JPWO2016059717A1 - 炭化水素系燃料の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

炭化水素系燃料の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

キャビテーションを利用して石油と水とを反応させることによって、特にその石油としては重油を用いて、優れた炭化水素系燃料を低コストで連続的に製造するものであり、製造装置40は、重油供給源から供給された重油を圧送するポンプ41と、ポンプ41から圧送されてきた重油にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置1とを直列させた第1の輸送路42と、水供給源から供給された水を圧送するポンプ43と、ポンプ43から圧送されてきた水にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置1とを直列させた第2の輸送路44と、第1、第2の輸送路41、43が集合された流体混合部45と、流体混合部45で混合された流体を圧送するポンプ46と、ポンプ46から圧送されてきた混合流体にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置1とを直列させた第3の輸送路47とからなる。

Description

本発明は、石油、特に重油と水とを原料として良質な炭化水素系燃料を製造するための製造方法及びその製造装置に関するものである。
従来、石油燃料のコストを抑えるため、石油と水とを原料としてエマルジョン燃料を製造し、それを燃焼させる方法が知られている。この場合、エマルジョン燃料から石油分と水分とが分離することが問題となるが、この分離を抑えるために乳化剤の添加等が行われていた。そのような乳化剤を用いずにより安定したエマルジョン燃料を製造する方法として、次の特許文献1には、水と石油との一次混合物を0.1〜3ミリの小孔を有したオリフィスに圧送してキャビテーションを発生させ、それによって粒径が0.5〜60μmで安定性に優れたエマルジョン燃料が得られることを教示している。
また特許文献2には、石油と水を、改質装置を使用して石油内の炭素粒子及び水の粒子を極限まで超微粒子化させた後、水を分解する添加剤を加えて石油と水を撹拌しながらナノミキサーにて炭素と水素及び酸素を結合させることにより、燃料内に水の存在しない全く新しい形状の燃料にすることを教示している。ただし、このような処理を行うための装置は、水をイオン化するためのレアアースを含むセラミックが詰められかつ水に共振する周波数の波動発生電子装置等を内蔵した水処理装置、石油に含まれる炭素粒子を微粒子化するために磁力波を高周波で回転照射する石油処理装置、ナノミキサー等を要し、非常な複雑である。
特開2010−25382号公報 特開2012−184387号公報
ところでキャビテーションについては、流体分子の熱分解を生じさせる作用があることが知られている。しかし特許文献1の方法では、キャビテーションの作用を流体の微粒子化程度にしか利用していないようである。その理由としてはキャビテーション発生装置の能力が低いことが考えられる。また引用文献2の方法では、元の石油とは異なる炭化水素系燃料が得られるが、その製造装置の仕組みが複雑なため製造コストがかさむ等の問題がある。
そこで本発明は、キャビテーションを利用して石油と水とを反応させることによって、特にその石油としては重油を用いて、優れた炭化水素系燃料を低コストで製造できる製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
本発明による炭化水素系燃料の製造方法は、重油にキャビテーションを生じさてナノバブルを含んだ第1の流体とし、水にキャビテーションを生じさせてナノバブルを含んだ第2の流体とし、これらの第1、第2の流体を混合させた混合流体にキャビテーションを生じさせることで重油分解性組成物を含んだ炭化水素系燃料を製造することを特徴とする。
また本発明による炭化水素系燃料の製造装置は、重油供給源から供給された重油を圧送するポンプと、このポンプから圧送されてきた重油にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置とを直列させた第1の輸送路と、水供給源から供給された水を圧送するポンプと、このポンプから圧送されてきた水にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置とを直列させた第2の輸送路と、前記第1、第2の輸送路が集合された流体混合部と、前記流体混合部で混合された流体を圧送するポンプと、このポンプから圧送されてきた混合流体にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置とを直列させた第3の輸送路とからなることを特徴とする。
