JPWO2016039079A1 - 機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

量子ドットが水分や酸素により劣化することを防止でき、また、端面からの光漏れを低減でき、かつ、ロールツーロール方式で作製することができる生産性の高い機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法を提供する。第1の保護フィルムとガスバリアフィルムと機能層とガスバリアフィルムと第2の保護フィルムとをこの順に積層してなる長尺な保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体を第1の保護フィルム側から、第2の保護フィルムの一部までハーフカットするハーフカット工程と、保護フィルム付積層体の、ハーフカットされて表出した面に、無機材料からなる端面保護層を成膜する保護層形成工程と、を有する。

Description

本発明は、機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置(以下、LCDともいう)は、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。また、近年の液晶表示装置において、LCD性能改善としてさらなる省電力化、色再現性向上等が求められている。
LCDのバックライトの省電力化に伴って、光利用効率を高め、また、色再現性を向上するために、入射光の波長を変換して出射する量子ドットを利用することが提案されている。
量子ドットとは、三次元全方向において移動方向が制限された電子の状態のことであり、半導体のナノ粒子が、高いポテンシャル障壁で三次元的に囲まれている場合に、このナノ粒子は量子ドットとなる。量子ドットは種々の量子効果を発現する。例えば、電子の状態密度(エネルギー準位)が離散化される「量子サイズ効果」が発現する。この量子サイズ効果によれば、量子ドットの大きさを変化させることで、光の吸収波長・発光波長を制御できる。
一般に、このような量子ドットは、樹脂等の中に分散されて、例えば、波長変換を行う量子ドットフィルムとして、バックライトと液晶パネルとの間に配置されて用いられる。
バックライトから量子ドットを含むフィルムに励起光が入射すると、量子ドットが励起され蛍光を発光する。ここで異なる発光特性を有する量子ドットを用いることで、赤色光、緑色光、青色光の半値幅の狭い光を発光させて白色光を具現化することができる。量子ドットによる蛍光は半値幅が狭いため、波長を適切に選択することで得られる白色光を高輝度にしたり色再現性に優れる設計にすることが可能である。
ところで、量子ドットは、水分や酸素により劣化しやすく、光酸化反応により発光強度が低下するという課題がある。そのため、量子ドットを含む樹脂層(以下、「量子ドット層」ともいう)の両面にガスバリアフィルムを積層して量子ドット層を保護することが行われている。
しかしながら、量子ドット層の両主面をガスバリアフィルムで保護するのみでは、ガスバリアフィルムで保護されていない端面から水分や酸素が浸入し、量子ドットが劣化するという問題があった。
そのため、量子ドット層の周囲全部をガスバリアフィルムで保護することが提案されている。
例えば、特許文献1には、量子ドット蛍光体を濃度0.01質量%〜20質量%の範囲でシク口オレフィン(共)重合体に分散させた組成物が記載されており、量子ドットが分散された樹脂成型体の全面を被覆するガスバリア層を有する構成が記載されている。また、このガスバリア層は、樹脂層の少なくとも一方の面にシリカ膜またはアルミナ膜を形成したガスバリアフィルムであることが記載されている。
また、特許文献2には、発光量子ドット(QD)集団を含むリモート蛍光体フィルムを備えるディスプレイバックライトユニットが記載されており、QD蛍光体材料を2つのガスバリアフィルムで挟み、QD蛍光体材料の周囲周辺の2つのガスバリアフィルムに挟まれた領域にガスバリア性を有する不活性領域を有する構成が記載されている。
国際公開第2012/102107号 特表2013−544018号公報
ところで、LCDに用いられる、量子ドットを含むフィルムは、50μm〜350μm程度の薄型のフィルムである。
薄い量子ドット層の全面をガスバリアフィルムで被覆するのは非常に困難であり、生産性が悪いという問題があった。また、ガスバリアフィルムを折り曲げるとバリア層が割れてガスバリア性が低下するという問題もあった。
一方、2つのガスバリアフィルムで挟まれた、量子ドット層の端面領域に、ガスバリア性を有する保護層を形成する構成の場合には、例えば、いわゆるダムフィル方式で、樹脂層および保護層を形成することが考えられる。すなわち、一方のガスバリアフィルム上の周縁部分に保護層を形成した後に、保護層に囲まれた領域内に樹脂層を形成し、その後、保護層および樹脂層上に、他方のガスバリアフィルムを積層することで量子ドットを含むフィルムを作製することが考えられる。
しかしながら、このようなダムフィル方式では、長尺な部材を長手方向に搬送しつつ、各層を形成する、いわゆるロールツーロール方式で作製する場合には、幅方向の2つの端面にしか保護層を形成することができず、樹脂層の4つの端面すべてに保護層を形成することができない。また、ロールツーロール方式で作製したあとに所望のサイズに加工することもできない。従って、ロールツーロール方式で容易に作製することができず、生産性が悪いという問題があった。
また、別の問題点として、量子ドット層に入射した光が、端面から漏れて光の利用効率が低下するおそれがあった。特に、量子ドット層の両面にガスバリアフィルムを積層した構成の場合には、量子ドット層とガスバリアフィルムとの界面での光の反射が多くなるため、量子ドット層内に入射した光は、量子ドット層内で複数回した後、端面から漏れるおそれが高くなる。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、量子ドットが水分や酸素により劣化することを防止でき、また、端面からの光漏れを低減でき、かつ、ロールツーロール方式で作製することができる生産性の高い機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、第1の保護フィルムとガスバリアフィルムと機能層とガスバリアフィルムと第2の保護フィルムとをこの順に積層してなる長尺な保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体を第1の保護フィルム側から、第2の保護フィルムの一部までハーフカットするハーフカット工程と、保護フィルム付積層体の、ハーフカットされて表出した面に、無機材料からなる端面保護層を成膜する保護層形成工程と、を有することにより、ロールツーロール方式で容易に機能層の4つの端面に端面保護層を形成して、生産性を向上でき、また、端面保護層を形成することにより、量子ドットが水分や酸素により劣化することを防止でき、また、端面からの光漏れを低減できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成の機能性積層フィルムおよびその製造方法を提供する。
(1) 機能層と、機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、少なくとも無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する機能層積層体、および、
機能層積層体の端面のうち少なくとも一部を厚さ方向に覆って形成される、無機材料からなる端面保護層、を有する機能性積層フィルム。
(2) 端面保護層は、機能層積層体の端面に垂直な方向の厚みが、機能層積層体の一方の主面側から他方の主面側に向かうにしたがって、漸次、厚くなるように形成されている(1)に記載の機能性積層フィルム。
(3) 端面保護層を構成する無機材料が窒化ケイ素である(1)または(2)に記載の機能性積層フィルム。
(4) 端面保護層の、機能層積層体の端面に垂直な方向の厚みが5nm〜500nmである(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(5) 端面保護層は、機能層積層体の端面の全周を覆って形成される(1)〜(4)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(6) ガスバリアフィルムの無機層が窒化ケイ素からなる(1)〜(5)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(7) ガスバリアフィルムは、ガスバリア支持体と、ガスバリア支持体上に積層される有機層と、有機層上に積層される無機層とを有する(1)〜(6)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(8) ガスバリアフィルムの厚さが、5μm〜100μmである(1)〜(7)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(9) 機能層は、多数の量子ドットを含む量子ドット層である(1)〜(8)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(10) 第1の保護フィルムとガスバリアフィルムと機能層とガスバリアフィルムと第2の保護フィルムとをこの順に積層してなる長尺な保護フィルム付積層体を準備する準備工程と、
長尺な保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体を第1の保護フィルム側から、第2の保護フィルムの一部までハーフカットするハーフカット工程と、
