JPWO2015019871A1 - 熱電変換材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、熱電性能及び屈曲性に優れ、簡便に低コストで製造可能である熱電変換材料及びその製造方法を提供するものであり、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料、及び支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料の製造方法であって、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程、さらに該薄膜をアニール処理する工程を含む熱電変換材料の製造方法である。

Description

本発明は、熱と電気との相互エネルギー変換を行う熱電変換材料に関し、特に、微粒子化した熱電半導体、耐熱性樹脂、及びイオン液体を含む熱電半導体組成物を用い、熱電変換特性及び屈曲性を向上させた熱電変換材料及びその製造方法に関する。
近年、システムが単純でしかも小型化が可能な熱電発電技術が、ビル、工場等で使用される化石燃料資源等から発生する未利用の廃熱エネルギーに対する回収発電技術として注目されている。しかしながら、熱電発電は一般に発電効率が悪いこともあり、さまざまな企業、研究機関で発電効率の向上のための研究開発が活発になされている。発電効率の向上には、熱電変換材料の高効率化が必須となるが、これらを実現するために、金属並みの高い電気伝導率とガラス並みの低い熱伝導率を備えた材料の開発が望まれている。
熱電変換特性は、熱電性能指数Z(Z=σS2/λ)によって評価することができる。ここで、Sはゼーベック係数、σは電気伝導率(抵抗率の逆数)、λは熱伝導率である。上記、熱電性能指数Zの値を大きくすれば、発電効率が向上するため、発電の高効率化にあたっては、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率λが小さい熱電変換材料を見出すことが重要である。
上記のように、発電効率を向上させる検討が必要とされる一方、現在製造されている熱電変換素子は量産性に乏しく、発電ユニットが高価であるため、建築物の壁面へ設置する場合など大面積な用途へのさらなる普及には製造コストの削減が必要不可欠であった。また、現在製造されている熱電変換素子は屈曲性が悪く、フレキシブルな熱電変換素子が望まれていた。
このような中で、特許文献1には、発電効率の向上及び効率よく製造することを目的として、支持体上に、絶縁体を有し、p型、n型有機半導体素子の材料となる溶液を用いて塗布又は印刷後に、乾燥する工程を経ることにより作製した熱電変換素子の製造方法が開示されている。また、非特許文献1には、熱電変換材料として、ビスマステルライドをエポキシ樹脂に分散した組成物とし、それらを塗布により成膜することで、薄膜型熱電変換素子を作製する検討がなされている。さらに、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機熱電材料と、無機熱電材料とが分散状態で一体化されている熱電材料(特許文献2)や、無機熱電材料として、平均粒子径が1〜100nmであり、キャリアの受け渡しの阻害要因となりうる保護剤が実質的に存在しない無機粒子と、有機熱電材料とからなることを特徴とする有機−無機ハイブリッド熱電材料(特許文献3)が検討されている。
特開2010−199276号公報 特開2003−46145号公報 特開2012−9462号公報
D.Madan,Journal of Applied Physics 2011,109,034904.
