JPWO2010073336A1 - 音場補正装置 - Google Patents
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Abstract
音場補正装置は、音響空間には、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカが配置されているものとし、測定用信号発生手段は、上記2つのスピーカから測定用信号を発生させる。そして、測定用信号収音手段は、左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する。遅延補正手段は、測定用信号収音手段が左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整をおこなう。この場合、音場補正装置は、左右方向の軸に従い、2箇所から測定用信号を収音し、収音した内容に基づいて左右方向のレベル差を軽減させているので、受聴位置と各スピーカとの距離に基づいて単純にタイムアライメントを行った場合に発生する受聴位置における左右の音圧レベルの差異を減少させ、より適切な音場空間を提供することができる。
Description
本発明は、音場を補正する装置に関する。
複数のスピーカを備えて高品質の音響空間を提供するオーディオシステムでは、臨場感の得られる適切な音響空間を自動的に作り出すことが要求されている。即ち、受聴者自らが適切な音響空間を得ようとしてオーディオシステムを操作しても、複数のスピーカで再生される再生音の音圧特性等を適切に調整することは極めて困難であるため、オーディオシステム側で自動的に音場特性を補正することが要求されている。
例えば、車室内では、受聴位置が非対称であり、音の定位が乱れるので、図13に示すように、受聴位置RVから最も遠いスピーカであるスピーカSP1の位置を基準として各スピーカSPからの距離とレベルを自動補正する。即ち、各スピーカSPから出力される音声信号を、それらのスピーカがスピーカSP2−2〜SP5−2の位置にあるのと同等となるように遅延させる。自動補正する方法として、図14に示すように、各スピーカSP1〜SP5から出力される信号をマイクロホンMKが取得し、取得した情報に基づいて補正する方法がある。
この場合に、理想的には、図15に示すように、仮想音源VS1〜VS5が受聴位置RV前方方向にある必要があるところ、実際に自動補正後の仮想音源の位置を何人かに調査した結果、図16に示すように、仮想音源VS11〜VS15は、受聴位置RVの左前方向にあり、定位が偏っていることが判明した。
また、実際に受聴位置における前後レベル差と、左右レベル差を計測したところ、図17に示すように、前後のレベル差は、それほどないが、左右にレベル差があり、左方向が強いことが判明した。
そこで、左右のレベル差を減少させて、定位を前方方向へ補正することにより、適切な音場環境を提供することが望まれる。ここで、左右方向に収音部を備えて、音場補正するシステムとして、特許文献1に記載の音響特性測定装置や、特許文献2に記載の車室内音場自動補正システムがある。
しかし、特許文献1の音響特性測定装置は、各スピーカから出力された音を左右方向の収音部で取得し、取得した情報について平均化してスピーカの補正を行っている。従って、左右方向のレベル差を直接的に減少させていない。
また、特許文献2の車室内音場自動補正システムは、複数の収音部を備えているが、収音部が取得した情報をどのように使用しているか定義されていない。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、左右方向のレベル差を解消する音場補正装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、音響空間における左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正装置であって、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段と、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段と、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段と、前記測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段と、を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正方法であって、測定用信号を発生させる測定用信号発生工程と、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力工程と、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音工程と、前記測定用信号収音工程で左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正工程と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、コンピュータを備え、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う装置によって実行される音場補正プログラムであって、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段、前記測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