ハーフカットされた保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体の、ハーフカットされて表出した面に、無機材料からなる端面保護層を成膜する保護層形成工程と、を有する機能性積層フィルムの製造方法。
(11) 第1および第2の保護フィルムの厚さが、5μm〜100μmである(10)に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
(12) ハーフカット工程は、トムソン刃またはCO2レーザを用いて行う(10)または(11)に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
(13) ハーフカット工程において、第2の保護フィルムの厚さの5%〜80%の位置までハーフカットを行う(10)〜(12)のいずれかに記載の機能性積層フィルムの製造方法。
(14) 保護層形成工程は、プラズマCVDにより端面保護層を形成する(10)〜(13)のいずれかに記載の機能性積層フィルムの製造方法。
(15) 保護層形成工程は、保護フィルム付積層体を円筒状のドラムの周面の所定領域に巻き掛けて搬送しつつ、ドラムを成膜のための電極対の一方として用いて成膜を行う(10)〜(14)のいずれかに記載の機能性積層フィルムの製造方法。
このような本発明によれば、量子ドットが水分や酸素により劣化するのを防止し、また、端面からの光漏れを低減できる端面保護層をロールツーロール方式で容易に作製することができる高い生産性を備える機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法を提供することができる。
図1(A)は、本発明の機能性積層フィルムの一例を概念的に示す断面図であり、図1(B)は、図1(A)の上面図である。 機能性積層フィルムに用いられるガスバリアフィルムの一例を概念的に示す断面図である。 本発明の機能性積層フィルムの他の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の機能性積層フィルムの製造方法に用いられる保護フィルム付積層体の一例を概念的に示す断面図である。 図5(A)は、本発明の製造方法におけるハーフカット工程を説明するための、保護フィルム付積層体の一例を概念的に示す上面図であり、図5(B)は、ハーフカット工程を実施した後の保護フィルム付積層体の一例を概念的に示す断面図である。 本発明の製造方法における保護層形成工程を実施する成膜装置の一例を概念的に示す図である。 図6に示す成膜装置で保護層形成工程を実施した際の、保護フィルム付積層体の状態を説明するための部分拡大断面図である。
以下、本発明の機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1(A)は、本発明の機能性積層フィルムの一例を概念的に示す断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す機能性積層フィルムの上面図である。
図1(A)および図1(B)に示す機能性積層フィルム10aは、機能層12および機能層12の両主面にそれぞれ積層される2つのガスバリアフィルム14を有する機能層積層体11と、機能層積層体11の4つの端面を覆うように形成される端面保護層16aとを有する。
機能層12は、波長変換等の所望の機能を発現するための層である。
一例として、機能層12は、多数の量子ドットを樹脂等のマトリックス中に分散してなる量子ドット層であり、機能層12に入射した光の波長を変換して出射する機能を有するものである。
例えば、図示しないバックライトから出射された青色光が機能層12に入射すると、機能層12は、内部に含有する量子ドットの効果により、この青色光の少なくとも一部を赤色光あるいは緑色光に波長変換して出射する。
ここで、青色光とは、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する光であり、緑色光とは、500nm〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する光のことであり、赤色光とは、600nmを超え680nm以下の波長帯域に発光中心波長を有する光のことである。
なお、量子ドット層が発現する波長変換の機能は、青色光を赤色光あるいは緑色光に波長変換する構成に限定はされず、入射光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換するものであればよい。
量子ドットは、少なくとも、入射する励起光により励起され蛍光を発光する。
量子ドット層に含有される量子ドットの種類には特に限定はなく、求められる波長変換の性能等に応じて、種々の公知の量子ドットを適宜選択すればよい。
量子ドットについては、例えば特開2012−169271号公報段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットとしては、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズにより調整することができる。
量子ドットは、マトリックス中に均一に分散されるのが好ましいが、マトリックス中に偏りをもって分散されてもよい。
また、量子ドットは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上併用する場合は、発光光の波長が異なる2種以上の量子ドットを使用してもよい。
具体的には、公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(C)があり、量子ドット(A)は、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドット(B)は緑色光を、量子ドット(C)は青色光を発光する。例えば、量子ドット(A)と量子ドット(B)を含む量子ドット含有積層体へ励起光として青色光を入射させると、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光と、量子ドット層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドット(A)、(B)、および(C)を含む量子ドット層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光、および量子ドット(C)により発光される青色光により、白色光を具現化することができる。
また、量子ドットとして、形状がロッド状で指向性を持ち偏光を発する、いわゆる量子ロッドを用いてもよい。
量子ドット層のマトリックスの種類としては、特に限定はなく、公知の量子ドット層で用いられる各種の樹脂を用いることができる。
例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などが挙げられる。あるいは、マトリックスとして、重合性基を有する硬化性化合物を用いることができる。重合性基の種類は、特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、より好ましくは、(メタ)アクリレート基であり、さらに好ましくは、アクリレート基である。また、2つ以上の重合性基を有する重合性単量体は、それぞれの重合性基が同一であってもよいし、異なっていても良い。
具体的には、例えば、以下の第1の重合性化合物と第2の重合性化合物とを含む樹脂をマトリックスとして用いることができる。
第1の重合性化合物は、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマー、ならびにエポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーからなる群から選択される1つ以上の化合物であるのが好ましい。
2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのうち、2官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。
また、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。
エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーとしては、例えば、脂肪族環状エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシシクロアルカンを含む化合物等が好適に用いられる。
エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーとして好適に使用できる市販品としては、ダイセル化学工業(株)のセロキサイド2021P、セロキサイド8000、シグマアルドリッチ社製の4−ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーはその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
第2の重合性化合物は、分子中に水素結合性を有する官能基を有し、かつ、第1の重合性化合物と重合反応できる重合性基を有する。
水素結合性を有する官能基としては、ウレタン基、ウレア基、またはヒドロキシル基等が挙げられる。
第1の重合性化合物と重合反応できる重合性基としては、例えば、第1の重合性化合物が2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーであるときは(メタ)アクリロイル基であればよく、第1の重合性化合物がエポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーであるときはエポキシ基またはオキセタニル基であればよい。
