JPWO2013121471A1 - 映像生成装置 - Google Patents

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Abstract

映像生成装置(100)は、対象物の位置を取得する対象物情報取得部(101)と、移動体から撮影された映像と、映像が撮影されたときの移動体の位置とを取得する映像情報取得部(102)と、映像が撮影されたときの移動体の移動方向を取得する移動方向取得部(103)と、映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部である切出映像を、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向と、移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれるように切り出す映像切り出し部(104)とを備える。

Description

本発明は、予め移動体の前方または後方を撮影した映像の一部を切り出す映像生成装置に関する。
列車が走行している状態で、その前方風景が撮像装置によりリアルタイムに撮影された上、その前方風景画像が複数の車両のそれぞれに設けられた複数の旅客用モニタで表示される際に、撮影された前方風景画像には、各種情報が適切なタイミングで重畳表示されるようにした映像情報配信表示システム、並びに鉄道車両が特許文献1に記載されている。
特開2005−14784号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、前方風景画像に含まれる建物などの対象物の映像を表示することができるものの、当該建物などの映像を視聴者が視認しやすいように適切に表示することが困難な場合がある。
そこで、本発明の目的は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、移動体の前方または後方を撮影した映像において対象物の映像を、視聴者が認識しやすいように適切に表示することができる映像生成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る映像生成装置は、対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、移動体から撮影された映像と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、前記映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部である切出映像を、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれるように切り出す映像切り出し部とを備える。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明の映像生成装置および映像生成方法は、移動体の前方または後方を撮影した映像において対象物を視聴者が認識しやすいように適切に表示することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る映像生成装置の構成を示すブロック図である。 図2は、対象物情報受付部の画面を示す図である。 図3は、対象物と対象物関連情報とを関連付けた対象物情報を示す図である。 図4は、対象物と入力されたコメントとを関連付けた表を示す図である。 図5は、映像生成処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、視野方向決定処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、自動車の移動方向および視野方向を説明するための図である。 図8Aは、移動方向角度について説明するための図である。 図8Bは、対象物ベクトル角度について説明するための図である。 図9は、映像生成処理を行わない場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。 図10Aは、図9において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図10Bは、図9において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図10Cは、図9において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図10Dは、図9において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図11は、映像生成処理を行った場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。 図12Aは、図11において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図12Bは、図11において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図12Cは、図11において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図12Dは、図11において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図13は、対象物群の位置の算出方法を説明するための図である。 図14は、切出画角の変更を説明するための図であり、(a)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げる前の状態を示す図であり、(b)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げた後の状態を示す図である。 図15は、後方展望映像に対する視野方向を決定する処理について説明するための図である。 図16は、後方展望映像であって、移動経路が曲がる場合の視野方向を決定する処理について説明するための図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、映像情報配信表示システム等に関し、以下の問題が生じることを見出した。
特許文献1に記載されている技術では、前方風景画像に含まれる建物などの対象物が列車の走行方向から大きくずれた位置に存在する場合、当該対象物をある程度の時間連続して表示することが困難であるという課題がある。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る映像生成装置は、対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、移動体から撮影された映像と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、前記映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部である切出映像を、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれるように切り出す映像切り出し部とを備える。
これによれば、対象物が移動体の移動方向から大きくずれた位置に存在する場合であっても、移動体から撮影された前方または後方の展望映像において対象物の映像をある程度の時間連続して表示することができる。
ところで、近時、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及が著しいが、そのようなサービスを通じて沿線の建物などに関するコメントや写真などが投稿されたときに、そのようなコメントや写真などを前方風景画像に含まれる建物などに関連付けて表示することができればSNSの新たな展開が期待される。
このようなニーズを満たすために、前記対象物情報取得部は、さらに、前記対象物に関する情報を取得し、前記映像生成装置は、前記切出映像に含まれる前記対象物に対して前記対象物に関する情報を関連付けた映像を生成する映像生成部をさらに備えてもよい。
これによれば、例えば、SNSを通じて投稿された移動体の移動経路近傍の対象物に関するコメントや写真などの対象物に関する情報を前方展望映像に含まれる対象物に関連付けて表示することができる。さらに、例えば、コメントや写真などの対象物に関する情報を対象物の映像上の位置に重畳した映像を生成すれば、重畳された対象物に関する情報についても対象物と同様にある程度の時間連続して表示することができる。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と前記移動方向または前記反対方向とのそれぞれに対して与えられた重み付けに基づいて前記切出映像の中心となる視野方向を決定してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向、または、前記移動方向もしくは前記反対方向が、前記切出映像の両端に対応する方向に対して予め定められた角度以内内側に位置するように前記切出映像を前記映像から切り出してもよい。
また、例えば、前記移動方向取得部は、前記映像が撮影された2以上の位置に基づいて、前記映像が撮影された位置に対応付けられた前記移動体の移動方向を導出することにより、当該移動方向を取得してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記対象物に対して与えられた重み付けが大きいほど、前記切出映像の画角を大きくして切り出してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記対象物が複数存在する場合、それぞれの対象物に対して与えられた重み付けに基づいて前記切出映像の中心となる視野方向を決定してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記対象物が複数存在する場合、前記複数の対象物が含まれるように前記切出映像の画角を大きくして切り出してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、さらに、前記映像のうちで、前記対象物が含まれる時間帯を少なくとも含む時間帯の映像であって、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または前記反対方向と、がともに含まれる映像を前記切出映像として切り出してもよい。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の一態様に係る映像生成装置および映像生成方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下は、移動体として、自動車を例に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
(1.構成)
実施の形態1に係る映像生成装置100は、移動体が移動中に撮影された展望映像に対して画像処理を行う装置である。本実施の形態1において撮影された映像は、自動車の前方の展望映像を動画として撮影した場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像生成装置100の構成を示すブロック図である。
映像生成装置100は、対象物情報取得部101と、映像情報取得部102と、移動方向取得部103と、映像切り出し部104と、映像生成部105とを備える。
対象物情報取得部101は、対象物の位置を取得する。また、対象物情報取得部101は、さらに、対象物に関する情報(以下、「対象物関連情報」とする。)を取得する。具体的には、対象物情報取得部101は、対象物としての地図上で指定された場所またはその場所に立つ建物などの位置と、対象物関連情報としての当該対象物に関するコメントとを組にした対象物情報を取得する。
また、対象物情報取得部101は、対象物情報DB202に通信可能な状態で接続されている。対象物情報DB202は、対象物情報を格納している。また、対象物情報DB202は、対象物情報受付部201に通信可能な状態で接続されている。対象物情報受付部201は、例えば、タブレットコンピュータなどの携帯端末やPCであり、ユーザーにより入力された対象物情報を対象物情報DBに送信し、送信した対象物情報を格納させる。
映像情報取得部102は、自動車の位置と、当該位置における自動車から所定の画角で撮影された映像とが対応付けられた映像情報を取得する。要するに、映像情報取得部102は、移動体から撮影された映像と、映像が撮影されたときの移動体の位置とを取得する。ここで、移動体から撮影された映像は、移動体の移動中に撮影された映像である。また、映像情報取得部は、移動体から撮影された映像と、映像が撮影されたときの移動体の位置とを、当該映像と当該位置とが対応付けられた映像情報として取得する。なお、ここに言う「移動中」とは、例えば自動車が信号待ち際に停車する場合や、電車が駅に停車する場合などの停車時の時も含んでおり、移動体の移動速度が0であっても、移動体が出発地から目的地の間の位置である場合であれば「移動中」としてもよいし、映像が撮影されている間を「移動中」としてもよい。つまり、「移動中」とは、移動体が停車しているときを除外するものではない。
