JPWO2013103038A1 - 光学装置および画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

励起光の吸収効率を向上可能な光学装置および画像表示装置を提供する。
本発明の光学装置(1)は、発光素子(101a)および(101b)と、発光素子(101a)および(101b)からの光が入射し、キャリアが生成されるキャリア生成層(103)と、キャリア生成層(103)の上側に積層され、キャリア生成層(103)を発光素子(101a)および(101b)の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有する、プラズモンを励起するプラズモン励起層(105)と、プラズモン励起層(105)の表面に発生する光または表面プラズモンを、所定の出射角の光に変換して出射する出射層(107)とを備え、キャリア生成層(103)に入射する光の入射角を、40度以上とする。

Description

本発明は、光学装置および画像表示装置に関する。
近年、プロジェクタ等の画像表示装置の光源として、例えば、発光素子と、発光素子からの光(励起光)が入射する導光体と、前記導光体に設けられ、前記導光体からの光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、前記キャリア生成層の上に積層され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモンを励起するプラズモン励起層と、前記プラズモン励起層の上に積層され、前記プラズモン励起層から入射する光を所定の出射角の光に変換して出射する出射層とを備える光学装置が開発されている(特許文献1)。
このような光学装置は、つぎのような原理で発光する。すなわち、まず、前記キャリア生成層に前記発光素子から照射された励起光が吸収されることで、前記キャリア生成層中にキャリアが生成される。このキャリアは、前記プラズモン励起層中の自由電子と結合し、表面プラズモンを励起する。そして、前記励起された表面プラズモンが、光として放出される。
国際公開第2011/040528号
前記特許文献1等に記載の光学装置では、発光効率の向上が望まれており、発光効率の向上において、発光素子から照射された励起光の吸収効率の向上は重要な要因である。
本発明の目的は、励起光の吸収効率を向上可能な光学装置および画像表示装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の光学装置は、
発光素子と、
前記発光素子からの光が入射し、キャリアが生成されるキャリア生成層と、
前記キャリア生成層の上側に積層され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有する、プラズモンを励起するプラズモン励起層と、
前記プラズモン励起層の表面に発生する光または表面プラズモンを、所定の出射角の光に変換して出射する出射層とを備え、
前記キャリア生成層に入射する光の入射角を、40度以上とする。
本発明の画像表示装置は、
前記本発明の光学装置と、
画像を表示可能な画像表示部とを含む。
本発明によれば、励起光の吸収効率を向上可能な光学装置および画像表示装置を提供できる。
図1は、本発明の光学装置の一例(実施形態1)の構成を模式的に示す斜視図である。 図2Aは、キャリア生成層の厚みが50nmの場合の、キャリア生成層における励起光の吸収率の入射角および偏光依存性を示す図である。 図2Bは、キャリア生成層の厚みが100nmの場合の、キャリア生成層における励起光の吸収率の入射角および偏光依存性を示す図である。 図3は、励起光の吸収率の、キャリア生成層の厚み依存性を示す図である。 図4は、光学装置からの発光スペクトルの励起光入射角依存性を示す図である。 図5は、キャリア生成層の厚みが50nmの場合の、光学装置からの発光スペクトルを示す図である。 図6は、キャリア生成層の厚みが100nmの場合の、光学装置からの発光スペクトルを示す図である。 図7は、本発明の光学装置のその他の例(実施形態2)の構成を模式的に示す斜視図である。 図8は、本発明の光学装置のさらにその他の例(実施形態3)の構成を模式的に示す斜視図である。 図9は、本発明の画像表示装置(LEDプロジェクタ)の一例(実施形態5)の構成を示す模式図である。 図10は、前記実施形態5のLEDプロジェクタに使用される光学装置の発光波長と蛍光体の励起波長および発光波長とを説明する図である。 図11は、本発明の光学装置のさらにその他の例(実施形態4)の構成を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の光学装置および画像表示装置について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、以下の図1から図11において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
(実施形態1)
本実施形態の光学装置は、誘電体層を有する光学装置の一例である。図1の斜視図に、本実施形態の光学装置の構成を示す。
図1に示すように、本実施形態の光学装置1は、発光素子101aおよび101bと、光制御部3とを、主要な構成要素として含む。光制御部3は、キャリア生成層103と、キャリア生成層103上に積層された誘電体層104と、誘電体層104上に積層されたプラズモン励起層105と、プラズモン励起層105上に積層された誘電体層106と、誘電体層106上に積層された波数ベクトル変換層107とを含む。波数ベクトル変換層107は、前記本発明における「出射層」としての機能を有する。発光素子101aおよび101bは、光制御部3の側面周囲に配置されている。発光素子101aおよび101bの配置位置と、キャリア生成層103に入射する光の入射角との関係は、後述する。
光制御部3は、励起光入射側部分(以下、「入射側部分」ということがある。)の実効誘電率が、光出射側部分(以下、「出射側部分」ということがある。)の実効誘電率よりも低くなるように構成されている。前記入射側部分は、プラズモン励起層105のキャリア生成層103側に積層された構造全体とキャリア生成層103に接する周囲雰囲気媒質(以下、「媒質」ということがある。)とを含む。前記構造全体には、誘電体層104およびキャリア生成層103が含まれる。前記出射側部分は、プラズモン励起層105の波数ベクトル変換層107側に積層された構造全体と波数ベクトル変換層107に接する媒質とを含む。前記構造全体には、誘電体層106および波数ベクトル変換層107が含まれる。なお、例えば、誘電体層104および誘電体層106を除いたとしても、前記入射側部分の実効誘電率が前記出射側部分の実効誘電率よりも低い場合には、誘電体層104および誘電体層106は、必ずしも必須の構成要素ではない。
ここで、前記実効誘電率(εeff)は、プラズモン励起層105の界面に平行な方向をx軸、y軸、プラズモン励起層105の界面に垂直な方向(プラズモン励起層105の表面に凹凸が形成されている場合には、その平均面に垂直な方向)をz軸とし、キャリア生成層103単体を励起光で励起したとき、キャリア生成層103から出射する光の角周波数をω、プラズモン励起層105に対する前記入射側部分または前記出射側部分における誘電体の誘電率分布のε(ω,x,y,z)、表面プラズモンの波数のz成分をkspp,z、虚数単位をj、Re[ ]を[ ]内の数値の実部を示す記号とすれば、下記式(1)で表される。
