JPWO2010029914A1 - バドミントン用シャトルコック - Google Patents

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Abstract

水鳥の羽根を用いたシャトルコックと同等の飛翔特性および耐久性を備える、バドミントン用シャトルコックを提供する。羽部本体部(5)および当該羽部本体部(5)に接続された軸(7)を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、ベース本体に固定された複数の人工羽根(3)を備えた人工シャトルコックであって、複数の当該人工羽根(3)の当該軸(7)を互いに固定する網掛け紐状体(13)を備えている。そして、当該軸(7)の網掛け紐状体(13)と対向する表面の少なくとも一部に、可撓性部材としての突出部(12)の端部が配置され、網掛け紐状体(13)が突出部(12)の端部を押圧することにより、突出部(12)の端部が変形した状態で、網掛け紐状体(13)と突出部(12)の端部とが接着部材を介して接続固定されている。

Description

この発明は、バドミントン用シャトルコックに関し、より特定的には、水鳥の羽根を用いたバドミントン用シャトルコックと同等の飛翔特性および耐久性を有する、人工羽根を用いたバドミントン用シャトルコックに関する。
従来、バドミントン用シャトルコックとして、その羽根に水鳥の羽根を用いたもの(天然シャトルコック)と、ナイロン樹脂などにより人工的に製造された羽根を用いたもの(人工シャトルコック)とが知られている。そして、天然シャトルコックは、そのような天然の羽根について一定の品質のものを入手することに手間が掛かることから、人工の羽根を用いたシャトルコックより高価である。そのため、安価で安定した品質の人工の羽根を用いたシャトルコックが提案されている(たとえば、特開昭57−37464号公報(特許文献1)および特開昭53−40335号公報(特許文献2)参照)。
特許文献1では、不織布によって羽部を形成し、当該羽部に結合した羽軸部を射出成形により一体的に形成したシャトルコック用人工羽根およびその人工羽根を用いた人工シャトルコックが開示されている。また、特許文献2では、羽部と、高強度繊維を補強材とする羽軸部とを接着剤で接合したシャトルコック用人工羽根が開示されている。
特開昭57−37464号公報 特開昭53−40335号公報
しかし、上述の特許文献1や特許文献2に開示されたシャトルコック用人工羽根を用いた人工シャトルコックでは、発明者の実験によれば、実際に使用すると羽部と羽軸部との接続部が剥離したり、当該接続部に応力が集中して折損したりするため、耐久性の面で水鳥の羽根を用いた天然シャトルコックより劣っていた。また、人工シャトルコックでは、天然シャトルコックに比べて羽軸部の剛性が低く、当該羽軸部の変形が大きい。このため、人工シャトルコックを構成する複数本のシャトルコック用人工羽根の羽軸部を互いに固定する固定部材および、当該羽軸部と固定部材とを接着する接着剤として、天然シャトルコックと同じものを用いても、ラケットでの連続強打に耐えうるほど確実にシャトルコック用人工羽根を接着、固定することが困難である。また、耐久性を向上させるため、羽軸部の材質をより剛性の高い材料などに変更すると、ラケットで打撃したときに当該羽軸部がかえって折損しやすくなり、耐久性の向上につながらず、また、飛翔性能も水鳥の羽根を用いた天然シャトルコックと大きく異なることになるという問題があった。
しかし、水鳥の羽根を用いた天然シャトルコックは、その水鳥の羽根の入手がますます困難になってきていることから、価格が高騰しており、飛翔性能や耐久性が水鳥の羽根を用いた天然シャトルコックと同等の、人工の羽根を用いた人工シャトルコックが強く求められている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、水鳥の羽根を用いたシャトルコックと同等の飛翔特性および耐久性を備える、バドミントン用シャトルコックを提供することである。
この発明に従ったバドミントン用シャトルコックは、半球状のベース本体を備えている。また、羽部および当該羽部に接続された軸を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、当該ベース本体に固定された複数の人工羽根を備えた人工シャトルコックである。さらに、複数の当該人工羽根の当該軸を互いに固定する固定部材とを備えている。そして、当該軸の当該固定部材と対向する表面の少なくとも一部に、可撓性部材が配置され、固定部材が可撓性部材を押圧することにより、可撓性部材が変形した状態で、固定部材と可撓性部材とが接着部材を介して接続固定されている。
このように、人工羽根の軸表面に可撓性部材が配置され、かつ、複数本の人工羽根の軸同士を固定部材で固定する際に、人工羽根の軸表面に配置した可撓性部材が固定部材により押圧されて変形する。当該可撓性部材が軸に配置されることにより、可撓性部材が配置された軸と固定部材との接触面積は、当該可撓性部材が当該軸に配置されない人工羽根を用いた場合に比べて大きくなる。さらに、可撓性部材が固定部材に押圧されることにより変形するので、可撓性部材が配置された軸と固定部材との接触部の形状(具体的には変形した可撓性部材の形状)は複雑化する。このような複雑な形状となった可撓性部材の表面に接着部材が接触して、固定部材と可撓性部材とが接続固定されるため、固定部材と可撓性部材との接着強度はより向上する。つまり、固定部材と、人工羽根の軸や可撓性部材との接着強度は、当該可撓性部材が当該軸に配置されない人工羽根を用いた場合に比べて増大する。したがって、当該可撓性部材を配置した人工シャトルコックでは、ラケットでの連続強打に対する耐久性を大幅に向上することができる。
この発明に従ったバドミントン用シャトルコックは、半球状のベース本体を備えている。また、羽部および当該羽部に接続された軸を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、当該ベース本体に固定された複数の人工羽根を備えた人工シャトルコックである。さらに、複数の当該人工羽根の当該軸を互いに固定する固定部材とを備えている。そして、当該軸の当該固定部材と対向する表面の少なくとも一部に、多孔質または繊維質からなる補強部材が配置されている。固定部材と補強部材とは、接着部材を介して接続固定されており、接着部材の少なくとも一部が補強部材に含浸している。
このように、複数本の人工羽根の軸同士を固定部材で固定する際に、人工羽根の軸表面に配置した、多孔質または繊維質からなる補強部材と固定部材とを接着部材を介して接着固定する。この場合、補強部材が軸に配置されることによって軸と固定部材との接触面積は、当該補強部材が軸に配置されていない人工羽根を用いた場合に比べて大きくなる。さらに、補強部材は多孔質または繊維質からなるため、このようにすれば、多孔質または繊維質の内部に接着部材が含浸することができる。したがって、接着部材と補強部材との接着強度が向上する。このため、軸と固定部材との接着強度を、軸表面に上述した補強部材を配置しない場合に比べて大幅に向上することができる。
なお、上述した補強部材を含む人工シャトルコックの場合においても、固定部材が補強部材を押圧することにより、補強部材が変形した状態で固定されていることがさらに好ましい。このようにすれば、接着部材が補強部材に含浸することによる効果と、補強部材の変形により当該補強部材と固定部材との接触部の形状(補強部材の形状)が複雑化することにより固定部材と補強部材との接着強度が向上するという効果との相乗効果が起こる。したがって、軸と固定部材との接着強度をさらに向上することができる。
この発明に従ったバドミントン用シャトルコックは、半球状のベース本体を備えている。また、羽部および当該羽部に接続された軸を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、ベース本体に固定された複数の人工羽根を備えた人工シャトルコックである。さらに、複数の人工羽根の軸を互いに固定する固定部材を備えている。そして、当該軸の固定部材と対向する表面の少なくとも一部には、可撓性部材が当該軸と一体に形成されている。固定部材が可撓性部材を押圧することにより、可撓性部材が変形した状態で、固定部材と可撓性部材とが接着部材を介して接続固定されている。
このように、人工羽根の軸表面に可撓性部材が当該軸と一体に形成され、かつ、複数本の人工羽根の軸同士を固定部材で固定する際に、人工羽根の軸表面に形成された可撓性部材が固定部材により押圧されて変形する。当該可撓性部材が軸に形成されることにより、可撓性部材が形成された軸と固定部材との接触面積は、当該可撓性部材が当該軸の表面から突出するように形成されない人工羽根を用いた場合に比べて大きくなる。さらに、可撓性部材が固定部材に押圧されることにより変形するので、可撓性部材が形成された軸と固定部材との接触部の形状(具体的には変形した可撓性部材の形状)は複雑化する。このような複雑な形状となった可撓性部材の表面に接着部材が接触して、固定部材と可撓性部材とが接続固定されるため、固定部材と可撓性部材との接着強度はより向上する。つまり、固定部材と、可撓性部材(人工羽根の軸)との接着強度は、当該可撓性部材が当該軸に形成されない人工羽根を用いた場合に比べて増大する。したがって、当該可撓性部材が形成された人工羽根を用いた人工シャトルコックでは、ラケットでの連続強打に対する耐久性を大幅に向上することができる。
上記バドミントン用シャトルコックにおいて、複数本の人工羽根の軸同士を固定する固定部材は、複数の人工羽根の軸を繋ぐように巻きつけられた紐状体を含むことが好ましい。紐状体を用いることにより、人工羽根の軸同士を容易に固定することができる。
上記バドミントン用シャトルコックにおいて、固定部材はFRP化されていてもよい。ここで、天然シャトルコックにおける水鳥の羽根の羽軸部に比べて、人工シャトルコックにおける羽根の羽軸部の質量は大きくなる場合が多い。このため、飛翔性能に影響を与えないためには、固定部材として軽量で剛性の高い材質を用いることが好ましい。そのため、固定部材(たとえば上述した紐状体)をFRP化することが好ましい。なお、上記固定部材は熱硬化性樹脂を含むことがさらに好ましい。このようにすれば、固定部材をシャトルコックに配置する作業を容易に行なうことができるとともに、固定部材のFRP化を容易に行なうことができる。
なお、剛性の高い材料としては従来からカーボンが広く用いられているが、本発明におけるバドミントン用シャトルコックの固定部材にカーボンを用いると、耐衝撃性という点で問題が発生する可能性がある。すなわち、シャトルコックは打撃されるときに非常に強い衝撃を受けるが、上述したカーボンを固定部材に適用するとそのような衝撃により固定部材が破損する恐れがある。さらに、固定部材として使用する際にたとえば繊維状のカーボンを糸状にし(カーボン繊維を撚り線状に加工し)、当該カーボン繊維からなる糸を羽根の羽軸部に巻き付ける、あるいは所定の形状に変形するといった作業を行なう場合、当該糸は簡単に切断したりするため、上記作業の実施が困難であるという問題もある。したがって、固定部材としてはたとえばガラスまたはアラミド繊維からなる糸を含むことが好ましい。上述したガラスまたはアラミド繊維は、耐衝撃性という観点から上記カーボンに比べて良好な特性(高い耐衝撃性)を示し、また糸状に加工して羽軸部に巻き付ける(かがり糸とする)作業を行なっても容易に切断したりすることはない。このようにすれば、軽量かつ高剛性の固定部材を実現できるとともに、高い耐衝撃性を示す固定部材を実現でき、かつ、当該糸をかがり糸とする作業を容易に行なうことができる。特に、アラミド繊維を固定部材に用いると、耐衝撃性の高い固定部材を実現できる。
上記バドミントン用シャトルコックは、固定部材に接続され、環状に配置された複数の人工羽根の外周面を周回するように配置された補強用固定部材をさらに備えることが好ましい。このようにすれば、複数本の人工羽根の軸同士をさらに強固に固定することができる。
また、上記バドミントン用シャトルコックは、固定部材の外周面を覆う被覆部材をさらに備えることがさらに好ましい。被覆部材が配置されることにより、固定部材を補強することができるため、当該バドミントン用シャトルコックの耐久性をさらに向上することができる。
本発明によれば、天然シャトルコックと同等の飛翔特性および耐久性を有する、人工羽根を用いたバドミントン用シャトルコックを実現できる。
