JPWO2011001875A1 - 台秤及び荷重検出ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
ロードセル方式は、荷重による歪みゲージの変形量から荷重を測定する。音叉振動方式は、下記特許文献1に記載されているように、音叉の振動数が音叉の両端に加わる荷重の大きさに比例して変化することを利用して荷重測定を行う。また、電磁力平衡方式は、荷重により平衡状態が崩れた機械的バランス機構を、電磁コイルに電流を流して平衡状態に戻し、そのときの電流の大きさから荷重の大きさを求める。
秤の精度は、ロードセル方式より音叉振動方式や電磁力平衡方式の方が高く、一方、秤の製造コストは、機構が複雑な電磁力平衡方式が最も高く、構造が簡単なロードセル方式が最も低コストである。
現在、秤量(測定範囲)が300kgに及ぶ台秤の多くは、ロードセル方式を採用している。
台秤の精度向上は、単に、精度が高い計量方式を採用するだけでは実現できない。精度の低下要因となる温度変化や、水分、塵埃等に対する対策が必要であり、また、重量物に耐えられる機械的強度の確保が必要になる。
また、重量物を台秤の載荷台に載せたり降ろしたりする作業をし易くするため、台秤の低床化も必要である。
ロストワックス法で鋳造されたステンレス製のセンサケースは、十分な機械的強度を有しており、基礎フレーム用の構造体として兼用できる。そのため、部品点数が削減され、また、載荷台の低床化を図ることができる。また、十分な機械的強度を備える荷重センサのブロック体は、加わる荷重が大きくても、縮小化への動作を安定して行うことができる。
隔壁は、基板から発生する熱のために荷重センサの精度が低下するのを防止する。通気孔は、計量時の荷重センサ収容室内の気圧変動に起因する計測精度の低下を防いでいる。
多孔質膜は水の浸入を防ぎ、不織布は、多孔質膜の汚れや外圧による破損を防いでいる。また、板は、フィルタが尖ったもので突き破られる事故を防いでいる。
音叉振動子を用いる荷重センサは、外部振動の無い環境では高精度を発揮するが、外部振動の多い環境では精度が低下する。一方、ロードセルは、精度が低いものの、外部振動が有る環境でも精度は変わらない。この台秤は、顧客の使用環境に応じて、音叉振動子を用いる荷重センサとロードセルとを切り替えることができる。
この荷重検出ユニットの複数個を入手したユーザは、その上に載荷台を配置して台秤を構成することができる。
また、本発明の荷重検出ユニットは、ユニット単体として流通させることが可能であり、それを購入したユーザは、複数の荷重検出ユニットを並べて配置した上に載荷台を載せて、所望の台秤を構成することができる。
図4は、荷重検出ユニット30を単独で示している。図5は、その分解斜視図である。この荷重検出ユニット30は、上側フレーム10を支える上面支持部材31と、後述する荷重センサ及び基板を収納したセンサケース33とを有している。
なお、隔壁333を構成するステンレスの熱伝導率は、アルミニウムなどに比べて極めて小さい。そのため、隔壁333を介して基板収容室332から荷重センサ収容室331に伝導する熱量は僅かである。
荷重センサ収容室331の開口は、荷重センサ収容室331に荷重センサが収容された後、蓋体35(図5、図9)で封鎖され、基板収容室332の開口は、基板収容室332に基板が収容された後、端子が露出した端子板322で封鎖される。
螺子342を外して板金345を取り外せば、フィルタを交換することができる。
荷重センサ収容室331の開口は、蓋体35で封鎖され、通気孔335もフィルタ及び板金345で塞がれるが、この板金345と凹部340との間には隙間があるため、外気は、板金345の周囲からフィルタに進入し、通気孔335を経て荷重センサ収容室331に入ることができる。このとき、外気に含まれた水分や塵埃は、フィルタで除かれる。また、荷重センサ収容室331の空気は、逆のルートで外に出ることができる。
