JPWO2014061473A1 - 通電加熱装置 - Google Patents
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Abstract
迷走電流の発生に起因して鋼板が局所的に過熱されたり、鋼板の他の部分の温度が局所的に低下してしまうことを防止する。また、軽量で簡素な装置構成の通電加熱装置を提供することを目的とする。さらに、複数の鋼板を一度に均一に加熱することができる通電加熱装置を提供することを目的とする。鋼板2に電流3を供給する電極11と少なくとも一つの絶縁性ブロック12とからなる電極単位を複数有する鋼板の通電加熱装置であって、鋼板の一方の部分は複数の電極単位の内の一方を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に挟まれ、鋼板の他方の部分は複数の電極単位の内の他方を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に挟まれ、絶縁性ブロックと電極によって鋼板を固定した状態で一方と他方の電極単位の間に電流を供給することを特徴とする鋼板用通電加熱装置である。
Description
本発明は、鋼板に対してホットプレス加工を行う際などに使用される通電加熱装置である。
ホットプレス加工を行う際には、鋼板を加熱する手段の一つとして通電加熱装置が使用される。通電加熱装置では、複数の電極の間に鋼板を配置して、当該電極の間に通電して鋼板を加熱する。鋼板は、加熱した後、プレス用の型に接触させて急冷する。この熱処理は、焼き入れと呼ばれている。焼き入れによって、鋼の硬さが増大する。
特許文献1には、上側の電極(符号5)と下側の電極(符号1)とで一つの電極単位を構成することが記載されている。この電極単位を鋼板の両端に配置した状態で通電する(図1など)。シリンダ(符号2)によって下側の電極を下降させて、鋼板を上側の電極から離すことによって通電を停止する旨が記載されている。
特許文献2にも、上側の電極(符号4)と下側の電極(符号5)とで一つの電極単位を構成することが記載されている。この装置では、荷重装置(符号9)によって、上側の電極を下降させる。電極の支持部材には弾性部材3が配されるため、電極を鋼板に均一に接触できる旨が記載されている。電極と鋼板を均一に接触させることができない場合は、鋼板に局所的な過熱が生じる原因となる旨が記載されている。
特許文献3にも、上側の電極(符号51、52)と下側の電極(符号51、52)とで一つの電極単位を構成することが記載されている。鋼板を加熱すると熱により体積が膨張して、鋼板にしわが発生することがある。この発明では、図8に示したように上下の電極が移動して、しわの発生を防止する。
特許文献1ないし3の通電加熱装置は、いずれも、上側の電極と下側の電極とで一つの電極単位を構成し、左右一対の電極単位の間に通電することにより鋼板を加熱する点で共通する。本発明者らは、図12に示すように、従来から一般的である上側の電極と下側の電極とで鋼板を挟んで固定する構成が、通電中に鋼板の一部が局所的に過熱されたり、鋼板の他の部分の温度が局所的に低下する原因となることを知見した。すなわち、図12に示したように、上側の電極及び下側の電極には、同一の電源から給電線を分岐して電圧を印加するため、上側の電極と下側の電極の電位は理論的には同じである。しかし、実際にはわずかな電位差が生じることが避けられない。電流は一方の電極単位から鋼板を介して他方の電極単位に流れるべきところ、この電位差に起因して一方の電極単位の上下の電極間でわずかではあるが電流が流れてしまう(以下、この電流のことを迷走電流と呼ぶ)。これにより、電極の近傍では鋼板の一部が局所的に過熱されたり、鋼板の他の部分の温度が局所的に低下するのである。
別の観点からみると、電極単位のうち、鋼板に接面する部分の両方を電極とする構成は以下の点で不利である。すなわち、電極には必ず電気回路とそれに電力を供給する給電線とが接続されるため、電極の重量が増加し、電極が大型化する。通電加熱装置で鋼板を加熱した後は、上下の電極のうち、少なくともいずれか一方を上昇又は下降させて、鋼板を取り外す。この際に上下の電極が重く、しかも嵩張るものであると、焼き入れ作業の効率を低下させる。さらには、上下の電極を移動させる油圧シリンダ等のアクチュエーターも電極の重量に応じて出力を向上せざるを得ず、製造コストや装置の維持コストを増加させる原因となる。