51 初期補正部
52 測定用信号発生部
53 測定用信号出力部
54 測定用信号集音部
55 遅延補正部
56 遅延調整対象スピーカ決定部
100 オーディオシステム
52 測定用信号発生部
53 測定用信号出力部
54 測定用信号集音部
55 遅延補正部
56 遅延調整対象スピーカ決定部
100 オーディオシステム
本発明の1つの観点は、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正装置であって、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段と、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段と、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段と、前記測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段と、を備える。
上記の音場補正装置は、例えば、車内の音場を補正するための装置に適用することができる。音響空間には、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカが配置されているものとし、測定用信号発生手段は、上記2つのスピーカから測定用信号(例えば、ピンクノイズ等)を発生させる。測定用信号出力手段は、当該測定用信号を外部へ出力する。そして、測定用信号収音手段は、左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する。遅延補正手段は、測定用信号収音手段が左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整をおこなう。
この場合、音場補正装置は、左右方向の軸に従い、2箇所から測定用信号を収音し、収音した内容に基づいて左右方向のレベル差を軽減させているので、受聴位置と各スピーカとの距離に基づいて単純にタイムアライメントを行った場合に発生する受聴位置における左右の音圧レベルの差異を減少させ、より適切な音場空間を提供することができる。
上記の音場補正装置の一態様では、前記遅延補正手段は、前記左右方向のスピーカに対して遅延調整を行う。この場合、音場補正装置は、左右方向のレベル差を直接的に調整し得る左右方向のスピーカに対して遅延調整を行うことにより、適切に左右方向のレベル差を軽減させることができる。
上記の音場補正装置の一態様では、前記音場空間は、前記左右方向のスピーカとは別に縦方向にスピーカを少なくとも1つ備え、前記測定用信号出力手段は、縦方向用の測定用信号を、音場空間内のスピーカから同時に出力させ、前記測定用信号収音手段は、前記縦方向用の測定用信号を前記音響空間における縦方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音し、前記遅延補正手段は、前記縦方向用の測定信号を収音した内容に基づいて、縦方向のレベル差を所定以下になるまで、前記縦方向のスピーカに対して遅延調整を行う。この場合、遅延補正手段は、音場空間における横方向だけでなく、縦方向についてのレベル差を検出し、縦方向のレベル差が少なくなるように補正するので、音場補正装置は、より適切な音場空間を提供することができる。
上記の音場補正装置の他の一態様では、前記音場空間内のスピーカについて、所定の遅延値を予め設定している。この場合、音場補正装置は、予め遅延値を設定しているので、音場補正する回数を軽減させることができる。
前記遅延補正手段は、前記左右方向のスピーカに対して遅延調整を行う際、前記左右方向とは垂直で且つ前記収音手段の中心に位置する受聴箇所を通る第一の基準軸で音場を分断した場合にスピーカ数の少ない領域に存在するスピーカ、若しくは前記受聴箇所に近い方に存在するスピーカに対して遅延調整を行う。この場合、音場補正装置は、補正対象とするスピーカを限定して補正処理を行うので、複数のスピーカに対して補正することを防止することができ、補正処理を簡素化させることができる。
前記遅延補正手段は、前記縦方向とは垂直で且つ受聴箇所の中心を通る第二の基準軸で音場を分断した場合にスピーカ数の少ない領域に存在するスピーカ、若しくは前記受聴箇所に近い方に存在するスピーカに対して遅延調整を行う。この場合も、音場補正装置は、補正対象とするスピーカを限定して補正処理を行うので、複数のスピーカに対して補正することを防止することができ、補正処理を簡素化させることができる。
本発明の他の観点では、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正方法であって、測定用信号を発生させる測定用信号発生工程と、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力工程と、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音工程と、前記測定用信号収音工程で左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正工程と、を備える。
