JPWO2014034685A1 - マイクロrnaによる関節リウマチの診断 - Google Patents

マイクロrnaによる関節リウマチの診断 Download PDF

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宣 伊藤
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Abstract

本発明は、関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法であって、(a)被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する工程;並びに(b)工程(a)において測定した発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける工程を含む、方法を提供する。

Description

本発明は、関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法、及びそれに使用する診断薬等に関する。
関節リウマチ(RA)は破壊性関節炎を特徴とする全身性の炎症性疾患であり、その罹患率は全世界的に人口の1%と言われ、日本国内では70-100万人の患者が存在すると言われており、更に毎年1.5万人が新規に発病している。近年、関節リウマチにおける非可逆的な関節破壊が従来予測されていたより早期から始まることが明らかとなったことから、高い関節破壊抑制作用を示す生物学的製剤を早期から積極的に使用することが推奨されており、関節リウマチの早期診断の重要性が高まっている。
マイクロRNA(miRNA)は約22塩基長の短鎖RNA分子であり、標的遺伝子のメッセンジャーRNAの3’非翻訳領域中の相補的配列に結合することでその翻訳を抑制する。miRNAは様々な生命現象を調節することが知られており、全遺伝子の1/3がmiRNAにより発現調節されていると推測されている。2008年には、RNA分解酵素が存在するためRNAが存在しないと長年考えられていた血漿中にmiRNA(miR-141)が存在し、前立腺癌のバイオマーカーとして使用可能であることが示されている(非特許文献1)。
一方、本発明者らは、細胞内に存在するmiRNAで関節リウマチと関連することが報告されていたmiR-16、miR-132、miR-146a、miR-155、miR-223の血漿中濃度を測定することで、関節リウマチの判定及び病勢判断を行なうことができることを明らかにした(特許文献1)。
国際公開第2011/126105号パンフレット
Proc Natl Acad Sci USA 2008, 105: 10513-10518
2010年に発表された関節リウマチの新分類基準によれば、診断時のスコアリングにおいてはリウマチ因子や抗CCP抗体のスコアが大きなウエイトを占めるため、これらの検査項目の陽性症例では関節腫脹が少数でも関節リウマチと診断することが可能であるのに対して、陰性症例では関節腫脹が11箇所以上存在しないと関節リウマチと診断できない。70-100万人といわれる日本国内の関節リウマチ患者のうち、3割で抗CCP抗体が陰性と予想されている。従って、現在の診断基準によれば抗CCP抗体陰性症例では診断が遅れてしまうため、抗CCP抗体陰性症例でも早期に関節リウマチの診断が可能な診断マーカーが必要とされている。
以上の事情に鑑み、本発明は、抗CCP抗体、リウマチ因子等の自己抗体とは異なるカテゴリーに属する関節リウマチのマーカー、特に自己抗体に関して陰性の症例に対しても適用できるマーカーを確立し、関節リウマチの罹患の有無及び関節リウマチ患者における症状の進行度(即ち、病勢)を判定する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、関節リウマチ患者と健常者の血漿中のmiRNA濃度を網羅的に調べた。その結果、関節リウマチ患者の血漿中で健常者よりも有意に発現レベルが高いmiRNA(miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5p)を見出した。これらのmiRNAのうち、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pをマーカーとした場合、関節リウマチの判定における感度及び特異度は、最適なカットオフ値においてそれぞれ63.7%/89.5%、53.9%/94.3%及び64.7%/89.5%であった。従来より関節リウマチの判定に用いられている最も有名なマーカーであるリウマチ因子及び抗CCP抗体の感度及び特異度は、それぞれ54%/91%及び48%/98%と報告されている(ARTHRITIS & RHEUMATISM 2000, 43(1): 155-163)。miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pのいずれもこれまでに疾患との関連性は報告されておらず、周知の関節リウマチ判定のマーカーに匹敵する高い感度及び特異度が得られたことは全く予想外であった。またmiR-24、miR-30a-5p、miR-125a-5pの3つのmiRNAを組合わせた複合値(ePRAM, estimated Probability of RA using MicroRNA)では、感度78.4%、特異度92.3%の検査を実施することができ、更に既存の抗CCP抗体とこれら3つのmiRNAを組合わせることで、感度94.1%、特異度95.2%の検査を実施することができた。更に、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pの発現レベルには抗CCP抗体陽性例と陰性例とで顕著な差異は認められず、抗CCP抗体陰性例についての関節リウマチの判定においても有用であることが明らかとなった。
また本発明者らは、関節リウマチ患者の血漿中のmiRNAの濃度の絶対値又はその対数と関節リウマチの指標(VAS、DAS28(ESR)及びDAS28(CRP))との相関を検討した。その結果、miR-24、miR-26a、miR-30c、miR-126-3p及びmiR-502-5pとVAS;miR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pとDAS28(ESR);並びにmiR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pとDAS28(CRP)で相関が認められ、これらのmiRNAが病勢マーカーとして使用できることを見出した。これらのmiRNAと関節リウマチとの関連は、これまでに全く報告されていなかった。
本発明者らは、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法であって、
(a)被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定し、該発現レベルを試料中の内部標準miRNAの発現レベルを用いて補正する工程
を含む、方法。
[2]更に、以下の工程、
(b)工程(a)において測定した発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける工程
を含む、[1]に記載の方法。
[3]工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する、[3]に記載の方法。
[5]更に、
(a’)被験者の血液由来試料中の抗CCP抗体レベルを測定する工程
を含み、工程(b)において、工程(a)において測定した発現レベル及び工程(a’)において測定した抗CCP抗体レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける、[3]又は[4]に記載の方法。
[6]被験者が抗CCP抗体陰性である、[3]又は[4]に記載の方法。
[7]血液由来試料が、血漿である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]被験者がヒトである、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いは
miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
及び
miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
を含む、関節リウマチの病態を判定するための診断薬。
[10]miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いは
miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