ウレタン基を含む(メタ)アクリレートモノマーとしては、TDI、MDI、HDI、IPDI、HMDI等のジイソシアナートとポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールSスピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール等のポリオール、および2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートを反応させて得られるモノマー、オリゴマーであり、特開2002−265650公報や、特開2002−355936号公報、特開2002−067238号公報等に記載の多官能ウレタンモノマーを挙げることができる。具体的には、TDIとヒドロキシエチルアクリレートとの付加物、IPDIとヒドロキシエチルアクリレートとの付加物、HDIとペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)との付加物、TDIとPETAとの付加物を作り残ったイソシアナートとドデシルオキシヒドロキシプロピルアクリレートを反応させた化合物、6,6ナイロンとTDIの付加物、ペンタエリスリトールとTDIとヒドロキシエチルアクリレートの付加物等をあげることができるが、これに限定されるものではない。
ウレタン基を含む(メタ)アクリレートモノマーとして好適に使用できる市販品としては、共栄社化学(株)製のAH−600、AT−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G、DAUA−167、新中村化学工業(株)製のUA−160TM、大阪有機化学工業(株)製のUV−4108F、UV−4117F等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレートモノマーとしては、エポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応により合成される化合物を挙げることができる。代表的なものは、エポキシ基を有する化合物により、ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型、エポキシ化油型、フェノールのノボラック型、脂環型に分類される。具体的な例としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの付加物に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、フェノールノボラックにエピクロロヒドリンを反応させ、(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンの付加物に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンの付加物に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、エポキシ化大豆油に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレートモノマーとして他には、末端にカルボキシ基、またはリン酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基を含む第2の重合性化合物として好適に使用できる市販品としては、共栄社化学(株)製のエポキシエステル、M−600A、40EM、70PA、200PA、80MFA、3002M、3002A、3000MK、3000A、日本化成(株)製の4−ヒドロキシブチルアクリレート、新中村化学工業(株)製の単官能アクリレートA−SA、単官能メタクリレートSA、ダイセル・オルネクス(株)製の単官能アクリレートβ−カルボキシエチルアクリレート、城北化学工業(株)製のJPA−514等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との質量比は10:90〜99:1であればよく、10:90〜90:10であることが好ましい。第2の重合性化合物の含有量に対し第1の重合性化合物の含有量が多いことも好ましく、具体的には(第1の重合性化合物の含有量)/(第2の重合性化合物の含有量)が2〜10であることが好ましい。
第1の重合性化合物と第2の重合性化合物とを含む樹脂をマトリックスとして用いる場合には、マトリックス中に、さらに単官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有するモノマーを挙げることができる。それらの具体例として以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基の炭素数が7〜20であるアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基の炭素数が2〜30であるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(モノアルキルまたはジアルキル)アミノアルキル基の総炭素数が1〜20であるアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜10で末端アルキルエーテルの炭素数が1〜10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30で末端アリールエーテルの炭素数が6〜20のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する総炭素数4〜30の(メタ)アクリレート;ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等の総炭素数4〜30のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーは第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との総質量100質量部に対して、1〜300質量部含まれていることが好ましく、50〜150質量部含まれていることがより好ましい。
また、炭素数4〜30の長鎖アルキル基を有する化合物を含むことが好ましい。具体的には第1の重合性化合物、第2の重合性化合物、または単官能(メタ)アクリレートモノマーの少なくともいずれかが、炭素数4〜30の長鎖アルキル基を有することが好ましい。上記長鎖アルキル基は炭素数12〜22の長鎖アルキル基であることがより好ましい。これにより、量子ドットの分散性が向上するからである。量子ドットの分散性が向上するほど、光変換層から出射面に直行する光量が増えるため、正面輝度および正面コントラストの向上に有効である。
炭素数4〜30の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。中でもラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、マトリックスとなる樹脂中に、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する化合物を含んでいてもよい。これらの化合物を含むことにより塗布性を向上させることができる。
また、量子ドット層中のマトリックスとなる樹脂の総量には特に限定はないが、量子ドット層の全量100質量部に対して、90〜99.9質量部であることが好ましく、92〜99質量部であることがより好ましい。
量子ドット層の厚みは特に制限されないが、取り扱い性および発光特性の点で、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。
なお、上記厚みは平均厚みを意図し、平均厚みは量子ドット層の任意の10点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
量子ドット層の形成方法には特に限定はなく、公知の方法で形成すればよい。例えば、量子ドットとマトリックスとなる樹脂と溶剤とを混合した塗布組成物を調整し、この塗布組成物をガスバリアフィルム14上に塗布し、硬化させることで形成することができる。
なお、量子ドット層となる塗布組成物には、必要に応じて、重合開始剤やシランカップリング剤等を添加してもよい。
ガスバリアフィルム14は、機能層12の主面に積層される、ガスバリア性を有するフィルムである。すなわち、ガスバリアフィルム14は、機能層12の主面を覆って、機能層12の主面からの水分や酸素の浸入を抑制するための部材である。
ガスバリアフィルム14は、水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以下であるのが好ましい。
また、ガスバリアフィルム14は、酸素透過率が1×10-2[cc/(m2・day・atm)]以下であるのが好ましい。
水蒸気透過率ならびに酸素透過率が低い、すなわち、ガスバリア性が高いガスバリアフィルム14を用いることで、機能層12への水分や酸素の浸入を防止して機能層12の劣化をより好適に防止することができる。
なお、水蒸気透過率は、モコン法によって測定した。また、水蒸気透過率が、モコン法の測定限界を超えた場合には、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって測定した。
また、酸素透過率は、APIMS法(大気圧イオン化質量分析法)による測定装置(株式会社日本エイピーアイ社製)を用いて、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定した。
また、ガスバリアフィルム14の厚さは、5μm〜100μmであるのが好ましく、10μm〜70μmがより好ましく、15μm〜55μmが特に好ましい。