上記の音場補正方法でも左右方向の軸に従い、2箇所から測定用信号を収音し、収音した内容に基づいて左右方向のレベル差を軽減させているので、受聴位置と各スピーカとの距離に基づいて単純にタイムアライメントを行った場合に発生する受聴位置における左右の音圧レベルの差異を減少させ、より適切な音場空間を提供することができる。
本発明の他の観点では、コンピュータを備え、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う装置によって実行される音場補正プログラムであって、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段、前記測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段、として前記コンピュータを機能させる。
このプログラムを、各種装置上で実行することにより、本発明の音場補正装置を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[概要説明]
まず、本発明による信号遅延時間測定の概要について説明する。図1に、信号遅延時間測定のための基本的構成を模式的に示す。図示のように、信号遅延時間測定を行う装置は、信号処理回路2と、測定用信号発生器3と、D/A変換器4と、スピーカ6と、マイクロホン8と、A/D変換器10と、を備える。スピーカ6及びマイクロホン8は音響空間260内に配置される。なお、本実施例における音響空間260は、車室内の空間とする。
まず、本発明による信号遅延時間測定の概要について説明する。図1に、信号遅延時間測定のための基本的構成を模式的に示す。図示のように、信号遅延時間測定を行う装置は、信号処理回路2と、測定用信号発生器3と、D/A変換器4と、スピーカ6と、マイクロホン8と、A/D変換器10と、を備える。スピーカ6及びマイクロホン8は音響空間260内に配置される。なお、本実施例における音響空間260は、車室内の空間とする。
測定用信号発生器3は測定用信号211としてパルス性の信号を発生し、信号処理回路2へ供給する。なお、測定用信号はデジタル信号として測定用信号発生器3内のメモリなどに記憶しておくことができる。信号処理回路2は、測定用信号211をD/A変換器4へ送る。D/A変換器4は測定用信号211をアナログの測定用信号212に変換し、スピーカ6へ供給する。スピーカ6は測定用信号212に対応する測定用パルス音35を測定用信号音として音響空間260に出力する。なお、本実施例では、上記スピーカ6が5つ設けられて、マイクロホン8が、受聴位置の左右方向と前後方向に合計4つ設けられているものとする。上記測定用信号の具体例として、ピンクノイズなど種々のランダムノイズやパルス性の信号がある。なお、本実施例では、測定用信号をパルス性の信号としているが、他の種々の信号でも良い。
本発明では、測定用信号211を左右方向に配置されているマイクロホン8を介して取得し、受聴位置の左右レベル差を検出し、当該左右レベル差に応じて遅延補正をする。
[オーディオシステム]
図2は、本実施例の自動音場補正システムを備えたオーディオシステムの構成を示すブロック図である。
図2は、本実施例の自動音場補正システムを備えたオーディオシステムの構成を示すブロック図である。
図2において、本オーディオシステム100には、CD(Compact disc)プレーヤやDVD(Digital Video Disc又はDigital Versatile Disc)プレーヤ等の音源1から複数チャンネルの信号伝送路を通じてデジタルオーディオ信号SFL,SFR,SC,SRL,及びSRRが供給される信号処理回路2と、測定用信号発生器3とが設けられている。
なお、オーディオシステム100は、複数チャンネルの信号伝送路を含むが、以下の説明では各チャンネルをそれぞれ「FLチャンネル」、「FRチャンネル」などと表現することがある。また、信号及び構成要素の表現において複数チャンネルの全てについて言及する時は参照符号の添え字を省略する場合がある。また、個別チャンネルの信号及び構成要素に言及する時はチャンネルを特定する添え字を参照符号に付す。例えば、「デジタルオーディオ信号S」と言った場合は全チャンネルのデジタルオーディオ信号SFL〜SRRを意味し、「デジタルオーディオ信号SFL」と言った場合はFLチャンネルのみのデジタルオーディオ信号を意味するものとする。
更に、オーディオシステム100は、信号処理回路2によりチャンネル毎に信号処理されたデジタル出力DFL〜DRRをアナログ信号に変換するD/A変換器4FL〜4RRと、これらのD/A変換器4FL〜4RRから出力される各アナログオーディオ信号を増幅する増幅器5FL〜5RRとを備えている。これらの増幅器5で増幅した各アナログオーディオ信号SPFL〜SPRRを、図1に例示するような自動音場補正システム等に配置された複数チャンネルのスピーカ6FL〜6RRに供給して鳴動させるようになっている。