また、映像情報取得部102は、映像情報DB204に通信可能な状態で接続されている。映像情報DB204は、映像情報を格納している。また、映像情報DB204は、映像情報生成部203に通信可能な状態で接続されている。映像情報生成部203は、自動車を移動させながら、GPS(Global Positioning System)等の技術を用いて自動車の位置を測定しつつ、当該位置における自動車からパノラマ撮影用の装置により所定の画角(本実施の形態1では360度)で動画を撮影することにより自動車の位置と当該位置において撮影された映像とを取得する。そして、映像情報生成部203は、自動車の位置と当該位置において撮影された映像とを対応付けることにより映像情報を生成する。
移動方向取得部103は、映像が撮影されたときの自動車の位置に対応づけられた移動体の移動方向を取得する。具体的には、移動方向取得部103は、映像が撮影された2以上の位置に基づいて、映像が撮影された位置に対応付けられた移動体の移動方向を導出することにより、移動方向を取得する。
映像切り出し部104は、対象物の位置と移動方向とに基づいて、対象物と自動車から移動方向に向いた像とが切出映像に含まれるように、切り出すべき視野の方向を示す視野方向を算出し、算出した結果を基に、複数のフレームからなるパノラマ映像の一つの映像フレーム(一タイミングにおける映像)のそれぞれについて、一つの映像フレームから所定の画角の一部の映像である切出映像としての提示フレームを切り出す。つまり、映像切り出し部104は、映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部である切り出し映像を、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向と、移動体の移動方向(または移動方向の反対方向)とがともに含まれるように切り出す切り出しを行う。なお、映像切り出し部104は、映像のうちの一タイミングにおける映像のそれぞれについて、切り出しを行う。また、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向は、対象物情報取得部101により取得された対象物の位置と、一タイミングにおける映像が撮影されたときの移動体の位置とに基づいて導出される。また、移動方向は、移動方向取得部103により取得された一タイミングにおける映像が撮影されたときの移動体の移動方向である。つまり、映像切り出し部104は、対象物情報取得部101により取得された対象物の位置と、映像が撮影されたときの移動体の位置と、移動方向取得部103により取得された移動体の移動方向とに基づいて、映像情報取得部102により取得された映像の画角の一部の映像である切出映像を、対象物と映像が撮影されたときの移動体の位置に対応する移動方向(または移動方向の反対方向)とがともに切出映像に含まれるように映像から切り出す。なお、映像の画角の一部の画角(以下、「切出画角」とする。)は、映像の画角よりも小さい画角であって、予め定められた画角である。そして、映像切り出し部104は、さらに、切り出した提示フレームと対象物の位置とを対応させて出力する。また、映像切り出し部104は、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向である対象物ベクトルと移動体の移動方向(または移動方向の反対方向)とのそれぞれに対して与えられた重み付けに基づいて切出映像の中心となる視野方向を決定する。また、映像切り出し部104は、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向、または、移動方向(もしくは移動方向の反対方向)が切出映像の両端に対応する方向に対して予め定められた角度以内内側に位置するように切り出し映像を映像から切り出す。
映像生成部105は、対象物に対するコメント自体を、提示フレームに重畳して、ユーザーに提示する。つまり、映像生成部105は、切り出し映像としての提示フレームに含まれる対象物に対して対象物関連情報を関連付けた映像を生成する。本実施の形態1では、映像生成部105は、自動車と対象物との距離が近くなるほど、対象物に対するコメントを大きくして提示フレームに重畳してユーザーに提示する。なお、映像生成部105は、提示フレームに対象物に対するコメントを重畳した映像を生成することに限らずに、提示フレームの外側に対象物に対するコメントが表示されるような映像を生成してもよい。
(2.動作)
以降、具体的な例を挙げて詳細に説明を行う。
図2は、対象物情報受付部201の画面の一例を示す図である。
ユーザーは対象物情報受付部201として携帯端末やPCなどのGUIを備えた機器を用いて例えば図2に示すような地図上の位置を指定して、指定した位置に対して対象物関連情報としてのコメントが入力できるようになっている。具体的には、ユーザーは、画面上に表示された地図(図2参照)に対して、タッチパネルやマウスなどのポインティングデバイスにより地図上の位置を指示することで対象物の位置を指定する。そして、対象物情報受付部201は、例えば、地図により指定された対象物の位置に対するコメントを入力するための入力スペースを表示し、ユーザーからの対象物に対するコメントの入力を受け付ける。
なお、上述したような地図上の位置を指定することに限らずに、例えば図3に示す様な対象物情報のリストから対象物としての建物を選択することにより、対象物関連情報を受け付けてもよい。図3では、対象物の例として、建物を挙げているが、山、湖、川などの場所であってもよい。この場合に、対象物情報受付部201は、例えば、リストにより指定された対象物の位置に対するコメントを入力するための入力スペースを表示し、ユーザーからの対象物に対するコメントの入力を受け付ける。つまり、対象物情報は、対象物としての建物の名称と、対象物関連情報と、建物の位置情報とが関連付けられた情報である。その際に対象物の位置は当該リストに含まれる位置座標を適用してもよいし、その建物が占める領域の重心位置などを対象物の位置としてもよい。なお、図3は、対象物と対象物関連情報とを関連付けた対象物情報を示す図である。
さらに、リストから建物のみを選択し、コメントを受け付けない構成であってもよい。なお、この場合には、映像生成部105にて、対象物関連情報として当該建物の名称や、当該建物に関する情報を提示してもよいし、コメントを表示する代わりに、何らかのマーク、記号などを表示してもよい。つまり、対象物関連情報は、コメント、建物に関する情報、建物の名称、マーク、記号などである。対象物関連情報として何を表示するかはデフォルトとして予め定めておいてもよいし、ユーザーに選択させてもよい。この場合、対象物情報DB202はその旨を保持しておく。
図4は、対象物と入力されたコメントとを関連付けた表を示す図である。
対象物情報DB202は、対象物情報受付部201で上記に挙げた地図上での対象物の位置の指定とコメントの入力とを受け付けた場合は、対象物を保持するために図4に示すような表を用いる。なお、対象物情報受付部201で対象物の位置およびコメント以外の他の情報を受け付けた場合は、図4に示す表にそれぞれの情報に応じた項目をさらに備えてもよい。なお、以下の説明においては、何らかのマークや記号などもコメントとして取り扱う。
映像情報生成部203は、自動車の上に設けられる、パノラマ撮影用の装置と、GPS等の技術を用いて現在位置を測定する装置とを有する。映像情報生成部203は、現在位置を測定しながら移動し、複数の映像フレームのそれぞれと各映像フレームが撮影された撮影位置とがそれぞれ組になるようにした位置座標付きのパノラマ映像を映像情報として生成する。
映像情報DB204は、映像情報生成部203により生成された複数の映像フレームのそれぞれと各映像フレームが撮影された撮影位置とがそれぞれ組になるようにした位置座標付きのパノラマ映像を格納している。映像情報DB204は、映像フレームと撮影位置とが組になるように保持しておけばその形態は特に規定しない。
以降、映像を再生する際における映像生成処理を図5及び図6を用いて説明する。図5は、映像生成処理の流れを示すフローチャートである。図6は、視野方向を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
対象物情報取得部101が対象物情報DB202から対象物の位置および対象物関連情報を取得する(S110)。そして、映像情報取得部102が移動している自動車の位置と、当該位置における自動車から所定の画角で撮影された映像とが対応付けられた映像情報を取得する(S120)。
取得された映像情報に基づく映像の再生が終端の映像フレームまで行われたか否かが判定される(S130)。ここで、映像の再生が終端まで行われていると判定されれば(S130:Yes)、映像生成処理を終了し、映像の再生が終端まで行われていると判定されなければ(S130:No)、次のステップS140に進む。なお、ステップS130において行われる判定は、実際に映像の再生が行われて要ることに限らずに、当該再生に必要な内部データの生成が終端の映像フレームまで行われたか否かの判定であってもよい。
次に、映像フレームを1フレーム進める(S140)。なお、このときに1フレーム進める前のフレームをn番目の映像フレームであるnフレームとする。ここでは、映像生成処理の対象となる映像フレームが決定される。映像生成処理の対象となった映像フレームがない場合には、最初の映像フレームが映像生成処理の対象とされる。
ステップS140において決定された映像フレームにおいて、n番目のnフレームにおける自動車の位置701aから、図7に示すように、nフレームの次のフレームであるn+1番目のn+1フレームにおける自動車の位置701bへ向かうベクトルを自動車の移動方向702とする(S150)。なお、図7は、自動車の移動方向702および視野方向705を説明するための図である。このように、ステップS150において、移動方向取得部103は、映像が撮影された2以上の位置に基づいて、nフレームの映像が撮影された位置に対応付けられた移動体の移動方向702を導出する。つまり、nフレームの映像が撮影された位置(nフレームにおける自動車の位置)701aについて、nフレームの映像が撮影された位置701aからn+1フレームの映像が撮影された位置(n+1フレームにおける自動車の位置)701bまでの方向が、nフレームの映像が撮影された位置701aに対応付けられた移動方向702として導出されることになる。
なお、移動方向は、映像が撮影された2以上の位置に基づいて導出されなくともよく、例えば、予め自動車の移動経路を示す移動経路情報を取得し、移動経路情報が示す移動経路と、nフレームの映像が撮影された位置とから移動方向702が導出される。つまり、この場合には、nフレームの映像が撮影された位置が移動経路上の位置となるため、移動経路におけるnフレームの映像が撮影された位置の接線方向が、nフレームの映像が撮影された位置に対応する移動方向702として導出される。
また、移動方向702は、複数の映像フレームに関連付けられた一定時間間隔の移動方向の変化点に関する方向変化情報から導出してもよい。この場合には、例えば、方向変化情報としてn+mフレームにおいて自動車が90度右に曲がった情報が記憶されており、n+mフレーム以前において北に向かって自動車が移動していた場合には、n+mフレーム以降において自動車の移動方向は東向きとなる。また、この場合、1フレームの前後の所定の範囲のフレームにおいて徐々に北向きから東向きへ移動方向が変更されるようにすることが好ましい。
また、移動方向702は、予め複数の映像フレームのそれぞれに対応付けられていてもよい。具体的には、映像を撮影するときに、ジャイロセンサなどの方角を検出するセンサを用いて、当該センサの検出値と、映像を撮影したときの複数の映像フレームのそれぞれとを対応付けて記憶しておき、映像フレームに対応付けられた方角から移動方向を取得するようにしてもよい。
そして、映像切り出し部104は、移動方向702と自動車の位置701aから対象物の位置703に向けて引いた対象物ベクトル704とに基づいて視野方向705を決定する処理を行う(S160)。なお、本処理についての詳細は、図6に基づいて後述する。
映像切り出し部104は、ステップS160において決定した視野方向を中心に切出画角の範囲を、切出映像である提示フレームとして切り出す(S170)。
映像生成部105は、映像切り出し部104により切り出された提示フレーム上の対象物の位置703に対して対象物に関する情報(コメント)を重畳した映像を生成することにより、切出映像に含まれる対象物に対して対象物に関する情報を関連付ける(S180)。つまり、映像生成部105は、対象物に対する対象物関連情報(コメント)を、提示フレーム上の対象物の位置に対応させて重畳して、ユーザーに提示する映像を生成する。ステップS180の処理が終了すると、ステップS130に戻る。
次に、図6に基づいて、映像切り出し部104により行われる視野方向705を決定する処理について詳述する。
パノラマ映像の各映像フレームから切り出す提示フレームは予め規定した一定の視野角の範囲を切り出すものとし、その視野方向は自動車の移動方向とする。対象物の位置と自動車の位置とが予め規定した所定の距離以内になった場合においては、以下の方法により視野方向を決定する。
まず、映像切り出し部104は、自動車の位置701a(図7参照)から所定の距離範囲に対象物が存在するか否かを判定する(S210)。ここで、自動車の位置701aから所定の距離範囲に対象物が存在すると判定されれば(S210:Yes)、次のステップS220に進む。
映像切り出し部104は、自動車の位置701a、自動車の移動方向702、および対象物の位置703を用いて、自動車の位置701aから対象物の位置703への方向である対象物ベクトル704と、自動車の移動方向702とのなす角度Mを求める。そして、映像切り出し部104は、移動方向702と対象物ベクトル704とのそれぞれに予め定められた重み付けに基づいて視野方向を決定する。映像切り出し部104は、例えば、移動方向702と対象物ベクトル704に対する重み付けがP:Qである場合、M×Q/(P+Q)度だけ自動車の移動方向702から対象物ベクトル704方向に傾けた方向を仮視野方向とする(S220)。