ガスバリアフィルム14の厚さを100μm以下とすることで、後述する保護層形成工程において、ハーフカットされた切断面34に端面保護層16を成膜する際に、端面保護層16の形成材料が、小さく開口した切断部vの奥側に入り込み、端面保護層16を容易に形成可能にする点で好ましい。また、機能層12を含む機能性積層フィルム10全体の厚さを薄くできる点で好ましい。
また、ガスバリアフィルム14の厚さを5μm以上とすることで、2つのガスバリアフィルム14の間に機能層12を形成する際に、機能層12の厚さを均一にできる点で好ましい。
ここで、ガスバリアフィルム14としては、ガスバリア支持体20の上に、ガスバリア層22として、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機層を有するものが好適に用いられる。
図2に、ガスバリアフィルムの一例を概念的に表す断面図を示す。
図2に示すガスバリアフィルム14は、無機層26および有機層24を有するガスバリア層22と、ガスバリア層22を支持するガスバリア支持体20とを有してなる。
なお、ガスバリアフィルム14は、ガスバリア支持体20の上に、少なくとも1つの無機層26を有していればよく、無機層26と、無機層26の下地となる有機層24との組み合わせを1つ以上有するのが好ましい。従って、ガスバリアフィルム14は、無機層26と下地の有機層24との組み合わせを2つ有するものでもよく、あるいは、3つ以上、有するものでもよい。有機層24は、無機層26を適正に形成するための下地層としてとして作用するものであり、下地の有機層24と無機層26との組み合わせの積層数が多いほど、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得られる。
また、ガスバリアフィルム14は、最表面が無機層26であるのが好ましく、無機層26側に機能層12が積層されるのが好ましい。
ガスバリアフィルム14の最表面を無機層26とすることにより、ガスバリア支持体20や有機層24からアウトガスが放出されても、このアウトガスは無機層26で遮蔽され、機能層12に至ることを防止できる。
ガスバリアフィルム14のガスバリア支持体20としては、公知のガスバリアフィルムで支持体として用いられているものが、各種、利用可能である。
中でも、薄手化や軽量化が容易である、フレキシブル化に好適である等の点で、各種のプラスチック(高分子材料/樹脂材料)からなるフィルムが好適に利用される。
具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、環状オレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、および、トリアセチルセルロース(TAC)からなるプラスチックフィルムが、好適に例示される。
ガスバリア支持体20の厚さは、用途や大きさによって、適宜、設定すればよい。ここで、本発明者の検討によれば、ガスバリア支持体20の厚さは、10μm〜100μm程度が好ましい。ガスバリア支持体20の厚さを、この範囲にすることにより、軽量化や薄手化、等の点で、好ましい結果を得る。
なお、ガスバリア支持体20は、このようなプラスチックフィルムの表面に、反射防止や位相差制御、光取り出し効率向上等の機能が付与されていてもよい。
ガスバリア層22は、主にガスバリア性を発現する無機層26と、無機層26の下地層となる有機層24とを有する。
有機層24は、ガスバリアフィルム14において主にガスバリア性を発現する無機層26の下地層となるものである。
有機層24は、公知のガスバリアフィルムで有機層24として用いられているものが、各種、利用可能である。例えば、有機層24は、有機化合物を主成分とする膜で、基本的に、モノマーおよび/またはオリゴマを、架橋して形成されるものが利用できる。
ガスバリアフィルム14は、この下地となる有機層24を有することにより、この有機層24が、無機層26のクッションとしても作用する。そのため、後述するハーフカット工程の際に、無機層26が外部から衝撃を受けた場合などに、この有機層24のクッション効果によって、無機層26の損傷を防止できる。
これにより、機能性積層フィルム10aにおいて、ガスバリアフィルム14が適正にガスバリア性能を発現して、水分や酸素による機能層12の劣化を、好適に防止できる。
また、ガスバリアフィルム14は、無機層26の下地となる有機層24を有することにより、ガスバリア支持体20の表面の凹凸や、表面に付着している異物等を包埋して、無機層26の成膜面を適正にできる。その結果、成膜面の全面に、隙間無く、割れやヒビ等の無い適正な無機層26を成膜できる。これにより、水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以下となるような、高いガスバリア性能を得ることができる。
ガスバリアフィルム14において、有機層24の形成材料としては、各種の有機化合物(樹脂/高分子化合物)が、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機層24は、好適である。
中でも特に、上記強度に加え、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、ガラス転移温度が120℃以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層24として好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、アクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機層24を、このようなアクリル樹脂やメタクリル樹脂で形成することにより、骨格がしっかりした下地の上に無機層26を成膜できるので、より緻密でガスバリア性が高い無機層26を成膜できる。
有機層24の厚さは、0.5μm〜5μmが好ましい。
有機層24の厚さを0.5μm以上とすることにより、後述するハーフカット工程の際に、無機層26が外部から衝撃を受けた場合などにおける、クッションとしての効果を十分に発揮して、無機層26の損傷を、より確実に防止できる。また、有機層24の厚さを1μm以上とすることにより、より好適に無機層26の成膜面を適正にして、割れやヒビ等の無い適正な無機層26を、成膜面の全面に渡って成膜できる。
また、有機層24の厚さを5μm以下とすることにより、有機層24が厚すぎることに起因する、有機層24のクラックや、ガスバリアフィルム14のカール等の問題の発生を、好適に防止することができる。
以上の点を考慮すると、有機層24の厚さは、1μm〜5μmとするのが、より好ましい。
なお、ガスバリアフィルムが有機層24を複数有する場合には、各平滑層の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。
また、有機層24を複数有する場合には、各有機層の形成材料は、同じでも異なってもよい。しかしながら、生産性等の点からは、全ての有機層を、同じ材料で形成するのが好ましい。
有機層24は、塗布法やフラッシュ蒸着等の公知の方法で成膜すればよい。
また、有機層24の下層となる無機層26との密着性を向上するために、有機層24は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
有機層24の上には、この有機層24を下地として、無機層26が成膜される。
無機層26は、無機化合物を主成分とする膜で、ガスバリアフィルム14において、ガスバリア性を主に発現するものである。
無機層26としては、ガスバリア性を発現する、酸化物、窒化物、酸窒化物等の無機化合物からなる膜が、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。
特に、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物およびケイ素酸化物等のケイ素化合物からなる膜は、好適に例示される。その中でも特に、窒化ケイ素からなる膜は、より優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、好適に例示される。
なお、ガスバリアフィルムが複数の無機層26を有する場合には、無機層26の形成材料は、互いに異なってもよい。しかしながら、生産性等を考慮すれば、全ての無機層26を、同じ材料で形成するのが好ましい。
無機層26の厚さは、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。なお、本発明者の検討によれば、無機層26の厚さは、10〜200nmとするのが好ましい。
無機層26の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層26が形成できる。また、無機層26は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層26の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
また、このような点を考慮すると、無機層26の厚さは、10nm〜100nmにするのが好ましく、特に、15nm〜75nmとするのが好ましい。
なお、ガスバリアフィルムが複数の無機層26を有する場合には、各無機層26の厚さは、同じでも異なってもよい。
無機層26は、形成材料に応じて、公知の方法で形成すればよい。具体的には、CCP−CVDやICP−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着など、気相堆積法が好適に例示される。
次に、端面保護層16aについて説明する。
端面保護層16aは、機能層12と、機能層12を挟むように積層される2つのガスバリアフィルム14とを有する機能層積層体11の4つの端面を覆って形成される部材である。