また、オーディオシステム100は、受聴位置RVにおける再生音を集音するマイクロホン8A〜Dと、マイクロホン8から出力される集音信号を増幅する増幅器9A〜9Dと、増幅器9A〜9Dの出力をデジタルの集音データに変換して信号処理回路2に供給するA/D変換器10A〜10Dとを備えている。
ここで、オーディオシステム100は、オーディオ周波数帯域のほぼ全域にわたって再生可能な周波数特性を有する全帯域型のスピーカ6FL,6FR,6C,6RL,6RRを鳴動させることで、受聴位置RVにおける受聴者に対して臨場感のある音響空間を提供する。
各スピーカの配置としては、例えば、図3に示すように、受聴位置RVの前方に、左右2チャンネルのフロントスピーカ(前方左側スピーカ、前方右側スピーカ)6FL、6FRとセンタースピーカ6Cを配置する。また、受聴位置RVの後方に、左右2チャンネルのスピーカ(後方左側スピーカ、後方右側スピーカ)6RL、6RRと、を配置する。オーディオシステム100に備えられた自動音場補正システムは、遅延特性を補正したアナログオーディオ信号SPFL〜SPRRをこれら5個のスピーカ6FL〜6RRに供給して鳴動させることで、臨場感のある音響空間を実現する。また、受聴位置RVの左右方向にマイクロホン8A及びマイクロホン8Bを配置し、前後方向にマイクロホン8C及びマイクロホン8Dを配置する。
信号処理回路2は、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)等で形成されており、図4に示すように、大別して信号処理部20と、係数演算部30とから構成される。信号処理部20は、CD、DVD、その他の各種音楽ソースを再生する音源1から複数チャンネルのデジタルオーディオ信号を受け取り、遅延特性補正を施してデジタル出力信号DFL〜DRRを出力する。
係数演算部30は、マイクロホン8で集音された信号をデジタルの集音データを受け取り、補正係数信号を生成して信号処理部20へ供給する。
マイクロホン8からの集音データに基づいて信号処理部20が適切な遅延特性補正を行うことにより、各スピーカ6から最適な信号が出力される。
信号処理部20は、図5に示すようにグラフィックイコライザGEQと、チャンネル間アッテネータATG1〜ATG5と、遅延回路DLY1〜DLY5とを備えている。一方、係数演算部30は、図6に示すように、システムコントローラMPUと、初期補正部11と、軸レベル補正部12とを備えている。初期補正部11及び軸レベル補正部12はDSPを構成している。なお、システムコントローラは、オーディオシステム100全体を統括的に制御している。
オーディオシステム100は、動作モードとして自動音場補正モードと音源信号再生モードの2つのモードを有する。自動音場補正モードは、音源1からの信号再生に先だって行われる調整モードであり、オーディオシステム100の設置された環境について自動音場補正を行う。その後、音源信号再生モードでCDなどの音源1からの音響信号が再生される。本発明は、主として自動音場補正モードにおける補正処理に関するものである。
図5を参照すると、FLチャンネルのイコライザEQ1には、音源1からのデジタルオーディオ信号SFLの入力をオン/オフ制御するスイッチ素子SW12と、測定用信号発生器3からの測定用信号DNの入力をオン/オフ制御するスイッチ素子SW11が接続され、スイッチ素子SW11はスイッチ素子SWNを介して測定用信号発生器3に接続されている。
スイッチ素子SW11,SW12,SWNは、図6に示すマイクロプロセッサで形成されたシステムコントローラMPUによって制御され、音源信号再生時には、スイッチ素子SW12がオン(導通)、スイッチ素子SW11とSWNがオフ(非導通)となり、音場補正時には、スイッチ素子SW12がオフ、スイッチ素子SW11とSWNがオンとなる。
また、イコライザEQ1の出力接点には、チャンネル間アッテネータATG1が接続され、チャンネル間アッテネータATG1の出力接点には遅延回路DLY1が接続されている。そして、遅延回路DLY1の出力DFLが、図2中のD/A変換器4FLに供給される。
他のチャンネルもFLチャンネルと同様の構成となっており、スイッチ素子SW11に相当するスイッチ素子SW21〜SW51と、スイッチ素子SW12に相当するスイッチ素子SW22〜SW52が設けられている。そして、これらのスイッチ素子SW21〜SW52に続いて、イコライザEQ2〜EQ5と、チャンネル間アッテネータATG2〜ATG5と、遅延回路DLY2〜DLY5が備えられ、遅延回路DLY2〜DLY5の出力DFR〜DRRが図2中のD/A変換器4FR〜4RRに供給される。
更に、各チャンネル間アッテネータATG1〜ATG5は、チャンネル間レベル補正部12からの調整信号SG1〜SG5に従って0dBからマイナス側の範囲で減衰率を変化させる。また、各チャンネルの遅延回路DLY1〜DLY5は、初期補正部11や軸レベル補正部12からの調整信号に従って入力信号の遅延時間を変化させる。
初期補正部11について説明する。初期補正部11は、受聴位置RVと、各スピーカとの距離に基づいて、遅延量を算出する。
