JPWO2012026332A1 - 磁気応答型弾性装置 - Google Patents

磁気応答型弾性装置 Download PDF

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Abstract

磁気応答型弾性装置において、簡単な構成により、弾性率変化を容易に制御可能とすると共にソフトマテリアル設計の自由度を向上させる。弾性材料に磁性粒子を分散させてなる磁性弾性体(2)と、磁性弾性体(2)に磁性弾性体(2)の外部から磁場を印加して磁性弾性体(2)の弾性率を変化させる磁場発生部(3)とを備える。磁性弾性体(2)は、磁場発生部(3)によって印加される磁場(B)の強さに応じて変化した弾性率のもとで外部からの負荷(F)を受ける。磁性弾性体(2)の外部から磁場(B)を印加して磁性弾性体(2)の弾性率を変化させるので、磁性弾性体(2)と磁場発生部(3)を分離して個別に設計でき、磁性弾性体(2)と磁場発生部(3)が一体のものと比べて設計効率が向上する。磁場発生部(3)が磁性弾性体(2)から分離されているので、磁性弾性体の形状や構成に制約されずに、磁場発生部(3)の制御、従って弾性率変化の制御が容易となる。【選択図】図1

Description

本発明は、磁場によって磁性弾性体の弾性率を変化させる磁気応答型弾性装置に関する。
従来から、磁性弾性体の物性変化や変形を磁気力によって行うことが知られている。例えば、粉体状の強磁性体材料や高透磁率材料をエラストマーに混合してなる磁性エラストマーにコイルを埋入し、コイルに通電して発生する磁気力によって磁性エラストマーを変形させるソフトアクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなソフトアクチュエータは、筋肉のように静かに力強く動くことから、人間親和性の高いロボットなどの分野におけるモータの代替として期待されている。また、磁場印加に対して弾性率変化や伸縮変形挙動を伴う磁気応答性材料は、アクチュエータに限らず、椅子の座部や背もたれ、ベッドのマットなどのような人体接触機器におけるソフトマテリアルとしての応用が考えられる。
特開2009−165219号公報
しかしながら、上述したようなコイルを埋入してなる磁性エラストマーは、コイルと一体不可分の構成であるため、種々の形状や形態のソフトマテリアルを設計したり製品化する際に、設計自由度が制限されたり、迅速な製品開発が損なわれるという問題がある。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、ソフトマテリアル設計の自由度が高く、弾性率変化を容易に制御できる磁気応答型弾性装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明の磁気応答型弾性装置は、磁場によって磁性弾性体の弾性率を変化させる磁気応答型弾性装置において、弾性材料に磁性粒子を分散させてなる磁性弾性体と、磁性弾性体に当該磁性弾性体の外部から磁場を印加して当該磁性弾性体の弾性率を変化させる磁場発生部と、を備えることを特徴とする。
この磁気応答型弾性装置において、磁性弾性体は、外部からの負荷を受ける負荷受部を有し、負荷受部は、磁性弾性体における磁場発生部に面しない開放部に設けられていることが好ましい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、負荷受部が受ける負荷の方向に直交する方向の成分を有する磁場を磁性弾性体に印加してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部はI字形の磁路を有し、磁性弾性体は、磁路の両磁極間に対向する側方に配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は少なくとも2個互いに離間対向して備えられ、磁性弾性体は、離間した磁場発生部の間に配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部はC字形の磁路を有し、磁性弾性体は、磁路の対向開放端間に配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部はU字形の磁路を有し、磁性弾性体は、磁路の磁極間を橋渡しする態様で配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部はE字形の磁路を有し、磁性弾性体は、磁路の磁極間を橋渡しする態様で配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、負荷受部が受ける負荷の方向に平行となる方向の成分を有する磁場を磁性弾性体に印加してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極を負荷受部に対向させてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極を磁性弾性体における負荷受部の対面側に配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極の中心軸が負荷受部の重心を通るように配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁性弾性体と磁場発生部とは、いずれか一方が中空部を有し、他方が中空部に挿入配置されていてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極を負荷受部に対して横向きに配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極を負荷受部に対して横向きにすると共に該磁極を磁性弾性体における負荷受部の対面側に配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極を負荷受部に対して横向きにすると共に該磁極を磁性弾性体における負荷受部とその対面部との間の側面に対向するように配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、複数備えられることにより横向きに配置した磁極が複数備えられると共に同極性としてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、同極性の複数の磁極が互いに対向し磁性弾性体に対して対称に配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部はU字形の磁路を有し、当該磁路の各磁極が磁性弾性体の側面に対向するように配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部はE字形の磁路を有し、当該磁路の各磁極が磁性弾性体の側面に対向するように配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、負荷受部が受ける負荷の方向に斜交する方向の成分を有する磁場を磁性弾性体に印加してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、その磁極を負荷受部に対して斜めに配置して構成してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、複数備えられることにより斜めに配置した磁極が複数備えられると共に磁性弾性体における対角位置に該磁性弾性体を挟むように配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、複数備えられることにより斜めに配置した磁極が複数備えられると共に互いに異極とされ、互いに異極の磁極が磁性弾性体における負荷受部の対面側に該磁性弾性体を挟むように配置してもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁性弾性体を挟む複数の磁極は同一磁路に含まれている磁極としてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、複数の磁性弾性体と、各磁性弾性体に対応した複数の磁場発生部と、各磁場発生部を制御して磁性弾性体に印加する磁場の強さを変化させる制御部と、をさらに備えてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁性弾性体が1軸方向に配列されてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁性弾性体が2軸方向に配列されてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部を磁性弾性体に対して相対的に移動させる移動装置を備えてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、移動装置は、磁場発生部を磁性弾性体に沿って1次元的に移動させてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、移動装置は、磁場発生部を磁性弾性体に沿って2次元的に移動させてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、移動装置は、磁場発生部を磁性弾性体に対して接近離間自在に移動させてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、移動装置と磁場発生部とをそれぞれ複数備え、各移動装置は、各磁場発生部を個別に移動させてもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、電磁石であってもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、永久磁石であってもよい。