本発明による炭化水素系燃料の製造方法及びその製造装置では、各輸送路において重油、水及び混合流体にそれぞれキャビテーションを生じさせるという簡単な仕組みによって、優れた炭化水素系燃料を低コストで連続的に製造できる。
本発明に係るキャビテーション発生具の一例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)としている。 本発明に係るキャビテーション発生具の他例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)としている。 本発明に係るキャビテーション発生具の更なる他例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)としている。 本発明に係るキャビテーション発生具の更なる他例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)としている。 本発明に係るキャビテーション発生装置の一例であり、図はその縦断面図としている。 本発明に係るキャビテーション発生装置の他例であり、図はその縦断面図としている。 本発明に係る石油処理装置の一例であり、図はその基本構成図である。 本発明に係る製造装置によってC重油と水とを処理して得られた炭化水素燃料の総熱量、成分分析の結果を示す表である。 本発明に係る石油処理装置の他例であり、図はその基本構成図である。
本発明に係る炭化水素系燃料の製造方法は、重油にキャビテーションを生じさてナノバブルを含んだ第1の流体とし、水にキャビテーションを生じさせてナノバブルを含んだ第2の流体とし、これらの第1、第2の流体を混合させた混合流体にキャビテーションを生じさせることで重油分解性組成物を含んだ炭化水素系燃料を製造することを特徴とするものである。
重油は、原油から各種石油製品を精製したあとの残滓油であり、各種炭化水素を含むが、硫黄分等も若干含んでいる。また重油は、その動粘度によって、A、B及びC重油に分類されるが、本製造方法は、どのような重油の種別に対しても適用できる。ただし実験の結果からはC重油に対して良好な結果が得られている。また本発明の思想は、重油に限られず他の石油類にも同様に応用できる。
本製造方法では、重油、水、混合流体のキャビテーションは、それぞれの輸送路内で流通を規制することで生じさせる。具体的には、これらの流体にキャビテーションを発生させるために、次のような構成としたキャビテーション発生装置を用いる。
すなわち本製造法に用いるキャビテーション発生装置は、流体の流通孔が貫通形成され、この流通孔に流通規制部が形成されているキャビテーション発生具と、キャビテーション発生具を流体の輸送路に介装させて保持する保持部とからなる。
キャビテーション発生具の流通規制部は、要するに絞り構造であり、圧送されてきた流体がその部分を通過する際に加速されて流体の圧力が飽和蒸気圧よりも低くなったときにキャビテーションが生じる。キャビテーションの発生具合は、粘度、蒸気圧、表面張力等の流体の性質、流体の静圧、速度等の環境条件によって左右されるから、流通規制部の最適形状は一概に云えるものではない。ただし流通路に対する流通規制部の絞り具合は、流体を加圧送出するポンプの能力等を勘案して過大な圧力損失が生じないように狭過ぎず、かつ加速効果によって流体の飽和蒸気圧よりも低圧が得られるように広過ぎないよう慎重に選択する必要がある。また流通規制部の形状も圧力損失を抑えやすいものとすべきである。
キャビテーション発生具の素材は特に制限されず、各種合金、合成樹脂、ガラス類、セラミック類によって形成できる。ただしキャビテーションによって反応性の高い物質が生成されたり、衝撃波が生じたりすることから、化学的に安定であり、かつ強度にも優れた素材、例えばアルミナやジルコニウム等の一体の焼結体としてキャビテーション発生具を形成すれば、耐久性に優れたものが得られる。
以下、実験等によってその有効性が確認できた流通規制部の具体例のいくつかを説明する。
図1はキャビテーション発生具の第1の例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)に示している。キャビテーション発生具10Aは全体として円柱状であり、その中心軸部分に流通孔11が貫通して形成されている。キャビテーション発生具10Aの外径は、一般に市販されている金属管又は樹脂管の規格に合わせておくと後述のような保持具の製作が容易になる。なおキャビテーション発生具10Aはこのような円柱状とせず、角柱状としてもよい。流通規制部12としては、流通孔11の周壁面を螺旋状に周回する突条12aが形成されている。突条12aは、周壁面を概ね2〜3周している。突条12aは、厚みと間隔がほぼ同一であり、突条12aの高さは厚みのほぼ2倍としている。
