JPWO2014064932A1 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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洋一 黒瀬
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Abstract

誘導加熱装置は、制御部が第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチと第3の半導体スイッチを制御することにより、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに同時に高周波電力を供給する同時加熱モードと、第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の単独加熱モードと、第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の単独加熱モードと、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとを交互に行う交互加熱モードと、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに同時に高周波電力を供給する降圧同時加熱モードと、を選択的に切り替える構成を有している。

Description

本開示は、高周波磁界による誘導加熱を利用して被加熱物の加熱などを行う、例えば、誘導加熱調理装置などを含む誘導加熱装置に関するものである。
従来の誘導加熱装置について図面を用いて説明する。図38は、従来の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。従来の誘導加熱装置は、商用電源である交流電源101と、商用電源を整流する整流回路102と、整流回路102からの整流された電圧を平滑するチョークコイル104と平滑コンデンサ105で構成された平滑回路130と、平滑コンデンサ105の出力を高周波電力に変換して第1の加熱コイル106に高周波電力を供給する第1のインバータ114と、平滑コンデンサ105の出力を高周波電力に変換して第2の加熱コイル107に高周波電力を供給する第2のインバータ115と、交流電源101からの入力電流を検出する入力電流検出部103と、制御部113と、により構成されている。制御部113は、マイクロコンピュータなどで構成されており、入力電流検出部103の検出値が設定値となるように第1のインバータ114及び第2のインバータ115内の半導体スイッチの動作状態を制御する。
上記のように構成された従来の誘導加熱装置においては、整流回路102、チョークコイル104及び平滑コンデンサ105を2つのインバータ114,115で共用しているため、回路を小型化することが可能である。
上記のように構成された従来の誘導加熱装置における動作について説明する。制御部113は、交流電源101からの入力電流をカレントトランスなどで構成される入力電流検出部103で検出した入力電流値が予め設定された電流値となるように、第1のインバータ114および第2のインバータ115内の半導体スイッチの導通時間を制御している。制御部113が上記のように制御することにより、第1のインバータ114及び第2のインバータ115に接続された第1の加熱コイル106及び第2の加熱コイル107に必要な高周波電流が供給される。
そして、第1の加熱コイル106及び第2の加熱コイル107に供給された高周波電流により、第1の加熱コイル106及び第2の加熱コイル107より高周波磁界が発生し、加熱コイル106,107と磁気的に結合する鍋などの負荷に高周波磁界が印加される。
上記のように鍋などの負荷に印加された高周波磁界により、負荷に渦電流が発生し、この渦電流と鍋自身が持つ表皮抵抗により鍋自身が発熱する。
また、制御部113は、鍋などの負荷の加熱量を調整するために、第1のインバータ114及び第2のインバータ115への入力電流を変えることにより、入力電流検出部103の検出値が目標値となるように、第1のインバータ114及び第2のインバータ115の半導体スイッチの動作周波数や導通比率を制御している(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、従来の誘導加熱装置においては、結晶化ガラスなどで構成された天面上に置かれた鍋などの負荷を加熱する場合に、様々な形状の負荷を効率よく加熱するために、複数の加熱コイルを用いる構成が提案されている。加熱コイルの形状としては、同心円上に複数の加熱コイルを配置する構成、加熱コイルの周辺に中心位置が異なる複数の補助加熱コイルを配置する構成、或いは形状の小さい複数の加熱コイルをマトリックス状に配置する構成などが提案されている。
一方、複数の加熱コイルにそれぞれ異なる電力を供給する場合、各々の加熱コイル毎にインバータを設ける構成であるため、インバータの実装面積が大きくなり、機器の形状が大きくなるという課題を有する。また、複数の加熱コイルを用いる構成においては、複数のインバータが異なる動作周波数で動作するため、動作周波数差に起因する干渉音が発生する。
米国特許出願公開第2007/135037号明細書 特開平09−251888号公報
従来の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルのそれぞれを駆動するインバータ内に半導体スイッチが必要となる。このため、従来の誘導加熱装置は、各インバータ毎に半導体スイッチ及びその駆動回路が必要となり、駆動回路に対応した実装面積が必要であり、装置の更なる小型化が困難になるという課題を有している。
また、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルが同時に動作する場合には、動作周波数の差に起因する干渉音の発生を抑えるために、それぞれの加熱コイルを同じ周波数で駆動する方法、又は可聴域以上の周波数差を設けて動作させる方法が提案されている。しかしながら、負荷の種類によっては、動作周波数が同じとならず、干渉音が発生する場合がある。また、上記のような方法は半導体スイッチの制御が複雑になり、回路設計が困難になるなどの課題を有している。
これらの課題を解決することを目的として、特開平09−251888号公報に示された3個の半導体スイッチを直列に接続して、2個の加熱コイルを3個の半導体スイッチを時分割で制御して、それぞれの加熱コイルの加熱動作を一定時間毎に切り換える制御方法が提案されている。
しかし、このような従来の誘導加熱装置においても、加熱する負荷の材質が異なる場合には、負荷の電気的な特性の違いにより、負荷と結合した加熱コイルのインダクタンスや抵抗値などのインピーダンスが変わるため、加熱コイルに接続された共振コンデンサの値で決まる共振特性が変化してしまう。したがって、従来の誘導加熱装置においては、共振特性に応じて、動作周波数を変更することにより、負荷への供給電力を調整する方法が採られている装置がある。
しかし、このような方法により供給電力の調整を行うとき、異なる材質の負荷を同時に加熱する場合には、各々の負荷の間で動作周波数に差が生じてしまい、動作周波数の差に起因する干渉音が発生し、動作中の騒音が大きくなるなどの課題を有していた。
さらに、特開平09−251888号公報に示されたように、2個の加熱コイルに対して時分割で交互に一定時間だけ加熱する制御方法においては、一定時間毎に交互に切り替える方法において、切り替え時の休止期間においては周期的に沸騰感が消失したり、また加熱動作期間においては、一方の加熱コイルに対して多くの電力を供給されて、調理物が焦げ付き易いなどの課題を有していた。
また、形状の小さな複数の加熱コイルをマトリクス状に配置する従来の誘導加熱装置においては、加熱する負荷の形状に応じて複数の小さな加熱コイルを駆動するため、加熱コイルの駆動数により加熱コイルのインピーダンスが大きく変化する。この結果、同じ動作周波数で負荷への供給電力を調整することは、非常に困難であった。また、隣接した加熱コイルにより負荷を同時加熱する場合には、動作周波数が異なり、動作周波数の差に起因する干渉音が発生し、騒音が大きくなるなどの課題を有していた。
本開示は、従来の各種の課題を解決するものであり、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音がなく、負荷の状態に応じた優れた調理性能を有しており、部品点数が少なく、回路実装面積が小さく、製造コストが低い誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本開示に係る第1の態様の誘導加熱装置は、
電源に接続された第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの直列接続体と、
前記第1の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する第1の加熱コイルと第1の共振コンデンサの直列接続体と、
前記第3の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する第2の加熱コイルと第2の共振コンデンサの直列接続体と、
前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の半導体スイッチを常時導通し、前記第2の半導体スイッチ及び前記第3の半導体スイッチを交互に導通させて前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の単独加熱モードと、
前記第3の半導体スイッチを常時導通し、前記第1の半導体スイッチ及び前記第2の半導体スイッチを交互に導通させて前記第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の単独加熱モードと、
前記第2の半導体スイッチを常時導通し、前記第1の半導体スイッチ及び前記第3の半導体スイッチを交互に導通させて前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに同時に高周波電力を供給する同時加熱モードと、負荷に応じて選択的に駆動するように構成されている。
本開示の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音がなく、負荷の状態に応じた優れた調理性能を有しており、部品点数が少なく、回路実装面積の小さく、製造コストの低い誘導加熱装置を提供することができる。
本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置の回路構成を示す図 実施の形態1の誘導加熱装置における第1の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置における第2の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置における同時加熱モードを示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置における交互加熱モードを示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置の構成を示す図 実施の形態1の誘導加熱装置の別の構成を示す図 本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の回路構成を示す図 実施の形態2の誘導加熱装置における第1の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態2の誘導加熱装置における第2の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態2の誘導加熱装置における交互加熱モードを示す波形図 実施の形態2の誘導加熱装置の交互加熱モードにおける第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの切り換え動作時の波形図 実施の形態2の誘導加熱装置における電力特性を説明する図 実施の形態2の誘導加熱装置における電力特性を説明する図 実施の形態2の誘導加熱装置における交互加熱モードの電力特性を示す図 実施の形態2の誘導加熱装置の構成を示す図 実施の形態2の誘導加熱装置の別の構成を示す図 本開示に係る実施の形態3の回路構成を示す図 実施の形態3の誘導加熱装置の構成を示す図 実施の形態3の誘導加熱装置の別の構成を示す図 実施の形態3の誘導加熱装置の別の構成を示す図 実施の形態3の誘導加熱装置における同時加熱モードを示す波形図 実施の形態3の誘導加熱装置における第1の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態3の誘導加熱装置における第2の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態3の誘導加熱装置における交互加熱モードを示す波形図 実施の形態3の誘導加熱装置において、負荷の違いにおける半導体スイッチの導通時間と共振コンデンサに発生する共振電圧との関係を示す図 実施の形態3の誘導加熱装置において、負荷の違いにおける導通時間で発生する入力電力の変化を示す図 本開示に係る実施の形態4の誘導加熱装置における降圧同時加熱モードを示す波形図 本開示に係る実施の形態5の誘導加熱装置の回路構成を示す図 実施の形態5の誘導加熱装置において、導通時間に対する各加熱モードにおける入力電力の特性を示す図 本開示に係る実施の形態6の誘導加熱装置の回路構成を示す図 実施の形態6の誘導加熱装置において、加熱コイル群を構成する複数の加熱コイル要素をマトリクス状に並べた構成例を示す平面図 実施の形態6の誘導加熱装置において、加熱コイル群を構成する複数の加熱コイル要素をマトリクス状に並べた構成例を示す平面図 実施の形態6の誘導加熱装置において、負荷の材質によって半導体スイッチの導通時間と共振コンデンサに発生する共振電圧との関係を示す図 実施の形態6の誘導加熱装置における同時加熱モードを示す波形図本開示の第1の実施の形態の第1の動作モードの動作を示す図 実施の形態6の誘導加熱装置における第1の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態6の誘導加熱装置における第2の単独加熱モードを示す波形図 実施の形態6の誘導加熱装置における交互加熱モードを示す波形図 実施の形態6の誘導加熱装置において、導通時間に対する各加熱モードにおける入力電力の特性を示す図 本開示に係る実施の形態7の誘導加熱装置における降圧同時加熱モードを示す波形図 実施の形態7の誘導加熱装置において、導通時間に対する各加熱モードにおける入力電力の特性を示す図 本開示に係る実施の形態8の誘導加熱装置において、加熱コイル群を構成する複数の加熱コイル要素をマトリクス状に並べた構成例を示す平面図 従来の誘導加熱装置の回路構成を示す図
本開示に係る誘導加熱装置の具体的な構成例は、後述する実施の形態1〜8において詳細に説明するが、本開示に係る誘導加熱装置においては、下記の態様を有する構成である。
本開示に係る第1の態様の誘導加熱装置は、
電源に接続された第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの直列接続体と、
前記第1の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する第1の加熱コイルと第1の共振コンデンサの直列接続体と、
前記第3の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する第2の加熱コイルと第2の共振コンデンサの直列接続体と、
前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の半導体スイッチを常時導通し、前記第2の半導体スイッチ及び前記第3の半導体スイッチを交互に導通させて前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の単独加熱モードと、
前記第3の半導体スイッチを常時導通し、前記第1の半導体スイッチ及び前記第2の半導体スイッチを交互に導通させて前記第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の単独加熱モードと、
前記第2の半導体スイッチを常時導通し、前記第1の半導体スイッチ及び前記第3の半導体スイッチを交互に導通させて前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに同時に高周波電力を供給する同時加熱モードと、負荷に応じて選択的に駆動するように構成されている。
上記のように構成された第1の態様の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルに対して同時に高周波電力を供給することが可能となり、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音が生じることがなく、優れた調理性能を有し、しかも部品点数が少ないため、回路実装面積が小さく安価な誘導加熱装置を提供することができる。
本開示に係る第2の態様の誘導加熱装置においては、前記の第1の態様における前記第1の加熱コイルと前記第1の共振コンデンサで構成される第1の共振回路において生じる共振周波数と、前記第2の加熱コイルと前記第2の共振コンデンサで構成される第2の共振回路において生じる共振周波数が、同一となるよう構成されている。
上記のように構成された第2の態様の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルにより同一の負荷を加熱するときなどにおいて、各加熱コイルから略均一に高周波電力を負荷に対して供給することができる。このため、第2の態様の誘導加熱装置においては、調理物などの被加熱物を均一に仕上げることができ、使い勝手の良い加熱装置となる。
本開示に係る第3の態様の誘導加熱装置は、前記の第1又は2の態様において、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記制御部が、前記同時加熱モードとなる期間と、前記第1の単独加熱モード又は第2の単独加熱モードとなる期間との比率を変えて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に供給される平均電力が目標値となるように前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを制御するよう構成されている。
上記のように構成された第3の態様の誘導加熱装置は、各加熱コイル上の負荷に対して異なる高周波電力を供給することが可能となるため、繊細な電力調整が可能となり、使い勝手の良い加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第4の態様の誘導加熱装置は、前記の第1の態様において、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記制御部が、前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードのそれぞれを1秒以内の短周期で繰り返す交互加熱モードを行って、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に均等に高周波電力を供給するよう構成されている。
