JPWO2015156243A1 - 熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼 - Google Patents

熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015156243A1
JPWO2015156243A1 JP2016512706A JP2016512706A JPWO2015156243A1 JP WO2015156243 A1 JPWO2015156243 A1 JP WO2015156243A1 JP 2016512706 A JP2016512706 A JP 2016512706A JP 2016512706 A JP2016512706 A JP 2016512706A JP WO2015156243 A1 JPWO2015156243 A1 JP WO2015156243A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
heating
heat treatment
coil
rail steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016512706A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6210151B2 (ja
Inventor
狩峰 健一
健一 狩峰
上田 正治
正治 上田
才田 健二
健二 才田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Publication of JPWO2015156243A1 publication Critical patent/JPWO2015156243A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6210151B2 publication Critical patent/JP6210151B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/50Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for welded joints
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/34Methods of heating
    • C21D1/42Induction heating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/04Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for rails
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

本発明は、レール鋼の溶接部における足部を起点とする脆性破壊の発生の抑制に好適な熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼を提供することを目的とする。本発明の熱処理装置は、コイルを有し、レール鋼の溶接部の足部裏面を誘導加熱により加熱する熱処理装置であって、前記溶接部において溶接時にAc1点以上に加熱された領域をHAZ、前記足部裏面におけるレール長さ方向の前記HAZの長さをLh、前記レール鋼の幅をWとし、前記足部裏面を対向する視線で見た場合に、前記コイルの外のり領域の前記レール長さ方向の長さが前記Lhの1.2倍以上であり、前記コイルの前記外のり領域のレールの幅方向の長さが前記Wの1.1倍以上である。