映像切り出し部104は、ステップS220により決定された仮視野方向を中心とし、パノラマ映像の各映像フレームから予め規定された切出画角の範囲を切り出した際に、切り出された提示フレームの画角の左端および右端の一方が移動方向702に対する移動方向角度806が移動方向制限S度以上、かつ、提示フレームの画角の左端および右端の他方が対象物ベクトル704に対する対象物ベクトル角度807が対象物ベクトル制限T度以上であるか否かを判定する(S230、図8Aおよび図8B参照)。なお、ここで判定される移動方向角度806は、提示フレームの画角の範囲内にある移動方向702に対する提示フレームの画角の左端または右端の角度である。また、同様に、対象物ベクトル角度807は、提示フレームの画角の範囲内にある対象物ベクトル704に対する提示フレームの画角の左端または右端の角度である。ここで、映像切り出し部104は、移動方向角度806が移動方向制限S度以上、かつ、対象物ベクトル角度807が対象物ベクトル制限T度以上であると判定すれば(S230:Yes)、仮視野方向を視野方向705として決定し、視野方向705を決定する処理を終了する。なお、図8Aは、移動方向角度806について説明するための図である。図8Bは、対象物ベクトル角度807について説明するための図である。
ステップS230の判定を行うことにより、図8Aに示す移動方向角度806が提示フレームの左端から移動方向制限S度を下回らないように制限でき、また、図8Bに示す対象物ベクトル角度807が提示フレームの右端から対象物ベクトル制限T度を下回らないように制限できる。このように移動方向角度806の角度制限を行うことにより、自動車の移動方向702が極端に提示フレームの端に来る場合は展望映像としての臨場感が損なわれることを低減できる。また、対象物ベクトル角度807の角度制限を行うことにより、対象物の視認性を十分に確保する事ができる。なお、上記S度及びT度は適切な値を設定してもよいし、0度としてもよい。
映像切り出し部104は、移動方向角度806が移動方向制限S度以上、かつ、対象物ベクトル角度807が対象物ベクトル制限T度以上であると判定しなかった場合(S230:No)、ステップS220において決定した仮視野方向と自動車の移動方向702とが同じ向きのベクトルであるか否かを判定する(S240)。
映像切り出し部104は、仮視野方向と自動車の移動方向702とが同じ向きのベクトルであると判定すれば(S240:Yes)、仮視野方向を視野方向705として決定し、視野方向705を決定する処理を終了する。
映像切り出し部104は、仮視野方向と自動車の移動方向702とが同じ向きのベクトルであると判定しなければ(S240:No)、予め定められた角度だけ仮視野方向を移動方向702に近づけて、近づけた仮視野方向を視野方向705として決定し(S250)、視野方向705を決定する処理を終了する。
また、映像切り出し部104は、ステップS210において自動車の位置701aから所定の距離範囲に対象物が存在すると判定しない場合(S210:No)、自動車の移動方向702を視野方向705として決定し、視野方向705を決定する処理を終了する。
映像切り出し部104は、上述のように視野方向705を決定するため、対象物ベクトル704が提示フレーム内に含まれない場合は、視野方向705は自動車の移動方向702と同じ方向となるように変更する。その変更の際において、映像切り出し部104は、ステップS250の処理を行うため、視野方向705を映像において徐々に自動車の移動方向702と同じ角度になるように変更する。なお、ステップS250では、1フレームにおける視野方向705の角度を変更しているが、これに限らずに、その後の複数(例えば2つ、3つなど)のフレームを経るに従い徐々に視野方向705を自動車の移動方向702と同じ角度になるように変更してもよい。つまり、この場合には、映像切り出し部104は、例えば、フレーム毎に予め定められた角度ずつ、視野方向705を自動車の移動方向702と同じ向きになるまで変更する処理を行うことになる。これは急激な視野方向の変更によりユーザーにとって見難い映像とならないための配慮となる。
提示フレーム上の対象物の位置は、パノラマ映像から映像フレームを切り出す際に、自動車の移動方向702と対象物ベクトル704とのなす角度から特定できる。
(具体例)
図9は、映像生成処理を行わない場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。図10Aは、図9において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。図10Bは、図9において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。図10Cは、図9において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。図10Dは、図9において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。図11は、映像生成処理を行った場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。図12Aは、図11において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。図12Bは、図11において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。図12Cは、図11において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。図12Dは、図11において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。
図9に示すように、映像生成処理が行われない場合には、自動車の移動方向が視野方向となる。このため、例えば、対象物の位置703に対して「FOR RENT」というコメントが関連付けられていても、図10Aおよび図10Bに示すように図9における自動車の位置P1および位置P2では「FOR RENT」を視聴者が認識できるが、図10Cに示すように図9における自動車の位置P3において撮影された映像の画角から対象物の位置703がほとんど外れた位置に位置するために対象物の位置703の像または「FOR RENT」を認識できない。このように、位置P1における画角αと、視野方向とが維持されたままの映像が表示されるため位置P3において対象物の位置703の像または「FOR RENT」を認識できない。
一方で、図11に示すように、映像生成処理が行われる場合には、視野方向は対象物に傾くようにパノラマ映像から切り出されるため、上記と同様に例えば対象物の位置703に対して「FOR RENT」というコメントが関連付けられているとき、図12A、図12Bおよび図12Cに示すように図11における自動車の位置P1、位置P2および位置P3において対象物の位置703の象または「FOR RENT」を視聴者が認識できる。つまり、映像生成処理が行われていない場合には、位置P3において対象物の位置703の象または「FOR RENT」を認識できなかったが、映像生成処理を行うことにより位置P3において対象物の位置703の象または「FOR RENT」を認識できるようになる。このため、視聴者は、映像生成処理を行うことにより、対象物の位置703の像または「FOR RENT」を極力長い時間視ることができる。
本実施の形態1に係る映像生成装置100によれば、対象物が自動車の移動方向からずれた位置に存在する場合であっても、自動車の前方展望映像において対象物の映像をある程度の時間連続して表示することができる。
また、本実施の形態1に係る映像生成装置100によれば、SNSを通じて投稿された自動車の移動経路近傍の対象物に関するコメントや写真などの対象物に関する情報を前方展望映像に含まれる対象物に関連付けて表示することができる。さらに、例えば、コメントや写真などの対象物に関する情報を対象物の映像に重畳した映像を生成すれば、重畳された対象物に関する情報についても対象物と同様にある程度の時間連続して表示することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、1つの対象物がある場合について説明したが、複数の対象物があってもよい。この場合、複数の対象物に対する対象物情報が対象物情報DB202に格納されている。この場合、映像切り出し部104は、上記複数の対象物からなる対象物群の位置を定め、実施の形態1の対象物の位置703の代わりに用いる。つまり、映像切り出し部104は、対象物が複数存在する場合、それぞれの対象物に対して与えられた重み付けに基づいて切り出し映像の中心となる視野方向を決定する。映像切り出し部104は、対象物群の位置を、各対象物の重要度と、各対象物および自動車の位置の間の距離とに応じて重み付けを行うことにより算出する。各対象物の重要度は、各対象物の位置について記載されたコメントの文字数を基に設定してもよいし、また、同じ建物に対して多くのコメントが記載されている場合や違う建物であっても近隣の場所に多くのコメントが記載されている場合は、記載されているコメントの密集の度合いに応じて重要度を設定してもよい。例えば、ある対象物から一定範囲内に別の対象物がある場合には、例えば図13に示すように、重要度の数値をより大きく設定してもよい。なお、各対象物の重要度に応じた重み付けとは、例えば、重要度の数値が大きく設定されている対象物ほどその重みが大きくなるように重み付けすることである。また、各対象物および自動車の位置の間の距離に応じた重み付けとは、例えば、自動車に最も近い対象物ほどその重みが大きくなるように重み付けすることである。
図13は、対象物群の位置の算出方法を説明するための図である。
実施の形態2では、対象物に対する位置の算出方法のみが異なるため、対象物に対する位置の算出方法についてのみ説明する。対象物群の位置の算出方法は例えば以下のようになる。
図13上の各対象物(e、f、g、h)の重要度をそれぞれE、F、G、Hとする。また、各対象物(e、f、g、h)と自動車の位置との距離をd1、d2、d3、d4とする。
さらに対象物の重要度と、自動車と対象物との間の距離とに対する重み付けを、それぞれV、Wとすると、各対象物(e、f、g、h)の位置座標にそれぞれ(V×E+W×d1)、(V×F+W×d2)、(V×G+W×d3)、(V×H+W×d4)の重みを付けた位置座標を求め、重み付けられた複数の位置座標の重心位置を対象物群の位置とする。
なお、上記V、Wの値は、対象物の重要度が低くとも、映像全体としては、その対象物も写るように適切な値を設定することが望ましい。適切な値が設定されれば、自動車の位置が図13の位置aである場合には、自動車と対象物(e、f、g)との間の距離よりも自動車と対象物hとの間の距離が短いため、対象物hに対する重み付けが大きくなり対象物群の位置が移動方向の右側となるように算出される。また、自動車の位置が図13の位置bである場合には、対象物hが切出映像の画角から外れた位置に位置することになるため対象物(e、f、g)に対する重み付けが大きくなり対象物群の位置が移動方向の左側となるように算出される。また、自動車の位置が位置aから位置bに移動する間に対象物群の位置は移動方向の右側から左側に移動することになる。したがって、自動車の視野方向705においても、同様に自動車の位置が位置aから位置bに移動する間に移動方向の右側から左側に移動することになる。
なお、各コメントの重要度は、コメントの記載者と映像を視聴しているユーザーとの間の友人関係の度合を用いて設定してもよい。この場合、FACEBOOK(登録商標)等のSNSから友人関係を取得し両者の友人関係が強いものであれば、そのコメントの重要度をより高く設定してもよい。
映像生成部105においては、各対象物のコメントを対象物情報DB202から取得し、提示フレーム上に存在する対象物の位置に対応させて重畳して、ユーザーに提示する映像を生成する。
なお、上記では、各対象物の重心座標を基に視野方向を決定する例であるが、例えば、1つの建物(対象物)に多くのコメントが付けられている場合、その建物に対するコメントを全て表示できるように、コメントの分布範囲を基に視野方向を決定してもよい。つまり、例えば、移動方向から最も外れた方向にあるコメントが画角内に入るように、視野方向を決定することにより、当該建物に対するコメントの全てを表示させるようにしてもよい。
その場合、例えばその建物において最も経路から離れたコメントの位置を、その建物のコメントの代表位置としてもよい。もしくは、近年は地図情報として、単に建物の位置情報、名称情報だけでなく形状情報(領域情報)も含まれているものも有る。よってこれらの情報を利用し、建物の領域において経路から最も離れた位置を視野に含むように視野方向を決定してもよい。