上記のように構成された第4の態様の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音が生じることがなく、優れた調理性能を有し、しかも部品点数が少ないため回路実装面積が小さく安価な誘導加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第5の態様の誘導加熱装置は、前記の第4の態様において、前記交互加熱モードにおける前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードとの間の状態遷移は、前記第2の半導体スイッチが非導通状態の時に行うよう構成されている。
上記のように構成された第5の態様の誘導加熱装置においては、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの切り替え時において特別に休止期間を設ける必要がなく、高速に高周波電力を供給する加熱コイルを切り替えることができる。この結果、機器使用者は複数の負荷のそれぞれが連続して加熱されている場合と同等の調理状況を感じることができ、本開示の誘導加熱装置によれば、使い勝手の良い調理性能を実現することができる。
本開示に係る第6の態様の誘導加熱装置は、前記の第4又は5の態様において、前記制御部が、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記交互加熱モードにおける前記第1の単独加熱モードの連続動作時間と前記第2の単独加熱モードの連続動作時間との比率を同じとなるように制御し、前記第1の単独加熱モード及び前記第2の単独加熱モードにおいて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチにおける2つの半導体スイッチの動作周波数又は導通時間を変化させて、入力電力を制御するよう構成されている。
上記のように構成された第6の態様の誘導加熱装置においては、きめ細かく電力調整を行うことができるため、使い勝手の良い誘導加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第7の態様の誘導加熱装置は、前記の第4又は5の態様において、前記制御部が、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記交互加熱モードにおける前記第1の単独加熱モード及び前記第2の単独加熱モードにおいて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチにおける2つの半導体スイッチの動作周波数又は導通時間を一定として、前記第1の単独加熱モードの連続動作時間と前記第2の単独加熱モードの連続動作時間との比率を変化させて、入力電力を制御するよう構成されている。
上記のように構成された第7の態様の誘導加熱装置においては、より大きな範囲の電力調整を行うことができるため、使い勝手の良い誘導加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第8の態様の誘導加熱装置は、前記の第1の態様において、前記第1の加熱コイルが複数の第1の加熱コイル要素で構成され、前記第1の共振コンデンサが複数の第1の共振コンデンサ要素で構成され、前記複数の第1の加熱コイル要素が前記複数の第1の共振コンデンサ要素にそれぞれ接続されて前記第1の半導体スイッチに並列接続された複数の直列接続体が構成されており、
前記第2の加熱コイルが複数の第2の加熱コイル要素で構成され、前記第2の共振コンデンサが複数の第2の共振コンデンサ要素で構成され、前記複数の第2の加熱コイル要素が前記複数の第2の共振コンデンサ要素にそれぞれ接続されて前記第3の半導体スイッチに並列接続された複数の直列接続体が構成され、
前記制御部は、前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードとを交互に繰り返す交互加熱モードと、前記同時加熱モードとを負荷の材質に応じて切り替えるように前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとを制御するよう構成されている。
上記のように構成された第8の態様の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルを用いて同一の負荷を加熱する場合において、加熱コイルと結合した負荷のインピーダンスが大きくなる材質のときには、同時加熱モードで第1〜第3の半導体スイッチを動作させ、加熱コイルと結合した負荷のインピーダンスが小さくなる材質のときには、交互加熱モードで第1〜第3の半導体スイッチを動作させることにより、材質が異なる場合でも前記インピーダンスを近づけることができる。このため、本開示の誘導加熱装置においては、負荷の材質が変わっても一定周波数で必要な入力電力を負荷に与えることができ、干渉音が生じることがなく、制御性に優れた誘導加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第9の態様の誘導加熱装置は、前記の第8の態様において、前記制御部が、前記第1の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを同じオンオフ動作させるとともに、前記第1の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチのオンオフ動作と、前記第2の半導体スイッチのオンオフ動作を交互に行い、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を同時に供給する降圧同時加熱モードと有し、
前記制御部は、負荷の材質に応じて前記同時加熱モードと、前記交互加熱モードと、前記降圧同時加熱モードと、を選択的に切り替えるように構成されている。
上記のように構成された第9の態様の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルを用いて同一の負荷を加熱する場合において、加熱コイルと結合した負荷のインピーダンスが大きくなる材質のときには、同時加熱モードで第1〜第3の半導体スイッチを動作させ、加熱コイルと結合した負荷のインピーダンスが小さくなる材質のときには、降圧同時加熱モードで第1〜第3の半導体スイッチを動作させることにより、材質が異なる場合でも前記インピーダンスを近づけることができる。このため、本開示の誘導加熱装置においては、負荷の材質が変わっても一定周波数で必要な入力電力を負荷に供給することができ、干渉音がない、制御性に優れた誘導加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第10の態様の誘導加熱装置は、前記の第8又は9の態様において、前記第1の加熱コイル要素と前記第2の加熱コイル要素のそれぞれの近傍に加熱可能な負荷の存在を検知する負荷検出部と、前記第1の加熱コイル要素と前記第1の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第1の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第1の開閉部要素と、前記第2の加熱コイル要素と前記第2の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第3の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第2の開閉部要素と、をさらに備え、
前記制御部は、前記負荷検出部が近傍に負荷を検知した前記第1の加熱コイル要素及び/又は第2の加熱コイル要素に対応する前記第1の開閉部要素及び/又は第2の開閉部要素を接状態とするよう構成されている。
上記のように構成された第10の態様の誘導加熱装置は、負荷が近傍に存在する加熱コイル要素のみで第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルが構成されるため、負荷の形状に合わせて適切な加熱コイルにより負荷に対して所望の高周波電力を供給することができる。この結果、本開示の誘導加熱装置によれば、負荷に対して均一な加熱分布で加熱して、加熱効率の高い加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第11の態様の誘導加熱装置は、前記の第8又は9の態様において、前記第1の加熱コイル要素と前記第2の加熱コイル要素のそれぞれの近傍に加熱可能な負荷の存在を検知する負荷検出部と、前記第1の加熱コイル要素と前記第1の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第1の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第1の開閉部要素と、前記第2の加熱コイル要素と前記第2の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第3の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第2の開閉部要素と、をさらに備え、
前記制御部は、前記負荷検出部が近傍に負荷を検知した前記第1の加熱コイル要素及び/又は第2の加熱コイル要素に対応する前記第1の開閉部要素及び/又は第2の開閉部要素を接状態に制御し、前記負荷検出部が近傍に負荷を検知した前記第1の加熱コイル要素及び/又は第2の加熱コイル要素の数に応じて、前記同時加熱モードと、前記交互加熱モードと、前記降圧同時加熱モードと、を選択的に切り替えるよう構成されている。
上記のように構成された第11の態様の誘導加熱装置は、加熱コイルの個数が変わっても一定周波数で所定の入力電力を負荷に供給することができ、干渉音のない、制御性に優れた誘導加熱装置を実現することができる。また、第11の態様の誘導加熱装置は、第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルを構成する加熱コイル要素の個数に応じて加熱コイル群のインピーダンスや印加電圧を変えることができるため、動作周波数を一定にしたままでも電力調整を行うことができる。さらに、第11の態様の誘導加熱装置は、加熱コイル要素の個数が少なくインピーダンスが大きくなる場合には同時加熱モードを実行し、加熱コイル要素の個数が多くインピーダンスが小さくなる場合には交互加熱モードを実行させることにより、接続する加熱コイル要素の数が変わっても一定周波数で所定の入力電力を負荷に供給することができ、干渉音のない、制御性に優れた誘導加熱装置を実現することができる。
本開示に係る第12の態様の誘導加熱装置は、前記の第8又は9の態様において、前記第1の加熱コイルを構成する前記複数の第1の加熱コイル要素と、前記第2の加熱コイルを構成する前記複数の第2の加熱コイル要素を平面的な加熱領域において互い違いに配置されている。
上記のように構成された第12の態様の誘導加熱装置は、各要素加熱コイルから負荷へ均等に高周波電力を供給することができるため、負荷に対して良好な加熱分布を形成する誘導加熱装置を実現することができる。
以下、本開示に係る実施の形態の誘導加熱装置について、添付の図面を参照しながら説明する。
以下、本開示の誘導加熱装置に係る実施の形態として誘導加熱調理器について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本開示の誘導加熱装置は、以下の実施の形態に記載した誘導加熱調理器の構成に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的思想と同等の技術的思想に基づいて構成される装置を含むものである。
(実施の形態1)
本開示に係る実施の形態1の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。図1に示すように、実施の形態1の誘導加熱装置は、交流電源1と、交流電源1を整流する整流回路2と、整流回路2の電流・電圧を平滑するチョークコイル4と平滑コンデンサ5とを有する平滑回路30と、直流電源として動作する平滑コンデンサ5に並列接続される第1の半導体スイッチ10と第2の半導体スイッチ11と第3の半導体スイッチ12の直列接続体と、第1の半導体スイッチ10に並列に接続される第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8の直列接続体と、第3の半導体スイッチ12に並列接続される第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9の直列接続体と、交流電源1から整流回路2に流れる電流をカレントトランスなどで検出する入力電流検出部3と、入力電流検出部3の検出値が設定値になるように第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12を制御する制御部13と、より構成される。
なお、本開示の誘導加熱装置における制御部13の目標値としては、入力電流以外に加熱コイル6,7の電流及び/又は電圧などを用いることができ、本開示においては特に限定するものではない。
本開示の誘導加熱装置における半導体スイッチとしては、IGBT又はMOSFET等のパワー半導体(半導体スイッチ素子)と、各パワー半導体に逆方向に並列接続したダイオードで構成する場合が多く、実施の形態1の第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のぞれぞれは、IGBTのパワー半導体と、各パワー半導体に逆方向に並列接続したダイオードで構成されている。また、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のコレクタ−エミッタ間にはオンからオフ状態に移行する際の急激な電圧上昇を抑制するスナバコンデンサが並列に接続される場合が多く、実施の形態1の構成においては、第1の半導体スイッチ10と第3の半導体スイッチ10,12にスナバコンデンサを並列に接続した例を示している。
《交互加熱モード》
以上のように構成された実施の形態1の誘導加熱装置について、以下その動作及び作用について説明する。図2A及び図2Bは、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置における動作(交互加熱モード)を示す波形図である。交互加熱モードとは、後述する第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードを短周期で交互に繰り返す加熱モードである。図2Aは、第2の加熱コイル7に高周波電力が供給される第1の単独加熱モードを示す波形図であり、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形(a)〜(c)と、第2の加熱コイル7の電流波形(d)を示している。図2Bは、第1の加熱コイル6に高周波電力が供給される第2の単独加熱モードを示す波形図であり、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形(a)〜(c)と、第1の加熱コイル6の電流波形(d)を示している。
《第1の単独加熱モード》
まず、図2Aに示す、第2の加熱コイル7に高周波電力を供給する第1の単独加熱モードに関して説明する。
第1の単独加熱モードにおいては、第2の加熱コイル7に高周波電力を供給するため、制御部13が、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を常時導通状態とし、且つ第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図2Aに示す区間Aにおいて、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7→第2の共振コンデンサ9の経路が形成されて、第2の加熱コイル7に電力が供給される。
制御部13は、図2Aの区間Aにおいて、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、第2の共振コンデンサ9→第2の加熱コイル7→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路が形成されて、第2の加熱コイル7に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(区間B)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は、図2Aに示すように、区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して継続させる。
上記のように、第1の単独加熱モードにおいては、制御部13が、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態としたまま、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第2の加熱コイル7に対して20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。このように供給された高周波電流によって第2の加熱コイル7から高周波磁界が発生し、被加熱物である鍋などの負荷に高周波磁界が供給される。このように鍋などの負荷に供給された高周波磁界により、鍋などの表面に渦電流が発生し、渦電流と鍋などの負荷自身の高周波抵抗により、鍋などの負荷が誘導加熱され発熱に至る。
《第2の単独加熱モード》
次に、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給する第2の単独加熱モードに関して図2Bを用いて説明する。
制御部13は、第2の単独加熱モードにおいて、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給するため、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図2Bに示す区間Aにおいては、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とすると、平滑コンデンサ5→第1の共振コンデンサ8→第1の加熱コイル6→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路が形成され、第1の加熱コイル6に電力が供給される。
制御部13は、図2Bの区間Aにおいて、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態とする。その結果、第1の共振コンデンサ8→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6の経路で第1の加熱コイル6に電力が供給される(区間B)。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第1の半導体スイッチ(Q1a)10を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は、図2Bに示すように、上記の区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して継続させる。
上記のように、第2の単独加熱モードにおいては、制御部13が、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6に対して20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。このように供給された高周波電流によって第1の加熱コイル6から高周波磁界が発生し、被加熱物である鍋などの負荷に高周波磁界が供給される。このように鍋などの負荷に供給された高周波磁界により、鍋などの負荷が誘導加熱され発熱に至る。
《同時加熱モード》