具体的には、図5に示すスイッチSW11〜SW52を順次切り換えることにより、測定用信号発生器3から発生された測定用信号DNを各チャンネルに各スピーカ6から出力し、これをマイクロホン8により集音して対応する集音データを生成する。測定用信号を例えばインパルスなどのパルス性信号とすると、スピーカ6からパルス性の測定用信号を出力した時刻と、それに対応するパルス信号がマイクロホン8により受信された時刻との差は、各チャンネルのスピーカ6とマイクロホン8との距離に比例することになる。よって、測定より得られた各チャンネルの遅延時間のうち、最も遅延量の大きいチャンネルの遅延時間に残りのチャンネルの遅延時間を合わせることにより、各チャンネルのスピーカ6と受聴位置RVとの距離差を吸収することができる。よって、各チャンネルのスピーカ6から発生する信号間の遅延を等しくすることができ、複数のスピーカ6から出力された時間軸上で一致する時刻の音響が同時に受聴位置RVに到達することになる。
図7(A)に初期補正部11の構成を示す。遅延量演算部11aは集音データDMを受け取り、パルス性測定用信号と集音データとの間のパルス遅延量に基づいて、各チャンネル毎に音場環境による信号遅延量(時間)を演算する。遅延量決定部11bは遅延量演算部11aからチャンネル毎に信号遅延量を受け取り、一時的にメモリ11cに記憶する。全てのチャンネルについての信号遅延量が演算され、メモリ11cに記憶された状態で、調整量決定部11bは最も大きい信号遅延量を有するチャンネルの再生信号が受聴位置RVに到達するのと同時に他のチャンネルの再生信号が受聴位置RVに到達するように、各チャンネルの調整量を決定し、調整信号を各チャンネルの遅延回路DLY1〜DLY5に供給する。各遅延回路DLY1〜DLY5は調整信号に応じて遅延量を調整する。こうして、各チャンネルの遅延特性の調整が行われる。なお、上記の例では遅延調整のための測定用信号としてパルス性信号を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の測定用信号を用いてもよい。
軸レベル補正部12について説明する。軸レベル補正部12は、受聴位置の左右又は前後の軸のレベル差をほぼ0にする役割を有する。図7(B)に示すように、軸レベル補正部12は、レベル検出部12aと調整量決定部12bとを有する。ここで軸について、図8を用いて説明する。図8の横方向をX方向とし、縦方向をY方向とする。図8(A)に示すように、本実施例では、フロントスピーカであるスピーカ6FL、スピーカ6C、及びスピーカ6FRを通過するX方向の軸を軸401とする。当該軸401と平行している軸402上に配置されているマイクロホンをX軸方向のマイクロホンとする。即ち、X軸方向のマイクロホンは、フロントスピーカの並びと平行に配置されていることになる。また、図8(B)に示すように、上記軸402と垂直となるY方向の軸である軸403上に配置された複数のマイクロホンをY軸方向のマイクロホンとする。
具体的に、測定用信号発生器3から出力される測定用信号(例えば、ピンクノイズ)DNによって、スピーカ6FL、6C、及び6FRを同時に鳴動させたときに、レベル検出部12aは、マイクロホン8A及びマイクロホン8Bを介して得られる受聴位置RVにおける左右のレベル差を取得する。取得したレベル差がほぼ0でない場合、調整量決定部12bは、スピーカ6の遅延量の調整を行う。また、測定用信号発生器3から出力される測定用信号DNによって、5つのスピーカ6を同時に鳴動させた場合、レベル検出部12aは、マイクロホン8C及びマイクロホン8Dを介して得られる受聴位置RVにおける前後のレベル差を取得する。取得したレベル差がほぼ0でない場合、調整量決定部12bは、スピーカ6の遅延量の調整を行う。
[オーディオシステムの機能]
次に、オーディオシステム100の機能ブロック図を、図9に示す。図9に示すように、オーディオシステム100は、初期補正部51、測定用信号発生部52、測定用信号出力部53、測定用信号収音部54、遅延補正部55、及び遅延調整対象スピーカ決定部56を有する。
次に、オーディオシステム100の機能ブロック図を、図9に示す。図9に示すように、オーディオシステム100は、初期補正部51、測定用信号発生部52、測定用信号出力部53、測定用信号収音部54、遅延補正部55、及び遅延調整対象スピーカ決定部56を有する。
初期補正部51は、受聴位置RVと、各スピーカ6の位置に基づいて遅延量を決定する。本実施例では、システムコントローラが、係数演算部30内の初期補正部11を動作させることにより、初期補正部51を実現している。
測定用信号発生部52は、測定用信号を発生させる。本実施例では、システムコントローラが、測定用信号発生器3に対して測定用信号を発生させることにより、測定用信号発生部52を実現する。
測定用信号出力部53は、測定用信号発生部11が発生した測定用信号を同時に複数のスピーカ6から出力させる。本実施例では、システムコントローラが、信号処理回路2に対して測定用信号の出力を要求することにより、測定用信号出力部53を実現する。
測定用信号収音部54は、測定用信号出力部53が出力した測定用信号を、マイクロホン8が収音した情報を取得する。本実施例では、システムコントローラが、信号処理回路2に対して、マイクロホン8が収音した情報を取得させることにより、測定用信号収音部54を実現する。