Description

本発明は、熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼に関する。
本願は、2014年4月8日に日本に出願された特願2014−79489号及び2014年4月8日に日本に出願された特願2014−79503号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
レール鋼の溶接部は、使用時におけるレール破壊の発生箇所になりやすい。レール破壊は、列車通過による衝撃及び振動などによって生じる。レールの破壊形態の一つに、溶接部において生じる亀裂に起因する脆性破壊がある。脆性破壊には、レール柱部又はレール足部を起点として生じる破壊があり、いずれも防止する必要がある。
なお、本明細書では、溶接時にAc1点以上に加熱された領域をHAZ(Heat Affected Zone:熱影響部)と呼称する。溶接ビードが存在する場合は、溶接ビードはAc1点以上に加熱されており、溶接ビードもHAZに含まれる。
特許文献1及び特許文献2には、溶接部の破壊を抑制するための熱処理に関する発明として、温度が400℃以上である、HAZ全体又はHAZのレール頭部及び柱部(腹部)を急速冷却する方法が開示されている。特許文献1及び特許文献2では、HAZ全体又はHAZのレール頭部及び柱部(腹部)を400℃以上に加熱する方法は、自己保有熱、火炎又は高周波誘導加熱などのいずれの方法でもよいとされている。
一方、特許文献3において、溶接部ではないが、レール母材の足部を起点とする破壊を防止する方法として、レール母材の足部裏面の幅方向中央部を500℃〜600℃に再加熱する方法が開示されている。特許文献3に開示されている再加熱方法を用いることで、レール足部裏面に圧縮残留応力を付与し、折損等によるレールの破壊を防止することが可能である。特許文献3では、再加熱方法として、ガス火炎加熱及び高周波加熱(誘導加熱)が挙げられている。
日本国特開昭59−093837号公報 日本国特開昭59−093838号公報 日本国特開2006−057128号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されている方法では、HAZのレール柱部を起点とする脆性破壊の抑制には一定の効果があるものの、HAZのレール足部を起点とする脆性破壊を防止することは難しい。
溶接部(HAZ)ではないが、レール母材の足部を起点とする破壊を防止する方法として、レール母材の足部裏面の幅方向中央部を500〜600℃に再加熱する方法が発明されている(特許文献3)。このように再加熱することで、レール足部の裏面に圧縮残留応力を付与し、折損等の破壊が防止できるとされている。しかし、この方法は、溶接部の破壊を防止するものではなく、逆にレール底部の再加熱温度が600℃超である場合には、レール鋼の硬さが急激に低下し、レール折損時の破壊応力が低減することにより、レール底部からの折損が発生し易くなることが記載されている(特許文献3の段落[0014]等参照)。
また、いずれの先行技術文献にも、溶接部を誘導加熱するためのコイルの具体的な形状は記載されていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、レール鋼の溶接部における足部を起点とする脆性破壊の発生の抑制に好適な熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼を提供することを目的とする。
本発明者らは、HAZのレール足部を起点とする脆性破壊においては、HAZのレール長さ方向中央部が亀裂発生の起点となる頻度が最も高く、次いでHAZとレール母材との境界近傍(溶接時の加熱温度がAc1点となる位置の母材を含む近傍)が亀裂発生の起点となる頻度が高いことを知見した。本発明者らは、これらの亀裂発生の起点は、HAZにおける最も硬い部分(長さ方向中央部)、及びレールの長さ方向(HAZを含む)に関して硬さ(Hv値)が急激に変化する部分であることに着目した(実施例6及び図8参照)。
本発明者らは、HAZのレール足部を起点とする脆性破壊を防ぐために、HAZとレール母材との境界近傍に対し、硬さの急激な変化を抑制し、かつ硬さを低下させるための加熱処理(軟化処理)を施すことにより、亀裂発生を抑制できることに想到した。さらに、加熱処理における加熱温度を600℃超800℃以下として表層のみを加熱して軟化させることにより、脆性破壊の起点になる亀裂の発生を抑制し、亀裂が発生しても亀裂の進展を抑制できること、及びレール頭部に対して軟化処理を施した場合には、逆にレール足部に亀裂が生じやすくなることに想到し、本発明の完成に至った。
本発明は、上記課題を解決して、係る目的を達成するために、以下の手段を採用する。(1)本発明の一態様に係る熱処理装置は、コイルを有し、レール鋼の溶接部の足部裏面を誘導加熱により加熱する熱処理装置であって、前記溶接部において溶接時にAc1点以上に加熱された領域をHAZ、前記足部裏面におけるレール長さ方向の前記HAZの長さをLh、前記レール鋼の幅をWとし、前記足部裏面を対向する視線で見た場合に、前記コイルの外のり領域の前記レール長さ方向の長さが前記Lhの1.2倍以上であり、前記コイルの前記外のり領域の前記レールの幅方向の長さが前記Wの1.1倍以上である。
(2)上記(1)に記載の熱処理装置において、前記コイルの前記外のり領域の、前記レール長さ方向の前記長さは、40mm以上である構成を採用してもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の熱処理装置において、前記コイルの前記外のり領域の、前記レール幅方向の前記長さは、前記Wの1.2倍以上である構成を採用してもよい。
(4)上記(1)から上記(3)のいずれか一態様に記載の熱処理装置において、前記コイルの前記外のり領域の形状が長方形である構成を採用してもよい。
(5)本発明の一態様に係る熱処理方法は、レール鋼の溶接部の熱処理方法であって、上記(1)から上記(4)の何れか1態様に記載の熱処理装置の前記コイルを前記足部裏面に対向配置して、前記足部裏面を対向する視線で見た場合に溶接中心面から対称の位置にあり相互の距離が前記Lhの1.2倍である一対の仮想線で挟まれる領域を、3℃/秒以上20℃/秒以下の加熱速度で加熱することにより、少なくとも前記足部裏面の前記溶接中心面上かつ前記レール鋼の幅方向の中心上にある位置Cを600℃超800℃以下に加熱する加熱工程と、前記加熱工程後に、前記レール鋼を冷却する冷却工程と、を有する。
(6)上記(5)に記載の熱処理方法において、前記加熱工程では、前記位置Cを600℃超Ac1点以下の温度に加熱する構成を採用してもよい。
(7)上記(5)に記載の熱処理方法において、前記加熱工程において、前記位置Cを、Ac1点超800℃以下の温度に加熱し、前記冷却工程を、放冷により行う構成を採用してもよい。
(8)上記(5)から上記(7)の何れか1態様に記載の熱処理方法において、前記加熱工程では、前記レール鋼の頭部の加熱温度を600℃以下とする構成を採用してもよい。
(9)本発明の一態様に係るレール鋼は、溶接部を有するレール鋼であって、
前記溶接部に上記(5)から上記(8)の何れか一態様に記載のレール鋼の溶接部の熱処理方法によって熱処理が施されている。
上記各態様によれば、レール鋼の溶接部における足部を起点とする脆性破壊の発生の抑制に好適な熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼を提供することが可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置及びレール鋼の断面図及び部分側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置及びレール鋼の断面図及び部分底面図である。 レール鋼の各部位の名称等を説明するためのレール鋼の断面図及び部分側面図である。 レール鋼の各部位の名称等を説明するためのレール鋼の断面図及び部分底面図である。 実施例1における評価試験の測定方法を示す説明図である。 実施例1における評価試験の結果を示すグラフである。 実施例2における曲げ試験の測定方法を示す説明図である。 実施例2における曲げ試験の測定結果を示すグラフである。 実施例3における評価試験結果を示すグラフである。 実施例4における評価試験結果を示すグラフである。 実施例5における評価試験結果を示すグラフである。 実施例6における評価試験結果を示すグラフである。 実施例7における評価試験結果を示すグラフである。 実施例8において、LがWの1.0倍である場合の温度測定結果を示すグラフである。 実施例8において、LがWの1.1倍である場合の温度測定結果を示すグラフである。 実施例8において、LがWの1.2倍である場合の温度測定結果を示すグラフである。
続いて、図面を参照しながら本発明を具体化した実施の形態について説明する。
まず、溶接されたレール鋼10(以下、単にレール10ともいう)について、図2A及び図2Bを用いて説明する。図2Aはレール10の長さ方向に垂直な断面図及びその部分側面図、図2Bはレール10の長さ方向に垂直な断面図及びその部分底面図である。
レール10は、少なくとも2本の被溶接材としてのレールが端面間で溶接されており、溶接部11を有する。溶接部11は、被溶接物である溶接前のレールの端面同士が当接した部分である溶接中心面12を含む。また、レール10は、上方に位置し、車輪との接触が生じるレール頭部(頭部13)、下方に位置し、枕木と接するレール足部(足部14)、及び頭部13と足部14との間に垂直に設けられ、頭部13と足部14とを連結するレール柱部(柱部15)を備えている。レール鋼10を形成する鋼としては、特に限定されないが、炭素含有量が0.6〜1.0質量%程度の亜共析鋼、共析鋼及び過共析鋼等を用いることができる。
