〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、タッチ入力から得られる少なくとも2種類の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識し、登録パターン又は該登録パターンの近傍範囲に入力パターンが合致するか否かを判定している。ここで、タッチ入力は、タッチ入力部に対するタッチ又はそのストロークによる入力を含む。判断要素である物理情報は、タッチのポイント数、位置、速度、加速度、角度、圧力、角速度の何れかである。パターンには、タッチ入力として例えば、タッチ又はそのストロークから既述の判断要素を以て特定されるポイント、線又は図形が含まれ、線は、連続又は不連続であってもよく、曲線であってもよい。このようなタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素とすることにより、ユーザの無意識での操作(ストローク)によるタッチ入力を排除し、無意識操作での誤動作の軽減又は防止が図られる。
この第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、第1の実施の形態に係る電子機器を示す図である。図1の構成は一例であって、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。
この電子機器2は、本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの一例であって、図1に示すように、機能部としてタッチ入力部4と、パターン認識部6と、パターン登録部8と、パターン判定部10とを備えている。
タッチ入力部4は、タッチ入力手段として例えば、指やタッチペン(例えば、スタイラスペン)によるタッチを受け付け、そのポイントやそのストロークの入力を電子情報に変換する。タッチポイントは、指やタッチペンによるタッチ位置であり、タッチ入力部4に設定された認識可能なポイント又はその線(ポイントの集合であってもよい。)である。ストロークは例えば、所定圧力以上のタッチ操作であり、連続するタッチポイントの移動(軌跡)である。
パターン認識部6は、タッチ入力部4に対するタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識する機能部である。ここで、判断要素の物理情報は既述の通りである。この物理情報において、既述のポイント数は例えば、ストロークを構成する所定圧力以上のタッチポイントの数である。位置は例えば、座標上のタッチポイントの位置、タッチポイントの軌跡位置である。角度は例えば、座標上の軌跡の角度である。速度は例えば、座標上のタッチポイントの移動速度である。加速度は例えば、座標上のタッチポイントの移動における加速度である。角速度は例えば、座標上のタッチポイントの軌跡における角速度である。また、圧力は例えば、所定値(閾値)以上の押圧力である。
パターン登録部8は、パターン認識部6で認識されたパターンを登録する機能部である。登録されるパターンは、既述の物理情報の少なくとも2種類又は2種類以上を判断要素としているから、例えば、ポイント数と位置、ポイント位置と角度、ポイント位置と速度等、各種の組み合わせがある。登録されるパターンは、タッチ入力から特定されるパターンであって、タッチ入力そのものでもよいし、タッチ入力から特定されたパターンに幅を持たせ、特定されたパターンの近似範囲にあるパターンであってもよい。
パターン判定部10は、入力パターンが登録パターンに合致するか否かを判定する機能部である。即ち、このパターン判定部10では、パターン認識部6で認識されたパターンが、パターン登録部8にある登録パターンに合致するか否かを判定する。この場合、判定対象としては、その登録パターンと近似範囲に入力パターンが合致するかを判定してもよい。そこで、入力パターンが登録パターンに合致するかを判定し、又はその近似範囲に合致するかを判定し、合致する場合には、それを表す出力を発生する。
斯かる構成によれば、タッチ入力部4のタッチ入力により、パターン認識部6は、既述の判断要素によってパターンを認識し、パターン登録部8には、パターン認識部6で認識されたパターンが登録される。
そこで、タッチ入力部4のタッチ入力から入力パターンが認識され、その入力パターンがパターン登録部8にある登録パターン又はその近似範囲に合致しているかを判定し、その判定結果を表す判定出力が得られる。
そこで、このパターンの登録及び判定について、図2を参照する。図2は、パターンの処理手順を示すフローチャートである。
このパターンの処理手順は、本開示の操作検出方法又は操作検出プログラムの一例であって、図2に示すように、タッチ入力(ステップS1)、パターン認識(ステップS2)、パターン登録の有無判定(ステップS3)、パターン登録(ステップS4)、パターン判定(ステップS5)、判定出力の生成(ステップS6)を含んでいる。
そこで、この処理手順では、タッチ入力部4でタッチ入力を検出し(ステップS1)、パターン認識部6がタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてパターンを認識する(ステップS2)。
このパターン認識の後、パターン登録部8にパターンの登録があるかを判定する(ステップS3)。パターン登録がなければ(ステップS3のNO)、認識されたパターンをパターン登録部8に登録し(ステップS4)、この処理を終了する。この場合、登録されるパターンは、タッチ入力から得られたパターンであればよく、そのパターンに近似する近似範囲にあるパターンを登録してもよい。
また、パターン登録があれば(ステップS3のYES)、タッチ入力から認識された入力パターンが登録パターンに合致するかを判定する(テップS5)。この場合、入力パターンが登録パターンの近似範囲を含めて合致するか否かを判定してもよい。パターン判定部10は、入力パターンが登録パターン又はその近似範囲に合致するか、合致しないかの判定結果を表す判定出力を生成し(ステップS6)、出力する。
以上の構成によれば、タッチ入力から得られる少なくとも2種類の物理情報を判断要素に用いてタッチ入力のパターンを生成させ、その登録パターンと入力パターンとを対比している。この結果、タッチ入力の識別性が高められ、タッチ操作の利便性を向上させることができる。
タッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてパターンを認識し、生成させている。これにより、ユーザの無意識操作によるタッチ入力の影響を軽減できる。
また、既述の物理情報を判断要素として生成させたパターンを用いている。そこで、ロック解除、終話処理、アプリ起動、WWW(World Wide Web)のサイトへのログイン等に利用でき、その処理精度やセキュリティを高めることができる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、タッチパネル部を搭載した携帯端末装置である。この携帯端末装置は、タッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識し、登録パターン又は該登録パターンの近傍範囲に入力パターンが合致するか否かを判定する機能を有する構成である。
この第2の実施の形態について、図3を参照する。図3は、携帯端末装置の機能部の一例を示す図である。図3に示す構成は一例であって、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
この携帯端末装置20は本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの一例である。この携帯端末装置20には、図3に示すように、パターン判定部10と、パターン認識部16と、タッチ検出部22と、位置検出部24と、加速度算出部26と、圧力算出部28と、角速度算出部30と、パターン登録制御部32と、通信制御部34と、音声入出力制御部36と、表示制御部38と、ロック制御部40とを備え、これらはコンピュータの処理(演算、判定及び各種制御)によって実現される機能部である。
パターン判定部10は既述の通りである。パターン認識部16は、タッチ検出部22に検出されたタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識する。この実施の形態において、物理情報の判断要素は以下の通りである。
(1) タッチパネル部56(図4)上にタッチしたポイント数(図8、図9、図25、図26の例ではポイント数は1、図23、図24、図28の例ではポイント数は2である。)