Figure 2013103038
実効誘電率εeffは、下記式(7)で表される式を用いて算出されてもよい。ただし、前記式(1)を用いるのが、特に望ましい。
Figure 2013103038
前記式(1)および前記式(7)において、積分範囲Dは、プラズモン励起層105に対する、前記入射側部分または前記出射側部分の三次元座標の範囲である。言い換えれば、この積分範囲Dにおけるx軸及びy軸方向の範囲は、前記入射側部分の構造全体の外周面、または前記出射側部分の構造全体の外周面までの媒質を含まない範囲であり、プラズモン励起層105の波数ベクトル変換層107側の面に平行な面内の外縁までの範囲である。積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲は、前記入射側部分または前記出射側部分の範囲である。なお、積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲は、プラズモン励起層105と、プラズモン励起層105に隣接する、誘電性を有する層(誘電体層104または誘電体層106)との界面を、z=0となる位置とし、これらの界面から、プラズモン励起層105の、誘電体層104または誘電体層106側の無限遠までの範囲であり、これらの界面から遠ざかる方向を、前記式(1)および前記式(7)における(+)z方向とする。例えば、プラズモン励起層105の表面に凹凸が形成されている場合、プラズモン励起層105の凹凸に沿ってz座標の原点を移動させれば、前記式(1)および前記式(7)から実効誘電率が求められる。例えば、実効誘電率の計算範囲において、光学異方性を有する材料が含まれている場合、ε(ω,x,y,z)はベクトルとなり、z軸に垂直な動径方向ごとに異なった値を有する。すなわち、z軸に垂直な動径方向ごとに、前記入射側部分および前記出射側部分の実効誘電率が存在する。この場合、ε(ω,x,y,z)の値は、z軸に垂直な動径方向に平行方向に対する誘電率とする。したがって、後述のkspp,z、kspp、deff等の、実効誘電率の関係する全ての現象は、z軸に垂直な動径方向ごとに、異なった値を有する。
また、前記表面プラズモンの波数のz成分kspp,z、前記表面プラズモンの波数のx、y成分ksppは、プラズモン励起層105の誘電率の実部をεmetal、真空中での光の波数をk0とすれば、下記式(2)および(3)で表される。
Figure 2013103038
Figure 2013103038
さらに、光学装置1では、プラズモン励起層105のキャリア生成層103側表面からキャリア生成層103のプラズモン励起層105側表面までの距離は、表面プラズモンの有効相互作用距離deffより短く設定されている。前記deffは、Im[ ]を[ ]内の数値の虚部を示す記号とし、表面プラズモンの有効相互作用距離を表面プラズモンの強度がe-2となる距離とすれば、下記式(4)で表される。
Figure 2013103038
したがって、前記式(1)または前記式(7)、前記式(2)および前記式(3)を用い、ε(ω,x,y,z)として、プラズモン励起層105の前記入射側部分の誘電率分布の実部εin(ω,x,y,z)、およびプラズモン励起層105の前記出射側部分の誘電率分布の実部εout(ω,x,y,z)をそれぞれ代入して、計算することで、プラズモン励起層105に対する前記入射側部分の実効誘電率εeffin、および前記出射側部分の実効誘電率εeffoutが、それぞれ求められる。例えば、z軸に垂直な面内に誘電率の異方性がある場合、z軸に垂直な動径方向ごとに、前記入射側部分および前記出射側部分の実効誘電率が存在する。したがって、前述のように、kspp,z、kspp、後述のdeff等の、実効誘電率の関係する全ての現象は、z軸に垂直な動径方向ごとに、異なった値を有する。実際には、実効誘電率εeffとして適当な初期値を与え、前記式(1)または前記式(7)、前記式(2)および前記式(3)を繰り返し計算することで、実効誘電率εeffを容易に求められる。なお、例えば、プラズモン励起層105に接する層の誘電率の実部が非常に大きい場合、前記式(2)で表される表面プラズモンの波数のz成分kspp,zが実数となる。これは、その界面において表面プラズモンが発生しないことに相当する。このため、プラズモン励起層105に接する層の誘電率が、この場合の実効誘電率に相当する。後述の実施形態における実効誘電率も、前記式(1)または前記式(7)と同様に定義される。
光学装置1では、発光素子101aおよび101bから出射される光(以下、「励起光」ということがある)が、キャリア生成層103に入射される際の、入射角が40度以上に設定されている。このような構成により、光学装置1は、キャリア生成層103における励起光の吸収効率、すなわち、キャリア生成層103、誘電体層104、プラズモン励起層105から構成される導波路(以下、「導波路」ということがある。)への結合効率が向上されている。光学装置1が、このような効果を奏することについて、以下に、詳細に説明する。
光学装置の発光効率の向上には、発光素子からの励起光の吸収率の向上が重要である。本発明者らは、励起光の吸収効率向上の観点から、鋭意研究を重ねた結果、キャリア生成層における励起光の吸収効率が、励起光のキャリア生成層への入射角に著しく依存することを見出した。さらに、本発明者らは、前記吸収効率は、前記励起光の偏光特性にも依存することを見出した。これらの知見は、本発明者らが初めて見出したものである。前記吸収効率の入射角依存性および偏光依存性について、本実施形態の光学装置1に基づいて、さらに説明する。
図2Aおよび図2Bに、キャリア生成層103における励起光の吸収率の入射角および偏光依存性を示す。図2Aに示す例では、キャリア生成層103の厚みを50nmに、図2Bに示す例では、キャリア生成層103の厚みを100nmに設定している。図2Aおよび図2Bに示す例では、キャリア生成層103の厚み条件も含めて、光学装置1を下記の条件に設定している。この例では、プラズモン励起層105で反射した光を、再利用していない。本実施形態において、前記「入射角」は、発光素子101aおよび101bから出射された光(光線)がキャリア生成層103(光制御部3)に入射する際の、前記光線とキャリア生成層103における入射面の法線とがなす角を示す。以下、本発明において、前記「入射角」は、前述と同様の概念で示される。
発光素子101:レーザダイオード(発光波長:460nm)
キャリア生成層103:形成材料:蛍光体(屈折率:1.7+0.03j)
厚み:50nm(図2A)または100nm(図2B)
誘電体層104:形成材料:SiO、厚み:10nm
プラズモン励起層105:形成材料:Ag、厚み:50nm
誘電体層106:形成材料:TiO、厚み:0.5mm
波数ベクトル変換層107:半球レンズ(直径:10mm)
