JP2010170848A - 垂直加速型飛行時間型質量分析計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオン源、イオン源で生成したイオンを輸送するイオン輸送手段、イオン輸送手段の輸送先に置かれ、入射スリット、イオンを挟むように配置された2枚の加速電極、イオンに減速作用が働くような電場勾配を発生する圧縮電極、の3つから成り、イオンの飛行時間測定の始点となる信号に同期して前記各電極に所定の電圧を印加して、前記イオン輸送手段の輸送方向と直交する方向にイオンを加速するイオン加速部、前記イオン加速部により加速されたイオンを飛行させ、質量電荷比に応じてイオンの飛行速度が異なることを利用してイオンの質量分離を行なうイオン光学系、イオンを加速するための始点となる信号に同期して、イオン光学系を飛行してきたイオンを検出するイオン検出部、を備えた。
【選択図】図4
Description
TOFMSは、一定量のエネルギーを与えてイオンを加速・飛行させ、検出器に到達するまでに要する時間からイオンの質量電荷比を求める質量分析装置である。TOFMSでは、イオンを一定のパルス電圧Vaで加速する。このとき、イオンの速度vは、エネルギー保存則から、
mv2/2 = qeVa ………(1)
v = √(2qeV/m) ………(2)
と表わされる(ただしm:イオンの質量、q:イオンの電荷、e:素電荷)。
式(3)により、飛行時間Tがイオンの質量mによって異なることを利用して、質量を分離する装置がTOFMSである。図1に直線型TOFMSの一例を示す。また、イオン源と検出器の間に反射場を置くことにより、エネルギー収束性の向上と飛行距離の延長を可能にする反射型TOFMSも広く利用されている。図2に反射型TOFMSの一例を示す。
TOFMSの質量分解能は、総飛行時間をT、ピーク幅をΔTとすると、
質量分解能 = T/2ΔT ………(4)
で定義される。すなわち、ピーク幅ΔTを一定にして、総飛行時間Tを延ばすことができれば、質量分解能を向上させられる。しかし、従来の直線型、反射型のTOFMSでは、総飛行時間Tを延ばすこと、すなわち総飛行距離を延ばすことは装置の大型化に直結する。装置の大型化を避け、かつ高質量分解能を実現するために開発された装置が、多重周回型TOFMS(非特許文献1)である。この装置は、円筒電場にマツダプレートを組み合わせたトロイダル電場を4個用い、8の字型の周回軌道を多重周回させることにより、総飛行時間Tを延ばすことができる。この装置では、初期位置、初期角度、初期運動エネルギーによる検出面での空間的な広がりと時間的な広がりを1次の項まで収束させることに成功している。
TOFMSは、イオンの質量電荷比の違いをある時間始点からの経過時間により分析するため、イオンをイオン加速部にてパルス的に加速しなければならない。そのため、レーザー照射などによりパルス的にイオン化を行なうイオン化法との相性が非常に良い。
OA-TOFMSの場合、連続的にイオンがイオン加速部に流れてきており、そのうち測定に利用できる範囲のみ切り出して測定していると考えることができる。このイオンの利用効率をDuty Cycleと呼び、
上述したDuty Cycleの問題点を改善するために、イオンを一定の期間蓄積し、間歇的に排出できるイオントラップ機構をパルス加速部に導入する前段に配置する方法も考案されている。ただし、この場合、イオントラップ機構の出射位置からパルス加速部までの距離で排出に伴ってm/z値に依存したイオンの空間的な分布が生じる。
(1)試料をイオン化するイオン源、
(2)前記イオン源で生成したイオンを所定の距離だけ輸送するイオン輸送手段、
(3)前記イオン輸送手段の輸送先に置かれ、(i)イオン輸送手段から入射するイオンを制限する入射スリット、(ii)入射スリットの後段に置かれ、通過したイオンの輸送方向と平行に、イオンを挟むように配置された少なくとも2枚の加速電極、(iii)該加速電極と平行に置かれ、進入するにつれてイオンに減速作用が働くような電場勾配を発生する圧縮電極、の3つから成り、イオンの飛行時間測定の始点となる信号に同期して前記各電極に所定の電圧を印加して、前記イオン輸送手段の輸送方向と直交する方向にイオンを加速するイオン加速部、
(4)前記イオン加速部により加速されたイオンを飛行させ、質量電荷比に応じてイオンの飛行速度が異なることを利用してイオンの質量分離を行なうイオン光学系、
