JPWO2014136762A1 - コーテッドサンド - Google Patents

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昭人 後藤
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郁子 菊地
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Abstract

バイオマス由来樹脂と骨材とを含むコーテッドサンドにおいて、前記バイオマス由来樹脂が、リグニンを含む樹脂であり、前記リグニンが、水を用いた方法によって、植物からセルロース、ヘミセルロース成分を除去したものである、コーテッドサンド。バイオマス由来樹脂が、リグニンと架橋剤を含む熱硬化性樹脂である前記のコーテッドサンド。

Description

本発明はコーテッドサンドに関する。
コーテッドサンドとは砂やセラミックスなどの骨材表面に粘結剤となる樹脂層を被覆した材料であり、シェルモールド用の鋳型として利用されている。コーテッドサンドの樹脂層としては、一般的にフェノール樹脂が使用されている(非特許文献1参照)。フェノール樹脂を使用した鋳型は、他の樹脂と比較して骨材間の強度が高い。また、鋳造の際に注湯する高温の金属によって樹脂が熱分解し、骨材間の結合がなくなるため、冷却後の型ばらしが容易である。
一方で、化石資源の利用については、資源の枯渇化、焼却の際に発生する二酸化炭素(CO2)の増大による地球温暖化が懸念されている。したがって、化石資源の使用量削減、化石資源由来CO2排出量削減の観点から化石資源の代替材料としてカーボンニュートラルなバイオマス由来樹脂(バイオプラスチック)に置き換える動きが活発化している。
バイオマス由来のフェノール樹脂代替材料として、フェノール骨格を有するリグニンが注目されてきた。また、フェノール性、アルコール性水酸基を含んでいるため、フェノール樹脂と同様、エポキシ樹脂やイソシアネート基と反応し、熱硬化性樹脂としての利用が期待される。工業的な手法で得られるリグニンとしては、クラフトリグニンが挙げられる。クラフトリグニンは一般的な有機溶媒に溶け難い、熱溶融しないため、硬化物としての利用がほとんど進んでいない。このため、フェノール樹脂代替材料として注目されてきたにも関わらず、リグニンは焼却処理される場合がほとんどである。
「第4版 鋳型造型法」 社団法人日本鋳造技術協会
コーテッドサンドに使用されるフェノール樹脂は化石資源由来であるため、バイオマス由来の樹脂と比較して製造時及び焼却時のCO2排出量が多くなる。一方、バイオマス由来の樹脂はカーボンオフセットによって、CO2排出量削減効果が期待できる。しかしながら、従来のバイオマス由来樹脂は熱可塑性樹脂であるため、耐熱性が低く耐熱性を要求される用途では使用が困難であった。
本発明の目的は、CO2排出量削減可能なコーテッドサンドを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため、バイオマス由来樹脂として、フェノール骨格を有し、耐熱性が期待できるリグニンおよびに着目し、リグニンを植物中から水を用いた処理方法によって抽出し、骨材表面に樹脂層を形成することで、CO2排出量削減可能なバイオマス由来のコーテッドサンドが製造可能であることを見出した。
本発明は、バイオマス由来樹脂と骨材とを含むコーテッドサンドにおいて、前記バイオマス由来樹脂が、リグニンを含む樹脂であり、前記リグニンが、水を用いた方法によって、植物からセルロース、ヘミセルロース成分を除去したものである、コーテッドサンドに関する。
また、本発明は、バイオマス由来樹脂が、リグニンと架橋剤を含む熱硬化性樹脂である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、水を用いた方法が、水蒸気爆砕法である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、リグニンの重量平均分子量が、100〜7,000である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、架橋剤が、エポキシ樹脂である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、架橋剤が、アルデヒド化合物又はホルムアルデヒドを生成する化合物である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、架橋剤が、イソシアネートである前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、架橋剤が、多価カルボン酸又は多価カルボン酸無水物である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、架橋剤が、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物である前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、骨材が、耐熱性又は耐火性を有する前記のコーテッドサンドに関する。
また、本発明は、骨材の含有量が、80質量%以上である前記のコーテッドサンドに関する。