図2Aに示すように、キャリア生成層103の厚みが50nmの場合、キャリア生成層103への励起光の入射角が大きくなるほど、前記励起光の偏光がs偏光の場合、吸収率が著しく増加し、前記励起光の偏光がp偏光の場合、吸収率が著しく減少する。ここで、前記励起光の吸収率は、前記励起光の偏光がs偏光の場合、入射角が40度以上で、31%以上、入射角が60度以上で、42%以上、入射角が70度以上で、53%以上である。前記励起光の偏光がs偏光の場合、吸収率の最大値は、前記励起光の入射角が84度で、77%であった。このように、前記吸収効率は、前記励起光の入射角および偏光に依存することが分かる。
図2Bに示すように、キャリア生成層103の厚みが100nmの場合、キャリア生成層103への励起光の入射角が大きくなるほど、前記励起光の偏光がp偏光の場合、吸収率が著しく増加し、前記励起光の偏光がs偏光の場合、吸収率が著しく減少する。ここで、前記励起光の吸収率は、前記励起光の偏光がp偏光の場合、入射角が40度以上で、19%以上、入射角が60度以上で、27%以上、入射角が70度以上で、33%以上である。前記励起光の偏光がp偏光の場合、吸収率の最大値は、前記励起光の入射角が78度で、37%であった。このように、前記吸収効率は、前記励起光の入射角および偏光に依存することが分かる。
図3に、励起光の吸収率とキャリア生成層103の厚みとの関係を示す。図3に示す例では、前記励起光の入射角を70度としたこと以外は、図2に示す例と同様の条件とした。図3において、横軸は、前記励起光におけるs偏光成分の割合を示し、100%は前記励起光がs偏光のみであることを示し、0%は前記励起光がp偏光のみであることを示す。図3に示すように、キャリア生成層103の厚みが50nmの場合、前記励起光にs偏光成分が多くなるのに伴い、前記励起光の吸収率が向上する。一方、キャリア生成層103の厚みが100nmの場合、前記励起光にs偏光成分が少なくなる、すなわち、p偏光成分が多くなるのに伴い、前記励起光の吸収率が向上する。いずれの条件においても、s偏光またはp偏光において吸収率の最大値となるということが共通して言える。また、s偏光とp偏光との間の偏光、すなわち、中間の偏光において吸収率が最大値となることはないとも言える。
図4に、図2Aおよび図3に示す例のキャリア生成層103の厚みが50nmの場合の、光学装置1からの発光スペクトルと、励起光の入射角との関係を示す。図4における「0°」「10°」「20°」「30°」「40°」「50°」「60°」「70°」「80°」は、前記励起光の入射角を示す。図4において、縦軸を、前記励起光の入射角が0度の場合の発光スペクトルを1として規格化した。図4に示すように、キャリア生成層103への前記励起光の入射角が大きくなるほど、発光パワーは、向上した。図2Aとの比較から、キャリア生成層103で吸収された励起光量と発光パワーとには、相関関係(例えば、比例関係)があることが分かる。
図5に、図2Aおよび図3に示す例のキャリア生成層103の厚みが50nmの場合の、光学装置1からの発光スペクトルを示す。図5における「0%」「33%」「66%」「100%」は、前記励起光に占めるs偏光成分の割合を示す。図5において、縦軸を、前記励起光がp偏光(図5中の「0%」)の場合の発光スペクトルを1として規格化した。図5に示すように、発光パワーは、前記励起光がs偏光(100%)の場合に、最大となり、前記励起光がp偏光(0%)の場合の8倍であった。図3との比較から、キャリア生成層103で吸収された励起光量と発光パワーとには、相関関係(例えば、比例関係)があることが分かる。
図6に、図2Bおよび図3に示す例のキャリア生成層103の厚みが100nmの場合の、光学装置1からの発光スペクトルを示す。図6における「0%」「33%」「66%」「100%」は、前記励起光に占めるs偏光成分の割合を示す。図6において、縦軸を、前記励起光がs偏光(図6中の「100%」)の場合の発光スペクトルを1として規格化した。図6に示すように、発光パワーは、前記励起光がp偏光(0%)の場合に、最大となり、前記励起光がs偏光(100%)の場合の4倍であった。図3との比較から、キャリア生成層103の厚みが50nmの場合と同様に、キャリア生成層103で吸収された励起光量と発光パワーとには、相関関係(例えば、比例関係)があることが分かる。
以上のように、キャリア生成層における励起光の吸収効率は、励起光の入射角に依存する。この知見に基づき、本発明者らは、励起光のキャリア生成層への入射角を40度以上とすることにより、励起光の吸収効率を向上できることが見出し、本発明を完成させるに至った。本発明によれば、励起光の吸収効率の向上により、例えば、高い発光効率と高い光出力定格を備える光学装置を実現できる。例えば、励起光の吸収率の最大値は、入射角が40度以上の場合であるため、前記入射角は、50度以上が好ましく、より好ましくは60度以上、さらに好ましくは70〜88度の範囲である。
また、励起光の吸収効率は、キャリア生成層の厚みに応じて、s偏光またはp偏光のいずれかにおいて、最大となる。したがって、前記キャリア生成層の厚みに応じて、s偏光またはp偏光のみを、前記所定の入射角以上でキャリア生成層に入射させれば、例えば、励起光の吸収効率をさらに向上できる。
つぎに、光学装置1について、発光素子101aおよび101bから出射された励起光が、光制御部3に入射し、光制御部3の波数ベクトル変換層107から光が出射される動作を説明する。
発光素子101aおよび101bから出射された励起光は、前記所定の入射角(および偏光)で、光制御部3に入射する。そして、前記励起光は、前記導波路に結合し、その中に閉じ込められる。この閉じ込められた励起光により、キャリア生成層103が励起され、キャリア生成層103中にキャリアが生成される。このキャリアは、誘電体層104を隔てたプラズモン励起層105中の自由電子と結合し、誘電体層104とプラズモン励起層105との界面に表面プラズモンを励起する。励起された表面プラズモンは、プラズモン励起層105と誘電体層106との界面から光として放出される(以下、「放出光」ということがある。)。前記光の放出は、前記入射側部分の実効誘電率が、前記出射側部分の実効誘電率より低いことにより起こる。前記放出光の波長は、キャリア生成層103を単独で励起したときに発生する光の波長に等しい。また、前記放出光の出射角度θoutは、誘電体層106の屈折率をnoutとすれば、下記式(5)で表される。
Figure 2013103038
前記励起された表面プラズモンの波数は、前記式(2)で一義的に設定される付近しか存在しない。前記放出光は、前記表面プラズモンの波数ベクトルが変換されただけである。したがって、前記放出光の放射角度は一義的に決定され、その偏光状態は常にp偏光である。すなわち、前記放出光は、非常に高い指向性を有する、p偏光の光である。前記放出光は、波数ベクトル変換層107に入射し、波数ベクトル変換層107によって回折または屈折されて、光学装置1外部に取り出される。なお、キャリア生成層103に入射した励起光のうち、前記導波路に結合しなかったものは、光制御部3(例えば、プラズモン励起層105)より反射される。この反射光を、例えば、金属ミラー、誘電体ミラー、プリズム等の反射体によって反射させ、再度、光制御部3に入射させることで励起光の利用効率をさらに向上できる。
