JPWO2016021711A1 - アミノ酸誘導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、光学純度の高いラコサミドを、高収率で、安価かつ安全に工業的に製造する方法を提供することを目的とする。ベンジルアミンまたはその誘導体を用いるアミノ化を鍵工程とすることにより、光学純度の高いラコサミドを、高収率で、安価かつ安全に工業的に製造する方法を提供する。また、ラコサミドの製造において有用な中間体を提供することで上記課題を解決する。

Description

本発明は、アミノ酸誘導体およびその中間体の製造方法に関する。具体的には、(R)−N−ベンジル−2−アセチルアミノ−3−メトキシプロピオン酸アミド(ラコサミド)およびその中間体の製造方法に関する。
ラコサミドは、てんかんや疼痛の治療に有用な薬剤である。
特許文献1、2および非特許文献1には、O−メチル化剤としてヨウ化メチルおよび酸化銀を使用するラコサミドの製造方法が開示されている。また、特許文献3には、O−メチル化剤として硫酸ジメチルを使用する方法が開示されている。さらに、特許文献4および5には、水酸基のメチル化の前にアミノ基を保護する方法が開示されている。
これらの方法は、いずれも出発物質として高価なD−セリンおよびその誘導体を使用しており、また、高価なO−メチル化剤や保護化のための試薬を使用していることや、保護基の導入・脱保護の工程が必要であること等から、工業的により安価に製造できる方法が望まれている。また、特許文献3に記載の方法は、ラコサミドを工業的に大規模に生産する場合には硫酸ジメチルを大量に使用することから、安全上または環境上問題を生じるおそれがあり、より安全でかつ環境にやさしい製造方法が望まれている。
特許文献6、7および8には、ラセミ体のラコサミドまたはその中間体を製造し、これを光学分割する方法や、SMB(Simulated Moving Bed)分離装置で光学異性体を分離する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は、収率や光学純度の面で満足できるものではなく、また、特殊な分離装置が必要であること等から、工業的により効率よく安価に製造できる方法が望まれている。
米国再発行特許第RE38551号明細書 米国特許第6,048,899号明細書 国際公開第2006/037574号 米国特許第8,093,426号明細書 国際公開第2011/039781号 国際公開第2010/052011号 国際公開第2012/065891号 国際公開第2011/092559号
Drugs Future 2004, 29, 992-997
本発明は、光学純度の高いラコサミドを、高収率で、安価かつ安全に工業的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、入手容易かつ安価なベンジルアミンまたはその誘導体を用いるアミノ化を鍵工程とすることにより、効率的かつ経済的なラコサミドの製造方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]工程(1):
一般式[I]:
[式中、Xは脱離基を表す。]
で表される化合物(以下、化合物[I]ともいう)および一般式[II]:
[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
で表される化合物[II](以下、化合物[II]ともいう)またはその塩を、塩基の存在下または非存在下に反応させる工程を含むことを特徴とする、一般式[III]:
[式中、各記号は前記と同義である。]
で表される化合物(以下、化合物[III]ともいう)またはその塩の製造方法。
[2]工程(1)で得られた化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸と反応させる工程をさらに含むことを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3]工程(1)で得られた化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸、およびアルデヒドと反応させる工程をさらに含むことを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[4]一般式[I]:
[式中、Xは脱離基を表す。]
で表される化合物が、一般式[VI]:
[式中、Rは、アルキル基を表し、Xは前記と同義である。]
で表される化合物(以下、化合物[VI]ともいう)を、ナトリウムメトキシドおよびベンジルアミンと反応させることにより得られたものであるか、または、一般式[VII]:
[式中、Xは前記と同義である。]
で表される化合物(以下、化合物[VII]ともいう)を、ナトリウムメトキシドと反応させることにより得られたものである、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]一般式[III]:
[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
で表される化合物またはその塩を、還元または酸処理することを特徴とする、式[IV]:
で表される化合物(以下、化合物[IV]ともいう)またはその塩の製造方法。
[6]一般式[III]で表される化合物が、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法により得られたものである、[5]に記載の製造方法。
[7][5]または[6]に記載の製造方法で得られた式[IV]:
で表される化合物またはその塩を、アセチル化剤と反応させることを特徴とする、式[V]:
で表される化合物(以下、化合物[V]ともいう)またはその塩の製造方法。
[8][7]に記載の製造方法により得られた式[V]:
で表される化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬製剤。
[9]一般式[III]:
[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
で表される化合物またはその塩。
[10]一般式[III’]:
[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
で表される化合物(以下、化合物[III’]ともいう)またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸と反応させて、アキラルブレンステッド酸塩またはキラルブレンステッド酸塩に変換した後、再結晶して、一般式[III]:
[式中、各記号は前記と同義である。]
で表される化合物またはその塩を得ることを特徴とする、一般式[III’]で表される化合物またはその塩の精製方法。
[11]一般式[III’]:
[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
で表される化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸、および、アルデヒドの存在下に異性化させて、一般式[III]:
[式中、各記号は前記と同義である。]
で表される化合物またはその塩を得ることを特徴とする、一般式[III’]で表される化合物またはその塩の精製方法。
本発明によれば、光学純度の高いラコサミドを、高収率で、安価かつ安全に工業的に製造することができる。また、ラコサミドの製造において有用な中間体を提供することができる。
本発明において用いられる記号および用語の定義について、以下に詳述する。
本明細書中、「BMBA」とは、N−ベンジル−2−ブロモ−3−メトキシプロピオン酸アミドを意味する。「BMBA」は、一般式[I]で表される化合物の一例である。
本明細書中、「S-PEA」とは、(S)−α−メチルベンジルアミンを意味する。「S-PEA」は、一般式[II]で表される化合物の一例である。
本明細書中、「PMBA」とは、(2R,1’S)−N−ベンジル−2−(1’−メチルベンジルアミノ)−3−メトキシプロピオン酸アミドを意味する。「PMBA」は、一般式[III]で表される化合物の一例である。
本明細書中、「HMBA」とは、(R)−N−ベンジル−2−アミノ−3−メトキシプロピオン酸アミドを意味する。
本明細書中、「LACO」とは、(R)−N−ベンジル−2−アセチルアミノ−3−メトキシプロピオン酸アミド(ラコサミド)を意味する。
本明細書中、「BBE」とは、2,3−ジブロモプロピオン酸エチルを意味する。「BBE」は、一般式[VI]で表される化合物の一例である。
本明細書中、「BBA」とは、N−ベンジル−2,3−ジブロモプロピオン酸アミドを意味する。「BBA」は、一般式[VII]で表される化合物の一例である。
本明細書中、「DMF」とは、N,N’−ジメチルホルムアミドを意味する。
本明細書中、「DMA」とは、N,N’−ジメチルアセトアミドを意味する。
本明細書中、「NMP」とは、N−メチル−2−ピロリドンを意味する。
本明細書中、「THF」とは、テトラヒドロフランを意味する。
本明細書中、「DCC」とは、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを意味する。
本明細書中、「EDC」とは、1,2−ジクロロエタンを意味する。
本明細書中、「DBU」とは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味する。
本明細書中、「DBTA」とは、ジベンゾイル−L−酒石酸を意味する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、特に断りのない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素または臭素である。
本明細書中、「アルキル基」としては、特に断りのない限り、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6の低級アルキル基であり、特に好ましくはメチル基またはエチル基である。
本明細書中、「アリール基」としては、特に断りのない限り、炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アンスリル基などが挙げられる。
本明細書中、「アラルキル基」としては、特に断りのない限り、炭素数7〜40のアラルキル基が挙げられ、例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−アンスリルメチル基、トリチル基などが挙げられる。
本明細書中、「アルコキシ基」としては、特に断りのない限り、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などが挙げられる。
本明細書中、「ジアルキルアミノ基」としては、特に断りのない限り、炭素数2〜24のジアルキルアミノ基が挙げられ、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチル基、ジネオペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基などが挙げられる。
本明細書中、「アキラルブレンステッド酸」としては、塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられ、好ましくは塩酸である。
本明細書中、「キラルブレンステッド酸」としては、L−酒石酸、D−酒石酸、ジベンゾイル−L−酒石酸、ジベンゾイル−D−酒石酸、d−カンファースルホン酸、S−マンデル酸、R−マンデル酸等が挙げられ、好ましくはジベンゾイル−L−酒石酸である。
本明細書中、「アルデヒド」としては、ベンズアルデヒド、サリシルアルデヒド、ブタナール、アセトアルデヒド等が挙げられ、好ましくはベンズアルデヒド、サリシルアルデヒドまたはブタナールである。
本明細書中、「アセチル化剤」としては、無水酢酸、塩化アセチル、N−アセチルイミダゾール、酢酸等が挙げられる。
本明細書中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONRである。Rは、好ましくは、メチル基である。
本明細書中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基である。該ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基は、フェニル基の2位または4位で置換していることが好ましい。Rは、好ましくは、水素原子である。
本明細書中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基である。
本明細書中、Rは、アルキル基である。Rは、好ましくは、メチル基またはエチル基である。
本明細書中、Xで表される脱離基としては、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、アセトキシ基、ジフェニルホスホリルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子である。
次に、本発明の製造方法について説明する。
<製造方法1>化合物[III]またはその塩の製造
