JPWO2010150513A1 - 電極構造体及び蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
出力密度が高く、繰り返し充放電効率が良好な電極構造体、及び該電極構造体を用いた蓄電デバイスを提供する。シリコン、スズ、及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する活物質粒子と、前記活物質粒子を結合するバインダーを含む電極材料からなる電極材料層を有する電極構造体において、前記バインダーの引張弾性率が2000MPa以上、破断強度が100MPa以上、破断伸度が20%以上120%以下、破断強度/破断伸度>1.4(MPa/%)であり、前記電極構造体の最高熱履歴温度が350℃未満且つ前記バインダーのガラス転移温度以下であり、前記活物質粒子の平均粒径が0.5μm以下である電極構造体及び該電極構造体を負極に用いた蓄電デバイス。
Description
本発明は、出力密度が高く、繰り返し充放電効率が良好な、リチウムイオンを蓄積・放出できる電極構造体、及び該電極構造体を有する蓄電デバイスに関する。
出力密度が高く、繰り返し充放電効率の高い蓄電デバイスの開発が要望されている。
シリコン、スズまたはそれらの合金を活物質として用い、電極構造体として負極に用いたリチウム二次電池は、出力密度は高いものの、充放電時における電極材料の体積膨張・収縮に伴う内部抵抗の増加による充放電効率の低下が問題となっている。
この問題を解決する一つの手段として電極構造体を構成する一成分であるバインダーの検討がなされている。
特許文献1では、バインダーの50MPa以上の引張強さ(破断強度)、10%以上の破断伸度、10000MPa以下の引張弾性率、バインダーのガラス転移温度よりも高い温度の熱履歴温度(焼成温度)を規定しており、0.8μmの粒径のシリコンやスズ元素を活物質として用いている電極構造体が開示されている。
特許文献1に記載された技術では、熱履歴温度が高いためにシリコンやスズの結晶成長が進み、その結果として粒径の増大、それによる容量の低下、充放電効率の低下が起こり易い。また、高い熱履歴温度では、工程中に吸着した酸素や水分による酸化が起こり易く、その結果としてシリコンまたはスズの酸化物の生成量が増し、そのため、充放電効率の低下が起き易かった。
本発明は、上記の課題を解決し、出力密度が高く、繰り返し充放電効率が良好な電極構造体、及び該電極構造体を用いた蓄電デバイスを提供するものである。
上記の課題を解決する電極構造体は、シリコン、スズ及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する活物質粒子と、前記活物質粒子を結合するバインダーを含む電極材料からなる電極材料層を有する電極構造体において、前記バインダーの引張弾性率が2000MPa以上、破断強度が100MPa以上、破断伸度が20%以上120%以下、破断強度/破断伸度>1.4(MPa/%)であり、前記電極材料を焼成して生成する電極構造体の最高熱履歴温度が350℃未満且つ前記バインダーのガラス転移温度以下であり、前記活物質粒子の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする。
また、上記の課題を解決する蓄電デバイスは、上記の電極構造体を用いた負極、リチウムイオン伝導体及び正極を具備し、リチウムの酸化反応及びリチウムイオンの還元反応を利用することを特徴とする。
なお、本発明において、蓄電デバイスは、キャパシタ、二次電池、キャパシタと二次電池の組み合わせたデバイス、またそれらに発電機能を組み込んだデバイスを含む概念である。
本発明によれば、出力密度が高く、繰り返し充放電効率が良好な電極構造体、及び該電極構造体を用いた蓄電デバイスを提供することができる。
特に、本発明によれば、電極構造体の一構成要素であるバインダーの機械物性値、および熱処理温度を規定することにより、活物質粒子の膨張、収縮による電極の崩壊を緩和することができる。その結果、本発明の電極構造体を用いた蓄電デバイスは、充放電の繰り返しによる内部抵抗の増加を抑え、繰り返し充放電効率を向上することが可能となる。特に、出力密度を向上させるために活物質粒子の粒径を小さくした場合に、その効果が顕著である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る電極構造体は、シリコン、スズ及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する活物質粒子と、前記活物質粒子を結合するバインダーを含む電極材料からなる電極材料層を有する電極構造体において、前記バインダーの引張弾性率が2000MPa以上、破断強度が100MPa以上、破断伸度が20%以上120%以下、破断強度/破断伸度>1.4(MPa/%)であり、前記電極材料を焼成して生成する電極構造体の最高熱履歴温度が350℃未満且つ前記バインダーのガラス転移温度以下であり、前記活物質粒子の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする。
[電極構造体]
以下、本発明の電極構造体の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下、本発明の電極構造体の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電極構造体の一実施形態を示す模式図であり、活物質粒子、バインダー及び集電体の関係を表している。図1において、図1に示す電極構造体104は、集電体100と、電極材料層103を有する。この電極材料層103は、シリコン、スズ及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する活物質粒子101と、前記活物質粒子101同士を結合するバインダー102とを含む電極材料から構成されている。電極材料層は、他に導電補助材などを含有していても良い。
また、本発明の電極構造体に用いられる活物質粒子101は、複数の一次粒子から構成される二次粒子であってもよい。
一方、図2は、本発明の電極構造体の他の実施形態を示す模式図であり、表層を有する活物質粒子201、バインダー202、電極材料層204及び集電体200の関係を表す模式図である。図2に示す電極構造体205は、活物質粒子201の構成が図1に示す電極構造体104と異なっており、その他の点は同様である。活物質粒子201は、その表面に金属酸化物を含む表層203を有している。なお、本発明及び本明細書において、「金属酸化物」は半金属の酸化物を含む概念である。
(電極構造体の構造の概要)
図3は、本発明の電極構造体の実施形態を、図1及び図2よりも実際の形状に近い図として示した、概略断面構造図である。
図3において、300は集電体、303は活物質粒子、304は導電補助材、305はバインダー、306は電極材料層、307は電極構造体である。
本発明の電極構造体は、電極材料層103、204、306内のバインダー102、202、305の引張弾性率、破断強度、破断伸度、破断強度/破断伸度の比、電極構造体104、205、307の最高熱履歴温度、および活物質粒子101、201、303の平均粒径が、それぞれ特定の範囲内に含まれることを特徴とする。
本発明の電極構造体は、電極材料層103、204、306内のバインダー102、202、305の引張弾性率、破断強度、破断伸度、破断強度/破断伸度の比、電極構造体104、205、307の最高熱履歴温度、および活物質粒子101、201、303の平均粒径が、それぞれ特定の範囲内に含まれることを特徴とする。
(機械物性値)
ここで、バインダー102、202、305の引張弾性率、破断強度、破断伸度、破断強度/破断伸度の比(これらを総称して「機械物性値」という。)について説明する。
ここで、バインダー102、202、305の引張弾性率、破断強度、破断伸度、破断強度/破断伸度の比(これらを総称して「機械物性値」という。)について説明する。
まず、バインダー102、202、305の引張弾性率は2000MPa以上である。この引っ張り弾性率は、2100MPa以上10000MPa以下であることが望ましい。前記活物質粒子101、201、303を結合するバインダー102、202、305の引張弾性率が高い方が、活物質粒子101、201、303が充放電により膨張収縮した際に電極材料層103、204、306全体の変形を小さくすることができる。そのため、電極材料層103、204、306と集電体100、200、300との密着性及び活物質粒子101、201、303同士の接触状態を良好に保つことが出来る。引張弾性率が2000Mpa未満の場合、膨張収縮した際の応力に対し変形が大きくなり、電極材料層と集電体との密着性、活物質粒子同士の接触状態を良好に保つことが困難となる。
また、バインダー102、202、305の破断強度は100MPa以上である。この破断強度は、110MPa以上400MPa以下であることが望ましい。バインダーの破断強度が100MPa未満の場合、活物質粒子101、201、303の膨張収縮による力が加わったときに電極材料層103、204、306の破断、あるいは電極材料層103、204、306の集電体100、200、300からの剥離が発生しやすくなる。
また、バインダー102、202、305の破断伸度は、20%以上120%以下である。この破断伸度は、30%以上110%以下であることが望ましい。バインダーの破断伸度が20%未満の場合、充電すなわちLi挿入時の活物質粒子101、201、303の膨張に耐え切れず、電極材料層103、204、306自体の破断、活物質粒子101、201、303同士の接触状態の悪化、電極材料層103、204、306の集電体100、200、300からの剥離等の問題が発生しやすい。また、破断伸度が120%をこえる場合、活物質粒子101、201、303の膨張に追随して電極材料層103、204、306が伸びることにより、活物質粒子101、201、303同士の距離が離れてしまう現象が生じやすく、その結果として電極構造体104、205、307の電気抵抗が増す問題が発生しやすい。
また、バインダー102、202、305の破断強度と破断伸度の値は、破断強度/破断伸度>1.4(MPa/%)の関係を有している。破断強度/破断伸度は、破断強度/破断伸度>1.8(MPa/%)であることが望ましい。破断強度/破断伸度が1.4(MPa/%)以下の場合、破断強度が大きい材料であっても電極材料層103、204、306が集電体100、200、300から剥離し易くなる。
次に、本発明におけるそれぞれの機械物性値の定義について述べる。
引張弾性率は、引張荷重に対する応力とひずみ(伸び)が、たとえば金属のように、荷重をかけた初めの段階で比例関係を保つ場合には、フックの法則が成り立ち、次式により算出される。
E=σ/ε
(但し、E:引張弾性率[MPa]、σ:破断強度[MPa]、ε:破断伸度[%]を示す。)
E=σ/ε
(但し、E:引張弾性率[MPa]、σ:破断強度[MPa]、ε:破断伸度[%]を示す。)
しかしながら、プラスチックに於いては一般にこのような比例関係を保たないため、JISK7113、ISO527−1をそのまま翻訳したJISK7161−1994が制定されている。
より具体的には、比例関係を保たない場合の引張弾性率は、引張応力−ひずみ曲線上にある2点の規定されたひずみの値をもとに、次式により算出される。
Et=(σ2―σ1)/(ε2―ε1)
(但し、Et:引張弾性率[MPa]、σ1:ひずみε1=0.0005の引張応力[MPa]、σ2:ひずみε2=0.0025の引張応力[MPa]を示す。)
Et=(σ2―σ1)/(ε2―ε1)