また、1つの建物に多くのコメントが付けられている場合、上記の他にも、複数のコメントの位置の重心を当該建物の位置としてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、切出映像を切り出すときの切出画角を一定の画角としているが、これに限らずに、複数の対象物がある場合であって、各対象物の重要度及び、自動車の位置との距離も同程度の場合においては、図14に示すように、それらの対象物を一つの提示フレームに含まれるように切り出してもよい。具体的には、映像切り出し部104は、上記のような場合に、一つの提示フレームに複数の対象物が含まれるように提示フレームの切出画角を拡げてもよい。なお、図14は、切出画角の変更を説明するための図であり、(a)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げる前の状態を示す図であり、(b)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げた後の状態を示す図である。図14(a)、(b)において、切出画角および視野方向は破線で示される。
但し、切出画角を拡げると、広角な映像となるため、映像での遠近感の変化や映像歪が発生するため、どの程度まで画角の拡大を許すかの設定は、ユーザーの視聴環境などに基づいて例えば以下のように変更することが考えられる。例えば、ユーザーが小型のタブレット端末などで視聴している場合は、提示映像中の切出画角が変化することによる多少の遠近感の変化や映像歪が生じたときに、ユーザーにとっては多少の違和感が発生する程度ですむと思われるため切出画角の拡大を許容する設定にすることが考えられる。また、没入感のある映像装置(例えばヘッドマウントディスプレイ)等によりユーザーが視聴している場合は、提示映像中の切出画角が変化することによる多少の遠近感の変化や映像歪が生じたときに、ユーザーの感じる違和感は大きくなるため、視野角の変更を極力避ける設定にすることが考えられる。
また、提示映像を再生している途中で画角を変更する場合、映像での遠近感の変化のため違和感を覚えるユーザーもいると思われる。よって、視野角を変更する際は急激な視野角変更にならないように映像フレーム間での角度変化の上限値を定めることが考えられる。
また、複数の対象物のそれぞれと自動車の位置との間の距離などの値を用いて、複数の対象物の内のいずれかを優先して表示し、優先して表示された対象物以外の対象物は提示フレーム外に対象物があることをユーザーに提示した上で、切出画角の変更処理および視野方向の変更処理の少なくとも一方の処理を行ってもよい。この場合に、優先して表示された対象物が含まれるように切り出された優先提示フレームとは別に、優先提示フレームに含まれていない対象物が含まれる非優先提示フレームを切り出してもよい。非優先提示フレームは、優先提示フレームとは別に再生してもよいし、画面分割などを用いて優先提示フレームと同時再生表示してもよい。
上記の各種設定はデフォルトとして予め設定されていてもよいし、ユーザーが選択または任意に設定できるようにしてもよい。
なお、本実施の形態3では、切り出し映像を切り出すときの切出画角の変更は、各対象物の重要度及び、自動車の位置との距離も同程度の場合に行なっているが、これに限らずに、映像切り出し部104は、対象物に対して与えられた例えば対象物の重要度などの重み付けが大きいほど、切出映像としての提示フレームの切出画角を大きくして切り出してもよい。
(実施の形態4)
映像を再生する際に、映像情報DB204に格納された全ての映像フレームを再生せず、対象物が映像内に入る映像フレームのみを抽出し、再生することで、対象物の視聴に特化したダイジェスト視聴が可能となる。つまり、映像切り出し部104は、さらに、映像のうちで、対象物が含まれる時間帯を少なくとも含む時間帯の映像であって、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向と、移動体の移動方向または反対方向と、がともに含まれる映像を切出映像として切り出す。
具体的には、視野方向を決定する処理において、ステップS230でYESと判定されたフレームのみを用いて提示映像を生成すればよい。なお、対象物の表示が唐突にならないようにとの配慮のためステップS230でYESと判定されたフレームのみでなく、当該フレームの前後数〜数十フレームも抽出してもよい。
なお、ダイジェスト視聴の対象となる映像フレームの判定は、オフラインで事前に処理をしておく事が考えられる。判定結果は、各映像フレームがダイジェスト視聴の対象となるか否かの判定の結果であってもよいし、ダイジェスト視聴の対象となる区間の情報(開始/終了のフレーム番号等)であってもよい。また、各映像フレームに対して判定結果を関連付けてもよいし、フレーム番号を参照することなどで各映像フレームと判定結果とを対応できるようすれば判定結果を別途保持しておいてもよい。また、映像切り出し部104は、切りだす前の映像から対象物が含まれるか否かを判定してもよいし、切り出した後の提示映像から対象物が含まれるか否かを判定してもよい。
また、映像切り出し部104は、各対象物からダイジェスト視聴の対象となる映像フレームを判定してもよい。この場合、対象物毎に自動車が近隣になる映像フレームを予め抽出し、抽出した映像フレームに対してステップS230と同様の判定をすればよい。また、対象物の追加が随時行われるような場合は、映像切り出し部104は、追加された対象物について自動車が近隣になる映像フレームを予め抽出し、抽出した映像フレームに対してダイジェスト視聴の対象となる映像フレームを判定することで効率的な処理が行える。
(実施の形態5)
また、映像情報DB204に格納される展望映像は、前方展望映像に限定されない。例えば、後方展望映像であってもよい。すなわち、映像情報生成部203を構成する撮影用の装置は、自動車の移動方向を向いて撮影してもよいし、自動車の移動方向の反対方向を向いた撮影してもよい。なおこの場合には、切り出しのときに、例えば、図15に示すように、自動車の位置に対象物iが所定の距離だけ近づいた位置b以降において予め対象物の方向に視野方向を傾けるようにする。このように、予め位置bにおいて対象物の方向に視野方向を傾けて切り出しを行うことにより、次の位置cにおいて対象物が提示フレームに含まれるようにできるため、より長く提示映像中に対象物が含まれるような提示映像を生成することができる。また、図16に示すように、自動車の移動経路が曲がる場合には、対象物jの方向に視野方向を傾けることにより、対象物が提示映像中に長く含まれる提示映像を生成することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記実施の形態において、映像情報DB204に格納される前方展望映像は360度の画角のパノラマ映像であるとしたが、360度のパノラマ映像であることに限らない。パノラマ映像は、予め規定された所定の画角を維持しつつ、視野方向をある程度変化させることができる程度の広角(例えば180度、120度等)で撮影された前方展望映像であればその画角の角度は問わない。また、展望映像は、動画であるとしたが、動画に限らずに異なる複数のタイミングで撮影された複数の静止画の集合であってもよい。展望映像が複数の静止画である場合には、一枚の静止画について、上記映像フレームにおいて行われた処理と同じ処理が行われることになる。
なお、対象物情報受付部201は地図上で位置を指定された場所を対象物の位置とし、その場所に関するコメントや、その場所に建つ建物に関するコメントを受け付け、指定位置とコメントを組にして対象物として受け付けるとしたが、対象物情報取得部101が取得する対象物に関する情報は、SNSを提供するサーバから受け取ってもよい。
なお、映像生成装置100は、映像情報DB204に格納されているパノラマ映像について映像生成処理を行えば提示映像を生成できるため、映像情報生成部203が生成したパノラマ映像についてリアルタイムに映像生成処理を行なってもよいし、映像情報DB204に既に格納されているパノラマ映像について映像生成処理を行なってもよい。
なお、映像生成部105は、各対象物に対するコメントを対象物情報DB202から取得し、提示フレーム上に存在する対象物の位置に対応させて重畳して、ユーザーに提示する映像を生成するとしたが、映像生成部105は、必ずしも本発明に必須の要件ではない。撮影済の位置座標付きのパノラマ映像または広角映像から対象物をできるだけ長い時間視野内にとらえることができるように視野を切り出すことができればよいので、対象物に対応したコメントの提示をせずに、対象物が提示映像中に長く含まれるように提示映像を生成するようにしてもよい。あるいは、対象物に対応したコメントを提示するか否かを切り替えられるように構成してもよい。また、対象物に対応したコメントを提示するのか、対象物に対応した情報(図3参照)を提示するのか、を切り替えられるように構成してもよい。また、提示するコメントは、対象物が提示映像に含まれるタイミングで表示されればよいため、提示フレーム上に存在する対象物の位置に対応させて重畳することに限らずに、提示フレームとは別の表示枠を設けて当該表示枠にコメントを表示するようにしてもよい。
なお、本発明の映像生成装置は、端末装置に自動車の前方または後方の展望映像を提供するサーバ装置として実現できる。一方、本発明の映像生成装置は、サーバ装置と端末装置から構成されるシステムによって実現することもできる。その場合、例えば、映像切り出し手段と映像生成手段を端末装置にもたせ、サーバ装置は、対象物に関する情報と経路情報を端末装置に提供するという構成が考えられる。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る映像生成装置および映像生成方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
以上のように、本発明によれば、対象物が移動体の移動方向からずれた位置に存在する場合であっても、移動体の前方展望映像においてその対象物に関する情報をある程度の時間連続して表示することができる映像生成装置を提供することができるので、端末装置に移動体の前方展望映像を提供するサーバ装置として有用である。
また、本発明の映像生成装置は、サーバ装置と端末装置から構成されるシステムとして実現することもできる。
100 映像生成装置
101 対象物情報取得部
102 映像情報取得部
103 移動方向取得部
104 映像切り出し部
105 映像生成部
201 対象物情報受付部
202 対象物情報DB
203 映像情報生成部
204 映像情報DB
701a、701b 自動車の位置
702 移動方向
703 対象物の位置
704 対象物ベクトル
705 視野方向
806 移動方向角度
807 対象物ベクトル角度
本発明は、予め移動体の前方または後方を撮影した映像の一部を切り出す映像生成装置に関する。
列車が走行している状態で、その前方風景が撮像装置によりリアルタイムに撮影された上、その前方風景画像が複数の車両のそれぞれに設けられた複数の旅客用モニタで表示される際に、撮影された前方風景画像には、各種情報が適切なタイミングで重畳表示されるようにした映像情報配信表示システム、並びに鉄道車両が特許文献1に記載されている。
特開2005−14784号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、前方風景画像に含まれる建物などの対象物の映像を表示することができるものの、当該建物などの映像を視聴者が視認しやすいように適切に表示することが困難な場合がある。
そこで、本発明の目的は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、移動体の前方または後方を撮影した映像において対象物の映像を、視聴者が認識しやすいように適切に表示することができる映像生成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、移動体から撮影された映像と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、前記映像のうちの一タイミングにおける映像の画角の一部である切出映像を、当該タイミングにおける前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、当該タイミングにおける前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれてい、前記切出映像を切り出すための基準となる視野方向を算出し、算出した前記視野方向を基に前記切出し映像を切り出す映像切り出し部とを備える。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明の映像生成装置および映像生成方法は、移動体の前方または後方を撮影した映像において対象物を視聴者が認識しやすいように適切に表示することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る映像生成装置の構成を示すブロック図である。 図2は、対象物情報受付部の画面を示す図である。 図3は、対象物と対象物関連情報とを関連付けた対象物情報を示す図である。 図4は、対象物と入力されたコメントとを関連付けた表を示す図である。 図5は、映像生成処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、視野方向決定処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、自動車の移動方向および視野方向を説明するための図である。 図8Aは、移動方向角度について説明するための図である。 図8Bは、対象物ベクトル角度について説明するための図である。 図9は、映像生成処理を行わない場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。 