本発明の実施の形態1に従ったシャトルコックを示す模式図である。 図1に示したシャトルコックを構成する、本発明に従ったシャトルコック用人工羽根の実施の形態を示す平面模式図である。 図2の線分III−IIIにおける断面模式図である。 図2の線分IV−IVにおける断面模式図である。 図2の線分V−Vにおける断面模式図である。 図2の線分VI−VIにおける断面模式図である。 図2に示したシャトルコック用人工羽根の羽軸部の下端部の外観を示す写真である。 図2に示したシャトルコック用人工羽根の羽軸部の中央部の外観を示す写真である。 図2に示したシャトルコック用人工羽根の羽軸部の先端部の外観を示す写真である。 図2に示した人工羽根の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示したシャトルコックの製造方法を説明するためのフローチャートである。 図10に示した人工羽根の製造方法における途中工程を説明するための模式図である。 図12の線分XIII−XIIIにおける断面模式図である。 図12の線分XIV−XIVにおける断面模式図である。 図12の線分XV−XVにおける断面模式図である。 組立工程(S200)について詳細に説明するフローチャートである。 網掛け紐状体が人工羽根を構成する可撓性部材と固定される状態を示す概略図である。 図17に示す要部「XVIII」の状態を詳細に示すための拡大写真である。 図18の写真に示す網掛け紐状体が人工羽根を固定するための網掛けの状態を詳細に描写した概略図である。 人工羽根の軸の根元側における断面模式図である。 人工羽根の軸の根元側を網掛け紐状体が圧迫した状態を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1に従った図1のシャトルコックを複数の人工羽根の軸の先端部側から見た形態を示す模式図である。 可撓性部材が軸の根元側の端部まで配置された、本発明に従ったシャトルコック用人工羽根の実施の形態の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 図32の線分XXXIII−XXXIIIにおける断面模式図である。 本発明に従ったシャトルコックの実施の形態の変形例を示す斜視模式図である。 図34に示したシャトルコックのベース本体側から見た斜視模式図である。 図34および図35に示したシャトルコックを構成する、本発明に従ったシャトルコック用人工羽根の実施の形態の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 シャトルコックを構成する人工羽根の他の変形例を示す平面模式図である。 図16の組立工程(S200)について別の観点から詳細に説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態2に従ったシャトルコックの固定部材を示す模式図である。 本発明の実施の形態2の変形例であるシャトルコックを示す模式図である。 本発明の実施の形態3に従ったシャトルコックの固定部材を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に従ったシャトルコックの固定部材であるかがり糸部分の形態を示す模式図である。 本発明の実施の形態5に従ったシャトルコックにおいて、網掛け紐状体が人工羽根を構成する可撓性部材と固定される状態を示す概略図である。 図50に示した人工羽根の軸の根元側を網掛け紐状体が圧迫した状態を示す断面模式図である。 図50に示した人工羽根の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図52に示した構成材準備工程(S110)に含まれる軸の形成工程を説明するためのフローチャートである。 図50に示した人工羽根の変形例の軸の根元側を網掛け紐状体が圧迫した状態を示す断面模式図である。
次に図面を用いて、本発明の実施の形態および実施例について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1〜図9を参照して、本発明に従ったシャトルコックおよびシャトルコック用人工羽根の実施の形態を説明する。
図1を参照して、本発明に従ったシャトルコック1は、半球状のベース本体(先端部材)と、当該ベース本体の平坦な表面に接続された複数のシャトルコック用の人工羽根3と、人工羽根3を互いに固定する固定部材としての網掛け紐状体13(紐状部材)とからなる。ベース本体はたとえばコルクによって形成されている。また、複数(たとえば16枚)の人工羽根3は、ベース本体の平坦な表面に、円環状に配置されている。複数の人工羽根3は、ベース本体から離れるにしたがって、互いの間の距離が大きくなる(複数の人工羽根3によって形成される筒状部の内径がベース本体から離れるに従って大きくなる)ように配置されている。網掛け紐状体13は、後述するように複数の人工羽根3の軸に絡むように配置されている。また、当該網掛け紐状体13は、ガラスまたはアラミド繊維などからなる紐状体に樹脂(たとえば熱硬化性樹脂)を含浸・硬化させてFRP化されている。
図2〜図9を参照して、図1に示したシャトルコック1を構成する人工羽根3は、羽本体部5と、当該羽本体部5に接続された軸7とからなる。軸7は、羽本体部5から突出するように配置される羽軸部8と、羽本体部5の略中央部において羽本体部5と接続された固着軸部10とからなる。羽軸部8と固着軸部10とは同一線上に延びるように配置され、1つの連続した軸7を構成している。
羽本体部5には、羽軸部8の内部にその一部が埋設された状態で保持される突出部12が接続されている。羽本体部5と突出部12とは、1つのシート状部材9を構成する。突出部12は、羽軸部8の幅より広くなっている。つまり、羽軸部8の延在方向に垂直な方向における突出部12の幅は、当該方向における羽軸部8の幅より広くなっている。この結果、羽軸部8の側方には、突出部12の端部がほぼ一定の幅で羽軸部8に沿って配置された状態となっている。そして、羽軸部8の側部から露出している突出部12の端部は、後述するように網掛け紐状体13との接続強度を向上させるための可撓性部材または補強部材として作用する。
軸7は、図3に示すように根元(図3の右側端部、あるいは羽軸部8において固着軸部10と接続される側と反対側の端部)から先端部(図3の左側端部、あるいは固着軸部10において羽軸部8と接続される側と反対側の端部)に向かうにつれて徐々にその径が小さくなる。また、図4〜図6に示すように、軸7の延在方向に対して交差する方向(直交する方向)における断面形状は四角形状、より具体的には菱形状である。なお、軸7の断面形状は、上述のような四角形状に限らず、任意の形状を採用することができる。たとえば、軸7の断面形状として、シート状部材9の延在方向に交差する方向(図4における縦方向)の長さが、当該シート状部材9の延在方向(図4における横方向)における長さより長くなっているような楕円形状などを採用することもできる。
そして、軸7では、図3、図4および図7に示されるように、軸7の根元側ではシート状部材9が軸7の内部に埋設された状態(シート状部材9が軸7の内部において円弧状の断面形状となるように埋設された状態)であるが、軸7の先端部側に向かうにつれて、図5、図6、図8および図9に示すようにシート状部材9が軸7の表面に露出した状態になっている(シート状部材9が軸7の表面に接触・固定された状態になっている)。また、図4や図5に示すように、軸7の側部からシート状部材9の一部が露出した状態になっている。なお、図7〜図9に示した写真は光学顕微鏡を用いて撮影したものであり、その倍率は25倍である。
なお、軸7におけるシート状部材9の配置は、図3〜図9に示すように、軸7の根元側においてシート状部材9が軸7の内部に埋設され、軸7の中央部および先端部側で軸7の表面にシート状部材9が露出した状態になっている場合に限られず、他の形態となっていてもよい。たとえば、軸7の根元側および中央部においてシート状部材9が軸7の内部に埋設される一方、軸7の先端部側でシート状部材9が軸7の表面に露出している状態になっていてもよい。あるいは、軸7の根元側、中央部および先端部側の全ての部分において、シート状部材9が軸7の内部に埋設された状態になっていてもよい。
次に、図10〜図22を参照して、図1および図2に示したシャトルコック1およびシャトルコック用の人工羽根3の製造方法を説明する。
まず、図10を参照して、本発明に従ったシャトルコック用の人工羽根3の製造方法を説明する。図10に示すように、人工羽根3の製造方法では、まず可撓性部材準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)で準備される可撓性部材は、図12に示すシート状部材9に対応するものであり、図12に示すような平面形状(四隅が丸く成形された概略四角形状)のものを準備する。可撓性部材としてのシート状部材9の厚さは、形成される人工羽根3の空気抵抗や質量バランスなどを考慮して適宜選択することができる。また、可撓性部材(シート状部材9)としては、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の化学繊維からなる不織布を用いることができる。たとえば、不織布として目付が10g/m2以上90g/m2以下のものを用いることができる。また、たとえば不織布としてポリエステル繊維製であり、目付が20g/m2以上80g/m2以下、厚さが0.07mm以上0.3mm以下、といったものを用いることもできる。また、ポリエステル繊維製の不織布として、好ましくは目付が20g/m2以上60g/m2以下、厚さが0.08mm以上0.28mm以下、より好ましくは目付が30g/m2以上50g/m2以下、厚さが0.09mm以上0.25mm以下、といったものを用いてもよい。また、不織布に代えて、絹織物、綿などの天然繊維、セルロース繊維(いわゆる紙)、またそれらに樹脂等をコーティングしたものを用いてもよい。さらに、不織布に代えて、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、PETフィルム等の樹脂フィルム(肉厚:50〜100μm)を用いることもできる。さらに、不織布として、上述したような任意の不織布の表面に被覆層を形成したものを用いることができる。被覆層の形成方法としては、たとえば樹脂フィルムまたは樹脂発泡シートを不織布にラミネートする(共押出し成形する)といった方法を用いることができる。また、樹脂フィルムなどの被覆層は不織布の片面に形成してもよいし、両面に形成してもよい。また、被覆層を片面または両面の部分的に形成してもよい。さらに、樹脂発泡シートを不織布表面に接着剤または粘着剤を用いて固定してもよい。
次に、金型の内部に可撓性部材を配置する工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、軸7をたとえば射出成形法などを用いて形成するための金型の内部に、上述した工程(S10)で準備された不織布などからなるシート状部材9を配置する。
次に、金型セット工程(S30)を実施する。具体的には、内部に不織布が配置された金型を、当該内部に軸7を構成する樹脂を注入可能な状態に配置するとともに、金型の温度条件などを調整する。
次に、樹脂注入工程(S40)を実施する。具体的には、金型に設けられた樹脂の注入口から、金型内部に樹脂を注入する。この結果、金型内部において不織布からなるシート状部材9と接触・固着した状態で図12に示すような軸7が形成される。
次に、後処理工程(S50)を実施する。具体的には、金型の内部から軸7が接続・固着されたシート状部材9を取出す。このとき、シート状部材9および軸7の断面は、図13〜図15に示すようになっている。すなわち、軸7はそのほぼ全長に亘ってシート状部材9と接続されている。そして、図13に示すように、軸7の根元側(図12の下側の端部側)では軸7の内部にシート状部材9が埋設された状態になっている。また、図13に示す、軸7の側方(左右側)に延びるシート状部材9は、たとえば図2、図7に示す、可撓性部材からなる突出部12となる。
一方、図14および図15に示すように、軸7の先端側(図12の上側の端部側)に向かうにつれて、シート状部材9は軸7の表面に露出した状態になる。当該先端側では、図14や図15に示すように、軸7の表面にシート状部材9が固着した状態になっている。このような構成は、金型の内部の軸7を形成するための溝の形状や、シート状部材9としての不織布の配置などにより実現することができる。
後処理工程(S50)では、図12に示したシート状部材9の不要部(羽本体部となるべき部分6および軸7の側方から外側に伸びる突出部12の端部以外の部分)を切断・除去する。この結果、図2に示したような人工羽根3を得ることが出来る。
次に、図11を参照して、図1に示したシャトルコック1の製造方法を説明する。図11に示すように、まず準備工程(S100)を実施する。この準備工程(S100)では、シャトルコック1のベース本体(先端部材)および人工羽根3など、シャトルコック1の構成部材を準備する。ベース本体の製造方法は、従来公知の任意の方法を用いることができる。また、人工羽根3の製造方法としては、上述した図10に示した製造方法を用いることができる。