(2) ポイントの位置(座標位置X、Y)
(3) ポイントを動かす速度、加速度、角度
(4) 指又はタッチペンでタッチパネル部56(図4)を押す圧力
タッチ検出部22は、タッチパネル部56(図4)に対するタッチ入力として例えば、指やタッチペンによるタッチやストロークを検出し、物理情報としてタッチ情報を得る。
位置検出部24は、タッチパネル部56(図4)に対する指やタッチペンのタッチ位置、ストローク位置、角度等を検出し、物理情報(位置情報)を得る。
加速度算出部26は、タッチパネル部56(図4)に対する指やタッチペンのタッチ入力の位置情報から、物理情報として加速度を算出する。
圧力算出部28は、タッチパネル部56(図4)に対する指やタッチペンのタッチ位置の圧力を算出する。即ち、タッチパネル部56が受けるタッチ位置の圧力を算出し、物理情報として圧力を得る。
角速度算出部30は、携帯端末装置20の角速度を算出し、物理情報である角速度情報を出力する。
パターン登録制御部32は、既述のパターン認識部16で認識されたパターンの登録を制御する。この場合、登録するパターンは、タッチ入力から認識されたパターンの近似範囲にあるパターンを登録してもよい。既述のパターン認識部16は、タッチ検出部22、位置検出部24、加速度算出部26、圧力算出部28又は角速度算出部30から得られる少なくとも2種類の物理情報を用いてタッチ入力のパターンを認識する。認識されたパターンが登録され、又は登録パターンとの対比に用いられる。
通信制御部34は、無線通信や音声通話を制御し、入力パターンが登録パターンに合致すれば、その判定出力に応じて発呼制御や終話制御をする。
音声入出力制御部36は音声信号の出力や、音声入力の取込みを制御する。
表示制御部38は表示部48(図4)に対する文字や画像の表示を制御する。
ロック制御部40は、携帯端末装置20の機能のロックや、タッチ入力が適正であれば、そのロック解除を制御する機能部を構成する。
次に、この携帯端末装置のハードウェアについて、図4、図5及び図6を参照する。図4は、携帯端末装置のハードウェア構成例を示す図、図5は、タッチパネル部側から見た携帯端末装置を示す図、図6は、圧力センサ部を備える携帯端末装置を示す図である。図4、図5及び図6に示す構成は一例であって、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。図4、図5及び図6において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
この携帯端末装置20は、既述の機能部(図3)を実現するハードウェアを備えており、図4に示すように、プロセッサ42と、センサ部44と、入力部46と、表示部48と、音声入出力部50と、通信部52と、記憶部54とを備える。
プロセッサ42は、記憶部54にあるOS(Operating System)やアプリケーションプログラムを実行し、センサ部44からの検出情報の取り込み等の入力制御、各種情報の検出、演算、表示制御、通信制御等を実行する。既述の機能部(図3)は、このプロセッサ42によって実現される。このプロセッサ42は、パターン判定により、アプリケーションを起動させるアプリケーション起動部を構成する。また、プログラム記憶部72にあるアプリケーションを起動させるアプリケーション起動部を構成する。
センサ部44は、タッチパネル部56と、圧力センサ部58と、加速度センサ部60と、位置センサ部62と、角速度センサ部64とを備える。タッチパネル部56は、表示部48の前面部に設置され、指やタッチペンによるタッチ入力を検出する。圧力センサ部58は、タッチパネル部56に指やタッチペンによって加えられる圧力を検出する。加速度センサ部60は、指やタッチペンのタッチ入力から検出される加速度情報を出力する。位置センサ部62は、指やタッチペンのタッチ入力から検出される位置情報(座標情報)を出力する。角速度センサ部64は、携帯端末装置20の角速度を検出し、その角速度情報を出力する。
入力部46は、プロセッサ42の制御により、センサ部44のセンサ情報をプロセッサ42に入力する。
表示部48は、タッチパネル部56の背後に設置され、プロセッサ42の制御により、タッチパネル部56に割り当てられた入力ボタンの表示や、出力情報を表示する。
音声入出力部50は、音声入力手段としてマイクロフォン66、音声出力手段としてレシーバ68を備え、プロセッサ42の制御により、マイクロフォン66から音声を取り込み、レシーバ68から音声を再生する。
通信部52は、アンテナ70を備え、プロセッサ42の制御により、無線基地局との通信を実行する。この通信部52はプロセッサ42とともに、パターン判定に基づき、通話を終了させる終話機能部や、ウェブサイトへログインさせるログイン機能部を構成している。
記憶部54は、プログラム記憶部72と、データ記憶部74と、RAM(Random-Access Memory)76とを備える。プログラム記憶部72は、既述のOSやアプリケーションプログラムを格納し、アプリケーションプログラムには例えば、操作検出プログラム、ロックプログラム、ロック解除プログラム等がある。データ記憶部74にはパターン登録部が備えられ、このパターン登録部に入力パターンの対比対象であるパターンが登録される。RAM76は、入力ストロークから認識されるパターンの登録や判定等の各種処理のワークエリアを構成する。
この携帯端末装置20には図5に示すように、筐体78の前面部に表示部48とともにタッチパネル部56が設置されている。筐体78には表示部48を挟んでマイクロフォン66と、レシーバ68とが設置されている。
タッチパネル部56の背面側には図6に示すように、圧力センサ部58が設置されている。タッチパネル部56の上面に指80の腹部をタッチさせ、タッチパネル部56を介して圧力Pを加えると、その圧力Pが圧力センサ部58に検出される。この検出出力は、圧力情報を表す電気信号として出力され、そのレベルが圧力レベルを表す。
次に、タッチパネル部及びタッチ入力について、図7、図8及び図9を参照する。図7は、タッチパネル部を示す図、図8は、タッチパネル部とポイント移動を示す図、図9は、ポイント移動を検知した検出ポイントを表す図である。
タッチパネル部56のパネル面82には、図7に示すように、複数行、複数列のアドレスが設定され、この実施の形態では12行、10列の検出ポイント84が設定されている。即ち、12行、10列の検出ポイント84が位置センサ62の一例を構成する。アルファベットa、b・・・lが行(X座標)を表し、数字1、2・・・10が列(Y座標)を表している。
そこで、このタッチパネル部56のパネル面82に対し、図8に示すように、指又はタッチペンを用いたタッチ入力の一例として螺旋状のストローク86が描かれ、これによって、ポイント軌跡88が生成される。この場合、ストローク86は、ユーザが無意識で行わない入力操作の一例である。
このストローク86は、タッチパネル部56の右上部を始点90とし、この始点90から中央部に向かって曲線状に移動し、中央部で周回部92を成すとともに、クロス部94を形成し、このクロス部94から左下部に曲線状に移動し、左下で終点96を形成している。このポイント軌跡88は、ポイント9bを始点90に、ポイント8b−7b−7c−6c−5c−5d−4d−3eに至り、ポイント3eを変曲点として、ポイント4e−4f−4g−5g−6g−7g−7fに至り、ポイント7fを変曲点として、ポイント7e−6e−5e−5f−4fに至り、このポイント4fでポイント軌跡88がクロスし、ポイント4fから4g−3g−3h−2i−2j−2k−2lに至り、ポイント2lが終点96である。即ち、ポイント軌跡88は、パネル面82の右上方角部側を起点とし、左下方角部側に向かう対角線上に記され、中間部に周回部92とともに、クロス部94を形成している。
そして、ストローク86に対応するポイント軌跡88は、図9に示すように、パネル面82の連続した複数の検出ポイント列によって検出される。即ち、ポイント軌跡88は、検出ポイント9b−8b−7b−7c−6c−5c−5d−4d−3e−4e−3f−4f−5g−6g−7g−7f−7e−6e−5e−5f−4f−4g−3g−3h−2h−2i−2j−2k−2lで検出されている。このポイント軌跡88において、検出ポイント4fでは、時間差Δtを以て、2回の検出が行われており、この検出を以て、始点90から終点96に至るポイント軌跡88上にクロス部94が存在していることが判る。