さらに別の観点からみると、生産性を向上させるために、複数枚の鋼板を幅方向に並べて、この鋼板に長尺な上下の電極を接面して通電することが考えられる。やはり、この場合にも、鋼板に接面する上下の部材の両方を電極とすると、上記の迷走電流に起因して鋼板が局所的に過熱されたり、局所的に温度が低下する。特に上側の電極を1本の長尺な電極とし、下側の電極も1本の長尺な電極として構成した場合、複数枚の鋼板と長尺な電極を均一に接面することは困難であり、上記の迷走電流の問題はよりいっそう顕在化することになる。上述の製造コストや装置の維持コストの問題も同様に生じる。
本発明は上記迷走電流に起因する問題を解消し、軽量で簡素な構成の通電加熱装置を提供することを目的とする。
本発明は、鋼板に電流を供給する電極と少なくとも一つの絶縁性ブロックとからなる電極単位を複数有する鋼板用通電加熱装置(以下、単に装置と呼ぶことがある)であり、これにより上記の課題を解決する。鋼板の一方の部分は複数の電極単位の内の一方を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に挟まれる。鋼板の他方の部分は複数の電極単位の内の他方を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に挟まれる。絶縁性ブロックと電極によって鋼板の位置を固定した状態で一方と他方の電極単位の間に通電して鋼板を加熱する。
本発明の装置では、鋼板を電極と絶縁性ブロックとで挟むので、迷走電流が発生するおそれがない。鋼板は電極と絶縁性ブロックとで挟まれるので、加熱中もしっかりと保持される。電極の代わりに絶縁性ブロックを使用するため鋼板と電極が接触する面積は減少するが、これについては無視できる。例えば、鋼板の左右両端の表側に電極を接続し、左右両端の裏側に絶縁性ブロックを接続した場合、電流は鋼板の表側を主に流れる。通電により生じた熱は、均等かつ迅速に鋼板の裏側に伝わるので問題は生じない。例えば、鋼板の左側では電極を裏側から接続して、鋼板の右側では電極を表側から接続してもよい。この場合、左側の表面及び右側の裏面には、絶縁性ブロックを接面させる。
それぞれの電極単位はアクチュエーターを備えており、鋼板に電流を供給する電極の位置は上下方向に対して固定され、絶縁性ブロックはアクチュエーターによって電極に対して接近又は離隔するように構成することが好ましい。電極の位置を上下方向に固定しておけば、電極に付随する給電線や電気回路を動かす必要がなくなるので、作業効率が向上する。なお、電極は鋼板の幅に応じて左右方向に移動可能に構成しても構わない。アクチュエーターとしては、油圧シリンダ、空圧シリンダなどが挙げられる。油圧や空気圧によりロッドを直線的に運動させて、ロッドの先端に絶縁性ブロックを配しておけば、ロッドと連動して絶縁性ブロックを移動させることができる。
より好ましくは、それぞれの電極単位はアクチュエーターを備えており、鋼板に電流を供給する電極の位置は上下方向に対して固定され、該電極は下方から鋼板を支え、絶縁性ブロックはアクチュエーターによって電極に対して上方から接近又は離反するように構成する。この場合、鋼板を電極間に懸架して、上から絶縁性ブロックで押さえつけるようにして鋼板と電極を密着させた状態で通電する。
一度に複数の鋼板を焼き入れする場合には、電極単位は次のように構成してもよい。すなわち、それぞれの電極単位は、鋼板に電流を供給する一つの電極と複数の絶縁性ブロックとからなり、複数の絶縁性ブロックのそれぞれに独立してアクチュエーターを配置する構成である。この場合、複数の鋼板の一方の部分を複数の電極単位の内一方を構成する複数の絶縁性ブロックと一つの電極とで挟み、複数の鋼板の他の部分を複数の電極単位の内他方を構成する複数の絶縁性ブロックと一つの電極とで挟む。電極の長手方向の長さの範囲内であれば、複数の鋼板に代えて、幅の広い1枚の鋼板を加熱することもできる。