(但し、Et:引張弾性率[MPa]、σ1:ひずみε1=0.0005の引張応力[MPa]、σ2:ひずみε2=0.0025の引張応力[MPa]を示す。)
破断強度は、引張強さ、引張応力とも呼ばれ、次式により算出される。
σ=F/A
(但し、σ:破断強度[MPa]、F:測定荷重[N]、A:試験片のはじめの断面積[mm2]、Pa=N/m2を示す。)
(但し、σ:破断強度[MPa]、F:測定荷重[N]、A:試験片のはじめの断面積[mm2]、Pa=N/m2を示す。)
破断伸度は、引張ひずみとも呼ばれる。破断伸度をεとすると、次式により算出される。
ε=ΔL0/L0
(但し、ε:破断伸度[%]、L0:試験片の標線間距離[mm]、ΔL0:試験片の標線間距離の増加[mm]を示す。)
これら破断強度及び破断伸度はJIS K6782に記載された方法により測定される。
(但し、ε:破断伸度[%]、L0:試験片の標線間距離[mm]、ΔL0:試験片の標線間距離の増加[mm]を示す。)
これら破断強度及び破断伸度はJIS K6782に記載された方法により測定される。
(最高熱履歴温度)
電極構造体104、205、307の最高熱履歴温度について説明する。
最高熱履歴温度とは、電極材料を焼成して生成する電極材料層を形成する際の最大の熱処理温度である。
電極構造体104、205、307の最高熱履歴温度について説明する。
最高熱履歴温度とは、電極材料を焼成して生成する電極材料層を形成する際の最大の熱処理温度である。
本発明において、電極材料を焼成して生成する電極構造体の最高熱履歴温度は350℃未満である。350℃以上の最高熱履歴温度を有する場合、活物質粒子を構成するシリコンやスズの結晶成長が進み、その結果として粒径の増大、それによる高容量化の抑制、繰り返し充放電効率の低下が起こる。さらに、バインダーに与える影響を加味し、電極構造体の最高熱履歴温度はバインダーのガラス転移温度以下とする。また、電極構造体の最高熱履歴温度は250℃未満とすることがより好ましい。
この際、熱履歴温度が高くなると電極材料層に含有される酸素あるいは水分と反応して活物質であるシリコンやスズの酸化が進むし、微粒子化してある活物質であるシリコンやスズの粒子が大きくなるし、それらの結晶子サイズも大きくなる。特に硬化温度が350℃以上である場合、バインダーの硬化に伴う収縮が大きくなり、電極材料層が固く脆くなる傾向にある。
以上に述べたようなバインダーを用いることにより、より効果的に高容量化、繰り返し充放電特性の向上を達成することが出来る。
(活物質粒子)
本発明において、活物質粒子101、201、303は、シリコン、スズ、またはそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している粉末材料である。
本発明において、活物質粒子101、201、303は、シリコン、スズ、またはそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している粉末材料である。
活物質粒子101、201、303は、シリコンもしくはスズと共晶組成の金属の微結晶を含んでいることが好ましい。共晶組成を採用することで、シリコンもしくはスズの結晶子サイズをより小さくすることが可能である。上記シリコンもしくはスズの微結晶の結晶子サイズは1から30nmの範囲にあることが好ましい。結晶子サイズが大き過ぎると、電極を形成しリチウムイオン(以下、リチウムイオンを、単に「リチウム」あるいは「Li」と表記する場合がある。)を電気化学的に挿入、脱離(挿入、放出)する場合、局所的な反応が起きやすく、電極の寿命を低下させる要因になる。結晶子サイズが小さすぎると、電極の抵抗が増すことになる。上記粉末材料の(一次粒子が複数集まって二次粒子を形成している場合には当該二次粒子の)平均粒径は、前述したように0.5μm以下であり、0.2μm以下の範囲であることが好ましい。その理由としては、以下の点を挙げることができる。まず、粒径が0.5μm以下であることにより、リチウムイオンのより均一な拡散が起きるため、この活物質粒子の特徴である高容量という性能を十分に発揮することが出来る。また、リチウムイオンの挿入、放出に伴う膨張収縮による活物質粒子のクラックの発生が抑制され、サイクル寿命が向上する。また、より平滑な電極表面を得ることができる。
このような活物質粒子の小粒径を維持するためにも、上述した最高熱履歴温度が350℃未満且つ前記バインダーのガラス転移温度以下、好ましくは250℃未満という条件が重要である。
前記活物質粒子を構成する材料は、さらにカーボンと複合化されてもよい。その場合、前記材料に対する複合化される炭素元素の重量比率は、0.05以上1.0以下であることが好ましい。
図2に示すように、前記活物質粒子(一次粒子)201が、その表面に金属酸化物を含む表層203を有している場合、活物質粒子(二次粒子)は、シリコン、スズ及びそれらの少なくとも一方を含む合金から選ばれる群からなる少なくとも1種を含有する複数の一次粒子を構成要素として含む。この一次粒子は、厚さ1nm以上10nm以下の非晶質の表層203を有する直径5nm以上200nm以下の結晶粒子からなることが好ましい。また、表層203に含まれる金属酸化物が酸化シリコンもしくは酸化スズより熱力学的に安定である(前記金属酸化物を構成する金属の酸化で生成される時のギブスの自由エネルギーが、シリコンまたはスズを酸化させた場合に生成するギブスの自由エネルギーよりも小さい)ことが好ましい。
表層203に含まれる金属酸化物を構成する金属(半金属を含む)の具体例としては、Li,Be,B,Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Zn,Ga,Y,Zr,Nb,Mo,Ba,Hf,Ta,W,Th,La,Ce,Nd,Sm,Eu,Dy,Er,から選択される一種類以上の金属が挙げられる。より好ましくは、Li,Mg,Al,Ti,Y,Zr,Nb,Hf,Ta,Th,La,Ce,Nd,Sm,Eu,Dy,Er,から選択される一種類以上の金属が用いられる。W,Ti,Mo,Nb,Vから選択される遷移金属元素の酸化物並びにリチウム−遷移金属酸化物はリチウムのインターカレーション並びにデインターカレーションが可能で、リチウムイオンの拡散が速く、リチウムイオンがインターカレートした場合も体積膨張が少ない材料である。上記金属元素の中で空気中で安定で取り扱いが容易な点を考慮すると、最も好ましい元素としては、Zr,Alが挙げられる。Zr,Alの酸化物は化学的に安定である。特にAlは、Zrより、融点が低く酸化物を形成しやすく、安価であるという点でさらに好ましい。
金属酸化物を含む表層203を有する活物質粒子201を用いることにより、本発明はより効果的にその効果を発揮するものである。なぜならば、この金属酸化物は、シリコンやスズの酸化を防止する機能を有するからである。
シリコン、スズ、またはそれらの合金の微粒子単体では、電極製造工程中あるいはその後に、雰囲気中(たとえば空気中)の酸素並びに水分と反応し酸化され易い。
とりわけ、活物質粒子の平均粒径が0.5μm以下の場合、表面積が大きく、反応面積が大きいので、電極製造工程中などに混入する酸素あるいは水分と反応して、シリコンまたはスズの酸化物を生成するおそれが大きい。シリコン又はスズが酸化してしまうと、蓄電デバイスに組み込んだ場合、蓄電容量は低下し、充放電の効率も低下することになる、という問題がある。
表層中の金属酸化物は、シリコンやスズの酸化を防止し、このような問題の発生を防止することができる。すなわち、活物質粒子が金属酸化物からなる表層で覆われていることで、酸化が抑制され、電極製造工程やその後の取り扱いが容易となる。また、長期保存した場合でも化学変化が少なく安定なために、蓄電デバイスの電極材料に用いた場合に安定な性能を示すことができる。この酸化を抑制する効果は、活物質粒子の平均粒径が0.2μm以下の場合にはより顕著になる。
表層中の金属酸化物は、シリコンやスズの酸化を防止し、このような問題の発生を防止することができる。すなわち、活物質粒子が金属酸化物からなる表層で覆われていることで、酸化が抑制され、電極製造工程やその後の取り扱いが容易となる。また、長期保存した場合でも化学変化が少なく安定なために、蓄電デバイスの電極材料に用いた場合に安定な性能を示すことができる。この酸化を抑制する効果は、活物質粒子の平均粒径が0.2μm以下の場合にはより顕著になる。
さらに、前記電極材料層103を構成する電極材料に含有されるシリコン、スズ及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる活物質粒子101,102の含有量が、前記電極材料の30重量%以上98重量%以下、好ましくは50重量%以上90重量%以下の範囲であることが、高い出力容量と高い繰り返し充放電効率を得る上で好ましい。
(活物質の調製方法)
活物質粒子の調製方法としては、直接遊星ボールミル,振動ボールミル,コニカルミル,チューブミル等のボールミルや、アトライタ型,サンドグラインダ型,アニラーミル型,タワーミル型等のメディアミル、ビーズミル等による粉砕が好適なものとして挙げられる。また、原料を分散したスラリーを高圧で衝突させて所望の粒径の活物質粒子を得る方法も好適に用いられ得る。これらの方法を用いて、活物質粒子を所望の大きさになるよう調製する。
活物質粒子の調製方法としては、直接遊星ボールミル,振動ボールミル,コニカルミル,チューブミル等のボールミルや、アトライタ型,サンドグラインダ型,アニラーミル型,タワーミル型等のメディアミル、ビーズミル等による粉砕が好適なものとして挙げられる。また、原料を分散したスラリーを高圧で衝突させて所望の粒径の活物質粒子を得る方法も好適に用いられ得る。これらの方法を用いて、活物質粒子を所望の大きさになるよう調製する。
また、シリコン、スズまたはこれらの少なくとも一方を含む合金を含有する一次粒子に金属酸化物から成る非晶質の表層を形成する場合、以下に挙げる方法が好適に適用される。シリコン、スズまたはこれらの少なくとも一方を含む合金と金属を混合し、溶融し溶湯を形成した後、アトマイゼイション法(噴霧法)法、gun法、単ロール法、あるいは双ロール法にて急冷して、粉末あるいはリボン状の材料を得ることができる。こうして得た材料に対し、所望の粒径となるよう、上記の方法にて一次粒子の粒径を調整する。このようにして得られた一次粒子に対して、さらに熱プラズマ法、放電プラズマ焼結法等の方法を用いて、非晶質の表層を形成することが出来る。
[バインダー]
本発明におけるバインダーに用いられる材料は、所定の機械物性値を有する材料であれば特に限られるものではく、例えばポリ四フッ化エチレン,ポリフッ化ビリニデン等のフッ素樹脂,ポリアミドイミド、ポリイミド、スチレン−ブタジエンラバー、吸水性を低減した変性ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂−カルボキシメチルセルロース等の有機高分子材料が好適なものとして挙げられる。
本発明におけるバインダーに用いられる材料は、所定の機械物性値を有する材料であれば特に限られるものではく、例えばポリ四フッ化エチレン,ポリフッ化ビリニデン等のフッ素樹脂,ポリアミドイミド、ポリイミド、スチレン−ブタジエンラバー、吸水性を低減した変性ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂−カルボキシメチルセルロース等の有機高分子材料が好適なものとして挙げられる。
これらの中で、特にポリイミドあるいはポリアミドイミドが好適である。一般的に知られているように、ポリイミドあるいはポリアミドイミドは非常に強靱且つ伸縮性に富む材料であり、フィルムとして加工も可能であり、電極構造材料として用いるには最適と考えられる。