図3は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置における同時加熱モードの動作を示す波形図である。図3において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第1の加熱コイル6の電流波形であり、及び(e)が第2の加熱コイル7の電流波形である。
同時加熱モードにおいて、制御部13は、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に同時に高周波電力を供給するため、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。
図3に示す区間Aにおいては、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)に制御すると、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7→第2の共振コンデンサ9の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給されるモードと、第1の共振コンデンサ8→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給されるモードが同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第1の半導体スイッチ(Q1a)10のみを非導通状態とする(図3の区間Aの終了)。
区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の共振コンデンサ8→第1の加熱コイル6→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給される動作と、第2の共振コンデンサ9→第2の加熱コイル7→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給される動作が同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(区間B)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12のみを非導通状態とする(図3の区間Bの終了)。その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、再び第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態とする。
上記のように、同時加熱モードにおいては、制御部13が、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の両方に同時に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。この結果、実施の形態1の誘導加熱装置においては、高周波電流が供給された加熱コイルから発生した高周波磁界が鍋などの負荷に供給される。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、第1の単独加熱モード、第2の単独加熱モード、及び同時加熱モードの各加熱モードを負荷の状態(材質など)に応じて適切に用いることにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の上にそれぞれ存在する負荷に対して、独立して電力を供給、或いは干渉音なく同時に電力を供給することができる。この際、第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8で構成される共振周波数と、第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9で構成される共振周波数を略同じとすることにより、同じ負荷を2つの加熱コイル6,7で同時に加熱するときに、均一に加熱を行うことができるなどの利点が生じる。
図4は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置において複数の加熱モードを用いた動作を示す波形図である。図4においては、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に同時に高周波電力を供給し、かつ各々の加熱コイル6,7に異なる電力を供給する際の動作を示している。実施の形態1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル6の方が第2の加熱コイル7に比べて供給電力が大きく設定されている。
まず、制御部13は、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の内、供給電力が大きい方である第1の加熱コイル6の設定値で、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に電力供給する同時加熱モード(図3参照)で動作するよう制御する。
次に、制御部13は、供給電力の少ない第2の加熱コイル7へ電力を供給せず、第1の加熱コイル6にのみに電力供給を行う第2の単独加熱モード(図2B参照)に動作を移行する。この後、制御部13は、第2の加熱コイル7に供給する平均電力で決まる非導通時間が経過したとき、第2の単独加熱モードから再び同時加熱モードに移行させる。
ここで、各加熱モード間の切り替え時間を短くすることにより、使用者は大きな違和感を感じることなく、2種類の加熱コイル6.7の上に存在する負荷を干渉音が生じることなく、所望の電力で加熱することが可能となる。
なお、実施の形態1では第1の加熱コイル6の供給電力が第2の加熱コイル7の供給電力より大きい構成について説明したが、第2の加熱コイル7の供給電力が第1の加熱コイル6の供給電力より大きい構成の場合には、同時加熱モードと第1の単独加熱モードとを交互に繰り返すことにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に対して所望の電力が適切に供給されて、前述の構成と同様の効果を得ることができる。
図5は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置の外観構成などを示す図であり、上側の(a)が平面図であり、下側の(b)が使用者側に配設された第1の加熱コイル6の略中心部分で切断した縦断面図である。図5に示すように、実施の形態1の誘導加熱装置においては、結晶化ガラスなどで構成されるトッププレート18の下部に第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7が配置されている。第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の上には、調理物を入れる鍋などの負荷がそれぞれ載置され、操作・表示部17からの操作に従い、前述の複数の加熱モード(第1の単独加熱モード、第2の単独加熱モード、及び同時加熱モード)を適宜用いることにより必要な電力がそれぞれの加熱コイル6,7に対して適切に供給される。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、前述の複数の加熱モード(第1の単独加熱モード、第2の単独加熱モード、及び同時加熱モード)の動作を行うことにより、それぞれの調理に応じた電力で調理を行うことができる。
なお、図6は、本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置の別の構成例を示す図である。図6に示す誘導加熱装置においては、結晶化ガラスなどで構成されるトッププレート18に示された1つの加熱領域Hの下には、楕円形の第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7が配設されており、鍋などの一つの負荷を二つの加熱コイル6,7により同時に加熱することが可能な構成である。図6に示す誘導加熱装置においては、楕円状の加熱コイル6,7の長径が装置の使用者側から背面側へ延びる線上となるように並行に配置されている。図6において、上側の(a)が平面図であり、下側の(b)が第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の略中心部分で切断した縦断面図である。図6に示す誘導加熱装置においては、単一の負荷に対して複数の加熱コイルを用いて加熱を行う際に、干渉音がない状態で均一な加熱分布で加熱調理を行うことが可能となる。
以上のように、実施の形態1では、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイルと共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続し、3個の半導体スイッチの内の1個の半導体スイッチを電力を供給する加熱コイルを決める半導体スイッチとして常時導通状態(オン状態)とし、残りの半導体スイッチを加熱コイルに高周波電力を供給するために導通状態/非導通状態(オンオフ状態)に制御される半導体スイッチとして用いる単独加熱モードの動作とともに、第2の半導体スイッチを常時導通状態とする同時加熱モードを用いている。このように単独加熱モードと同時加熱モードを用いることにより、実施の形態1の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルに同時に電力を供給することが可能となり、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音がなく、優れた調理性能を有している。また、実施の形態1の構成は、部品点数が少ないため、回路実装面積が小さく、安価な加熱装置となる。
(実施の形態2)
本開示に係る実施の形態2の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。実施の形態2の誘導加熱装置においては、二つの加熱コイルにおいて鍋などの負荷が材質などが異なることに起因して動作周波数が異なる場合や、負荷のインピーダンスが小さい場合に有用である。実施の形態2の誘導加熱装置においては、前述の実施の形態1において説明した第1の単独加熱モード及び第2の単独加熱モードを短時間で適切に交互に切り換える交互加熱モードにて干渉音を防止する構成である。なお、実施の形態2の説明において、前述の実施の形態1と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。図7に示すように、実施の形態2の誘導加熱装置は、前述の実施の形態1の誘導加熱装置と同様の回路構成を有しており、交流電源1と、整流回路2と、平滑回路30と、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12の直列接続体と、第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8の直列接続体と、第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9の直列接続体と、入力電流検出部3と、制御部13とにより構成されている。
また、実施の形態2の誘導加熱装置においても、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12は、IGBTやMOSFET等のパワー半導体(半導体スイッチ素子)と各パワー半導体に逆方向に並列接続したダイオードで構成されている。また、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のコレクタ−エミッタ間にはオンからオフ状態に移行する際の急激な電圧上昇を抑制するためにスナバコンデンサを並列に接続してもよい。なお、実施の形態2においては、第1の半導体スイッチ10及び第3の半導体スイッチ12のコレクタ−エミッタ間にスナバコンデンサが並列に接続されている。
以上のように構成された実施の形態2の誘導加熱装置について、以下その動作及び作用について説明する。図8A及び図8Bは、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置における動作(交互加熱モード)を示す波形図である。図8Aは、第2の加熱コイル7に高周波電力が供給される第1の単独加熱モードを示す波形図であり、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形(a)〜(c)と、第2の加熱コイル7の電流波形(d)を示している。図8Bは、第1の加熱コイル6に高周波電力が供給される第2の単独加熱モードを示す波形図であり、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形(a)〜(c)と、第1の加熱コイル6の電流波形(d)を示している。
制御部13は、第2の加熱コイル7に高周波電力を供給するため、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を常時導通状態とし、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図8Aに示す区間Aにおいて、第1の半導体スイッチ(Q1a)10と第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7→第2の共振コンデンサ9の経路が形成されて、第2の加熱コイル7に電力が供給される。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tb)で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、第2の共振コンデンサ9→第2の加熱コイル7→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路が形成されて、第2の加熱コイル7に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tc)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は、区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して交互に継続させる。
上記のように、制御部13は、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態としたまま、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第2の加熱コイル7に対して20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。このように供給された高周波電流によって第2の加熱コイル7から発生した高周波磁界が、鍋などの負荷に供給されている。
このように鍋などの負荷に供給された高周波磁界により、鍋などの負荷の表面に渦電流が発生し、渦電流と鍋などの負荷自身の高周波抵抗により、鍋などの負荷が誘導加熱され発熱に至る。
次に、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給する第2の単独加熱モードに関して図8Bを用いて説明する。
制御部13は、第2の単独加熱モードにおいて、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給するため、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図8Bに示す区間Aにおいては、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とすると、平滑コンデンサ5→第1の共振コンデンサ8→第1の加熱コイル6→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路が形成され、第1の加熱コイル6に電力が供給される。
制御部13は、図8Bの区間Aにおいて、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tb)で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(図8Bの区間Aの終了)。所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態とする。
その結果、第1の共振コンデンサ8→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6の経路が形成され、第1の加熱コイル6に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示す導通時間(Ta)で第1の半導体スイッチ(Q1a)10を非導通状態とする(図8Bの区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して継続させる。上記のように、第2の単独加熱モードにおいては、制御部13が、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。このように供給された高周波電流によって加熱コイルから発生した高周波磁界が鍋などの負荷に供給される。
図9は、実施の形態2の誘導加熱装置における交互加熱モードの動作を示す波形図である。交互加熱モードは、前述の第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードを交互に用いて、複数の負荷を加熱する際の動作である。図9において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第2の加熱コイル7の電流波形であり、及び(e)が第1の加熱コイル6の電流波形である。実施の形態2の誘導加熱装置における交互加熱モードにおいては、第1の単独加熱モードの動作時間がT2であり、第2の単独加熱モードの動作時間がT1である。したがって、実施の形態2においては、動作時間T1と動作時間T2が非常に短い周期に設定されている。動作時間T1と動作時間T2としては、例えば、それぞれが1秒以内に設定されており、交互加熱モードの一周期(T1+T2)が2秒以内という非常に短い周期に設定されている。
図9に示すように、交互加熱モードにおいては、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとを短周期で交互に動作させることにより、第2の加熱コイル7上に載置した負荷と第1の加熱コイル上に載置した負荷に対して、実質的にほぼ同時に加熱動作を行うことができる。
これは、制御部13が、第1の半導体スイッチ(Q1a)10と第3の半導体スイッチ(Q1c)の動作状態を変えるだけで、電力供給する加熱コイルを変えることができることに起因している。
交互加熱モードにおける第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの切り換え動作は、各加熱モードを略1秒以内に切り替えることにより、湯を沸かした際の沸騰状態が継続した状態を維持することができる。このため、複数の加熱コイルにより同時加熱を行った場合と比較しても、同等の性能を得ることが可能となる。
図10は、実施の形態2の誘導加熱装置の交互加熱モードにおける第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの切り換え動作時の波形図である。第1の単独加熱モードから第2の単独加熱モードへ、電力を供給する加熱コイルを高速に切り替える際の動作状態を示している。
図10の波形図に示すように、第1の単独加熱モードから第2の単独加熱モードへ切り替える際、制御部13は、第3の半導体スイッチ(Q1c)12が導通状態になったときにおいて、第2の半導体スイッチ(Q1b)が非導通状態のときに、第1の半導体スイッチ(Q1a)を非導通状態として、第2の単独加熱モードへ切り替えている。