本発明によれば、バイオマス由来のリグニンを使用し、CO2排出量削減可能なコーテッドサンドを提供できる。
以下、上記本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、バイオマス由来樹脂および骨材を含むコーテッドサンドであって、前記バイオマス由来樹脂がリグニンを含むものである。
また、バイオマス由来樹脂中、樹脂分としてリグニンを5〜90質量%含むことが好ましい。より好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは40〜90質量%である。リグニンを5〜90質量%含むことで樹脂層の強度を良好に維持し、CO2削減効果をも発揮できる。
本発明で用いるリグニンは、水を用いた方法によって、植物から得られたものである。そして、リグニンが、水を用いた方法によって、植物からセルロース、ヘミセルロース成分を除去したものである。好ましくは、セルロース、ヘミセルロースから分離する方法として、水(水蒸気)を用いた分離方法(水蒸気爆砕法)を用いたものである。
より好ましくは、使用する原料を水蒸気のみを用いた処理方法(水蒸気爆砕法)により、リグニンをセルロース成分、ヘミセルロース成分から分離し、有機溶媒に溶解させる製造方法を用いたものである。水以外の薬品を用いるとリグニンが変性するため、有機溶媒への溶解性低下、または熱溶融し難くなり、骨材にコーティングできない恐れがある。よって、セルロース、ヘミセルロースから分離する際は、水のみを用いるのが好ましい。また、水蒸気爆砕法は、高温高圧の水蒸気による加水分解と、圧力を瞬時に開放することによる物理的破砕効果により、短時間で破砕するものである。
水蒸気爆砕に用いる装置はバッチ式、連続式のどちらでも良く、水蒸気爆砕の条件としては特に限定しないが、原料を水蒸気爆砕装置用の耐圧容器に入れ、0.5〜4.0MPaの水蒸気を圧入し、1〜60分間加熱処理した後、瞬時に圧力を開放し爆砕処理物を得ることが好ましい。さらに、2.1〜4.0MPaの条件では1〜30分間加熱処理することがより好ましく、1〜10分間であればさらに好ましい。また、0.5〜2.0MPaの条件では、5〜40分間加熱処理することがより好ましく、10〜30分間であればさらに好ましい。加熱処理時間が短いとセルロース成分、ヘミセルロース成分からリグニンが十分に分離せず、リグニンの収率が低下する。また、加熱処理時間が長いと一度分離したリグニンが縮合し、分子量が大きくなるため有機溶媒に溶け難くリグニンの収率が低下する恐れがある。また、原料としては、リグニンが抽出できれば特に限定しないが、例えば、スギ、竹、稲わら、麦わら、ひのき、アカシア、ヤナギ、ポプラ、とうもろこし、サトウキビ、米穀、ユーカリ、ヤシ殻等が挙げられる。
リグニンの重量平均分子量は、ポリスチレン換算値において、100〜7,000であることが好ましく、さらに100〜5,000であることがより好ましく、100〜4,000であることがさらに好ましい。リグニンの重量平均分子量が100〜7,000であることで、リグニンの加熱時の流動性および有機溶媒への溶解性を維持してリグニンの構造を活かすことができる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用した。検量線は、標準ポリスチレンの12サンプルセット(PS‐オリゴマーキット[東ソー株式会社製、商品名])を用いて3次式で近似した。GPCの条件は、以下に示す。装置:(ポンプ:DP−8020型[東ソー株式会社製])、(検出器:RI−8020型[東ソー株式会社製])カラム:Gelpack GL−A120S + Gelpack GL−A140S(計2本)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名)カラムサイズ:10.7mmI.D×300mm溶離液:テトラヒドロフラン試料濃度:10mg/1mL注入量:200μL流量:1.0mL/分測定温度:25℃
水蒸気爆砕法のリグニン抽出に用いる有機溶媒は、1つ又は複数の混合のアルコール溶媒、アルコールと水を混合した含水アルコール溶媒、その他の有機溶媒又は、水と混合した含水有機溶媒を使用することができる。水としては、イオン交換水を使用することが好ましい。水との混合溶媒の含水率は0〜70質量%が好ましい。リグニンは水への溶解度が低いため、水を溶媒とするとリグニンを抽出することが困難である。また、用いる溶媒を選択することにより、得られるリグニンの重量平均分子量を制御することが可能である。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクノヘキサノール等のモノオール系とエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン等のポリオールが挙げられる。また、天然物質から得られるアルコールであることが、環境負荷低減化の観点で好ましい。具体的には、天然物質から得たメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、ヒドロキシメチルフルフラール等が挙げられる。