充放電の繰り返しを行なっても活物質粒子間の結着を維持し、より大きな電気量を蓄える負極の性能を発揮する上で、電極材料中のバインダーの含有量は、2重量%以上30重量%以下が好ましく、5重量%以上20重量%以下がより好ましい。
前記電極構造体は、活物質粒子とバインダー、さらに導電補助剤を含むことが好ましい。
[導電補助材]
電極材料層に用いられる導電補助材としては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの非晶質炭素,黒鉛構造炭素,カーボンナノファイバー,カーボンナノチューブなどのカーボン材料が好適に用いられ得る。さらに、ニッケル、銅、銀、チタン、白金、コバルト、鉄、クロム等も導電補助材として用いることができる。上記カーボン材料は電解液を保持でき、比表面積も大きいことから好ましい。上記導電補助材の形状として好ましくは、球状、フレーク状、フィラメント状、繊維状、スパイク状、針状などから選択される形状を採用することができる。さらに、異なる二種類以上の形状の粉末を採用することにより、電極材料層の充填密度を上げて電極構造体の電気抵抗(インピーダンス)を低減することができる。
電極材料層に用いられる導電補助材としては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの非晶質炭素,黒鉛構造炭素,カーボンナノファイバー,カーボンナノチューブなどのカーボン材料が好適に用いられ得る。さらに、ニッケル、銅、銀、チタン、白金、コバルト、鉄、クロム等も導電補助材として用いることができる。上記カーボン材料は電解液を保持でき、比表面積も大きいことから好ましい。上記導電補助材の形状として好ましくは、球状、フレーク状、フィラメント状、繊維状、スパイク状、針状などから選択される形状を採用することができる。さらに、異なる二種類以上の形状の粉末を採用することにより、電極材料層の充填密度を上げて電極構造体の電気抵抗(インピーダンス)を低減することができる。
上記導電補助材の粒子(二次粒子)の平均粒径は0.5μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましい。上記導電補助材の一次粒子の平均粒径は、10から100nmの範囲が好ましく、10から50nmの範囲がより好ましい。上記導電補助材の前記バインダーに対する重量比率は、導電補助材料の密度にもよるが、0.15から40の範囲が好ましい。導電補助材の一次粒子の平均粒径が10から100nmの範囲のものであれば、上記導電補助材の前記バインダーに対する重量比率は、0.17から1.0の範囲がより好ましい。
〔集電体〕
本発明の電極構造体に用いられる集電体は、充電時の電極反応で消費する電流を効率よく供給する、あるいは放電時に発生する電流を集電する役目を担っている。特に電極構造体を蓄電デバイスの負極に適用する場合、集電体を形成する材料としては、電気伝導度が高く、且つ、蓄電デバイスの電極反応に不活性な材質が望ましい。好ましい材質としては、銅,ニッケル,鉄,ステンレススチール,チタン,白金,アルミニウムから選択される一種類以上の金属材料から成るものが挙げられる。より好ましい材料としては安価で電気抵抗の低い銅が用いられる。比表面積を高めたアルミニウム箔も用いることができる。また、集電体の形状としては、板状であるが、この“板状”とは、厚みについては実用の範囲上で特定されず、厚み約5μmから100μm程度の“箔”といわれる形態をも包含する。上記集電体に銅箔を用いる場合、特に銅箔としては、Zr,Cr,Ni,Si等を適宜含有させた、機械的強度の強い(高耐力)の銅箔が電極層の充放電時の膨張収縮の繰り返しに耐性があるので、好ましい。また、板状であって、例えばメッシュ状、スポンジ状、繊維状をなす部材、パンチングメタル、表裏両面に三次元の凹凸パターンが形成されたメタル、エキスパンドメタル等を採用することもできる。上記三次元の凹凸パターンが形成された板状あるいは箔状金属は、例えば、マイクロアレイパターンあるいはラインアンドスペースパターンを表面に設けた金属製もしくはセラミック製のロールに圧力をかけて、板状あるいは箔状の金属に転写することで、作製できる。特に、三次元の凹凸パターンが形成された集電体を採用した蓄電デバイスには、充放電時の電極面積あたりの実質的な電流密度の低減、電極層との密着性の向上、機械的強度の向上に起因する充放電の電流特性の向上と充放電サイクル寿命の向上の効果がある。
本発明の電極構造体に用いられる集電体は、充電時の電極反応で消費する電流を効率よく供給する、あるいは放電時に発生する電流を集電する役目を担っている。特に電極構造体を蓄電デバイスの負極に適用する場合、集電体を形成する材料としては、電気伝導度が高く、且つ、蓄電デバイスの電極反応に不活性な材質が望ましい。好ましい材質としては、銅,ニッケル,鉄,ステンレススチール,チタン,白金,アルミニウムから選択される一種類以上の金属材料から成るものが挙げられる。より好ましい材料としては安価で電気抵抗の低い銅が用いられる。比表面積を高めたアルミニウム箔も用いることができる。また、集電体の形状としては、板状であるが、この“板状”とは、厚みについては実用の範囲上で特定されず、厚み約5μmから100μm程度の“箔”といわれる形態をも包含する。上記集電体に銅箔を用いる場合、特に銅箔としては、Zr,Cr,Ni,Si等を適宜含有させた、機械的強度の強い(高耐力)の銅箔が電極層の充放電時の膨張収縮の繰り返しに耐性があるので、好ましい。また、板状であって、例えばメッシュ状、スポンジ状、繊維状をなす部材、パンチングメタル、表裏両面に三次元の凹凸パターンが形成されたメタル、エキスパンドメタル等を採用することもできる。上記三次元の凹凸パターンが形成された板状あるいは箔状金属は、例えば、マイクロアレイパターンあるいはラインアンドスペースパターンを表面に設けた金属製もしくはセラミック製のロールに圧力をかけて、板状あるいは箔状の金属に転写することで、作製できる。特に、三次元の凹凸パターンが形成された集電体を採用した蓄電デバイスには、充放電時の電極面積あたりの実質的な電流密度の低減、電極層との密着性の向上、機械的強度の向上に起因する充放電の電流特性の向上と充放電サイクル寿命の向上の効果がある。
(電極材料層の密度)
また、前記電極材料層の密度は、0.5g/cm3以上3.5g/cm3以下であることが好ましい。
また、前記電極材料層の密度は、0.5g/cm3以上3.5g/cm3以下であることが好ましい。
本発明の電極構造体は、電気化学デバイスの電極、とくに蓄電デバイスの電極に用いられる。また、他の用途として電気分解用電極または電気化学合成用電極としても好適に使用可能である。
[電極構造体の作成方法]
本発明の電極構造体は、たとえば以下の手順で作製する。
本発明の電極構造体は、たとえば以下の手順で作製する。
活物質粒子,導電補助材,バインダーの原料を、所望の粒径となるよう調製した後、互いに混合し、適宜バインダーの溶媒等を添加してスラリーを調製する。調製したスラリーを集電体300上に周知の塗工装置で塗工し、その後、所定の熱履歴温度(焼成温度)にて電極材料層306の焼成を行なう。その後、ロールプレス機等の装置で加圧し、所望の厚みならびに密度となるよう調整し、電極構造体307を形成する。
なお、前記手順で得られたスラリーの粘度調整をした後、エレクトロスピニング装置を用い、集電体としての銅箔とエレクトロスピニング装置のノズル間に高電圧を印加して、集電体上に電極材料層306を形成することも可能である。
より具体的な作製方法は、以下のようなものである。
(1)活物質である粉末材料に、導電補助材粉末、本発明によるバインダー成分を混合し、適宜、バインダー成分の溶媒を添加し混練してスラリーを調製する。電極材料層内の空隙を積極的に形成する場合には、焼成時の加熱により窒素ガスを発生する、アゾジカルボンアミドやP,P’−オキシビスベンゼンスルホニルジドラジド等の発泡剤を添加してもよい。
(2)前記スラリーを集電体上に塗布し電極材料層を形成し、乾燥し、電極構造体を形成する。さらに上記したように350℃未満且つバインダー成分のガラス転移温度以下、より好ましくは250℃未満の条件で焼成し、プレス機で電極材料層の密度と厚みを調整する。
(3)上記(2)で得られた電極構造体を蓄電デバイスのハウジングにあわせて、適宜切断して電極形状を整え、必要に応じて、電流取り出しの電極タブを溶接して、負極を作製する。
上記の塗布方法としては、例えば、コーター塗布方法、スクリーン印刷法が適用できる。また、溶剤を添加することなく上記活物質の粉末材料と、導電補助材、バインダー成分とを、集電体上に加圧成形して、電極材料層を形成することも可能である。なお、本発明の蓄電デバイスの負極用電極材料層の密度は、0.5から3.5g/cm3の範囲であることが好ましく、0.9から2.5g/cm3の範囲であることがより好ましい。電極材料層の密度が大き過ぎるとリチウムの挿入時の膨張が大きくなり、集電体からの剥離が発生し易くなる。また、電極材料層の密度が小さすぎると、電極構造体の電気抵抗が大きくなるために、充放電効率の低下、電池の放電時の電圧降下が大きくなる。
[蓄電デバイス]
次に、本発明に係る蓄電デバイスは、上記の電極構造体を用いた負極、リチウムイオン伝導体及び正極を具備し、リチウムの酸化反応及びリチウムイオンの還元反応を利用することを特徴とする。正極は、正極活物質層と集電体とから成ることを特徴とする。
次に、本発明に係る蓄電デバイスは、上記の電極構造体を用いた負極、リチウムイオン伝導体及び正極を具備し、リチウムの酸化反応及びリチウムイオンの還元反応を利用することを特徴とする。正極は、正極活物質層と集電体とから成ることを特徴とする。
図4は、リチウムイオンの還元酸化反応を利用した蓄電デバイスの基本構成を示す模式図である。図4の蓄電デバイスにおいて、401は負極、403はリチウムイオン伝導体、402は正極、404は負極端子、405は正極端子、406は電槽(ハウジング)である。
この蓄電デバイスに対して充電を行う場合、リチウムイオンが、正極402からイオン伝導体403を通過して負極401に到達し、負極の活物質中に挿入される。リチウムイオンが活物質中に挿入される際には、一般に該活物質の体積が増加する。負極401に、本発明の電極構造体307を用いれば、前記体積の増加による負極の変形が少なく済むだけでなく、負極の変形に伴って起こる活物質粒子同士、活物質粒子と集電体の間での接触抵抗の増加といった不具合の発生が低減できる。その結果として、高出力密度の蓄電デバイスの、繰り返し充放電効率の向上が可能となる。
(正極402)
正極402は、遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物から選択される遷移金属化合物粒子からなり、非晶質の表層を有する粒子、金属酸化物半金属を含む酸化物で複合化されている粉末材料から少なくとも構成されることが好ましい。
正極402は、遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物から選択される遷移金属化合物粒子からなり、非晶質の表層を有する粒子、金属酸化物半金属を含む酸化物で複合化されている粉末材料から少なくとも構成されることが好ましい。
前記正極活物質は、遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物から選択される遷移金属化合物もしくはカーボン材料から成る。さらに、上記正極活物質は、非晶質相を有し、Mo,W,Nb,Ta,V,B,Ti,Ce,Al,Ba,Zr,Sr,Th,Mg,Be,La,Ca,Yから選択される元素を主成分とする酸化物もしくは複合酸化物で複合化されているのがより好ましい。さらに、前記複合化された酸化物もしくは複合酸化物の含有量は、上記複合化された正極活物質の1重量%以上20重量%以下であり、その充放電電気量への寄与率は20%以下である、ことが好ましい。