しかしながら、特許文献1では、支持体上にパターニングされた絶縁層間に、導電層、p型及びn型有機半導体素子を埋め込む等、スクリーン印刷等による複数回にわたるアライメントを含むパターニングが必要となるため、工程が煩雑となり、結果的にタクトタイムも長くなり、コスト高に繋がってしまうという問題があり、しかも、熱電変換特性も十分ではなかった。
また、非特許文献1の薄膜型熱電変換素子では、バインダー樹脂の分解温度以上の高温で加熱処理を行うため、ビスマステルライドのみを成膜した場合と同程度の屈曲性しか得られず、しかも熱電変換特性が十分ではなかった。
さらに、特許文献2、3の熱電材料は、熱電変換特性をより向上させるために、熱電材料の薄膜を形成した後に有機熱電材料の分解温度以上の高温で加熱処理を行った場合、有機熱電材料が消失してしまい、熱電変換特性が低下するおそれがあった。
本発明は、上記実情を鑑み、熱電性能及び屈曲性に優れ、簡便に低コストで製造可能である熱電変換材料及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、支持体上に、熱伝導率の低下に寄与する微粒子化した熱電半導体、耐熱性樹脂及び微粒子間の空隙部での電気伝導率の低下を抑制するイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を形成することにより、従来の上記熱電変換材料の熱電性能指数に比べ、より高い値が得られること、及び屈曲性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(13)を提供するものである。
(1)支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有することを特徴とする熱電変換材料。
(2)前記イオン液体の配合量が、前記熱電半導体組成物中0.01〜50質量%である上記(1)に記載の熱電変換材料。
(3)前記イオン液体のカチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む上記(1)に記載の熱電変換材料。
(4)前記イオン液体のアニオン成分が、ハロゲン化物アニオンを含む上記(1)に記載の熱電変換材料。
(5)前記ハロゲン化物アニオンが、Cl-、Br-、I-から選ばれる少なくとも1種を含む上記(4)に記載の熱電変換材料。
(6)前記耐熱性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である上記(1)に記載の熱電変換材料。
(7)前記熱電半導体微粒子の配合量が、前記熱電半導体組成物中30〜99質量%である上記(1)に記載の熱電変換材料。
(8)前記熱電半導体微粒子の平均粒径が、10nm〜200μmである上記(1)に記載の熱電変換材料。
(9)前記熱電半導体微粒子が、ビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子である上記(1)に記載の熱電変換材料。
(10)前記支持体が、プラスチックフィルムである上記(1)に記載の熱電変換材料。
(11)前記プラスチックフィルムが、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムから選ばれる少なくとも1種である上記(10)に記載の熱電変換材料。
(12)支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料の製造方法であって、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程、さらに該薄膜をアニール処理する工程を含むことを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
(13)前記支持体が、プラスチックフィルムである上記(12)に記載の熱電変換材料の製造方法。
本発明によれば、簡便に低コストで製造可能であり、熱電変換特性及び屈曲性にも優れる熱電変換材料を提供することができる。
[熱電変換材料]
本発明の熱電変換材料は、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有することを特徴とする。
(支持体)
本発明の熱電変換材料に用いる支持体は、熱電変換材料の電気伝導率の低下、熱伝導率の増加に影響を及ぼさないものであれば、特に制限されない。支持体としては、例えば、ガラス、シリコン、プラスチックフィルム等が挙げられる。なかでも、屈曲性に優れるという点から、プラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテル・エーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリ(4−メチルペンテン−1)フィルム等が挙げられる。また、これらフィルムの積層体であってもよい。
これらの中でも、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、支持体が熱変形することなく、熱電変換材料の性能を維持することができ、耐熱性及び寸法安定性が高いという点から、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムが好ましく、さらに、汎用性が高いという点から、ポリイミドフィルムが特に好ましい。
前記支持体の厚さは、屈曲性、耐熱性及び寸法安定性の観点から、1〜1000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
また、上記プラスチックフィルムは、分解温度が300℃以上であることが好ましい。
(熱電半導体微粒子)
本発明の熱電変換材料に用いる熱電半導体微粒子は、熱電半導体材料を、微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕することにより得られる。
前記熱電半導体材料としては、温度差を付与することにより、熱起電力を発生させることができる材料であれば特に制限されず、例えば、p型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、Bi2Te3等のビスマス−テルル系熱電半導体材料;GeTe、PbTe等のテルライド系熱電半導体材料;アンチモン−テルル系熱電半導体材料;ZnSb、Zn3Sb2、Zn4Sb3等の亜鉛−アンチモン系熱電半導体材料;SiGe等のシリコン−ゲルマニウム系熱電半導体材料;Bi2Se3等のビスマスセレナイド系熱電半導体材料;β―FeSi2、CrSi2、MnSi1.73、Mg2Si等のシリサイド系熱電半導体材料;酸化物系熱電半導体材料;FeVAl、FeVAlSi、FeVTiAl等のホイスラー材料、TiS2等の硫化物系熱電半導体材料等が用いられる。
これらの中でも、本発明に用いる前記熱電半導体材料は、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライド、Bi2Te3等のビスマス−テルル系熱電半導体材料であることが好ましい。
前記p型ビスマステルライドは、キャリアが正孔で、ゼーベック係数が正値であり、例えば、BiXTe3Sb2-Xで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Xは、好ましくは0<X≦0.8であり、より好ましくは0.4≦X≦0.6である。Xが0より大きく0.6以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、p型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
また、前記n型ビスマステルライドは、キャリアが電子で、ゼーベック係数が負値であり、例えば、Bi2Te3-YSeYで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Yは、好ましくは0≦Y≦3であり、より好ましくは0.1<Y≦2.7である。Yが0以上3以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、n型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
本発明に用いる熱電半導体微粒子の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは、30〜99質量%である。より好ましくは、50〜96質量%であり、さらに好ましくは、70〜95質量%である。熱電半導体微粒子の配合量が、上記範囲内であれば、ゼーベック係数の絶対値が大きく、また電気伝導率の低下が抑制され、熱伝導率のみが低下するため高い熱電性能を示すとともに、十分な皮膜強度、屈曲性を有する膜が得られ好ましい。
本発明に用いる熱電半導体微粒子の平均粒径は、好ましくは、10nm〜200μm、より好ましくは、10nm〜30μm、さらに好ましくは、50nm〜10μm、特に好ましくは、1〜6μmである。上記範囲内であれば、均一分散が容易になり、電気伝導率を高くすることができる。
前記熱電半導体材料を粉砕して熱電半導体微粒子を得る方法は特に限定されず、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、コロイドミル、コニカルミル、ディスクミル、エッジミル、製粉ミル、ハンマーミル、ペレットミル、ウィリーミル、ローラーミル等の公知の微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕すればよい。
なお、熱電半導体微粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)にて測定することにより得られ、粒径分布の中央値とした。
また、本発明に用いる熱電半導体微粒子は、アニール処理(以下、アニール処理Aということがある。)されたものであることが好ましい。アニール処理Aを行うことにより、熱電半導体微粒子は、結晶性が向上し、さらに、熱電半導体微粒子の表面酸化膜が除去されるため、熱電変換材料のゼーベック係数が増大し、熱電性能指数をさらに向上させることができる。アニール処理Aは、特に限定されないが、熱電半導体組成物を調製する前に、熱電半導体微粒子に悪影響を及ぼすことがないように、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、同じく水素等の還元ガス雰囲気下、または真空条件下で、微粒子の融点以下の温度で、数分〜数十時間行うことが好ましい。具体的には、用いる熱電半導体微粒子に依存するが、通常、100〜1500℃で、数分〜数十時間行うことが好ましい。
(イオン液体)
本発明で用いるイオン液体は、カチオンとアニオンとを組み合わせてなる溶融塩であり、−50〜500℃の幅広い温度領域において液体で存在し得る塩をいう。イオン液体は、蒸気圧が極めて低く不揮発性であること、優れた熱安定性及び電気化学安定性を有していること、粘度が低いこと、かつイオン伝導度が高いこと等の特徴を有しているため、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。また、イオン液体は、非プロトン性のイオン構造に基づく高い極性を示し、耐熱性樹脂との相溶性に優れるため、熱電変換材料の電気伝導率を均一にすることができる。
イオン液体は、公知または市販のものが使用できる。例えば、ピリジニウム、ピリミジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウム等の窒素含有環状カチオン化合物及びそれらの誘導体;テトラアルキルアンモニウム系のアミン系カチオン及びそれらの誘導体;ホスホニウム、トリアルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウム等のホスフィン系カチオン及びそれらの誘導体;リチウムカチオン及びその誘導体等のカチオン成分と、Cl-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、ClO4 -等の塩化物イオン、Br-等の臭化物イオン、I-等のヨウ化物イオン、BF4 -、PF6 -等のフッ化物イオン、F(HF)n -等のハロゲン化物アニオン、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(FSO22-、(CF3SO22-、(CF3SO23-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)n-、(CN)2-、C49SO3 -、(C25SO22-、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-等のアニオン成分とから構成されるものが挙げられる。