本発明において、リグニン以外の他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリ乳酸、フラン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂が挙げられ、これらを一種又は二種以上含んでもよい。
本発明において、バイオマス由来樹脂が、リグニンと架橋剤を含む熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明で使用されるリグニンの架橋剤としては、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリイソシアネート、アルデヒド化合物、ホルムアルデヒドを生成する化合物、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、不飽和多価カルボン酸、不飽和多価カルボン酸無水物等が挙げられ、これらを一種又は二種以上含んでもよい。
本発明で用いる架橋剤としてエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂にはビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールADグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシがある。また、さらに天然由来物質から得られたエポキシ樹脂であることが環境負荷低減化の観点で好ましい。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステル類、エポキシ化アマニ油、ダイマー酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。植物由来エポキシ樹脂を使用することで、バイオマス含有率100質量%の硬化物を得ることも可能である。
本発明で用いる架橋剤としてイソシアネートが挙げられる。イソシアネートには、脂肪族系イソシアネート、脂環族系イソシアネートおよび芳香族系イソシアネートの他、それらの変性体が挙げられる。脂肪族系イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネートが挙げられ、脂環族系イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。芳香族系イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。イソシアネート変性体としては、例えば、ウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートビューレット、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリマー、イソホロンジイソシアネートトリマーが挙げられる。
本発明で用いる架橋剤としてアルデヒド化合物、ホルムアルデヒドを生成する化合物が挙げられる。アルデヒド化合物としては、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロラール、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒドが挙げられる。また、ホルムアルデヒドを生成する化合物としてはヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。特にヘキサメチレンテトラミンが好ましい。これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することもできる。また、硬化性、耐熱性の面からヘキサメチレンテトラミンが好ましい。
本発明で用いる架橋剤として多価カルボン酸又は多価カルボン酸無水物が挙げられる。多価カルボン酸の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族多価カルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、マロン酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、スベリン酸無水物、アゼライン酸無水物、エチルナジック酸無水物、アルケニルコハク酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物等の脂肪族多価カルボン酸無水物や、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物が挙げられる。
本発明で用いる架橋剤として不飽和多価カルボン酸又は不飽和多価カルボン酸無水物が挙げられる。不飽和多価カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、クロトン酸、α−エチルアクリル酸、α−n−プロピルアクリル酸、α−n−ブチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸が挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物が挙げられる。
本発明においては、用途応じて添加剤を加えても良い。添加剤としては特に限定しないが、例えば、硬化促進剤、滑剤が利用できる。