前記正極活物質が10から3000m2/gの範囲の比表面積を有するカーボン材料とも複合化されていることが好ましい。
前記カーボン材料が、活性炭,メソポーラスカーボン,炭素繊維,カーボンナノチューブから選択されるカーボン材料であることが好ましい。
前記複合化した正極活物質の結晶子サイズが100nm以下であることが好ましい。
前記複合化した正極材料の製造方法の一例としては、遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物から選択される活物質に複合化する遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物から選択される金属酸化物材料とを混合し、振動ミルやアトライタ等のミルをもちい、メカニカルミリングし複合化する(メカニカルアロイングする)方法が挙げられる。
前述した本発明の活物質を負極に用いた蓄電デバイスの対極となる正極402には、大きく分けて以下の3通りの場合がある。
(1)エネルギー密度を高めるためには、放電時の電位が比較的平坦な結晶性のリチウム−遷移金属酸化物もしくはリチウム−遷移金属リン酸化合物を正極の活物質に使用する。上記正極活物質に含有される遷移金属元素としては、Ni,Co,Mn,Fe,Crなどが主元素としてより好ましく用いられる。
(2)上記(1)の正極の場合より、出力密度を上げたい場合には、正極の活物質に非晶質性の、遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物を使用する。上記正極活物質の結晶子サイズは10nm以上100nm以下であることが好ましく10nm以上50nm以下であることがより好ましい。上記正極活物質の主元素の遷移金属元素としては、Mn,Co,Ni,Fe,Crから選択される元素がより好適に用いられる。上記正極の活物質は、結晶粒子が小さく、かつ比表面積が大きく、そのためリチウムイオンのインターカレーション反応のみならずイオンの表面の吸着反応をも利用できるために、上記(1)の正極より出力密度を高められると推測される。上記正極活物質は、Mo,W,Nb,Ta,V,B,Ti,Ce,Al,Ba,Zr,Sr,Th,Mg,Be,La,Ca,Yから選択される元素を主成分とする酸化物もしくは複合酸化物と複合化されているのが、好ましい。前記負極活物質の場合と同様に、正極活物質も上記酸化物で複合化することで結晶粒子を小さくでき、非晶質化も促進する。これに加えて、正極活物質の電子伝導性を高めるために、非晶質カーボン,カーボンナノファイバー(ナノメートルオーダーの炭素繊維),カーボンナノチューブ,黒鉛粉末等のカーボン材料を正極活物質に複合化するのも好ましい。
(3)高出力密度を得たい場合には、正極の活物質に、活性炭,メソポーラスなカーボン(メソ領域の細孔が多く発達したカーボン、言いかえるとメソ領域の孔を多数有したカーボン材料),カーボンナノファイバー(ナノメートルオーダーの炭素繊維),カーボンナノチューブ,粉砕処理等で比表面積を高めた黒鉛等の高比表面積及び/又は多孔質のカーボン材料、高比表面積の金属酸化物(半金属の酸化物を含む)を使用する。この場合、蓄電デバイスのセルの組立時に予め負極にリチウムを蓄えておくか、正極に予めリチウムを蓄えておく必要がある。その方法としては、リチウム金属を負極もしくは正極に接触させ短絡させてリチウムを導入するか、リチウム−金属酸化物又はリチウム−半金属の酸化物として活物質中に導入しておく方法がある。
また、上記正極活物質を多孔質化することで、さらに出力密度を高めることができる。さらに、上記(3)の材料を複合化しても良い。上記正極の活物質にデインターカレート可能なリチウムが含有されていない場合には、(3)と同様に負極か正極に予め金属リチウムを接触させるなどして、リチウムを蓄えておく必要がある。また、上記(1)、(2)、(3)の正極の活物質に電気化学的にイオンを蓄えることのできる導電性高分子等の高分子を複合化することも可能である。
(正極活物質)
上記(1)の正極活物質に用いる結晶質のリチウム−遷移金属酸化物もしくはリチウム−遷移金属リン酸化合物としては、リチウム二次電池に使用可能な遷移金属元素がCo,Ni,Mn,Fe,Cr等の酸化物もしくはリン酸化合物が使用できる。上記化合物は、リチウム塩もしくは水酸化リチウムと遷移金属の塩とを所定の比率で混合して(リン酸化合物を調製する場合には、さらにリン酸等を加えて)、700℃以上の高温で反応させることによって得ることができる。また、ゾル−ゲル法などの手法を用いて、上記正極活物質の微粉末を得ることもできる。
上記(1)の正極活物質に用いる結晶質のリチウム−遷移金属酸化物もしくはリチウム−遷移金属リン酸化合物としては、リチウム二次電池に使用可能な遷移金属元素がCo,Ni,Mn,Fe,Cr等の酸化物もしくはリン酸化合物が使用できる。上記化合物は、リチウム塩もしくは水酸化リチウムと遷移金属の塩とを所定の比率で混合して(リン酸化合物を調製する場合には、さらにリン酸等を加えて)、700℃以上の高温で反応させることによって得ることができる。また、ゾル−ゲル法などの手法を用いて、上記正極活物質の微粉末を得ることもできる。
上記(2)の正極活物質としては、遷移金属元素がCo,Ni,Mn,Fe,Cr,V等である、リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物,遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物,が用いられ、結晶子サイズの小さい非晶質相を有しているのが好ましい。上記非晶質相を有する遷移金属酸化物もしくは遷移金属リン酸化合物は、結晶質の、リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物,遷移金属酸化物,リン酸化合物を、遊星型ボールミル,振動ミル,アトライタ等でのメカニカルミリングで非晶質化して得られる。上記ミルを用いて、原料を直接混合し、メカニカルアロイングし、適宜熱処理を施しても非晶質化した、リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物,遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物を調製することもできる。また、原料の、塩,錯体,アルコキサイドの溶液からゾル−ゲル法等の反応から得られた酸化物等を、熱処理することで得ることができる。1000℃を超える温度での熱処理は、上記遷移金属酸化物の細孔容積を減少させ、結晶化を進めることになり、結果として比表面積は低下し、高電流密度での充放電特性の性能低下を招くことになる。前記正極活物質の結晶子サイズは100nm以下が好ましく50nm以下であることがより好ましく、そのような結晶子サイズの正極活物質からはリチウムイオンのインターカレーションとデインターカレーション並びにリチウムイオンの吸着と脱離の反応がより速い正極が作製される。
上記(3)の正極活物質に用いる高比表面積及び/又は多孔質のカーボンの例としては、有機高分子を不活性ガス雰囲気下で炭化して得られるカーボン材料、該炭化材料をアルカリ等の処理で細孔を形成したカーボン材料が挙げられる。また、両親媒性の界面活性剤存在下で作製された細孔の配向した酸化物等の鋳型に、有機高分子材料を挿入し炭化し、金属酸化物をエッチング除去して得られる、メソポーラスカーボンも正極活物質に使用できる。上記カーボン材の比表面積としては、10から3000m2/gの範囲であることが好ましい。上記カーボン材料以外にも、高比表面積のマンガン酸化物等の遷移金属酸化物も使用できる。
また、本発明の、高エネルギー密度を有し、かつある程度の出力密度を有する正極活物質としては、遷移金属元素がCo,Ni,Mn,Fe,Cr,V等の、リチウム−遷移金属酸化物,リチウム−遷移金属リン酸化合物,遷移金属酸化物,遷移金属リン酸化合物から選択される活物質からなり、非晶質相を有する粒子が、Mo,W,Nb,Ta,V,B,Ti,Ce,Al,Ba,Zr,Sr,Th,Mg,Be,La,Ca,Yから選択される元素を主成分とする酸化物もしくは複合酸化物と複合化されており、複合化のために加えた該酸化物もしくは複合酸化物は上記複合化された全正極活物質の1重量%以上20重量%以下の範囲、より好ましくは2重量%以上10重量%以下の範囲を占める。上記重量範囲を複合化する酸化物もしくは複合酸化物が超えて含有された場合は、正極の蓄電容量を低下させることになる。上記酸化物もしくは複合酸化物の充放電電気量への寄与は20%以下であることが望ましい。上記正極活物質は、複合化することにより、本発明の負極材料と同様に、その粒子サイズを小さくできるので、正極活物質の充放電での利用率が高まり、充放電での電気化学反応がより均一かつより速く起きる。その結果、エネルギー密度も出力密度も向上する。また、上記酸化物はリチウムとの複合酸化物等のリチウムイオン伝導体であることが望ましい。
上記複合化時に、さらに、非晶質カーボン,メソポーラスなカーボン(メソ領域の孔を多数有したカーボン材料),カーボンナノファイバー(ナノメートルオーダーの炭素繊維),カーボンナノチューブ,粉砕処理等で比表面積を高めた黒鉛のカーボン材料を正極材料に複合化するのも好ましい。
さらに、上記正極活物質に前記(1),(2),(3)の材料から選択される2種以上の材料を混合して使用してもよい。
(正極の作製方法)
本発明の蓄電デバイスに用いる正極は、集電体上に電極材料層(正極活物質の層)を形成して作製される。本発明の正極は、負極を説明した図3の模式断面構造の電極構造体307のシリコン、スズ、またはそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している材料の粉末粒子303に替えて前述の正極活物質を採用したものを使用する。
本発明の蓄電デバイスに用いる正極は、集電体上に電極材料層(正極活物質の層)を形成して作製される。本発明の正極は、負極を説明した図3の模式断面構造の電極構造体307のシリコン、スズ、またはそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有している材料の粉末粒子303に替えて前述の正極活物質を採用したものを使用する。
正極に用いる電極構造体は、以下の手順で作製する。
(1)正極活物質に、導電補助材粉末、結着剤を混合し、適宜結着剤の溶媒を添加し混練してスラリー調製する。
(1)正極活物質に、導電補助材粉末、結着剤を混合し、適宜結着剤の溶媒を添加し混練してスラリー調製する。
(2)前記スラリーを集電体上に塗布し電極材料層(活物質層)を形成し、乾燥し、電極構造体を形成する。さらに必要に応じて、100から300℃の範囲で減圧乾燥し、プレス機で電極材料層の密度と厚みを調整する。
(3)上記(2)で得られた電極構造体を蓄電デバイスのハウジングにあわせて、適宜切断して電極形状を整え、必要に応じて、電流取り出しの電極タブを溶接して、正極を作製する。
上記の塗布方法としては、例えば、コーター塗布方法、スクリーン印刷法が適用できる。また、溶剤を添加することなく上記正極活物質と、導電補助材、結着剤とを、集電体上に加圧成形して、電極材料層を形成することも可能である。なお、本発明の電極材料層の密度は、0.5から3.5g/cm3の範囲であることが好ましく、0.6から3.5g/cm3の範囲であることがより好ましい。上記電極層の密度範囲において、高出力密度用電極には電極層の密度を低く、高エネルギー密度用電極には電極層の密度を高く設定する。
(正極用導電補助材)
前記本発明の電極構造体に用いられる導電補助材と同様のものを使用することができる。
