JPWO2011062158A1 - 動力伝達機構 - Google Patents

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三城 鳥居
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Abstract

動力伝達機構において、ダンパー機構の振動減衰機能の向上を図る。回転し動力を伝達するドライブプレートと、ドライブプレートの回転方向に直列に複数配設され、ドライブプレートと一体的に回転可能なコイルスプリングと、ドライブプレートの回転軸と同軸に配設され、コイルスプリングを介してドライブプレートにより動力が伝達されて、ドライブプレートおよびコイルスプリングと一体的に回転可能なドリブンプレートと、回転軸と同軸で、ドライブプレートおよびドリブンプレートに対して相対回転可能に配設される環状部材と、を備え、環状部材は、コイルスプリング間に配設されてコイルスプリングを支持する支持部を有する動力伝達機構である(図4)。

Description

本発明は動力伝達機構に関し、特にエンジン機構側から変速機構側に動力をトルク変動吸収可能に伝達する動力伝達機構に関する。
(関連出願についての記載)
本発明は、日本国特許出願:特願2009−264392号(2009年11月19日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
従来の動力伝達機構の例として、特許文献1に開示される動力伝達機構としてのトルク変動吸収装置が知られている。この装置は、回転し動力を伝達する駆動側部材18と、駆動側部材18の回転方向に配設され、駆動側部材18と一体的に回転可能な円弧状のスプリング24と、駆動側部材18の回転軸と同軸に配設され、駆動側部材18およびスプリン24により動力が伝達されて、駆動側部材18およびスプリング24と一体的に回転可能な被動側部材20を備えている。
独国特許DE19753557A1号
なお、上記特許文献の全開示内容はその引用をもって本書に繰込み記載する。以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
しかしながら、このような円弧状のスプリングを配設するタイプのトルク変動吸収装置においては、スプリングの圧縮時にスプリングの中間部分が径方向外方に移動して駆動側部材に接触・摺動するという問題がある。このような場合、摩擦抗が大きくなり、スプリングによるダンパ機構の振動減衰機能が低下してしまう。
上記問題点に鑑み、本発明は、動力伝達機構において、ダンパー機構の振動減衰機能の向上を図ることを目的とする。
本発明の一視点においては、動力伝達機構において、回転し動力を伝達する駆動側部材と、前記駆動側部材の回転方向に直列に複数配設され、前記駆動側部材と一体的に回転可能な弾性部材と、前記駆動側部材の回転軸と同軸に配設され、前記弾性部材を介して前記駆動側部材により前記動力が伝達されて、前記駆動側部材および前記弾性部材と一体的に回転可能な被動側部材と、前記回転軸と同軸で、前記駆動側部材および前記被動側部材に対して相対回転可能に配設される環状部材と、を備え、前記環状部材は、前記弾性部材間に配設されて前記弾性部材を支持する支持部を有する。
本発明の前記動力伝達機構において、前記環状部材は、前記弾性部材の前記環状部材に対する前記環状部材の径方向への移動を規制する第1の規制部を有することが好ましい。
本発明の前記動力伝達機構において、第2の技術的手段のいずれかにおいて、前記第1の規制部は、前記径方向に突出する突部としたことが好ましい。
本発明の前記動力伝達機構において、第1の技術的手段から第3の技術的手段のいずれかにおいて、前記駆動側部材と前記被動側部材の内で一方の部材は、前記径方向に突出するフランジ部を複数有し、前記弾性部材は隣り合う前記フランジ部の間に配設され、前記フランジ部は、前記弾性部材の前記環状部材に対する前記径方向の移動を規制する第2の規制部を有することが好ましい。
本発明の前記動力伝達機構において、第1の技術的手段から第4の技術的手段のいずれかにおいて、前記弾性部材は、ストレート状を呈するコイルスプリングとしたことが好ましい。
本発明によれば、駆動側部材と被動側部材との相対回転に伴う弾性部材の圧縮において、弾性部材と駆動側部材との接触・摺動を抑制でき、ダンパ機構の振動減衰機能を向上できる。
本発明の一実施形態に係るクラッチディスク100の側断面図である。 図1のクラッチディスク100の上面図である。 本発明の一実施形態に係る動力伝達機構の側断面図である。 図3中のX−X線に沿って動力伝達機構を分離した際の上面図である。 図3中のドリブンプレート4の上面図である。 図3中の環状部材5の上面図である。 図3中の第1ドライブプレート2aの上面図である。 図3中の第2ドライブプレート2bの上面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構を含むクラッチディスクの構成を模式的に示した部分切欠平面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構を含むクラッチディスクの構成を模式的に示した図9のX−X´間の断面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)の構成を模式的に示した平面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)の構成を模式的に示した図11のY−Y´間の断面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)におけるドリブンプレートの構成を模式的に示した平面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)における環状部材の構成を模式的に示した平面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)における第1ドライブプレートの構成を模式的に示した平面図である。 本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)における第2ドライブプレートの構成を模式的に示した平面図である。