上記のイオン液体の中で、高温安定性、熱電半導体微粒子及び樹脂との相溶性、熱電半導体微粒子間隙の電気伝導率の低下抑制等の観点から、イオン液体のカチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。イオン液体のアニオン成分が、ハロゲン化物アニオンを含むことが好ましく、Cl-、Br-、I-から選ばれる少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
カチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体を含むイオン液体の具体的な例として、4−メチル−ブチルピリジニウムクロライド、3−メチル−ブチルピリジニウムクロライド、4−メチル−ヘキシルピリジニウムクロライド、3−メチル−ヘキシルピリジニウムクロライド、4−メチル−オクチルピリジニウムクロライド、3−メチル−オクチルピリジニウムクロライド、3、4−ジメチル−ブチルピリジニウムクロライド、3、5−ジメチル−ブチルピリジニウムクロライド、4−メチル−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、4−メチル−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヨージド等が挙げられる。この中で、1−ブチル−4−メチルピリジニウムブロミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヨージドが好ましい。
また、カチオン成分が、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体を含むイオン液体の具体的な例として、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト]、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1、3−ジブチルイミダゾリウムメチルスルフェート等が挙げられる。この中で、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト]が好ましい。
上記のイオン液体は、電気伝導度が10-7S/cm以上であることが好ましく、10-6S/cm以上であることがより好ましい。イオン伝導度が上記範囲であれば、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。
また、上記のイオン液体は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
また、上記のイオン液体は、熱重量測定(TG)による300℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
前記イオン液体の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1.0〜20質量%である。前記イオン液体の配合量が、上記範囲内であれば、電気伝導率の低下が効果的に抑制され、高い熱電性能を有する膜が得られる。
(耐熱性樹脂)
本発明に用いる耐熱性樹脂は、熱電半導体微粒子間のバインダーとして働き、熱電変換材料の屈曲性を高めるためのものである。該耐熱性樹脂は、特に制限されるものではないが、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理等により熱電半導体微粒子を結晶成長させる際に、樹脂としての機械的強度及び熱伝導率等の諸物性が損なわれず維持される耐熱性樹脂を用いる。
前記耐熱性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの樹脂の化学構造を有する共重合体等が挙げられる。前記耐熱性樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐熱性がより高く、且つ薄膜中の熱電半導体微粒子の結晶成長に悪影響を及ぼさないという点から、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、屈曲性に優れるという点からポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂がより好ましい。前述の支持体として、ポリイミドフィルムを用いた場合、該ポリイミドフィルムとの密着性などの点から、耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂がより好ましい。なお、本発明においてポリイミド樹脂とは、ポリイミド及びその前駆体を総称する。
前記耐熱性樹脂は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電変換材料の屈曲性を維持することができる。
また、前記耐熱性樹脂は、熱重量測定(TG)による300℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電変換材料の屈曲性を維持することができる。
前記耐熱性樹脂の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。前記耐熱性樹脂の配合量が、上記範囲内であれば、高い熱電性能と皮膜強度が両立した膜が得られる。