前記本発明の電極構造体に用いられる導電補助材と同様のものを使用することができる。
(正極用集電体)
本発明の正極の集電体も、本発明の電極構造体に用いられる集電体と同様のものを用いることができる。より具体的な集電体を形成する材料としては、電気伝導度が高く、かつ蓄電デバイスの充放電による電気化学反応に不活性な材料が望ましく、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレススチール、チタン、白金から選択される一種類以上の金属材料からなるものが挙げられる。
本発明の正極の集電体も、本発明の電極構造体に用いられる集電体と同様のものを用いることができる。より具体的な集電体を形成する材料としては、電気伝導度が高く、かつ蓄電デバイスの充放電による電気化学反応に不活性な材料が望ましく、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレススチール、チタン、白金から選択される一種類以上の金属材料からなるものが挙げられる。
(正極用バインダー)
正極用バインダーとしては、本発明の電極構造体に用いられるバインダーを同様に使用することができるが、活物質の反応に有効な表面積がより大きくできるように、活物質表面を被覆しにくい、ポリ四フッ化エチレン,ポリフッ化ビリニデン等のフッ素樹脂,スチレン−ブタジエンラバー、変性アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等の高分子材料をバインダー成分に用いるのがより好ましい。充放電の繰り返しでも活物質の結着を維持し、より大きな電気量を蓄える正極の性能を発揮する上で、正極の電極材料層の上記バインダーの含有量は、1から20重量%が好ましく、2から10重量%が、より好ましい。
正極用バインダーとしては、本発明の電極構造体に用いられるバインダーを同様に使用することができるが、活物質の反応に有効な表面積がより大きくできるように、活物質表面を被覆しにくい、ポリ四フッ化エチレン,ポリフッ化ビリニデン等のフッ素樹脂,スチレン−ブタジエンラバー、変性アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等の高分子材料をバインダー成分に用いるのがより好ましい。充放電の繰り返しでも活物質の結着を維持し、より大きな電気量を蓄える正極の性能を発揮する上で、正極の電極材料層の上記バインダーの含有量は、1から20重量%が好ましく、2から10重量%が、より好ましい。
(イオン伝導体403)
本発明の蓄電デバイスに好適に用いられるイオン伝導体には、電解液(電解質を溶媒に溶解させて調製した電解質溶液)を保持させたセパレータ、固体電解質、電解液を高分子ゲルなどでゲル化した固形化電解質、高分子ゲルと固体電解質の複合体、イオン性液体などのイオン伝導体が使用できる。
本発明の蓄電デバイスに好適に用いられるイオン伝導体には、電解液(電解質を溶媒に溶解させて調製した電解質溶液)を保持させたセパレータ、固体電解質、電解液を高分子ゲルなどでゲル化した固形化電解質、高分子ゲルと固体電解質の複合体、イオン性液体などのイオン伝導体が使用できる。
本発明の蓄電デバイスに用いられるイオン伝導体の導電率は、25℃における値として、1×10−3S/cm以上であることが好ましく、5×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
前記電解質としては、例えば、リチウムイオン(Li+)とルイス酸イオン(BF− 4,PF− 6,AsF− 6,ClO− 4,CF3SO− 3,BPh− 4(Ph:フェニル基))からなる塩、及びこれらの混合塩、イオン性液体が挙げられる。上記塩は、減圧下で加熱したりして、十分な脱水と脱酸素を行なっておくことが望ましい。さらに、イオン性液体に上記リチウム塩を溶解して調製される電解質も使用できる。
上記電解質の溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリル、プロピレンカーボネイト、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、ジクロロエタン、ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、クロロベンゼン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、スルホラン、ニトロメタン、ジメチルサルファイド、ジメチルサルオキシド、ギ酸メチル、3−メチル−2−オキダゾリジノン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−プロピルシドノン、二酸化イオウ、塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩化スルフリル、又は、これらの混合液が使用できる。さらに、イオン性液体も使用できる。
上記溶媒は、例えば、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、五酸化リン、塩化カルシウムなどで脱水するか、溶媒によっては、不活性ガス中のアルカリ金属共存下で蒸留して不純物除去と脱水をも行なうのがよい。前記電解質を前記溶媒に溶解して調製される電解液の電解質濃度は、0.5から3.0モル/リットルの範囲の濃度であることが高いイオン伝導度を有するために好もしい。
また、電極と電解液との反応を抑制するために、電解重合反応の起きやすい、ビニルモノマーを上記電解液に添加することも好ましい。ビニルモノマーの電解液への添加で、電池の充電反応で上記電極の活物質表面に、SEI(Solid Electrolyte Interface)あるいは保護膜(passivating film)の機能を有する重合被膜が形成され、充放電サイクル寿命を伸ばすことができる。電解液へのビニルモノマーの添加量が少なすぎると上記効果がなく、多すぎると電解液のイオン伝導度を低下させ、充電時に形成される重合被膜の厚みが厚くなり電極の抵抗を高めるので、ビニルモノマーの電解液への添加量は、0.5から5重量%の範囲が好ましい。
上記ビニルモノマーの具体的な好ましい例としては、スチレン、2−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリロニトリル、炭酸ビニレン(ビニレンカーボネート)、等があげられる。より好ましい例としてはスチレン、2−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、炭酸ビニレンが挙げられる。上記ビニルモノマーが芳香族基を有する場合、リチウムイオンとの親和性が高いので好ましい。さらに、電解液の溶媒との親和性の高い、N−ビニル−2−ピロリドン、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、炭酸ビニレン等と、芳香族基を有するビニルモノマーと組み合わせて使用するのも好ましい。
電解液の漏洩を防止するために、固体電解質もしくは固形化電解質を使用するのが好ましい。固体電解質としては、リチウム元素とケイ素元素と酸素元素とリン元素もしくはイオウ元素から成る酸化物などのガラス、エーテル構造を有する有機高分子の高分子錯体、などが挙げられる。固形化電解質としては、前記電解液をゲル化剤でゲル化して固形化したものが好ましい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸収して膨潤するようなポリマー、シリカゲルなどの吸液量の多い多孔質材料を用いるのが望ましい。上記ポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンコポリマーなどが用いられる。さらに、上記ポリマーは架橋構造のものがより好ましい。
イオン伝導体である電解液の保持材でもある前記セパレータは、蓄電デバイス内で負極401と正極403が直接接触して短絡することを防ぐ役割がある。前記セパレータとしては、リチウムイオンが移動できる細孔を多数有し、かつ、電解液に不溶で安定である必要がある。したがって、セパレータとしては、ミクロポア構造あるいは不織布構造の、例えば、ガラス、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、フッ素樹脂、セルロース、ポリイミドなどの材料の微細孔を有したフィルムが好適に用いられる。また、微細孔を有する金属酸化物フィルム、又は、金属酸化物を複合化した樹脂フィルムも使用できる。
(蓄電デバイスの組み立て)
本発明の蓄電デバイスは、十分に水分を除去された前記イオン伝導体403を負極401と正極402で、はさんで積層して電極群を形成し、十分に露点温度が管理された乾燥空気あるいは乾燥不活性ガス雰囲気下で、この電極群を電槽406に挿入した後、各電極と各電極端子とを接続し、電槽406を密閉することによって、組み立てられる。イオン伝導体に、微孔性の高分子フィルムに電解液を保持させたものを使用する場合には、負極と正極の間に短絡防止のセパレータとして微孔性高分子フィルムをはさんで電極群を形成した後、電槽406に挿入し、各電極と各電極端子とを接続し、電解液を注入し電槽を密閉して電池を組み立てる。
本発明の蓄電デバイスは、十分に水分を除去された前記イオン伝導体403を負極401と正極402で、はさんで積層して電極群を形成し、十分に露点温度が管理された乾燥空気あるいは乾燥不活性ガス雰囲気下で、この電極群を電槽406に挿入した後、各電極と各電極端子とを接続し、電槽406を密閉することによって、組み立てられる。イオン伝導体に、微孔性の高分子フィルムに電解液を保持させたものを使用する場合には、負極と正極の間に短絡防止のセパレータとして微孔性高分子フィルムをはさんで電極群を形成した後、電槽406に挿入し、各電極と各電極端子とを接続し、電解液を注入し電槽を密閉して電池を組み立てる。
[電池の形状と構造]
本発明の蓄電デバイスの具体的なセル形状としては、例えば、扁平形、円筒形、直方体形、シート形などがある。又、セルの構造としては、例えば、単層式、多層式、スパイラル式などがある。その中でも、スパイラル式円筒形のセルは、負極と正極の間にセパレータを挟んで巻くことによって、電極面積を大きくすることができ、充放電時に大電流を流すことができるという特徴を有する。また、直方体形やシート形のセルは、複数の電池を収納して構成する機器の収納スペースを有効に利用することができる特徴を有する。
本発明の蓄電デバイスの具体的なセル形状としては、例えば、扁平形、円筒形、直方体形、シート形などがある。又、セルの構造としては、例えば、単層式、多層式、スパイラル式などがある。その中でも、スパイラル式円筒形のセルは、負極と正極の間にセパレータを挟んで巻くことによって、電極面積を大きくすることができ、充放電時に大電流を流すことができるという特徴を有する。また、直方体形やシート形のセルは、複数の電池を収納して構成する機器の収納スペースを有効に利用することができる特徴を有する。
以下では、図5、図6を参照して、セルの形状と構造についてより詳細な説明を行なう。図5は単層式扁平形(コイン形)セルの断面図であり、図6はスパイラル式円筒型セルの断面図を表している。上記形状の蓄電デバイスは、基本的には図4と同様な構成で、負極、正極、イオン伝導体、電槽(電池ハウジング)、出力端子を有する。
図5、図6において、501と603は負極、503と606は正極、504と608は負極端子(負極キャップまたは負極缶)、505と609は正極端子(正極缶または正極キャップ)、502と607はイオン伝導体、506と610はガスケット、601は負極集電体、604は正極集電体、611は絶縁板、612は負極リード、613は正極リード、614は安全弁である。