及び
miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
を含む、[9]に記載の診断薬。
[11]miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
及び
miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
を含む、[10]に記載の診断薬。
[12]更に、環状シトルリン化ペプチドを含む、[9]〜[11]のいずれかに記載の診断薬。
[13]内部標準miRNAがmiR-30a-5pである、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[14]miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーをさらに含む、[9]〜[12]のいずれかに記載の診断薬。
[1’]関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法であって、
(a)被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する工程;並びに
(b)工程(a)において測定した発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける工程を含む、方法。
[2’]工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する、[1’]に記載の方法。
[3’]工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する、[2’]に記載の方法。
[4’]更に、
(a’)被験者の血液由来試料中の抗CCP抗体レベルを測定する工程
を含み、工程(b)において、工程(a)において測定した発現レベル及び工程(a’)において測定した抗CCP抗体レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける、[2’]又は[3’]に記載の方法。
[5’]被験者が抗CCP抗体陰性である、[2’]又は[3’]に記載の方法。
[6’]血液由来試料が、血漿である、[1’]〜[5’]のいずれかに記載の方法。
[7’]被験者がヒトである、[1’]〜[6’]のいずれかに記載の方法。
[8’]miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いは
miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及び
miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
を含む、関節リウマチの病態を判定するための診断薬。
[9’]miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いは
miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及び
miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
を含む、[8’]に記載の診断薬。
[10’]miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含む、[9’]に記載の診断薬。
[11’]更に、環状シトルリン化ペプチドを含む、[8’]〜[10’]のいずれかに記載の診断薬。
本発明により、リウマチ因子や抗CCP抗体のような従来のマーカーを利用せずに、関節リウマチの罹患の有無の判定及び関節リウマチ患者における病勢の判定が可能となる。また従来のマーカーに匹敵する高い感度及び特異度が得られるため、本発明により関節リウマチの罹患の有無の判定を正確に行なうことができる。更に本発明によれば、抗CCP抗体陰性であるために従来関節リウマチの早期診断が困難であったような患者に対しても、関節リウマチの罹患の有無の判定を早期に行なうことが可能となる。
健常人(HC)から関節リウマチ患者(RA)を識別するための、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pのROC曲線分析の結果を示す。(上パネル)ROC曲線。縦軸は感度を、横軸は1-特異度を示す。(下パネル)RA及びHCの血漿サンプルにおける各miRNAの濃度分布。縦軸はサンプル数を、横軸は血漿中濃度(pM)を示す。(下表)各miRNAについてのカットオフ値、感度及び特異度。 miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの3つのmiRNAを組合わせた複合値のROC曲線分析の結果を示す。(A)各miRNAの尤度比カイ2乗(Likelihood ratio chi-square)及びp値。(B)ROC曲線。縦軸は感度を、横軸は1-特異度を示す。(C)RA及びHCの血漿サンプルにおける複合値の分布。縦軸はサンプル数を、横軸は複合値(ePRAM)を示す。(D)ePRAMについてのカットオフ値、感度及び特異度。 抗CCP抗体の有無とmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの3つのmiRNAとを組合わせた複合値(ePRAM-C)のROC曲線分析の結果を示す。(左上表)CCP定性[-]及び各miRNAの尤度比カイ2乗及びp値。(左下パネル)RA及びHCの血漿サンプルにおける複合値の分布。縦軸はサンプル数を、横軸はePRAM-Cを示す。点線はカットオフ値を示す。(右パネル)ROC曲線。縦軸は感度を、横軸は1-特異度を示す。 RA(抗CCP抗体(ACPA)陽性例)、RA(抗CCP抗体陰性例)及びHCの血漿サンプルにおけるmiR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pの濃度分布、並びにmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの複合値(ePRAM)の分布を示す。縦軸は、サンプル数の各グループ総サンプル数に対する割合(%)を、横軸は血漿中濃度又は複合値を示す。 変形性関節症(OA)及び全身性エリテマトーデス(SLE)患者の臨床上の特徴を示す。 変形性関節症(OA)及び全身性エリテマトーデス(SLE)患者の血漿中の、miR-24及びmiR-125a-5pの濃度分布(pM)、並びにmiR-24及びmiR-125a-5pの複合値(ePRAM)の分布を示す。グレーの領域は、関節リウマチとして診断された被験者における各miRNAの濃度及びePRAMの範囲を示す。
1.関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法
本発明は、関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法であって、
(a)被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定し、該発現レベルを試料中の内部標準miRNAの発現レベルを用いて補正する工程を含む、方法(以下、本発明の検査方法ともいう)を提供するものである。
上記(a)の工程において、好ましくは、miR-24及びmiR-125a-5pのみの発現レベルを測定する。より好ましくは、該発現レベルを内部標準miRNAの発現レベルを用いて補正する。最も好ましくは、内部標準としてmiR-30a-5pを用いた、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する。
本発明の方法は、通常、in vitroで実施される。
本発明において関節リウマチの病態を判定するとは、被験者が関節リウマチの症状の進行におけるいずれの段階にあるかを判定することを意味し、被験者の関節リウマチの症状の進行度(即ち、病勢)を判定することのみならず、被験者が関節リウマチを発症しているか否かを判定すること、及び関節リウマチの予後の良否を判定することも含まれる。本発明の検査方法は、関節リウマチ患者においてmiR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pの発現レベルと従来の関節リウマチの指標(VAS、DAS28(ESR)及びDAS28(CRP))との間に相関が認められたこと、並びに関節リウマチ患者の血漿中で健常者よりも有意に発現レベルが高いmiRNA(miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5p)を見出したことに基づいており、被験者の血液由来試料を検査することにより、関節リウマチの病態を高精度で判定することができる。