上記の状態のときに切り替えを行うことにより、第2の半導体スイッチ(Q1b)11に過電圧などがかかることがない。このため、各半導体スイッチにストレスをかけることなく、第1の単独加熱モードから第2の単独加熱モードへの切り替えをスムーズに行うことができる。
一方、第2の単独加熱モードから第1の単独加熱モードへ切り替える際、制御部13は、第1の半導体スイッチ(Q1a)10が導通状態になったときにおいて、第2の半導体スイッチ(Q1b)11が非導通状態のとき、第3の半導体スイッチ(Q1a)12を非導通状態として、第1の単独加熱モードへ切り替えている。
上記のように、第2の半導体スイッチ(Q1b)11の非導通期間において、第2の単独加熱モードから第1の単独加熱モードへ切り替えることにより、短時間でスムーズに電力供給すべき加熱コイルを切り替えることが可能となる。
上記の交互加熱モードにおいては、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7において交互に加熱を行っているため、動作周波数の差に起因する干渉音の発生をなくすることができる。
図11A及び図11Bは、実施の形態2の誘導加熱装置における電力特性を説明する図であり、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に供給する電力量を変化させる際の特性を示している。図11Aは半導体スイッチの導通時間[μsec]と入力電力[W](動作周波数一定)の特性を示す特性図である。図11Bは半導体スイッチの動作周波数[KHz]と入力電力[W](オン時間比率一定)の特性を示す特性図である。
第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に対して、実質的にほぼ同時に電力を供給するように制御する場合には、連続して加熱が行われているようにするためには加熱モード間の遷移時間を短くする必要がある。
そのため、遷移時間を一定時間に固定して、各半導体スイッチの導通時間(図11Aの特性図参照)、或いは動作周波数(図11Bの特性図参照)を変化させることが望ましい。
半導体スイッチの導通時間では高周波動作を行う2つの半導体スイッチの導通時間が同じ時に最も供給電力が大きくなる(Ta=Tb,Tb=Tc)。一方の半導体スイッチの導通時間が減少し、他方の半導体スイッチの導通時間が増大するに従い、即ち、デューティ比が1:1から崩れるに従って供給電力が減少することになる。
また、動作周波数を変える場合には、通常負荷と結合した状態の加熱コイルと共振コンデンサで構成される直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数で動作させるため、周波数が高くなるにつれ、図11Bに示すように、入力電力は減少する。
図12は、実施の形態2の誘導加熱装置における交互加熱モードの電力特性を示す図である。交互加熱モードにおいて、一周期(TL)における第2の単独加熱モードの導通時間比率(T1/TL)を変えたときの第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に供給する電力量の変化を示している。
図12に示すように、交互加熱モードで第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7を実質的に略同時に加熱を行う際、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に供給される各電力は、それぞれの加熱コイル6,7へ電力供給を行っている際の導電時間比率で決まる。そのため、一方の加熱コイルへの供給電力を増加させる場合には、各加熱コイルへの電力を供給する導電時間比率を変えることが必要である。この際、交互加熱モードにおいて、使用者が実際の同時加熱との違和感をなくすため、交互加熱モードを行う際の周期を一定に保ったまま、導電時間比率のみを変えることが望ましい。
図13は、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の外観構成などを示す図であり、上側の(a)が平面図であり、下側の(b)が使用者側に配設された第1の加熱コイル6の略中心部分で切断した縦断面図である。図13に示すように、実施の形態2の誘導加熱装置において、結晶化ガラスなどで構成されるトッププレート18の下部に第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7が配置されている。第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の上には材質や形状が異なる負荷が載置され、更に操作・表示部17からの操作に従い必要な電力がそれぞれの加熱コイル6,7に対して供給される構成である。
実施の形態2の誘導加熱装置においては、制御部13が負荷の材質及び使用者が設定した必要な電力に応じて最適な動作周波数で動作させても、干渉音が発生することがない。この結果、実施の形態2の誘導加熱装置における第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12の損失が少なくなり、放熱フィンなどの冷却部品の小型化を図ることができるなどの利点を有する構成となる。
なお、図14は本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の別の構成例を示す図である。図14に示す誘導加熱装置においては、結晶化ガラスなどで構成されるトッププレート18に示された1つの加熱領域Hの下には、楕円形の第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7が配設されており、鍋などの一つの負荷を二つの加熱コイル6,7により同時に加熱する構成である。図14に示す誘導加熱装置においては、楕円状の加熱コイル6,7の長径が装置の使用者側から背面側へ延びる線上となるように並行に配置されている。図14において、上側の(a)が平面図であり、下側の(b)が第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の略中心部分で切断した縦断面図である。
図14に示す誘導加熱装置においては、単一の負荷に対して複数の加熱コイルを用いて加熱を行う際に、鍋の載置状態によらず干渉音がない状態で加熱を行うことが可能となる。この場合、負荷の形状、量などに応じて必要な加熱コイルのみを通電させることが可能であるため、効率の良い加熱を行うことが可能な構成となる。
以上のように、実施の形態2では、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイルと共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続し、3個の半導体スイッチの内の1個の半導体スイッチを電力を供給する加熱コイルを決める半導体スイッチとして常時導通状態(オン状態)とし、残りの半導体スイッチを加熱コイルに高周波電力を供給するために導通状態/非導通状態(オンオフ状態)に制御される半導体スイッチとして用いる交互加熱モードの用いている。このように交互加熱モードを用いることにより、実施の形態2の誘導加熱装置は、高速で電力を供給する加熱コイルを切り替えて、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音がなく、優れた調理性能を有している。また、実施の形態2の構成は、部品点数が少ないため、回路実装面積が小さく安価な誘導加熱装置を実現することができる。
(実施の形態3)
本開示に係る実施の形態3の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態3の説明において、前述の実施の形態1,2と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図15は、実施の形態3の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。図15に示すように、実施の形態3の誘導加熱装置は、前述の実施の形態1の誘導加熱装置と同様の回路構成を有しており、交流電源1と、整流回路2と、平滑回路30と、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12の直列接続体と、第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8の直列接続体と、第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9の直列接続体と、入力電流検出部3と、制御部13とにより構成されている。
また、実施の形態3の誘導加熱装置においても、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12は、IGBTやMOSFET等のパワー半導体(半導体スイッチ素子)と各パワー半導体に逆方向に並列接続したダイオードで構成されている。また、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のコレクタ−エミッタ間にはオンからオフ状態に移行する際の急激な電圧上昇を抑制するためにスナバコンデンサを並列に接続してもよい。なお、実施の形態3においては、第1の半導体スイッチ10及び第3の半導体スイッチ12のコレクタ−エミッタ間にスナバコンデンサが並列に接続されている。
以上のように構成された実施の形態3の誘導加熱装置においては、複数の加熱コイルが、略同一材質の負荷を加熱するように構成されており、特に、同一の負荷を複数の加熱コイルにより加熱する場合に用いられる。
実施の形態3の誘導加熱装置においては、図16に示すように、2個の加熱コイル6,7で構成される場合には、一つの加熱領域内に略同心円上に2個の加熱コイル6,7が配置されている。また、実施の形態3の誘導加熱装置における別の構成としては、図17に示されるように、1つの加熱領域内に平面形状が楕円形状である2個の加熱コイル6,7を隣接して配置する構成がある。実施の形態3の誘導加熱装置の構成には、円の中心がそれぞれ異なる複数の加熱コイルを用いて一つの負荷を加熱する構成が含まれる。したがって、図18に示されるように、実施の形態3の誘導加熱装置の構成においては、トッププレートのほぼ全域に複数の加熱コイル6,7をマトリックス状に並べて、複数の加熱コイル6,7により一つの負荷を加熱するなどの構成が含まれる。
実施の形態3の誘導加熱装置において、複数の負荷(図16〜18において符号25で示す)を同時に加熱する場合には、負荷25に供給する高周波電力の動作周波数が殆どの場合に個々に異なっている。そのような場合に動作周波数の差が可聴域にあるときには、動作周波数差に起因した干渉音が発生し、使用者が騒音が大きいと感じることになる。そのため、負荷25の材質が変わっても動作周波数を一定にした状態で加熱動作を行うことを可能として、干渉音が発生しない構成とすることが必要である。
なお、図16〜18に示した、一つの負荷25を加熱するための第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7のインダクタンス値は、電力量に偏りが生じ難いように、略同じ値になることが望ましい。
次に、実施の形態3の誘導加熱装置の動作について説明する。図19は、実施の形態3の誘導加熱装置における同時加熱モードの動作状態を示す波形図である。図19において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第1の加熱コイル6の電流波形であり、及び(e)が第2の加熱コイル7の電流波形である。
同時加熱モードにおいて、制御部13は、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に同時に高周波電力を供給するため、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。
図19に示す区間Aにおいては、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)に制御すると、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7→第2の共振コンデンサ9の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給されるモードと、第1の共振コンデンサ8→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給されるモードが同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第1の半導体スイッチ(Q1a)10のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の共振コンデンサ8→第1の加熱コイル6→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給される動作と、第2の共振コンデンサ9→第2の加熱コイル7→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給される動作が同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(区間B)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12のみを非導通状態とする(区間Bの終了)。区間Bの終了後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)が経過した後、再び第1の半導体スイッチ(Q1c)10を導通状態とする(区間A)。
上記のように、同時加熱モードにおいては、制御部13が、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の両方に対して、同時に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。この結果、実施の形態3の誘導加熱装置においては、高周波電流が供給された加熱コイルから発生した所望の高周波磁界が鍋などの負荷に供給される。
また、実施の形態3の誘導加熱装置においては、交互加熱モードを実行することができる構成である。
図20Aは、第2の加熱コイル7に高周波電力を供給する第1の単独加熱モードを示す波形図である。図20Aにおいて、(a)〜(c)は第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形を示しており、(d)は第2の加熱コイル7の電流波形である。
図20Aに示す第1の単独加熱モードにおいて、制御部13は、第2の加熱コイル7に高周波電力を供給するため、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を常時導通状態とし、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図20Aに示す区間Aにおいて、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7→第2の共振コンデンサ9の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給される。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tb)で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、第2の共振コンデンサ9→第2の加熱コイル7→第3の半導体スイッチ12の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tc)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)が経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は、区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して交互に動作することを継続させる。
上記のように、制御部13は、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態としたまま、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第2の加熱コイル7に対して20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。このように供給された高周波電流によって第2の加熱コイル7から発生した高周波磁界が、鍋などの負荷に供給されている。
このように鍋などの負荷に供給された高周波磁界により、鍋などの負荷の表面に渦電流が発生し、渦電流と鍋などの負荷自身の高周波抵抗により、鍋などの負荷が誘導加熱され発熱に至る。
次に、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給する第2の単独加熱モードに関して図20Bを用いて説明する。
制御部13は、第2の単独加熱モードにおいて、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給するため、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図20Bに示す区間Aにおいては、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とすると、平滑コンデンサ5→第1の共振コンデンサ8→第1の加熱コイル6→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給される。
制御部13は、図20Bの区間Aにおいて、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tb)で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態とする。その結果、第1の共振コンデンサ8→第1の半導体スイッチ(Q1a)→第1の加熱コイル6の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Ta)で第1の半導体スイッチ(Q1a)10を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)上記のように、制御部13は、区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して動作を継続させる。上記のように、第2の単独加熱モードにおいては、制御部13が、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を常時導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。このように供給された高周波電流によって加熱コイルから発生した高周波磁界を鍋などの負荷に供給している。
図21は、実施の形態3の誘導加熱装置における交互加熱モードの動作を示す波形図である。交互加熱モードは、図20Aに示した第1の単独加熱モードと図20Bに示した第2の単独加熱モードを交互に用いて、複数の負荷を加熱するときの動作である。図21において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第2の加熱コイル7の電流波形であり、及び(e)が第1の加熱コイル6の電流波形である。実施の形態3の誘導加熱装置における交互加熱モードにおいては、第1の単独加熱モードの動作時間がT2であり、第2の単独加熱モードの動作時間がT1である。したがって、実施の形態3においては、動作時間T1と動作時間T2がそれぞれ1秒以内の非常に短い時間に設定されており、交互加熱モードの一周期(T1+T2)が2秒以内に設定されている。