端面保護層16aは、無機材料からなりガスバリア性を発現し、機能層12の端面からの水分や酸素の浸入を抑制するための部材である。
端面保護層16aは、水蒸気透過率が、1×10-1[g/(m2・day)]以下であるのが好ましい。
機能層積層体11の端面に、水蒸気透過率が低い、すなわち、ガスバリア性が高い端面保護層16aを形成することで、機能層12への水分や酸素の浸入をより好適に防止して機能層12の劣化をより好適に防止することができる。
ここで、図1(A)に示すように、端面保護層16aは、機能層積層体11の端面に垂直な方向の厚みが、機能層積層体11の一方の主面側から他方の主面側に向かうにしたがって、漸次、厚くなるように形成されている。
後述する本発明の機能性積層フィルムの製造方法により端面保護層16aを形成すると、図示例のように機能層積層体11の端面に垂直な方向の厚みが、傾斜した端面保護層16aが形成される。
この点に関しては、後に詳述する。
このように、端面保護層16aの、機能層積層体11の端面に垂直な方向の厚みが、傾斜して形成されることにより、端面保護層16aを形成する際に、隣の無機膜とつながることを防止でき、第2の保護フィルムを剥がす際に、端面保護層16aが剥離したり、割れたりすることを防止できる。従って、高品質の機能性積層フィルムを安定して生産することができる。
また、端面保護層16aの、機能層積層体11の端面に垂直な方向の厚みは、5nm〜500nmの範囲にあるのが好ましく、10nm〜200nmであるのがより好ましく、15nm〜100nmであるのが特に好ましい。
端面保護層16aの厚みを5nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現させることができる。また、端面保護層16aの厚さを500nm以下とすることにより、割れが発生することを好適に防止できる。
なお、図1(A)に示す例では、端面保護層16aの、機能層積層体11の端面に垂直な方向の厚みは、機能層積層体11の一方の主面側から他方の主面側に向かうにしたがって、漸次、厚くなるように形成される構成としたが、これに限定はされず、図3に示す機能性積層フィルム10bのように、端面保護層16bの厚みを略均一にしてもよい。
また、図1(B)に示す例では、端面保護層16aは、機能層積層体11の4つの端面全周を覆うように形成される構成としたが、これに限定はされず、4つの端面のうち少なくとも1面に形成される構成であればよい。
また、図示例では、機能性積層フィルム10aの形状を矩形状として、4つの端面に端面保護層16aが形成される構成としたが、本発明の機能性積層フィルムは、矩形状に限定はされず、従って、端面保護層は、端面のうち少なくとも一面を覆うように形成されていればよく、全周を覆って形成されるのが好ましい。
端面保護層16aの形成材料としては、無機層26と同様の、ガスバリア性を発現する、酸化物、窒化物、酸窒化物等の無機化合物からなる膜が、各種、利用可能である。
特に、優れたガスバリア性を発現でき、かつ、高い屈折率を有する点で、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物およびケイ素酸化物等のケイ素化合物からなる膜は、好適に例示される。その中でも特に、窒化ケイ素からなる膜は、より優れたガスバリア性に加え、屈折率も高く、好適に例示される。
端面保護層16aの屈折率を高くすることで、機能層12に入射した光が端面から出射されることを防止でき、光の利用効率を向上できる点で好ましい。
なお、図1に示す機能性積層フィルム10aは、ガスバリアフィルム14と、機能層12と、ガスバリアフィルム14との3層を積層し、端面に端面保護層16aを配置した構成としたが、本発明はこれに限定はされず、他の層を有していてもよい。例えば、ハードコート層、光学補償層、透明導電層等を有していてもよい。
次に、本発明の機能性積層フィルムの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)について説明する。
本発明の製造方法は、
第1の保護フィルムとガスバリアフィルムと機能層とガスバリアフィルムと第2の保護フィルムとをこの順に積層してなる長尺な保護フィルム付積層体を準備する準備工程と、
長尺な保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体を第1の保護フィルム側から、第2の保護フィルムの一部までハーフカットするハーフカット工程と、
ハーフカットされた保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体の、ハーフカットされて表出した面に、無機材料からなる端面保護層を成膜する保護層形成工程と、を有する機能性積層フィルムの製造方法である。
まず、準備工程で準備する、本発明の製造方法に用いられる保護フィルム付積層体について図4を用いて説明する。
図4に示すように、保護フィルム付積層体30aは、第2の保護フィルム32bと、ガスバリアフィルム14と、機能層12と、ガスバリアフィルム14と、第1の保護フィルム32aとを、この順に積層してなる長尺な部材である。
保護フィルム付積層体30aにおいて、機能層12および2つのガスバリアフィルム14は、上述の機能性積層フィルム10aにおいて、機能層積層体11を構成するものである。
第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bは、後述するハーフカット工程および保護層形成工程を行う際に、機能層12とガスバリアフィルム14との積層体を支持するための部材であり、それぞれ一方のガスバリアフィルム14と他方のガスバリアフィルム14上に積層される。
なお、第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bは、配置位置が異なるのみで、構成は同じであるので、以下の説明においては、第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bを区別する必要がない場合には、両部材をまとめて、保護フィルム32ともいう。
保護フィルム32は、後述するハーフカット工程および保護層形成工程の後、作製された機能性積層フィルム10から剥離されるものである。従って、保護フィルム32としては、ガスバリアフィルム14との間に適度な粘着性を示すフィルム状の部材、いわゆる離型フィルムを用いることができる。
保護フィルム32としては特に限定はなく、種々の公知の離型フィルムが利用可能である。
具体的には、保護フィルム32は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、環状オレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、および、トリアセチルセルロース(TAC)などのフィルムが各種利用可能である。
また、保護フィルム32は、樹脂フィルムからなる基材の表面に離型層を有する構成としても良い。基材の表面に離型層を形成することで、ガスバリアフィルム14との間の粘着力を剥離可能な程度の適度な粘着性に調整することができる。
離型層の材料としてはシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンビニルアセテート等が利用可能である。
保護フィルム32の厚さには、特に限定はないが、後述するハーフカット工程においてハーフカットした後も、第2の保護フィルム32bの一部を残して一体化した状態を保つために、ハーフカットする厚さを容易に調整できる点、ならびに、保護層形成工程において、ハーフカットされた切断面34に端面保護層16を成膜する際に、端面保護層16の形成材料が、小さく開口した切断部vの奥側に入り込み、端面保護層16を容易に形成可能にする点で、第2の保護フィルム32bの厚さは、5μm〜100μmとすることが好ましく、10μm〜70μmがより好ましく、15μm〜55μmとするのが好ましい。
また、第1の保護フィルム32aの厚さは、ロール状に巻き回した際の取り扱い性などの生産性と貼り合わせのしやすさとのバランスの観点から、5μm〜100μmとすることが好ましく、10μm〜70μmがより好ましく、15μm〜55μmとするのが好ましい。
保護フィルム付積層体30aの作製方法には特に限定はない。一例として、ガスバリアフィルム14と保護フィルム32とを貼着して積層した部材を形成し、この積層部材のガスバリアフィルム14側の表面に機能層12を積層し、あるいは、ガスバリアフィルム14の表面に機能層12を直接、形成した後、ガスバリアフィルム14と保護フィルム32とを貼着した他の積層部材を機能層12上に積層することで保護フィルム付積層体30aを作製することができる。
次に、ハーフカット工程について、図5(A)および図5(B)を用いて説明する。
図5(A)は、ハーフカット工程を説明するための、保護フィルム付積層体の一例を概念的に示す上面図であり、図5(B)は、ハーフカット工程を実施した後の保護フィルム付積層体の一例を概念的に示す断面図である。
ハーフカット工程は、長尺な保護フィルム付積層体30aを長手方向に搬送しつつ、機能性積層フィルム10aとなる所定の形状に切込みを入れる工程である。
図5(A)に示す保護フィルム付積層体30bは、図中左から右方向に搬送されつつ、順次、所定の形状にハーフカットされる様子を示したものである。
図5(A)中、実線で示す矩形状の位置は、枠状にハーフカットされた切断部vを示すものであり、ハーフカットされて下流側に搬送されている。また、略中央に破線で示す矩形状の線が、次に、ハーフカットが実施され、切断部vとなる位置を示すものである。破線で示す位置がハーフカットされると、保護フィルム付積層体30bはさらに長手方向に搬送されて、図中、一点鎖線で示す矩形状の位置でハーフカットされる。