(5)イオンを加速するための始点となる信号に同期して、イオン光学系を飛行してきたイオンを検出するイオン検出部、
を備えたことを特徴としている。
(1)試料をイオン化するイオン源、
(2)前記イオン源で生成したイオンを所定の距離だけ輸送するイオン輸送手段、
(3)前記イオン輸送手段の輸送先に置かれ、(i)イオン輸送手段から入射するイオンを制限する入射スリット、(ii)入射スリットの後段に置かれ、通過したイオンの輸送方向と平行に、イオンを挟むように配置された少なくとも2枚の加速電極、(iii)該加速電極と平行に置かれ、進入するにつれてイオンに減速作用が働くような電場勾配を発生する圧縮電極、の3つから成り、イオンの飛行時間測定の始点となる信号に同期して前記各電極に所定の電圧を印加して、前記イオン輸送手段の輸送方向と直交する方向にイオンを加速するイオン加速部、
(4)前記イオン加速部により加速されたイオンを飛行させ、質量電荷比に応じてイオンの飛行速度が異なることを利用してイオンの質量分離を行なうイオン光学系、
(5)イオンを加速するための始点となる信号に同期して、イオン光学系を飛行してきたイオンを検出するイオン検出部、
を備えたので、
垂直加速型飛行時間型質量分析計が持つさまざまな問題点を解決して、イオンの利用効率を向上させることが可能になった。
φ = tan-1√(Uin/Uacc) ………(9)
と表現できる。ただし、加速エネルギーUacc=e(V1−V2)/2−eV3である。パルス加速部へのイオンの進入距離が大きく、イオンがより減速されているほど、φは小さくなるため、圧縮を行なった場合ほど一定距離飛行させたときにイオンパケットのX方向の長さが短くなる。図7では、パルス加速部(長さ12L)と自由空間(長さ80L)を飛行させた後のイオンパケットは、X方向の長さが2/3になっていた。
Claims (5)
- (1)試料をイオン化するイオン源、
(2)前記イオン源で生成したイオンを所定の距離だけ輸送するイオン輸送手段、
(3)前記イオン輸送手段の輸送先に置かれ、(i)イオン輸送手段から入射するイオンを制限する入射スリット、(ii)入射スリットの後段に置かれ、通過したイオンの輸送方向と平行に、イオンを挟むように配置された少なくとも2枚の加速電極、(iii)該加速電極と平行に置かれ、進入するにつれてイオンに減速作用が働くような電場勾配を発生する圧縮電極、の3つから成り、イオンの飛行時間測定の始点となる信号に同期して前記各電極に所定の電圧を印加して、前記イオン輸送手段の輸送方向と直交する方向にイオンを加速するイオン加速部、
(4)前記イオン加速部により加速されたイオンを飛行させ、質量電荷比に応じてイオンの飛行速度が異なることを利用してイオンの質量分離を行なうイオン光学系、
(5)イオンを加速するための始点となる信号に同期して、イオン光学系を飛行してきたイオンを検出するイオン検出部、
を備えたことを特徴とする垂直加速型飛行時間型質量分析計。 - 前記イオン輸送手段とイオン加速部との間にイオンをトラップできるイオントラップ手段を設け、該イオントラップ手段で溜めたイオン群を前記イオン加速部の加速のタイミングと同期させながら排出させて、間歇的に該イオン加速部に前記イオン群を入射させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の垂直加速型飛行時間型質量分析計。
- 前記圧縮電極は、前記イオン加速部へのイオン入射軸に対して対称になるよう、前記少なくとも2枚の加速電極の間に配置され、前記入射スリットから遠ざかるにつれて互いの距離が接近するように構成された、少なくとも1対の電極であることを特徴とする請求項1または2記載の垂直加速型飛行時間型質量分析計。
- 前記イオン源は、EI、CI、ESI、またはAPCIであることを特徴とする請求項1記載の垂直加速型飛行時間型質量分析計。
- 前記イオン光学系は、リニア型、リフレクタ型、またはらせん軌道型であることを特徴とする請求項1記載の垂直加速型飛行時間型質量分析計。
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WO2016027833A1 (ja) * | 2014-08-19 | 2016-02-25 | 株式会社島津製作所 | 飛行時間型質量分析装置 |
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