溶接部11において、溶接時にAc1点以上に加熱された領域をHAZ17、足部14裏面におけるレール10の幅方向の中心位置18におけるレール長さ方向のHAZ17の長さをLh、レール10の幅をWと定義する。
Ac1点とは、鋼材を700℃以下の温度域から加熱する過程で、720〜750℃付近で金属組織が変態を起こし始める温度をいう。Ac1点は、亜共析鋼ではセメンタイト相がオーステナイト相に、過共析鋼ではフェライト相がオーステナイト相に、共析鋼ではフェライト相及びセメンタイト相が同時にオーステナイト相に変態を開始する温度である。
Ac1点は、鋼材の炭素量及び合金成分により温度が異なる。Ac1点を正確に求める方法としては、溶接部11の断面におけるミクロ組織の観察により求めることができる。すなわち溶接部のレール幅方向中心でかつレール長手方向に平行な断面を、顕微鏡により溶接時の最高到達温度の低い母材側から溶接中心に向かって金属組織を観察し、パーライトが球状化した組織から、パーライト組織とパーライトが球状化した組織が混在した組織に変化する位置を求める方法がある。Ac1点を簡便に求めるには、炭素量を基準として、冶金学の教科書(例えば、鉄鋼材料、日本金属学会編)などに掲載されているFe−FeC系平衡状態図から読み取ることが可能である。実際のレール鋼10のAc1点は、平衡状態図の線よりも5〜30℃高めの値となる。一般的な組成のレール鋼10のAc1点は、725℃以上750℃以下である。
HAZ17は、溶接部11の断面におけるマクロ組織の観察を行うことにより、Ac1点以上に加熱されて組織変化を起こした領域として明確に観察することができる。溶接部11の断面においてミクロ、マクロ組織を観察するための方法としては、硝酸アルコール液又は希塩酸を用いて、断面のエッチングを行う方法が挙げられる。HAZ17の大きさは、溶接時の入熱量によって決まり、溶接条件が同じであればHAZ17の大きさも同じである。
Lhは、レール10の幅方向の中心位置18を通るレール長さ方向断面におけるマクロ組織の観察により確認できる。溶接中心面12は、HAZ17の中央を通り、レール長さ方向に垂直かつレール幅方向に平行な面である。
(熱処理装置)
次に、熱処理装置について説明する。
図1A及び図1Bに示されるように、本発明の第1の実施の形態に係る熱処理装置20は、コイル21を有する。熱処理装置20は、レール10の溶接部11の足部14裏面を誘導加熱する。
コイル21は、軸(コイル21を足部14裏面に設置した場合の、外のり領域22のレール長さ方向に関する中心軸)23の方向から見た場合に(図1Bの状態)、長方形状を有する1巻のコイルである。すなわち、コイル21の外のり領域22の形状は、長方形状である。軸23の方向とは、足部14の裏面を対向する視線で見た方向であり、コイル21に電流を流した際にコイル21内に生じる磁界の向きである。
軸23の方向から見た場合のコイル21の外のり領域22の横方向(コイル21を足部14裏面に設置した場合の、外のり領域22のレール長さ方向)長さLは、Lhの1.2倍以上である。横方向長さLをLhの1.2倍以上とすることで、後に詳述するように、HAZ17の外側の硬さが急激に変化する領域を効果的に加熱し、軟化させることができるので、脆性破壊の発生を抑制させることができる。横方向長さLの上限としては特に限定されないが、例えばLhの3倍以上である。LがLhの3倍を超える場合は、脆性破壊の発生を抑制する効果が飽和する。また、横方向長さLが長すぎる、すなわち軟化される領域がレール長さ方向に広がりすぎると、使用時のたわみが増大することにより、亀裂が生じやすくなる場合もある。
コイル21を軸23の方向から見た場合の外のり領域22の横方向長さLは、一般的な溶接条件を用いた場合のレール10のLhが約33mm以上であることを考慮すると、具体的には40mm以上であり、45mm以上が好ましい。40mm未満の場合は、一般的なレール10において幅広なHAZを有する溶接部11の熱処理を効果的に行うことができない。
横方向長さLの具体的な上限としては、一般的なレール10のLhを考慮すると、例えば200mmである。
軸23の方向から見た時に、コイル21の外のり領域22の縦方向(コイル21を足部14裏面に設置した時の、外のり領域22のレール幅方向)長さLは、幅Wの1.1倍以上である。つまり、軸23の方向から見た時に、レール10の幅方向外縁は、コイル21の外のり(外縁)から、幅Wの0.05倍以上の距離だけ離間している。
縦方向長さLが幅Wの1.1倍以上であることにより、レール10の幅方向にわたって形成される温度上昇差を低減することができる。
縦方向長さLは、幅Wの1.2倍以上であることが好ましい。この場合には、軸23の方向から見た時に、レール10の幅方向外縁は、コイル21の外のり(外縁)から、幅Wの0.1倍以上の距離だけ離間している。縦方向長さLを幅Wの1.2倍以上とすることで、レール10の幅方向にわたって形成される温度上昇差をさらに低減することができる。
縦方向長さLの上限としては特に限定されないが、例えば幅Wの3倍である。縦方向長さLが幅Wの3倍を超える場合は、レール10の幅方向の温度上昇差を低減する効果が飽和する。
なお、一般的なレール10の幅Wは、軽レールも含めると50mm〜150mm程度であり、営業鉄道用の普通レールの場合は100mm〜150mm程度である。
コイル21としては、例えば、銅製のコイルを用いることができ、銅パイプ等のパイプ状のコイルを用いることもできる。パイプ状のコイルの場合、内部に冷却水を通しながら使用することで、コイル自身又は他の部分の温度上昇を抑えることができる。コイル21を形成する金属線及び金属パイプの断面形状としては、円形、楕円形及び略方形等があるが、特に限定されない。この金属線及び金属パイプの外径及び長辺の長さは、特に限定されないが、5mm以上40mm以下程度であることが好ましい。
熱処理装置20は、コイル21に電気的に接続される図示しない高周波電源を有する。この高周波電源としては、所定の周波数の高周波電流を発生させる電源であれば特に限定されず、トランジスタ式、サイリスタ式及び電子管式等の公知の高周波電源を用いることができる。さらに、熱処理装置20は、コイル21の固定手段や加熱される部分の温度測定手段(例えば、熱電対や放射温度計等)等を有することができる。
(熱処理方法)
本発明の第2の実施の形態に係るレール鋼の溶接部の熱処理方法は、熱処理装置20を用いて溶接部11における所定の領域を誘導加熱する工程(A)と、加熱後、溶接部11を冷却する工程(B)とを有する。
工程(A)
誘導加熱は、熱処理装置20を足部14裏面側に近接配置して行う。具体的には、図1A及び図1Bに示されるように、コイル21の軸23と足部14裏面とが垂直に、かつ軸23の方向から見た場合に、一対の仮想線24で挟まれる領域16を外のり領域22が含むように、熱処理装置20のコイル21が足部14裏面に対向配置される。一対の仮想線24は、それぞれ溶接中心面12に平行な直線であり、溶接中心面12から対称に位置し、相互の距離がLhの1.2倍である。軸23の方向から見た場合に、つまり足部14裏面を対向する視線で見た場合に(図1Bの状態)、外のり領域22は、レール10の足部14裏面における加熱領域となる。
コイル21は、コイル21の外のり領域22の横方向(L方向)における中央が溶接中心面12に一致し、縦方向(L方向)における中央がレール幅方向の中心位置18に一致するように配置されている。
なお、コイル21と足部14裏面との距離は、コイル21が足部14裏面を誘導加熱することができる距離であれば、特に限定されない。この距離としては、例えば5mm以上50mm以下程度とすることができる。
誘導加熱は、熱処理装置20を上述のように配置して、3℃/秒以上20℃/秒以下、好ましくは5℃/秒以上の加熱速度で足部14裏面を加熱することにより行う。
レール鋼10の足部14裏面を急速に加熱する(加熱速度を3℃/秒以上20℃/秒以下とする)ことで、レール鋼10の表層のみを軟化させるとともに、レール鋼10の内部に硬い層を残しておくことができる。これにより、レール鋼10における亀裂の発生及び進行を抑制できる。
加熱速度が3℃/秒未満の場合は、レール鋼10の表面からレール鋼10の深い範囲まで加熱及び軟化されることにより、足部14の強度が顕著に低下する。逆に、加熱速度が20℃/秒を超える場合は、亀裂の進行を抑制する効果が飽和する。
本実施形態の誘導加熱では、3℃/秒以上20℃/秒以下の加熱速度で加熱することにより、少なくとも足部14裏面の溶接中心面12上かつレール鋼10の幅方向の中心位置18上にある位置C(図2B参照)の表面を、600℃超800℃以下の温度に加熱する。
加熱温度の下限値としては640℃が好ましく、660℃がさらに好ましい。加熱温度の上限値としては、780℃が好ましい。
初期温度の上限は600℃以下であれば特に限定されず、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下とすることもできる。初期温度の下限も特に限定されず、例えば常温(例えば10℃〜30℃)であってもよい。
表面温度は、放射温度計で測定することができる。加熱速度は、初期温度から600℃超800℃以下の加熱温度までの上昇温度(℃)を加熱時間(秒)で割った値(平均値)とする。
なお、本実施形態の誘導加熱では、足部14裏面を上述のように加熱した場合であっても、頭部は600℃超に加熱されない。