このようにハーフカットされた切断部vに囲まれた部位それぞれが、保護膜形成工程を経て、1つの機能性積層フィルム10となる。
図5(B)に示すように、ハーフカットされた保護フィルム付積層体30bの切断部vは、第1の保護フィルム32a、ガスバリアフィルム14、機能層12、ガスバリアフィルム14を切断し、第2の保護フィルム32bの一部まで到達する。
このようにハーフカットされて表出した切断面34には、後述する保護層形成工程において、端面保護層16が成膜される。すなわち、切断面34は、機能性積層フィルム10における機能層積層体11の端面を含む面である。
このようにハーフカット工程では、長尺な保護フィルム付積層体30aを長手方向に搬送しつつ、順次、所定の形状に切込みを入れてハーフカットを実施する。その際、長尺な保護フィルム付積層体30aを長手方向に搬送しながら、ハーフカットを実施しても良いし、搬送とハーフカットとを交互に、間欠的に実施してもよい。
また、図示例では、1つの連続した切断部vごとにハーフカットを行う構成としたが、これに限定はされず、複数の切断部vを一度にハーフカットしてもよい。
また、ハーフカット工程における切断方法には特に限定はなく、種々の公知の切断方法が適宜利用可能である。
例えば、トムソン刃型、ダイカッター、裁断刃等の刃物を用いた切断方法、CO2レーザー、Yagレーザー、ヘリウムネオンレーザー等のレーザー加工による切断方法等が利用可能である。
なかでも、設備の価格、生産性の観点から、トムソン刃型が好適に用いられる。また、積層部の剥がれ、粉塵、刃寿命など、刃物で切断面の品質を満たせない場合には、レーザーによる切断方法が好適に用いられ、特に、安価なCO2レーザーが好適に用いられる。
また、刃物を用いた切断方法の場合には、両刃の刃物を用いるのが好ましい。両刃の刃物を用いることで、切断部vをより大きく開口させることができ、後述する保護層形成工程において、より好適に端面保護層16を成膜することができる。
また、ハーフカット工程において、第2の保護フィルム32bが切断される厚さは、第2の保護フィルム32bの厚さの5%〜80%が好ましく、10%〜50%がより好ましい。
第2の保護フィルム32bを厚さの5%以上、切断することで、後述する保護層形成工程の際に、切断部vをより大きく開口することができ、切断面34に端面保護層16をより好適に形成することができる。
また、第2の保護フィルム32bの切断量を厚さの80%以下とすることで、搬送中などに、第2の保護フィルム32bが、切れて分離するのを抑制することができる。
ハーフカットされた保護フィルム付積層体30bは、保護層形成工程に供される。
保護層形成工程は、保護フィルム付積層体30bを長手方向に搬送しつつ、ハーフカットされて表出した切断面34に端面保護層16を成膜する工程である。
前述のとおり、端面保護層16は、無機材料からなりガスバリア性を有する部材である。従って、保護層形成工程においては、形成する端面保護層16の形成材料に応じて、公知の方法で端面保護層16を形成すればよい。具体的には、CCP−CVDやICP−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着など、気相堆積法が好適に例示される。
なかでも、小さく開口した切断部v内に回り込み可能なガス系の成膜方法であるプラズマCVDが好適である。
保護層形成工程を実施する成膜装置の一例を図6に示す。なお、図6に示す成膜装置50は、基本的に、公知のプラズマCVDによるロール・ツー・ロールの成膜装置である。
図6に示す成膜装置50は、ハーフカットされた保護フィルム付積層体30bを長手方向に搬送しつつ、この保護フィルム付積層体30bの切断面34にプラズマCVDによって、端面保護層16を成膜して、機能性積層フィルムを製造するものである。
また、この成膜装置50は、長尺な保護フィルム付積層体30bをロール状に巻回してなる積層体ロール36から保護フィルム付積層体30bを送り出し、長手方向に搬送しつつ端面保護層16を成膜して、端面保護層16が形成された保護フィルム付積層体30bをロール状に巻き取る、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)による成膜を行なう装置である。
図6に示す成膜装置50は、保護フィルム付積層体30bに、CCP(Capacitively Coupled Plasma 容量結合型プラズマ)−CVDによる膜を成膜することができる装置であって、真空チャンバ52と、この真空チャンバ52内に形成される、巻出し室54と、成膜室58と、ドラム60とを有して構成される。
成膜装置50においては、長尺な保護フィルム付積層体30bは、巻出し室54の積層体ロール36から供給され、ドラム60に巻き掛けられた状態で長手方向に搬送されつつ、成膜室58において、成膜され、次いで、再度、巻出し室54において巻取り軸64に巻き取られる。
ドラム60は、円筒状の部材であり、円の中心を通り図中紙面に垂直な軸を回転軸として、反時計方向に回転する。
ドラム60は、後述する巻出し室54のガイドローラ63aよって所定の経路で案内された保護フィルム付積層体30bを、周面の所定領域に掛け回して、所定位置に保持しつつ長手方向に搬送して、成膜室58内に搬送して、巻出し室54のガイドローラ63bに送る。
ここで、ドラム60は、後述する成膜室58の成膜電極66の対向電極としても作用するものである。すなわち、ドラム60と成膜電極66とで電極対を構成する。
また、ドラム60には、バイアス電源72が接続されている。
バイアス電源72は、ドラム60にバイアス電力を供給する電源である。
バイアス電源72は、基本的に、各種のプラズマCVD装置で利用されている、公知のバイアス電源である。
巻出し室54は、真空チャンバ52の内壁面52aと、ドラム60の周面と、内壁面52aからドラム60の周面の近傍まで延在する隔壁56aおよび56bとによって構成される。
このような巻出し室54は、前述の巻取り軸64と、ガイドローラ63aおよび63bと、回転軸62と、真空排気部76とを有する。
ガイドローラ63aおよび63bは、保護フィルム付積層体30bを所定の搬送経路で案内する通常のガイドローラである。また、巻取り軸64は、成膜済みの保護フィルム付積層体30bを巻き取る、公知の長尺物の巻取り軸である。
図示例において、長尺な保護フィルム付積層体30bをロール状に巻回してなるものである積層体ロール36は、回転軸62に装着される。また、積層体ロール36が、回転軸62に装着されると、保護フィルム付積層体30bは、ガイドローラ63a、ドラム60、および、ガイドローラ63bを経て、巻取り軸64に至る、所定の経路を通される。
真空排気部76は、巻出し室54内を所定の真空度に減圧するための真空ポンプである。真空排気部76は、巻出し室54内を、成膜室58の圧力に影響を与えない圧力にする。
保護フィルム付積層体30bの搬送方向において、巻出し室54の下流には、成膜室58が配置される。
成膜室58は、内壁面52aと、ドラム60の周面と、内壁面52aからドラム60の周面の近傍まで延在する隔壁56aおよび56bとによって構成される。
成膜装置50において、成膜室58は、CCP(Capacitively Coupled Plasma 容量結合型プラズマ)−CVDによって、保護フィルム付積層体30bの切断面34に成膜を行なうものであり、成膜電極66と、原料ガス供給部68と、高周波電源70と、真空排気部74とを有する。
成膜電極66は、成膜装置50において、CCP−CVDによる成膜の際に、ドラム60と共に電極対を構成するものである。成膜電極66は、1つの最大面である放電面をドラム60の周面に対面して配置される。成膜電極66は、その放電面と、電極対を形成するドラム60の周面との間で、成膜のためのプラズマを生成し、成膜領域を形成する。
また、成膜電極66は、放電面に、多数の貫通穴が全面的に形成される、いわゆるシャワー電極であってもよい。
原料ガス供給部68は、プラズマCVD装置等の真空成膜装置に用いられる公知のガス供給手段であり、成膜電極66の内部に、原料ガスを供給する。原料ガス供給部68が供給する原料ガスは、成膜する端面保護層16の形成材料に応じて、適宜選択すればよい。
高周波電源70は、成膜電極66に、プラズマ励起電力を供給する電源である。高周波電源70も、各種のプラズマCVD装置で利用されている、公知の高周波電源が、全て利用可能である。
さらに、真空排気部74は、プラズマCVDによるガスバリア膜の成膜のために、成膜室58内を排気して、所定の成膜圧力に保つものであり、真空成膜装置に利用されている、公知の真空排気手段である。
ここで、図7に、ドラムに巻き掛けられた保護フィルム付積層体の状態を説明するための部分拡大断面図を示す。
図7に示すように、ハーフカットした保護フィルム付積層体30bをドラム60に巻き掛けることで、切断部vの開口量を大きくして、切断面34への成膜をより容易にすることができる。
また、図7に示す切断部vは、搬送方向に直交する幅方向に延在する切断部vを表すものであるが、保護フィルム付積層体30bはドラム60に巻き掛けられて、適度なテンションが加えられているので、搬送方向に延在する切断部vも同様に、開口量が大きくなり、切断面34への成膜をより容易にすることができる。
ここで、前述のとおり、量子ドット層等の、水分や酸素により劣化しやすい機能層を保護するため、機能層の両主面にガスバリアフィルムを積層することが行われている。さらに、機能層の端面からの水分や酸素の浸入を防止するために、機能層の周囲全部をガスバリアフィルムで保護する構成や、機能層の周囲のガスバリアフィルムで挟まれた領域にガスバリア性を有する保護層を形成する構成が提案されている。
しかしながら、50μm程度の薄い機能層の周囲全部をガスバリアフィルムで被覆するのは非常に困難であり、また、バリア層が割れてガスバリア性が低下するおそれがあり、生産性が悪いという問題があった。