次に、組立工程(S200)を準備する。図16を参照して、シャトルコック1の組立工程(S200)では、まず人工羽根をベース本体に固定する工程(S21)を実施する。具体的には、ベース本体の平坦な表面部分に上述した人工羽根3を複数枚接続する。たとえば、ベース本体の平坦な表面部分に人工羽根3の軸7端部を挿入するための穴を形成しておき、当該穴に人工羽根3の軸7の端部(羽本体部が位置する側と反対側の端部)を挿入する。そして、当該穴に接着剤などを供給することで人工羽根3をベース本体に固定する。なお、軸7の端部に予め接着剤などを塗布しておき、当該軸7の端部をベース本体の穴に挿入してもよい。
次に、固定部材により人工羽根を連結する工程(S22)を実施する。具体的には、人工羽根3の軸7における所定の位置に紐状体を順次巻付けることにより、人工羽根3を固定部材としての紐状体により連結する。連結の方法(紐状体の巻付け方法)は、従来周知の任意の方法を用いることができる。このとき、軸7の側方には可撓性部材として作用する突出部12の端部が延在している。そして、紐状体を軸7に巻付けることにより、当該突出部12の端部は紐状体により押圧されることによって変形する。
そして、固定部材と可撓性部材とを固定する工程(S23)を実施する。具体的には、軸7において紐状体が巻付けられた箇所に接着剤を塗布する。この結果、複数の人工羽根3が互いに紐状体により固定される。また、紐状体の強度を高めるため、紐状体に熱硬化性樹脂を含浸させてもよい。このように樹脂を紐状体に含浸させた後、当該樹脂をたとえば加熱することによって硬化する。この結果、固定部材として紐状体に樹脂が含浸・硬化したFRP部材をえることができる。このようにして、図1に示すシャトルコック1を製造することができる。
なお、複数の人工羽根3を互いに固定する固定部材としては、上述のような紐状体に限らず、たとえばリング状部材など任意の部材を用いてもよい。また、上記固定部材の材料としては、たとえば樹脂や繊維など任意の材料を用いることができる。たとえば、後述するガラスまたはアラミド繊維からなる糸を含む固定部材を用いてもよい。また、たとえば図1に示すように、固定部材としての紐状部材は、人工羽根3の軸7(図2参照)の延在方向に関して2段以上設けることが好ましい。
上述した固定部材による人工羽根3の固定方法について、図17〜図19を参照してより詳しく説明する。ただし、図17においては1本の人工羽根3を記載しているが、図18の写真および図19の概略図においては2本の人工羽根3が紐状体により固定された状態を示している。図17、図18、図19に示すように、複数の人工羽根3の軸7を互いに接続するために用いる固定部材は、複数の人工羽根3の軸7を繋ぐように巻きつけられた紐状体を含むことが好ましい。特に図19に示すように、網掛け紐状体13が複数本の人工羽根3を、A→B→C→D→E→F→Gという軌跡を繰返すことによりかがり糸として固定する。
ここで、図18および図19に示すように、固定部材としては1本の紐状体からなる網掛け紐状体13を用いて、軸7(羽軸部8)に接続された可撓性部材である突出部12を変形するように網掛け状に軸7を縛って隣接する軸7同士を連結する。すると網掛け紐状体13は突出部12の端部(軸7の側方から延びる端部)を押圧するため、図17、18、19に示すように突出部12の端部は軸7(羽軸部8)の方へ圧迫を受けることにより変形する。つまり、当該突出部12の端部が軸7の側方に配置されることにより、突出部12の端部が配置された軸7と網掛け紐状体13との接触面積は、当該突出部12の端部が当該軸7に配置されない人工羽根を用いた場合に比べて大きくなる。さらに、突出部12の端部が網掛け紐状体13に押圧されることにより変形するので、突出部12の端部が側方に配置された軸7と網掛け紐状体13との接触部の形状(具体的には変形した突出部12の端部の形状)は後述するように複雑化する。このような複雑な形状となった突出部12の端部の表面に接着剤が付着して、網掛け紐状体13と突出部12の端部とが接続固定されるため、網掛け紐状体13と突出部12の端部および軸7との接着強度は向上する。つまり、網掛け紐状体13と、人工羽根の軸7や突出部12の端部との接着強度は、当該突出部12の端部が当該軸7に配置されない人工羽根を用いた場合に比べて増大する。したがって、当該突出部12の端部が軸7の側方に配置された人工シャトルコックでは、ラケットでの連続強打に対する耐久性を大幅に向上することができる。
図20および図21を参照して、上述した軸7と網掛け紐状体13との接触部の構成をより詳しく説明する。図20は基本的に、先述した軸7の根元側(羽軸部8)と突出部12とを含む領域の断面模式図である図4と同一であるが、網掛け紐状体13を軸7に巻付けることにより突出部12の端部(シート状部材9の端部)が変形した状態を示す図21と対比するために示したものである。図20の断面模式図に示すように、網掛け紐状体13が軸7に巻付けられる前はシート状部材9(突出部12)の端部が軸7の側方からほぼ水平方向に伸びた状態(軸7の側方から、軸7の当該側方表面に対してほぼ垂直な方向へと伸びた状態)となっている。しかし、図21に示すように、シート状部材9の突出部12が網掛け紐状体13により圧迫、変形を受けると、2本の網掛け紐状体13の延在方向に沿った方向に屈曲するようにシート状部材9(突出部12)の端部は変形する。この結果、複雑な形状となったシート状部材9の端部の表面に接着剤が付着して、網掛け紐状体13とシート状部材9(突出部12)の端部とが接続固定されるため、網掛け紐状体13とシート状部材9の端部および軸7との接着強度は向上する。
なお、図21の断面模式図においては、軸7に対する網掛け紐状体13の配置については簡略化して描写している。人工羽根3の軸7をかがり糸としての網掛け紐状体13により固定した場合の網掛け紐状体13の実際の配置は、先述した図18および図19に示すとおりである。
また、異なる観点から言えば、上述したバドミントン用シャトルコック1は、半球状のベース本体を備えている。また、シャトルコック1は、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、当該ベース本体に固定された複数の人工羽根3を備える。複数の人工羽根3は、それぞれ羽部としての羽本体部5および当該羽本体部5に接続された軸7を含む。さらに、シャトルコック1は、複数の当該人工羽根3の当該軸7を互いに固定する固定部材としての網掛け紐状体13を備える。そして、当該軸7の網掛け紐状体13と対向する表面の少なくとも一部に、多孔質または繊維質からなる補強部材としてのシート状部材9の端部が配置されている。網掛け紐状体13とシート状部材9の端部とは、接着部材(接着剤)を介して接続固定されており、接着剤の少なくとも一部がシート状部材9の端部に含浸している。
このように、複数本の人工羽根3の軸7同士を網掛け紐状体13で固定する際に、人工羽根3の軸7の表面に配置した、多孔質または繊維質からなるシート状部材9の端部と網掛け紐状体13とを接着部材を介して接着固定する。この場合、シート状部材9の端部が軸7に配置されることによって軸7と網掛け紐状体13との接触面積は、当該シート状部材9の端部が軸7の側方から外側に延在していない人工羽根を用いた場合に比べて大きくなる。さらに、シート状部材9の端部は多孔質または繊維質からなるため、シート状部材9の端部に接着部材が含浸することができる。したがって、接着部材とシート状部材9の端部との接着強度が向上する。このため、軸7と網掛け紐状体13との接着強度を、軸7の表面に上述したシート状部材9の端部を配置しない場合に比べて大幅に向上することができる。
ここで、天然シャトルコックにおける水鳥の羽根の羽軸部は、軽量で断面積が大きく高い剛性を持つ。したがって、天然シャトルコックを形成する際には羽軸部と固定部材としての網掛け紐状体13との接触面積を大きくとることができるため、強い接着強度を確保することができる。これに対して、人工シャトルコックにおける人工羽根3の羽軸部8は、たとえば合成樹脂を用いればその比重は1.2程度と、水鳥の羽根の羽軸部に比べて比重が大きい。ゆえに、人工シャトルコックを天然シャトルコックと同一質量とするためには、軸7を水鳥の羽根の羽軸部に比べて細くする必要がある。すると、軸7が細いため、軸7の組織を発泡状や中空状にすることが困難となる。また、軸7として剛性の高い樹脂を使うと、軸7が細いため、強打により折損することがある。
また、天然シャトルコックにおける水鳥の羽根を用いた場合、水鳥の羽根の羽軸部と、たとえば固定部材としての紐状体との固定部分の剛性については、羽軸部の剛性が占める割合が大きい。ところが上述した理由により、人工シャトルコックにおいては軸7として剛性の高い樹脂を使うことは困難である。したがって、人工シャトルコックにおいては固定部材である網掛け紐状体13を構成するかがり糸の剛性を高めることが好ましい。
上述したように、人工シャトルコックの人工羽根3の羽軸部8は、その比重(質量)が水鳥の羽根の羽軸部に比べて大きい。したがって、かがり糸や、網掛け紐状体13と軸7(羽軸部8)とを接着する接着部材が重くなると、シャトルコック1全体の質量が天然シャトルコックに比べて大きくなる。すると、シャトルコック1の飛翔性能が、天然シャトルコックと大きく異なるものとなる可能性がある。
したがって、天然シャトルコックよりも羽軸部8の重いシャトルコック1を構成する紐状体13としてのかがり糸は、天然シャトルコックを構成するかがり糸に比べて軽量であることが好ましい。以上より、軽量でかつ剛性の高いかがり糸からなる網掛け紐状体13を、シャトルコック1を構成する固定部材として用いることが好ましい。以上の条件を満足するためには、網掛け紐状体13を構成する部材はFRP化されていることが好ましい。FRP化することによって固定部材としての紐状体13の強度や剛性が向上するためである。また、網掛け紐状体13をFRP化するために紐状体13に含浸させる樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いる(つまり、紐状体13をFRP化した固定部材は熱硬化性樹脂を含む)ことがさらに好ましい。このようにすれば、網掛け紐状体13を軸7と固定するための加工において加熱工程を行なう場合などに、熱硬化性樹脂により固定部材のFRP化を容易に行なうことができる。熱硬化性樹脂としてはたとえばエポキシ樹脂やフェノール樹脂を用いることができる。
網掛け紐状体13は、たとえばアラミド繊維からなるかがり糸を含むことが好ましい。アラミド繊維は、固定部材をFRP化するために用いることができる繊維のなかでも特に軽量でかつ強度が高い。したがって特に軽量で剛性の高いかがり糸からなる網掛け紐状体13を実現できる。また、高い強度により人工羽根3の折損などを抑制することもできるので、シャトルコック1の耐久性や寿命を向上させることができる。たとえば規格が400Dであるアラミド繊維を4本撚り糸にすることにより、1本の網掛け紐状体13を構成する。なお、アラミド繊維の代わりにガラスを材料として含むかがり糸からなる網掛け紐状体13を用いてもよい。
たとえば上述した、規格が400Dであるアラミド繊維を4本撚り糸にした網掛け紐状体13を用いて人工羽根3の軸7を固定した場合を考える。網掛け紐状体13を、人工羽根3の軸7の延在方向に関して2段配置すれば、その質量は約0.16gとなる。2段の網掛け紐状体13のそれぞれに、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を合計0.2g含浸させた後、当該網掛け紐状体13を75℃で90分間加熱する。この結果、エポキシ樹脂が硬化する。なお、この熱硬化性樹脂は、後述するように接着部材ともなりうる。このようにFRP化した固定部材(網掛け紐状体13と硬化した樹脂とからなるFRP化部材)の質量は合計で0.36gとなる。これに対して、天然シャトルコックを構成するかがり糸は0.11g、接着部材であるニトロセルロースは0.4gであるためかがり糸と接着部材との合計質量は0.51gとなる。したがって、本発明に従ったシャトルコック1の紐状部材(FRP化した固定部材)の質量は、天然シャトルコックを構成するかがり糸と接着部材との合計質量に比べて約30%軽量化することができる。
図22に示す1本の網掛け紐状体13は、先述した図18および図19に示すように、複数本の人工羽根3をかがり糸として円環状に固定する。このようにして、固定部材としての役割を果たす1本の網掛け紐状体13は、複数の人工羽根3の軸7を繋ぐように巻付けられている。
図23を参照して、本発明に従った人工羽根3は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、軸7の根元側の形態が異なっている。具体的には、図23に示した人工羽根3では、シート状部材9としての突出部12が軸7(羽軸部8)の根元側の先端にまで配置されている。このような構成の突出部12によっても、図2に示した人工羽根3における突出部12と同様の効果を得ることができる。