Ac1点以下のレール鋼10は、平衡状態図では基本的にフェライト相とセメンタイト相との2相である。Ac1点以下のレール鋼10に対して600℃超の熱処理を行うことにより、セメンタイトの球状化、フェライト結晶粒径の拡大、及びベイナイトやマルテンサイトが存在する場合の焼き戻し効果等によって、レール鋼10の組織を軟化することができる。レール鋼10の組織を軟化することによって、亀裂の発生を抑制することができ、亀裂が発生した場合であっても亀裂の進行を抑制することができる。
なお、レール鋼10に対して800℃超の熱処理を行った場合には、レール鋼10の組織からセメンタイト相が消滅し、熱処理による硬さ低下の効果が得られなくなる。
本実施形態における誘導加熱の加熱時間は、10秒以上265秒以下であることが好ましい。
本実施形態の誘導加熱では、コイル21の形状に起因して、レール鋼10の幅方向端部の方が、レール鋼10の幅方向中央位置18と比べて、高温に加熱されやすい。しかしながら、コイル21の外のり領域22の縦方向長さLがWの1.1倍以上であるので、誘導加熱を行った際のレール鋼10の幅方向端部と幅方向中央位置18との温度上昇差を低減することができる。具体的には、誘導加熱により、レール鋼10の幅方向中央位置18の温度を600℃に加熱した時に、レール幅方向端部の加熱温度も、600℃超800℃以下の温度に制限することができる。
加熱温度が600℃超Ac1点以下の場合と、加熱温度がAc1点超800℃以下の場合とで、好ましい冷却工程の条件が異なる。この点については、後に詳述する。
コイル21の外のり領域22の縦方向長さLが幅Wの1.2倍以上である場合には、縦方向長さLが幅Wの1.1倍である場合に比べて、より効果的にレール鋼10の幅方向端部と幅方向中央位置18との温度上昇差を低減することができる。具体的には、誘導加熱により、レール鋼10の幅方向中央位置18の温度を600℃に加熱した時に、レール幅方向端部の加熱温度も、600℃超Ac1点以下に制限することができる。加熱温度が600℃超Ac1点以下の場合には、後述するように任意の方法で冷却することができる。
誘導加熱を行う際の周波数としては、例えば、1kHz以上100kHz以下が好ましく、2kHz以上50kHz以下がより好ましい。誘導加熱を行う際の周波数を高くすることにより、本実施形態の加熱を容易に制御することができる。
加熱後に保定時間(加熱後の表面温度を維持したまま保つ時間)を設けてもよいが、保定時間としては、20秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましい。保定時間を長くすると、レール鋼10の内部まで加熱及び軟化されることにより、足部14の強度が低下する。保定時間とは、所定の入熱条件で加熱した後の、入熱量を加熱時よりも下げた、かつ入熱量が0ではない状態の時間である。従って、保定時間において、表面温度が加熱温度よりも低下する場合がある。なお、加熱後の冷却とは、入熱量を0とした状態をいう。
加熱の際に、足部14裏面に加えて、足部14上面や柱部15を加熱してもよい。但し、頭部13は、加熱する領域から除かれる。足部14及び頭部13双方を熱処理することにより、足部14だけでなく、頭部13にも軟化層が形成される。車輪通過時の磨耗により、頭部13の軟化層は、凹み部となる。この凹み部は、車輪通過時の溶接部11の下方への変位(弾性変形)の原因となり、足部14裏面の亀裂発生の促進原因となる。従って、頭部13を加熱しないことにより、足部14裏面の亀裂発生を抑制できる。
なお、頭部13を除く領域を加熱する、すなわち、頭部13を加熱しないとは、頭部13を積極的又は直接的に加熱しない(軟化させない)ことであり、頭部13の加熱温度が、熱処理の工程において、600℃超(好ましくは400℃超)にならないことをいう。
工程(B)
本実施形態の熱処理方法では、加熱工程を行った後に冷却工程を行う。好ましい冷却工程は、上述したように加熱温度が600℃超Ac1点以下の場合と、加熱温度がAc1点超800℃以下の場合とで異なる。
(B−1)加熱温度が600℃超Ac1点以下の場合
加熱温度が600℃超Ac1点以下の場合には、任意の冷却方法及び任意の冷却速度で冷却を行うことができる。すなわち、放冷(自然冷却:冷却速度としては例えば1℃/秒以下)であってもよいし、加速冷却(強制冷却:冷却速度としては例えば1℃/秒超20℃/秒以下)を行ってもよい。いずれの冷却方法を用いても、足部14裏面等に十分な軟化組織を生成することができる。
加速冷却の方法としては、特に限定されず、水又は空気等の噴射により行うことなどができる。
(B−2)加熱温度がAc1点超800℃以下の場合
加熱温度がAc1点超800℃以下の場合には、冷却は放冷により行うことが好ましい。加熱温度をAc1点超とした場合、組織中にγ相が生成するが、3℃/秒〜20℃/秒の加熱速度で加熱することにより、セメンタイト相が球状化する。また、冷却を放冷により行うことにより、球状化したセメンタイト相が組織中に残留する。これにより、軟化処理をより適切に行うことができる。
加熱温度がAc1点超800℃以下の場合において、加熱後に加速冷却(放冷を超える冷却速度による強制冷却)を行った場合には、レール鋼10の表層組織に微細なパーライト組織やマルテンサイト組織が生成しやすいため、軟化組織が生成されにくくなる。
(レール鋼)
本発明の第3の実施の形態に係るレール鋼は、溶接部11を有するレール鋼10であって、溶接部11に第2の実施の形態に係る熱処理方法が施されている。
この熱処理がなされたレール鋼10は、溶接部11における頭部13の硬度は熱処理前と実質的に変わらないが、溶接部11における少なくとも足部14裏面の硬度は軟化している。つまり、溶接部11の頭部13の硬度は、溶接部11の足部14裏面の硬度よりも高い。
本実施形態のレール鋼10では、頭部を除く少なくとも足部14裏面において最も亀裂破壊の起点になりやすい溶接中心面12が軟化処理され、溶接中心面12に次いで亀裂破壊の起点になりやすい、HAZ17の外側の硬さが急激に変化する領域が、軟化処理されている。また、本実施形態のレール鋼10では、頭部13が軟化処理されていない。これにより、本実施形態のレール鋼10では、溶接部11における足部14を起点とする脆性破壊の発生が抑制されている。
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、コイル21は1巻に限定されず、2巻以上であってもよい。また、コイル21を軸23の方向から見た時、コイル21の形状は長方形状に限定されず、例えば、楕円形状等であってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、測定条件等は以下の通りである。
・足部の温度測定位置:HAZの足部裏面におけるレール長さ方向中央(溶接中心面)かつレール幅方向中央
・頭部の温度測定位置:HAZの頭部頂部におけるレール長さ方向中央(溶接中心面)かつレール幅方向中央
・加熱速度:初期温度から加熱温度までの平均加熱速度(℃/秒)
・温度測定方法:放射温度計による測定
・加熱手段:略長方形状に巻かれた1巻のコイルによる誘導加熱(周波数10kHz)。コイルの平面と加熱領域とが略平行となるように、かつ溶接中心面及びレール幅方向中心位置を基準に対称となるようにコイルを加熱領域に近接配置して加熱した。コイルの外のり領域を加熱領域とした。
・レール鋼のAc1点:725℃
・Lh:40mm
[実施例1]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面(実施例)又は足部裏面と頭部との両方(比較例)
・初期温度:400℃
・加熱温度:650℃
・加熱速度:5℃/秒
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:5℃/秒(加速冷却)
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
なお、実施例において、足部裏面のみを加熱した場合には、頭部の表面温度は400℃超に上昇していないことを確認した。
<評価1>
実施例1で熱処理した各レール鋼及び熱処理を施さない溶接後の状態の試験材(AW)における評価を、以下の方法で行った。図3Aに示すように、溶接部30を中心に1.5m離間した位置に一対の円筒鋼材31を配置し、レール鋼32を支持した。この1.5mの範囲に、負荷をかけた車輪33の往復により荷重し、破断までの往復回数及び頭部磨耗量を測定した。測定結果を図3Bに示す。
図3Bに示されるように、足部のみを加熱した実施例においては、破断までの回数が格段に多く、脆性破壊に対する高い耐性を有することがわかる。一方、足部と頭部とを共に加熱した比較例においては、頭部磨耗量が増加し、脆性破壊に対する耐性があまり向上していないことがわかる。
[実施例2]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面
・初期温度:400℃
・加熱温度:650℃
・加熱速度:0.2℃/秒〜25℃/秒の範囲で変化させた。
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:5℃/秒(加速冷却)
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
<評価2>
実施例2で熱処理した各レール鋼における評価を、以下の方法で行った。図4Aに示すように、溶接部34を中心に1m離間した位置に半径50mmの円筒鋼材35を一対配置し、レール鋼36を支持した。溶接部34上方から半径50mmの円筒鋼材37で加圧した。加圧(荷重)の負荷速度は10mm/分とした。レール鋼36が破断した際の荷重(破断荷重)及び破断した際のたわみ量(破断たわみ量)について、図4Bに示す。
