JPWO2012132550A1 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

直交加速部にイオンを送り込むイオン入射光学系として、5個の円筒状電極(31〜35)がイオン光軸(C)に沿って配置され、アフォーカル条件の下で形成される2つの仮想凸レンズ(L1、L2)の共通焦点面上にアパーチャ板(38)が配置された静電レンズ(3)を用いる。アパーチャ板(38)に形成された絞り開口(39)の径によって出射イオンビームの角度広がりが決まる。静電レンズ(3)がアフォーカル系となるように印加電圧が設定されると、感度は若干犠牲になるものの高質量分解能の測定が可能となり、イオン通過率が最大である非アフォーカル系となるように印加電圧が設定されると、分解能は若干犠牲になるものの高感度の測定が可能となる。これにより、直交加速方式TOFMSにおいて質量分解能優先モードと測定感度優先モードとを簡単に切替えられる。

Description

本発明は飛行時間型質量分析装置に関し、さらに詳しくは、直交加速方式(垂直加速方式という場合もある)の飛行時間型質量分析装置において直交加速部へイオンを入射するイオン入射光学系に関する。
飛行時間型質量分析装置(以下「TOFMS」と略す)では、試料成分由来のイオンに一定の運動エネルギを付与して一定距離の空間を飛行させ、その飛行に要する時間を計測して該飛行時間からイオンの質量電荷比を求める。そのため、TOFMSにおいて質量分解能を低下させる大きな要因の1つは、イオンがもつ初期エネルギのばらつきである。これに対し、リフレクトロン型TOFMSでは、リフレクトロンが運動エネルギの相違を補正する作用を有する。詳細は省略するが、よく知られているデュアルステージリフレクトロンでは2次までのエネルギ収束(飛行時間の広がりはエネルギの2次微分まで補正される)が可能である。そのため、イオンがもつ運動エネルギが或る程度ばらついていても、リフレクトロンでこれを補正しイオンの飛行時間を或る程度の範囲内に収めることができ、質量分解能の低下を回避することができる。
一方、例えばイオントラップなどに捕捉されている状態のイオンに加速エネルギを与えることで飛行を開始させる場合には、質量分解能を悪化させる別の要因としてターンアラウンドタイムがある。ターンアラウンドタイムとは、イオンを飛行時間分析方向に加速しようとする際に、イオンがもつ初期エネルギによって飛行時間分析方向に対し逆方向に速度成分を有するイオンが出発点を発してから該出発点にまで戻って来るまでに要する時間であり、飛行時間分析方向に対し逆方向に速度成分を有するイオンと順方向に速度成分を有するイオンとの飛行時間差である。したがって、このターンアラウンドタイムも広い意味で言えばイオンがもつ初期エネルギのばらつきによるものであるが、ターンアラウンドタイムに起因する誤差はリフレクトロンでは補正することができない。そのため、TOFMSの質量分解能を改善する上でターンアラウンドタイムの影響を如何に軽減するのかは重要な課題である。
こうした課題を解決する1つの手法が、イオンビームの入射方向と直交する方向にイオンを加速して飛行時間分析空間に送り込む直交加速方式のTOFMSである(特許文献1、非特許文献1など参照)。図11は直交加速方式TOFMSのイオン直交加速部及びその前段のイオン入射光学系の概略構成図である。
直交加速部4は平板電極41とイオンが通過可能な多数の開口が形成されたメッシュ状電極42とを含み、イオン入射光学系300は所定間隙Lだけ離して配置された2枚のスリット板(又はアパーチャ板)301、302からなるビーム制限機構を含む。この図において電極41、42で挟まれる加速領域に入射してくるイオンビームの初期ビーム方向はX方向、加速方向つまり飛行時間分析方向はX方向に直交するZ方向である。ビーム制限機構から直交加速部4にイオンが入射されるときには電極41、42は同電位(例えば接地電位)であり、加速領域に電場は存在しない。イオンが充分に入射した時点で平板電極41にイオンと同極性の高電圧パルスが印加されると、加速領域には加速電場が形成され、イオンは大きな運動エネルギを付与されてメッシュ状電極42の開口を通過して飛行し始める。
この直交加速部4における飛行時間広がりについて考察する。
イオンがもつ飛行時間分析方向の初期エネルギEzは、Ez=Esin2αで与えられる。ここで、E及びαは直交加速領域に入射してくるイオンビームのエネルギ及びX軸となす角度である。初期エネルギEzが大きいほど、前述のターンアラウンドタイムによる飛行時間広がりは大きくなる。初期エネルギEzを小さくするためには、エネルギE及び角度αを小さくする必要がある。ビーム制限機構はこの角度αを小さく制限するためのものであり、図11の例の場合、2枚のスリット板301、302の間隙L及びスリット板302の開口幅hに対しビームの角度広がりαはtan-1(h/L)で与えられる。したがって、間隙L、開口幅hを適切に設定することでイオンビームの角度αを抑え、イオンがもつ初期エネルギのばらつきを許容範囲内に収めることができる。
また、特許文献1などに記載の装置では、イオントラップから放出されたイオンをビーム制限機構に効率良く導入するために、イオントラップとビーム制限機構との間にアパーチャレンズである静電レンズが配置されている。このようなアパーチャレンズによる静電レンズと2枚のスリット板から成るビーム制限機構との組み合わせは、実際の装置でも広く使用されている。
しかしながら、上記のような従来の構成は次のような問題を有する。
上記ビーム制限機構では、イオンビーム束のかなりの部分がスリット板に当たって遮蔽される。そのため、実際に飛行時間分析に供されるイオンの量は元のイオン量からかなり減じてしまい、測定感度が下がることが避けられない。また、測定感度を上げるためにはスリットの開口幅hを広げる必要があるが、そうするとビームの角度αが大きくなって質量分解能が下がることになる。このように、質量分解能と測定感度とはトレードオフの関係にあり、高質量分解能を実現するためには測定感度を犠牲にせざるをえなかった。