この磁気応答型弾性装置において、磁場発生部は、磁性弾性体の表面に励磁コイルが巻かれてなる電磁石であってもよい。
本発明の磁気応答型弾性装置によれば、磁性弾性体の外部から磁場を印加して磁性弾性体の弾性率を変化させるので、磁性弾性体と磁場発生部とを分離できて設計効率が向上し、弾性率変化の制御が磁性弾性体の形状や構成に制約されずに容易に行える。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る磁気応答型弾性装置についての模式的構成図であり、(b)は同装置の変形例を示す模式的構成図である。 図2(a)は同装置の磁性弾性体における磁場と負荷の方向の相互関係を示す側面図であり、図2(b)は(a)の磁場の方向が傾いている場合の側面図である。 図3(a)は磁性弾性体の構造を説明する模式図であり、図3(b)は同磁性弾性体に磁場を印加したとき変化を説明する模式図である。 図4(a)は磁性弾性体の構造を説明する模式図であり、図4(b)は同磁性弾性体に磁場を印加して磁場方向に直交する方向の負荷をかけたときの状態を説明する模式図である。 図5(a)は磁性弾性体の構造を説明する模式図であり、図5(b)は同磁性弾性体に磁場を印加して磁場方向の負荷をかけたときの状態を説明する模式図である。 図6(a)は同磁気応答型弾性装置に電磁石を用いる実施形態に係る装置の例を示す側面図であり、図6(b)は同装置の正面図である。 図7(a)は同装置の変形例を示す側面図であり、図7(b)は同正面図である。 図8は同装置の他の例を示す側面図である。 図9は図8に示した他の例の変形例を示す側面図である。 図10は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図11は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図12は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図13(a)は同磁気応答型弾性装置に永久磁石を用いる実施形態に係る装置の例を示す側面図であり、図13(b)は(a)の他の状態を示す側面図である。 図14(a)は同装置の変形例を示す側面図であり、図14(b)は同変形例の斜視図であり、図14(c)は同変形例の正面図であり、図14(d)は(c)の他の状態を示す正面図である。 図15(a)は同装置の他の例を示す側面図であり、図15(b)は(a)の他の状態を示す側面図である。 図16(a)同装置のさらに他の例を示す側面図であり、図16(b)は(a)の他の状態を示す側面図である。 図17(a)は同装置のさらに他の例を示す側面図であり、図17(b)は(a)の他の状態を示す側面図である。 図18(a)は図16に示した他の例の変形例を示す側面図であり、図18(b)は図17に示した他の例の変形例を示す側面図である。 図19は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図20(a)は第2の実施形態に係る磁気応答型弾性装置の磁性弾性体における磁場と負荷の方向の相互関係を示す側面図であり、図20(b)は(a)の磁場の方向が傾いている場合の側面図であり、図20(c)は(a)の負荷の方向が傾いている場合の側面図である。 図21(a)は同磁気応答型弾性装置に電磁石を用いる実施形態に係る装置の例を示す側面図であり、図21(b)は同装置の変形例を示す側面図であり、図21(c)は同装置の他の変形例を示す側面図である。 図22(a)(b)は図21(a)の装置における電磁石の配置を説明する側面図である。 図23(a)は同装置のさらに他の例を示す一部破断斜視図であり、図23(b)は(a)の断面図であり、図23(c)は(a)に示した例の変形例を示す一部破断斜視図であり、図23(d)は(c)の断面図である。 図24は同装置のさらに他の例を示す断面図である。 図25(a)は同装置のさらに他の例を示す斜視図であり、図25(b)は(a)の断面図であり、図25(c)は(a)に示した例の変形例を示す透過斜視図であり、図25(d)は(c)の断面図である。 図26(a)は同磁気応答型弾性装置に永久磁石を用いる実施形態に係る装置の例を示す側面図であり、図26(b)は同装置の変形例を示す側面図、(c)は同装置の他の変形例を示す側面図である。 図27(a)(b)は図26(a)の装置における永久磁石の配置を説明する側面図である。 図28(a)は同装置のさらに他の例を示す斜視図であり、図28(b)は(a)の断面図であり、図28(c)は(a)に示した例の変形例を示す斜視図であり、図28(d)は(c)の断面図である。 図29は同装置のさらに他の例を示す断面図である。 図30は同磁気応答型弾性装置の他の実施形態に係る装置の側面図である。 図31は図30に示した他の実施形態に電磁石を用いる装置の例を示す側面図である。 図32は同装置の他の例を示す側面図である。 図33は同磁気応答型弾性装置のさらに他の実施形態に係る装置の側面図である。 図34は図33に示したさらに他の実施形態に電磁石を用いる装置の例を示す側面図である。 図35は同装置の他の例を示す側面図である。 図36は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図37は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図38は図30に示した他の実施形態に永久磁石を用いる装置の例を示す側面図である。 図39は同装置の他の例を示す側面図である。 図40は図33に示したさらに他の実施形態に永久磁石を用いる装置の例を示す側面図である。 図41は同装置の他の例を示す側面図である。 図42(a)は同装置のさらに他の例を示す側面図であり、図42(b)は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図43は第3の実施形態に係る磁気応答型弾性装置の磁性弾性体における磁場と負荷の方向の相互関係を示す側面図である。 図44(a)は同装置の斜視図、図44(b)は同装置の断面図である。 図45は同磁気応答型弾性装置に電磁石を用いる実施形態に係る装置の例を示す側面図である。 図46は同装置の他の例を示す側面図である。 図47は図46に示した他の例の変形例を示す側面図である。 図48は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図49(a)は同装置のさらに他の例を示す側面図であり、図49(b)は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図50は同磁気応答型弾性装置に永久磁石を用いる実施形態に係る装置の例を示す側面図である。 図51は同装置の他の例を示す側面図である。 図52は図51に示した他の例の変形例を示す側面図である。 図53は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図54(a)は同装置のさらに他の例を示す側面図であり、図54(b)は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図55は第4の実施形態に係る磁気応答型弾性装置の斜視図である。 図56は同装置の他の例を示す側面図である。 図57は同装置のさらに他の例を示す側面図である。 図58は一実施形態に係る磁気応答型弾性装置の斜視図である。 図59(a)は同装置の平面図であり、図59(b)は(a)の側面図である。 図60は同装置の他の例を示す分解斜視図である。 図61(a)は図60に示した装置の平面図であり、図60(b)は(a)の側面図である。 図62は同装置のさらに他の例を示す分解斜視図である。 図63は図62に示した装置の側面図である。 図64(a)は図63に示した装置における弾性率の場所的変化を示すグラフであり、図64(b)は(a)に示した弾性率の代表的な値に対する磁場発生部の状態を模式的に示す斜視図である。 図65は同装置のさらに他の例を示す分解斜視図である。 図66は磁気応答型弾性装置の実施例を示す側面図である。 図67は磁気応答型弾性装置の他の実施例を示す側面図である。 図68(a)は磁気応答型弾性装置に用いられる磁性弾性体の模式的断面図であり、図68(b)は同磁性弾性体の母材の斜視図であり、図68(c)は同磁性弾性体の製造に用いられる含浸液の斜視図である。 図69は同磁性弾性体の製造方法のフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る磁気応答型弾性装置について、図面を参照して説明する。なお、図中に適宜図示したxyz直交座標軸を適宜参照して説明する。図1乃至図19は第1の実施形態を示す。まず、図1乃至図5によって本発明の基本的な構成について説明する。図1(a)に示すように、磁気応答型弾性装置1(以下、装置1)は、弾性材料に磁性粒子を分散させてなる磁性弾性体2と、磁性弾性体2に外部から磁場を印加して磁性弾性体2の弾性率を変化させる磁場発生部3とを備えている。磁場は、図中に磁力線Bによって示しているが、以下では、同じ記号を用いて磁場Bと記す。磁性弾性体2は、磁場発生部3によって印加される磁場Bの強さに応じて変化した弾性率のもとで外部からの負荷Fを受ける。磁性弾性体2は、その一表面が負荷Fを受ける負荷受部21として設定されている。負荷受部21の磁性弾性体2における対向面が支持部材22によって支持されることにより、磁性弾性体2が支持部材22によって支持されている。磁場発生部3は、電磁石や永久磁石、又はこれらの組み合わせなどで構成される。支持部材22は、通常、非磁性体である。また、装置1は、磁場発生部3によって印加させる磁場Bの強度を変化させる制御部10(磁場強度変化装置)を備えている。制御部10は、例えば、磁場発生部3が電磁石の場合は励磁用コイル電流の電流値制御装置であり、磁場発生部3が永久磁石の場合は永久磁石を磁性弾性体2に対して接近させたり離間させたりする移動装置である。負荷Fは、通常、例えば荷重などの、圧縮応力であるが、引っ張り応力であってもよい。
