JPWO2014129336A1 - 冶金用コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

配合炭を構成している石炭として、コークス強度向上に効果的な複数銘柄の石炭を適に配合することにより、強度等の品質に優れた冶金用コークスを製造するための方法を提供することにある。特に、従来はコークス製造用原料として用いられることの少なかったイナート含有量の少ない石炭を活用して高強度のコークスを製造する技術を提供することにある。複数銘柄の石炭よりなる配合炭を乾留して、冶金用コークスを製造する際、前記配合炭中に最高流動度が80ddpm以上3000ddpm以下かつ、イナート成分の含有量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下である低イナート炭を、10mass%以上75mass%以下を配合する冶金用コークスの製造方法。

Description

本発明は、配合炭に含まれる石炭の種類、配合量を調整することで高強度の冶金用コークスを製造する方法に関する。
高炉で銑鉄を製造するには、まず、高炉内に鉄鉱石類とコークスを交互に装入することでそれぞれを層状に充填し、羽口から吹き込まれる高温の熱風で鉄鉱石類やコークスを加熱すると共に、主にコークスから発生したCOガスで鉄鉱石類を還元し溶製することが必要である。こうした高炉の操業を安定して行なうには、炉内での通気性や通液性を向上させることが有効であり、そのためには強度、粒度および反応後強度等の諸特性に優れた冶金用コークスの使用が不可欠である。なかでも強度は、特に重要な特性と考えられる。
このように、高炉等の竪型炉内の通気性や通液性を向上させるには、高強度の冶金用コークスを使用することが有効である。その冶金用コークスは、通常、JIS K 2151に規定示されている回転強度試験等による強度測定によって強度管理している。一般に、石炭は、乾留により軟化溶融し、互いに粘結してコークスとなる。従って、コークスの強度は、石炭の軟化溶融特性に大きく影響されることから、コークスの強度を向上させるには石炭の軟化溶融特性を正しく評価することが必要になる。その軟化溶融特性とは、石炭を加熱したときに軟化溶融する性質であり、通常、軟化溶融物の流動性、粘度、接着性、膨張性などにより評価できる。
石炭の軟化溶融特性、即ち、石炭の軟化溶融時の流動性を測定する一般的な方法としては、JIS M 8801に規定されるギーセラープラストメータ法による石炭流動性試験方法が挙げられる。このギーセラープラストメータ法は、425μm以下に粉砕した石炭をるつぼに入れ、所定の昇温速度で加熱し、所定のトルクをかけた撹拌棒の回転速度を目盛板で読み取り、ddpm(dial division per minute)で表示する方法である。
また、石炭は一般に、加熱したときに軟化溶融する活性成分と軟化溶融しないイナート成分とが混在しており、イナート成分は活性成分を介して接着することになる。そのため、コークス強度というのは、活性成分量とイナート成分量とのバランスに強く影響され、特にイナート成分量の如何が重要と考えられている。
イナート成分量を測定する一般的な方法としては、JIS M 8816に規定される石炭の微細組織成分測定方法が挙げられる。この方法は、850μm以下に粉砕した石炭を熱可塑性または熱硬化性のバインダーと混合してブリケット化し、被験表面を研磨した後、顕微鏡を用いて光学的性質および形態学的性質を識別する方法である。試料中の各微細組織成分の含有率は、成分ごとに測定された個数の百分率をもって、容量百分率とする方法である。上記方法により求められた微細組織成分の含有量を用いて、全イナート量(TI)は下記(1)式で求めることができる。
全イナート量(%)=フジニット(%)+ミクリニット(%)+(2/3)×セミフジニット(%)+鉱物質(%) ・・・(1)
ここで、含有量はすべてvol.%である。
なお、鉱物質の含有量は、JIS M 8816に記載のParrの式を用いて、無水ベースの灰分と無水ベースの全硫黄分から計算して求めることができる。
高強度コークスを製造するための石炭配合の考え方は、石炭の構成成分を軟化溶融しない繊維質部分(イナート成分)と軟化溶融する粘結部分(活性成分)の二つに大別し、それぞれを最適化する方法が基本である(非特許文献1)。そして、石炭配合に関するこの考え方を発展させ、石炭化度パラメータと粘結性パラメータの2つの性状に基づいて配合設計を行なう方法が一般的である。