図5に示す扁平型(コイン型)のセルでは、正極材料層を含む正極503と負極材料層を備えた負極501が、例えば少なくとも電解液を保持したセパレータで形成されたイオン伝導体502を介して積層されており、この積層体が正極端子としての正極缶505内に正極側から収容され、負極側が負極端子としての負極キャップ504により被覆されている。そして正極缶内の他の部分にはガスケット506が配置されている。
図6に示すスパイラル式円筒型のセルでは、正極集電体604上に形成された正極活物質(材料)層605を有する正極606と、負極集電体601上に形成された負極活物質(材料)層電極層602を有した負極603が、例えば少なくとも電解液を保持したセパレータで形成されたイオン伝導体607を介して対向し、多重に巻回された円筒状構造の積層体を形成している。
該円筒状構造の積層体が、負極端子としての負極缶608内に収容されている。また、当該負極缶608の開口部側には正極端子としての正極キャップ609が設けられており、負極缶内の他の部分においてガスケット610が配置されている。円筒状構造の電極の積層体は絶縁板611を介して正極キャップ側と隔てられている。正極606については正極リード613を介して正極キャップ609に接続されている。また負極603については負極リード612を介して負極缶608と接続されている。正極キャップ側には電池内部の内圧を調整するための安全弁614が設けられている。負極603には、前述した本発明の電極構造体を用いる。
以下では、図5や図6に示した蓄電デバイスの組み立て方法の一例を説明する。
(1)負極(501,603)と成形した正極(503,606)の間に、セパレータ(502,607)を挟んで、正極缶(505)または負極缶(608)に組み込む。
(2)電解液を注入した後、負極キャップ(504)または正極キャップ(609)とガスケット(506,610)を組み立てる。
(3)上記(2)をかしめることによって、蓄電デバイスは完成する。
(1)負極(501,603)と成形した正極(503,606)の間に、セパレータ(502,607)を挟んで、正極缶(505)または負極缶(608)に組み込む。
(2)電解液を注入した後、負極キャップ(504)または正極キャップ(609)とガスケット(506,610)を組み立てる。
(3)上記(2)をかしめることによって、蓄電デバイスは完成する。
なお、上述した蓄電デバイスの材料調製、及び電池の組立ては、水分が十分除去された乾燥空気中、又は乾燥不活性ガス中で行なうのが望ましい。
上述のような蓄電デバイスを構成する部材について説明する。
(ガスケット)
ガスケット(506,610)の材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、各種ゴムが使用できる。電池の封口方法としては、図5と図6のようにガスケットを用いた「かしめ」以外にも、ガラス封管、接着剤、溶接、半田付けなどの方法が用いられる。また、図6の絶縁板(611)の材料としては、各種有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。
ガスケット(506,610)の材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、各種ゴムが使用できる。電池の封口方法としては、図5と図6のようにガスケットを用いた「かしめ」以外にも、ガラス封管、接着剤、溶接、半田付けなどの方法が用いられる。また、図6の絶縁板(611)の材料としては、各種有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。
(外缶)
電池の外缶として、電池の正極缶または負極缶(505,608)、及び負極キャップまたは正極キャップ(504,609)から構成される。外缶の材料としては、ステンレススチールが好適に用いられる。外缶の他の材料としては、アルミニウム合金、チタンクラッドステンレス材、銅クラッドステンレス材、ニッケルメッキ鋼板なども多用される。
電池の外缶として、電池の正極缶または負極缶(505,608)、及び負極キャップまたは正極キャップ(504,609)から構成される。外缶の材料としては、ステンレススチールが好適に用いられる。外缶の他の材料としては、アルミニウム合金、チタンクラッドステンレス材、銅クラッドステンレス材、ニッケルメッキ鋼板なども多用される。
図5では正極缶(605)が、図6では負極缶(608)が電槽(電池ハウジング)と端子を兼ねているため、上記のステンレススチールが好ましい。ただし、正極缶または負極缶が電槽と端子を兼用しない場合には、電槽の材質としては、ステンレススチール以外にも亜鉛などの金属、ポリプロピレンなどのプラスチック、または、金属もしくはガラス繊維とプラスチックの複合材、アルミニウム等の金属箔をプラスチックフィルムでラミネートしたフィルムを用いることができる。
(安全弁)
リチウム二次電池には、電池の内圧が高まった時の安全対策として、安全弁が備えられている。安全弁としては、例えば、ゴム、スプリング、金属ボール、破裂箔などが使用できる。
リチウム二次電池には、電池の内圧が高まった時の安全対策として、安全弁が備えられている。安全弁としては、例えば、ゴム、スプリング、金属ボール、破裂箔などが使用できる。
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
〔蓄電デバイスの負極用電極構造体の作成〕
本発明の、蓄電デバイスの負極用電極構造体の作成の例を以下に挙げる。
本発明の、蓄電デバイスの負極用電極構造体の作成の例を以下に挙げる。
金属シリコン(純度99%)を湿式ビーズミルで粉砕して得られた平均粒径0.14μmのシリコン粉末100重量部と、平均粒径5μmの人造黒鉛70重量部、アセチレンブラック3重量部を、メノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm20分間混合する。次いで、得られた混合物に、表1に示す各種バインダーA1からA8及びB1からB3の固形分15重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液132重量部と、N−メチル−2−ピロリドン130重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm、10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。
得られたスラリーを、アプリケーターを用いて、厚み10μmの銅箔上に、塗布した後、110℃で0.5時間乾燥の上、さらに減圧下200℃、12時間の条件で乾燥して、ロールプレス機にて厚み・密度を調整し、銅箔の集電体上に厚みが20μmで密度が約1.3g/cm3の電極材料層を形成した電極構造体を得た。
尚、バインダーとしては、表1に示すようにA1からA8、及びB1からB3を用いた。また、各バインダーの破断強度、引張弾性率、破断伸度、破断強度/破断伸度、ガラス転移温度Tgの値を併せて示した。尚、これら機械物性値の値はそれぞれのバインダーのガラス転移温度よりも50℃低い温度で熱処理した試料フィルムを用い、前述のJIS K7161―1994,K6782に記載による方法により測定した。ここで、バインダーA1,A2,A3,A4,A5,A8,及びB2,B3はポリアミドイミドである。バインダーA6及びA7はポリイミド、バインダーB1はシリコン変性型のポリアミドイミドである。
なお、前記手順で得られたスラリーの粘度調整を行なった後、エレクトロスピニング装置を用い、集電体としての銅箔とエレクトロスピニング装置のノズル間に高電圧を印加して、銅箔上に電極材料層を形成することも可能である。
[蓄電デバイスの負極用電極構造体の電気化学的リチウム挿入量の評価]
上記蓄電デバイスの負極用電極構造体の電気化学的リチウム挿入量の評価は、以下の手順で行った。
上記蓄電デバイスの負極用電極構造体の電気化学的リチウム挿入量の評価は、以下の手順で行った。
上記方法により製造された各電極構造体を所定の大きさに切断し、ニッケルリボンのリードをスポット溶接で上記電極構造体に接続し、本来であれば負極として用いられる上記電極構造体を作用極(正極)として作製した。作製した電極に対極(負極)として金属リチウムを組み合わせたセルを作製して、電気化学的なリチウムの挿入量を評価した。
なお、リチウム極は、ニッケルリボンのリードをスポット溶接で接続した、片側の表面が粗化処理された銅箔に厚み140μmの金属リチウム箔を圧着して、作製する。
評価セルは、以下の手順で作製した。すなわち、露点−50℃以下のドライ雰囲気下で、上記電極構造体から作製した各電極と上記リチウム極の間にセパレータとして厚み17μmで気孔率40%のミクロポア構造のポリエチレンフィルムをはさみ、ポリエチレン/アルミニウム箔/ナイロン構造のアルミラミネートフィルムをポケット状にした電槽に、電極(作用極)/セパレータ/リチウム極(対極)を挿入し、電解液を滴下し、上記電槽からリードを出した状態で、電槽の開口部分のラミネートフィルムを熱溶着して、評価セルを作製した。なお、上記電解液には、十分に水分を除去したエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを、体積比3:7で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム塩(LiPF6)を1M(モル/リットル)溶解して得られた溶液を使用した。
電気化学的なリチウムの挿入量は、上記作製したセルのリチウム極を負極に、作製する各作用極を正極として、セルの電圧が0.01Vになるまで、放電させ、1.80Vまで充電することによって、評価した。すなわち、放電した電気量をリチウムが挿入するのに利用された電気量、充電した電気量をリチウムが放出されるのに利用された電気量とした。
[電極のLi挿入放出の評価]
充放電は1.60mA/cm2の電流で、50回、放電−充電を行ない、1回目のLi挿入量(電気量)、1回目のLi放出量(電気量)、1回目のLi挿入量に対するLi放出量の割合(%)、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)、10回目に対する50回目のLi放出量(電気量)で、各種活物質からなる電極のLi挿入放出の評価を行なった。
充放電は1.60mA/cm2の電流で、50回、放電−充電を行ない、1回目のLi挿入量(電気量)、1回目のLi放出量(電気量)、1回目のLi挿入量に対するLi放出量の割合(%)、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)、10回目に対する50回目のLi放出量(電気量)で、各種活物質からなる電極のLi挿入放出の評価を行なった。
各実施例1から8、比較例1から3で使用したバインダー種及び評価結果を表2にまとめて示す。
また、各バインダーの引張弾性率の値と、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)、10回目に対する50回目のLi放出量(電気量)の関係を示すようにプロットしたグラフを図7および図8に示す。
各バインダーの破断強度の値と、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)、10回目に対する50回目のLi放出量(電気量)の関係を示すようにプロットしたグラフを図9および図10に示す。
各バインダーの破断伸度の値と、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)、10回目に対する50回目のLi放出量(電気量)の関係を示すようにプロットしたグラフを図11および図12に示す。