出願人らは、関節リウマチ患者の血漿中で健常者よりも有意に発現レベルが高い上記miRNAが、軟骨組織の破壊や一般的な全身性自己免疫反応には影響されないこと、つまり、変形性関節症や全身性エリテマトーデスでは該miRNAの発現レベルが健常人のものと有意な差がないことを示した。即ち、本発明のmiRNAの発現レベルを測定することで、関節リウマチではあるが、変形性関節症及び全身性エリテマトーデスではないことを判定することが可能である。
従って、さらなる局面において、本発明によれば、被験者が関節リウマチの症状の進行におけるいずれの段階にあるかを判定し、且つ、変形性関節症及び全身性エリテマトーデスには罹患していないことを判定することが可能である。当該判定を行う上で指標として用い得るmiRNAは、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pであり、好ましくは、miR-24及びmiR-125a-5pである。
本発明における被験者は、任意の哺乳動物であってよいが、好ましくは関節リウマチに罹患しているか又は罹患していることが疑われる哺乳動物である。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類及びウサギ等の実験動物、イヌ及びネコ等のペット、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ及びヒツジ等の家畜、ヒト、サル、オランウータン及びチンパンジー等の霊長類等が挙げられ、特にヒトが好ましい。被験者は、関節リウマチの病態を示していても示していなくてもよく、また関節リウマチに対する治療を受けていても受けていなくてもよい。
本発明の好ましい一態様として、被験者は抗CCP抗体陰性である。後述の実施例に示すように、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pの発現レベルについては、抗CCP抗体陽性例と陰性例とで顕著な差異が認められない。そのため、被験者が抗CCP抗体陰性であっても、これらのmiRNAの発現レベルに基づき関節リウマチの病態の判定が可能である。
被験者の血液由来試料としては、例えば、血液、血清、血漿等が挙げられ、試料調製の容易さ、検出感度等の観点から血清もしくは血漿が好ましい。血液由来試料は、被験者から採取した末梢血試料から自体公知の方法で調製することができる。採血から検査まで時間がかかる場合は、血液由来試料(但し、血液を除く)を凍結保存(例えば-20℃)しておくことも可能である。
工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル(好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、より好ましくは、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル)を測定する。また、miR-30a-5pが内部標準であることを参酌すれば、miR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定することも好ましく、内部標準として機能することが確かめられたmiR-30a-5pを含む、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定することが最も好ましい。これらのmiRNAは、既に公知の分子であり、生物種毎に対応する分子が存在する。配列情報は、miRBase(http://www.mirbase.org/)等のデータベースから入手可能である。本明細書中、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30a-5p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pは、被験者の生物種において天然に存在している分子を意味する。例えば、本発明における被験者がヒトである場合、下記表1に示すように、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30a-5p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pは、それぞれhsa-miR-24(配列番号1で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000080として登録されている(has-miR-24-3pとも呼ばれる))、hsa-miR-26a(配列番号2で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000082として登録されている(has-miR-26a-5pとも呼ばれる))、hsa-miR-28-5p(配列番号3で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000085として登録されている)、hsa-miR-28-3p(配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0004502として登録されている)、has-miR-30a-5p(配列番号10で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000087として登録されている)、hsa-miR-30c(配列番号5で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000244として登録されている(has-miR-30c-5pとも呼ばれる))、hsa-miR-30e-3p(配列番号6で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000693として登録されている)、hsa-miR-125a-5p(配列番号7で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000443として登録されている)、hsa-miR-126-3p(配列番号8で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0000445として登録されている)及びhsa-miR-502-5p(配列番号9で表されるヌクレオチド配列からなり、miRBaseにAccession No. MIMAT0002873として登録されている)を意味する。
miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30a-5p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pの各miRNAは、天然で生じる多型、突然変異等による変異(ヌクレオチドの置換、欠失、挿入又は付加)を含んでもよく、従って、工程(a)においては、そのような変異を含むmiRNAの発現レベルが測定されてもよい。
miRNAの発現レベルは、各miRNA又はその相補的核酸(cRNA又はcDNA)を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを用いて、ハイブリダイゼーション、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の自体公知の方法により測定することが出来る。該測定方法としては、例えば、miRNAアレイ、ノザンブロッティング、定量PCR(リアルタイムPCR等)等を挙げることができる。
miRNAの発現レベルの測定は、被験者の血液由来試料から抽出したmiRNAを対象として行なう。miRNAを抽出する方法は、被験者の血液由来試料から、miRNAを含むRNA(例えば、total RNA)を抽出する方法である限り特に限定されず、例えば、市販の試薬やキット(例えば、フェノールベース試薬Tripure Isolation Reagent(Roche Applied Science)、液体試料用フェノールベース試薬ISOGEN-LS(ニッポンジーン)等)を添付のプロトコールに従って用いることによって、miRNAを含むRNAを抽出することができる。
また被験者の血液由来試料からmiRNAを含むRNAを抽出した後、更にmiRNAを単離してもよい。miRNAの単離は、自体公知の方法により行なうことができ、例えば、市販の試薬やキット(例えば、RNeasy Mini Column(Qiagen)、High Pure miRNA Isolation Kit(Roche Applied Science)等)を添付のプロトコールに従って用いることによって実施することができる。ここで「miRNAの単離」とは、miRNA以外の成分を除去する操作がなされていることを意味する。