ストローク86に対応するポイント軌跡88がパターン98を構成する。即ち、タッチ入力のストローク86がポイント軌跡88の集合体としてパターン98が認識される。そして、このパターン98を包囲する複数の検出ポイント6a、7a、8a、9a、10a、4b、5b、6b、10b、3c、4c、8c、9c、10c、2d、3d、6d、7d、8d、2e、8e、2f、6f、8f、1g、2g、8g、1h、4h、5h、6h、7h、8h、1i、3i、4i、1j、3j、1k、3k、1l、3lより、パターン98に対する近似範囲のパターン100が形成される。この場合、パターン98は斜線で表され、パターン100は太い実線からなる包囲線で示している。
斯かる構成とすれば、無意識で操作されないストローク86をタッチ入力の判断要素の物理情報であるタッチ位置、タッチポイントを用いてパターン98を認識することができる。また、パターン98の周囲の一つの既述の検出ポイント6a〜3lの範囲及び周回部92の内側にある検出ポイント(この場合、検出ポイント6fも含む)を以て近傍範囲であるパターン100を認識することができる。これらパターン98又はパターン100を登録すればよい。
次に、タッチ入力の位置検出、加速度算出、圧力算出及び角速度算出について、図10、図11、図12及び図13を参照する。図10は、位置検出の処理手順を示すフローチャート、図11は、加速度算出の処理手順を示すフローチャート、図12は、圧力算出の処理手順を示すフローチャート、図13は、角速度算出の処理手順を示すフローチャートである。
タッチ入力の位置検出の処理手順は、タッチパネル部56上のタッチの位置や軌跡を検出し、その位置や軌跡を表す位置情報を出力する処理である。
この処理手順は、図10に示すように、指やタッチペンでタッチパネル部56をタッチする(ステップS111)。タッチパネル部56上のタッチ位置を表す座標軸であるX軸及びY軸の位置情報を検出し(ステップS112)、タッチ入力の判断要素である位置情報を出力する(ステップS113)。
次に、タッチ入力の加速度算出の処理手順は、タッチパネル部56上のタッチの位置や軌跡を表す位置情報から加速度を算出する処理である。
この処理手順は、図11に示すように、タッチパネル部56に対する指やタッチペンの接触及びその位置を監視する(ステップS121)。指やタッチペンがタッチパネル部56にタッチしていれば(ステップS121のYES)、タッチパネル部56のタッチ位置を表すX軸及びY軸の位置情報を検出する(ステップS122)。その位置情報が変化しているかを監視する(ステップS123)。位置情報が変化していれば(ステップS123のYES)、タッチパネル部56のタッチ位置を表すX軸及びY軸の位置情報を検出する(ステップS124)。その位置情報をから加速度を算出し(ステップS125)、タッチ入力の判断要素である加速度を出力する(ステップS126)。
タッチパネル部56上のタッチ位置を表すX軸及びY軸の位置情報が変化していなければ(ステップS123のNO)、加速度の算出はなく、この処理を終了する。
次に、タッチ入力の圧力算出の処理手順は、タッチパネル部56上のタッチの位置や軌跡を検出し、その位置や軌跡を表す圧力を出力する処理である。
この処理手順は、図12に示すように、タッチパネル部56に対する指やタッチペンの接触及びその位置を監視する(ステップS131)。タッチパネル部56に接触している部分の圧力を算出し(ステップS132)、タッチ入力の判断要素である圧力を出力する(ステップS133)。この実施の形態では、ステップS133で、算出した圧力を出力するかについて判断し、出力しない場合にはステップS131に復帰しているが、このような判断をすることなく、出力してもよい。
次に、タッチ入力の角速度算出の処理手順は、携帯端末装置の移動を監視し、その角速度を算出する処理である。
この処理手順は、図13に示すように、携帯端末装置20が静止しているかを監視し(ステップS141)、携帯端末装置20が静止していなければ(ステップS141のNO)、その移動から携帯端末装置20の角速度を算出する(ステップS142)。また、携帯端末装置20が静止していれば(ステップS141のYES)、携帯端末装置20の角速度Vθは零(Vθ=0)である(ステップS143)。
そして、判断要素である物理情報として角速度Vθ又はVθ=0を出力する(ステップS144)。
斯かる構成によれば、タッチ入力の判断要素である物理情報として、タッチ位置、加速度、圧力、角速度が得られ、これらの物理情報からタッチ入力のパターンを認識することができる。
次に、携帯端末装置のロック設定について、図14を参照する。図14は、ロック設定の処理手順を示すフローチャートである。
このロック設定の処理手順は、ロック設定にタッチパネル部56に対するタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識し、その登録パターンを解除情報として設定する。
そこで、この処理手順では、図14に示すように、ロック設定かを判定し(ステップS201)、ロック設定でなければ(ステップS201のNO)、この処理を終了する。
ロック設定であれば(ステップS201のYES)、パターン登録モードを起動し、パターン登録を行う(ステップS202)。パターンを登録したかを判定し(ステップS203)、パターン登録をしなければ(ステップS203のNO)、この処理を終了する。また、パターン登録をすれば(ステップS203のYES)、ロック設定を実行する(ステップS204)。このロック設定は、タッチ入力によるパターン登録が関係付けられているので、その解除には登録パターンと入力パターンとが合致することが必要である。
次に、パターン登録の処理について、図15を参照する。図15は、登録時の処理手順を示すフローチャートである。
このパターン登録の処理手順は、機能ロック等の設定に際し、タッチパネル部56に対するタッチ入力のパターンを登録する処理である。登録されたパターンは、ロック解除のためのユーザ認証の処理に用いられる。
この処理手順は、図15に示すように、タッチパネル部56上の指が置かれたポイントを表すX軸及びY軸の位置情報を検出する(ステップS211)。ポイントの位置がどの範囲に該当するかを判断する(ステップS212)。指やタッチペンからの圧力を算出する(ステップS213)。ポイントの移動を監視する(ステップS214)。ポイントの移動があれば(ステップS214のYES)、ポイントの位置距離移動より、そのポイント移動の加速度を算出する、又は、ポイントの移動速度を算出する(ステップS215)。
そして、この場合、タッチ入力の位置情報、圧力、加速度によってパターンを生成させ(ステップS216)、このパターンをパターン登録部に登録し(ステップS217)、メインルーティン(図14)のステップS202に戻る。そして、ロック設定が実行される。
次に、ロック解除の処理について、図16を参照する。図16は、ロック解除の処理手順を示すフローチャートである。
このロック解除の処理手順は、ロック解除情報として登録パターンが存在する場合のロック解除の処理である。
この処理手順では、図16に示すように、ロックを解除するかの判定を行い(ステップS221)、ロック解除でなければ(ステップS221のNO)、この処理を終了する。ロック解除であれば(ステップS221のYES)、既述のタッチ入力を行う(ステップS222)。このタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識する。
タッチ入力によって得られた入力パターンが登録パターンに合致するかの判定が行われる(ステップS223)。入力パターンが登録パターンに合致した場合には(ステップS223のYES)、ロック解除が行われ(ステップS224)、入力パターンが登録パターンに合致しなければ(ステップS223のNO)、ロック解除不可となる(ステップS225)。この場合、入力パターンと登録パターンとの合致判定は、登録パターンに近似範囲を含んで判断してもよいことは既述の通りである。
そこで、このロック解除の処理について、図17を参照する。図17は、ロック解除の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
この処理手順では、ロック解除の場合、図17に示すように、タッチパネル部56上に指やタッチペンの置かれたポイントの位置(X、Y)を算出する(ステップS231)。この場合、入力パターンが登録パターンに合致するかの第1の判断として、ポイントの位置が座標範囲(1a〜10l)のどの部分に該当するかを判断する(ステップS232)。即ち、登録時のポイントの位置の前後左右の範囲に入るかどうかを判定する(ステップS233)。例えば、登録時がポイント9b部分の場合、ポイント8a〜10a、8b〜10b、8c〜10cに当てはまるかを判定する。この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当しなければ(ステップS233のNO)、ロック解除不可となる(ステップS234)。