図1(a)に示す装置1において、磁場発生部3は、負荷受部21が受ける負荷Fの方向(y軸方向)に直交する方向(x軸方向)の磁場Bを磁性弾性体2に印加する構成とされている。また、変形例である図1(b)に示す装置1においては、磁場発生部3が、負荷Fの方向(y軸方向)に沿った方向(y軸方向)の磁場を磁性弾性体2に印加する構成とされている。図1(a)(b)に示す装置1は、磁性弾性体2の外部から磁場Bを印加して磁性弾性体2の弾性率を変化させるので、磁性弾性体2と磁場発生部3を分離して個別に設計でき、磁性弾性体2と磁場発生部3が一体のものよりも設計効率が高いものとなっている。磁場発生部3が磁性弾性体2から分離されているので、磁性弾性体2の形状や構成に制約されず、磁場発生部3の制御、従って弾性率変化の制御が容易である。磁性弾性体2については、後述する(図3、図4、図5参照)。
また、装置1の磁場発生部3が磁性弾性体2に印加する磁場Bは、図2(a)に示すように、負荷Fの方向に直交するx軸方向、又は図2(b)に示すように、少なくともx軸方向の磁場成分Bxを有する磁場Bが好ましい。これは、磁場Bの印加により、せん断負荷に対する変形抵抗が増えて弾性率が増加するので、せん断負荷に対する耐性が向上する、という点で好ましい。また、例えば、磁場Bを発生する磁場発生部3を磁性弾性体2の側方(x軸方向)に配置できるので負荷Fの発生源と磁場発生部3の干渉を避けることができるので設計が容易となる、という点で好ましいといえる。図1(a)(b)に示すように、装置1はいずれも、磁性弾性体2における磁場発生部3に面しない開放部に負荷受部21を設けることができる。
(磁性弾性体)
磁性弾性体2は、図3(a)に示すように、弾性材料2aに磁性粒子2bを分散させたものである。弾性材料2aは、ゲル状態材料や固体材料であり、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ブチルゴム、ポリウレタン等を用いることができる。磁性粒子2bは、鉄、カルボニル鉄、フェライトなどの強磁性体材料や、高透磁率材料の粉末などを用いることができる。このような磁性弾性体2は、磁場Bが印加されると、図3(b)に示すように、磁性粒子2bが磁気的に分極し、分極した粒子間に磁気的結合が形成される。磁性粒子2bは、磁力線Bに沿う方向に磁性粒子2bが整列して粒子間の磁気結合力が増し、強固な構造となる。このような分極により、磁性弾性体2には、印加される磁場Bの強さに応じて、弾性率が変化する物性的な変化や、伸長又は短縮する形状的な変化などが発生する。図4(a)(b)に示すように、磁場Bの方向に直行する方向においては、負荷F(せん断負荷)に対する変形抵抗が増加し、これにより磁性弾性体2の弾性率が増加する。また、図5(a)(b)に示すように、磁場Bの方向に平行な方向においては、磁場方向の負荷Fに対する変形抵抗が増えて変形しにくくなり、これにより磁性弾性体2の弾性率が増加する。すなわち、磁性弾性体2は、印加する磁場Bの向きや大きさの変化によって、磁性弾性体2の弾性率を変化させることができる。磁性粒子2bは磁性を有さない非着磁の粒子でもよく、磁性を有する着磁された粒子でもよい。
装置1によれば、磁性弾性体2の弾性率、従って、磁性弾性体2の硬さや柔らかさを電磁気的手段(すなわち磁場発生部3)によって、制御することができるので、これを種々の人体接触用途のソフトマテリアルの実現に適用することができる。例えば、装置1は、ソファや椅子の座部、これらの背もたれ部、介護用ベッドのマットなどの、人体接触部分の硬軟を時間的に変化させる用途に用いることができる。この場合、磁性弾性体2を平面的に、又は適宜の曲面に沿って二次元的に敷き詰め、磁性弾性体2の各部の弾性率を磁場Bによって局所的に又は大域的に時間変化させるようにすればよい。その時間変化は、予め設定したプログラムに従って複合周期のもとで変化させたり、負荷Fの検知センサを備え、その検知結果に基づいて変化させたりすればよい。装置1を、このような人体接触用途の磁気応答性ソフトマテリアルに適用すると、電磁モータによる剛体駆動に基づく装置と比較して、人体にソフトなタッチで安全であり、伝達機構なしで自在な動きが可能となり、装置の小型化に有利である。また、磁気応答性ソフトマテリアルは、電気応答性ソフトマテリアルと比較して、人体接触部への電界印加(感電)の虞がなく、安全感が得られ、比較的、高出力(力、変形両)化が可能であり、磁場Bの大きさに対応した出力制御が可能という利点がある。
(電磁石を用いる実施形態)
図6乃至図12は磁場発生部3として電磁石4を用いる実施形態を示す。図6(a)(b)に示すように、装置1の磁場発生部3は、磁路がI字形の電磁石4で構成され、磁性弾性体2は、電磁石4の両磁極間(両磁極を結ぶ空間)に対向する側方に配置されている。磁性弾性体2は、負荷受部21の対向面、すなわち、磁性弾性体2下面の周辺部を支持部材22によって支持されており、負荷Fによって撓むことができる配置とされている。その撓み量は、負荷Fが加えられたときの磁性弾性体2の弾性率に依存する。支持部材22は、磁性弾性体2の下面周辺部だけでなく、下面全体を支持するようにしてもよい。電磁石4は、例えば、筒状のボビン40にコイル41を巻き回したものであり、ボビン40は鉄心とすることもでき、また、空心(鉄心なし)とすることもできる。このような電磁石4は、磁性弾性体2の下方側(支持部材22側)に配置されて、そのコイル41の外部に発生する磁場Bを磁性弾性体2に印加する。この構成により、磁性弾性体2に印加される磁場Bが磁性弾性体2の内部を略直線的に通過し、その磁場Bの方向は、負荷Fの方向に大略直交する方向となる。また、図7(a)(b)に示すように、電磁石4を、磁性弾性体2の側方に配置しても、磁性弾性体2に印加される磁場Bの方向が、負荷Fに大略直交する方向となる。図7では磁性弾性体2の両側方に合計2つの電磁石4を備えているが、いずれか片方に1つだけ電磁石4を備えてもよく、両側方と下方とに合計3つ、またはこれより多い任意数の電磁石4を備えてもよい。
図8は装置1の他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、対向する2個の電磁石4で構成されている。磁性弾性体2は、直列配置された2個の電磁石4の互いに異極の磁極間に配置されている。この構成により、磁性弾性体2に印加される磁場Bは、図6、図7の装置1に比べて、磁力線の平行性がより向上し、負荷Fの方向に対してより直交性が良くなり、エネルギ効率が良くなる。また、図9に示す変形例は、2個の電磁石4を互いに同極の磁極を対向させて配置して構成し、その互いに同極の磁極間に磁性弾性体2を配置するものである。この構成の装置1においても、磁場Bによって磁性弾性体2の弾性率を変化させることができる。
図10は装置1のさらに他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、磁路がC字形の電磁石4で構成され、磁性弾性体2は、電磁石4の磁路の対向開放端4a,4bの間に配置されている。図11は装置1のさらに他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、磁路がU字形の電磁石4で構成され、磁性弾性体2は、U字形の磁路の磁極間を橋渡しする態様で、磁路の対向開放端4a,4b上に配置されている。図12は装置1のさらに他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、磁路がE字形の電磁石4で構成され、磁性弾性体2は、E字形の磁路の磁極間を橋渡しする態様で磁路の対向開放端4a,4b上に配置されている。このような、図6乃至図12に示す実施形態の装置1は、磁場発生部3として電磁石4を用いるので、電磁石4を励磁する電流を制御することにより容易に磁場Bの強度を制御でき、従って、容易に磁性弾性体2の弾性率の増加減少を制御することができる。
(永久磁石を用いる実施形態)
図13乃至図19は磁場発生部3として永久磁石5を用いる実施形態を示す。この実施形態の装置1は、磁場発生部3として永久磁石5を用い、磁場強度を変化させる制御部10として永久磁石を移動させる移動装置を用いる。言い換えると、制御部10は、永久磁石5と磁性弾性体2との距離を相対的に変化させる装置である。図13(a)(b)に示すように、磁性弾性体2は、永久磁石5の両磁極間に対向する側方に配置され、制御部10は、磁性弾性体2に印加する磁場Bの強度が変化するように永久磁石5を移動させる。例えば、永久磁石5は、図13(a)に示すように、両矢印a方向(負荷Fの方向)に沿って移動自在とされ、図13(b)に示すように、矢印b方向に離間移動された結果、磁性弾性体2に印加される磁場Bの強度が弱められ、磁性弾性体2の弾性率が減少する。また、図14(a)〜(d)に示すように、永久磁石5を、磁性弾性体2の側方に配置しても、磁性弾性体2に印加される磁場Bの方向が、負荷Fに大略直交する方向となる。図13、図14に示した矢印a,b方向への永久磁石5の移動は例示であり、永久磁石5の移動方向をこれに限定するものではない。