miRNAの発現レベルの測定においては、上記miRNAの抽出及び単離に起因する試料間のばらつきを補正するために、適切な内部標準でmiRNAの発現レベルを補正することが好ましい。内部標準は、被験者の血液由来試料に天然に含まれており、且つ関節リウマチ患者と健常者とで統計学上有意な差を示さないことが公知の任意の成分であれば特に限定されない。例えば、血液由来試料が血漿の場合、miR-93-3p、miR-223-3p、miR-550、miR-339-3p、miR-30a-5pを内部標準とすることができる。一例として、後述のmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを組合わせた複合値の計算においては、miR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルの測定誤差が、miR-30a-5pを内部標準として補正されている。或いは、被験者の血液由来試料に天然には含まれないmiRNAを、内部標準として上記miRNAの抽出及び単離を行なう前に当該試料に添加してもよい。例えば、被験者がヒトの場合、C. elegans miRNA cel-miR-39を内部標準とすることができる。
本明細書において、核酸プローブが「miRNA又はその相補的核酸を特異的に検出し得る」とは、核酸プローブがmiRNA又はその相補的核酸に対して、当該miRNA又はその相補的核酸以外の核酸に対するよりも高いアフィニティーを有することにより、適切なハイブリダイゼーション条件下で当該miRNA又はその相補的核酸にはハイブリダイズするが、その他の核酸へはハイブリダイズしないことを意味する。
このようなハイブリダイゼーションの条件は、当業者であれば適宜選択することができる。ハイブリダイゼーションの条件として、例えば低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば42℃、5×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、2×SSC、0.1%SDSの条件である。より好ましいハイブリダイゼーションの条件としては、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、0.1×SSC、0.1%SDSである。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては、温度や塩濃度等の複数の要素があり、当業者はこれらの要素を適宜選択することで、同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
miRNA又はその相補的核酸を特異的に検出し得る核酸プローブとしては、例えば、当該miRNAのヌクレオチド配列の一部又は全部に相補的な約10塩基以上(例えば、10〜24塩基、好ましくは15〜24塩基の連続したヌクレオチド配列又はその相補配列を含み、当該miRNA又はその相補的核酸にハイブリダイズすることが可能なポリヌクレオチドを挙げることができる。そのような核酸プローブは、本明細書に記載されたヌクレオチド配列の情報等に基づいて、自体公知の方法により適宜設計することができる。例えば、配列番号1〜10で表される各ヌクレオチド配列からなるmiRNA又はその相補的核酸は、それぞれ配列番号11〜20で表される各ヌクレオチド配列又はその相補配列を含むポリヌクレオチドを核酸プローブとして検出することができる。
本明細書において、核酸プライマーが「miRNA又はその相補的核酸を特異的に検出し得る」とは、核酸プライマーが、適切なPCR反応条件下において、当該miRNA又はその相補的核酸を鋳型として、その全部又は一部の領域をPCR増幅するが、当該miRNA又はその相補的核酸以外の核酸を鋳型として、その全部又は一部の領域をPCR増幅しないことを意味する。
miRNAを特異的に検出し得る核酸プライマーは、当該miRNA又はその相補的核酸のヌクレオチド配列の一部又は全部の領域を特異的に増幅し得るように設計されたものであればいかなるものであってもよい。PCRによるmiRNAの定量は、通常、ポリ(A)ポリメラーゼにより3'末端にポリ(A)配列を付加し、逆転写反応によりcDNAを合成した後、当該cDNAを定量することにより行なう。この場合、各miRNAの相補的核酸(cDNA)のヌクレオチド配列の一部にハイブリダイズする、約10塩基以上(例えば、10〜24塩基、好ましくは15〜24塩基)のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(フォワードプライマー)と、このハイブリダイゼーション部位より3’側の当該cDNA配列の相補配列の一部にハイブリダイズする、約10塩基以上(例えば、10〜24塩基、好ましくは15〜24塩基)のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(リバースプライマー)との組合わせにより、各miRNA又はその相補的核酸のヌクレオチド配列の一部又は全部の領域を特異的に増幅し得る。フォワードプライマー及びリバースプライマーは、各miRNA又はその相補的核酸のヌクレオチド配列、前記逆転写反応の際に使用するプライマーの配列等の情報に基づき、自体公知の方法により適宜設計することができる。例えば、配列番号1〜10で表される各ヌクレオチド配列からなるmiRNAの相補的核酸の特異的な増幅には、それぞれ配列番号11〜20で表される各ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドをフォワードプライマーとして使用することができる。
核酸プローブ及び核酸プライマーは、特異的検出に支障を生じない範囲で付加的配列(検出対象のポリヌクレオチドと相補的でないヌクレオチド配列)を含んでいてもよい。
また、核酸プローブ及び核酸プライマーは、適当な標識剤、例えば、放射性同位元素(例:125I、131I、H、14C、32P、33P、35S等)、酵素(例:β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等)、蛍光物質(例:フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネート等)、発光物質(例:ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニン等)、ビオチン等で標識されていてもよい。あるいは、蛍光物質(例:FAM、VIC等)の近傍に該蛍光物質の発する蛍光エネルギーを吸収するクエンチャー(消光物質)がさらに結合されていてもよい。かかる実施態様においては、検出反応の際に蛍光物質とクエンチャーとが分離して蛍光が検出される。
核酸プローブ及び核酸プライマーは、DNAであってもRNAであってもよく、またDNA/RNAキメラであってもよいが、好ましくはDNAである。また核酸プローブ及び核酸プライマーは、一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、通常一本鎖である。
核酸プローブ及び核酸プライマーは、人工的な修飾を有する核酸の誘導体であってもよい。人工的な修飾を有する核酸の誘導体としては、例えば、ホスホロチオエート型、ボラノフォスフェート型DNA/RNA等のリン酸骨格を修飾したもの;2'-OMe修飾RNA、2'-F修飾RNA等の2'修飾ヌクレオチド;LNA(Locked Nucleic Acid)やENA(2'-O,4'-C-Ethylene-bridged nucleic acids)等のヌクレオチドの糖分子を架橋した修飾ヌクレオチド;PNA(ペプチド核酸)、モルフォリノヌクレオチド等の基本骨格が異なる修飾ヌクレオチド;5-フルオロウリジン、5-プロピルウリジン等の塩基修飾型ヌクレオチド等が挙げられるがこれらに限定されない。
上記核酸プローブ及び核酸プライマーは、例えば、本明細書に記載されたヌクレオチド配列の情報に基づいて、DNA/RNA自動合成機を用いて常法に従って合成することができる。
測定対象のmiRNA又はその相補的核酸を特異的に検出し得る核酸プローブを、適切な支持体の上に結合して、核酸アレイとして提供してもよい。支持体としては、当該分野で通常用いられている支持体であれば特に限定されず、例えば、メンブレン(例えば、ナイロン膜)、ビーズ、ガラス、プラスチック、金属等が挙げられる。
本発明の方法は、以下の工程(b)を含んでいてもよい。
(b)工程(a)において測定した発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける工程。
工程(b)では、工程(a)において測定した被験者の血液由来試料中のmiRNAの発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける。