硬化促進剤としては特に限定しないが、シクロアミジン化合物、キノン化合物、三級アミン類、有機ホスフィン類、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、消石灰などが挙げられる。
滑剤としては特に限定しないが、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアリン酸アミド、オキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、カルバナワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等を使用することができる。
本発明に使用される骨材としては耐熱性又は耐火性を有することが好ましい。
耐熱性骨材としては石英質を主成分とする珪砂、フラタリ砂、アルミナ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、ムライト砂、合成ムライト砂、マグネシア、フライアッシュ及びこれらの回収砂、再生砂等が挙げられる。本発明においては、新砂、回収砂、再生砂、あるいはこれらの混合砂など、特に限定することなく種々の耐熱性、耐火性を有する粒状材料を使用することができる。骨材の粒度分布及び粒径は、特に制限なく用途に応じて選択できる。なお、耐熱性、耐火性とは、鉄あるいは非鉄鋳物の砂型鋳造において、高温の溶湯が接触しても、焼き付け、熱膨張、破砕が発生し難いことである。
本発明で用いる骨材の含有量は、コーテッドサンド中に80質量%以上であることが好ましい。さらに85質量%であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。骨材が80質量%以上であることで、骨材の強度を良好に維持することができる。
本発明のコーテッドサンドは、鋳型用および石油、天然ガス等の採掘時に使用されるプロパントとしても利用できる。
本発明のコーテッドサンドは、例えば下記のようにして作製することができる。
まず、100〜200℃に加熱した骨材にリグニンを加え撹拌し、骨材表面を被覆する。次いで架橋剤、硬化促進剤を加え、骨材の塊がほぐれるまで撹拌する。次いで、滑剤を加えて撹拌混合することでコーテッドサンドが得られる。
本発明のコーテッドサンドは、骨材表面をリグニンと架橋剤で被覆した後、再度加熱することで粒子同士が接着することができる。加熱温度は50℃〜300℃であることが好ましく、100℃〜250℃であることがより好ましく、150℃から200℃であることがより好ましい。加熱温度を50℃〜300℃であれば、常温で良好な流動性を有し、加熱後の接着性も保持できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)(リグニン抽出)
竹チップ400g(乾燥質量)を水蒸気爆砕装置の2Lの耐圧容器に入れ、3.5MPaとなるように水蒸気を圧入し、3分間保持した。その後バルブを急速に開放することで爆砕処理物を得た。洗浄液のpHが6以上になるまで得られた爆砕処理物を水により洗浄して水溶性成分を除去した。その後、105℃で残存水分を除去した。この乾燥体に対して質量で3倍量の乾燥抽出溶媒(アセトン)を加え、10分間攪拌した。その後、ろ過により繊維物質を取り除いた。得られたろ液からアセトンを除去し、リグニンを60g得た。得られたリグニンは常温(25℃)で茶褐色の粉末であった。
(リグニンの重量平均分子量)
示差屈折計を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてリグニンの分子量を測定した。多分散度の小さいポリスチレンを標準試料として用い、移動相をテトラヒドロフランとして使用し、カラムとして株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名:ゲルパックGL−A120SとGL−A170S(「ゲルパック」は登録商標)とを直列に接続して分子量測定を行った。その重量平均分子量は2,900であった。
(水酸基量)
リグニン中の水酸基当量は、水酸基価、酸価から求めた。水酸基価は無水酢酸−ピリジン法、酸価は電位差滴定法で求めた。その結果、得られたリグニンの水酸基当量は130g/eq.であった。次に、フェノール性水酸基と、アルコール性水酸基との比を1H‐NMR測定によって分析した。1H−NMR(プロトン核磁気共鳴)はBRUKER社製核磁気共鳴装置(商品名:AMX400)を使用し、溶媒:重クロロホルム(CDCl3)、周波数:400MHzで測定した。その結果、リグニン中の水酸基は、フェノール性水酸基:アルコール性水酸基=1.5:1であった。
(コーテッドサンドの作製)
ミキサー(遠州鉄鋼株式会社製)に160℃に加熱した珪砂10kg(骨材)と前記リグニン200g(バイオマス由来樹脂)を投入し1分間混練した後、硬化剤としてヘキサミン40g、消石灰10gを含む水溶液150gを添加して、砂の塊が崩れるまで混練し、次いでステアリン酸カルシウム10gを添加してコーテッドサンドを得た。
(コーテッドサンド焼却時のCO2排出量)