以下図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るクラッチディスク100の側断面図であり、図2は、図1のクラッチディスク100の上面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るトルク変動吸収装置1の側断面図であり、図4は、図3のX−X線に沿ってトルク変動吸収装置1を分離した際の上面図である。
図1から図4を参照して、動力伝達機構としてのトルク変動吸収装置1はクラッチディスク100を構成しており、エンジンの出力軸と変速機の入力軸との間の動力伝達経路上に配置されるものである。トルク変動吸収装置1は、回転し動力を伝達するドライブプレート(駆動側部材)2と、ドライブプレート2の回転方向(図4中矢印方向)に直列に複数配設され、ドライブプレート2と一体的に回転可能なストレート状のコイルスプリング(弾性部材)3と、ドライブプレート2の回転軸Oと同軸に配設され、コイルスプリング3を介してドライブプレート2により動力が伝達されてドライブプレート2およびコイルスプリング3と一体的に回転可能なドリブンプレート(被動側部材)4と、ドライブプレート2の回転軸と同軸でドライブプレート2およびドリブンプレート4に対して相対回転可能に配設される環状部材5とを備えている。
ドリブンプレート4は不図示の変速機の入力軸に接続されて、変速機の入力軸と一体的に回転するものである。図5は、ドリブンプレート4の上面図である。図5に示すように、ドリブンプレート4は、その中心部に設けられた穴で変速機の入力軸と係合する環状部4aと、環状部4aの外周部からドリブンプレート4の径方向の外側に向けて放射状に突出するフランジ部4bを有している。フランジ部4bは、ドリブンプレート4の周方向(或いは図5中の矢印で示されるドリブンプレート4の回転方向)に所定の間隔離間されて、3つ設けられている。
隣り合うフランジ部4b間には、円周上等分3箇所に、コイルスプリング3を収容する収容部4cが形成されており、図4に示されるように、収容部4cにはコイルスプリング3がそれぞれ2個ずつ、ドライブプレート2の回転方向に直列に収容される。フランジ部4bは、回転方向(図5中矢印方向)に面する両側面において、ドリブンプレート4の周方向に突出する凸部(第2の規制部)4dをそれぞれ有している。凸部4dは、コイルスプリング3の外周部を支持可能とされている。また、図4、図5から分かるように、ドリブンプレート4の環状部4aは、環状部材5よりも環状部材5の径方向の内側に位置される。
図6は環状部材5の上面図である。図6に示すように、環状部材5は、環状の本体部5aと、突部(第1の規制部)5bと、支持部(支持部)5cを有している。円弧状を呈する突部5bは、本体部5aの内周面から、環状部材5の周方向(又は図6中矢印の環状部材5の回転方向)に所定の間隔をおいて環状部材5の径方向の内方に突出するように3つ形成されている。また、支持部5cが、突部5bの内側面の中央部分から更に径方向内方に向けて突出するようにそれぞれ形成されている。
図3〜図6に示すように、環状部材5の本体部5aの内径はドリブンプレート4の最外径よりも大きくされており、環状部材5の最内径はドリブンプレート4の環状部4aの外径よりも大きくされており、各支持部5cが各収容部4c内に位置するように、環状部材5の内部にドリブンプレート4が配置される。これにより、各収容部4cは支持部5cにより第1収容部4caと第2収容部4cbとに二分割され、第1収容部4ca、第2収容部4cbにコイルスプリング3が一つずつ収容される。したがって、一つの収容部4cにはコイルスプリング3が2つ収容されることになる。
コイルスプリング3が第1収容部4caに配設されることにより、コイルスプリング3の一端は、ドリブンプレート4のフランジ部4bの周方向に面する他側の側面に当接し、コイルスプリング3の他端は、環状部材5の支持部5cの周方向に面する一側の側面に当接することになる。また、コイルスプリング3が第2収容部4cbに配設されることにより、コイルスプリング3の一端は、環状部材5の支持部5cの周方向に面する他側の側面に当接し、コイルスプリング3の他端は、ドリブンプレート4のフランジ部4bの周方向に面する一側の側面に当接することになる。
更に、第1収容部4caに収容されたコイルスプリング3の一端における環状部材5の径方向外側を向く外周部は、フランジ部4bの凸部4dの内側面に支持可能とされ、コイルスプリング3の他端における環状部材5の径方向外側を向く外周部は、環状部材5の支持部5bの内側面によって支持可能とされる。また、第2収容部4cbに収容されたコイルスプリング3の一端における環状部材5の径方向外側を向く外周部は、環状部材5の支持部5bの内側面に支持可能とされ、コイルスプリング3の他端における環状部材5の径方向外側を向く外周部は、フランジ部4bの凸部4dの内側面によって支持可能とされる。
図3に示すように、ドライブプレート2は、不図示のエンジンのクランク軸に接続されてクランク軸と一体的に回転するものであり、第1ドライブプレート2aと第2ドライブプレート2bとから成る。第1ドライブプレート2aと第2ドライブプレート2bは、第1ドライブプレート2aの外周部に設けられた結合軸2ab(図7を参照)を、第2ドライブプレート2bの外周に設けられた結合孔2bb(図8を参照)に結合することにより一体化されている。
図7は、第1ドライブプレート2aの上面図であり、図8は、第2ドライブプレート2bの上面図である。図7、図8に示すように、一体的に構成される第1ドライブプレート2aと第2ドライブプレート2bは、コイルスプリング3と、ドリブンプレート4および環状部材5を収容するための凹部2aa、2baをそれぞれ有している。凹部2aa、2baは、環状の底部を備えており、この底部にドリブンプレート4のコイルスプリング3の収容部4dに対応して、略円周方向或いは回転方向(図7、図8中矢印方向)に延びる窓孔2a1、2b1が所定の間隔をおいてそれぞれ三つ形成されている。