[式中、各記号は前記と同義である。]
1.工程(1)
化合物[III’]またはその塩は、化合物[I]と、化合物[II]またはその塩を塩基の存在下または非存在下に反応させることにより製造することができる。
化合物[II]またはその塩の使用量は、化合物[I]1mmolに対して、1mmol〜5mmol、好ましくは1mmol〜2mmolである。
塩基としては、特に限定されるものではなく、公知の塩基を用いることができる。例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基が挙げられ、好ましくはアルカリ金属炭酸塩であり、特に好ましくは炭酸カリウムである。
塩基を用いる場合の使用量は、化合物[I]1mmolに対して、0.1mmol〜50mmol、好ましくは0.5mmol〜10mmol、特に好ましくは1mmol〜5mmolである。
反応は、溶媒を用いて行うことができる。溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等を用いることができる。好ましくは、DMF、DMA、NMP、アセトニトリルまたはイソプロパノールである。溶媒は混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、化合物[I]1mmolに対して、通常0mL〜100mL、好ましくは0.1mL〜5mLである。
反応温度は、通常−10℃〜150℃、好ましくは25℃〜110℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜96時間、好ましくは6時間〜36時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
2.工程(2)
化合物[III]またはその塩は、以下の方法(1)または(2)により、化合物[III’]またはその塩のジアステレオマー比を向上させることで得ることができる。
方法(1):化合物[III’]またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸と反応させる。
方法(2):化合物[III’]またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸、およびアルデヒドと反応させる。
方法(1):
化合物[III’]またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸と反応させることにより、アキラルブレンステッド酸塩またはキラルブレンステッド酸塩に変換し、2位R体のアキラルブレンステッド酸塩またはキラルブレンステッド酸塩を反応系から析出させる。これにより、ジアステレオマー比の高い化合物[III]またはその塩を得ることができる。
得られる化合物[III]またはその塩のジアステレオマー比は、ジアステレオマー過剰率として、80de%以上、好ましくは90de%以上、より好ましくは95de%以上である。
アキラルブレンステッド酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等を用いることができ、好ましくは塩酸である。
アキラルブレンステッド酸の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、通常0.5mmol〜20mmol、好ましくは1mmol〜5mmolである。
キラルブレンステッド酸としては、L−酒石酸、D−酒石酸、ジベンゾイル−L−酒石酸、ジベンゾイル−D−酒石酸、d−カンファースルホン酸、S−マンデル酸、R−マンデル酸等を用いることができ、好ましくはジベンゾイル−L−酒石酸である。
キラルブレンステッド酸の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、0.5mmol〜2mmol、好ましくは0.5mmol〜1.5mmolである。
アキラルブレンステッド酸とキラルブレンステッド酸は混合して使用することができる。この時の混合比(モル比)は、アキラルブレンステッド酸/キラルブレンステッド酸=0〜10、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.9〜1.1、特に好ましくは1である。
アキラルブレンステッド酸とキラルブレンステッド酸を混合して使用する場合の合計使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、0.5mmol〜5mmol、好ましくは0.5mmol〜1.5mmolである。
この反応は、溶媒を用いて行うことができる。溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、THF等を用いることができる。好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルまたは酢酸イソブチルである。溶媒は混合して用いてもよい。
溶媒の使用量としては、化合物[III’]1mmolに対して、通常0.1mL〜30mL、好ましくは0.5mL〜15mL、特に好ましくは1mL〜6mLである。
反応温度は、通常、−30℃〜130℃、好ましくは0℃〜70℃である。
反応時間は、通常、0.1時間〜100時間、好ましくは0.5時間〜15時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
さらに、得られた化合物[III]またはその塩の純度を高めるために再結晶することが好ましい。
再結晶の溶媒としては、水、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等を用いることができ、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルである。
再結晶の溶媒使用量は、化合物[III]またはその塩1mmolに対して、通常0.1mL〜100mL、好ましくは3mL〜12mLである。
再結晶の温度は、通常−10℃〜120℃、好ましくは−5℃〜50℃である。
再結晶の時間は、通常0.1時間〜96時間、好ましくは1時間〜36時間である。
方法(2):
化合物[III’]またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸、およびアルデヒドと反応させることにより、異性化させる。これにより、2位R体が過剰なアキラルブレンステッド酸塩またはキラルブレンステッド酸塩が得られるので、ジアステレオマー比の高い化合物[III]またはその塩を得ることができる。