この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当すれば(ステップS233のYES)、入力パターンが登録パターンに合致するかの第2の判断として、圧力について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS235)。例えば、登録時のポイントの圧力を○○〔N〕とすると、その圧力が所定の圧力範囲として例えば、○○〔N〕×0.8〜○○〔N〕×1.2の範囲にあるかを判定する(ステップS236)。この圧力判定において、所定の圧力範囲に該当しなければ(ステップS236のNG)、ロック解除不可となる(ステップS237)。
このような圧力判定が所定の圧力範囲にあれば(ステップS236のOK)、ポイントの移動を監視する(ステップS238)。ポイントの移動があれば(ステップS238のYES)、ポイントの位置距離移動から加速度を算出し、この加速度について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS239)。例えば、登録時のポイントの加速度が△△〔cm/s2 〕であれば、その加速度が所定の範囲として例えば、△△〔N〕×0.8〜△△〔N〕×1.2の範囲に該当するかを判定する(ステップS240)。この加速度が所定の範囲外であれば(ステップS240のNG)、ロック解除不可となる(ステップS241)。
また、この加速度が所定の範囲内であれば(ステップS240のOK)、ロック解除となり(ステップS242)、この処理を終了する。
このようにタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素として認識されるパターンを用いることにより、ロック設定及びロック解除を行えば、ユーザの無意識の操作によるロック解除を防止できる。また、セキュリティを高めることができる。
次に、終話設定の処理について、図18を参照する。図18は、終話設定の処理手順を示すフローチャートである。
この終話設定の処理手順は、終話処理にタッチパネル部56に対するタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識し、その登録パターンを終話情報として設定する。
そこで、この処理手順では、図18に示すように、終話設定かを判定し(ステップS301)、終話設定でなければ(ステップS301のNO)、この処理を終了する。
終話設定であれば(ステップS301のYES)、パターン登録モードを起動し、パターン登録を行う(ステップS302)。パターン登録をしたかを判定し(ステップS303)、パターン登録をしなければ(ステップS303のNO)、この処理を終了する。また、パターン登録をすれば(ステップS303のYES)、終話設定処理を実行する(ステップS304)。この終話設定処理は、タッチ入力によるパターン登録が関係付けられているので、その終話設定処理には登録パターンと入力パターンとが合致することが必要である。
次に、終話設定のためのパターン登録の処理について、図19を参照する。図19は、パターン登録の処理手順を示すフローチャートである。
このパターン登録の処理手順は、機能ロック等の設定に際し、タッチパネル部56に対するタッチ入力のパターンを登録する処理である。登録されたパターンは、ロック解除のためのユーザ認証の処理に用いられる。
この処理手順は、図19に示すように、タッチパネル部56上の指が置かれたポイントを表すX軸及びY軸の位置情報を検出する(ステップS311)。ポイントの位置がどの範囲に該当するかを判断する(ステップS312)。指やタッチペンからの圧力を算出する(ステップS313)。ポイントの移動を監視する(ステップS314)。ポイントの移動があれば(ステップS314のYES)、ポイントの位置距離移動より、そのポイント移動の加速度を算出する、又は、ポイントの移動速度を算出する(ステップS315)。
そして、この場合、タッチ入力の位置情報、圧力、加速度によってパターンを生成させ(ステップS316)、このパターンをパターン登録部に登録し(ステップS317)、メインルーティン(図18)のステップS302に戻る。そして、終話設定が実行される。
次に、終話の処理について、図20を参照する。図20は、終話の処理手順を示すフローチャートである。
この終話の処理手順は、終話情報として登録パターンが存在する場合の終話の処理である。
この処理手順では、図20に示すように、通話中であるかの判定を行い(ステップS321)、通話中でなければ(ステップS321のNO)、この処理を終了する。通話中であれば(ステップS321のYES)、終話のためにタッチ入力をする(ステップS322)。タッチ入力からパターンを認識する。即ち、タッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識する。
タッチ入力によって得られた入力パターンが登録パターンに合致するかの判定が行われる(ステップS323)。入力パターンが登録パターンに合致した場合には(ステップS323のYES)、終話ロックが解除され(ステップS324)、終話処理が実行される(ステップS325)。入力パターンが登録パターンに合致しなければ(ステップS323のNO)、終話ロックの解除不可となる(ステップS326)。この場合、入力パターンと登録パターンとの合致判定は、登録パターンに近似範囲を含んで判断してもよいことは既述の通りである。
そこで、この終話の処理について、図21を参照する。図21は、ロック解除の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
この処理手順では、終話処理の場合、図21に示すように、タッチパネル部56上に指やタッチペンの置かれたポイントの位置(X、Y)を算出する(ステップS331)。入力パターンと登録パターンとの第1の判断として、ポイントの位置が座標範囲のどの部分に該当するかを判断する(ステップS332)。即ち、登録時のポイントの位置の前後左右の範囲に入るかどうかを判定する(ステップS333)。例えば、登録時がポイント9b部分の場合、ポイント8a〜10a、8b〜10b、8c〜10cに当てはまるかを判定する。この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当しなければ(ステップS333のNO)、終話不可となる(ステップS334)。
この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当すれば(ステップS333のYES)、入力パターンと登録パターンとの第2の判断として、圧力について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS335)。例えば、登録時のポイントの圧力を○○〔N〕とすると、その圧力が所定の圧力範囲として例えば、○○〔N〕×0.8〜○○〔N〕×1.2の範囲にあるかを判定する。この圧力判定において、所定の圧力範囲に該当しなければ(ステップS336のNG)、終話不可となる(ステップS337)。
このような圧力判定が所定の圧力範囲にあれば(ステップS336のOK)、ポイントの移動を監視し(ステップS338)、ポイントの移動があれば(ステップS338のYES)、ポイントの位置距離移動から加速度を算出し、この加速度について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS339)。例えば、登録時のポイントの加速度が△△〔cm/s2 〕であれば、その加速度が所定の範囲として例えば、△△〔N〕×0.8〜△△〔N〕×1.2の範囲に該当するかを判定する(ステップS340)。この加速度が所定の範囲外であれば(ステップS340のNG)、終話不可となる(ステップS341)。
また、この加速度が所定の範囲内であれば(ステップS240のOK)、終話ロック解除となり、終話処理が実行され(ステップS342)、この処理を終了する。
このようにタッチ入力から得られる少なくとも2種類の物理情報を判断要素として認識されるパターンを用いることにより、終話処理又は終話不可とするので、ユーザの無意識の操作による終話を防止できる。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、タッチ入力から得られる5種の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識し、その登録パターン又はその近傍範囲に入力パターンが合致するか否かを判定する機能を有する。