焼却時のコーテッドサンドのCO2排出量を樹脂分子構造中に含まれる炭素量から算出した。また、バイオマス由来であるリグニンは、カーボンニュートラルと考えられ、CO2排出量を0とみなした。炭素を含む樹脂はヘキサミン、ステアリン酸カルシウムであり、焼却時のCO2排出量を試算した結果、ヘキサミンが2.1kg−CO2/kg、ステアリン酸カルシウムが2.6kg−CO2/kgであった。配合比から算出されたコーテッドサンドを焼却した場合のCO2排出量は、0.01kg−CO2/kgであった。
(実施例2)(コーテッドサンドの作製)
前記リグニン100gと架橋剤としてエポキシ樹脂100g(新日鐵住金株式会社製、商品名:YDCN−700−10)、硬化促進剤1g(四国化成工業株式会社製、商品名:2PZ−CN)をアセトン(和光純薬株式会社製)100gに溶解させた。全量が溶解した後、減圧乾燥にてアセトンを除去し、リグニンとエポキシ樹脂の混合物(熱硬化性樹脂)を得た。
ミキサー(遠州鉄鋼株式会社製)に180℃に加熱した珪砂10kg(骨材)と前記リグニンとエポキシ樹脂の混合物全量を投入して、砂の塊が崩れるまで混練し、次いでステアリン酸カルシウム10gを添加してコーテッドサンドを得た。
(コーテッドサンド焼却時のCO2排出量)
実施例1と同様にエポキシ樹脂焼却時のCO2排出量を算出した結果、2.5kg−CO2/kgであった。この値を用いて実施例1と同様にコーテッドサンドを焼却した場合のCO2排出量を試算した。その結果、コーテッドサンドを焼却した場合のCO2排出量は、0.02kg−CO2/kgであった。
(比較例1)(コーテッドサンドの作製)
リグニンの代わりにフェノールノボラック樹脂(日立化成株式会社製、商品名:HP‐850N)を使用した以外は実施例1と同様にコーテッドサンドを得た。
(コーテッドサンド焼却時のCO2排出量)
実施例1と同様にフェノールノボラック樹脂燃焼時のCO2排出量を算出した結果、2.6kg−CO2/kgであった。この値を用いて実施例1と同様にコーテッドサンド焼却時のCO2排出量を試算した。その結果、コーテッドサンドを焼却した場合のCO2排出量は、0.06kg−CO2/kgであった。
(比較例2)(コーテッドサンドの作製)
リグニンの代わりにフェノールノボラック樹脂(日立化成株式会社製、商品名:HP‐850N)67gと架橋剤としてエポキシ樹脂133g(新日鐵住金株式会社製、商品名:YDCN−700−10)を使用した以外は実施例2と同様にコーテッドサンドを得た。
(コーテッドサンド焼却時のCO2排出量)
比較例1で算出したフェノールノボラック樹脂の製造時、燃焼時のCO2排出量を使用し、実施例1と同様にコーテッドサンドの焼却時のCO2排出量を試算した。その結果、コーテッドサンドを焼却した場合のCO2排出量は、0.05kg−CO2/kgであった。
実施例1及び2では、水蒸気爆砕法で得たリグニンは有機溶剤に可溶かつ熱溶融するため、架橋剤と均一に混合し、骨材表面に均一な樹脂層を有するコーテッドサンドが作製できた。実施例1及び2のコーテッドサンドとフェノール樹脂を用いたコーテッドサンドを焼却処理した場合のCO2排出量を比較すると、架橋剤としてヘキサミンを使用した場合、実施例1では、0.01kg−CO2/kgであるのに対して、比較例1のフェノール樹脂を使用した場合0.06kg−CO2/kgであった。また、架橋剤としてエポキシ樹脂を使用した場合、実施例2では、0.02kg−CO2/kgであるのに対して、比較例2のフェノール樹脂を使用した場合0.05kg−CO2/kgであった。したがって、実施例1及び2のコーテッドサンドは、一般的なフェノール樹脂を用いた、比較例1及び2のコーテッドサンドと比較し、焼却時のCO2排出量がヘキサミンを架橋剤とした場合で80%、エポキシ樹脂を架橋剤とした場合で40%削減できた。

Claims (11)

  1. バイオマス由来樹脂と骨材とを含むコーテッドサンドにおいて、前記バイオマス由来樹脂が、リグニンを含む樹脂であり、前記リグニンが、水を用いた方法によって、植物からセルロース、ヘミセルロース成分を除去したものである、コーテッドサンド。
  2. バイオマス由来樹脂が、リグニンと架橋剤を含む熱硬化性樹脂である請求項1に記載のコーテッドサンド。
  3. 水を用いた方法が、水蒸気爆砕法である請求項1又は2に記載のコーテッドサンド。
  4. リグニンの重量平均分子量が、100〜7,000である請求項1から3いずれかに記載のコーテッドサンド。
  5. 架橋剤が、エポキシ樹脂である請求項2から4いずれかに記載のコーテッドサンド。
  6. 架橋剤が、アルデヒド化合物又はホルムアルデヒドを生成する化合物である請求項2から4いずれかに記載のコーテッドサンド。
  7. 架橋剤が、イソシアネートである請求項2から4いずれかに記載のコーテッドサンド。
  8. 架橋剤が、多価カルボン酸又は多価カルボン酸無水物である請求項2から4いずれかに記載のコーテッドサンド。
  9. 架橋剤が、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物である請求項2から4いずれかに記載のコーテッドサンド。
  10. 骨材が、耐熱性又は耐火性を有する請求項1から9いずれかに記載のコーテッドサンド。
  11. 骨材の含有量が、80質量%以上である請求項1から10いずれかに記載のコーテッドサンド。
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