各バインダーの破断強度/破断伸度の値と、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)、10回目に対する50回目のLi放出量(電気量)の関係を示すようにプロットしたグラフを図13および図14示す。
図7及び図8に示すように、引張弾性率が2000MPa以上である場合には、Li放出10th/1st,Li放出50th/10thの値が特に大きいものとなり、本発明による効果を発現する。
図9及び図10に示すように、破断強度が100MPa以上である場合には、Li放出10th/1st,Li放出50th/10thの値が特に大きいものとなり、本発明による効果を発現する。
図11及び図12に示すように、破断伸度が20から120%である場合には、Li放出10th/1st,Li放出50th/10thの値が特に大きいものとなり、本発明による効果を発現する。
図13及び図14に示すように、破断強度/破断伸度が1.4MPa/%以上である場合には、Li放出10th/1st,Li放出50th/10thの値が特に大きいものとなり、本発明による効果を発現する。
[実施例9]
次に、本発明の異なる態様、バインダー含有量による効果の実施例を示す。
1.負極の作製
(1)負極活物質の調製
熱プラズマトーチと真空ポンプが接続された反応器から構成されている、高周波(RF)誘導結合型熱プラズマ発生装置を使用し、先ず、真空ポンプで反応器内を真空排気し、プラズマガス用ガスとして毎分200リットルのアルゴンガスと毎分10リットルの水素ガスを流し、50kPaの圧力に制御し、4kHzの高周波を80kWの電力で誘導コイルに印加しプラズマを発生させ、ついで、平均粒径4μmのシリコン粉末90重量部と平均粒径1μmの金属アルミニウム10重量部を混合した粉末原料を混合した粉末原料を、毎分15リットルのアルゴンガスをキャリアガスとして、毎時500g程度の供給速度で、原料を熱プラズマ内に供給し、所定の反応時間で、微粉末材料を得て、高周波の印加を停止し、プラズマ発生用ガスの導入を停止し、徐酸化した後、ナノ粒子を取り出した。
次に、本発明の異なる態様、バインダー含有量による効果の実施例を示す。
1.負極の作製
(1)負極活物質の調製
熱プラズマトーチと真空ポンプが接続された反応器から構成されている、高周波(RF)誘導結合型熱プラズマ発生装置を使用し、先ず、真空ポンプで反応器内を真空排気し、プラズマガス用ガスとして毎分200リットルのアルゴンガスと毎分10リットルの水素ガスを流し、50kPaの圧力に制御し、4kHzの高周波を80kWの電力で誘導コイルに印加しプラズマを発生させ、ついで、平均粒径4μmのシリコン粉末90重量部と平均粒径1μmの金属アルミニウム10重量部を混合した粉末原料を混合した粉末原料を、毎分15リットルのアルゴンガスをキャリアガスとして、毎時500g程度の供給速度で、原料を熱プラズマ内に供給し、所定の反応時間で、微粉末材料を得て、高周波の印加を停止し、プラズマ発生用ガスの導入を停止し、徐酸化した後、ナノ粒子を取り出した。
なお、徐酸化は不純物として酸素を含有する999.99%のアルゴンガスを反応容器に流して、行なった。得られたナノ粒子は、TEM分析により一部繊維状の部分も観測されたが、多くは直径20nmから200nmの結晶シリコンの表層に厚みが1nmから10nmの非晶質の表層がある一次粒子が観察された。また、TEMのEDX分析の結果、表面には酸化アルミニウムが形成されていることが分かった。
(2)負極の作製
調製された各複合体粉末100重量部、平均粒径5μmの人造黒鉛70重量部、アセチレンブラック3重量部を、メノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm20分間混合する。次いで、得られた混合物に、前記バインダーの検討で良好であったA6のポリイミド10重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液132重量部とN−メチル−2−ピロリドン195重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。また、バインダーA6のポリイミド15重量%含有のものも全く同様にして添加することによりスラリーを調製した。得られた2種のスラリーを、それぞれアプリケーターを用いて、厚み10μmの銅箔上に、塗布した後、110℃で0.5時間乾燥の上、さらに減圧下220℃で乾燥して、ロールプレス機にて厚み・密度を調整し、銅箔の集電体上に厚みが20から40μmで密度が0.9から1.9g/cm3の範囲の電極材料層を形成した電極構造体を得た。上記電極構造体を所定の大きさに切断し、ニッケルリボンのリードをスポット溶接で上記電極に接続し、バインダーであるA6のポリイミドが10重量%含有した電極(負極)、15重量%含有した電極(負極)を作製した。
調製された各複合体粉末100重量部、平均粒径5μmの人造黒鉛70重量部、アセチレンブラック3重量部を、メノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm20分間混合する。次いで、得られた混合物に、前記バインダーの検討で良好であったA6のポリイミド10重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液132重量部とN−メチル−2−ピロリドン195重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。また、バインダーA6のポリイミド15重量%含有のものも全く同様にして添加することによりスラリーを調製した。得られた2種のスラリーを、それぞれアプリケーターを用いて、厚み10μmの銅箔上に、塗布した後、110℃で0.5時間乾燥の上、さらに減圧下220℃で乾燥して、ロールプレス機にて厚み・密度を調整し、銅箔の集電体上に厚みが20から40μmで密度が0.9から1.9g/cm3の範囲の電極材料層を形成した電極構造体を得た。上記電極構造体を所定の大きさに切断し、ニッケルリボンのリードをスポット溶接で上記電極に接続し、バインダーであるA6のポリイミドが10重量%含有した電極(負極)、15重量%含有した電極(負極)を作製した。
この電極を評価するために、本来であれば負極として用いるべきこの電極を正極とし、実施例1と同じ金属リチウムを対極(負極)として、これらを組み合わせたセルを作製して、電気化学的なリチウムの挿入量を評価した。
[電極のLi挿入放出の評価]
充放電は3.0mA/cm2の電流で、50回、放電−充電を行ない、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)の比率を評価したところ、バインダーA6含有量が10重量%の電極の場合0.76であったのに対して、バインダーA6含有量が15重量%の電極の場合0.99と飛躍的に向上した。さらに50回目のLi放出量(電気量)を評価したところ、バインダーA6含有量が15重量%の電極を用いた場合の値は、バインダーA6含有量が10重量%の電極を用いた場合の値に対して約2.4倍であった。
充放電は3.0mA/cm2の電流で、50回、放電−充電を行ない、1回目に対する10回目のLi放出量(電気量)の比率を評価したところ、バインダーA6含有量が10重量%の電極の場合0.76であったのに対して、バインダーA6含有量が15重量%の電極の場合0.99と飛躍的に向上した。さらに50回目のLi放出量(電気量)を評価したところ、バインダーA6含有量が15重量%の電極を用いた場合の値は、バインダーA6含有量が10重量%の電極を用いた場合の値に対して約2.4倍であった。
[実施例10]
次に、蓄電デバイスの作製の実施例を示す。
次に、蓄電デバイスの作製の実施例を示す。
(1)負極活物質の調製
熱プラズマトーチと真空ポンプが接続された反応器から構成されている、高周波(RF)誘導結合型熱プラズマ発生装置を使用し、先ず、真空ポンプで反応器内を真空排気し、プラズマガス用ガスとして毎分200リットルのアルゴンガスと毎分10リットルの水素ガスを流し、50kPaの圧力に制御し、4kHzの高周波を80kWの電力で誘導コイルに印加しプラズマを発生させ、ついで、平均粒径4μmのシリコン粉末90重量部と平均粒径1μmの金属アルミニウム10重量部を混合した粉末原料を混合した粉末原料を、毎分15リットルのアルゴンガスをキャリアガスとして、毎時500g程度の供給速度で、原料を熱プラズマ内に供給し、所定の反応時間で、微粉末材料を得て、高周波の印加を停止し、プラズマ発生用ガスの導入を停止し、徐酸化した後、ナノ粒子を取り出した。
熱プラズマトーチと真空ポンプが接続された反応器から構成されている、高周波(RF)誘導結合型熱プラズマ発生装置を使用し、先ず、真空ポンプで反応器内を真空排気し、プラズマガス用ガスとして毎分200リットルのアルゴンガスと毎分10リットルの水素ガスを流し、50kPaの圧力に制御し、4kHzの高周波を80kWの電力で誘導コイルに印加しプラズマを発生させ、ついで、平均粒径4μmのシリコン粉末90重量部と平均粒径1μmの金属アルミニウム10重量部を混合した粉末原料を混合した粉末原料を、毎分15リットルのアルゴンガスをキャリアガスとして、毎時500g程度の供給速度で、原料を熱プラズマ内に供給し、所定の反応時間で、微粉末材料を得て、高周波の印加を停止し、プラズマ発生用ガスの導入を停止し、徐酸化した後、ナノ粒子を取り出した。
なお、徐酸化は不純物として酸素を含有する999.99%のアルゴンガスを反応容器に流して、行なった。得られたナノ粒子は、TEM分析により一部繊維状の部分も観測されたが、多くは直径20nmから200nmの結晶シリコンの表層に厚みが1nmから10nmの非晶質の表層がある一次粒子が観察された。また、TEMのEDX分析の結果、表面には酸化アルミニウムが形成されていることが分かった。
(2)負極の作製
調製された各複合体粉末100重量部、平均粒径5μmの人造黒鉛70重量部、アセチレンブラック3重量部を、メノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm20分間混合する。次いで、得られた混合物に、前記バインダーの検討で良好であったA6のポリイミド15重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液132重量部とN−メチル−2−ピロリドン195重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。得られたスラリーを、アプリケーターを用いて、厚み10μmの銅箔上に、塗布した後、110℃で0.5時間乾燥の上、さらに減圧下220℃で乾燥して、ロールプレス機にて厚み・密度を調整し、銅箔の集電体上に厚みが20から40μmで密度が0.9から1.9g/cm3の範囲の電極材料層を形成した電極構造体を得た。上記電極構造体を所定の大きさに切断し、ニッケルリボンのリードをスポット溶接で上記電極に接続し、電極(負極)を作製した。
調製された各複合体粉末100重量部、平均粒径5μmの人造黒鉛70重量部、アセチレンブラック3重量部を、メノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm20分間混合する。次いで、得られた混合物に、前記バインダーの検討で良好であったA6のポリイミド15重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液132重量部とN−メチル−2−ピロリドン195重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。得られたスラリーを、アプリケーターを用いて、厚み10μmの銅箔上に、塗布した後、110℃で0.5時間乾燥の上、さらに減圧下220℃で乾燥して、ロールプレス機にて厚み・密度を調整し、銅箔の集電体上に厚みが20から40μmで密度が0.9から1.9g/cm3の範囲の電極材料層を形成した電極構造体を得た。上記電極構造体を所定の大きさに切断し、ニッケルリボンのリードをスポット溶接で上記電極に接続し、電極(負極)を作製した。
