する。
基地局100は、パイロット信号を受信すると、受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する(S114)。例えば、送信電力制御部110mは受信非直交及び直交多元接続処理部130から受信信号を受け取り、受信信号からパイロット信号を抽出し、抽出したパイロット信号に基づいて制御量を測定する。この場合も、送信電力制御部110mは、目標となるSIRに対してどれだけ送信電力を上げればよいか又は下げればよいかを表す制御量を測定してもよい。
次に、基地局100は、上り送信電力制御情報を端末200へ送信する(S115)。例えば、送信電力制御部110mは、測定した制御量を含む上り送信電力制御情報を作成し、上り送信電力制御情報を含む制御信号の作成を制御信号作成部112に指示する。これにより、上り送信電力制御情報が端末200へ送信される。
また、基地局100はパイロット信号を送信する(S116)。この場合、基地局100は、非直交多元接続方式によるパイロット信号と直交多元接続方式によるパイロット信号の2つのパイロット信号を送信する。これら2つのパイロット信号は、複数の端末に共通のパイロット信号であることから、上り送信電力制御情報を端末200へ送信する以前から送信されてもよい。この点は本実施例を含めて他の実施例についても同様である。
例えば、基地局100では以下のような処理が行われる。すなわち、送信非直交及び直交多元接続処理部131(例えば図46)は、無線回線制御部110からの指示により、パイロット作成部113から受け取ったパイロット信号に対して送信直交多元接続処理と非直交多元接続処理の2つの処理を施す。直交/非直交制御部131b1(例えば図48)は、無線回線制御部110からの指示として多元接続制御情報を受け取り、当該多元接続制御情報に従って、パイロット信号を直交変調部131b2と非直交変調部131b3へ出力する。これにより、基地局100は非直交多元接続方式によるパイロット信号と直交多元接続方式で処理されたパイロット信号を送信できる。
図86に戻り、次に、端末200は受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する(S117)。端末200では、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質と直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の2つの無線回線品質を測定する。なお、基地局100はこのような測定を端末200において周期的又は閾値以上の無線回線品質が得られたときに行われるよう、例えば制御信号などで要求するようにしてもよい。
2つの無線回線品質の測定は、例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、受信非直交及び直交多元接続処理部230(例えば図58)は、無線回線制御部214の指示により、直交多元接続方式で送信されたパイロット信号に対しては直交多元接続方式で受信処理を行い、非直交多元接続方式で送信されたパイロット信号に対しては非直交多元接続方式で受信処理を行う。直交/非直交制御部230b1(例えば図67)は、無線回線制御部214からの指示として多元接続制御情報を受け取り、当該多元接続制御情報に従って、直交多元接続方式で送信されたパイロット信号を直交復調部230b2へ出力し、非直交多元接続方式で送信されたパイロット信号を非直交復調部230b3へ出力する。例えば、2つのパイロット信号は無線リソースの割り当てやデータ量などで識別可能であり、そのような識別情報が多元接続制御情報に含まれてもよい。その後、無線回線品質測定部210(例えば図58)はパイロット抽出部209で抽出された2つのパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する。無線回線品質測定部210も、例えば、識別情報に基づいて2つのパイロット信号を識別して、各々の無線回線品質を測定してもよい。これにより、端末200は、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質と直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の2つの無線回線品質を測定することができる。無線回線品質としては、例えば、CQIがある。
図86に戻り、次に、端末200は測定した無線回線品質を基地局100へ送信する(S118)。例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、無線回線品質測定制御部214cは、無線回線品質情報作成部217に対して無線回線品質情報の作成を指示する。無線回線品質情報作成部217は、当該指示に従って、無線回線品質測定部210から2つの無線回線品質を受け取り、2つの無線回線品質を含む無線回線品質情報を作成し、基地局100へ送信する。基地局100は下り方向の2つの無線回線品質を得る。
次に、端末200はパイロット信号を送信する(S119)。この場合も、端末200は非直交多元接続方式によるパイロット信号と直交多元接続方式によるパイロット信号の2つのパイロット信号を送信する。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、送信非直交及び直交多元接続処理部231(例えば図58)は、無線回線制御部214からの指示により、パイロット作成部220から受け取ったパイロット信号に対して送信直交多元接続処理と非直交多元接続処理の2つの処理を施す。直交/非直交制御部231b1(例えば図67)は、無線回線制御部214からの指示として多元接続制御情報を受け取り、当該多元接続制御情報に従って、パイロット信号を直交変調部231b2と非直交変調部231b3へ出力する。これにより、端末20は非直交多元接続方式によるパイロット信号と直交多元接続方式で処理されたパイロット信号を送信できる。
図86に戻り、次に、基地局100はパイロット信号を受信すると、受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する(S120)。この場合も、基地局100は、非直交多元接続方式で送信されたパイロット信号に対しては非直交多元接続方式を用いて受信処理を行い、直交多元接続方式で送信されたパイロット信号に対しては直交多元接続方式を用いて受信処理を行う。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、受信非直交及び直交多元接続処理部130(例えば図46)は、無線回線制御部110の指示により、直交多元接続方式で送信されたパイロット信号に対しては直交多元接続方式で受信処理を行い、非直交多元接続方式で送信されたパイロット信号に対しては非直交多元接続方式で受信処理を行う。直交/非直交制御部130b1(例えば図55)は、無線回線制御部110からの指示として多元接続制御情報を受け取り、当該多元接続制御情報に従って、直交多元接続方式で送信されたパイロット信号を直交復調部130b2へ出力し、非直交多元接続方式で送信されたパイロット信号を非直交復調部130b3へ出力する。例えば、2つのパイロット信号は無線リソースの割り当てやデータ量などで識別可能であり、そのような識別情報が多元接続制御情報に含まれてもよい。その後、無線回線品質測定制御部110cはパイロット抽出部209で抽出された2つのパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する。これにより、基地局100は、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質と直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の2つの無線回線品質を測定することができる。基地局100は上り方向の2つの無線回線品質を得る。
次に、基地局100は、端末カテゴリ、無線回線品質情報、及び送信電力値を用いた非直交多元接続方式の上り方向と下り方向のスケジューリングを行う(図87のS121)。
この場合、基地局100では、接続中の基地局100において直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質よりも、接続中の基地局100において非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の方が高いとき、非直交多元接続方式を選択する。そして、基地局100では、直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換えることを決定又は判別する。基地局100では、非直交多元接続方式を用いた場合のスケジューリングを行う。
非直交多元接続方式から直交多元接続方式への切り換えの判別は、例えば、以下のようにして行われる。すなわち、多元接続制御部110fは、無線回線品質測定制御部110cから直交多元接続方式と非直交多元接続方式による2つの無線回線品質を受け取る。そして、多元接続制御部110fは、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の方が、直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質よりも高いとき、直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換えることを決定する。この場合、多元接続制御部110fは、上り方向と下り方向の2つの方向の無線回線品質がともに、非直交多元接続方式の無線回線品質が直交多元接続方式の無線回線品質より高いときに切り換えることを決定してもよい。或いは、多元接続制御部110fは、上り方向か下り方向の一方の無線回線品質について、非直交多元接続方式の方が直交多元接続方式よりも高いときに切り換えることを決定してもよい。