発光素子101aおよび101bは、キャリア生成層103が吸収可能な波長の光(励起光)を出射する。具体的には、例えば、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオード等があげられる。前記LEDの場合、放射角および偏光の揃った光を放出する工夫が施されていることが好ましい。前記スーパールミネッセントダイオードの場合、偏光の揃った光を放出する工夫が施されていることが好ましい。前記励起光のキャリア生成層103への入射角は、前述のとおりであり、例えば、発光素子101aおよび101bは、前記入射角が前記所定の範囲となるように配置される。
キャリア生成層103は、前記励起光を吸光してキャリアを生成させる層である。キャリア生成層103は、例えば、発光体を含む。前記発光体は、例えば、蛍光体または燐光体等である。前記蛍光体は、例えば、有機蛍光体、無機蛍光体、量子ドット蛍光体、半導体蛍光体等があげられる。前記有機蛍光体は、例えば、ローダミン(Rhodamine 6G)、スルホローダミン(Sulforhodamine 101)等があげられる。前記無機蛍光体は、例えば、YS:Eu、BaMgAl:Eu、BaMgAl:Mn等があげられる。前記量子ドット蛍光体は、例えば、CdSe、CdSe/ZnS等の量子ドット等があげられる。前記半導体蛍光体は、例えば、無機材料半導体または有機材料半導体の蛍光体があげられる。前記無機材料半導体は、例えば、GaN、GaAs等があげられる。前記有機材料半導体は、例えば、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)等があげられる。キャリア生成層103は、例えば、発光波長が同一または異なる複数の波長の光を発生する、複数の材料から構成されてもよい。キャリア生成層103の厚みは、特に制限されず、例えば、1μm以下が好ましく、100nm以下が特に好ましい。
キャリア生成層103は、例えば、金属粒子を含んでもよい。前記金属粒子は、前記励起光との相互作用により、前記金属粒子の表面に表面プラズモンを励起し、その表面近傍に、前記励起光の電場強度に対して100倍近くの増強電場を誘起する。この増強電場により、キャリア生成層103内に生成されるキャリアを増加でき、例えば、光制御部3における前記励起光の利用効率を向上できる。
前記金属粒子を構成する金属は、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム、アルミニウム、またはこれらの合金等があげられる。これらの中でも、前記金属は、金、銀、銅、白金、アルミニウム、またはこれらを主成分とする合金が好ましく、金、銀、アルミニウム、またはこれらを主成分とする合金が特に好ましい。前記金属粒子は、例えば、その周辺部と中心部とで金属種の異なるコアシェル構造;2種の金属の半球の合体した半球合体構造;異なるクラスターが集合して粒子を作るクラスター・イン・クラスター構造等の構造を有してもよい。前記金属粒子を、例えば、前記合金または、前述の特殊構造とすることにより、前記金属粒子の寸法、形状等を変化させなくとも、共鳴波長を制御できる。
前記金属粒子の形状は、閉じた表面を有する形状であればよく、例えば、直方体、立方体、楕円体、球体、三角錐、三角柱等があげられる。前記金属粒子は、例えば、半導体リソグラフィ技術に代表される微細加工により、金属薄膜が一辺10μm未満の閉じた面で構成される構造体に加工されたものも含まれる。前記金属粒子のサイズは、例えば、1〜100nmの範囲であり、好ましくは5〜70nmの範囲であり、より好ましくは10〜50nmの範囲である。
プラズモン励起層105は、キャリア生成層103単体を励起光で励起したときにキャリア生成層103で発生する光の周波数(以下、「発光周波数」ということがある。)よりも高いプラズマ周波数を有する形成材料により形成された、微粒子層または薄膜層である。すなわち、プラズモン励起層105は、発光周波数において負の誘電率を有する。プラズモン励起層105のキャリア生成層103側に、プラズモン励起層105のキャリア生成層103側の界面から、前記式(4)で表される表面プラズモンの有効相互作用距離までの範囲に、例えば、光学異方性を有する誘電体層の一部が配置されてもよい。この誘電体層は、例えば、この光制御部3の構成要素の積層方向に垂直な面内、言い換えれば、各層の界面に平行な面内での方向によって誘電率が異なる光学異方性を有する。すなわち、この誘電体層は、光制御部3の構成要素の積層方向に垂直な面内において、ある方向とそれに直交する方向で、誘電率の大小関係がある。この誘電体層により、光学装置1の構成要素の積層方向に垂直な面内において、ある方向とそれに直交する方向とでは、前記入射側部分の実効誘電率が異なる。そして、前記入射側部分の実効誘電率を、ある方向でプラズモン結合が発生しないほど高く、それと直交する方向ではプラズモン結合が発生する程度低く設定すれば、例えば、波数ベクトル変換層107に入射する光の入射角および偏光をさらに限定できる。このため、例えば、波数ベクトル変換層107による光の取り出し効率を、さらに向上できる。
理論的には、前記入射側部分の実効誘電率とプラズモン励起層105の誘電率との和が、負または0の場合、キャリア生成層103で生成されたキャリアは、プラズモン励起層105に表面プラズモンを励起する。一方、前記和が正の場合、前記キャリアは、表面プラズモンを励起しない。すなわち、前述のプラズモン結合が発生しない程度高い実効誘電率とは、プラズモン励起層105の誘電率と前記入射側部分の実効誘電率との和が正となるような誘電率であり、前述のプラズモン結合が発生する程度低い実効誘電率とは、プラズモン励起層105の誘電率と前記入射側部分の実効誘電率との和が負または0となるような誘電率である。キャリア生成層103で生成されたキャリアが表面プラズモンへ結合する効率は、前記入射側部分の実効誘電率とプラズモン励起層105の誘電率の和とが0となる条件である。したがって、プラズモン励起層105の誘電率と前記入射側部分の実効誘電率の最低値との和が0となる条件が、方位角に対する指向性を高める点で、最も好ましい。ただし、上記条件では、例えば、方位角に対する指向性を高め過ぎによる、プラズモン励起層105を透過する発光の減少やそれに伴うプラズモン励起層105での発熱が懸念される。このため、実用上は、方位角の指向性を高めすぎないのが好ましい。具体的には、プラズモン励起層105の誘電率と前記入射側部分の実効誘電率の中間値との和が0となる条件で、例えば、方位角315度〜45度、135度〜225度の範囲に高指向性放射が得られる。このため、例えば、方位角に対する指向性の向上と発光減少の抑制とを両立できる。前記光学異方性を有する誘電体層の構成材料は、例えば、TiO2、YVO4、Ta25等の異方性結晶等があげられる。前記誘電体層の構造は、例えば、誘電体の斜め蒸着膜、斜めスパッタ膜等があげられる。
プラズモン励起層105の構成材料は、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム、アルミニウム、またはこれらの合金等があげられる。これらの中でも、前記構成材料は、金、銀、銅、白金、アルミニウム、およびこれらを主成分とする誘電体との混合体が好ましく、金、銀、アルミニウム、およびこれらを主成分とする誘電体との混合物が特に好ましい。プラズモン励起層105の厚みは、特に制限されず、200nm以下が好ましく、10〜100nm程度が特に好ましい。