得られる化合物[III]またはその塩のジアステレオマー比は、ジアステレオマー過剰率として、80de%以上、好ましくは90de%以上、より好ましくは95de%以上である。
アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸としては、上記方法(1)と同様のものを使用することができる。
アキラルブレンステッド酸の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、通常0.5mmol〜20mmol、好ましくは1mmol〜5mmolである。
キラルブレンステッド酸の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、0.5mmol〜2mmol、好ましくは0.5mmol〜1.5mmolである。
アキラルブレンステッド酸とキラルブレンステッド酸は混合して使用することができる。この時の混合比(モル比)は、アキラルブレンステッド酸/キラルブレンステッド酸=0〜10、好ましくは0.5〜5、特に好ましくは1である。
アキラルブレンステッド酸とキラルブレンステッド酸の合計使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、0.5mmol〜5mmol、好ましくは0.5mmol〜1.5mmolである。
アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、サリシルアルデヒド、ブタナール、アセトアルデヒド等を用いることができ、好ましくはベンズアルデヒド、サリシルアルデヒドまたはブタナールである。
アルデヒドの使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、通常0.01mmol〜100mmol、好ましくは0.05mmol〜50mmol、特に好ましくは0.1mmol〜10mmolである。
この反応は、酸または塩基の存在下で、行うことができる。
酸としては、酢酸、ブタン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を用いることができ、好ましくは酢酸またはブタン酸である。
酸の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、通常0.01mmol〜100mmol、好ましくは0.05mmol〜50mmol、特に好ましくは0.1mmol〜10mmolである。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、DBU等を用いることができ、好ましくは水酸化ナトリウムまたはDBUである。
塩基の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、通常0.01mmol〜100mmol、好ましくは0.05mmol〜50mmol、特に好ましくは0.1mmol〜10mmolである。
この反応は、溶媒を用いて行うことができる。溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、THF等を用いることができる。好ましくは、酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたは酢酸ブチルである。溶媒は混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、化合物[III’]またはその塩1mmolに対して、通常0.15mL〜30mL、好ましくは0.3mL〜15mL、特に好ましくは0.6mL〜6mLである。
反応温度は、通常−30℃〜120℃、好ましくは0℃〜90℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜100時間、好ましくは0.5時間〜24時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
化合物[III]またはその塩は、ラコサミドを製造するための出発原料または中間体として有用である。
原料である化合物[I]は、例えば、化合物[VI]または化合物[VII]から、従来公知の方法により製造することができる。
化合物[VI]から製造する場合は、例えば、WO2010/052011号に記載の方法により製造することができる。具体的には、市販の化合物[VI]、例えば、2,3−ジブロモメチルプロピオネートや2,3−ジブロモエチルプロピオネートを、溶媒中で、ナトリウムメトキシドおよびベンジルアミンと反応させることにより製造することができる。
ナトリウムメトキシドの使用量は、化合物[VI]1mmolに対して、通常1mmol〜30mmol、好ましくは1mmol〜2mmolである。
ベンジルアミンの使用量は、化合物[VI]1mmolに対して、通常1mmol〜100mmol、好ましくは1mmol〜50mmol、特に好ましくは1mmol〜10mmolである。
溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、メタノール、THF、トルエン等を用いることができる。溶媒は混合して用いてもよい。好ましくは、メタノールまたはTHFであり、特に好ましくはメタノールである。
溶媒の使用量は、化合物[VI]1mmolに対して、通常0.1mL〜30mL、好ましくは0.3mL〜15mL、特に好ましくは0.6mL〜6mLである。
反応温度は、通常−20℃〜70℃、好ましくは10℃〜70℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜100時間、好ましくは0.5時間〜24時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
化合物[VII]から製造する場合は、例えば、WO2013/072933号に記載の方法により製造することができる。具体的には、化合物[VII]例えばN−ベンジル−2,3−ジブロモプロピオン酸アミドを、溶媒中で、ナトリウムメトキシドと反応させることにより製造することができる。
ナトリウムメトキシドの使用量は、化合物[VII]1mmolに対して、通常1mmol〜10mmol、好ましくは1mmol〜5mmol、特に好ましくは1mmol〜3mmolである。
溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、メタノール、THF、トルエン等を用いることができる。溶媒は混合して用いてもよい。好ましくは、メタノールまたはTHFであり、特に好ましくはメタノールである。