この第3の実施の形態について、図22を参照する。図22は、ロック設定の処理手順を示すフローチャートである。図22に示す構成は一例であって、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。
この処理手順は、第2の実施の形態と同様に、携帯端末装置についてのロック設定であって、本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの一例である。この実施の形態においても、図3に示す機能部、図4に示すハードウェア構成が用いられる。
この処理手順では、タッチ入力から得られる既述の物理情報として、タッチ入力のポイント数、ポイントの位置、ポイントの加速度、移動する角度、圧力の5種の判断要素が用いられている。即ち、この処理手順では、図22に示すように、ロック設定の判断(ステップS401)、タッチ入力(ステップS402、S403、S404、S405、S406)、パターン登録(ステップS407)及びロック設定(ステップS408)が含まれている。
そこで、この処理手順では、ロック設定をするかの判断が行われ(ステップS401)、ロック設定をしない場合には(ステップS401のNO)、この処理を終了する。ロック設定の場合には(ステップS401のYES)、タッチ入力に移行する。第1のタッチ入力として、タッチパネル部56(図4、図5)上の最初に指が置かれたポイント数を検出し、タッチ入力の判断要素としてポイント数を求める(ステップS402)。
次に、第2のタッチ入力として、タッチパネル部56(図4)上のポイントの位置を検出し、タッチ入力の判断要素としてその位置情報(X,Y)を求める(ステップS403)。
次に、第3のタッチ入力として、ポイントが移動する加速度を検出し、タッチ入力の判断要素として加速度を求める(ステップS404)。
次に、第4のタッチ入力として、ポイントが移動する角度を検出し、タッチ入力の判断要素として角度を求める(ステップS405)。
次に、第5のタッチ入力として、指でタッチパネル部56(図6)を押す圧力の変化を検出し、タッチ入力の判断要素として圧力変化を求める(ステップS406)。
このように、ポイント数、位置、加速度、角度、圧力変化の5種の物理情報を判断要素に用いてパターンを生成し、このパターンをデータ記憶部74(図4)に設定されたパターン登録部に登録する(ステップS407)。
このパターン登録の後、ロック設定を実行する(ステップS408)。パターン登録とともに実行されたロック設定は、登録パターンに合致する入力パターンがなければ、そのロック解除をすることができない。
このロック設定に用いられるタッチ入力について、図23及び図24を参照する。図23は、入力操作を示す図、図24は、タッチ入力を表す図である。
携帯端末装置20において、人が無意識に操作しないタッチ入力として例えば、図23に示すように、タッチパネル部56の上部左側に人指し指102、その下部右側に親指104の先端を接触させる。その接触状態を維持しながら人指し指102を矢印a、親指104を矢印bに旋回させる。このようなタッチ入力によれば、離間した2か所のポイント、その移動による判断要素が得られる。
この携帯端末装置20のタッチパネル部56には、図24に示すように、X軸方向に0ないし60の検出ポイントが設定され、Y軸方向に0ないし90の検出ポイントが設定されている。A点、A’点及び矢印aは人指し指102の押圧点及びその移動軌跡、B点、B’点及び矢印bは親指104の押圧点及びその移動軌跡を示している。この場合、A→A’の位置情報として、A→A’={XA (=10),YA (=25)}→{XA ’(=50),YA ’(=25)}が得られる。B→B’の位置情報として、B→B’={XB (=50),YB (=65)}→{XB ’(=10),YB ’(=65)}が得られる。
ロック設定に用いられる他のタッチ入力について、図25及び図26を参照する。図25は、他のタッチ入力を表す図、図26は、他の入力操作を示す図である。
携帯端末装置20において、人が無意識に操作しないタッチ入力として例えば、図25に示すように、タッチパネル部56の上部右側に人指し指102の先端を接触させ、その接触状態を維持しながら人指し指102を日本語の仮名文字「の」を描くように移動する。このようなタッチ入力によれば、一筆書きのストローク86(図8)によるタッチ入力の判断要素が得られる。
このタッチ入力では、タッチパネル部56に図26に示すように、X軸方向に0ないし60の検出ポイントが設定され、Y軸方向に0ないし90の検出ポイントが設定され、これら検出ポイントから位置情報が得られる。この場合、始点をC点、終点をD点とすれば、C→Dの位置情報として、C→D={XC (=50),YC (=25)}→{XD (=10),YD (=65)}が得られる。
タッチ入力の判断要素について、図27、図28及び図29を参照する。図27は、タッチ入力の加速度変化を示す図、図28は、タッチ入力の角度範囲を示す図、図29は、タッチ入力の圧力変化を示す図である。
タッチ入力の始点106から終点108の間には、例えば、図27に示すように、時間とともに変化する加速度が検出される。この加速度は、1つの物理情報であって、タッチ入力の判断要素に用いることができる。
タッチ入力の角度θは、例えば、図28に示すように、タッチ入力の判断要素として求めることができる。この場合、タッチパネル部56に設定したX軸とY軸の交点を基準点にし、タッチ入力の既述のA点、A’点の成す角度θが求められる。この場合、A点、A’点の成す角度θ=35〔°〕である。
また、タッチ入力の始点106から終点108の間には、例えば、図29に示すように、時間とともに変化する圧力が検出される。この圧力変化は、1つの物理情報であって、タッチ入力の判断要素に用いることができる。
他のタッチ入力について、図30及び図31を参照する。図30は、他の入力操作を示す図、図31は、他のタッチ入力を表す図である。
タッチ入力としてポイントの移動(図23、図24)、ストローク(図25、図26)を例示したが、これに限定されない。タッチ入力は文字入力であってもよい。図30に示すように、例えば、タッチパネル部56に人指し指102を接触させてアルファベットの「ON」を描いてもよく、この文字「ON」は、図31に示すように、タッチ入力の判断要素としてタッチパネル部56のX軸及びY軸上の位置情報が得られる。
以上の構成では、一つのストローク等、単一の操作によるタッチ入力からポイント数、位置、加速度、移動する角度、圧力の変化等の複数の物理情報を取得することができる。その結果、5種類の物理情報の組み合わせを得て、これらの組み合わせを例えば、論理積によってタッチ入力のパターンを生成させることができる。また、複数の物理情報を取得すれば、その物理情報から任意のものを2種類以上選択し、パターンを生成させることができる。
次に、ロック解除について、図32は、ロック解除の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順では、既述のロック設定(図22)に対応するロック解除の処理である。この処理手順では、ロック設定が既述の通り、タッチ入力で得られる既述の物理情報として、タッチ入力のポイント数、ポイントの位置、ポイントの加速度、移動する角度、圧力の5種の判断要素が用いられている。そこで、この処理手順では、図32に示すように、ロック解除の判断(ステップS411)、タッチ入力(ステップS412、S413、S414、S415、S416)、パターン判定(ステップS417)及びロック解除の可不可(ステップS418、S419)が含まれている。
そこで、この処理手順では、ロック解除をするかの判断が行われ(ステップS411)、ロック解除をしない場合には(ステップS411のNO)、この処理を終了する。ロック解除の場合には(ステップS411のYES)、タッチ入力に移行する。第1のタッチ入力として、タッチパネル部56(図4、図5)上の最初に指が置かれたポイント数を検出し、タッチ入力の判断要素としてポイント数を求める(ステップS412)。
次に、第2のタッチ入力として、タッチパネル部56(図4)上のポイントの位置を検出し、タッチ入力の判断要素としてその位置情報(X,Y)を求める(ステップS413)。
次に、第3のタッチ入力として、ポイントが移動する加速度を検出し、タッチ入力の判断要素として加速度を求める(ステップS414)。
次に、第4のタッチ入力として、ポイントが移動する角度を検出し、タッチ入力の判断要素として角度を求める(ステップS415)。
次に、第5のタッチ入力として、指でタッチパネル部56(図6)を押す圧力の変化を検出し、タッチ入力の判断要素として圧力変化を求める(ステップS416)。