スケジューリングは、例えば、以下のようにして行われる。すなわち、スケジューラ110gは、多元接続制御部110fから非直交多元接続方式による切り換え指示を受け取ると、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質と非直交多元接続方式を用いた場合の送信電力情報に基づいて、通信する端末200の選択、通信に使用する無線リソース、通信に使用する変調方式と符号化率(符号化方法)などを選択する(又はスケジューリングする)。
以降は、例えば、基地局100は非直交多元接続方式により端末200と無線通信を行う。例えば、無線回線制御部110、送信非直交及び直交多元接続処理部131、送信無線部116、及びアンテナ101が、切り換え後の非直交多元接続方式を用いて無線通信を行う通信部となる。
次に、基地局100は、上り送信及び/又は下り送信のための制御情報を端末200へ送信する(S122)。例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、スケジューラ110gは、選択した無線リソースや変調方式、符号化率などを制御信号作成部112へ出力し、これらの情報(この情報を「スケジューリング情報」と称する場合がある)を含む制御信号の作成と端末200への送信を指示する。制御信号作成部112は当該指示に従って制御信号を作成し、作成した制御信号を端末200へ送信する。その際、スケジューラ110gは、選択した無線リソースや変調方式、符号化率などを送信非直交及び直交多元接続処理部131と受信非直交多元及び直交多元接続処理部130へ出力する。これにより、基地局100は選択した無線リソースや変調方式、符号化率で制御信号やデータなどを端末200へ送信でき、端末200から送信された信号を受信することができる。
なお、基地局100は、制御信号に、非直交多元接続方式に切り換えることを示す情報を含めて端末200へ送信してもよい。例えば、多元接続制御部110fは非直交多元接続方式への切り換えを決定すると、当該情報を含む制御信号の作成を制御信号作成部112へ指示する。これにより、制御信号作成部112から切り換え後の非直交多元接続方式に関する情報が端末200へ送信可能となる。この場合、基地局100は、切り替え後の非直交多元接続方式に関する情報をスケジューリング情報などと一緒に制御信号に含めて送信してもよい。
端末200は制御信号を受信すると、例えば、以下のような処理を行う。すなわち、無線回線制御部214は、制御信号抽出部208からスケジューリング情報や非直交多元接続方式への切り換えの情報を受け取ると、端末設定制御部215に対して非直交多元接続方式を使用可能とするよう要求する。端末設定制御部215は、当該要求を受け取ると、受信無線部205、受信非直交及び直交多元接続処理部230、送信無線部222、送信非直交及び直交多元接続処理部231に対して非直交多元接続に対応するように設定を行う。
以後、基地局100はスケジューリング情報に従って下りデータを端末200へ送信したり上りデータを端末200から受信し、端末200もスケジューリング情報に従って下りデータを受信し、上りデータを送信したりする(S123,S124)。
次に、本第4の実施例における他の動作例について説明する。
上述した例は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の動作例について説明した。例えば、基地局100において端末カテゴリを測定するようにしてもよい。図88と図89は、このような場合の動作例を表している。
端末200は、端末性能情報要求を受信すると、端末性能情報を基地局100へ送信し(S11,S90)、基地局100は受信した端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定する(S91)。端末性能情報としては、端末200において端末カテゴリを特定する場合と同様に、非直交多元接続方式に関する端末性能情報である。以降の処理(S110〜S124)は、端末200において端末カテゴリを特定する場合と同様の処理が行われる。
図90と図91は、端末200において端末カテゴリを特定する場合の例であるが、端末性能情報として非直交多元接続方式による干渉除去の有無に基づいて端末カテゴリを特定する場合の動作例を表している。この場合、例えば、端末カテゴリ特定部213は干渉除去の機能の有無を示す情報に基づいて端末カテゴリを特定する(S130)。この場合、端末200に干渉除去の機能が有るときは、非直交多元接続方式に対応する端末カテゴリとなり、干渉除去の機能が無いときは、直交多元接続方式に対応する端末カテゴリとなる。以降は、上述した図86の例と同様である。
一方、図92と図93は、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の例であり、端末性能情報として非直交多元接続方式による干渉除去の有無に基づいて端末カテゴリを測定する場合の動作例を表している。この場合、端末200は端末性能情報を基地局100へ送信する(S90)が、当該端末性能情報として非直交多元接続方式による干渉除去の機能の有無についての情報となっている。また、基地局100の端末カテゴリ特定部119は、干渉除去の機能が有ることを示す端末性能情報を受信したときは、非直交多元接続方式に対応する端末カテゴリを特定する。一方、端末カテゴリ特定部119は、干渉機能が無いことを示す端末性能情報を受信したときは、直交多元接続方式に対応する端末カテゴリを特定してもよい(S131)。以降の処理は、上述した図86の例と同様である。
図94と図95は、セル選択(S145)によって直交多元接続方式から非直交多元接続方式への切り換えを行い、その後、スケジューリングを行う(S163)例である。
S10からS15までは、図88の例を同様である。端末200は、基地局100から非直交多元接続使用通知を受信すると、非直交多元接続方式への対応設定を行う(S140)。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、無線回線制御部214は、制御信号抽出部208から非直交多元接続使用通知を受け取ると、端末設定制御部215に対して非直交多元接続方式を使用可能とするよう要求する。端末設定制御部215は、当該要求を受け取ると、受信無線部205、受信非直交及び直交多元接続処理部230、送信無線部222、送信非直交及び直交多元接続処理部231に対して非直交多元接続方式に対応可能なように準備するよう指示する。
次に、基地局100は非直交多元接続方式により処理されたパイロット信号と直交多元接続方式により処理されたパイロット信号を端末200へ送信する(S141,S142)。本処理(S141,S142)は、例えば、図86のS116と同様の処理である。
端末200はパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する(S143)。端末200は非直交多元接続方式で処理されたパイロット信号に基づいて非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質を測定する。また、端末200は、直交多元接続方式で処理されたパイロット信号に基づいて直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質を測定する。無線回線品質としては、例えば、CQIでもよい。
端末200は接続している直交多元接続方式に対応した基地局100に対する無線回線品質を測定しなくてもよい。従って、S142は無くてもよい。どの基地局(又はセル)100に対する無線回線品質を測定するかは、基地局100からの制御信号によって指示されてもよい。
なお、本動作例では端末200において下り方向の無線品質を測定しているが、基地局100において上り方向の無線品質を測定するようにしてもよい。
次に、端末200は無線回線品質情報を基地局100へ送信する(S144)。端末200は測定した2つの無線回線品質を含む無線回線品質情報を基地局100へ送信する。
そして、基地局100は、無線回線品質情報に基づいてセルを選択する(S145)。この場合、基地局100は、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の方が、直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質よりも高いとき(および/又は品質が良いとき)、直交多元接続方式へ切り換えることを決定し、非直交多元接続方式を用いたセルを選択する。本動作例では、同一基地局100の同一セルとなっている。
次に、基地局100は、システム情報を端末200へ送信する(S146からS148)。本動作例では同一セルの同一基地局となっているため、S146からS147の処理は無くてもよく、説明を省略する。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、無線回線制御部110はセル選択を行うと(S145)、システム情報管理部111に対してシステム情報の作成を指示する。システム情報管理部111は当該指示を受けて、システム情報を読み出してシステム情報作成部114へ出力し、システム情報の作成を指示する。これにより、システム情報がシステム情報作成部114から端末200へ向けて送信される。
そして、基地局100は無線回線の切り換えを行う(S150)。例えば、端末設定制御部215は、受信無線部205、受信非直交及び直交多元接続処理部230、送信無線部222、送信非直交及び直交多元接続処理部231に対して非直交多元接続方式への切り換えを行うよう設定する。
以降の処理(図95のS151〜S163)は、図86のS110〜S120の処理と同様であるが、非直交多元接続処理への切り換えが行われたため(S150)、非直交多元接続方式を用いた場合の送信電力制御情報と無線回線品質が測定される(S151〜S161)。また、基地局100は測定された送信電力制御情報と無線回線品質を用いて上り方向と下り方向のスケジューリングを行い(S163,S164)、スケジューリングの結果に従ってデータの送信や受信を行う(S165,S166)。
なお、上述した例は、直交多元接続方式から非直交多元接続方式へ切り換える例について説明した。非直交多元接続方式から直交多元接続方式へ切り換える場合も上述した動作例と同様に基地局100と端末200は実施できる。例えば、図86と図87の処理においては、「非直交多元接続」を「直交多元接続」に代えればよい。図88から図95までの動作例についても同様である。この場合、基地局100は直交多元接続方式に切り換えることを示す情報を含む制御信号を端末200へ送信し、端末200はこの情報に基づいて直交多元接続方式への切り換えを行うようにする。