また、キャビテーション発生具10Aに対して流体の流通方向が規定されており、流通方向の上流側端面、下流側端面に嵌合構造13が形成されている。具体的には、図1(b)、(c)において流通方向は下から上に向かう方向と規定しており、流通方向の上流側端面(図中下側)はその中央部が周縁部よりも後退した凹構造とされ、下流側端面(図中上側)はその中央部が周縁部よりも前進した凸構造(図示なし)とされている。そのため流通方向を揃えて複数のキャビテーション発生具10Aを重ねると、隣接し合うキャビテーション発生具10A間で上流側の凸構造が下流側の凹構造に嵌合する。よって複数のキャビテーション発生具10Aを位置ずれなく安定的に連結させることが可能になる。なお、突条12aの周回数、突条12aの厚み、間隔、高さ等は適宜変更できる。
図2はキャビテーション発生具の第2の例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)に示している。キャビテーション発生具10Bは第1の例と同径かつ若干縦長の円柱状であり、その中心軸部分に流通孔11が貫通して形成されている。流通規制部12としては、漏斗状の小孔12bを設けた隔壁12cが形成されている。小孔12bは、流通方向の上流側端面で最大径とされ下流側端面で最小径になるように形成されている。なおキャビテーション発生具10Bに対して流体の流通方向が規定される点、及び上流側端面、下流側端面に嵌合構造13が形成されている点は、第1の例と同様である。
図3はキャビテーション発生具の第3の例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)に示している。キャビテーション発生具10Cは第1の例と同径かつ若干縦長の円柱状であり、その中心軸部分に流通孔11が貫通して形成されている。流通規構造12としては、流通孔11の中心を軸とする風車状体12dが形成されている。風車状体12dは3葉であり、葉12jはいずれも矩形とされ、それらの先端が流通孔11の周壁面に結合されている。葉12jの形状や枚数は適宜変更できる。風車状体12dの中心部には、上流側方向及び下流側方向に突出した円柱形の軸部12eが設けられている。なおキャビテーション発生具10Cに対して流体の流通方向が規定される点、及び上流側端面、下流側端面に嵌合構造13が形成されている点は、第1の例と同様である。
図4はキャビテーション発生具の第4の例であり、その平面図、斜視図を(a)、(b)に示している。キャビテーション発生具10Dは第1の例と同径かつ若干縦長の円柱状であり、その中心軸部分に流通孔11が貫通して形成されている。流通規制部12としては、流通孔11の周壁面に複数の釘状体12gが周設されている。釘状体12gはいずれも、頭部12hの広がり、軸部12iの断面積が流通方向を長軸とした楕円形である。軸部12iの長さが異なる2種類の釘状体12gが交互に6本周設されており、そのいずれも頭部12hを流通孔11の中心方向に向けている。釘状体12gの形状や本数は適宜変更できる。なおキャビテーション発生具10Dに対して流体の流通方向が規定される点、及び上流側端面、下流側端面に嵌合構造13が形成されている点は、第1の例と同様である。
図1〜図4に4種類のキャビテーション発生具を示したが、いずれも単に流体の流通を規制するだけなく、流通規制部の独特な形状によって流体に渦流や乱流を生じるので、強力なキャビテーション発生能力を有する。またこれら4種類のキャビテーション発生具は、使用環境に合わせて、単独でも、同一種類のものを複数個組み合わせても、異種類のものを複数個組み合わせても使用することができる。異種類のキャビテーション発生具間でも、前記嵌合構造は嵌合可能にする。なおキャビテーション発生具を通じさせる流体の圧力、流速は特に制限されないが、前者を1〜100MP程度とし、後者を150m/min以上とすれば良好な効果が得られる。またキャビテーション発生具の流通孔の内径、全長も特に制限されないが、前者を10〜50mm程度とし、後者を5〜30mmとすれば良好な効果が得られる。
次いで前記のような構成とした複数個のキャビテーション発生具を連結させて保持する保持具の具体例を説明する。
図5は、保持具の第1の例であり、その縦断面図を示している。キャビテーション発生装置1は、複数のキャビテーション発生具10(10A〜10D)を、流通方向を揃えた状態として保持具20Aに収容させる。流通方向は、図5において下から上に向かう方向としている。保持具20Aは、キャビテーション発生具10に適合された内径を有する金属管21で形成されており、その両端には、上流側、下流側の配管30、30に連結させるためのフランジ22、22が設けられている。キャビテーション発生具10を円柱状としているので、一般に市販されている円筒状の管を加工して保持具20Aを簡単に製作できる。保持具20Aの全長は、使用するキャビテーション発生具10の個数に応じて決定すればよい。また収容したキャビテーション発生具10の脱落を防止するため、保持具20Aの下流側開口には小径部23が形成されている。キャビテーション発生具10が流体から受ける力を考慮すれば、小径部23は保持具20Aの下流側開口に設けるとよい。保持具20Aの上流側開口は、キャビテーション発生具10を収容させたあと、キャビテーション発生具10の脱落を防止するため、例えばビード溶接24等によって小径化してもよい。