図24〜図32を参照して、人工羽根3の変形例を説明する。
図24を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12の平面形状が異なっている。具体的には、図24に示した人工羽根3では、軸7に関して突出部12が左右対称となっておらず、軸7の左側の突出部12の、羽軸部8の中心軸とほぼ直交する方向(図24の左右方向)の幅が広く、軸7の右側の突出部12の、羽軸部8の中心軸とほぼ直交する方向の幅が狭くなっている。このような形状の突出部12によっても、図2に示した人工羽根3における突出部12と同様の効果を得ることができる。なお、たとえば軸7の右側の突出部12の左右方向の幅を広くし、軸7の左側の突出部12の左右方向の幅を狭くした形状の突出部12としてもよい。なお、左右いずれか広い方の突出部12の左右方向の幅は、左右いずれか狭い方の突出部12の左右方向の幅の1.1倍以上3倍以下であることが好ましい。なお、1.2倍以上2倍以下であることがさらに好ましい。
図25を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12の平面形状が異なっている。具体的には、図25に示した人工羽根3では、突出部12の左右の稜線(外周)上に凸部41が2段ずつ計4箇所に備えられている。羽本体部5と突出部12とこの凸部41とは、1つのシート状部材9により構成されている。このようにすれば、たとえば図1に示すように人工羽根3の軸7の延在方向に関して2段存在する網掛け紐状体13により凸部41が押圧されることにより、網掛け紐状体13とシート状部材9(突出部12、凸部41を含む)との接触面積や接着強度をさらに増大することができる。
なお、図25の人工羽根3における凸部41については、羽軸部8の中心軸に直交する方向における高さ(の左右方向における、凸部41以外のシート状部材9の外周からの、図25での左右方向での凸部41の高さ)をたとえば0mmを越え3mm以下、より好ましくは0.5mm以上2.5mm以下とすることができる。また、凸部41の、羽軸部8の中心軸に沿った方向における幅(図25の上下方向での凸部41の幅)をたとえば0mmを越え2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下とすることができる。そして、図25の2段の凸部41の間の領域の幅(図25の上下方向における幅)はたとえば10mm以上20mm以下、より好ましくは12mm以上18mm以下、さらに好ましくは15mm程度とすることができる。また、図25における凸部41は、その外周の形状が円弧状となっているが、凸部41の平面形状を、図25に示す羽軸部8の中心軸と直交する辺を有するような四角形状や、他の四角形状(たとえば、台形状や平行四辺形状、菱形状など)、あるいは三角形状、または五角形や六角形といった多角形状としてもよい。
図26を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図25に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12の平面形状が異なっている。具体的には、図26に示した人工羽根3では、図25に示した凸部41が4段ずつ計8箇所に備えられている。図26に示すように、1段目と2段目との間隔、および3段目と4段目との間隔を、2段目と3段目との間隔に比べて小さくしている。1段目と2段目との凸部41の間の領域、および3段目と4段目との凸部41の間の領域が、たとえば図1に示すように人工羽根3の軸7の延在方向に関して2段存在する網掛け紐状体13に押圧されるように、網掛け紐状体13を配置してもよい。ここで、1段目と2段目との凸部41の間の領域の幅(図26の上下方向における幅)はたとえば1mm以上3mm以下、より好ましくは1.5mm以上2.5mm以下とすることができる。したがって、網掛け紐状体13はシート状部材9と、2つの凸部41の間に挟まれた突出部12の領域、および凸部41とで接触する。このため、網掛け紐状体13とシート状部材9との接触面積が増大するため、両者の接着強度をさらに増大することができる。なお、図26における凸部41は、図25における凸部41と同様の形状をとることができる。
図27を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12の平面形状が異なっている。具体的には、図27に示した人工羽根3では、突出部12の左側の外周に凹部42が2段、形成されている。このようにすれば、凹部42がたとえば図1に示すように人工羽根3の軸7の延在方向に関して2段存在する網掛け紐状体13によりそれぞれ押圧されることにより、網掛け紐状体13とシート状部材9(突出部12、凹部42を含む)との接触面積や接着強度をさらに増大することができる。凹部42の周の長さは、凹部42の一端と多端とを結ぶ線分の長さよりも長いため、網掛け紐状体13と凹部42との接触面積は、凹部42が存在しない場所を網掛け紐状体13で押圧した場合よりも大きくなるためである。
なお、図27の人工羽根3における凹部42は、羽軸部8の中心軸に直交する方向における深さ(図27の左右方向における深さ)をたとえば0mmを越え3mm以下、より好ましくは0.5mm以上2.5mm以下とすることができる。また、凹部42の、羽軸部8の中心軸に沿った方向における幅(図27の上下方向における幅)をたとえば0mmを越え2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下とすることができる。そして、図27の2段の凹部42の間の領域の幅(図27の上下方向における幅)はたとえば10mm以上20mm以下、より好ましくは12mm以上18mm以下、さらに好ましくは15mm程度とすることができる。なお、図27の人工羽根3における凹部42は、外周の形状が円弧状となっているが、凹部42の平面形状を、図27に示す羽軸部8の中心軸と直交する辺を有するような四角形状や、他の四角形状(たとえば、台形状や平行四辺形状、菱形状など、あるいは三角形状、または五角形や六角形といった多角形状としてもよい。
図28を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図27に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12の平面形状が異なっている。具体的には、図28に示した人工羽根3では、突出部12の左右の外周に凹部42が2段ずつ、計4箇所に備えられている。このようにすれば、左右両側の凹部42がそれぞれ網掛け紐状体13に押圧されることにより、網掛け紐状体13とシート状部材9(突出部12、凹部42を含む)との接触面積や接着強度をさらに増大することができる。なお、図28における凹部42は、図27における凹部42と同様の形状をとることができる。
図29を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、羽軸部8の平面形状が異なっている。具体的には、図29に示した人工羽根3では、図28に示した人工羽根3とは異なり、突出部12(シート状部材9)ではなく羽軸部8の左右の側部に、凹部42がそれぞれ2段ずつ、計4箇所に形成されている。このような構成の人工羽根3によっても、図28に示した人工羽根3と同様の効果を得ることができる。なお、図29における凹部42は、図28における凹部42と同様の形状をとることができる。
図30を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図25に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12および羽軸部8の平面形状が異なっている。具体的には、図30に示した人工羽根3では、突出部12の左右の外周上、および羽軸部8の左右の側部上に、羽軸部8の中心軸とほぼ直交するように、凸部41が並列して形成されている。すなわち凸部41は計8箇所に形成されている。このような構成の人工羽根3によっても、図25に示した人工羽根3と同様の効果を得ることができる。なお、図30における凸部41は、いずれも図25における凸部41と同様の形状をとることができる。
図31を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図26に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、突出部12および羽軸部8の平面形状が異なっている。具体的には、図31に示した人工羽根3では、突出部12の左右の外周上、および羽軸部8の左右の側部上に、羽軸部8の中心軸とほぼ直交するように、凸部41が並列して形成されている。すなわち凸部41は計16箇所に形成されている。このような構成の人工羽根3によっても、図26に示した人工羽根3と同様の効果を得ることができる。なお、図31における凸部41は、いずれも図26における凸部41と同様の形状をとることができる。
図32を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成を備える。しかし、図2を含めて上述した人工羽根3はすべて、金型を用いてシート状部材9の少なくとも一部が軸7の内部に埋設するように形成されていた。しかし、図32における人工羽根3は、軸7に対して、シート状部材9である羽本体部5および/または突出部12を、接着剤を用いて固着している。
図33の断面模式図に示すように、図32に示す人工羽根3の羽本体部5および突出部12は、軸7に対して、接着剤34を介して後から接着されている。ここで接着剤34としては、ラケットによる連続強打により軸7に対して剥離することを十分抑制できる程度に接着力の強いものを用いることが好ましい。たとえば、ゴム系の溶剤形接着剤(たとえばコニシ株式会社製のGPクリア)を用いることが好ましい。このような構成の人工羽根3によっても、図2に示した人工羽根3と同様の効果を得ることができる。なお、図2に限らず、上述した人工羽根3はすべて、図32に示す人工羽根3と同様に、羽本体部5および突出部12、または突出部12のみを後付けすることにより形成してもよい。
図34〜図36を参照して、本発明に従ったシャトルコックおよびシャトルコック用人工羽根の実施の形態の変形例を説明する。
図34および図35を参照して、本発明に従ったシャトルコック1は、基本的には図1に示したシャトルコック1と同様の構成を備えるが、人工羽根3の構成が一部異なる。具体的には、図34および図35に示したシャトルコック1では、人工羽根3の羽軸部8(図36参照)の側面から外側に突出するフラップ部31が1つ形成されている点が、図1に示したシャトルコック1と異なっている。図36に示した人工羽根3は、基本的には図2に示した人工羽根3と同様の構成となっているが、平面形状が三角形状のフラップ部31が形成されている。より詳しく言えば、フラップ部31の平面形状は、羽軸部8の中心軸に対してほぼ垂直な方向に延びる辺と、当該羽軸部8の中心軸に対して斜めに交差する辺とを含む三角形状となっている。なお、フラップ部31の平面形状における頂点(羽軸部8の表面から最も遠い端部)は、図36に示すように羽本体部5側に位置してもよいが、他の位置に配置されていてもよい。
当該フラップ部31に加えて、図36に示した人工羽根3では羽軸部8の側面に縁部32が形成されている。縁部32はフラップ部31の両側に連なり、羽軸部8の中心軸に沿って配置されている。また、フラップ部31が形成された側と反対側の羽軸部8の側面にも、縁部32が形成されている。縁部32はそれぞれシート状部材9の一部(端部)により構成される。縁部32の幅L2は羽軸部8の羽軸部8の中心軸に沿った方向のいずれの位置においてもほぼ一定になっている。幅L2はたとえば0mm越え2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下とすることができる。なお、縁部32を形成せずに、フラップ部31のみを形成してもよい。羽本体部5、フラップ部31、縁部32は実質的に同一平面上に位置する。羽軸部8の両側に位置する縁部32の幅は同じになっている。