前記石炭化度パラメータとしては、JIS M 8816のビトリニット平均最大反射率(Ro)や石炭揮発分などが挙げられている。また、前記粘結性パラメータとしては、最高流動度(MF)やCBI(Composition Balance Index:組織平衡指数)が挙げられる(例えば、非特許文献2)。なお、このCBIは、配合炭に含有するイナート成分の量に応じた最適な粘結成分の量があり、2つの成分の比率が最適値に近いほどコークス強度は高くなるという考え方に基づいた指数である。
また、特許文献1では、平均最大反射率(Ro)、最高流動度(MF)、全イナート量(TI)の相互関係を考慮し、平均最大反射率(Ro)、最高流動度(MF)を所定値とした場合に得られるコークス強度は全イナート量(TI)の値に応じて上に凸な放物線状の関係を示し、強度が極大となるイナート成分の量は最高流動度(MF)の大きさにより変わることが報告されている。
特許文献2では最高流動度(MF)、全イナート量(TI)を含めた、様々な原料炭性状より、コークス強度を推定する方法が報告されている。
特開 2007−246593号公報 特開 昭61−145288号公報
「燃料協会誌」城著、Vol.26、1947年、p.1‐p.10 Schapiroら著:「Proc. Blast Furnace,Coke oven and Raw Materials」、Vol.20、1961年、p.89‐p.112 「燃料協会誌」奥山ら著、Vol.49、1970年、p.736‐p.743
高炉操業に際し、低強度の冶金用コークスを使用すると、高炉内での粉の発生量が増加して圧力損失の増大を招き、操業の不安定化を招くとともに炉内におけるガスの流れが局所的に集中する、いわゆる吹き抜けといったトラブルを招くおそれがある。なお、冶金用コークスを製造する場合、コークス品質の安定化と高強度のものを得るために、複数の銘柄の石炭を所定の割合で配合した配合炭を原料として使用する。
コークスの品質を左右する石炭性状としては、平均最大反射率(Ro)、最高流動度(MF)などの指標が重要とされており、高強度の冶金用コークスを製造するためには、これらの特性を向上させることが必要である。しかし、平均最大反射率(Ro)や最高流動度(MF)の大きな高品質の石炭は高価であり、これら高品質の石炭の配合率を単純に高くすることは、コークス製造コストの増加に直結するため、得策ではない。
配合炭の性状は、この配合炭を構成している単味石炭性状の加成性が成立することおよび品質管理の簡便性から配合炭平均品位で管理するのが一般的である。しかし、配合炭を構成している石炭が、コークス品質にそれぞれどのような影響を及ぼし、どのような石炭がコークス強度を効率的に向上させるかについては、不明な点が多く、想定した強度が得られないケースもある。
特に、石炭中の全イナート量のコークス強度に対する影響については検討が十分に行なわれておらず、なかでも全イナート量の少ない石炭を有効活用し、高強度の冶金用コークスを得る方法に関してはほとんど知見がない。
本発明の目的は、強度等の品質に優れた冶金用コークスを製造するための方法を提案することにある。特に、本発明は、従来コークス製造用原料として用いられることの少なかったイナート成分含有量の少ない石炭(低イナート炭)を活用して高強度のコークスを製造する技術を提供することにある。
前述の課題を解決することができ、前記の目的を達成するための有効な方法として、本発明では、複数銘柄の石炭よりなる配合炭を乾留して冶金用コークスを製造する方法において、前記配合炭として、最高流動度が80ddpm以上3000ddpm以下かつ全イナート量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下である低イナート炭を、10mass%以上75mass%以下配合したものを用いることを特徴とする冶金用コークスの製造方法を提案する。
本発明において、
(1)前記配合炭として、低イナート炭を、20mass%以上75mass%以下配合したものを用いること、
(2)前記低イナート炭が、最高流動度が80ddpm以上1000ddpm未満かつ全イナート量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下であること、