プラズモン励起層105のキャリア生成層103側表面は、例えば、粗面化されていてもよい。前記粗面が、例えば、前記励起光の散乱、前記粗面の先鋭部における局在プラズモンの励起をもたらし、キャリア生成層103中に励起されるキャリアを増加させる。この結果、例えば、光制御部3における励起光の利用効率を向上できる。
誘電体層104は、誘電体を含む層であり、具体的には、例えば、SiOナノロッドアレイフィルム;SiO、AlF、MgF、NaAlF、NaF、LiF、CaF、BaF、低誘電率プラスチック等の薄膜または多孔質膜等があげられる。誘電体層104の厚みは、特に制限されず、例えば、1〜100nmの範囲であり、好ましくは5〜50nmの範囲であり、より好ましくは5〜20nmの範囲である。
誘電体層106の構成材料は、例えば、ダイヤモンド、TiO、CeO、Ta、ZrO、Sb、HfO、La、NdO、Y、ZnO、Nb等の高誘電率材料があげられる。誘電体層106の厚みは、特に制限されない。
波数ベクトル変換層107は、プラズモン励起層105と誘電体層106との界面から放射される光を、その波数ベクトルを変換することにより、光学装置1から出射させる出射部である。波数ベクトル変換層107は、前記放射光を、プラズモン励起層105と誘電体層106との界面にほぼ直交する向きに、光学装置1から出射させる機能を有する。
波数ベクトル変換層107の形状は、例えば、表面レリーフ格子;フォトニック結晶に代表される周期構造、または準周期構造;そのサイズが光学装置1からの出射光の波長より大きいテクスチャー構造(例えば、粗面によって構成される表面構造);ホログラム;マイクロレンズアレイ等があげられる。前記準周期構造は、例えば、周期構造の一部が欠けている不完全な周期構造を示す。光の取り出し効率の向上および指向性制御の観点から、前記形状は、フォトニック結晶に代表される周期構造、または準周期構造;マイクロレンズアレイ等が好ましい。前記フォトニック結晶は、結晶構造が三角格子構造を採るものが好ましい。波数ベクトル変換層107は、例えば、平板状の基部上に凸部が設けられた構造でもよい。
前述のように、光学装置1では、プラズモン励起層105のキャリア生成層103側表面からキャリア生成層103のプラズモン励起層105側表面までの距離は、表面プラズモンの有効相互作用距離deffより短く設定されている。このように設定されていることで、キャリア生成層103中に生成されるキャリアとプラズモン励起層105中の自由電子とを、効率よく結合でき、その結果、例えば、発光効率を向上できる。結合効率の高い領域は、例えば、キャリア生成層103中のキャリアが生成される位置(例えば、キャリア生成層103中の蛍光体が存在する位置)から、プラズモン励起層105のキャリア生成層103側表面までの領域である。前記領域は、例えば、200nm程度と非常に狭く、例えば、1〜200nm範囲または10〜100nmの範囲である。光学装置1において、前記領域が1〜200nmの範囲の場合には、例えば、キャリア生成層103は、プラズモン励起層105から1〜200nmの範囲内に配置されていることが好ましい。また、前記領域が10〜100nmの範囲の場合には、例えば、キャリア生成層103は、プラズモン励起層105から10〜100nmの範囲内に配置されていることが好ましく、具体的には、例えば、誘電体層104の厚みを10nm、キャリア生成層103の厚みを90nmとする。光取り出し効率の観点からは、キャリア生成層103は薄いほど好ましい。一方、光出力定格の観点からは、キャリア生成層103は厚いほど好ましい。したがって、キャリア生成層103の厚みは、例えば、求められる光取り出し効率と光出力定格とに基づいて決定される。なお、前記領域の範囲は、キャリア生成層とプラズモン励起層との間に配置される誘電体層の誘電率等により変化するため、所定条件における前記領域の範囲に応じて、例えば、前記誘電体層の厚みおよび前記キャリア生成層の厚み等を、適宜設定すればよい。
図1に示す本実施形態の光学装置において、前記発光素子は、2つ配置されているが、本発明は、この例に限定されない。前記発光素子の数は、特に制限されない。前記励起光は、例えば、導光体を介して、光制御部3に入射されてもよい。前記導光体の形状は、例えば、直方体または楔形;前記導光体の光出射部または前記導光体内部に光取り出し用の構造体を有する形状のもの等があげられる。前記光取り出し用の構造体は、例えば、前記励起光の前記キャリア生成層への入射角を、前記所定の入射角以上の角度に変換し、吸収率を向上させる機能を有するものが好ましい。前記導光体の光出射部を除く面は、例えば、反射材料または誘電体多層膜等を使用して、前記励起光を前記面から出射させない処理が施されているのが好ましい。また、例えば、本発明の光学装置は、前記励起光の前記キャリア生成層への入射角を前記所定の入射角以上に調整可能な光学部材(例えば、ミラー等)を含んでもよい。
また、本実施形態の光学装置において、前記プラズモン励起層は、前記2つの誘電体層に挟まれているが、前述のように、前記誘電体層は、本発明において必須ではなく、例えば、前記キャリア生成層上に、前記プラズモン励起層が配置されてもよい。また、前記誘電体層は、前記プラズモン励起層の一方の面のみに積層されてよい。
(実施形態2)
図7の斜視図に、本実施形態の光学装置の構成を示す。本実施形態の光学装置は、前記光制御部が誘電体層を含まないこと以外は、前記実施形態1の光学装置と同様の構成を有する。図7に示すように、本実施形態の光学装置11は、発光素子101aおよび101bと、光制御部13とを、主要な構成要素として含む。光制御部13は、キャリア生成層103と、キャリア生成層103上に積層されたプラズモン励起層105と、プラズモン励起層105上に積層された波数ベクトル変換層(出射層)207とを含む。発光素子101aおよび101bは、光制御部13の側面周囲に配置されている。
光学装置11は、入射側部分の実効誘電率が、出射側部分の実効誘電率よりも高いか、または等しくなるように構成されている。前記入射側部分は、プラズモン励起層105のキャリア生成層103側に積層された構造全体とキャリア生成層103に接する媒質とを含む。前記構造全体には、キャリア生成層103が含まれる。前記出射側部分は、プラズモン励起層105の波数ベクトル変換層207側に積層された構造全体と波数ベクトル変換層207に接する媒質とを含む。前記構造全体には、波数ベクトル変換層207が含まれる。
つぎに、光学装置11について、発光素子101からの励起光が、光制御部13に入射し、光制御部13の波数ベクトル変換層207から光が出射される動作を説明する。