このように、ポイント数、位置、加速度、角度、圧力変化の5種の物理情報を判断要素に用いてパターンを生成し、この入力パターンがデータ記憶部74(図4)にある登録パターンに合致するかの判定を行う(ステップS417)。
このパターン判定の後、入力パターンが登録パターンに合致すれば(ステップS417のYES)、ロック解除を実行する(ステップS418)。入力パターンが登録パターンに合致しなければ(ステップS417のNO)、ロック解除不可となる(ステップS419)。
以上の構成では、物理情報としてタッチ入力のポイント数、位置、加速度、移動する角度、圧力の変化を検出し、これらの論理積によってタッチ入力のパターンを認識し、それを登録している。それぞれが特徴的な物理情報であって、これらの複数の論理積でパターンを生成させている。このため、登録パターンと入力パターンとの判定精度が高められ、ユーザの無意識によるタッチ入力を排除することができ、誤動作を防止できる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、終話処理を終話ロックの解除の後、表示画面から終話を選択することを条件とすることにより、通話中にユーザの意図しない終話を防止する構成である。
この第4の実施の形態について、図33、図34及び図35を参照する。図33は、終話の処理手順を示すフローチャート、図34は、終話時の問い合わせ表示及び選択ボタンの表示例を示す図、図35は、終話の表示例を示す図である。
この終話処理の処理手順は、本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの一例である。この実施の形態においても、図3に示す機能部、図4に示すハードウェア構成が用いられる。
この処理手順には、通話開始による通話ロック(ステップS501)、通話ロックの解除(ステップS502、S503、S504、S505)、終話処理(ステップS506、S507)が含まれる。
そこで、この処理手順では、図33に示すように、通話開始によりその通話がロックされる(ステップS501)。このロック設定は、例えば、第2の実施の形態のロック設定(図14、図15)で行えばよい。
通話中、ロック解除の監視状態が維持される(ステップS502、ステップS502のNO)。ロック解除であれば(ステップS502のYES)、ユーザがタッチ入力を行う(ステップS503)。このタッチ入力は、ユーザが無意識で行わない操作による入力であり、既述の通り、このタッチ入力から入力パターンが認識され、この入力パターンが登録パターンに合致するかが判定される(ステップS504)。入力パターンが登録パターンに合致しなければ(ステップS504のNO)、ロックが維持されるので、再度タッチ入力が必要である(ステップS503)。
入力パターンが登録パターンに合致すれば(ステップS504のYES)、ロックが解除される(ステップS505)。ロックが解除されると、終話操作が求められ(ステップS506)、その操作により終話となり(ステップS507)、この処理を終了する。
終話操作(ステップS506)は、図34に示すように、表示制御により、表示部48に終話操作の問い合わせメッセージ110及び選択ボタン112、114を表示する。メッセージ110は例えば、「通話を終了しますか?」を表示する。選択ボタン112は、終話「YES」を指示するボタンであり、選択ボタン114は終話拒否「NO」を指示するボタンである。
そこで、ユーザが選択ボタン112をタッチすれば、そのタッチ入力により終話処理となる。また、選択ボタン114をタッチすれば、そのタッチ入力により終話拒否となり、通話が維持される。
そして、終話処理が実行されると、図35に示すように、表示制御により、表示部48には、終話を告知するメッセージ116が表示される。このメッセージ116は例えば、「通話を終了しました」を表示する。この結果、ユーザは終話に移行したことを知ることができる。
斯かる構成によれば、ロック解除の後、終話処理の問い合わせがあるので、ロック解除をユーザが知ることができ、しかも、ロック解除を認識した上で操作により終話することができる。ユーザの無意識な操作や、不用意な操作によって予定しない終話を防止できる。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態は、プログラム記憶部72(図4)にあるアプリケーションプログラム(アプリ)の起動にタッチ入力のパターン判定を用いる構成である。
この第5の実施の形態について、図36、図37、図38及び図39を参照する。図36は、アプリの起動設定の処理手順を示すフローチャート、図37は、パターン登録の処理手順を示すフローチャート、図38は、アプリケーションの起動の処理手順を示すフローチャート、図39は、アプリケーションの起動の具体的な処理手順を示すフローチャートである。この実施の形態においても、既述の図3に示す機能部、図4に示すハードウェア構成が用いられる。
このアプリの起動設定の処理手順は、本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの一例である。この処理手順では、アプリ起動設定にタッチパネル部56に対するタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素を用いることにより、タッチ入力のパターンを認識し、その登録パターンをアプリ起動情報として設定する。
そこで、この処理手順では、図36に示すように、アプリ起動設定かを判定し(ステップS601)、アプリ起動設定でなければ(ステップS601のNO)、この処理を終了する。
アプリ起動設定であれば(ステップS601のYES)、パターン登録モードを起動し、パターン登録を行う(ステップS602)。パターン登録をしたかを判定し(ステップS603)、パターン登録をしなければ(ステップS603のNO)、この処理を終了する。また、パターン登録をすれば(ステップS603のYES)、アプリ起動設定を実行する(ステップS604)。このアプリ起動設定は、タッチ入力によるパターン登録が関係付けられているので、そのアプリ起動には登録パターンと入力パターンとが合致することが必要である。
このアプリ起動に用いるパターン登録の処理は、アプリ起動設定に際し、タッチパネル部56に対するタッチ入力のパターンを登録する処理である。登録されたパターンは、アプリ起動のためのユーザ認証の処理に用いられる。
そこで、この処理手順では、図37に示すように、タッチパネル部56上の指が置かれたポイントを表すX軸及びY軸の位置情報を検出する(ステップS611)。ポイントの位置がどの範囲に該当するかを判断する(ステップS612)。指やタッチペンからの圧力を算出する(ステップS613)。ポイントの移動を監視する(ステップS614)。ポイントの移動があれば(ステップS614のYES)、ポイントの位置距離移動より、そのポイント移動の加速度を算出する、又は、ポイントの移動速度を算出する(ステップS615)。
そして、この場合、タッチ入力の位置情報、圧力、加速度によってパターンを生成させ(ステップS616)、このパターンをパターン登録部に登録し(ステップS617)、メインルーティン(図36)のステップS602に戻る。そして、アプリ起動設定が実行される。
このようにアプリ起動設定が実行された後、アプリ起動の処理手順では、アプリ起動のため、タッチ入力によるパターン認識により、入力パターンが登録パターンに合致することが必要となる。
そこで、このアプリ起動の処理手順では、図38に示すように、アプリを起動するかの判定を行い(ステップS621)、アプリ起動でなければ(ステップS621のNO)、この処理を終了する。アプリ起動であれば(ステップS621のYES)、既述のタッチ入力を行う(ステップS622)。このタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識する。
タッチ入力によって得られた入力パターンが登録パターンに合致するかの判定が行われる(ステップS623)。入力パターンが登録パターンに合致した場合には(ステップS623のYES)、アプリ起動が実行され(ステップS624)、入力パターンが登録パターンに合致しなければ(ステップS623のNO)、アプリ起動不可となる(ステップS625)。この場合、入力パターンと登録パターンとの合致判定は、登録パターンに近似範囲を含んで判断してもよいことは既述の通りである。