被験者の血液由来試料中のmiRNAの発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付けるとは、工程(a)で得られた被験者のデータが関節リウマチの病態を示唆(又は指示)するものであるか否かを決定することをいう。被験者のデータと関節リウマチの病態との関連付けは、通常、被験者のデータと関節リウマチ患者から得られたデータとの比較、被験者のデータと非関節リウマチ患者から得られたデータとの比較、又は被験者のデータと健常者から得られたデータとの比較により行なう。被験者のデータが、関節リウマチ患者のデータと統計学的に有意差(通常、p<0.05)を示さなければ、被験者のデータと関節リウマチとを関連付けることができる。また被験者のデータが、非関節リウマチ患者又は健常者のデータと統計学的に有意差(通常、p<0.05)を示せば、被験者のデータと関節リウマチとを関連付けることができる。これにより、被験者が関節リウマチに罹患していると判定すること、被験者の関節リウマチの症状の進行度(即ち、病勢)を判定すること、及び関節リウマチの予後の良否を判定することが可能となる。
当業者であれば、過度な試行錯誤なく、適宜、前記miRNAの発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付けることができる。
後述の実施例に示すように、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pの発現レベルは、関節リウマチ患者において健常者よりも有意に(p<0.05)高かった。またmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを組合わせた複合値は、関節リウマチ患者において健常者よりも有意に(p<0.05)高かった。即ち、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル(好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル、より好ましくは、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル)が、非関節リウマチ患者又は健常者のデータと比較して統計学上有意に(通常、p<0.05)高ければ、当該被験者は関節リウマチに罹患していると判定することができる。
上記の関連付けは、測定した被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル(好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル、より好ましくは、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル)を、あらかじめ求めておいた、関節リウマチを発症した多数の患者、又は多数の健常者についての当該miRNAの発現レベルの平均値と比較してもよい。
また血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル(好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル、より好ましくは、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル)のカットオフ値をあらかじめ設定しておき、被験者のデータとこのカットオフ値とを比較してもよい。例えば、被験者の血液由来試料中の当該miRNAの発現レベルがカットオフ値以上である場合には、当該被験者のデータと関節リウマチの病態とが関連付けられ、被験者が関節リウマチを患っていると判定することができる。
「カットオフ値」は、その値を基準として疾患の判定をした場合に、高い診断感度(有病正診率)及び高い診断特異度(無病正診率)の両方を満足できる値である。例えば、関節リウマチを発症した個体で高い陽性率を示し、かつ、関節リウマチを発症していない個体で高い陰性率を示す値をカットオフ値として設定することが出来る。
カットオフ値の算出方法は、この分野において周知である。例えば、関節リウマチを発症した個体及び関節リウマチを発症していない個体における血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル(好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、より好ましくは、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル、なおもより好ましくはmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル)を測定し、測定された値における診断感度及び診断特異度を求め、これらの値に基づき、市販の解析ソフトを使用してROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を作成する。そして、診断感度と診断特異度が可能な限り100%に近いときの値を求めて、その値をカットオフ値とすることができる。
また、関節リウマチ患者において、従来の関節リウマチの指標(CRP、ESR、VAS、DAS28(ESR)及びDAS28(CRP))の数値が高くなるに従って、miR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pの発現レベルが高くなる傾向が認められた。即ち、被験者が関節リウマチ患者である場合において、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベルと従来の関節リウマチの指標との正の相関に基づき、病勢を判定することができる。例えば、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベルが相対的に高いほど、関節リウマチの症状がより進行していると判定することができる。この場合、多数の関節リウマチ患者の血液由来試料中の当該miRNAの発現レベルの分布図等を利用して、被験者の当該miRNAの相対的な発現レベルを調べ、病勢を判定することができる。
尚、本発明の検査方法においては、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNA(好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNA、より好ましくは、miR-24及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNA)の発現レベルを測定すれば足りるが、これらのmiRNAのうちの複数(例えば2以上、好ましくは3以上)の発現レベルを測定し、関節リウマチの病態と関連付けることにより、より高い精度で関節リウマチの病態の判定を行なうことができる場合がある。また後述の実施例に示すように、これらのmiRNAのうちmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルと、内部標準であるmiR-30a-5pの発現レベルに基づき、特に高精度で関節リウマチの罹患の有無を判定することが可能である。複数のmiRNAの発現レベルを測定して関節リウマチの病態と関連付ける場合、当該複数のmiRNAの複合値を用いて前記の関連付けを行うことができる。例えば、「miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの複合値(ePRAM)」を求める場合には、各miRNAの発現レベル(単位はpM)に基づき、x=1.797 - 0.773×miR-24 + 0.141×miR-30a-5p - 15.6×miR-125a-5pとしてePRAM=exp(-x)/(1+exp(-x))により算出することができる。
複合値(ePRAM)の解析は、所望の効果が得られるのであれば、いかなる方法を用いて行われても良いが、例えば、多変量ロジスティック回帰分析で求めた計算式を用いて解析することができる。関節リウマチの病勢を多変量ロジスティック回帰分析によって解析する際に対象とし得るmiRNAとしては、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p、miR-30a-5pが挙げられ、これらの発現レベルの値を組み合わせて解析することができる。対象とし得るmiRNAは、好ましくは、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pである。
複合値は、測定方法、人種や年齢に基づいて上記計算により調節しても良いし、上記に例示された以外のmiRNAを用いることもできる。内部標準としては、miR-30a-5p若しくは他の内部標準miRNAを用いても良いし、又は内部標準を用いなくても良い場合もある。