(3)前記配合炭に含まれる低イナート炭は、灰分量が4.8mass%以上8.6mass%以下であること、
(4)前記最高流動度は、JIS 8801に規定されるギーセラープラトメータ法による石炭流動性試験方法に準拠して測定した値であること、
(5)前記全イナート量は、JIS M8816に規定される石炭の微細組織成分測定方法に準拠して、下記式を適用して求められた値であること、
全イナート量(%)=フジニット(%)+ミクリニット(%)+(2/3)×セミフジニット(%)+鉱物質(%) ・・・(1)
ここで、含有量はすべてvol.%である。
が、前記課題解決のためのより好ましい手段と考えられる。
前記のような構成からなる本発明によれば、従来の冶金用コークスよりも高品質(高強度)なコークスを製造することができる。このような高品質なコークスを高炉で使用した場合、高炉等の竪型炉内における通気性の改善に寄与し、安定操業を行なうのに効果がある。また、本発明によれば、従来用いられることの少なかったイナート成分の含有量(全イナート量)が少ない石炭、即ち、低イナート炭を有効に活用することができると共に、石炭化度の程度を示す平均最大反射率(Ro)や粘結性を示す最高流動度(MF)の大きな高価な石炭の配合量を削減することができることから、コークスの製造コストの削減が可能である。
図1は単味炭のギーセラー最高流動度(MF)と全イナート量(TI)の関係を示すグラフである。 図2は乾留して得られたコークスの顕微鏡写真である
発明者らは、種々の石炭の配合条件とコークス強度の関係について鋭意研究を重ねた。その結果、通常の石炭の最高流動度(MF)と全イナート量(TI)との関係から、全イナート量(TI)の少ない石炭、即ち、イナート成分の含有量が少ない低イナート炭を適量に配合した場合、コークス強度が意外にも大幅に向上することを見出し、本発明を開発するに至った。
従来の知見では、例えば、非特許文献2に記載の方法では、石炭化度の程度を示す平均最大反射率(Ro)が0.9〜1.2程度の石炭については、全イナート成分の含有量(以下、単に「全イナート量」という)が20〜30vol.%の場合に、コークス強度が極大となり、全イナート量がその範囲より多くても少なくてもコークス強度は低下するというのが一般的な認識であった。また、同様の傾向は非特許文献3にも開示されており、やはり全イナート量20〜30vol.%でコークスのドラム強度が極大になることが報告されている。このことは特許文献1にも開示されているが、その開示内容によると、全イナート量が31%でコークス強度が極大になることが示されている。即ち、従来の知見とは、全イナート量の少ない石炭を配合した場合、高強度のコークスが得にくいことが指摘されていたのである。
しかし、発明者らは、全イナート量が少ない石炭、即ち、低イナート炭であっても、最高流動度(MF)および配合量さえ適正にすれば、コークス強度は低下しないのみならず、通常の配合よりもむしろコークス強度は向上する場合もあることを見出した。
図1は、種々の単味炭(個別の銘柄炭)のギーセラー最高流動度(logMF)と全イナート量(TI)の関係を示したものである。この図に示すように、一般に、全イナート量(TI)の少ない石炭は最高流動度が大きいことがわかる。ところで、高強度なコークスを製造するためには、石炭粒子どうしの接着性を強化することが必要であると同時に発泡にともなう連結気孔を生成させないようにすることが重要である。この点、最高流動度(MF)が大きいと接着性は期待できるが、発泡しやすく連結気孔の生成により強度が低下するおそれがある。従って、これまでの石炭配合の考え方は、配合炭の最高流動度(MF)が適正となるように管理するのが普通であった。
しかし、実際には最高流動度(MF)が同じでも全イナート量(TI)が異なる石炭が存在する。この石炭は、イナート成分が軟化溶融状態においても固体で存在していることから、軟化溶融物はスラリーの物理特性に近い挙動を示す。即ち、石炭はイナート成分の量が多いと、軟化溶融状態での見掛け粘度は大きくなる。この点、最高流動度(MF)は一種の見掛け粘度を測定していると考えられるので、最高流動度(MF)が同じ水準の石炭では、全イナート量(TI)が大きい石炭(固相成分が多い)ほど軟化溶融物中に存在する液体成分の粘度は小さく、逆に、全イナート量が少ない石炭ほど軟化溶融物中の液体成分の粘度は大きくなる。液成分が低粘度になるほど乾留中における気孔の成長と合一が促進されて連結気孔を形成しやすく、粗大な欠陥を含むコークスが生成しやすいと考えられる。