そこで、このアプリ起動の具体的な処理手順では、図39に示すように、アプリ起動であるかを監視し(ステップS631)、アプリ起動であれば、タッチ入力を行う。この場合、タッチパネル部56上に指やタッチペンの置かれたポイントの位置(X、Y)を算出する(ステップS632)。この場合、入力パターンが登録パターンに合致するかの第1の判断として、ポイントの位置が座標範囲のどの部分に該当するかを判断する(ステップS633)。即ち、登録時のポイントの位置の前後左右の範囲に入るかどうかを判定する(ステップS634)。例えば、登録時がポイント9b部分の場合、ポイント8a〜10a、8b〜10b、8c〜10cに当てはまるかを判定する。この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当しなければ(ステップS634のNO)、アプリ起動不可となる(ステップS635)。
この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当すれば(ステップS634のYES)、入力パターンが登録パターンに合致するかの第2の判断として、圧力について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS636)。例えば、登録時のポイントの圧力を○○〔N〕とすると、その圧力が所定の圧力範囲として例えば、○○〔N〕×0.8〜○○〔N〕×1.2の範囲にあるかを判定する。この圧力判定において、所定の圧力範囲に該当しなければ(ステップS637のNG)、アプリ起動不可となる(ステップS638)。
このような圧力判定が所定の圧力範囲にあれば(ステップS637のOK)、ポイントの移動を監視し(ステップS639)、ポイントの移動があれば(ステップS639のYES)、ポイントの位置距離移動から加速度を算出し、この加速度について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS640)。例えば、登録時のポイントの加速度が△△〔cm/s2 〕であれば、その加速度が所定の範囲として例えば、△△〔N〕×0.8〜△△〔N〕×1.2の範囲に該当するかを判定する(ステップS641)。この加速度が所定の範囲外であれば(ステップS641のNG)、アプリ起動不可となる(ステップS642)。
また、この加速度が所定の範囲内であれば(ステップS641のOK)、アプリ起動が実行される(ステップS643)。
このようにタッチ入力から得られる少なくとも2種類の物理情報を判断要素として認識されるパターンを用いることにより、アプリ起動を許可するので、入力パターンが登録パターンに合致しない場合のアプリ起動を防止できる。また、自由な起動からアプリを防護でき、セキュリティを高めることができる。
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態は、ネットワーク通信機能によるウェブサイトへのログインにタッチ入力のパターン判定を用いる構成である。
この第6の実施の形態について、図40、図41、図42及び図43を参照する。図40は、ウェブサイトへのログイン設定の処理手順を示すフローチャート、図41は、パターン登録の処理手順を示すフローチャート、図42は、ウェブサイトへのログインの処理手順を示すフローチャート、図43は、ウェブサイトへのログインの具体的な処理手順を示すフローチャートである。
このウェブサイトへのログイン設定の処理手順は、本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの一例である。この処理手順では、ログイン設定にタッチパネル部56に対するタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識し、その登録パターンをログイン情報として設定する。
そこで、この処理手順では、図40に示すように、ログイン設定かを判定し(ステップS701)、ログイン設定でなければ(ステップS701のNO)、この処理を終了する。
ログイン設定であれば(ステップS701のYES)、パターン登録モードを起動し、パターン登録を行う(ステップS702)。パターンを登録したかを判定し(ステップS703)、パターン登録をしなければ(ステップS703のNO)、この処理を終了する。また、パターン登録をすれば(ステップS703のYES)、ログイン設定を実行する(ステップS704)。このログイン設定は、タッチ入力によるパターン登録が関係付けられているので、ウェブサイトへのログインには登録パターンと入力パターンとが合致することが必要である。
このログインに用いるパターン登録の処理は、ログイン設定に際し、タッチパネル部56に対するタッチ入力のパターンを登録する処理である。登録されたパターンは、ログインのためのユーザ認証の処理に用いられる。
そこで、この処理手順では、図41に示すように、タッチパネル部56上の指が置かれたポイントを表すX軸及びY軸の位置情報を検出する(ステップS711)。ポイントの位置が座標範囲のどの部分に該当するかを判断する(ステップS712)。指やタッチペンからの圧力を算出する(ステップS713)。ポイントの移動を監視する(ステップS714)。ポイントの移動があれば(ステップS714のYES)、ポイントの位置距離移動より、そのポイント移動の加速度を算出する、又は、ポイントの移動速度を算出する(ステップS715)。
そして、この場合、タッチ入力の位置情報、圧力、加速度によってパターンを生成させ(ステップS716)、このパターンをパターン登録部に登録し(ステップS717)、メインルーティン(図40)のステップS702に戻る。そして、ログイン設定が実行される。
このようにログイン設定が実行された後、ログインの処理手順では、ログインのため、タッチ入力によるパターン認識により、入力パターンが登録パターンに合致することが必要となる。
そこで、このログインの処理手順では、図42に示すように、ログインであるかの判定を行い(ステップS721)、ログインでなければ(ステップS721のNO)、この処理を終了する。ログインであれば(ステップS721のYES)、既述のタッチ入力を行う(ステップS722)。このタッチ入力から得られる既述の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識する。
タッチ入力によって得られた入力パターンが登録パターンに合致するかの判定が行われる(ステップS723)。入力パターンが登録パターンに合致した場合には(ステップS723のYES)、ログインが実行され(ステップS724)、入力パターンが登録パターンに合致しなければ(ステップS723のNO)、ログイン不可となる(ステップS725)。この場合、入力パターンと登録パターンとの合致判定は、登録パターンに近似範囲を含んで判断してもよいことは既述の通りである。
そこで、このログインの具体的な処理手順では、図43に示すように、ログインであるかを監視し(ステップS731)、ログインであれば、タッチ入力を行う。この場合、タッチパネル部56上に指やタッチペンの置かれたポイントの位置(X、Y)を算出する(ステップS732)。この場合、入力パターンが登録パターンに合致するかの第1の判断として、ポイントの位置が座標範囲のどの部分に該当するかを判断する(ステップS733)。即ち、登録時のポイントの位置の前後左右の範囲に入るかどうかを判定する(ステップS734)。例えば、登録時がポイント9b部分の場合、ポイント8a〜10a、8b〜10b、8c〜10cに当てはまるかを判定する。この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当しなければ(ステップS734のNO)、サイトへのログイン不可となる(ステップS735)。
この判定において、ポイントの位置の座標範囲に該当すれば(ステップS734のYES)、入力パターンが登録パターンに合致するかの第2の判断として、圧力について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS736)。例えば、登録時のポイントの圧力を○○〔N〕とすると、その圧力が所定の圧力範囲として例えば、○○〔N〕×0.8〜○○〔N〕×1.2の範囲にあるかを判定する。この圧力判定において、所定の圧力範囲に該当しなければ(ステップS737のNG)、ログイン不可となる(ステップS738)。
このような圧力判定が所定の圧力範囲にあれば(ステップS737のOK)、ポイントの移動を監視し(ステップS739)、ポイントの移動があれば(ステップS739のYES)、ポイントの位置距離移動から加速度を算出し、この加速度について、登録パターンと比較し、判定する(ステップS740)。例えば、登録時のポイントの加速度が△△〔cm/s2 〕であれば、その加速度が所定の範囲として例えば、△△〔N〕×0.8〜△△〔N〕×1.2の範囲に該当するかを判定する(ステップS741)。この加速度が所定の範囲外であれば(ステップS741のNG)、ログイン不可となる(ステップS742)。