遅延補正部55は、測定用信号収音部54が収音した情報に基づき、左右の軸又は、前後の軸におけるレベル差を検出し、軸のレベル差が所定値以上である場合に、軸のレベル差が0に近づくように、後述する遅延調整対象スピーカ決定部56が決定したスピーカについて遅延量を変更する。
遅延調整対象スピーカ決定部56は、スピーカ6の配置に基づいて、遅延調整を行うスピーカ6を決定する。調整対象のスピーカ6を決定する方法について図10(A)及び図10(B)を用いて、説明する。遅延調整対象スピーカ決定部56は、軸(X軸やY軸)と垂直で、且つ受聴箇所の中心位置を通る、軸基準線で音場空間を分断した場合における、スピーカ6の数が少ない領域に属するスピーカ6の内、受聴位置RVに近いスピーカ6を、軸に関する補正遅延対象のスピーカに決定する。
図10(A)のように、X方向の軸上のレベル差に基づく遅延量変更対象のスピーカを決める場合、遅延調整対象スピーカ決定部56は、X方向と垂直で、且つ受聴箇所の中心位置Pを通る軸基準線L1で音場空間を分断する。そして、遅延調整対象スピーカ決定部56は、分断した領域の内、スピーカの数の少ない領域である領域150Aに属し、且つ受聴箇所に近いスピーカ6FRを遅延調整対象スピーカに決定する。
そして、図10(B)のように、Y方向の軸上のレベル差に基づいて、遅延量変更対象のスピーカを決める場合、遅延調整対象スピーカ決定部56は、Y方向と垂直で、且つ受聴位置RVの中心位置Pを通る軸基準線L2で音場空間を分断する。そして、遅延調整対象スピーカ決定部56は、分断した領域の内、スピーカの数の少ない領域である領域150Cに属し、且つ受聴箇所に近いスピーカ6RRを遅延調整対象スピーカに決定する。
上述の例のように、オーディオシステム100は、補正対象とするスピーカ6を限定して補正処理を行うので、複数のスピーカ6に対して補正することを防止することができ、補正処理を簡素化させることができる。
[音場補正方法及び音場補正手順]
次に、オーディオシステム100が、音場を補正する処理手順について説明する。ここでいう音場補正処理とは、オーディオシステム100が、音場空間の前方に設置されているスピーカ6から出力された信号をX方向の軸402上の2箇所のマイクロホン8A及び8Bから取得し、当該マイクロホン8から取得した情報に基づいて、X方向のレベル差をほぼ0となるようにスピーカの遅延量を調整し、さらに、Y方向の軸403上のマイクロホン8C及び8Dから取得した情報に基づいて、Y方向のレベル差をほぼ0となるようにスピーカの遅延量を調整する処理をいう。
次に、オーディオシステム100が、音場を補正する処理手順について説明する。ここでいう音場補正処理とは、オーディオシステム100が、音場空間の前方に設置されているスピーカ6から出力された信号をX方向の軸402上の2箇所のマイクロホン8A及び8Bから取得し、当該マイクロホン8から取得した情報に基づいて、X方向のレベル差をほぼ0となるようにスピーカの遅延量を調整し、さらに、Y方向の軸403上のマイクロホン8C及び8Dから取得した情報に基づいて、Y方向のレベル差をほぼ0となるようにスピーカの遅延量を調整する処理をいう。
上記音場補正処理手順について、図11に示すフローチャートに従って説明する。当該音場補正処理は、システムコントローラ上でプログラムを実行することにより実現することができる。
最初に、初期補正部51が、各スピーカ6と、運転席(受聴位置RV)の距離から、各チャンネルの遅延量(TA値)を設置する(ステップS1)。
次に、遅延調整対象スピーカ決定部56は、前述の方法に基づいて、遅延調整の対象となるスピーカを決定する(ステップS2)。本実施例では、遅延調整対象スピーカ決定部56は、左右方向のレベル差がほぼ0となっていない場合には、スピーカ6FRを遅延させ、前後方向のレベル差がほぼ0となっていない場合には、スピーカ6SRを遅延させることを決定する。
そして、測定用信号発生部52は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、測定用信号出力部53は、フロント側の3つのスピーカから同時にピンクノイズを出力する(ステップS3)。
そして、測定用信号収音部54は、上記のピンクノイズを収音し、遅延補正部55は、頭部周りの左右軸である軸402上のレベル差を検出し、レベル差が所定の閾値以下ではない場合(ステップS5;No)、遅延補正部55は、スピーカ6FRの遅延量を変更する(ステップS6)。なお、遅延補正部55は、左右軸のレベル差が所定の閾値以下になるまで、継続してスピーカ6FRの遅延量を変更する(ステップS4〜ステップS6)。
このように、遅延補正部55が、左右方向に位置するスピーカ6FRの遅延量を変更することにより、左右方向のレベル差の改善を行っている。
左右軸のレベル差がほぼ0となっている場合(ステップS5;Yes)、測定用信号発生部52は、測定用信号であるピンクノイズを発生させ、測定用信号出力部53は、音場空間内の5つのスピーカ6から同時にピンクノイズを出力する(ステップS7)。
測定用信号収音部54が、上記のピンクノイズを収音し、遅延補正部55は、前後軸(軸403)、左右軸のマイクレベル差を算出し(ステップS8)、前後軸、左右軸共に、マイクレベル差がほぼ0でなければ(ステップS9;No)、遅延補正部55は、スピーカ6SRの遅延量を変更する(ステップS10)。なお、遅延補正部55は、前後軸、左右軸のマイクレベル差がほぼ0になるまでスピーカ6SRの遅延量を変更する。