発光素子101aおよび101bから出射された励起光は、前記所定の入射角(および偏光)で、光制御部13に入射する。そして、前記励起光は、前記導波路に結合し、その中に閉じ込められる。この閉じ込められた励起光により、キャリア生成層103が励起され、キャリア生成層103中にキャリアが生成される。このキャリアは、プラズモン励起層105中の自由電子と結合し、キャリア生成層103とプラズモン励起層105との界面、およびプラズモン励起層105と波数ベクトル変換層207との界面に表面プラズモンを励起する。キャリア生成層103とプラズモン励起層105との界面に励起された表面プラズモンは、プラズモン励起層105を透過し、プラズモン励起層105と波数ベクトル変換層207との界面まで伝搬する。前述のように、光学装置11は、前記入射側部分の実効誘電率が、前記出射側部分の実効誘電率よりも高いか、または等しくなるように構成され、波数ベクトル変換層207のプラズモン励起層105側の端部は、プラズモン励起層105の波数ベクトル変換層207の面からの距離が、表面プラズモンの有効相互作用距離の範囲内に配置されている。ここで、波数ベクトル変換層207が平坦な誘電体層である場合、プラズモン励起層105と波数ベクトル変換層207との界面での表面プラズモンは、その界面では光に変換されない。前記界面での表面プラズモンは、波数ベクトル変換層207が表面プラズモンを光として取り出す機能、例えば、回折作用を有するため、光学装置11外部に光として放出(放射)される。前記放出光の波長は、キャリア生成層103を単独で励起したときに発生する光の波長に等しい。また、前記放出光の放射角度θradは、波数ベクトル変換層207の周期構造のピッチをΛとし、波数ベクトル変換層207の光取り出し側(すなわち、波数ベクトル変換層207に接する媒質)の屈折率をnradとすれば、下記式(6)で表される。
Figure 2013103038
キャリア生成層103とプラズモン励起層105との界面に励起される表面プラズモンの波数は、前記式(2)で一義的に設定される付近しか存在しない。プラズモン励起層105と波数ベクトル変換層207との界面に励起される表面プラズモンの波数についても同様である。したがって、前記放出光の放射角度は一義的に決定され、その偏光状態は常にp偏光である。すなわち、前記放出光は、非常に高い指向性を有する、p偏光の光である。なお、キャリア生成層103に入射した励起光のうち、前記導波路に結合しなかったものは、光制御部13(例えば、プラズモン励起層105)より反射される。この反射光を、例えば、金属ミラー、誘電体ミラー、プリズム等の反射体によって反射させ、再度、光制御部3に入射させることで励起光の利用効率をさらに向上できる。前記励起光のキャリア生成層103への入射角は、前記実施形態1と同様である。
波数ベクトル変換層207は、プラズモン励起層105と波数ベクトル変換層207との界面に励起された表面プラズモンを、その波数ベクトルを変換することで、前記界面から光として取り出し、光学装置11から放射させる出射部である。すなわち、波数ベクトル変換層207は、表面プラズモンを所定の放射角の光に変換して、前記光を光学装置11から放射させる。さらに、波数ベクトル変換層207は、例えば、プラズモン励起層105と波数ベクトル変換層207との界面に対してほぼ直交するように、放射光を光学装置11から放射させる機能を有している。波数ベクトル変換層207は、例えば、前記実施形態1の波数ベクトル変換層107と同様のものを使用できる。
図7に示す本実施形態の光学装置において、前記キャリア生成層は、前記プラズモン励起層に接して配置されているが、本発明は、この例には限定されない。前記キャリア生成層と前記プラズモン励起層との間には、例えば、その厚みが前記式(4)で表わされる表面プラズモンの有効相互作用距離deffより小さい厚みの、誘電体層が配置されてもよい。また、前記波数ベクトル変換層は、前記プラズモン励起層に接して配置されているが、本発明は、この例には限定されず、例えば、前記波数ベクトル変換層と前記プラズモン励起層との間には、その厚みが前記式(4)で表わされる表面プラズモンの有効相互作用距離deffより小さい厚みの、誘電体層が配置されてもよい。
また、本実施形態の光学装置は、例えば、前記実施形態1と同様に、前記キャリア生成層と前記プラズモン励起層との間に、光学異方性を有する誘電体層が配置されてもよい。この場合、前記入射側部分の実効誘電率を、ある方向でプラズモン結合が発生しないほど高く、それと直交する方向ではプラズモン結合が発生する程度低く設定すれば、例えば、前記波数ベクトル変換層に入射する光の入射角および偏光をさらに限定できる。このため、例えば、前記波数ベクトル変換層による光の取り出し効率を、さらに向上できる。
(実施形態3)
図8の斜視図に、本実施形態の光学装置の構成を示す。図8に示すように、本実施形態の光学装置21は、発光素子101aおよび101bと、光制御部23とを、主要な構成要素として含む。光制御部23は、キャリア生成部303と、プラズモン励起層305と、誘電体層306とを含む。誘電体層306は、プラズモン励起層305に積層されている。キャリア生成部303は、誘電体層306に周期的に埋め込まれ、誘電体層306を貫通し、その一端部がプラズモン励起層305と接している。キャリア生成部303は、前記本発明における「出射層」としての機能を有する。発光素子101aおよび101bは、光制御部23の側面周囲に配置されている。
さらに、光学装置21では、プラズモン励起層305のキャリア生成部303側表面からキャリア生成部303のプラズモン励起層305側表面までの距離は、前記式(4)で表される表面プラズモンの有効相互作用距離deffより短く設定されている。
つぎに、光学装置21について、発光素子101aおよび101bからの励起光が、光制御部23に入射し、キャリア生成部303および誘電体層306のプラズモン励起層305側の面とは反対側の面(光出射面309)から光が出射される動作を説明する。
発光素子101aおよび101bから出射された励起光は、前記所定の入射角(および偏光)で、キャリア生成部303に入射する。そして、前記励起光により、キャリア生成部303が励起され、キャリア生成部303中にキャリアが生成される。このキャリアは、プラズモン励起層305中の自由電子と結合し、キャリア生成部303とプラズモン励起層305との界面に表面プラズモンを励起する。励起された表面プラズモンは、キャリア生成部303と誘電体層306とが形成する周期構造によって、回折され、光出射面309を通って、光学装置21外部に光として放出される。前記放出光の波長は、キャリア生成部303を単独で励起したときに発生する光の波長に等しい。キャリア生成部303中に生成されたキャリアのうち、表面プラズモンと結合しなかったものは、例えば、一般的な光、伝搬光として、光学装置21から放出される。また、前記放出光の出射角度θradは、前記式(6)で表される。ここで、本実施形態では、プラズモン励起層305の誘電体層306側に積層された全体構造とキャリア生成部303(および誘電体層306)に接する媒質とを含む部分が、前記実施形態1で定義した励起光入射側部分および光出射側部分を兼ねている。誘電体層306とプラズモン励起層305との界面に励起される表面プラズモンの波数は、前記式(2)で一義的に設定される付近しか存在しない。したがって、前記放出光の放射角度は一義的に決定され、その偏光状態は常にp偏光である。すなわち、前記放出光は非常に高い指向性を有する、p偏光の光である。この放射光の配光分布に、表面プラズモンと結合しなかったキャリアによる伝搬光の配光分布が重畳される。