また、機能層の周囲に保護層を形成する構成の機能性フィルムは、例えば、一方のガスバリアフィルム上の周縁部分に保護層を形成した後に、保護層に囲まれた領域内に機能層を形成する、いわゆる、ダムフィル方式により作製される。しかしながら、このようなダムフィル方式では、長尺な部材を長手方向に搬送しつつ、各層を形成する、いわゆるロールツーロール方式で作製する場合には、幅方向の2つの端面にしか保護層を形成することができず、機能層の4つの端面すべてに保護層を形成することができない。また、ロールツーロール方式で作製したあとに所望のサイズに加工することもできない。従って、ロールツーロール方式で容易に作製することができず、生産性が悪いという問題があった。
これに対して、本発明の製造方法においては、第1の保護フィルム32aとガスバリアフィルム14と機能層12とガスバリアフィルム14と第2の保護フィルム32bとをこの順に積層してなる長尺な保護フィルム付積層体30aを長手方向に搬送しつつ、保護フィルム付積層体30aを第1の保護フィルム32a側から、第2の保護フィルム32bの一部までハーフカットし、ハーフカットされて表出した切断面34に、端面保護層16aを成膜することで、ロールツーロール方式で容易に機能層12の端面に端面保護層16aを形成することができる。従って、生産性を向上することができる。
また、機能層12の端面に確実に端面保護層16aを形成することができるので、機能層12が水分や酸素により劣化することを確実に防止できる。
また、ハーフカットされた状態のまま、切断面34に端面保護層16aを成膜するので、端面保護層16aは、切断部vの奥側、すなわち、第2の保護フィルム32b側が薄く形成され、切断部vの開口面側、すなわち、第1の保護フィルム32a側が厚く形成される。
すなわち、本発明の製造方法により製造した機能性積層フィルムの端面保護層16aは、基本的に、機能層積層体11の端面に垂直な方向の厚みが、機能層積層体11の一方の主面側から他方の主面側に向かうにしたがって、漸次、厚くなるように形成される。
また、端面保護層16aを形成する際に、保護フィルム付積層体30aの上に、第1の保護フィルム32aが積層されているので、無機膜がガスバリアフィルム14の表面などの、端面以外に付着してしまうことを防止できる。
なお、保護層形成工程の際の成膜の条件や切断部vの開口等を調整して、端面保護層16aが均一になるようにしてもよく、あるいは、傾斜して形成された端面保護層16aの厚みを均一にする加工を行ってもよい。
また、本実施形態においては、好ましい態様として、長尺な基板を、基板の長手方向に搬送しつつ、ドラムに巻き掛けて成膜を行なう、いわゆる、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の構成としたが、本発明はこれに限定はされず、ロール・ツー・ロールの装置であって、成膜室に、対面して配置される板状の電極対を設け、この電極対の間を、長尺な基板を長手方向に搬送すると共に、基板と電極との間に原料ガスを供給して成膜を行なう構成としてもよい。
成膜室58にて端面保護層16を形成された保護フィルム付積層体30bは、巻取り軸64にロール状に巻き取られて後、保護フィルム剥離工程に供される。
保護フィルム剥離工程では、端面保護層16を形成された保護フィルム付積層体30bから、第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bが剥離されて、図1(A)に示すような機能性積層フィルム10が作製される。
なお、図示例においては、ハーフカット工程の後、ハーフカットされた保護フィルム付積層体30bを、一旦、ロール状に巻き回した後に、保護層形成工程を行う構成としたが、これに限定はされず、ハーフカット工程と保護層形成工程とをRtoRにて連続的に行う構成としてもよい。
また、保護層形成工程の後、端面保護層16が形成された保護フィルム付積層体30bを、一旦、巻取り軸64にロール状に巻き取った後に、保護フィルム剥離工程を行う構成としたが、これに限定はされず、保護層形成工程と保護フィルム剥離工程とをRtoRにて連続的に行う構成としてもよい。
また、ハーフカット工程と保護層形成工程と保護フィルム剥離工程とをRtoRにて連続的に行う構成としてもよい。
以上、本発明の機能性積層フィルムおよびその製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1として、図1に示す機能性積層フィルム10を作製した。
<機能性積層フィルム>
〔保護フィルム付積層体の準備工程〕
(ガスバリアフィルム)
ガスバリアフィルム14としては、ガスバリア支持体20上に、有機層24および無機層26が形成されたガスバリアフィルムを用いた。
ガスバリア支持体20として、厚さ50μm、幅1000mm、長さ100mのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製 コスモシャインA4300)を用いた。
このガスバリア支持体20の裏面、すなわち、有機層24および無機層26の形成面とは逆面に、予め保護フィルム32を貼着した。
保護フィルム32としては、厚さ50μmのCT50(パナック株式会社製)を用いた。
次に、ガスバリア支持体20の表面に有機層24を形成した。有機層24は、塗布法によりガスバリア支持体20に材料を塗布し、乾燥後、紫外線照射して重合を行って、厚さ1μmの膜を形成した。
有機層24を形成する塗布液として、重合性化合物のTMPTA(ダイセル・サイテック株式会社製)と、紫外線重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)1.4gとを、質量比が95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させて、固形分濃度15%の塗布液を調製した。
調製した重合性組成物をダイコーターを用いてRtoRによりガスバリア支持体20上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させ、その後、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)してUV硬化させ、有機層24を形成した。
なお、有機層24形成直後のパスロールにて有機層用保護フィルムとしてPE(株式会社サンエー科研製 PAC2-30-T)を貼り付け、搬送し、巻き取った。
次に、図6に示すような、RtoRの成膜装置を用いて、CCP(容量結合プラズマ方式)−CVDにより、有機層用保護フィルムを剥離した後、有機層24上に、厚さ50nmの無機層26を形成した。
原料ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を用いた。ガスの供給量は、シランガスが160sccm、アンモニアガスが370sccm、窒素ガスが240sccm、水素ガスが590sccmとした。また、成膜圧力は40Paとした。すなわち、無機層26は、窒化珪素膜である。
プラズマ励起電力は、周波数13.56MHzで2.5kWとした。
以上のように、ガスバリアフィルム14を作製した。
作製したガスバリアフィルム14の水蒸気透過率をCa腐食法で測定したところ、温度40℃、湿度90%RHにおける水蒸気透過率は、1×10-4[g/(m2・day)]、また、酸素透過率をAPIMS法で測定したところ、温度40℃、湿度90%RHにおける酸素透過率は、1×10-3[cc/(m2・day・atm)]であった。
なお、無機層26形成直後の膜面タッチロールにて無機層用保護フィルムとしてPE(株式会社サンエー科研製 PAC2-30-T)を貼り付け、搬送し、巻き取った。
(機能層)
次に、RtoRの塗布装置により、無機層用保護フィルムを剥離した後に、塗布法によりガスバリアフィルム14の無機層26上に、塗布組成物を塗布した。
機能層12の塗布組成物としては下記の各成分を混合して、量子ドット分散液を調製した。
・量子ドットA(発光極大:520nm) 0.1質量部
・量子ドットB(発光極大:630nm) 0.01質量部
・1官能メタクリレート(ラウリルメタクリレート) 70質量部
・2官能アクリレート(ジプロピレングリコールジアクリレート)
20質量部
・3官能アクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート)
10質量部
・光重合開始剤:イルガキュア819(BASF社製) 1質量部
・有機修飾スメクタイト(層状粘土化合物、アスペクト比20、長径0.15μm) 2.5質量部
塗布組成物は、事前にディゾルバーで10Lの塗液を150rpmにて30分程度攪拌し、同時に超音波脱泡を実施(使用超音波発信器はブランソン製 Bransonic8800を用いて水を介在してポリ容器内のこの液に超音波出力280W、周波数 40kHで照射した)した。その後、濾過精度が100μmのフィルタ(PALL プロファイルII、孔径100μm)で濾過処理を実施して塗布組成物を調製した。
塗布はダイコーターを用いて行った。
次に、塗布した塗布組成物の上に、先と同様の、保護フィルム32付のガスバリアフィルム14を、無機層26を塗布組成物側に向けて積層した。
その後、紫外線を照射(積算照射量約300mJ/cm2)してUV硬化させ、厚さ70μmの機能層12を形成し、保護フィルム付積層体30aを作製した。
〔ハーフカット工程〕
次に、作製した保護フィルム付積層体30aを、RtoRで搬送しつつ、トムソン刃を用いて、160mm×90mmの大きさに、第1の保護フィルム32a側から第2の保護フィルム32bの一部までハーフカットして型抜きした。
用いたトムソン刃は、刃先角度20°の両刃トムソン刃とした。
また、ハーフカット量は、刃先の下限停止位置を調整して、第2の保護フィルム32bのハーフカットした位置の残りの厚さが20μmとなるようにハーフカットした。