この通気孔335は、後述するダイヤフラム51(図9)の計量時の動きにより、荷重センサ収容室331の気圧が過圧や負圧になることを防いでいる。
ブロック体42の固定側には、ブロック体42を貫通する4個のボルト孔421が形成されており、このボルト孔421に挿通されたボルト43(図9)がセンサケース33の荷重センサ収容室331の底部に設けられた螺子孔336(図8)に螺合されて、荷重センサ40は荷重センサ収容室331に固定される。
図15に、荷重センサ40が荷重センサ収容室331に収容された状態を示している。
このボルト37は、図5に示すように、上面支持部材31の下面側に取り付ける取付部材312に固定される。この取付部材312は、上面支持部材31の上面側に配置された取付部材311と螺子314で固定され、上面支持部材31に結合される。そのため、ボルト37は、上面支持部材31と機械的に結合され、上面支持部材31の動きを伝える。ボルト37の頭部は、図4に示すように、取付部材311の楕円孔313の中に現れている。
この図5の構造により、現場でのメンテナンス時に、図5の下側部分だけを交換することが可能になる。
この機構は、ダイヤフラム51と、ダイヤフラム51の内円の周縁を二枚の円板で挟持する挟持板53と、ダイヤフラム51の外縁を蓋体35の裏面に固定する取付板52とから成り、挟持板53には、図15に示すように、ボルト37が密に嵌合される孔531と、二枚の円板を結合するための螺子532とが設けられている。
挟持板53は、螺子532を外し、二枚の円板でダイヤフラム51の内円の周縁を挟持した状態で再び螺子532を締め付ければダイヤフラム51に結合される。このダイヤフラム51の外縁を取付板52で蓋体35の裏面に固定し、挟持板53の孔531にボルト37を挿通して、その先端をブロック体42の螺子孔422に固定し、蓋体35で荷重センサ収容室331の開口を密封すれば封鎖機構が完成する。
封鎖機構が完成した後は、センサケース33の外表面が耐食性に優れたステンレス製であるため、センサケース33の内部は、水分や埃から安全に保たれる。
図9に示す封鎖機構は、センサケース33の蓋体35を止むを得ず開ける場合でも、ダイヤフラム51には触れないので、封鎖性能に影響しない利点がある。
また、図1、図3等に示すように、荷重検出ユニット30のセンサケース33は、基礎フレーム20に取付部材21、22を取り付けて、この取付部材21、22に固定するようにしている。また、この取付部材21、22には、載荷台の高さや水平を調節するアジャスタ222や、上側フレーム10のストッパ片101と共働して上側フレーム10の移動範囲を制限するストッパピン221を取り付けている。
また、センサケース33や荷重センサのブロック体42の機械的強度が高いため、高い秤量に対しても、高い精度を安定的に維持することができる。
また、この台秤は、水分や塵埃、温度などの対策を講じているため、高精度を保つことができる。
このように、荷重検出ユニット30に装着する荷重センサを選択可能にすることで、外部振動の無い環境で使われる場合は、音叉振動子を備えた荷重センサを選択し、外部振動が有る環境で使われる場合は、歪みゲージを備えたロードセルを選択する、というように、顧客の使用環境に応じて荷重センサを切り替えることが可能になる。
なお、ここでは、並行する基礎フレームの間に2個のセンサケースを配置する例を示したが、3個以上のセンサケースで基礎フレーム間の間隔を維持するようにしても良い。また、2個のセンサケースを直線的に繋げたもの複数本用いて基礎フレーム間の間隔を維持するようにしても良い。
また、図17に示すように、載荷台(計量皿)83の大きさによって、荷重検出ユニット30の数や配置を変えるようにしても良い。
20 基礎フレーム
21 取付部材
22 取付部材
30 荷重検出ユニット
31 上面支持部材
32 分力緩衝装置