キャリア生成部303は、励起光を吸光してキャリアを生成させる層であり、その機能・構成材料等は、例えば、前記実施形態1のキャリア生成層103と同様である。キャリア生成部303は、例えば、前記実施形態1のキャリア生成層103と同様に、前記金属粒子を含んでもよい。前記金属粒子を構成する金属および効果等は、前記実施形態1で示したものと同様である。
誘電体層306の構成材料は、例えば、ダイヤモンド、TiO、CeO、Ta、ZrO、Sb、HfO、La、NdO、Y、ZnO、Nb等の高誘電率材料があげられる。前記高誘電率材料を使用することにより、例えば、キャリア生成部303中に生成されたキャリアのうち、表面プラズモンと結合するキャリアの数を増加でき、より指向性の高く、より偏光度の高い光を光学装置21から出射できる。誘電体層306の厚みは、特に制限されず、例えば、1〜100nmの範囲であり、好ましくは5〜50nmの範囲であり、より好ましくは5〜10nmの範囲である。
プラズモン励起層305において、その機能・構成材料・形状等は、例えば、前記実施形態1のプラズモン励起層105と同様である。プラズモン励起層305の誘電体層306が積層されている側には、例えば、光学異方性を有する誘電体層が配置されてもよい。この誘電体層の構成および効果等は、前記実施形態1で示したものと同様である。
図8に示す本実施形態の光学装置において、前記キャリア生成部は、前記誘電体層内に埋め込まれているが、本発明は、この例には限定されず、例えば、前記誘電体層と前記キャリア生成部との関係を逆転させ、キャリア生成層内に誘電体部が周期的に埋め込まれていてもよい。このような構成でも、前述と同様の効果が得られる。また、前記誘電体層の前記プラズモン励起層が積層されていない側表面と前記キャリア生成部の前記プラズモン励起層とは反対側の表面とは、同じ高さに設定されているが、本発明は、この例には限定されず、必ずしも同じ高さである必要はない。前記キャリア生成部は、例えば、前記誘電体層表面の全体に亘って繋がったものでもよいし、前記キャリア生成部の一端部が前記プラズモン励起層に接していなくてもよい。
(実施形態4)
本実施形態の光学装置は、偏光変換素子として1/2波長板を備える光学装置の一例である。図11の模式図に、本実施形態の光学装置の構成を示す。
図11に示すように、本実施形態の光学装置31は、光学装置1と、1/2波長板410とを、主要な構成要素として含む。光学装置1は、図1に示した前記実施形態1の光学装置である。1/2波長板410は、光学装置1の波数ベクトル変換層107側に配置されている。なお、図11では、説明の便宜上、1/2波長板410を二点鎖線で示している。
前記実施形態1で示したように、波数ベクトル変換層107から光が出射される。前記光は、前述のように、p偏光であるため、前記光のフィールドパターンは、偏光方向が放射状になっている。このため、前記光は、軸対称偏光となっている(例えば、国際公開第2011/040528号の[0104]参照)。そして、前記光(軸対称偏光)は、1/2波長板410に入射する。この時、前記軸対称偏光は、1/2波長板410により、直線偏光に変換される。このように、本実施形態の光学装置では、前記光の偏光状態を揃えることができる(例えば、同国際公開の[0105]参照)。
1/2波長板410は、特に制限されず、例えば、従来公知のものがあげられる。具体的には、例えば、国際公開第2011/040528号に開示されている、下記の1/2波長板があげられる。
前記公報に開示の1/2波長板は、例えば、配向膜がそれぞれ形成された一対のガラス基板と、これらの基板の配向膜を対向させてガラス基板に挟んで配置された液晶層と、ガラス基板の間に配置されたスペーサとを備えるものがあげられる。前記液晶層は、常光に対する屈折率をn、異常光に対する屈折率をnとすると、屈折率nが屈折率nより大きい。また、前記液晶層の厚みdは、(n−n)×d=λ/2を満たしている。なお、前記λは、真空中における入射光の波長である。
前記液晶層において、液晶分子は、前記1/2波長板の中心に対して同心円状に配置されている。また、前記液晶分子は、液晶分子の主軸とこの主軸近傍の座標軸とのなす角をφとし、座標軸と偏光方向とがなす角をθとすると、前記液晶分子は、θ=2φ、または、θ=2φ−180のいずれかの関係式を満たす方向に配向されている。
図11に示す本実施形態の光学装置では、前記1/2波長板により軸対称偏光を直線偏光に変換したが、本発明は、この例には限定されず、例えば、前記軸対称偏光を円偏光に変換してもよい。また、本実施形態の光学装置では、前記実施形態1の光学装置を使用しているが、本発明は、この例に限定されず、例えば、前記実施形態2または3の光学装置を使用してもよい。
(実施形態5)
本実施形態の画像表示装置は、3板式の投射型表示装置(LEDプロジェクタ)の一例である。図9に、本実施形態のLEDプロジェクタの構成を示す。図9(a)は、本実施形態のLEDプロジェクタの概略斜視図であり、図9(b)は、同LEDプロジェクタの上面図である。
図9に示すように、本実施形態のLEDプロジェクタ10は、3つの前記実施形態1から4のいずれかの光学装置1r、1g、1bと、3つの液晶パネル502r、502g、502bと、色合成光学素子503と、投射光学系504とを主要な構成要素として含む。光学装置1rおよび液晶パネル502rと、光学装置1gおよび液晶パネル502gと、光学装置1bおよび液晶パネル502bとが、それぞれ光路を形成している。
光学装置1r、1g、1bは、それぞれ、赤(R)光用、緑(G)光用、及び青(B)光用で異なる材料で構成されている。液晶パネル502r、502g、502bは、前記光学装置からの出射光が入射され、表示させる画像に合わせて光の強度を変調する。色合成光学素子503は、液晶パネル502r、502g、502bで変調された光を合成する。投射光学系504は、色合成光学素子503からの出射光をスクリーン等の投射面上に投射する投射レンズを含む。
図10に、LEDプロジェクタ10に使用される光学装置の発光波長(Rs、Gs、Bs)と、前記キャリア生成層の励起波長(Ra、Ga、Ba)および発光波長(Rr、Gr、Br)の強度との関係を示す。図10に示すように、R光用光学装置、G光用光学装置、B光用光学装置の発光波長Rs、Gs、Bsと、前記キャリア生成層の励起波長Ra、Ga、Baは、それぞれほぼ等しく設定されている。また、前記光学装置の発光波長Rs、Gs、Bs、および前記キャリア生成層の励起波長Ra、Ga、Baと、前記キャリア生成層の発光波長Rr、Gr、Brとは、それぞれ互いに重ならないように設定されている。また、それぞれのR光用光学装置、G光用光学装置、B光用光学装置の発光スペクトルは、それぞれのキャリア生成層の励起スペクトルと一致するか、励起スペクトルの内側に収まるように設定されている。また、前記キャリア生成層の発光スペクトルは、前記キャリア生成層のいずれの励起スペクトルにもほとんど重ならないように設定されている。
LEDプロジェクタ10は、制御回路部(図示せず)により、前記光路ごとに前記液晶パネル上の像を変調させる。LEDプロジェクタ10は、前記実施形態1から4のいずれかの光学装置を備えることにより、投射映像の輝度を向上できる。また、前記光学装置が非常に高い指向性を示すため、例えば、照明光学系を使用することなく、小型化できる。