このことを確認するため、発明者らは、従来の配合炭(配合炭a)から得られたコークスと、全イナートの含有量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下かつ最高流動度(MF)が80ddpm以上3000ddpm以下の低イナート炭を合計で50mass%配合した配合炭(配合炭b)から得られたコークスのミクロ構造を調査した。ここで、従来法による配合炭aの品位は、平均最大反射率(Ro)=1.00%、ギーセラー最高流動度(logMF)=2.5logddpm、全イナート量(TI)=34vol.%であり、低イナート炭を多配合した配合炭bの品位は、平均最大反射率(Ro)=1.00%、ギーセラー最高流動度(logMF)=2.2logddpm、全イナート量(TI)=18vol.%である。比較両者の配合炭を同じ条件で乾留して得られたコークスの顕微鏡写真を図2に示す。
図2からわかるように、配合炭aに比べて配合炭bでは円形に近い気孔が独立して存在しており、配合炭bでは従来の配合によるコークスよりも気孔の成長と合一が抑制され、連結気孔もできにくいことがわかる。このように低イナート炭を多量に配合する場合に、従来とはミクロ構造の異なるコークスが生成することは、従来は知られておらず、発明者らが新たに見出した知見である。このように、従来とは異なるミクロ構造のコークスが生成することより、低イナート炭の利用は、従来の配合技術の延長線上の考え方に基づいて行なうのではなく、新たな配合の基準に基づいて行なうべきであることが示唆された。
連結気孔の形成を抑えて高強度なコークスを製造するためには、全イナート量が少なく、軟化溶融物中の液成分の粘度が高い石炭をうまく活用することが有効であると考えられるが、具体的な配合条件は自明ではない。全イナート量(TI)と連結気孔の形成量およびそのコークス強度への影響は線形関係にあるとは考え難いため、発明者らは数多くの実験を行なうことで以下に示す最適な石炭性状条件を明らかにした。
以上の説明から明らかになったことは、低イナート炭の使用によってコークス強度の向上をもたらすには、石炭粒子どうしの良好な融着が可能で、連結気孔を形成しない程度の最高流動度(MF)を有し、かつ全イナート量(TI)の低い石炭の使用が望ましく、その範囲は、最高流動度(MF)が80ddpm以上3000ddpm以下、全イナート量(TI)が3.5vol.%以上11.7vol.%以下が望ましいと言える。
ここで、低イナート炭のギーセラー最高流動度(MF)の値が80ddpm未満では、接着性が不足してしまう。一方、この値が3000ddpmを超えると、連結気孔が生成しやすくなり好ましくない。より望ましいMF値は、80〜1000ddpm、さらに好ましくは、150〜900ddpm程度である。
また、低イナート炭の全イナート量(TI)が3.5vol.%未満だと、骨材として強度向上に寄与するイナート量が不足してしまう。一方、この量が11.7vol.%を超えると低イナート炭を用いることによる効果が失われる。より望ましいTIは、4〜10vol.%程度である。
また、このような低イナート炭の配合割合は、これが少なすぎると(<10mass%)効果として現われにくく、逆に、多すぎる(>75mass%)と配合炭中の全イナート量(TI)が低くなりすぎて溶融成分由来の組織とイナート成分由来の組織で構成される複合材料としての特性が失われて強度が発現しにくくなってしまう。従って、低イナート炭の望ましい配合割合は10mass%以上75mass%以下である。望ましくは、20〜75mass%程度、より望ましくは、20〜65mass%程度である。
また、前記イナート炭中の灰分も全イナート組織と同様に、軟化溶融状態においては固体で存在する成分である。ただし、炭素質由来のイナート成分と比較した場合、灰分は密度が高いため体積割合が低くより細かく分散する傾向にある。従って、全イナート量(TI)よりも影響度は小さいが、灰分量も低いことが望ましく、その灰分量はドライベースの値で4.8mass%以上8.6mass%以下が最も望ましい。より望ましくは5.0〜8.0mass%である。