なお、切り換え後の非直交多元接続方式又は直交多元接続方式を端末200へ送信する送信部は、例えば、制御信号作成部112と送信非直交及び直交多元接続処理部131、送信無線部116、及びアンテナ101に対応する。この際、送信部は、切り換え後の非直交多元接続方式又は直交多元接続方式であることを示す情報を第1の下り周波数を用いて送信してもよい。
また、切り換え後の非直交多元接続方式又は直交多元接続方式を用いて無線通信を行う通信部は、例えば、アンテナ101、受信無線部105、受信非直交及び直交多元接続処理部130、送信非直交及び直交多元接続処理部131、送信無線部116、及び無線回線制御部110に対応する。この際、切り換え後の非直交多元接続方式又は直交多元接続方式を用いて無線通信を第1の上り周波数と第1の下り周波数を用いて行ってもよい。
<4.1 実施例4の効果>
以上により、基地局100と端末200は、端末性能に基づいて、多元接続方式の切り換えや選択を行うことが可能となる。例えば、端末200が直交多元接続方式と非直交多元接続方式の双方に対応している場合、無線回線品質や、直交多元接続方式及び/又は非直交多元接続方式の無線リソースの使用情報に基づいて、使用している多元接続方式より高速伝送か可能な多元接続方式の選択も可能となる。その結果、伝送速度(スループット)の改善が可能となる。
また、基地局100は、端末カテゴリや端末性能情報に基づいて端末200が非直交多元接続方式に対応していることを確認できるため、非直交多元接続方式に対応していない端末200に対して誤って非直交多元接続方式を適用する事態を防止できる。従って、基地局100は適切に多元接続方式を設定し、端末200との間で無線通信を適切に行うことができる。
更に、基地局100は、非直交多元接続方式に対応しない端末200に対して誤って非直交多元接続方式に適用し、何度も非直交多元接続方式への設定を試みるような事態も防止できるため、このような場合と比較して処理速度の向上を図ることができる。その結果、データなどの伝送速度(スループット)の向上を図ることができる。
<5.実施例5 多元接続方式が異なる周波数又は基地局にハンドオーバを行う場合>
次に、実施例5について説明する。上述した実施例4においては、同一基地局100において同一周波数で異なる多元接続方式に切り換える例について説明した。この場合、同一基地局100の同一周波数であることからハンドオーバ処理を行わずに多元接続方式を切り換えるようにした。実施例5では、多元接続方式が異なる周波数への切り換えや、多元接続方式が異なる基地局への切り換えがあるため、ハンドオーバ処理が行われる。
具体的には、実施例5−1において、同一基地局100において多元接続方式が異なる周波数にハンドオーバする場合の動作例について説明する。また、実施例5−2において、異なる基地局100−2で多元接続方式が異なる同一の周波数にハンドオーバする場合の動作例について説明する。更に、実施例5−3において、異なる基地局100−2で多元接続方式が異なり、かつ、異なる周波数へハンドオーバする場合の動作例について説明する。以降では、順番に実施例5における各動作例を説明する。
<5.1.実施例5−1 同一基地局で多元接続方式が異なる周波数にハンドオーバする場合>
実施例5−1は、同一基地局で多元接続方式が異なる周波数にハンドオーバする場合の動作例である。例えば、実施例5−1の無線通信システム10の構成例を図96、基地局100の構成例を図46と図70、端末200の構成例を図58と図71にそれぞれ示す。
図96は実施例5−1の無線通信システム10の構成例を表している。図96では、端末200は、同一の基地局100において、直交多元接続方式において用いられる第1の周波数から、非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数へ切り換える例を表している。第1の周波数と第2の周波数は異なる周波数である。
以下、直交多元接続方式において用いられる第1の周波数から、非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数へハンドオーバする場合の例で説明する。なお、非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数から直交多元接続方式において用いられる第1の周波数へのハンドオーバも同様に動作する。
また、ハンドオーバについて、上り方向と下り方向の双方についてハンドオーバする場合もあれば、上り方向と下り方向のどちらか一方をハンドオーバする場合もある。本実施例5−1では下り方向についてハンドオーバする場合について説明する。
図98と図99は実施例5−1の動作例を示すシーケンス図である。実施例4等と同様に、端末200は基地局100とランダムアクセス手続きなどを用いて無線回線を設定し(S10)、直交多元接続方式により無線通信を行うようにする。
次に、端末200は、基地局100から送信された端末性能情報要求を受信すると、端末性能情報を基地局100へ送信する(S90)。端末性能情報には、例えば、端末200が非直交多元接続方式に対応することを示す情報が含まれる。
基地局100は、端末200から受信した端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定し、端末200が非直交多元接続方式に対応しているか否かを確認する(S91,S13,S14)。
次に、基地局100は端末200が非直交多元接続方式に対応していることを確認すると、非直交多元接続使用通知を端末200へ送信し(S15)、端末200は非直交多元接続への対応設定を準備する(S140)。
また、基地局100は、非直交多元接続方式を用いた場合のパイロット信号を第2の周波数で送信する(S170)。また、基地局100は、直交多元接続方式を用いた場合のパイロット信号を第1の周波数で送信する(S171)。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、無線回線制御部110(例えば図46)は、送信非直交及び直交多元接続処理部131に対して、パイロット信号について第1の周波数で直交多元接続方式により送信処理を行い、同一のパイロット信号について第2の周波数で非直交多元接続方式により送信処理を行うよう指示する。送信非直交及び直交多元接続処理部131の直交/非直交制御部131b1(例えば図48)は、当該指示を多元接続制御情報として受け取ると、パイロット信号を直交変調部131b2へ出力し、第1の周波数を用いてパイロット信号を変調するように指示する。また、直交/非直交制御部131b1は、同一のパイロット信号を非直交変調部131b3へ出力し、第2の周波数を用いてパイロット信号を変調するように指示する。これにより、基地局100は、直交多元接続方式を用いた場合のパイロット信号を第1の周波数で、非直交多元接続方式を用いた場合のパイロット信号を第2の周波数で送信できる。
図98に戻り、次に、端末200は無線回線品質を測定し(S172)、無線回線品質情報を基地局100へ送信する(S173)。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、端末200の無線回線品質測定部210(例えば図58)は、第1の周波数で受信した直交多元接続方式を用いた場合のパイロット信号に基づいて、直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質を測定する。また、無線回線品質測定部210は、第2の周波数で受信した非直交多元接続方式を用いた場合のパイロット信号に基づいて、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質を測定する。無線回線品質情報作成部217は、無線回線制御部214からの指示に従って、2つの無線回線品質を含む無線回線品質情報を作成し、基地局100へ向けて送信する。なお、無線回線品質としては、例えば、CQIでもよい。
図98に戻り、次に、基地局100は、無線回線品質情報に基づいてセル選択を行う(S174)。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、無線回線制御部110のセル選択制御部110b(例えば図46,図57)は、無線回線品質情報抽出部108から無線回線品質情報を受け取る。セル選択制御部110bは、直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質よりも、非直交多元接続方式を用いた場合の無線回線品質の方が高い(および/又は品質が良い)とき、第1の周波数を用いた直交多元接続方式から第2の周波数を用いた非直交多元接続方式への切り換えを決定する。セル選択制御部110bは、端末カテゴリに基づいて多元接続方式を選択している。この場合、セル選択制御部110bは、ハンドオーバ先の周波数(例えば第2の周波数)、すなわち非直交多元接続方式で用いられる周波数を選択する。セル選択制御部110bは、ハンドオーバ制御部110dに対して端末200について第2の周波数へハンドオーバすることを通知する。
図98に戻り、次に、基地局100は、非直交多元接続方式に関するシステム情報を端末200へ送信する(S175からS177)。非直交多元接続方式に関するシステム情報としては、例えば、ランダムアクセス手続きにおいて使用するランダムアクセスプリアンブルも含まれる。ランダムアクセスプリアンブルは、例えば、衝突の可能性のあるランダムアクセスプリアンブル、又は衝突の生じない個別ランダムアクセスプリアンブルであってもよい。また、システム情報には無線回線制御部110で選択された非直交多元接続方式で用いられる周波数(例えば第2の周波数)が含まれる。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、システム情報管理部111(例えば図46)は、無線回線制御部110からの指示を受けて、非直交多元接続方式に関するシステム情報を読み出して、システム情報作成部114へ出力する。システム情報作成部114はランダムアクセスプリアンブルなどを含むシステム情報を作成し、端末200へ向けて送信する。なお、このようなシステム情報は、例えば、制御信号作成部112において制御信号として作成されて、制御信号として端末200へ送信されてもよい。