図9に示す本実施形態のLEDプロジェクタは、3板型液晶プロジェクタであるが、本発明は、この例には限定されず、例えば、単板型液晶プロジェクタ等でもよい。また、本発明の画像表示装置は、前述のLEDプロジェクタのみならず、例えば、LED以外の発光素子(例えば、レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオード等)を使用したプロジェクタでもよいし、液晶表示装置のバックライト、またはMEMSを使用したバックライトと組み合わせた画像表示装置でもよい。
前述のように、本発明の光学装置は、励起光の吸収効率が向上されている。従って、本発明の光学装置を使用した画像表示装置は、プロジェクタ等として使用できる。前記プロジェクタは、例えば、モバイルプロジェクタ、次世代リアプロジェクションTV(rear projection TV)、デジタルシネマ、網膜走査ディスプレイ(RSD:Retinal Scanning Display)、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)、または携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン等への組込型プロジェクタ(embedded projector)等があげられ、幅広い市場に対する応用が可能である。ただし、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2012年1月7日に出願された日本出願特願2012−1693を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1、1r、1g、1b、11、21、31 光学装置
3、13、23 光制御部
10 LEDプロジェクタ(画像表示装置)
101a、101b 発光素子
103 キャリア生成層
104 誘電体層
105、305 プラズモン励起層
106、306 誘電体層
107、207 波数ベクトル変換層(出射層)
303 キャリア生成部(出射層)
309 光出射面
410 1/2波長板(偏光変換素子)
502r、502g、502b 液晶パネル
503 色合成光学素子
504 投射光学系

Claims (14)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子からの光が入射し、キャリアが生成されるキャリア生成層と、
    前記キャリア生成層の上側に積層され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有する、プラズモンを励起するプラズモン励起層と、
    前記プラズモン励起層の表面に発生する光または表面プラズモンを、所定の出射角の光に変換して出射する出射層とを備え、
    前記キャリア生成層に入射する光の入射角を、40度以上とする、光学装置。
  2. 前記入射角を、60度以上とする、請求項1記載の光学装置。
  3. 前記プラズモン励起層の少なくとも一方の面に、誘電体層が積層されている、請求項1または2記載の光学装置。
  4. 前記プラズモン励起層の前記キャリア生成層側表面と、前記キャリア生成層の前記プラズモン励起層側表面との距離は、前記プラズモン励起層の前記キャリア生成層側表面に励起される表面プラズモンの有効相互作用距離よりも短い、請求項1から3のいずれか一項に記載の光学装置。
  5. 前記キャリア生成層は、前記プラズモン励起層からの距離が、1〜200nmの範囲内に配置されている、請求項4記載の光学装置。
  6. 前記出射層は、表面周期構造を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の光学装置。
  7. 前記キャリア生成層は、表面周期構造を有し、かつ、前記出射層を兼ねる、請求項1から6のいずれか一項に記載の光学装置。
  8. さらに、前記出射層から出射される軸対称偏光を所定の偏光状態に揃える偏光変換素子を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の光学装置。
  9. 前記プラズモン励起層の前記発光素子側に積層された構造全体と前記発光素子に接する媒質とを含む入射側部分の実効誘電率は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に積層された構造全体と前記出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率より、低い、請求項1から8のいずれか一項に記載の光学装置。
  10. 前記プラズモン励起層の前記発光素子側に積層された構造全体と前記発光素子に接する媒質とを含む入射側部分の実効誘電率は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に積層された構造全体と前記出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率より、高いまたは等しく、
    前記出射層の前記プラズモン励起層側の端部は、前記プラズモン励起層の前記出射層側の面からの距離が、表面プラズモンの有効相互作用距離の範囲内に配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の光学装置。
  11. 前記実効誘電率(εeff)は、前記プラズモン励起層の界面に平行な方向をx軸、y軸、前記プラズモン励起層の界面に垂直な方向をz軸、前記キャリア生成層から出射する光の角周波数をω、前記入射側部分または前記出射側部分の誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、積分範囲Dを前記入射側部分または前記出射側部分の三次元座標の範囲、表面プラズモンの波数のz成分をkspp,z、虚数単位をj、Re[ ]を[ ]内の数値の実部を示す記号とすれば、下記式(1)または式(7)のいずれか一方で表され、
    かつ、前記表面プラズモンの波数のz成分kspp,z、および前記表面プラズモンの波数のx、y成分ksppは、前記プラズモン励起層の誘電率の実部をεmetal、真空中での光の波数をk0とすれば、下記式(2)および式(3)で表される、請求項9または10記載の光学装置。
    Figure 2013103038
    Figure 2013103038
    Figure 2013103038
    Figure 2013103038
  12. 前記有効相互作用距離deffは、Im[ ]を[ ]内の数値の虚部を示す記号とすれば、下記式(4)で表される、請求項4から11のいずれか一項に記載の光学装置。
    Figure 2013103038
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の光学装置と、
    画像を表示可能な画像表示部とを含む、画像表示装置。
  14. さらに、前記画像表示部からの出射光により投射映像を投射する投射光学系を含む、請求項13記載の画像表示装置。
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