図6は、保持具の第2の例であり、その縦断面図を示している。このキャビテーション発生装置1の基本構成は図5の例に共通するが、保持できるキャビテーション発生具10の個数はよりも多くしている。キャビテーション発生具10は、図5の例と同様に、流通方向を揃えた状態で保持具20Bに収容させる。保持具20Bの上流側開口は、キャビテーション発生具10を収容させたあと、キャビテーション発生具10の脱落を防止するため、樹脂リング25を圧入して小径化している。
なお図5、図6の例のいずれも、保持具の下流側開口に小径部を形成することでキャビテーション発生具の脱落を防止しているが、そのような小径部を形成せずにキャビテーション発生具を強固に保持する構成も可能である。
具体的には、保持具として、キャビテーション発生具の外径よりも僅かに小さい内径を有した金属管を用いる。金属管は、流体の輸送路を構成する配管をそのまま用いてもよい。そのような金属管にキャビテーション発生具を挿入するのは常温では困難であるが、金属管は加熱すれば膨張して内径も大きくなるので、キャビテーション発生具を挿入できるようになる。そうして、複数のキャビテーション発生具を挿入したあと、金属管を常温に戻せば、金属管は元の状態まで収縮してキャビテーション保持具を強固に保持した状態になる。
あるいは保持具として、キャビテーション発生具の外径よりも僅かに大きい内径を有した金属管又は樹脂管を用い、挿入したキャビテーション発生具を接着剤等で管の内壁面に固着させてもよい。
キャビテーション発生装置を前記のように、複数のキャビテーション発生具が多段連結された構成としたことで、次のような効果が得られる。すなわち、流通規制部の異なる複数種別のキャビテーション発生具を適宜選択して共通の保持部に組み合わせることができるから、形状が同一で能力を異ならせたキャビテーション発生装置を簡単に製造できる。更に、キャビテーション発生具は、化学的に安定かつ物理的な強固な素材で形成し、保持部はより安価な素材で形成することができるので、耐久性に優れかつ低コストなキャビテーション発生装置が提供できる。
図1〜図4に示したキャビテーション発生具は、どれも優れたキャビテーション発生能力を有するものであるが、その4種類のキャビテーション発生具を図5に示した順序で連結させた場合に、殊に強力なキャビテーション能力が得られる。またそのような順序の配列において、図6のようにキャビテーション発生具の個数を一部変更することにより、使用状況に更に適したものとすることができる。なお複数のキャビテーション発生具は、連結してもよいし、連成してもよい。
キャビテーション発生装置におけるキャビテーションバブルの発生、消滅は概ね次のような過程で進行すると考えられる。
流体がキャビテーション発生具の流通規制部の部分を通過する際に、その絞り効果として、流体が加速され、流体の圧力が飽和蒸気圧より低くなったときに、つまり沸騰条件となったときに、流体の蒸気からなるマイクロバブル(直径50μm以下)が生じる。このようなバブルは流体に存在していた極めて微小なバブルや異物等を核として生じることが多い。
そしてバブルが流通規制部の部分を抜けて更に下流側に移動すると流体の圧力が高くなってバブルは縮小し始め、そのためバブルに作用する表面張力も増すことになり、更にバブルが縮小される。バブルの内部は圧力が高くなって蒸気の溶解を促進することもバブルの縮小に寄与する。
更にバブルが下流側に移動して圧力が飽和蒸気圧を超えたある時点で、そのバブルは急激に崩壊(圧壊)し流体に吸収される。崩壊時のバブルの大きさが無限小であれば理屈上の表面張力は無限大となるが、実際にバブル崩壊時の圧力は数百気圧に達する。バブルの消失点ではそのような高圧の流体同士が衝突するため超音波や衝撃波が発生する。
またバブルは崩壊中に準断熱圧縮されることから、温度も数千度に達する。すなわち流通規制部の下流側近傍では、流体が常温であるにもかかわらず、非常に高エネルギーな場が局在することになり、そこでは流体分子の一部が熱分解される。またバブルの界面は帯電しており、その周囲に流体のイオンが集まった状態になっているが、バブルの崩壊時にはそのイオンが瞬間的に開放されることなり、そこからもエネルギーが生じる。
更に、マイクロバブルが崩壊する際には極めて微小なナノバブル(直径1μm未満)が生じるが、バルブのサイズが極めて小さい場合、その界面に集まるイオンのために蒸気の溶解が抑えられるのでバブルの寿命は長くなる。しかし、そのようなナノバブルも何らかの刺激を受けたときには崩壊してフリーラジカルを生じさせると考えられる。この点からも、キャビテーション発生装置で処理したあとの流体は反応性が高いものになると云える。