なお、実施の形態3の誘導加熱装置の交互加熱モードにおける第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの切り替え動作は、前述の実施の形態2において図10を用いて説明した制御と同じ制御が行っており、短時間で効率の高い切り替え動作が行われている。
図21に示すように、交互加熱モードにおいては、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとを周期的に短期間で交互に動作させることにより、各負荷に対する加熱分布を損なうことなく、負荷を同時に加熱することが可能となる。特に、実施の形態3の誘導加熱装置においては、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの間の切り替え時間を2秒以下と短くすることにより、平均電力を低下させることなく、各負荷に対する加熱ムラを少なくすることができる。
図22は、負荷の材質によって半導体スイッチの導通時間と共振コンデンサに発生する共振電圧との関係を示す図である。負荷と磁気的に結合した第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8で構成される共振回路、または第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9で構成される共振回路は、負荷の材質により共振周波数が変化する。
負荷がない状態においては、インダクタンスがもっとも大きくなり、共振周波数は低くなる。一方、加熱コイル近傍に負荷が配置され、負荷が加熱コイルと磁気的に結合するとインダクタンスが下がり、共振周波数は高くなる。
負荷が加熱コイル近傍に配置された場合において、鉄、磁性ステンレスなどの負荷25Aに比べて、非磁性ステンレスなどの負荷25Bではインダクタンスが下がるため、共振周波数は上がることになる。また、磁性ステンレスと非磁性ステンレスの中間の特性を示す負荷においては、共振周波数が両方の間になる。
したがって、制御部13は、所定の動作周波数及び導通時間で発生する共振電圧を検出することにより、負荷の種類を判別することが可能となる。インダクタンスが低く動作周波数が共振周波数と近い負荷25Bは共振電圧が高くなり、インダクタンスが高く動作周波数が共振周波数から離れた特性の負荷25Aは共振電圧は低くなる。さらに、無負荷の場合には、負荷25B、負荷25A、無負荷の順で共振電圧が低くなる。このため、所定の動作周波数及び導通時間で発生する共振電圧を検出することにより負荷の材質、及び負荷の有無を判別することが可能となる。
実施の形態3の構成において、隣接負荷との干渉音を防止するため、動作周波数を一定とすると、図23に示されているように、負荷の材質により導通時間で発生する入力電力に大きな差が生じる。そのため、負荷によっては、入力電力を十分に低下させることができず、電力制御の制御幅を大きくしなければならないため、使い勝手が悪い加熱装置となる場合がある。
そこで、インダクタンスが高く動作周波数が共振周波数から十分離れた特性となる、例えば、磁性体で構成された負荷25Aの場合には、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7が並列に接続される動作となる同時加熱モード(図19参照)で動作させる。一方、インダクタンスが低く動作周波数が共周周波数に近く、入力電力が入りやすい特性となる、例えば、非磁性体で構成された負荷25Bの場合には、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7のそれぞれが別々に接続される動作となる交互加熱モード(図20A,20B参照)で動作させる。もし、負荷25Bに対しても、負荷25Aと同様に同時加熱モードで起動した場合には、共振周波数が動作周波数と近いため、入力電力が入りやすくなる。そこで、図23の矢印で示すように、負荷25Bの場合には交互加熱モードに移行して回路のインピーダンスを高くして入力電力が入りにくい回路構成とする。
交互加熱モードでは、同時加熱モードに比べて、並列に接続された加熱コイルの数が半分になるため、半導体スイッチに接続される加熱コイルのインピーダンスが2倍となり、その結果、加熱コイルへの電流を抑えることができ、入力電力を下げることが可能となる。
以上のように、実施の形態3の誘導加熱装置においては、複数の加熱コイルを用いて同じ負荷を加熱する構成の誘導加熱装置において、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイルと共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続し、等価抵抗値が大きくなる負荷の材質の負荷の場合には、第2の半導体スイッチを常時導通し、第1及び第3の半導体スイッチを交互に導通させて、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに対して同時に電力を供給する同時加熱モードで動作させる(図19参照)。
一方、等価抵抗が小さくなる材質の負荷25Bの場合には、第1の半導体スイッチを常時導通し、第2及び第3の半導体スイッチを交互に導通させて、第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の単独加熱モードの動作と、第3の半導体スイッチを常時導通し、第1及び第2の半導体スイッチを交互に導通させて、第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の単独加熱モードの動作とを短周期で交互に繰り返す交互加熱モードで動作させる(図20A,20B参照)。
実施の形態3の誘導加熱装置においては、上記のように加熱制御を行っているため、負荷の種類が変わっても一定周波数で所定の入力電力を負荷に与えることが可能となり、干渉音がなく、優れた制御性を有する誘導加熱装置を実現することができる。
(実施の形態4)
本開示に係る実施の形態4の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態4の説明において、前述の実施の形態1〜3と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態4の誘導加熱装置の構成は、実施の形態1〜3の誘導加熱装置と同じ構成を有しており、加熱コイルに対する加熱動作の制御方法が異なっている。なお、実施の形態4の誘導加熱装置は同時加熱モードで複数の加熱コイルを加熱するモードを有しており、この同時加熱モードは前述の実施の形態3において図19を用いて説明した同時加熱モードと同じ動作である。また、実施の形態4の誘導加熱装置には、同時加熱モードの他に後述する降圧同時加熱モードを有している。
次に、実施の形態4の誘導加熱装置の動作について説明する。図24は、実施の形態4の誘導加熱装置における降圧同時加熱モードの動作状態を示す波形図である。図24において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第1の加熱コイル6の電流波形であり、及び(e)が第2の加熱コイル7の電流波形である。
《降圧同時加熱モード》
降圧同時加熱モードにおいて、制御部13は、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に同時に高周波電力を供給するため、第1の半導体スイッチ(Q1a)10、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。
例えば、図24に示す区間Bにおいては、制御部13が第1の半導体スイッチ(Q1a)10を非導通状態(オフ状態)、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態(オン状態)、及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)に制御すると、平滑コンデンサ5→第1の共振コンデンサ8→第1の加熱コイル6→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7→第2の共振コンデンサ9の経路において第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に同時に電力が供給される。
この場合、第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8の直列回路と、第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9の直列回路が平滑コンデンサ5に対して直列に接続されている。このため、それぞれの直列回路には分圧された電圧がかかり、特に、それぞれの直列回路が略同一の回路定数となる場合には略1/2の電圧がかかる。
次に、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第2の半導体スイッチ(Q1b)11を非導通状態とする(区間Bの終了)。区間Bの終了から所定の遷移時間(区間Y)の経過後、制御部13は第1の半導体スイッチ(Q1a)10と第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態(区間A)とする。その結果、第1の共振コンデンサ8→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6の経路において第1の加熱コイル6に電力が供給される動作と、第2の共振コンデンサ9→第2の加熱コイル7→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第2の加熱コイル7に電力が供給される動作が同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流を示した導通時間(区間A)で第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了後、制御部13は、所定の遷移時間(区間X)が経過した後、再び第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間B)。
上記のように、降圧同時加熱モードにおいて、制御部13が、第2の半導体スイッチ(Q1b)11と、そして第1の半導体スイッチ(Q1a)10と第3の半導体スイッチ(Q1c)12の組とを交互に導通状態/非導通状態と制御することにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の両方に対して同時に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。この結果、実施の形態4の誘導加熱装置においては、高周波電流が供給された加熱コイルから発生した所望の高周波磁界が鍋などの負荷に供給される。
なお、前述の実施の形態3において説明したように、実施の形態4の誘導加熱装置においても、所定の動作周波数及び導通時間で発生する共振電圧を検出することにより、制御部13が加熱コイルと結合する負荷の種類、及び負荷の有無を判別することが可能な構成を有している。
実施の形態4の構成において、隣接負荷との干渉音を防止するために動作周波数を一定とすると、実施の形態3と同様に(図23参照)、負荷の材質により導通時間で発生する入力電力に大きな差が生じる。そのため、負荷によっては入力電力を十分に低下させることができず、電力制御の制御幅が大きくなるなどの使い勝手が悪い加熱装置となる場合がある。
そこで、インダクタンスが高く動作周波数が共振周波数から十分離れた特性となる負荷25Aの場合には、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7が並列に接続される動作となる同時加熱モードで動作させる。一方、インダクタンスが低く動作周波数が共周周波数に近く、入力電力が入りやすい特性となる負荷25Bの場合には、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7のそれぞれにかかる電圧が低下する(同一条件では1/2となる)降圧同時加熱モードで動作させる。この降圧同時加熱モードで動作させることにより、入力電力を十分下げることが可能となる。各加熱コイルにかかる電圧が1/2になれば、同一の動作条件(動作周波数及び導通時間)であれば1/4の電力となる。
なお、実施の形態4の誘導加熱装置においては、前述の実施の形態3において説明した交互加熱モード(図20A,20B)を有する構成としてもよい。このように、同時加熱モード、降圧同時加熱モード、及び交互加熱モードを有する構成において、負荷を同一の動作条件(動作周波数及び導通時間)で誘導加熱する場合、入力電力の大きさは、同時加熱モード、交互加熱モード、降圧同時加熱モードの順で小さくなる場合が多い。このため、同時加熱モード、交互加熱モード及び降圧同時加熱モードを有する構成においては、負荷の材質などの条件に応じて、3種類の加熱モードを、同時加熱モード→交互加熱モード及び降圧同時加熱モードの順次で切り替えて、負荷に対して適切な加熱モードを選択する方式も可能である。
以上のように、実施の形態4の誘導加熱装置においては、複数の加熱コイルを用いて同じ負荷を加熱する構成の誘導加熱装置において、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイルと共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続し、等価抵抗値が大きくなる負荷の材質の負荷の場合には、第2の半導体スイッチを常時導通し、第1及び第3の半導体スイッチを交互に導通させて、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに対して同時に電力を供給する同時加熱モードで動作させる。
一方、等価抵抗が小さくなる材質の負荷の場合には、第2の半導体スイッチと、及び第1の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの組とを交互に導通させて、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに対して高周波電力を同時に供給するとともに、各加熱コイルにかかる電圧を低下させることができる降圧同時加熱モードで動作させる。
実施の形態4の誘導加熱装置においては、上記のように加熱制御を行っているため、負荷の種類が変わっても一定周波数で所定の入力電力を負荷に与えることが可能となり、干渉音がなく、優れた制御性誘導加熱装置を実現することができる。
(実施の形態5)
本開示に係る実施の形態5の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態5の説明において、前述の実施の形態1〜4と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図25は、本開示に係る実施の形態5の誘導加熱調理器における回路構成を示す図である。実施の形態5の誘導加熱装置が前述の実施の形態3及び実施の形態4の誘導加熱装置と異なる点は、第1の加熱コイル6が複数の第1の加熱コイル要素6a,6b,6cの加熱コイル群で構成されており、第2の加熱コイル7が複数の第2の加熱コイル要素7a,7b,7cの加熱コイル群で構成されている点である。また、加熱コイル要素6a,6b,6cのそれぞれには、第1の共振コンデンサ8を構成する第1の共振コンデンサ要素8a,8b,8cと、第1の開閉部20を構成する第1の開閉部要素20a,20b,20cとのそれぞれが直列に接続されている。同様に、加熱コイル要素7a,7b,7cのそれぞれには、第2の共振コンデンサ9を構成する第2の共振コンデンサ要素9a,9b,9cと、第2の開閉部21を構成する第2の開閉部要素21a,21b,21cとのそれぞれが直列に接続されている。さらに、実施の形態5の誘導加熱装置には、第1の加熱コイル要素6a,6b,6c及び第2の加熱コイル要素7a,7b,7cの近傍に負荷の存在を検知する負荷検出部22が設けられている点が、前述の実施の形態3及び実施の形態4の誘導加熱装置と異なる点である。
なお、実施の形態5の誘導加熱装置においては、加熱コイル群である第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7をそれぞれ3個の加熱コイル要素で構成した例で説明しているが、各加熱コイルが2個以上の加熱コイル要素で構成されていれば良く、本開示においては特に個数を限定するものではない。
また、第1の開閉部20を構成する第1の開閉部要素20a〜20c及び第2の開閉部21を構成する第2の開閉部要素21a〜21cは、電磁リレーや半導体スイッチなど、加熱コイル要素を電源回路に対して接離動作できる構成であればよく、本開示においては開閉部要素の構成を特に限定するものではない。
次に、本開示に係る実施の形態5の誘導加熱装置の動作について説明する。
制御部13は、図示していない操作部より動作開始の指令を受けると、先ず始めに第1の開閉部要素20a〜20c及び第2の開閉部要素21a〜21cを閉状態として、加熱動作時の高周波電流より小さな所定の高周波電流を各加熱コイルに流して、各加熱コイル要素の近傍に負荷が存在するか否かなどを負荷検出部22により検知する。
この検知動作においては、負荷検出部22は、制御部13からの導通時間や動作周波数などの制御値と、各共振コンデンサの電圧値、各加熱コイル要素の電流値、入力電流検出部3が検出した電流値などから負荷の有無、負荷の材質などを判別している。
制御部13は、負荷検出部22が近傍に負荷がないと判別した加熱コイル要素に対して、当該加熱コイル要素に接続された開閉部要素を開状態として、第1の半導体スイッチ10または第3の半導体スイッチ12との接続状態を開放する。
一方、制御部13は、負荷検出部22が近傍に負荷が存在すると判別した加熱コイル要素に対して、当該加熱コイル要素に接続された開閉部要素を閉状態として、第1の半導体スイッチ10または第3の半導体スイッチ12と接続状態とする。制御部13は、開閉部要素を接続した加熱コイル要素の数に応じて、同時加熱モード、交互加熱モード、及び降圧同時加熱モードの中から適切な加熱モードを選択し、選択した加熱モードに従って各半導体スイッチを動作させる。接続される加熱コイル要素の数は負荷の形状に依存するため、形状の大きな負荷の場合にはより多くの加熱コイル要素を用いて加熱動作が行われる。この結果、実施の形態5の誘導加熱装置においては、良好な加熱分布が得られ、調理性能を向上させることができる。
図26は導通時間に対する各加熱モードにおける入力電力の特性を示す図である。図26に示すように、実施の形態5の誘導加熱装置において、同一材質の負荷を2個の加熱コイル要素で加熱するときには、同時加熱モードを動作させている。
一方、略同じ材質で形状が大きな負荷を加熱する場合、例えば、4個の加熱コイル要素で加熱する場合において、同時加熱モードを動作させたとき、並列に接続された負荷と結合した加熱コイル要素のインピーダンスが、2個の加熱コイル要素で加熱した場合に比べて略1/2となる。したがって、4個の加熱コイル要素で加熱する場合には、2個の加熱コイル要素で加熱した場合に比べて、同じ導通時間において入力電力が増加するという結果を生じる。