図15(a)(b)は装置1の他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、互いに離間して直列的に配置された2個の永久磁石5と、この永久磁石5を磁性弾性体2に対して接近離間自在に移動させる制御部10とを備えている。磁性弾性体2は、離間した永久磁石5の互いに異極の磁極間に配置され、制御部10は、磁性弾性体2に印加する磁場の強度が変化するように永久磁石5を移動させる。すなわち、永久磁石5は、図15(a)に示すように、例えば、両矢印a方向(負荷Fの方向)に移動され、図15(b)に示すように、矢印b方向に離間移動された結果、磁性弾性体2に印加される磁場Bの強度が弱められ、磁性弾性体2の弾性率が減少する。なお、磁性弾性体2は、離間した永久磁石5の互いに同極の磁極間に配置するようにしてもよい(図9参照)。図15に示した矢印a,b方向への永久磁石5の移動は例示であり、永久磁石5の移動方向をこれに限定するものではない。
図16(a)(b)は装置1のさらに他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、磁路がC字形の永久磁石5と、この永久磁石5を磁性弾性体2に対して接近離間自在に移動させる制御部10とを備えている。磁性弾性体2は、永久磁石5の磁路の対向開放端間に配置され、制御部10は、磁性弾性体2に印加する磁場Bの強度が変化するように永久磁石5を移動させる。例えば、永久磁石5は、図16(a)に示すように、両矢印a方向(負荷Fの方向)に沿って移動され、図16(b)に示すように、矢印b方向に離間移動された結果、磁性弾性体2に印加される磁場Bの強度が弱められ、磁性弾性体2の弾性率が減少する。図16に示した矢印a,b方向への永久磁石5の移動は例示であり、永久磁石5の移動方向をこれに限定するものではない。
図17(a)(b)は装置1のさらに他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、磁路がU字形の永久磁石5と、この永久磁石5を磁性弾性体2に対して接近離間自在に移動させる制御部10とを備えている。磁性弾性体2は、U字形の磁路の磁極間を橋渡しする態様で配置され、制御部10は、磁性弾性体2に印加する磁場Bの強度が変化するように永久磁石5を移動させる。例えば、永久磁石5は、図17(a)に示すように、両矢印a方向(負荷Fの方向)に沿って移動され、図17(b)に示すように、矢印b方向に離間移動された結果、磁性弾性体2に印加される磁場Bの強度が弱められ、磁性弾性体2の弾性率が減少する。図17に示した矢印a,b方向への永久磁石5の移動は例示であり、永久磁石5の移動方向をこれに限定するものではない。なお、図16に示すC字形の磁路、および、図17に示すU字形の磁路は、それぞれ、図18(a)(b)に示すように、永久磁石5にヨーク(継鉄)50を付加した構造によって形成してもよい。また、図19は装置1のさらに他の例を示す。この装置1の磁場発生部3は、磁路がE字形の永久磁石5で構成され、磁性弾性体2は、E字形の磁路の磁極間を橋渡しする態様で磁路の対向開放端5a,5b上に配置されている。このような、図13乃至図19に示す実施形態の装置1は、磁場発生部3として永久磁石5を用い、永久磁石5を移動させる制御部10を備えるので、磁性弾性体2の弾性率の増加減少制御を容易に行うことができる。
(第2の実施形態)
図20乃至図42は第2の実施形態を示す。第2の実施形態の装置は、図20(a)(b)(c)に示すように、負荷受部21を介して磁性弾性体2に作用する負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する磁場Bを磁性弾性体2に印加するように構成した装置である。磁場Bは不図示の磁場発生部3(図1(b)参照)によって印加される。また、磁性弾性体2や支持部材22などの構成は、第1の実施形態における構成などと同様である。負荷Fは、磁性弾性体2に予め設定された負荷受部21に作用することが想定されている。また、負荷Fの方向は負荷受部21に斜めに作用することもある。従って、負荷Fの方向と磁場Bの方向の関係は相対的なものであり、図20(a)に示すように負荷Fと磁場Bとが互いに略平行の場合だけとは限らない。すなわち、本実施形態には、図20(b)におけるFに対するBy成分や、図20(c)におけるFに対するBf成分、またはBに対するFy成分のように、互いに適宜の量の平行成分を有する場合も含まれる。磁性弾性体2は、このような磁場Bを印加することにより、上述した第1の実施形態と同様に、その弾性率が変化する。つまり、磁性弾性体2に分散させた磁性粒子が磁場Bの印加によって磁場Bの方向に平行に整列する傾向の動作を行い、磁性弾性体2は磁場方向の外部負荷Fに対する変形抵抗が増加し、弾性率が増加する。なお、平行成分(By成分やBf成分)の量は、磁場Bの強度を変化させたときに発生する磁性弾性体2における弾性率の変化量が磁気応答型弾性装置の用途や条件に適合する量であればよい。
(電磁石を用いる実施形態)
図21乃至図25は、磁場発生部3として電磁石4を用いる実施形態を示す。図21(a)(b)(c)に示すように、装置1は、磁場発生部3として電磁石4を備えており、磁場印加に用いる電磁石4の磁極(図の例ではN極、磁極Nとも記す)の方向を負荷Fの方向としている。装置1は、この構成により、電磁石4のN極から負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する磁場Bを磁性弾性体2に印加する。装置1は、平板状の支持部材22の上面に磁性弾性体2を載置し、磁性弾性体2の上面を負荷受部21とし、支持部材22の下面に電磁石4のN極を接近させて構成されている。言い換えると、電磁石4は、その磁極Nを、磁性弾性体2を介して負荷受部21に対向させている。より詳しくは、磁性弾性体2における負荷受部21の対面、すなわち支持部材22に面した磁性弾性体2の面に磁極Nを対向させており、負荷受部21と磁極Nとの間に磁性弾性体2の本体部分が介在している。このような電磁石4の配置によると、磁極Nに発生する磁場Bを直接、磁性弾性体2の内部に作用させることができ、電磁石4や磁性弾性体2の配置や設計が容易である。磁極Nに直接、磁性弾性体2を支持させることにより、支持部材22を省略することもできる。また、電磁石4のコイルに流す電流の値に応じて、磁場B(磁束密度)が比例的に増減するので、電磁石4を用いた弾性挙動の制御が容易である。このような装置1は、いずれも、磁性弾性体2における磁場発生部3に面しない開放部が存在し、その開放部に負荷受部21を設けることができる。
上記において、磁極の方向とは、電磁石4における磁極と見做される領域における磁力線の主たる方向のことである。例えば、通常は鉄心なしコイルにおけるコイル端面の法線方向や鉄心あり電磁石の鉄心端面の法線方向を磁極の方向と見做すことができる。また、後述する磁極の中心軸とは、通常はコイル端面や鉄心端面の面中心あるいは面重心の位置を通る法線のことである。また、磁場印加に用いる磁極とは、磁性弾性体2に実質的に磁場を印加する磁極であり、通常は、磁性弾性体2に近い側に配置されている磁極である。
図21(a)(b)(c)の各装置1の詳細と相違を説明する。図21(a)における電磁石4は円柱状のボビンに励磁コイルを巻き回したものであり、ボビンは鉄心とすることもでき、また、空心(鉄心なし)とすることもできる。図21(a)における磁性弾性体2は、四角形状であり、その平坦な上面が負荷受部21とされ、平坦な下面(すなわち、磁性弾性体2における負荷受部21の対面)が平坦な支持部材22で支持されている。図21(b)の装置1は、磁性弾性体2が上方に凸の半楕円形状を有している点が、図21(a)の装置1と異なり、他は同じである。また、図21(c)の装置1は、電磁石4のボビンが支持部材22に沿った方向に屈曲されている点が、図21(a)の装置と異なり、他は同じである。これらの装置1において、電磁石4の磁極Nから発散する磁力線Bが出て、磁性弾性体2を通過し、磁性弾性体2の弾性率を磁場Bの大きさに応じて増減させる。磁場Bの強度の変更制御は、電磁石4を励磁する電流を制御することにより行われる。
また、装置1は、電磁石4における磁場印加に用いる磁極の方向を負荷Fの方向とするだけではなく、磁極の中心軸が磁性弾性体2における負荷受部21の重心を通るように電磁石を配置することがより好ましい。例えば、図22(a)に示す装置1では、磁極Nの中心軸が負荷受部21の重心Gを通っている。図22(b)に示す構成の装置1では、磁場印加に用いる磁極Nの中心軸が、磁性弾性体2における負荷受部21の重心Gを通っていない。磁極Nの中心軸が重心Gを通っている図22(a)の装置1の方が、図22(b)の装置1よりも、磁性弾性体2への磁場印加効率が優れていて好ましい。すなわち、磁場Bはコイルの径方向に変化する強度分布を有し、コイル軸中心が最大であるため、コイル軸中心軸である磁極Nの中心軸と負荷受部21の重心Gを通る軸とを一致させる。このような構成により、負荷受部21に最大の磁場Bを付与でき、可変弾性効果を最も高くできる。なお、磁性弾性体2の弾性または弾性率を変化させることにより得られる効果を可変弾性効果と称している。逆に、別の観点からすると、装置1の状態を図22(a)(b)の状態間で変化させることにより、すなわち、磁極Nの位置を移動させることにより、磁性弾性体2への磁場印加の程度、従って弾性率の変化を制御することもできる。なお、負荷受部21の重心Gは、例えば、負荷受部21として設定された面の幾何学的重心とすることができ、言い換えると、磁性弾性体2において負荷Fを主として受ける領域として設計された領域の中心位置とすることができる。