ハーフカットした保護フィルム付積層体30bはロール状に巻き取り保護層形成工程に供した。
〔保護層形成工程〕
図6に示すような成膜装置を用いて、ハーフカットした保護フィルム付積層体30bに端面保護層16aを成膜した。
端面保護層16aとしては、上記無機層と同様にして、窒化珪素膜を形成した。
保護層形成工程の後、第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bを剥離して、160mm×90mmの大きさの機能性積層フィルム10aを得た。
なお、端面保護層16aの厚さは、25nm〜10nmで傾斜した厚さであった。
[実施例2]
保護層形成工程において、端面保護層16aとして、スパッタリングによりアルミナ膜を形成した以外は、実施例1と同様にして機能性積層フィルム10aを作製した。
具体的には、ハーフカットした保護フィルム付積層体30bを、一般的なスパッタリング装置に装填して、アルミナ焼結体をターゲットとして用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、アルミナ膜からなる端面保護層16aを形成した。
端面保護層16aの厚さは、8nm〜2nmであった。
[実施例3]
ガスバリア支持体20の厚さを100μmとした以外は、実施例1と同様にして機能性積層フィルム10aを作製した。
端面保護層16aの厚さは、15nm〜5nmであった。
[実施例4]
ガスバリア支持体20の厚さを25μmとした以外は、実施例1と同様にして機能性積層フィルム10aを作製した。
端面保護層16aの厚さは、35nm〜20nmであった。
[実施例5]
第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bの厚さを100μmとした以外は、実施例1と同様にして機能性積層フィルム10aを作製した。
端面保護層16aの厚さは、12nm〜5nmであった。
[実施例6]
第1の保護フィルム32aおよび第2の保護フィルム32bの厚さを25μmとした以外は、実施例1と同様にして機能性積層フィルム10aを作製した。
端面保護層16aの厚さは、35nm〜20nmであった。
[比較例1]
保護層形成工程を行わず端面保護層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、機能性積層フィルムを作製した。
[評価]
<ガスバリア性試験>
作製した実施例1〜6および比較例1の機能性積層フィルムについて、ガスバリア性試験、すなわち、耐久性試験を行った。
具体的には、作製直後の機能性積層フィルム、および、温度60℃湿度90%RHの環境下で100時間静置した後の機能性積層フィルムを、以下の液晶表示装置に組み込み、輝度ムラを測定し、加湿前後の輝度ムラの変化によりガスバリア性を評価した。
まず、市販の液晶表示装置(パナソニック社製商品名THL42D2)を分解し、液晶セルがある側の導光板上に機能性積層フィルムを加え、バックライトユニットを以下のB狭帯域バックライトユニットに変更し、バックライトユニットおよび液晶表示装置を製造した。用いたB狭帯域バックライトユニットは、光源として、青色発光ダイオード(日亜B−LED:Blue,主波長465nm、半値幅20nm)を備える。
次に、液晶表示装置を白表示した際の色ムラを評価した。表示装置の前面の対角線方向に両端50mmを除き、両対角線それぞれ等間隔に5点で、740mmの距離に設置した輝度計(SR3、TOPCON社製)にて輝度を測定した。算出した平均値から10点で測定したそれぞれの輝度の差を計算し、そのうちの最大値を平均輝度で割って百分率で表した値を、輝度ムラとした。
測定した、加湿前後の輝度ムラの差に基づいて以下のように評価した。
A:5%以下である。
B:5%超10%以下である。
C:10%超20%以下である。
D:20%超である。
結果を下記の表1に示す。
上記表1に示されるように、本発明の機能性積層フィルムは、比較例に対して、より高いガスバリア性を有することがわかる。
また、実施例1と実施例2との対比から、端面保護層をプラズマCVDで形成するとスパッタリングで形成する場合よりも、端面保護層を容易に厚く形成することができ、端面におけるガスバリア性をより高くできることが分かる。
また、実施例1、3および4の対比、ならびに、実施例1、5および6の対比から、ガスバリア支持体や保護フィルムが薄いほど、端面保護層を容易に厚く形成することができ、端面におけるガスバリア性をより高くできることが分かる。
また、このように、本発明の機能性積層フィルムの製造方法によれば、機能層の端面を十分に保護することができる端面保護層を、ロールツーロールにより効率よく生産できることがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 機能性積層フィルム
11 機能層積層体
12 機能層
14 ガスバリアフィルム
16 端面保護層
20 ガスバリア支持体
22 ガスバリア層
24 有機層
26 無機層
30 保護フィルム付積層体
32 保護フィルム
34 切断面
36 積層体ロール
50 成膜装置
52 真空チャンバ
52a 内壁面
54 巻出し室
56 隔壁
58 成膜室
60 ドラム
62 回転軸
63 ガイドローラ
64 巻取り軸
66 成膜電極
68 原料ガス供給部
70 高周波電源
72 バイアス電源
74、76 真空排気部

Claims (15)

  1. 機能層と、前記機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、少なくとも無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する機能層積層体、および、
    前記機能層積層体の端面のうち少なくとも一部を厚さ方向に覆って形成される、無機材料からなる端面保護層、を有することを特徴とする機能性積層フィルム。
  2. 前記端面保護層は、前記機能層積層体の端面に垂直な方向の厚みが、前記機能層積層体の一方の主面側から他方の主面側に向かうにしたがって、漸次、厚くなるように形成されている請求項1に記載の機能性積層フィルム。
  3. 前記端面保護層を構成する無機材料が窒化ケイ素である請求項1または2に記載の機能性積層フィルム。
  4. 前記端面保護層の、前記機能層積層体の端面に垂直な方向の厚みが5nm〜500nmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  5. 前記端面保護層は、前記機能層積層体の端面の全周を覆って形成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  6. 前記ガスバリアフィルムの無機層が窒化ケイ素からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  7. 前記ガスバリアフィルムは、ガスバリア支持体と、前記ガスバリア支持体上に積層される有機層と、前記有機層上に積層される前記無機層とを有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  8. 前記ガスバリアフィルムの厚さが、5μm〜100μmである請求項1〜7のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  9. 前記機能層は、多数の量子ドットを含む量子ドット層である請求項1〜8のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  10. 第1の保護フィルムとガスバリアフィルムと機能層とガスバリアフィルムと第2の保護フィルムとをこの順に積層してなる長尺な保護フィルム付積層体を準備する準備工程と、
    長尺な前記保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、前記保護フィルム付積層体を前記第1の保護フィルム側から、前記第2の保護フィルムの一部までハーフカットするハーフカット工程と、
    ハーフカットされた前記保護フィルム付積層体を長手方向に搬送しつつ、前記保護フィルム付積層体の、ハーフカットされて表出した面に、無機材料からなる端面保護層を成膜する保護層形成工程と、を有することを特徴とする機能性積層フィルムの製造方法。
  11. 前記第1および第2の保護フィルムの厚さが、5μm〜100μmである請求項10に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
  12. 前記ハーフカット工程は、トムソン刃またはCO2レーザを用いて行う請求項10または11に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
  13. 前記ハーフカット工程において、第2の保護フィルムの厚さの5%〜80%の位置までハーフカットを行う請求項10〜12のいずれか一項に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
  14. 前記保護層形成工程は、プラズマCVDにより端面保護層を形成する請求項10〜13のいずれか一項に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
  15. 前記保護層形成工程は、前記保護フィルム付積層体を円筒状のドラムの周面の所定領域に巻き掛けて搬送しつつ、前記ドラムを成膜のための電極対の一方として用いて成膜を行う請求項10〜14のいずれか一項に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
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