また、上記従来の構成では、2枚のスリット板の間隙やスリット開口幅によって質量分解能が決まるため、例えば質量分解能を若干落としても高感度の測定を実行したいという要求に応えるためには、ビーム制限機構のスリット板をスリット開口幅の異なるものに取り替える、或いはスリット板間隙を調整するといった機械的な作業が必要になる。こうした作業は面倒で手間が掛かる。また、そうした機械的な調整や交換が可能な機構は信頼性の点でも問題がある。
特開2003−123685号公報
グイルハウス(M. Guilhaus)、ほか2名 、「オーソゴナル・アクセラレイション・タイム・オブ・フライト・マス・スペクトロメトリ(Orthogonal Acceleration Time-of-flight Mass Spectrometry)」、マス・スペクトロメトリー・レビュー(Mass Spectrom. Rev.)、19 、2000年、p.65-107 グランネマン(E.H.A.Granneman)ほか1名、「トランスポート、ディスパーション・アンド・ディテクション・オブ・エレクトロンズ、イオンズ・アンド・ニュートラルズ(TRANSPORT, DISPERSION AND DETECTION OF ELECTRONS, IONS AND NEUTRALS)」、ハンドブック・オン・シンクロトロン・ラディエイション・ボリューム1(Handbook on synchrotron radiation volume 1) ヘドゥル(D W O Heddle)、「アン・アフォーカル・エレクトロスタティック・レンズ(An afocal electrostatic lens)」、ジャーナル・オブ・フィジックス E:サイエンティフィック・インスツルメンツ(Journal of Physics E: Scientific Instruments)4、1971年、p.981-983
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的とするところは、直交加速部にイオンを送り込む際にビーム強度をできるだけ損なうことなく角度広がりを小さくすることにより、高い質量分解能と高い測定感度とを実現することができる直交加速方式の飛行時間型質量分析装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、分析目的等に応じて質量分解能を重視した測定と測定感度を重視した測定とを容易に切り替えることができる直交加速方式の飛行時間型質量分析装置を提供することにある。
前述したように、高質量分解能を達成するためには、直交加速部へイオンを送り込む際にその角度広がりを抑える必要があるが、同時にイオンの空間広がりも抑える必要がある。そこで本願発明者は、直交加速部へイオンを送り込むイオン入射光学系に、ヘドゥル(Heddle)が提案した(非特許文献2、3参照)アフォーカルの静電レンズと該静電レンズにおける前後2つの仮想凸レンズの共通焦点面に置かれた絞りとの組み合わせを利用することに想到した。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明は、入射してきたイオンをその入射軸と直交する方向に加速する直交加速部と、該直交加速部へイオンを送り込むイオン入射光学系と、を具備する直交加速方式の飛行時間型質量分析装置において、
前記イオン入射光学系は、
a)イオン光軸に沿って配置された5個以上の円筒状電極からなる静電レンズと、
b)前記静電レンズがアフォーカル系となるように前記円筒状電極にそれぞれ電圧を印加する電圧印加手段と、
c)前記静電レンズがアフォーカル系となるように前記電圧印加手段により電圧が印加されている状態の下で、前記5個以上の円筒状電極の一部の電極により形成される前段の仮想凸レンズと該5個以上の円筒状電極の一部の電極により形成される後段の仮想凸レンズとの共通の焦点面に配置された、イオン光軸上に所定サイズの開口を有する絞り手段と、
を備えることを特徴としている。
上記静電レンズがアフォーカル系となるように各円筒状電極に電圧が印加されている状態では、該静電レンズの光軸に平行に入射したイオンビームは、共通焦点面上で光軸を通過し該光軸に平行に出射する。一方、光軸に非平行に入射したイオンビームは、共通焦点面上で光軸からずれた位置を通過する。したがって、絞り手段の開口のサイズに応じて出射イオンビームの角度広がりが決まる。これに対し、出射イオンビームの空間広がりは前後2つの仮想凸レンズの焦点距離などにより決まるから、出射イオンビームの角度広がりとは独立に定めることができる。それにより、本発明に係る飛行時間型質量分析装置におけるイオン入射光学系では、出射イオンビームの空間広がりに殆ど影響を与えることなく、その角度広がりを制限することができる。また本発明に係る飛行時間型質量分析装置におけるイオン入射光学系では、2枚のスリットを組み合わせた従来のビーム制限機構ではスリットで遮蔽していたイオンビームを有効に利用する、つまり出射イオンビームに反映させることができるので、測定感度を或る程度維持しながら質量分解能を高めることができる。
上述したように静電レンズがアフォーカル系である場合には静電レンズの光軸に平行なビームは平行に出射することになるが、その状態は、共通焦点面に置かれた絞り手段の開口を通過するイオン量が最大になることを意味しない。即ち、一般に、上記静電レンズにおいてイオンの通過効率が最大になるのは該静電レンズが非アフォーカル系のときであり、そのときには出射イオンビームの角度広がりは最小にはならない。
そこで本発明に係る飛行時間型質量分析装置の好ましい一態様として、前記電圧印加手段は前記静電レンズがアフォーカル条件からずれた所定の非アフォーカル系となるように前記円筒状電極にそれぞれ電圧を印加可能であり、該電圧印加手段から前記円筒状電極に印加する電圧の設定を変更することにより、質量分解能を優先させる動作モードと感度を優先させる動作モードとを切り替え可能である構成とするとよい。
この構成によれば、イオン光学要素の交換や機械的駆動などを伴わずに単に印加電圧を変更するのみで、高質量分解能で測定感度が或る程度充分である動作モードと高感度で質量分解能が或る程度充分である動作モードとを簡便に切り替えることができる。