図23(a)(b)は、装置1の他の例を示す。この装置1は、有底円柱状のボビンを有する電磁石4の中空部に円柱状の磁性弾性体2が挿入配置されているものである。磁性弾性体2は、電磁石4の底部を支持部材22として底面を支持され、上面を負荷受部21として電磁石4の中空部から突出させている。この構造により、電磁石4における磁場印加に用いる磁極の方向を負荷Fの方向とし、磁性弾性体2に作用する負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する磁場Bを磁性弾性体2に印加する。中空部の磁力線は電磁石4および磁性弾性体2の軸方向に平行となり、磁性弾性体2を通過して効率的な可変弾性効果を得ることができる。また、図23(c)(d)は変形例を示す。この変形例は、電磁石4が底のない円柱状のボビンを有するものであり、磁性弾性体2は別途に設けた支持部材22によって下部を支持されている点を除いて、図23(a)(b)に示す装置1と同様である。また、図24は、装置1のさらに他の例を示す。この変形例では、円筒形状の磁性弾性体2の内部空間に、円柱状のボビンを有する電磁石4が、同軸状態で、挿入配置されている。磁性弾性体2の円筒上面が負荷受部21であり、円筒軸方向が磁性弾性体2に作用する負荷Fの方向であり、磁性弾性体2に印加する磁場の方向である。電磁石4の長手方向に沿って電磁石4の外部を一方の磁極から他方の磁極へと走行する磁力線が、磁性弾性体2の内部を通過する。
図25(a)(b)は、装置1のさらに他の例を示す。この装置1は、円柱状の磁性弾性体2の外周に電磁石4を構成する励磁コイルが巻かれている装置である。これは、例えば、図23(a)(b)に示す装置1においてボビンを省略し、磁性弾性体2と励磁コイルとを近づけたものと見做すことができる。この構成の装置1によると、部品点数を少なくすることができる。また、磁性弾性体2に接触した状態で励磁コイルが直接巻かれていても、励磁コイルを伸縮自在のスプリングコイルとすることにより、負荷Fによる軸方向の変形に対して、電磁石4と磁性弾性体2とが柔軟に一体的に伸縮変形することができる。また、図25(c)(d)は、装置1のさらに他の例を示す。この装置1は、図24の装置1においてボビンを省略したものに対応するものであり、円柱状の磁性弾性体2の内周に電磁石4を構成するための励磁コイルが巻かれている。
(永久磁石を用いる実施形態)
図26乃至図29は磁場発生部3として永久磁石5を用いる実施形態を示す。この実施形態の装置1は、上述の電磁石4を用いる図21乃至図24に示した装置1において、磁場発生部3としての電磁石4を、永久磁石5に置き換えたものである。従って、本実施形態における磁性弾性体2、支持部材22、および、磁場印加に用いる磁極の負荷Fの方向に対する配置などの構成は、上述の図21乃至図24に示した実施形態における構成と同様である。永久磁石5を用いる装置1は、制御部10(図1参照)として、例えば、移動装置(不図示)を備える。移動装置は、永久磁石5を磁性弾性体2に対して相対的に接近離間自在に移動させる装置であり、磁性弾性体2に印加する磁場Bの強度が変化するように永久磁石5を移動させる。これらの実施形態によれば、永久磁石5の磁極に発生する磁場Bを直接、磁性弾性体2の内部に作用させることができ、永久磁石5や磁性弾性体2の配置や設計が容易である。
(第2の実施形態に属する他の実施形態)
図30乃至図42は第2の実施形態に属する他の実施形態を示す。これらの実施形態の装置1は、図30に示すように、磁場発生部3の磁場印加に用いる磁極Nの方向を磁性弾性体2に作用する負荷Fの方向に直交させ、負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する磁場Bを磁性弾性体2に印加するように構成した装置である。言い換えると、磁場発生部3は、その磁極Nを負荷受部21に対して横向きに配置した構成となっている。ここで、横向きに配置とは、負荷受部21の方向と磁極の方向とが略直交する配置という意味である。負荷受部21の方向は、負荷受部21に作用する負荷Fの方向、又は、負荷受部21上の負荷受部21の作用点(作用面)における法線方向によって定義される。また、図30に示す装置1において、磁場印加に用いる磁極Nは、磁性弾性体2における負荷F方向の両端部のうち下端側、すなわち、支持部材22の下部に配置されている。言い換えると、磁場発生部3は、その磁極Nを、負荷受部21に対して横向きにすると共に磁性弾性体2における負荷受部21の対面側(即ち、下端側)に配置している。図30の装置1は、上述の図20乃至図29に示した装置1とは、磁場印加に用いる磁極の方向を負荷Fの方向に直交させている点が異なり、磁性弾性体2に負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する磁場Bを印加する点や支持部材22などの構成は同様である。図30において、負荷Fの方向に対して横向きとされた磁場発生部3の磁極Nから磁極端面の法線方向に出た磁力線Bは発散し、その磁力線の一部は磁極付近で略直角に偏向し、その偏向磁場Bが磁性弾性体2を通過する。磁性弾性体2を通過する偏向磁場Bは、負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する。このように、磁極の方向を負荷Fの方向に直交させると、磁場発生部3を横向きにすることができ、装置1の全体の上下寸法を短くすることができるので、設計の融通性が増す利点がある。
(電磁石を用いる実施形態)
図31乃至図37は図30に示した磁場発生部3として電磁石4を用いる実施形態を示す。図31に示す装置1は、磁場発生部3として電磁石4を用いる点を除いて、図30に示したものと同様である。磁場発生部3を電磁石4で構成することにより、電磁石4を励磁する励磁電流の値に応じて磁場Bが比例的に増減するので、磁性弾性体2の可変弾性挙動の制御を容易に行える。また、図32に示す装置1は、図31に示す装置1において電磁石4を増設し、2つの電磁石4を互いに同極性の磁極Nを向かい合わせて対向配置したものである。2つの電磁石4は、それぞれ中心軸を横向き(負荷Fの方向に直交する向き)にして各磁極Nを横向きにし、支持部材22の下部にコンパクトに配置されている。この装置1は、電磁石が増設されてより強力に磁場Bを磁性弾性体2に印加することができる。また、同極性の磁極Nが対向している結果、両磁極Nの中央部の磁力線Bは90度方向に偏向されるので、単一の磁極Nだけの場合よりも、より効率的に、負荷Fの方向に平行となる方向の成分を有する磁場Bを磁性弾性体2に印加することができる。従って、対向配置させる2つの電磁石4は、それぞれ、単一の場合の電磁石4よりも出力が弱い電磁石で構成することができる。また、電磁石4は、2つとは限らず、複数個とすることができ、例えば、3つや4つの電磁石4を、互いに同極性の磁極Nを中心向きとして、放射状に配列して備えることができる。2個以上の電磁石4の配置により、電磁石4の磁極で生じる磁場Bは強力となり、磁性弾性体2の可変弾性効果は高くなる。また、同極を対向させることにより、磁場Bが直角に偏向し、磁性弾性体2の内部をより効率的に通過するようになる。また、これらの複数の電磁石4の互いに対向する磁極Nは、磁性弾性体2に対して互いに対称に配置されていることが好ましい。これにより、直角に偏向した磁場Bの中心が磁性弾性体2の負荷受部21の中心(重心)を通過することとなり、可変弾性効果をより高くすることができる。
図33に示す装置1は、図30に示した装置1における磁場発生部3を磁性弾性体2の下方ではなく磁性弾性体2の側方に配置したものであり、その磁場印加に用いる磁極Nが磁性弾性体2における負荷F方向の両端間に対向する側方に配置されている。この構成において、磁極Nの方向は、負荷Fの方向に直交した配置とされており、磁極Nから出て発散する磁力線Bを有する磁場Bが磁性弾性体2に印加させる。この磁場Bは、負荷Fの方向に平行となる方向の磁場成分を有している。図34に示す装置1は、図33に示した装置1における磁場発生部3として電磁石4を用いるものである。また、図35に示す装置1は、図34に示す装置1において電磁石4を増設し、2つの電磁石4を互いに同極性の磁極Nを向かい合わせて対向配置させ、その磁極間に磁性弾性体2を配置したものである。図33、図34、図35の装置1は、それぞれ上述の図30、図31、図32の装置1における電磁石4を磁性弾性体2の側方に移動配置した構成に対応する。
図36に示す装置1は、図33に示した装置1における磁場発生部3をU字形の磁路を有する電磁石4で構成したものであり、電磁石4の各磁極N,Sが磁性弾性体2の側面に対向するように配置されている。この構成において、磁極N,Sの方向はそれぞれ負荷Fの方向に直交した配置とされており、磁極Nから磁極Sに向かう磁力線Bは負荷Fの方向に平行となる方向の磁場成分を有している。この装置1において、電磁石4は、磁性弾性体2の片側だけでなく、磁性弾性体2の周りに、同極性の磁極を互いに対向させて複数備えることができ、さらには、各磁極を磁性弾性体2の周りに連続的に配置する構成とすることができる。
図37に示す装置1は、図36に示した装置1におけるU字形の磁路を有する電磁石4をE字形の磁路を有する電磁石4としたものであり、電磁石4の各磁極N,Sが磁性弾性体2の側面に対向するように配置されている。この構成において、磁極N,Sの方向はそれぞれ負荷Fの方向に直交した配置とされており、磁極Nから磁極Sに向かう磁力線Bは負荷Fの方向に平行となる方向の磁場成分を有している。この装置1において、電磁石4を複数にしたり、各磁極を連続的に配置したりする構成については、図36のものと同様である。図36、図37に示す装置1においては、磁気回路上の空隙を小さくすることができるので、電磁石4が生成して印加する偏向磁場Bは磁性弾性体2の内部に集中して効率よく通過させることができる。
(永久磁石を用いる実施形態)