そのため、4個の加熱コイル要素で加熱する場合においては、制御部13が、必要な入力電力まで電力を絞れない、あるいは分解能が悪くなり、動作周波数が一定の条件では適切な電力制御を行うことができないなどの課題が生じる。そこで、例えば、4個の加熱コイル要素で加熱する場合においては、交互加熱モードを用いることにより、同時に動作する場合において負荷と並列に接続される加熱コイル要素の数を減らしている。このように、実施の形態5の誘導加熱装置においては、高周波電力が供給される加熱コイル要素の接続数に応じて、負荷と並列な加熱コイルのインピーダンスを減らさないよう動作させて、導通時間に対する入力電力の特性が変化しないように構成されている。
なお、加熱コイル要素の接続数に応じて、降圧同時加熱モードを用いて導通時間に対する入力電力の特性を変えることも可能である。その場合には、負荷の材質と加熱コイル要素の接続数により、同時加熱モード、交互加熱モード、及び降圧同時加熱モードを順次選択して、最適な加熱モードを実行することが望ましい。
以上のように、本開示に係る実施の形態5の誘導加熱装置によれば、高周波電力が供給される第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルを形成する加熱コイル要素の接続数に応じて、同時加熱モード、交互加熱モード、及び降圧同時加熱モードのいずれかにの加熱モードを選択して動作させることにより、駆動すべき加熱コイル要素の個数が変わっても、一定周波数で所定の入力電力を負荷に与えることができ、干渉音がなく、優れた制御性を有する誘導加熱装置を実現することができる。
(実施の形態6)
本開示に係る実施の形態6の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態6の説明において、前述の実施の形態1〜5と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図27は、本開示に係る実施の形態6の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。実施の形態6の誘導加熱装置は、前述の実施の形態1〜5の誘導加熱装置と同様に、交流電源1、整流回路2、チョークコイル4と平滑コンデンサ5で構成された平滑回路30、及び平滑コンデンサ5に並列接続される第1の半導体スイッチ10と第2の半導体スイッチ11と第3の半導体スイッチ12の直列接続体を備えている。また、実施の形態6の誘導加熱装置は、図25に示した実施の形態5の誘導加熱装置と同様に、第1の半導体スイッチ10に並列に接続される第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8と第1の開閉部20の直列接続体と、第3の半導体スイッチ12に並列接続される第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9と第2の開閉部21の直列接続体と、を有している。
実施の形態6の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル6が複数の第1の加熱コイル要素6a,6b,6c,6dの加熱コイル群で構成されており、第2の加熱コイル7が複数の第2の加熱コイル要素7a,7b,7c,7dの加熱コイル群で構成されている。また、第1の加熱コイル要素6a,6b,6c,6dのそれぞれには、第1の共振コンデンサ8を構成する第1の共振コンデンサ要素8a,8b,8c,8dと、第1の開閉部20を構成する第1の開閉部要素20a,20b,20c,20dがそれぞれ直列に接続されている。同様に、第2の加熱コイル要素7a,7b,7c,7dのそれぞれには、第2の共振コンデンサ9を構成する第2の共振コンデンサ要素9a,9b,9c,9dと、第2の開閉部21を構成する第2の開閉部要素21a,21b,21c,21dがそれぞれ直列に接続されている。
さらに、実施の形態6の誘導加熱装置は、各加熱コイル要素の近傍に加熱可能な負荷があるか否かなどを検出する負荷検出部22と、交流電源1から整流回路2に流れる電流をカレントトランスなどで検出する入力電流検出部3と、入力電流検出部3の検出値が設定値になるように第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12を制御し、かつ負荷検出部22の検出値により第1の開閉部20及び第2の開閉部21の開閉状態を制御する制御部13と、を有して構成されている。
なお、実施の形態6の誘導加熱装置においては、加熱コイル群である第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7をそれぞれ4個の加熱コイル要素で構成した例で説明しているが(図27参照)、各加熱コイルが2個以上の加熱コイル要素で構成されていれば良く、本開示においては特に個数を限定するものではない。
なお、制御部13の目標値としては、入力電流以外に加熱コイルの電流や電圧などあるがあり、実施の形態6の構成においては特に限定するものではない。
また、実施の形態6の誘導加熱装置においても、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12は、IGBTやMOSFET等のパワー半導体(半導体スイッチ素子)と各パワー半導体に逆方向に並列接続したダイオードで構成されている。また、第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のコレクタ−エミッタ間にはオンからオフ状態に移行する際の急激な電圧上昇を抑制するためにスナバコンデンサを並列に接続してもよい。なお、実施の形態6においては、第1の半導体スイッチ10及び第3の半導体スイッチ12のコレクタ−エミッタ間にスナバコンデンサが並列に接続されている。
図28及び図29は、加熱コイル群を構成する複数の加熱コイル要素をマトリクス状に並べた構成を示す平面図である。図28に示す構成では、負荷を載置するトッププレート15の下側の領域において、使用者側に設けられた操作・表示部16を除いた領域に複数の加熱コイル要素が縦横に並んで格子状に配置されている。
上記のように構成された実施の形態6の誘導加熱装置において、図28に示すように、トッププレート15上に、例えば、鍋底が円形で小さな負荷14aを載置した場合、2つの加熱コイル要素6b,6cで第1の加熱コイル6が形成されており、2つの加熱コイル要素7b、7cで第2の加熱コイル7が形成されて、それぞれの加熱コイル要素6b,6c,7b,7cのみに高周波電流が供給される構成である。また、例えば、鍋底が角形で大きな負荷14bを載置した場合には、さらに多くの該当する加熱コイル要素に高周波電流が供給される。
上記のように、負荷の形状に応じて駆動すべき加熱コイル要素を選択することにより、負荷に対して加熱分布が良く、効率の良い加熱を行うことができる。加熱コイル要素の平面形状としては、鍋底の直径がφ160〜φ240mm程度の負荷を複数個の加熱コイル要素で加熱することを考えて、平面形状の円形の直径がφ30〜φ120mm程度にすることが望ましい。但し、本開示時おいては、加熱コイル要素の平面形状として、上記形状に特に限定するものではない。
また、トッププレート15の下側の領域に複数の加熱コイル要素をマトリックス状に配置する構成において、加熱コイル要素を可能な限り密に配置するために、互い違いの格子を作るように配置している。即ち、図29に示した配置構成においては、複数の加熱コイル要素が使用者の手前側(操作・表示部側)から背面側に延びる縦ライン上に配置され、隣り合う縦ラインの加熱コイル要素は互い違いとなっている。このように配置構成した場合には、加熱コイル要素の個数は増えるものの、加熱コイル要素間の隙間がより少なくなる、このため、図28に示した配置構成よりさらに良好な加熱分布を得ることができる。
なお、各加熱コイル要素のインダクタンス値は電力量に偏りが生じないように、略同じ値になることが望ましく、形状も同じであることが望ましい。
図28に示したように、トッププレート15上に鍋底の形状の異なる負荷14aと負荷14bが載置された場合、例えば、負荷14aの場合には4個の加熱コイル要素が駆動され、負荷14bの場合には8個の加熱コイル要素が駆動されることが望ましい。
多くの加熱コイル要素をまとめて一つの加熱群として、少ない数の加熱コイルに集約する場合、1つの加熱コイルにおいては並列接続が増えてインピーダンスが小さくなる。その結果、1つの加熱コイルに対してより電流が流れ易くなり、各半導体スイッチの導通時間に対して、発生する電力が増えることになる。その結果、入力電力を絞れなくなる、あるいは半導体スイッチの素子損失が増加するなどの課題が生じる。
電力制御性能を良くするために、入力電力を絞ることができるように、多くの加熱コイル要素で加熱される負荷14bを加熱する場合には、動作周波数を高くすることが考えられる。しかし、少ない加熱コイル要素で加熱される負荷14aと、同時に多くの加熱コイル要素で加熱される負荷14bを加熱する場合には、それぞれの動作周波数の間に周波数差が生じてしまい、干渉音が発生することになる。
そこで、実施の形態6の誘導加熱装置における制御部13では、負荷を加熱する場合に使用する加熱コイル要素の接続数に応じて、加熱モードを変えている。即ち、制御部13は、第1の半導体スイッチ10、第2の半導体スイッチ11及び第3の半導体スイッチ12の導通状態を、それぞれの加熱モードに適応した状態で制御している。このように、制御部13が、接続する加熱コイルの数に応じて各半導体スイッチ10,11,12の導通状態を変えることにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7にかかる電圧を変えることができる。
その結果、使用する加熱コイル要素の数が変化しても、動作周波数を一定にしたままで、電力制御を行うことが可能となる。
次に、実施の形態6の誘導加熱装置における動作について説明する。
制御部13は、操作・表示部16からの加熱開始の信号が入力されると、トッププレート15上に負荷がないかを負荷検出部22により検出する。
この場合、負荷検出部22は、加熱コイル要素毎に負荷の有無、負荷の種類、負荷の個数などを判別するために、半導体スイッチを動作させて、加熱コイル要素に発生する電流、電圧及び入力電流検出部3の検出値などを用いる。
図30は、負荷の検出方法の例を示すものであり、負荷の材質によって半導体スイッチの導通時間と共振コンデンサに発生する共振電圧との関係を示す図である。負荷と磁気的に結合した加熱コイル要素と共振コンデンサで構成される共振回路は、負荷の材質により共振周波数が変わる。負荷がない状態では、インダクタンスが最も大きく、共振周波数は低くなる。
一方、加熱コイルの近傍に負荷が配置され、負荷が加熱コイルと磁気的に結合するとインダクタンスが下がり、共振周波数は高くなる。負荷が加熱コイル近傍に配置された場合において、磁性ステンレスなどの負荷14aに比べて、非磁性ステンレスなどの負荷14bではインダクタンスが下がるため、共振周波数は上がることになる。
したがって、制御部13は、所定の動作周波数及び導通時間で発生する共振電圧を検出することにより、負荷の種類を判別することができる。動作周波数が共振周波数と近い負荷14bは共振電圧が高くなり、動作周波数が共振周波数から離れて低くなる負荷14aは共振電圧は低くなる。さらに、無負荷の場合には、負荷14b、負荷14a、無負荷の順で共振電圧の検出値が低くなる。このため、所定の動作周波数及び導通時間で発生する共振電圧を検出することにより負荷の材質を判別することが可能となる。
実施の形態6の誘導加熱装置において、負荷を検出した加熱コイル要素の内、実質的に同時に載置されて集合した加熱コイル要素を同一の負荷が載置された判断し、負荷を検出した加熱コイル要素を該当する第1の開閉部要素及び第2の開閉部要素を閉状態として第1の半導体スイッチ10及び第3の半導体スイッチ12にそれぞれ接続する。そして、制御部13は、加熱コイル要素の接続数に応じて、同時加熱モードまたは交互加熱モードの動作を行う。
図31は、実施の形態6の誘導加熱装置における同時加熱モードの動作状態を示す波形図である。図31において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第1の加熱コイル6における加熱コイル要素の電流波形であり、及び(e)が第2の加熱コイル7における加熱コイル要素の電流波形である。
同時加熱モードにおいて、制御部13は、複数の加熱コイル要素を有する第1の加熱コイル6、及び複数の加熱コイル要素を有する第2の加熱コイル7に対して、同時に高周波電力を供給するため、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。
図31に示す区間Aにおいては、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)に制御すると、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)→第2の共振コンデンサ9(該当する第2の共振コンデンサ要素)→第2の開閉部21(該当する第2の開閉部要素)の経路において第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)に電力が供給される動作と、第1の共振コンデンサ8(該当する第1の共振コンデンサ要素)→第1の開閉部20(該当する第1の開閉部要素)→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)の経路において第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)に電力が供給される動作が同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第1の半導体スイッチ(Q1a)10のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の開閉部20(該当する第1の開閉部要素)→第1の共振コンデンサ8(該当する第1の共振コンデンサ要素)→第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)に電力が供給される動作と、第2の共振コンデンサ9(該当する第2の共振コンデンサ要素)→第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)→第3の半導体スイッチ(Q1c)12→第2の開閉部21(該当する第2の開閉部要素)の経路において第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)に電力が供給される動作が同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値となる導通時間(区間B)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12のみを非導通状態とする。区間Bの終了後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)が経過した後、再び第1の半導体スイッチ(Q1c)10を導通状態とする。
上記のように、同時加熱モードにおいては、制御部13が、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7における該当する加熱コイル要素に対して同時に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給し、この高周波電流によって該当する加熱コイル要素から発生した高周波磁界が鍋などの負荷に供給されている。
また、実施の形態6の誘導加熱装置においては、交互加熱モードを実行することができる構成である。
図32Aは、第2の加熱コイル7における該当する第2の加熱コイル要素に高周波電力を供給する第1の単独加熱モードを示す波形図である。図32Aにおいて、(a)〜(c)は第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形を示しており、(d)は第2の加熱コイル7の電流波形である。
図32Aに示す第1の単独加熱モードにおいて、制御部13は、第2の加熱コイル7における該当する第2の加熱コイル要素に高周波電力を供給するため、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を常時導通状態とし、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図32Aに示す区間Aにおいて、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態(オン状態)とし、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)とする。その結果、平滑コンデンサ5→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)→第2の共振コンデンサ9(該当する第2の共振コンデンサ要素)→第2の開閉部21(該当する第2の開閉部要素)の経路において第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)に電力が供給される。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tb)で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態とする。その結果、第2の共振コンデンサ9(該当する第2の共振コンデンサ要素)→第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)→第3の半導体スイッチ12(Q1c)12→第2の開閉部21(該当する第2の開閉部要素)の経路において第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tc)で第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)を経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は、区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して交互に継続させる。
上記のように、制御部13は、第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態としたまま、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を交互に導通状態とすることにより、第2の加熱コイル7における該当する第2の加熱コイル要素に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給し、この高周波電流によって第2の加熱コイル7における該当する第2の加熱コイル要素から発生した高周波磁界を鍋などの負荷に供給している。
このように鍋などの負荷に供給された高周波磁界により、鍋などの負荷の表面に渦電流が発生し、渦電流と鍋などの負荷自身の高周波抵抗により、鍋などの負荷が誘導加熱され発熱に至る。
次に、第1の加熱コイル6における該当する加熱コイル要素に対して高周波電力を供給する第2の単独加熱モードに関して図32Bを用いて説明する。
制御部13は、第2の単独加熱モードにおいて、第1の加熱コイル6における第1の加熱コイル要素に対して高周波電力を供給するため、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を常時導通状態とし、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。制御部13は、図32Bに示す区間Aにおいては、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とすると、平滑コンデンサ5→第1の開閉部20(該当する第1の開閉部要素)→第1の共振コンデンサ8(該当する第1の共振コンデンサ要素)→第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第3の半導体スイッチ(Q1c)12の経路において第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)に電力が供給される。