図4Bに示されるように、加熱速度を高めると破断荷重が増加し、脆性破壊に対する耐性が高まる傾向にある。
加熱速度が3℃/秒未満の場合は、破断たわみが極端に大きくなり、破断荷重が低下している。これは、足部の表層だけでなく深部まで軟化され、強度が低下したことによると考えられる。
一方、加熱速度が20℃/秒を超える場合は、ある程度の厚みの軟化層が形成されず、脆性破壊に対する耐性が飽和する。
[実施例3]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面
・初期温度:400℃
・加熱温度:420℃〜1000℃の範囲で変化させた。
・加熱速度:5℃/秒
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:5℃/秒(加速冷却)及び0.9℃/秒(放冷)のそれぞれで行った。
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
<評価3>
実施例3の各条件で熱処理したレール鋼を用いて、足部裏面の温度測定位置の5mm深さ点における硬度(Hv98N)を測定した。測定結果を図5に示す。
図5に示されるように、加熱温度が600℃超725℃(Ac1点)以下の場合には、冷却を放冷及び加速冷却のいずれの方法で行っても、測定位置の硬度は、十分に低下することがわかる。
加熱温度が725℃(Ac1点)超800℃以下の場合は、加熱後に放冷により冷却すると、測定位置の硬度が十分に低下する。一方、加熱温度が725℃(Ac1点)超800℃以下の場合は、加熱後に加速冷却により冷却すると、測定位置の硬度が十分に低下しない。
なお、以下の実施例4に示されるように、725℃超800℃以下で加熱した後に加速冷却した場合も、脆性破壊に対する耐性は向上する。
[実施例4]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面(実施例)又は足部裏面と頭部との両方(比較例)
・初期温度:400℃
・加熱温度:750℃
・加熱速度:5℃/秒
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:5℃/秒(加速冷却)及び0.9℃/秒(放冷)のそれぞれで行った。
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
<評価4>
実施例4で熱処理した各レール鋼及び熱処理を施さない溶接後の状態の試験材(AW)における評価を、評価1と同様の方法で行った。測定結果を図6に示す。
図6に示されるように、足部のみを750℃で加熱した実施例においては、加熱後に加速冷却及び放冷のいずれの方法で冷却を行った場合であっても、破断までの回数が、AWに比べて大幅に増加した。なお、加熱後に放冷により冷却した場合には、加熱後に加速冷却により冷却した場合に比べて、破断までの回数が増加していた。
[実施例5]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面
・初期温度:400℃
・加熱温度:750℃
・加熱速度:0.2℃/秒〜25℃/秒の範囲で変化させた。
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:0.9℃/秒(放冷)
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
<評価5>
実施例5で熱処理した各レール鋼における評価を、評価2と同様の方法で行った。測定結果を図7に示す。
図7に示されるように、加熱速度を高めると破断荷重が増加し、脆性破壊に対する耐性が高まる傾向にある。加熱速度が3℃/秒未満の場合は、破断たわみが極端に大きくなるとともに、破断荷重が低下していた。加熱速度が20℃/秒を超える場合は、加熱速度が20℃/秒の場合と比べて、破断たわみ及び破断荷重は変化せず、亀裂の進行を抑制する効果が飽和する。
[実施例6]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面
・初期温度:400℃
・加熱温度:650℃
・加熱速度:5℃/秒
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:5℃/秒(加速冷却)
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍(実施例)又はLhの1.0倍(比較例)
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
<評価6>
実施例6で熱処理した各レール鋼及び熱処理を施さない溶接後の状態の試験材(AW)を用いて、足部裏面の温度測定位置の5mm深さ点における硬度(Hv98N)を測定した。測定結果を図8に示す。
図8に示されるように、AWでは、HAZにおける最も硬い部分は、溶接中心面上の位置である。また、AWの測定結果から、硬度が急激に変化する部分が、HAZの外側の位置(溶接中心面から25〜30mmの位置であり、Lhが40mmの場合にはLhの約0.7倍の位置)に存在することが分かる。
の長さがLhの1.0倍であるコイルを用いて、HAZと同じ範囲を加熱した場合、溶接中心面は軟化するが、硬度が急激に変化する部分の硬度はほとんど変わらない。
一方、Lの長さがLhの1.2倍であるコイルを用いて加熱した場合は、溶接中心面が軟化するとともに、硬度が急激に変化する部分の硬度変化が緩やかになっていることが分かる。
[実施例7]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面
・初期温度:400℃
・加熱温度:650℃
・加熱速度:5℃/秒
・加熱後の保定:無し
・加熱後の冷却速度:5℃/秒(加速冷却)
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの0.8倍〜3.0倍の範囲で変化させた。なお、LがLhの1.2倍以上である場合は実施例であり、その他は比較例である。・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.4倍((L−W)/2=Wの0.2倍)
<評価7>
実施例7で熱処理した各レール鋼における評価を、評価2と同様の方法で行った。測定結果を図9に示す。
図9に示されるように、LをLhの1.2倍以上とすることで、破断たわみが顕著に大きくなり、脆性破壊に対する耐性が高まることがわかる。これは、HAZの外側に位置する、硬度が急激に変化する部分が軟化されたことによる効果であると考えられる。
[実施例8]
レール鋼の溶接部を以下の条件で熱処理した。
・加熱領域:足部裏面
・初期温度:400℃
・加熱温度(溶接中心面上かつレール幅方向中央の点):600℃
・加熱速度:5℃/秒
・加熱後の保定:無し
・コイルの外のり領域の横方向長さL:Lhの1.2倍
・コイルの外のり領域の縦方向長さL:Wの1.0倍((L−W)/2=0、比較例)、Wの1.1倍((L−W)/2=Wの0.05倍、実施例)及びWの1.2倍((L−W)/2=Wの0.1倍、実施例)の3種類で行った。
<評価8>
実施例8において熱処理した直後、すなわち溶接中心面上かつレール幅方向中央の点の温度が600℃となったときの、位置Aの温度及び位置Bの温度をレール長さ方向に沿って測定した。ここで、位置Aは、レールの幅方向の一端及び他端から内側に5mmの位置であり、位置Bは、レールの幅方向中央である。
なお、レールの幅方向の一端から内側に5mmの位置の温度と、他端から内側に5mmの位置の温度とは等しかった。
測定結果を図10A〜図10Cに示す。
図10Aは、LがWの1.0倍である場合、図10Bは、LがWの1.1倍である場合、図10Cは、LがWの1.2倍である場合の測定結果である。
図10Aに示されるように、Lが、Wの1.0倍の場合には、位置Bを600℃に加熱すると、位置Aの温度は、800℃を超える。この場合には、図5等に示されるように、溶接中心面上の位置Aは、十分に軟化されない。
図10Bに示されるように、LがWの1.1倍である場合((L−W)/2が、Wの0.05倍)の場合には、位置Bを600℃に加熱すると、位置Aの温度を800℃以下に抑えることができる。これにより、位置Aを軟化させることができる。しかし、位置Aの温度は、Ac1点(725℃)を超えているため、軟化させるためには、加熱後に放冷により冷却することが必要である。
図10Cに示されるように、LがWの1.2倍((L−W)/2が、Wの0.1倍)の場合には、位置Bを600℃に加熱すると、位置Aの温度をAc1点(725℃)以下に抑えることができる。これにより、加熱後に、放冷及び加速冷却のいずれの方法を用いて冷却しても、軟化が可能である。
上記各実施形態によれば、レール鋼の溶接部における足部を起点とする脆性破壊の発生の抑制に好適な熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼を提供することが可能である。
10:レール鋼(レール)
11:溶接部
12:溶接中心面
13:頭部
14:足部
15:柱部
16:一対の仮想線で挟まれる領域
17:HAZ
18:レールの幅方向の中心位置
20:熱処理装置
21:コイル
22:外のり領域
23:軸
24:仮想線
30:溶接部
31:円筒鋼材
32:レール鋼
33:車輪
34:溶接部
35:円筒鋼材
36:レール鋼
37:円筒鋼材
C :足部裏面の溶接中心面上かつレール鋼の幅方向の中心位置上にある位置