それぞれの電極単位は、絶縁性ブロックとアクチュエーターの間に弾性部材を備えるものであることが好ましい。絶縁性ブロックは、電極に対して鋼板を押し付ける働きを有する。しかし、アクチュエーターを使って絶縁性ブロックを鋼板に押し付けると、押圧力が過剰になったり荷重が局所的に加わったりすることがある。弾性部材を絶縁性ブロックとアクチュエーターの間に配置すれば、過剰な押圧力や局所的な荷重が鋼板に加わることを防止することができる。弾性部材としては、コイルスプリング、板バネ、エラストマー製のブロック等が例示される。弾性部材は、絶縁性ブロックの移動方向に対して伸縮するように配置する。
絶縁性ブロックは、ブロック本体の鋼板に対向する面に絶縁層を形成するものであることが好ましい。ブロック全体を絶縁材料で構成してもよいが、絶縁材料は高価なため製造コストが嵩む。さらに、この構成によれば、ブロック本体の材料は必ずしも絶縁材料である必要はないので、安価な材料からブロック本体を構成することが可能になる。これにより、装置の製造コストを低減することができる。ブロック本体を弾性絶縁体で覆うことにより、ブロック本体の鋼板に対向する面に絶縁層を形成することもできる。
本発明では、電極単位を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に鋼板を挟んで固定する。電極から絶縁性ブロックへと電流が通じることはないから、迷走電流の発生を抑えることが可能である。迷走電流の発生を抑えることにより、鋼板を均一に加熱することが可能になる。
電極の位置を上下方向に対して固定し、電極に対して絶縁ブロックをアクチュエーターによって接近又は離隔させれば、電極に付随する給電線や電気回路を移動させる必要がなくなる。この構成を採用すれば、装置構成も簡素にすることができるし、作業効率を向上することができる。
それぞれの電極単位を、一つの電極と複数の絶縁性ブロックとから構成し、絶縁性ブロックのそれぞれに独立してアクチュエーターを配置すれば、一つの電極に対して絶縁ブロックを独立して接近又は離隔することが可能になる。このようにすれば、複数の鋼板を一度に加熱することも可能であるし、様々な幅の鋼板を加熱することが可能である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1ないし図4に、本発明の通電加熱装置の一例(実施例1)を示す。図5ないし図10に、実施例2ないし6に係る装置を示す。
実施例1の通電加熱装置1は、図1及び図2に示したように、左右一対の電極単位からなる。それぞれの電極単位は一つの電極11と一つの絶縁性ブロック12とから構成される。電極11は下側に配置され、上下方向には移動しないが、鋼板2の長さに応じて左右方向には移動させることができる。絶縁性ブロック12は上側に配置され、アクチュエーターによって電極11に対して上方から接近又は離隔する。鋼板2の左端は左右一対の電極単位の一方を構成する下側の電極11と上側の絶縁性ブロック12との間に挟まれる。鋼板2の右端は左右一対の電極単位の他方を構成する下側の電極11と上側の絶縁性ブロック12との間に挟まれる。電源113は給電線112を介して下側の電極11にのみ接続される。
電極11は、内部に電気回路(図示略)を備える直方体状のブロックであり、ブロックの上面、すなわち電極面が銅板からなる。鋼板2の裏面に電極11の銅板を接面した状態で、電流3を供給する。実施例1の下側の電極11の重量は1個当たり20kg程度である。電極11の長手方向の長さは加熱する鋼板2の幅よりも長く設定されている。電極面の素材は、耐熱性と通電時の抵抗が小さい素材を使用すればよい。そのような素材としては、銅、銀などが挙げられる。電極11は、非導電性の素材で成形したベース111の上に固定されている。実施例1では、ベース111は電極を安定して支えられるように電極よりも一回り大きい直方体を使用した。ベース111には、絶縁性と断熱性が求められる。実施例1では、ベース111はセラミックで成形した。