また、静電レンズは複数の円筒状電極から構成されるため、絞り手段の開口形状もイオン光軸を中心とする回転対称である円形とするのが一般的である。それにより、絞り手段を取り付ける際にイオン光軸を中心とする回転方向の位置合わせが必要なく、組み立てが容易である。また、絞り手段自体の作製も容易である。
一方、直交加速部でイオンを加速して飛行時間分析空間に送り込む構成の場合、その加速方向(飛行時間分析方向)にはイオンの空間広がりができるだけ狭いことが好ましいが、それに直交する方向にはイオンが或る程度広がっていた方が分析に供されるイオン量が増えて感度の点で有利である。即ち、イオン光軸に対し直交する面内において互いに直交する二軸に沿う二方向で、好ましいイオンの空間広がり状態は相違する。そこで、性能の点からいえば、絞り手段の開口形状はイオン光軸を中心とする長方形状又は楕円形状、つまりは、互いに直交する二軸に沿う方向で開口サイズが相違する構成とすることが好ましい。
また、静電レンズを構成する複数の円筒状電極の中で最も入口側に位置する初段の円筒状電極の前縁部に形成されたイオン入射開口の形状も円形とするのが一般的であるが、上記理由により、このイオン入射開口の形状も長方形又は楕円形とするのが好ましい。
また本発明に係る飛行時間型質量分析装置において、前記静電レンズを構成する複数の円筒状電極の中で最も入口側に位置する初段の円筒状電極の前縁部の形状は、その頂部にイオン入射開口が形成されたスキマー形状とするとよい。これにより、静電レンズに入射しようと到来するイオンが加速されてスキマー頂部に集まり易くなり、イオン入射開口を通過するイオンの初期角度広がりを小さくすることができる。
また本発明に係る飛行時間型質量分析装置の一態様として、前記静電レンズは、該静電レンズがアフォーカル系となるように駆動されている状態で形成される前記前段の仮想凸レンズの中心と物点との間の距離と、同じ状態で形成される前記後段の仮想凸レンズの中心と像点との間の距離と、が等しい対称配置であるものとすることができる。
こうした対称配置である場合には、前段の仮想凸レンズを構成する円筒状電極と後段の仮想凸レンズを構成する円筒状電極とに同一電圧を印加すればよいので、電圧調整が容易である等の利点がある。
一方、本発明に係る飛行時間型質量分析装置の別の態様として、前記静電レンズは、該静電レンズがアフォーカル系となるように駆動されている状態で形成される前記前段の仮想凸レンズの中心と物点との間の距離と、同じ状態で形成される前記後段の仮想凸レンズの中心と像点との間の距離と、が異なる非対称配置であるものとしてもよい。
直交加速方式TOFMSでこうした静電レンズを用いる場合、直交加速部の中心付近に像点を位置させる必要があることから、後段の仮想凸レンズの中心から像点までの距離を充分に長く確保する必要がある。上述した対称配置では、後段の仮想凸レンズの中心から像点までの距離を長くすると物点から前段の仮想凸レンズの中心までの距離も等しく長くなるため、静電レンズの全長が長くなる。これに対し、非対称配置では、後段の仮想凸レンズの中心から像点までの距離を長くする一方、物点から前段の仮想凸レンズの中心までの距離を短くすることができるので、静電レンズの全長を抑えるのに有利である。
また本発明に係る飛行時間型質量分析装置では、前記電圧印加手段は、前記静電レンズをイオンが通過する前後で該イオンが加速又は減速されるように複数の前記円筒状電極にそれぞれ電圧を印加する構成としてもよい。静電レンズに入射して来るイオンのエネルギが大き過ぎる場合には、静電レンズを通過する過程でイオンを減速させて(エネルギを低下させて)直交加速部へと送ることで、直交加速部で加速されるイオンの飛行時間分析方向の初期エネルギEzを抑えることができる。
なお、本発明に係る飛行時間型質量分析装置において、上記静電レンズへイオンを送り込むべくその前段に配置される構成要素は特に限定されない。
例えば、イオンを生成するイオン源から出射されたイオンが直接、静電レンズに導入される構成としてもよいし、イオン源と静電レンズとの間に別のイオンガイドを設ける構成としてもよい。また、静電レンズの前段にイオンの解離を促進するコリジョンセルが配置され、該コリジョンセルで生成されたフラグメントイオンが静電レンズに導入される構成としてもよい。さらには、静電レンズの前段にイオンを保持する機能を有するイオントラップが配置され、該イオントラップから出射されたイオンが静電レンズに導入される構成としてもよい。イオントラップはリニア型イオントラップ、三次元四重極型イオントラップのいずれでもよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析装置によれば、従来の装置と比較して直交加速部へ入射するイオンの量を充分に確保しながら、そのイオンの角度広がりを小さくすることができる。それによって、測定感度の低下を抑えながら、高い質量分解能を達成することができる。
また本発明に係る飛行時間型質量分析装置において非アフォーカル動作を可能とした態様によれば、分析目的等に応じてユーザが簡便に、質量分解能を優先する「高分解能測定モード」と測定感度を優先させる「高感度測定モード」とを切り替えることができる。それによって、分析目的や試料の種類などに応じた的確な分析を実施することができる。
本発明の一実施例である直交加速方式TOFMSにおけるイオン入射光学系の概略構成図(a)及びその光学的等価構成図(b)、(c)。 本実施例である直交加速方式TOFMSの全体構成図。 本実施例のイオン入射光学系におけるアフォーカル条件でのイオン軌道をシミュレーションした結果を示す図。 本実施例のイオン入射光学系におけるシミュレーションに用いた電極形状を示す図(a)、高分解能測定モード(アフォーカル条件)でのイオン軌道のシミュレーション結果を示す図(b)、及び、高感度測定モード(非アフォーカル条件)でのイオン軌道のシミュレーション結果を示す図。 高分解能測定モード(アフォーカル条件)でのレンズ通過後のイオン空間広がり分布のシミュレーション結果を示す図(a)、及びイオン角度広がり分布のシミュレーション結果を示す図(b)。 高感度測定モード(非アフォーカル条件)でのレンズ通過後のイオン空間広がり分布のシミュレーション結果を示す図(a)、及びイオン角度広がり分布のシミュレーション結果を示す図(b)。 本発明に係るTOFMSの一実施例であってアフォーカル条件を満たす静電レンズをより現実的に設計した例を示す概略構成図(a)及び光学的等価構成図(b) 図7に示した構成において絞り開口の形状を長方形としたときのイオン軌道をシミュレーションした結果を示す図。 図7に示した構成において物点でのイオンの初期位置広がりを考慮したイオン軌道のシミュレーション結果を示す図。 図7に示した構成において非アフォーカル系で動作させたときのシミュレーション結果を示す図。 従来の直交加速方式TOFMSの直交加速部及びその前段のイオン入射光学系の概略構成図。