本発明で用いる熱電半導体組成物には、前記熱半導体微粒子、前記耐熱性樹脂及び前記イオン液体以外に、必要に応じて、さらに分散剤、造膜助剤、光安定剤、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、着色剤、樹脂安定剤、充てん剤、顔料、導電性フィラー、導電性高分子、硬化剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる熱電半導体組成物の調製方法は、特に制限はなく、超音波ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリッドミキサー等の公知の方法により、前記熱電半導体微粒子と前記イオン液体及び前記耐熱性樹脂、必要に応じて前記その他の添加剤、さらに溶媒を加えて、混合分散させ、当該熱電半導体組成物を調製すればよい。
前記溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アルコール、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、エチルセロソルブ等の溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。熱電半導体組成物の固形分濃度としては、該組成物が塗工に適した粘度であればよく、特に制限はない。
前記熱電半導体組成物からなる薄膜は、後述の本発明の熱電変換材料の製造方法で説明するように、支持体上に、前記熱電半導体組成物を塗布し、乾燥することで形成することができる。このように、形成することで、簡便に低コストで大面積の熱電変換材料を得ることができる。
前記熱電半導体組成物からなる薄膜の厚みは、特に制限はないが、熱電性能と皮膜強度の点から、好ましくは100nm〜200μm、より好ましくは300nm〜150μm、さらに好ましくは5〜150μmである。
本発明の熱電変換材料は、単独で用いることもできるが、例えば、複数を、電気的には電極を介して直列に、熱的にはセラミックス又は絶縁性を有するフレキシブルなシート等を介して並列に接続して、熱電変換素子として、発電用及び冷却用として使用することができる。
[熱電変換材料の製造方法]
本発明の熱電変換材料の製造方法は、支持体上に、前記熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程(以下、薄膜形成工程ということがある。)、さらに該薄膜をアニール処理する工程(以下、アニール処理工程ということがある。)を含むことを特徴とする。以下、本発明に含まれる工程について、順次説明する。
(薄膜形成工程)
本発明の熱電半導体組成物を、支持体上に塗布する方法としては、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スピンコート、ディップコート、ダイコート、スプレーコート、バーコート、ドクターブレード等の公知の方法が挙げられ、特に制限されない。塗膜をパターン状に形成する場合は、所望のパターンを有するスクリーン版を用いて簡便にパターン形成が可能なスクリーン印刷、スロットダイコート等が好ましく用いられる。
次いで、得られた塗膜を乾燥することにより、薄膜が形成されるが、乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が採用できる。加熱温度は、通常、80〜150℃であり、加熱時間は、加熱方法により異なるが、通常、数秒〜数十分である。
また、熱電半導体組成物の調製において溶媒を使用した場合、加熱温度は、使用した溶媒を乾燥できる温度範囲であれば、特に制限はない。
(アニール処理工程)
得られた熱電変換材料は、薄膜形成後、さらにアニール処理(以下、アニール処理Bということがある。)を行うことが好ましい。該アニール処理Bを行うことで、熱電性能を安定化させるとともに、薄膜中の熱電半導体微粒子を結晶成長させることができ、熱電性能をさらに向上させることができる。アニール処理Bは、特に限定されないが、通常、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、還元ガス雰囲気下、または真空条件下で行われ、用いる樹脂及びイオン性流体の耐熱温度等に依存するが、100〜500℃で、数分〜数十時間行われる。
本発明の製造方法によれば、簡便な方法で熱電性能が高く、低コストの熱電変換材料を得ることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例、比較例で作製した熱電変換材料の熱電性能評価、屈曲性評価は、以下の方法で、電気伝導率、ゼーベック係数及び熱伝導率を算出することにより行った。
<熱電性能評価>
(a)電気伝導率
実施例及び比較例で作製した熱電変換材料を、表面抵抗測定装置(三菱化学社製、商品名:ロレスタGP MCP−T600)により、四端子法で試料の表面抵抗値を測定し、電気伝導率(σ)を算出した。
(b)ゼーベック係数
JIS C 2527:1994に準拠して実施例及び比較例で作製した熱電変換材料の熱起電力を測定し、ゼーベック係数(S)を算出した。作製した熱変換材料の一端を加熱して、熱変換材料の両端に生じる温度差をクロメル−アルメル熱電対を使用し測定し、熱電対設置位置に隣接した電極から熱起電力を測定した。
具体的には、温度差と起電力を測定する試料の両端間距離を25mmとし、一端を20℃に保ち、他端を25℃から50℃まで1℃刻みで加熱し、その際の熱起電力を測定して、傾きからゼーベック係数(S)を算出した。なお、熱電対及び電極の設置位置は、薄膜の中心線に対し、互いに対称の位置にあり、熱電対と電極の距離は1mmである。
(c)熱伝導率
熱伝導率の測定には3ω法を用いて熱伝導率(λ)を算出した。
得られた、電気伝導率、ゼーベック係数及び熱伝導率から、熱電性能指数Z(Z=σS2/λ)を求め、無次元熱電性能指数ZT(T=300K)を算出した。
<屈曲性評価>