制御部13は、図32Bの区間Aにおいて、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間(Tb)で第2の半導体スイッチ(Q1b)11のみを非導通状態とする(区間Aの終了)。区間Aの終了から所定の遷移時間(区間X)の経過後、制御部13は第1の半導体スイッチ(Q1a)10を導通状態とする。その結果、第1の共振コンデンサ8(該当する第1の共振コンデンサ要素)→第1の開閉部20(該当する第1の開閉部要素)→第1の半導体スイッチ(Q1a)→第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)の経路において第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)に電力が供給される。この後、制御部13は、入力電流検出部3が検出した所定の電流値を示した導通時間(Ta)で第1の半導体スイッチ(Q1a)10を非導通状態とする(区間Bの終了)。
その後、制御部13は、所定の遷移時間(区間Y)が経過した後、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする(区間A)。上記のように、制御部13は、区間A及び区間Bの動作を遷移時間(X又はY)を介して交互に動作することを継続させる。
上記のように、制御部13は、第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態としたまま、第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第2の半導体スイッチ(Q1b)11を交互に導通状態とすることにより、第1の加熱コイル6における該当する第1の加熱コイル要素に対して20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる、このように供給された高周波電流によって第1の加熱コイルにおける該当する第2の加熱コイル要素から発生した高周波磁界が、鍋などの負荷に供給されている。
図33は、実施の形態6の誘導加熱装置における交互加熱モードの動作を示す波形図である。交互加熱モードは、図32Aに示した第1の単独加熱モードと図32Bに示した第2の単独加熱モードを交互に用いて、複数の負荷を加熱する際の動作である。図33において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第2の加熱コイル7の電流波形であり、及び(e)が第1の加熱コイル6の電流波形である。実施の形態6の誘導加熱装置における交互加熱モードにおいては、第1の単独加熱モードの動作時間がT2であり、第2の単独加熱モードの動作時間がT1である。したがって、実施の形態6においては、動作時間T1と動作時間T2がそれぞれ1秒以内である、非常に短い周期に設定されており、交互加熱モードの一周期(T1+T2)が2秒以内に設定されている。
なお、実施の形態6の誘導加熱装置の交互加熱モードにおける第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの切り替え動作は、前述の実施の形態2において図10を用いて説明した制御と同じ制御が行っており、短時間で効率の高い切り替え動作が行われている。
図33に示すように、交互加熱モードにおいては、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとを周期的に短期間で交互に動作させることにより、各負荷に対する加熱分布を損なうことなく、負荷を同時に加熱することが可能となる。特に、実施の形態6の誘導加熱装置においては、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとの間の切り替え時間を概ね2秒以下と短くすることにより、平均電力を低下させることなく、各負荷に対する加熱ムラを少なくすることができる。また、実施の形態6の誘導加熱装置において交互加熱モードを用いても、従来の誘導加熱装置において問題となっていた、複数の負荷を交互に加熱するときの使用者が感じる違和感を全く感じさせることのない制御となる。
実施の形態6の誘導加熱装置においては、隣接負荷との干渉音を防止するために、動作周波数一定とすると、図34に示されるように、高周波電力が供給される加熱コイル要素の数により導通時間において発生する入力電力に大きな差が生じる場合がある。そのため、負荷の形状(大きさ)によっては入力電力を十分に落とすことができず、電力制御の制御幅が大きくなるなどの、使い勝手が悪くなる場合が生じる。
そこで、接続される加熱コイル要素の数が少なく、インピーダンスが大きくなる負荷、例えば、第1の負荷14a(加熱コイル要素が4個)の場合には、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7が並列に接続される動作となる同時加熱モードで動作させる。一方、接続される加熱コイル要素の数多く、インピーダンスが小さくなる負荷、例えば、第2の負荷14b(加熱コイル要素が8個)の場合には、加熱コイル要素の数が1/2になるように接続される動作となる交互加熱モードで動作される。
この結果、交互加熱モードにおいては、同時加熱モードに比べて、並列に接続された加熱コイル要素の数が半分になるため、半導体スイッチに接続される加熱コイルのインピーダンスが2倍となる。その結果、加熱コイルへの電流を抑えることができ、入力電力を下げることが可能となる。
以上のように、複数の加熱コイル要素を用いて同じ負荷を加熱する構成の実施の形態6の誘導加熱装置において、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイル要素と共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続するよう構成して、インピーダンスが大きくなる加熱コイル要素の接続数の少ない負荷の場合には、第2の半導体スイッチ11を常時導通し、第1及び第3の半導体スイッチ10,12を交互に導通させて、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に同時に電力を供給する同時加熱モードで動作させる。
一方、インピーダンスが小さくなる加熱コイル要素の接続数が多い負荷の場合には、第1の半導体スイッチ10を常時導通し、第2及び第3の半導体スイッチ11,12を交互に導通させて第2の加熱コイル7に高周波電力を供給する第1の単独加熱モードの動作と、第3の半導体スイッチ12を常時導通し、第1及び第2の半導体スイッチ10,11を交互に導通させて、第1の加熱コイル6に高周波電力を供給する第2の単独加熱モードの動作を、短時間の一定間隔で交互に繰り返す交互加熱モードで動作させる。このように第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に電力を供給することにより、使用する加熱コイル要素の数が変わっても、一定動作周波数で所定の入力電力を負荷に与えることができ、干渉音のない、制御性に優れた誘導加熱装置を実現することができる。
(実施の形態7)
本開示に係る実施の形態7の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態7の説明において、前述の実施の形態1〜6と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態7の誘導加熱装置の構成は、図27に示した実施の形態6の誘導加熱装置と同じ構成を有しており、加熱コイルに対する加熱動作の制御方法が異なっている。なお、実施の形態7の誘導加熱装置は同時加熱モードで複数の加熱コイルを加熱するモードを有しており、この同時加熱モードは前述の実施の形態6において図31を用いて説明した同時加熱モードと同じ動作である。また、実施の形態7の誘導加熱装置には、同時加熱モードの他に降圧同時加熱モードを有している。
次に、実施の形態7の誘導加熱装置における動作について説明する。図35は実施の形態7における降圧同時加熱モードの動作状態を示す波形図である。図35において、(a)〜(c)が第1〜第3の半導体スイッチ10,11,12のゲート電圧波形であり、(d)が第1の加熱コイル6の電流波形であり、及び(e)が第2の加熱コイル7の電流波形である。
降圧同時加熱モードにおいて、制御部13は、複数の加熱コイル要素で構成された加熱コイル群である第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に対して同時に高周波電力を供給するため、第1の半導体スイッチ(Q1a)10、第2の半導体スイッチ(Q1b)11及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12の導通状態/非導通状態(オン状態/オフ状態)を制御する。
例えば、図35に示す区間Bにおいては、制御部13が第1の半導体スイッチ(Q1a)10を非導通状態(オフ状態)、第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態(オン状態)、及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態(オフ状態)に制御すると、平滑コンデンサ5→第1の開閉部20(該当する第1の開閉部要素)→第1の共振コンデンサ8(該当する第1の共振コンデンサ要素)→第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)→第2の半導体スイッチ(Q1b)11→第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)→第2の共振コンデンサ9(該当する第2の共振コンデンサ要素)→第2の開閉部21(該当する第2の開閉部要素)の経路において加熱コイル群である第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に同時に電力が供給される。
この場合、第1の加熱コイル6と第1の共振コンデンサ8の直列回路と、第2の加熱コイル7と第2の共振コンデンサ9の直列回路が平滑コンデンサ5に対して直列に接続されている。このため、それぞれの直列回路には分圧された電圧がかかり、特に、それぞれの直列回路が略同一に回路定数となる場合は略1/2の電圧がかかる。
次に、制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第2の半導体スイッチ(Q1b)11を非導通状態とする(区間Bの終了)。区間Bの終了から所定の遷移時間(区間Y)の経過後、制御部13は第1の半導体スイッチ(Q1a)10と第3の半導体スイッチ(Q1c)12を導通状態(区間A)とする。その結果、第1の共振コンデンサ8(該当する第1の共振コンデンサ要素)→第1の開閉部20(該当する第1の開閉部要素)→第1の半導体スイッチ(Q1a)10→第1の加熱コイル6(該当する第1の加熱コイル要素)の経路において加熱コイル群である第1の加熱コイル6に電力が供給される動作と、第2の共振コンデンサ9(該当する第2の共振コンデンサ要素)→第2の加熱コイル7(該当する第2の加熱コイル要素)→第3の半導体スイッチ(Q1c)12→第2の開閉部21(該当する第2の開閉部要素)の経路において加熱コイル群である第2の加熱コイル7に電力が供給される動作が同時に発生する。
制御部13は、入力電流検出部3が検出した電流値が所定の電流値を示した導通時間で第1の半導体スイッチ(Q1a)10及び第3の半導体スイッチ(Q1c)12を非導通状態とする。区間Aの終了後、制御部13は、所定の遷移時間(区間X)が経過した後、再び第2の半導体スイッチ(Q1b)11を導通状態とする。
上記のように、降圧同時加熱モードにおいて、制御部13が、第2の半導体スイッチ(Q1b)11と、そして第1の半導体スイッチ(Q1a)10と第3の半導体スイッチ(Q1c)12の組とを交互に導通状態/非導通状態に制御することにより、加熱コイル群である第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7の両方に対して同時に20kHz〜60kHz程度の高周波電流を供給することができる。この結果、実施の形態7の誘導加熱装置においては、高周波電流が供給された加熱コイルから発生した所望の高周波磁界が鍋などの負荷に供給される。
なお、制御部13は、前述の実施の形態6と同様に加熱コイルと結合する負荷の有無や材質に対して、所定の動作周波数及び導通時間で発生する共振電圧を検出することにより、負荷の有無及び/又は負荷の種類を判別することができる。
実施の形態7の構成において、隣接負荷との干渉音を防止するために動作周波数を一定とすると、図36に示すように、接続されて高周波電流が供給される加熱コイル要素の数により、導通時間において発生する入力電力に大きな差が生じる場合がある。そのため、負荷の形状(大きさ)によっては入力電力を十分に落とすことができず、電力制御の制御幅が大きくなるなどの使い勝手の悪い加熱装置となる場合がある。
そこで、図36に示されるように、負荷の形状が小さく、接続される加熱コイル要素の数が少ない負荷、例えば、接続される加熱コイル要素の数が4個の場合(第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7においてそれぞれ2個の加熱コイル要素が接続されている場合)には、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7が並列に接続される動作となる同時加熱モードで動作させる。
一方、負荷の形状が大きく接続される加熱コイル要素の数が多い負荷、例えば、接続される加熱コイル要素の数が10個の場合(第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7においてそれぞれ5個の加熱コイル要素が接続されている場合)、即ち、並列接続される加熱コイル要素が多く、インピーダンスが小さい負荷の場合には、同時加熱モードで動作させると、負荷のインピーダンスが小さくなりすぎるため、接続された加熱コイル要素の電流が流れやすい状況が生じ、導通時間において入力電力が供給されすぎる状況が生じる。図36において、加熱コイル要素10個が同時加熱モードで動作されたときの特性例に示すように、入力電力が高いラインとなっている。
そこで、形状が大きく接続される加熱コイル要素の数が多い負荷の場合には、降圧同時加熱モードで動作させている。降圧同時加熱モードにおいては、加熱コイル群である第1の加熱コイルおよび第2の加熱コイルにかかる入力電圧が下がるため、インピーダンスが下がっても、入力電流が流れがたい状況を作り出すことができる。例えば、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイルのそれぞれの加熱コイル要素の数が同じであれば入力電圧は半分となる。図36において、加熱コイル要素10個が降圧同時加熱モードで動作させたときの特性例に示すように、入力電力は低いラインとなっている。
例えば、各加熱コイル要素にかかる電圧が1/2になれば、同一の動作条件(動作周波数及び導通時間)であれば電力は1/4となる。
なお、実施の形態7の構成において、同時加熱モード及び降圧同時加熱モードの他に、前述の実施の形態6において図32A,32Bを用いて説明した交互加熱モードを有する構成としてもよい。同一条件において導通時間に対する入力電力は、負荷におけるインピーダンスに応じて、同時加熱モード→交互加熱モード→降圧同時加熱モードの順番で小さくなる。このため、実施の形態7の構成においては、加熱コイル要素の接続数などの条件に応じて、順次切り替えていく方式も可能となる。
以上のように、複数の加熱コイル要素を用いて同じ負荷を加熱する構成の実施の形態7の誘導加熱装置において、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイル要素と共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続するよう構成して、インピーダンスが大きくなる加熱コイル要素の接続数の少ない負荷の場合には、第2の半導体スイッチ11を常時導通し、第1及び第3の半導体スイッチ10,12を交互に導通させて、第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に同時に電力を供給する同時加熱モードで動作させる。
一方、インピーダンスが小さくなる加熱コイル要素の接続数の多い負荷の場合には、第2の半導体スイッチと、第1の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの組とを交互に導通させて、第1の加熱コイル6及び第2の加熱コイル7に高周波電力を同時に供給し、各加熱コイルにかかる電圧を下げる降圧同時加熱モードで動作させる。このように第1の加熱コイル6と第2の加熱コイル7に電力を供給することにより、加熱コイル要素の接続数が変わっても一定動作周波数で所定の入力電力を負荷に与えることができ、干渉音のない、制御性に優れた誘導加熱装置を実現することができる。
(実施の形態8)
本開示に係る実施の形態8の誘導加熱調理器である誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態8の説明において、前述の実施の形態1〜7と実質的に同じ機能、構成を有する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図37は、本開示に係る実施の形態8の誘導加熱装置の構成において、トッププレート15の直下に設けられた複数の加熱コイル要素を有する加熱コイル群を示す平面図である。実施の形態8の誘導加熱装置において、前述の実施の形態6及び実施の形態7と異なる点は、加熱コイル群である第1の加熱コイル6を構成する加熱コイル要素と、加熱コイル群である第2の加熱コイル7を構成する加熱コイル要素の配置が同一平面上において互い違いに配置されている点である。
図37に示した実施の形態8の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル6が12個の加熱コイル要素6a〜6lで構成されており、第2の加熱コイル7が12個の加熱コイル要素7a〜7lで構成されている。図37に示す配置例においては、4行×6列の状態で24個の加熱コイル要素6a〜6l,7a〜7lがジグザグに配置されている。第1の加熱コイル6の加熱コイル要素6a〜6lが配置されている行及び列に隣接する行及び列には、第2の加熱コイル7の加熱コイル要素7a〜7lがそれぞれ配置されている。
上記のように複数の加熱コイル要素を配置することにより、負荷の位置がトッププレート15における加熱領域のいずれの位置に載置されても、第1の加熱コイル6における加熱コイル要素の接続数と第2の加熱コイル7における加熱コイル要素の接続数に大きな差が生じることがない。したがって、制御部13は、各加熱モードにおいて、各半導体スイッチを対称に動作させることができるため、信頼性の高い簡易な制御を行うことができるとともに、負荷に対して良好な加熱分布を形成することができる。
以上のように、実施の形態8の誘導加熱装置の構成においては、いずれの加熱モードにおいても、第1の加熱コイル6を形成する加熱コイル要素の接続数と、第2の加熱コイル7を形成する加熱コイル要素の接続数の差を少なくすべく、加熱コイル要素を交互に配置することにより、各加熱コイル要素から負荷に対して均等に電力を供給することができる。このため、実施の形態8の誘導加熱装置の構成によれば、負荷に対する良好な加熱分布を形成することができる加熱装置を実現することができる。