本発明の一実施例である直交加速方式TOFMSについて、添付図面を参照して説明する。図2は本実施例の直交加速方式TOFMSの全体構成図、図1はその直交加速方式TOFMSにおけるイオン入射光学系の概略構成図(a)及びその光学的等価構成図(b)、(c)である。
本実施例による直交加速方式TOFMSは、目的試料をイオン化するイオン源1と、反射器51を備えるTOF分析器5と、イオンを加速してTOF分析器5に送り込む直交加速部4と、イオン源1から出射されたイオンを直交加速部4に送り込む静電レンズ3と、TOF分析器5の飛行空間を飛行して来たイオンを検出する検出器6と、該検出器6で得られたデータを処理して例えばマススペクトル等を作成するデータ処理部16と、静電レンズ3を構成する各電極に所定の電圧を印加する静電レンズ電源部12と、直交加速部4に含まれる電極41、42に所定の電圧を印加する直交加速電源部13と、反射器51に所定の電圧を印加する反射器電源部14と、各部の動作を制御する制御部15と、分析条件などをユーザが指定するための入力部17と、を備える。
イオン源1におけるイオン化法は特に限定されず、試料が液体状である場合にはエレクトロスプレイイオン化(ESI)法や大気圧化学イオン化(APCI)法などの大気圧イオン化法が用いられ、また試料が固体状である場合にはマトリクス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI)などが用いられる。
この直交加速方式TOFMSにおける基本的な動作は次の通りである。例えばESIによるイオン源1において生成された各種イオンは適宜のイオンガイド2を通して静電レンズ3に導入され、静電レンズ3を通して直交加速部4に導入される。イオンが直交加速部4に導入される時点では直交加速部4には加速電場は形成されておらず、イオンが充分に導入された時点で直交加速電源部13から平板電極41、メッシュ状電極42に所定電圧が印加されることで加速電場が形成され、その電場の作用によってイオンは運動エネルギを付与されてTOF分析器5の飛行空間に送り込まれる。図2中に示すように、直交加速部4の加速領域から発して飛行したイオンは反射器電源部14から反射器51に印加される電圧により形成される電場によって折り返され、最終的に検出器6に到達する。検出器6は到達したイオンの量に応じた検出信号を生成し、データ処理部16はこの検出信号から飛行時間スペクトルを求め、さらに飛行時間を質量電荷比に換算することでマススペクトルを求める。
図1(a)に示すように、静電レンズ3はイオン光軸Cに沿って配列された5個の円筒状電極31〜35から構成される。初段の円筒状電極31の前縁部には、イオン光軸C上に位置する頂部に円形状のイオン入射開口36が穿設されたスキマーが一体に形成されている。このイオン入射開口36が静電レンズ3の物点Oの位置となり、イオン入射開口36の開口サイズが物点Oの空間広がりを決める。なお、静電レンズ3内部のガス圧が高い(真空度が低い)場合には、イオンと残留ガスとの衝突によって、静電レンズ3はシミュレーション通りには機能しなくなる。一般的に、静電レンズ3の前段にはイオン源やコリジョンセルなどガス圧が相対的に高い装置構成要素が配置されるので、この例では、静電レンズ3内部へのガスの流入を防ぐために初段の円筒状電極31の前縁部をスキマー形状としてその頂部にイオン入射開口36を設けているが、必ずしもスキマー形状である必要はない。
他方、最も後段の円筒状電極35の後縁部には、イオン光軸C上に円形状のイオン出射開口37が穿設された平板部が一体に形成されている。さらに、イオン光軸C方向に沿って最も長い円筒状電極33の内周面には、イオン光軸C上に所定のサイズの円形状の絞り開口39が形成されたアパーチャ板38が取り付けられている。円筒状電極31〜35の内径Dに対し、隣接する円筒状電極31〜35の間隙はG=0.1D、イオン光軸C方向の全長が8D、2段目の円筒状電極32と4段目の円筒状電極34の中央部との距離は4Dに定められている。
図2に示すように、初段、3段目、及び最後段の3つの円筒状電極31、33、35には共通の電圧V1が印加され、2段目及び4段目の2つの円筒状電極32、34には電圧V1とは異なる共通の電圧V2が印加される。2段目及び4段目の2つの円筒状電極32、34はその間に挟まれる円筒状電極33に比べてイオン光軸C方向の長さが充分に短いため、各円筒状電極31〜35に上記のような電圧が印加されると、2段目の円筒状電極32を中心として初段の円筒状電極31の後縁部及び3段目の円筒状電極33の前縁部により形成される直流電場により仮想的な凸レンズ(以下「前段側仮想凸レンズ」という)L1が形成され、4段目の円筒状電極34を中心として3段目の円筒状電極33の後縁部及び最後段の円筒状電極35の前縁部により形成される直流電場により別の仮想的な凸レンズ(以下「後段側仮想凸レンズ」という)L2が形成される。この例のように円筒状電極31、33、35に印加される電圧が共通である場合には、2つの仮想凸レンズL1、L2の特性は円筒状電極32、34に印加される電圧で決まる。