溶媒の使用量は、化合物[VII]1mmolに対して、通常0.1mL〜30mL、好ましくは0.3mL〜15mL、特に好ましくは0.5mL〜6mLである。
反応温度は、通常−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
また、化合物[VII]は、例えば、WO2012/069855号に記載の方法により製造することができる。具体的には、N−ベンジルアクリルアミドを、溶媒中で、臭素と反応させることにより製造することができる。
臭素の使用量は、N−ベンジルアクリルアミド1mmolに対して、通常1mmol〜3mmol、好ましくは1mmol〜2mmolである。
溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、メタノール、水、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等を用いることができる。溶媒は混合して用いてもよい。好ましくは、メタノール、水、トルエンまたは塩化メチレンであり、特に好ましくはメタノール、水またはトルエンである。
溶媒の使用量は、N−ベンジルアクリルアミド1mmolに対して、通常0.1mL〜30mL、好ましくは0.2mL〜10mL、特に好ましくは0.3mL〜1.5mLである。
反応温度は、通常−30℃〜120℃、好ましくは0℃〜100℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜8時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
<製造方法2>化合物[IV]またはその塩の製造
[式中、各記号は前記と同義である。]
化合物[IV]またはその塩は、化合物[III]またはその塩を、還元または酸処理することにより、製造することができる。還元は、貴金属触媒の存在下に行うことが好ましい。
貴金属触媒としては、パラジウム炭素、パラジウムブラック、パラジウム硫酸バリウム、パラジウム炭酸カルシウム、白金炭素、ロジウム炭素、ルテニウム炭素等を用いることができ、好ましくはパラジウム炭素である。
貴金属触媒の使用量は、化合物[III]またはその塩1mmolに対して、0.0001mmol〜1mmol、好ましくは0.0005mmol〜0.05mmolである。
化合物[III]またはその塩の還元に使用する還元剤としては、水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム等を用いることができる。
水素を還元剤として用いる場合は、例えば、化合物[III]またはその塩を、水素雰囲気下で貴金属触媒存在下に反応させることにより還元することができる。水素圧としては、通常1気圧〜100気圧であり、好ましくは1気圧〜20気圧である。
ギ酸、ギ酸アンモニウムまたはギ酸トリエチルアンモニウムを還元剤として用いる場合は、化合物[III]またはその塩をこれらの還元剤と貴金属触媒の存在下に反応させることにより還元することができる。
ギ酸、ギ酸アンモニウムまたはギ酸トリエチルアンモニウムの使用量は、化合物[III]またはその塩1mmolに対して1mmol〜100mmol、好ましくは1mmol〜20mmolである。
還元は、溶媒の存在下に行うことができる。溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等が挙げられ、好ましくは水、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールである。溶媒は混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、化合物[III]1mmolに対して、通常0mL〜100mL、好ましくは0.1mL〜50mLである。
還元時の温度としては、通常−10℃〜150℃、好ましくは25℃〜110℃である 還元時間としては、通常0.1時間〜96時間、好ましくは6時間〜36時間である。
また、還元は、酸の存在下または非存在下に行うことができる。酸の存在下に還元する場合、酸としては、塩酸、硫酸、リン酸または酢酸を用いることができる。酸の使用量は、化合物[III]またはその塩1mmolに対して0.1mmol〜100mmol、好ましくは1mmol〜10mmolである。
化合物[III]またはその塩の酸処理に使用する酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられ、好ましくは塩酸または硫酸である。
酸の使用量は、化合物[III]またはその塩1mmolに対して、通常0.1mmol〜100mmol、好ましくは1mmol〜10mmolである。
酸処理時の温度は、通常−10℃〜110℃、好ましくは0℃〜60℃である。
酸処理時間は、通常0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間である。
酸処理時の圧力は、通常、常圧である。
化合物[III]またはその塩は、上述の製造方法1で得られたものを用いることが好ましい。
<製造方法3>化合物[V](ラコサミド)またはその塩の製造
上述の製造方法2で得られた化合物[IV]またはその塩をアセチル化剤と反応させることにより、化合物[V](ラコサミド)またはその塩を製造することができる。例えば、WO2006/037574号、米国特許第6048899号に記載された方法により製造することができる。
アセチル化剤としては、無水酢酸、塩化アセチル、N−アセチルイミダゾール、酢酸等を用いることができる。
アセチル化剤として、無水酢酸、塩化アセチルまたはN−アセチルイミダゾールを用いる場合は、塩基の存在下に行うことができる。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、p−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンが挙げられる。
アセチル化剤として、酢酸を用いる場合は、DCC、EDC塩酸塩、クロロ炭酸イソブチル等の有機化合物の存在下に行うことができる。
この反応は、溶媒を用いて行うことができる。溶媒は、反応が進行する限り特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、塩化メチレン等を用いることができる。溶媒は混合して用いてもよい。好ましくは、水、THF、塩化メチレン、水とTHFの混合物、水と塩化メチレンの混合物である。
溶媒の使用量は、化合物[IV]またはその塩1mmolに対して、通常0mL〜100mL、好ましくは0.1mL〜50mLである。
反応温度は、−75℃〜120℃、好ましくは−25℃〜50℃である。