図38乃至図42は磁場発生部3として永久磁石5を用いる実施形態を示す。これらの実施形態の装置1は、上述の電磁石4を用いる図31乃至図37に示した装置1において、磁場発生部3としての電磁石4を、永久磁石5に置き換えたものである。従って、磁性弾性体2、支持部材22、および、磁場印加に用いる磁極の負荷Fの方向に対する配置などの構成は、上述の図31乃至図37に示した実施形態における構成と同様である。図38乃至図41および図42(a)(b)に示す各装置1は、それぞれ上述の図31乃至図37に示す各装置1に対応する。このような永久磁石5を用いる装置1は、制御部10(図1参照)として、例えば、上述同様に移動装置(不図示)を備える。
(第3の実施形態)
図43乃至図54は第3の実施形態を示す。第3の実施形態の装置1は、図43に示すように、負荷受部21を介して磁性弾性体2に作用する負荷Fの方向に斜交する方向の成分を有する磁場Bを磁性弾性体2に印加するように構成した装置である。磁場Bは不図示の磁場発生部3(図1(b)参照)によって印加される。また、磁性弾性体2や支持部材22などの構成は、第1の実施形態における構成などと同様である。負荷Fは、磁性弾性体2に予め設定された負荷受部21に作用することが想定されている。また、負荷Fの方向は負荷受部21に斜めに作用することもあり、従って、負荷Fの方向と磁場Bの方向との関係は相対的なものである。磁場Bの負荷Fの方向に斜交する方向の成分の量は、磁場Bの強度を変化させたときに発生する磁性弾性体2における弾性率の変化量が磁気応答型弾性装置の用途や条件に適合する量であればよい。図44(a)(b)に示す装置1は、平板状の支持部材22に四角形状の磁性弾性体2を載置し、磁性弾性体2の斜め下方に、磁極Nの方向を斜め上方に向けた磁場発生部3を配置したものである。磁性弾性体2の上面が負荷受部21とされており、負荷受部21に加えられた外部からの負荷Fは磁性弾性体2を介して支持部材22によって受け止められる。すなわち、磁場発生部3は、その磁極Nを負荷受部21に対して斜めに配置され、負荷受部21は、磁性弾性体2における磁場発生部3に面しない開放部に設けられている。なお、負荷Fの方向は、通常は、磁性弾性体2の上面に垂直、従って支持部材22に垂直であるように設定されるが、装置1の適用状況や使用状況に応じて、負荷Fの方向は変化しうるものである。このような負荷Fに対して、磁場印加に用いる磁極Nから磁性弾性体2に印加される磁場Bは、少なくとも負荷Fに斜交する方向の成分を有している。このような装置1において、磁性弾性体2に分散させた磁性粒子が磁場Bの作用により、磁場方向に平行に整列する傾向を示す。従って、磁性弾性体2は磁場方向に対して斜めに外部負荷が作用する場合、磁場Bと平行な負荷成分による変形抵抗および磁場Bと直角な負荷成分による変形抵抗がそれぞれ増加し、弾性率が増加する。
(電磁石を用いる実施形態)
図45乃至図49は磁場発生部3として電磁石4を用いる実施形態を示す。図45に示す装置1は、図44(a)(b)の装置1における磁場発生部3を電磁石4としたものである。電磁石4を他の対角位置に配置して複数の電磁石4を備えるようにすることができる。図46に示す装置1は、磁場発生部3として2つの電磁石4を備え、これらの電磁石4を、互いに異極の磁極を対向させて磁性弾性体2における対角位置に配置するものである。図46の装置1は、図45の装置1において、右斜め上方に2つ目の電磁石4を追加した構成となっている。互いに異極の磁極N,Sが磁性弾性体2を挟んで対向することにより、負荷受部21に対して斜めに配置した両磁極間に磁力線Bが集中するので、磁性弾性体2の内部を通過する磁場Bが増加し、弾性率増加がさらに向上する。すなわち、2つの永久磁石4の異極を対角に配置することにより、磁性弾性体2内部を対角線に沿う磁場Bが形成される。電磁石4の組を他の対角位置に配置して複数組の電磁石4を備えるようにすることができる。負荷受部21は、電磁石4に面しない磁性弾性体2における開放部に設けられている。図47は、図45における対向する磁極を同極性とした装置1を示す。磁性弾性体2に発生する磁場Bは、負荷Fの方向に斜交する方向の磁場成分を含んでいる。また、図47、図45の間の極性の切り替えは、電磁石4を励磁する励磁電流の向きを逆転することによって容易に行うことができる。そこで、例えば、磁性弾性体2をマッサージ機の施療子などに用いる場合に、励磁電流の制御によって磁性弾性体2の可変弾性挙動に変化の幅を持たせることができるので、施療子に機能性を付与することができ、効果的な施療を行うようにすることができる。
図48に示す装置1は、磁場発生部3として2つの電磁石4を、磁性弾性体2における負荷Fの方向の一方の端部側である支持部材22側に斜めに配置して、磁性弾性体2を互いに異極の磁極で挟むように備えるものである。すなわち、斜めに配置した磁極N,Sが磁性弾性体2における負荷受部21の対面側(支持部材22側)において、磁性弾性体2を挟むように配置されている。2つの電磁石4は、磁性弾性体2を、その両側の斜め下方から臨むように配置されており、一方の電磁石4のN極から他方の電磁石4のS極に曲線を描いて向かう磁力線Bが磁性弾性体2を通過する。その磁場Bは、負荷Fの方向に斜交する方向の磁場成分を含んでいる。この装置1は、図45に示した装置1に比べて、2つの電磁石4を用いて磁極を異極とするので、磁性弾性体内部を通過する磁場Bが増加し、弾性率増加がさらに向上する。図49(a)に示す装置1は、図48に示す装置1における2つの電磁石4を共通のヨーク(継鉄)で結合して一体化したものであり、磁場印加に用いる磁極が同一磁路に含まれるものである。同様に、図49(b)に示す装置1は、図46に示す装置1における2つの電磁石4を共通のヨークで結合して一体化したものである。磁路を有するこれらの装置1は、磁路によって磁気回路上の空隙を小さくして磁性弾性体内部を通過する磁場を増加させるので、弾性率増加がさらに向上する。
(永久磁石を用いる実施形態)
図50乃至図54は磁場発生部3として永久磁石5を用いる実施形態を示す。これらの実施形態の装置1は、上述の電磁石4を用いる図45乃至図49に示した装置1において、磁場発生部3としての電磁石4を永久磁石5に置き換えたものである。従って、本実施形態における磁性弾性体2、支持部材22、および、磁場印加に用いる磁極の負荷Fの方向に対する配置などの構成は、上述の図45乃至図49に示した実施形態における構成と同様である。このような永久磁石5を用いる装置1は、制御部10(図1参照)として、例えば、移動装置(不図示)を備える。移動装置は、磁性弾性体2に印加する磁場Bの強度が変化するように永久磁石5を移動させる。
(第4の実施形態)
図55乃至図57は第4の実施形態を示す。本実施形態は、磁気応答型弾性装置をシステムとして構成するものである。図55、図56、図57に示す装置1は、磁性弾性体2と磁場発生部3の組を複数備え、各磁場発生部3を制御して磁性弾性体2に印加する磁場Bの強さを変化させる制御部10を備えている。図55は、3つの磁性弾性体2と、各磁性弾性体2に対応した3つの磁場発生部3と、各磁場発生部3を制御して各磁性弾性体2に印加する磁場Bの強さを変化させる1つの制御部10とを備えている装置1を示す。この図の例では、2つの磁性弾性体2は磁場Bを印加して高弾性とされ、他の1つの磁性弾性体2は磁場Bを与えないで低弾性のままとされている。このように、装置1の各磁性弾性体2は、それぞれ独立的に弾性率を変化させることができる。
図56は、共通の支持部材22上に3つの磁性弾性体2が1軸(x軸)方向に配列されている装置1を示し、図57は、共通の支持部材22上に9つの磁性弾性体2が2軸(x軸、z軸)方向に配列されている装置1を示す。支持部材22は3次元空間における自由曲面とすることができ、そのような曲面の支持部材22上に複数の磁性弾性体2を任意間隔で配列すると共に各磁性弾性体2に磁場発生部3を対応させ、システムとして磁気応答型弾性装置1を構成することができる。上述した第1乃至第3の各実施形態における個々の装置1を組み合わせてシステム化することができる。装置1のシステム化に際し、複数の磁性弾性体2が面状の支持部材22に面状に配置されることにより、各磁性弾性体2における負荷受部21は、面状に構成される。これは、各装置1における負荷受部21が、磁場発生部3すなわち電磁石4や永久磁石5に面しない開放部に設けられていることによる。この利点により、装置1は、マットレスや椅子の座部や背もたれ部などに容易に適用できる。このような装置1の各磁性弾性体2は、独立に任意の大きさに弾性率を変化させることができる。そこで、例えばマットレスなどに適用する場合、人体からの外部負荷による面圧分布に対して任意に弾性率を変えて最適の面圧状態としたり、時間的空間的に弾性率を変化させて、マッサージや施療効果を発生させることができる。
図58乃至図65に示す装置1は、面状に広がった単一の磁性弾性体2と、単一又は複数の磁場発生部3と、磁場発生部3(電磁石又は永久磁石)を磁性弾性体2に対して相対的に移動させる移動装置6を備えてシステム化されている。これらの装置1は、磁性弾性体2に対して弾性率を変化させる場所を移動させるものであり、磁性弾性体2の各部の弾性率を局所的かつ動的に変化させることができる。以下、個別に説明する。
図58、図59(a)(b)に示す装置1は、1つの磁場発生部3と、1つの移動装置6とを備え、移動装置6によって磁場発生部3をマット状の磁性弾性体2の下面に沿って、図中x方向に1次元的に移動させるものである。磁性弾性体2は平面状の支持部材22によって下面から支持されており、磁性弾性体2の上面が負荷Fを受ける負荷受部21となる。移動装置6は、駆動用のモータ6aと、モータ6aで回転駆動されるボールネジ6bと、ボールネジ6bに螺合してボールネジ6bの回転に伴ってボールネジ6bに沿って移動する台座6cと、モータ6aを駆動制御する移動制御部6dと、を備えている。ボールネジ6bは、支持部材22の下部に、支持部材22と平行に配置されている。磁場発生部3は、台座6cに固定されている。従って、磁場発生部3は、ボールネジ6bに沿って移動する。磁場発生部3は、磁場制御部10aを備えている。磁場制御部10aは、例えば、磁場発生部3が電磁石4の場合、電磁石4の励磁コイルへの電量を制御する電流制御回路である。制御部10が、磁場制御部10a、移動装置6、および不図示のコンピュータなどを備えて構成される。制御部10は、磁性弾性体2に対して、磁性弾性体2の各部の弾性率を局所的かつ動的に変化させる制御を行う。このような装置1は、例えば、磁場発生部3が永久磁石5の場合に、磁場発生部3の位置を移動させることにより、磁性弾性体2に対して、例えば位置P1から位置P2へと、弾性率を順次変化させることができる。また、磁場発生部3が電磁石4の場合には、弾性率の大きさを変化させたり、弾性率を変化させる場所を移動させたりすることができる。