羽軸部8の中心軸に沿った方向におけるフラップ部31の長さL1は、たとえば5mm以上15mm以下、より好ましくは7mm以上12mm以下、さらに好ましくは10mm程度とすることができる。フラップ部31は、図34および図35に示すように、複数の人工羽根3を固定するための固定部材としての2段の網掛け紐状体13の間に配置されることが可能なようにサイズを設定することが好ましい。つまり、フラップ部31の長さL1は、2つの紐状部材の間の距離より短くすることが好ましい。また、羽軸部8の中心軸に沿った方向においてフラップ部31を挟むように、突出部12の外周には網掛け紐状体13を巻付ける位置となる凹部42が形成されている。このような構成の人工羽根3を用いたシャトルコック1によっても、図1に示したシャトルコック1と同様の効果を得ることができる。さらに、人工羽根3においてフラップ部31が形成されていることから、シャトルコック1の回転性能を維持することができる。
また、羽軸部8の中心軸に沿った方向におけるフラップ部31の位置は、任意に決定することができるが、好ましくは羽軸部8の中央より羽本体部5寄りの領域にフラップ部31を形成する。このようにすれば、シャトルコック1が飛翔するときにシャトルコック1のベース本体の影にフラップ部31が隠れる可能性を低減できる。このため、フラップ部31によるシャトルコック1の回転性能の維持機能を確実に発揮させることができる。
また、図34および図35に示すシャトルコック1では、半球状のベース本体側から見てベース本体より外側に見える位置にフラップ部31が配置されることが好ましい。このようにすれば、シャトルコック1の飛翔時に、ベース本体に邪魔されることなく空気を直接的にフラップ部31に供給することができる。このため、フラップ部31によるシャトルコック1の回転維持機能を効果的に発揮させることができる。
また、図34および図35に示したシャトルコック1では、円環状に(ベース部材を通る羽軸部8の中心軸を囲むように)配置された複数の人工羽根3において、羽軸部8の側面のうちベース部材を通る上記羽軸部8の中心軸に向かう側の側面(内周側に面する側面)にフラップ部31が形成されていることが好ましい。このようにすれば、シャトルコック1の回転維持機能をより効果的に発揮することができる。
図37〜図44を参照して、人工羽根3の変形例を説明する。
図37を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図36に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31の平面形状が異なっている。具体的には、図37に示した人工羽根3では、フラップ部31の平面形状が矩形状(四角形状)となっている。このような形状のフラップ部31によっても、図36に示した人工羽根3におけるフラップ部31と同様の効果を得ることができる。なお、フラップ部31の平面形状を、図37に示すような羽軸部8の羽軸部8の中心軸と直交する辺を有するような四角形状としてもよいが、他の四角形状(たとえば、台形状や平行四辺形状、菱形状など)、あるいは五角形や六角形などの多角形状としてもよい。
図38を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図36に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31の平面形状が異なっている。具体的には、図38に示した人工羽根3では、フラップ部31の平面形状の外周が曲線状となっている。このような形状のフラップ部31によっても、図36に示した人工羽根3のフラップ部31と同様の効果を得ることができる。なお、図38に示したフラップ部31では、羽軸部8の羽軸部8の中心軸に沿った方向における中央部の外周部分が、羽軸部8の中心から最も遠い最遠部となっている。しかし、シャトルコック1の必要な飛翔特性によっては、フラップ部31において当該最遠部の上記羽軸部8の中心軸に沿った方向での位置が、上記中央部から羽本体部5側あるいは羽本体部5が位置する側とは反対側にずれてもよい。
図39を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図36に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31の平面形状が異なっている。具体的には、図39に示した人工羽根3では、フラップ部31として羽軸部8の一方の側面から、羽軸部8の羽軸部8の中心軸に沿った全長に渡って矩形状のフラップ部31が形成されている。フラップ部31の幅L3は羽軸部8の全長に渡ってほぼ一定になっている。このようにすれば、羽軸部8のほぼ全長に渡ってフラップ部31を形成できるので、フラップ部31が図36などに示すように羽軸部8の羽軸部8の中心軸方向の一部領域のみに形成されている場合より、当該フラップ部31によるシャトルコック1の回転力を発生させる効果を大きくすることができる。また、図39に示すように、フラップ部31に形成された凹部42と、縁部32に形成された凹部42とは、そのサイズが異なっている。具体的には、フラップ部31に形成された凹部の深さおよび幅は、反対側に位置する縁部32に形成された凹部42の深さおよび幅より大きくなっている。
当該フラップ部31の幅L3は、たとえば1mm以上3mm以下、より好ましくは1.5mm以上2.5mm以下とすることができる。なお、フラップ部31および縁部32において、図34および図35に示す2段の網掛け紐状体13が固定されるべき部分に上記凹部42が形成される。
図40を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図36に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31に加えて、羽軸部8のフラップ部31が形成された側と反対側に他のフラップ部33が形成されている点が異なる。フラップ部33は、その平面形状が三角形状となっている。また、フラップ部33は、三角形状の平面形状における頂点(羽軸部8から最も遠くに位置する端部)が、羽本体部5が位置する側と反対側に配置されている。つまり、フラップ部33の当該頂点は、フラップ部31における頂点と羽軸部8の羽軸部8の中心軸方向において反対側に位置する。このようにすれば、2つのフラップ部31、33を備えることにより、当該フラップ部31、33によるシャトルコック1の回転力を発生させる効果を大きくすることができる。なお、フラップ部33を挟むように凹部42が形成されている。
図41を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図40に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31、33の形状が異なっている。つまり、図41に示した人工羽根3のフラップ部31、33の平面形状は矩形状である。当該フラップ部31、33の平面形状としては、図37に示したフラップ部31の場合と同様に任意の四角形状とすることができる。このようにしても、図40に示した人工羽根3をシャトルコック1に適用した場合と同様の効果を得ることができる。
図42を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図40に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31、33の形状が異なっている。つまり、図41に示した人工羽根3のフラップ部31、33の平面形状は、図38に示したフラップ部31と同様に平面形状の外周が曲線状になっている。また、フラップ部31はフラップ部33に対して相対的に大きな面積を有する。このような構成によっても、図40などに示した人工羽根3をシャトルコック1に適用した場合と同様の効果を得ることができる。
図43を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図40に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、フラップ部31、33の形状が異なっている。すなわち、図43に示した人工羽根3では、羽軸部8の羽軸部8の中心軸に沿った全長に渡って矩形状のフラップ部31、33が形成されている。フラップ部31、33の幅は互いにほぼ同じになっている。このようにしても、図40に示した人工羽根3をシャトルコック1に適用した場合と同様の効果を得ることができる。なお、フラップ部31、33の互いの幅を異ならせてもよい。
図44を参照して、人工羽根3の他の変形例は、基本的には図36に示した人工羽根3と同様の構成を備えるが、羽本体部5の平面形状が図36の人工羽根3とは異なる。すなわち、図44に示した人工羽根3では、羽本体部5が固着軸部10を中心として左右非対称になっている。このように、羽本体部5の形状も制御することで、シャトルコック1に適用したときに当該シャトルコック1の飛翔特性の制御の自由度を大きくできる。なお、図44のように羽本体部5の形状を左右非対称とした構成において、フラップ部31、33を形成しない構成としてもよい。あるいは、羽本体部5の形状を左右非対称とした構成において、図37〜図43に示したような任意の形状のフラップ部31、33や縁部32を形成してもよい。
また、上述した人工羽根3の変形例では、フラップ部31および/またはフラップ部33に加えて縁部32を形成した構成を示したが、フラップ部31および/またはフラップ部33のみを形成し、縁部32を形成しない構成としてもよい。この場合、網掛け紐状体13はフラップ部31および/またはフラップ部33の端部に重なるように配置される。
また、フラップ部31、33を有する人工羽根3を用いたシャトルコック1では、2段の網掛け紐状体13が羽軸部8と固着された部分以外の領域(たとえば2段の網掛け紐状体13の間の領域、あるいは2段の網掛け紐状体13と挟まれた領域以外の領域)にフラップ部31、33が配置される。このようにすれば、網掛け紐状体13が羽軸部8と固着された部分に重なるようにフラップ部31が形成されることによりフラップ部31の形状が変形する、といった問題の発生を抑制できる。
また、上記シャトルコック1では、フラップ部31、33に接着剤などの樹脂を含浸させる、あるいはフラップ部31、33の表面を樹脂やフィルムでコーティングするといった手法により、フラップ部31、33を固化してもよい。この場合、シャトルコック1の使用時にフラップ部31、33の形状を長期に渡って維持することが可能になる。また、縁部32についても、同様に固化してもよい。
また、上記シャトルコック1では、人工羽根3にフラップ部31、33を1箇所または2箇所形成しているが、必要な飛翔特性によってはフラップ部31、33を3箇所以上形成してもよい。このようにフラップ部31、33を複数箇所に形成することで、シャトルコック1の飛翔特性の調整の自由度をより大きくすることができる。
また、上記シャトルコック1では、羽軸部8の中心軸方向におけるフラップ部31、33の形成位置を互いに異なる位置としてもよい。また、羽軸部8の一方の側面のみに1つまたは複数のフラップ部31を形成してもよいし、羽軸部8の両側面にそれぞれ1つまたは複数のフラップ部31、33を形成してもよい。また、上記シャトルコック1では、フラップ部31とフラップ部33とのサイズや形状を互いに異なるようにしてもよい。
さらに、図36〜44の各人工羽根3に示すように、たとえば上述した図28の人工羽根3と同様の凹部42を備えることが好ましい。このようにすれば、図28の人工羽根3と同様に、網掛け紐状体13とシート状部材9との接触面積や接着強度を増大させることができる。なお、図36の人工羽根3における凹部42の、高さ(図の左右方向)や幅(図の上下方向)などの大きさは図28の人工羽根3に準ずることが好ましいが、縁部32の幅L2に応じて任意に変更させてもよい。また、図36〜44には図28の人工羽根3と同様の凹部42を備えた構造を開示しているが、これはあくまで例示である。すなわち、図28の人工羽根3と同様の凹部42に限らず、接触面積や接着強度を増大させるために、図25〜31に示した任意の凹部42または凸部41を組み合わせた構成とすることができる。
上述したように、フラップ部31、33を有する人工羽根3を用いたシャトルコック1では、2段の網掛け紐状体13が羽軸部8と固着された部分以外の領域(たとえば2段の網掛け紐状体13の間の領域、あるいは2段の網掛け紐状体13と挟まれた領域以外の領域)にフラップ部31、33が配置される。このようにすれば、網掛け紐状体13が羽軸部8と固着された部分に重なるようにフラップ部31が形成されることによりフラップ部31の形状が変形する、といった問題の発生を抑制できる。したがって、フラップ部31、33を備える人工羽根3が凸部41ないし凹部42を備える場合においては、図36〜44に示すように、2段の凸部41または凹部42に挟まれた領域にフラップ部31、33が配置されるように、凸部41または凹部42を備えることが好ましい。なお、網掛け紐状体13が3段以上、あるいは1段だけ配置される場合には、当該紐状体13の段数に合せて凸部41または凹部42の配置や数を決定することが好ましい。また、上述した人工羽根3では、1つの人工羽根3において凸部41または凹部42のいずれか一種類のみを形成していたが、1つの人工羽根3において凸部41と凹部42との両方を形成してもよい。このとき、凸部41と凹部42とを、軸7の中心軸方向において同じ位置に形成してもよいし、軸7から見て一方側面側のみに凸部41、他方側面側に凹部42を形成してもよい。また、軸7からみて同じ側に凸部41と凹部42とを両方形成してもよい。