Claims (9)

  1. コイルを有し、レール鋼の溶接部の足部裏面を誘導加熱により加熱する熱処理装置であって、
    前記溶接部において溶接時にAc1点以上に加熱された領域をHAZ、前記足部裏面におけるレール長さ方向の前記HAZの長さをLh、前記レール鋼の幅をWとし、
    前記足部裏面を対向する視線で見た場合に、前記コイルの外のり領域の前記レール長さ方向の長さが前記Lhの1.2倍以上であり、前記コイルの前記外のり領域の前記レールの幅方向の長さが前記Wの1.1倍以上である
    ことを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記コイルの前記外のり領域の、前記レール長さ方向の前記長さが、40mm以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記コイルの前記外のり領域の、前記レール幅方向の前記長さが、前記Wの1.2倍以上である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱処理装置。
  4. 前記コイルの前記外のり領域の形状が長方形である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の熱処理装置。
  5. レール鋼の溶接部の熱処理方法であって、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の熱処理装置の前記コイルを前記足部裏面に対向配置して、前記足部裏面に対向する視線で見た場合に溶接中心面から対称の位置にあり相互の距離が前記Lhの1.2倍である一対の仮想線で挟まれる領域を、3℃/秒以上20℃/秒以下の加熱速度で加熱することにより、少なくとも前記足部裏面の前記溶接中心面上かつ前記レール鋼の幅方向の中心上にある位置Cを600℃超800℃以下に加熱する加熱工程と;
    前記加熱工程後に、前記レール鋼を冷却する冷却工程と;
    を有することを特徴とするレール鋼の溶接部の熱処理方法。
  6. 前記加熱工程において、前記位置Cを、600℃超Ac1点以下の温度に加熱する
    ことを特徴とする請求項5に記載のレール鋼の溶接部の熱処理方法。
  7. 前記加熱工程において、前記位置Cを、Ac1点超800℃以下の温度に加熱し、
    前記冷却工程を、放冷により行う
    ことを特徴とする請求項5に記載のレール鋼の溶接部の熱処理方法。
  8. 前記加熱工程において、前記レール鋼の頭部の加熱温度を600℃以下とする
    ことを特徴とする請求項5から請求項7の何れか1項に記載のレール鋼の溶接部の熱処理方法。
  9. 溶接部を有するレール鋼であって、
    前記溶接部に請求項5から請求項8の何れか1項に記載のレール鋼の溶接部の熱処理方法によって熱処理が施されている
    ことを特徴とするレール鋼。
JP2016512706A 2014-04-08 2015-04-06 熱処理装置及び熱処理方法 Active JP6210151B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079503 2014-04-08
JP2014079503 2014-04-08
JP2014079489 2014-04-08
JP2014079489 2014-04-08
PCT/JP2015/060713 WO2015156243A1 (ja) 2014-04-08 2015-04-06 熱処理装置、熱処理方法及びレール鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015156243A1 true JPWO2015156243A1 (ja) 2017-04-13
JP6210151B2 JP6210151B2 (ja) 2017-10-11