絶縁性ブロック112は、図2に示したように、直方体状のブロック本体122の下面に絶縁層121を形成したものである。鋼板2を電極11に対して、隙間なく押し付けるようにするために、絶縁性ブロック112の長さは、鋼板2の幅よりも長くなるように設定してある。絶縁性ブロック112の上側には、3基のコイルスプリング123、及びコイルスプリング123を取り付けるための板124を備える。板124の長手方向中央部分には油圧シリンダのロッド125の先端を接続している。図示は省略するがロッド125の基端は油圧シリンダに接続される。ロッド125は、油圧を受けて上下動する。すなわち、油圧シリンダ及びロッド125はアクチュエーターとして機能する。
油圧シリンダ内部の油や空気圧シリンダの空気が加熱されると、アクチュエーターの制御が乱れるため、絶縁性ブロック112は、電気的絶縁性に加えて、断熱性を備えることが好ましい。実施例1では、絶縁性ブロックの本体122をステンレス鋼で成形し、絶縁層121に断熱性に優れるセラミックを使用している。絶縁層121として、後述する耐熱性を有する弾性絶縁体を使用してもよい。ブロック本体122は、より安価に仕上げるために鉄で構成してもよい。
絶縁性ブロック12、コイルスプリング123及び板124は、ロッド125の伸縮によって昇降する。鋼板2を装置11に載せる際には、図3に示したように、ロッド125を縮めて絶縁性ブロック12を左右の電極11から離隔させて、左右の電極11の上に鋼板2を載せる。そして、ロッド125を伸ばして、絶縁性ブロック12の絶縁層121を鋼板2に接面させる。この状態からさらにロッド125を伸ばしてコイルスプリング123を圧縮し、コイルスプリングの123の反発力により鋼板2を均等に押さえつける。これにより、鋼板2と電極11とが隙間なく密着する。鋼板2と電極の間に隙間があると、接触抵抗が発生して電極と鋼板の接触面が局所的に過熱されるおそれがある。コイルスプリング123を使用して鋼板2を電極11に押し付けることにより接触電流の発生を解消することができる。また、図11に示したように鋼板2と電極11との一方の接点113と他方の接点114の間で電流が生じてしまうことがある。これが迷走電流を発生させる原因となるが、上記のようにして鋼板2と電極11とを密着させれば、迷走電流の発生も防ぐことができる。鋼板2の加熱が終了した後は、図4に示したように、左右の絶縁性ブロック12を電極11から離隔させて、装置1から鋼板2を取り外す。取り外した鋼板2は、急冷して焼き入れを完了させる。急冷と同時に鋼板2を成形してもよい。
上述のように、鋼板2と電極11の間に隙間が生じると、迷走電流及び接触抵抗が生じて鋼板2を均一に加熱できない場合がある。そこで、図5ないし7に示した実施例2ないし4のように電極11の形状を変更してもよい。図5に示した実施例2の電極11は、半円形の断面を有し、この断面形状が電極11の長手方向に連続する。図6に示した実施例3の電極11は、三角形の断面を有し、この断面形状が電極の長手方向に連続する。実施例2及び実施例3の装置では、電極11と鋼板2の接点が線になるので、電極11と鋼板2に隙間が生じない。図7に示した実施例4の電極11は、四角柱の右上及び左上の角をその長手方向に沿って面取りした形状である。実施例2及び3に係る電極11に比べて、電極11と鋼板2との接触面積が大きいので、安定して鋼板2を支持することができる。実施例2ないし4の装置1は、電極11の形状以外は実施例1の装置1と同様の構成である。
図8の実施例5の装置1について説明する。実施例5の装置は、絶縁性ブロック12の構成が異なる点を除いては図7の実施例4の装置1と同様の装置構成である。実施例5の絶縁性ブロック12は、鉄又はステンレス鋼等からなるブロック本体122を、耐熱性を有する弾性絶縁体126で覆うことにより、ブロック本体122が鋼板2に対向する面に絶縁層121を形成している。弾性絶縁体126は鋼板2に対して隙間なく密着することができるため、セラミックスなどの硬質材料に比べて鋼板2を電極11に対して隙間なく押し付けることができる。ブロック本体122は、角を面取りすることにより角からひび割れが生じないようにしてある。弾性絶縁体126としては、耐熱布が好適に使用できる。耐熱布としては、例えば、グラスウールマット、セラミックブランケット、ロックウールなど、耐熱性繊維をニードルパンチして仕上げた不織布を使用することができる。