図3、図4から分かるように、第1ドライブプレート2aと第2ドライブプレート2bとが一体的に構成されことにより、それぞれの凹部2aa、2baにより、コイルスプリング3、ドリブンプレート4および環状部材5を収容する収容空間が形成されて、この空間にコイルスプリング3、ドリブンプレート4および環状部材5が配置される。これにより、各窓孔2a1、2b1には、それぞれ、コイルスプリング3が二つずつ収容されることになる。ドリブンプレート4と環状部材5は、ドライブプレート2の回転軸と同軸に配設されており、それぞれ相対回転可能とされている。
図3〜図8に示すように、コイルスプリング3が窓孔2a1、2b1に収容されることにより、コイルスプリング3の一端は、第1ドライブプレート2a、第2ドライブプレート2bの窓孔2a1、2b1を囲む周壁面の一側端面2a2、2b2と当接可能とされ、コイルスプリング3の他端は、第1ドライブプレート2a、第2ドライブプレート2bの窓孔2a1、2b1を囲む周壁面の他側端面2a3、2b3と当接可能とされる。
ドライブプレート2の第1ドライブプレート2aと第2ドライブプレート2bの凹部2aa、2baの周壁部2ac、2bcの内径は、環状部材5の最外径よりも大きくされている。すなわち、凹部2aa、2baの周壁部2ac、2bcは、環状部材5よりも環状部材5の径方向の外側に位置する。
図4に示されるように、ドライブプレート2、コイルスプリング3、ドリブンプレート4、環状部材5の組み付け完了状態において、コイルスプリング3の各端面を支持する部分、すなわち、フランジ部4bの側面と、支持部5cの側面と、窓孔2a1、2b1を囲む周壁面の端面とは互いに平行となるように構成されている。
このように構成されたクラッチディスク100、ひいてはトルク変動吸収装置1のトルク伝達について説明する。自動車の加速時などに、エンジンからフライホイールに伝達されたトルクは、ドライブプレート2に伝達され、ドライブプレート2とドリブンプレート4との間に相対回転が発生し、ドライブプレート2の窓孔2a1、2b1の端面2a2、2b2がコイルスプリング3の一端を押圧しコイルスプリング3を圧縮する。
圧縮されたコイルスプリング3の他端は復元力により、環状部材5の支持部5cの一側の側面を押圧し、支持部5cの他側の側面がコイルスプリング3の一端を押圧する。圧縮されたコイルスプリング3の他端は復元力により、ドリブンプレート4のフランジ部4dを押圧し、トルクをドリブンプレート4に伝達する。そしてトルクは変速機の入力軸に入力される。
すなわち、エンジンのトルクは、ドライブプレート2からスプリング3、環状部材5及びドリブンプレート4を介して変速機へ伝達される。従って、エンジン特有の周期的トルク変動はコイルスプリング3の撓みによって吸収されるため、円滑な回転運動力が伝達される。
本実施の形態のトルク変動吸収装置1によれば、ドライブプレート2とドリブンプレート4との相対回転に伴うコイルスプリング3の圧縮において、コイルスプリング3、ひいてはコイルスプリング3の特に環状部材5の径方向外側を向く外周部はドライブプレート2に接触・摺動することがなく、トルク変動吸収装置1のダンパ機構の振動減衰機能を向上することができる。
更に、ドライブプレート2とドリブンプレート4の相対回転に伴うコイルスプリング3の圧縮時において、環状部材5の各支持部5cにそれぞれ作用する径方向への分力は略バランスし、回転軸Oに対する環状部材5の径方向への移動が抑制される。すなわち、理想状態では、環状部材5の外周面とドリブンプレート2の凹部2aa、2baの周壁部との間には所定のクリアランスが常に存在し、環状部材5の本体部5aの内周面とドリブンプレート4の外周面(フランジ部4bの外周面)との間には所定のクリアランスが常に存在し、環状部材5の支持部5cの内側面とドリブンプレート4の環状部4aの外周面との間には所定のクリアランスが常に存在する状態となる。
したがって、環状部材5の外周面とドライブプレート2の凹部2aa、2baの周壁部との接触・摺動が抑制され、環状部材5の本体部5aの内周面とドリブンプレート4の外周面との接触・摺動が抑制され、環状部材5の支持部5cの内側面とドリブンプレート4の環状部4aの外周面との接触・摺動が抑制され、トルク変動吸収装置1のダンパ機構の振動減衰機能を向上することができる。
装置1が回転する際、コイルスプリング3は遠心力により環状部材5の半径方向外方に付勢される。しかし、ドリブンプレート4のフランジ部4bの凸部4dと、環状部材5の凸部5bとにより、コイルスプリング3の環状部材5に対する径方向外方への移動が規制される。これにより、コイルスプリング3の配設位置を常に良好な位置に保つことができ、安定して振動減衰機能を発揮することができる。
更に、弾性部材としてストレート上のコイルスプリングを用いたことにより、コイルスプリング3の圧縮において、コイルスプリング3の中間部分の環状部材5の径方向外側への張り出しを抑制し、例えばコイルスプリング3の中間部が環状部材5と接触・摺動することを抑制でき、トルク変動吸収装置1のダンパ機構の振動減衰機能を向上することができる。
なお、本実施形態においては、ドライブプレート2を駆動側部材とし、ドリブンプレート4を被動側部材として説明したが、逆の構成としてもよい。
以上、本発明を上記実施の形態に則して説明したが、本発明は上記形態にのみ限定されるものではなく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものである。