キャビテーションは流体に前記のような作用をなすことから、本製造方法において、重油にキャビテーションを生じさせてなる第1の流体は、重油から生じたフリーラジカルが他の分子等と反応してなる炭化水素系生成物を含み、更にマイクロバブルが崩壊して生じたナノバブルを含んだものであり、処理前の重油よりも反応性が高いと考えられる。
また本製造方法において、水にキャビテーションを生じさせてなる第2の流体は、水の一部分子から生じたフリーラジカル(ヒドロキシラジカル)から生じた過酸化水素、水素等を含み、更にマイクロバブルが崩壊して生じたナノバブルを含んでおり、処理前の水よりも反応性が高いと考えられる。
更に本製造方法においては、第1、第2の流体を混合させた混合流体にキャビテーションを生じさせる。このとき第1、第2の流体に含まれているナノバブルは、キャビテーションで生じるマイクロバブルの核となり得るので、キャビテーションが効率的に生じる。
混合流体にキャビテーションが生じると、第1の流体から前記と同様の作用によって生じたフリーラジカルや炭化水素系生成物と、第2の流体から前記と同様の作用によって生じたフリーラジカルや過酸化水素とが反応することによって、重油分解性生成物を含んだ炭化水素系燃料が製造される。
次いで本発明に係る炭化水素系燃料の製造装置の基本的な構成と作用を説明する。
図7は、そのような製造装置の一例の基本構成を示している。
製造装置40は、重油供給源から供給された重油を圧送するポンプ41と、ポンプ41から圧送されてきた重油にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置1とを直列させた第1の輸送路42と、水供給源から供給された水を圧送するポンプ43と、ポンプ43から圧送されてきた水にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置1とを直列させた第2の輸送路44と、第1、第2の輸送路42、44が集合された流体混合部45と、流体混合部45で混合された流体を圧送するポンプ46と、ポンプ46から圧送されてきた混合流体にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置1とを直列させた第3の輸送路47とからなる。ポンプ41、43、46は特に種別が制限されることはなく、例えばプランジャーポンプ、ギヤポンプ、カスケードポンプ等を用いることができる。
キャビテーション発生装置1はいずれも、図6又は図7に示した構造のものを用いる。ただし、装置毎にキャビテーション発生具10の個数は異なっていてもよい。
第1の輸送路42では、重油にキャビテーションを生じさてナノバブルを含んだ第1の流体とする。第2の輸送路44では水にキャビテーションを生じさせてナノバブルを含んだ第2の流体とする。流体混合部では、第1、第2の流体を混合し、第3の輸送路では、その混合流体にキャビテーションを生じさせることで重油分解性組成物を含んだ炭化水素系燃料を製造する。
以下、本製造装置によって重油と水とを処理した実験結果の例を示す。
図8は、基油とされるC重油、及びそのC重油と水とを本製造装置によって処理して得られた炭化水素燃料の総熱量、成分分析の結果を示す表である。表1の第1行は、C重油の総発熱量、含有する水分の容量パーセント、含有する硫黄分の重量パーセントを示している。第2行は、C重油と水との割合を4:1の容積比(加水率20%)として得られた炭化水素系燃料の総発熱量、含有する水分の容量パーセント、含有する硫黄分の重量パーセントを示している。第3行は、C重油と水との割合を16:19の容積比(加水率46%)として得られた炭化水素系燃料の総発熱量、含有する水分の容量パーセント、含有する硫黄分の重量パーセントを示している。
表1の実験結果等から、水の容量パーセントは全体の20〜55%とし、本製造装置を用いて重油と水とをキャビテーションによって熱分解して反応させることで、その容量パーセントよりも少ない水分を含んだ炭化水素系燃料を製造できることがわかった。なおそのような反応の証左として、炭化水素系燃料は、処理前のC重油には含まれないカルボン酸エステル類を含んでいることもわかった。このカルボン酸エステル類は、ガスクロマトグラフィ質量試験によって具体的にはパルミチン酸メチル、オレイン酸メチル等であることが確認できるが、それらは、重油分子の分解された成分と、水分子に由来する酸素とが結合して生成されたものと考えられる。
また炭化水素系燃料に含まれる水分は、長期間放置しても分離することはなかった。しかも炭化水素系燃料を燃焼させたときの総発熱量は、処理前のC重油とほぼ同等からやや劣る範囲、具体的には総発熱量が35〜45MJ/kg程度とすることができる。これらの点から、この炭化水素系燃料は、元の重油の代替品としての使用が期待できる優れた燃料ということができる。なお処理前の水に分解酵素等を予め混入させておけば、より良好な結果が得られると考えられる。ここにその分解酵素の種別は特に制限されず市販のものが利用できる。