図10Aは、図9において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図10Bは、図9において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図10Cは、図9において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図10Dは、図9において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図11は、映像生成処理を行った場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。 図12Aは、図11において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図12Bは、図11において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図12Cは、図11において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図12Dは、図11において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。 図13は、対象物群の位置の算出方法を説明するための図である。 図14は、切出画角の変更を説明するための図であり、(a)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げる前の状態を示す図であり、(b)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げた後の状態を示す図である。 図15は、後方展望映像に対する視野方向を決定する処理について説明するための図である。 図16は、後方展望映像であって、移動経路が曲がる場合の視野方向を決定する処理について説明するための図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、映像情報配信表示システム等に関し、以下の問題が生じることを見出した。
特許文献1に記載されている技術では、前方風景画像に含まれる建物などの対象物が列車の走行方向から大きくずれた位置に存在する場合、当該対象物をある程度の時間連続して表示することが困難であるという課題がある。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る映像生成装置は、対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、移動体から撮影された映像と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、前記映像のうちの一タイミングにおける映像の画角の一部である切出映像を、当該タイミングにおける前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、当該タイミングにおける前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれてい、前記切出映像を切り出すための基準となる視野方向を算出し、算出した前記視野方向を基に前記切出し映像を切り出す映像切り出し部とを備える。
これによれば、対象物が移動体の移動方向から大きくずれた位置に存在する場合であっても、移動体から撮影された前方または後方の展望映像において対象物の映像をある程度の時間連続して表示することができる。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記映像のうちの複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングにおける前記視野方向を算出し、算出した前記視野方向を基に前記切出映像を切り出してもよい。
ところで、近時、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及が著しいが、そのようなサービスを通じて沿線の建物などに関するコメントや写真などが投稿されたときに、そのようなコメントや写真などを前方風景画像に含まれる建物などに関連付けて表示することができればSNSの新たな展開が期待される。
このようなニーズを満たすために、前記対象物情報取得部は、さらに、前記対象物に関する情報を取得し、前記映像生成装置は、前記切出映像に含まれる前記対象物に対して前記対象物に関する情報を関連付けた映像を生成する映像生成部をさらに備えてもよい。
これによれば、例えば、SNSを通じて投稿された移動体の移動経路近傍の対象物に関するコメントや写真などの対象物に関する情報を前方展望映像に含まれる対象物に関連付けて表示することができる。さらに、例えば、コメントや写真などの対象物に関する情報を対象物の映像上の位置に重畳した映像を生成すれば、重畳された対象物に関する情報についても対象物と同様にある程度の時間連続して表示することができる。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と前記移動方向または前記反対方向とのそれぞれに対して与えられた重み付けに基づいて前記視野方向を決定してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向、または、前記移動方向もしくは前記反対方向が、前記切出映像の両端に対応する方向に対して予め定められた角度以内内側に位置するように前記切出映像を前記映像から切り出してもよい。
また、例えば、前記移動方向取得部は、前記映像が撮影された2以上の位置に基づいて、前記映像が撮影された位置に対応付けられた前記移動体の移動方向を導出することにより、当該移動方向を取得してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記対象物に対して与えられた重み付けが大きいほど、前記切出映像の画角を大きくして切り出してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記対象物が複数存在する場合、それぞれの対象物に対して与えられた重み付けに基づいて前記視野方向を決定してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記対象物が複数存在する場合、前記複数の対象物が含まれるように前記切出映像の画角を大きくして切り出してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、さらに、前記映像のうちで、前記対象物が含まれる時間帯を少なくとも含む時間帯の映像であって、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または前記反対方向と、がともに含まれる映像を前記切出映像として切り出してもよい。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の一態様に係る映像生成装置および映像生成方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下は、移動体として、自動車を例に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
(1.構成)
実施の形態1に係る映像生成装置100は、移動体が移動中に撮影された展望映像に対して画像処理を行う装置である。本実施の形態1において撮影された映像は、自動車の前方の展望映像を動画として撮影した場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像生成装置100の構成を示すブロック図である。
映像生成装置100は、対象物情報取得部101と、映像情報取得部102と、移動方向取得部103と、映像切り出し部104と、映像生成部105とを備える。
対象物情報取得部101は、対象物の位置を取得する。また、対象物情報取得部101は、さらに、対象物に関する情報(以下、「対象物関連情報」とする。)を取得する。具体的には、対象物情報取得部101は、対象物としての地図上で指定された場所またはその場所に立つ建物などの位置と、対象物関連情報としての当該対象物に関するコメントとを組にした対象物情報を取得する。
また、対象物情報取得部101は、対象物情報DB202に通信可能な状態で接続されている。対象物情報DB202は、対象物情報を格納している。また、対象物情報DB202は、対象物情報受付部201に通信可能な状態で接続されている。対象物情報受付部201は、例えば、タブレットコンピュータなどの携帯端末やPCであり、ユーザーにより入力された対象物情報を対象物情報DBに送信し、送信した対象物情報を格納させる。
映像情報取得部102は、自動車の位置と、当該位置における自動車から所定の画角で撮影された映像とが対応付けられた映像情報を取得する。要するに、映像情報取得部102は、移動体から撮影された映像と、映像が撮影されたときの移動体の位置とを取得する。ここで、移動体から撮影された映像は、移動体の移動中に撮影された映像である。また、映像情報取得部は、移動体から撮影された映像と、映像が撮影されたときの移動体の位置とを、当該映像と当該位置とが対応付けられた映像情報として取得する。なお、ここに言う「移動中」とは、例えば自動車が信号待ち際に停車する場合や、電車が駅に停車する場合などの停車時の時も含んでおり、移動体の移動速度が0であっても、移動体が出発地から目的地の間の位置である場合であれば「移動中」としてもよいし、映像が撮影されている間を「移動中」としてもよい。つまり、「移動中」とは、移動体が停車しているときを除外するものではない。
また、映像情報取得部102は、映像情報DB204に通信可能な状態で接続されている。映像情報DB204は、映像情報を格納している。また、映像情報DB204は、映像情報生成部203に通信可能な状態で接続されている。映像情報生成部203は、自動車を移動させながら、GPS(Global Positioning System)等の技術を用いて自動車の位置を測定しつつ、当該位置における自動車からパノラマ撮影用の装置により所定の画角(本実施の形態1では360度)で動画を撮影することにより自動車の位置と当該位置において撮影された映像とを取得する。そして、映像情報生成部203は、自動車の位置と当該位置において撮影された映像とを対応付けることにより映像情報を生成する。
移動方向取得部103は、映像が撮影されたときの自動車の位置に対応づけられた移動体の移動方向を取得する。具体的には、移動方向取得部103は、映像が撮影された2以上の位置に基づいて、映像が撮影された位置に対応付けられた移動体の移動方向を導出することにより、移動方向を取得する。
映像切り出し部104は、対象物の位置と移動方向とに基づいて、対象物と自動車から移動方向に向いた像とが切出映像に含まれるように、切り出すべき視野の方向を示す視野方向を算出し、算出した結果を基に、複数のフレームからなるパノラマ映像の一つの映像フレーム(一タイミングにおける映像)のそれぞれについて、一つの映像フレームから所定の画角の一部の映像である切出映像としての提示フレームを切り出す。つまり、映像切り出し部104は、映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部である切り出し映像を、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向と、移動体の移動方向(または移動方向の反対方向)とがともに含まれるように切り出す切り出しを行う。なお、映像切り出し部104は、映像のうちの一タイミングにおける映像のそれぞれについて、切り出しを行う。また、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向は、対象物情報取得部101により取得された対象物の位置と、一タイミングにおける映像が撮影されたときの移動体の位置とに基づいて導出される。また、移動方向は、移動方向取得部103により取得された一タイミングにおける映像が撮影されたときの移動体の移動方向である。つまり、映像切り出し部104は、対象物情報取得部101により取得された対象物の位置と、映像が撮影されたときの移動体の位置と、移動方向取得部103により取得された移動体の移動方向とに基づいて、映像情報取得部102により取得された映像の画角の一部の映像である切出映像を、対象物と映像が撮影されたときの移動体の位置に対応する移動方向(または移動方向の反対方向)とがともに切出映像に含まれるように映像から切り出す。なお、映像の画角の一部の画角(以下、「切出画角」とする。)は、映像の画角よりも小さい画角であって、予め定められた画角である。そして、映像切り出し部104は、さらに、切り出した提示フレームと対象物の位置とを対応させて出力する。また、映像切り出し部104は、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向である対象物ベクトルと移動体の移動方向(または移動方向の反対方向)とのそれぞれに対して与えられた重み付けに基づいて切出映像の中心となる視野方向を決定する。また、映像切り出し部104は、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向、または、移動方向(もしくは移動方向の反対方向)が切出映像の両端に対応する方向に対して予め定められた角度以内内側に位置するように切り出し映像を映像から切り出す。