本発明の検査方法の好ましい態様において、上記miRNAの発現レベルに、更に公知の関節リウマチの診断における検査基準の1つである抗CCP抗体レベルを組合わせて複合値を算出し、これに基づき関節リウマチの病態を判定することができる。後述の実施例に示すように、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pの発現レベルは抗CCP抗体陽性例と陰性例とで顕著な差異が認められず、これらのmiRNAの発現レベルに基づき抗CCP抗体陰性例についての関節リウマチの判定も可能である。そのため被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベルと血清中の抗CCP抗体レベルを組合わせて、関節リウマチの病態との関連付けを行なうことで、高い感度及び特異度を得ることができる。また後述の実施例に示すように、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルと血清中の抗CCP抗体レベルを組合わせて、関節リウマチの病態との関連付けを行なうことで、特に高い感度及び特異度を得ることができる。miR-30a-5pは内部標準であるため、miR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを任意の内部標準で補正し、血清中の抗CCP抗体レベルを組合わせて、関節リウマチの病態との関連付けを行なうこともできる。
被験者の血清中の抗CCP抗体レベルは、自体公知の方法により測定することができる。例えば、抗CCP抗体の抗原である環状シトルリン化ペプチド(CCP:cyclic citrullinated peptide)(フィラグリンのシトルリン化部位を含む環状ペプチド)を利用したELISA(Arthritis Rheum., 43(1): p.155-63(2000)、Ann. Rheum. Dis., 64: p.1510-1512(2005))等により測定することができる。またMBL社のMESACUP-2もしくは、MEBChrom CCPテスト等の市販の抗CCP抗体の測定キットを使用してもよい。
関節リウマチの病態との関連付けは、例えば、上記miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベル並びに抗CCP抗体レベルから複合値(ePRAM-C)(x=3.075 - 614.386×miR-24 + 80.96×miR-30a-5p - 9292.79×miR-125a-p - 5.856×抗CCP抗体(陽性;1, 陰性;0)として、ePRAM-C=exp(-x)/(1+exp(-x)))を算出し、これに基づき上記と同様に行なうことができる。
上記関連付けに基づいて、被験者が関節リウマチに罹患していると判定した場合には、関節リウマチ治療薬を投与する等の適切な処置を施すことができる。また被験者の関節リウマチの病勢が進んだと判定した場合には、関節リウマチ治療薬の投与量を増加させる等の適切な処置を施すことができるし、一方、被験者の関節リウマチの病勢が衰えたと判定した場合には、関節リウマチ治療薬の投与量を減少させる等の適切な処置を施すことができる。
さらなる局面において、上記関連付けに基づいて、被験者が関節リウマチに罹患していると判定した場合には、同時に該被験者が変形性関節症及び全身性エリテマトーデスには罹患していないと判定することが可能である。そのような判定のためには、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベル、好ましくは、miR-24及び/若しくはmiR-125a-5pのmiRNAの発現レベルを測定し、上記方法により関連付けを行うことができる。
2.関節リウマチの病態を判定するための診断薬
本発明は、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いはmiR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含む、関節リウマチの病態を判定するための診断薬を提供するものである。好ましい態様において、本発明は、miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含む、関節リウマチの病態を判定するための診断薬を提供し、該診断薬は任意の内部標準miRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含んでいても良い。好ましい内部標準miRNAとして、miR-30a-5pが挙げられる。本発明の診断薬を用いれば、上記本発明の検査方法を容易に実施することができ、迅速且つ高精度で関節リウマチの病態を判定することが可能となる。
本発明の診断薬に含まれる核酸プローブ又は核酸プライマーの詳細は、「1.関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法」に記載の通りである。より具体的には、本発明の診断薬は、miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー;miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー;或いはmiR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含み、好ましくは、miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー;miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー;或いはmiR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含み、より好ましくは、miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー;或いはmiR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、及びmiR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含む。
本発明の診断薬は、測定対象の各miRNA又はその相補的核酸を特異的に検出し得る核酸プローブを、適切な支持体の上に結合して、核酸アレイとして提供してもよい。支持体としては、当該分野で通常用いられている支持体であれば特に限定されず、例えば、メンブレン(例えば、ナイロン膜)、ビーズ、ガラス、プラスチック、金属等が挙げられる。
本発明の診断薬に含まれる各構成要素は、各々別個に(或いは可能であれば混合した状態で)水又は適当な緩衝液(例:TEバッファー、PBS等)中に適当な濃度となるように溶解されるか、或いは凍結乾燥された状態で、適切な容器中に収容される。
本発明の診断薬は、miRNAの発現レベルの測定方法に応じて、当該方法の実施に必要な他の成分を構成として更に含んでもよい。本発明の診断薬により、例えば、miRNAアレイ、ノザンブロッティング、定量PCR(リアルタイムPCR等)等によりmiRNAの発現レベルを測定することにより、関節リウマチの病態を判定することができる。リアルタイムPCRを測定に用いる場合には、本発明の診断薬は、10×PCR反応緩衝液、10×MgCl2水溶液、10×dNTPs水溶液、Taq DNAポリメラーゼ(5 U/μL)、逆転写酵素等を更に含むことができる。miRNAアレイやノザンブロッティングを測定に用いる場合には、本発明の診断薬は、ブロッティング緩衝液、標識化試薬、ブロッティング膜等を更に含むことができる。
また本発明の診断薬は、抗CCP抗体レベルを測定するために必要な他の成分を構成として更に含んでもよい。そのような他の成分は、当該分野において公知であり、例えば、抗CCP抗体レベルをELISA等の免疫学的方法により測定する場合には、本発明の診断薬は環状シトルリン化ペプチドを含むことができる。環状シトルリン化ペプチドは、担体(例えば、メンブレン、ビーズ、ガラス、プラスチック、金属等)に固相化されていてもよい。また環状シトルリン化ペプチドの他に、被験者の抗CCP抗体に結合し得る標識抗IgG抗体等を更に含んでもよい。これにより、被験者の血清中の抗CCP抗体レベルを測定する工程を含む本発明の検査方法の好ましい態様を、効率よく実施することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例になんら限定されるものではない。
方法
(1)血漿試料の調製