そして、前後軸、左右軸共に、マイクレベル差がほぼ0となった段階で(ステップ9;Yes)、音場補正処理を終了する。
なお、ステップS9で、前後軸、左右軸共にマイクレベル差がほぼ0であるか否かを判断しているが、ステップS5で、左右軸のマイクレベル差がほぼ0となっている段階で、左右軸のマイクレベル差がほぼ0でない可能性が低いことから、ステップS9で左右軸のマイクレベル差を算出しなくても良い。
次に、図12(A)に従来の音場補正方法を行った場合の左右軸、前後軸のマイクレベル差を示し、図12(B)に本願発明の音場補正方法を行った場合の左右軸、前後軸のマイクレベル差を示す。
図12(A)及び図12(B)に示すように、本願発明の音場補正処理によれば、従来の音場補正方法に比して、左右軸におけるマイクレベル差が改善されている。
このように、音場補正装置1は、利用者の左右方向におけるマイクレベル差に着目し、マイクレベル差を改善するようにスピーカの遅延量を調整しているので、従来に比して、良好な音場空間を提供することができる。
以上説明したように、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正装置は、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段と、音響空間の左右方向用として、測定用信号を2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段と、左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段と、測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段と、を備える。
この場合、音場補正装置は、左右方向(横方向)の軸に従い、2箇所から測定用信号を収音し、収音した内容に基づいて左右方向のレベル差を軽減させているので、受聴位置と各スピーカとの距離に基づいて単純にタイムアライメントを行った場合に発生する受聴位置における左右の音圧レベルの差異を減少させ、より適切な音場空間を提供することができる。
また、上述のオーディオシステム100は、縦方向にスピーカ6を少なくとも1つ備えており、測定用信号発生部52は、縦方向(Y方向)用の測定用信号を、全スピーカ6から同時に出力させ、遅延補正部55は、縦方向用の測定信号を収音した内容に基づいて、縦方向のレベル差を所定以下になるまで、縦方向のスピーカ6に対して遅延調整を行っている。この場合、遅延補正部55は、音場空間における横方向だけでなく、縦方向についてのレベル差を検出し、縦方向のレベル差が少なくなるように補正するので、オーディオシステム100は、より適切な音場空間を提供することができる。
また、上述のオーディオシステム100では、初期補正部51が音場空間内のスピーカについて、所定の遅延値を予め設定している。この場合、音場補正装置は、予め遅延値を設定しているので、音場補正する回数を軽減させることができる。
上述の実施例では、オーディオシステム100が、X方向又はY方向上のレベル差を減少させる場合について述べたが、本発明は、これに限られず、他の軸上のレベル差を減少させるように補正しても良い。
本発明は、音場を補正する装置について利用することができる。
請求項1に記載の発明は、音響空間における左右方向に配置された少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正装置であって、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段と、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段と、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所で収音する測定用信号収音手段と、前記測定用信号収音手段が左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差が所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段と、を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、音響空間における左右方向に配置された少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正方法であって、測定用信号を発生させる測定用信号発生工程と、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力工程と、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所で収音する測定用信号収音工程と、前記測定用信号収音工程で左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差が所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正工程と