図45を参照して、シャトルコック1の組立工程(S200)では、まず人工羽根をベース本体に固定する工程(S25)を実施する。これは具体的には、図16における工程(S21)と同様であり、ベース本体の平坦な表面部分に上述した人工羽根3を複数枚接続する工程である。次に、固定部材により人工羽根を連結する工程(S26)を実施する。この工程(S26)は、基本的には図16における工程(S22)と同様である。なお、人工羽根3の突出部12の端部は、上述したようにたとえばポリエステル繊維、アクリル繊維等の化学繊維からなる不織布を用いることができるが、ここでは可撓性部材でありかつ、多孔質または繊維質からなる補強部材となる。
先述した工程(S22)のように可撓性部材である突出部12に接着部材を塗布すれば、塗布した接着部材の少なくとも一部が突出部12の内部に含浸する。突出部12は多孔質または繊維質から構成されるため、組織の間隙(孔または繊維の隙間)に接着部材が容易に侵入することができるためである。
そして含浸・接着工程(S27)を実施する。具体的には、図16に示した工程(S23)と同様に、補強部材である突出部12の端部と固定部材であるたとえば網掛け紐状体13との接触部に、接着部材を塗布する。すると、接着部材は、突出部12の端部の表面から内部に含浸する。つまり、接着部材は、上記接触部において、網掛け紐状体13と突出部12の端部との間に介在するとともに、突出部12の内部に存在する状態となる。この後、当該接触部を加熱する。すると、接着部材は突出部12の表面と内部との両方に存在した状態であり、かつ網掛け紐状体13と接触した状態で固化する。したがって、突出部12の表面と内部との両方に接着部材が存在することになるので、網掛け紐状体13と突出部12の端部とを強固に接着することができる。しかも、固定部材である紐状部材(網掛け紐状体13)を構成する材質はアラミド繊維などの繊維質であるため、塗布した接着部材の少なくとも一部を網掛け紐状体13の内部にも含浸することができる。さらに、上述したように、固定部材である網掛け紐状体13に熱硬化性樹脂であるたとえばエポキシ樹脂を含浸しておけば、当該樹脂を接着部材として利用することもできる。これらの相乗効果により、非常に強固に、突出部12と網掛け紐状体13とを接着することができる。
以上に述べたように、突出部12と網掛け紐状体13との内部に含浸した接着部材により接着強度を向上することができる。さらに上述したように、網掛け紐状体13が補強部材である突出部12を押圧すれば、補強部材が変形するために、突出部12と網掛け紐状体13との接触面積が増大する。このため、突出部12と網掛け紐状体13との接着強度はさらに増強されるため、さらにシャトルコック1の耐久性が向上する。
図45のフローチャートと、図16のフローチャートとは、いずれもシャトルコック1の組立工程という同一工程を説明しているが、着眼点が相違する。図16においては具体的には網掛け紐状体13が、可撓性部材である突出部12の端部を押圧して変形することにより、網掛け紐状体13と突出部12との接触部における突出部12の形状が複雑化し、その結果網掛け紐状体13と突出部12との接着強度が増大するという観点で説明した。一方図45においては、突出部12の表面に供給された接着部材および/または網掛け紐状体13をFRP化するために含浸される熱硬化性樹脂が、加熱により両者それぞれの表面上に配置され、かつ内部に含浸することにより両者が接着するという観点で説明した。
(実施の形態2)
図46を参照して、本発明の実施の形態2に従ったシャトルコック1は、基本的には図1に示したシャトルコック1と同様の構成を備える。しかし、図46に示すシャトルコック1は、固定部材である網掛け紐状体13に接続され、環状に配置された複数の人工羽根3の外周面を周回するように配置された補強用固定部材としての周回紐状体14をさらに備える。この点において、図46に示すシャトルコック1は、図1に示したシャトルコック1と異なる。
周回紐状体14は、図46において軸7の延在方向に2段存在する網掛け紐状体13のうち、人工羽根3の軸7の先端部側(羽本体部5側)の網掛け紐状体13に接触するように配置されている。したがって、全体として固定部材は図1のシャトルコック1と同様に2段となっている。
上述した、ラケットでの連続強打によって網掛け紐状体13の固定部が外れるといった問題は、特に2段の網掛け紐状体13のうち、人工羽根3の軸7の先端部側の網掛け紐状体13に起こりやすい。したがって、図46に示すように、補強用固定部材としての周回紐状体14は、人工羽根3の軸7の先端部側の網掛け紐状体13に接触するように配置することが好ましい。このようにすれば、人工羽根3の軸7の先端部側の網掛け紐状体13が、これに接触する周回紐状体14により補強され、網掛け紐状体13の固定部が外れるといった問題が起きることを抑制することができる。
周回紐状体14としては、網掛け紐状体13を構成する1本の紐状部材を形成する際に、4本撚り糸にした、たとえば規格が400Dであるアラミド繊維を1本あるいは複数本用いることが好ましい。この周回紐状体14を、上述したように人工羽根3の軸7の先端部側の網掛け紐状体13に、接触して2重に重なるように配置してもよい。あるいは、周回紐状体14は、人工羽根3の軸7の先端部側の網掛け紐状体13の外周に接触するように配置してもよい。すなわち、周回紐状体14を構成するたとえばアラミド繊維を、網掛け紐状体13の外周に沿って重なるように周回する。このため、周回紐状体14は網掛け紐状体13と同様に複数の人工羽根3の軸7がなす円環の外周部を周回することによりリング状になり、網掛け紐状体13および軸7を補強することができる。したがって、人工羽根3の軸7を折れにくくし、網掛け紐状体13の固定部の破損などを抑制することができる。
また、周回紐状体14は網掛け紐状体13と同様のアラミド繊維と樹脂とによりFRP化されている。樹脂としては熱硬化性樹脂を用いることができる。このため、上述した網掛け紐状体13の場合と同様に、周回紐状体14の内部に含浸された熱硬化性樹脂が人工羽根3の突出部12(図2参照)の端部にも含浸することにより、突出部12と周回紐状体14との接着強度を向上させることができる。また、上述したように熱硬化性樹脂を含浸してFRP化された網掛け紐状体13と、熱硬化性樹脂を含浸した周回紐状体14とが接触した状態で固定される。このため、網掛け紐状体13に含浸された熱硬化性樹脂に対して、周回紐状体14に含浸された熱硬化性樹脂が接着部材として作用する。したがって、網掛け紐状体13と周回紐状体14との接着強度をさらに向上させることができる。
また、周回紐状体14をシャトルコック1に配置するときには、予め網掛け紐状体13がFRP化されていて高い剛性を有する。このため、周回紐状体14を構成する繊維を、強い張力を与えながら人工羽根3の外周部を周回するように巻付けることができる。周回紐状体14を巻付ける際には、周回紐状体14を周回させる始点と終点とを、網掛け紐状体13のかがり糸の結び目に引っ掛けるように固定することが好ましい。このようにすれば、周回紐状体14を巻付ける作業を容易に行なうことができる。
なお、周回紐状体14として用いるたとえば規格が400Dであるアラミド繊維は、複数の人工羽根3の軸7がなす円環の外周を3周から5周、より好ましくは4周させる。このようにすれば、網掛け紐状体13に対する補強部材として十分な強度を維持することができる。
図47を参照して、シャトルコック1の他の変形例は、基本的には図46に示したシャトルコック1と同様の構成を備えるが、周回紐状体14の代わりに、上段側の網掛け紐状体13に沿って3つ目の網掛け紐状体13を周回させている。このような構成のシャトルコック1によっても、図46に示したシャトルコック1と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した本発明の実施の形態2は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態2について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に準ずる。
(実施の形態3)
図48を参照して、本発明の実施の形態3に従ったシャトルコック1は、基本的には図1に示したシャトルコック1と同様の構成を備える。しかし、網掛け紐状体13が、複数の人工羽根3の軸7の延在方向に関して3段設けられている。この点において、図48に示すシャトルコック1は、図1に示したシャトルコック1と異なる。
図1に示したシャトルコック1のように、網掛け紐状体13が、複数の人工羽根3の軸7の延在方向に関して2段配置された場合に比べて、図48に示したシャトルコック1のように3段配置された場合の方が、シャトルコック1の強度や剛性をさらに向上させることができる。その結果、シャトルコック1の耐久性や寿命をさらに向上させることができる。
上述した図25〜31に示した人工羽根3の突出部12に備えられている凸部41または凹部42は、すべて網掛け紐状体13などの紐状部材が、人工羽根3の軸7の延在方向に関して2段配置されている場合に対応するように形成されている。しかし、図48に示すように紐状部材が3段配置されるシャトルコック1の人工羽根3には、紐状部材の3段配置に対応するよう、凸部41や凹部42を3段となるように形成することが好ましい。より具体的には、図25、27、28、29、30に示す構成の人工羽根を用いる場合には、紐状部材を3段配置すると仮定すると凸部41ないし凹部42を3段、図26、31に示す構成の人工羽根を用いる場合には、凸部41ないし凹部42を6段備えることが好ましい。なお、この場合においても、凸部41や凹部42の高さや幅などの大きさについては本発明の実施の形態1における大きさとすることが好ましい。また、軸7の延在方向における3段の各凸部41の間の領域の幅については、網掛け紐状体13を配置する間隔を考慮した任意の値を用いることが好ましい。
本発明の実施の形態3は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態3について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。
(実施の形態4)
図49を参照して、本発明の実施の形態4に従ったシャトルコック1は、基本的には図1に示したシャトルコック1と同様の構成を備える。しかし、網掛け紐状体13のかがり糸構造の外周面を覆う被覆部材をさらに備えている。以上の点において、図49に示すシャトルコックのかがり糸部分を示す網掛け紐状体13は、本発明の実施の形態1のかがり糸部分を示す網掛け紐状体13と異なる。
先述したように、網掛け紐状体13は、軽量かつ高剛性とするために、FRP化することが好ましい。しかし、FRP化した固定部材を網掛け紐状体13として、たとえば先述した図19に示すかがり糸構造を形成したとしても、ラケットでの連続強打により網掛け紐状体13同士の接続部や網掛け紐状体13と羽軸部8との接続部が破損する(互いに固着していた網掛け紐状体13の部分が外れる、あるいは網掛け紐状体13と羽軸部8との接続部が外れる)場合がある。このような破損が発生すると網掛け紐状体13の、図19に示すかがり糸として強固に結合(固定)されたリング状の部分の結合や網掛け紐状体13と羽軸部8との結合が緩む。するとシャトルコック1における人工羽根3の形状を維持することが難しくなり、シャトルコック1が打撃されるにつれて、人工羽根3の配置や形状(つまりシャトルコック1の形状)が大きく変形することになる。
そこで、図49に示したシャトルコックでは、網掛け紐状体13の外周面を覆うように(かがり糸構造の外周面を覆うように)被覆部材35を形成している。なお、図49に示した網掛け紐状体13のように、本発明の実施の形態4に従ったシャトルコックの固定部材を構成する1本の網掛け紐状体13のかがり糸の構造は、図19に示した本発明の実施の形態1における網掛け紐状体13のかがり糸の構造と同様である。
具体的には、図49に示すように、網掛け紐状体13と、複数の人工羽根3の軸7(羽軸部8)との間隙(たとえば図49における領域H付近)や、網掛け紐状体13が軸7(羽軸部8)を固定した際に互いに交錯する網掛け紐状体13同士の間隙部(たとえば図49における領域I付近)や、網掛け紐状体13の外周面全面(たとえば図49における領域J付近)とをすべて充填し、網掛け紐状体13をコーティングするように、被覆部材35を配置する。