実施例及び比較例で作製した熱電変換材料について、円筒形マンドレル法によりマンドレル径φ10mmの時の薄膜の屈曲性を評価した。円筒形マンドレル試験前後で、熱電変換材料の外観評価及び熱電性能評価を行い、以下の基準で屈曲性を評価した。
試験前後で熱電変換材料の外観に異常が見られず無次元熱電性能指数ZTが変化しない場合:◎
試験前後で熱電変換材料の外観に異常が見られずZTの減少が30%未満であった場合:○
試験後に熱電変換材料にクラック等の割れが発生したり、ZTが30%以上減少した場合:×
(熱電半導体微粒子の作製方法)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるp型ビスマステルライドBi0.4Te3Sb1.6(高純度化学研究所製、粒径:180μm)を、超微粉砕機(アイシンナノテクノロジーズ社製、ナノジェットマイザー NJ−50−B型)を使用し、窒素ガス雰囲気下で粉砕することで、平均粒径の異なる3種類の熱電半導体微粒子T1〜T3を作製した。粉砕して得られた熱電半導体微粒子に関して、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)により粒度分布測定を行った。
なお、得られたビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子T1〜T3の平均粒径は、それぞれ、0.66μm(T1)、2.8μm(T2)、5.5μm(T3)であった。
また、ビスマスセレナイド系熱電半導体材料であるBi2Se3(高純度化学研究所製、粒径:80μm)を上記と同様に粉砕し、平均粒径0.88μmのビスマスセレナイド系熱電半導体材料の熱電半導体微粒子T4を作製した。
また、硫化物系熱電半導体材料であるTiS2(高純度化学研究所製)を上記と同様に粉砕し、平均粒径2.0μmの硫化物系熱電半導体材料の熱電半導体微粒子T5を作製した。
(実施例1)
(1)熱電半導体組成物の作製
表1に示す実施例1に記載した配合量になるように、得られたビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子T1、耐熱性樹脂としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸(シグマアルドリッチ社製、ポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4´−オキシジアニリン)溶液、溶媒:メチルピロリドン、固形分濃度:5質量%、分解温度:490℃、熱重量測定による300℃における質量減少率:0.5%)、及びイオン液体として[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド](表1中、イオン液体1、電気伝導度:7.2×10-4S/cm)を混合分散した熱電半導体組成物からなる塗工液を調製した。
(2)熱電変換材料の製造
(1)で調製した塗工液を、スピンコート法により支持体であるポリイミドフィルム(東レデュポン社製、商品名「カプトン」、厚さ50μm)上に塗布し、温度150℃で、10分間アルゴン雰囲気下で乾燥し、厚さが10μmの薄膜を形成した。次いで、得られた薄膜に対し、水素とアルゴンの混合ガス(水素:アルゴン=5体積%:95体積%)雰囲気下で、加温速度5K/minで昇温し、350℃で1時間保持し、薄膜形成後のアニール処理Bを行うことにより、熱電半導体材料の微粒子を結晶成長させ、熱電変換材料を作製した。
(実施例2)
熱電半導体微粒子をT1からT2に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例3)
熱電半導体微粒子をT1からT3に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例4)
イオン液体を[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]から[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト](表1中、イオン液体2、電気伝導度:1.8×10-4S/cm)に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例5)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子T1から、ビスマスセレナイド系熱電半導体材料の熱電半導体微粒子T4に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例6)
耐熱性樹脂を、エポキシ樹脂(Hexion Specialty Chemicals社製、EPON 862、分解温度:300℃)に変え、硬化剤(Dixie Chemicals社製、 methylhexahydrophthalic anhydride)をエポキシ樹脂に対して、4.25質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例7)
イオン液体を[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]から1−ブチル−4−メチルピリジニウムブロミド(東京化成株式会社製、表1中、イオン液体3、電気伝導度:3.5×10-5S/cm)に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例8)
イオン液体を[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]から1−ブチル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート(東京化成株式会社製、表1中、イオン液体4、電気伝導度:1.4×10-4S/cm)に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例9)
熱電半導体組成物からなる薄膜の厚みを10μmから100μmに変えたこと以外は、実施例7と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例10)