図9及び図10の実施例6に係る装置1について説明する。実施例6の装置1は、左右一対の電極単位を備える。それぞれの電極単位は一つの電極11と二つの絶縁性ブロック12とから構成される。絶縁性ブロック12の数は、装置2に載せる鋼板2の枚数に応じて増やしてもよい。二つの絶縁性ブロック12は、アクチュエーターとして、それぞれに独立して油圧シリンダに接続されるロッド125が設けられているので、図9に示したように、鋼板2ごとに絶縁性ブロック12を電極11に対して接近又は離隔することができる。したがって、複数枚の鋼板2をまとめて同時に加熱することもできるし、所定の枚数ごとに加熱することもできる。つまり、大量生産にも少量生産にも対応することができる。また、図10に示したように、幅の広い1枚の鋼板2を加熱することもできる。実施例6の装置1では、加熱できる鋼板2の幅を自由に選択することができため、本装置1を種々の部品の焼き入れに利用することが可能である。本実施例では、絶縁性ブロック112の数を二つにしたが、それぞれの絶縁性ブロック112の幅を小さくし、かつその数を増加させれば、様々な幅を有する鋼板2と電極11をより確実に密着させることが可能になる。また、電極11をより長くして、絶縁性ブロック12の数を増やせば幅の広い鋼板2を密着させることも可能である。電極11は給電線112を介して電源113に接続される。絶縁性ブロック12の構成及び電極11の形状等は上記実施例1ないし5のように変更することができる。コイルスプリング123の数などは適宜変更してもよい。電極11の長さは、実施例1ないし5に比較して長くなるが、問題なく加熱することができる。
実施例6の装置1では、一つの電極11は、一本の給電線112と一つの電気回路とを含む。すなわち、加熱する鋼板2ごとに複数本の給電線と複数個の電気回路を準備する必要がないので装置構成を簡素にすることができるし、電極一つ当たりの重量も小さくすることができる。
以下、実施例5(図8)の装置及び図12の装置を使用して、ドイツ工業規格22MnB5相当の鋼板に焼き入れを行った。この鋼板の変態開始温度(AC1)は810℃から840℃であるとされており、変態完了温度(AC3)は850℃であるとされている。鋼板の厚み、幅、及び長さが同じ鋼板を2枚用意して、実施例5と図12の装置でそれぞれ加熱する。実施例5の装置では、絶縁性ブロックとしてステンレス鋼のブロックの角を面取して作成したブロック本体122を厚さ5mmのグラスウールマットで包んだものを使用した。鋼板の左右の端部にはそれぞれ、油圧シリンダのロッド及びコイルスプリングを介して4kNの圧力が鋼板の上方から掛かるようにして、鋼板を下側の電極に密着させて固定した。一方、図12の装置では、鋼板の左右の端部を上方から4kNの圧力が鋼板の上方から掛かるようにして、鋼板を下側の電極に密着させて鋼板を固定した。
このようにして鋼板を固定した状態で、両装置に固定した鋼板に12000アンペアの電流を供給した。7秒間通電した後に、通電を停止して鋼板を冷却した。その後、鋼板の外観を目視で確認した。図13に実施例5の装置で加熱した鋼板の一端部分を示す。図中の上方向が鋼板の中央の方向である。鋼板の下端の破線に沿って電極を接面した。図13においてハッチングを付していない部分41は加熱前の原料鋼板と色彩に変化がなかった。幅の広いハッチングを付した部分42は、焼き入れによりやや黄色がかった色彩になった。この黄色は鋼板が焼けたことに起因するものであって、均一に焼入されたことを示す。図示は省略するが、実施例5の装置を使用して加熱した鋼板では電極を接面した両端部を除いて均一に黄色がかった色彩に変色した。鋼板の加熱中に黄色に変色した部分41の温度を計測してみたところ、変態完了温度(AC3)を超える約870℃になっていることが確認された。