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の実施例1に係る動力伝達機構について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構を含むクラッチディスクの構成を模式的に示した部分切欠平面図である。図10は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構を含むクラッチディスクの構成を模式的に示した図9のX−X´間の断面図である。図11は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)の構成を模式的に示した平面図である。図12は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)の構成を模式的に示した図11のY−Y´間の断面図である。図13は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)におけるドリブンプレートの構成を模式的に示した平面図である。図14は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)における環状部材の構成を模式的に示した平面図である。図15は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)における第1ドライブプレートの構成を模式的に示した平面図である。図16は、本発明の実施例1に係る動力伝達機構(プリダンパ部)における第2ドライブプレートの構成を模式的に示した平面図である。なお、図11においては第2ドライブプレート(図16の2b)を省略している。
図9、図10を参照すると、クラッチディスク100は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)と変速機の入力軸(図示せず)との間の動力伝達経路に配設されたクラッチ装置に設けられている。クラッチディスク100は、クランクシャフトと入力軸との間の捩れを緩衝することによりクランクシャフトと入力軸(図示せず)と間の変動トルクを吸収(抑制)する機構(動力伝達機構)を有する。クラッチディスク100は、フェーシング10、11の部分にて、クラッチ装置におけるプレッシャプレートとフライホイールとの間に断接可能に挟み込まれる。クラッチディスク100は、バネ力によって変動トルクを吸収するダンパ部(図9の101、102)を有する。ダンパ部101、102は、クランクシャフトと入力軸との間の初期の捩れを緩衝するプリダンパ部101と、プリダンパ部101で緩衝できなくなったときにクランクシャフトと入力軸との間の捩れを緩衝するメインダンパ部102と、を有する。プリダンパ部101及びメインダンパ部102は、それぞれ略環状をなす。
クラッチディスク100は、主な構成部材として、第1ドライブプレート2aと、第2ドライブプレート2bと、コイルスプリング3と、ドリブンプレート4と、環状部材5と、フェーシング10、11と、ディスクスプリング12と、リベット13、14と、サイドプレート15、16と、連結部材17と、フランジ部材18と、コイルスプリング19と、スラスト部材20と、皿ばね21と、ハブ部材23と、スラスト部材24、25と、皿ばね26と、を有する。
第1ドライブプレート2aは、リング状に形成された部材であり、プリダンパ部101の構成部品である(図9〜図12、図15参照)。第1ドライブプレート2aは、サイドプレート15と第2ドライブプレート2bとの間に配置されている。第1ドライブプレート2aは、サイドプレート15側の面にて、サイドプレート15に対してスライド可能に接している。第1ドライブプレート2aは、第2ドライブプレート2b側の面にて、ドリブンプレート4及び環状部材5と抵触しないように凹部2aa(段差部)が形成されている。凹部2aaは、環状に形成されており、径方向外側の端部にて軸方向に沿って形成された円筒状の周壁部2acを有する。第1ドライブプレート2aは、第2ドライブプレート2b及びフランジ部材18と回り止めするための3つの結合軸2abを有する。各結合軸2abは、第2ドライブプレート2bの外周面に形成された凹部2bbに対して回転不能かつ軸方向移動可能に係合している。結合軸2abは、フランジ部材18に形成された貫通穴部に対して回転不能かつ軸方向移動可能に係合(挿入)されている。第1ドライブプレート2aは、第2ドライブプレート2b側の面にて、コイルスプリング3の一部を収容する3つの窓孔2a1を有する。各窓孔2a1は、メインダンパ部102におけるコイルスプリング19よりも内周側の位置に配設されている。各窓孔2a1の周方向にある一側端面2a2は、コイルスプリング3と接離可能に接している。各窓孔2a1の周方向にある他側端面2a3は、一側端面2a2と接するコイルスプリング3とは別のコイルスプリング3と接する。各窓孔2a1は、コイルスプリング3の伸縮をガイドする。3つの窓孔2a1は、互いに第1ドライブプレート2aの回転中心軸を中心として120度ずれた位置に配設されている。各窓孔2a1は、同一円周上に沿って配されている(径方向の位置は同じ)。第1ドライブプレート2aは、第2ドライブプレート2b側の面におけるドリブンプレート4及び環状部材5の動作と抵触しない部位にて第2ドライブプレート2bと接している。
第2ドライブプレート2bは、リング状に形成された部材であり、プリダンパ部101の構成部品である(図10〜図12、図16参照)。第2ドライブプレート2bは、フランジ部材18と第1ドライブプレート2aとの間に配置されている。第2ドライブプレート2bは、フランジ部材18側の面にて、フランジ部材18に接している。第2ドライブプレート2bは、第1ドライブプレート2a側の面にて、ドリブンプレート4及び環状部材5と抵触しないように凹部2ba(段差部)が形成されている。凹部2baは、環状に形成されており、径方向外側の端部にて軸方向に沿って形成された円筒状の周壁部2bcを有する。周壁部2bcは、環状部材5の径方向の移動を規制する。第2ドライブプレート2bは、外周面にて、第1ドライブプレート2aの結合軸2abに対して回転不能かつ軸方向移動可能に係合する凹部2bbを有する。第2ドライブプレート2bは、第1ドライブプレート2aの結合軸2abを介して、第1ドライブプレート2a及びフランジ部材18と一体に回転する。