ここで、被覆部材35の材料としては、たとえばニトロセルロースなどの被膜を形成することが可能な材料を用いることが好ましい。このようにすれば、当該コーティング作用を効率よく行なうことができる。
以上のように、上述した領域H付近、領域I付近、領域J付近を含む全領域を被覆部材35でコーティングすれば、被覆部材35が、領域H付近の間隙や領域I付近の間隙部の変形、さらに領域J付近の網掛け紐状体13の変形を抑制することができる。したがって、網掛け紐状体13による人工羽根3の補強をより確実に行なうことができる。その結果、当該シャトルコック1をラケットで連続強打した際のシャトルコック1の耐久性を向上させることができる。
また、網掛け紐状体13の固定状態が被覆部材35により維持されるため、たとえば図22に示す網掛け紐状体13での固定部や網掛け紐状体13と軸7との固定部が外れるといった不良の発生を抑制することもできる。したがって、シャトルコック1の形状が変化することで、シャトルコック1の飛翔時の空気抵抗が減少し、飛翔距離が変化(増大)するなどの現象を抑制することもできる。
本発明の実施の形態4は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態4について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。
(実施の形態5)
図50および図51を参照して、本発明に従ったシャトルコックの実施の形態5は、基本的には図1に示したシャトルコック1と同様の構成を備えるが、人工羽根3の構造が図1に示したシャトルコック1とは異なっている。すなわち、図50および図51に示した人工羽根3は、羽本体部5と、当該羽本体部5に接続された軸7とからなる。軸7は、羽本体部5から突出するように配置された羽軸部8と、羽本体部5のほぼ中央部において羽本体部5に接続された固着軸部10とからなる。羽軸部8と固着軸部10とは同一線状に延びるように配置され、1つの連続した軸7を構成している。軸7は、図51に示すように、軸7の延在方向にほぼ垂直な方向における断面形状が十字状となっている。つまり、図51に示すように、軸7の断面形状では、中心軸部21から図51の上下方向に、相対的に厚い厚み(図51における左右方向(あるいは中心軸部21を中心とした同心円の円周方向)における厚み)を有する厚肉リブ部22aが突出するように形成されている。
また、中心軸部21から、図51の左右方向に、相対的に薄い厚み(図51における上下方向(あるいは中心軸部21を中心とした同心円の円周方向)における厚み)を有する薄肉リブ部22bが突出するように形成されている。上記2つの厚肉リブ部22aは、中心軸部21からそれぞれ反対方向に延びるように形成されている。また、上記2つの薄肉リブ部22bも、中心軸部21からそれぞれ反対方向に延びるように形成されている。薄肉リブ部22bは、厚肉リブ部22aの延在方向と交差する方向(より詳しくは直交する方向)に延びるように形成されている。厚肉リブ部22aと薄肉リブ部22bとからリブ部22が構成される。また、複数のリブ部22と中心軸部21とから、軸7の本体部23が構成される。本体部23の断面形状はいわゆる十字状となっている。
また、薄肉リブ部22bの外周端部には、図51に示すように(つまり本体部23の側壁から突出するように)薄肉部24が形成されている。可撓性部材としての薄肉部24の厚みは、薄肉リブ部22bの上記厚みよりさらに薄くなっている。薄肉部24は、薄肉リブ部22bと一体に形成されている。また、薄肉部24は、当該薄肉部24の表面が、薄肉リブ部22bの側面(図51における上方の側面)とほぼ同一平面を構成するように形成されている。薄肉部24の厚みは、たとえば0.03mm以上0.1mm以下、より好ましくは0.04mm以上0.07mm以下とすることができる。また、薄肉部24の(変形前の)幅は、たとえば0.1mm以上0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.3mm以下とすることができる。
ここで、上述した人工羽根3を用いた本発明によるシャトルコックの構成を要約すれば、当該シャトルコックは、半球状のベース本体2と、複数の人工羽根3と固定部材としての網掛け紐状体13とを備える。人工羽根3は、羽本体部5および当該羽本体部5に接続された軸7を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、ベース本体2に固定される。網掛け紐状体13は、複数の人工羽根3の軸7を互いに固定する。軸7の網掛け紐状体13と対向する表面の少なくとも一部には、可撓性部材としての薄肉部24が軸7と一体に形成されている。網掛け紐状体13が可撓性部材としての薄肉部24を押圧することにより、薄肉部24が変形した状態で、網掛け紐状体13と薄肉部24とが接着部材を介して接続固定されている。
また、異なる観点から言えば、この発明に従ったシャトルコック用人工羽根3は、羽本体部5と、羽本体部5に接続された軸7とを備える。軸7の延在方向に対して垂直な平面における断面形状(たとえば図51参照)は十字状(図51参照)またはT字状(後述する図54参照)であってもよい。軸7において十字状またはT字状の断面形状を構成する本体部23より厚みの薄い可撓性部材としての薄肉部24が、本体部23の側面から突出するように本体部23と一体に形成されている。
このように、軸7の側面に、可撓性部材である薄肉部24を当該軸7と一体に形成しているので、後述するように固定部材としての網掛け紐状体13により軸7を固定するときに、当該薄肉部24が変形して網掛け紐状体13と薄肉部24および軸7との接着強度を向上させることができる。
また、図50および図51に示した人工羽根では、軸7の本体部23の断面形状をほぼ十字状とすることにより、軸7の総質量の増加を抑制しつつ軸7の剛性を高めることができる。さらに、薄肉部24を軸7の本体部23側面から突出するように形成することで、シャトルコック1の飛翔特性を制御するための人工羽根3の空気抵抗を適宜調整することができる。そして、このような薄肉部24は本体部23より厚みを薄くしているため、軸7の質量の増加を抑制することができる。この結果、人工羽根3の質量の増加を抑制しつつ、人工羽根3の軸7の剛性を向上させるとともに人工羽根3の空気抵抗を調整することにより、優れた飛翔特性のシャトルコック1を構成する人工羽根3を実現できる。
薄肉リブ部22bが延びる方向(図51の左右方向)における軸7の幅は、薄肉部24の幅と本体部23の幅W3との合計である。そして、軸7の当該幅は、厚肉リブ部22aが延びる方向(図51の上下方向)における軸7の幅(高さ)Tより大きくなっている。
図51における一方(左側)の薄肉部24の幅と、他方(右側)の薄肉部24の幅とは同じ値でもよいが、異なる値となっていてもよい。また、薄肉部24は、軸7の全長に形成されていてもよいが、少なくとも外部に露出する部分である羽軸部8に形成されることが好ましい。また、薄肉部24は片側のみに形成されていてもよいし、軸7の全長ではなく、軸7の延在方向において部分的に(たとえば間欠的に)形成されていてもよい。
羽本体部5は、固着軸部10を挟むように配置された発泡体層と軸固定層、およびこれらの発泡体層および軸固定層を互いに固定するため、発泡体層と軸固定層との間に固着軸部10とともに配置される接着層とからなる。すなわち、羽本体部5では、発泡体層と軸固定層とが固着軸部10を挟むように積層されている。さらに、羽本体部5では、発泡体層と軸固定層とを互いに接続するとともに固着軸部10とこれらの発泡体層および軸固定層とを接続固定するため、接着層が配置されている。また、異なる観点でいえば、羽本体部5においては、シャトルコック1を構成した場合において外周側に位置する発泡体層上に接着層が積層されている。この接着層上には、当該接着層および発泡体層のほぼ中央部に位置するように固着軸部10が配置されている。このとき、固着軸部10は、中心軸部21から厚肉リブ部22aが突出する方向が接着層の表面に対してほぼ垂直な方向となるように(中心軸部21から薄肉リブ部22bの突出する方向が接着層の表面に沿った方向となるように)配置される。そして、この固着軸部10上から接着層上にまで延在するように、もう一方の接着層が配置されている。さらに、この接着層上に軸固定層が配置されている。
人工羽根3においては、発泡体層側(すなわちシャトルコック1における外周側)に向けて、軸7が反った状態になっている。異なる観点から言えば、軸7は、軸固定層側に凸となるように反った状態となっている。また、上述のように人工羽根3が軸7の延在方向において発泡体層側に反った状態であって、軸7の延在方向に対して交差する方向(たとえば軸7の延在方向に対して垂直であって羽本体部5の表面に沿った方向である幅方向)において、羽本体部5が発泡体層側に反った状態(つまり羽本体部5が軸固定層側に凸となるように反った状態)となっていてもよい。この場合、軸7の延在方向において人工羽根3が反った状態と、上記のように羽本体部5が軸7の延在方向に対して交差する方向において反った状態とが同時に発生していてもよいし、いずれか一方の反りのみが発生していてもよい。このような反りは、軸7や羽本体部5の構成材料に対して熱処理を施す、あるいは軸7や羽本体部5の構成材料を最初から反った状態で形成するなど、従来周知の方法で実現することができる。
ここで、羽本体部5を構成する発泡体層の材料としては、たとえば樹脂の発泡体、より具体的にはたとえばポリエチレンフォーム(ポリエチレンの発泡体)を用いることができる。また、軸固定層についても、同様に樹脂発泡体を用いることができる。また、軸固定層については、たとえばポリエチレンフォーム以外に、樹脂などからなるフィルム、あるいは不織布など任意の材料を用いることができる。
また、接着層については、たとえば両面テープを用いることができる。図50および図51に示した人工羽根3においては、好ましくは発泡体層および軸固定層としてポリエチレンフォームを用いる。このポリエチレンフォームの押出方向は図50の矢印95に示す方向となっていることが好ましい。この場合、矢印95に示すポリエチレンフォームの押出方向に対して交差するように軸7が羽本体部5と接続固定されているため、羽本体部5が軸7の延在方向に沿った方向に裂けるといった不具合の発生確率を低減できる。
図50および図51に示した人工羽根3の固定部材(網掛け紐状体13)による固定方法は、基本的に図17〜図19に示した人工羽根3の固定部材による固定方法と同様である。すなわち、固定部材としては1本の紐状体からなる網掛け紐状体13を用いて、軸7(羽軸部8)と一体に形成された可撓性部材である薄肉部24を変形するように網掛け状に軸7を縛って隣接する軸7同士を連結する。すると網掛け紐状体13は薄肉部24の端部(軸7の側方から延びる端部)を押圧するため、図51に示すように薄肉部24は軸7(羽軸部8)の方へ圧迫を受けることにより変形する。つまり、当該薄肉部24が軸7の側方に形成されることにより、薄肉部24が形成された軸7と網掛け紐状体13との接触面積は、当該薄肉部24が当該軸7に形成されない人工羽根を用いた場合に比べて大きくなる。さらに、薄肉部24が網掛け紐状体13に押圧されることにより変形するので、薄肉部24が側方に形成された軸7と網掛け紐状体13との接触部の形状(具体的には変形した薄肉部24の形状)は後述するように複雑化する。このような複雑な形状となった薄肉部24の表面に接着剤が付着して、網掛け紐状体13と薄肉部24とが接続固定されるため、網掛け紐状体13と薄肉部24および軸7との接着強度は向上する。つまり、網掛け紐状体13と、人工羽根の軸7や薄肉部24との接着強度は、当該薄肉部24が当該軸7に形成されない人工羽根を用いた場合に比べて増大する。したがって、当該薄肉部24が軸7の側方に形成された人工シャトルコックでは、ラケットでの連続強打に対する耐久性を大幅に向上することができる。
なお、図51の断面模式図においては、軸7に対する網掛け紐状体13の配置については図21と同様に簡略化して描写している。人工羽根3の軸7をかがり糸としての網掛け紐状体13により固定した場合の網掛け紐状体13の実際の配置は、先述した図18および図19に示すとおりである。
また、図50および図51に示した人工羽根3では、軸7の断面形状を十字状としたが、当該断面形状は他の形状であってもよい。つまり、軸7と一体に形成された薄肉部24を供えていれば、軸7の断面形状が他の形状であってもよい。たとえば、軸7の断面形状が図4〜図6に示すような断面形状であってもよい。さらに、薄肉部24は軸7の一方側面のみに形成されていてもよい。また、薄肉部24は、軸7の側面の複数箇所に形成されていてもよい。たとえば、図51に示したように2箇所に限られず、3箇所以上に薄肉部24が形成されていてもよい。