ここでは、初段の円筒状電極31の後縁部から円筒状電極33の中央部までの構成・サイズと円筒状電極33の中央部から最後段の円筒状電極35の前縁部までの構成・サイズとは同一であり、円筒状電極32、34には共通の電圧V2が印加されるため、前段側仮想凸レンズL1と後段側仮想凸レンズL2とは同一特性であり、同一の焦点距離となる。したがって、イオン出射開口37に静電レンズ3の像点Iが位置する。円筒状電極32の中央部と円筒状電極33の中央部との距離、円筒状電極34の中央部と円筒状電極33の中央部との距離は共に2Dであるから、円筒状電極32、34へ或る電圧を印加したときに2つの仮想凸レンズL1、L2の焦点面は円筒状電極33の中央部、つまりアパーチャ板38の設置位置で一致し、この静電レンズ3はアフォーカル条件が満たされた系、つまりアフォーカル系となる。したがって、アパーチャ板38に形成された絞り開口39が静電レンズ3の入射瞳Pとなる。
アフォーカル系では、図1(b)に示すように、イオン入射開口36においてイオン光軸Cに対し所定角度を以てイオン光軸Cを交差するように入射したイオンビームは前段側仮想凸レンズL1によりイオン光軸Cに平行となるように折り曲げられ、さらに後段側仮想凸レンズL2により、イオン出射開口37においてイオン光軸Cに対し所定角度を以てイオン光軸Cを交差するように再び折り曲げられる。入射角が所定角度以上であるビームは焦点面上に置かれたアパーチャ板38で遮蔽されるため、絞り開口39のサイズ(径)によって出射ビームの角度広がりが決まる。イオン出射開口37の径及び出射ビーム角度広がりが同一である条件の下で、本実施例のような複数の円筒状電極31〜35から成る静電レンズ3と図11に示したようなビーム制限機構とを比べると、本実施例の構成のほうが、上述したような前段側仮想凸レンズL1及び後段側仮想凸レンズL2の作用によってより多くのイオンビームを通過させることができる。したがって、上記静電レンズ3の構成は、出射ビームの角度広がりと空間広がりとを抑えながらより多くのイオンを直交加速部4に送り込むことができ、測定感度を上げるのに有利である。
一方、2段目及び4段目の2つの円筒状電極32、34に上記アフォーカル条件を満たす電圧とは異なる電圧が印加されたとき、この静電レンズ3は非アフォーカル系となるが、或る所定の電圧を印加したときに絞り開口39を通過するイオンの量が最大となるようにすることができる。一般的にはこれは、図1(c)に示すように、イオン入射開口36においてイオン光軸Cに対し所定角度を以てイオン光軸Cを交差するように入射したイオンビームがアパーチャ板38の設置位置で収束する(イオン光軸C上に集まる)ように、仮想凸レンズL1、L2の特性がそれぞれ調整された状態である。このとき、最大量のイオンを直交加速部4に送り込むことができるため測定感度は良好であるが、出射ビームの角度広がりは大きくなるため質量分解能は或る程度犠牲になる。
本実施例の直交加速方式TOFMSでは、図1(b)に示すようなアフォーカル条件が満たされる電圧を静電レンズ電源部12から静電レンズ3に印加する「高分解能測定モード」と、図1(c)に示すようにイオンをできるだけ多く通過させる非アフォーカル系が形成される電圧を静電レンズ電源部12から静電レンズ3に印加する「高感度測定モード」とが予め用意され、ユーザは分析の実行にあたっていずれかの測定モードを入力部17から選択できるようになっている。それぞれの測定モードにおいて静電レンズ3に印加する電圧の値は、シミュレーション計算又は予備実験により求めておくことができる。「高分解能測定モード」が選択された場合には、感度は若干犠牲になるものの高分解能の測定が行えるから、含有量が比較的多い物質を高い精度で測定したい場合に適している。他方、「高感度測定モード」が選択された場合には、質量分解能は犠牲になるものの高感度の測定が行えるから、含有量が少ない物質を測定したい場合に適している。
本発明におけるイオン入射光学系に相当する上記静電レンズ3の優位性を確認するために実施したシミュレーションについて説明する。このシミュレーションにおいて設定した静電レンズ3の円筒状電極31〜35の形状及びサイズは図3に示したとおりであり、円筒状電極31〜35の内径Dは10[mm]である。
まずこの静電レンズ3がアフォーカル条件を満たす状態の下で、イオン入射開口36上のイオン出射位置(つまり物点O)をZ=0[mm](イオン光軸C上)、0.5[mm]とし、イオンビームの入射角度(イオン光軸Cとなす角度)を−10、−5、0、5、10[deg]の5種類としてイオン軌道を計算した結果を図3に示す。図3に示したイオン軌道から、共通焦点面に絞り開口を置くことでイオンビームの空間広がりに殆ど影響を与えることなく、角度広がりのみを効果的に制限できることが分かる。
次に、絞り開口39のサイズを所定値に決めたときの、アフォーカル条件及び非アフォーカル条件(信号強度最大)の下でのイオン軌道をシミュレーションした。シミュレーション条件は、イオンの空間的な初期分布がY方向及びZ方向にσ=0.25[mm]の広がり、イオンの入射角度(X方向となす角度)の初期分布がσ=5[deg]の広がりをもち、イオンの初期エネルギは10[eV]であるとして、イオン入射開口36上に1000個のイオン(m/z1000)を配置した(図4(a)参照)。この条件の下で、イオン出射開口37上において、イオンビームの角度広がりを±2[deg]以下に抑えることを目標と定め、図3を参考にして絞り開口39のサイズをφ1.6[mm]に決めた。
アフォーカル条件の下でのイオン軌道を計算した結果が図4(b)である。具体的には、円筒状電極31、33、35の電圧V1は0Vであり、円筒状電極32、34の電圧V2は−30Vである。このとき静電レンズ3を通過できたイオンの数は275個/1000個である。また図5には、イオン出射開口37(つまり像点I)上に設置した検出器に入射するイオンのZ方向空間分布(a)と角度広がり分布(b)とをヒストグラムで示した。イオン出射開口37上での空間広がりはイオン入射開口36上の値(σ=0.25[mm])とほぼ同程度に保たれており、角度広がりは±2[deg]以内に制限されていることが分かる。