第2ドライブプレート2bは、第1ドライブプレート2a側の面にて、コイルスプリング3の一部を収容する3つの窓孔2b1を有する。各窓孔2b1は、メインダンパ部102におけるコイルスプリング19よりも内周側の位置に配設されている。各窓孔2b1の周方向にある一側端面2b2は、コイルスプリング3と接離可能に接している。各窓孔2b1の周方向にある他側端面2b3は、一側端面2b2と接するコイルスプリング3とは別のコイルスプリング3と接する。各窓孔2b1は、コイルスプリング3の伸縮をガイドする。3つの窓孔2b1は、互いに第2ドライブプレート2bの回転中心軸を中心として120度ずれた位置に配設されている。各窓孔2b1は、同一円周上に沿って配されている(径方向の位置は同じ)。第2ドライブプレート2bは、第1ドライブプレート2a側の面におけるドリブンプレート4及び環状部材5の動作と抵触しない部位にて第1ドライブプレート2aと接している。
コイルスプリング3は、プリダンパ部2の構成部品である(図9〜図12参照)。コイルスプリング3は、ドライブプレート2a、2bに形成された各窓孔2a1、2b1に円周方向に直列に2つ収容されている。コイルスプリング3は、一端がドライブプレート2a、2bにおける窓孔2a1、2b1の側端面(2a2、2b2又は2a3、2b3)、又は、ドリブンプレート4のフランジ部4bと接離可能に接し、他端が環状部材5の支持部5cと接している。コイルスプリング3は、プリダンパ部101で捩れ(ドライブプレート2a、2bとドリブンプレート4との捩れ)が生じたときに収縮し、ドライブプレート2a、2bとドリブンプレート4との回転差によるショックを吸収する。コイルスプリング3には、伸縮方向(長手方向)にストレートな(直線状に延びた)コイルスプリングを用いることができる。コイルスプリング3のバネ力(バネ係数)は、メインダンパ部102におけるコイルスプリング19のバネ力(バネ係数)よりも小さく設定されている。
ドリブンプレート4は、ハブ部材23の外スプライン部23bの外周に配された環状かつプレート状の部材であり、プリダンパ部101の構成部品である(図9〜図13参照)。ドリブンプレート4は、第1ドライブプレート2aの凹部2aaと第2ドライブプレート2bの凹部2baとの間にて、第1ドライブプレート2a及び第2ドライブプレート2bに対して回転可能に配されている。ドリブンプレート4は、環状部材5よりも径方向内側にて環状部材5に対して所定の角度の範囲で回転可能に配されている。ドリブンプレート4は、環状部4aの外周端面の所定の位置から径方向外側に延在した3つのフランジ部4bを有する。3つのフランジ部4bは、互いにドリブンプレート4の回転中心軸を中心として120度ずれた位置に配設されている。隣合うフランジ部4bの周方向の間には、2つのコイルスプリング3、及び、環状部材5の支持部5cを収容するための収容部4cを有する。収容部4cの周方向にある端面は、コイルスプリング3と接離可能に接している。収容部4cは、支持部5cの周方向の一方にてコイルスプリング3を収容する第1収容部4caを有し、支持部5cの周方向の他方にて他のコイルスプリング3を収容する第2収容部4cbを有する。ドリブンプレート4は、各フランジ部4bの周方向にある端面におけるコイルスプリング3と当接可能な位置よりも径方向外側の位置から周方向両側に突出した2つの凸部4dを有する。凸部4dは、プリダンパ部101におけるコイルスプリング3の移動(径方向の移動)を規制する。ドリブンプレート4は、内周端部において内スプライン部4eが形成されている。内スプライン部4eは、ハブ部材23の外スプライン部23bに対して回転不能に係合している。
環状部材5は、ドリブンプレート4よりも径方向外側に配された環状かつプレート状の部材であり、プリダンパ部101の構成部品である(図9〜図12、図14参照)。環状部材5は、第1ドライブプレート2aの凹部2aaと第2ドライブプレート2bの凹部2baとの間にて、第1ドライブプレート2a及び第2ドライブプレート2bに対して回転可能に配されている。環状部材5は、ドリブンプレート4よりも径方向外側にてドリブンプレート4に対して所定の角度の範囲で回転可能に配されている。環状部材5は、環状に形成された本体部5aの内周端部の所定の位置から径方向内側に突出した3つの支持部5cを有する。3つの支持部5cは、互いに環状部材5の回転中心軸を中心として120度ずれた位置に配設されている。各支持部5cは、ドリブンプレート4の各収容部4cに収容された2つのコイルスプリング3の周方向の間に配されている。各支持部5cの周方向にある端面の両側は、コイルスプリング3の端部を支持する。環状部材5は、各支持部5cの周方向にある端面におけるコイルスプリング3と当接可能な位置よりも径方向外側の位置から周方向両側に突出した2つの突部5bを有する。凸部5bは、プリダンパ部101におけるコイルスプリング3の移動(径方向外側の移動)を規制する。
フェーシング10は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)と一体に回転するフライホイール(その他の部材でも可)と摩擦係合可能な摩擦材である(図9、図10参照)。フェーシング10は、環状に形成されている。フェーシング10は、複数のリベット13によりディスクスプリング12の軸方向の一方の面(図10の左側の面)に固定されている。フェーシング10には、ゴム、樹脂、繊維(短繊維、長繊維)、摩擦係数μ調整用の粒子などを含むものを用いることができる。
フェーシング11は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)と一体に回転するプレッシャプレートと摩擦係合可能な摩擦材である(図9、図10参照)。フェーシング11は、環状に形成されている。フェーシング11は、複数のリベット14によりディスクスプリング12の軸方向の他方の面(図10の右側の面)に固定されている。フェーシング11には、ゴム、樹脂、繊維(短繊維、長繊維)、摩擦係数μ調整用の粒子などを含むものを用いることができる。