33 センサケース
35 蓋体
37 ボルト
41 音叉振動子
42 ブロック体
43 ボルト
51 ダイヤフラム
52 取付板
53 挟持板
80 ロードセル
81 ボルト孔
82 螺子孔
101 ストッパ片
221 ストッパピン
222 アジャスタ
311 取付部材
312 取付部材
313 楕円形孔
314 螺子
331 荷重センサ収容室
332 基板収容室
333 隔壁
334 空隙
335 通気孔
336 螺子孔
337 螺子孔
339 パッキン溝
340 凹部
341 ピン
342 螺子
343 多孔質膜
344 不織布
345 板金
351 孔
421 ボルト孔
422 螺子孔
531 孔
532 螺子
Claims (6)
- 被計量物を1または複数の荷重検出部で支えて計量する台秤であって、
前記荷重検出部が、
加えられた荷重を縮小して音叉振動子に伝えるブロック体に前記音叉振動子が結合された荷重センサと、
前記音叉振動子の信号をデジタル信号に変換する回路が搭載された基板と、
前記荷重センサ及び基板を収容するセンサケースと、
を備え、
前記センサケースが、ロストワックス法で鋳造されたステンレスにより構成され、並行する基礎フレームに直接結合されて、前記基礎フレーム間の間隔を維持することを特徴とする台秤。 - 請求項1に記載の台秤であって、前記センサケースが、前記荷重センサを収容する荷重センサ収容室と、前記基板を収容する基板収容室と、前記荷重センサ収容室及び基板収容室間の空気の流通を妨げる隔壁とを有し、前記荷重センサ収容室の通気が、前記荷重センサ収容室の底部に設けられた通気孔を通じてのみ可能であることを特徴とする台秤。
- 請求項2に記載の台秤であって、前記通気孔が、前記センサケースの外部から、多孔質膜に不織布を重ねたフィルタで塞がれるとともに、前記フィルタの外面が、前記フィルタの交換時に待避可能な板で抑えられており、前記板の周囲から前記フィルタに進入した外気が前記通気孔を経て前記荷重センサ収容室に入ることができ、前記荷重センサ収容室の空気が、逆のルートで外に出ることができることを特徴とする台秤。
- 請求項1から3のいずれか1つに記載の台秤であって、前記荷重センサのブロック体は、当該ブロック体の固定側に設けられた貫通孔にボルトが挿通されて前記荷重センサ収容室の底部に固定され、当該ブロック体の可動側に結合されたボルトから荷重を受けて変位する構造を有し、前記荷重センサが、固定側の前記荷重センサ収容室への固定構造及び可動側の前記ボルトとの結合構造が同一のロードセルと交換可能であることを特徴とする台秤。
- 被計量物を計量する台秤で用いる荷重検出ユニットであって、
加えられた荷重を縮小して音叉振動子に伝えるブロック体に前記音叉振動子が結合された荷重センサと、
前記音叉振動子の信号をデジタル信号に変換する回路が搭載された基板と、
前記荷重センサ及び基板を収容するセンサケースと、
を備え、
前記センサケースは、ロストワックス法で鋳造されたステンレスにより構成され、前記荷重センサを収容する荷重センサ収容室と、前記基板を収容する基板収容室と、前記荷重センサ収容室及び基板収容室間の空気の流通を妨げる隔壁とを有し、前記荷重センサ収容室の通気が、前記荷重センサ収容室の底部に設けられた通気孔を通じてのみ可能であることを特徴とする荷重検出ユニット。 - 請求項5に記載の荷重検出ユニットであって、前記通気孔が、前記センサケースの外部から、多孔質膜に不織布を重ねたフィルタで塞がれるとともに、前記フィルタの外面が、前記フィルタの交換時に待避可能な板で抑えられており、前記板の周囲から前記フィルタに進入した外気が前記通気孔を経て前記荷重センサ収容室に入ることができ、前記荷重センサ収容室の空気が、逆のルートで外に出ることができることを特徴とする荷重検出ユニット。
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