図98に戻り、次に、基地局100と端末200はハンドオーバに関する処理を行う(S178)。
例えば、基地局100では以下のような処理が行われる。すなわち、基地局100は、第2の周波数で非直交多元接続方式を用いた基地局100へハンドオーバすることを要求する制御信号を作成し、端末200へ送信する。具体的には、無線回線制御部110のハンドオーバ制御部110d(例えば図46、図57)は、システム情報の送信後、当該制御信号の作成を制御信号作成部112へ指示し、制御信号作成部112は当該指示を受けて当該制御信号を作成し、端末200へ送信する。この場合、ハンドオーバ制御部110dは、制御信号作成部112に対して、第1の周波数を用いた直交多元接続方式から第2の周波数を用いた非直交多元接続方式にハンドオーバすることを指示するハンドオーバ要求(又は切り換え要求、以下「ハンドオーバ要求」と称する場合がある)を含む制御信号の生成を指示してもよい。ハンドオーバ要求の送信は、ハンドオーバ前のため、例えば、直交多元接続方式で第1の周波数を用いて送信される。
図98に戻り、なお、ハンドオーバを要求する制御信号の送信(S178)とシステム情報の送信(S177)は同時でもよいし、制御信号の送信の後にシステム情報の送信が行われても良い。
また、端末200においては、例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、端末200はシステム情報を受信すると、指定されたハンドオーバ先の周波数において同期を行い、Non−Contention based random access procedure又はContention based random access procedureを行う。端末200がNon−Contention based random access procedureを行う場合、直交多元接続方式のある周波数を用いて端末200に通知されたランダムアクセスプリアンブル(又は個別プリアンブル(Dedicated Preamble))を用いる。また、端末200は、Contention based random access procedureを行う場合、システム情報として通知された複数のランダムアクセスプリアンブルから1つを任意に選択して使用する。続いて、端末200は、非直交多元接続方式の第2の周波数でランダムアクセスを行い、新たに無線回線を設定する。このような処理は、例えば、無線回線制御部214又は端末設定制御部215などで行われる。以上により、端末200は同一基地局100に対して異なる周波数への切り換えを行うことになり、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により基地局100と無線通信を行うことが可能となる。
以降の処理(図99のS180からS190)は、基地局100が下り方向と上り方向の送信電力制御情報を取得する処理(S180からS185)と、下り方向と上り方向の無線回線品質を取得する処理(S186からS190)である。第2の周波数へのハンドオーバが行われた後であるため、これらの処理は第2の周波数を用いて行われる。
次に、基地局100は取得した送信電力制御情報と無線回線品質に基づいて上り方向と下り方向のスケジューリングを行う(S191)。基地局100はスケジューリングの結果を制御信号として端末200へ送信し(S192)、以後、基地局100と端末200はスケジューリングの結果に従ってデータを送信したり、受信したりする(S193,S194)。
以上、直交多元接続方式において用いられる第1周波数から、非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数へのハンドオーバについて説明した。非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数から、直交多元接続方式において用いられる第1の周波数へのハンドオーバについても上述した例と同様に動作する。この場合、図98と図99における各処理について、例えば、「直交多元接続」と「非直交多元接続」を入れ替え、「第1の周波数」と「第2の周波数」を入れ替えることで実施することが可能である。
また、上述した例では、端末カテゴリを基地局100で特定する場合の動作例である。端末200において端末カテゴリを特定してもよく、この場合はS90とS91に代えて、実施例1−1(例えば図72)のS12からS14とすればよい。更に、第2の周波数を用いた非直交多元接続方式から第1の周波数を用いた直交多元接続へのハンドオーバについても端末カテゴリを端末200で特定してもよく、S90とS91に代えてS12からS14を追加すればよい。
<5.2 実施例5−2 異なる基地局で、多元接続方式が異なる同一の周波数にハンドオーバする場合>
次に、実施例5−2について説明する。実施例5−2は、異なる基地局で多元接続方式が異なる同一の周波数へのハンドオーバの例である。例えば、実施例5−2の無線通信システム10の構成例を図97、基地局100の構成例を図46、端末200の構成例を図58にそれぞれ示す。
図97に示すように、端末200(UE3)は、同一周波数であるが、直交多元接続方式を用いる基地局100−1から非直交多元接続方式を用いる基地局100−2へハンドオーバしている例を表している。以下、この例について説明する。
なお、端末200は、同一周波数であって、非直交多元接続方式を用いる基地局100−2から直交多元接続方式を用いる基地局100−1へハンドオーバする場合も、同様に実施できる。
また、ハンドオーバについて、上り方向と下り方向の双方についてハンドオーバする場合もあれば、上り方向と下り方向のどちらか一方をハンドオーバする場合もある。本実施例5−2では下り方向についてハンドオーバする場合について説明する。
図100と図101は実施例5−2の動作例を示すシーケンス図である。全体としては、端末200は直交多元接続方式を用いた基地局100−1と接続し、当該基地局100−1から直交多元接続方式を用いた基地局100−3へ同一の周波数でハンドオーバする例を表している。
S10からS15までは、実施例5−1と同様である。次に、各基地局(セル1〜セル4)100−1〜100−4からパイロット信号を送信する(S203,S201〜S202)。この場合、基地局100−1,100−2は直交多元接続方式により処理されたパイロット信号を送信し、基地局100−3,100−4は非直交多元接続方式により処理されたパイロット信号を送信する。この場合、各基地局100−1〜100−4は、同一の周波数(例えば第1の周波数)を用いてパイロット信号を送信してもよい。
端末200は、受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定し(S204)、測定した無線回線品質を無線回線品質情報として基地局100−1へ送信する(S205)。
基地局100−1は、無線回線品質情報に基づいてセルを選択する(S206)。本実施例5−2では、4つの無線回線品質のうち、基地局100−3に対する無線回線品質が最も高い。そのため、基地局100−1では非直交多元接続方式を用いた基地局100−3へハンドオーバすることを決定する(S206)。
次に、基地局100−1はハンドオーバ先の基地局100−3に対してシステム情報の要求し(S207)、基地局100−3は当該要求に従って基地局100−3のシステム情報を基地局100−1へ送信する(S208)。なお、システム情報には、ランダムアクセスを実施するために必要となるランダムアクセスプリアンブルまたは個別プリアンブルの少なくとも一方が含まれていても良い。
基地局100−1は、システム情報をハンドオーバ先の基地局100−3から受信すると、受信したシステム情報を端末200へ送信する(S209)。
次に、端末200は受信したシステム情報に基づいて非直交多元接続方式への対応設定を行い(S211)、端末200と基地局100−3との間でハンドオーバ制御が行われる(S212)。
ハンドオーバ制御には、例えば、ハンドオーバ要求を端末200へ送信すること、更に、ハンドオーバ要求を基地局100−3へ送信することも含まれる。ハンドオーバ要求を基地局100−3へ送信することで、基地局100−3は端末200が自局にハンドオーバすることを把握することができる。この場合、ハンドオーバ要求には、切り換え前や後の多元接続方式、切り換え前や後の使用周波数(例えば、第1の上り周波数と第1の下り周波数から第2の上り周波数から第2の下り周波数、或いはその逆など)などが含まれても良い。
また、ハンドオーバ制御には、実施例5−1で説明したランダムアクセス手続きが含まれる。実施例5−1では基地局100内で処理が行われたが、実施例5−2では基地局100−1,100−3間でシステム情報などをやりとりする点が異なる。実施例5−2においても、例えば、基地局100−1は、ハンドオーバ要求として、第1の周波数により直交多元接続方式を用いる基地局100−1から、同一の第1の周波数により非直交多元接続方式を用いる基地局100−2へハンドオーバすることを指示する制御信号を端末200へ送信する。
以降の処理(図101のS180からS190)は、実施例5−1と同様に、基地局100は送信電力制御情報の取得と無線回線品質の取得の処理を行う。この場合、端末200と基地局100−3との間で処理が行われる。
基地局100−3は、送信電力制御情報と無線回線品質に基づいて、非直交多元接続方式を用いた場合の上り方向と下り方向のスケジューリングを行い(S191)、基地局100−3と端末200はスケジューリングした結果に従って、データを送信したり、受信したりする(S192〜S194)。
以上、同一周波数で、直交多元接続方式を用いる基地局100−1から非直交多元接続方式を用いる基地局100−3へのハンドオーバについて説明した。非直交多元接続方式を用いる基地局100−3から直交多元接続方式を用いる基地局100−1へハンドオーバする場合も上述した例と同様に実施できる。例えば、図100と図101における各処理について、「直交多元接続」と「非直交多元接続」を入れ替えることで実施することが可能である。