映像生成部105は、対象物に対するコメント自体を、提示フレームに重畳して、ユーザーに提示する。つまり、映像生成部105は、切り出し映像としての提示フレームに含まれる対象物に対して対象物関連情報を関連付けた映像を生成する。本実施の形態1では、映像生成部105は、自動車と対象物との距離が近くなるほど、対象物に対するコメントを大きくして提示フレームに重畳してユーザーに提示する。なお、映像生成部105は、提示フレームに対象物に対するコメントを重畳した映像を生成することに限らずに、提示フレームの外側に対象物に対するコメントが表示されるような映像を生成してもよい。
(2.動作)
以降、具体的な例を挙げて詳細に説明を行う。
図2は、対象物情報受付部201の画面の一例を示す図である。
ユーザーは対象物情報受付部201として携帯端末やPCなどのGUIを備えた機器を用いて例えば図2に示すような地図上の位置を指定して、指定した位置に対して対象物関連情報としてのコメントが入力できるようになっている。具体的には、ユーザーは、画面上に表示された地図(図2参照)に対して、タッチパネルやマウスなどのポインティングデバイスにより地図上の位置を指示することで対象物の位置を指定する。そして、対象物情報受付部201は、例えば、地図により指定された対象物の位置に対するコメントを入力するための入力スペースを表示し、ユーザーからの対象物に対するコメントの入力を受け付ける。
なお、上述したような地図上の位置を指定することに限らずに、例えば図3に示す様な対象物情報のリストから対象物としての建物を選択することにより、対象物関連情報を受け付けてもよい。図3では、対象物の例として、建物を挙げているが、山、湖、川などの場所であってもよい。この場合に、対象物情報受付部201は、例えば、リストにより指定された対象物の位置に対するコメントを入力するための入力スペースを表示し、ユーザーからの対象物に対するコメントの入力を受け付ける。つまり、対象物情報は、対象物としての建物の名称と、対象物関連情報と、建物の位置情報とが関連付けられた情報である。その際に対象物の位置は当該リストに含まれる位置座標を適用してもよいし、その建物が占める領域の重心位置などを対象物の位置としてもよい。なお、図3は、対象物と対象物関連情報とを関連付けた対象物情報を示す図である。
さらに、リストから建物のみを選択し、コメントを受け付けない構成であってもよい。なお、この場合には、映像生成部105にて、対象物関連情報として当該建物の名称や、当該建物に関する情報を提示してもよいし、コメントを表示する代わりに、何らかのマーク、記号などを表示してもよい。つまり、対象物関連情報は、コメント、建物に関する情報、建物の名称、マーク、記号などである。対象物関連情報として何を表示するかはデフォルトとして予め定めておいてもよいし、ユーザーに選択させてもよい。この場合、対象物情報DB202はその旨を保持しておく。
図4は、対象物と入力されたコメントとを関連付けた表を示す図である。
対象物情報DB202は、対象物情報受付部201で上記に挙げた地図上での対象物の位置の指定とコメントの入力とを受け付けた場合は、対象物を保持するために図4に示すような表を用いる。なお、対象物情報受付部201で対象物の位置およびコメント以外の他の情報を受け付けた場合は、図4に示す表にそれぞれの情報に応じた項目をさらに備えてもよい。なお、以下の説明においては、何らかのマークや記号などもコメントとして取り扱う。
映像情報生成部203は、自動車の上に設けられる、パノラマ撮影用の装置と、GPS等の技術を用いて現在位置を測定する装置とを有する。映像情報生成部203は、現在位置を測定しながら移動し、複数の映像フレームのそれぞれと各映像フレームが撮影された撮影位置とがそれぞれ組になるようにした位置座標付きのパノラマ映像を映像情報として生成する。
映像情報DB204は、映像情報生成部203により生成された複数の映像フレームのそれぞれと各映像フレームが撮影された撮影位置とがそれぞれ組になるようにした位置座標付きのパノラマ映像を格納している。映像情報DB204は、映像フレームと撮影位置とが組になるように保持しておけばその形態は特に規定しない。
以降、映像を再生する際における映像生成処理を図5及び図6を用いて説明する。図5は、映像生成処理の流れを示すフローチャートである。図6は、視野方向を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
対象物情報取得部101が対象物情報DB202から対象物の位置および対象物関連情報を取得する(S110)。そして、映像情報取得部102が移動している自動車の位置と、当該位置における自動車から所定の画角で撮影された映像とが対応付けられた映像情報を取得する(S120)。
取得された映像情報に基づく映像の再生が終端の映像フレームまで行われたか否かが判定される(S130)。ここで、映像の再生が終端まで行われていると判定されれば(S130:Yes)、映像生成処理を終了し、映像の再生が終端まで行われていると判定されなければ(S130:No)、次のステップS140に進む。なお、ステップS130において行われる判定は、実際に映像の再生が行われて要ることに限らずに、当該再生に必要な内部データの生成が終端の映像フレームまで行われたか否かの判定であってもよい。
次に、映像フレームを1フレーム進める(S140)。なお、このときに1フレーム進める前のフレームをn番目の映像フレームであるnフレームとする。ここでは、映像生成処理の対象となる映像フレームが決定される。映像生成処理の対象となった映像フレームがない場合には、最初の映像フレームが映像生成処理の対象とされる。
ステップS140において決定された映像フレームにおいて、n番目のnフレームにおける自動車の位置701aから、図7に示すように、nフレームの次のフレームであるn+1番目のn+1フレームにおける自動車の位置701bへ向かうベクトルを自動車の移動方向702とする(S150)。なお、図7は、自動車の移動方向702および視野方向705を説明するための図である。このように、ステップS150において、移動方向取得部103は、映像が撮影された2以上の位置に基づいて、nフレームの映像が撮影された位置に対応付けられた移動体の移動方向702を導出する。つまり、nフレームの映像が撮影された位置(nフレームにおける自動車の位置)701aについて、nフレームの映像が撮影された位置701aからn+1フレームの映像が撮影された位置(n+1フレームにおける自動車の位置)701bまでの方向が、nフレームの映像が撮影された位置701aに対応付けられた移動方向702として導出されることになる。
なお、移動方向は、映像が撮影された2以上の位置に基づいて導出されなくともよく、例えば、予め自動車の移動経路を示す移動経路情報を取得し、移動経路情報が示す移動経路と、nフレームの映像が撮影された位置とから移動方向702が導出される。つまり、この場合には、nフレームの映像が撮影された位置が移動経路上の位置となるため、移動経路におけるnフレームの映像が撮影された位置の接線方向が、nフレームの映像が撮影された位置に対応する移動方向702として導出される。
また、移動方向702は、複数の映像フレームに関連付けられた一定時間間隔の移動方向の変化点に関する方向変化情報から導出してもよい。この場合には、例えば、方向変化情報としてn+mフレームにおいて自動車が90度右に曲がった情報が記憶されており、n+mフレーム以前において北に向かって自動車が移動していた場合には、n+mフレーム以降において自動車の移動方向は東向きとなる。また、この場合、1フレームの前後の所定の範囲のフレームにおいて徐々に北向きから東向きへ移動方向が変更されるようにすることが好ましい。
また、移動方向702は、予め複数の映像フレームのそれぞれに対応付けられていてもよい。具体的には、映像を撮影するときに、ジャイロセンサなどの方角を検出するセンサを用いて、当該センサの検出値と、映像を撮影したときの複数の映像フレームのそれぞれとを対応付けて記憶しておき、映像フレームに対応付けられた方角から移動方向を取得するようにしてもよい。
そして、映像切り出し部104は、移動方向702と自動車の位置701aから対象物の位置703に向けて引いた対象物ベクトル704とに基づいて視野方向705を決定する処理を行う(S160)。なお、本処理についての詳細は、図6に基づいて後述する。
映像切り出し部104は、ステップS160において決定した視野方向を中心に切出画角の範囲を、切出映像である提示フレームとして切り出す(S170)。
映像生成部105は、映像切り出し部104により切り出された提示フレーム上の対象物の位置703に対して対象物に関する情報(コメント)を重畳した映像を生成することにより、切出映像に含まれる対象物に対して対象物に関する情報を関連付ける(S180)。つまり、映像生成部105は、対象物に対する対象物関連情報(コメント)を、提示フレーム上の対象物の位置に対応させて重畳して、ユーザーに提示する映像を生成する。ステップS180の処理が終了すると、ステップS130に戻る。
次に、図6に基づいて、映像切り出し部104により行われる視野方向705を決定する処理について詳述する。
パノラマ映像の各映像フレームから切り出す提示フレームは予め規定した一定の視野角の範囲を切り出すものとし、その視野方向は自動車の移動方向とする。対象物の位置と自動車の位置とが予め規定した所定の距離以内になった場合においては、以下の方法により視野方向を決定する。
まず、映像切り出し部104は、自動車の位置701a(図7参照)から所定の距離範囲に対象物が存在するか否かを判定する(S210)。ここで、自動車の位置701aから所定の距離範囲に対象物が存在すると判定されれば(S210:Yes)、次のステップS220に進む。
映像切り出し部104は、自動車の位置701a、自動車の移動方向702、および対象物の位置703を用いて、自動車の位置701aから対象物の位置703への方向である対象物ベクトル704と、自動車の移動方向702とのなす角度Mを求める。そして、映像切り出し部104は、移動方向702と対象物ベクトル704とのそれぞれに予め定められた重み付けに基づいて視野方向を決定する。映像切り出し部104は、例えば、移動方向702と対象物ベクトル704に対する重み付けがP:Qである場合、M×Q/(P+Q)度だけ自動車の移動方向702から対象物ベクトル704方向に傾けた方向を仮視野方向とする(S220)。
映像切り出し部104は、ステップS220により決定された仮視野方向を中心とし、パノラマ映像の各映像フレームから予め規定された切出画角の範囲を切り出した際に、切り出された提示フレームの画角の左端および右端の一方が移動方向702に対する移動方向角度806が移動方向制限S度以上、かつ、提示フレームの画角の左端および右端の他方が対象物ベクトル704に対する対象物ベクトル角度807が対象物ベクトル制限T度以上であるか否かを判定する(S230、図8Aおよび図8B参照)。なお、ここで判定される移動方向角度806は、提示フレームの画角の範囲内にある移動方向702に対する提示フレームの画角の左端または右端の角度である。また、同様に、対象物ベクトル角度807は、提示フレームの画角の範囲内にある対象物ベクトル704に対する提示フレームの画角の左端または右端の角度である。ここで、映像切り出し部104は、移動方向角度806が移動方向制限S度以上、かつ、対象物ベクトル角度807が対象物ベクトル制限T度以上であると判定すれば(S230:Yes)、仮視野方向を視野方向705として決定し、視野方向705を決定する処理を終了する。なお、図8Aは、移動方向角度806について説明するための図である。図8Bは、対象物ベクトル角度807について説明するための図である。
ステップS230の判定を行うことにより、図8Aに示す移動方向角度806が提示フレームの左端から移動方向制限S度を下回らないように制限でき、また、図8Bに示す対象物ベクトル角度807が提示フレームの右端から対象物ベクトル制限T度を下回らないように制限できる。このように移動方向角度806の角度制限を行うことにより、自動車の移動方向702が極端に提示フレームの端に来る場合は展望映像としての臨場感が損なわれることを低減できる。また、対象物ベクトル角度807の角度制限を行うことにより、対象物の視認性を十分に確保する事ができる。なお、上記S度及びT度は適切な値を設定してもよいし、0度としてもよい。
映像切り出し部104は、移動方向角度806が移動方向制限S度以上、かつ、対象物ベクトル角度807が対象物ベクトル制限T度以上であると判定しなかった場合(S230:No)、ステップS220において決定した仮視野方向と自動車の移動方向702とが同じ向きのベクトルであるか否かを判定する(S240)。
映像切り出し部104は、仮視野方向と自動車の移動方向702とが同じ向きのベクトルであると判定すれば(S240:Yes)、仮視野方向を視野方向705として決定し、視野方向705を決定する処理を終了する。
映像切り出し部104は、仮視野方向と自動車の移動方向702とが同じ向きのベクトルであると判定しなければ(S240:No)、予め定められた角度だけ仮視野方向を移動方向702に近づけて、近づけた仮視野方向を視野方向705として決定し(S250)、視野方向705を決定する処理を終了する。
また、映像切り出し部104は、ステップS210において自動車の位置701aから所定の距離範囲に対象物が存在すると判定しない場合(S210:No)、自動車の移動方向702を視野方向705として決定し、視野方向705を決定する処理を終了する。