本開示の誘導加熱装置においては、制御部が、負荷が加熱領域に載置されたときの当該負荷の状態、例えば、負荷の材質、大きさなどに応じて第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチと第3の半導体スイッチを制御して適切な加熱モードを選択して実行するように構成されている。本開示の誘導加熱装置において実行される加熱モードとしては、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに同時に高周波電力を供給する同時加熱モード、第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の単独加熱モード、第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の単独加熱モード、第1の単独加熱モードと第2の単独加熱モードとを交互に行う交互加熱モード、及び第1の加熱コイルと第2の加熱コイルに降圧状態で同時に高周波電力を供給することができる降圧同時加熱モード、がある。本開示の誘導加熱装置においては、こられの加熱モードの中から検出された負荷に対して適切な加熱モードを選択して、当該負荷を誘導加熱するよう構成されている。なお、本開示の誘導加熱装置において、検出された負荷に対して選択された加熱モードを実行したとき、入力電力が高くなりすぎるなどの不都合な状態が生じたときには、入力電力を抑制する加熱モードに順次切り替えるよう構成してもよい。
本開示の誘導加熱装置において、一実施の形態としては、電源に接続された第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの直列接続体と、前記第1の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合した第1の加熱コイルと第1の共振コンデンサの直列接続体と、前記第3の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合した第2の加熱コイルと第2の共振コンデンサの直列接続体と、前記第1〜第3の半導体スイッチを制御する制御部と、を備えている。前記制御部は、前記第1の半導体スイッチを常時導通し、前記第2及び第3の半導体スイッチを交互に導通させて第2の加熱コイルに高周波電力を供給する動作を行う第1の単独加熱モードと、前記第3の半導体スイッチを常時導通し、前記第1及び第2の半導体スイッチを交互に導通させて第1の加熱コイルに高周波電力を供給する動作を行う第2の単独加熱モードと、を備えている。なお、本開示においては、第1〜第3の半導体スイッチのそれぞれには、それぞれ半導体スイッチ素子に逆並列に接続される第1のダイオード、第2のダイオード及び第3のダイオードを含むものである。
上記のように構成された前記制御部は、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルの両方で負荷に電力を供給するとき、前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードを短周期で繰り返す交互加熱モードを実行することにより、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルの両方に対して同時に均等に平均的な高周波電力を供給することができる。
上記のように、直列接続された3個の半導体スイッチに負荷を誘導加熱する加熱コイルと共振コンデンサで構成される共振回路を複数接続し、3個の半導体スイッチの内の1個の半導体スイッチを導通状態として高周波電力を供給すべき加熱コイルを決める半導体スイッチとし、残りの半導体スイッチを加熱コイルの高周波電力を供給するためのオンオフ駆動される半導体スイッチとして用いるとともに、高周波電力を供給すべき加熱コイルを決める半導体スイッチを切り替えることにより、複数の加熱コイルに対して高周波電力を実質的に同時に供給する構成となる。このように、複数の加熱コイルに対して高周波電力を実質的に同時に供給する構成であっても、干渉音がなく、調理性能が優れ、しかも部品点数が少なく回路実装面積の小さい安価な誘導加熱装置を提供することができる。
本開示の誘導加熱装置において、別の実施の形態としては、直流電源として動作する平滑コンデンサに接続された第1〜第3の半導体スイッチの直列接続体と、前記第1の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する少なくとも1つの加熱コイル要素を有する第1の加熱コイルおよび第1の共振コンデンサの直列接続体と、前記第3の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する少なくとも1つの加熱コイル要素を有する第2の加熱コイルおよび第2の共振コンデンサの直列接続体と、前記第1〜第3の半導体スイッチを制御する制御部と、を備えている。前記制御部は、前記第2の半導体スイッチの導通中において、前記第1及び第3の半導体スイッチを交互に導通させて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する同時加熱モードを備えている。また、制御部は、前記第1の半導体スイッチの導通中において、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとを交互に導通させて、第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の動作(第1の単独加熱モード)と、前記第3の半導体スイッチの導通中において、前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチとを交互に導通させて、第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の動作(第2の単独加熱モード)と、を交互に繰り返す交互動作モードを備えている。このように、同時加熱モード及び交互加熱モードを備える制御部は、負荷の材質に応じて加熱モードを切り替えるように、前記第1〜第3の半導体スイッチを制御している。
上記のように構成された別の実施の形態によれば、複数の加熱コイルを用いて同一の負荷を加熱する誘導加熱装置においては、加熱コイルと結合した負荷のインピーダンスが大きくなる材質の場合には同時加熱モードを実行し、負荷のインピーダンスが小さくなる材質の場合には交互加熱モードを実行することにより、材質が異なる負荷の場合でもそれぞれのインピーダンスを近づけることができる構成となる。このため、負荷の材質が変わっても一定周波数で必要な入力電力を負荷に供給することが可能となり、干渉音がない、制御性に優れた誘導加熱装置を提供することができる。
本開示の誘導加熱装置において、さらに別の実施形態としては、直流電源として動作する平滑コンデンサに接続された第1〜第3の半導体スイッチの直列接続体と、マトリクス状に配置され前記第1の半導体スイッチに並列接続された複数の第1の加熱コイル要素と、第3の半導体スイッチに並列接続された複数の第2の加熱コイル要素と、前記複数の第1の加熱コイル要素のそれぞれに直列接続された複数の第1の共振コンデンサ要素と、前記複数の第2の加熱コイル要素のそれぞれに直列接続された複数の第2の共振コンデンサ要素と、前記複数の第1及び第2の加熱コイル要素のそれぞれの近傍に加熱可能な負荷の存在を検出する負荷検出部と、を備えている。また、この別の実施形態の誘導加熱装置においては、前記複数の第1の加熱コイル要素(第1の加熱コイル)のそれぞれに対する高周波電力の供給を遮断する複数の第1の開閉部要素と、前記複数の第2の加熱コイル要素(第2の加熱コイル)のそれぞれに対する高周波電力の供給を遮断する複数の第2の開閉部要素と、を有する開閉部を備えている。このように構成された別の実施の形態の誘導加熱装置においては、同一の負荷を加熱する場合、負荷検出部により近傍の負荷が検出された加熱コイル要素に対しては、第1および第2の開閉部要素を用いて、高周波電力が供給されるように制御して、高周波電力が供給される加熱コイル要素の接続数に応じて、適切な加熱モードを選択して、第1〜第3の半導体スイッチの動作を制御するよう構成されている。
上記のように構成されたさらに別の実施の形態の誘導加熱装置によれば、加熱コイル群で構成された第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルにおける加熱コイル要素の接続数に応じて、第1〜第3の半導体スイッチの動作を切り替えることにより、第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルにおけるそれぞれのインピーダンスや印加電圧を変えることができる。このため、この別の実施の形態の誘導加熱装置においては、動作周波数を一定にしたままでも電力調整を行うことが可能となる。
その結果、複数の加熱コイル要素に高周波電力を供給しても、干渉音がなく、調理性能が優れ、しかも部品点数が少ないため回路実装面積の小さく安価な誘導加熱装置を提供することができる。
なお、本開示の誘導加熱装置は、食材を加熱調理する鍋等の負荷を誘導加熱する誘導加熱調理器を例として説明しているが、誘導加熱調理器以外にも、通常の誘導加熱装置の他に、受電コイルを備えた非接触給電機器への給電装置としての適用も可能である。
本開示をある程度の詳細さをもって各実施の形態において説明したが、これらの実施の形態の開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は請求された本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
本開示に係る誘導加熱装置は、複数の加熱コイルに高周波電力を供給しても干渉音がなく、優れた調理性能を有し、しかも部品点数が少ないため回路実装面積が小さく安価に実現することができるため、各種の誘導加熱機器の用途において有効である。
1 交流電源
2 整流回路
3 入力電流検出部
4 チョークコイル
5 平滑コンデンサ
6 第1の加熱コイル
7 第2の加熱コイル
8 第1の共振コンデンサ
9 第2の共振コンデンサ
10 第1の半導体スイッチ
11 第2の半導体スイッチ
12 第3の半導体スイッチ
13 制御部
14a,14b 負荷
15 トッププレート
16 操作・表示部
17 操作・表示部
18 トッププレート
20 第1の開閉部
21 第2の開閉部
22 負荷検出部
25A,25B 負荷

Claims (12)

  1. 電源に接続された第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの直列接続体と、
    前記第1の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する第1の加熱コイルと第1の共振コンデンサの直列接続体と、
    前記第3の半導体スイッチに並列接続され、負荷と磁気的に結合する第2の加熱コイルと第2の共振コンデンサの直列接続体と、
    前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1の半導体スイッチを常時導通し、前記第2の半導体スイッチ及び前記第3の半導体スイッチを交互に導通させて前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する第1の単独加熱モードと、
    前記第3の半導体スイッチを常時導通し、前記第1の半導体スイッチ及び前記第2の半導体スイッチを交互に導通させて前記第1の加熱コイルに高周波電力を供給する第2の単独加熱モードと、
    前記第2の半導体スイッチを常時導通し、前記第1の半導体スイッチ及び前記第3の半導体スイッチを交互に導通させて前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに同時に高周波電力を供給する同時加熱モードと、負荷に応じて選択的に駆動するように構成された誘導加熱装置。
  2. 前記第1の加熱コイルと前記第1の共振コンデンサで構成される第1の共振回路において生じる共振周波数と、前記第2の加熱コイルと前記第2の共振コンデンサで構成される第2の共振回路において生じる共振周波数が、同一となるよう構成されている請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記制御部は、前記同時加熱モードとなる期間と、前記第1の単独加熱モード又は第2の単独加熱モードとなる期間との比率を変えて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に供給される平均電力が目標値となるように前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを制御するよう構成された請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記制御部は、前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードのそれぞれを1秒以内の短周期で繰り返す交互加熱モードを行って、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に均等に高周波電力を供給するよう構成された請求項1に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記交互加熱モードにおける前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードとの間の状態遷移は、前記第2の半導体スイッチが非導通状態の時に行うよう構成された請求項4に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記交互加熱モードにおける前記第1の単独加熱モードの連続動作時間と前記第2の単独加熱モードの連続動作時間との比率を同じとなるように制御し、前記第1の単独加熱モード及び前記第2の単独加熱モードにおいて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチにおける2つの半導体スイッチの動作周波数又は導通時間を変化させて、入力電力を制御するよう構成された請求項4又は5に記載の誘導加熱装置。
  7. 前記制御部は、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルの双方に高周波電力を供給するとき、前記交互加熱モードにおける前記第1の単独加熱モード及び前記第2の単独加熱モードにおいて、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を供給する前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチにおける2つの半導体スイッチの動作周波数又は導通時間を一定として、前記第1の単独加熱モードの連続動作時間と前記第2の単独加熱モードの連続動作時間との比率を変化させて、入力電力を制御するよう構成された請求項4又は5に記載の誘導加熱装置。
  8. 前記第1の加熱コイルが複数の第1の加熱コイル要素で構成され、前記第1の共振コンデンサが複数の第1の共振コンデンサ要素で構成され、前記複数の第1の加熱コイル要素が前記複数の第1の共振コンデンサ要素にそれぞれ接続されて前記第1の半導体スイッチに並列接続された複数の直列接続体が構成されており、
    前記第2の加熱コイルが複数の第2の加熱コイル要素で構成され、前記第2の共振コンデンサが複数の第2の共振コンデンサ要素で構成され、前記複数の第2の加熱コイル要素が前記複数の第2の共振コンデンサ要素にそれぞれ接続されて前記第3の半導体スイッチに並列接続された複数の直列接続体が構成され、
    前記制御部は、前記第1の単独加熱モードと前記第2の単独加熱モードとを交互に繰り返す交互加熱モードと、前記同時加熱モードとを負荷の材質に応じて切り替えるように前記第1の半導体スイッチと前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとを制御するよう構成された請求項1に記載の誘導加熱装置。
  9. 前記制御部は、前記第1の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチを同じオンオフ動作させるとともに、前記第1の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチのオンオフ動作と、前記第2の半導体スイッチのオンオフ動作を交互に行い、前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルに高周波電力を同時に供給する降圧同時加熱モードと有し、
    前記制御部は、負荷の材質に応じて前記同時加熱モードと、前記交互加熱モードと、前記降圧同時加熱モードと、を選択的に切り替えるように構成された請求項8に記載の誘導加熱装置。
  10. 前記第1の加熱コイル要素と前記第2の加熱コイル要素のそれぞれの近傍に加熱可能な負荷の存在を検知する負荷検出部と、前記第1の加熱コイル要素と前記第1の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第1の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第1の開閉部要素と、前記第2の加熱コイル要素と前記第2の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第3の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第2の開閉部要素と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記負荷検出部が近傍に負荷を検知した前記第1の加熱コイル要素及び/又は第2の加熱コイル要素に対応する前記第1の開閉部要素及び/又は第2の開閉部要素を接状態とするよう構成された請求項8又は9に記載の誘導加熱装置。
  11. 前記第1の加熱コイル要素と前記第2の加熱コイル要素のそれぞれの近傍に加熱可能な負荷の存在を検知する負荷検出部と、前記第1の加熱コイル要素と前記第1の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第1の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第1の開閉部要素と、前記第2の加熱コイル要素と前記第2の共振コンデンサ要素のそれぞれの直列接続体を前記第3の半導体スイッチに並列接続する通電経路から接離する複数の第2の開閉部要素と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記負荷検出部が近傍に負荷を検知した前記第1の加熱コイル要素及び/又は第2の加熱コイル要素に対応する前記第1の開閉部要素及び/又は第2の開閉部要素を接状態に制御し、前記負荷検出部が近傍に負荷を検知した前記第1の加熱コイル要素及び/又は第2の加熱コイル要素の数に応じて、前記同時加熱モードと、前記交互加熱モードと、前記降圧同時加熱モードと、を選択的に切り替えるよう構成された請求項8又は9に記載の誘導加熱装置。
  12. 前記第1の加熱コイルを構成する前記複数の第1の加熱コイル要素と、前記第2の加熱コイルを構成する前記複数の第2の加熱コイル要素を平面的な加熱領域において互い違いに配置された請求項8又は9に記載の誘導加熱装置。
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