また、上述した例では、端末カテゴリを基地局100で特定する場合の動作例である。端末200において端末カテゴリを特定してもよく、この場合はS90とS91に代えて、実施例1−1(例えば図72)のS12からS14を追加すればよい。更に、非直交多元接続方式に対応した基地局100−3から直交多元接続方式に対応した基地局100−1へハンドオーバする場合も、端末カテゴリを端末200で特定してもよく、S90とS91に代えてS12からS14を追加すればよい。
<5.3 実施例5−3 異なる基地局で、多元接続方式が異なり、かつ、異なる周波数へハンドオーバする場合>
次に、実施例5−3について説明する。実施例5−3は、異なる基地局で多元接続方式が異なり、かつ、異なる周波数へハンドオーバする例である。例えば、実施例5−3の無線通信システム10の構成例を図97、基地局100の構成例を図46と図70、端末200の構成例を図58と図71にそれぞれ示す。
図97は、端末200(UE3)は、第1の周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−1から、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−2へハンドオーバする例を示している。以下、この例について説明する。
また、ハンドオーバについて、上り方向と下り方向の双方についてハンドオーバする場合もあれば、上り方向と下り方向のどちらか一方をハンドオーバする場合もある。本実施例5−3では下り方向についてハンドオーバする場合について説明する。
図100と図101は実施例5−3の動作例を示すシーケンス図である。全体としては、第1の周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−1から、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−2へ、ハンドオーバする例を表している。
S10からS15までは、実施例5−1と同様である。次に、各基地局(セル1〜セル4)100−1〜100−4からパイロット信号を送信する(S203,S201〜S202)。この場合、基地局100−1は、第1の周波数を用いて直交多元接続方式によりパイロット信号を送信する。また、基地局100−3は、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式によりパイロット信号を送信する。
なお、基地局100−2は、基地局100−1と同じ直交多元接続処理によるパイロット信号を送信するため第1の周波数で送信してもよいし、基地局が異なるため第1の周波数及び第2の周波数とは異なる第3の周波数で送信してもよい。また、基地局100−4についても、第2の周波数で送信してもよいし、第1及び第2の周波数と異なる周波数でパイロット信号を送信してもよい。
端末200は、受信したパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定し(S204)、測定した無線回線品質を無線回線品質情報として基地局100−1へ送信する(S205)。
基地局100−1は、無線回線品質情報に基づいてセルを選択する(S206)。本実施例5−3では、4つの無線回線品質のうち、基地局100−3に対する無線回線品質が最も高い。そのため、基地局100−1は、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−3へハンドオーバすることを決定する(S206)。
S207からS212は、実施例5−2と同様である。実施例5−2と同様に、実施例5−1と比較して、基地局100−1,100−3間でシステム情報などをやりとりする点が異なる。実施例5−3の場合、基地局100−1は、ハンドオーバ要求信号として、第1の周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−1から第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−3へハンドオーバすることを指示する制御信号を端末200へ送信してもよい。
以降の処理(図101のS180からS190)は、実施例5−1と同様に、基地局100は送信電力制御情報の取得と無線回線品質の取得の処理を行う。この場合、端末200と基地局100−3との間でこれらの情報の取得の処理が行われる。
基地局100−3は、送信電力制御情報と無線回線品質に基づいて、非直交多元接続方式を用いた場合の上り方向と下り方向のスケジューリングを行い(S191)、基地局100−3と端末200はスケジューリングした結果に従って、データを送信したり、受信したりする(S192〜S194)。
以上、第1の周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−1から、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−3へのハンドオーバについて説明した。第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−3から、第1の周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−1へハンドオーバする場合も上述した例と同様に実施できる。例えば、図100と図101における各処理について、「直交多元接続」と「非直交多元接続」を入れ替えて、「第1の周波数」と「第2の周波数」とを入れ替えることで実施可能である。
また、上述した例では、端末カテゴリを基地局100で特定する場合の動作例について説明した。端末200において端末カテゴリを特定してもよく、この場合はS90とS91に代えて、実施例1−1(例えば図72)のS12からS14を追加すればよい。更に、第2の周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−3から、第1の周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100−1へハンドオーバする場合も、端末カテゴリを端末200で特定してもよい。この場合、図100のS90とS91に代えてS12からS14を追加すればよい。
<5.4 実施例5の効果>
実施例5−1によれば、例えば、以下のような動作が行われる。すなわち、基地局100は直交多元接続方式において用いられる第1の上り周波数と第1の下り周波数から非直交多元接続方式において用いられる第2の上り周波数と第2の下り周波数へ周波数を切り換えるようにしている。また、基地局100は、非直交多元接続方式において用いられる前記第2の上り周波数と第2の下り周波数から直交多元接続方式において用いられる第1の上り周波数と第1の下り周波数へ周波数を切り換えるようにしている。
また、基地局100は、切り換え後の非直交多元接続方式に関する情報を第2の下り周波数を用いて、又は切り換え後の直交多元接続方式に関する情報を第1の下り周波数を用いて端末200へ送信している。
そして、基地局100と端末200は、切り換え後の非直交多元接続方式を第2の下り周波数と第2の上り周波数を用いて、又は切り換え後の直交多元接続方式を第1の下り周波数と第1の上り周波数を用いて無線通信を行うようにしている。
また、実施例5−2によれば、例えば、以下のような動作が行われる。すなわち、基地局100は、直交多元接続方式を用いる基地局100から非直交多元接続方式を用いる他の基地局100−1へ、又は非直交多元接続方式を用いる基地局100−1から直交多元接続方式を用いる他の基地局100−1へ接続を切り換えるようにしている。
さらに、実施例5−3によれば、例えば、以下のような動作が行われる。すなわち、基地局100は、第1の上り周波数と第1の下り周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100から、第2の上り周波数と第2の下り周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う他の基地局100−1へ切り換えを行うようにしている。また、基地局100−1は、第2の上り周波数と第2の下り周波数を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行う他の基地局装置100−1から、第1の上り周波数と第1の下り周波数を用いて直交多元接続方式により無線通信を行う基地局100へ接続を切り換えている。
そして、切り換え後の非直交多元接続方式を第2の下り周波数を用いて、又は切り換え後の直交多元接続方式を第1の下り周波数を用いて端末200へ送信する。
このような切り換え後の無線通信は、基地局100においては、例えば、無線回線制御部110、アンテナ101、受信無線部105、受信非直交及び直交多元接続処理部130、送信非直交及び直交多元接続処理部131、及び送信無線部116で行われる。
また、このような切り換え後の無線通信は、端末200においては、例えば、無線回線制御部214、アンテナ201、受信無線部205、受信非直交及び直交多元接続処理部230、送信非直交及び直交多元接続処理部231、送信無線部22で行われる。
従って、端末200は多元接続方式が異なる周波数又は基地局100にハンドオーバすることが可能になる。よって、端末200が直交多元接続方式と非直交多元接続方式に対応する場合、直交多元接続方式に対応する基地局100−1は非直交多元接続方式に対応する基地局100−2や、非直交多元接続方式に対応する周波数へハンドオーバを行わせることが可能となる。よって、基地局100−1では、非直交多元接続方式に対応することができなくても、非直交多元接続方式に対応する基地局100−2へ端末200を適切にハンドオーバさせて、当該基地局100−2において端末200に対して適切に無線通信を行わせることが可能となる。
また、基地局100−1では非直交多元接続方式に対応できない場合、端末200は何度も非直交多元接続方式による無線回線の設定を行うような事態を防止でき、このような場合と比較して、処理速度の向上、更には、伝送速度(スループット)の向上を図ることができる。