また、同じイオン初期分布を設定し、静電レンズ3へ印加する電圧をイオン通過率が最大である非アフォーカル系(つまり「高感度測定モード」)となるように設定して、同様の軌道計算を行った。具体的には、円筒状電極31、33、35の電圧V1は0Vであり、円筒状電極32、34の電圧V2は−110Vである。その結果を図4(c)に示す。図4(c)から分かるように、このときイオンビームは絞り開口39の位置でビームウェストを形成する。このとき、多くのイオンが通過可能である(967個/1000個)。このときのイオン出射開口37上に設置した検出器に入射するイオンのZ方向空間分布(a)と角度広がり分布(b)を示すヒストグラムを図6に示す。図5と比較すれば分かるように、この場合には、角度広がりが大きいためにTOF排出方向のエネルギ広がりは大きくなるので、質量分解能は低下することになる。
以上のように、本実施例の直交加速方式TOFMSにおける静電レンズ3では、円筒状電極32、34へ印加する電圧を変えるだけで、「高分解能測定モード」と「高感度測定モード」の切替えを行うことができる。この切替えは静電レンズ電源部12において予め設定した電圧を単に切り替えさえすればよく、それ以外に機械的な切替えや交換などを伴わないので非常に簡単であり、測定の実行中に切り替えることも可能である。したがって、例えば、濃度(含有量)が不明である目的成分を測定する際に、始めは質量分解能を犠牲にして「高感度測定モード」で測定を実行し、その結果、高感度測定モードでなくても充分な信号強度が得られることが判明した時点でモードを「高分解能測定モード」に切り替えて、高い質量分解能でマススペクトルを取得するといった測定が可能である。もちろん、逆に「高分解能測定モード」から「高感度測定モード」へ切り替えることも可能である。この「高分解能測定モード」から「高感度測定モード」への切替え又はその逆の切替えの際には、連続的に感度や分解能を変化させる、段階的に感度や分解能を変化させる、不連続的に感度や分解能を変化させる、といった様々な切替えが可能である。
次に、直交加速部4へイオンを送り込むイオン入射光学系として、アフォーカル条件を満たす静電レンズをより現実に合わせた態様で設計した別の実施例について、図7により説明する。図7(a)は別の実施例の静電レンズ3Bと直交加速部4とを示す概略構成図、(b)は光学的等価構成図である。なお、上記実施例における構成要素と同一の又は相当する構成要素には同一符号を付して対応関係を分かり易くしている。
上で述べたように、アフォーカル系となる静電レンズでは物点Oから出た光は像点Iに集まり結像する。この静電レンズの前段には、図2に示した構成例のようにイオン源1が配置されたり、或いはMS/MS型質量分析装置の場合にはコリジョンセルが配置されたりするが、これら構成要素はいずれもガス圧が高い(真空度が低い)状態にある。一方、アフォーカル系の静電レンズが設計通りに動作するには、静電レンズ内部のガス圧が充分に低い状態、つまりは残留ガス分子の密度が充分に低い状態であることが要求される。もちろん、後段の直交加速部4やTOF分析器5もガス圧が充分に低い状態(高い真空度)であることが要求される。
そこで、この実施例における静電レンズ3Bでは、初段の円筒状電極31におけるイオン入射開口36をφ1.6[mm]と小さくすることでガスコンダクタンスを小さくし、さらには初段の円筒状電極31の前縁部をスキマー形状とすることで、尖ったスキマー先端にイオンが加速されて集まるようにし、それによって、イオン入射開口36を通過するイオンの初期角度広がりも小さくなるようしている。なお、イオンの初期角度広がりが著しく大きい場合には、静電レンズ3Bの前段にさらにレンズを1つ以上追加することとでイオンの初期角度が小さくなるようにし、それによりイオン強度の低下を回避するようにすることができる。
図1に示した構成では像点Iは静電レンズ3の最終段の円筒状電極35のイオン出射開口37に位置していたが、直交加速部4でイオンが加速される際にZ方向のイオン空間広がりを小さくするには、図7(a)に示すように直交加速部4の中心に像点Iが来ることが望ましい。また、直交加速部4は一般的に、図7(a)に示すような円環形状の多数のガードリング電極43を含むので、直交加速部4のX方向の径は無視できず、通常数十mm程度必要となる。そのため、後段側仮想凸レンズL2として、その中心から像点Iまでの距離が長いレンズが必要となる。一方で、装置を小型化するためには静電レンズの全長(物点Oから像点Iまでの距離)は短い方が望ましい。そこで、この実施例では、各円筒状電極31〜35の内径をD=25[mm]と大きくし、物点Oから前段側仮想凸レンズL1中心(円筒状電極32の中央部)までの距離を50[mm](=2D)、後段側仮想凸レンズL2中心(円筒状電極34の中央部)から像点Iまでを75[mm](=3D)と非対称な配置とした。なお、図3に示した静電レンズ3では、物点Oから前段側仮想凸レンズL1中心までの距離と後段側仮想凸レンズL2中心から像点Iまでの距離が等しい対称配置である。本実施例のような非対称配置では、後段側仮想凸レンズL2中心から直交加速部4中心までの距離をできるだけ大きく確保しながら、静電レンズ3Bの全長をできるだけ小さく保つのに好適である。図7(a)に示すように、2つの仮想凸レンズL1、L2の中心間の距離は125[mm](=5D)であり、全長は250[mm](=10D)とした。
一般に、上記のような直交加速部4へのイオン入射光学系に要求されることは以下の通りである。
(1)角度広がり制限:高質量分解能のためには、飛行時間分析方向(Z方向)のイオンの角度広がりをごく小さく制限する必要がある。一方、イオン入射方向であるX方向とZ方向とに直交するY方向へのイオンの角度広がりはZ方向ほど厳しく制限する必要はない。むしろ、検出器に到達するイオンの量を増やすことで信号強度を大きくするには、Y方向の角度制限は、検出器へ到着するイオンの広がりや質量分解能への影響が許される範囲内で緩い方が好ましい。こうしたことから、静電レンズではY方向とZ方向のイオンの角度広がりを独立に設定できることが望ましい。
(2)位置広がり制限:Z方向へのイオンの位置(空間)広がりは、質量分析の対象となるイオンパケットのエネルギ広がりを引き起こすので小さい方が望ましい。一方、Y方向へのイオンの空間広がりは、Z方向ほど厳しく制限する必要はない。むしろ、角度広がりと同様に、信号強度を大きくするためにはY方向へのイオンの空間広がりの制限も許容範囲内で緩い方が好ましい。したがって、静電レンズではY方向とZ方向のイオンの空間広がりも独立に設定できることが望ましい。