反応時間は、0.1時間〜96時間、好ましくは0.2時間〜24時間である。
反応時の圧力は、通常、常圧である。
化合物[V]またはその塩の純度を向上させるために、アセチル化剤との反応終了後、得られた化合物[V](ラコサミド)またはその塩を再結晶することができる。
再結晶の溶媒としては、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等が挙げられ、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸ブチルである。
再結晶の溶媒使用量は、化合物[V]またはその塩1mmolに対して、0.1mL〜100mL、好ましくは3mL〜12mLである。
再結晶の温度は、通常−10℃〜120℃、好ましくは−5℃〜50℃である。
再結晶の時間は、通常0.1時間〜96時間、好ましくは1時間〜36時間である。
上述の各製造方法で得られた化合物は反応混合物のまま、または粗生成物として得た後に次の製造方法に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
本発明の化合物[II]、[III]、[III’]、[IV]または[V]の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
本発明の化合物[II]、[III]、[III’]、[IV]もしくは[V]またはそれらの塩は、溶媒和物を含む。溶媒和物としては、例えば、水和物、アルコール和物(例、メタノール和物、エタノール和物)が挙げられる。
本発明において、ラコサミドのより好ましい製造方法としては、以下の合成ルート(a)〜(d)が挙げられる。
本発明の製造方法で得られたラコサミドは、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、注射剤等の通常の剤形(以下、「本発明の医薬製剤」ともいう)に調製し、経口的または非経口的に投与することができる。この場合、本発明の医薬製剤は、薬理学的に許容される担体を用い、通常の方法によって調製することができる。
上記「薬理学的に許容される担体」としては、製剤素材として慣用の各種有機または無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤、または液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤および無痛化剤等が挙げられる。さらに必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α−デンプン、コーンスターチ、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えばα−デンプン、結晶セルロース、白糖、アラビアゴム、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば乳糖、ショ糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば注射用水、生理食塩水、リンガー液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
着色剤としては、例えば水溶性の食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号)、水不溶性のレーキ色素(例、上記水溶性の食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロテン、クロロフィル、ベンガラ)等が挙げられる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、アスパルテーム、ステビア等が挙げられる。
本発明の医薬製剤中のラコサミドの含有量は、剤形、ラコサミドの投与量等により異なるが、例えば、医薬製剤全体の約1重量%〜100重量%、好ましくは約8重量%〜40重量%である。
ラコサミドの投与量は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状等により異なるが、例えばてんかんの患者に経口投与する場合、通常約0.1mg/kg体重〜約10mg/kg体重、好ましくは約0.5mg/kg体重〜約10mg/kg体重、さらに好ましくは約1mg/kg体重〜約4mg/kg体重であり、これらの服用量を症状に応じて1日約1回〜数回(例、1回〜3回)投与するのが望ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下の実施例において、濃度および含有量における「%」は、特段の記載がない限り「重量%」を示す。混合溶媒において示した比は、特段の記載がない限り「容量比」を示す。
参考例1(BMBAの製造)
WO2010/052011号の実施例1に記載された方法に準じて、BMBAを製造した。
窒素雰囲気下、メタノール(200ml)および30%ナトリウムメトキシド メタノール溶液(40ml、219.3mmol)を25℃〜30℃で混合した。混合物を−15℃〜−10℃に冷却した後、BBE(50.0g、192.4mmol)を60分かけて添加し、同温で10分間撹拌した。反応液の温度を-5℃〜0℃までゆっくり昇温し、15分間撹拌した。反応液に、同温で、ベンジルアミン(103.1g、961.8mmol)を60分かけて滴下した。反応液を30分かけて25℃〜30℃まで昇温し、同温で16時間撹拌した。反応はTLC(thin-layer chromatography、展開溶媒:10%酢酸エチル/ヘキサン)でモニターした。反応終了後、反応液を減圧濃縮した。残渣に1.0mol/L塩酸(1000ml)を10℃〜15℃で加えて、25℃〜30℃で30分間撹拌した。反応液を塩化メチレン(100mL×3回)で抽出した。有機層を合わせて水で洗浄した(100mL×2回)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮してBMBAの薄桃色固体を得た(40.0g、収率76.4%、HPLC純度:95.47Area%)。
1H-NMR (CDCl3): δ 7.33-7.09 (m. 5H), 6.92 (brs, 1H), 4.47-4.42 (m, 3H), 3.95-3.85 (m, 2H), 3.41 (s, 3H)
Mass: m/z 273 [M + H]+
なお、HPLC純度の測定条件は以下のとおりである。
カラム:Unisole C18 (150mm×4.6mm, 3μm)
緩衝液:アセトニトリル/水=90/10
移動相A:10mmol/L酢酸アンモニウム