イオン液体を1−ブチル−4−メチルピリジニウムヨージド(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、表1中、イオン液体5、電気伝導度:2.4×10-4S/cm)に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例11)
熱電半導体微粒子をT1からT5に変えたこと以外は、実施例7と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例12〜14)
熱電半導体微粒子T1の配合量を90質量%から、表1に示すように85、80、55質量%に、またイオン液体1の配合量を5質量%から、表1に示すように10、15、40質量%にした以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(比較例1)
イオン液体を加えず、ポリイミド樹脂の配合量を5質量%から10質量%にした以外は実施例2と同様にして熱電変換材料を作製した。
(比較例2)
耐熱性樹脂を加えず、導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸イオンの混合物(表1中、PEDOT:PSS)とイオン液体1と熱電半導体微粒子T2を表1に記載の配合で混合分散した熱電半導体組成物からなる塗工液を調製し、実施例2と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(比較例3)
アニール処理Bを行わないこと以外は、比較例2と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(比較例4)
イオン液体を加えず、ポリイミド樹脂の配合量を5質量%から10質量%にした以外は実施例11と同様にして熱電変換材料を作製した。
Figure 2015019871
実施例1〜14及び比較例1〜4で得られた熱電変換材料の熱電性能評価及び屈曲性評価結果を表2に示す。
Figure 2015019871
実施例1〜10、12〜14の熱電変換材料は、イオン液体を加えない比較例1に比べて、無次元熱電性能指数ZTが1オーダー又はそれ以上高く、また、円筒形マンドレル試験前後で、熱電変換材料にクラック等の割れが発生することもなく、無次元熱電性能指数ZTがほとんど低下せず、屈曲性が優れていることが分かった。さらに、耐熱性樹脂を使用しない比較例2、3(耐熱性の低い導電性高分子のみ使用)に比べ、無次元熱電性能指数ZT及び屈曲性がはるかに優れていることが分かった。
硫化物系熱電半導体材料の熱電半導体微粒子T5を用いた実施例11の熱電変換材料については、イオン液体を加えない、T5と耐熱性樹脂のみからなる比較例4に比べて、無次元熱電性能指数ZTが3オーダー以上高く、熱電変換特性が優れていることが分かった。
本発明の熱電変換材料は、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子にして、モジュールに組み込み、利用される。具体的には、簡便に低コストで製造可能で、熱電性能に優れる熱電変換材料が得られ、例えば、建築物の壁面へ設置する場合など、大面積な用途等に、低コストの熱電変換材料として用いることができる。

Claims (13)

  1. 支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有することを特徴とする熱電変換材料。
  2. 前記イオン液体の配合量が、前記熱電半導体組成物中0.01〜50質量%である請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記イオン液体のカチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の熱電変換材料。
  4. 前記イオン液体のアニオン成分が、ハロゲン化物アニオンを含む請求項1に記載の熱電変換材料。
  5. 前記ハロゲン化物アニオンが、Cl-、Br-、I-から選ばれる少なくとも1種を含む請求項4に記載の熱電変換材料。
  6. 前記耐熱性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱電変換材料。
  7. 前記熱電半導体微粒子の配合量が、前記熱電半導体組成物中30〜99質量%である請求項1に記載の熱電変換材料。
  8. 前記熱電半導体微粒子の平均粒径が、10nm〜200μmである請求項1に記載の熱電変換材料。
  9. 前記熱電半導体微粒子が、ビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子である請求項1に記載の熱電変換材料。
  10. 前記支持体が、プラスチックフィルムである請求項1に記載の熱電変換材料。
  11. 前記プラスチックフィルムが、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムから選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載の熱電変換材料。
  12. 支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物からなる薄膜を有する熱電変換材料の製造方法であって、支持体上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂及びイオン液体を含む熱電半導体組成物を塗布し、乾燥し、薄膜を形成する工程、さらに該薄膜をアニール処理する工程を含むことを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
  13. 前記支持体が、プラスチックフィルムである請求項12に記載の熱電変換材料の製造方法。
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