Y方向とZ方向のイオン角度広がりを独立に設定できるようにするには、中央の円筒状電極33の内周に配置されたアパーチャ板38の絞り開口39を、Y方向とZ方向とで異なる長さを有する形状とするとよい。具体的には、例えば長方形や楕円形である。
絞り開口39の形状を円形ではなく長方形や楕円形にすることの効果を確認するために行ったシミュレーションについて説明する。シミュレーションで想定した構成は、図7(a)に示した電極配置で、絞り開口39は9[mm](Y方向)×3.4[mm](Z方向)の長方形形状である。また、物点Oをイオン(m/z1000、初期エネルギ26[eV])の出射位置とし、イオンの初期角度(X方向(イオン光軸C)からの角度)を所定範囲で変えてイオンを出射したときのイオン軌道を計算した。
図8は、5個の円筒状電極31〜35への印加電圧を入口側から順に、0V、−61V、0V、−61V、0Vとしたアフォーカル条件の下でのイオン軌道を示す斜視断面図である。(a)はZ方向、(b)はY方向へ、それぞれ−5〜5[deg]、0.1[deg]ステップの初期角度を持たせて、101本のイオン軌道を計算して描出した結果である。この図から、Y方向に細長い長方形状の絞り開口39を用いることで、Y方向とZ方向のイオン角度広がりが独立に設定できていることが理解できる。もちろん、絞り開口39の形状は長方形に限らず、縦横比が異なる楕円形状などでもよい。
図9は物点Oでのイオンの初期位置広がりも考慮したシミュレーションの結果であり、イオンの初期位置や初期角度の相違によるイオン軌道の差異が明瞭になるように縦方向に引き伸ばして描画している。(a)はイオンの初期位置がZ=0[mm]及び0.5[mm]である場合、(b)はイオンの初期位置がY=0[mm]及び0.5[mm]である場合であり、いずれも、−5〜5[deg]、0.5[deg]ステップの初期角度を持たせて21本のイオン軌道を描かせている。絞り開口39によって、イオンの初期位置の相違ではなく、初期角度の相違のみで弁別され、効率的にイオンの角度広がりを制限できていることが分かる。
ここで用いた形状の絞り開口39では、Z方向に±1.5[deg]程度以内、Y方向に±4[deg]程度以内でイオン角度広がりを制限することができる。絞り開口39の形状(サイズ)を変えることで、Z方向とY方向の角度広がりを独立に設定することができ、高質量分解能に必要とされるZ方向のイオン角度広がりを制限しつつ、Y方向のイオン角度広がりを緩めることで感度を改善することができる。
図9からも分かるように、アフォーカル系の静電レンズ3の入口(物点O)から出た光束(イオン束)が直交加速部4の中央部(像点I)に結像している。したがって、感度をさらに高めるには、静電レンズ3の入口の形状、つまりイオン入射開口36も円形状ではなく例えば長方形状、楕円形状など、Z方向よりもY方向に広い形状とするとよい。これにより、直交加速部4からのイオンパケットのエネルギ広がりを大きくすることなく感度を改善することができる。
次に、図7に示した構成の静電レンズ3Bを非アフォーカル系で動作させたとき、つまり高感度測定モードとしたときのシミュレーション結果を説明する。図10は絞り開口39及び直交加速部4の中心でそれぞれ結像するように各円筒状電極31〜35への印加電圧値を調整した、非アフォーカル条件の下でのシミュレーション結果である。イオンの初期角度等の出射条件は図9のシミュレーションと同様である。
図4(c)に示した静電レンズが対称配置である場合の結果とは異なり、2つの仮想凸レンズの中心となる円筒状電極32、34に印加する電圧値は同一ではない。具体的には、5個の円筒状電極31〜35への印加電圧は入口から順に、0V、−215V、0V、−135V、0Vである。図10を見れば、直交加速部4の中心におけるイオンの角度広がりは大きくなるものの、イオン強度を殆ど損なわずに直交加速部4へイオンを輸送することができていることが分かる。これにより、より多くの量のイオンを質量分析に供し、感度を向上させることができる。
上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
例えば上記実施例では、静電レンズ3、3Bを5個の円筒状電極31〜35から構成したが、静電レンズを6個以上の円筒状電極から構成するようにしてもよい。例えば、イオン源1から直接、静電レンズ3、3Bにイオンを入射する場合には、イオンは著しく大きな角度広がりを持つことが予測される。その場合には、上記実施例で述べた5個の円筒状電極の前段にさらに1個以上の円筒状電極を追加してイオンの角度広がりを抑えるようにするとよい。
また、静電レンズに関する上述した各部のサイズは単に一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更可能であることは言うまでもない。
また、本発明に係るTOFMSはTOF分析器がリフレクトロン型に限らずリニア型等でも構わない。また、例えばESIイオン源等のイオン源1から発したイオンを直接的に静電レンズ3、3Bに導入する構成でもよいし、またイオン源1と静電レンズ3との間に、リニア型又は三次元四重極型のイオントラップを配置し、イオントラップで一旦イオンを保持したあとに該イオントラップから出射したイオンを静電レンズ3、3Bに導入する構成としてもよい。さらにまた、静電レンズの前段に三連四重極型質量分析装置のQ1及びQ2(コリジョンセル)を配置するQ−TOF型の装置構成であってもよい。即ち、静電レンズ3、3Bの前段に配置される構成要素は特に限定されない。
また上記実施例では、静電レンズを構成する5個の円筒状電極31〜35のうち、初段、3段目、及び最後段の3つの円筒状電極に共通の電圧V1が印加され、静電レンズ3、3B全体ではイオンに対する加減速がない(入射イオンと出射イオンの運動エネルギが同じ)構成になっている。これに対し、5個の円筒状電極31〜35に独立に電圧を印加しその電圧値を適宜調整することにより、静電レンズ全体でイオンに対する加速又は減速を行いながら、上記アフォーカル条件/非アフォーカル条件を実現することも可能である。例えば、イオン源から直接的にイオンを導入する場合やコリジョンセルなどからイオンを導入する場合には、イオンが持つエネルギが大き過ぎることがある。そうしたときに、静電レンズにおいてイオンを減速させてエネルギを落とすことで、直交加速部に低エネルギのイオンを送り込むことができ、直交加速部でのTOF分析方向のイオン初期エネルギを抑えるのに有効である。