図14に図12の装置で加熱した鋼板の一端部分を示す。鋼板の下端の破線に沿って電極を設置した。図12の装置で加熱した場合も電極を接面した領域では、原料鋼板の色彩と変化がなく、この領域は焼き入れされないことが確認された。しかし、電極の周辺に黒色の部分43や、黄色から褐色に変色した部分44や、原料鋼板と同じ色彩の部分45が現れることが確認された。図13では、黒色の部分43を黒く塗りつぶし、部分44にはクロスハッチングを施した。黒色の部分43は鋼板が過度に加熱されて鋼板が焦げたために生じた。黄色から褐色の部分44は、黒色の部分43ほどではないが加熱されすぎて焦げた箇所である。原料鋼板と同じ色彩の部分44は加熱が不足した個所である。図13から明らかなように、電極周辺には、加熱されすぎた箇所と加熱が不足した個所が混在することが確認された。
次に、上述のようにして加熱した鋼板を冷却することなく速やかにプレス機に搬送して、プレス型で成形しながら抜熱して、ドアビームを製造した。実施例5の装置で加熱した鋼板を使用したドアビームではビーム全体にわたって均一な強度を有するドアビームを製造することができた。一方、図12の装置で加熱した鋼板を使用してドアビームではビームの両端部の強度が均一でなく、両端部の周辺に応力が集中すると容易に変形してしまい、期待される性能を発揮することができなかった。そこで、鋼板の両端部を切断して、ドアビームを製造したが、鋼板の歩留まりが低下してしまった。
1 通電加熱装置
11 電極
111 ベース
112 給電線
113 電源
12 絶縁性ブロック
121 絶縁層
122 ブロック本体
123 コイルスプリング
124 板
125 ロッド(アクチュエーター)
2 鋼板
3 電流
31 迷走電流
11 電極
111 ベース
112 給電線
113 電源
12 絶縁性ブロック
121 絶縁層
122 ブロック本体
123 コイルスプリング
124 板
125 ロッド(アクチュエーター)
2 鋼板
3 電流
31 迷走電流
Claims (6)
- 鋼板に電流を供給する電極と少なくとも一つの絶縁性ブロックとからなる電極単位を複数有する鋼板の通電加熱装置であって、
鋼板の一方の部分は複数の電極単位の内の一方を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に挟まれ、
鋼板の他方の部分は複数の電極単位の内の他方を構成する電極と絶縁性ブロックとの間に挟まれ、
絶縁性ブロックと電極によって鋼板を固定した状態で一方と他方の電極単位の間に通電することを特徴とする鋼板用通電加熱装置。 - それぞれの電極単位はアクチュエーターを備えており、鋼板に電流を供給する電極の位置は上下方向に対して固定され、絶縁性ブロックはアクチュエーターによって電極に対して接近又は離隔するように構成される請求項1に記載の鋼板用通電加熱装置。
- それぞれの電極単位はアクチュエーターを備えており、鋼板に電流を供給する電極の位置は上下方向に対して固定され、該電極は下方から鋼板を支え、絶縁性ブロックはアクチュエーターによって電極に対して上方から接近又は離隔するように構成される請求項1に記載の鋼板用通電加熱装置。
- それぞれの電極単位は、鋼板に電流を供給する一つの電極と複数の絶縁性ブロックとからなり、複数の絶縁性ブロックのそれぞれに独立してアクチュエーターを配置して構成される請求項1ないし3のいずれかに記載の鋼板用通電加熱装置。
- それぞれの電極単位は、絶縁性ブロックとアクチュエーターの間に弾性部材を備えるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼板用通電加熱装置。
- 絶縁性ブロックは、ブロック本体の鋼板に対向する面に絶縁層を形成することで構成される請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼板用通電加熱装置。
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---|---|---|---|
JP2012230674 | 2012-10-18 | ||
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