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、コンピュータを備え、音響空間における左右方向に配置された少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う装置によって実行される音場補正プログラムであって、測定用信号を発生させる測定用信号発生手段、前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段、前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所で収音する測定用信号収音手段、前記測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差が所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
Claims (8)
- 音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正装置であって、
測定用信号を発生させる測定用信号発生手段と、
前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段と、
前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段と、
前記測定用信号収音手段が左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段と、
を備えることを特徴とする音場補正装置。 - 前記遅延補正手段は、前記左右方向のスピーカに対して遅延調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の音場補正装置。
- 前記音場空間は、前記左右方向のスピーカとは別に縦方向にスピーカを少なくとも1つ備え、
前記測定用信号出力手段は、縦方向用の測定用信号を、音場空間内のスピーカから同時に出力させ、
前記測定用信号収音手段は、前記縦方向用の測定用信号を前記音響空間における縦方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音し、
前記遅延補正手段は、前記縦方向用の測定信号を収音した内容に基づいて、縦方向のレベル差を所定以下になるまで、前記縦方向のスピーカに対して遅延調整を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の音場補正装置。 - 前記音場空間内のスピーカについて、所定の遅延値を予め設定していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の音場補正装置。
- 前記遅延補正手段は、前記左右方向のスピーカに対して遅延調整を行う際、前記左右方向とは垂直で且つ前記収音手段の中心に位置する受聴箇所を通る第一の基準軸で音場を分断した場合にスピーカ数の少ない領域に存在するスピーカ、若しくは前記受聴箇所に近い方に存在するスピーカに対して遅延調整を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の音場補正装置。
- 前記遅延補正手段は、前記縦方向とは垂直で且つ受聴箇所の中心を通る第二の基準軸で音場を分断した場合にスピーカ数の少ない領域に存在するスピーカ、若しくは前記受聴箇所に近い方に存在するスピーカに対して遅延調整を行うことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の音場補正装置。
- 音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う音場補正方法であって、
測定用信号を発生させる測定用信号発生工程と、
前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力工程と、
前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音工程と、
前記測定用信号収音工程で左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正工程と、
を備えることを特徴とする音場補正方法。 - コンピュータを備え、音響空間における、左右方向を含む少なくとも2つのスピーカに対して音場補正を行う装置によって実行される音場補正プログラムであって、
測定用信号を発生させる測定用信号発生手段、
前記音響空間の左右方向用として、前記測定用信号を前記2つのスピーカから同時に出力させる測定用信号出力手段、
前記左右方向用の測定用信号を前記音響空間における左右方向の軸に沿って、少なくとも2箇所から収音する測定用信号収音手段、
前記測定用信号収音手段が、左右方向用の測定用信号を収音した内容に基づいて、左右方向のレベル差を所定値以下になるまで、音響空間内のいずれかのスピーカについて遅延調整を行う遅延補正手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする音場補正プログラム。
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