1…イオン源
2…イオンガイド
3、3B…静電レンズ
31〜35…円筒状電極
36…イオン入射開口
37…イオン出射開口
38…アパーチャ板
39…絞り開口
L1、L2…仮想凸レンズ
4…直交加速部
41…平板電極
42…メッシュ状電極
43…ガードリング電極
5…TOF分析器
51…反射器
6…検出器
12…静電レンズ電源部
13…直交加速電源部
14…反射器電源部
15…制御部
16…データ処理部
17…入力部
C…イオン光軸

Claims (14)

  1. 入射してきたイオンをその入射軸と直交する方向に加速する直交加速部と、該直交加速部へイオンを送り込むイオン入射光学系と、を具備する直交加速方式の飛行時間型質量分析装置において、
    前記イオン入射光学系は、
    a)イオン光軸に沿って配置された5個以上の円筒状電極からなる静電レンズと、
    b)前記静電レンズがアフォーカル系となるように前記円筒状電極にそれぞれ電圧を印加する電圧印加手段と、
    c)前記静電レンズがアフォーカル系となるように前記電圧印加手段により電圧が印加されている状態の下で、前記5個以上の円筒状電極の一部の電極により形成される前段の仮想凸レンズと該5個以上の円筒状電極の一部の電極により形成される後段の仮想凸レンズとの共通の焦点面に配置された、イオン光軸上に所定サイズの開口を有する絞り手段と、
    を備えることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記電圧印加手段は前記静電レンズがアフォーカル条件からずれた所定の非アフォーカル系となるように前記円筒状電極にそれぞれ電圧を印加可能であり、該電圧印加手段から前記円筒状電極に印加する電圧の設定を変更することにより、質量分解能を優先させる動作モードと感度を優先させる動作モードとを切り替え可能であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記絞り手段の開口形状はイオン光軸を中心とする円形であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  4. 請求項1又は2に記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記絞り手段の開口形状はイオン光軸を中心とする長方形状又は楕円形状であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズを構成する複数の円筒状電極の中で最も入口側に位置する初段の円筒状電極の前縁部の形状は、その頂部にイオン入射開口が形成されたスキマー形状であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズを構成する複数の円筒状電極の中で最も入口側に位置する初段の円筒状電極の前縁部に形成されたイオン入射開口の形状は円形であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズを構成する複数の円筒状電極の中で最も入口側に位置する初段の円筒状電極の前縁部に形成されたイオン入射開口の形状は長方形又は楕円形であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズは、該静電レンズがアフォーカル系となるように駆動されている状態で形成される前記前段の仮想凸レンズの中心と物点との間の距離と、同じ状態で形成される前記後段の仮想凸レンズの中心と像点との間の距離と、が等しい対称配置であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズは、該静電レンズがアフォーカル系となるように駆動されている状態で形成される前記前段の仮想凸レンズの中心と物点との間の距離と、同じ状態で形成される前記後段の仮想凸レンズの中心と像点との間の距離と、が異なる非対称配置であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記電圧印加手段は、前記静電レンズをイオンが通過する前後で該イオンが加速又は減速されるように複数の前記円筒状電極にそれぞれ電圧を印加することを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    イオンを生成するイオン源から出射されたイオンが直接、前記静電レンズに導入されることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    イオンを生成するイオン源と前記静電レンズとの間にイオンガイドを備えることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  13. 請求項1乃至10のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズの前段にイオンの解離を促進するコリジョンセルが配置され、該コリジョンセルで生成されたフラグメントイオンが前記静電レンズに導入されることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  14. 請求項1乃至10のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置であって、
    前記静電レンズの前段にイオンを保持する機能を有するイオントラップが配置され、該イオントラップから出射されたイオンが前記静電レンズに導入されることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
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