映像切り出し部104は、上述のように視野方向705を決定するため、対象物ベクトル704が提示フレーム内に含まれない場合は、視野方向705は自動車の移動方向702と同じ方向となるように変更する。その変更の際において、映像切り出し部104は、ステップS250の処理を行うため、視野方向705を映像において徐々に自動車の移動方向702と同じ角度になるように変更する。なお、ステップS250では、1フレームにおける視野方向705の角度を変更しているが、これに限らずに、その後の複数(例えば2つ、3つなど)のフレームを経るに従い徐々に視野方向705を自動車の移動方向702と同じ角度になるように変更してもよい。つまり、この場合には、映像切り出し部104は、例えば、フレーム毎に予め定められた角度ずつ、視野方向705を自動車の移動方向702と同じ向きになるまで変更する処理を行うことになる。これは急激な視野方向の変更によりユーザーにとって見難い映像とならないための配慮となる。
提示フレーム上の対象物の位置は、パノラマ映像から映像フレームを切り出す際に、自動車の移動方向702と対象物ベクトル704とのなす角度から特定できる。
(具体例)
図9は、映像生成処理を行わない場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。図10Aは、図9において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。図10Bは、図9において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。図10Cは、図9において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。図10Dは、図9において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。図11は、映像生成処理を行った場合に、自動車の移動した複数の位置と、当該複数の位置のそれぞれにおける視野方向を示す図である。図12Aは、図11において自動車が位置P1に位置するときに撮影された映像を示す図である。図12Bは、図11において自動車が位置P2に位置するときに撮影された映像を示す図である。図12Cは、図11において自動車が位置P3に位置するときに撮影された映像を示す図である。図12Dは、図11において自動車が位置P4に位置するときに撮影された映像を示す図である。
図9に示すように、映像生成処理が行われない場合には、自動車の移動方向が視野方向となる。このため、例えば、対象物の位置703に対して「FOR RENT」というコメントが関連付けられていても、図10Aおよび図10Bに示すように図9における自動車の位置P1および位置P2では「FOR RENT」を視聴者が認識できるが、図10Cに示すように図9における自動車の位置P3において撮影された映像の画角から対象物の位置703がほとんど外れた位置に位置するために対象物の位置703の像または「FOR RENT」を認識できない。このように、位置P1における画角αと、視野方向とが維持されたままの映像が表示されるため位置P3において対象物の位置703の像または「FOR RENT」を認識できない。
一方で、図11に示すように、映像生成処理が行われる場合には、視野方向は対象物に傾くようにパノラマ映像から切り出されるため、上記と同様に例えば対象物の位置703に対して「FOR RENT」というコメントが関連付けられているとき、図12A、図12Bおよび図12Cに示すように図11における自動車の位置P1、位置P2および位置P3において対象物の位置703の象または「FOR RENT」を視聴者が認識できる。つまり、映像生成処理が行われていない場合には、位置P3において対象物の位置703の象または「FOR RENT」を認識できなかったが、映像生成処理を行うことにより位置P3において対象物の位置703の象または「FOR RENT」を認識できるようになる。このため、視聴者は、映像生成処理を行うことにより、対象物の位置703の像または「FOR RENT」を極力長い時間視ることができる。
本実施の形態1に係る映像生成装置100によれば、対象物が自動車の移動方向からずれた位置に存在する場合であっても、自動車の前方展望映像において対象物の映像をある程度の時間連続して表示することができる。
また、本実施の形態1に係る映像生成装置100によれば、SNSを通じて投稿された自動車の移動経路近傍の対象物に関するコメントや写真などの対象物に関する情報を前方展望映像に含まれる対象物に関連付けて表示することができる。さらに、例えば、コメントや写真などの対象物に関する情報を対象物の映像に重畳した映像を生成すれば、重畳された対象物に関する情報についても対象物と同様にある程度の時間連続して表示することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、1つの対象物がある場合について説明したが、複数の対象物があってもよい。この場合、複数の対象物に対する対象物情報が対象物情報DB202に格納されている。この場合、映像切り出し部104は、上記複数の対象物からなる対象物群の位置を定め、実施の形態1の対象物の位置703の代わりに用いる。つまり、映像切り出し部104は、対象物が複数存在する場合、それぞれの対象物に対して与えられた重み付けに基づいて切り出し映像の中心となる視野方向を決定する。映像切り出し部104は、対象物群の位置を、各対象物の重要度と、各対象物および自動車の位置の間の距離とに応じて重み付けを行うことにより算出する。各対象物の重要度は、各対象物の位置について記載されたコメントの文字数を基に設定してもよいし、また、同じ建物に対して多くのコメントが記載されている場合や違う建物であっても近隣の場所に多くのコメントが記載されている場合は、記載されているコメントの密集の度合いに応じて重要度を設定してもよい。例えば、ある対象物から一定範囲内に別の対象物がある場合には、例えば図13に示すように、重要度の数値をより大きく設定してもよい。なお、各対象物の重要度に応じた重み付けとは、例えば、重要度の数値が大きく設定されている対象物ほどその重みが大きくなるように重み付けすることである。また、各対象物および自動車の位置の間の距離に応じた重み付けとは、例えば、自動車に最も近い対象物ほどその重みが大きくなるように重み付けすることである。
図13は、対象物群の位置の算出方法を説明するための図である。
実施の形態2では、対象物に対する位置の算出方法のみが異なるため、対象物に対する位置の算出方法についてのみ説明する。対象物群の位置の算出方法は例えば以下のようになる。
図13上の各対象物(e、f、g、h)の重要度をそれぞれE、F、G、Hとする。また、各対象物(e、f、g、h)と自動車の位置との距離をd1、d2、d3、d4とする。
さらに対象物の重要度と、自動車と対象物との間の距離とに対する重み付けを、それぞれV、Wとすると、各対象物(e、f、g、h)の位置座標にそれぞれ(V×E+W×d1)、(V×F+W×d2)、(V×G+W×d3)、(V×H+W×d4)の重みを付けた位置座標を求め、重み付けられた複数の位置座標の重心位置を対象物群の位置とする。
なお、上記V、Wの値は、対象物の重要度が低くとも、映像全体としては、その対象物も写るように適切な値を設定することが望ましい。適切な値が設定されれば、自動車の位置が図13の位置aである場合には、自動車と対象物(e、f、g)との間の距離よりも自動車と対象物hとの間の距離が短いため、対象物hに対する重み付けが大きくなり対象物群の位置が移動方向の右側となるように算出される。また、自動車の位置が図13の位置bである場合には、対象物hが切出映像の画角から外れた位置に位置することになるため対象物(e、f、g)に対する重み付けが大きくなり対象物群の位置が移動方向の左側となるように算出される。また、自動車の位置が位置aから位置bに移動する間に対象物群の位置は移動方向の右側から左側に移動することになる。したがって、自動車の視野方向705においても、同様に自動車の位置が位置aから位置bに移動する間に移動方向の右側から左側に移動することになる。
なお、各コメントの重要度は、コメントの記載者と映像を視聴しているユーザーとの間の友人関係の度合を用いて設定してもよい。この場合、FACEBOOK(登録商標)等のSNSから友人関係を取得し両者の友人関係が強いものであれば、そのコメントの重要度をより高く設定してもよい。
映像生成部105においては、各対象物のコメントを対象物情報DB202から取得し、提示フレーム上に存在する対象物の位置に対応させて重畳して、ユーザーに提示する映像を生成する。
なお、上記では、各対象物の重心座標を基に視野方向を決定する例であるが、例えば、1つの建物(対象物)に多くのコメントが付けられている場合、その建物に対するコメントを全て表示できるように、コメントの分布範囲を基に視野方向を決定してもよい。つまり、例えば、移動方向から最も外れた方向にあるコメントが画角内に入るように、視野方向を決定することにより、当該建物に対するコメントの全てを表示させるようにしてもよい。
その場合、例えばその建物において最も経路から離れたコメントの位置を、その建物のコメントの代表位置としてもよい。もしくは、近年は地図情報として、単に建物の位置情報、名称情報だけでなく形状情報(領域情報)も含まれているものも有る。よってこれらの情報を利用し、建物の領域において経路から最も離れた位置を視野に含むように視野方向を決定してもよい。
また、1つの建物に多くのコメントが付けられている場合、上記の他にも、複数のコメントの位置の重心を当該建物の位置としてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、切出映像を切り出すときの切出画角を一定の画角としているが、これに限らずに、複数の対象物がある場合であって、各対象物の重要度及び、自動車の位置との距離も同程度の場合においては、図14に示すように、それらの対象物を一つの提示フレームに含まれるように切り出してもよい。具体的には、映像切り出し部104は、上記のような場合に、一つの提示フレームに複数の対象物が含まれるように提示フレームの切出画角を拡げてもよい。なお、図14は、切出画角の変更を説明するための図であり、(a)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げる前の状態を示す図であり、(b)が複数の対象物のそれぞれと自動車との距離が等しい場合における切出画角を拡げた後の状態を示す図である。図14(a)、(b)において、切出画角および視野方向は破線で示される。
但し、切出画角を拡げると、広角な映像となるため、映像での遠近感の変化や映像歪が発生するため、どの程度まで画角の拡大を許すかの設定は、ユーザーの視聴環境などに基づいて例えば以下のように変更することが考えられる。例えば、ユーザーが小型のタブレット端末などで視聴している場合は、提示映像中の切出画角が変化することによる多少の遠近感の変化や映像歪が生じたときに、ユーザーにとっては多少の違和感が発生する程度ですむと思われるため切出画角の拡大を許容する設定にすることが考えられる。また、没入感のある映像装置(例えばヘッドマウントディスプレイ)等によりユーザーが視聴している場合は、提示映像中の切出画角が変化することによる多少の遠近感の変化や映像歪が生じたときに、ユーザーの感じる違和感は大きくなるため、視野角の変更を極力避ける設定にすることが考えられる。
また、提示映像を再生している途中で画角を変更する場合、映像での遠近感の変化のため違和感を覚えるユーザーもいると思われる。よって、視野角を変更する際は急激な視野角変更にならないように映像フレーム間での角度変化の上限値を定めることが考えられる。
また、複数の対象物のそれぞれと自動車の位置との間の距離などの値を用いて、複数の対象物の内のいずれかを優先して表示し、優先して表示された対象物以外の対象物は提示フレーム外に対象物があることをユーザーに提示した上で、切出画角の変更処理および視野方向の変更処理の少なくとも一方の処理を行ってもよい。この場合に、優先して表示された対象物が含まれるように切り出された優先提示フレームとは別に、優先提示フレームに含まれていない対象物が含まれる非優先提示フレームを切り出してもよい。非優先提示フレームは、優先提示フレームとは別に再生してもよいし、画面分割などを用いて優先提示フレームと同時再生表示してもよい。
上記の各種設定はデフォルトとして予め設定されていてもよいし、ユーザーが選択または任意に設定できるようにしてもよい。
なお、本実施の形態3では、切り出し映像を切り出すときの切出画角の変更は、各対象物の重要度及び、自動車の位置との距離も同程度の場合に行なっているが、これに限らずに、映像切り出し部104は、対象物に対して与えられた例えば対象物の重要度などの重み付けが大きいほど、切出映像としての提示フレームの切出画角を大きくして切り出してもよい。
(実施の形態4)
映像を再生する際に、映像情報DB204に格納された全ての映像フレームを再生せず、対象物が映像内に入る映像フレームのみを抽出し、再生することで、対象物の視聴に特化したダイジェスト視聴が可能となる。つまり、映像切り出し部104は、さらに、映像のうちで、対象物が含まれる時間帯を少なくとも含む時間帯の映像であって、移動体の位置から対象物の位置へ向かう方向と、移動体の移動方向または反対方向と、がともに含まれる映像を切出映像として切り出す。
具体的には、視野方向を決定する処理において、ステップS230でYESと判定されたフレームのみを用いて提示映像を生成すればよい。なお、対象物の表示が唐突にならないようにとの配慮のためステップS230でYESと判定されたフレームのみでなく、当該フレームの前後数〜数十フレームも抽出してもよい。