ディスクスプリング12は、ディスク面への押付けに対して弾性力を有する環状かつディスク状の部材である(図9、図10参照)。ディスクスプリング12は、外周部分の両面に、複数のリベット13、14によってフェーシング10、11が取り付けられている。ディスクスプリング12は、内周部分にて、サイドプレート15とともに複数の連結部材17の一端部にかしめ固定されている。ディスクスプリング12は、サイドプレート15、16と一体に回転する。
リベット13は、フェーシング10をディスクスプリング12の軸方向の一方の面(図10の左側の面)に固定するための部材である(図9、図10参照)。
リベット14は、フェーシング11をディスクスプリング12の軸方向の他方の面(図10の右側の面)に固定するための部材である(図9、図10参照)。
サイドプレート15は、フランジ部材18の軸方向の一方の側(図10の左側)にフランジ部材18と離間して配設された環状の部材である(図9、図10参照)。サイドプレート15は、外周端部近傍の部分にて、ディスクスプリング12とともに複数の連結部材17の一端にかしめ固定されている。サイドプレート15は、連結部材17、ディスクスプリング12、及びサイドプレート16と一体に回転する。サイドプレート15は、中間部分のメインダンパ部102にて、コイルスプリング19を収容するための6つの窓部15aを有する。窓部15aの周方向端面は、コイルスプリング19の端部と接離可能に接している。窓部15aは、コイルスプリング19の伸縮をガイドする。窓部15aは、円周方向に隣合う一方の窓部15aに対してサイドプレート15の回転中心軸を中心として50度ずれた位置に配設されており、円周方向に隣合う他方の窓部15aに対してサイドプレート15の回転中心軸を中心として70度ずれた位置に配設されている。サイドプレート15は、メインダンパ部102より内周側のプリダンパ部101にて、第1ドライブプレート2aとスライド可能に接している。サイドプレート15は、内周端部にて、スラスト部材24を介してハブ部材23に相対回転可能に支持されている。サイドプレート15は、内周端部にて、スラスト部材24に回り止めされている。サイドプレート15は、内周端部近傍のフランジ部材18側の面にて、スラスト部材24と接している。
サイドプレート16は、フランジ部材18の軸方向の他方の側(図10の右側)にフランジ部材18と離間して配設された環状の部材である(図9、図10参照)。サイドプレート16は、外周端部近傍の部分にて、複数の連結部材17の他端にかしめ固定されている。サイドプレート16は、連結部材17、ディスクスプリング12、及びサイドプレート15と一体に回転する。サイドプレート16は、中間部分のメインダンパ部102にて、コイルスプリング19を収容するための6つの窓部16aを有する。窓部16aの周方向端面は、コイルスプリング19の端部と接離可能に接している。窓部16aは、コイルスプリング19の伸縮をガイドする。窓部16aは、円周方向に隣合う一方の窓部16aに対してサイドプレート16の回転中心軸を中心として50度ずれた位置に配設されており、円周方向に隣合う他方の窓部16aに対してサイドプレート16の回転中心軸を中心として70度ずれた位置に配設されている。サイドプレート16は、メインダンパ部102と抵触しない部分にて、スラスト部材20の回り止め部20aと回転不能かつ軸方向移動可能に係合している。サイドプレート16は、スラスト部材20の回り止め部20aよりも内周側の部分にて皿ばね21の一端を支持する。サイドプレート16は、皿ばね21よりも内周側の部分にて皿ばね26の一端を支持する。サイドプレート16は、内周端部にて、スラスト部材25を介してハブ部材23に相対回転可能に支持されている。サイドプレート16は、内周端部にて、スラスト部材25に回り止めされている。
連結部材17は、サイドプレート15、16、及びディスクスプリング12を連結するための部材である(図9、図10参照)。連結部材17の一端には、サイドプレート15及びディスクスプリング12がかしめ固定されている。連結部材17の他端には、サイドプレート16がかしめ固定されている。連結部材17の中間部分(胴体部分)は、サイドプレート16とディスクスプリング12との間隔を保つためのスペーサとなる。また、連結部材17の中間部分は、ブランジ部材18の切欠部18bに挿通されており、メインダンパ部102に捩れ(サイドプレート15、16とフランジ部材18との捩れ)が生じたときに、切欠部18bの周方向にある端面と当たることで、メインダンパ部102の過剰な捩れを規制するストッパ部となる。連結部材17は、サイドプレート15、16の円周方向に所定の間隔をおいて複数個(図9では3個)配置されている。
フランジ部材18は、ハブ部材23の外スプライン部23bの外周に配された環状かつプレート状の部材である(図9、図10参照)。フランジ部材18は、メインダンパ部102にて、コイルスプリング19を収容するための6つの窓部18aを有する。窓部18aの周方向端面は、コイルスプリング19の端部と接離可能に接している。窓部18aは、円周方向に隣合う一方の窓部18aに対してフランジ部材18の回転中心軸を中心として50度ずれた位置に配設されており、円周方向に隣合う他方の窓部18aに対してフランジ部材18の回転中心軸を中心として70度ずれた位置に配設されている。フランジ部材18は、窓部18aと抵触しない位置にて、フランジ部材18の外周端面から内周側に切り欠いた3つの切欠部18bを有する。3つの切欠部18bは、互いにフランジ部材18の回転中心軸を中心として120度ずれた位置に配設されている。各切欠部18bには、連結部材17の中間部分(胴体部分)が挿通されている。切欠部18bの周方向にある端面は、メインダンパ部102に捩れ(サイドプレート15、16とフランジ部材18との捩れ)が生じたときに、連結部材17の中間部分と当たることで、メインダンパ部102の過剰な捩れを規制するストッパ部となる。フランジ部材18は、メインダンパ部102より内周側の軸方向の面にて、第2ドライブプレート2bとスラスト部材20とによって挟み込まれており、スラスト部材20とスライド可能とされている。フランジ部材18は、内周端部において内スプラインが形成された内スプライン部18cを有する。内スプライン部18cは、ハブ部材23とフランジ部材18とが所定の角度の範囲で捩れが許容されるようにハブ部材23の外スプライン部23bと係合する。