Family

ID=54287819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016512706A Active JP6210151B2 (ja) 2014-04-08 2015-04-06 熱処理装置及び熱処理方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10544479B2 (ja)
JP (1) JP6210151B2 (ja)
AU (1) AU2015244882B2 (ja)
CA (1) CA2941217C (ja)
RU (1) RU2661199C2 (ja)
WO (1) WO2015156243A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108085469A (zh) * 2018-02-12 2018-05-29 辽宁科技大学 一种提供高速、均匀钢轨风冷淬火风源的装置

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2661199C2 (ru) * 2014-04-08 2018-07-16 Ниппон Стил Энд Сумитомо Метал Корпорейшн Устройство для термической обработки, способ термической обработки и рельсовая сталь
CN106834660B (zh) * 2015-12-03 2018-09-18 上海工程技术大学 一种线路钢轨焊接接头中频淬火控制方法
WO2019067870A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-04 CF&I Steel L.P. D/B/A EVRAZ Rocky Mountain Steel METHOD FOR ASSEMBLING STEEL RAILS WITH CONTROLLED WELDING HEAT DELIVERY
CN108457142B (zh) * 2018-03-01 2024-05-14 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 一种槽型钢轨预热和焊补一体化设备
CN108977647B (zh) * 2018-09-27 2023-09-22 中国电建集团山东电力建设第一工程有限公司 锅炉受热面销钉焊后热处理专用工装及热处理方法
RU2704051C1 (ru) * 2018-10-23 2019-10-23 Государственный научный центр Российской Федерации - федеральное государственное унитарное предприятие "Исследовательский Центр имени М.В. Келдыша" Способ и установка для поверхностного упрочнения головок стальных рельсов действующих путей
RU2755713C1 (ru) * 2020-06-05 2021-09-20 Общество с ограниченной ответственностью "Информационные технологии" (ООО "ИнфоТех") Устройство и способ термической обработки длинномерного изделия г-образного профиля, имеющего подошву, шейку, головку
CN112375891A (zh) * 2020-10-20 2021-02-19 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种消除贝氏体钢轨拉伸断口脆性平台的在线回火工艺

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6167719A (ja) * 1984-09-11 1986-04-07 Nippon Kokan Kk <Nkk> レール継目溶接部熱処理装置
JPS6345321A (ja) * 1986-08-11 1988-02-26 Daiwa Kogyo Kk レ−ルの高周波誘導加熱方法
JP2001105158A (ja) * 1999-10-13 2001-04-17 Daido Steel Co Ltd 鉄道レール拡散接合用誘導加熱コイル、およびそれを用いた鉄道レールの拡散接合方法
WO2010116680A1 (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 新日本製鐵株式会社 レール溶接部の冷却方法、レール溶接部の冷却装置、及びレール溶接継手
JP2012030242A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Nippon Steel Corp レールの溶接部の後熱処理方法
WO2012161207A1 (ja) * 2011-05-25 2012-11-29 新日鐵住金株式会社 レール溶接部の再加熱方法