(3)正極の作製
ニッケルコバルトマンガン酸リチウムLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粉末100重量部、アセチレンブラック4重量部をメノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合する。さらに、得られた混合物に、ポリフッ化ビリニデン10重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液50重量部とN−メチル−2−ピロリドン50重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。
ニッケルコバルトマンガン酸リチウムLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粉末100重量部、アセチレンブラック4重量部をメノー製ボールを用いた遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合する。さらに、得られた混合物に、ポリフッ化ビリニデン10重量%含有のN−メチル−2−ピロリドン溶液50重量部とN−メチル−2−ピロリドン50重量部を添加し、遊星ボールミル装置で300rpm10分間混合し、電極材料層を形成するためのスラリーを調製する。
得られたスラリーを、コーターを用いて、厚み14μmのアルミニウム箔上に、塗布した後、110℃で1時間乾燥の上、さらに減圧下150℃で乾燥した。ついで、ロールプレス機で厚みを調整して、アルミニウム箔の集電体上に厚みが82μmで密度が3.2g/cm3の電極材料層を形成した電極構造体を得た。
得られた電極構造体を所定の大きさに切断し、アルミニウムリボンのリードを超音波溶接で上記電極に接続し、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2電極(正極)を作製した。
(4)蓄電デバイスの作製
蓄電デバイスの組み立ては、露点−50℃以下の水分を管理した乾燥雰囲気下で全て行なった。
蓄電デバイスの組み立ては、露点−50℃以下の水分を管理した乾燥雰囲気下で全て行なった。
前記負極と前記正極の間にセパレータを挟み、ポリエチレン/アルミニウム箔/ナイロン構造のアルミラミネートフィルムをポケット状にした電槽に、負極/セパレータ/正極の電極群を挿入し、電解液を注入し、電極リードを取り出し、ヒートシールして、正極容量規制の評価用の電池を作製した。上記アルミラミネートフィルムの外側はナイロンフィルム、その内側はポリエチレンフィルムとする。
また、上記セパレータとしては、例えば、厚み17μmのポリエチレンの微孔性フィルムをセパレータとして用いた。
なお、上電解液には、例えば以下の手順にて調製したものを使用する。先ず、十分に水分を除去したエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを、体積比3:7で混合した溶媒を調製した。次いで、得られた上記溶媒に、六フッ化リン酸リチウム塩(LiPF6)を1M(モル/リットル)溶解して電解液を調製した。
[充放電試験]
上記の各蓄電デバイスを用い、0.48mA/cm2の一定の電流密度でセル電圧が4.2Vになるまで充電の後、4.2Vの定電圧で充電し、10分間の休止の後、0.48mA/cm2の一定の電流密度でセル電圧が2.7Vになるまで放電し10分間の休止する、充放電を、2回繰り返した後に、電流密度1.6mA/cm2で、充放電を繰り返した。
上記の各蓄電デバイスを用い、0.48mA/cm2の一定の電流密度でセル電圧が4.2Vになるまで充電の後、4.2Vの定電圧で充電し、10分間の休止の後、0.48mA/cm2の一定の電流密度でセル電圧が2.7Vになるまで放電し10分間の休止する、充放電を、2回繰り返した後に、電流密度1.6mA/cm2で、充放電を繰り返した。
また、放電時の出力を変化して、セル電圧2.7ボルトまで放電したときのエネルギーを計測し、得られた蓄電デバイスの体積当たりのエネルギー密度は約680Wh/L、体積当たりのパワー密度は約5000W/Lであった。
上記蓄電デバイスの負極のバインダーには、前記バインダー評価で良好であったポリイミドA6を用いたが、A6に替えて、ポリイミドA7を使用して熱処理180℃で処理して形成した電極を使用した蓄電デバイスも上記蓄電デバイスとほぼ同等の性能を示した。
さらに、長寿命の負極を作製するために、前記(2)の負極の作製操作において、電極層の(他の活物質と導電補助材の比率はそのままで)バインダー比率を20重量%に増量して、負極を作製し、前記蓄電デバイスの作製操作と同様にして、デバイスを作製した。さらに、導電補助材としてのアセチレンブラックをアセチレンブラック/バインダー比率=1/2となるように増量したところ、得られた蓄電デバイスの内部抵抗は低下し、良好な出力特性とエネルギー密度に加えて、さらに充放電繰り返し寿命の長い特性を示した。
[実施例11]
スラリーを銅箔上に塗布し、110℃で0.5時間乾燥した後の乾燥条件を以下のとおり変更した以外は、実施例9と同様にして電極を作製した。
a 減圧下220℃で乾燥(実施例9と同じ)
b 窒素フロー下260℃で乾燥
c 窒素フロー下290℃で乾燥
d 窒素フロー下400℃で乾燥
なお、上記のうち、aとbはバインダーA6のガラス転移温度以下で乾燥したものであり、cとdはバインダーA6のガラス転移温度を超える温度で乾燥したものである。また、a以外の乾燥を窒素フロー下で行っているのは、使用した熱処理装置の仕様で、減圧下で高温処理するのが困難だからである。
スラリーを銅箔上に塗布し、110℃で0.5時間乾燥した後の乾燥条件を以下のとおり変更した以外は、実施例9と同様にして電極を作製した。
a 減圧下220℃で乾燥(実施例9と同じ)
b 窒素フロー下260℃で乾燥
c 窒素フロー下290℃で乾燥
d 窒素フロー下400℃で乾燥
なお、上記のうち、aとbはバインダーA6のガラス転移温度以下で乾燥したものであり、cとdはバインダーA6のガラス転移温度を超える温度で乾燥したものである。また、a以外の乾燥を窒素フロー下で行っているのは、使用した熱処理装置の仕様で、減圧下で高温処理するのが困難だからである。
[電極のLi挿入放出の評価]
このようにして得られた電極について、1.6mA/cm3、0.16mA/cm3の2つの条件で、繰り返し充電−放電を行い、Liの挿入放出の初期特性及び繰り返し特性を評価した。
結果を下記表3、表4に示す。表中「電極処理温度」は上記乾燥温度である。
このようにして得られた電極について、1.6mA/cm3、0.16mA/cm3の2つの条件で、繰り返し充電−放電を行い、Liの挿入放出の初期特性及び繰り返し特性を評価した。
結果を下記表3、表4に示す。表中「電極処理温度」は上記乾燥温度である。
表3に示す結果から、バインダーA6のガラス転移温度を境にして、100回前後挿入放出を繰り返した際のサイクル劣化に大きな差があることがわかる。また、表3に示す結果から、より低温処理の方がLi挿入-Li放出(充放電)の繰り返しによる容量低下の程度が小さく、容量劣化が小さいことがわかる。
さらに、表4に示す結果から、低電流密度での充放電においては、電極処理温度(乾燥温度)が低いほど、初期のLi放出量、初期のLi挿入量に対するLi放出量、5サイクル目までのサイクル劣化、のいずれもが優れていることがわかる。とりわけ、処理温度260℃と220℃との間で大きな差があることがわかる。
さらに、表4に示す結果から、低電流密度での充放電においては、電極処理温度(乾燥温度)が低いほど、初期のLi放出量、初期のLi挿入量に対するLi放出量、5サイクル目までのサイクル劣化、のいずれもが優れていることがわかる。とりわけ、処理温度260℃と220℃との間で大きな差があることがわかる。
以上述べたように、電極構造体中の一構成成分であるバインダー材料の機械物性値及び焼成温度を規定することにより、シリコンあるいはスズ粒子の膨張、収縮による電極の崩壊を緩和し、また、内部抵抗を小さくすることが可能となると考えられ、結果として良好なパワー密度、エネルギー密度を有し、特に繰り返し特性が良好な電極構造体およびそれを利用した蓄電デバイスを提供することができる。
以上説明してきたように、本発明によれば、高パワー密度、高エネルギー密度の、繰り返し寿命もある蓄電デバイスを提供できる。
100 集電体
101 活物質粒子
102 バインダー
103 電極材料層
104 電極構造体
101 活物質粒子
102 バインダー
103 電極材料層
104 電極構造体
この出願は2009年6月23日に出願された日本国特許出願第2009−149192号からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
Claims (7)
- シリコン、スズ、及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する活物質粒子と、前記活物質粒子を結合するバインダーを含む電極材料からなる電極材料層を有する電極構造体において、前記バインダーの引張弾性率が2000MPa以上、破断強度が100MPa以上、破断伸度が20%以上120%以下、破断強度/破断伸度>1.4(MPa/%)であり、前記電極材料を焼成して生成する電極構造体の最高熱履歴温度が350℃未満且つ前記バインダーのガラス転移温度以下であり、前記活物質粒子の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする電極構造体。
- 前記電極構造体の最高熱履歴温度が250℃未満であることを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
- 前記活物質粒子の平均粒径が0.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
- 前記活物質粒子が、シリコン、スズ、及びそれらの少なくとも一方を含む合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する複数の一次粒子を構成要素として含み、前記一次粒子が厚さ1nm以上10nm以下の非晶質の表層を有する直径5nm以上200nm以下の結晶粒子からなり、前記一次粒子の非晶質の表層が少なくとも金属酸化物から構成されており、前記金属酸化物が金属の酸化で生成される時のギブスの自由エネルギーが、シリコンまたはスズを酸化させた場合のギブスの自由エネルギーよりも小さく、前記金属酸化物が酸化シリコンもしくは酸化スズより熱力学的に安定であることを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
- 前記金属酸化物を構成する金属がZrまたはAlであることを特徴とする請求項4に記載の電極構造体。
- 前記バインダーがポリイミドあるいはポリアミドイミドであることを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電極構造体を用いた負極、リチウムイオン伝導体及び正極を具備し、リチウムの酸化反応及びリチウムイオンの還元反応を利用することを特徴とする蓄電デバイス。
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