なお、ダイジェスト視聴の対象となる映像フレームの判定は、オフラインで事前に処理をしておく事が考えられる。判定結果は、各映像フレームがダイジェスト視聴の対象となるか否かの判定の結果であってもよいし、ダイジェスト視聴の対象となる区間の情報(開始/終了のフレーム番号等)であってもよい。また、各映像フレームに対して判定結果を関連付けてもよいし、フレーム番号を参照することなどで各映像フレームと判定結果とを対応できるようすれば判定結果を別途保持しておいてもよい。また、映像切り出し部104は、切りだす前の映像から対象物が含まれるか否かを判定してもよいし、切り出した後の提示映像から対象物が含まれるか否かを判定してもよい。
また、映像切り出し部104は、各対象物からダイジェスト視聴の対象となる映像フレームを判定してもよい。この場合、対象物毎に自動車が近隣になる映像フレームを予め抽出し、抽出した映像フレームに対してステップS230と同様の判定をすればよい。また、対象物の追加が随時行われるような場合は、映像切り出し部104は、追加された対象物について自動車が近隣になる映像フレームを予め抽出し、抽出した映像フレームに対してダイジェスト視聴の対象となる映像フレームを判定することで効率的な処理が行える。
(実施の形態5)
また、映像情報DB204に格納される展望映像は、前方展望映像に限定されない。例えば、後方展望映像であってもよい。すなわち、映像情報生成部203を構成する撮影用の装置は、自動車の移動方向を向いて撮影してもよいし、自動車の移動方向の反対方向を向いた撮影してもよい。なおこの場合には、切り出しのときに、例えば、図15に示すように、自動車の位置に対象物iが所定の距離だけ近づいた位置b以降において予め対象物の方向に視野方向を傾けるようにする。このように、予め位置bにおいて対象物の方向に視野方向を傾けて切り出しを行うことにより、次の位置cにおいて対象物が提示フレームに含まれるようにできるため、より長く提示映像中に対象物が含まれるような提示映像を生成することができる。また、図16に示すように、自動車の移動経路が曲がる場合には、対象物jの方向に視野方向を傾けることにより、対象物が提示映像中に長く含まれる提示映像を生成することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記実施の形態において、映像情報DB204に格納される前方展望映像は360度の画角のパノラマ映像であるとしたが、360度のパノラマ映像であることに限らない。パノラマ映像は、予め規定された所定の画角を維持しつつ、視野方向をある程度変化させることができる程度の広角(例えば180度、120度等)で撮影された前方展望映像であればその画角の角度は問わない。また、展望映像は、動画であるとしたが、動画に限らずに異なる複数のタイミングで撮影された複数の静止画の集合であってもよい。展望映像が複数の静止画である場合には、一枚の静止画について、上記映像フレームにおいて行われた処理と同じ処理が行われることになる。
なお、対象物情報受付部201は地図上で位置を指定された場所を対象物の位置とし、その場所に関するコメントや、その場所に建つ建物に関するコメントを受け付け、指定位置とコメントを組にして対象物として受け付けるとしたが、対象物情報取得部101が取得する対象物に関する情報は、SNSを提供するサーバから受け取ってもよい。
なお、映像生成装置100は、映像情報DB204に格納されているパノラマ映像について映像生成処理を行えば提示映像を生成できるため、映像情報生成部203が生成したパノラマ映像についてリアルタイムに映像生成処理を行なってもよいし、映像情報DB204に既に格納されているパノラマ映像について映像生成処理を行なってもよい。
なお、映像生成部105は、各対象物に対するコメントを対象物情報DB202から取得し、提示フレーム上に存在する対象物の位置に対応させて重畳して、ユーザーに提示する映像を生成するとしたが、映像生成部105は、必ずしも本発明に必須の要件ではない。撮影済の位置座標付きのパノラマ映像または広角映像から対象物をできるだけ長い時間視野内にとらえることができるように視野を切り出すことができればよいので、対象物に対応したコメントの提示をせずに、対象物が提示映像中に長く含まれるように提示映像を生成するようにしてもよい。あるいは、対象物に対応したコメントを提示するか否かを切り替えられるように構成してもよい。また、対象物に対応したコメントを提示するのか、対象物に対応した情報(図3参照)を提示するのか、を切り替えられるように構成してもよい。また、提示するコメントは、対象物が提示映像に含まれるタイミングで表示されればよいため、提示フレーム上に存在する対象物の位置に対応させて重畳することに限らずに、提示フレームとは別の表示枠を設けて当該表示枠にコメントを表示するようにしてもよい。
なお、本発明の映像生成装置は、端末装置に自動車の前方または後方の展望映像を提供するサーバ装置として実現できる。一方、本発明の映像生成装置は、サーバ装置と端末装置から構成されるシステムによって実現することもできる。その場合、例えば、映像切り出し手段と映像生成手段を端末装置にもたせ、サーバ装置は、対象物に関する情報と経路情報を端末装置に提供するという構成が考えられる。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る映像生成装置および映像生成方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
以上のように、本発明によれば、対象物が移動体の移動方向からずれた位置に存在する場合であっても、移動体の前方展望映像においてその対象物に関する情報をある程度の時間連続して表示することができる映像生成装置を提供することができるので、端末装置に移動体の前方展望映像を提供するサーバ装置として有用である。
また、本発明の映像生成装置は、サーバ装置と端末装置から構成されるシステムとして実現することもできる。
100 映像生成装置
101 対象物情報取得部
102 映像情報取得部
103 移動方向取得部
104 映像切り出し部
105 映像生成部
201 対象物情報受付部
202 対象物情報DB
203 映像情報生成部
204 映像情報DB
701a、701b 自動車の位置
702 移動方向
703 対象物の位置
704 対象物ベクトル
705 視野方向
806 移動方向角度
807 対象物ベクトル角度
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、移動体から撮影された展望映像と、前記展望映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、前記展望映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、前記展望映像のうちの一タイミングにおける展望映像の画角の一部である切出映像を、当該タイミングにおける前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、当該タイミングにおける前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向と、がともに含まれている、前記切出映像を切り出すための基準となる視野方向を算出し、算出した前記視野方向を基に前記切出し映像を切り出す映像切り出し部とを備える。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る映像生成装置は、対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、移動体から撮影された展望映像と、前記展望映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、前記展望映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、前記展望映像のうちの一タイミングにおける展望映像の画角の一部である切出映像を、当該タイミングにおける前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、当該タイミングにおける前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向と、がともに含まれている、前記切出映像を切り出すための基準となる視野方向を算出し、算出した前記視野方向を基に前記切出し映像を切り出す映像切り出し部とを備える。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記展望映像のうちの複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングにおける前記視野方向を算出し、算出した前記視野方向を基に前記切出映像を切り出してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向、または、前記移動方向もしくは前記反対方向が、前記切出映像の両端に対応する方向に対して予め定められた角度以上内側に位置するように前記切出映像を前記展望映像から切り出してもよい。
また、例えば、前記移動方向取得部は、前記展望映像が撮影された2以上の位置に基づいて、前記展望映像が撮影された位置に対応付けられた前記移動体の移動方向を導出することにより、当該移動方向を取得してもよい。
また、例えば、前記映像切り出し部は、さらに、前記展望映像のうちで、前記対象物が含まれる時間帯を少なくとも含む時間帯の展望映像であって、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または前記反対方向と、がともに含まれる映像を前記切出映像として切り出してもよい。

Claims (10)

  1. 対象物の位置を取得する対象物情報取得部と、
    移動体から撮影された映像と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得部と、
    前記映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得部と、
    前記映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部である切出映像を、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれるように切り出す映像切り出し部と
    を備える映像生成装置。
  2. 前記対象物情報取得部は、さらに、前記対象物に関する情報を取得し、
    前記映像生成装置は、前記切出映像に含まれる前記対象物に対して前記対象物に関する情報を関連付けた映像を生成する映像生成部をさらに備える
    請求項1に記載の映像生成装置。
  3. 前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と前記移動方向または前記反対方向とのそれぞれに対して与えられた重み付けに基づいて前記切出映像の中心となる視野方向を決定する
    請求項1または2に記載の映像生成装置。
  4. 前記映像切り出し部は、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向、または、前記移動方向もしくは前記反対方向が、前記切出映像の両端に対応する方向に対して予め定められた角度以内内側に位置するように前記切出映像を前記映像から切り出す
    請求項1から3のいずれか1項に記載の映像生成装置。
  5. 前記移動方向取得部は、前記映像が撮影された2以上の位置に基づいて、前記映像が撮影された位置に対応付けられた前記移動体の移動方向を導出することにより、当該移動方向を取得する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の映像生成装置。
  6. 前記映像切り出し部は、前記対象物に対して与えられた重み付けが大きいほど、前記切出映像の画角を大きくして切り出す
    請求項1から5のいずれか1項に記載の映像生成装置。
  7. 前記映像切り出し部は、前記対象物が複数存在する場合、それぞれの対象物に対して与えられた重み付けに基づいて前記切出映像の中心となる視野方向を決定する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の映像生成装置。
  8. 前記映像切り出し部は、前記対象物が複数存在する場合、前記複数の対象物が含まれるように前記切出映像の画角を大きくして切り出す
    請求項1から7のいずれか1項に記載の映像生成装置。
  9. 前記映像切り出し部は、さらに、前記映像のうちで、前記対象物が含まれる時間帯を少なくとも含む時間帯の映像であって、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または前記反対方向とがともに含まれる映像を前記切出映像として切り出す
    請求項1から8のいずれか1項に記載の映像生成装置。
  10. 対象物の位置を取得する対象物情報取得ステップと、
    移動体から撮影された映像と、前記映像が撮影されたときの前記移動体の位置とを取得する映像情報取得ステップと、
    前記映像が撮影されたときの前記移動体の移動方向を取得する移動方向取得ステップと、
    前記映像のうちの少なくとも一タイミングにおける映像の画角の一部の映像である切出映像を、前記移動体の位置から前記対象物の位置へ向かう方向と、前記移動体の移動方向または当該移動方向の反対方向とがともに含まれるように切り出す映像切り出しステップと
    を含む映像生成方法。
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