次に、図52および図53を参照して、図50および図51に示した人工羽根3および当該人工羽根3を用いたシャトルコックの製造方法を説明する。
まず、図52を参照して、図50および図51に示したシャトルコック用の人工羽根3の製造方法を説明する。図52に示すように、人工羽根3の製造方法では、まず構成材準備工程(S110)を実施する。この工程(S110)では、人工羽根3を構成する軸7、羽本体部5となるべき発泡体層および軸固定層を構成するシート状材料、羽本体部5を構成する接着層となるべき両面テープを準備する。なお、これらのシート状部材および両面テープの平面形状は、図50に示した羽本体部5のサイズよりも大きければ任意の形状とすることができる。発泡体層となるべきシート状部材としては、たとえばポリエチレンフォーム(ポリエチレンの発泡体であってシート状に成形されたもの)であって厚みが1.0mm、目付けが24g/m2といった材料を用いることができる。また、軸固定層となるべきシート状部材としては、ポリエチレンフォームであって厚みが0.5mm、目付けが20g/m2といった材料を用いることができる。また、接着層となる両面テープの目付けは10g/m2とすることができる。
また、上述した軸7の製造工程としては、図53に示すように、まず金型準備工程(S111)を実施する。この工程(S111)では、たとえば射出成形あるいは射出圧縮成形により軸7を形成するための金型を準備する。ここで準備する金型としては、たとえば上型と下型とに分割された金型であって、互いに対向する金型表面には、軸7の形状に対応した凹部が形成されている。また、当該凹部は、軸7の本体部23を形成する部分と、当該本体部23を形成する部分の外周部において、薄肉部24を形成するための隙間を含んでいる。
次に、成形工程(S112)を実施する。この工程(S112)では、まず上記のように準備した金型を、射出成形機など金型の内部(凹部)に樹脂を注入するための装置にセットする(金型セット工程)。次に、樹脂注入工程を実施する。すなわち、金型に設けられた樹脂の注入口から、金型内部の凹部に樹脂を注入する。樹脂としては、たとえば熱可塑性樹脂を用いることができる。この結果、金型内部において軸が形成される。また、上述のように金型の凹部には薄肉部24を形成するための隙間が形成されているので、得られた軸7には側面から突出する薄肉部14が形成されている。このようにして、成形工程(S112)を実施する。その後、金型内部から軸7を取出す。この結果、人工羽根3を構成する軸7を得ることができる。
次に、図52に示すように貼り合わせ工程(S120)を実施する。この工程(S120)においては、発泡体層となるべきシート状部材の主表面上に接着層となるべき両面テープを貼付する。そして、当該両面テープの上に軸7の固着軸部10を配置する。さらに、その上から、固着軸部10に対向する面に他の接着層となるべき両面テープが貼付された軸固定層となるべきシート状部材を積層配置して貼り合わせる。この結果、軸7の固着軸部10を、発泡体層となるべきシート状部材と軸固定層となるべきシート状部材とで挟んで固定した構造を得ることができる。
次に、後処理工程(S130)を実施する。具体的には、羽本体部5となるべき積層配置されたシート状部材の不要部(つまり羽本体部5となるべき部分以外の領域)を切断除去する。この結果、図50および図51に示したような人工羽根3を得ることができる。そして、当該人工羽根3に対して、たとえば発泡体層側から熱を加えるなどの熱処理を行なうことにより、発泡体層などを収縮させる。この結果、軸7および羽本体部5が羽本体部5の一方表面側(発泡体層側)へ反った状態を実現できる。なお、このような軸7および羽本体部5の反った状態を実現するため、他の方法を用いてもよい。たとえば、最初から反った形状の軸7を用いるといった方法を採用してもよい。
次に、図50および図51に示した人工羽根3を用いたシャトルコックの製造方法を説明する。当該シャトルコックの製造方法は、基本的に図11に示したシャトルコックの製造方法と同様である。すなわち、図11に示すように、まず準備工程(S100)を実施する。この準備工程(S100)では、シャトルコック1のベース本体2(先端部材)および上述した人工羽根3など、シャトルコック1の構成部材を準備する。
ベース本体2の製造方法は、従来公知の任意の方法を用いることができるが、たとえばベース本体2となるべき材料としてコルクなどの天然の素材を用いることができる。また、ベース本体2の材料として人工の樹脂などを用いてもよい。ベース本体2の材料として人工の樹脂を用いる場合、従来周知の任意の加工方法を用いてベース本体2を形成することができる。たとえば、まずベース本体2となる素材のブロックを準備し、切削加工により概略形状とする。このとき、先端部の半球状部分の高さを加味して加工を行なう。そして、さらに切削加工により、人工羽根3を挿入するための挿入穴を形成するといった方法を用いてもよい。また、上述した人工樹脂を用いる場合には、たとえば、アイオノマー樹脂発泡体、あるいはEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、ポリウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。また、人工羽根3の製造方法としては、上述した図52および図53に示した製造方法を用いることができる。
次に、図11に示すように組立工程(S200)を実施する。当該組立工程(S200)では、たとえば人工羽根をベース本体に固定する工程(S21)として、ベース本体の固定用表面部における挿入穴に上述した複数の人工羽根3の軸7の根元を挿入固定する。さらに、固定部材により人工羽根を連結する工程(S22)として、当該複数の人工羽根3を互いに紐状部材により固定する。また、図1に示すように、羽本体部5は隣接する人工羽根3同士で部分的に重なるように配置されている。羽本体部5の重なり状態を維持するため、1つの人工羽根3の羽本体部5に接続された固着軸部10の周囲を周回するとともに、2つの羽本体部5の重なった部分の間を通って隣接する他の人工羽根3の固着軸部10にまで到達し、当該固着軸部10の周囲を周回する中糸を縫製により配置してもよい。このようにして、図50および図51に示した人工羽根3を用いて図1に示す構成のシャトルコック1を製造することができる。
また、上記固定部材の材料としては、すでに説明したように樹脂や繊維など任意の材料を用いることができる。たとえば、紐状部材としてアラミド繊維またはガラス繊維を用い、当該アラミド繊維またはガラス繊維に樹脂(たとえば熱硬化性樹脂)を含浸し、当該樹脂を硬化することでFRP化した固定部材を用いることが好ましい。このようにFRP化することによって、固定部材の強度や剛性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂としてはたとえばエポキシ樹脂やフェノール樹脂を用いることができる。このようにFRP化のために熱硬化性樹脂を用いれば、固定部材を軸7と固定するための加工において加熱工程を行なう場合などに、同時に熱硬化性樹脂により固定部材のFRP化を容易に行なうことができる。
図54を参照して、図50および図51に示した本発明による人工羽根の変形例を説明する。なお、図54は図51に対応する。
図54に示した軸を備える人工羽根は、基本的に図50および図51に示す人工羽根3と同様の構造を備えるが、軸7の本体部23の断面形状が異なっている。具体的には、図54に示した軸7の本体部23は、中心軸部21から左右方向に2つの薄肉リブ部22bが延びる一方、中心軸部21の下側から一方のみに厚肉リブ部22aが延在している。なお、薄肉リブ部22bの外周端部には可撓性部材としての薄肉部24が本体部23と一体に形成されている。この薄肉部24は、網掛け紐状体13に押圧されるこにより屈曲した状態になっている。このような、いわゆる断面がT字状の本体部23となっている軸を用いた人工羽根によっても、図50および図51に示した人工羽根3と同様の効果を得ることができる。また、上述した各実施の形態のシャトルコックにおいては、他の実施の形態において用いられた構成を適宜組合わせて適用することができる。たとえば、実施の形態3〜5のシャトルコックに対して実施の形態2のシャトルコックにおける補強用固定部材としての周回紐状体14を適用してもよい。また、実施の形態4以外の実施の形態におけるシャトルコックについて、実施の形態4における被覆部材35を適用してもよい。
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、水鳥の羽根を用いたバドミントン用シャトルコックと同等の飛翔特性および耐久性を有する、人工羽根を用いたバドミントン用シャトルコックに有利に適用される。
1 シャトルコック、3 人工羽根、5 羽本体部、6 羽本体部となるべき部分、7 軸、8 羽軸部、9 シート状部材、10 固着軸部、12 突出部、13 網掛け紐状体、14 周回紐状体、21 中心軸部、22 リブ部、22a、厚肉リブ部、22b 薄肉リブ部、23 本体部、24 薄肉部、31,33 フラップ部、32 縁部、34 接着剤、35 被覆部材、41 凸部、42 凹部。

Claims (10)

  1. 半球状のベース本体と、
    羽部および前記羽部に接続された軸を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、前記ベース本体に固定された複数の人工羽根と、
    複数の前記人工羽根の前記軸を互いに固定する固定部材とを備え、
    前記軸の前記固定部材と対向する表面の少なくとも一部に可撓性部材が配置され、
    前記固定部材が前記可撓性部材を押圧することにより、前記可撓性部材が変形した状態で、前記固定部材と前記可撓性部材とが接着部材を介して接続固定されている、バドミントン用シャトルコック。
  2. 半球状のベース本体と、
    羽部および前記羽部に接続された軸を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、前記ベース本体に固定された複数の人工羽根と、
    複数の前記人工羽根の前記軸を互いに固定する固定部材とを備え、
    前記軸の前記固定部材と対向する表面の少なくとも一部に多孔質または繊維質からなる補強部材が配置され、
    前記固定部材と前記補強部材とが、接着部材を介して接続固定されており、
    前記接着部材の少なくとも一部が前記補強部材に含浸している、バドミントン用シャトルコック。
  3. 前記固定部材が前記補強部材を押圧することにより、前記補強部材が変形した状態で固定されている、請求の範囲第2項に記載のバドミントン用シャトルコック。
  4. 半球状のベース本体と、
    羽部および前記羽部に接続された軸を含み、環状に配置されるとともに部分的に重なるように、前記ベース本体に固定された複数の人工羽根と、
    複数の前記人工羽根の前記軸を互いに固定する固定部材とを備え、
    前記軸の前記固定部材と対向する表面の少なくとも一部には、可撓性部材が前記軸と一体に形成され、
    前記固定部材が前記可撓性部材を押圧することにより、前記可撓性部材が変形した状態で、前記固定部材と前記可撓性部材とが接着部材を介して接続固定されている、バドミントン用シャトルコック。
  5. 前記固定部材は、複数の前記人工羽根の前記軸を繋ぐように巻きつけられた紐状体を含む、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載のバドミントン用シャトルコック。
  6. 前記固定部材はFRP化されている、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載のバドミントン用シャトルコック。
  7. 前記固定部材は熱硬化性樹脂を含む、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載のバドミントン用シャトルコック。
  8. 前記固定部材は、ガラスまたはアラミド繊維からなる糸を含む、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載のバドミントン用シャトルコック。
  9. 前記固定部材に接続され、環状に配置された前記複数の人工羽根の外周面を周回するように配置された補強用固定部材をさらに備える、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載のバドミントン用シャトルコック。
  10. 前記固定部材の外周面を覆う被覆部材をさらに備える、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載のバドミントン用シャトルコック。
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