<6.実施例6 キャリアアグリゲーション>
次に、実施例6について説明する。本実施例6では、LTE Release 10から導入されたCAの適用について説明する。なお、CAでは周波数帯域をCC(Component Carrier)と称する場合がある。1つ1つのCCは、上り方向と下り方向で同一のCCが用いられても良いし、異なるCCが用いられても良い。また、第1のCCと第2のCCは、連続した周波数で構成されてもよいし、連続していなくてもよい。さらに、第1のCCは第1の周波数帯(例えば800MHz帯)、第2のCCは第2の周波数帯(例えば2.5GHz帯)に属しても良い。さらに、第1及び第2のCCはともに第1の周波数帯に属しても良い。
CCは1つの独立した無線通信システムを構成できることから、OFDMAにおいて複数のサブキャリアをまとめた単位(例えば、RB(Resource Block)やクラスタなどと称される場合がある)とは異なるものとなっている。
例えば、基地局100では、CCを追加していくことで複数のCCを用いることができ、このような複数のCCを用いて同時に端末200と無線通信を行う。この場合、基地局100と端末200は、第1の周波数帯域で制御情報を伝送し、第2の周波数帯域でユーザデータを送信するようにしてもよい。
実施例6においては、非直交多元接続方式に対応したCCや直交多元接続方式に対応したCCを追加する例について説明する。具体的には、実施例6−1において、直交多元接続方式のCCに、同一基地局100の非直交多元接続方式のCCを追加する動作例について説明する。また、実施例6−2において、非直交多元接続方式のCCに、同一基地局100の直交多元接続方式のCCを追加する場合の動作例について説明する。更に、実施例6−3において、直交多元接続方式のCCに、異なる基地局の直交多元接続方式のCCを追加する場合の動作例について説明する。
<6.1 実施例6−1 直交多元接続方式のCCに、同一基地局の非直交多元接続方式のCCを追加する>
実施例6−1は、直交多元接続方式のCCに、同一の基地局100の非直交多元接続方式のCCを追加する場合の動作例である。
例えば、実施例6−1の無線通信システム10の構成例を図102、基地局100の構成例を図46と図70、端末200の構成例を図58と図71にそれぞれ示す。また、セルと周波数、及び基地局100との関係例を図106に示す。
図102に示すように、基地局100は端末200(UE3)と第1の周波数帯域(又は第1の周波数、或いは第1のセル)を用いて直交多元接続方式により無線通信を行っている。この場合、例えば、第1の周波数帯域がプライマリセル(PCell(Primary Cell):主帯域又は特定帯域などと称される場合もある)となる。その後、基地局100は、非直交多元接続方式で用いられる第2の周波数帯域(又は第2の周波数、或いは第2のセル))を追加する。この場合、例えば、第2の周波数帯域がセカンダリセル(SCell(Secondary Cell):副帯域又は拡張帯域などと称される場合がある)となる。基地局100と端末200は、第1及び第2の周波数帯域を用いて同時に無線通信を行うことができる。
図106は、実施例6−1で用いるセル、周波数、及び基地局の関係例を示す図である。基地局100−1(eNB1)は「Cell 1」から「Cell 4」までの4つのセルを有し、周波数が「f1」の「Cell 1」は直交多元接続方式(「Orthogonal」)に対応しており、PCellとして設定されている。また、周波数が「f2」の「Cell 2」は非直交多元接続方式(「Non−orthgonal」)に対応しており、SCellとして設定される。
以下では、図106に示すように、直交多元接続方式において用いられる周波数「f1」に対して、非直交多元接続方式として用いられる周波数「f2」を追加する動作例について説明する。
図104と図105は実施例6−1の動作例を示すシーケンス図である。実施例4などと同様に、端末200は、直交多元接続方式を用いた基地局(又はセル、或いは周波数、以下、「基地局」、「セル」、及び「周波数」を同じ意味で用いる場合がある)に対する無線回線品質を測定し、最も無線回線品質の良い基地局100を選択する。例えば、図106の例では、端末200は「Cell 1」、「Cell 3」、「Cell 6」、「Cell 7」、「Cell 8」の無線回線品質を測定し、最も無線回線品質の良い基地局として基地局100(eNB 1)のセル1(「Cell 1」)が選択される。端末200は、直交多元接続方式を用いた基地局100のセル1と無線回線設定を行う(S10)。この場合、基地局100と端末200は、ランダムアクセス手続きを行い、無線回線設定を行った基地局100のセル1(f1)を第1のセル(PCell)とする。以後、第1のセルをPCellとして説明する。PCellは、直交多元接続方式に対応したセルとなっている。
例えば、基地局100の無線回線制御部110は、無線回線設定(S10)により、セル1をPCellとして設定し、セル1がPCellであることをメモリに記憶する。
次に、端末200は基地局100から端末性能情報要求を受信すると(S11)、端末性能情報を基地局100へ送信する(S90)。端末性能情報には、端末200が非直交多元接続方式に対応していることを示す情報が含まれる。
次に、基地局100は、受信した端末性能情報に基づいて端末カテゴリを特定し(S91)、特定した端末カテゴリを端末200へ送信する(S13)。
次に、基地局100は、非直交多元接続使用可否制御を行い、受信した端末性能情報に基づいて端末200が非直交多元接続方式に対応しているか否かを確認する(S14)。基地局100は端末200が非直交多元接続方式に対応していることを確認したときは、非直交多元接続使用通知を端末200へ送信する(S15)。実施例6−1では端末200は非直交多元接続方式に対応しているものとする。
端末200は非直交多元接続使用通知を受信すると、非直交多元接続方式への対応設定を行う(S140)。
次に、基地局100の各セルはパイロット信号を送信し(S220,S221)、端末200はパイロット信号に基づいて無線回線品質を測定する(S222)。
この場合、端末200は、接続している基地局100のセル(Cell 1)以外の直交多元接続方式を用いたセルと非直交多元接続方式を用いたセルの無線回線品質を測定する。例えば、端末200は、接続中の基地局100の周波数「f1」以外の直交多元接続方式のセル(例えば「Cell 3」(f3))、及び接続中の基地局100以外の基地局(eNB2,eNB3)の直交多元接続方式に対応したセル(例えば、eNB2のCell 6(f3)、eNB3のCell 7(f2)、eNB3のCell 8(f3))の無線回線品質を測定する。更に、端末200は非直交多元接続方式に対応したセル(eNB1のCell 2(f2)、eNB1のCell 4、eNB2のCell 5(f2)、eNB4のCell 9、eNB4のCell 10)に対しても同様に無線回線品質を測定する。
なお、接続中の基地局100は、制御信号によって、どのセルに対する無線回線品質を測定するかを指示又は要求することができ、端末200は制御信号に含まれる当該指示に従って、セルに対する無線回線品質を測定できる。ただし、端末200は接続中の基地局100のセル(Cell 1)に対する無線回線品質を測定してもよい。また、無線回線品質の測定は、基地局100から通知された測定周期に従って測定しても良いし、測定周期ではないタイミングで基地局100からの測定要求に従って随時測定してもよい。このような無線回線品質測定に関することは、本実施例6−1だけでなく、他の実施例も同様である。
次に、端末200は、測定した無線回線品質を無線回線品質情報として基地局100へ送信する(S223)。
なお、基地局100や端末200では、無線回線品質情報を受信した場合(S223)や無線回線品質測定の場合(S252)に、新たに周波数帯域を追加することを判断してもよい。例えば、以下のような処理が行われる。
すなわち、基地局100と端末200の無線回線制御部110,214は、データの伝送速度を測定する。具体的は、基地局100の無線回線制御部110は、送信非直交及び直交多元接続処理部131から出力されるデータについて単位時間あたりの出力データ量を測定することで伝送速度を測定してもよい。端末200の無線回線制御部214についても、送信非直交及び直交多元接続処理部231から出力されるデータについて単位時間あたりの出力データ量を測定してもよい。或いは、無線回線制御部110,214は、ACK信号の受信に基づいて、送信データが正しく届いたときの伝送速度を測定するようにしてもよい。無線回線制御部110,214は、測定した伝送速度が閾値よりも低いとき、基地局100(又はCell 1)と端末200との間の無線回線だけでは所定の伝送速度を満たせないと判断して、新たに周波数帯域を追加することを判断する。この場合、無線回線制御部110,214は、新たに追加したサービスの伝送速度や送信データなどの最大遅延など、他の条件に基づいて新たな周波数帯域を追加することを判断してもよい。
基地局100は、端末200から無線回線品質情報を受信すると(S223)、セル選択を行う(S224)。
本実施例6−1では、基地局100は同一基地局100の異なるセル(又は周波数)を無線回線品質のうち、最も無線回線品質が良い(又は高い)セル(又は周波数)を追加するセルとして選択する。端末200が直交多元接続方式に対応し非直交多元接続方式に対応していないときは、基地局100は直交多元接続方式に対応したセル(又は周波数)を追加するセルとして選択する。端末200が双方の多元接続方式に対応しているときは、基地局100は、双方の多元接続方式に対応したセル(又は周波数)を追加するセルとして選択する。なお、接続中のセルの周波数と同一の周波数であっても非直交多元接続方式のセルであれば、基地局100は当該セルを追加することも可能な場合もある。上述したように、非直交多元接続方式に対応していれば、直交多元接続方式にも対応可能な場合もあるからである。基地局100は、同一周波数以外の周波数のセルを選択してもよい。