また、この加速度が所定の範囲内であれば(ステップS741のOK)、ログインが実行される(ステップS743)。
このようにタッチ入力から得られる少なくとも2種類の物理情報を判断要素として認識されるパターンを用いることにより、ログインを許可するので、入力パターンが登録パターンに合致しない場合のログインを防止できる。また、自由なログインを阻止でき、セキュリティを高めることができる。
〔第7の実施の形態〕
第7の実施の形態は、既存の登録パターンの共用か又は新たなパターンの登録かを選択する処理である。
この実施の形態について、図44を参照する。図44は、ロック設定の処理手順を示すフローチャートである。
この実施の形態では、ロック設定として、登録パターンの共用か新たなパターン登録かの選択をする処理を併用しているが、このようなパターン登録はロック設定に限定されない。
そこで、この処理手順では、図44に示すように、ロック設定かを判定し(ステップS801)、ロック設定をしなければ、この処理を終了する。
ロック設定であれば、既に登録されている登録パターンをロック解除に用いるかを判定する(ステップS802)。既存の登録パターンをロック解除に用いるのであれば(ステップS802のYES)、ロック設定を実行し(ステップS803)、この処理を終了する。
既存の登録パターンを用いない場合には(ステップS802のNO)、新たにパターンを設定するかを判定する(ステップS804)。新たにパターンを設定しなければ(ステップS804のNO)、この処理を終了する。
新たにパターンを設定する場合には(ステップS804のYES)、パターン登録を実行する(ステップS805)。パターン登録は上記実施の形態に記載の通りであるから、その説明を省略する。
〔比較例〕
比較例は、タッチパネル部に誤動作防止ロックを備える携帯端末装置にあって、終話時に終話ボタンを操作する構成である。
この比較例について、図45及び図46を参照する。図45は、携帯端末装置の比較例を示す図、図46は、終話の処理手順を示すフローチャートである。
この携帯端末装置220は図45に示すように、筐体278の前面部に表示部248とともにタッチパネル部256が設置されている。筐体278には表示部248を挟んでマイクロフォン266及びロックキー118と、レシーバ268とが設置され、タッチパネル部256には終話ボタン120が設置されている。終話ボタン120は、ロックキー118の押下によってタッチパネルロック解除の後、操作が有効になり、終話操作が行える。
そこで、この携帯端末装置220の終話の処理手順では、図46に示すように、通話を判定し(ステップS901)、通話中でなければ(ステップS901のNO)、この処理を終了する。
通話中であれば(ステップS901のYES)、タッチパネル部256の誤動作防止動作を開始する。即ち、ユーザが携帯端末装置220を耳に当てると、タッチパネル部256でそれを検知し、タッチパネルロックを設定する(ステップS902)。このタッチパネルロックは、不用意なタッチ入力による終話を防止するため、タッチパネル部256に対するタッチ入力を阻止する処理である。この場合、終話ボタン120の操作は無効となる。
終話のため、ロックキー118を押下し(ステップS903)、ロックを解除する(ステップS904)。このロック解除により、タッチパネル部256のタッチ入力及び終話ボタン120の操作が有効となる。
そこで、終話ボタン120を選択し(ステップS905)、それを押下すると、終話となる(ステップS906)。
斯かる構成では、ロックキー118が通話中に不用意に操作されると、タッチパネル部256が有効となり、ユーザの予期しない終話を生起させるおそれがある。また、タッチパネルロックが自動化されていても、その解除を容易に行えるため、多重操作では誤動作を回避できない不都合がある。このような課題は上記実施の形態又は後述の他の実施の形態においても解決され、利便性の高い携帯端末装置が実現されている。しかも、上記実施の形態によれば、ロック解除ボタンの設置が不要であり、機械的なスイッチや制御を省略することができ、携帯端末装置のコンパクト化、シンプル化に寄与する。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、タッチ入力から得られる少なくとも2種類の物理情報を判断要素としてタッチ入力のパターンを認識している。物理情報として、タッチ入力のポイント数、位置、速度、加速度、角度、圧力、角速度を例示しているが、これに限定されない。そこで、物理情報としては、これらの何れか又はこれらの何れかを含んでもよい。
(2) パターン認識は、2種類以上の物理情報の論理積を判断要素とすればよい。一例として、タッチ位置、加速度の論理積(第2の実施の形態:図11)、タッチポイントの数、その位置、加速度、角度及び圧力の変化の論理積(第3の実施の形態:図22、第4の実施の形態:図32)を例示したが、これに限定されない。物理情報の論理積は、種類の異なる物理情報を組み合わせ、その物理情報も少なくとも2種類であればよく、3種類以上を組み合わせ、論理積によってパターンを生成させてもよい。
(3) 上記実施の形態では、加速度センサ部60を備えているが、これに限定されない。単位時間当たりのタッチ位置の移動から速度を求め、この速度を微分して加速度を算出する構成としてもよい。
(4) 上記実施の形態では、角速度センサ部64は、携帯端末装置20の角速度を検出しているが、これに限定されない。携帯端末装置20の移動を検出するセンサを備え、そのセンサ出力から角速度を算出してもよい。また、携帯端末装置20の角速度に代え、タッチパネル部56に対するタッチ位置の角速度を算出し、これを物理情報としてもよい。
(5) 上記実施の形態では、電子機器の一例として、携帯端末装置20を例示したが、本開示の電子機器はこれに限定されない。タッチ入力が可能な電子機器であればよい。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)320(図47)、折畳み可能な携帯電話機420(図48)、リモートコントローラ520(図49)であってもよいし、タッチ入力が可能な電子機器であれば、ゲーム機器や、自動車のエンジン起動装置であってもよい。
(6) PC320は、図47に示すように、キーボード側筐体部322と、表示側筐体部324とがヒンジ部326によって折畳み可能に構成され、表示側筐体部324には、表示部48とともにタッチパネル部56が設定されている。タッチパネル部56は、上記実施の形態に準じて構成され、タッチ入力から既述の処理でパターン認識やパターン登録が可能である。このため、このPC320においても、上記実施の形態と同様の機能を実現し、その効果を得ることができる。
(7) 携帯電話機420は、電子機器又は既述の携帯端末装置20の一例であって、図48に示すように、操作側筐体部422と、表示側筐体部424とがヒンジ部426によって折畳み可能に構成され、表示側筐体部424には、表示部48とともにタッチパネル部56が設定されている。タッチパネル部56は、上記実施の形態に準じて構成され、タッチ入力から既述の処理でパターン認識やパターン登録が可能である。このため、この携帯電話機420においても、上記実施の形態と同様の機能を実現し、その効果を得ることができる。この場合、キーパッド428は、既述の入力部46(図4)に含まれる。
(8) リモートコントローラ520は、図49に示すように、テレビジョン受信機等、各種の電子機器522を電波や音波を用いて遠隔操作する手段である。このようなリモートコントローラ520にも、本開示の電子機器又は携帯端末装置について述べた機能を搭載させ、同様の機能や効果を得ることができる。
(9) 自動車のエンジン起動装置に本開示の機能を搭載すれば、ユーザのみが登録したパターンに合致する入力パターンにより、エンジンを起動させることができ、セキュリティを高めることができる。
(10) 上記実施の形態では、ポイントの圧力〔N〕を例示(図17、図21、図39、図43)しているが、これに限定されない。ポイントの圧力にはポイントに作用する力を面積で除して求められる圧力〔Pa〕を用いてもよい。
以上述べたように、本開示の電子機器、操作検出方法又は操作検出プログラムの実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではない。請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。