コイルスプリング19は、メインダンパ部102の構成部品であり、サイドプレート15、16及びフランジ部材18に形成された窓部15a、16a、18aに収容された弾性部材である(図9、図10参照)。コイルスプリング19両端部は、窓部15a、16a、18aの周方向にある端面と接離可能に接している。コイルスプリング19は、サイドプレート15、16とフランジ部材18とが捩れが生じたときに収縮し、サイドプレート15、16とフランジ部材18の回転差によるショックを吸収する。コイルスプリング19には、伸縮方向(長手方向)にストレートな(直線状に延びた)コイルスプリングを用いることができる。コイルスプリング19のバネ力(バネ係数)は、プリダンパ部101におけるコイルスプリング3のバネ力(バネ係数)よりも大きく設定されている。
スラスト部材20は、サイドプレート16とフランジ部材18との間に配された環状の部材である(図9、図10参照)。スラスト部材20は、サイドプレート16に形成された貫通穴部に対して回転不能かつ軸方向移動可能に係合する回り止め部20aを有する。スラスト部材20は、皿ばね21によってフランジ部材18側に付勢されており、フランジ部材18とスライド可能に圧接している。スラスト部材20は、内周に配されたスラスト部材25に対しても回転不能かつ軸方向移動可能に係合している。
皿ばね21は、スラスト部材20とサイドプレート16との間に配され、スラスト部材20をフランジ部材18側に付勢する皿状のばねである(図9、図10参照)。
ハブ部材23は、ダンパ部2、3からの回転動力を変速機の入力軸(図示せず)に向けて出力する部材である(図9、図10参照)。ハブ部材23は、円筒部の外周の所定の部位から径方向外側に延在したフランジ部23aを有する。ハブ部材23は、円筒部の内周面にて入力軸(図示せず)とスプライン係合する。ハブ部材23は、外周にて、スラスト部材24を介してサイドプレート15を相対回転可能に支持しており、スラスト部材25を介してサイドプレート16を相対回転可能に支持している。フランジ部23aは、外周面にて外スプラインが形成された外スプライン部23bを有する。外スプライン部23bは、ハブ部材23とフランジ部材18とが所定の角度の範囲で捩れが許容されるようにフランジ部材18の内スプライン部18cと係合する。外スプライン部23bは、ドリブンプレート4の内スプライン部(図11の4e)に対して回転不能に係合している。フランジ部23aは、スラスト部材24、25によってスライド可能に挟持されている。
スラスト部材24は、サイドプレート15とハブ部材23との間に配された環状の部材である(図9、図10参照)。スラスト部材24は、軸方向において、サイドプレート15とフランジ部23aとの間に配されており、サイドプレート15と相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合しており、フランジ部23aとスライド可能に圧接している。スラスト部材24は、径方向において、サイドプレート15とハブ部材23との間にも介在しており、サイドプレート15をハブ部材23に相対回転可能に支持するための滑り軸受(ブッシュ)となる。
スラスト部材25は、サイドプレート16とハブ部材23との間に配された環状の部材である(図9、図10参照)。スラスト部材25は、軸方向において、皿ばね26とフランジ部23aとの間に配されており、皿ばね26によってフランジ部23a側に付勢されており、フランジ部23aとスライド可能に圧接している。スラスト部材25は、サイドプレート16と相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合している。スラスト部材25は、径方向において、サイドプレート16とハブ部材23との間にも介在しており、サイドプレート16をハブ部材23に相対回転可能に支持するための滑り軸受(ブッシュ)となる。
皿ばね26は、スラスト部材25とサイドプレート16との間に配され、スラスト部材25をフランジ部23a側に付勢する皿状のばねである(図9、図10参照)。皿ばね26は、スラスト部材25に回り止めされている。
次に、本発明の実施例1に係る捩れ緩衝装置の動作について説明する。
図9、図10を参照すると、エンジンのクランクシャフトの回転動力は、フェーシング10、11、リベット13、14、ディスクスプリング12、連結部材17、サイドプレート15、16、コイルスプリング19、フランジ部材18、ドライブプレート2a、2b、コイルスプリング3、環状部材5、コイルスプリング3、ドリブンプレート4、ハブ部材23の順に伝達されて、変速機の入力軸に伝達される。
このとき、フェーシング10、11とハブ部材23との間で捩れが生ずると、プリダンパ部101にて初期の捩れによる変動トルクを吸収し、さらに捩れが生じてプリダンパ部101で吸収できなくなったときにメインダンパ部102にて変動トルクを吸収する。
プリダンパ部101では、フェーシング10、11とハブ部材23との間で捩れが生じ、ハブ部材23の外スプライン部23bの歯がフランジ部材18の内スプライン部18cの歯に当接するまでは、プリダンパ部101においてコイルスプリング3のみが作用する。
ハブ部材23の外スプライン部23bの歯がフランジ部材18の内スプライン部18cの歯に当接し、さらにフェーシング10、11とハブ部材23との間で捩れが生じると、プリダンパ部101において捩れなくなるので、メインダンパ部102が捩れる。すなわち、ハブ部材23が捩れることで、ハブ部材23の外スプライン部23bの歯がフランジ部材18の内スプライン部18cの歯を押付けてフランジ部材18とサイドプレート15、16との間に捩れが生じ、サイドプレート15、16に連結された連結部材17の中間部分がフランジ部材18の切欠部18bの周方向にある端面に当接するまでコイルスプリング19が作用する。このとき、プリダンパ部101のコイルスプリング3は、最大圧縮状態のままフランジ部材18と一体となって回転する。