なお、本発明においては、配合炭中に占める低イナート炭の配合量は、10〜75mass%が推奨されるが、残部の石炭として、例えば、全イナート量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下でなく、ギーセラー最高流動度が80logddpm以上300logddpm以下でない強・弱粘結炭、準強粘結炭、低揮発炭あるいは非粘結炭、改質炭等の一般炭を適宜に配合する。その配合量は25〜90mass%程度である。また、配合炭は、粘結材、油類、粉コークス、石油コークス、樹脂類、廃棄物等の添加物を含むものであってもよい。
また、前述したように、本発明においては、上述した条件、即ち、所定の最高流動度(MF)と所定の全イナート量(TI)を有する低イナート炭を所定量配合することが有効である。さらに、配合炭として常に安定した基質強度を確保するには、該配合炭の石炭化度の程度を示す平均最大反射率(Ro)は、0.95〜1.20%程度に調整することが好ましい。
この実施例は、配合炭を乾留してコークスを製造したときの試験結果を示す。この試験では、一般的な強度支配因子である配合炭の平均最大反射率(Ro)およびギーセラー最高流動度(MF)の常用対数値(logMF)の加重平均値はほぼ一定に調製された配合炭を使用した。配合炭は、表1に示す石炭A〜Pを使用して調製した。なお、平均最大反射率(Ro)は、JIS M8816に準拠して測定し、ギーセラー最高流動度(MF)は、JIS M8801に準拠して測定し、その常用対数値(logMF)も表1に併せて示した。揮発分(VM)と灰分(Ash)は、JIS M8812に準拠して測定し、それぞれドライベース%で表示している。全イナート量(TI)はJIS M8816に基づき(1)式を用いて求めた。
乾留試験は、実炉をシミュレートすることが可能な電気炉を使用した。石炭粒子の粉砕条件は3mm以下100%、充填条件は水分8mass%、嵩密度750kg/m、乾留条件は乾留温度1050℃、乾留時間6時間とした。得られたコークスの性状評価にはJIS K2151に定められているドラム150回転15mm指数であるDI(150/15)を用いた。また、コークスのCO反応後強度(CSR)はISO18894に準拠して測定した。それぞれの配合炭の配合構成(各石炭の乾燥基準配合比率(mass%))および乾留試験の結果を表2に示す。
全イナート量(TI)が13.2vol.%と好適な範囲よりも多い石炭Iを20mass%配合した配合1−2、最高流動度(MF)が10964ddpmと高い石炭Jを20mass%配合した配合1−3に比べ、最高流動度(MF:447ddpm)と全イナート量(TI:6.7vol.%)がともに低い石炭Kを20mass%配合した配合1−1を用いて乾留したコークスは高い強度を示した。
平均最大反射率(Ro)が、石炭I(=0.77%)、J(=0.79%)、K(=0.76%)よりも高い石炭L(Ro:1.06%)、M(Ro:1.11%)の配合効果についても比較した結果、全イナート量(TI)が24.0vol.%と高い石炭Lを20mass%配合した配合2−2よりも、最高流動度(MF)と全イナート量(TI)がともに低い石炭Mを20mass%配合した配合2−1から得られたコークスは高い強度を示した。コークス強度の向上が確認された石炭Kおよび石炭Mと最高流動度(MF)および全イナート量(TI)が比較的近い石炭N、石炭Oを配合した場合も同様に高強度コークスが製造できた(配合3−1、配合4−1)。
以上の試験結果から分かるように、最高流動度(MF)が80ddpm以上3000ddpm以下で、全イナート量(TI)が3.5vol.%以上11.7vol.%以下の範囲の低イナート炭を20mass%配合したものでは、高強度の冶金用コークスの製造が可能であることがわかった。
次に、コークス強度の向上効果が認められた前記石炭K、石炭Mの配合率の影響を確認するため試験を行なった、この試験は、石炭Kと石炭Mを併せて40、50、75、80mass%配合した配合5−1、5−2、5−3、5−4のコークス強度を比較した。その結果、表2に示すように、これらの配合率が40〜75mass%である配合5−1〜5−3までのもの(実施例5〜7)は高強度のコークスが製造できた。しかし、これらの石炭K、Mの配合率が80mass%の配合5−4(比較例4)では大幅な強度低下が認められた。これは、配合炭の全イナート量(TI)が低くなるため、溶融成分由来の組織とイナート成分由来の組織で構成される複合材料としての特性が失われたためと考えられる。また、石炭Kと石炭Mの合計配合率を低下させた場合では、10mass%配合した場合、実施例((配合5−5)では、強度は84.5であったが、配合率が8mass%実施例5(配合5−6)になると、強度が84.1に低下した。