図60、図61(a)(b)に示す装置1は、上述の図58、図59に示す装置1において、2つの移動装置61,62を備えることにより、磁場発生部3を磁性弾性体2の下面に沿って2次元的に移動させるようにしたものである。移動装置61は、磁場発生部3を図中x方向に移動させ、移動装置62は、磁場発生部3を図中z方向に移動させる。移動装置61は、モータ61aと、ボールネジ61bと、ボールネジ61bに沿って移動する台座61cと、台座61cを支持してガイドするガイド軸61dと、不図示の移動制御部と、を備えている。台座61cは、z方向に長く、その中央においてボールネジ61bと螺合し、両端部においてガイド軸61dによって摺動自在に支持されている。移動装置62は、台座61cの上部に設けられており、モータ62aと、ボールネジ62bと、ボールネジ62bに沿って移動する台座62cと、台座61cの両端部に設けられたボールネジ用の軸受け62dと、不図示の移動制御部と、を備えている。磁場発生部3は、台座62cに固定されている。従って、磁場発生部3は、ボールネジ61b,62bの回転に伴って、磁性弾性体2の下面に沿って2次元的に、任意の位置に移動することができる。このような装置1は、例えば位置P1から位置P2へと、磁場発生部3の位置を移動させることにより、磁性弾性体2に対して、弾性率を変化させる場所を2次元的に移動させることができる。
図62、図63、図64(a)(b)に示す装置1は、上述の図60、図61に示す装置1において、磁性弾性体2に対して接近離間自在に移動させる移動装置63を、台座62cと磁場発生部3との間に備えたものである。移動装置63は、磁場発生部3を上下方向(図中y方向)に短距離移動させる種々のアクチュエータを用いて構成することができる。移動装置63は、例えば、エアバッグ、流体シリンダ、ボルトとナット、バネと電磁石などを用いるアクチュエータによって構成することができる。このような装置1は、磁場発生部3が電磁石4又は永久磁石5のいずれであっても、移動装置63によって弾性率の大きさを変化させることができ、移動装置61,62によって弾性率を変化させる場所を移動させることができる。図64(a)(b)は、x軸方向に沿って弾性率の大きさを変化させる様子を示す。
図65に示す装置1は、上述の図62、図63に示す装置1において、x軸方向の移動装置61を備える代わりに、磁場発生部3、移動装置62、および移動装置63からなる組を、x軸方向に複数(本例では6組)配列したものである。このような装置1は、移動装置62,63と磁場発生部3とをそれぞれ複数備え、各移動装置62,63は、各磁場発生部3を個別に移動させるので、磁性弾性体2の複数個所において弾性率を同時に変化させることができる。
(実施例)
図66は装置1の使用例を示す。この実施例は、背もたれ付きの椅子の背もたれ部に、上述の図58に示した装置1を組み込んでマッサージ機を構成したものである。マッサージ機は、背もたれ部に沿って配置した磁性弾性体2と、磁性弾性体2の裏面において背もたれ部に沿って上下移動する磁場発生部3とを備え、これらの他に、図58に示した装置1の構成と同様の構成を備えている。モータ6a等の移動装置は、磁場発生部3を背もたれ部に沿って上下移動させる。磁場制御部10aは、磁場発生部3が永久磁石で構成されている場合に、不図示の駆動部(例えば、上述の図62における移動装置63)によって、磁場発生部3を磁性弾性体2に対して接近離間させる。磁場発生部3が、磁性弾性体2に沿って上下動したり磁性弾性体2に対して接近離間することにより、背もたれ部の表面に、凹凸形状を形成したり、その凹凸形状を移動させたりすることができ、椅子にもたれているユーザの背中をマッサージすることができる。すなわち、背もたれ部の表面側に位置する磁性弾性体2の一面が負荷受部21であり、磁性弾性体2の負荷受部に作用する負荷Fは、ユーザの背中が背もたれ部を押す力である。また、磁場制御部10aは、磁場発生部3が電磁石で構成されている場合に、磁場発生部3である電磁石に供給する電力を制御して、磁場強度を変化させる。これにより、永久磁石を用いる場合と同様に、マッサージを行うことができる。
図67は装置1の他の実施例を示す。この実施例は、ベッドに装置1を組み込んでマッサージ機を構成したものである。このマッサージ機は、ベッドの上面に磁性弾性体2をマット状に配置し、ベッドの裏面に沿って磁場発生部3を移動させるようにしたものである。この場合、ユーザの体重が負荷Fであり、磁性弾性体2の上面が負荷受部21である。このマッサージ機は、ベッドに寝ているユーザのベッドに接している部分にマッサージを施すことができる。このようなベッドは、マッサージ機としてだけではなく、介護ベッドにおける寝たきりのユーザの床ずれ防止などのために用いることができる。また、図66、図67に示した使用例において、磁場発生部3を複数備えて、広い領域で同時に連動させて、磁性弾性体2によるマッサージ動作をさせることもできる。
(磁性弾性体の構造と製法)
図68、図69によって、磁性弾性体2の構造と製造方法とを説明する。上述の第1の実施形態では、図3(a)を参照して、磁性弾性体2が弾性材料2aに磁性粒子2bを分散させたものであり、弾性材料2aがゲル状態材料や固体材料であると説明した。磁性弾性体2をさらに説明すると、弾性材料2aは、図68(a)に示すように、多孔質体とすることができる。弾性材料2aを多孔質体とすることにより、弾性材料2aをより柔軟に変形可能とすることができるので、磁性弾性体2の弾性率の実質的な変化幅を大きくすることができる。弾性材料2aが多孔質体である磁性弾性体2を製造する方法として、種々の方法を用いることができる。例えば、発泡体材料に磁性粒子を混合し、これを発泡させることにより、発泡体の空孔を区画する隔壁中に磁性粒子を分散させた磁性弾性体を製造することができる。この方法で製造される磁性弾性体は、磁場に対してより強く応答させるために磁性粒子の充填量を増やすと、隔壁が硬くなって変形しにくくなるので、磁場に対する応答性の増強に限界がある。以下では、磁性弾性体2の他の製造方法を説明する。
図68(a)に示す磁性弾性体2は、弾性体材料2a(以下、母材2a)と添加材2eとを備えて成り、母材2aは多数の空孔2dを有する弾性材料であり、添加材2eは磁性粒子2bを含有して空孔2dの一部に埋め込まれて母材2aと一体化されている。母材2aは、発泡構造の多孔質構造弾性体であり、空孔2dを有している。磁性弾性体2は、図68(b)に示す多数の空孔2d(不図示)を有する母材2aと、図68(c)に示す磁性粒子2bを混合した含浸液2fとを用いて形成される。
磁性弾性体2の製造は、図69に示すように、母材形成工程(S1)と、液作成工程(S2)と、含浸工程(S3)と、固化工程(S4)とを経て行われる。母材形成工程(S1)では、弾性体となる原料を発泡させて多数の連通した空孔2dを有する多孔質構造弾性体である母材2aを形成し、液作成工程(S2)では、固化して結合材となる液体に磁性粒子2bを混合した含浸液を作成する。母材形成工程(S1)と液作成工程(S2)とは、いずれが先でもよく、並行して実施してもよい。含浸工程(S3)では、母材形成工程(S1)によって形成した母材2aに液作成工程(S2)によって作成した含浸液2fを含浸させる。固化工程(S4)では、含浸工程(S3)を経た母材中の含浸液2fを固化して添加材2eを形成し、添加材2eによって磁性粒子2bを母材2aに結合する。添加材2eは、母材2aの変形に際して母材2aと磁性粒子2bの結合を維持するものである。添加材2eは、ある空孔2dの断面において、その断面を埋め尽くす必要はなく、空孔2dの一部に埋め込まれておればよく、添加材2eを含まない空孔2dが適切に存在している方が好ましい。そこで、母材2aに含浸させる含浸液2fの量を予め計量する工程や、母材2aに充分量の含浸液2fを含浸させた後に母材2aから余剰の含浸液2fを搾り出す工程を、固化工程(S4)の前に備える。また、固化工程(S4)の前に、例えば、含浸液2fを含んだ母材2aの重量を計量することにより、適切な含浸量を設定でき、添加材2eを含まない適量の空孔2dを磁性弾性体2内に確保することができる。空孔2dの形状は、球形とする他に、任意の方向に伸びた長手空孔や一定方向に長手方向を揃えた長手空孔とすることができる。含浸液2fは、磁性粒子2bを保持した状態で母材2aに含浸された後、固化して磁性粒子2bを母材2aの空孔2dに結合できるものであればよい。含浸液2fは、固化した状態で変形容易なものが好ましく、例えば、固化してシリコーン樹脂となる含浸液が用いられる。また、含浸液2fは、固化した状態となった添加材2eそのものが空孔を備えるように、これに発泡剤を混合してもよい。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。例えば、第2、第3の実施形態では、それぞれ電磁石4と、永久磁石5および制御部10とを用いる例を示したが、第2の実施形態における電磁石4を制御部10で移動させるようにしてもよく、第3の実施形態において電磁石4を併用するようにしてもよい。他の実施形態においても同様に電磁石4を移動させたり、電磁石4と永久磁石5とを併用したり、これらの磁石を増設したりすることができる。また、磁性弾性体2の形状は各図に示した形状に限らず、任意形状とすることができ、例えば、直方体、円柱形状、ドーム形状、かまぼこ形状、これらを組み合わせた形状、波型形状などとすることができる。また、負荷受部21は、平面に限らず、凹凸面や任意形状の曲面とすることができる。また、電磁石4や永久磁石5の外形形状や断面形状は、任意形状とすることができる。また、磁路の形状としてI字、C字、U字、E字などの形状を示したが、これらの形状は、長手形状の長手方向に直交する断面形状とすることができ、また、回転対称体の軸中心を含む断面とすることもできる。また、各装置1において、磁場発生部3、すなわち電磁石4や永久磁石5におけるN極とS極とは、互いに入れ替えた構成とすることができる。また、支持部材22は、電磁石4や永久磁石5を構成する部材の一部を共用したものとすることができる。支持部材22は、剛体である必要はなく、支持部材22そのものが適宜に変形する弾性体であってもよい。