この場合、基地局100は、最も無線回線品質が良いセル2(「Cell 2」)を追加するセルとして選択する。例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、無線回線制御部110(例えばセル選択制御部110b)は、無線回線品質情報抽出部108から各セルの無線回線品質情報を受け取り、その中から、無線回線品質の最も良い(又は高い)セル2を選択する。無線回線制御部110は、選択したセル2をSCellとして設定し、セル2をSCellとして設定したことをメモリに記憶する。メモリには、セル1がPCell、セル2がSCellであることが記憶される。そして、無線回線制御部110は、制御信号作成部112に対して、セル2がSCellであることを通知し、セル2がSCellであることを示す制御信号の作成を指示する。制御信号作成部112は、セル2がSCellであることを示す制御信号を作成して端末200へ送信する。なお、この制御信号については、例えば、システム情報とともに通知されてもよいし(S227)、CA設定の際(S228)に通知されてもよいし、別途制御信号として通知されてもよい。
次に、基地局100のセル1は、セル2に対してシステム情報を要求する(S225)。なお、同一の基地局100における処理であるため、セル1に対応する無線回線制御部110とセル2に対応する無線回線制御部110は同一ではあるが、本実施例6−1では異なるものとして説明する。例えば、セル1に対応する無線回線制御部110は、セル2に対応する無線回線制御部110に対して、セル2に関するシステム情報(ランダムアクセスを行うためのランダムアクセスプリアンブル(衝突の可能性のあるランダムアクセスプリアンブル又は衝突の可能性の生じない個別ランダムアクセスプリアンブル)を含んでもよい)を要求する。
基地局100のセル2は、システム情報要求を受信すると、システム情報をセル1へ出力する(S226)。例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、セル2に対応する無線回線制御部110は、システム情報管理部111からシステム情報を読み出す。またセル2に対応する無線回線制御部110は、ランダムアクセスで使用する(衝突の生じない)個別プリアンブル又は(衝突の可能性のある)プリアンブルの組を確認する。セル2に対応する無線回線制御部110は、システム情報を、セル1に対応する無線回線制御部110へ出力する。
基地局100のセル1は、セル2からシステム情報を受け取ると(S226)、受け取ったシステム情報を端末200へ送信する(S227)。例えば、セル1に対応する無線回線制御部110は、セル2に対応する無線回線制御部110からシステム情報を受け取ると、受け取ったシステム情報を制御信号作成部112へ出力し、制御信号の作成を指示する。これにより、システム情報が制御信号として端末200へ送信される。例えば、無線回線制御部110はシステム情報をシステム情報作成部114へ出力し、システム情報作成部114からシステム情報が端末200へ送信されるようにしてもよい。
端末200はシステム情報を受信すると(S227)、システム情報やセル2がSCellであることの通知に基づいて、セル2との間でランダムアクセス手続きを実行する(S228)。ランダムアクセス手続きとしては、個別プリアンブルを用いたNon−contention based random access又は衝突の生じる可能性のあるプリアンブルを用いたcontention based random accessであってもよい。例えば、このようなランダムアクセス手続きなどによって、セル1(周波数1)をPCellとしている場合に、基地局100と端末200はセル2(周波数f2)をSCellとして追加することができる。これにより、端末200においても、セル2がSCellとして追加されたことを把握でき、PCell(セル1(f1))とSCell(セル2(f2))とを用いて同時に無線通信を行うことが可能となる。
以降は、送信電力制御(図105のS230からS235)と無線回線品質の測定(S236からS239)が行われる。
この場合、直交多元接続方式を用いるセル1においては、端末200において測定した無線回線品質(S237)や基地局100において測定した無線回線品質(S240)に基づいてスケジューリングが行われてもよい。また、非直交多元接続方式を用いるセル2においては、端末200が測定した送信電力値(S231)や基地局100において測定した送信電力値(S234)に基づいてスケジューリングが行われても良い(S241)。或いは、送信電力値と無線回線品質の双方に基づいて、セル1とセル2のスケジューリングが行われても良い(S241)。
基地局100のセル2と端末200は、スケジューリング結果に従って、データを送信したり、受信したりする(S242からS244)。
以上により、直交多元接続方式を用いたPCellに非直交多元接続方式を用いたセルをSCellとして追加することが可能となる。
なお、図104に示す動作例は、基地局100において端末カテゴリを特定する場合の動作例である。実施例1などで説明したように、端末200において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。
<6.2 実施例6−2 非直交多元接続方式のCCに、同一の基地局の直交多元接続方式のCCを追加する>
次に、実施例6−2について説明する。実施例6−2は、非直交多元接続方式のCCに、同一基地局100の直交多元接続方式のCCを追加する動作例である。
例えば、実施例6−2の無線通信システム10の構成例を図102、基地局100の構成例を図46と図70、端末200の構成例を図58と図71にそれぞれ示す。また、セルと周波数、及び基地局100との関係例を図109に示す。
図102に示すように、基地局100は端末200と第2の周波数帯域(又は第2の周波数、或いは第2のセル)を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行っている。この場合、例えば、第2の周波数帯域がプライマリセル(PCell)となる。その後、基地局100は、直交多元接続方式で用いられる第1の周波数帯域(又は第1の周波数、或いは第1のセル))を追加する。この場合、例えば、第1の周波数帯域がセカンダリセル(SCell)となる。基地局100と端末200は、第1及び第2の周波数帯域を用いて同時に無線通信を行うことができる。
図109は、実施例6−1で用いるセル、周波数、及び基地局の関係例を示す図である。図109においては、周波数「f2」のセル2(「Cell 2」)が非直交多元接続方式に対応し、PCellとして設定されている。これに対して、周波数「f3」のセル3(「Cell 3」)が直交多元接続方式に対応し、SCellとして追加されている。
以下では、図109に示すように、非直交多元接続方式において用いられる周波数「f2」に対して、直交多元接続方式として用いられる周波数「f3」を追加する動作例について説明する。
図107と図108は実施例6−2の動作例を表すシーケンス図である。実施例6−2の動作例は、例えば以下の場合を除き、実施例6−1の動作例(例えば、図104と図105)とほぼ同様である。すなわち、本実施例6−2では、端末200は非直交多元接続方式を用いた基地局100のセル2(f2)に対して無線回線を設定する(S10)。また、基地局100のセル2は、無線回線品質に基づいて、直交多元接続方式に対応したセル3(f3)を選択する(S254)。さらに、基地局100のセル3は、端末200との間で無線回線品質の測定と送信電力制御とを行う(図108のS280からS290)。
以上により、非直交多元接続方式を用いたPCellに直交多元接続方式を用いたセルをSCellとして追加することが可能となる。
なお、図107と図108に示す動作例は基地局100において端末カテゴリを特定する動作例である。実施例1などで説明したように、端末200において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。
<6.3 実施例6−3 直交多元接続方式のCCに、異なる基地局の非直交多元接続方式のCCを追加する>
次に、実施例6−3について説明する。実施例6−3は、直交多元接続方式のCCに、異なる基地局100−2の非直交多元接続方式のCCを追加する動作例である。
例えば、実施例6−3の無線通信システム10の構成例を図103、基地局100の構成例を図46と図70、端末200の構成例を図58と図71にそれぞれ示す。また、セルと周波数、及び基地局100との関係例を図112に示す。
図103に示すように、基地局100−1は端末200と第1の周波数帯域(又は第1の周波数、或いは第1のセル)を用いて直交多元接続方式により無線通信を行っている。この場合、例えば、第1の周波数帯域がプライマリセル(PCell)となる。その後、基地局100−2は、非直交多元接続方式により無線通信を行う場合であって当該非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数帯域(又は第2の周波数、或いは第2のセル)を追加する。この場合、例えば、第2の周波数帯域がセカンダリセル(SCell)となる。基地局100と端末200は、第1及び第2の周波数帯域を用いて2つの基地局100−1,100−2と同時に無線通信を行うことができる。
図112は、実施例6−3で用いるセル、周波数、及び基地局の関係例を示す図である。図112においては、周波数「f1」の基地局100−1(eNB1)のセル1(「Cell 1」)が直交多元接続方式に対応しており、PCellとして設定されている。これに対して、周波数「f2」の基地局100−2(eNB2)のセル5(「Cell 5」)が非直交多元接続方式に対応しており、SCellとして追加される。
以下では、図112に示すように、基地局100−1において直交多元接続方式として用いられる周波数「f1」(セル1)に対して、基地局100−2において非直交多元接続方式として用いられる周波数「f2」(セル5)を追加する場合の動作例について説明する。
図110と図111は、実施例6−3の動作例を表すシーケンス図である。このシーケンス図も、例えば、以下の場合を除き、実施例6−1のシーケンス図(例えば、図104と図105)とほぼ同様である。