さらに、最高流動度(MF)が836ddpmと1000ddpm未満の石炭Pを30mass%用いた配合10−1、および、石炭Pを35mass%と最高流動度(MF)および全イナート量(TI)がともに低い石炭Mを25mass%とを含んだ10−2は、いずれも高いドラム強度を示すことがわかった。
また、コークス強度としては、ドラム強度(DI)(150/15)以外の強度指数、例えばCO反応後強度(CSR)についても同様の傾向が認められた。これは、気孔構造の違いによる強度発現メカニズムが例えばCO反応後強度にも同様に作用するためと考えられる。
実施例1では、配合炭の平均最大反射率(Ro)を1.05に統一して実験を行なった。一般に、配合炭の平均最大反射率(Ro)は、コークス基質部の強度に影響すると言われており、本発明で明らかにした連結気孔の生成には関係しない。従って、本発明の技術は、平均最大反射率(Ro)の異なる配合炭への適用も可能である。
そのことを確認するため、実施例1と同じ方法で、各石炭の配合率を変化させて、Roが異なる配合炭を調製し、その配合炭を乾留して得られたコークスの強度を評価した。それぞれの配合炭の配合構成(各石炭の乾燥基準配合比率(mass%))および乾留試験の結果を表3に示す。最大反射率(Ro)が高い配合炭では、基質部の強度が高くなるため、コークス強度も高い傾向となるが、最高流動度(MF)が80ddpm以上3000ddpm以下で、全イナート量(TI)が3.5vol.%以上11.7vol.%以下の範囲であるK炭、M炭、N炭の合計配合率が高すぎても低すぎても強度が低下する傾向が認められ、実施例1と同様に最高流動度(MF)が80ddpm以上3000ddpm以下で、全イナート量(TI)が3.5vol.%以上11.7vol.%以下の範囲である石炭の配合率が10〜75mass%の範囲にある配合炭を乾留した場合に、強度の高いコークスが得られた。
本発明に係る技術は、例示した高炉用コークスの製造技術として有効であるだけでなく、他の種類の竪型冶金炉用コークスあるいは燃焼炉用コークスなどの製造方法としても有効である。

Claims (6)

  1. 複数銘柄の石炭よりなる配合炭を乾留して冶金用コークスを製造する方法において、前記配合炭として、最高流動度が80ddpm以上3000ddpm以下かつ全イナート量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下である低イナート炭を、10mass%以上75mass%以下配合したものを用いることを特徴とする冶金用コークスの製造方法。
  2. 前記配合炭として、低イナート炭を、20mass%以上75mass%以下配合したものを用いることを特徴とする請求項1に記載の冶金用コークスの製造方法。
  3. 前記低イナート炭が、最高流動度が80ddpm以上1000ddpm未満かつ全イナート量が3.5vol.%以上11.7vol.%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金用コークスの製造方法。
  4. 前記配合炭に含まれる低イナート炭は、灰分量が4.8mass%以上8.6mass%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
  5. 前記最高流動度は、JIS 8801に規定されるギーセラープラトメータ法による石炭流動性試験方法に準拠して測定した値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
  6. 前記全イナート量は、JIS M8816に規定される石炭の微細組織成分測定方法に準拠して、下記式を適用して求められる値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
    全イナート量(%)=フジニット(%)+ミクリニット(%)+(2/3)×セミフジニット(%)+鉱物質(%) ・・・(1)
    ここで、含有量はすべてvol.%である。
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