移動相B:アセトニトリル/水=90/10
グラジエントプログラム:0分(A液/B液=3/0)、5分(A液/B液=3/5)、10分(A液/B液=95/25)、15分(A液/B液=95/35)、20分(A液/B液=3/37)、25分(A液/B液=3/42)
流量:0.8mL/分
注入量:5μL
検出波長:215nm
カラム温度:40℃
実施例1(PMBAの製造)
工程(i)
DMF(50.0mL)、BMBA(10.0g、36.75mmol)、炭酸カリウム(15.23g、110.23mmol)およびS-PEA(6.68g、55.12mmol)の混合物を、80℃〜85℃で22時間撹拌した。反応液を25℃に冷却した後、冷水(100mL)に加えた。得られた反応液を塩化メチレンで抽出した(50.0mL×2回)。有機層を水洗後(50.0mL×2回)、減圧濃縮してPMBAのジアステレオマー混合物を得た(19.4g、ジアステレオマー比(PMBA:ジアステレオマー)=26.89:27.40)。
1H-NMR (CDCl3): δ 8.0-7.95 (m, 1H), 7.8-7.15 (m, 10H), 4.6-4.15 (m, 2H), 4.05-3.95 (m, 1H), 3.65-3.35 (m, 2H), 3.35-3.3 (m, 1H), 2.5 (s, 3H), 1.35 (s, 3H)
Mass: m/z 313 [M+ + 1]+
工程(ii)
工程(i)で得られたPMBAのジアステレオマー混合物0.5g(1.6mmol)およびジベンゾイル−L−酒石酸(DBTA、0.58g、1.6mmol)を、55℃で酢酸イソプロピル(10mL)に溶解し、同温で1時間、25℃で1時間、0℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾過してPMBAのジベンゾイル−L−酒石酸塩を得た(0.54g、収率50%、ジアステレオマー過剰率(HPLC)99.3%de)。
なお、工程(i)におけるジアステレオマー比および工程(ii)におけるジアステレオマー過剰率(%de)は、以下の条件でのHPLCにより測定した。
カラム:Unisole C18 (150mm×4.6mm, 3μm)
緩衝液:アセトニトリル/水=90/10
移動相A:10mmol/L酢酸アンモニウム
移動相B:アセトニトリル/水=90/10
グラジエントプログラム:0分(A液/B液=3/0)、5分(A液/B液=3/5)、10分(A液/B液=95/25)、15分(A液/B液=95/35)、20分(A液/B液=3/37)、25分(A液/B液=3/42)
流量:0.8mL/分
注入量:5μL
検出波長:215nm
カラム温度:40℃
工程(ii)と同様の方法で得られたPMBAのジベンゾイル−L−酒石酸塩(35.0g)に水(70mL)および塩化メチレン(70mL)を加え、15℃〜20℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを7.5〜8に調整した。この混合物を室温で30分間撹拌した後、分液した。水層を塩化メチレンで抽出した(35mL×2回)。有機層を合わせて水洗し(50mL×2回)、硫酸ナトリウムで乾燥した後、40℃で減圧濃縮してPMBA(14.5g、収率89%)を黄色液体として得た。
IR (KBr):νmax=3327, 3028, 2966, 2924, 1665, 1518, 1453, 1243, 1191, 1111, 761, 700cm-1
1H-NMR (DMSO-d6) δ 8.44 (t, J=6.0Hz, 1H exchangeable), 7.50-7.10 (m, 10H), 4.33-4.19 (m, 2H), 3.82 (dd, J = 12.4, 6.0 Hz, 1H), 3.58-3.47 (m, 2H), 3.25 (s, 3H), 3.14 (m, 1H), 2.28 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 1.26(d, J = 6.4 Hz, 3H)
13C-NMR (DMSO-d6) δ 172.0, 171.9, 145.6, 140.3, 139.6, 139.5, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.2, 127.0, 126.9, 126.8, 126.7, 126.6, 125.8, 73.2, 72.6, 60.9, 59.0, 58.3, 58.2, 55.6, 51.1, 41.9, 23.8
Mass: m/z 313[M + H]+
実施例2(PMBAの異性化)
実施例1の工程(ii)と同様の方法で得られたPMBAのジベンゾイル−L−酒石酸塩1.0g(0.00149mmol、ジアステレオマー比:>99/1)に、酢酸4mLを撹拌下25℃〜30℃で加えた。さらに、サリシルアルデヒド0.036g(0.000298mol)を25℃〜30℃で加えた。反応液を100℃〜110℃に昇温し、この温度で6時間撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)を加えて反応を停止させ、反応液を塩化メチレン(20mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて濃縮することにより、PMBAラセミ体を得た(0.32g、収率68%、ジアステレオマー比(PMBA:ジアステレオマー)=57:43)。ジアステレオマー比は、実施例1と同様の条件でのHPLCにより測定した。
実施例3(HMBAの製造)
PMBA(2.6g、8.32mmol)、メタノール(13.0mL)および10%パラジウム炭素(0.0317g、0.0104mmol)の混合物を、室温において、水素加圧下(5kg/cm2)で8時間撹拌した。その後、10%パラジウム炭素(0.0317g、0.0104mmol)を追加して、室温において、水素加圧下(5kg/cm2)で8時間撹拌した後、セライト濾過した。セライトをメタノール(10.0mL)で洗浄した。濾液および洗液を合わせて、減圧濃縮することによりオイル状のHMBAを得た(2.04g、収率100%)。
1H NMR (DMSO-d6): δ 8.44 (t, 1H exchangeable), 7.35 - 7.29 (m, 5H), 4.32 (d, 2H), 3.50 - 3.20 (m, 8H)
Mass: m/z 209[M + H]+
実施例4(LACOの製造)