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB273326A (en) 1926-06-28 1928-05-24 Curt Stedefeld Improvements in the heat treatment of welded rail joints
DE2208692C3 (de) 1972-02-24 1974-12-12 Elektro-Thermit Gmbh, 4300 Essen Verfahren zur Herstellung aluminothermischerSchienenverbindungssch weißungen
JPS5933072B2 (ja) 1980-03-27 1984-08-13 日本鋼管株式会社 レ−ル圧接のためのレ−ルクランプ装置
JPS58153731A (ja) 1982-03-05 1983-09-12 Hitachi Ltd 溶接残留応力の低減方法
JPS5993837A (ja) 1982-11-19 1984-05-30 Nippon Steel Corp レ−ル溶接部の耐疲労破壊特性向上法
JPS5993838A (ja) 1982-11-19 1984-05-30 Nippon Steel Corp レ−ル溶接部の耐破壊特性向上法
JPS6033313A (ja) 1983-08-05 1985-02-20 Nippon Kokan Kk <Nkk> レ−ル溶接部の冷却装置
JPS63160799A (ja) 1986-12-24 1988-07-04 Nippon Steel Corp レ−ル用被覆ア−ク溶接棒
SU1735392A1 (ru) * 1989-12-13 1992-05-23 Всесоюзный Научно-Исследовательский Институт Железнодорожного Транспорта Способ термической обработки сварных рельсов
JPH03249127A (ja) 1990-02-28 1991-11-07 Nippon Steel Corp レール溶接継手部のショットピーニング処理方法
JPH03277720A (ja) 1990-03-27 1991-12-09 Nippon Steel Corp レール突合せ溶接部の耐疲労破壊特性向上法
JPH08337819A (ja) * 1995-06-08 1996-12-24 Nippon Steel Corp レール溶接部の耐腹部水平き裂性改善法
JPH1158042A (ja) 1997-08-27 1999-03-02 Nippon Steel Corp ベイナイト鋼レールのテルミット溶接方法
JP3537661B2 (ja) 1998-03-25 2004-06-14 財団法人鉄道総合技術研究所 レールガス圧接用ガスバーナ
GB2403174B (en) 2003-06-26 2006-11-15 Corus Uk Ltd Steel rails
JP2006057128A (ja) 2004-08-18 2006-03-02 Nippon Steel Corp 耐落重破壊特性に優れたパーライト系レールの製造方法
RU2411295C2 (ru) * 2008-12-18 2011-02-10 Рейлтек Интернейшнел Способ и устройство термообработки рельсового стыка
JP2010000543A (ja) 2009-10-02 2010-01-07 Toshiba Corp 応力腐食割れ発生抑制方法
US9617690B2 (en) 2009-10-30 2017-04-11 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Flash butt welding method of rail steel
CA2880953C (en) * 2012-11-16 2017-10-10 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Stress-relief heat treatment apparatus comprising induction heating coils
RU2661199C2 (ru) * 2014-04-08 2018-07-16 Ниппон Стил Энд Сумитомо Метал Корпорейшн Устройство для термической обработки, способ термической обработки и рельсовая сталь

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6167719A (ja) * 1984-09-11 1986-04-07 Nippon Kokan Kk <Nkk> レール継目溶接部熱処理装置
JPS6345321A (ja) * 1986-08-11 1988-02-26 Daiwa Kogyo Kk レ−ルの高周波誘導加熱方法
JP2001105158A (ja) * 1999-10-13 2001-04-17 Daido Steel Co Ltd 鉄道レール拡散接合用誘導加熱コイル、およびそれを用いた鉄道レールの拡散接合方法
WO2010116680A1 (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 新日本製鐵株式会社 レール溶接部の冷却方法、レール溶接部の冷却装置、及びレール溶接継手
JP2012030242A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Nippon Steel Corp レールの溶接部の後熱処理方法
WO2012161207A1 (ja) * 2011-05-25 2012-11-29 新日鐵住金株式会社 レール溶接部の再加熱方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108085469A (zh) * 2018-02-12 2018-05-29 辽宁科技大学 一种提供高速、均匀钢轨风冷淬火风源的装置
CN108085469B (zh) * 2018-02-12 2023-05-23 辽宁科技大学 一种提供高速、均匀钢轨风冷淬火风源的装置

Also Published As

Publication number Publication date
RU2016138533A3 (ja) 2018-05-11
CA2941217A1 (en) 2015-10-15
JP6210151B2 (ja) 2017-10-11
AU2015244882A1 (en) 2016-09-08
CA2941217C (en) 2018-10-30
US10544479B2 (en) 2020-01-28
US20170073793A1 (en) 2017-03-16
AU2015244882B2 (en) 2017-07-27
RU2661199C2 (ru) 2018-07-16
WO2015156243A1 (ja) 2015-10-15
RU2016138533A (ru) 2018-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6210151B2 (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
KR102020927B1 (ko) 필릿 아크 용접 조인트 및 그 제조 방법
RU2589533C2 (ru) Способ и устройство для обработки сварного рельсового стыка
Chen et al. Microstructure, residual stress and mechanical properties of a high strength steel weld using low transformation temperature welding wires
WO2014077140A1 (ja) 後熱処理装置
US10851436B2 (en) Method for joining steel rails with controlled weld heat input
KR20130135354A (ko) 강관의 담금질 방법
JP5549782B2 (ja) レール溶接部の再加熱方法
WO2014015702A1 (zh) 一种马氏体耐热钢的焊接工艺
JP2016055337A (ja) 溶接方法及び溶接構造物
JP6587993B2 (ja) ばね用鋼線およびその製造方法
JP5477453B1 (ja) 後熱処理装置
JP6265267B2 (ja) 熱処理レールの製造方法および製造装置
JP4994928B2 (ja) 耐折損性に優れたレールの製造方法
JP5477452B1 (ja) 後熱処理装置
JP6390677B2 (ja) 低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼溶接管およびその製造方法
JP5573325B2 (ja) 鋼管の連続熱処理方法
RU2484149C1 (ru) Способ термической обработки сварных труб
JP5964256B2 (ja) 二相系ステンレス鋼製構造物製造方法および熱処理装置
JP2013139051A (ja) 低温靭性に優れる電縫鋼管の製造方法
JP2015098036A (ja) 二相系ステンレス鋼製構造物の製造方法及び熱処理装置
JP2013047368A (ja) 差強度鋼管の製造方法
JPH08225849A (ja) 電縫鋼管の熱処理方法
Hu et al. Study on the Microstructure and Mechanical Properties of 15CrMoR
JP2006083411A (ja) 高周波熱処理装置、高周波熱処理方法およびその方法により製造した加工製品

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170828

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6210151

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350