すなわち、直交多元接続方式に対応する基地局100−1のセル1は、セル選択の際に(S314)、非直交多元接続方式に対応する基地局100−2のセル5を選択する。そして、物理的に異なる基地局となっている2つの基地局100−1,100−2間でシステム情報の要求と送信が行われる(S315,S316)。
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、基地局100−1の無線回線制御部110は、システム情報管理部111を介して、基地局100−2に対してシステム情報要求を送信する。また、基地局100−2の無線回線制御部110は、システム情報管理部111を介して、システム情報要求を受信し、セル5のシステム情報などを、システム情報管理部111を介して基地局100−1へ送信する。基地局100−1の無線回線制御部110はシステム情報管理部111を介してセル5のシステム情報を受信し、システム情報又は制御信号などとして端末200へ送信する(S317)。
また、端末200は、非直交多元接続方式で無線通信を行う基地局100−2のセル5との間でランダムアクセス手続きなどを行う(S318)。さらに、基地局100−2のセル5は端末200との間で、送信電力値と無線回線品質の測定を行う(図111のS230からS240)。
以上により、直交多元接続方式を用いたPCellに異なる基地局100−2において非直交多元接続方式を用いたセルをSCellとして追加することが可能となる。
なお、図110と図111に示す動作例は基地局100において端末カテゴリを特定する動作例である。実施例1などで説明したように、端末200において端末カテゴリを特定するようにしてもよい。
<6.4 実施例6の効果>
実施例6−1と実施例6−2によれば、例えば、以下のような動作が行われる。すなわち、基地局100は、第1の周波数帯域を用いて直交多元接続方式により無線通信を行い、第2の周波数帯域を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行い、直交多元接続方式において用いられる第1の周波数に対して非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数を追加する。また、基地局100は、非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数に対して直交多元接続方式において用いられる前記第1の周波数を追加する。基地局100は、前記第1及び第2の周波数を同時に用いて無線通信を行うよう制御する。
また、実施例6−3によれば、例えば、以下のような動作が行われる。すなわち、基地局100−1は、第1の周波数帯域を用いて直交多元接続方式により又は第2の周波数帯域を用いて非直交多元接続方式により無線通信を行い、基地局100−1が直交多元接続方式により無線通信を行う場合であって当該直交多元接続方式において用いられる第1の周波数に対して、他の基地局100−2が非直交多元接続方式により無線通信を行う場合であって当該非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数を追加する。また、基地局100−1は、基地局装100−1が非直交多元接続方式により無線通信を行う場合であって当該非直交多元接続方式において用いられる第2の周波数に対して、他の基地局装置100−1が直交多元接続方式により無線通信を行う場合であって当該直交多元接続方式において用いられる第1の周波数を追加する。基地局100−1は、基地局100−1と他の基地局100−2が第1及び第2の周波数を同時に用いて端末200と無線通信を行うよう制御する。
これにより、例えば、実施例6では非直交多元接続方式や直交多元接続方式に対応するCCを追加することができる。このような追加によって、基地局100と端末200は複数のCCを用いて同時に無線通信を行うことができ、このようなCCを追加しない場合と比較して、伝送速度の高速化を図ることができる。
この場合、基地局100では、端末カテゴリや端末性能情報に基づいて、端末200が非直交多元接続方式に対応するのか否か、或いは端末200が直交多元接続方式に対応するのか否か、などを確認することができる(例えば図104のS91やS14など)。これにより、例えば、基地局100は非直交多元接続方式に対応していない端末200に対して、非直交多元接続方式に対応するCCを追加するなどの事態を防止することができ、適切に無線通信を行うことが可能となる。この場合、基地局100は、非直交多元接続方式に対応していない端末200に対して何度の非直交多元接続方式に対応するCCを追加する処理などを繰り返すこともなくなり、結果的にスループットの向上を図ることができる。
また、基地局100では、端末カテゴリや端末性能情報に基づいて、直交多元接続方式を用いたCCだけではなく、非直交多元接続方式を用いたCCも追加候補とすることができる。これにより、直交多元接続方式のCCだけ追加可能な場合と比較して、追加の可能性が高くなり、結果として伝送速度の改善を図ることができる。
[その他の実施の形態]
図113は基地局100、図114は端末200のハードウェア構成例を表す図である。基地局100は、アンテナ101、ROM(Read Only Memory)140、RAM(Random Access Memory)141、CPU(Central Processing Unit)142、DSP(Digital Signal Processing)143、メモリ144、及び無線処理部145を備える。
CPU142は、ROM140に記憶されたプログラムを読み出してRAM141にロードし、ロードしたプログラムを実行する。これにより、例えば、CPU142は、制御部103、端末カテゴリ情報抽出部107(107−1,107−2)、無線回線品質情報抽出部108(108−1,108−2)、制御信号抽出部109(109−1,109−2)、制御信号作成部112(112−1,112−2)、パイロット作成部113(113−1,113−2)、システム情報作成部114(114−1,114−2)、端末性能情報抽出部118の機能を実現する。CPU142は、例えば、第2の実施の形態における、制御部103、端末カテゴリ情報抽出部107(107−1,107−2)、無線回線品質情報抽出部108(108−1,108−2)、制御信号抽出部109(109−1,109−2)、制御信号作成部112(112−1,112−2)、パイロット作成部113(113−1,113−2)、システム情報作成部114(114−1,114−2)、端末性能情報抽出部118に対応する。
DSP143は、CPU142からの指示に従って、例えば、受信直交多元接続処理部106、送信直交多元接続処理部115、受信非直交多元接続処理部121、送信非直交多元接続処理部123の各機能を実現する。また、DSP143は、例えば、受信非直交及び直交多元接続処理部130、送信非直交及び直交多元接続処理部131の機能を実現する。
従って、DSP143は、例えば、第2の実施の形態における、受信直交多元接続処理部106、送信直交多元接続処理部115、受信非直交多元接続処理部121、送信非直交多元接続処理部123に対応する。また、DSP143は、例えば、第2の実施の形態における、受信非直交及び直交多元接続処理部130、送信非直交及び直交多元接続処理部131に対応する。
また、メモリ144は、例えば、第2の実施の形態におけるシステム情報管理部111に対応する。更に、無線処理部145は、例えば、第2の実施の形態における、受信無線部105(105−1,105−2)、送信無線部116(116−1,116−2)に対応する。
端末200は、アンテナ201、ROM240、RAM241、CPU242、DSP243、メモリ244、及び無線処理部245を備える。
CPU242は、ROM240に記憶されたプログラムを読み出して、RAM241にロードし、ロードしたプログラムを実行する。これにより、例えば、CPU242は、制御部203、システム情報抽出部207(207−1,207−2)、制御信号抽出部208(208−1,208−2)、パイロット抽出部209(209−1,209−2)、無線回線品質測定部210(210−1,210−2)の機能を実現する。また、例えば、CPU242は、無線回線品質情報作成部217(217−1,217−2)、制御信号作成部218(218−1,218−2)、端末カテゴリ情報作成部219(219−1,219−2)、パイロット作成部220(220−1,220−2)の機能を実現する。
従って、CPU242は、例えば、第2の実施の形態における、制御部203、システム情報抽出部207(207−1,207−2)、制御信号抽出部208(208−1,208−2)、パイロット抽出部209(209−1,209−2)、無線回線品質測定部210(210−1,210−2)に対応する。また、CPU242は、例えば、第2の実施の形態における、無線回線品質情報作成部217(217−1,217−2)、制御信号作成部218(218−1,218−2)、端末カテゴリ情報作成部219(219−1,219−2)、パイロット作成部220(220−1,220−2)に対応する。
また、メモリ244は、例えば、第2の実施の形態における、システム情報記憶部216、端末性能情報記憶部212に対応する。更に、無線処理部245は、例えば、第2の実施の形態における、受信無線部205(205−1,205−2)、送信無線部222(222−1,222−2)に対応する。
図113に示す基地局100と図114に示す端末200において、例えば、CPU142,242に代えて、MPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサやコントローラであってもよい。また、DSP143,243に代えてFPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよい。更に、ROM140、RAM141、CPU142、メモリ144、及びDSP143は、これらが1つの回路に集積された集積回路であってもよい。ROM240、RAM241、CPU242、メモリ244、及びDSP243は、これらが1つの回路に集積された集積回路であってもよい。