本願は日本国特許出願2010−258370に基づいており、その内容は、上記特許出願の明細書及び図面を参照することによって結果的に本願発明に合体されるべきものである。
1 磁気応答型弾性装置
2 磁性弾性体
21 負荷受部
3 磁場発生部
4 電磁石
5 永久磁石
6,61〜63 移動装置
10 制御部
B 磁場(磁力線)
F 負荷
G 重心

Claims (36)

  1. 磁場によって磁性弾性体の弾性率を変化させる磁気応答型弾性装置において、
    弾性材料に磁性粒子を分散させてなる磁性弾性体と、
    前記磁性弾性体に当該磁性弾性体の外部から磁場を印加して当該磁性弾性体の弾性率を変化させる磁場発生部と、を備えることを特徴とする磁気応答型弾性装置。
  2. 前記磁性弾性体は、外部からの負荷を受ける負荷受部を有し、
    前記負荷受部は、前記磁性弾性体における磁場発生部に面しない開放部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気応答型弾性装置。
  3. 前記磁場発生部は、前記負荷受部が受ける負荷の方向に直交する方向の成分を有する磁場を前記磁性弾性体に印加することを特徴とする請求項2に記載の磁気応答型弾性装置。
  4. 前記磁場発生部はI字形の磁路を有し、
    前記磁性弾性体は、前記磁路の両磁極間に対向する側方に配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の磁気応答型弾性装置。
  5. 前記磁場発生部は少なくとも2個互いに離間対向して備えられ、
    前記磁性弾性体は、前記離間した磁場発生部の間に配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の磁気応答型弾性装置。
  6. 前記磁場発生部はC字形の磁路を有し、
    前記磁性弾性体は、前記磁路の対向開放端間に配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の磁気応答型弾性装置。
  7. 前記磁場発生部はU字形の磁路を有し、
    前記磁性弾性体は、前記磁路の磁極間を橋渡しする態様で配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の磁気応答型弾性装置。
  8. 前記磁場発生部はE字形の磁路を有し、
    前記磁性弾性体は、前記磁路の磁極間を橋渡しする態様で配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の磁気応答型弾性装置。
  9. 前記磁場発生部は、前記負荷受部が受ける負荷の方向に平行となる方向の成分を有する磁場を前記磁性弾性体に印加することを特徴とする請求項2に記載の磁気応答型弾性装置。
  10. 前記磁場発生部は、その磁極を前記負荷受部に対向させていることを特徴とする請求項9に記載の磁気応答型弾性装置。
  11. 前記磁場発生部は、その磁極を前記磁性弾性体における前記負荷受部の対面側に配置していることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の磁気応答型弾性装置。
  12. 前記磁場発生部は、その磁極の中心軸が前記負荷受部の重心を通る配置としていることを特徴とする請求項11に記載の磁気応答型弾性装置。
  13. 前記磁性弾性体と前記磁場発生部とは、いずれか一方が中空部を有し、他方が前記中空部に挿入配置されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の磁気応答型弾性装置。
  14. 前記磁場発生部は、その磁極を前記負荷受部に対して横向きに配置していることを特徴とする請求項9に記載の磁気応答型弾性装置。
  15. 前記磁場発生部は、その磁極を前記負荷受部に対して横向きにすると共に該磁極を前記磁性弾性体における前記負荷受部の対面側に配置していることを特徴とする請求項14に記載の磁気応答型弾性装置。
  16. 前記磁場発生部は、その磁極を前記負荷受部に対して横向きにすると共に該磁極を前記磁性弾性体における前記負荷受部とその対面部との間の側面に対向するように配置していることを特徴とする請求項14に記載の磁気応答型弾性装置。
  17. 前記磁場発生部は、複数備えられることにより前記横向きに配置した磁極が複数備えられると共に同極性とされていることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の磁気応答型弾性装置。
  18. 前記同極性の複数の磁極が互いに対向し前記磁性弾性体に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項17に記載の磁気応答型弾性装置。
  19. 前記磁場発生部はU字形の磁路を有し、当該磁路の各磁極が前記磁性弾性体の側面に対向するように配置されていることを特徴とする請求項16に記載の磁気応答型弾性装置。
  20. 前記磁場発生部はE字形の磁路を有し、当該磁路の各磁極が前記磁性弾性体の側面に対向するように配置されていることを特徴とする請求項16に記載の磁気応答型弾性装置。
  21. 前記磁場発生部は、前記負荷受部が受ける負荷の方向に斜交する方向の成分を有する磁場を前記磁性弾性体に印加することを特徴とする請求項2に記載の磁気応答型弾性装置。
  22. 前記磁場発生部は、その磁極を前記負荷受部に対して斜めに配置して構成されていることを特徴とする請求項21に記載の磁気応答型弾性装置。
  23. 前記磁場発生部は、複数備えられることにより前記斜めに配置した磁極が複数備えられると共に前記磁性弾性体における対角位置に該磁性弾性体を挟むように配置されていることを特徴とする請求項22に記載の磁気応答型弾性装置。
  24. 前記磁場発生部は、複数備えられることにより前記斜めに配置した磁極が複数備えられると共に互いに異極とされ、前記互いに異極の磁極が前記磁性弾性体における前記負荷受部の対面側に該磁性弾性体を挟むように配置されていることを特徴とする請求項22に記載の磁気応答型弾性装置。
  25. 前記磁性弾性体を挟む複数の磁極は同一磁路に含まれている磁極であることを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の磁気応答型弾性装置。
  26. 複数の前記磁性弾性体と、前記各磁性弾性体に対応した複数の磁場発生部と、前記各磁場発生部を制御して磁性弾性体に印加する磁場の強さを変化させる制御部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項25のいずれか一項に記載の磁気応答型弾性装置。
  27. 前記磁性弾性体が1軸方向に配列されていることを特徴とする請求項26に記載の磁気応答型弾性装置。
  28. 前記磁性弾性体が2軸方向に配列されていることを特徴とする請求項26に記載の磁気応答型弾性装置。
  29. 前記磁場発生部を前記磁性弾性体に対して相対的に移動させる移動装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項28のいずれか一項に記載の磁気応答型弾性装置。
  30. 前記移動装置は、前記磁場発生部を前記磁性弾性体に沿って1次元的に移動させることを特徴とする請求項29に記載の磁気応答型弾性装置。
  31. 前記移動装置は、前記磁場発生部を前記磁性弾性体に沿って2次元的に移動させることを特徴とする請求項29に記載の磁気応答型弾性装置。
  32. 前記移動装置は、前記磁場発生部を前記磁性弾性体に対して接近離間自在に移動させることを特徴とする請求項29乃至請求項31のいずれか一項に記載の磁気応答型弾性装置。
  33. 前記移動装置と前記磁場発生部とをそれぞれ複数備え、前記各移動装置は、前記各磁場発生部を個別に移動させることを特徴とする請求項29乃至請求項32のいずれか一項に記載の磁気応答型弾性装置。
  34. 前記磁場発生部は、電磁石であることを特徴とする請求項1乃至請求項33のいずれか一項に記載の磁気応答型弾性装置。
  35. 前記磁場発生部は、永久磁石であることを特徴とする請求項1乃至請求項33のいずれか一項に記載の磁気応答型弾性装置。
  36. 前記磁場発生部は、前記磁性弾性体の表面に励磁コイルが巻かれてなる電磁石であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の磁気応答型弾性装置。
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