特に本製造装置は、キャビテーション発生装置を設けた第1〜第3の輸送路を組み合わせただけの簡単な構造であり、各ポンプを作動させて重油及び水を第1、第2の輸送路に供給するだけで第3の輸送路から目的の炭化水素系燃料が吐出されることから、優れた炭化水素系燃料を低コストで連続的に製造することが可能である。
また炭化水素系燃料に含有される硫黄分及び窒素分は、重油に由来したものであるから、水の容量パーセントを適宜設定すれば、それらの含有率の低い、例えば硫黄分、窒素分のうち少なくとも一方が4重量%以下の炭化水素系燃料を製造できる。そうすれば炭化水素系燃料の燃焼ガスがクリーンになるので、燃焼ガスの浄化装置等に要するコストも抑えられる。
図9は、前記製造装置の変形例の基本構成を示す。前記製造装置に共通する要素には同一の参照符号を付けて説明を省略する。製造装置の目的及び作用も前記製造装置と同一である。
製造装置40は、第2の輸送路44のキャビテーション発生装置1よりも上流側に、流体にガスの微小バブルを混入させる気液混合装置50を設けている。この微小バブルは、キャビテーション発生装置1でキャビテーションを発生させる際の核となるので、バブル発生量を増すことができる。
また製造装置40は、第3の輸送路44のキャビテーション発生装置1よりも下流側に、炭化水素系燃料に磁気を作用させる磁気装置60を設けている。炭化水素系燃料に磁気が作用すると分子同士が分離されるので、炭化系水素燃料の安定性が向上する。
1 キャビテーション発生装置
10 キャビテーション発生具
11 流通孔
12 流通規制部
12a 突条
12b 小孔
12c 隔壁
12d 風車状体
12h 釘状体
13 嵌合構造
20 保持部
40 製造装置
41、43、46 ポンプ
42 第1の輸送路
44 第2の輸送路
45 流体混合部
47 第3の輸送路
50 気液混合装置
60 磁気装置

Claims (8)

  1. 重油にキャビテーションを生じさてナノバブルを含んだ第1の流体とし、
    水にキャビテーションを生じさせてナノバブルを含んだ第2の流体とし、
    これらの第1、第2の流体を混合させた混合流体にキャビテーションを生じさせることで重油分解性組成物を含んだ炭化水素系燃料を製造することを特徴とする炭化水素系燃料の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記重油と水とを合わせた全体に対する水の容量パーセントは30%以上55%未満とし、その容量パーセントよりも少ない水分を含んだ炭化水素系燃料を製造することを特徴とする炭化水素系燃料の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    硫黄分、窒素分のうち少なくとも一方が4重量%以下の炭化水素系燃料を製造することを特徴とする炭化水素系燃料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    総発熱量が35〜45MJ/kgの炭化水素系燃料を製造することを特徴とする炭化水素系燃料の製造方法。
  5. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    カルボン酸エステル類を含んだ炭化水素系燃料を製造することを特徴とする炭化水素系燃料の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記重油はC重油を用いることを特徴とする炭化水素系燃料の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記重油、水、混合流体のキャビテーションは、それぞれの輸送路内で流通を規制することで生じさせる炭化水素系燃料の製造方法。
  8. 重油供給源から供給された重油を圧送するポンプと、このポンプから圧送されてきた重油にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置とを直列させた第1の輸送路と、
    水供給源から供給された水を圧送するポンプと、このポンプから圧送されてきた水にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置とを直列させた第2の輸送路と、
    前記第1、第2の輸送路が集合された流体混合部と、
    前記流体混合部で混合された流体を圧送するポンプと、このポンプから圧送されてきた混合流体にキャビテーションを生じさせるキャビテーション発生装置とを直列させた第3の輸送路とからなることを特徴とする炭化水素系燃料の製造装置。
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