本研究は、京都大学医学研究科及び医学部の倫理委員会により承認された。参加者206名(関節リウマチ患者(RA)102名、健常人(HC)104名)からインフォームドコンセントを得た。RAは、American College of Rheumatologyの基準(Arthritis Rheum 1988, 31:315-324)に従い診断した。末梢血を102名のRAから採取した。血液試料をEDTA-2Kの入ったチューブに採り、血漿を分離させた。試料を7分間1400 gで遠心分離し、分析を行なうまで-80℃にて凍結保存した。
(2)total RNAの調製
4 mlの血漿を氷上で融解し、4 mlのRNase Free Waterで希釈し、液体試料用のフェノールベース試薬Sepasol-RNA II(ナカライテスク)にて2回抽出した。RNA単離に起因する試料間のばらつきを標準化するために、1 pmol(20μl)の合成C. elegans miRNA cel-miR-39(北海度システムサイエンス)(ヒトには相同配列が存在しない)を、各変性試料に添加した。得られた液体試料をRT2-qPCR-Grade miRNA isolation kit (SABiosciences)に供し、製造者のプロトコールに従ってRNAを抽出した。
(3)miRNAの単離
150μlの血漿を氷上で融解し、600μlのフェノールベース試薬Tripure Isolation Reagent(Roche Applied Science)に溶解した。RNA単離に起因する試料間のばらつきを標準化するために、25 fmol(5μl)の合成C. elegans miRNA cel-miR-39(北海度システムサイエンス)(ヒトには相同配列が存在しない)を、各変性試料に添加した。試料を5分間静置し、0.15 mlのクロロホルムを添加し、15秒間激しく振盪し、3分間静置した後、4℃にて15分間12,000 gで遠心分離した。400μlの水相を分離することによりtotal RNAを調製した。次いで400μlの水相を600μlのエタノールと混合し、RNeasy Mini Column(Qiagen)にRNAを結合させ、700μlのBuffer RWT(Qiagen)1回、500μlのBuffer RPE(Qiagen)3回でカラムを洗浄し、37.5μlのRNase Free WaterにてmiRNAを単離した。
(4)miRNAアレイ解析
TaqMan human miRNA array pool A v3.0, B v2.0(Life Technologies)及びApplied BioSystems 7900 Real-Time PCR system(Life Technologies)を使用して、total RNAについてmiRNAアレイ解析を行なった。
(5)miRNAの逆転写及び定量的リアルタイムPCR
逆転写はNCode VILO miRNA cDNA Synthesis Kit(Invitrogen)を使用して製造者のプロトコールに従って行なった。リアルタイムPCRはEXPRESS SYBR GreenER qPCR SuperMix Universal(Invitrogen)及びApplied BioSystems 7500 Real-Time PCR System(Life Technologies)を使用して行なった。フォワードプライマーはNCode miRNAデータベース(Invitrogen)に従って設計した。また前記Kitに添付のプライマーをリバースプライマーとして使用した。データはSDS Relative Quantification Software version 2.06(Applied BioSystems)を使用して解析した。
使用したフォワードプライマーの配列は以下の通りである:
miR-24増幅用、5'-TGGCTCAGTTCAGCAGGAACA -3'(配列番号11)
miR-26a増幅用、5'-GATTTCAAGTAATCCAGGATAGGCT -3'(配列番号12)
miR-28-5p増幅用、5'-GGCAAGGAGCTCACAGTCTATTGAG -3'(配列番号13)
miR-28-3p増幅用、5'-CACTAGATTGTGAGCTCCTGGA -3'(配列番号14)
miR-30a-5p増幅用、5'-GCGTGTAAACATCCTCGACTGG -3'(配列番号20)
miR-30c増幅用、5'-CGGTGTAAACATCCTACACTCTCAGC -3'(配列番号15)
miR-30e-3p増幅用、5'-CTTTCAGTCGGATGTTTACAGC -3'(配列番号16)
miR-125a-5p増幅用、5'-TCCCTGAGACCCTTTAACCTGTGA -3'(配列番号17)
miR-126-3p増幅用、5'-CGCTCGTACCGTGAGTAATAATGCG -3'(配列番号18)
miR-502-5p増幅用、5'-GCTTATCCTTGCTATCTGGGTGCTA -3'(配列番号19)。
内部標準として利用可能なmiRNAを探索し、リアルタイムPCRで多くのmiRNAのCt値の平均値に近い発現量を示すmiRNAを複数同定し、また、geNorm又はNormFinderソフトウェアを使用した内部標準の候補の解析でも、平均値に近い発現量を示すmiRNAを複数同定した。内部標準miRNAの候補として、miR-93-3p、miR-223-3p、miR-339-3p、miR-30a-5p、miR-301a-5p及びmiR-484-5pが同定された。これら内部標準miRNAの候補より、本実施例では、miR-30a-5pの発現レベルを内部標準として使用した。
(6)臨床的指標
VAS(visual analogue scale of general health)は、患者の全身状態の自己評価であり、100 mmのスケール上で、0=「体調が大変よい(症状なし)」、100=「体調が非常に悪い」として患者によって採点された数値を使用した。DAS28(ESR)及びDAS28(CRP)は、定法により(例えば、http://www.das-score.nl/等に記載の計算式により)算出した。
(7)統計分析
miRNAの発現レベルは平均±標準偏差で示した。統計分析はJMP8(SAS Japan)を使用して行なった。2群間の差はStudent's t-testにより分析した。miRNA濃度と他の臨床的指標との相関はピアソンの積率相関係数により分析した。p<0.05を統計学的に有意であるとみなした。
結果
関節リウマチ患者(RA)及び健常者(HC)それぞれ3例の血漿よりtotal RNAを抽出し、miRNAアレイを行った。RAとHCの間で発現レベルに差があることが示唆された26個のmiRNAについて、RA及びHCそれぞれ8例で発現レベルの差を定量的PCRにて確認し、表2に示す10個のmiRNAを診断マーカー又は病勢マーカーの候補として選択した。更に関節リウマチ患者102例及び健常人104例について、これらのmiRNAの発現レベルを測定し、統計分析を行なった。
その結果、表2に示すように、血漿中miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pは、HCと比較してRAで有意な増加が認められた。
RA予測のための予測値は多変量ロジスティック回帰分析で求めた。miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-30a-5pのそれぞれの発現レベルの値を組み合わせて、最も関節リウマチの病勢を良く予想するものを多変量ロジスティック回帰分析で解析したところ、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの組み合わせによる計算が最も正確に予測した。
miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pについてROC曲線分析を行なったところ、Area Under Curveは、それぞれ0.80、0.80及び0.83であり、関節リウマチ罹患の有無の判定における感度及び特異度は、それぞれ63.7%、89.5%(カットオフ値:1.46 pM); 53.9%、94.3%(カットオフ値:3.09 pM); 64.7%、89.5%(カットオフ値:8.17 x 10-2 pM)であった(図1)。
またmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを組合わせた複合値ePRAM(各miRNAの発現レベル(単位はpM)に基づき、x=1.797 - 0.773×miR-24 + 0.141×miR-30a-5p - 15.6×miR-125a-5pとしてePRAM=exp(-x)/(1+exp(-x)))に基づき、感度が78.4%、特異度が92.3%の検査を実施することができた(図2)。