HMBA(1.54g、7.39mmol)、THF(9.3mL)、水(1.54mL)およびトリエチルアミン(0.82g、8.13mmol)の混合物を5分間撹拌し、25℃で無水酢酸(0.83g、8.13mmol)を加えて、同温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残渣に水(10.0mL)を加え、6mol/Lの塩酸水溶液を加えてpHを1〜2に調整した。この混合物を酢酸エチルで抽出した(10mL×3回)。有機層を合わせて、水(2×10.0mL)、飽和食塩水(10.0mL)で順次洗浄後、減圧濃縮することにより粗体のLACOを得た(2.2g、定量的)。得られた粗体のLACOを酢酸エチルから再結晶することにより白色固体のLACOを得た(1.48g、収率80%、光学純度100%ee)。
[α]D 25+16.4o (c 1.0, MeOH)
1H NMR (CDCl3): δ 7.24-7.40 (m, 5H), 6.78 (br s, 1H), 6.48 (br s, 1H), 4.51-4.60 (m, 1H), 4.48 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.81 (dd, J = 9.5, 4.2 Hz, 1H), 3.40-3.48 (m, 1H), 3.38 (s, 3H), 2.03 (s, 3H)
Mass: m/z 251 [M + H]+
光学純度は、以下の条件でのHPLCにより測定した。
カラム:Chiralcel OD-H (250mm×4.6mm, 5μm)
移動相A:n−ヘキサン
移動相B:イソプロパノール
A:B=75:25
流量:0.7mL/分
注入量:5μL
検出波長:210nm
カラム温度:30℃
本発明は、光学純度の高いラコサミドを、高収率で、安価かつ安全に工業的に製造することができる。また、ラコサミドの製造において有用な中間体を提供することができる。
本出願は、日本で出願された特願2014−161308(出願日2014年8月7日)を基礎としておりその内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (11)

  1. 工程(1):
    一般式[I]:
    [式中、Xは脱離基を表す。]
    で表される化合物および一般式[II]:
    [式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
    で表される化合物[II]またはその塩を、塩基の存在下または非存在下に反応させる工程を含むことを特徴とする、一般式[III]:
    [式中、各記号は前記と同義である。]
    で表される化合物またはその塩の製造方法。
  2. 工程(1)で得られた化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸と反応させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(1)で得られた化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸、およびアルデヒドと反応させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. 一般式[I]:
    [式中、Xは脱離基を表す。]
    で表される化合物が、一般式[VI]:
    [式中、Rは、アルキル基を表し、Xは前記と同義である。]
    で表される化合物を、ナトリウムメトキシドおよびベンジルアミンと反応させることにより得られたものであるか、または、一般式[VII]:
    [式中、Xは前記と同義である。]
    で表される化合物を、ナトリウムメトキシドと反応させることにより得られたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 一般式[III]:
    [式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
    で表される化合物またはその塩を、還元または酸処理することを特徴とする、式[IV]:
    で表される化合物またはその塩の製造方法。
  6. 一般式[III]で表される化合物が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により得られたものである、請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の製造方法で得られた式[IV]:
    で表される化合物またはその塩を、アセチル化剤と反応させることを特徴とする、式[V]:
    で表される化合物またはその塩の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られた式[V]:
    で表される化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬製剤。
  9. 一般式[III]:
    [式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
    で表される化合物またはその塩。
  10. 一般式[III’]:
    [式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
    で表される化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸と反応させて、アキラルブレンステッド酸塩またはキラルブレンステッド酸塩に変換した後、再結晶して、一般式[III]:
    [式中、各記号は前記と同義である。]
    で表される化合物またはその塩を得ることを特徴とする、一般式[III’]で表される化合物またはその塩の精製方法。
  11. 一般式[III’]:
    [式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COORまたは−CONR(ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。*は、Rが水素原子以外のとき、絶対配置がRまたはSであることを意味する。]
    で表される化合物またはその塩を、アキラルブレンステッド酸またはキラルブレンステッド酸、および、アルデヒドの存在下に異性化させて、一般式[III]:
    [式中、各記号は前記と同義である。]
    で表される化合物またはその塩を得ることを特徴とする、一般式[III’]で表される化合物またはその塩の精製方法。
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