以上の動作は、フェーシング10、11に対してハブ部材23が時計回り(図1の時計回り)に回転した場合を説明したが、フェーシング10、11に対してハブ部材23が逆時計回りに回転したときも同様である。
実施例1によれば、ドライブプレート2a、2bとドリブンプレート4との相対回転に伴うコイルスプリング3の圧縮において、コイルスプリング3、特にコイルスプリング3の特に環状部材5の径方向外側を向く外周部とドライブプレート2a、2bの接触・摺動を抑制でき、ダンパ機構の振動減衰機能を向上できる。また、ドリブンプレート4の凸部4d、及び、環状部材5の凸部5bにより、コイルスプリング3の移動を規制できる。さらに、コイルスプリング3をストレート状のものを用いることにより、コイルスプリング3が他の部材と接触・摺動することを更に抑制でき、ダンパ機構の振動減衰機能を向上できる。
更に、ドライブプレート2とドリブンプレート4の相対回転に伴うコイルスプリング3の圧縮時において、環状部材5の各支持部5cにそれぞれ作用する径方向への分力は略バランスし、回転軸Oに対する環状部材5の径方向への移動が抑制される。すなわち、理想状態では、環状部材5の外周面とドリブンプレート2の凹部2aa、2baの周壁部との間には所定のクリアランスが常に存在し、環状部材5の本体部5aの内周面とドリブンプレート4の外周面(フランジ部4bの外周面)との間には所定のクリアランスが常に存在し、環状部材5の支持部5cの内側面とドリブンプレート4の環状部4aの外周面との間には所定のクリアランスが常に存在する状態となる。
したがって、環状部材5の外周面とドライブプレート2の凹部2aa、2baの周壁部との接触・摺動が抑制され、環状部材5の本体部5aの内周面とドリブンプレート4の外周面との接触・摺動が抑制され、環状部材5の支持部5cの内側面とドリブンプレート4の環状部4aの外周面との接触・摺動が抑制され、トルク変動吸収装置1のダンパ機構の振動減衰機能を向上することができる。
装置1が回転する際、コイルスプリング3は遠心力により環状部材5の半径方向外方に付勢される。しかし、ドリブンプレート4のフランジ部4bの凸部4dと、環状部材5の凸部5bとにより、コイルスプリング3の環状部材5に対する径方向外方への移動が規制される。これにより、コイルスプリング3の配設位置を常に良好な位置に保つことができ、安定して振動減衰機能を発揮することができる。
更に、弾性部材としてストレート上のコイルスプリングを用いたことにより、コイルスプリング3の圧縮において、コイルスプリング3の中間部分の環状部材5の径方向外側への張り出しを抑制し、例えばコイルスプリング3の中間部が環状部材5と接触・摺動することを抑制でき、トルク変動吸収装置1のダンパ機構の振動減衰機能を向上することができる。
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 トルク変動吸収装置(動力伝達機構)
2 ドライブプレート(駆動側部材)
2a 第1ドライブプレート
2a1 窓孔
2a2 一側端面
2a3 他側端面
2aa 凹部
2ab 結合軸
2ac 周壁部
2b 第2ドライブプレート
2b1 窓孔
2b2 一側端面
2b3 他側端面
2ba 凹部
2bb 結合孔
周壁部2bc
3 コイルスプリング(弾性部材)
4 ドリブンプレート(被動側部材)
4a 環状部
4b フランジ部
4c 収容部
4ca 第1収容部
4cb 第2収容部
4d 凸部(第2の規制部)
4e 内スプライン部
5 環状部材
5a 本体部
5b 突部(第1の規制部)
5c 支持部
100 クラッチディスク
O 回転軸
101 プリダンパ部
102 メインダンパ部
10、11 フェーシング
12 ディスクスプリング
13、14 リベット
15 サイドプレート
15a 窓部
16 サイドプレート
16a 窓部
17 連結部材
18 フランジ部材
18a 窓部
18b 切欠部
18c 内スプライン部
19 コイルスプリング
20 スラスト部材
20a 回り止め部
21 皿ばね
23 ハブ部材
23a フランジ部
23b 外スプライン部
24、25 スラスト部材
26 皿ばね

Claims (5)

  1. 回転し動力を伝達する駆動側部材と、
    前記駆動側部材の回転方向に直列に複数配設され、前記駆動側部材と一体的に回転可能な弾性部材と、
    前記駆動側部材の回転軸と同軸に配設され、前記弾性部材を介して前記駆動側部材により前記動力が伝達されて、前記駆動側部材および前記弾性部材と一体的に回転可能な被動側部材と、
    前記回転軸と同軸で、前記駆動側部材および前記被動側部材に対して相対回転可能に配設される環状部材と、を備え、
    前記環状部材は、前記弾性部材間に配設されて前記弾性部材を支持する支持部を有する動力伝達機構。
  2. 前記環状部材は、前記弾性部材の前記環状部材に対する前記環状部材の径方向への移動を規制する第1の規制部を有する請求項1記載の動力伝達機構。
  3. 前記第1の規制部は、前記径方向に突出する突部である請求項2記載の動力伝達機構。
  4. 前記駆動側部材と前記被動側部材の内で一方の部材は前記径方向に突出するフランジ部を複数有し、
    前記弾性部材は隣り合う前記フランジ部の間に配設され、
    前記フランジ部は、前記弾性部材の前記環状部材に対する前記環状部材の前記径方向への移動を規制する第2の規制部を有する請求項1乃至3のいずれか一に記載の動力伝達機構。
  5. 前記弾性部材は、ストレート状を呈するコイルスプリングである請求項1乃至4のいずれか一に記載の動力伝達機構。
JP2011541923A 2009-11-19 2010-11-16 動力伝達機構 Pending JPWO2011062158A1 (ja)

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