更に既存の抗CCP抗体レベルとmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルとを組合わせた複合値(ePRAM-C)(x=3.075 - 614.386×miR-24 + 80.96×miR-30a-5p - 9292.79×miR-125a-p - 5.856×抗CCP抗体(陽性;1, 陰性;0)として、ePRAM-C=exp(-x)/(1+exp(-x)))に基づき、感度94.1%、特異度95.2%の検査を実施することができた(図3)。
miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pの発現レベルには、抗CCP抗体陽性例と陰性例とで顕著な差異は認められなかった(図4)。
以上の結果から、血漿中miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pが関節リウマチ患者と健常者とを判別するためのマーカーとなること、またmiR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルを組合わせた複合値や、miR-24、miR-30a-5p及びmiR-125a-5pの発現レベルと既存の抗CCP抗体レベルとを組合わせた複合値により、更に感度及び特異度の高い検査を実現できることが示された。
更に、関節リウマチ患者について、関節リウマチの指標(VAS、DAS28(ESR)及びDAS28(CRP))の数値を調べ、血漿中のmiRNAの発現レベルとの相関について、統計学的な検定を行なった。
その結果、miR-24、miR-26a、miR-30c、miR-126-3p及びmiR-502-5pとVAS、miR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pとDAS28(ESR)、並びにmiR-24、miR-26a、miR-30c、miR-30e-3p、miR-126-3p及びmiR-502-5pとDAS28(CRP)について、miRNAの濃度の絶対値又はその対数とこれらの関節リウマチの指標との間に相関が認められた。ESR及びCRPはそれぞれ炎症反応を反映している。これらとの相関を示すmiRNAの発現レベルは炎症反応の推移を調べるための1つの指標となりうる。またVASは患者の主観的な疾患評価であり、これと相関するということは、患者の主観的評価を他覚的に評価できる指標となるということである。さらにDAS28(ESR)やDAS28(CRP)は関節リウマチの疾患活動性を反映している。現在これらの指標を用いて、薬剤の増減あるいは変更などを選択しており、これらと相関したマーカーによる疾患活動性の評価も、治療選択に利用できるということである。
以上の結果から、血漿中miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pの発現レベルが関節リウマチの病勢マーカーとして使用できることが明らかとなり、疾患活動性の経時的判断や治療効果判定等に使用できることが示された。
(比較例)
関節リウマチの病勢マーカーとして見出された本発明のmiRNAが、非炎症性の関節症である変形性関節症や、非関節リウマチ性の自己免疫疾患である全身性エリテマトーデスにおいても発現レベルの上昇が見られるかを調べた。調査対象となった被験者の情報を図5に示す。血漿中のmiR-24及びmiR-125a-5p並びにこれらの複合値(ePRAM)の発現量を解析した。変形性関節症患者において、miR-24及びmiR-125a-5p並びにこれらの複合値(ePRAM)の試験で陰性を示した患者の割合は、それぞれ79%、79%及び75%であった(図6)。全身性エリテマトーデス患者において、miR-24及びmiR-125a-5p並びにこれらの複合値(ePRAM)の試験で陰性を示した患者の割合は、それぞれ91%、64%及び64%であった(図6)。従って、これらの結果は、miR-24及びmiR-125a-5p並びにこれらの複合値(ePRAM)が、変形性関節症及び全身性エリテマトーデスでは高い値を示さない、即ち、関節リウマチに特異的なマーカーとして機能することを示している。
本発明により、血漿中のmiRNA発現レベルに基づく関節リウマチの診断のための手段が提供される。本発明により、抗CCP抗体陰性症例についても診断可能な関節リウマチ診断薬が提供されることにより、より多くの患者に対して早期治療を行うことが可能となる。また本発明によれば、治療対象患者を適切に選択する等のために患者を層別化することができる。そのため医薬の使用効率を上げることにより、医療経済に貢献することができる。
本願は日本で出願された特願2012-186937(出願日:2012年8月27日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (14)

  1. 関節リウマチの病態を判定するための被験者の血液由来試料の検査方法であって、
    (a)被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定し、該発現レベルを試料中の内部標準miRNAの発現レベルを用いて補正する工程
    を含む、方法。
  2. 更に、以下の工程、
    (b)工程(a)において測定した発現レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAの発現レベル、又はmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程(a)において、被験者の血液由来試料中のmiR-24及びmiR-125a-5pの発現レベルを測定する、請求項3に記載の方法。
  5. 更に、
    (a’)被験者の血液由来試料中の抗CCP抗体レベルを測定する工程
    を含み、工程(b)において、工程(a)において測定した発現レベル及び工程(a’)において測定した抗CCP抗体レベルと関節リウマチの病態とを関連付ける、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 被験者が抗CCP抗体陰性である、請求項3又は4に記載の方法。
  7. 血液由来試料が、血漿である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 被験者がヒトである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. miR-24、miR-26a、miR-28-5p、miR-28-3p、miR-30c、miR-30e-3p、miR-125a-5p、miR-126-3p及びmiR-502-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いは
    miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
    及び
    miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
    を含む、関節リウマチの病態を判定するための診断薬。
  10. miR-24、miR-26a及びmiR-125a-5pからなる群から選択される少なくとも1つのmiRNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、或いは
    miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
    及び
    miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
    を含む、請求項9に記載の診断薬。
  11. miR-24を特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー、
    及び
    miR-125a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマー
    を含む、請求項10に記載の診断薬。
  12. 更に、環状シトルリン化ペプチドを含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の診断薬。
  13. 内部標準miRNAがmiR-30a-5pである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  14. miR-30a-5pを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーをさらに含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の診断薬。
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